SPECT投影データ作成方法及びその装置並びにファンビームSPECT処理装置
【課題】データ収集時間に長い時間を要することなく投影データのデータ数を増加でき、1投影当たりの投影データの精度を高くすること。
【解決手段】投影データ作成装置5においてSPECTデータ収集装置4により収集されたファンビーム投影データ中から所定枚数の各投影データに対して加重加算法を用いた重み付け処理を行って擬似のファンビーム投影データを作成し、例えば当該擬似のファンビーム投影データを加えてファンビーム投影データのデータ数を増加する。
【解決手段】投影データ作成装置5においてSPECTデータ収集装置4により収集されたファンビーム投影データ中から所定枚数の各投影データに対して加重加算法を用いた重み付け処理を行って擬似のファンビーム投影データを作成し、例えば当該擬似のファンビーム投影データを加えてファンビーム投影データのデータ数を増加する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば核医学診断装置に係り、例えば患者等の被検体の頭部の検査を行うために、被検体に投与された放射性同位元素から放出される放射線をファンビーム状にコリメートし、このコリメートされたファンビーム状の放射線を検出してサンプリング角度毎の複数の投影データから成るファンビーム投影データを収集するSPECT投影データ作成方法及びその装置並びにファンビームSPECT処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
核医学診断装置は、放射性同位元素(RI:Radio−Isotope)を標識とした薬品が生体内の特定組織や臓器に選択的に取り込まれる性質を利用して、当該RIから放射されるγ線を体外から測定し、その線量分布を画像化して核医学画像を取得し、この核医学画像から体内臓器等の機能を捉える。核医学画像には、検出器を固定したまま撮影されるプラナ像と、人体の周辺に検出器を回転させて撮影するECT(Emission Computed Tomography)像とがある。このうち後者のECT像を撮影するための代表的な装置としてシングルフォトンエミッションコンピュータ断層(Single Photon Emission Computed Tomography:以下、「SPECT」と称する)装置がある。
【0003】
SPECT装置は、患者等の被検体に放射線同位元素を注入し、その体内から放出されるγ線等をガンマカメラを回転させて検出し、これによりRI分布を測定する。これにより、体内の病変、血流量、脂肪酸代謝量等の機能分布像を表示することができる。
【0004】
このような核医学診断装置は、被検体から放射されるγ線を方向を揃えて収集するために通常ファンビームコリメータやパラレルビームコリメータを使用する。例えば、診断部位が頭部のように小さい場合、当該頭部が有効視野からはみ出ることのないようにファンビームコリメータを使用してデータを収集する。又、診断部位が心臓等の場合、ファンビームコリメータとパラレルビームコリメータとを同時に使用してデータを収集する場合もある。以下、ファンビームコリメータによって収集された投影データを「ファンビームデータ」と称し、パラレルビームコリメータによって収集された投影データを「パラレルビームデータ」と称する。又、ファンビームデータからパラレルビームデータへの変換を「ファン−パラレル変換」と称する。収集されたファンビームデータは、ファン−パラレル変換によりパラレルビームデータへ変換され、再構成を行う投影データとして使用される。
【0005】
SPECT装置は、被検体内に分布しているRIから放出されるγ線を検出するので、ガンマカメラを設ける。このガンマカメラは、焦点を構成するファンビームコリメータと、このファンビームコリメータにより選択通過したγ線を光に変換して検出するシンチレータ検出器とから成る。そして、SPECT装置は、ガンマカメラを用いて収集した投影データに基づいて被検体におけるRIそのものの分布をγ線の吸収を無視して画像再構成する。
【0006】
このようなSPECT装置におけるファンビームSPECT投影データの収集は、被検体に投与されたRIから放出されるγ線をファンビーム状にコリメートし、このコリメートされたファンビーム状のγ線を検出して複数の投影データから成るファンビーム投影データを作成し、このファンビーム投影データを例えば図8の概念図に示すようにファンーパラレル変換してパラレルビーム投影データを取得する。そして、SPECT装置は、パラレルビーム投影データを再構成して再構成像データを作成する。
【0007】
SPECT装置は、ファンーパラレル変換を用いずに、ファンビーム投影データを直接再構成して再構成像データを作成する直接法を用いることもある。しかしながら、SPECT装置では、パラレルビーム投影データに対して例えば滅弱補正等の補正のやり易さや、定量化し易いこと等からファンーパラレル変換を用いる場合がある。
又、SPECT装置での検査では、被検体に対する検査時間を短縮化するためにガンマカメラを回転させながらデータ収集を行う連続回転収集が主流である。この連続回転収集は、γ線をファンビーム状にコリメートするファンビームコリメータを取り付けたファンビーム収集でも用いられる。 ところで、ファンーパラレル変換は、図9に示すように隣り合った投影データ間でデータの補間を行ってパラレルビーム投影データを作成する。なお、図9はガンマカメラを用いて収集した投影データをθ方向とX方向とに2次元展開したサイノグラムを示し、ファンビームサイノグラムをパラレルビームサイノグラムに変換している。例えばファンーパラレル変換は、図9に示すように斜めの格子状に収集されたファンビーム投影データf間のデータの補間を行って格子状に並んだパラレルビーム投影データpに変換する。
【0008】
しかしながら、ファンーパラレル変換では、ファンビーム投影データfのサンプリング角度β(β1,β2,…,βL)が荒いと、パラレルビーム投影データp間に角度誤差が生じやすい。例えば図10に示すサイノグラムでは、サンプリング角度β(=2°)で収集したファンビーム投影データfaを角度θ(=4°)のパラレルビーム投影データpaに変換した例を示す。図11はサンプリング角度β(=4°)で収集したファンビーム投影データfbを角度θ(=6°)のパラレルビーム投影データpbに変換した例を示す。しかるに、ファンーパラレル変換する元のファンビーム投影データfa、fbの投影数が少ないと位置精度が悪くなる。
【0009】
一方、連続回転収集を行った場合、被検体に対する検査時間を短縮できるものの投影データの位置精度は低下する。投影データ数を増加すると、検査時間が長くなる。これに反して1投影当たりに要するデータ収集時間を短くすると、投影データの精度が低下するために、容易にサンプリング角度を小さくしたり、多くのステップを有するステップ収集を用いることができない。
【特許文献1】特開平6−342076号公報
【特許文献2】特開2003−232854号公報
【特許文献3】特開2005−164334号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、データ収集時間に長い時間を要することなく投影データのデータ数を増加でき、1投影当たりの投影データの精度を高くすることができるSPECT投影データ作成方法及びその装置並びにファンビームSPECT処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の請求項1に記載のSPECT投影データ作成方法は、被検体に投与された放射性同位元素から放出される放射線をファンビーム状にコリメートし、コリメートされたファンビーム状の放射線を検出してサンプリング角度毎の複数の投影データから成るファンビーム投影データを作成し、ファンビーム投影データ中から所定枚数の各投影データに対して重み付け処理を行ってファンビーム投影データのデータ数を擬似的に増加し、データ数の増加したファンビーム投影データをファンーパラレル変換してパラレルビーム投影データを取得する。
【0012】
本発明の請求項5に記載のSPECT投影データ作成装置は、被検体に投与された放射性同位元素から放出される放射線をファンビーム状にコリメートし、コリメートされたファンビーム状の放射線を検出してサンプリング角度毎の複数の投影データから成るファンビーム投影データを収集するデータ収集部と、データ収集部により収集されたファンビーム投影データ中から所定枚数の各投影データに対して重み付け処理を行ってファンビーム投影データのデータ数を擬似的に増加する投影データ作成部と、投影データ作成部により作成されたデータ数の増加したファンビーム投影データをファンーパラレル変換してパラレルビーム投影データを取得するファンーパラレル変換部とを具備する。
【0013】
本発明の請求項10に記載のファンビームSPECT処理装置は、上記SPECT投影データ作成装置において、ファンーパラレル変換部により取得されたパラレルビーム投影データを再構成して再構成像データを作成する再構成部とを具備する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、データ収集時間に長い時間を要することなく投影データのデータ数を増加でき、1投影当たりの投影データの精度を高くすることができるSPECT投影データ作成方法及びその装置並びにファンビームSPECT処理装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
図1はファンビームSPECT処理装置の構成図を示す。架台1には、ガンマカメラ2が設けられている。このガンマカメラ2は、被検体Pに分布しているRIから放出されるγ線を検出する。架台1は、被検体Pに分布している放射性同位元素(RI)から放出されるγ線を360°方向から検出するために、ガンマカメラ2を被検体Pを中心として360°回転可能である。ガンマカメラ2の前面には、ファンビームコリメータ3が設けられている。なお、EFはファンビームコリメータ3を用いた場合の投影データによりSPECT画像を再構成する場合の有効視野を示し、VFはファンビームコリメータ3及びファンビームの仮想の焦点を示す。なお、ガンマカメラ2は、1つの架台1に複数個、例えば2〜3個設けられている場合もある。
【0016】
ガンマカメラ2には、SPECTデータ収集装置4が接続されている。これにより、ガンマカメラ2により取得された投影データは、SPECTデータ収集装置4により収集される。このSPECTデータ収集装置4には、投影データ作成装置5と、ファンーパラレル変換装置6と、再構成装置7と、断面変換装置8と、画像表示装置9と、画像保存装置10とが接続されている。
【0017】
SPECTデータ収集装置4は、被検体Pに投与されたRIから放出されるγ線をファンビーム状にコリメートし、このコリメートされたファンビーム状のγ線を検出してサンプリング角度毎の複数の投影データから成るファンビーム投影データを収集する。このSPECTデータ収集装置4は、ファンビーム投影データをフレームモード又はリストモードにより収集する。フレームモードは、図2に示すように斜めの格子状にファンビーム投影データを収集する。各ファンビーム投影データは、斜めの格子状の座標により位置が表される。リストモードは、図3に示すようにファンビーム投影データの収集時刻毎に当該ファンビーム投影データの位置座標(X,Y)+時間t1〜tn+角度θ1〜θnを保存する。 投影データ作成装置5は、SPECTデータ収集装置4により収集されたファンビーム投影データ中から所定枚数の各投影データに対して少なくとも重み付け処理を行って擬似のファンビーム投影データを作成し、例えば当該擬似のファンビーム投影データを加えてファンビーム投影データのデータ数を増加する。この場合、投影データ作成装置5は、ファンビーム投影データ中からサンプリング角度方向に連続する所定枚数の各投影データに対して重み付けを行い、これら重み付けを行った各投影データの加算平均を行ってファンビーム投影データのデータ数を増加する。投影データに対する重み付けを行うとき、投影データ作成装置5は、重み付けを行う投影データの枚数を可変可能とし、かつ重み付けを行うための重み付けデータを可変可能とする。
【0018】
投影データ作成装置5は、SPECTデータ収集装置4によりフレームモードによって収集されたファンビーム投影データ中から所定枚数の各投影データに対して重み付け処理を行って擬似のファンビーム投影データを作成し、当該ファンビーム投影データのデータ数を増加する。図4はファンビーム投影データに対して重み付けを行うときの模式図を示す。ファンビーム投影データは、フレームモードにより収集したもので、それぞれサンプリング角度、例えば0.5°毎の357.0°、357.5°、358.0°、358.5°、359.0°、…、0°、…、5.0°で示す。重み付け係数は、例えば「*1,*2,*3,*2,*1」である。「*」は乗算を表す。
【0019】
この重み付け係数は、例えば正規分布を基に決定したり、実験結果等により任意に設定可能である。この重み付けは、5点であるが、これに限らず7点、9点等のようにポイント数を可変可能である。又、重み付け係数は、「1,2,3,2,1」に限らず、他の値に可変可能である。この重み付け係数は、ポイント数の各ファンビーム投影データのうち中心角度となるファンビーム投影データの依存度を高めるものとしている。例えば、サンプリング角度、例えば358.0°のファンビーム投影データは、「357.0°の投影データ*1」「357.5°の投影データ*2」「358.0°の投影データ*3」「358.5°の投影データ*2」「359.0°の投影データ*1」の重み付けを行い、これらの加算平均を行って作成する。
【0020】
投影データ作成装置5は、SPECTデータ収集装置4によりリストモードによって収集されたファンビーム投影データをフレームモードに変換し、パラレルビーム投影データと同様に、所定枚数の各投影データに対して重み付け処理を行ってファンビーム投影データのデータ数を増加する。
【0021】
ファンーパラレル変換装置6は、投影データ作成装置5により作成されたデータ数の増加したファンビーム投影データをファンーパラレル変換してパラレルビーム投影データを取得する。
再構成装置7は、ファンーパラレル変換装置6により取得されたパラレルビーム投影データを再構成して例えば3次元の再構成像データを作成する。この再構成装置7は、FBP法により再構成を行う。
断面変換装置8は、再構成装置7により作成された3次元の再構成像データから断面変換、例えばアキシャル像、サジタル像、コロナル像を作成する。
画像表示装置9は、断面変換装置8により断面変換された作成された例えばアキシャル像、サジタル像、コロナル像をディスプレイ画面上に表示する。
画像保存装置10は、再構成装置7により作成された3次元の再構成像データや断面変換装置8により断面変換された作成された例えばアキシャル像、サジタル像、コロナル像の各データを保存する。
【0022】
次に、上記の如く構成された装置によるファンビーム投影データの収集について説明する。
架台1は、ガンマカメラ2を被検体Pを中心として360°回転される。なお、1つの架台1に複数個、例えば2〜3個ガンマカメラ2が設けられていれば、これらガンマカメラ2を被検体Pを中心として360°回転される。
【0023】
被検体Pに投与されたRIから放出されるγ線は、ファンビームコリメータ3によりファンビーム状にコリメートされる。ガンマカメラ2は、ファンビームコリメータ3によりファンビーム状にコリメートされたγ線を検出する。これにより、被検体Pに分布している放射性同位元素(RI)から放出されるγ線が360°方向から検出される。
【0024】
次に、SPECTデータ収集装置4は、ガンマカメラ2により取得された投影データを収集する。すなわち、SPECTデータ収集装置4は、ファンビーム投影データをフレームモードで、例えば図2に示すように斜めの格子状にファンビーム投影データを収集する。又、SPECTデータ収集装置4は、ファンビーム投影データをリストモードで、例えば図3に示すようにファンビーム投影データの収集時刻毎に当該ファンビーム投影データの位置座標(X,Y)+時間t1〜tn+角度θ1〜θnを保存する。
【0025】
次に、投影データ作成装置5は、SPECTデータ収集装置4により例えば図2に示すようにフレームモードによって収集されたファンビーム投影データ、例えば図4に示すようにサンプリング角度0.5°毎に収集されたファンビーム投影データ中から所定枚数の各投影データ、例えば5点のポイント数に対して重み付け処理を行って擬似のファンビーム投影データを作成し、当該擬似のファンビーム投影データを加えてデータ数を増加する。重み付け係数が例えば「*1,*2,*3,*2,*1」であれば、投影データ作成装置5は、例えば358.0°のファンビーム投影データを、「357.0°の投影データ*1」「357.5°の投影データ*2」「358.0°の投影データ*3」「358.5°の投影データ*2」「359.0°の投影データ*1」の重み付けを行い、これらの加算平均を行って作成する。この重み付け処理は、ファンビーム投影データのうち中心角度、例えば358.0°となるファンビーム投影データの依存度を高める。この投影データ作成装置5は、サンプリング角度358.0°のファンビーム投影データを中心とするのみでなく他のサンプリング角度358.5°、359.0°、…、0.0°、…、5.0°等を中心として重み付け処理を行う。
【0026】
一方、SPECTデータ収集装置4により図3に示すようにファンビーム投影データをリストモードによって収集すれば、投影データ作成装置5は、ファンビーム投影データを図2に示すようなフレームモードに変換する。このファンビーム投影データをフレームモードに変換するときに、投影データ作成装置5は、あるサンプリング角度θ毎のファンビーム投影データ中から所定枚数の各投影データ、例えば5点のポイント数に対して重み付け処理を行ってファンビーム投影データのデータ数を増加する。
【0027】
次に、ファンーパラレル変換装置6は、投影データ作成装置5により作成されたデータ数の増加したファンビーム投影データをファンーパラレル変換してパラレルビーム投影データを取得する。
次に、再構成装置7は、ファンーパラレル変換装置6により取得されたパラレルビーム投影データを再構成して例えば3次元の再構成像データを作成する。
次に、断面変換装置8は、再構成装置7により作成された3次元の再構成像データから断面変換、例えばアキシャル像、サジタル像、コロナル像を作成する。
次に、画像表示装置9は、断面変換装置8により断面変換された作成された例えばアキシャル像、サジタル像、コロナル像をディスプレイ画面上に表示する。
次に、画像保存装置10は、再構成装置7により作成された3次元の再構成像データや断面変換装置8により断面変換された作成された例えばアキシャル像、サジタル像、コロナル像の各データを保存する。
【0028】
次に、ファンビーム投影データ収集のシミュレーション結果の一例について説明する。
このシミュレーションでは、投影データ作成装置5における重み付け係数を例えば「*1,*2,*8,*16,*16,*8,*2,*1」とする。又、シミュレーションでは、被検体として図5に示すようなライン状に形成された複数、例えば5本のファントムチューブ11を用いる。これらファントムチューブ11は、シミュレーションによって同一強度になるように作成される。
【0029】
先ず、かかるファントムチューブ11を用いてマトリクスサイズ128、投影データ数720、サンプリング角度0.5°のファンビームシミュレーション投影データを作成する。ファンビームコリメータは、頭部用のNIコリメータを想定している。
比較用としてマトリクスサイズ128、投影データ数180、サンプリング角度2°のステップ収集ファンビーム投影データ(128マトリクスで収集した場合の理想データ)を作成する。
【0030】
次に、加重加算法を用いて投影データを作成する。すなわち、サンプリング角度0.5°のファンビームシミュレーション投影データを4°(8枚)ずつ重み付け係数「*1,*2,*8,*16,*16,*8,*2,*1」を用いて加重平均して2°ステップの擬似のファンビーム投影データを作成する。
比較用として投影データ数90、サンプリング角度4°の連続収集ファンビームデータを作成する。又、現状にデータ収集の条件に合わすために、サンプリング角度0.5°のファンビームシミュレーション投影データを4°(8枚)ずつ重み付け係数「*1,*2,*8,*16,*16,*8,*2,*1」を用いて加重平均して4°ステップの擬似のファンビーム投影データを作成する。
【0031】
次に、3種のファンビーム投影データをファンーパラレル変換する。ファンーパラレル変換の条件は、ファンーパラレル変換後、全て同一投影データ数になり、変換角度6°になり、かつファンビームの感度補正を収集したファンビームコリメータの幾何学的条件で行う。
【0032】
次に、ファンビームシミュレーション投影データと、比較用のステップ収集ファンビーム投影データと、比較用の連続収集ファンビームデータとに対して再構成を行って3次元の再構成像データを作成し、さらに当該3次元の再構成像データから例えばアキシャル像、サジタル像、コロナル像を作成する。
【0033】
この結果、比較用のステップ収集ファンビーム投影データと比較用の連続収集ファンビームデータとでは、図6に示すようにそれぞれ中央部に比べて周辺部で画素値が低下した画像となっている。
これに対して本装置の加重加算法を用いたファンビームシミュレーション投影データでは、中央部に比べての周辺部の画素値の低下が改善した画像になっている。
【0034】
又、図7は本装置の加重加算法を用いたファンビームシミュレーション投影データと比較用のステップ収集ファンビーム投影データ及び連続収集ファンビームデータとの画素値の比較をグラフにより示す。同図からも本装置の加重加算法を用いたファンビームシミュレーション投影データの画素値が比較用のステップ収集ファンビーム投影データ及び連続収集ファンビームデータの画素値よりも高いことが分かる。なお、連続収集ファンビームデータによる再構成のプロファイルにおいてマイナス値が生じるのは、ガンマカメラ2によって得られた投影データがSPECTデータ収集装置4によりフィルタ逆投影法再構成されることにより生じるものである。
【0035】
このように上記一実施の形態によれば、投影データ作成装置5においてSPECTデータ収集装置4により収集されたファンビーム投影データ中から所定枚数の各投影データに対して加重加算法を用いた重み付け処理を行って擬似のファンビーム投影データを作成し、例えば当該擬似のファンビーム投影データを加えてファンビーム投影データのデータ数を増加する。これにより、データ収集時間に長い時間を要することなくファンビーム投影データのデータ数を増加でき、1投影当たりのファンビーム投影データの精度を高くすることができる。このような加重加算法を用いたファンビーム投影データであれば、3次元の再構成像をその中央部に比べての周辺部の画素値の低下が非常に改善でき、いわゆるシャープな画像を取得できる。
【0036】
投影データ作成装置5は、図2に示すようにフレームモードによって収集されたファンビーム投影データ、又は図3に示すようにリストモードによって収集されたファンビーム投影データであっても、加重加算法を用いた重み付け処理を行って擬似のファンビーム投影データを作成し、例えば当該擬似のファンビーム投影データを加えてファンビーム投影データのデータ数を増加できる。
【0037】
又、ファンビーム投影データに対する重み付けを行うときの重み付けを行うファンビーム投影データの枚数や重み付け係数を可変できる。これにより、3次元の再構成像をその中央部に比べての周辺部の画素値の低下を改善していわゆるシャープな画像を取得するための最適なファンビーム投影データの枚数や重み付け係数に設定できる。
【0038】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
例えば、投影データ作成装置5は、ファンビーム投影データ中からサンプリング角度方向に連続する所定枚数の各投影データに対して重み付けを行い、これら重み付けを行った各投影データの加算平均を行っているが、これに限らず、ファンビーム投影データ中からサンプリング角度方向に連続する所定枚数の各投影データを単純に加算平均してもよい。
又、本装置は、パラレルSPECTでの投影データやピンホールSPECTでの投影データ、コーンビームSPECTでの投影データにも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明に係るファンビームSPECT処理装置の一実施の形態を示す構成図。
【図2】同装置の投影データ作成装置によるフレームモードのデータ収集を示す摸式図。
【図3】同装置の投影データ作成装置によるリストモードのデータ収集を示す摸式図。
【図4】同装置の投影データ作成装置によるファンビーム投影データに対して重み付けを行うときの模式図。
【図5】同装置の投影データ作成のシミュレーションで用いるファイトムチューブを示す図。
【図6】同装置により作成された加重加算法を用いたファンビームシミュレーション投影データと比較用のステップ収集ファンビーム投影データ及び連続収集ファンビームデータとの画像の比較を示す図。
【図7】同装置により作成された加重加算法を用いたファンビームシミュレーション投影データと比較用のステップ収集ファンビーム投影データ及び連続収集ファンビームデータとの画素値の比較を示す図。
【図8】ファンーパラレル変換の概念図。
【図9】ファンビームサイノグラムデータからパラレルビーム投影データへのファンーパラレル変換を示す摸式図。
【図10】サンプリング角度β(=2°)で収集したファンビームサイノグラムを角度θ(=4°)のパラレルビームサイノグラムに変換した例を示す図。
【図11】サンプリング角度β(=4°)で収集したファンビーム投影データを角度θ(=6°)のパラレルビーム投影データに変換した例を示す図。
【符号の説明】
【0040】
1:架台、2:ガンマカメラ、P:被検体、3:ファンビームコリメータ、4:SPECTデータ収集装置、5:投影データ作成装置、6:ファンーパラレル変換装置、7:再構成装置、8:断面変換装置、9:画像表示装置、10:画像保存装置、11:ファイトムチューブ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば核医学診断装置に係り、例えば患者等の被検体の頭部の検査を行うために、被検体に投与された放射性同位元素から放出される放射線をファンビーム状にコリメートし、このコリメートされたファンビーム状の放射線を検出してサンプリング角度毎の複数の投影データから成るファンビーム投影データを収集するSPECT投影データ作成方法及びその装置並びにファンビームSPECT処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
核医学診断装置は、放射性同位元素(RI:Radio−Isotope)を標識とした薬品が生体内の特定組織や臓器に選択的に取り込まれる性質を利用して、当該RIから放射されるγ線を体外から測定し、その線量分布を画像化して核医学画像を取得し、この核医学画像から体内臓器等の機能を捉える。核医学画像には、検出器を固定したまま撮影されるプラナ像と、人体の周辺に検出器を回転させて撮影するECT(Emission Computed Tomography)像とがある。このうち後者のECT像を撮影するための代表的な装置としてシングルフォトンエミッションコンピュータ断層(Single Photon Emission Computed Tomography:以下、「SPECT」と称する)装置がある。
【0003】
SPECT装置は、患者等の被検体に放射線同位元素を注入し、その体内から放出されるγ線等をガンマカメラを回転させて検出し、これによりRI分布を測定する。これにより、体内の病変、血流量、脂肪酸代謝量等の機能分布像を表示することができる。
【0004】
このような核医学診断装置は、被検体から放射されるγ線を方向を揃えて収集するために通常ファンビームコリメータやパラレルビームコリメータを使用する。例えば、診断部位が頭部のように小さい場合、当該頭部が有効視野からはみ出ることのないようにファンビームコリメータを使用してデータを収集する。又、診断部位が心臓等の場合、ファンビームコリメータとパラレルビームコリメータとを同時に使用してデータを収集する場合もある。以下、ファンビームコリメータによって収集された投影データを「ファンビームデータ」と称し、パラレルビームコリメータによって収集された投影データを「パラレルビームデータ」と称する。又、ファンビームデータからパラレルビームデータへの変換を「ファン−パラレル変換」と称する。収集されたファンビームデータは、ファン−パラレル変換によりパラレルビームデータへ変換され、再構成を行う投影データとして使用される。
【0005】
SPECT装置は、被検体内に分布しているRIから放出されるγ線を検出するので、ガンマカメラを設ける。このガンマカメラは、焦点を構成するファンビームコリメータと、このファンビームコリメータにより選択通過したγ線を光に変換して検出するシンチレータ検出器とから成る。そして、SPECT装置は、ガンマカメラを用いて収集した投影データに基づいて被検体におけるRIそのものの分布をγ線の吸収を無視して画像再構成する。
【0006】
このようなSPECT装置におけるファンビームSPECT投影データの収集は、被検体に投与されたRIから放出されるγ線をファンビーム状にコリメートし、このコリメートされたファンビーム状のγ線を検出して複数の投影データから成るファンビーム投影データを作成し、このファンビーム投影データを例えば図8の概念図に示すようにファンーパラレル変換してパラレルビーム投影データを取得する。そして、SPECT装置は、パラレルビーム投影データを再構成して再構成像データを作成する。
【0007】
SPECT装置は、ファンーパラレル変換を用いずに、ファンビーム投影データを直接再構成して再構成像データを作成する直接法を用いることもある。しかしながら、SPECT装置では、パラレルビーム投影データに対して例えば滅弱補正等の補正のやり易さや、定量化し易いこと等からファンーパラレル変換を用いる場合がある。
又、SPECT装置での検査では、被検体に対する検査時間を短縮化するためにガンマカメラを回転させながらデータ収集を行う連続回転収集が主流である。この連続回転収集は、γ線をファンビーム状にコリメートするファンビームコリメータを取り付けたファンビーム収集でも用いられる。 ところで、ファンーパラレル変換は、図9に示すように隣り合った投影データ間でデータの補間を行ってパラレルビーム投影データを作成する。なお、図9はガンマカメラを用いて収集した投影データをθ方向とX方向とに2次元展開したサイノグラムを示し、ファンビームサイノグラムをパラレルビームサイノグラムに変換している。例えばファンーパラレル変換は、図9に示すように斜めの格子状に収集されたファンビーム投影データf間のデータの補間を行って格子状に並んだパラレルビーム投影データpに変換する。
【0008】
しかしながら、ファンーパラレル変換では、ファンビーム投影データfのサンプリング角度β(β1,β2,…,βL)が荒いと、パラレルビーム投影データp間に角度誤差が生じやすい。例えば図10に示すサイノグラムでは、サンプリング角度β(=2°)で収集したファンビーム投影データfaを角度θ(=4°)のパラレルビーム投影データpaに変換した例を示す。図11はサンプリング角度β(=4°)で収集したファンビーム投影データfbを角度θ(=6°)のパラレルビーム投影データpbに変換した例を示す。しかるに、ファンーパラレル変換する元のファンビーム投影データfa、fbの投影数が少ないと位置精度が悪くなる。
【0009】
一方、連続回転収集を行った場合、被検体に対する検査時間を短縮できるものの投影データの位置精度は低下する。投影データ数を増加すると、検査時間が長くなる。これに反して1投影当たりに要するデータ収集時間を短くすると、投影データの精度が低下するために、容易にサンプリング角度を小さくしたり、多くのステップを有するステップ収集を用いることができない。
【特許文献1】特開平6−342076号公報
【特許文献2】特開2003−232854号公報
【特許文献3】特開2005−164334号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、データ収集時間に長い時間を要することなく投影データのデータ数を増加でき、1投影当たりの投影データの精度を高くすることができるSPECT投影データ作成方法及びその装置並びにファンビームSPECT処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の請求項1に記載のSPECT投影データ作成方法は、被検体に投与された放射性同位元素から放出される放射線をファンビーム状にコリメートし、コリメートされたファンビーム状の放射線を検出してサンプリング角度毎の複数の投影データから成るファンビーム投影データを作成し、ファンビーム投影データ中から所定枚数の各投影データに対して重み付け処理を行ってファンビーム投影データのデータ数を擬似的に増加し、データ数の増加したファンビーム投影データをファンーパラレル変換してパラレルビーム投影データを取得する。
【0012】
本発明の請求項5に記載のSPECT投影データ作成装置は、被検体に投与された放射性同位元素から放出される放射線をファンビーム状にコリメートし、コリメートされたファンビーム状の放射線を検出してサンプリング角度毎の複数の投影データから成るファンビーム投影データを収集するデータ収集部と、データ収集部により収集されたファンビーム投影データ中から所定枚数の各投影データに対して重み付け処理を行ってファンビーム投影データのデータ数を擬似的に増加する投影データ作成部と、投影データ作成部により作成されたデータ数の増加したファンビーム投影データをファンーパラレル変換してパラレルビーム投影データを取得するファンーパラレル変換部とを具備する。
【0013】
本発明の請求項10に記載のファンビームSPECT処理装置は、上記SPECT投影データ作成装置において、ファンーパラレル変換部により取得されたパラレルビーム投影データを再構成して再構成像データを作成する再構成部とを具備する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、データ収集時間に長い時間を要することなく投影データのデータ数を増加でき、1投影当たりの投影データの精度を高くすることができるSPECT投影データ作成方法及びその装置並びにファンビームSPECT処理装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
図1はファンビームSPECT処理装置の構成図を示す。架台1には、ガンマカメラ2が設けられている。このガンマカメラ2は、被検体Pに分布しているRIから放出されるγ線を検出する。架台1は、被検体Pに分布している放射性同位元素(RI)から放出されるγ線を360°方向から検出するために、ガンマカメラ2を被検体Pを中心として360°回転可能である。ガンマカメラ2の前面には、ファンビームコリメータ3が設けられている。なお、EFはファンビームコリメータ3を用いた場合の投影データによりSPECT画像を再構成する場合の有効視野を示し、VFはファンビームコリメータ3及びファンビームの仮想の焦点を示す。なお、ガンマカメラ2は、1つの架台1に複数個、例えば2〜3個設けられている場合もある。
【0016】
ガンマカメラ2には、SPECTデータ収集装置4が接続されている。これにより、ガンマカメラ2により取得された投影データは、SPECTデータ収集装置4により収集される。このSPECTデータ収集装置4には、投影データ作成装置5と、ファンーパラレル変換装置6と、再構成装置7と、断面変換装置8と、画像表示装置9と、画像保存装置10とが接続されている。
【0017】
SPECTデータ収集装置4は、被検体Pに投与されたRIから放出されるγ線をファンビーム状にコリメートし、このコリメートされたファンビーム状のγ線を検出してサンプリング角度毎の複数の投影データから成るファンビーム投影データを収集する。このSPECTデータ収集装置4は、ファンビーム投影データをフレームモード又はリストモードにより収集する。フレームモードは、図2に示すように斜めの格子状にファンビーム投影データを収集する。各ファンビーム投影データは、斜めの格子状の座標により位置が表される。リストモードは、図3に示すようにファンビーム投影データの収集時刻毎に当該ファンビーム投影データの位置座標(X,Y)+時間t1〜tn+角度θ1〜θnを保存する。 投影データ作成装置5は、SPECTデータ収集装置4により収集されたファンビーム投影データ中から所定枚数の各投影データに対して少なくとも重み付け処理を行って擬似のファンビーム投影データを作成し、例えば当該擬似のファンビーム投影データを加えてファンビーム投影データのデータ数を増加する。この場合、投影データ作成装置5は、ファンビーム投影データ中からサンプリング角度方向に連続する所定枚数の各投影データに対して重み付けを行い、これら重み付けを行った各投影データの加算平均を行ってファンビーム投影データのデータ数を増加する。投影データに対する重み付けを行うとき、投影データ作成装置5は、重み付けを行う投影データの枚数を可変可能とし、かつ重み付けを行うための重み付けデータを可変可能とする。
【0018】
投影データ作成装置5は、SPECTデータ収集装置4によりフレームモードによって収集されたファンビーム投影データ中から所定枚数の各投影データに対して重み付け処理を行って擬似のファンビーム投影データを作成し、当該ファンビーム投影データのデータ数を増加する。図4はファンビーム投影データに対して重み付けを行うときの模式図を示す。ファンビーム投影データは、フレームモードにより収集したもので、それぞれサンプリング角度、例えば0.5°毎の357.0°、357.5°、358.0°、358.5°、359.0°、…、0°、…、5.0°で示す。重み付け係数は、例えば「*1,*2,*3,*2,*1」である。「*」は乗算を表す。
【0019】
この重み付け係数は、例えば正規分布を基に決定したり、実験結果等により任意に設定可能である。この重み付けは、5点であるが、これに限らず7点、9点等のようにポイント数を可変可能である。又、重み付け係数は、「1,2,3,2,1」に限らず、他の値に可変可能である。この重み付け係数は、ポイント数の各ファンビーム投影データのうち中心角度となるファンビーム投影データの依存度を高めるものとしている。例えば、サンプリング角度、例えば358.0°のファンビーム投影データは、「357.0°の投影データ*1」「357.5°の投影データ*2」「358.0°の投影データ*3」「358.5°の投影データ*2」「359.0°の投影データ*1」の重み付けを行い、これらの加算平均を行って作成する。
【0020】
投影データ作成装置5は、SPECTデータ収集装置4によりリストモードによって収集されたファンビーム投影データをフレームモードに変換し、パラレルビーム投影データと同様に、所定枚数の各投影データに対して重み付け処理を行ってファンビーム投影データのデータ数を増加する。
【0021】
ファンーパラレル変換装置6は、投影データ作成装置5により作成されたデータ数の増加したファンビーム投影データをファンーパラレル変換してパラレルビーム投影データを取得する。
再構成装置7は、ファンーパラレル変換装置6により取得されたパラレルビーム投影データを再構成して例えば3次元の再構成像データを作成する。この再構成装置7は、FBP法により再構成を行う。
断面変換装置8は、再構成装置7により作成された3次元の再構成像データから断面変換、例えばアキシャル像、サジタル像、コロナル像を作成する。
画像表示装置9は、断面変換装置8により断面変換された作成された例えばアキシャル像、サジタル像、コロナル像をディスプレイ画面上に表示する。
画像保存装置10は、再構成装置7により作成された3次元の再構成像データや断面変換装置8により断面変換された作成された例えばアキシャル像、サジタル像、コロナル像の各データを保存する。
【0022】
次に、上記の如く構成された装置によるファンビーム投影データの収集について説明する。
架台1は、ガンマカメラ2を被検体Pを中心として360°回転される。なお、1つの架台1に複数個、例えば2〜3個ガンマカメラ2が設けられていれば、これらガンマカメラ2を被検体Pを中心として360°回転される。
【0023】
被検体Pに投与されたRIから放出されるγ線は、ファンビームコリメータ3によりファンビーム状にコリメートされる。ガンマカメラ2は、ファンビームコリメータ3によりファンビーム状にコリメートされたγ線を検出する。これにより、被検体Pに分布している放射性同位元素(RI)から放出されるγ線が360°方向から検出される。
【0024】
次に、SPECTデータ収集装置4は、ガンマカメラ2により取得された投影データを収集する。すなわち、SPECTデータ収集装置4は、ファンビーム投影データをフレームモードで、例えば図2に示すように斜めの格子状にファンビーム投影データを収集する。又、SPECTデータ収集装置4は、ファンビーム投影データをリストモードで、例えば図3に示すようにファンビーム投影データの収集時刻毎に当該ファンビーム投影データの位置座標(X,Y)+時間t1〜tn+角度θ1〜θnを保存する。
【0025】
次に、投影データ作成装置5は、SPECTデータ収集装置4により例えば図2に示すようにフレームモードによって収集されたファンビーム投影データ、例えば図4に示すようにサンプリング角度0.5°毎に収集されたファンビーム投影データ中から所定枚数の各投影データ、例えば5点のポイント数に対して重み付け処理を行って擬似のファンビーム投影データを作成し、当該擬似のファンビーム投影データを加えてデータ数を増加する。重み付け係数が例えば「*1,*2,*3,*2,*1」であれば、投影データ作成装置5は、例えば358.0°のファンビーム投影データを、「357.0°の投影データ*1」「357.5°の投影データ*2」「358.0°の投影データ*3」「358.5°の投影データ*2」「359.0°の投影データ*1」の重み付けを行い、これらの加算平均を行って作成する。この重み付け処理は、ファンビーム投影データのうち中心角度、例えば358.0°となるファンビーム投影データの依存度を高める。この投影データ作成装置5は、サンプリング角度358.0°のファンビーム投影データを中心とするのみでなく他のサンプリング角度358.5°、359.0°、…、0.0°、…、5.0°等を中心として重み付け処理を行う。
【0026】
一方、SPECTデータ収集装置4により図3に示すようにファンビーム投影データをリストモードによって収集すれば、投影データ作成装置5は、ファンビーム投影データを図2に示すようなフレームモードに変換する。このファンビーム投影データをフレームモードに変換するときに、投影データ作成装置5は、あるサンプリング角度θ毎のファンビーム投影データ中から所定枚数の各投影データ、例えば5点のポイント数に対して重み付け処理を行ってファンビーム投影データのデータ数を増加する。
【0027】
次に、ファンーパラレル変換装置6は、投影データ作成装置5により作成されたデータ数の増加したファンビーム投影データをファンーパラレル変換してパラレルビーム投影データを取得する。
次に、再構成装置7は、ファンーパラレル変換装置6により取得されたパラレルビーム投影データを再構成して例えば3次元の再構成像データを作成する。
次に、断面変換装置8は、再構成装置7により作成された3次元の再構成像データから断面変換、例えばアキシャル像、サジタル像、コロナル像を作成する。
次に、画像表示装置9は、断面変換装置8により断面変換された作成された例えばアキシャル像、サジタル像、コロナル像をディスプレイ画面上に表示する。
次に、画像保存装置10は、再構成装置7により作成された3次元の再構成像データや断面変換装置8により断面変換された作成された例えばアキシャル像、サジタル像、コロナル像の各データを保存する。
【0028】
次に、ファンビーム投影データ収集のシミュレーション結果の一例について説明する。
このシミュレーションでは、投影データ作成装置5における重み付け係数を例えば「*1,*2,*8,*16,*16,*8,*2,*1」とする。又、シミュレーションでは、被検体として図5に示すようなライン状に形成された複数、例えば5本のファントムチューブ11を用いる。これらファントムチューブ11は、シミュレーションによって同一強度になるように作成される。
【0029】
先ず、かかるファントムチューブ11を用いてマトリクスサイズ128、投影データ数720、サンプリング角度0.5°のファンビームシミュレーション投影データを作成する。ファンビームコリメータは、頭部用のNIコリメータを想定している。
比較用としてマトリクスサイズ128、投影データ数180、サンプリング角度2°のステップ収集ファンビーム投影データ(128マトリクスで収集した場合の理想データ)を作成する。
【0030】
次に、加重加算法を用いて投影データを作成する。すなわち、サンプリング角度0.5°のファンビームシミュレーション投影データを4°(8枚)ずつ重み付け係数「*1,*2,*8,*16,*16,*8,*2,*1」を用いて加重平均して2°ステップの擬似のファンビーム投影データを作成する。
比較用として投影データ数90、サンプリング角度4°の連続収集ファンビームデータを作成する。又、現状にデータ収集の条件に合わすために、サンプリング角度0.5°のファンビームシミュレーション投影データを4°(8枚)ずつ重み付け係数「*1,*2,*8,*16,*16,*8,*2,*1」を用いて加重平均して4°ステップの擬似のファンビーム投影データを作成する。
【0031】
次に、3種のファンビーム投影データをファンーパラレル変換する。ファンーパラレル変換の条件は、ファンーパラレル変換後、全て同一投影データ数になり、変換角度6°になり、かつファンビームの感度補正を収集したファンビームコリメータの幾何学的条件で行う。
【0032】
次に、ファンビームシミュレーション投影データと、比較用のステップ収集ファンビーム投影データと、比較用の連続収集ファンビームデータとに対して再構成を行って3次元の再構成像データを作成し、さらに当該3次元の再構成像データから例えばアキシャル像、サジタル像、コロナル像を作成する。
【0033】
この結果、比較用のステップ収集ファンビーム投影データと比較用の連続収集ファンビームデータとでは、図6に示すようにそれぞれ中央部に比べて周辺部で画素値が低下した画像となっている。
これに対して本装置の加重加算法を用いたファンビームシミュレーション投影データでは、中央部に比べての周辺部の画素値の低下が改善した画像になっている。
【0034】
又、図7は本装置の加重加算法を用いたファンビームシミュレーション投影データと比較用のステップ収集ファンビーム投影データ及び連続収集ファンビームデータとの画素値の比較をグラフにより示す。同図からも本装置の加重加算法を用いたファンビームシミュレーション投影データの画素値が比較用のステップ収集ファンビーム投影データ及び連続収集ファンビームデータの画素値よりも高いことが分かる。なお、連続収集ファンビームデータによる再構成のプロファイルにおいてマイナス値が生じるのは、ガンマカメラ2によって得られた投影データがSPECTデータ収集装置4によりフィルタ逆投影法再構成されることにより生じるものである。
【0035】
このように上記一実施の形態によれば、投影データ作成装置5においてSPECTデータ収集装置4により収集されたファンビーム投影データ中から所定枚数の各投影データに対して加重加算法を用いた重み付け処理を行って擬似のファンビーム投影データを作成し、例えば当該擬似のファンビーム投影データを加えてファンビーム投影データのデータ数を増加する。これにより、データ収集時間に長い時間を要することなくファンビーム投影データのデータ数を増加でき、1投影当たりのファンビーム投影データの精度を高くすることができる。このような加重加算法を用いたファンビーム投影データであれば、3次元の再構成像をその中央部に比べての周辺部の画素値の低下が非常に改善でき、いわゆるシャープな画像を取得できる。
【0036】
投影データ作成装置5は、図2に示すようにフレームモードによって収集されたファンビーム投影データ、又は図3に示すようにリストモードによって収集されたファンビーム投影データであっても、加重加算法を用いた重み付け処理を行って擬似のファンビーム投影データを作成し、例えば当該擬似のファンビーム投影データを加えてファンビーム投影データのデータ数を増加できる。
【0037】
又、ファンビーム投影データに対する重み付けを行うときの重み付けを行うファンビーム投影データの枚数や重み付け係数を可変できる。これにより、3次元の再構成像をその中央部に比べての周辺部の画素値の低下を改善していわゆるシャープな画像を取得するための最適なファンビーム投影データの枚数や重み付け係数に設定できる。
【0038】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
例えば、投影データ作成装置5は、ファンビーム投影データ中からサンプリング角度方向に連続する所定枚数の各投影データに対して重み付けを行い、これら重み付けを行った各投影データの加算平均を行っているが、これに限らず、ファンビーム投影データ中からサンプリング角度方向に連続する所定枚数の各投影データを単純に加算平均してもよい。
又、本装置は、パラレルSPECTでの投影データやピンホールSPECTでの投影データ、コーンビームSPECTでの投影データにも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明に係るファンビームSPECT処理装置の一実施の形態を示す構成図。
【図2】同装置の投影データ作成装置によるフレームモードのデータ収集を示す摸式図。
【図3】同装置の投影データ作成装置によるリストモードのデータ収集を示す摸式図。
【図4】同装置の投影データ作成装置によるファンビーム投影データに対して重み付けを行うときの模式図。
【図5】同装置の投影データ作成のシミュレーションで用いるファイトムチューブを示す図。
【図6】同装置により作成された加重加算法を用いたファンビームシミュレーション投影データと比較用のステップ収集ファンビーム投影データ及び連続収集ファンビームデータとの画像の比較を示す図。
【図7】同装置により作成された加重加算法を用いたファンビームシミュレーション投影データと比較用のステップ収集ファンビーム投影データ及び連続収集ファンビームデータとの画素値の比較を示す図。
【図8】ファンーパラレル変換の概念図。
【図9】ファンビームサイノグラムデータからパラレルビーム投影データへのファンーパラレル変換を示す摸式図。
【図10】サンプリング角度β(=2°)で収集したファンビームサイノグラムを角度θ(=4°)のパラレルビームサイノグラムに変換した例を示す図。
【図11】サンプリング角度β(=4°)で収集したファンビーム投影データを角度θ(=6°)のパラレルビーム投影データに変換した例を示す図。
【符号の説明】
【0040】
1:架台、2:ガンマカメラ、P:被検体、3:ファンビームコリメータ、4:SPECTデータ収集装置、5:投影データ作成装置、6:ファンーパラレル変換装置、7:再構成装置、8:断面変換装置、9:画像表示装置、10:画像保存装置、11:ファイトムチューブ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体に投与された放射性同位元素から放出される放射線をファンビーム状にコリメートし、
前記コリメートされた前記ファンビーム状の前記放射線を検出してサンプリング角度毎の複数の投影データから成るファンビーム投影データを作成し、
前記ファンビーム投影データ中から所定枚数の前記各投影データに対して重み付け処理を行って前記ファンビーム投影データのデータ数を擬似的に増加し、
前記データ数の増加した前記ファンビーム投影データをファンーパラレル変換してパラレルビーム投影データを取得する、
ことを特徴とするSPECT投影データ作成方法。
【請求項2】
前記データ数の増加した前記ファンビーム投影データは、前記ファンビーム投影データ中から前記サンプリング角度方向に連続する前記所定枚数の前記各投影データに対して前記重み付けを行い、これら重み付けを行った前記各投影データの加算平均を行って作成することを特徴とする請求項1記載のSPECT投影データ作成方法。
【請求項3】
前記ファンビーム投影データ中から前記重み付けを行う前記投影データの枚数を可変とし、かつ前記重み付けを行うための重み付けデータを可変とすることを特徴とする請求項2記載のSPECT投影データ作成方法。
【請求項4】
前記各投影データに対する前記重み付けは、前記投影データを取得したときの当該投影角度の重みを大きくする重み値を用いることを特徴とする請求項2記載のSPECT投影データ作成方法。
【請求項5】
被検体に投与された放射性同位元素から放出される放射線をファンビーム状にコリメートし、前記コリメートされた前記ファンビーム状の前記放射線を検出してサンプリング角度毎の複数の投影データから成るファンビーム投影データを収集するデータ収集部と、
前記データ収集部により収集された前記ファンビーム投影データ中から所定枚数の前記各投影データに対して重み付け処理を行って前記ファンビーム投影データのデータ数を擬似的に増加する投影データ作成部と、
前記投影データ作成部により作成された前記データ数の増加した前記ファンビーム投影データをファンーパラレル変換してパラレルビーム投影データを取得するファンーパラレル変換部と、
を具備することを特徴とするSPECT投影データ作成装置。
【請求項6】
前記投影データ作成部は、前記ファンビーム投影データ中から前記サンプリング角度方向に連続する前記所定枚数の前記各投影データに対して前記重み付けを行い、これら重み付けを行った前記各投影データの加算平均を行って前記ファンビーム投影データのデータ数を増加することを特徴とする請求項5記載のSPECT投影データ作成装置。
【請求項7】
前記投影データ作成部は、前記ファンビーム投影データ中から前記重み付けを行う前記投影データの枚数を可変とし、かつ前記重み付けを行うための重み付けデータを可変とすることを特徴とする請求項6記載のSPECT投影データ作成装置。
【請求項8】
前記データ収集部は、前記ファンビーム投影データをフレームモードにより収集し、
前記投影データ作成部は、前記フレームモードにより収集された前記ファンビーム投影データ中から所定枚数の前記各投影データに対して少なくとも重み付け処理を行って前記ファンビーム投影データのデータ数を増加する請求項6記載のSPECT投影データ作成装置。
【請求項9】
前記データ収集部は、前記ファンビーム投影データをリストモードにより収集し、
前記投影データ作成部は、前記リストモードにより収集された前記ファンビーム投影データをフレームモードに変換する際に、前記所定枚数の前記各投影データに対して少なくとも重み付け処理を行って前記ファンビーム投影データのデータ数を増加する請求項6記載のSPECT投影データ作成装置。
【請求項10】
請求項5乃至9のうちいずれか1項記載のSPECT投影データ作成装置において、
前記ファンーパラレル変換部により取得された前記パラレルビーム投影データを再構成して再構成像データを作成する再構成部と、
を具備することを特徴とするファンビームSPECT処理装置。
【請求項1】
被検体に投与された放射性同位元素から放出される放射線をファンビーム状にコリメートし、
前記コリメートされた前記ファンビーム状の前記放射線を検出してサンプリング角度毎の複数の投影データから成るファンビーム投影データを作成し、
前記ファンビーム投影データ中から所定枚数の前記各投影データに対して重み付け処理を行って前記ファンビーム投影データのデータ数を擬似的に増加し、
前記データ数の増加した前記ファンビーム投影データをファンーパラレル変換してパラレルビーム投影データを取得する、
ことを特徴とするSPECT投影データ作成方法。
【請求項2】
前記データ数の増加した前記ファンビーム投影データは、前記ファンビーム投影データ中から前記サンプリング角度方向に連続する前記所定枚数の前記各投影データに対して前記重み付けを行い、これら重み付けを行った前記各投影データの加算平均を行って作成することを特徴とする請求項1記載のSPECT投影データ作成方法。
【請求項3】
前記ファンビーム投影データ中から前記重み付けを行う前記投影データの枚数を可変とし、かつ前記重み付けを行うための重み付けデータを可変とすることを特徴とする請求項2記載のSPECT投影データ作成方法。
【請求項4】
前記各投影データに対する前記重み付けは、前記投影データを取得したときの当該投影角度の重みを大きくする重み値を用いることを特徴とする請求項2記載のSPECT投影データ作成方法。
【請求項5】
被検体に投与された放射性同位元素から放出される放射線をファンビーム状にコリメートし、前記コリメートされた前記ファンビーム状の前記放射線を検出してサンプリング角度毎の複数の投影データから成るファンビーム投影データを収集するデータ収集部と、
前記データ収集部により収集された前記ファンビーム投影データ中から所定枚数の前記各投影データに対して重み付け処理を行って前記ファンビーム投影データのデータ数を擬似的に増加する投影データ作成部と、
前記投影データ作成部により作成された前記データ数の増加した前記ファンビーム投影データをファンーパラレル変換してパラレルビーム投影データを取得するファンーパラレル変換部と、
を具備することを特徴とするSPECT投影データ作成装置。
【請求項6】
前記投影データ作成部は、前記ファンビーム投影データ中から前記サンプリング角度方向に連続する前記所定枚数の前記各投影データに対して前記重み付けを行い、これら重み付けを行った前記各投影データの加算平均を行って前記ファンビーム投影データのデータ数を増加することを特徴とする請求項5記載のSPECT投影データ作成装置。
【請求項7】
前記投影データ作成部は、前記ファンビーム投影データ中から前記重み付けを行う前記投影データの枚数を可変とし、かつ前記重み付けを行うための重み付けデータを可変とすることを特徴とする請求項6記載のSPECT投影データ作成装置。
【請求項8】
前記データ収集部は、前記ファンビーム投影データをフレームモードにより収集し、
前記投影データ作成部は、前記フレームモードにより収集された前記ファンビーム投影データ中から所定枚数の前記各投影データに対して少なくとも重み付け処理を行って前記ファンビーム投影データのデータ数を増加する請求項6記載のSPECT投影データ作成装置。
【請求項9】
前記データ収集部は、前記ファンビーム投影データをリストモードにより収集し、
前記投影データ作成部は、前記リストモードにより収集された前記ファンビーム投影データをフレームモードに変換する際に、前記所定枚数の前記各投影データに対して少なくとも重み付け処理を行って前記ファンビーム投影データのデータ数を増加する請求項6記載のSPECT投影データ作成装置。
【請求項10】
請求項5乃至9のうちいずれか1項記載のSPECT投影データ作成装置において、
前記ファンーパラレル変換部により取得された前記パラレルビーム投影データを再構成して再構成像データを作成する再構成部と、
を具備することを特徴とするファンビームSPECT処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−169481(P2010−169481A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−11204(P2009−11204)
【出願日】平成21年1月21日(2009.1.21)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【出願人】(594164531)東芝医用システムエンジニアリング株式会社 (892)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年1月21日(2009.1.21)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【出願人】(594164531)東芝医用システムエンジニアリング株式会社 (892)
【Fターム(参考)】
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