説明

RAT間切り換え時のモビリティシグナリングの低減を最適化するための方法

ソース電気通信コアネットワークによってカバーされているソースエリアと、ターゲットコア電気通信ネットワークによってカバーされているターゲットエリアとの間のUEローミングのためのRAT間切り換え後のモビリティシグナリングの低減を最適化するための方法であって、シグナリング低減機能が前記ソース電気通信コアネットワークによってアクティブにされ、前記シグナリング低減機能の非アクティブ化トリガーイベントによって次のIRAT切り換え発生時の登録更新の必要性が生じる、方法。本方法は以下のステップ、すなわち、前記UEに、その値が、前記シグナリング低減機能の前記非アクティブ化トリガーイベントが前記UEコンテキスト変更のみに対応するか否かを示すパラメーターを格納するステップと、前記RAT間切り換え後に、前記RAT間切り換えを生じたイベントをチェックするステップと、前記パラメーターの前記値をチェックするステップと、前記RAT間切り換えを生じたイベント及び前記格納されたパラメーターの値に依拠して、前記登録更新の必要性を取り消すか又は該登録更新の必要性を有効にするステップと、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気通信分野に関し、ソースRATを有するソース電気通信コアネットワークによってカバーされているソースエリアと、ターゲットRATを有するターゲットコア電気通信ネットワークによってカバーされているターゲットエリアとの間のUEローミングのためのRAT間切り換え後のモビリティシグナリングの低減を最適化するための方法であって、シグナリング低減機能がソース電気通信コアネットワークによってアクティブにされ、該シグナリング低減機能の非アクティブ化トリガーイベントによって、次のIRAT切り換え発生時の登録更新の必要性が生じる、方法に関する。
【0002】
本発明は、上記方法を実施するように構成されるユーザー機器にも関する。
【0003】
本出願は、2009年1月30日に出願された欧州特許出願第09151818.3号に基づき、該特許出願からの優先権の利益を主張するものであり、該特許出願の開示は参照によりその全体が本明細書に援用される。
【背景技術】
【0004】
GERAN/UTRAN(2G/3G)アクセスを用いる3GPPパケットネットワークにおいて、UEはアタッチ又はルーティングエリア手順を介してコアネットワーク要素SGSNに登録される。SGSNはUEコンテキスト(モバイルアイデンティティ、セキュリティパラメーター)を保持し、ルーティングエリアの精度でユーザー機器(UE)のロケーションを知っている。UEは、周期タイマーが満了しない限り、ルーティングエリア更新手順を開始することなく、登録されたRA(ルーティングエリア)内で自由に移動することができる。
【0005】
同様に、E−UTRAN(LTE)を用いる3GPPパケットネットワークにおいて、UEはアタッチ又はトラッキングエリア手順を介してコアネットワーク要素MMEに登録される。MMEはUEコンテキスト(モバイルアイデンティティ、セキュリティパラメーター)を保持し、トラッキングエリアのリストの精度でUEのロケーションを知っている。UEは、周期タイマーが満了しない限り、トラッキングエリア更新手順を開始することなく、TA(トラッキングエリア)の登録されたリスト内で自由に移動することができる。
【0006】
GERAN又はUTRAN機能を有するE−UTRAN UEについて、該UEがGERAN/UTRANアクセスとE−UTRANアクセスとの間で再選択する場合、該UEは、EUTRANアクセスを抜けてGERAN/UTRANに向かうとき、SGSNに登録するためにルーティングエリア更新を開始し、GERAN/UTRANアクセスを抜けてEUTRANアクセスに向かうとき、MMEに登録するためにトラッキングエリア更新を開始する。
【0007】
3GGPは、UEがEUTRANとGERAN/UTRANとの間で移動するときのモビリティ関連シグナリング、すなわちRAU/TAU手順を低減するための、アイドルモードシグナリング低減(ISR)と呼ばれるメカニズムを規定している。
【0008】
図1において、ISR機能がアクティブにされ、このためUE2が、EUTRANアクセスネットワーク(LTE)6を介してMME4によって管理されるトラッキングエリアのリスト、及びGERAN/UTRANアクセスネットワーク(2G/3G)10のSGSN8によって管理されるルーティングエリアの双方に同時に登録されていると仮定する。
【0009】
ISR機能がネットワークによってアクティブにされる場合、MME4及びSGSN8の双方が互いに同期したUEコンテキスト12を保持する。そして、UE2はEUTRANにおける登録されたトラッキングエリア(TA)のリストとGERAN/UTRAN1における登録されたルーティングエリア(RA)との間で、MME4又はSGSN8に向けて登録更新を一切開始する必要なく自由に移動することができる。
【0010】
ISRは、UEがEUTRAN登録エリアとGERAN/UTRAN登録エリアとの間でアイドルモードによって再選択するときのモビリティ関連シグナリングを低減する。ISRはネットワークにおけるシグナリング負荷の低減を達成し、UEがアイドルモードにとどまり、したがってバッテリを節減することを可能にする。
【0011】
図2において、UEがEUTRAN(LTE)アクセスネットワーク6を介してMME4によって管理されるトラッキングエリアのリストに登録され、かつISR機能がネットワークによってアクティブにされていないと仮定する。UE2は、ターゲット無線アクセス技術(RAT)2G/3G10に移動する場合、ターゲット2G/3Gネットワーク10において登録更新手順(ルーティングエリア更新RAU)を実行し、ISRサポートネゴシエーション及びMME4とSGSN8との間のUEコンテキスト同期(矢印16)をトリガーする。
【0012】
ターゲットコアネットワーク(CN)ノード(SGSN8)によってISR機能がアクティブにされる場合、ネットワークは登録更新(RAU)受理メッセージにおいてUE2に「ISRアクティブ」を示す。UE2はGERAN/UTRANアクセスネットワークを介して2G/3Gネットワーク10のSGSN8によって管理されるターゲットルーティングエリアに登録され、かつソースLTEネットワーク6のEUTRANアクセスネットワークを介してMME4によって以前に割り当てられたトラッキングエリアのリスト内にも登録されたままである。MME4によってISRがアクティブにされる場合、ネットワークはTAU受理において「ISRアクティブ」を示す。
【0013】
図3において、UE2がソースLTEネットワーク6のセル内にとどまっており、かつISR機能がアクティブにされていると仮定する。
【0014】
UE2、及び現在用いられているRAT、すなわちUEがとどまっているRATのコアネットワーク要素(EUTRANアクセスネットワーク6のMME4)においてUEコンテキストが変更される場合、現在用いられていないRATのコアネットワーク要素(2G/3Gネットワーク10のSGSN8)におけるUEコンテキストが同期されなくなる。
【0015】
UE2と、MME4と、SGSN8との間のそのようなUEコンテキストの非同期は、ベアラコンテキスト(2G3GにおけるPDPコンテキスト又はLTEにおけるEPSベアラコンテキスト)が追加若しくは変更されるとき、又はUEがUE固有のDRXパラメーターのようなMMコンテキストパラメーター若しくはUEコアネットワーク機能を変更するときに生じる。
【0016】
UE2がターゲット2G/3Gネットワーク10に戻る場合、SGSN8内のUEコンテキストはMME4のUEコンテキストと再同期され、UE2が確立されたサービス(パケット、セキュリティ...)を維持することを可能にする。
【0017】
UEコンテキストがUEにおける一方のRAT及びこのRATのCNノードにおいて変更され、他方のRATのCNノードにおけるUEコンテキストの非同期を引き起こすそのような特殊な状況は、現在の3GPP仕様において、UEにおいてローカルにIRSを非アクティブ化することにより、次のIRAT切り換え時の登録変更の必要性が生じ、それによって他方のRATにおけるCNノードがUEコンテキスト再同期を介して次のRAT間(IRAT)切り換え時に更新されることを保証することにより解消される。
【0018】
この再同期を強制するために、UE2はRAT(図2の例ではEUTRAN6)におけるISR手順をローカルで非アクティブにし、ここでUEコンテキストは、UE2がターゲットRAT(GERAN/UTRAN10)に戻るときに登録更新手順が強制的に開始されるように変更される。登録更新手順中、ソースRAT MME4のUEコンテキストはターゲットRAT SGSN8に転送される。
【0019】
アイドルモードにおいて、UE2がソースRATとターゲットRATとの間で再選択すると、ソースRAT CNノードからターゲット RAT CNノードへのUEコンテキスト転送は、UE2によって開始されるターゲットRATにおける登録更新手順中に実行される。
【0020】
3GPP23.401 5.3.3(TAU手順)に記載されているように、UEによるRAT間セル再選択によってTAUがトリガーされると、ターゲットRATコアネットワーク(CN)ノードは、コンテキスト要求メッセージを用いて、ソースRAT CNノードからUEコンテキスト及びISRサポートをフェッチし、コンテキスト応答メッセージにおいて受信すると、コンテキスト肯定応答メッセージにおいてISRアクティブ状態をソースRAT CNノードに提供する。
【0021】
3GPPは最初に、UE2がアイドルモードにおいて移動し、登録されたエリア内のE−UTRANセルとGERAN/UTRANセルとの間で再選択するときのアイドルモードのためのシグナリング低減を設計した。そして、3GGPはアイドルモードのISR手順を接続モードに拡張した。
【0022】
実際、3GPP23.401 4.6.3.2(ECM接続モード)によって規定されているように、接続モードのUEは、アイドルモードの挙動と同様に、TINが「PTMSI」に設定されている場合、すなわちISRが非アクティブにされている場合のみ、登録されたトラッキングエリア内でTAU手順を開始する。
【0023】
この拡張によって、ISRがアクティブにされておりかつUE2が登録されたエリア内でハンドオーバーされるとき、UE2は接続モードにおいてTAU/RAUを省くことが可能になる。
【0024】
したがって、アイドルモードにおけるRAT間セル再選択に関して図1で説明されるシグナリング低減は、RAT間ハンドオーバーの場合にも適用される。
【0025】
さらに、3GPP23.401 5.5.2(RAT間ハンドオーバー)によって規定されるように、ソースRAT CNノードとターゲットRAT CNノードとの間のISRアクティブ化ネゴシエーション及びUEコンテキスト同期は、RAT間ハンドオーバー中に実行される(図4)。これは、ISRアクティブ化ネゴシエーション及びUEコンテキスト同期が、UE2によって開始されたTAU/RAU手順中に実行されるアイドルモード(図2)と同様である。
【0026】
ネットワークによって開始されたRAT間ハンドオーバー中(図4)、3GPP23.401 5.5.2(RAT間ハンドオーバー)に記載されているように、UEコンテキスト及びISRサポートは、転送再配置要求メッセージを用いてソースRAT CNノードによってターゲットRAT CNノードにプッシュされ、ターゲットRAT CNノードは転送再配置完了メッセージにおいてISRアクティブステータスをソースRAT CNノードに返す。UE2がターゲットRATにおいて登録更新手順を実行する(たとえばUEがターゲットRATにおける登録されたエリア外に移動する)場合、CNノード間のUEコンテキスト転送のない低減された登録更新がネットワーク内で行われる。なぜなら、UEコンテキスト転送は既にハンドオーバー手順中に行われたためである。
【0027】
図4において、UE2がRAT間(IRAT)ハンドオーバーを介してLTEネットワーク6(ソースRAT)から2G/3Gネットワーク10(ターゲットRAT)に移動すると仮定する。この場合、MME4内に格納されたUEコンテキスト12が、ハンドオーバー手順中にSGSN8に転送される。したがって、RAT間ハンドオーバーの後、SGSN8及びMME4内に格納されているUEコンテキストはネットワーク内で再同期される。次に、ISR機能がネットワークによってアクティブにされていなかった場合、又はUE2がISR手順をローカルで非アクティブにしていた場合、又はターゲットRATにおける標準的なトリガーが発生した場合(たとえば新たなエリアがまだ登録されていない...)ハンドオーバー手順後に、ターゲットRATにおける登録更新が実行される。
【0028】
ISR機能は、主にアイドルモードにおけるシステム間切り換え時のモビリティシグナリングを低減するために設計されたが、システム間ハンドオーバーにおけるシグナリング低減も達成する。3GPP23.401のように、UEが1つのRAT、すなわちソースRATにとどまる間、UEコンテキスト(ベアラコンテキスト、DRX固有パラメーター、UEコアネットワーク機能)の変更によって、UE、SGSN、及びMME間で非同期状態情報が生じる。この特殊な状況は、ソースRATにおけるCNノードが、次のIRATセル再選択時にUEによって開始される登録更新手順中に、コンテキスト応答メッセージ内でターゲットRATのCNノードに最新のUEコンテキストを転送することを保証するために、UEにおいてローカルにISRを非アクティブ化することで解消される。
【0029】
しかしながら、RAT間切り換えがハンドオーバーである場合、ソースRATからのCNノードは、ハンドオーバー手順中に転送再配置要求メッセージにおいてターゲットRATのCNノードにUEコンテキストを既に転送している。
【0030】
したがって、図5に示すように、ISR機能がネットワークによってアクティブにされ、かつソースRATにおけるUEコンテキスト変更(矢印20)の結果としてのみUE2内でローカルに非アクティブにされているとき、UE2は2G/3Gネットワーク10に移動するときに登録更新(矢印22)を実行し、このためシグナリングは低減されない。
【0031】
そのような状況において、この登録更新は、IRAT切り換えがハンドオーバーであり、かつターゲットセルが以前に登録されたエリアに属するときに不要となる。なぜなら、CNノードのMME及びSGSNは変更されず、ターゲットCNノードSGSN8は、ハンドオーバー手順中に転送再配置要求メッセージにおいてソースCNノードMME4からUEコンテキストを既に受信しているためである。
【0032】
実際、UEコンテキスト変更に起因してISRがソースRATにおいてローカルで非アクティブにされていた場合にターゲットRATにおけるCNノードを再同期するためにターゲットRATにおける登録更新が必要とされるアイドルモード(図3)とは対照的に、接続モードの場合のUEコンテキストは、任意の登録更新が開始する前にハンドオーバー手順中に既に再同期されている(図4)。このため、UEが以前に登録されたエリアにハンドオーバーされ、かつISRが次のIRAT切り換え時にターゲットRATのCNノードにおけるUEコンテキストを更新するという理由のみでUEにおけるソースRATにおいて非アクティブにされていた場合、登録更新手順はUEコンテキスト同期の目的では必要とされない。
【0033】
ISRローカル非アクティブ化の多数のトリガー、たとえばベアラコンテキスト変更、DRXパラメーターの切り換え、UE CN機能の切り換えが3GPPによって規定されており、このためISRによって目標とされるシグナリング低減の効率が低減している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0034】
本発明は、ISRがネットワークによってアクティブにされ、かつ次のIRAT切り換え時の登録更新の必要性が生じるソースRATにおけるISR非アクティブ化のトリガーイベントがソースRATにおけるUEコンテキスト変更にのみ対応する場合、及びUEがソース電気通信ネットワークによってカバーされるソースエリアからターゲット電気通信ネットワークによって既にカバーされている登録されたターゲットエリアに戻るようにハンドオーバーされる場合に、RAT間ハンドオーバーの場合のシグナリング低減の効率を改善することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0035】
本発明の目的は、ソースRATを有するソース電気通信コアネットワークによってカバーされているソースエリアと、ターゲットRATを有するターゲットコア電気通信ネットワークによってカバーされているターゲットエリアとの間のUEローミングのためのRAT間切り換え後のモビリティシグナリングの低減を最適化するための方法であって、シグナリング低減機能が前記ソース電気通信コアネットワークによってアクティブにされ、前記シグナリング低減機能の非アクティブ化トリガーイベントによって次のIRAT切り換え発生時の登録更新の必要性が生じる、方法によって達成される。
【0036】
本発明による方法は以下のステップ、すなわち
a.前記UEに、その値が、前記シグナリング低減機能の前記非アクティブ化トリガーイベントが前記ソースRATにおける前記UEコンテキスト変更のみに対応するか否かを示すパラメーターを格納するステップと、
前記RAT間切り換え後に、
b.前記RAT間切り換えを生じた前記イベントをチェックするステップと、
c.前記パラメーターの前記値をチェックするステップと、
d.前記RAT間切り換えを生じた前記イベント及び前記格納されたパラメーターの前記値に依拠して、前記登録更新の必要性を取り消すか又は該登録更新の必要性を有効にするステップと、
を含む。
【0037】
本発明の第1の実施の形態では、本方法は、前記RAT間切り換えを生じたイベントが前記ターゲットRATの前記CNノードに既に登録されたエリアへのハンドオーバーである場合、かつ前記シグナリング低減機能の前記非アクティブ化トリガーイベントが前記ソースRATにおける前記UEコンテキスト変更のみに対応する場合、前記登録更新の必要性を取り消す、ステップを含む。
【0038】
本発明の第2の実施の形態では、本方法は、前記RAT間切り換えを生じたイベントが前記ターゲットRATの前記CNノードにまだ登録されていないエリアへのハンドオーバーである場合、前記登録更新の必要性を有効にする、ステップを含む。
【0039】
本発明の第3の実施の形態では、本方法は、前記RAT間切り換えを生じたイベントがアイドルモードセル再選択である場合、前記登録更新の必要性を有効にする、ステップを含む。
【0040】
前記RAT間切り換えの前に、前記シグナリング低減機能は、前記UEに格納されたTINパラメーターの値に従ってアクティブ状態又は非アクティブ状態のいずれかにある。
【0041】
本発明の第1の変形形態では、前記シグナリング低減機能が、前記ネットワークによって以前にアクティブにされ、かつ後に、次のIRAT切り換え時の登録更新の必要性を生じる前記シグナリング低減非アクティブ化の1つ又は複数のトリガーイベント発生に起因して前記RAT間切り換えの前に前記UEにおいてローカルで非アクティブにされる場合、前記UEは、TINパラメーターを前記アクティブ状態に対応する値にセットすることによって前記シグナリング低減機能をローカルで再アクティブにし、前記RAT間切り換え後の前記登録更新の必要性を取り消す。そして、前記RAT間切り換え後、前記UEは、登録更新の必要性を有効にするために前記シグナリング低減機能を非アクティブに維持する。
【0042】
本発明の第2の変形形態において、前記シグナリング低減機能が、次のIRAT切り換え時の登録更新の必要性を生じる前記シグナリング低減非アクティブ化の1つ又は複数のトリガーイベント発生後に前記UEにおいてローカルでアクティブにされる場合、かつ前記シグナリング低減機能の前記非アクティブ化トリガーイベントが前記ソースRATにおける前記UEコンテキスト変更にのみ対応する場合、前記UEはTINパラメーターを前記非アクティブな状態に対応する値にセットすることによって前記シグナリング低減機能をローカルで非アクティブにし、前記登録更新の必要性を有効にする。そして、前記RAT間切り換え後、前記UEは、前記登録更新の必要性を取り消すために前記シグナリング低減機能をアクティブに維持する。
【0043】
双方の場合に、本発明による方法は、前記登録更新の必要性を取り消すか又は有効にした後に前記TINパラメーターを再セットする、ステップを含む。
【0044】
本発明の特定の実施態様では、前記ソース電気通信ネットワークはE−UTRAN RATを有する3GPP発展型パケットシステムコアネットワーク(それぞれGERAN RAT又はUTRAN RATを有する3GPP GPRSコアネットワーク)であり、前記ターゲット電気通信ネットワークはGERAN RAT又はUTRAN RATを有する3GPP GPRSコアネットワーク(それぞれE−UTRAN RATを有する3GPP発展型パケットシステムコアネットワーク)である。
【0045】
好ましくは、本発明による方法は、前記パラメーターを、次のIRAT切り換え時の登録更新の必要性が生じる前記シグナリング低減機能の前記非アクティブ化トリガーイベントが、前記ソースRATにおける前記UEコンテキスト変更のみに対応することを示す値にセットするステップを含み、前記非アクティブ化トリガーイベントは、
−さらなるベアラの変更又はアクティブ化、
−前記ソースRAT CNノードを前記UE固有のDRXパラメーターの変更に関して更新し、他方のRATにおける前記CNノードが次のIRAT切り換え時に更新されることを保証すること、
−前記ソースRAT CNノードを前記UEコアネットワーク機能の変更に関して更新し、他方のRATにおける前記CNノードも次のIRAT切り換え時に更新されることを保証すること、
の結果生じても良い。
【0046】
本発明の第1の変形形態の特定の実施態様では、前記UEがGERAN/UTRANとE−UTRANとの間で以前に登録されたエリアへのシステム間ハンドオーバーを実行し、かつ該UEが、GERAN/UTRANにおけるPDPコンテキスト(それぞれE−UTRANにおけるEPSベアラコンテキスト)のアクティブ化又は変更、UE固有のDRXパラメーター又はUEコアネットワーク機能パラメーターの変更に伴うGERAN/UTRANにおけるルーティングエリア更新(それぞれE−UTRANにおけるトラッキングエリア更新)の結果としてのみローカルでISRを非アクティブにした場合、前記UEは該UEのTINを「RAT関連TMSI」にセットすることによってISRをローカルで再アクティブにする。
【0047】
そして、本発明の第2の変形形態の特定の実施態様では、前記RAT間切り換えを生じたイベントが新たなエリアへのハンドオーバー又はアイドルモードセル再選択である場合、かつ前記シグナリング低減機能の前記非アクティブ化トリガーイベントがGERAN/UTRANにおけるPDPコンテキスト(それぞれE−UTRANにおけるEPSベアラコンテキスト)のアクティブ化又は変更、UE固有のDRXパラメーター又はUEコアネットワーク機能パラメーターの変更に伴うGERAN/UTRANにおけるルーティングエリア更新(それぞれE−UTRANにおけるトラッキングエリア更新)にのみ対応する場合、UEはISRをローカルで非アクティブにし、これにより登録を開始する。
【0048】
本発明による方法は、ソースRATを有するソース電気通信コアネットワークによってカバーされているソースエリアと、ターゲットRATを有するターゲットコア電気通信ネットワークによってカバーされているターゲットエリアとの間のRAT間切り換えによって生じるモビリティシグナリングを低減する手段を備えるユーザー機器(UE)であって、
a.その値が、次のIRAT切り換え時の登録更新の必要性を生じるシグナリング低減機能の前記非アクティブ化トリガーイベントが前記ソースRATにおける前記UEコンテキスト変更のみに対応するか否かを示すパラメーターを格納する手段と、
b.RAT間切り換えを生じたイベントをチェックする手段と、
c.前記格納されたパラメーターの前記値をチェックする手段と、
d.前記RAT間切り換えを生じたイベント及び前記格納されたパラメーターの値に依拠して、前記登録更新の必要性を取り消すか又は該登録更新の必要性を有効にする手段と、
をさらに備える、ユーザー機器によって実施される。
【0049】
本発明により、UEが一方のRAT(GERAN/UTRAN、それぞれE−UTRAN)から他方のRAT(E−UTRAN、それぞれGERAN/UTRAN)へ、既に登録されたエリア(UE内に格納されたTAIリストに含まれるトラッキングエリア、それぞれUEに格納されたルーティングエリア)へのシステム間ハンドオーバーを実行し、かつ他方のRATにおける前記CNノードも次のIRAT切り換え時に更新されることを保証するために次のIRAT切り換え時の登録更新の必要性を生じる前記シグナリング低減機能非アクティブ化のトリガーイベントが、UEコンテキスト変更(ベアラコンテキストアクティブ化若しくは変更(PDPコンテキスト、それぞれEPSベアラコンテキスト)、又はUE固有のDRXパラメーター若しくはUEネットワーク機能パラメーターの変更に伴うルーティングエリア更新(それぞれトラッキングエリア更新))のみに対応する場合、前記UEは登録更新の必要性を取り消し、それによって該UEにおいて前記シグナリング低減アクティブ状態をサイレントに回復する。前記IRAT切り換えがアイドルモードセル再選択又は新たなエリアへのハンドオーバーである場合、UEは前記登録の必要性を有効にし、登録更新シグナリング手順を開始する。
【0050】
前記シグナリング低減アクティブ状態の回復は、前記UEによって、前記ネットワークとピアツーピアシグナリングを行うことなく自律的に実行される。
【0051】
本発明による方法は、関連技術と比較してより良好なシグナリング低減を達成し、それによって、前記端末における処理及び前記ネットワークに伴うシグナリング負荷の低減を可能にする。
【0052】
さらに、前記UE及び前記ネットワークが他の標準的なトリガー(たとえば周期タイマーが満了するか、又はまだ登録されていない新たなエリアに入った)に起因してシグナリングを交換する必要がある場合、本発明による方法は、以前に前記UE及び前記ネットワークに格納された前記ターゲットRATからのセキュリティコンテキスト(すなわちネイティブセキュリティコンテキスト’)を迅速に再利用することを可能にする。これはISRがアクティブにされるときの従来技術による標準的な挙動である。
【0053】
このため、UEが標準的なトリガーに起因する前記IRATハンドオーバー後に登録手順を開始する場合、第1のメッセージは迅速にネイティブセキュリティコンテキストとの整合性が保護される。
【0054】
さらに、前記UEからの前記第1の登録更新は、トリガーされると、前記ターゲットRATからのUEアイデンティティ(古いアイデンティティ)を含むことに留意されたい。これによって、ISRが非アクティブにされるときに従来技術に必要とされる前記UEにおける前記アイデンティティのマッピングは回避される。
【0055】
本発明による方法がなければ、以前に登録されたエリアへのIRATハンドオーバー時にシグナリングを低減する機会が失われ、本発明による方法を実施しないUEは、以前のローカルISR非アクティブ化に起因して他方のRATに戻るときに登録手順を開始する。この場合、前記シグナリングは低減しない。
【0056】
さらに、前記UEは前記ソースRATからのセキュリティコンテキスト(すなわちマッピングされたセキュリティコンテキスト)を用いて、前記ターゲットRATにおける前記第1のメッセージ(登録エリア更新要求)の整合性を保護する。次に、ネットワークはさらなるシグナリング手順を用いて前記UEとの前記ネイティブセキュリティコンテキストをアクティブにし、これによって本発明による方法と共に用いられる前記シグナリングと比較して、前記UEとの前記シグナリングが低速になる可能性がある。
【0057】
本発明を実装しない前記UEからの前記第1の登録更新要求は、前記ターゲットRATの前記UEアイデンティティにマッピングされた前記ソースRATからの前記UEアイデンティティ(古いアイデンティティ)を前記ターゲットRATの追加のアイデンティティと共に含むことに留意されたい。
【0058】
上記の概要及び以下の詳細な説明は、本発明の例示的な実施形態を示す添付の図面と併せて読んだときにより良く理解される。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】上記で説明した、UEが登録エリア内でEUTRANとGERAN/UTRANとの間で再選択したときの二重登録、二重ページング、登録更新の低減に関する関連技術によるアイドルモードシグナリング低減原理を概略的に示す図である。
【図2】上記で説明した、アイドルモードにおけるRAT間切り換え後のMMEとSGSN UEとの間の関連技術によるUEコンテキスト転送及びISRアクティブ化ネゴシエーションを概略的に示す図である。
【図3】上記で説明した、アイドルモードにおける関連技術によるUEコンテキスト(再)同期原理を概略的に示す図である。
【図4】上記で説明した、接続モード(IRATハンドオーバー)におけるUEコンテキスト(再)同期原理を概略的に示す図である。
【図5】上記で説明した、接続モードにおけるシグナリング低減の従来技術による制限を概略的に示す図である。
【図6】本発明によるシグナリング低減の改善を概略的に示す図である。
【図7】本発明による次のIRAT切り換え時の登録の必要性を管理するための方法のステップを示すフローチャートである。
【図8】本発明の第1の変形形態による方法のステップを示すフローチャートである。
【図9】本発明の第2の変形形態による方法のステップを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0060】
本発明を、その一実施態様を示す図6〜図9を参照することにより、ソースアクセスネットワーク(RAT)6(たとえばLTEネットワーク)を有するソース移動電気通信ネットワークのソースCNノード4(たとえばMME)、ターゲットアクセスネットワーク(RAT)10(たとえば2G/3Gネットワーク)を有するターゲット移動電気通信ネットワークのターゲットCNノード8(たとえばSGSN)を含むシステムにおいて説明する。
【0061】
移動電話等のユーザー機器2は、接続モードにおいて、LTEネットワーク6によってカバーされるエリアから2G/3G10によってカバーされるエリアにローミングしている。
【0062】
ユーザー機器2、ソース移動電気通信ネットワーク4、及びターゲット移動電気通信ネットワーク2G/3G10の全てがISR手順(アイドルモードシグナリング低減)をサポートすると仮定する。
【0063】
3GPP23.401v8.4.0(セクション4.3.5.6及び付録J.2)は、ISRのステータスを格納するためのTINパラメーターを以下のように規定した。
ISRがアクティブ状態にあるとき、TINパラメーターは値「RAT関連TMSI」を有する。
ISRが非アクティブ状態にあるとき、TINパラメーターは、LTEにおいて値「GUTI」を有し、2G又は3Gアクセスにおいて値「PTMSI」を有する。
【0064】
本発明によるISR手順を効率的に制御するために、ISRを非アクティブにするための1つ又は複数のトリガーイベントがソースRATにおいて発生し、次のIRAT切り換え時の登録更新の必要性が生じる場合に、これらのトリガーイベントがUEとソースコアネットワーク要素とターゲットコアネットワーク要素との間で共有されるUEコンテキストのパラメーターの変更にのみ対応するか否かを示すように、調整可能なパラメーターNFR−syncがUE2においてプログラムされる。
【0065】
このパラメーターは、ISR非アクティブ化トリガーイベントに起因して次のIRAT切り換え時に登録更新が必要とされる場合、該登録更新は、ターゲットRATにおけるCNノードが、そのUEコンテキストがソース移動ネットワークのコアネットワーク要素において変更されたUEコンテキストと同期するように更新されることを保証する目的のみで必要とされることを同等に意味する。
【0066】
パラメーターNFR−syncは、ISRを非アクティブにするための1つ又は複数のトリガーイベントがソースRAT内で発生し、次のIRAT切り換え時の登録更新の必要性が生じたこと、かつこれらのトリガーイベントがUEコンテキスト変更にのみ対応することを示すために、値TRUEを有することができる。この値は、次のIRAT切り換え時の登録更新が必要とされるが、この登録更新は、ソースコアネットワーク要素内に格納されている変更されたUEコンテキストを、ターゲットRATにおける登録更新中にターゲットコアネットワーク要素に転送することによって、該ターゲットCN要素内に格納されているUEコンテキストの再同期をトリガーするためにのみ必要とされることを意味する。
【0067】
パラメーターNFR−syncは、ISRを非アクティブにするためのトリガーイベントがソースRATにおいて発生していないこと、又は単なるUEコンテキスト変更とは異なる、ISRを非アクティブにするための少なくとも1つのトリガーがソースRATにおいて発生したことを示すために、値FALSEを有することができる。ISR非アクティブ化トリガーイベントがUEコンテキストパラメーターを変更し、CNノード要素を再同期するために次のIRAT切り換え時の登録更新の必要性が生じたが、UEコンテキスト再同期と異なる何らかのさらなる目的で次のIRAT切り換え時の登録更新の必要性も生じた場合、NFR−syncパラメーターもFALSEに再セットされる。たとえば、パラメーターNFR−syncは、ターゲットRATにおける登録更新がネットワーク内にSGインターフェースを作成することを目指していることから、回路スイッチドメインにおけるMSC CNノードに対するロケーションエリア更新後にFALSEに再セットされるか、又は、UEコンテキストが削除されることから、ISR非アクティブ化タイマーが満了する時にFALSEに再セットされる。
【0068】
図6において、ISR手順がアクティブにされ、UE2がMME4によって保持されるトラッキングエリアのリスト及びSGSN8によって保持されるルーティングエリアに同時に登録されると仮定する。ソースRAT MME4におけるコンテキスト変更(矢印30)は、UE2がLTEネットワーク6内にある間、UE2におけるISR手順の非アクティブ化をトリガーする。
【0069】
UE2が2G/3Gネットワークに移動し、IRAT切り換えがハンドオーバーであること、及びターゲットセルがネットワークに既に登録されたエリアに属すること、及びソースRATにおけるISR非アクティブ化トリガーイベントがUEコンテキストの変更にのみ対応することをUE2が認識すると、該UEはターゲットRATにおける登録の必要性を取り消す。このため、登録更新の他の標準的なトリガーが適用されない場合、登録更新はターゲットRATにおいて回避され、これによって図5の方法を実装しないUEと比較してシグナリング低減が最適化される。
【0070】
図7は本発明の主要概念を示している。
【0071】
UE2がソースネットワークLTE6(それぞれ2G3G10)のセルにとどまり、MEE4(それぞれSGSN8)に登録されており(ステップ40)、ソース移動電気通信ネットワークMME4(それぞれSGSN8)が「ISRがアクティブである」ことを示したと仮定する。
【0072】
2つの状況が発生し得る。第1の状況では、ステップ42において、アイドルモードではIRATセル再選択を介して、又は接続モードではIRATハンドオーバーを介してRAT間切り換えが発生する。
【0073】
第2の状況では、ISR非アクティブ化ステップ50をトリガーする1つ又は複数のイベントが発生する。このイベントは、ネットワークによる明示的なISR非アクティブ化である場合もあるし、UEによるローカルのISR非アクティブ化トリガーイベントの場合もある。
【0074】
第2の状況では、ネットワークによる明示的なISR非アクティブ化又はUEによるローカルのISR非アクティブ化(ステップ50)の後、UE2はステップ52において、シグナリング低減方式の非アクティブ化に起因して次のIRAT切り換え時に登録更新が必要であることを記憶する。
【0075】
ステップ54において、UE2はISR非アクティブ化をトリガーしたイベントを確定する。
【0076】
上記イベントがUE2及びソースRAT4のCNノードにおけるUEコンテキスト変更のみである場合、かつISR非アクティブ化の他のトリガーが発生しない場合(矢印56)、UE2は内部パラメーターNFR−sync=TRUEをセットして(ステップ58)、ISR非アクティブ化トリガーによって生じた次のIRAT切り換え時の登録更新の必要性が、UEコンテキストの変更のみに起因するものであることを記憶し、ステップ42〜ステップ100を実行する。
【0077】
ISR非アクティブ化がUE2及びソースRAT4のCNノードにおけるUEコンテキスト変更のみとは異なる何らかの他のイベントによってトリガーされた場合(矢印60)、ステップ62において、UE2は内部パラメーターNFR−sync=FALSEをセットして、ISR非アクティブ化トリガーによって生じた次のIRAT切り換え時の登録更新の必要性が、UEコンテキストの変更のみでない別のトリガーに起因することを記憶し、ステップ42〜ステップ100を実行する。
【0078】
双方の状況について、ステップ42において、UEはアイドルモードセル再選択又はハンドオーバーであり得るIRAT切り換えを実行する。次に、UE2は、IRAT切り替えがアイドルモードにおけるセル再選択に起因するか、又は接続モードにおけるIRATハンドオーバーに起因するかを検証する(ステップ70)。
【0079】
IRAT切り換えがアイドルモードにおけるセル再選択に起因する場合(矢印72)、UE2は、ISR状態を、ISR非アクティブと異なる値が格納されている場合にISR非アクティブに更新することによって登録更新を開始する必要性を有効にする(ステップ74)。
【0080】
IRAT切り換えが接続モードにおけるハンドオーバーに起因する場合(矢印76)、ステップ78において、UE2はターゲットセルが以前に登録されたエリアに属するか否かを検査する。
【0081】
ターゲットセルが以前に登録されたエリアに属しない場合(矢印80)、UE2はステップ74を実行する。
【0082】
そうでない場合(矢印82)、UE2はNFR−syncパラメーターの値を読み取る(ステップ84)。
【0083】
NFR−sync=FALSE(矢印86)の場合、UE2はステップ74を実行する。
【0084】
NFR−sync=TRUE(矢印88)の場合、UE2は登録更新を開始する必要性を取り消す。UE2は、ISR状態を、ISRアクティブと異なる値が格納されている場合、ISRアクティブに更新する(ステップ90)。
【0085】
ステップ74又はステップ90のそれぞれの後、UE2は内部パラメーターNFR−sync=FALSEを再セットし(ステップ92)、ステップ94において、ISR状態TINパラメーターの値を検証する。
【0086】
ISR状態が非アクティブである、すなわちTIN=「GUTI」又は「PTMSI」である場合(矢印94)、UE2はステップ98において登録更新を開始する。
【0087】
ISR状態がアクティブである、すなわちTIN=RAT関連TMSIである場合(矢印99)、他の標準的なRAU/TAUトリガー条件が満たされていないとき、UE2はステップ100において示されるように登録更新を省く。
【0088】
図8は、ソースRATにおけるUEコンテキスト変更時にリアルタイムISRローカル非アクティブ化を用いる本発明の一実施形態を示している。この場合、図7の全てのステップは同様に実行されるが、ステップ52が新たなステップ51に置き換えられ、該ステップにおいてUE2がソースRATにとどまっている間に、たとえばGERAN/UTRANにおいて該UEのTINを「PTMSI」にセットし、EUTRANにおいて「GUTI」にセットすることによってISR機能をローカルで非アクティブにし、ステップ74及びステップ90がそれぞれステップ73及びステップ89に置き換えられる点が異なる。ステップ73において、UE2は、TINを「GUTI」又は「PTMSI」に維持することによってISR非アクティブ状態を維持し、ステップ89において、UE2は、たとえば該UEのTINパラメーターを「RAT関連TMSI」にセットすることによってISR機能をローカルで再アクティブにする。
【0089】
図9は、ソースRATにおけるUEコンテキスト変更時に延期されたISRローカル非アクティブ化を用いる本発明の一実施形態を説明している。この実施形態では、図7の全てのステップは同様に実行されるが、ステップ52が新たなステップ53に置き換えられ、該ステップにおいて、UEが、たとえば該UEのTINを「RAT関連TMSI」に維持することによってアクティブ状態におけるISR機能を保ち、ステップ74及びステップ90がそれぞれステップ75及びステップ91に置き換えられる点が異なる。
【0090】
ステップ75において、登録更新がソースRAT4におけるUEコンテキスト変更の結果としてのみ必要となる場合(NFR−sync=TRUE)、UE2は該UEのTINを、GERAN/UTRANに由来する場合にTINを「PTMSI」にセットし、EUTRANに由来する場合に「GUTI」にセットすることによって、ISRローカル非アクティブ化を適用する。
【0091】
ステップ91において、UE2は、たとえば該UEのTINパラメーターを「RAT関連TMSI」に維持することによってISR機能をアクティブに維持する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソースRATを有するソース電気通信コアネットワークによってカバーされているソースエリアと、ターゲットRATを有するターゲットコア電気通信ネットワークによってカバーされているターゲットエリアとの間のUEローミングのためのRAT間切り換え後のモビリティシグナリングの低減を最適化するための方法であって、シグナリング低減機能が前記ソース電気通信コアネットワークによってアクティブにされ、前記シグナリング低減機能の非アクティブ化トリガーイベントによって次のIRAT切り換え発生時の登録更新の必要性が生じ、該方法は以下のステップ、すなわち
a.前記UEに、その値が、前記シグナリング低減機能の前記非アクティブ化トリガーイベントが前記ソースRATにおけるUEコンテキスト変更のみに対応するか否かを示すパラメーターを格納するステップと、
前記RAT間切り換え後に、
b.前記RAT間切り換えを生じた前記イベントをチェックするステップと、
c.前記パラメーターの前記値をチェックするステップと、
d.前記RAT間切り換えを生じた前記イベント及び前記格納されたパラメーターの前記値に依拠して、前記登録更新の必要性を取り消すか又は該登録更新の必要性を有効にするステップと、
によって特徴付けられる、方法。
【請求項2】
前記RAT間切り換えを生じたイベントが前記ターゲットRATのCNノードに既に登録されたエリアへのハンドオーバーである場合、かつ前記格納されたパラメーターの前記値が、前記シグナリング低減機能の前記非アクティブ化トリガーイベントが前記ソースRATにおける前記UEコンテキスト変更のみに対応することを示す場合、前記登録更新の必要性を取り消すことにある、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記RAT間切り換えを生じたイベントが前記ターゲットRATのCNノードにまだ登録されていないエリアへのハンドオーバーである場合、前記登録更新の必要性を有効にすることにある、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記RAT間切り換えを生じたイベントがアイドルモードセル再選択である場合、前記登録更新の必要性を有効にすることにある、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記RAT間切り換えの前に、前記シグナリング低減機能は、前記UEに格納されたTINパラメーターの値に従ってアクティブ状態又は非アクティブ状態のいずれかにある、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記RAT間切り換えの前に、前記シグナリング低減機能が前記UEにおいてローカルで非アクティブである場合、該UEはTINパラメーターを前記アクティブ状態に対応する値にセットすることによって前記シグナリング低減機能をローカルで再アクティブにし、前記RAT間切り換え後の前記登録更新の必要性を取り消す、請求項2又は5に記載の方法。
【請求項7】
前記シグナリング低減機能が前記UEにおいてローカルでアクティブである場合、かつ前記非アクティブ化トリガーイベントを示す前記パラメーターの値が前記シグナリング低減機能の前記非アクティブ化トリガーイベントが前記ソースRATにおける前記UEコンテキスト変更にのみ対応することを示す場合、前記UEは、前記TINパラメーターを前記非アクティブな状態に対応する値に設定することによって前記シグナリング低減機能をローカルで非アクティブにし、前記登録更新の必要性を有効にする、請求項3、4、及び5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記登録更新の必要性を取り消すか又は有効にした後に前記非アクティブ化トリガーイベントを示す前記パラメーターを再セットすることにあるステップをさらに含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記ソース電気通信ネットワークはE−UTRAN RATを有する3GPP発展型パケットシステムコアネットワーク(それぞれGERAN RAT又はUTRAN RATを有する3GPP GPRSコアネットワーク)であり、前記ターゲット電気通信ネットワークはGERAN RAT又はUTRAN RATを有する3GPP GPRSコアネットワーク(それぞれE−UTRAN RATを有する3GPP発展型パケットシステムコアネットワーク)である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記非アクティブ化トリガーイベントを示す前記パラメーターを、次のIRAT切り換え時の登録更新の必要性が生じる前記シグナリング低減機能の前記非アクティブ化トリガーイベントが、さらなるベアラの変更又はアクティブ化の結果生じる、前記ソースRATにおける前記UEコンテキスト変更のみに対応することを示す値にセットするステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記非アクティブ化トリガーイベントを示す前記パラメーターを、次のIRAT切り換え時の登録更新の必要性が生じる前記シグナリング低減機能の前記非アクティブ化トリガーイベントが、前記ソースRAT CNノードをUE固有のDRXパラメーターの変更に関して更新し、他方のRATにおける前記CNノードが次のIRAT切り換え時に更新されることを保証する結果生じる、前記ソースRATにおける前記UEコンテキスト変更のみに対応することを示す値にセットするステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記非アクティブ化トリガーイベントを示す前記パラメーターを、次のIRAT切り換え時の登録更新の必要性が生じる前記シグナリング低減機能の前記非アクティブ化トリガーイベントが、前記ソースRAT CNノードをUEコアネットワーク機能の変更に関して更新し、他方のRATにおける前記CNノードも次のIRAT切り換え時に更新されることを保証する結果生じる、前記ソースRATにおける前記UEコンテキスト変更のみに対応することを示す値にセットするステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記UEがGERAN/UTRANとE−UTRANとの間で以前に登録されたエリアへのシステム間ハンドオーバーを実行し、かつ該UEが、GERAN/UTRANにおけるPDPコンテキスト(それぞれE−UTRANにおけるEPSベアラコンテキスト)のアクティブ化又は変更、UE固有のDRXパラメーター又はUEコアネットワーク機能パラメーターの変更に伴うGERAN/UTRANにおけるルーティングエリア更新(それぞれE−UTRANにおけるトラッキングエリア更新)の結果としてのみローカルでISRを非アクティブにした場合、前記UEは該UEのTINを「RAT関連TMSI」にセットすることによってISRをローカルで再アクティブにする、請求項6、9、10、11、及び12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記RAT間切り換えを生じたイベントが新たなエリアへのハンドオーバー又はアイドルモードセル再選択である場合、かつ前記シグナリング低減機能の前記非アクティブ化トリガーイベントがGERAN/UTRANにおけるPDPコンテキスト(それぞれE−UTRANにおけるEPSベアラコンテキスト)のアクティブ化又は変更、UE固有のDRXパラメーター又はUEコアネットワーク機能パラメーターの変更に伴うGERAN/UTRANにおけるルーティングエリア更新(それぞれE−UTRANにおけるトラッキングエリア更新)にのみ対応する場合、UEはISRをローカルで非アクティブにし、これにより登録を開始する、請求項7、9、10、11、及び12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
ソースRATを有するソース電気通信コアネットワークによってカバーされているソースエリアと、ターゲットRATを有するターゲットコア電気通信ネットワークによってカバーされているターゲットエリアとの間のRAT間切り換えによって生じるモビリティシグナリングを低減する手段を備えるユーザー機器であって、
a.その値が、次のIRAT切り換え時の登録更新の必要性を生じるシグナリング低減機能の非アクティブ化トリガーイベントが前記ソースRATにおける前記UEコンテキスト変更のみに対応するか否かを示すパラメーターを格納する手段と、
b.前記RAT間切り換えを生じたイベントをチェックする手段と、
c.前記格納されたパラメーターの前記値をチェックする手段と、
d.前記RAT間切り換えを生じたイベント及び前記格納されたパラメーターの値に依拠して、前記登録更新の必要性を取り消すか又は該登録更新の必要性を有効にする手段と、
をさらに備えることを特徴とする、ユーザー機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2012−516583(P2012−516583A)
【公表日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−532062(P2011−532062)
【出願日】平成22年1月26日(2010.1.26)
【国際出願番号】PCT/JP2010/051313
【国際公開番号】WO2010/087469
【国際公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】