説明

U形側溝改修工法

【課題】 既設のU形側溝の上部が、経年変化や走行車両による振動等によりガタついたり破損が生じたU形側溝の上部のみを改修する工事において、効率的に改修する新規な工法を提供する。
【解決手段】 改修しようとする既設のU形側溝の傷んだ上部を、必要範囲を切削し、予め工場で制作された、車両等の載荷荷重に耐え得る鋼構造の床版3を側溝上部に載置し、その上面に舗装体を設ける工程からなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、U形側溝(以下「側溝」という)の改修工法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図1に示すように側溝の上部の開口部分にコンクリート蓋が、装置されている。
【0003】
このコンクリート蓋を使用した道路側溝は、車両等の通過による振動や重量により、経年劣化とともに蓋体や側溝上部が傷み破損する。
【0004】
そこで破損した蓋体や側溝上部の補修が、必要となり、従来は、側溝全部を取り替えるのではなく、側溝の上部を専用の切断機を用いて除去し、この除去箇所にコンクリート蓋載置用のコンクリートブロックを据え付けてコンクリート蓋を設ける改修工法(特許文献1,2)が開発されている。
【0005】
【特許文献1】特開2006−214104
【特許文献2】特開2009−228423
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記の改修工事は、側溝上部を専用の切断機を用いて除去するため、側溝の断面形状寸法により適用できない場合があり切断機の操作に熟練技術をもった作業員が必要となる。
【0007】
また、従前と同様のコンクリート蓋を設ける構造のため車両等の走行、経年劣化により再度の補修が必要となり、耐久性の点で課題がある。
【0008】
そこで本発明は、側溝の断面形状寸法に左右されず、走行車両等の影響を直接に受けない新規な側溝改修工法を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、改修を必要とする側溝の蓋体、蓋体載置箇所の側溝上部を除去し、予め工場において略短形に形成された鋼構造体の床版を側溝上部に載置し、その上面に舗装体を設置する。
【0010】
従って、側溝体面に直接に車両等が走行することなく舗装面を走行することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、上記の通り側溝全体を除去するのでは、なく、改修の必要としない下部は、そのまま残存するので、側溝の通水機能を維持したままで改修するものである。
【0012】
側溝上の舗装体を隣接した路面の舗装と同構造とすることにより一体構造となり、人、自転車、車両等の移動が円滑化される効果が得られる。
【0013】
上記のように、舗装体の同一化により景観の美観が形成されるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に、本発明の実施形態を図面に基づき説明する、既設側溝1の蓋2を取り外し、そして図2に示すように既設側溝1の上部を適宣範囲を切削する。
【0015】
図3に示すように、床版3を既設側溝1の上部を切削した切削面1aと床版下面3aとの間に適宣の間隙を上下調整ネジ5にて保持して、床版3を載置する。
この際に、床版下面3に接合されている側板4を側溝内側面1bに衛合させて添わす。
【0016】
次に、L形側板6を側溝内側面1cに衛合させて添わし、床版3に貫設された連結長孔3bに固定ボルト7を挿通してL形側板6を床版3に接合固定する。
【0017】
この状態で床版3が上下調整ネジ5と側板4及びL形側板6にて、既設側溝1の上部の所定位置に定着される。
【0018】
次に、床版3の上面に作用する載荷重を既設側溝1に伝達するために、切削面1aと床版下面3aの間隙箇所にモルタル8又は、コンクリート等を充填する。
【0019】
そうして床版3の上面に敷砂9を敷設して舗装10を行う。尚、敷砂9を省略して、アスファルト、コンクリート等の舗装10を直接に行うこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】改修前の既設側溝の断面図である。
【図2】既設側溝の上部を切削した状態の断面図である。
【図3】上部を切削した既設側溝に、本発明に係る床版を載置した状態の断面図である。
【図4】本発明に係る改修工事後の側溝の断面図である。
【図5】床版の平面図である。
【符号の説明】
【0021】
1 既設側溝
1a 切削面
1b 側溝内側面
1c 側溝内側面
2 蓋
3 床版
3a 床版下面
3b 連結長孔
4 側版
5 上下調整ネジ
6 L形側板
7 固定ボルト
8 モルタル
9 敷砂
10 舗装

【特許請求の範囲】
【請求項1】
既設の側溝を改修する工法であって、既設側溝の傷んだ側溝上部を、必要範囲で切削し、この側溝の上部に予め略短形に形成された鋼製の床版を、側溝上部と床版下面の間に間隙を、床版に取り付けられた上下調整ネジにて保って床版を保持する工程と、この間隙箇所に対してモルタル等の充填材を充填することを特徴とするU形側溝改修工法。
【請求項2】
前記の側溝上部に床版を設置する工程において、側溝内側の両側面に側板を添わす。
この場合の片側は、床版の下面に接合固定された側板を側溝内側の側面に添わし片方は、床版に上下貫通する連結長孔(小判型)に挿通した連結軸(ボルト等)にてL形側板を底版に連結固定することを特徴とするU形側溝改修工法。
【請求項3】
前記の床版の上面に砂を敷均して、その上面に舗装材(コンクリート、アスファルト、コンクリートブロック等)を敷設することを特長とするU形側溝改修工法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−251413(P2012−251413A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−138908(P2011−138908)
【出願日】平成23年6月6日(2011.6.6)
【出願人】(594104490)有限会社グランドワーク (1)
【Fターム(参考)】