説明

TDMA通信システムおよびターミナルアダプター

【課題】TDMAによるデータ伝送において、ユーザデータを効率良く欠損なく、かつ電波資源を最大限に利用して送信する。
【解決手段】TA100において、ユーザ端末130からフレームの周期とは非同期に入力されるユーザデータを一次バッファ121にいったん格納した後、サービスと結び付けるための割当てテーブル123およびサービスとスロットとを対応付けるためのスロットテーブル122を用いて、TDMAの各スロットに対応してスロットバッファ124に格納する。その後、送信すべきフレームの適するタイミングでIDU140に送出する。ユーザデータがスロットバッファに入り切らない場合は二次バッファ125に保存し、以後の出力タイミングで送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、TDMA通信システムおよびターミナルアダプター、特に、デマンドアサインメント方式を採用するTDMA通信システムと、このTDMA通信システムで使用されるターミナルアダプターに関する。
【背景技術】
【0002】
人工衛星を介してIPパケットなどのデータをユーザ局間で通信する際、複数のユーザが同時に通信することを考慮して時分割多元接続(TDMA)方式が採用されることが多い。TDMA方式は、同一周波数の電波を一定長の時間間隔(フレーム)で区切り、更に、フレームを一定長のスロットという単位に区切り、それぞれのスロットにデータを載せて伝送する無線通信技術の一つである。
【0003】
TDMAにおけるスロットの割当て方法としてプリアサイメント方式とデマンドアサインメント方式が知られている。前者はスロットに割り当てる回線を予め固定しておく方式であるのに対し、後者は接続要求が発生する度にスロットに回線を割り当てる方式である。後者は、接続要求が行われる度に必要なスロット数が確保できるので、ユーザ毎に異なるサービスが要求されても柔軟に対応することが可能である。そのため、複数のユーザに対してサービスを提供するようなTDMA通信システムの場合、後者を採用することが望ましい。
【0004】
なお、ここでいうサービスとは、ユーザ毎に提供するものであって、サービスに必要とするスロット数、スロット1つ当たりに詰め込むデータ量、データの発信元と発信先、および配信方法(ユニキャスト配信、マルチキャスト配信)をひとまとまりとする通信形態のことである。
【0005】
デマンドアサインメント方式においては、接続要求が発生すると、その要求はユーザ局から基準局に届き、どのスロットにこの要求のサービスを割り当てるかが決定される。この情報は接続要求を発したユーザ局に届き、ユーザ局はこの情報を元に当該スロットのタイミングでデータを送信する。ユーザ局は、基準局から定期的に送信されるリファレンスバーストと同期を取ることで送信タイミングを計ることができる。
【0006】
ユーザ局からは人工衛星に向かって電波を送信するために、ベースバンド信号を変調し周波数変換をした後、電力を増幅して送信する。また、人工衛星から電波を受信した後、復調する必要もある。それを実現するために、ユーザ局では電波を送受信するためのアンテナ、電波を増幅するためのODU(Out Door Unit)と、変復調を行い、ベースバンド信号を処理するIDU(In Door Unit)を備える。
【0007】
また、IDUとユーザが使用する端末(ユーザ端末)とのインタフェースをとる装置としてターミナルアダプター(TA)が介在する。TAは、LANケーブルで接続したユーザ端末からIPパケットなどのデータ(以下、ユーザデータ)を受けると、予め登録したサービス毎にユーザデータを振り分けてIDUに送る。また、TAは、ODUが人工衛星から受信しIDUでデジタル信号に復調されたIPパケットなどのユーザデータをユーザ端末へ送る。
【0008】
TAからIDUへユーザデータを送る場合、TAが受けたユーザデータを次々とIDUに送出すると、IDUはTDMAのスロットタイミングに合わせてユーザデータを送るため、いずれIDUのバッファがオーバーフローし、ユーザデータが欠損してしまう。
【0009】
この問題を解決するため、従来は、図7に示すように、送信バッファ3、受信バッファ5、変調器6および復調器7を備えたIDU1にオーバーフローデータ一時メモリ4を設けている。この従来技術においては、ユーザ端末であって伝送速度が不安定な非同期式端末2からのユーザデータの数が基準数を超えると、ユーザデータはオーバーフローデータ一時メモリ4に格納される。オーバーフローデータ一時メモリ4に格納されたユーザデータは、TDMAフレームにおいて補正用タイムスロットに割り当てられたスロットでODUへ送出され、この結果、バッファオーバーフローによるデータの欠損を回避している。
【0010】
しかし、この従来技術では、補正用タイムスロットを常に確保しなければならないため、ODUから人工衛星に向かって電波を送信するに際して、使用可能な電波資源を最大限に利用できず、伝送レートがその分少なくなるという第1の問題点がある。また、ユーザデータとスロットの対応付けが考慮されていないため、デマンドアサインメント方式での柔軟なスロットの割り振りができないという第2の問題点もある。
【0011】
特に、第1の問題点は、昨今のデータ伝送における高速化、大容量化傾向から深刻である。すなわち、複数のユーザ端末がTAに接続され、それぞれのユーザ端末が大容量のデータ通信を行う場合、補正用スロットを確保している分だけ伝送できるデータ量が低下し、また、そのスロットを使用できる量には上限があるため、ユーザデータが大容量になるにつれ実質的な伝送速度は低下する。更に、データ量がある一定量を超えるとバッファサイズをオーバーしデータ欠損を生じるため、回線の質が低下してしまう。したがって、ユーザ端末を利用するユーザは常に伝送量を意識して使用する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開平8−204627
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
解決しようとする問題点は、ユーザデータを効率良くかつ欠損なく送信するには補正用タイムスロットを常に確保する必要があり、ODUから人工衛星に向かって電波を送信するに際して、使用可能な電波資源を最大限に利用できないということである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、使用可能な電波資源を最大限に利用するために、ターミナルアダプターにおいて、ユーザデータを欠損なくIDUへ送出するようにタイミングを調整する構成としたため、ODUにおける補正用タイムスロットの確保を不要化したことを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明のTDMA通信システムおよびターミナルアダプターは、ユーザ端末から非同期で入力してくるユーザデータをスロットごとに割り振り、スロットに入り切らないユーザデータを二次バッファで保存することにより、ユーザデータを欠損なくIDUへ送出するようにタイミングを調整する構成としたため、ODUにおいて補正用タイムスロットを確保する必要がなくなるので、使用可能な電波資源を最大限に利用できるようになるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明のターミナルアダプターの詳細を示すブロック図である。
【図2】本発明のターミナルアダプターの使用環境を示すブロック図である。
【図3】スロットテーブルに記憶されているサービスとスロットの対応情報を例示する図である。
【図4】割当てテーブルに記憶されているユーザデータとサービスとを対応付けるための情報を例示する図である。
【図5】本発明におけるスレッドαのフローチャートである。
【図6】本発明におけるスレッドβのフローチャートである。
【図7】従来技術を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、使用可能な電波資源を最大限に利用しながら、ユーザデータを効率良く、かつ欠損なく送信するという目的を、ターミナルアダプター(TA)においてユーザデータをIDUへ送出するようにタイミングを調整することにより実現した。
【実施例】
【0018】
以下、本発明の実施例ついて図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明のTA100の詳細をユーザ局の内のユーザ端末130およびIDU140の送信系と共に示している。一般的には、図2に示すように、複数のユーザ端末200〜202がHUB210を介してLANによりTA220に接続され、更には、TA220とIDU230が接続される。
【0019】
図1において、ユーザ端末130は、他のユーザ局のユーザ端末(不図示)とユーザデータを送受信しようとするユーザによって操作される。ユーザ端末130から入力されたユーザデータは、TA100およびIDU140、更には、図示しないODUを経由して人工衛星に向けて送信される。
【0020】
TA100は、ユーザ端末130から入力されたユーザデータをスロットバッファ124経由でIDU140へ送出するに際して、そのタイミングを計る。すなわち、TA100は、ユーザ端末130から入力されるユーザデータを一次バッファ121に格納するのと並行して、IDU140から送出割込みが入力した時に即座に送出できないユーザデータは二次バッファ125に一時的に保管し、次回以降の送出割込み入力時にスロットバッファ124から送出する。
【0021】
これによって、複数のユーザ端末130からの大容量のユーザデータを送信する場合に、IDU140は、バッファのオーバーフローに備えて補正用のタイムスロットを確保しなくともTDMAのスロットタイミングに合わせてユーザデータをODUへ送出できる。従って、ODUが人工衛星へ向けてユーザデータを送信するための電波資源を有効活用することができるようになる。
【0022】
TA100は、プログラム制御により動作する処理装置110と、ユーザデータを記憶する記憶装置120とから構成されている。記憶装置120は、一次バッファ121、スロットテーブル122、割り当てテーブル123、スロットバッファ124および二次バッファ125を含む。
【0023】
一次バッファ121は、ユーザ端末130から送出されたユーザデータを保存する。スロットテーブル122は、基準局(不図示)から予め通知されたサービスとスロットの対応情報をフレーム毎に記憶する。割当テーブル123は、ユーザデータと予め登録してあるサービスとを対応付けるための情報を記憶する。スロットバッファ124は、サービスに割り当てたユーザデータを次のフレームで送信する当該サービスに割り当てられたスロットの数だけ保存する。このバッファは、フレーム数×スロット列数だけ予め確保する必要がある。
【0024】
また、スロットバッファ124は、それぞれのスロットにデータを格納することができる容量(バッファサイズ)と、現在各スロット格納されているユーザデータの容量(データサイズ)についての情報も保持している。二次バッファ125は、サービスに割り当てたユーザデータの内でスロットバッファ124に入り切らなかったユーザデータを保存する。
【0025】
図3はスロットテーブル122に記憶されているサービスとスロットの対応情報を例示する。スロットテーブル122には、各フレームの1、2スロット列目がサービスA、3、4スロット列目がサービスB、・・・19、20スロット列目がサービスJという風に割り当てられている。例えば、サービスAはスロット1と2に格納できることを示している。
【0026】
図4は、割当てテーブル123に記憶されているユーザデータとサービスとを対応付けるための情報を例示する。この割当てテーブル123では、例えば送信元IPアドレスが192.168.0.1であるユーザ端末200(図2参照)から送信されたユーザデータをサービスAに割り当てることを意味している。
【0027】
処理装置110は、各スロットにサービスを割り振るためのスロット割振り手段111と、入力したユーザデータを使用するサービスに割り振るためのデータ割振り手段112と、該当するサービスに割り振られたユーザデータを該当するスロットに格納するための格納手段113と、指定したフレームにおける複数のスロットに格納されたユーザデータを取り出すための取出し手段114と、IDU140から送信されるタイミング信号によりフレームの開始を知らせる割込み手段115とを含む。
【0028】
スロット割振り手段111は、スロット1つ1つに対して、スロットテーブル122に記憶されているサービスとスロットの対応情報を元に、どのサービスで使用するかのサービスを割り振る。データ割振り手段112は、割当てテーブル123によってユーザデータを該当するサービスに割り振る。格納手段113は、サービスに割り振られたユーザデータを該当するサービスのスロットに割り当てられたスロットバッファ124の領域内に格納する。
【0029】
取出し手段114は、スロットバッファ124の領域内に格納してあるユーザデータのうち、指定したフレームにおける複数のスロットに格納されたユーザデータを取り出す。割込み手段115は、IDU140から割込みが入力すると、フレームの開始タイミングをソフトウェアに割込みとして知らせる。
【0030】
次に、本発明のTDMA通信システムおよびターミナルアダプターの動作について、図5および図6のフローチャートに沿って説明する。本発明では、処理装置110が2つのスレッド(スレッドα、スレッドβとする)を並列で実行する。
【0031】
いま、例えば図2のユーザ端末200であるユーザ端末130から、IPパケットが送出され、TA100に到達したとする。TA100のスレッドαでは、そのユーザデータを受けると、一次バッファ121入力した(図5のステップS1)後、データ割振り手段112は、割当てテーブル123を使用して、入力されたユーザデータに該当するサービスがあるかを調べる(ステップS2)。
【0032】
この方法としては、例えば、図4に示したように、割当てテーブル123に送信元IPアドレスとサービス名を記憶しておき、受信したユーザデータの送信元IPアドレスとサービスとを対応付ける方法が考えられる。この方法によると、送信元のIPアドレス192.168.0.1と対応するサービスAが割当てテーブル123に登録されている(図4参照)ため、ユーザデータとサービスを対応付けて(ステップS3)、一次バッファ121に格納する(ステップS4)。一方、対応するサービスがない場合は、ユーザデータを破棄する(ステップS5)。
【0033】
一方、スレッドβにおいて、割込み手段115は、IDU140からフレームの開始タイミングで入る割込みをポーリングにより待機し続ける(図6のステップT1)。割込みが入力したら、取出し手段114は、スロットバッファ124内の現在のフレーム番号F(=1とする)を取得し(ステップT2)、フレームFにおいて送信するユーザデータがスロットバッファ124にあるかを確認する(ステップT3)。その結果、存在する場合は該当するフレームからユーザデータを取り出して(ステップT4)、IDU140へ送出する(ステップT5)。しかし、1つ目のIPパケットが一次バッファ121入力しただけの現時点では、未だユーザデータがスロットバッファ124に存在しない。
【0034】
ステップT3においてスロットバッファ124にユーザデータが格納されていない場合またはステップT5に引き続いて、格納手段113は二次バッファ125にユーザデータが存在するかを調べる(ステップT6)。そして、ユーザデータが存在した場合、スロット割振り手段111は、スロットバッファ124を参照してスロットバッファ124に次のフレーム(F+1)において該当サービスを格納するための容量があるかを調べる(ステップT7)。容量がある場合は二次バッファ125に存在するユーザデータをスロットバッファ124に格納する(ステップT8)。現時点では、二次バッファ125にもユーザデータが存在しない。
【0035】
ステップT6において二次バッファ125にユーザデータが格納されていない場合またはステップT8に引き続いて、格納手段113は一次バッファ121にユーザデータが存在するかを調べる(ステップT9)。現時点で一次バッファ121にはユーザデータが存在する(ステップS4)。
【0036】
一次バッファ121にユーザデータが存在した場合、スロット割振り手段111は、スロットバッファ124に次のフレーム(F+1)において該当サービスを格納するための容量があるかを調べる(ステップT10)。ここでも、スロット割振り手段111は、スロットバッファ124を参照することにより調べる。
【0037】
図3を参照すると、フレーム2のスロット1とスロット2がサービスAに対応しており、容量に余裕があればスロットバッファ124にユーザデータを格納する(ステップT11)。すなわち、格納手段123は、一次バッファ121に格納されているユーザデータをスロットバッファ124のフレーム2のスロット1とスロット2に格納する(ステップT11)。一方、ユーザデータの量が多く十分な容量がなかった場合は、スロットバッファ124に格納し切れないデータを二次バッファ125に格納しておく(ステップT12)。
【0038】
この後、スレッドβは再度割込み待ち状態となる(ステップT1)。次の割込みが入ってきたとき、F=2となる。今度はスロットバッファ124にフレーム(F=2)において送信するユーザデータが存在するため、その領域からユーザデータを取り出して送出する(ステップT4およびT5)。以後、上記処理と同様に動作する。スレッドαとスレッドβは非同期であるため、複数のユーザ端末から次々とユーザデータが送信される場合でも同様に処理することが可能である。
【0039】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0040】
(付記1)デマンドアサインメント方式のTDMA通信システムにおいて;ターミナルアダプターは、ユーザ端末から非同期で入力してくるユーザデータを一次バッファに保存するのと並行して、前記ユーザデータをタイムスロットごとに割り振り、該タイムスロットに入り切らない前記ユーザデータは二次バッファで保存して前記ユーザデータを欠損なくインドアユニットへ送出するようにタイミングを調整することにより;前記インドアユニットでのタイミング補正用タイムスロットの確保を不要化したことを特徴とするTDMA通信システム。
【0041】
(付記2)前記ユーザ端末から送出されてくるユーザデータを保存するための一次バッファと、基準局から予め通知されたサービスとタイムスロットの対応情報をフレーム毎に記憶するためのスロットテーブルと、ユーザデータと前記サービスとを対応付けるための情報を記憶するための割当てテーブルと、サービス(ユーザ毎に提供される通信形態)に割り当てられたユーザデータを次のフレームで送信する当該サービスに割り当てられたタイムスロットの数だけ保存し、かつ、それぞれのタイムスロットに前記ユーザデータを格納することができる容量と、現在格納されているユーザデータの容量についての情報を保持しているスロットバッファと、サービスに割り当てたユーザデータの内で前記スロットバッファに入り切らなかった前記一次バッファのユーザデータを保存するための二次バッファを有することを特徴とする請求項1に記載のターミナルアダプター。
【0042】
(付記3)前記割当てテーブルでは、前記ユーザデータとして、該ユーザデータの送信元IPアドレスを用いることを特徴とする請求項2に記載のターミナルアダプター。
【0043】
(付記4)前記ユーザ端末から前記ユーザデータが入力すると、
前記タイムスロット1つ1つに対して、前記スロットテーブルに記憶されているサービスとタイムスロットの対応情報を元に、使用する前記サービスを割り振るスロット割振り手段と、前記割当てテーブルによって前記ユーザデータを該当する前記サービスに対応付けるデータ割振り手段と、前記サービスに対応付けられたユーザデータを前記一次バッファに保存する格納手段と;前記インドアユニットから割込みが入力すると、フレームの開始タイミングをソフトウェアに割込みとして知らせ、前記ユーザデータの前記一次バッファへの保存と並行して下記の各手段を作動させる割込み手段と、前記サービスに割り振られたユーザデータを該当する前記サービスのタイムスロットに割り当てられた前記スロットバッファの領域内に格納する前記格納手段と、前記スロットバッファの領域内に格納してあるユーザデータの内の指定したフレームにおける複数のタイムスロットに格納されたユーザデータを取り出して前記インドアユニットへ送出する取出し手段を有し;前記スロット割振り手段は、前記スロットバッファを参照して前記スロットバッファに次のフレームにおいて該当するサービスを格納するための容量があるかを調べ、容量に余裕があれば前記格納手段は前記二次バッファまたは前記一次バッファのユーザデータを前記スロットバッファの領域内に格納することを特徴とする請求項2または請求項3に記載のターミナルアダプター。
【0044】
(付記5)デマンドアサインメント方式のTDMA通信システムにおけるターミナルアダプターのコンピュータに;ユーザ端末から非同期で入力してくるユーザデータを一次バッファに保存する手順と並行して、前記ユーザデータをタイムスロットごとに割り振り、該タイムスロットに入り切らない前記ユーザデータは二次バッファで保存して前記ユーザデータを欠損なくインドアユニットへ送出するようにタイミングを調整する手順を実行させることにより;前記インドアユニットでのタイミング補正用タイムスロットの確保を不要化したことを特徴とするプログラム。
【0045】
(付記6)デマンドアサインメント方式のTDMA通信システムにおけるターミナルアダプターのコンピュータに;前記ユーザ端末から前記ユーザデータが入力すると、タイムスロット1つ1つに対して、スロットテーブルに記憶されているサービス(ユーザ毎に提供される通信形態)とタイムスロットの対応情報を元に、使用する前記サービスを割り振る手順と、割当てテーブルによって前記ユーザデータを該当する前記サービスに対応付ける手順と、前記サービスに対応付けられたユーザデータを一次バッファに格納する手順を実行させ;インドアユニットから割込みが入力すると、フレームの開始タイミングを割込みとして知らせ、前記ユーザデータの一次バッファへの保存と並行して下記の各手順を行なわせる手順と、前記サービスに割り振られたユーザデータを該当する前記サービスのタイムスロットに割り当てられたスロットバッファの領域内に格納する手順と、前記スロットバッファの領域内に格納してあるユーザデータの内の指定したフレームにおける複数のタイムスロットに格納されたユーザデータを取り出して前記インドアユニットへ送出する手順を実行させ;前記タイムスロットの割振り手順において前記スロットバッファを参照して前記スロットバッファに次のフレームにおいて該当サービスを格納するための容量があるかを調べ、容量に余裕があれば前記二次バッファまたは前記一次バッファのユーザデータを前記スロットバッファの領域内に格納することを特徴とする請求項5に記載のプログラム。
【符号の説明】
【0046】
100 TA
110 処理装置
111 スロット割振り手段
112 データ割振り手段
113 格納手段
114 取出し手段
115 割込み手段
120 記憶装置
121 一次バッファ
122 スロットテーブル
123 割当てテーブル
124 スロットバッファ
125 二次バッファ
130 ユーザ端末
140 IDU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デマンドアサインメント方式のTDMA通信システムにおいて;
ターミナルアダプターは、ユーザ端末から非同期で入力してくるユーザデータを一次バッファに保存するのと並行して、前記ユーザデータをタイムスロットごとに割り振り、該タイムスロットに入り切らない前記ユーザデータは二次バッファで保存して前記ユーザデータを欠損なくインドアユニットへ送出するようにタイミングを調整することにより;
前記インドアユニットでのタイミング補正用タイムスロットの確保を不要化したことを特徴とするTDMA通信システム。
【請求項2】
前記ユーザ端末から送出されてくるユーザデータを保存するための一次バッファと、
基準局から予め通知されたサービスとタイムスロットの対応情報をフレーム毎に記憶するためのスロットテーブルと、
ユーザデータと前記サービスとを対応付けるための情報を記憶するための割当てテーブルと、
サービス(ユーザ毎に提供される通信形態)に割り当てられたユーザデータを次のフレームで送信する当該サービスに割り当てられたタイムスロットの数だけ保存し、かつ、それぞれのタイムスロットに前記ユーザデータを格納することができる容量と、現在格納されているユーザデータの容量についての情報を保持しているスロットバッファと、
サービスに割り当てたユーザデータの内で前記スロットバッファに入り切らなかった前記一次バッファのユーザデータを保存するための二次バッファを有することを特徴とする請求項1に記載のターミナルアダプター。
【請求項3】
前記割当てテーブルでは、前記ユーザデータとして、該ユーザデータの送信元IPアドレスを用いることを特徴とする請求項2に記載のターミナルアダプター。
【請求項4】
前記ユーザ端末から前記ユーザデータが入力すると、
前記タイムスロット1つ1つに対して、前記スロットテーブルに記憶されているサービスとタイムスロットの対応情報を元に、使用する前記サービスを割り振るスロット割振り手段と、
前記割当てテーブルによって前記ユーザデータを該当する前記サービスに対応付けるデータ割振り手段と、
前記サービスに対応付けられたユーザデータを前記一次バッファに保存する格納手段と;
前記インドアユニットから割込みが入力すると、
フレームの開始タイミングをソフトウェアに割込みとして知らせ、前記ユーザデータの前記一次バッファへの保存と並行して下記の各手段を作動させる割込み手段と、
前記サービスに割り振られたユーザデータを該当する前記サービスのタイムスロットに割り当てられた前記スロットバッファの領域内に格納する前記格納手段と、
前記スロットバッファの領域内に格納してあるユーザデータの内の指定したフレームにおける複数のタイムスロットに格納されたユーザデータを取り出して前記インドアユニットへ送出する取出し手段を有し;
前記スロット割振り手段は、前記スロットバッファを参照して前記スロットバッファに次のフレームにおいて該当するサービスを格納するための容量があるかを調べ、容量に余裕があれば前記格納手段は前記二次バッファまたは前記一次バッファのユーザデータを前記スロットバッファの領域内に格納することを特徴とする請求項2または請求項3に記載のターミナルアダプター。
【請求項5】
デマンドアサインメント方式のTDMA通信システムにおけるターミナルアダプターのコンピュータに;
ユーザ端末から非同期で入力してくるユーザデータを一次バッファに保存する手順と並行して、
前記ユーザデータをタイムスロットごとに割り振り、該タイムスロットに入り切らない前記ユーザデータは二次バッファで保存して前記ユーザデータを欠損なくインドアユニットへ送出するようにタイミングを調整する手順を実行させることにより;
前記インドアユニットでのタイミング補正用タイムスロットの確保を不要化したことを特徴とするプログラム。
【請求項6】
デマンドアサインメント方式のTDMA通信システムにおけるターミナルアダプターのコンピュータに;
前記ユーザ端末から前記ユーザデータが入力すると、
タイムスロット1つ1つに対して、スロットテーブルに記憶されているサービス(ユーザ毎に提供される通信形態)とタイムスロットの対応情報を元に、使用する前記サービスを割り振る手順と、
割当てテーブルによって前記ユーザデータを該当する前記サービスに対応付ける手順と、
前記サービスに対応付けられたユーザデータを一次バッファに格納する手順を実行させ;
インドアユニットから割込みが入力すると、
フレームの開始タイミングを割込みとして知らせ、前記ユーザデータの一次バッファへの保存と並行して下記の各手順を行なわせる手順と、
前記サービスに割り振られたユーザデータを該当する前記サービスのタイムスロットに割り当てられたスロットバッファの領域内に格納する手順と、
前記スロットバッファの領域内に格納してあるユーザデータの内の指定したフレームにおける複数のタイムスロットに格納されたユーザデータを取り出して前記インドアユニットへ送出する手順を実行させ;
前記タイムスロットの割振り手順において前記スロットバッファを参照して前記スロットバッファに次のフレームにおいて該当サービスを格納するための容量があるかを調べ、容量に余裕があれば前記二次バッファまたは前記一次バッファのユーザデータを前記スロットバッファの領域内に格納することを特徴とする請求項5に記載のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−38621(P2013−38621A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−173543(P2011−173543)
【出願日】平成23年8月9日(2011.8.9)
【出願人】(303013763)NECエンジニアリング株式会社 (651)
【Fターム(参考)】