説明

TK−57−164A物質及びTK−57−164B物質、並びにそれらの製造法及びそれらを有効成分とする農園芸用殺菌剤

本発明は、下記の式(1)で表される新規なTK−57−164A物質及びTK−57−164B物質並びにそれらの製造法及びそれらの少なくとも1つを有効成分とする農園芸用殺菌剤を提供する。本発明の新規化合物群は、畑、水田、果樹園、茶園、牧草地、芝生地などにおいて問題となる植物病害菌に対して優れた病原防除効果を示し、農園芸用殺菌剤としての利用が期待される。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明はTK−57−164A物質及びTK−57−164B物質、並びにそれらの製造法及びそれらの少なくとも1つを有効成分とする農園芸用殺菌剤に関する。
【背景技術】
従来、多くの農園芸用殺菌剤が知られているが、薬剤抵抗性や安全性などの問題から、より有効で安全に使える薬剤が必要とされている。果樹、野菜、穀類などに発生する、うどんこ病、べと病、たんそ病、さび病、いもち病などの植物病原菌に対してこれまで各種の薬剤が使用されているが、薬剤抵抗性などの問題からそれらの薬剤の使用が禁止されたり、あるいは制限されてきている。したがってこれらの分野では従来の薬剤とは異なる新規な薬剤の出現が課題となってきており、本発明はこれらを解決することを目的とするものである。本発明は微生物が生産する新規なTK−57−164A物質及びTK−57−164B物質並びにそれらの製造法及びそれらの少なくとも1つを有効成分とする農園芸用殺菌剤を提供する。
【発明の開示】
農園芸用殺菌剤として利用できる新たな活性物質を、微生物の生産する培養物から探索したところ、本発明者らが新たに分離したTK−57株と命名したイサリア(Isaria)属の子嚢菌の培養物中に植物病原菌に対し抗真菌活性を示す物質が生産されることを見出した。さらにこの抗真菌活性物質が下記の式(1)で表される化学構造を有することを見出し、新規な物質であることを確認して、本物質をTK−57−164A物質及びTK−57−164B物質と命名した。
すなわち、本発明は下記の農園芸用殺菌活性物質TK−57−164A物質及びTK−57−164B物質を提供されるものである。
式(1)

R=Ethylで示されるTK−57−164A物質及びR=Hで示されるTK−57−164B物質。
また、本発明は、イサリア(Isaria)属に属するTK−57−164A物質及びTK−57−164B物質生産菌を培養し、その培養物からTK−57−164A物質及びTK−57−164B物質を採取することを特徴とする上記に記載されているTK−57−164A物質及びTK−57−164B物質の製造法を提供するものである。
さらに、上記に記載されているTK−57−164A物質およびTK−57−164B物質の少なくとも1つを有効成分とする農園芸用殺菌剤およびイサリア(Isaria)属に属する子嚢菌であって、上記のTK−57−164A物質ならびにTK−57−164B物質を生産する特性を有TK−57株またはその変異株に関する。
<発明の実施の態様>
本発明の第1の要旨とするところは、前記の式(1)で表され、下記の理化学的性状を有するTK−57−164A物質及びTK−57−164B物質にある。
1.TK−57−164A物質の理化学的性状
(1)色および形状 無色固体
(2)マススペクトル M/Z 410.2546(M+H)
(3)分子式 C2235NO
(4)比旋光度[α] −21.3°(c0.10,CHCl,25℃)
(5)紫外部吸収スペクトル λmax(MeOH) 213nm
(6)赤外部吸収スペクトル νmax(KBr) cm−1
3400,3300,2924,2853,2359,2341,1742,1684,1649,1632,1533,1460,1369,1344,1273,1198,1155,1101,1084,1001,974,934,916,845,835,812
(7)HPLC カラム;Waters L−column ODS 10φ×250mm、溶出溶媒;アセトニトリル−0.05%TFA(52:48)、流速;1.8ml/min、検出;UV254nmで保持時間46.848分
(8)1H−NMRスペクトル;δ(ppm)(CDCL、400MHz)
0.86(3H,t,J=6.8Hz),1.20−1.31(12H,m),1.44(2H,m),2.03(1H,t,J=12.7Hz),2.18(2H,m),2.21(1H,brs),2.49(1H,ddd,J=12.7Hz,J=4.9Hz,J=1.7Hz),3.15(1H,ddd,J=7.6Hz,J=3.4Hz,J=1.5Hz),3.50(3H,s),3.52(1H,dd,J=3.6Hz,J=1.5Hz),3.60(1H,dd,J=3.6Hz,J=1.2Hz),3.74(1H,brs),3.93(1H,dd,J=7.6Hz,J=1.2Hz),4.50(1H,brs),4.80(1H,m),5.77(1H,dt,J=15.1Hz,J=1.5Hz),5.83(1H,d,J=8.3Hz),6.89(1H,dt,J=15.1Hz,J=7.1Hz)
(9)13C−NMRスペクトル;δ(ppm)(CDCL、100MHz)
14.1(q),22.7(t),28.2(t),29.2−29.7(4C,t),31.9(t),32.1(t),37.8(t),46.0(d),55.0(d),55.1(d),58.7(q),63.7(d),72.3(d),75.8(s),77.3(d),122.9(d),146.3(d),165.4(s),207.6(s)
2.TK−57−164B物質の理化学的性状
(1)色および形状 無色固体
(2)マススペクトル M/Z 382.2227(M+H)
(3)分子式 C2031NO
(4)比旋光度[α] −15.5°(c0.19,CHCl,25℃)
(5)紫外部吸収スペクトル λmax(MeOH) 213nm
(6)赤外部吸収スペクトル νmax(KBr) cm−1
3402,3296,2926,2855,2359,2341,1742,1684,1651,1631,1531,1456,1371,1342,1273,1196,1155,1101,1084,1001,974,934,916,845,833,812
(7)HPLC カラム;Senshupak PEGASIL ODS 10φ×250mm、溶出溶媒;アセトニトリル−0.05%TFA(52:48)、流速;1.8ml/min、検出;UV210nmで保持時間17.531分
(8)1H−NMRスペクトル;δ(ppm)(CDCL、400MHz)
0.88(3H,t,J=6.4Hz),1.28(8H,m),1.43(2H,m),2.03(1H,t,J=12.7Hz),2.18(2H,m),2.21(1H,brs),2.49(1H,ddd,J=12.7Hz,J=3.4Hz,J=1.9Hz),3.15(1H,ddd,J=7.8Hz,J=3.4Hz,J=1.9Hz),3.49(3H,s),3.52(1H,dd,J=3.9Hz,J=1.5Hz),3.60(1H,dd,J=3.9Hz,J=1.5Hz),3.74(1H,brs),3.93(1H,dd,J=7.8Hz,J=1.5Hz),4.50(1H,brs),4.80(1H,m),5.77(1H,dt,J=15.1Hz,J=1.5Hz),5.87(1H,d,J=8.3Hz),6.89(1H,dt,J=15.1Hz,J=7.1Hz)
(9)13C−NMRスペクトル;δ(ppm)(CDCL、100MHz)
14.1(q),22.6(t),28.2(t),29.1(2C,t),31.7(t),32.1(t),37.8(t),46.0(d),55.0(d),55.1(d),58.6(q),63.7(d),72.3(d),75.8(s),77.3(d),122.9(d),146.3(d),165.4(s),207.6(s)
本発明の第2の要旨とするところは、イサリア属に属するTK−57−164A物質及びTK−57−164B物質生産菌を培養し、その培養物からTK−57−164A物質及びTK−57−164B物質を採取することを特徴とする、TK−57−164A物質及びTK−57−164B物質の製造法である。
本発明に使用されるTK−57−164A物質及びTK−57−164B物質生産菌の一例としては、本発明者らにより新たに分離され、以下のように独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに、FERM BP−08600として国際寄託されているイサリア属TK−57株が挙げられる。
▲1▼寄託機関: 国際寄託機関、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター
住所: 日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6(郵便番号305−8566)
▲2▼寄託日: 原寄託日:2002年8月6日
移管請求日:2004年1月27日(2002年8月6日)に寄託されたFERM P−18963号より移管)
▲3▼寄託番号: FERM BP−08600
このTK−57株の菌学的性状は以下の通りである。
1.TK−57株の菌学的性状
(1)コロニーの性状
ツァペック酵母エキス寒天培地上で生育は良好で、25℃、10日間の培養でコロニーの直径は75〜78mmに達する。 白色〜淡黄白色、綿毛状、平坦、やや密な菌糸層からなり、分生子を疎らに形成する。裏面は黄白色となる。酵母エキス寒天培地上で生育は良好で、25℃、10日間の培養でコロニーの直径は35〜42mmに達する。白色、綿毛状、平坦、やや密な菌糸層からなり、分生子を疎らに形成する。裏面は黄土色となる。ポテトデキストロース寒天培地上で生育は良好で、25℃、10日間の培養でコロニーの直径は40〜42mmに達する。黄白色、綿毛状、平坦、密な菌糸層からなり、分生子を豊富に形成する。コロニー表面に透明の抽出液を生じる。裏面は黄白色となる。37℃の培養では、どの培地上でも生育しない。
(2)形態的性状
菌糸は一部束状になる。フィアライドはアンプル形もしくは細い円筒形、菌糸の側面から単生し、先端が彎曲する場合がある。分生子は、長円形〜円筒形、滑面、大きさ8〜12×4〜6μmである。
以上の菌学的性状よりTK−57株を、イサリア属に属すると同定した。なお、TK−57株は、他の糸状菌と同様に、その性状が変化することがある。したがって、例えばTK−57株に由来する突然変異株、形質接合体または遺伝子組換え体であっても、TK−57−164A物質およびTK−57−164B物質を生産するものは全て本発明に使用できる。なお、本発明で用いられるTK−57−164A物質およびTK−57−164B物質生産菌は、これらの微生物に限定されるものではない。TK−57−164A物質およびTK−57−164B物質を生産する能力を有している菌であればTK−57−164A物質およびTK−57−164B物質生産菌としていずれを用いてもよい。
1.TK−57−164A物質及びTK−57−164B物質生産菌の培養法
イサリア属であるTK−57−164A物質及びTK−57−164B物質生産菌は、通常の微生物が利用しうる栄養物を含有する培地で培養する。栄養源としては、炭素源としては例えば、グルコース、水飴、デキストリン、澱粉、糖蜜、動・植物油などを使用でき、窒素源としては例えば、大豆粉、小麦胚芽、コーン・スティーブ・リカー、綿実粕、肉エキス、ペプトン、酵母エキス、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、尿素などを使用でき、その他必要に応じて、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、コバルト、塩素、燐酸、硫酸およびその他のイオンを生成し得る無機塩類を添加することができる。また菌の生育を助け、TK−57−164A物質の生産を促進するような有機物・無機物を適当に添加することができる。
培養方法としては、好気的条件で、20〜30℃が最適である。15〜23日間程度の培養で、培養を停止し、培養物から目的物質の単離精製を行う。
2.TK−57−164A物質及びTK−57−164B物質の精製法
TK−57−164A物質及びTK−57−164B物質は、その理化学的性状を利用して、通常の分離手段、例えば、溶媒抽出法、イオン交換樹脂法、吸着または分配カラムクロマト法、ゲルろ過法、透析法、沈殿法などを、単独であるいは適宜組み合わせて精製することができる。例えば、TK−57−164A物質及びTK−57−164B物質は、培養菌体からアセトン−水、アセトン、メタノール、酢酸エチルなどで抽出される。TK−57−164A物質及びTK−57−164B物質を精製するには、シリカゲルやODS系修飾シリカゲルを用いた吸着・分配クロマトを用いることができる。
本発明のTK−57−164A物質及びTK−57−164B物質は各種の植物病害菌に対して優れた防除効果を示し、農園芸用殺菌剤として利用することができる。
その代表例は、ウリ類うどんこ病、べと病、たんそ病、灰色かび病、コムギ赤さび病、麦類うどんこ病、イネいもち病などである。
本発明化合物であるTK−57−164A物質及びTK−57−164B物質を、農園芸用殺菌剤の有効成分として用いる場合は、そのまま用いても良いが、通常は適当な固体担体、液体担体、ガス状担体、界面活性剤、分散剤その他の製剤用補助剤と混合して乳剤、液剤、懸濁剤、水和剤、粉剤、粒剤、錠剤、油剤、エアゾール、フロワブル剤等の任意の剤型にして使用する。
固体担体としては、例えばタルク、ベンナイト、クレー、カオリン、ケイソウ土、バーミキュライト、ホワイトカーボン、炭酸カルシウム等があげられる。
液体担体としては、例えばメタノール、n−ヘキサノール、エチレングリコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、n−ヘキサン、ケロシン、灯油等の脂肪族炭化水素類、トルエン、キシレン、メチルナフタレン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、酢酸エチル等のエステル類、アセトニトリル、イソブチロニトリル等のニトリル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等の酸アミド類、ダイズ油、綿実油等の植物油類、ジメチルスルホキシド、水等があげられる。また、ガス担体としてはLPG、空気、窒素、炭酸ガス、ジメチルエーテル等があげられる。
乳化、分散、展着等のための界面活性剤、分散剤としては、例えばアルキル硫酸エステル類、アルキルスルホン酸塩類、アリールスルホン酸塩類、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類、ポリオキシアルキレンアリールエーテル類、多価アルコールエステル類、リグニンスルホン酸塩等が用いられる。
更に、製剤の性状を改善するための補助剤としては、例えばカルボキシメチルセルロース、アラビアガム、ポリエチレングリコール、ステアリン酸カルシウム等が用いられる。
上記の担体、界面活性剤、分散剤、及び補助剤は、必要に応じて各々単独で、あるいは組み合わせて用いられる。
これらの製剤中の有効成分の含有量は、乳剤で通常1−75重量%、粉剤では通常0.3−25重量%、水和剤では通常1−90重量%、粒剤では通常0.5−10重量%が適当である。
これらの製剤は、そのまま用いても良いが、場合によっては希釈して用いる。また、これらの製剤は他の殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、除草剤、植物成長調節剤、肥料等と混合して用いることもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
以下に本発明の製造例、試験例を示すが、本発明はこれらの例示のみに限定されるものではない。
【実施例1】
100ml容量の大試験管に108液体培地(グルコース1.0%,スターチ2.0%,ペプトン0.5%,イーストエキス0.5%,炭酸カルシウム0.4%,pH7.0)10mlを分注し、オートクレーブにて滅菌処理(120℃ 30分)を行った後、SDY培地(グルコース2.0%,ペプトン1.0%,イーストエキス1.0%,寒天2.0%,pH6.0)のシャーレ上で生育させておいたTK−57の菌体を、カギ型白金耳にて1cm四方に切り取り培地に植菌した。27℃の好気的環境で、3日間振盪培養(200回転/分)して、第1種培養とした。
次に500ml容量の三角フラスコに108液体培地100mlを分注し、滅菌処理(120℃30分)の後、第1種培養液5mlを植菌した。27℃好気的環境で、3日間振盪培養(200回転/分)して、第2種培養液とした。
500ml容量の三角フラスコ75本に生産培地(玄米30%,イーストエキス0.07%,酒石酸ナトリウム0.03%,KHPO 0.03%、pH無調整)を50ml分注し、滅菌処理(120℃30分)後、第2種培養液5mlを植菌した。火炎滅菌したガラス棒でよくまぜ、24℃21日間静置培養を行った。生育状態は良好で、培地表面に純白の菌糸を形成した。
培養終了後、フラスコ1本につき水30mlを加えて全培養物を取り出し、これにアセトン10Lを加えて3時間撹拌した後、抽出した。抽出液をセライトを用いて吸引ろ過し、濾液のアセトンを減圧下留去し、黄色を帯びた茶色の濃縮液を得た。
この濃縮液(pH5.7)を、等量の酢酸エチルで5回抽出し、抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去して暗褐色の油状の培養抽出物8.2gを得た。
シリカゲル60(70−230mesh、ASTM)160gをカラム管(6.6φ×73cm)に充填し、培養抽出物を付し、クロロホルム−メタノール(60:1〜40:1)で活性物質の溶出を行った。さらにシリカゲルクロマト(シリカゲル60、クロロホルム−メタノール(80:1〜60:1)に付し、粗精製物268mgを得た。この粗精製物をOASIS HLB固相抽出カートリッジ(6g/35mlLP,粒径60μm、Waters)に付し、メタノール−水(80:20)で溶出した画分を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)(カラム;senshupak PEGASIL ODS 10φ×250mm、溶出溶媒;アセトニトリル−0.05%TFA(55:45〜100:0)、流速;1.8ml/min、検出;UV254nm)、および(カラム;Waters L−column ODS 10φ×250mm、溶出溶媒;アセトニトリル−0.05%TFA(52:48)、流速;1.8ml/min、検出;UV254nm)で溶出しTK−57−164A物質を3.6mg得た。
また、メタノール−水(70:30)で溶出した画分を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)(カラム;senshupak PEGASIL ODS 10φ×250mm、溶出溶媒;アセトニトリル−0.05%TFA(52:48)、流速;1.8ml/min、検出;UV210nm)で溶出しTK−57−164B物質を3.1mg得た。
試験例
キュウリべと病(Pseudoperonospora cubensis)
培養土を入れたプラスチック製ポットに播種した後、10日程度育苗し子葉が完全に展開したキュウリ苗(品種:四葉)を供試植物とした。TK−57−164A物質の667ppmに調整した薬液をスプレーガンを用いて3ポットあたり5ml散布処理し、風乾させた後、あらかじめべと病を発病させていたキュウリ葉より採集、調整した分生胞子懸濁液(1〜5×10個/ml)を均一に噴霧接種し、21℃の湿室内に24時間静置した。その後夜間18℃、日中22℃の人工気象室に移して発病させ、接種7日後に子葉での発病面積を調査し、下記に示す基準で指数を与え、下記の式によって発病度、防除価を算出した。
指数 0:病斑なし
1:数個の病斑
2:発病面積が葉面積の1/4未満
3:発病面積が葉面積の1/4以上1/2未満
4:発病面積が葉面積の1/2以上3/4未満
5:発病面積が葉面積の3/4以上
発病度=Σ(指数×該当株数)/(調査株数×5)×100
防除価=(1−処理区の発病度/無処理区の発病度)×100
その結果、TK−57−164A物質及びTK−57−164B物質はともに100%の防除価を示した。
【産業上の利用可能性】
本発明のTK−57−164A物質及びTK−57−164B物質は上記のように植物病害菌に対して優れた防除効果を示し、農園芸用殺菌剤としての利用が期待される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)

R=Ethylで示されるTK−57−164A物質及びR=Hで示されるTK−57−164B物質。
【請求項2】
イサリア(Isaria)属に属するTK−57−164A物質及びTK−57−164B物質生産菌を培養し、その培養物からTK−57−164A物質及びTK−57−164B物質を採取することを特徴とする請求項1記載のTK−57−164A物質及びTK−57−164B物質の製造法。
【請求項3】
請求項1記載のTK−57−164A物質、あるいはTK−57−164B物質の少なくとも1つを有効成分とする農園芸用殺菌剤。
【請求項4】
イサリア(Isaria)属に属する子嚢菌であって、請求項1記載のTK−57−164A物質ならびにTK−57−164B物質を生産する特性を有し、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに、FERM BP−08600の受託番号で寄託されているTK−57株またはその変異株。

【国際公開番号】WO2004/074269
【国際公開日】平成16年9月2日(2004.9.2)
【発行日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−502755(P2005−502755)
【国際出願番号】PCT/JP2004/001862
【国際出願日】平成16年2月19日(2004.2.19)
【出願人】(000006091)明治製菓株式会社 (180)
【出願人】(594164564)
【Fターム(参考)】