説明

SIMリーダライタ

【課題】 接触と非接触のデュアルインターフェースSIMを装着でき、液晶デ ィスプレイにバーコードを表示可能なSIMリーダライタを提供する。
【解決手段】 SIMカード2に記録されたチケット情報は、USBコネクタ20を介した接触方式で、あるいは、アンテナコイルを介した非接触方式でデータ読取り可能となっている。さらに、SIMカード2に記録されたチケット情報を二次元バーコードに変換して液晶ディスプレイ4に表示させ、光学的に読取り可能とさせる。液晶ディスプレイ4に表示された二次元バーコードは、所定時間経過後消去される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、USB用コネクタを有し、接触と非接触のインターフェースを備えるSIMを着脱可能に装着し、SIMが保持するデータ内容を液晶ディスプレイに表示可能なSIMリーダライタに関する。このようなSIMリーダライタは、第1にパーソナルコンピュータ(PC)等 のアクセス権限認証用途に使用でき、第2に施設、交通機関等の非接触ゲート管 理や非接触ショッピング等の決済取引に適用でき、第3に液晶ディスプレイに各 種情報を表示させることができるので、そのような情報表示が求められる媒体、例えば、各種取引の記録表示、定期券や乗車券、各種施設入場券等に好適に用い得るものである。従って、本発明の関連する技術分野は、SIMリーダライタやSIMの製造・ 利用の分野、あるいは定期券や乗車券、入場券の発券や取り扱い、または利用分野に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ISO7816−2、ISO7816−3で規定される接触と、USB(ユニバーサル・シリアル・バス)接触とのデュアルインターフェースのICカードが開発されている(特許文献1)。USBインターフェースを持つICカードは、パソコンなどのUSB対応の機器との接続を容易にし、社員証カードなどでネットワークアクセス用IDカード として注目されはじめている。
【0003】
一方、e−Tokenと呼ばれるICチップを内蔵したネットワークアクセス 用IDモジュールが使用されている。USB接触インターフェースを持ち、パソ コン(PC)のUSBコネクタに差し込みプラグアンドプレイ、すなわち煩わしい操作を必要とせずに、ネットワークセキュリティを確保したシステムに使用されている。ドングルと呼ばれることもあり、携帯電話のストラップやキーホルダーとともに持ち歩ける利便性がある。
【0004】
他方、携帯電話には小型のSIMやUIM、USIMカードと呼ばれるセキュリティIDモジュールが組み込まれてきている。日本でも最新の携帯電話には組 み込まれて既に実用化されている。UIM(User Identity Module) は、携帯電話会社が発行する契約者情報を記 録した小型のICカードであって、携帯電話機に組み込んで利用者の識別に使用する。
【0005】
これは同様の機能を持つSIM(Subscriber Identity Module)から機能拡張が行われたもので、契約者情報以外に電話帳などのプライベート情報やクレジット 決済用の個人識別情報などを暗号化して登録することが可能となっている。SIMをベースにしていることからUSIM(Universal SIM)と呼ばれることもある。SIMはGSM携帯電話サービスの利用を目的とするが、UIMは、例えば、アメリカのcdma2000携帯電話機に差し込んで国際ローミングサー ビスを受けるといった使用方法が考えられている。いずれにしても、このようなSIMまたはUIMは既存技術が有るので製造や発行処理が容易である。
【0006】
前述のキーホルダー型IDモジュールや特許文献1の携帯物品は、非接触通信機能を持たないので、改札ゲートやドアゲートを非接触で開閉する等の用途に兼用できないという使い勝手の悪さがある。そこで、本願出願人は、先に、ISO7816で規定される接触と、ISO14443非接触のインターフェースを備えるUSBコネクタ付きSIMホルダーについて、特許文献2において提案している。また、ISO7816で規定される接触と、ISO14443非接触、USB接触の3種のインターフェースを備えるICモジュール、SIMホルダー、SIM等について、特許文献3、4において提案している。
【0007】
【特許文献1】特表2002−525720号公報
【特許文献2】特開2004−118771号公報
【特許文献3】特開2004−133843号公報
【特許文献4】特願2003−46657号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記特許文献2、特許文献3に提案のSIMホルダーは、表示部を有しないのでSIMが保持する情報内容を可視的に表示できない問題がある。また、上記特許文献4に提案のSIMリーダライタは、データの読取りがICチップからのい読取りに限定されてしまうという問題がある。しかし、ICチップからデータを読み取る装置は、未だ普及率が高くないのが現状である。一方、バーコードリーダ等の光学的読取り装置は、普及率が高く、これを利用したいという要望がある。
【0009】
そこで、本発明は、チケット情報等をディスプレイに光学的に機械読取可能な状態で表示することが可能なSIMリーダライタを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明では、SIMリーダライタを、USB用コネクタを有し、ISO7816−2、ISO7816−3で規定する接触、ISO14443で規定する非接触インターフェースを備えるSIMを着脱可能に装着するSIMリーダライタであって、当該SIMリーダライタは、SIMに記録されたチケット情報をバーコードに変換する機能と、当該バーコードを液晶ディスプレイに表示する機能を備えると共に、所定時間の経過後は、液晶ディスプレイからバーコードを消去する機能を有する構成としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、接触、非接触インターフェースを備えたSIMリーダライタにおいて、SIMに記録されたチケット情報をバーコードに変換して、ディスプレイに表示するようにしたので、既存のバーコードリーダを利用して読み取りを行うことが可能となり、接触・非接触ICカードリーダライタ以外でも読取りできるため、情報の読取り機会が増大する。また、バーコードを所定時間経過後に消去するようにしたので、その後に不正に読取られることを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(液晶ディスプレイ付きSIMリーダライタ)
まず、本発明の前提となる液晶ディスプレイ付きSIMリーダライタについて説明する。図1は、液晶ディスプレイ付きSIMリーダライタのブロック構成を示す図、である。図2は、液晶ディスプレイ付きSIMリーダライタの外形を示す図、図3〜図6は、SIMリーダライタ内の構成を示す図、図7は、SIMを示す平面図、である。
【0013】
図1のように、液晶ディスプレイ付きSIMリーダライタ(以下、「SIMリーダライタ」と略称する。)1は、SIM2を着脱可能に装着し、制御用ICチップ3を有している。制御用ICチップ3は、CPUとメモリを有すると共に、ISO7816ドライバ31と液晶ディスプレイ駆動用の液晶ドライバ32、および赤外通信用の赤外線ドライバ33を有している。ただし、これらの全てが一体にICチップ化されているものには限られない。SIM2の信号は、リーダライタ(R/W)端子板12とリレー8を介して制御用ICチップ3に接続し、USBポート25からの信号は、USB/ISO7816変換IC10とリレー8を介して制御用ICチップ3に接続する。
【0014】
リーダライタ端子板12は、SIM2が備える接触端子板の8端子と接続する 構造を有している。接触端子の場合、予備端子となっているC4とC8端子が、 SIMリーダライタのケーシング内のアンテナコイル11に接続するようにされている。アンテナコイル11は、ISO14443TypeA,Bに準拠した非接触通信を行うためのものである。SIMリーダライタ1は、液晶ディスプレイ4や制御用ICチップ3等の駆動電源としてバッテリ(二次電池)7を備えることが好ましい。バッテリ7には薄 型のリチウムイオン電池を好ましく使用できる。スイッチボタン41は電源のオン−オフフ、スイッチボタン42は、表示選択や動作決定のために用いられる。
【0015】
SIMリーダライタ1は、USBコネクタがパーソナルコンピュータ(PC)のUSBポート25に挿入されている場合は、バッテリ7は接続されないようになっている。したがって、この場合は、スイッチボタン41をオンしても制御用 ICチップ3のCPUは動作せず液晶ディスプレイ4も表示されない。液晶ディスプレイ4は、PCに接続していない場合であって、スイッチボタン41をオンした場合にのみ表示される。
【0016】
この場合(電源ボタンオン時)には、リレー8はCPUとリーダライタ端子板 12を接続する。USBコネクタがUSBポートに挿入されているUSB駆動時は、リレー8は制御用ICチップ3のCPUとUSBポート25を接続する。また、アンテナコイル11によりISO14443通信中に電源ボタンがオフ されたり、USBコネクタがUSBポート25に挿入された場合には、ハードウェアリセットがかかり、SIMはATR(answer to reset )を返す。すなわち 、非接触通信は強制的に中断されるようになっている。
【0017】
SIMリーダライタ1は、赤外線通信手段を備えることができる。赤外線通信手段は、制御ICチップ3の赤外線ドライバ33により制御され、赤外線受発信部5は、赤外線発光部と受光部、およびフィルタ等を備え、これと同様な構成で受発信部を備える外部電子機器と交信してデータの送受信をすることができる。この場合、SIM2の情報は制御用ICチップ3により処理され、赤外線受発信部5の発光部により光電変換されて外部電子機器に送信される。他方、外部電子機器からの信号は受光部が光電変換し、制御用ICチップ3を経てSIM2に送信される。これにより、ISO14443非接触よりも長い近距離間における非接触通信が可能となる。
【0018】
SIMリーダライタはどのような外形であっても構わないが、携帯し易い形状としては、図2のように、USBコネクタ20の挿入方向とSIM2の挿入方向が直線状にあるのが好ましいと考えられる。図2(A)のように、表面に液晶ディスプレイ4を有し、左端部にはUSBコ ネクタ20を有し、右端部にはSIM2の挿入口15を有している。挿入口15の手前部分に液晶ディスプレイ4よりは一段低くなった段部16を設けている。SIM挿入の際、この段部16にSIM2をあてがえばSIM2の挿入を容易にできる。液晶ディスプレイ4と挿入口15の間にスイッチボタン41,42が設けられている。符号14は電源用のLED表示である。SIMリーダライタ1を携帯する際は、キー取り付け穴17に、ストラップ等を通せば、SIM2の不用意な脱落を防止できる。
【0019】
液晶ディスプレイ4は、SIM2のICチップが保持する情報をスイッチボタ ン42の操作により順次表示するようにされている。表示内容は、SIMの搭載するアプリケーションソフトによって異なるが、例えば、電子マネー201の場合は残高、支払い明細等であり、電子チケット202の場合は、利用日付けや会場、開演時間、指定座席等の表示であり、定期券用途の場合は、通用区間や通用期間、使用者等の表示となる。このようにSIM2は複数アプリケーションを搭載できることが好ましい。液晶ディスプレイ4には、ドットマトリクスタイプの反射型カラー液晶表示を採用でき、図形表示も可能である。液晶ディスプレイ4の厚みは、1.0mm〜1.5mm程度となる。表示面積は、幅20〜30mmから長さ50〜70mm 程度のものにできる。なお、液晶ディスプレイに限らず、有機ELや電子ペーパーなど、薄型で消費電力の少ない表示装置を代替して利用することができる。
【0020】
図2(B)は、図2(A)のA−A線断面を示す。この場合は、SIM2が装着されている状態を示している。SIM2と液晶ディスプレイ4との間には、リーダライタ(R/W)端子板12があって、SIM2の接触端子板22との接触が確保される。リーダライタ端子板12は液晶基板下の全面に設けて配線基板を兼ねるようにしても良い。SIMリーダライタ1は、液晶ディスプレイ4やリーダライタ端子板12を備える上蓋部18と下側ケース部19を分割して成型し、配線基板等を組み込んだ後に組み合わせて一体にすることが多い。図示してないが、アンテナコイル11は前記配線基板の周囲に配線したり、上蓋部18や下側ケース部19の内面に配 線させることができる。
【0021】
SIMリーダライタ1の裏面には、特別な部品を設けないので、図示していな いが、電源充電のための機構部等を設けることができる。また、下側ケース部19を透明樹脂で成型すれば、後述するようにSIMに設けた顔写真やネームプリントを透視することができる。
【0022】
図3〜図6は、SIMリーダライタ内の構成を示す図であって、液晶ディスプレイ4の背面において、リーダライタ端子板12とアンテナコイル11の関係を示している。図3はSIM2の接触端子板22面側斜視図、図4は同平面図、図5はSIM2の接触端子板とは反対面側斜視図、図6は同平面図、である。図3、図4のように、アンテナコイル11はケーシングの上蓋部18の内周等 に沿うように配線され、その末端はリーダライタ端子板12のC4とC8端子に接続するようにされている。SIM2は、図3の右側から挿入してリーダライタ端子板12の下側に入って固定されるようにされている。
【0023】
図3、図4において、USBコネクタ20への配線は省略されているが、C5(GND)、C1(Vcc)、C2(RST)、C7(I/O)が、USB/ISO7816変換IC10に導かれることになる。前述した特許文献1には、USB機能を有するICチップが記載され、USB(D+)がC4端子を、USB(D−)がC8端子を利用する例が記載されているが、本発明のSIMリーダライタ1は、USB/ISO7816変換IC10を使用するので、従来機能のデュアルICモジュールを使用できる。また、アンテナコイル11の端子には、C4とC8端子を利用するので、8端子以上の特設端子板を有する端子をSIM2やリーダライタに使用しない利点がある。
【0024】
図5のように、リーダライタ端子板12の背面には8個のコンタクトピン13が突出していて、SIM2の接触端子板22と接触するようにされている。図6は、SIM2をSIMリーダライタ1に装着した後の状態である。SIM2は、端子板12の背面であって、下側ケース19に沿って挿入されるので、下側ケース19が透明樹脂であれば、SIM2の顔写真加工27等を視認することができる。
【0025】
前記のように、PCに接続している際は、非接触通信機能は遮断されるが、非接続時には、非接触インターフェースを使いコンビニやレストランでの支払いや交通機関の改札や施設の入退室管理に利用することができる。赤外線通信手段を備える場合は、ISO14443による非接触通信よりも長い距離での通信が可能となる。一方、PCに直接接続でき、周辺機器として別途リーダライタを必要としない利点がある。
【0026】
図7は、本発明に使用するSIMを示す平面図である。図7(A)は接触端子板22を有する表面側、図7(B)はその反対側面を示す。図7(A)のように、SIM2は長辺L1が25mm、短辺L2が15mm程度の基板21からなるものである。厚みは、1.0mm以内で、通常は0.76mmの均一な薄板状のものである。接触端子板22の背面基板中には、接触、非接触デュアルモードのICモジュールが装着されている。矩形状SIMの一端隅角部に切り欠き23を有するのは、SIM2をSIMリーダライタ1に装着する際の位置合わせを容易にするためのものである。
【0027】
図7(B)のように、SIM2の接触端子板22とは反対側面には、顔写真加工27やネームプリント28、番号プリント29を設けることができ、所有者の識別を容易にできると共に、SIMリーダライタ1の下側ケース部を透明にする場合にはSIMを装着した状態で利用者を視覚的に識別することができる。SIM2は、マルトス(商標)対応のものとすることで、電子マネーや電子チケット、社員証等の複数アプリケーションを搭載して使用することができる。
【0028】
(本発明に係るSIMリーダライタ)
本発明に係るSIMリーダライタは、上記構成のSIMリーダライタにおいて、さらに、電子チケットをバーコードに変換して、表示させることを特徴とする。本実施形態では、バーコードとして二次元バーコードを用いることとする。また、二次元バーコードとしても、公知の種々のものを使用することができるが、例えば、QRコードを使用することができる。本発明に係るSIMリーダライタでは、上記電子チケット202として、利用日付けや会場、開演時間、指定座席等のチケット情報を記録する。チケット情報としては、証明書を含む10KB(キロバイト)程度のデータ量の大きいデータ読み取り用と、証明書を含まず、2KB程度のデータ量の小さい光学的読み取り用の2種類を用意する。制御用ICチップ3のメモリには、チケット情報を二次元バーコードに変換するためのプログラムと、スイッチボタン42の操作にしたがって、光学読み取り用のチケット情報を読み出すためのプログラムが記録されている。
【0029】
利用者は、まず、チケットの購入を行う。これにより、SIM2内に電子チケット202として、図8に示したような2種類のチケット情報が記録される。利用者は、チケット購入後、SIMリーダライタ1を携帯して、会場を訪れ会場の入場ゲートを確認する。
【0030】
(入場ゲートにおける認証が光学的読み取り方式である場合)
入場ゲートにおける認証が二次元バーコードリーダ等の光学的読み取り方式を用いたものである場合について、SIMリーダライタの動作を図9のフローチャートに従って説明する。利用者は、スイッチボタン41を操作して電源をオンにして(S1)、液晶ディスプレイ4にメニューを表示させる(S2)。さらに、利用者は、スイッチボタン42を操作して、二次元バーコード表示を指示する(S3)。すると、制御用ICチップ3のCPUは、メモリに記録された光学読み取り用のチケット情報を読み出すためのプログラムに従って、SIM2に電子チケット202として記録された光学読み取り用チケット情報を読み出す。さらに、CPUは、メモリに記録されたチケット情報を二次元バーコードに変換するためのプログラムに従って、読み出した光学読み取り用チケット情報を二次元バーコードに変換し、液晶ドライバ32を操作して液晶ディスプレイ4に二次元バーコードを表示させる(S4)。表示させる際、CPUは、自身のクロックにより所定の時間(好ましくは、5秒程度)をカウントし、時間が来たら、液晶ドライバ32に対して、メニュー画面に切り換える指示を行う(S5)。
【0031】
入場ゲートにおいては、SIMリーダライタ1の液晶ディスプレイ4に表示された二次元バーコードを二次元バーコードリーダにより読み取る。読み取られた二次元バーコードは、二次元バーコードにより文字コードに変換された後、チケット情報として認識され、サーバに送信されて、チケットが使用済みであるかどうかが確認される。チケットが使用済みであれば、入場ゲートは開かない。チケットが使用済みでなければ、サーバからその旨の信号が入場ゲートに送信され、入場ゲートが開くことになる。二次元バーコードリーダにより二次元バーコードの読み取りが完了する前に、液晶ディスプレイ4の二次元バーコードの表示が消えてしまった場合には、利用者は、再度、スイッチボタン42を操作して、二次元バーコード表示を指示し、液晶ディスプレイ4にチケット情報に対応した二次元バーコードを表示させる。
【0032】
(入場ゲートにおける認証がデータ読み取り方式である場合)
入場ゲートにおける認証がデータ読み取り方式である場合、例えば、非接触方式でデータを読み取る方式である場合、利用者は、特に電源を入れる必要なく、SIMリーダライタ1を入場ゲートの所定の部分にかざす。すると、SIM2に電子チケット202として記録されたデータ読み取り用チケット情報を読み出して、アンテナコイル11を利用して、入場ゲートの受信部にデータ読み取り用チケット情報を送信する。入場ゲートが受信したデータ読み取り用チケット情報は、サーバに送信される。データ読み取り用チケット情報には、証明書データが付加されているので、サーバでは、この証明書データの認証も行うことになる。証明書が正しいものであると判断された場合には、チケットが使用済みであるかどうかが確認される。チケットが使用済みであれば、入場ゲートは開かない。チケットが使用済みでなければ、サーバからその旨の信号が入場ゲートに送信され、入場ゲートが開くことになる。
【0033】
(チケット情報の形式)
上記の例では、図8に示したように電子チケット202として、データ読取り用チケット情報と光学的読取り用チケット情報の2種類を記録するようにしたが、どちらか一方のみを記録しておき、共通のチケット情報を利用して、アンテナコイル11を介した非接触方式のデータ読取り、および二次元バーコードに変換して表示するようにしても良い。データ読取り用チケット情報と光学的読取り用チケット情報の違いは、図8にも示したように、証明書データの有無だけである。したがって、データ読取り用チケット情報だけを記録しておいた場合は、データ読取り用チケット情報に含まれる証明書データも二次元バーコードとして表示されることになるが、二次元バーコードに記録されたチケット情報の読取りは問題なく行うことができる。また、光学的読取り用チケット情報だけを記録しておいた場合は、非接触方式のデータ読取りの際、認証が行われないことになるが、チケット情報の読取りは可能となる。
【0034】
(SIMリーダライタの形態の変形例)
上記実施形態では、USBコネクタ20を外部に突出させた形態としたが、USBコネクタを突出させない形態とすることも可能である。USBコネクタを突出させない形態の一例を図10に示す。図10において、図1、図2と同一のものについては、同一符号を付して説明を省略する。図10の例では、USBコネクタ20は、外形のケースから窪んだ位置に設けられている。また、ボタン41、42に加えてボタン43が設けられており、多様な機能の操作を容易にしている。
【0035】
(異なるバーコード形式)
上記実施形態では、バーコードとして、二次元バーコードを利用した場合を例にとって説明したが、他の形式のバーコードであっても良い。例えば、最も普及している一次元バーコードリーダで読み取り可能なように、一次元バーコードを表示させるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明のSIMリーダライタのブロック構成を示す図である。
【図2】SIMリーダライタの外形を示す図である。
【図3】SIMの接触端子板面側斜視図である。
【図4】同平面図である。
【図5】SIMの接触端子板とは反対面側斜視図である。
【図6】同平面図である。
【図7】SIMを示す図である。
【図8】SIM2内に記録された電子チケットを示す図である。
【図9】本発明のSIMリーダライタの動作を示すフローチャートである。
【図10】SIMリーダライタの外形の変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0037】
1・・・SIMリーダライタ
2・・・SIM
3・・・制御用ICチップ
4・・・液晶ディスプレイ
5・・・赤外線受発信部
7・・・バッテリ
8・・・リレー
10・・・USB/ISO7816変換IC
11・・・アンテナコイル
12・・・リーダライタ(R/W)端子板
13・・・コンタクトピン
14・・・LED表示
15・・・挿入口
16・・・段部
17・・・キー取り付け穴
18・・・上蓋部
19・・・下側ケース部
20・・・USBコネクタ
21・・・基板
22・・・接触端子板
23・・・切り欠き
25・・・USBポート
27・・・顔写真加工
41〜43・・・スイッチボタン


【特許請求の範囲】
【請求項1】
USB用コネクタを有し、ISO7816−2、ISO7816−3で規定する接触、ISO14443で規定する非接触インターフェースを備えるSIMを着脱可能に装着するSIMリーダライタであって、
当該SIMリーダライタは、SIMに記録されたチケット情報をバーコードに変換する機能と、当該バーコードを液晶ディスプレイに表示する機能を備えると共に、所定時間の経過後は、液晶ディスプレイからバーコードを消去する機能と、
を有することを特徴とするSIMリーダライタ。
【請求項2】
前記チケット情報として、ISO7816−2、ISO7816−3で規定する接触、ISO14443で規定する非接触インターフェースで読取るためのデータ読取り用チケット情報と、バーコードリーダにより読み取るための光学的読取り用チケット情報の2種類のチケット情報がSIMに記録されており、前記光学的読取り用チケット情報をバーコードに変換するものであることを特徴とする請求項1に記載のSIMリーダライタ。
【請求項3】
前記バーコードは、二次元バーコードであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のSIMリーダライタ。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−85391(P2006−85391A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−268874(P2004−268874)
【出願日】平成16年9月15日(2004.9.15)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】