説明

TSG101−GAG相互作用およびその使用

【課題】Tsg101およびHIV GAGまたはGAGp6を含む単離されたタンパク質複合体の使用。
【解決手段】ヒト腫瘍感受性遺伝子101(「Tsg101」)がHIV GAGp6と相互作用する。Tsg101とHIV GAGまたはGAGp6によって形成されたタンパク質複合体ならびにTsg101のみをスクリーニングアッセイに使用し、Tsg101ならびにTsg101とHIV GAGまたはGAGp6とを含むタンパク質複合体の機能および活性を調整することができる化合物であり、同定された化合物は、レンチウイルス増殖(特に、HIV増殖)の阻害ならびにHIV感染およびAIDS治療に有用であり、タンパク質複合体は、タンパク質複合体内でのTsg101−HIV GAGまたはGAGp6相互作用の調整に有効な化合物を選択するためのスクリーニングアッセイに利用できる。


Notice: Undefined index: DEJ in /mnt/www/gzt_disp.php on line 298

【特許請求の範囲】
【請求項1】
P(T/S)AP後期ドメインモチーフを含むレトロウイルスGAGポリペプチドまたは前記レトロウイルスGAGポリペプチドのホモログ、誘導体、もしくはフラグメントである第2のタンパク質と相互作用するTsg101またはそのホモログ、誘導体、もしくはフラグメントである第1のタンパク質を含む、単離されたタンパク質複合体。
【請求項2】
前記第1のタンパク質が、
(i)Tsg101タンパク質と、
(ii)前記Tsg101と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を有し、HIV GAGp6と相互作用することができるTsg101タンパク質ホモログと、
(iii)Tsg101 UEVドメインを含むTsg101タンパク質フラグメントと、
(iv)前記Tsg101タンパク質、前記Tsg101タンパク質のホモログ、または前記Tsg101タンパク質のフラグメントを含む融合タンパク質と
からなる群から選択される、請求項1に記載の単離されたタンパク質複合体。
【請求項3】
前記第2のタンパク質が、
(1)P(T/S)AP後期ドメインモチーフを有するレトロウイルスGAGポリペプチドと、
(2)前記レトロウイルスGAGポリペプチドと少なくとも90%同一のアミノ酸配列を有し、Tsg101と相互作用することができる前記レトロウイルスGAGポリペプチドのホモログと、
(3)Tsg101と相互作用することができる前記レトロウイルスGAGポリペプチドのフラグメントと、
(4)前記レトロウイルスGAGポリペプチド、前記レトロウイルスGAGポリペプチドホモログ、または前記レトロウイルスGAGポリペプチドフラグメントを含む融合タンパク質と
からなる群から選択される、請求項1または請求項2に記載の単離されたタンパク質複合体。
【請求項4】
前記レトロウイルスがレンチウイルスである、請求項1、請求項2、または請求項3に記載の単離されたタンパク質複合体。
【請求項5】
前記レンチウイルスが霊長類レンチウイルスである、請求項4に記載の単離されたタンパク質複合体。
【請求項6】
前記霊長類レンチウイルスが、HIV−1、HIV−2、HIV−3、およびサル免疫不全ウイルス類からなる群から選択される、請求項5に記載の単離されたタンパク質複合体。
【請求項7】
前記レンチウイルスが、ウシレンチウイルス類、ネコレンチウイルス類、およびヒツジ/ヤギレンチウイルス類からなる群から選択される非霊長類レンチウイルスである、請求項4に記載の単離されたタンパク質複合体。
【請求項8】
前記第2のタンパク質が、HIV GAGポリペプチドまたはそのホモログ、誘導体、もしくはフラグメントである、請求項1〜6のいずれかに記載の単離されたタンパク質複合体。
【請求項9】
前記第2のタンパク質が(a)HIV GAGポリペプチドまたは(b)HIV GAGポリペプチドフラグメントを含む融合タンパク質である、請求項1〜6および8のいずれかに記載の単離されたタンパク質複合体。
【請求項10】
前記第2のタンパク質が、HIV GAGp6またはそのホモログ、誘導体、もしくはフラグメントである、請求項1〜6、8、および9のいずれかに記載の単離されたタンパク質複合体。
【請求項11】
前記第2のタンパク質が、(a)HIV GAGp6ポリペプチドまたは(b)HIV GAGp6フラグメントを含む融合タンパク質である、請求項1〜6、8、9、および10のいずれかに記載の単離されたタンパク質複合体。
【請求項12】
前記HIV GAGp6フラグメントが配列番号31または配列番号32のアミノ酸配列を含む、請求項10または請求項11に記載の単離されたタンパク質複合体。
【請求項13】
前記HIV GAGp6フラグメントが、天然に存在するHIV GAGp6の少なくとも10アミノ酸残基の連続スパンを有し、該連続スパンがP(T/S)AP後期ドメインモチーフを含む、請求項10または11に記載の単離されたタンパク質複合体。
【請求項14】
前記第1のタンパク質および前記第2のタンパク質を得るステップと、
該第1のタンパク質に該第2のタンパク質を接触させるステップと
を含む、請求項1〜13のいずれか1項に記載のタンパク質複合体の産生方法。
【請求項15】
請求項1〜13のいずれか1項に記載のタンパク質複合体を含むタンパク質マイクロアレイ。
【請求項16】
第2のポリペプチドに共有結合した第1のポリペプチドを有し、前記第1のポリペプチドがTsg101またはそのホモログもしくはフラグメントであり、前記第2のポリペプチドがHIV GAGまたはそのホモログもしくはフラグメントである、融合タンパク質。
【請求項17】
請求項16に記載の融合タンパク質をコードする単離された核酸。
【請求項18】
タンパク質複合体を得るステップと、
前記タンパク質複合体に試験化合物を接触させるステップと、
前記試験化合物の前記タンパク質複合体への結合の有無を決定するステップと
を含む、請求項1〜13のいずれか1項に記載のタンパク質複合体のモジュレーターの選択方法。
【請求項19】
1つまたは複数の試験化合物の存在下で前記第1のタンパク質に前記第2のタンパク質を接触させるステップと、
前記第1のタンパク質と前記第2のタンパク質との間の相互作用を検出するステップと
を含む、請求項1〜13のいずれか1項に記載のタンパク質複合体のモジュレーターの選択方法。
【請求項20】
前記タンパク質複合体に試験化合物を接触させるステップと、
前記第1のタンパク質と前記第2のタンパク質との間の相互作用を検出するステップとを含む、請求項1〜13のいずれか1項に記載のタンパク質複合体のモジュレーターの選択方法。
【請求項21】
前記第1のタンパク質および第2のタンパク質の少なくとも1つが検出可能なタグを有する融合タンパク質である、請求項18、19、または20に記載の方法。
【請求項22】
前記接触ステップを実質的に無細胞の環境下で行う、請求項18〜20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記接触ステップを宿主細胞において行う、請求項18〜20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記宿主細胞が酵母細胞である、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
宿主細胞中に前記第1のタンパク質を有する第1の融合タンパク質と、第2のタンパク質を有する第2の融合タンパク質とを得るステップであって、DNA結合ドメインが前記第1のタンパク質と前記第2のタンパク質との一方に融合し、転写活性化ドメインが前記第1のタンパク質と第2のタンパク質との他方に融合しており、
前記宿主細胞中にレポーター遺伝子を得るステップであって、該レポーター遺伝子の転写を、前記第1のタンパク質と前記第2のタンパク質との間の相互作用によって決定し、
試験化合物の存在下、前記宿主細胞内において、前記第1の融合タンパク質と前記第2の融合タンパク質とを相互作用させるステップと、
前記レポーター遺伝子発現の有無を決定するステップと
を含む、請求項1〜13のいずれかに記載のタンパク質複合体の第1のタンパク質と第2のタンパク質との間の相互作用のモジュレーターを選択する方法。
【請求項26】
前記宿主細胞が酵母細胞である、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
(a)請求項1〜13のいずれか1項に記載の前記第1のタンパク質をコードする核酸を有する第1の発現ベクターと、
(b)請求項1〜13のいずれか1項に記載の前記第2のタンパク質をコードする核酸を有する第2の発現ベクターと
を含む組成物。
【請求項28】
請求項27に記載の前記第1の発現ベクターと前記第2の発現ベクターとを含む宿主細胞。
【請求項29】
請求項1〜13のいずれか1項に記載の前記第1のタンパク質をコードする第1の核酸に作動可能に連結された第1のプロモーターを有する第1の発現カセットと、
請求項1〜13のいずれか1項に記載の前記第2のタンパク質をコードする第2の核酸に作動可能に連結された第2のプロモーターを有する第2の発現カセットと
を含む宿主細胞。
【請求項30】
前記宿主細胞が酵母細胞である、請求項28または29に記載の宿主細胞。
【請求項31】
前記第1の核酸および第2の核酸の一方がDNA結合ドメインをコードする核酸に連結され、前記第1の核酸および第2の核酸の他方が転写活性化ドメインをコードする核酸に連結され、それにより2つの融合タンパク質を前記宿主細胞中において産生することができる、請求項28、29、または30の宿主細胞。
【請求項32】
レポーター遺伝子をさらに含み、該レポーター遺伝子の発現を前記第1のタンパク質と前記第2のタンパク質との間の相互作用によって決定する、請求項31の宿主細胞。
【請求項33】
タンパク質複合体の三次元構造を定義する原子座標を得るステップと、
該原子座標に基づいて、第1のタンパク質と第2のタンパク質との間の相互作用を妨害することができる化合物を設計または選択するステップと
を含む、請求項1〜13のいずれか1項に記載のタンパク質複合体中の第1のタンパク質と第2のタンパク質との間の相互作用を妨害することができる化合物を得る方法。
【請求項34】
試験化合物に、
(i)Tsg101タンパク質と、
(ii)Tsg101と少なくと90%同一のアミノ酸配列を有し、HIV GAGp6と相互作用することができるTsg101タンパク質ホモログと、
(iii)Tsg101 UEVドメインを含むTsg101タンパク質フラグメントと、
(iv)前記Tsg101タンパク質、前記Tsg101タンパク質ホモログ、またはTsg101タンパク質フラグメントを含む融合タンパク質と
からなる群から選択されるタンパク質を接触させるステップと、
前記試験化合物が前記タンパク質に結合することができるかどうかを決定するステップと
を含む、Tsg101とHIV GAGp6との間のタンパク質−タンパク質相互作用を阻害することができる化合物の選択方法。
【請求項35】
前記タンパク質に結合することができる試験化合物の、Tsg101とHIV GAGp6との間のタンパク質−タンパク質相互作用を妨害する能力を試験するステップをさらに含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記タンパク質に結合することができる試験化合物の、HIVに感染した宿主細胞からのHIVウイルスの出芽を阻害する能力を試験するステップをさらに含む、請求項34または35に記載の方法。
【請求項37】
(i)Tsg101タンパク質と、
(ii)Tsg101と少なくと90%同一のアミノ酸配列を有し、HIV GAGp6と相互作用することができるTsg101タンパク質ホモログと、
(iii)Tsg101 UEVドメインを含むTsg101タンパク質フラグメントと、
(iv)前記Tsg101タンパク質、前記Tsg101タンパク質ホモログ、またはTsg101タンパク質フラグメントを含む融合タンパク質と
からなる群から選択されるタンパク質の三次元構造を定義する原子座標を得るステップと、
該原子座標に基づいて、前記タンパク質と相互作用することができる化合物を設計または選択するステップと
を含む、Tsg101とHIV GAGp6との間のタンパク質−タンパク質相互作用を阻害することができる化合物の選択方法。
【請求項38】
前記タンパク質と相互作用することができる化合物の、Tsg101とHIV GAGp6との間のタンパク質−タンパク質相互作用を妨害する能力を試験するステップをさらに含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記タンパク質と相互作用することができる試験化合物の、HIVに感染した宿主細胞からのHIVウイルスの出芽を阻害する能力を試験するステップをさらに含む、請求項37または38に記載の方法。
【請求項40】
請求項1〜13のいずれかに記載のタンパク質複合体と選択的に免疫反応性を示す単離された抗体。
【請求項41】
細胞中のタンパク質複合体の濃度を減少させるステップを含む、HIV GAGである第2のタンパク質と相互作用するTsg101である第1のタンパク質を有するタンパク質複合体を調整する方法。
【請求項42】
前記減少させるステップが前記第1のタンパク質と前記第2のタンパク質との間の相互作用を妨害するステップを含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記減少させるステップが前記第1のタンパク質と前記第2のタンパク質との間の相互作用を妨害することができる化合物を前記細胞に投与するステップを含む、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記化合物がTsg101に結合することができる、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記化合物がTsg101タンパク質のUEVドメインに結合することができる、請求項43に記載の方法。
【請求項46】
前記化合物がTsg101に免疫反応性を示す抗体である、請求項43に記載の方法。
【請求項47】
前記化合物がTsg101に免疫反応性を示す抗体をコードする核酸である、請求項43に記載の方法。
【請求項48】
前記抗体が一本鎖抗体である、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記化合物が前記タンパク質複合体に選択的に免疫反応性を示す抗体である、請求項43に記載の方法。
【請求項50】
前記化合物が、前記タンパク質複合体に選択的に免疫反応性を示す抗体をコードする核酸である、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記抗体が一本鎖抗体である、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記減少させるステップが、前記細胞中のTgs101濃度を減少させるステップを含む、請求項41に記載の方法。
【請求項53】
前記細胞中のTgs101濃度を減少させるステップが、Tsg101核酸と特異的にハイブリッド形成するアンチセンス化合物を該細胞に投与するステップを含む、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記細胞中のTgs101濃度を減少させるステップが、Tsg101核酸と特異的にハイブリッド形成するリボザイム化合物を該細胞に投与するステップを含む、請求項52に記載の方法。
【請求項55】
宿主細胞中のTsg101とHIV GAGとの間の相互作用を妨害するステップを含む、宿主細胞からのHIVウイルスの出芽を阻害する方法。
【請求項56】
前記妨害するステップが、Tsg101とHIV GAGとの間の相互作用を妨害することができる化合物を宿主細胞に投与するステップを含む、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記妨害するステップが、Tsg101タンパク質に結合することができる化合物を前記宿主細胞に投与するステップを含む、請求項55に記載の方法。
【請求項58】
前記化合物がTsg101に免疫反応性を示す抗体である、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記化合物がTsg101に免疫反応性を示す抗体であり、該抗体がTsg101のUEVドメインに結合することができる、請求項57に記載の方法。
【請求項60】
HIV GAGp6と相互作用するTsg101を含むタンパク質複合体に選択的に免疫反応性を示す抗体を前記宿主細胞に投与するステップを含む、宿主細胞からのHIVウイルスの出芽を阻害する方法。
【請求項61】
Tsg101免疫反応性を示す抗体をコードする核酸を宿主細胞に投与するステップを含む、宿主細胞からのHIVウイルスの出芽を阻害する方法。
【請求項62】
前記抗体が一本鎖抗体である、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
HIV GAGp6と相互作用するTsg101を含むタンパク質複合体に選択的に免疫反応性を示す抗体をコードする核酸を前記宿主細胞に投与するステップを含む、宿主細胞からのHIVウイルスの出芽を阻害する方法。
【請求項64】
前記抗体が一本鎖抗体である、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
HIV出芽の阻害、HIV感染の治療、またはAIDSの予防における、Tsg101核酸と特異的にハイブリッド形成するアンチセンス化合物の使用。
【請求項66】
HIV出芽の阻害、HIV感染の治療、またはAIDSの予防における、Tsg101核酸と特異的にハイブリッド形成するリボザイム化合物の使用。
【請求項67】
HIV出芽の阻害、HIV感染の治療、またはAIDSの予防における、Tsg101タンパク質に結合することができる化合物の使用。
【請求項68】
HIV出芽の阻害、HIV感染の治療、またはAIDSの予防における、Tsg101に免疫反応性を示す抗体の使用。
【請求項69】
HIV出芽の阻害、HIV感染の治療、またはAIDSの予防における、Tsg101のUEVドメインに結合することができる抗体の使用。
【請求項70】
HIV出芽の阻害、HIV感染の治療、またはAIDSの予防における、Tsg101とHIV GAGとの間の相互作用を妨害することができる化合物の使用。
【請求項71】
HIV出芽の阻害、HIV感染の治療、またはAIDSの予防における、HIV GAGと相互作用するTsg101を含むタンパク質複合体に選択的に免疫反応性を示す抗体の使用。
【請求項72】
HIV出芽の阻害、HIV感染の治療、またはAIDSの予防における、Tsg101に免疫反応性を示す抗体をコードする核酸の使用。
【請求項73】
HIV出芽の阻害、HIV感染の治療、またはAIDSの予防における、HIV GAGと相互作用するTsg101を含むタンパク質複合体に選択的に免疫反応性を示す抗体をコードする核酸の使用。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2009−269918(P2009−269918A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−140132(P2009−140132)
【出願日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【分割の表示】特願2002−571846(P2002−571846)の分割
【原出願日】平成14年3月14日(2002.3.14)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(500086515)ミリアド・ジェネティックス・インコーポレイテッド (7)
【Fターム(参考)】