説明

Ti系ろう材

【課題】 Zrを含む所定の組成である合金粉末とTiまたはTiを含む合金粉末の混合粉末を用い、かつそれらの粉末を所定の割合で混合することにより、良好なろう付けを実現した航空宇宙機器、医療機器、メガネフレーム、Ti製熱交換器などの製造に使用されるTi系ろう材を提供する。
【解決手段】 質量%で、Cu、Niの1種または2種を30〜90%含み、残部Zrおよび不可避的不純物からなる合金粉末と、Cu、Niの1種または2種を0〜50%含み、残部Tiおよび不可避的不純物からなる粉末を、重量比で8:2〜4:6で混合したことを特徴とするTi系ろう材。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主にTiやTi基合金のろう接に使用されるTi系ろう材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
Tiは高比強度(比重に対する強度)、高耐食性、高生体適合性といった特徴があり、Ti−6Al−4V合金をはじめ、様々な宇宙航空機器、医療機器などに用いられている。このようなTi合金のろう付けには、従来からAg系、Al系のろう材が広く使用されてきた。しかしながら、Ag,Al系ろう材は継手強度が低い、あるいは耐食性が十分でないなどの課題を有していた。
【0003】
これら課題に対し、Ti系のろう材が開発されてきた。特に低融点化を目的とし、Zr,Cu,Niなどの添加が進められ、実用化されている。このTi系ろう材は母材に匹敵する継手強度を有し、耐食性も良好である。例えば、特開昭59−220299号公報(特許文献1)に開示されているように、Ti−Zr系にNi,Cu,Agを添加した合金や、特開昭59−126739号公報(特許文献2)に開示されているように、Ti,Zr,HfとCuからなる合金に種々の元素を添加した合金が提案されている。
【0004】
上記したこれら合金からなるろう材は、TiやTi合金あるいはセラミックスなどのろう付けに使用できるが、加工性が悪く薄帯状で製造することが困難であるため、合金の溶湯を高速回転する冷却ロール表面に噴出する液体急冷薄帯製造法により製造することが提案されている。
【0005】
一方、ろう付けされる母材の形状には複雑なものもあり、ろう材形状の自由度の見地からは、薄帯だけでなく粉末をバインダーと混合し、ベースト化することも要求される。この要求に応えるためには、上述した特許文献1や特許文献2のような急冷薄帯では困難であり、ろう材の粉末化は必須である。粉末形状のろう材には主に2つのタイプがある。
【0006】
1つは混合法であり、ろう材となる合金を形成する個々の元素の純金属粉末を所定の割合で混合するものである。もう1つは、ろう材となる合金をアトマイズ法などにより作製するもので、この場合、ろう材は単一組成の合金粉末のみからなる。これら2つの方法は、Ni系やCu系ろう材などのような汎用の合金には適用可能であるが、Ti系ろう材においては、Ti系ならではの課題があり、適用が困難であった。
【0007】
その上記課題とは、混合法においては、(1)TiやZrといった活性金属粉末が酸化することと、(2)接合時に合金化が進みにくいことであり、アトマイズ法においては、(3)溶解時の坩堝からの汚染である。そこで、上記(1)の課題については、例えば特許文献2における背景技術の項に「Ti、Zr等の活性金属粉末は非常に酸化しやすく粉末表面に酸化物が形成され、この酸化物が接着部に残存し、接着後の信頼性を低下させる要因となる」と記述されている。
【0008】
また、(2)の課題については、例えば特開2009−90304号公報(特許文献3)の段落[0003]に「加熱前の接合用ペーストが活性金属粉末と残部組成金属粉末との単なる混合物であり、接合時の合金化が十分に進みにくく、強度的に不十分となりやすい問題がある」と記載されている。さらに、(3)の課題については、例えば「電気製鋼」第74巻4号227〜232頁(非特許文献1)の緒言の項の3段落目に「溶解時に溶解坩堝と溶融チタン合金との間で反応が起こり、得られるチタン合金粉末への坩堝材質からの汚染が懸念される」と記載されている。
【特許文献1】特開昭59−220299号公報
【特許文献2】特開昭59−126739号公報
【特許文献3】特開2009−90304号公報
【特許文献4】特開平4−220198号公報
【非特許文献1】「電気製鋼」第74巻4号227〜232頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上述した特許文献からも(1)、(2)の課題を改善した例は何ら見られず、また、(3)の課題については、特許文献3の段落[0021]や、非特許文献1のTable3のように、特殊な坩堝を用いて溶解する方法が見られるが、改善効果は必ずしも十分ではなく、また、非特許文献1のように高周波コイルと水冷銅坩堝により溶解する方法が見られるが、設備が特殊である。また、特開平4−220198号公報(特許文献4)にもアトマイズ法による単一組成合金粉末が提案されているが、しかし、(3)の課題が解決されているか不明である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述したような問題を解消するために発明者らは鋭意検討を行い、Zrを含む所定の組成である合金粉末とTiまたはTiを含む合金粉末の混合粉末を用い、かつそれらの粉末を所定の割合で混合することにより、上記(1)〜(3)の課題を低コストで解決する本発明に至った。その発明の要旨とするところは、
(1)質量%で、Cu、Niの1種または2種を30〜90%含み、残部Zrおよび不可避的不純物からなる合金粉末と、Cu、Niの1種または2種を0〜50%含み、残部Tiおよび不可避的不純物からなる粉末を、重量比で8:2〜4:6で混合したことを特徴とするTi系ろう材。
【0011】
(2)前記(1)に記載のZr合金粉末にCu、Niの1種または2種を50〜75%含有させたことを特徴とするTi系ろう材。
(3)前記(1)に記載のZr合金粉末とTiまたはTiを含む合金粉末の重量比を6.5:3.5〜5.5:4.5とすることを特徴とするTi系ろう材にある。
【発明の効果】
【0012】
以上述べたように、本発明によるCu、Niの1種または2種を含むZr合金粉末とTiまたはTiを含む合金粉末との一定の重量比の範囲で混合することにより、良好なろう付けを実現できる、航空宇宙機器、医療機器、メガネフレーム、Ti製熱交換器などの製造に使用されるTi系ろう材として極めて優れた効果を奏するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明における最も重要な特徴は、単に純金属粉末を混合する混合法ではなく、Zrを含む合金粉末とTiまたはTiを含む合金粉末を混合している点である。例えば、Ti−Zr−Cu−Ni系のろう材を単に純金属粉末を混合し作製すると、上述した(1)の課題のように、Ti、Zrは活性金属であるため、これら粉末が表面に強固な酸化物を形成し、ろう付け時に周囲の他の金属粉末との反応が阻害され、ろう材が良好に溶融せず、ろう付け部に欠陥が残ってしまう。
【0014】
また、それぞれの純金属の融点は、Tiが1670℃、Zrが1855℃、Cuが1084℃、Niが1455℃と高いため、周囲の他の金属粉末と反応し、溶融温度を下げる必要がある。さらに、TiとZrの市販の純金属粉末の酸素レベルを調べたところ、Ti粉末が0.05〜0.5ppm程度であるのに対し、Zr粉末は入手すら容易ではなく、爆発の恐れがあるため液体に浸されて運搬されており、これを乾燥させると酸素値は数%にまで達した。
【0015】
このように、同じように活性金属ではあるものの、特にZr粉末についての工夫が必要である。そこで、純金属としてZr粉末を使用せず、Zrを含む合金とすることで、Zr濃度を下げた粉末を使用することにした。これにより、粉末の酸化を大幅に抑制することができるとともに、構成元素のうち最も融点の高いZrを低融点化することが可能となった。
【0016】
これは(1)、(2)の課題に極めて効果的である。しかも、Zrを含む合金粉末とTiまたはTiを含む合金粉末の混合粉末は、次のような予想外の効果をもたらすこともわかった。すなわち、Zrを含む合金粉末とTiまたはTiを含む合金粉末の混合粉末をろう付けすると、Zrを含んでいない合金粉末とTiまたはTiを含む合金粉末の混合粉末を用いた場合より、混合相手であるTi粉末との反応性が良くなる効果が見られた。この現象の詳細な原理は不明であるが、活性金属であるTi粉末表面の酸化物を、Ti以上に酸素との親和性が高いZrが還元し、Ti粉末表面の強固な酸化皮膜を破壊することにより、金属Tiとの反応が促進されるのではないかと推測される。これは(2)の課題に効果的である。したがって、Zrを含む合金粉末とTiまたはTiを含む合金粉末を混合することが、本発明における最も重要な特徴である。
【0017】
一方、薄帯形状のろう材においては、例えば特許文献3の段落[0004]に記載されている、Ti−Cu−Ni積層箔のように、純Ti、純Cu、純Niの薄帯を積層したろう材も見られるが、積層箔の場合、混合粉末と違い、それぞれの純金属同士の接触面積が大きいため、ZrのようなTiを還元する作用を持つ元素を含まなくても、Tiと他の元素が反応できるものと考えられる。
【0018】
本発明における第2の特徴は、Zrを含む合金粉末の組成を所定のCu、Ni量に限定した点である。CuとNiは、いずれも本発明ろう材の構成元素のうち最も高融点であるZrと合金化することにより、大幅に溶融温度を下げる効果がある。これは(2)の課題に効果的である。その合計量を限定することにより、低い溶融温度が得られるとともに、ZrによるTi粉末の還元作用と考えられる効果を発揮できる。また、Cu、Ni量の合計量を限定することにより、逆にZr量も限定されることから、アトマイズ法で作製する際には坩堝からの汚染を抑制することも出来る。これは(3)の課題に極めて効果的である。
【0019】
本発明における第3の特徴は、Zrを含む合金粉末とTiまたはTiを含む合金粉末の混合比率を規定した点である。Zrを含む合金粉末、TiまたはTiを含む合金粉末のどちらかの混合量があまりに高いと、混合した後も、微視的には混合比率の高い粉末のみからなる領域が発生してしまう。この領域では、両組成の粉末間の反応が起こらず、ろう付け欠陥となったり、ろう付け後の組成不均一を引き起こし、継手強度や耐食性に悪影響を及ぼす。したがって、両粉末の混合比率を所定の割合に規定することで、ろう付け部は良好に合金化が進む。これは(2)の課題に極めて効果的である。本発明は以上のような特徴を複合させることにより、従来からあった(1)〜(3)の課題を効果的かつ低コストで改善したものである。
【0020】
Zrを含む合金粉末とTiまたはTiを含む合金粉末を混合する理由は、本発明ろう材において、Zrを含む合金粉末はTi粉末との反応を促進し、良好なろう付けを実現するための必須粉末であり、これらの粉末が混合されていることが必要である。
【0021】
また、Zrを含む合金粉末におけるCu、Niの少なくとも1種類以上:30〜90%とした理由は、本発明ろう材におけるZrを含む合金粉末において、CuおよびNiはこの粉末およびろう材全体の溶融温度を下げる効果とこの粉末をアトマイズ法で作製する場合は、この粉末の酸素値を下げる効果があるが、その添加量が多すぎると、逆にZr量が少なくなるため、Ti粉末との反応性が悪くなる。Cu、Niの少なくとも1種類以上が30%未満では、ろう材全体の溶融温度低下の効果が小さくなると共にこの粉末をアトマイズ法で作製する際の酸素値低減の効果が小さく、90%を超えるとTi粉末との反応性が悪くなる。好ましくは40〜80%、さらに好ましくは50〜75%の範囲である。
【0022】
Zrを含む合金粉末とTiまたはTiを含む合金粉末との混合比が重量比で8:2〜4:6とした理由は、Zrを含む合金粉末とTiまたはTiを含む合金粉末との混合比は、どちらかの粉末に過度に偏ると、微小領域においては一方の粉末がかたまり、その領域でろう付け不良が発生する。したがって、両粉末の混合比は8:2〜4:6とする。好ましくは7:3〜5:5、さらに好ましくは6.5:3.5〜5.5:4.5の範囲である。
【実施例】
【0023】
以下、本発明について実施例によって具体的に説明する。
(実施例1)
表1に示す組成のZrを含む合金粉末を、急冷薄帯を粉砕もしくはガスアトマイズすることにより作製した。粉末作製後、目開き150μmの篩で振るい分けし、150μm以下の粉末を評価に用いた。Ti粉末、Zr粉末は市販の150μm以下に振るい分けられたものを用いた。評価は、Zrを含む合金粉末の酸素値およびZrを含む合金粉末とTi粉末の混合粉末のろう付け性である。混合粉末のろう付け性については、20mm角の純Tiの塊に直径10mmの穴を開け、その穴に作製した混合粉末を充填し、真空中にて950℃に加熱しろう付けした。
【0024】
この試験片の断面を観察し、溶融不良の有無、ろう材の均一化について評価した。全面溶融不良:×、一部に溶融不良:△、溶融不良なし:○。全面不均一:×、一部に不均一:△、均一:○。また、Zrを含む合金粉末は、急冷薄帯もしくは粉末作製時に、いずれも1350℃以下で溶解可能であったことから、純Zrの融点1855℃から溶融温度は大幅に低下している。なお、ここで言う溶融不良とは、粉末の溶融が不十分なため溶け残っている状態であり、均一化とは、混合粉末が溶け、凝固した後に、凝固層が均一に混ざり合った組成となっているか、元の粉末(混合粉末における一方の粉末)の組成の名残が局部的に残っているかを表している。
【0025】
【表1】

表1は、No.1〜12は本発明例であり、No.13〜23は比較例である。
【0026】
表1に示すように、比較例No.13は、Zrを含む合金粉末組成としてのCuが20%で、Niは含まれていないことから、Cu、Niの1種または2種の含有量が30%未満であるために、混合粉末のろう付け性について、一部に溶融不良が生じた。また、ろう材の均一化については全面不均一であった。比較例No.14は、比較例No.13とは逆に、Cuは0%であり、Niは20%であることから、Cu、Niの1種または2種の含有量が30%未満であるために、混合粉末のろう付け性について、全面溶融不良が生じた。また、ろう材の均一化についても全面不均一であった。
【0027】
比較例No.15は、Zrを含む合金粉末組成としてのCuは10%、Niも10%で、CuとNiの和が30%未満であるために、混合粉末のろう付け性について、全面溶融不良が生じた。また、ろう材の均一化についても全面不均一であった。比較例No.16は、Zrを含む合金粉末とTi粉末との混合比がZrを含む合金粉末が高くTi粉末の混合比が低いために、混合粉末のろう付け性について、全面溶融不良が生じた。また、ろう材の均一化についても全面不均一であった。
【0028】
比較例No.17は、比較例No.16とは逆に、Zrを含む合金粉末とTi粉末との混合比がZrが低くTiが高いために、混合粉末のろう付け性について、全面溶融不良が生じた。また、ろう材の均一化についても全面不均一であった。比較例No.18は、Zrを含む合金粉末組成としてのCuは95%、Niは0%で、Cuは90%を超えているために混合粉末のろう付け性について、一部に溶融不良が生じた。また、ろう材の均一化についても全面不均一であった。
【0029】
比較例No.19は、比較例No.18とは逆に、Zrを含む合金粉末組成としてのCuは0%、Niは95%と、Niは95%を超えるために、混合粉末のろう付け性について、一部に溶融不良が生じた。また、ろう材の均一化についても全面不均一であった。比較例No.20は、Zrを含む合金粉末組成としてのCuは0%、Niも0%と、Cu,Ni共に含有しないために、混合粉末のろう付け性について、全面溶融不良が生じた。また、ろう材の均一化についても全面不均一であった。
【0030】
比較例No.21は、Cuが100%、Niは含有せず、Cuは95%を超えるために、混合粉末のろう付け性について、一部に溶融不良が生じた。また、ろう材の均一化についても全面不均一であった。比較例No.22は、比較例No.21と逆に、Cuが0%、Niが100%含有し、Niは95%を超えるために混合粉末のろう付け性について、全面に溶融不良が生じた。また、ろう材の均一化についても全面不均一であった。
【0031】
比較例No.23は、Cuが50%、Niが50%と両者によって95%を超えるために混合粉末のろう付け性について、全面に溶融不良が生じた。また、ろう材の均一化についても全面が不均一であった。これに対し、本発明例であるNo.1〜12はいずれも本発明の条件を満足していることから、混合粉末のろう付け性およびろう材の均一化について、いずれも優れていることが分かる。
【0032】
ここまではZr合金粉末とTi粉末について説明してきたが、Ti粉末の代わりにCu、Niの1種または2種を0〜50%含み、残部Tiおよび不可避的不純物からなる粉末としても同様の効果が得られる。ここで、このTiを含む粉末はCu、Niの1種または2種を50%を超えて含ませると、ろう付けした際に溶融不良を起こしたり、均一性に劣るため、上限を50%とした。なお、市販粉末の価格を考慮すると、このTiを含む粉末は、Cu、Niを含まないほうが好ましい。以下に、Ti粉末の代わりにCu、Niの1種または2種を0〜50%含み、残部Tiおよび不可避的不純物からなる粉末を用いた場合の実施例を示す。
【0033】
(実施例2)
表2に示す組成のZrを含む合金粉末とTiを含む合金粉末を作製し、ろう付け性を評価した。粉末作製方法、分級方法および評価方法は前述した実施例1と同様である。
【0034】
【表2】

表2は、No.24〜28は本発明例であり、No.29〜31は比較例である。
【0035】
比較例29は、Tiを含む合金粉末中にCuおよびNiの含有量が多いために、混合粉末のろう付け性について、一部に溶融不良が生じた。また、ろう材の均一化についても全面不均一であった。比較例30は、Zrを含む合金粉末とTiを含む合金粉末との混合比がZrを含む合金粉末が高くTiを含む合金粉末の混合比が低いために、混合粉末のろう付け性について、全面溶融不良が生じた。また、ろう材の均一化についても全面不均一であった。
【0036】
比較例No.31は、比較例No.30とは逆に、Zrを含む合金粉末とTiを含む合金粉末との混合比がZrが低くTiが高いために、混合粉末のろう付け性について、全面溶融不良が生じた。また、ろう材の均一化についても全面不均一であった。
これに対し、本発明例No.24〜28はいずれも本発明の条件を満足していることから、混合粉末のろう付け性およびろう材の均一化について、いずれも優れていることが分かる。
【0037】
以上のように、Cu、Niの1種または2種を含むZr粉末とTi粉末またはCu、Niの1種または2種を含むTi合金粉末との一定の重量比の範囲で混合することにより、良好なろう付けを実現し、航空宇宙機器、医療機器、メガネフレーム、Ti製熱交換器などの製造に使用されるTi系ろう材を提供するものである。


特許出願人 山陽特殊製鋼株式会社
代理人 弁理士 椎 名 彊

【特許請求の範囲】
【請求項1】
質量%で、Cu、Niの1種または2種を30〜90%含み、残部Zrおよび不可避的不純物からなる合金粉末と、Cu、Niの1種または2種を0〜50%含み、残部Tiおよび不可避的不純物からなる粉末を、重量比で8:2〜4:6で混合したことを特徴とするTi系ろう材。
【請求項2】
請求項1に記載のZr合金粉末にCu、Niの1種または2種を50〜75%含有させたことを特徴とするTi系ろう材。
【請求項3】
請求項1に記載のZr合金粉末とTiまたはTiを含む合金粉末の重量比を6.5:3.5〜5.5:4.5とすることを特徴とするTi系ろう材。

【公開番号】特開2011−41978(P2011−41978A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−135182(P2010−135182)
【出願日】平成22年6月14日(2010.6.14)
【出願人】(000180070)山陽特殊製鋼株式会社 (601)
【Fターム(参考)】