説明

TV会議予約システム

【課題】TV会議の予約において参加者を登録した時点で参加者の在勤地から適切な参加TV会議室を選択し予約することが出来るようにする。
【解決手段】サーバ3はクライアント2から参加社員IDが入力されると人員DB8から得られる各参加社員の在勤地とTV会議DB6から得られる設置場所を用い、各参加社員の利用会議室を決定する。また、一態様として、参加予定者を記録したDBについて、その在勤位置でソートして記録することが好適である。また、在勤位置と設置位置の関係については、交通機関等での移動時間や移動経費(交通費)を考慮する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はTV会議予約システムに関し、特に参加者と使用会議室の予約に用いて好適なTV会議予約システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、遠方地とのコミュニケーション手段としてTV会議システムが利用されている。この種のTV会議システムとして、例えば特許文献1が提案されている。特許文献1では、通信ネットワークを介して各種のTV会議端末を接続し、TV会議を行うため、以下の構成が開示されている。特許文献1では、特別な端末や操作を必要としないテレビ会議管理システムを提供するために、通信ネットワークを介して固定及び/又は移動型の各種テレビ会議端末を接続しテレビ会議を行うためのコンピュータシステムによるテレビ会議管理システムであって、通信ネットワークに接続された複数地点の任意のテレビ会議端末と、複数地点のテレビ会議端末を制御・管理するためのMCU(多地点制御装置)と、少なくとも利用者に電子メールで会議開催通知が可能な会議予約機能を有するグループウェアを実行するための通信ネットワークに接続された利用者端末と、利用者端末で設定されグループウェアを介して発信された電子メールによる会議開催通知を受付け、MCUを介してテレビ会議端末を制御しテレビ会議開催に伴う各種情報の管理を行う管理サーバとで構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-109922号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のTV会議システムでは、グループウェア等を用いて予約を行うことは開示されている。ここで、特許文献1では、特別の管理者に頼らないでも予約を可能にする、とのシステムの運用上の問題を考慮している。しかしながら、TV会議システムの予約については、TV会議端末(機器)の運用上の問題や参加者のスケジュールに加え、参加者と機器の位置関係、言い換えると、参加者の移動についても考慮する必要がある。
【0005】
そこで、本発明の目的は、各参加者がどこのTV会議機器を利用するか、について、参加者の予約とTV会議機器の予約を行い、参加者の移動も考慮して、各参加者の利用TV会議機器の決定を可能とする技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明はTV会議室名と設置場所で構成されるデータベース、参加者とその在勤地にて構成されるデータベースを用いる。参加予定者を予約した際にその在勤地とTV会議機器の設置場所から参加者の適切な利用会議室を決定する。より具体的には、以下の構成とする。すなわち、参加予定者の在勤場所とTV会議機器の設置場所をマッチングし、参加予定者の在勤位置から当該在勤地を含む最も近い設置場所であって予約可能なTV会議機器を選択するものである。また、本発明の一態様として、参加予定者を記録したDBについて、その在勤位置でソートして記録することが好適である。また、在勤位置と設置位置の関係については、交通機関等での移動時間や移動経費(交通費)を考慮することも本発明の一態様に含まれる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、参加者の予約と利用TV会議機器の予約を、その位置関係が適切なものについて行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態におけるTV会議予約システム構成図
【図2】本発明の一実施形態におけるTV会議予約システムの処理フロー図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の一実態形態について説明する。
図1は、TV会議予約システムに関する構成図を示す。TV会議予約システムは通信ネットワーク1、クライアント2、サーバ3、TV会議予約システムデータベース4(以下予約システムDB)、サーバ5、TV会議データベース6(以下TV会議DB)、サーバ7、人員データベース8(以下人員DB) にて構成される。
【0010】
通信ネットワーク1にはクライアント2、サーバ3、サーバ5、サーバ7が接続され相互に通信可能に構成されている。また通信ネットワーク1はある企業内に構成されたイントラネットである。クライアント2はある企業の社員が利用するコンピュータであり、プログラムとしてブラウザがインストールされている。
【0011】
サーバ3は、ある企業にて管理されているコンピュータであり予約システムDB4に接続されている。予約システムDB4には社員を一意に特定することの出来る社員ID、TV会議の利用開始時刻、終了時刻、TV会議の開催候補地を意味する会議候補地、TV会議を利用したことによる削減効果を記憶することが出来る。またサーバ3は旅費計算機能を有しており、2つの都市間の旅費を算出することができる。
【0012】
サーバ5は、ある企業にて管理されているコンピュータでありTV会議DB6に接続されている。TV会議DB6はTV会議室名およびTV会議に必要な機器の設置場所を記憶することができる。
サーバ7はある企業にて管理されているコンピュータであり人員DB7に接続されている。人員DBには社員IDと在勤地を記憶することができる。
【0013】
これらの各コンピュータは、いわゆるプログラムに従ってCPUの如き演算装置でその処理(後述)を実行する。
【0014】
図2は、TV会議予約システムにて実現するTV会議予約機能について処理フローを示したものである。以下処理フローについて詳述する。
クライアント2は、ユーザの操作によりブラウザを用いて予約システムを起動させる(ステップ1)。次に、クライアント2はユーザの操作によりTV会議に参加する社員IDを選択する(ステップ2)。
【0015】
続いてステップ2にて、得られた社員IDからそれぞれの在勤地を検索する。はじめサーバ3は、1人目の社員IDをもちいてサーバ7にアクセスし、人員DB8から対象の社員IDにひもづく在勤地を検索し在勤地を取得する(ステップ3)。この1人目の社員IDを得られた社員IDのうちいずれにするかについては、入力順やIDの昇順(ないし降順)など任意として構わない。また、このいずれにするかを2人目以降の特定に用いる。2人目からの検索ではステップ3で得られた在勤地を検索時の条件に加え、検索を実施する(ステップ4)。つまり、各社員IDの社員は同じ在勤地である可能性が高いため、この在勤地データを対象に(ふるい落としして)検索を実行する。このために、人員DB8を在勤地毎のデータベース(テーブル)として構成するとより好適である。なお、この検索は、社員IDと在勤地をAND条件として検索しても構わない。これらのように検索された結果に関して結果が得られた場合、得られなかった場合について場合分けを実施する(ステップ5) 。在勤地が得られなかった場合、条件付けされた在勤地を外し、検索を実施する(ステップ6)。また、このステップ6では、在勤地毎のデータベースとしている場合、他の在勤地のデータベースを検索するようにする。
【0016】
ステップ6により在勤地が得られる。ここでは、サーバ3のメモリに検索された在勤地を記憶することを実行する。またステップ5の時点で在勤地が得られた場合と併せて会議に参加する社員の在勤地が決定される(ステップ7)。3人目以降がいるかどうか判断し(ステップ8)、未検索の社員がいる場合、在勤地の条件付けは前回の検索までの在勤地それぞれを条件に加え在勤地の検索を実施する。各社員IDに関して検索を行ったことで参加社員全員の在勤地が得られることとなる。
【0017】
次に、TV会議参加社員がどのTV会議室を利用するか決定する。サーバ3は、ステップ4〜ステップ8にて得られた参加社員の在勤地とTV会議DB6に記憶されているTV会議機器の設置場所を比較する(ステップ9) 。つまり、会議に参加する社員の在勤地(ステップ4で検索されたもの)に設置されたTV会議機器があるかを、ステップ4で検索された在勤地をキーにTV会議DB6から検索する。在勤地と設置場所が一致するかどうか(在勤地に設置されたTV会議機器があるか否か)で場合分けを行う(ステップ10)。在勤地と設置場所が一致した場合、各社員の参加する会議室が決定される(ステップ12)。ここで、一致するとは、ステップ4で検索された在勤地のそれぞれにTV会議機器が存在する、すなわち、これら在勤地をキーにTV会議DB6を検索した結果、それぞれに対応するTV会議機器が検索されることを示す。
【0018】
一致しない場合、サーバ3が各設置場所からと一致しない在勤地(TV会議機器を検索できなかった在勤地)間の移動経費を算出し、最も移動経費が少ない設置場所を参加会議室として各社員の参加する会議室を決定し、その移動経費を算出する(ステップ12)。具体的には、以下のとおりの処理を実行する。まず、ステップ4で検索された在勤地のうち、TV会議機器を検索できなかった在勤地の近隣地を検索する。これは、図示しない事業部データに各事業部(在勤地等)の位置データを記憶しておき、この位置データを用いて、予め定めた範囲内の事業部を特定する。そして、特定された中にTV会議機器があるかを、TV会議DB6から検索する。この結果、検索されたものについて、経路検索ソフト(図示せず)を利用して、移動経費を算出し、ここから最安価な事業部=TV会議設置箇所を特定する。なお、ここでは、いくつかのステップを踏んだが、予め各事業部間の移動経費を記憶ないしこれを算出するためのルールを記憶しておき、これを用いて再安価な箇所を特定してもよい。
なお、移動経費については、ステップ10にて在勤地と設置場所が一致した場合は移動経費は0円となる。
【0019】
次に、TV会議を利用することによる削減効果を算出する。サーバ3はそれぞれの在勤地に関して一箇所に集まった場合の移動経費を算出する。これは、ステップ12で説明したような手法(経路検索ソフトの利用者予め各事業部間の移動経費を記憶など)で、ステップ4で検索された各在勤地について計算を行った後、移動経費の最も少ないものをTV会議が無かった場合の会議場所とする。なお、この各在勤地についての計算は、各在勤地それぞれについて、他の参加者の在勤地からの移動経費に人数を掛けることで算出する。算出された移動経費からステップ12にて算出された移動経費の差分を削減効果とする (ステップ13)。最後にサーバ3はクライアント2上に削減効果を表示する(ステップ14)。
【符号の説明】
【0020】
1…通信ネットワーク、2…クライアント、3、5、7…サーバ、6…TV予約システムDB、8…TV会議DB、10…人員DB

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワークを介して各種TV会議端末機器を接続しテレビ会議の予約を行うためのコンピュータシステムによるTV会議予約システムであって、
前記TV会議端末機器に関し、当該機器の設置位置を含む機器情報を記憶する第1のDBと、
前記TV会議端末機器の利用を予定する利用予定者の在勤場所を含む利用予定者情報を記憶する第2のDBと、
前記利用予定者から、TV会議の開催を要求する要求情報を受信する手段と、
前記要求情報に含まれる会議参加予定者の在勤地から、当該在勤地を含む最も近い設置場所であって予約可能なTV会議機器を選択する手段とを有することを特徴とするTV会議予約システム。
【請求項2】
請求項1に記載のTV会議予約システムにおいて、
前記第2のDBは、前記利用予定者情報を、前記在勤地でソートして記憶することを特徴とするTV会議予約システム。

【図1】
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【図2】
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