説明

POSレジスタ及びPOSシステム

【課題】どのような顧客であっても顧客の会計操作を正確に監視する。
【解決手段】買上商品の商品登録を行う印刷用POSレジスタ200と、顧客が操作することにより該買上商品の会計を行う会計用POSレジスタ300bとを有するPOSシステム2において、会計を開始したことを検出し、当該会計開始後の会計処理の経過を監視することでどのような会計状態にあるかを報知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、POSレジスタ及びPOSシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
店舗において顧客自らがキャッシュレジスタ装置(以下、POSレジスタと称す)を操作して、顧客が購入する商品に付されたコード情報をPOSレジスタに読み取らせるセルフレジスタ装置が既に提案されている。
そのようなセルフレジスタ装置でエラーが発生した場合、当該エラーを店員に知らせるため、エラーが発生している状態を報知するためのランプが設けられたセルフレジスタ装置が提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
このようにセルフレジスタ装置は、自装置において何らかの問題が発生したことを検知した場合、ランプを点灯させることによって、店員にその問題の発生を知らせることができる。また、監視端末がセルフレジスタ装置と通信可能であり、通信を介してセルフレジスタ装置の動作状況を監視し、問題が発生した場合にはその旨を表示することが提案されている(特許文献2参照)。これにより、店員はセルフレジスタ装置から離れていても、所定の位置に設置された監視端末を見ることによって、セルフレジスタ装置に生じた問題を把握することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−072561号公報
【特許文献2】特開平09−120484号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、セルフレジスタ装置にランプが設置されていても、セルフレジスタ装置に不慣れな顧客が会計操作に手間取ってしまい時間を要していることを店員が把握することができない問題があった。また、店員が監視端末でセルフレジスタ装置の動作状況を監視していても、店員は顧客の会計状況を把握することができなかった。そのため、セルフレジスタ装置の前に会計待ちの行列ができてしまっていた。
【0006】
また、小売店において顧客の操作によって顧客が購入する商品に付されたコード情報をPOSレジスタに読み取らせた後に代金を支払う会計処理は、一般に普及しているとはいえない。このことから、このような方式に慣れていない顧客は、操作方法が分からずに会計を開始することができない、あるいは操作ミス等により会計処理が長時間になってしまい顧客の待ち行列が発生する、あるいは顧客が未会計のまま店から出てしまう恐れがあるという問題がある。
【0007】
そこで本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、会計開始から経過した時間が予め決められた所定の時間を越える前に、顧客が会計操作に時間を要していることを店員が把握することを可能とするPOSレジスタ及びPOSシステムを提供することを課題とする。
【0008】
さらに本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、どのような顧客であっても顧客の会計操作を正確に監視することを可能とするPOSレジスタ及びPOSシステムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
[1]上記の課題を解決するために、本発明の一態様であるPOSシステムは、買上商品の商品登録を行う登録手段と、顧客が操作することにより該買上商品の会計を行う会計手段とを有するPOSシステムにおいて、会計を開始したことを検出し、該会計開始後の会計処理の経過を監視することでどのような会計状態にあるかを報知することを特徴とする。
上記POSシステムによれば、会計を開始したことを検出するので、その後の経過を正しく監視することができる。そのため、店舗としては顧客による会計処理のトラブルが大きくなる前に早めに対処できる。
【0010】
[2]上記[1]に記載のPOSシステムは、前記登録手段に買上情報を顧客毎に記録する記録手段を設け、前記会計手段に前記記録された顧客の買上情報を読み出す読出手段と操作位置に人の存在を検知する人感センサとを設け、前記会計手段は、該人感センサが所定時間連続して人を検知することにより前記会計の開始を検出することを特徴とする。
これによれば、登録手段と会計手段とが離れているシステムの場合に、顧客が会計手段の前に暫く立つことで会計の監視を開始することができるので、顧客が会計開始の操作が出来ない場合の監視ができる。また、会計開始の操作をすることなく会計手段の前に暫く立つことで会計をしている振りをしている顧客を検出することができるので、顧客が未会計のまま店を出てしまうのを防止することができる。
【0011】
[3]上記[1]または[2]に記載のPOSシステムは、前記登録手段に買上情報を顧客毎に記録する記録手段を設け、前記会計手段に前記記録された顧客の買上情報を読み出す読出手段と操作位置に人の存在を検知する人感センサを設け、前記会計手段は、前記会計を開始してから終了するまでに該人感センサが所定時間連続して人を検知しない場合にはその旨を報知することを特徴とする。
これによれば、登録手段と会計手段とが離れているシステムの場合に、会計を開始したが会計を終了しないで立ち去ってしまう顧客を検出できるので、顧客が未会計のまま店を出てしまうのを防止することができる。
【0012】
[4]上記[1]から[3]のいずれかに記載のPOSシステムは、顧客の買い上げ情報を含む会計用コードを読み取るスキャナ部を備え、前記スキャナ部が前記会計用コードの読み取りを開始したときに、前記会計開始を検出することを特徴とする。
これによれば、会計用コードの読み取りを開始したときに会計開始を検出することにより計時手段による計時が開始されるので、会計用コードが読み取られた時からの時間を計時することができる。これにより、顧客の会計操作に要している時間を正確に計時することができる。
【0013】
[5]本発明の一態様であるPOSシステムは、顧客が購入する商品に付されたコード情報を読み取った後、該読み取ったコード情報に基づき前記顧客の買い上げ情報を含む会計用コードを印刷媒体に印刷する登録装置と、前記印刷媒体に印刷された会計用コードに基づいて会計処理を行う会計装置とを有するPOSシステムにおいて、前記会計装置は、会計を開始した時から経過した時間を計時する計時手段と、外部に自装置の会計処理状況を報知する報知手段と、前記経過した時間が予め決められた所定の時間を越える迄に前記経過した時間に応じて、前記報知手段の報知の態様を変更する報知制御手段と、を備えることを特徴とする。
これによれば、会計を開始した旨の会計開始情報を受信した時から経過した時間に応じて、報知手段の報知の態様を変更することができるので、経過した時間が予め決められた所定の時間を越える(会計処理がエラーに至る)前に、店員が顧客の会計操作に要している時間を把握することができる。これにより、店員は、適切なタイミングで顧客のサポートをエラーに至る前に行うことができる。
【0014】
[6]上記[5]に記載のPOSシステムは、前記会計装置から前記計時手段が計時した時間を示す計時情報を受信する端末装置を更に備え、前記会計装置は、前記端末装置へ前記計時情報を送信する無線通信手段を更に備え、前記端末装置は、前記計時情報に基づいて、外部へ報知する態様を変更する外部報知手段を備えることを特徴とする。
これによれば、発光手段の点滅の態様を変更するときに、計時情報を無線通信手段から送信するができるので、店員が直接会計用POSレジスタの発光手段を見ることができない時でも、店員が何処にいても顧客の会計操作に要している時間を会計処理がエラーに至る前に把握することができる。これにより、店員は、適切なタイミングで顧客のサポートを会計処理がエラーに至る前に行うことができる。
【0015】
[7]本発明の一態様であるPOSレジスタは、登録手段を用いて顧客が購入する商品を登録し、該登録手段により登録された商品の会計を行うPOSレジスタにおいて、会計を開始した時から経過した時間を計時する計時手段と、外部に自装置の会計処理状況を報知する報知手段と、前記経過した時間が予め決められた所定の時間を越える迄に前記経過した時間に応じて、前記報知手段の報知の態様を変更する報知制御手段と、を備えることを特徴とする。
上記POSレジスタによれば、会計を開始した旨の会計開始情報を受信した時から経過した時間に応じて、報知手段の報知の態様を変更することができるので、経過した時間が予め決められた所定の時間を越える(会計処理がエラーに至る)前に、店員が顧客の会計操作に要している時間を把握することができる。これにより、店員は、適切なタイミングで会計処理がエラーに至る前に顧客のサポートをすることができ、会計待ちの行列が出来る原因を解消することができる。
【0016】
[8]上記[7]に記載のPOSレジスタは、端末装置へ前記計時手段が計時した時間を示す計時情報を無線で送信する無線通信手段と、前記報知の態様を変更するときに、前記計時情報を前記無線通信手段から送信するよう制御する無線制御手段と、を備えること特徴とする。
これによれば、発光手段の点滅の態様を変更するときに、計時情報を無線通信手段から送信するができるので、店員が直接会計用POSレジスタの発光手段を見ることができない時でも、店員が顧客の会計操作に要している時間を把握することができる。これにより、店員は、適切なタイミングで顧客のサポートをすることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、どのような顧客であっても顧客の会計操作を正確に監視することができるので、店員は操作方法が分からずに会計を開始することができない顧客、あるいは操作ミス等により会計処理が長時間になってしまう顧客、あるいは未会計のまま店から出てしまう顧客に速やかに対応することができる。
また、本発明によれば、会計開始から経過した時間が予め決められた所定の時間を越える前に、顧客が会計操作に時間を要していることを店員が把握することができる。これにより、店員は顧客の会計がエラーに至る前に顧客のサポートを行うことができる。さらに、店員が適切なタイミングで顧客のサポートを行うことができるので、会計を待つ顧客の行列を出来にくくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1の実施形態におけるPOSシステムの構成を示した概略図である。
【図2】第1の実施形態における印刷用POSレジスタの機能ブロック図である。
【図3】第1の実施形態における印刷用POSレジスタによって印刷される2次元コードの1例である。
【図4】第1の実施形態における会計用POSレジスタの外観構造を示す斜視図の1例である。
【図5】第1の実施形態における会計用POSレジスタの機能ブロック図である。
【図6】会計開始から経過した経過時間とサインポール部の点滅間隔との関係を説明するためのテーブルの1例である。
【図7】第1の実施形態における携帯端末(端末装置)の機能ブロック図である。
【図8】第1の実施形態におけるPOSシステムの構成を示したイメージ図である。
【図9】第1の実施形態における印刷用POSレジスタのレシートへの印刷処理の流れを示したフローチャートである。
【図10】第1の実施形態における会計用POSレジスタの会計処理の流れを示したフローチャートである。
【図11】第2の実施形態におけるPOSシステムの構成を示した概略図である。
【図12】第2の実施形態における会計用POSレジスタの外観構造を示す斜視図の1例である。
【図13】第2の実施形態における会計用POSレジスタの構成を示した概略図である。
【図14】第2の実施形態における会計用POSレジスタの会計処理の流れを示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
<第1の実施形態>
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実施形態によるPOSシステム1の構成を示した概略図である。図1に示すように、POSシステム1は、ストアコントローラ100と、N台(Nは1以上の整数)の印刷用POSレジスタ(登録手段)200と、M台(Mは1以上の整数)の会計用POSレジスタ(会計手段)300と、L台(Lは1以上の整数)の携帯端末(端末装置)400とを有する。
【0020】
ストアコントローラ100と印刷用POSレジスタ200とがLAN(Local Area Network)110を介して接続されているものと、接続されていない印刷用POSレジスタ200とが存在する。また、会計用POSレジスタ300も同様に、LAN110を介してストアコントローラ100と接続されているものと、接続されていない会計用POSレジスタ200とが存在する。
【0021】
図1において、各印刷用POSレジスタ200と各会計用POSレジスタ300とは、LAN110を介して接続されていなくとも良いことを示している。なお、LAN接続の形態は、有線、あるいは無線など何れの接続であってもよい。
【0022】
ストアコントローラ100は、POSシステム1を制御するコンピュータであって、商品マスタなどの種々の情報を管理する。ストアコントローラ100は、適宜、最新の商品マスタを各印刷用POSレジスタ200と会計用POSレジスタ300に送信する。なお、商品マスタは、各商品の商品識別情報、商品名称、販売価格などの商品情報を格納したファイルであって、適宜、更新される。
【0023】
印刷用POSレジスタ200は、顧客が購入する商品の全ての買い上げ情報をコードにしてレシートへ印刷するための装置である。印刷用POSレジスタ200は、種々の操作キーや表示部などを備える。印刷用POSレジスタ200は、店員の操作により顧客が購入する商品に付されたバーコード(商品コード)を読み取るバーコードスキャナが接続されている。
【0024】
印刷媒体(レシート用紙)に印刷されるコード(精算用コード)は、2次元コード(例えば、QR(Quick Response)コード(登録商標))である。従って、印刷用POSレジスタ200は、前記顧客が購入する商品に付されたコード情報(バーコード)を読み取り、当該読み取ったバーコードに基づいて、顧客の買い上げ情報を表すコード(2次元コード)に変換する。印刷用POSレジスタ200は、変換後の2次元コードをレシートへ印刷する。なお、印刷用POSレジスタ200は、LAN110を介してストアコントローラ100に接続されていなくとも印刷に支障があるわけではない。
【0025】
会計用POSレジスタ300は、印刷媒体(レシート)に印刷されたコード(精算用コード:例えば、2次元コード)を読み取って会計を行なうための装置である。会計用POSレジスタ300は、最新の商品マスタをストアコントローラ100から直接的に適宜取得し、会計用POSレジスタ300が備える後述するRAM303に記憶することができる。なお、メディア(例えば、CD−ROM)を用いて、予め最新の商品マスタを会計用POSレジスタ300のRAM303に保存しておけば、前記LANを介してストアコントローラ100に接続されていなくとも会計には支障ない。
【0026】
図2は、第1の実施形態における印刷用POSレジスタの機能ブロック図である。印刷用POSレジスタ200は、CPU(Central Processing Unit)201と、ROM202と、RAM203と、スキャナ部(読み取り手段)204と、表示部(店員用)205と、表示部(客用)205aと、操作部206と、通信部207と、ブザー208と、レシート印刷部(印刷手段)209と、ハードディスク210とを備える。各構成要素は、互いにバスを介して接続されており相互に通信可能である。
【0027】
CPU201は、中央処理装置であり、ROM202に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、印刷用POSレジスタ200の動作を制御する。ROM202は、上記プログラムを記憶している読み出し専用メモリである。RAM203は、種々の情報を記憶する随時読み出し書き込みメモリである。
スキャナ部204は、商品に付されているバーコード(商品コード)を光学的に読み取る。CPU201は、スキャナ部204によって読み取られたバーコード(商品コード)をRAM203に記憶させる。
【0028】
表示部(店員用)205および表示部(客用)205aは、種々の情報を表示する。例えば、表示部(店員用)205および表示部(客用)205aは、商品マスタから取得した情報(例えば、商品の名称、価格等)を表示する。また、表示部(店員用)205は、一例としてタッチパネル式(例えば、液晶タッチパネル)であるため、店員への表示に加え、画面に設けられたボタン(プリセットボタン)に予め設定登録されている商品の商品情報(商品コード等)の入力を受け付ける。
【0029】
操作部206は、印刷用POSレジスタ200を動作させる各種のキー、小計キー、現計キー、置数キー、訂正キー、プリセットキー等の操作ボタンからなる。例えば、操作部206は、予めプリセットキーに設定登録されている商品情報(商品コード等)の入力を受け付ける。
【0030】
通信部207は、LAN110を経由しストアコントローラ100と通信する。なお、当該印刷用POSレジスタ200は、顧客の買い上げ情報(順番情報を含む)を2次元コードでレシートへ印刷する装置であるので、通信部207は、LAN110を介してストアコントローラ100等に接続されていなくとも良い。ブザー208は、操作の確認が必要な時などにブザー音を発生させるものである。
【0031】
レシート印刷部209は、2次元コード(QRコード(登録商標))をレシートへ印刷する。ハードディスク210には、顧客の買い上げ情報が記憶される。CPU201は、レシートへ2次元コードを印刷後、RAM203に記憶されている顧客の買い上げ情報(順番情報を含む)をハードディスク210に記憶させる。
【0032】
図3は、第1の実施形態における印刷用POSレジスタによって印刷される2次元コードの1例である。レシート40には、顧客への案内文41と、2次元コード42bと、2次元コード43bと、それぞれの読み取り順番42aと、読み取り順番42bとが示されている。
読み取り順番42aは「1/2」と示されており、分母は読み取るべき2次元コードの数(ここでは、2つ)を意味し、分子は2次元コード42bを読み取り順番(ここでは、1番目に読み取ること)を意味する。
【0033】
同様に、読み取り順番43aは「2/2」と示されており、分子は読み取るべき2次元コードの数(ここでは、2つ)を意味し、分子は2次元コード43bを読み取り順番(ここでは、2番目に読み取ること)を意味する。
【0034】
図4は、第1の実施形態における会計用POSレジスタの外観構造を示す斜視図の1例である。同図において、会計用POSレジスタ300は、スキャナ部304と、表示部305と、釣銭釣札部310と、サインポール部(発光手段)321とを備える。
スキャナ部304は、1例として表示部305の下に位置している。スキャナ部304は、印刷媒体(例えば、レシート)に印刷された会計用コード(例えば、2次元コード)を読み取る。
表示部305は、CPU301から供給された買い上げ明細の情報を表示する。
【0035】
釣銭釣札部310は、1例として会計用POSレジスタ300の下部前面に位置している。釣銭釣札部310は、スキャナ部304の下側に設けられており、硬貨出金口310aと、硬貨入金口310bと、紙幣入出金口310cとを有している。硬貨出金口310aは、1例として前面下部中央部に配置され、凹部から硬貨の釣銭が排出される。硬貨入金口310bは、1例として硬貨出金口310aの上部に配置され、上記とは別の凹部から硬貨が投入される。紙幣入出金口310cは、1例として硬貨入金口310bに向かって右側に配置され、紙幣が水平に投入/排出される。
【0036】
サインポール部(発光手段)321は、1例として向かって右奥に立てられて、先端の発光部が点灯または点滅する。
【0037】
図5は、第1の実施形態における会計用POSレジスタの機能ブロック図である。会計用POSレジスタ300は、CPU301と、ROM302と、RAM303と、スキャナ部(読み取り手段)304と、表示部305と、操作部306と、通信部307と、ブザー308と、印刷部309と、釣札釣銭部310と、報知部(報知手段)320と、無線通信部312と、アンテナ部313とを備える。報知部(報知手段)320は、サインポール部(発光手段)321を備える。各構成要素は、バスを介して接続されており相互に通信可能である。
【0038】
CPU301は、中央処理装置であり、ROM302に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、会計用POSレジスタ300の動作を制御する。
【0039】
まず、CPU301は、会計手段301aとして、以下の処理を行う。CPU301は、釣銭釣札部310に硬貨の排出を指示する硬貨排出指示情報または紙幣の排出を指示する紙幣排出指示情報を供給する。
また、CPU301は、釣銭釣札部310から供給された投入された硬貨の金額を示す硬貨金額情報と投入された紙幣の金額を示す紙幣金額情報とを用いて、投入された硬貨の金額と投入された紙幣の金額とを加算し、投入された総額を示す総額情報を算出する。
【0040】
また、CPU301は、後述するスキャナ部304から供給された買い上げ情報から、買い上げ総額を算出する。CPU301は、買い上げ総額から現在までに投入された総額を差分し、残額を算出する。
CPU301は、買い上げ総額と、現在までに投入された総額と、残額を表示部305に表示させる。これにより、顧客はあと幾ら金額を投入すべきか把握することができる。
【0041】
続いて、CPU301は、開始情報取得手段301bとして以下の処理を行う。CPU301は、後述するスキャナ部304から2次元コードの情報が供給されると、会計を開始した旨の会計開始情報を後段の計時手段に供給する。
CPU301は、スキャナ部304で読み取られた2次元コードの情報から、顧客の買い上げ情報を抽出し、所定の形式の買い上げ明細として表示部305に表示させる。
【0042】
続いて、CPU301は、計時手段301cとして以下の処理を行う。CPU301は、会計を開始した旨の会計開始情報を受信した場合に、その会計開始情報を受信した時から経過した時間(以下、会計経過時間と称する)を計時する。
続いて、CPU301は、報知制御手段301dとして以下の処理を行う。CPU301は、予め決められた所定の会計経過時間が経過すると、会計処理がエラーに至ったと判定する。CPU301は、会計処理がエラーに至る迄、会計経過時間を示す経過時間情報に応じて、サインポール部(発光手段)321を点灯させる点灯指示情報または点滅させる点滅指示情報を生成し、点灯指示情報または点滅指示情報をサインポール部(発光手段)321に供給する。
【0043】
具体的には、例えば、CPU301は、点滅を3段階に変化させ、経過時間が長くなると点滅間隔を短くする。まず、CPU301は、会計を開始した旨の会計開始情報を受信すると、サインポール部(発光手段)321を点灯させる。
【0044】
図6は、会計開始から経過した経過時間とサインポール部の点滅間隔との関係を説明するためのテーブルの1例である。同図には、緊急度と、会計経過時間[秒]と、点滅継続時間[秒]と、点滅間隔[秒]が関係付けられたテーブルT1が示されている。テーブルT1は、RAM303に記憶されており、CPU301は、テーブルT1内の各数値を変更することができる。
【0045】
前記テーブルの最終行の各設定値は、CPU301が当該POSレジスタにおける会計処理で予め決められた所定の時間(図6の例では、70[秒])内に会計処理が終了しなかったこと、すなわち会計処理がエラーに至ったことを店員へ報知する際に読み出すものである。一方、1行目から最終行未満の各テーブルの各設定値は、CPU301がエラーに至る前に顧客をサポートしなければならない緊急度合を店員へ報知する際に読み出すものである。
【0046】
CPU301は、会計経過時間が20[秒]を過ぎると、緊急度1(観察)と判定し、点滅間隔を3[秒]とし、その点滅継続期間を20[秒]とする点滅指示情報をサインポール部(発光手段)321に供給する。このことにより、CPU301は、サインポール部(発光手段)321を点滅間隔3[秒]で、20秒間点滅させる。
【0047】
更に、CPU301は、会計経過時間が40[秒]を過ぎると、緊急度2(注意)と判定し、点滅間隔を2[秒]とし、その点滅継続期間を15[秒]とする点滅指示情報をサインポール部(発光手段)321に供給する。このことにより、CPU301は、サインポール部(発光手段)321を点滅間隔2[秒]で、15秒間点滅させる。
【0048】
更に、CPU301は、会計経過時間が55[秒]を過ぎると、緊急度3(警告)と判定し、点滅間隔を1[秒]とし、その点滅継続期間を15[秒]とする点滅指示情報をサインポール部(発光手段)321に供給する。このことにより、CPU301は、サインポール部(発光手段)321を点滅間隔1[秒]で、15秒間点滅させる。
【0049】
更に、CPU301は、会計経過時間が70[秒]を過ぎると、緊急度4(エラー)と判定し、点滅間隔を0.5[秒]とし、その点滅継続期間を無限大とする点滅指示情報をサインポール部(発光手段)321に供給する。このことにより、CPU301は、サインポール部(発光手段)321を点滅間隔0.5[秒]で、停止信号を受信するまで点滅させる。
【0050】
これにより、CPU301は、当該POSレジスタで会計を行なっている顧客が操作を続行することができない何らかの事情(問題)が生じていることを店員へ伝えることができる。前記顧客の事情としては、機械の操作に不安を感じ会計操作ができない、或いは、誤った操作の訂正方法がわからない、或いは、会計方法を会計の途中で変更したいがその方法がわからない、或いは、お財布やカードを探すのに時間を要してしまった等が想定される。
【0051】
点滅間隔が短くなることにより、店員はそのPOSレジスタを操作している顧客に対してどれだけ緊急に対応するべきかを表す緊急度を知ることができる。これにより、店員は、緊急度が高い顧客を優先的にサポートすることができる。
例えば、通常、店員は、サインポール部(発光手段)321が3秒間隔で点滅している間に顧客に対してサポートを行う。サインポール部(発光手段)321が点滅しているPOSレジスタが複数存在する場合、店員は、点滅間隔がより短い方を緊急度が高いと判断することができるので、より長い時間操作に時間を要している顧客に対して会計処理がエラーに至る前にサポートを行うことができる。
【0052】
また、CPU301は、無線制御手段301eとして以下の処理を行う。CPU301は、サインポール311に上記点滅指示情報を供給する時に、計時手段が計時した時間を示す計時情報を無線通信部312に供給し、その計時情報を図示の携帯端末(端末装置)に無線送信するよう無線通信部312を制御する。
なお、CPU301は、点滅間隔を示す点滅間隔情報と、点滅を継続する時間を示す点滅継続時間情報とを無線通信部312に供給してもよい。
【0053】
図5に戻って、ROM302は、上記プログラムを記憶している読み出し専用メモリである。
スキャナ部304は、前記印刷用POSレジスタ200で印刷されたレシートの会計用コード(例えば、2次元コード(代表例として、QRコード(登録商標))を光学的に読み取る。スキャナ部304は、読み取った買い上げ情報をCPU301へ供給する。
RAM303は、種々の情報を記憶する随時読み出し書き込みメモリである。例えば、RAM303には、ストアコントローラ100から取得した商品マスタ、スキャナ部304によって読み取られた2次元バーコードによって示される商品の買い上げ情報などが記憶されている。
【0054】
表示部305は、種々の情報を表示する。例えば、CPU301は、スキャナ部304で読み取られた買い上げ情報に基づき、顧客が購入する商品の買い上げ明細を表示させる。操作部306(入力手段)は、POSレジスタ300を動作させる各種のキー(例えば、小計キー、現計キー、置数キー、訂正キー、預りキー等)の操作ボタンを備える。
【0055】
通信部307は、LAN110を経由しストアコントローラ100と通信する。例えば、通信部307は、ストアコントローラ100と接続して、ストアコントローラ10から最新の商品マスタを取得する。ブザー308は、CPU301からの指示により、会計処理のエラー等を示すブザー音を発生させる。印刷部309は顧客の会計終了後、当該顧客が持ち帰る会計済みレシートを印刷する。
【0056】
釣銭釣札部310は、硬貨出金口310aと、硬貨入金口310bと、紙幣入出金口310cとを有する。硬貨出金口310aは、CPU301から供給された硬貨の排出を指示する硬貨排出指示情報に従って、凹部から硬貨の釣銭を排出する。硬貨入金口310bは、上記とは別の凹部から硬貨が投入された場合に、硬貨の種類とそれぞれの枚数を計数し、投入された金額を算出し、算出した金額を示す硬貨金額情報をCPU301へ供給する。
【0057】
紙幣入出金口310cは、CPU301から供給された紙幣の排出を指示する紙幣排出指示情報に従って、紙幣を排出する。紙幣入出金口310cは、紙幣が投入された場合に、紙幣の種類とそれぞれの枚数を計数し、投入された金額を算出し、算出した金額を示す紙幣金額情報をCPU301へ供給する。
【0058】
サインポール部(発光手段)321は、報知手段の発光手段として動作し、CPU301から供給された点灯指示情報に応じてそれぞれ点灯する。また、サインポール部(発光手段)321は、CPU301から供給された点滅指示情報に応じて点滅する。
【0059】
無線通信部312は、CPU301から供給された点滅間隔を示す点滅間隔情報と、点滅を継続する時間を示す点滅継続時間情報とを含んだ無線信号を生成し、その無線信号をアンテナ部313から不図示の携帯端末(端末装置)に無線送信する。これにより、サインポール部(発光手段)321が点滅している最中に、サインポール部(発光手段)321が点滅している点滅間隔と同じ時間間隔で、同じ継続時間だけ携帯端末(端末装置)を振動させることができる。
【0060】
図7は、第1の実施形態における携帯端末(端末装置)の機能ブロック図である。携帯端末(端末装置)400は、アンテナ部401と、無線受信部402と、制御部403と、外部報知部410とを備える。
外部報知部410は、振動部411を備える。振動部411は、制御部403から供給された制御信号に応じて、振動する。
【0061】
アンテナ部401は、会計用POSレジスタ300から送信された点滅間隔を示す点滅間隔情報と、点滅を継続する時間を示す点滅継続時間情報とを含んだ無線信号を受信し、無線信号を無線受信部402へ供給する。
【0062】
無線受信部402は、その無線信号を復調し複合して、計時情報を取り出す。無線受信部402は、取り出した計時情報を制御部403に供給する。
【0063】
制御部403は、無線受信部402から供給された計時情報から、振動部411が点滅間隔と同じ間隔で、点滅継続時間と同じ時間だけ振動するようにする制御信号(例えば、振動部411内部のモータを駆動する電圧)を生成し、その制御信号を振動部411へ供給する。
これにより、制御部403は、サインポール部(発光手段)321が点滅している最中に、サインポール部(発光手段)321が点滅している点滅間隔と同じ時間間隔で、同じ継続時間だけ携帯端末(端末装置)を振動させることができる。
【0064】
なお、制御部403は、外部報知部410が備える不図示の発光部412に制御信号を供給し、サインポール部(発光手段)321が点滅している最中に、サインポール部(発光手段)321が点滅している点滅間隔と同じ時間間隔で、同じ継続時間だけ発光部412を点滅させてもよい。
また、制御部403は、外部報知部410が備える不図示のスピーカー413に制御信号を供給し、サインポール部(発光手段)321が点滅している最中に、サインポール部(発光手段)321が点滅している点滅間隔と同じ時間間隔で、同じ継続時間だけスピーカー413から所定の音を鳴らしてもよい。
【0065】
図8は、第1の実施形態におけるPOSシステム1の構成を示したイメージ図である。第1の実施形態におけるPOSシステムでは、まず、印刷用POSレジスタ200のスキャナ部204が、顧客が購入する商品のバーコードを読み取る。印刷用POSレジスタ200は、読み取った買い上げ情報に基づいて、会計用コードをレシートに印刷する。
【0066】
そして、顧客は、そのレシートを持って、会計用POSレジスタ300の前まで移動する。会計用POSレジスタ300のスキャナ部304は、そのレシートに印刷された会計用コードを読み取る。会計用POSレジスタ300は、読み取った買い上げ情報に基づいて、買い上げ総額を含む買い上げ明細を表示部305に表示する。会計用POSレジスタ300は、顧客により投入された紙幣または硬貨を計数し、投入された総額を算出する。
会計用POSレジスタ300は、お釣りを算出し、お釣りがあればお釣りを供給する。
【0067】
図9は、第1の実施形態における印刷用POSレジスタのレシートへの印刷処理の流れを示したフローチャートである。まず、印刷用POSレジスタ200のスキャナ部204は、商品のバーコードを読み込む(ステップS101)。CPU201は、RAM203に当該読み込んだ商品の商品情報を記憶させる(ステップS102)。買い物かごに入っている全ての商品のバーコードが読まれるまで、ステップS101からステップS102までの処理を繰り返す。
なお、前記読み込んだバーコードに基づき、商品マスタや特売情報をRAM203から読み込み、商品情報を表示部(店員用)205に表示させるようにしてもよい。
【0068】
買い物かごに入っている全ての商品のバーコードが読まれたら、店員は操作部206にある「印刷」ボタンまたは「現計」キーを押す。操作部206が、「印刷」ボタンまたは「現計」キーが押された旨をCPU201に通知した場合(ステップS103 YES)、CPU201は、記憶された商品情報をRAM203から全て読み込む(ステップS104)。
【0069】
CPU201は、読み込んだ商品情報に基づき、読み込んだ商品情報の件数を算出し、該読み込んだ商品情報の件数が所定の件数を超える毎に、所定件数の買い上げ情報と所定件数毎の順番を含む2次元コードを印刷するようレシート印刷部209を制御する(ステップS105)。CPU201は、商品情報の件数が所定件数を超える場合には、所定件数毎に上記2次元コードを印刷するようレシート印刷部209を制御する。以上で、本フローチャートの処理を終了する。
【0070】
図10は、第1の実施形態における会計用POSレジスタの会計処理の流れを示したフローチャートである。
まず、CPU301は、スキャナ部304で読み取られた2次元コードの情報から、顧客の買い上げ情報を抽出する(ステップS201)。また、CPU301は、制御手段として動作し、後述するスキャナ部304から2次元コードの情報が供給されると、会計を開始した旨の会計開始情報を後段の計時手段に供給する。
【0071】
次に、CPU301は、計時手段として、会計開始情報が供給された時から経過した時間(会計経過時間)の計時を開始する(ステップS202)。
次に、CPU301は、抽出した買い上げ情報を所定の形式の買い上げ明細として表示部305に表示させる(ステップS203)。
【0072】
次に、CPU301は、投入された金額と買い上げ総額とを比較する(ステップS204)。投入された金額が買い上げ総額に満たない場合には(ステップS204 NO)、CPU301は、そのまま更に紙幣または硬貨が投入され、釣銭釣札部310からその情報が供給されるのを待つ(ステップS204)。
【0073】
一方、投入された金額が買い上げ総額以上の場合には(ステップS204 YES)、CPU301は、投入された金額から買い上げ総額を差分し、お釣りを算出する(ステップS205)。CPU301は、お釣りを釣銭釣札部310から外部へ供給するよう制御する。次に、CPU301は、サインポール部(発光手段)321に消灯を指示する消灯指示のフラグを立てる(ステップS206)。
【0074】
次に、CPU301は、消灯指示のフラグが立っているか否か判定する(ステップS207)。消灯指示のフラグが立っていない場合には(ステップS207 NO)、CPU301は、RAM303に記憶されているテーブルT1を参照し会計経過時間が20秒を超えたか否か判定する(ステップS208)。会計経過時間が20秒以下の場合(ステップS208 NO)、CPU301はステップS207の処理に戻る。
【0075】
会計経過時間が20秒を超えた場合(ステップS208 YES)、CPU301はサインポール部(発光手段)321を3秒間隔で点滅させる(ステップS209)。
次に、CPU301はRAM303に記憶されているテーブルT1を参照し会計経過時間が所定の時間(例えば、40、55、70[秒])経過したか否か判定する(ステップS210)。会計経過時間が所定の時間経過した場合(ステップS210 YES)、CPU301はその会計経過時間とRAM303に記憶されているテーブルT1とに基づいて点滅間隔を変更させる(ステップS211)。
【0076】
会計経過時間が所定の時間経過していない場合(ステップS210 NO)、CPU301はステップS207の処理に戻る。
ステップS207に戻って、消灯指示のフラグが立っている場合には(ステップS207 YES)、CPU301は計時を終了する(ステップS212)。そして、CPU301は、サインポール部(発光手段)321を消灯させる(ステップS213)。以上で、本フローチャートの処理を終了する。
【0077】
以上により、本実施形態の会計用POSレジスタが、顧客が会計操作に要している時間をサインポール部の点灯および点滅により報知することができるので、顧客が会計操作に時間を要していることを店員が、会計処理がエラーに至る前に把握することができる。これにより、店員は適切なタイミングで顧客のサポートを行うことができる。さらに、店員が適切なタイミングで顧客のサポートを行うことができるので、会計処理にかかる平均の時間を短縮することができ、その結果、会計を待つ顧客の行列を出来にくくすることができる。
【0078】
また、本実施形態の会計用POSレジスタは、店員は、会計用POSレジスタのサインポール部の点灯または点滅により、顧客が会計を終了していないことをエラーに至る前に把握することができるので、顧客が会計用POSレジスタにおける会計が終了していないにも関わらず、誤って退店してしまうことを防止することができる。また、本実施形態の会計用POSレジスタは、機械操作に不慣れな顧客が操作を放棄してそのまま退店してしまう不正、あるいは顧客が会計を済ませたふりをしてそのまま退店してといった不正も防止することができる。
【0079】
また、本実施形態の会計用POSレジスタは、店員は顧客が会計用POSレジスタの操作に時間を要していることを会計用POSレジスタのサインポールの点滅により把握することができるので、店員が会計用POSレジスタの操作に時間を要している顧客に対して、エラーに至る前に適切なタイミングで操作の案内や操作の補助をすることができる。
これにより、会計用POSレジスタの前に会計待ちの行列ができてしまうという問題を未然に防ぐことができる。
【0080】
また、店員は、顧客に対して適切なタイミングで操作の案内や操作の補助をすることができるので、顧客の操作により問題が発生してから店員が顧客のサポートをするという事態を回避することができ、顧客に不愉快な思いをさせることがなくなる。
また、会計用POSレジスタが顧客の会計処理を終了すると、サインポール部を消灯するので、次に会計を行う顧客にどのレジが空いているかを知らせることができる。これにより、会計待ちの行列を分散させることができる。
【0081】
なお、本実施形態の会計用POSレジスタは、会計経過時間に応じて、点滅間隔を短くしたがこれに限らず、会計経過時間に応じて、点滅の態様を変更しさえすればよい。
【0082】
また、本実施形態の会計用POSレジスタの報知手段は、サインポールを単色で点滅させることにより報知を行なっているがこれに限らず、例えば、高輝度3色LED等によりRGBの3原色の発光色を混合させることにより作り出される発光色を用いて、会計用POSレジスタの報知手段は、会計経過時間に応じた点滅間隔と前記作り出される発光色とを一緒に変化させて店員へ知らせるようにしても良い。
【0083】
また、本実施形態の会計用POSレジスタの報知手段は、サインポールを用いて報知しているがこれに限らず、例えば、文字や画像を表示する表示器(不図示)を用いて報知しても良い。この場合、会計用POSレジスタの報知手段は、経過時刻を上記表示器(不図示)に表示させ、秒単位にカウントアップさせたり、上記表示器(不図示)にカウントアップする数字の表示色を経過時刻に応じて変化させたり、上記表示器(不図示)に表示させる数字を点滅させたりしても良い。また、会計用POSレジスタの報知手段は、上記表示器(不図示)にメッセージ(文字)そのものを表示させるようにしても良い。
【0084】
また、本実施形態の図6に示した、会計開始からエラーに至る迄に経過した経過時間とサインポール部の点滅間隔との関係を説明するためのテーブルの例は、予め会計用POSレジスタのRAM303に変更可能に記憶された例を示したが、これに限らず、例えば、会計用POSレジスタのCPU301が、会計用POSレジスタで会計を行なった顧客毎の会計経過時間を集計し、この集計された会計経過時間に基づいてテーブルT1内の各点滅迄の時間を設定するようにしても良い。
【0085】
この場合、一日の締め時に、CPU301が、顧客全体の平均会計所要時間Tを算出し、その平均会計所要時間TでテーブルT1内の1番目の点滅までの時間を更新し、エラーに至った顧客の平均会計所要時間Tを算出し、その平均会計所要時間Tで4番目の点滅までの時間を更新する。
【0086】
次に、テーブルT1の2番目と3番目の時間設定について説明する。CPU301が、エラーに至った顧客の平均会計所要時間から全体の平均会計所要時間を引いた時間(T−T)を算出する。CPU301は、その引いた時間(T−T)を3で割った数である(T−T)/3を平均会計所用時間Tに加算した値T+(T−T)/3で、テーブルT1の2番目の点滅までの時間を更新する。同様に、CPU301は、その引いた時間(T−T)に3分の2を乗じた数である2×(T−T)/3を平均会計所用時間Tに加算した値T+2×(T−T)/3で、テーブルT1の3番目の点滅までの時間を更新する。
【0087】
なお、ここでは、集計された会計経過時間に基づいて会計用POSレジスタがテーブルT1内の各点滅迄の時間を自動設定することについて説明したが、テーブルT1内の各点滅までの時間の更新が自動で最適に設定ができる方法であれば何れの方法を用いてもよい。
【0088】
また、本実施形態の会計用POSレジスタのスキャナ部304が、印刷用POSレジスタ200で印刷されたレシートの会計用コード(例えば、2次元コード(代表例として、QRコード(登録商標))を光学的に読取り、CPU301は、スキャナ部304から2次元コードの情報が供給されると、会計を開始した旨の会計開始情報を計時手段に供給するようにしているがこれに限ったものではない。
【0089】
例えば、顧客自らが商品に付されたバーコードをスキャナ部304で読ませPOSレジスタへ商品登録し、該商品登録された明細に基づいて顧客が会計処理を行うセルフPOSレジスタにおいて、前記商品登録された明細の会計を行うための会計ボタンが顧客により押された時、CPUが会計を開始した旨の会計開始情報を計時手段に供給するようにしてもよい。
また、セルフPOSレジスタへの商品登録においても同様に、CPUが報知手段で商品登録処理の経過度合いまたは会計処理の経過度合いを報知させるようにしてもよい。この場合、商品登録処理と会計処理とを区別できるように報知手段の報知態様を分けて報知する(発光色や発光部を分ける)ようにしてもよい。
【0090】
<第2の実施形態>
図11は、第2の実施形態におけるPOSシステム2の構成を示した概略図である。なお、図1の第1の実施形態におけるPOSシステム1と共通する要素には同一の符号を付し、その具体的な説明を省略する。図11のPOSシステム2の構成は、図1のPOSシステム1の構成に対して、会計用POSレジスタ(会計手段)300が、会計用POSレジスタ(会計手段)300bに変更されたものとなっている。
【0091】
図12は、第2の実施形態における会計用POSレジスタ300bの外観構造を示す斜視図の1例である。図12の会計用POSレジスタ300bの外観構造は、図4の会計用POSレジスタ300の外観構造に対して、人感センサ314が追加されたものとなっている。同図において、人感センサ314は、人を検知するセンサであり、一例としてスキャナ部304の下に設けられている。人感センサ314の配置位置は、顧客が通常、会計操作をする位置の胸の高さであることが好ましい。これにより、人感センサ314より低いショッピングカードのカゴを人と誤認することを防止することができる。
【0092】
図13は、第2の実施形態における会計用POSレジスタ300bの構成を示した概略図である。なお、図5の第1の実施形態における会計用POSレジスタ300と共通する要素には同一の符号を付し、その具体的な説明を省略する。図13の会計用POSレジスタ300bの構成は、図5の第1の実施形態における会計用POSレジスタ300の構成に対して、人感センサ314が追加されたものとなっている。
【0093】
人感センサ314は、CPU301の制御により所定の操作位置範囲にいる人の存在を検知し、検知した人の存在の有無を示す情報をCPU301に出力する。
RAM303には、会計中である旨を示す会計中フラグが記憶されている。
CPU301は、スキャナ部304により買い上げ情報が読み出された場合、RAM303に記憶されている会計中フラグを立てる。また、CPU301は、所定の入金を確認した場合、RAM303に記憶されている会計中フラグをリセットする。
【0094】
CPU301は、人感センサ314により会計用POSレジスタ300bの正面である操作位置を人が通行する時間(例えば、2秒)を越えた時間で最も短い会計処理時間(例えば、10秒)未満の時間(例えば、5秒)連続して人が検知されると、会計開始のための人を検知したと判定する。これが、本実施形態における人検知の判定である。
【0095】
CPU301は、RAM303に記憶されている会計中フラグが立っている場合、会計中と判定する。CPU301は、会計中と判定した場合、人感センサ314により所定の時間(例えば、2秒間)人が検知されるか否か判定する。これにより、CPU301は、会計を完了せずに顧客が去ってしまったか否か判定することができる。
【0096】
図14は、第2の実施形態における会計用POSレジスタ300bの会計処理の流れを示したフローチャートである。まず、スキャナ部304は、印刷用POSレジスタ200により顧客の買い上げ情報を読み出し可能に発行された図3のお会計データの2次元コードを読み取る。そして、CPU301は、スキャナ部304により買い上げ情報が読み出されたか否か判定する(ステップS301)。
【0097】
スキャナ部304により買い上げ情報が読み出された場合(ステップS301 YES)、CPU301は、読み出した買い上げ情報を表示部305に表示させる(ステップS302)。次に、CPU301は、RAM303に記憶されている会計中フラグを立てる(ステップS303)。次に、CPU301は、サインポール部321を点灯させて会計処理中であることを報知する(ステップS304)。
【0098】
ステップS301において、スキャナ部304により買い上げ情報が読み出されなかった場合(ステップS301 YES)、CPU301は、RAM303に記憶されている会計中フラグが立っているか否かにより会計中であるか否か判定する(ステップS305)。RAM303に記憶されている会計中フラグが立っておらずCPU301が会計中でないと判定した場合(ステップS305 NO)、CPU301は、人感センサ314により人が検知されたか否か判定する(ステップS305)。
【0099】
人感センサ314により人が検知された場合(ステップS306 YES)、CPU301はステップS303の処理に進む。人感センサ314により人が検知されなかった場合(ステップS306 NO)、CPU301はステップS301の処理に戻る。
【0100】
ステップS305において、RAM303に記憶されている会計中フラグが立っておりCPU301が会計中であると判定した場合(ステップS305 YES)、CPU301は、人感センサ314により所定の時間(例えば、2秒間)連続して人が検知されたか否か判定する(ステップS307)。これにより、CPU301は会計を完了せずに顧客が去ってしまったか否か判定することができる。
【0101】
一方、人感センサ314により所定の時間(例えば、2秒間)連続して人が検知されなかった場合(ステップS307 NO)、CPU301はサインポール部321を点滅させ、更にブザー308を鳴らして、未会計で顧客が去ったことを報知する(ステップS308)。
その後、店員が会計用POSレジスタ300bに来て、未会計で去った顧客に会計完了を促し、不図示のメンテナンスモードで会計装置を復帰する操作がなされる。
【0102】
ステップS307において、人感センサ314により所定の時間(例えば、2秒間)人が検知された場合(ステップS307 YES)、CPU301は買上合計額以上である所定の入金があったか否か判定する(ステップS309)。所定の入金が無かった場合(ステップS309 NO)、CPU301はステップS301の処理に戻る。
【0103】
一方、所定の入金が有った場合(ステップS309 YES)、CPU301は釣銭釣札部310から釣銭を払い出し、印刷部309にレシートを印刷させ、顧客の買上情報と入金額を示す情報と釣銭額を示す情報とを含む会計情報を通信部307からストアコントローラ100に送信させる(ステップS310)。
これにより、ストアコントローラ100では、会計用POSレジスタ300bから送信された会計情報を電子ジャーナルデータとして保存することができる。
【0104】
次に、CPU301はサインポール部321を消灯させる(ステップS311)。CPU301はRAM303に記憶されている会計中フラグをリセットする(ステップS312)。以上で、本フローチャートの処理を終了する。
【0105】
以上、本実施形態のPOSシステム2は、買上商品の商品登録を行う登録手段としての印刷用レジスタ200と、顧客が操作することにより該買上商品の会計を行う会計手段としての会計用POSレジスタ300bとを有し、会計用POSレジスタ300bは、会計を開始したことを検出し、該会計開始後の会計処理の経過を監視することでどのような会計状態にあるかを報知する。これによれば、会計を開始したことを検出するので、その後の経過を正しく監視することができる。そのため、店舗としては顧客による会計処理のトラブルが大きくなる前に早めに対処できる。
【0106】
また、本実施形態の会計用POSレジスタ300bにおいて、CPU301は、人感センサ314により所定時間連続して人が検知された場合、会計の開始と判断する。これにより、顧客が会計手段の前に暫く立つことで会計の監視を開始することができるので、顧客が会計開始の操作が出来ない場合でも会計の監視を開始することができる。そのため、操作方法が分からず、買上情報の読み出し(スキャン操作)をなかなかしない場合には、会計用POSレジスタ300bがその旨を報知することができる。また、会計開始の操作をすることなく会計手段の前に暫く立つことで会計をしている振りをしている顧客を検出して報知することができるので、顧客が未会計のまま店を出てしまうのを防止することができる。
【0107】
また、会計用POSレジスタ300bにおいて、CPU301は、会計を開始してから終了するまでに人感センサ314が所定時間連続して人を検知しない場合には、サインポール部321を点滅させ、ブザー308を鳴らしてその旨を報知する。これにより、サインポール部321の点滅またはブザー308の音を検知した店員は、会計を開始したが会計を終了せずに顧客が立ち去ってしまったことを早期に知ることができるので、顧客が未会計のまま店を出てしまうのを防止することができる。
【0108】
なお、サインポール部321による会計の状態の報知は、消灯、点灯、点滅による区別に限らず、赤、青、黄など色で区別してもよい。
また、この報知はサインポール部321のようなランプに限らず、会計用POSレジスタ300bが店員の携帯端末400に会計の状態を示す情報を送信し、携帯端末400がその会計の状態を示す情報を受信し、会計の状態を示す情報に応じて音、光、振動などで報知してもよい。
【0109】
印刷用POSレジスタ200は、2次元コードを印刷する方式に変えて、買い上げ情報とその買い上げ情報に応じた特定コードをバーコードにしてお会計券として印字発行するとともに、ストアコントローラ100に買い上げ情報を送信する。
そして、会計用POSレジスタ300bが、このお会計券に印字されているバーコードを読み取ると、該当する買い上げ情報をストアコントローラ100に要求し、その買い上げ情報をストアコントローラ100から受信するようにしてもよい。
【0110】
さらなる変形として、前記バーコードをお会計券に印字発行することに代えて、買上商品を入れたカゴに特定コードとしてバーコードを設けてもよい。
さらなる変形として、印刷用POSレジスタ200は、顧客の指紋等の生体情報を読み取る生体情報読取部を備え、特定コードの印刷に代えて、顧客の指紋等の生体情報を読み取る。印刷用POSレジスタ200は、生体情報と買い上げ情報とを関連付けてRAM203に記憶する。そして、印刷用POSレジスタ200は、関連付けられた生体情報と買い上げ情報とをストアコントローラ100に送信する。
【0111】
会計用POSレジスタ300bは、顧客の指紋等の生体情報を読み取る生体情報読取部を備え、印刷用POSレジスタ200と同様に顧客の指紋等の生体情報を読み取る。会計用POSレジスタ300bは、生体情報に関連付けられた買い上げ情報をストアコントローラ100に要求し、その買い上げ情報をストアコントローラ100から受信するようにしてもよい。
【0112】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0113】
1、2 POSシステム
40 レシート
100 ストアコントローラ
110 LAN
200 印刷用POSレジスタ(登録手段)
201 CPU
202 ROM
203 RAM
204 スキャナ部
205 表示部(店員用)
205a 表示部(客用)
206 操作部
207 通信部
208 ブザー
209 レシート印刷部
210 ハードディスク
300、300b 会計用POSレジスタ(会計手段)
301 CPU
301a 会計手段
301b 開始情報取得手段
301c 計時手段
301d 報知制御手段
301e 無線制御手段
302 ROM
303 RAM
304 スキャナ部
305 表示部
306 操作部
307 通信部
308 ブザー
309 印刷部
310 釣銭釣札部
310a 硬貨出金口
310b 硬貨入金口
310c 紙幣入出金口
312 無線通信部
313 アンテナ部
314 人感センサ
320 報知部(報知手段)
321 サインポール部(発光部)
400 携帯端末(端末装置)
401 アンテナ部
402 無線受信部
403 制御部
410 外部報知部
411 振動部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
買上商品の商品登録を行う登録手段と、顧客が操作することにより該買上商品の会計を行う会計手段とを有するPOSシステムにおいて、
会計を開始したことを検出し、該会計開始後の会計処理の経過を監視することでどのような会計状態にあるかを報知することを特徴とするPOSシステム。
【請求項2】
前記登録手段に買上情報を顧客毎に記録する記録手段を設け、前記会計手段に前記記録された顧客の買上情報を読み出す読出手段と操作位置に人の存在を検知する人感センサとを設け、
前記会計手段は、該人感センサが所定時間連続して人を検知することにより前記会計の開始を検出することを特徴とする請求項1に記載のPOSシステム。
【請求項3】
前記登録手段に買上情報を顧客毎に記録する記録手段を設け、前記会計手段に前記記録された顧客の買上情報を読み出す読出手段と操作位置に人の存在を検知する人感センサを設け、
前記会計手段は、前記会計を開始してから終了するまでに該人感センサが所定時間連続して人を検知しない場合にはその旨を報知することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のPOSシステム。
【請求項4】
顧客の買い上げ情報を含む会計用コードを読み取るスキャナ部を備え、
前記スキャナ部が前記会計用コードの読み取りを開始したときに、前記会計開始を検出することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のPOSシステム。
【請求項5】
顧客が購入する商品に付されたコード情報を読み取った後、該読み取ったコード情報に基づき前記顧客の買い上げ情報を含む会計用コードを印刷媒体に印刷する登録装置と、前記印刷媒体に印刷された会計用コードに基づいて会計処理を行う会計装置とを有するPOSシステムにおいて、
前記会計装置は、
会計を開始した時から経過した時間を計時する計時手段と、
外部に自装置の会計処理状況を報知する報知手段と、
前記経過した時間が予め決められた所定の時間を越える迄に前記経過した時間に応じて、前記報知手段の報知の態様を変更する報知制御手段と、
を備えることを特徴とするPOSシステム。
【請求項6】
前記会計装置から前記計時手段が計時した時間を示す計時情報を受信する端末装置を更に備え、
前記会計装置は、前記端末装置へ前記計時情報を送信する無線通信手段を更に備え、
前記端末装置は、前記計時情報に基づいて、外部へ報知する態様を変更する外部報知手段を備えることを特徴とする請求項5に記載のPOSシステム。
【請求項7】
登録手段を用いて顧客が購入する商品を登録し、該登録手段により登録された商品の会計を行うPOSレジスタにおいて、
会計を開始した時から経過した時間を計時する計時手段と、
外部に自装置の会計処理状況を報知する報知手段と、
前記経過した時間が予め決められた所定の時間を越える迄に前記経過した時間に応じて、前記報知手段の報知の態様を変更する報知制御手段と、
を備えることを特徴とするPOSレジスタ。
【請求項8】
端末装置へ前記計時手段が計時した時間を示す計時情報を無線で送信する無線通信手段と、
前記報知の態様を変更するときに、前記計時情報を前記無線通信手段から送信するよう制御する無線制御手段と、
を備えること特徴とする請求項7に記載のPOSレジスタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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