説明

TIE1結合リガンド

Tie1は膜貫通ドメインを含むレセプターチロシンキナーゼタンパク質である。Tie1は、内皮細胞上に存在する。本明細書の開示は、内皮細胞活性を阻害する抗体等、Tie1に結合する抗体を記載した。一つの特徴において、本発明は、重鎖免疫グロブリン可変ドメイン配列と軽鎖免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むタンパク質(例えば、単離されたタンパク質)により特徴付けられる。タンパク質はTie1外部ドメインに結合する。例えば、タンパク質は、10−8M、5〜10−9M、10−9M、10−10M、10−11Mまたは10−12M未満の親和性Kで結合する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
単離されたタンパク質であって、該タンパク質は、重鎖免疫グロブリン可変ドメイン配列および軽鎖免疫グロブリン可変ドメイン配列を含み、ここで、該タンパク質がTie1外部ドメインに結合し、重鎖免疫グロブリン可変ドメイン配列が以下の特徴:
i)下記のアミノ酸配列を含むHC CDR1:
(AGSR)−Y−(GVK)−M−(GSVF)(配列番号117)
(AGSIMRH)−Y−(GVMK)−M−(GSVMFH)(配列番号118)または
(AGSIMRNH)−Y−(AGTVMKPQ)−M−(AGSTVMYWFKH)(配列番号119);
ii)下記のアミノ酸配列を含むHC CDR2:
X−I−Y−P−S−G−G−X−T−X−Y−A−D−S−V−K−G(配列番号120)(式中、Xは任意のアミノ酸である)、
(GSV)−I−(SY)−P−S−G−G−(WQ)−T−(GY)(配列番号121)、
(GSV)−I−(SY)−P−S−G−G−(WNQ)−T−(GY)(配列番号160)
(GSV)−I−(SY)−P−S−G−G−(WQ)−T−(GY)−Y−A−D−S−V−K−G(配列番号122)または
(GSVW)−I−(SY)−P−S−G−G−(AGVMYWPQH)−T−(AGSTLVMYFKH)(配列番号123);
iii)下記のアミノ酸配列を含むHC CDR3:
V−(4または5残基)−F−D−(I/Y)(配列番号124)、
G−Y−G−P−I−A−P−G−L−D−Y(配列番号125)、
(GV)−N−Y−Y−(GYD)−S−(SD)−G−Y−G−P−I−A−P−G−L−D−Y(配列番号126)、
(GVD)−(AGLN)−(LYR)−(GSTLYH)−(GYD)−(AGSYFP)−(SFD)−(AGYD)−(IY)−(GFD)−(YDP)−(IP)−A−P−G−L−D−Y(配列番号127)または
VNYYDSSGYGPIAPGLDY(配列番号128)、
の一つ以上を含む、単離されたタンパク質。
【請求項2】
前記軽鎖免疫グロブリン可変ドメイン配列が以下の特徴:
i)下記のアミノ酸配列を含むLC CDR1:
R−A−S−Q−S−(IV)−S−(SR)−X1−Y−L−(AN)(配列番号129)、
R−A−S−Q−S−V−S−S−X−L(配列番号130)、
R−A−S−Q−S−(IV)−S−(SR)−(SY)−(LY)−(ALN)(配列番号131)または
R−A−S−(REQ)−(GSTRN)−(IV)−(GSTIRN)−(STIRH)−X1−(SYWNH)−(LV)−(ASN)(配列番号132)(式中、X1はセリンであるか、または存在しなくてもよい);
ii)下記のアミノ酸配列を含むLC CDR2:
X−A−S−X−R−A−T(配列番号133)(式中、Xは任意のアミノ酸であり得る)、
(AGD)−A−S−(STN)−R−A−T(配列番号134)、
(AGD)−A−S−(STN)−(LR)−(AEQ)−(ST)(配列番号135)または
(AGTKDEH)−A−S−(STN)−(LR)−(AVEQ)−(ST)(配列番号136);および
iii)下記のアミノ酸配列を含むLC CDR3:
Q−Q−(SYFR)−(GSYN)−S−(STYW)−(RP)−(LWR)−(TIY)−T(配列番号137)、
Q−Q−(SYFR)−(GSYN)−S−(STYW)−(RP)−(LWRH)−(TIY)(配列番号161)、
(LQ)−Q−(SYFR)−(GSYN)−(SKN)−(STYW)−(RP)−(LWR)−(TIY)−T(配列番号138)、
Q−Q−(YR)−(GS)−S−(SW)−P−R−X1−T(配列番号139)(式中、X1は任意のアミノ酸か、または存在しない)、
(LQ)−(LQ)−(SYFRD)−(GSYN)−(STRKN)−(STYWF)−(RP)−(ILMWRH)−(TIY)−(TI)(配列番号140)および
(LQ)−(LRQ)−(SYFRD)−(GSYN)−(ASTRKN)−(STYWF)−(SVRP)−(STILMWRH)−(TIY)−(STI)(配列番号141)、
の一つ以上を含む、請求項1に記載のタンパク質。
【請求項3】
前記軽鎖免疫グロブリン可変ドメイン配列が以下の特徴:
i)下記のアミノ酸配列を含むLC CDR1:
S−X−(ND)−(IV)−(AG)−X1−X2−X3(配列番号142)または
T−(GR)−(ST)−S−X5−(ND)−(IV)−(AG)−X1−X2−X3−Y−X4−S(配列番号143)
(式中、X1は任意のアミノ酸(例えば、GまたはR)であり、X2は任意のアミノ酸(例えば、YまたはN)であり、X3は任意のアミノ酸(例えば、F、NまたはK)であり、X4は任意のアミノ酸(例えば、脂肪族、例えばVまたはA)である);
ii)下記のアミノ酸配列を含むLC CDR2:
(DE)−V−N−N−R−P−S(配列番号144)または
(DE)−(VD)−(STDN)−(YRDN)−R−P−S(配列番号145);ならびに
iii)下記のアミノ酸配列を含むLC CDR3:
(SQ)−S−(SY)−(ASID)−(GSR)−(ST)−(STRN)−(STYR)−(ATLY)−(SVWQ)(配列番号146)、
の一つ以上を含む、請求項1に記載のタンパク質。
【請求項4】
前記HC可変ドメイン配列が、配列番号118および配列番号160を含む、請求項1に記載のタンパク質。
【請求項5】
LC可変ドメイン配列が配列番号132、配列番号136および配列番号161を含む、請求項1に記載のタンパク質。
【請求項6】
前記HC可変ドメイン配列の前記アミノ酸配列が、クローンE3、クローンG2、クローンp−A1、クローンp−A10、クローンp−B1、クローンp−B3、クローンp−C6、クローンp−D12、クローンp−F3、クローンp−F4、クローンp−G3、クローンs−A10、クローンs−H1、クローンs−A2、クローンs−B2、クローンs−B9、クローンs−C10、クローンs−C2、クローンs−C7、クローンs−D11、クローンs−E11、クローンs−G10またはクローンs−H4のHC可変ドメインのアミノ酸配列と少なくとも85%同一である、請求項1に記載のタンパク質。
【請求項7】
前記LC可変ドメイン配列の前記アミノ酸配列が、クローンE3、クローンG2、クローンp−A1、クローンp−A10、クローンp−B1、クローンp−B3、クローンp−C6、クローンp−D12、クローンp−F3、クローンp−F4、クローンp−G3、クローンs−A10、クローンs−H1、クローンs−A2、クローンs−B2、クローンs−B9、クローンs−C10、クローンs−C2、クローンs−C7、クローンs−D11、クローンs−E11、クローンs−G10またはクローンs−H4のLC可変ドメインのアミノ酸配列と少なくとも85%同一である、請求項1に記載のタンパク質。
【請求項8】
前記HC可変ドメイン配列の前記アミノ酸配列が、E3クローンからのCDR1、CDR2およびCDR3配列を含み、前記LC可変ドメイン配列が、E3クローンからのCDR1、CDR2およびCDR3配列を含む、請求項1に記載のタンパク質。
【請求項9】
前記LC可変ドメイン配列が配列番号159を含む、請求項8に記載のタンパク質。
【請求項10】
前記HC可変ドメイン配列が配列番号114を含む、請求項8に記載のタンパク質。
【請求項11】
前記HCおよびLCフレームワーク領域がヒトのものである、請求項1に記載のタンパク質。
【請求項12】
さらにFcドメインを含む、請求項1に記載のタンパク質。
【請求項13】
ヒトIgG1、ヒトIgG2、ヒトIgG3またはヒトIgG4の定常ドメインを含む、請求項12に記載のタンパク質。
【請求項14】
単離されたタンパク質であって、該タンパク質は、重鎖免疫グロブリン可変ドメイン配列および軽鎖免疫グロブリン可変ドメイン配列を含み、ここで、該タンパク質は、Tie1外部ドメインおよび内皮細胞に結合するが、血小板には実質的に結合しない、単離されたタンパク質。
【請求項15】
Tie1に5nM未満のKdで結合する、請求項14に記載のタンパク質。
【請求項16】
E3抗体のHC免疫グロブリン可変ドメインおよびLC免疫グロブリン可変ドメイン、または該E3抗体の該HC免疫グロブリン可変ドメインおよび該LC免疫グロブリン可変ドメインのそれぞれに、少なくとも85%同一であるドメインを含む、請求項14に記載の単離されたタンパク質。
【請求項17】
HUVEC細胞による管形成をインビトロで阻害する、請求項14に記載のタンパク質。
【請求項18】
組織学的切片中のメラノーマ関連構造物を認識する、請求項14に記載のタンパク質。
【請求項19】
単離されたタンパク質であって、該タンパク質は、重鎖免疫グロブリン可変ドメイン配列および軽鎖免疫グロブリン可変ドメイン配列を含み、該タンパク質がTie1外部ドメインに結合し、Tie1への結合に対してE3と競合するか、またはE3により認識されるエピトープとオーバーラップするエピトープか、またはE3により認識されるエピトープと共通する少なくとも一つ、二つまたは三つの残基を有するエピトープに結合する、単離されたタンパク質。
【請求項20】
単離された核酸であって、該核酸は、免疫グロブリンHC可変ドメインを含むポリペプチドをコードするコード配列を含み、ここで、該コード配列が、クローンE3、クローンG2、クローンp−A1、クローンp−A10、クローンp−B1、クローンp−B3、クローンp−C6、クローンp−D12、クローンp−F3、クローンp−F4、クローンp−G3、クローンs−A10、クローンs−H1、クローンs−A2、クローンs−B2、クローンs−B9、クローンs−C10、クローンs−C2、クローンs−C7、クローンs−D11、クローンs−E11、クローンs−G10またはクローンs−H4の該HC可変ドメインをコードする参照配列と少なくとも85%同一であるか、または該コード配列が、該参照配列またはその補体にハイブリダイズする、単離された核酸。
【請求項21】
さらに、免疫グロブリンLC可変ドメインを含むポリペプチドをコードする第二のコード配列を含む、請求項20に記載の核酸。
【請求項22】
単離された核酸であって、該核酸は、免疫グロブリンLC可変ドメインを含むポリペプチドをコードするコード配列を含み、ここで、該コード配列が、クローンE3、クローンG2、クローンp−A1、クローンp−A10、クローンp−B1、クローンp−B3、クローンp−C6、クローンp−D12、クローンp−F3、クローンp−F4、クローンp−G3、クローンs−A10、クローンs−H1、クローンs−A2、クローンs−B2、クローンs−B9、クローンs−C10、クローンs−C2、クローンs−C7、クローンs−D11、クローンs−E11、クローンs−G10またはクローンs−H4の該HC可変ドメインをコードする参照配列と少なくとも85%同一であるか、または該コード配列が、該参照配列またはその補体にハイブリダイズする、単離された核酸。
【請求項23】
さらに、免疫グロブリンHC可変ドメインを含むポリペプチドをコードする第二のコード配列を含む、請求項22に記載の核酸。
【請求項24】
宿主細胞であって、該細胞は、抗体のHC可変ドメインを含む、ポリペプチドをコードする第一の核酸配列および該抗体のLC可変ドメインを含むポリペプチドをコードする第二の核酸配列を包含し、ここで、該抗体が請求項1または14に記載のタンパク質である、宿主細胞。
【請求項25】
宿主細胞であって、該細胞は、HC可変領域を含むポリペプチドをコードする第一の核酸配列およびLC可変領域からなるポリペプチドをコードする第二の核酸配列を包含し、ここで、該HC可変領域および該LC可変領域がそれぞれ、E3、G2、p−A1、p−A10、p−B1、p−B3、p−C6、p−D12、p−F3、p−F4、p−G3、s−A10、s−H1、s−A2、s−B2、s−B9、s−C10、s−C2、s−C7、s−D11、s−E11、s−G10およびs−H4からなる群から選択されるクローンのHC可変ドメインとLC可変ドメインのそれぞれのアミノ酸配列に、少なくとも85%同一である配列を含む、宿主細胞。
【請求項26】
請求項1〜19のいずれか1項に記載のタンパク質および薬学的に受容可能なキャリアからなる、薬学的組成物。
【請求項27】
血管形成の調節方法であって、該方法は、請求項1または14に記載のタンパク質を含む組成物を、被験体の血管形成を調節するのに有効な量で該被験体に投与する工程を包含する、方法。
【請求項28】
前記タンパク質がTie1活性を中和する、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記被験体が血管形成関連疾患を有する、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記被験体が腫瘍疾患を有する、請求項27に記載の方法。
【請求項31】
前記被験体が転移性癌を有する、請求項27に記載の方法。
【請求項32】
前記被験体が血管形成に依存する癌または腫瘍を有する、請求項27に記載の方法。
【請求項33】
前記被験体が炎症性疾患を有する、請求項27に記載の方法。
【請求項34】
前記被験体がリューマチ性関節炎を有する、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記被験体が乾癬を有する、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記タンパク質が全身に送達される、請求項27に記載の方法。
【請求項37】
前記タンパク質が、血管の発芽、分裂および再構築の、一つ以上の活性を減少するのに有効な量で投与される、請求項27に記載の方法。
【請求項38】
前記タンパク質が、脈管形成または細管形成を減少するのに有効な量で投与される、請求項27に記載の方法。
【請求項39】
被験体において内皮細胞活性を調節する方法であって、該方法は、
請求項14に記載のタンパク質を含む組成物を、該被験体において内皮細胞活性を調節するのに有効な量で該被験体に投与する工程
を包含する、方法。
【請求項40】
インビトロでサンプル中のTie1タンパク質の存在を検出する方法であって、該方法は、
i)該サンプルを、請求項1に記載のTie1結合タンパク質に、該Tie1結合タンパク質と該Tie1タンパク質との相互作用が起こる条件下で接触させる工程;および
(ii)該Tie1結合タンパク質と該サンプルとの間の複合体の形成を検出する工程
を包含する、方法。
【請求項41】
インビボでTie1の存在を検出する方法であって、該方法は、
i)ヒト被験体に、Tie1結合タンパク質を、Tie1結合リガンドと該Tie1タンパク質の相互作用が起こる条件下で接触させる工程;および
(ii)該Tie1結合タンパク質と該被験体のTie1分子との間の複合体の形成を検出するか、または該被験体中のTie1結合タンパク質の分布または該Tie1結合タンパク質の少なくとも一つの位置を検出する工程
を包含する、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−528720(P2007−528720A)
【公表日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−523357(P2006−523357)
【出願日】平成16年8月12日(2004.8.12)
【国際出願番号】PCT/US2004/026116
【国際公開番号】WO2005/019267
【国際公開日】平成17年3月3日(2005.3.3)
【出願人】(504326804)ダイアックス コーポレイション (8)
【Fターム(参考)】