説明

RAB9A、RAB11A、および感染症に関するこれらのモジュレーター

本明細書において病原菌による細胞の感染を減少させる、例えば病原菌感染を治療または予防する方法を開示する。例示的な病原菌は、脂質リフトを利用するものを含む。Rab9AおよびRab11Aのモジュレーターなどの病原菌感染に関与する薬剤を同定する方法もまた開示する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
宿主細胞におけるRab9AまたはRab11Aの活性を減少する工程を含む、病原体による宿主細胞の感染を減少する方法であって、Rab9AまたはRab11Aの活性を減少することにより、病原体による宿主細胞の感染が減少する方法。
【請求項2】
Rab9Aの活性を減少する工程が、Rab9A活性を増大するRab9Aモジュレーターの活性を減少する工程か、またはRab9A活性を減少するRab9Aモジュレーターの活性を増大する工程を含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
Rab11Aの活性を減少する工程が、Rab11A活性を増大するRab11Aモジュレーターの活性を減少する工程か、またはRab11A活性を減少するRab11Aモジュレーターの活性を増大する工程を含む、請求項1記載の方法。
【請求項4】
病原体が脂質ラフトをハイジャックする、請求項1記載の方法。
【請求項5】
病原体が脂質ラフトをハイジャックする病原体が、カンピロバクター・ジュジュニ(Campylobacter jujuni)、コレラ菌(Vibrio cholerae)、SV40、レジオネラ・ニューモフィラ(Legionella pneumophila)、アエロモナス・ハイドロフィリア(Aeromonas hydrophilia)、エコーウイルス1、エコーウイルス11、ブルセラ(Brucella)種、クロストリジウム(Clostridium)種、トリ肉腫および白血病ウイルス、大腸菌(Escherichia coli)、化膿性連鎖球菌(Streptcoccus pyogenes)、セムリキ森林ウイルス、ネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)、炭疽菌(Bacillus anthracis)、エコトロピックマウス白血病ウイルス、フレキシナ赤痢菌(Shigella flexneri)、卒倒病菌(Bacillus thuringiensis)、HTLV-1、クラミジア(Chlamydia)種、ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)、HIV-1、ミコバクテリア種(Mycobacterium)、リステリア菌(Li.steria monocytogenes)、エボラ、マールブルク、麻疹、単純ヘルペスウイルス、インフルエンザウイルス、呼吸器系合胞体ウイルス(RSV)、またはEBウイルスである、請求項4記載の方法。
【請求項6】
脂質ラフトをハイジャックする病原体が、被膜RNAウイルスを含む、請求項4記載の方法。
【請求項7】
被膜RNAウイルスが、ヒト免疫不全症ウイルス(HIV)-1、HIV-2、エボラウイルス、マールブルグウイルス、RSV、または麻疹ウイルスを含む、請求項6記載の方法。
【請求項8】
Rab9AまたはRab11Aの活性を減少する工程が、Rab9AまたはRab11AをコードするmRNAの量を減少することを含む、請求項1記載の方法。
【請求項9】
Rab9AをコードするmRNAの量を減少させる工程が、mRNAをSEQ ID NO:5〜9、16〜32、または47〜66のいずれかと接触させる工程を含む、請求項8記載の方法。
【請求項10】
Rab9A活性を増大するRab9Aモジュレーターが、v-SNAREタンパク質、t-SNAREタンパク質、GDP解離阻害剤、グアニンヌクレオチド交換因子(GEF)、グアニンヌクレオチド置換因子(GDF)、マンノース-6-リン酸受容体、TIP47、またはRab9Aエフェクターである、請求項2記載の方法。
【請求項11】
Rab9エフェクターがp40である、請求項10記載の方法。
【請求項12】
GDFがYip3である、請求項10記載の方法。
【請求項13】
Rab9A活性を増大するRab9AモジュレーターがPIKfyve、TIP47、またはp40である、請求項2記載の方法。
【請求項14】
Rab11A活性を増大するRab11Aモジュレーターが、Sec 15、Rip11、FIP1、FIP2、FIP3/エフェリン(eferin)、FIP4、またはRab-カップリングタンパク質(RCP)である、請求項3記載の方法。
【請求項15】
Rab9AがSEQ ID NO:1または2と関連する標的核酸配列に対して少なくとも90%の配列同一性を含む宿主核酸によってコードされる、請求項1記載の方法。
【請求項16】
宿主核酸が、SEQ ID NO:1または2と関連する標的核酸配列を含む、請求項15記載の方法。
【請求項17】
Rab9Aの活性を減少させる工程が、Rab9A活性を増強する1つまたは複数のRab9Aモジュレーターの活性を減少させる工程を含む、請求項2記載の方法。
【請求項18】
Rab11Aの活性を減少させる工程が、Rab11A活性を増強する1つまたは複数のRab11Aモジュレーターの活性を減少させる工程を含む、請求項3記載の方法。
【請求項19】
Rab9Aの活性を減少させる工程が、Rab9AおよびRab9A活性を増強する1つまたは複数のRab9Aモジュレーターの活性を減少させる工程を含む、請求項1記載の方法。
【請求項20】
Rab11Aの活性を減少させる工程が、Rab11AおよびRab11A活性を増強する1つまたは複数のRab11Aモジュレーターの活性を減少させる工程を含む、請求項1記載の方法。
【請求項21】
Rab9AまたはRab11Aの活性を減少させる工程が、Rab9Aタンパク質、Rab11Aタンパク質、Rab9Aモジュレータータンパク質、またはRab11Aモジュレータータンパク質の発現を減少させることによって、病原体タンパク質とRab9Aタンパク質との相互作用を減少させる工程、病原体タンパク質とRab11Aタンパク質との相互作用を減少させる工程、病原体タンパク質とRab9Aモジュレータータンパク質との相互作用を減少させる工程、または病原体タンパク質およびRab11Aモジュレータータンパク質との相互作用を減少させる工程を含む、請求項1記載の方法。
【請求項22】
病原体タンパク質がウイルスを含み、ウイルスと、Rab9Aタンパク質、Rab11Aタンパク質、Rab9Aモジュレータータンパク質、またはRab11Aモジュレータータンパク質との相互作用を減少させることにより、ウイルスによる宿主細胞の感染を減少する、請求項21記載の方法。
【請求項23】
Rab9Aタンパク質、Rab11Aタンパク質、Rab9Aモジュレータータンパク質、またはRab11Aモジュレータータンパク質の発現を減少させる工程が、Rab9Aタンパク質、Rab11Aタンパク質、Rab9Aモジュレータータンパク質、またはRab11Aモジュレータータンパク質をコードするmRNAの転写を減少させる工程を含む、請求項21記載の方法。
【請求項24】
mRNAの転写を減少させる工程が、Rab9Aタンパク質、Rab11Aタンパク質、Rab9Aモジュレータータンパク質、またはRab11Aモジュレータータンパク質をコードする核酸配列のコード領域にトランスポゾンまたは挿入ベクターを挿入することを含む、請求項23記載の方法。
【請求項25】
mRNAの転写を減少させる工程が、アンチセンスRNA、三重らせん分子、リボザイム、ミクロRNA、またはmRNAを認識するsiRNAとmRNAを接触させる工程を含む、請求項23記載の方法。
【請求項26】
siRNA配列が、SEQ ID NO:5〜9および16〜32の1つまたは複数を含む、請求項25記載の方法。
【請求項27】
アンチセンスRNA配列が、SEQ ID NO:47〜56の1つまたは複数を含む、請求項25記載の方法。
【請求項28】
リボザイムRNA配列が、SEQ ID NO:57〜66の1つまたは複数を含む、請求項25記載の方法。
【請求項29】
宿主細胞が被験者に存在し、mRNAをアンチセンスRNA、三重らせん分子、リボザイム、ミクロRNA、またはmRNAを認識するsiRNAと接触させる工程が被験者に対してアンチセンスRNA、三重らせん分子、リボザイム、ミクロRNA、またはsiRNAを投与する工程を含む、請求項25記載の方法。
【請求項30】
病原体タンパク質と、Rab9タンパク質、Rab11Aタンパク質、Rab9Aモジュレータータンパク質、またはRab11Aモジュレータータンパク質との相互作用を減少させる工程が、宿主細胞をRab9Aタンパク質、Rab11Aタンパク質、Rab9Aモジュレータータンパク質、またはRab11Aモジュレータータンパク質の活性を減少させる薬剤と接触させる工程を含む、請求項21記載の方法。
【請求項31】
宿主細胞が宿主被験者に存在し、薬剤と宿主細胞を接触させる工程が被験者に薬剤を投与する工程を含む、請求項30記載の方法。
【請求項32】
薬剤が、Rab9Aタンパク質、Rab11Aタンパク質、Rab9Aモジュレータータンパク質、またはRab11Aモジュレータータンパク質と特異的に結合する抗タンパク質結合剤であり、抗タンパク質結合剤が、Rab9タンパク質、Rab11Aタンパク質、Rab9Aモジュレータータンパク質、またはRab11Aモジュレータータンパク質と病原体との間の相互作用を減少させる、請求項30記載の方法。
【請求項33】
抗タンパク質結合剤が、抗体または化学物質である、請求項32記載の方法。
【請求項34】
宿主細胞が、哺乳類宿主細胞である、請求項1記載の方法。
【請求項35】
病原体感染を有する被験者に対して病原体と宿主タンパク質との相互作用を妨害する薬剤の有効な量を投与する工程を含む、宿主被験者における病原体感染を治療する方法であって、宿主タンパク質が、Rab9A、Rab11A、Rab9A活性を増強するRab9Aモジュレーター、またはRab11A活性を増強するRab11Aモジュレーターである方法。
【請求項36】
薬剤が、Rab9A、Rab11A、Rab9A活性を増強するRab9Aモジュレーター、またはRab11A活性を増強するRab11Aモジュレーターをコードする核酸配列の発現を減少させる、請求項35記載の方法。
【請求項37】
薬剤が、アンチセンスである、三重らせん分子、リボザイム、ミクロRNA、またはRab9A、Rab11A、Rab9A活性を増強するRab9Aモジュレーター、もしくはRab11A活性を増強するRab11Aモジュレーターをコードする核酸配列を認識するsiRNA分子である、請求項35記載の方法。
【請求項38】
有効な量が、宿主における予防効果を誘導して、病原体による宿主の感染を減少させる、請求項35記載の方法。
【請求項39】
宿主が、以前に病原体によって感染しており、有効な量が、宿主における治療効果を誘導する、請求項35記載の方法。
【請求項40】
Rab9A標的またはRab11A標的と試験薬剤を接触させる工程;および
試験薬剤がRab9A活性またはRab11A活性を減少させるかどうかを決定する工程、
を含む病原体の病原性を減少させる薬剤を同定する方法であって、
Rab9A活性またはRab11A活性の減少が、薬剤が病原体の病原性を減少させることを示す方法。
【請求項41】
病原体が、脂質ラフトをハイジャックする病原体である、請求項40記載の方法。
【請求項42】
脂質ラフトをハイジャックする病原体が、カンピロバクター・ジュジュニ、コレラ菌、SV40、レジオネラ・ニューモフィラ、アエロモナス・ハイドロフィリア、エコーウイルス1、エコーウイルス11、ブルセラ種、クロストリジウム種、トリ肉腫および白血病ウイルス、大腸菌、化膿性連鎖球菌、セムリキ森林ウイルス、ネズミチフス菌、炭疽菌、エコトロピックマウス白血病ウイルス、フレキシナ赤痢菌、卒倒病菌、HTLV-1、クラミジア種、ヘリコバクター・ピロリ、HIV-1、ミコバクテリア種、リステリア菌(Lysteria monocytogenes)、エボラ、マールブルク、麻疹、単純ヘルペスウイルス、インフルエンザウイルス、呼吸器系合胞体ウイルス(RSV)、またはEBウイルスである、請求項41記載の方法。
【請求項43】
試験薬剤がRab9A活性またはRab11A活性を減少させるかどうかを決定する工程が、試験薬剤がRab9A、Rab11A、Rab9A活性に影響を及ぼすRab9Aモジュレーター、またはRab11A活性に影響を及ぼすRab11Aモジュレーターの細胞における発現を減少させるかどうかを決定する工程を含む、請求項40記載の方法。
【請求項44】
試験薬剤がRab9A、Rab11A、Rab9A活性に影響を及ぼすRab9Aモジュレーター、またはRab11A活性に影響を及ぼすRab11Aモジュレーターの発現を減少させるかどうか決定する工程が、試験薬剤が細胞におけるRab9A mRNA、Rab11A mRNA、Rab9A活性に影響を及ぼすRab9AモジュレーターmRNA、またはRab11A活性に影響を及ぼすRab11A mRNAモジュレーターのレベルを減少させるかどうかを決定する工程を含む、請求項43記載の方法。
【請求項45】
病原体がウイルス、細菌、または原生動物を含む、請求項40記載の方法。
【請求項46】
病原体がウイルスを含む、請求項45記載の方法。
【請求項47】
ウイルスがウイルスの外被タンパク質を含む、請求項46記載の方法。
【請求項48】
ウイルスがRNAウイルスを含み、かつ被膜化されている、請求項46記載の方法。
【請求項49】
Rab9A遺伝子、Rab11A遺伝子、またはRab9AもしくはRab11A活性を増大するこれらのモジュレーター遺伝子の機能的欠失を含む細胞であって、脂質ラフトをハイジャックする病原体による感染に対する感受性が減少した細胞。
【請求項50】
Rab9A遺伝子、Rab11A遺伝子、またはRab9AもしくはRab11A活性を増大するこれらのモジュレーター遺伝子の機能的欠失を含む非ヒト・トランスジェニック哺乳類であって、脂質ラフトをハイジャックする病原体による感染に対する感受性が減少した哺乳類。
【請求項51】
Rab9AまたはRab11Aを発現する細胞における推定上のRab9AまたはRab11Aモジュレーターの発現を減少する工程;
細胞を、脂質ラフトをハイジャックする病原体と接触させる工程;および、
脂質ラフトをハイジャックする病原体による感染の量を検出する工程、
を含む脂質ラフトをハイジャックする病原体による感染に関与するRab9AまたはRab11Aのモジュレーターを同定する方法であって、
感染の減少が、推定上のRab9AまたはRab11Aモジュレーターがそれぞれ、脂質ラフトをハイジャックする病原体による感染に関与するRab9AまたはRab11Aモジュレーターであることを示す方法。
【請求項52】
感染の量をRab9AまたはRab11A核酸分子、タンパク質、または活性の量と関連づける工程をさらに含み、感染の減少およびRab9AまたはRab11Aの量の減少の存在が、Rab9AまたはRab11Aの推定上のモジュレーターがそれぞれ、脂質ラフトをハイジャックする病原体による感染に関与するRab9AまたはRab11Aのモジュレーターであることを示す、請求項51記載の方法。
【請求項53】
Rab9AまたはRab11Aの推定上のモジュレーターの発現を減少させる工程が、Rab9AまたはRab11Aの推定上のモジュレーターをコードするmRNAの量を減少させる工程を含む、請求項51記載の方法。
【請求項54】
被験者の第一の核酸配列を、Rab9A、Rab11A、Rab9Aモジュレーター、またはRab11Aモジュレーター配列を含む第二の核酸配列と比較する工程を含む、被験者における病原体感染に対する耐性または感受性を決定する方法であって、第一と第二の核酸配列との間の類似性が高いほど、被験者が病原体感染に対してより感受性であることを示し、かつ第一と第二の核酸配列との間の類似性が小さいほど、被験者が病原体感染に対してより耐性であることを示す方法。
【請求項55】
第一の核酸配列が、被験者の生体試料から得られる、請求項54記載の方法。
【請求項56】
第一の核酸配列が、複数の核酸配列を含み、それぞれの核酸配列が、異なる被験者から得られる、請求項54記載の方法。
【請求項57】
集団内で多型変化を決定することをさらに含む、請求項56記載の方法。
【請求項58】
SEQ ID NO:5〜9、16〜32、または47〜66に示したいずれかの核酸配列を含む、単離された核酸配列。
【請求項59】
請求項58記載の単離された核酸配列を含むベクター。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2008−506356(P2008−506356A)
【公表日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−500800(P2007−500800)
【出願日】平成17年2月24日(2005.2.24)
【国際出願番号】PCT/US2005/006396
【国際公開番号】WO2005/092924
【国際公開日】平成17年10月6日(2005.10.6)
【出願人】(503245650)アメリカ合衆国 (9)
【出願人】(506289022)ヴァンダービルト ユニバーシティ (1)
【Fターム(参考)】