説明

Webサービス提供システム

【課題】携帯電話1によってWebサービスを享受しようとする利用者が、そのWebサイトにアクセスした後、音声パーミッションの登録から、シームレスでサービスを享受することのできるシステムを提供する。
【解決手段】携帯電話1からWebサーバ21へ空の電子メールを送信すると、URLが電子メールで返信されるので、ユーザはこのURLから開いたトップページからPhone−to発信により音声応答サーバ31へ電話回線N2を介して接続し、音声応答サーバ31からの音声ガイダンスに対して、携帯電話1から音声で「はい」又は「いいえ」で応答することにより、音声パーミッション登録を行ってから、電話回線N2を切断することによって、携帯電話1が再びWebサーバ21への接続に切り換わるので、ユーザの個人データを登録することによって、この個人データ及び前記音声パーミッションデータとが対応してデータベース22に蓄積され、携帯電話1にWebサービスページが配信される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話を用いて、音声データによりパーミッションを取得してWebサービスを享受するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話の利用者が、インターネットを利用してキャンペーンや懸賞の情報を入手し、オンラインでこれらのキャンペーンや懸賞などのWebサービスに応募することの可能なシステムが知られている。
【0003】
ところが、キャンペーンや懸賞の対象となる商品には、例えばたばこや酒類などのように、応募者の年齢を制限したり、衣類や生理用品などのように、応募者の性別を制限するといった、所要の条件を設定することが望ましい場合がある。そしてこのような場合は、上述のような年齢や性別などの設定条件を満たす適格者だけが、キャンペーンや懸賞応募のためのWebページにアクセスできるようにすることが望ましい。したがって、このような場合は、インターネットによるキャンペーンや懸賞の応募者が、上述のような年齢や性別などの設定条件を満たす適格者であるかどうかを予め判定する必要がある。
【0004】
このような認証のための有効なシステムとしては、従来、音声データによる個人認証システムが知られている。
【0005】
すなわち、この種の音声データによる個人認証システムによれば、例えば新聞や雑誌などに掲載されたキャンペーンの広告に記載されたメールアドレスに、携帯電話を用いて空の電子メールを送信することによって、特定のWebページのURLが記載された電子メールが返信されるので、応募者は、まず名前や住所などを入力してユーザ登録を行う。次に、Phone-to機能によって音声通話に切り換え、サーバからの音声ガイダンスに従って応募者が音声で年齢や名前などを応答すると、その音声が音声記録装置によって応募者の音声パーミッションデータとして登録され、キャンペーン応募のためのIDや、応募サイトのアドレスが音声により通知される。応募者は、この音声によるIDを聞き取って紙などに書き留めてから、通話を切断して再び前記Webサイトに接続し直し、聞き取ったIDをキー操作で入力することにより、サービスを享受(キャンペーンへの応募など)することができる。
【0006】
なお、上述のような音声パーミッションによる個人認証システムの従来技術としては、例えば下記の特許文献に記載されたものが知られている。
【特許文献1】特開2004−185085号公報
【0007】
しかしながら、上述した従来の音声データによる個人認証システムにおいては、応募者は、音声パーミッションにおいてIDを聞き取った後、通話を切断してWebサイトに接続し直し、取得IDをキー操作で再入力しないと、キャンペーンへの応募など、目的とするWebサービスを享受することができず、煩雑なものとなっていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、以上のような点に鑑みてなされたものであって、その技術的課題とするところは、携帯電話によってWebサービスを享受しようとする利用者が、そのWebサイトにアクセスした後、音声パーミッションの登録から、シームレスでサービスを享受することのできるシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した技術的課題を有効に解決するための手段として、本発明に係るWebサービス提供システムは、インターネットを介して携帯電話と通信可能なWebサーバと、電話回線を介して前記携帯電話と音声通信可能であって、前記携帯電話のユーザに音声による宣誓を促す音声ガイダンスを発信すると共に、前記ユーザの音声を、音声認識装置を介して音声パーミッションデータとして取得する音声応答サーバと、データベースとを備え、前記Webサーバが、携帯電話から空の電子メールを受信したときに特定のWebページのURLとリンクさせたユニークURLを個別に発行してこれを発信元メールアドレスと対応付けると共に電子メールで前記携帯電話に返信する機能と、前記ユニークURLによりアクセスした携帯電話を前記Webページ上でPhone−to発信により前記音声応答サーバへ電話回線を介して接続すると共に、前記携帯電話の電話番号を前記音声応答サーバへ通知する機能と、前記音声応答サーバによる音声パーミッションデータ取得後に前記電話回線を切断することによって前記携帯電話をインターネットへの接続に切り換えて前記携帯電話から前記ユーザの個人データの登録を受け付ける機能と、この登録後に前記携帯電話へ特定のWebサービスページを配信する機能とを有し、前記データベースが、前記Webサーバに取得された前記携帯電話の電話番号データと、前記音声応答サーバへ通知された前記携帯電話の電話番号データを照合キーとして前記ユーザの個人データ及び前記音声パーミッションデータを対応付けて蓄積するものである。
【0010】
本発明によれば、まずユーザが、携帯電話からWebサーバへ空の電子メールを送信すると、特定のWebページのURLにリンクされたユニークURLが発行され、発信元メールアドレスと対応付けられて、電子メールによって返信される。このため、ユーザは、携帯電話へ返信されたユニークURLをクリックすることによって、前記特定のWebページがダウンロードされるので、このWebページから、電話番号を入力することなく、Phone−to発信により前記音声応答サーバへ電話回線を介して接続することができる。また、このとき、前記携帯電話には前記Webページがダウンロードされた状態が保持される。
【0011】
携帯電話が音声応答サーバへ電話回線を介して接続されたら、ユーザは、音声応答サーバからの音声ガイダンスに対して、携帯電話から音声によって宣誓を含む応答を行う。このときの応答内容は音声パーミッションデータとして音声応答サーバに取得される。そして、ユーザがこの音声パーミッションによる宣誓内容からアクセス適格者であることが認証された場合は、電話回線を切断することによって、携帯電話が再びWebサーバへの接続に切り換わるので、ユーザの個人データを登録することによって、この個人データ及び前記音声パーミッションデータが、前記Webサーバに取得された電話番号データと、音声応答サーバへ通知された電話番号データを照合キーとして互いに対応付けられてデータベースに蓄積されると共に、前記携帯電話にWebサービスページが配信される。
【0012】
本発明において一層好ましい例としては、Webサーバ側の照合キーとしての電話番号データが、ユニークURLによりWebサーバにアクセスして来た携帯電話の通信プロトコルに含まれる端末固有IDから取得される。
【0013】
本発明において他の一層好ましい例としては、音声応答サーバが、ユーザに特定の発音の択一的な応答による宣誓を促す音声ガイダンスを携帯電話へ発信するものである。このようにすれば、音声応答サーバから発信された音声ガイダンスに対して、携帯電話のユーザが例えば「はい」又は「いいえ」といった特定の短い音声で択一的に宣誓することにより、ユーザの宣誓内容を確実に認識することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係るWebサービス提供システムによれば、携帯電話で音声応答サーバへの音声入力による音声パーミッションを登録すれば、電話回線を切断することによってインターネットへの接続に自動的に切り換えられ、所定のWebサービスデータが携帯電話へ送られるので、携帯電話からWebサーバへ空の電子メールの送信から目的とするWebサービスの享受までの処理がシームレスとなり、従来の煩雑さを解消することができる。しかも、特定のWebページへのアクセスは、空メール発信元(ユーザ)へ個別に発行したユニークURLによって行われるため、このユニークURLが、ユーザのメールアドレスとの照合キーとなり、ユーザのメールアドレス入力作業を省略することができる。
【0015】
また、ユーザが登録した個人データと音声パーミッションによるデータを、互いに対応付けるための、Webサーバ側の照合キーとしての電話番号データが、ユニークURLによりアクセスしてきた携帯電話の通信プロトコルに含まれる端末固有IDから取得されるため、ユーザの個人データ登録における電話番号データ入力作業を省略することができる。
【0016】
また、音声パーミッションの登録は、音声応答サーバから発信された音声ガイダンスに対して、ユーザが特定の短い音声で応答するだけなので、ユーザは、アクセス適格者であることの宣誓を容易に行うことができ、音声応答サーバは、ユーザの宣誓内容を確実に認識することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明に係るWebサービス提供システムを、応募適格者を成人に制限するキャンペーン応募システムに適用した好ましい実施の形態ついて、図面を参照しながら説明する。まず図1は、システムの概略構成を示す説明図、図2は、図1のシステムにおける処理の流れを示すシーケンスチャート、図3は、携帯電話に表示されるキャンペーントップページの一例、図4は、同じく新規登録ページの一例、図5は、同じくPhone−to発信画面の一例、図6は、音声応答サーバによる音声パーミッションの処理フローを示すフローチャート、図7は、携帯電話に表示されるユーザ情報入力ページの一例、図8は、同じくユーザ情報確認ページの一例、図9は、同じく登録確認ページの一例、図10は、同じくログインページの一例をそれぞれ示す説明図である。
【0018】
図1において、参照符号1は、インターネットN1への接続と電話回線N2による音声通信への切り替えが可能な携帯電話、参照符号2は、Webキャンペーンサイト、参照符号3は、音声応答サービスサイトである。Webキャンペーンサイト2は、インターネットN1を介して携帯電話1と接続可能なWebサーバ21と、このWebサーバ21に接続されたデータベース22からなり、音声応答サービスサイト3は、電話回線N2を介して携帯電話1と音声通信可能であると共にインターネットN1を介してWebキャンペーンサイト2のWebサーバ21と接続される音声応答サーバ(IVR:Interactive Voice Response)31と、この音声応答サーバ31に接続された音声認識装置32及びデータベース33からなる。
【0019】
Webキャンペーンサイト2におけるWebサーバ21は、当該キャンペーンを運用するサーバであって、携帯電話1から空の電子メールを受信した場合にその携帯電話1のメールアドレスを取得してデータベース22へ蓄積する機能と、図3に示されるようなキャンペーントップページ100のURLにリンクしたユニークURLを発行する機能と、このユニークURLを発信元メールアドレスへ電子メールで返信する機能と、携帯電話1のディスプレイ1bに表示されたこのユニークURLをクリックすることによって、この携帯電話1が前記キャンペーントップページ100に接続された時に、携帯電話1の通信プロトコルに含まれる端末固有IDデータから、その電話番号を取得してデータベース22へ蓄積する機能と、前記キャンペーントップページ100からPhone−to発信により携帯電話1を電話回線N2を介して音声応答サーバ31に接続すると共に、発信者電話番号通知により携帯電話1の電話番号を音声応答サーバ31へ通知する機能と、音声応答サーバ31による後述の音声パーミッション登録後に電話回線N2を切断することによって前記携帯電話1をインターネットN1への接続状態に復帰させて、携帯電話1にユーザの生年月日、性別、氏名等の個人データの入力を促す図7に示されるようなユーザ情報入力ページ400を表示し、このユーザ情報入力ページ400を介して入力された個人データを取得してデータベース22へ蓄積する機能と、前記個人データの取得後に図10に示されるようなログインページ700を携帯電話1に配信し、キャンペーンの応募を受け付けて抽選などを行う機能を有する。前記キャンペーントップページ100は、請求項1に記載された特定のWebページに相当する。
【0020】
なお、Webサーバ21が取得した空の電子メールの発信元メールアドレスは、個人を特定可能な個別の記号及び/又は番号を付加してデータベース22に蓄積され、空の電子メールの発信元メールアドレスへ返信するユニークURLは、キャンペーントップページ100のURLと、前記個別の記号及び/又は番号を組み合わせることにより個別に発行される。したがって、前記メールアドレスとユニークURLは、互いに対応付けられることになる。また、ユニークURLは、キャンペーントップページ100のURLとは異なるものであるが、空の電子メール送信時の発信元メールアドレスと、ユニークURLに内包されるユーザ特定のための記号をデータベースに参照した後に、すぐにキャンペーントップページ100にリダイレクトされるものである。
【0021】
また、Phone−to機能においては、キャンペーントップページ100から、図4の新規登録ページ200などを経て開かれる図5の発信画面300上に、電話番号データが表示されたPhone−toボタン301が設けられており、このPhone−toボタン301をクリックすることによって、携帯電話1のキー1aによる電話番号入力操作を行わなくても、音声応答サーバ31へ電話発信されるようになっている。そして、前記電話番号データの頭には3桁の番号「186」が付加されており、音声応答サーバ31は、前記Phone−to機能によってこの音声応答サーバ31に電話発信して来た携帯電話1の電話番号を、電話会社の発信者電話番号通知サービスを利用して取得することができる。
【0022】
Webキャンペーンサイト2におけるデータベース22は、インターネットN1を介してWebサーバ21に入力されたユーザの生年月日、性別、氏名、郵便番号、パスワード、メールアドレス、携帯電話番号等の個人データを、データベース化してファイルに蓄積するものである。
【0023】
音声応答サービスサイト3における音声応答サーバ31は、Phone−to機能により電話発信して来た携帯電話1に対して、予め録音してある所定の音声ガイダンスを再生して発信する機能を有する。この音声ガイダンスは、携帯電話1のユーザに対して「はい」又は「いいえ」などの特定の短い音声による択一的な宣誓や、ユーザの氏名を発声させることを促すものであり、更に、ユーザの宣誓に応じて選択されるものである。
【0024】
音声応答サービスサイト3における音声認識装置32は、アナログ音声信号をデジタルデータに変換し、その波形のパターン等から、入力された音声を音声パーミッションデータとして認識するものである。
【0025】
音声応答サービスサイト3におけるデータベース33は、携帯電話1から発信者電話番号通知により音声応答サーバ31へ通知された電話番号データをファイル名とするデータファイルに、携帯電話1から音声応答サーバ31へ入力された音声パーミッションデータを蓄積するものである。
【0026】
以下、このキャンペーン応募システム全体における処理の流れを、図2に示すシーケンスチャートに従って説明する。この図2に示されるように、まず、携帯電話1のユーザすなわちキャンペーンの応募者は、例えば新聞や雑誌などにおける当該キャンペーンの広告に記載されたメールアドレスを携帯電話1の不図示の電子メール作成画面に入力して、本文のない空の電子メールを前記メールアドレス(Webサーバ21)へ送信する(ステップS1)。
【0027】
Webサーバ21は、空の電子メールの受信によって、その発信元メールアドレスを取得してデータベース22に蓄積する一方(ステップS2)、この発信元メールアドレスへ、Webサーバ21に設定されたキャンペーントップページ100のURLにリンクさせたユニークURLを個別に発行して、このユニークURLを記載した電子メールを返信する(ステップS3)。なお、この返信メールは、本文は同一内容であるが、ヘッダー等には、先に説明したように、キャンペーントップページ100のURLと個別の記号及び/又は番号を組み合わせることにより個別に発行されたユニークURLが記載されたものである。したがって、空の電子メールによる申込者の数だけ、仮想的に個別の応募画面を準備していることになる。
【0028】
次にユーザは、携帯電話1に返信された電子メールに表示されたユニークURLをクリックすることによって、携帯電話1がWebサーバ21に接続され(ステップS4)、このときWebサーバ21は、携帯電話1の通信プロトコルに含まれる端末固有IDデータから、この携帯電話1の電話番号データを取得してデータベース22に蓄積すると共に(ステップS5)、携帯電話1へ、図3に示されるようなキャンペーントップページ100がダウンロードされ、ディスプレイ1bに表示される(ステップS6)。
【0029】
すなわち図3に示されるように、携帯電話1にダウンロードされたキャンペーントップページ100には、新規登録ボタン101と、ログインボタン102と、メールアドレス入力部103と、パスワード入力部104と、戻るボタン105などが設けられている。なおメールアドレスは、先に説明したように、空の電子メール受信時に取得されると共に、キャンペーントップページ100にリンクしたユニークURLと対応する個別の記号及び/又は番号によって対応付けられるため、前記メールアドレス入力部103には、すでにメールアドレスが埋め込み表示されており、ユーザがメールアドレスを入力する必要はない。
【0030】
当該キャンペーンの応募に新規に参加しようとするユーザは、まずキャンペーントップページ100における新規登録ボタン101をクリックすることによって、携帯電話1のディスプレイ1bには、図4に示されるような新規登録ページ200が表示される。すなわちこの新規登録ページ200には、音声パーミッションボタン201と、ユーザ情報登録ボタン202と、戻るボタン203などが設けられている。
【0031】
次いで、ユーザが、新規登録ページ200における音声パーミッションボタン201をクリックすることによって、携帯電話1のディスプレイ1bには、図5に示されるような発信画面300が表示される。すなわちこの発信画面300には、音声応答サーバ31の電話番号(例えば4桁の番号「0120」で始まるフリーダイヤル)の頭に3桁の番号「186」を付加した番号が表示されたPhone−toボタン301と、発信ボタン302が設けられている。Phone−toボタン301は、Phone−to発信のためのボタンであって、付加された3桁の番号「186」は、電話会社の発信者電話番号通知サービスを利用して、前記音声応答サーバ31に発信元の携帯電話1の電話番号が通知される機能を与えるものである。
【0032】
したがって、ユーザは、携帯電話1のディスプレイ1bに表示された発信画面300上のPhone−toボタン301をクリックするか、又は発信ボタン302をクリックすることによって、キー1aによる電話番号入力操作を行わなくても、音声応答サーバ31へ電話回線N2を介して電話発信されると共に、この携帯電話1の電話番号が、音声応答サーバ31へ通知され(ステップS7)、音声パーミッションが開始される(ステップS8)。
【0033】
図6は、ステップS8における音声パーミッションの処理を詳細に示すフローチャートである。すなわち音声応答サーバ31は、携帯電話1に接続されると、この図6に示されるように、まず音声による冒頭ガイダンスが携帯電話1に送信され(ステップS801)、次いで、「あなたは20歳以上に間違いありませんか?20歳以上の場合は“はい”、20歳未満の場合は“いいえ”とお答えください」との音声ガイダンスが携帯電話1に送信される(ステップS802)。
【0034】
そして携帯電話1のユーザが“はい”と応答した場合は(ステップS803=はい)、「氏名を登録しますので、発信音の後にお名前を録音してください。終わりましたら♯ボタンを押してください」との音声によるガイダンスが携帯電話1に送信され(ステップS804)、録音待ちとなる(ステップS805)。また、ユーザが“いいえ”と応答した場合は(ステップS803=いいえ)、「このキャンペーンには20歳未満の方は参加できません」との音声によるお断りのメッセージが携帯電話1に送信され(ステップS806)、処理を終了する。
【0035】
なお、ステップS805の録音待ち状態において、所定時間(例えば数秒)が経過してもユーザからの音声入力がなかった場合は、処理をステップS804にリターンさせ、再度録音を促す音声ガイダンスを携帯電話1に送信するようにしても良い。
【0036】
そして、ステップS805においてユーザが自分の名前を発声して♯ボタンを押したことが確認されると(ステップS805=YES)、「お客様のお名前は“○○” 様に間違いないですね?間違いなければ“はい”、間違いでしたら“いいえ”とお答えください」との音声によるガイダンスが携帯電話1に送信される(ステップS807)。ここで、前記音声ガイダンスのうち、ユーザの名前“○○”の部分は、ステップS805において本人が録音した音声を組み込んで再生されたものである。
【0037】
なお、ステップS803及びS808では、ユーザが“はい”か“いいえ”だけの特定の発音による単語を選択して宣誓するので、音声応答サービスサイト3の音声認識装置32は、ユーザの宣誓内容を確実に認識することができる。
【0038】
そしてステップS808において、携帯電話1のユーザが“はい”と応答した場合は(ステップS808=はい)、認証OKと判定され、「認証されました。通話を切断して情報登録ボタンを押してください」との音声によるガイダンスが携帯電話1に送信され(ステップS809)、図2におけるステップS9へ移行して、パーミッション結果のデータがデータベース33に蓄積される。そして、ここで蓄積されるデータは、ステップS7において発信者電話番号通知により取り込まれた携帯電話1の電話番号データをファイル名として、そのファイルに、ステップS805においてユーザが録音した名前などの音声データ及び宣誓結果のフラグ等が格納されたものである。したがって、ユーザ自身が発声した音声データによって、そのユーザが正当な応募資格者であることを宣誓させた音声パーミッションデータを得ることができる。
【0039】
また、ステップS807の音声ガイダンスに対してユーザが“いいえ”と応答した場合は(ステップS808=いいえ)、「このキャンペーンには20歳未満の方は参加できません」との音声によるお断りのメッセージが携帯電話1に送信され(ステップS810)、処理が終了する。
【0040】
上述したような、音声応答サーバ31との通話による音声パーミッション過程でも、図4の新規登録画面200がダウンロードされた状態は維持されているので、前記音声パーミッションが終了したら、ステップS809の音声ガイダンスに従って、ユーザが電話回線N2による通話を切断(ステップS10)すると、携帯電話1の画面は、直ちに新規登録画面200に復帰する。
【0041】
そこでユーザは、新規登録画面200のユーザ情報登録ボタン202をクリックすることによって、携帯電話1のディスプレイ1bには、図7に示されるようなユーザ情報入力ページ400が表示される。すなわち、このユーザ情報入力ページ400には、生年月日入力部401と、性別入力部402と、名前入力部403と、郵便番号入力部404と、携帯電話番号入力部405と、携帯メールアドレス入力部406と、パソコンメールアドレス入力部407と、パスワード入力部408と、登録ボタン409などが設けられている。
【0042】
したがってユーザは、ユーザ情報入力ページ400における各入力フィールド401〜407に、生年月日や性別、名前、郵便番号など、キー1aの操作によって順次入力して行く。なお、携帯メールアドレスは、基本的には先に説明したように、ステップS1において空の電子メールの受信により取得されているため、携帯メールアドレス入力部405にすでに表示されており、ユーザは携帯メールアドレスの入力操作を省略することができる。そしてすべての入力フィールドへの入力が終わってから、登録ボタン409をクリックすると(ステップS11)、Webサーバ21はデータベース33にアクセスし、先のステップS8において格納されたパーミッション結果のデータと照合する(ステップS12)。
【0043】
詳しくは、先に説明したように、ステップS9においてデータベース33に蓄積された音声パーミッション結果のデータは、ステップS7において発信者電話番号通知により音声応答サーバ31に取り込まれた携帯電話1の電話番号データをファイル名としているので、ステップS12では、Webサーバ21は、ステップS6において携帯電話1の通信プロトコルに含まれる端末固有IDデータから取得した電話番号データを照合キーとして、この電話番号をファイル名とするデータファイルがデータベース33に存在するか否かを照合する。
【0044】
そして、図2のシーケンスチャートでは図示を省略してあるが、照合結果、データベース33に照合キーの電話番号と同名のパーミッションデータファイルが存在しなかった場合は(ステップS13=NO)、音声パーミッションの登録を促すメッセージを携帯電話1に送信してから、処理をステップS6に戻す。
【0045】
これに対し、照合結果、データベース33に照合キーの電話番号と同名のパーミッションデータファイルが存在していた場合は(ステップS13=YES)、携帯電話1のディスプレイ1bには、図8に示されるようなユーザ情報確認ページ500が表示される。すなわちこのユーザ情報確認ページ500には、ユーザ情報入力ページ400で入力された各データの表示部501〜508と、確認ボタン509などが設けられている。したがってユーザは、表示部501〜508に表示された入力データを確認し、間違いがなければ確認ボタン509をクリックすることで、登録が完了する。
【0046】
このとき、ユーザ情報入力ページ400を介してWebサーバ21に入力されたユーザ登録のデータは、先に説明したように、携帯電話番号データを対応付けのキーとして、ステップS8において音声応答サーバ31からデータベース33に蓄積されたパーミッション結果のデータと互いに対応付けられてデータベース22に蓄積される(ステップS14)。
【0047】
なお、携帯電話1の一部の機種によっては、その端末固有IDデータから電話番号データを取得できないものもあるので、このような機種の場合は、ユーザ情報入力ページ400の携帯電話番号入力部405に、携帯電話番号の入力を促すようにし、ここで入力された携帯電話番号データを、データベース33に蓄積されたパーミッション結果のデータファイルと対応付けるためのキーとすることができる。
【0048】
登録が完了すると、携帯電話1のディスプレイ1bには、図9に示されるような登録確認ページ600が表示される。すなわち、この登録確認ページ600には、「登録が完了しました」とのメッセージ601と、ログインボタン602が設けられている。
【0049】
そこでユーザは、携帯電話1に表示された登録確認ページ600のログインボタン602をクリックすることによって、携帯電話1のディスプレイ1bには、図10に示されるようなログインページ700が表示される(ステップS15)。すなわち、このログインページ700には、メールアドレス表示部701や、パスワード入力部702や、「次へ」ボタン703などが設けられており、ユーザは、このログインページ700から、当該キャンペーンの応募に参加することができる。
【0050】
すなわち、この実施例によるシステムによれば、ステップS8の音声パーミッションにおいて、応募資格が成人に限定されたキャンペーンへの応募適格者であることを宣誓したユーザのみが、キャンペーン参加ページをダウンロードすることができる。また、この音声パーミッションが、ステップS11におけるユーザ情報入力に先行して実行され、音声パーミッションにおいて応募不適格と判定された場合は処理が終了するので、その場合にはユーザは、ユーザ情報入力を行う必要がなく、労力が軽減される。
【0051】
また、ステップS8の音声パーミッション後は、電話回線N2を切断することによってインターネットN1による通信状態へ自動的に切り換えられ、上述の新規登録などを経て所定のWebサービスデータが携帯電話1へ送られるので、携帯電話1からWebサーバ21へ空の電子メールを送信してから、キャンペーンの応募など、目的とするWebサービスの享受までの処理がシームレスとなり、従来の煩雑さを解消することができる。
【0052】
なお、すでに上述の音声パーミッションの登録及びユーザ情報入力を完了しているユーザが、当該キャンペーンの応募に参加する場合は、このユーザがすでにステップS3で取得しているユニークURLをクリックすることによって、図3に示されるキャンペーントップページ100を携帯電話1へダウンロードし、このキャンペーントップページ100に設けられたログインボタン102をクリックすることによって、図10に示されるログインページ700をダウンロードして、直ちに当該キャンペーンの応募に参加することができる。
【0053】
この場合、正規のユーザではない第三者が、正規のユーザのIDを盗用して、正規のユーザになりすましてログインするのを防止するために、先に説明したステップS5において、携帯電話1の電話番号ばかりでなく、端末固有IDデータも取得しておき、ログインページ700からのログイン時には、メールアドレスやパスワードなどのほか、携帯電話1の端末固有IDを、取得済みの端末固有IDデータと照合するものとする。このようにすれば、ユーザ登録時の端末(携帯電話1)であるかどうかを、ユーザに認識されることなく識別して、「なりすまし」を防止する管理を行うことができる。
【0054】
また、既応募者(新規登録済みのユーザ)が、再度、空の電子メールを送ってきた場合の対処方法としては、Webサーバ21が、ステップS1〜S2において空の電子メールを受信することによって取得した発信元メールアドレスを、データベース22に照合し、既にデータベース22に存在すれば登録済みとし、登録済みの旨を伝えるメッセージと共に、ログインページ700のURLを携帯電話1へ返信するようにすれば良い。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明に係るWebサービス提供システムの好ましい実施の形態を示す概略構成説明図である。
【図2】図1のシステムにおける処理の流れを示すシーケンスチャートである。
【図3】図1の携帯電話1に表示されるキャンペーントップページ100の一例を示す説明図である。
【図4】図1の携帯電話1に表示される新規登録ページ200の一例を示す説明図である。
【図5】図1の携帯電話1に表示される発信画面300の一例を示す説明図である。
【図6】図1の音声応答サーバ31による音声パーミッションの処理フローを示すフローチャートである。
【図7】図1の携帯電話1に表示されるユーザ情報入力ページ400の一例を示す説明図である。
【図8】図1の携帯電話1に表示されるユーザ情報確認ページ500の一例を示す説明図である。
【図9】図1の携帯電話1に表示される登録確認ページ600の一例を示す説明図である。
【図10】図1の携帯電話1に表示されるログインページ700の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0056】
1 携帯電話
2 Webキャンペーンサイト
21 Webサーバ
22,23 データベース
3 音声応答サービスサイト
31 音声応答サーバ
32 音声認識装置
301 Phone−toボタン
N1 インターネット
N2 電話回線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターネットを介して携帯電話と通信可能なWebサーバと、
電話回線を介して前記携帯電話と音声通信可能であって、前記携帯電話のユーザに音声による宣誓を促す音声ガイダンスを発信すると共に、前記ユーザの音声を、音声認識装置を介して音声パーミッションデータとして取得する音声応答サーバと、
データベースとを備え、
前記Webサーバが、携帯電話から空の電子メールを受信したときに特定のWebページのURLとリンクさせたユニークURLを個別に発行してこれを発信元メールアドレスと対応付けると共に電子メールで前記携帯電話に返信する機能と、前記ユニークURLによりアクセスした携帯電話を前記Webページ上でPhone−to発信により前記音声応答サーバへ電話回線を介して接続すると共に、前記携帯電話の電話番号を前記音声応答サーバへ通知する機能と、前記音声応答サーバによる音声パーミッションデータ取得後に前記電話回線を切断することによって前記携帯電話をインターネットへの接続に切り換えて前記携帯電話から前記ユーザの個人データの登録を受け付ける機能と、この登録後に前記携帯電話へ特定のWebサービスページを配信する機能とを有し、
前記データベースが、前記Webサーバに取得された前記携帯電話の電話番号データと、前記音声応答サーバへ通知された前記携帯電話の電話番号データを照合キーとして前記ユーザの個人データ及び前記音声パーミッションデータを対応付けて蓄積するものであることを特徴とするWebサービス提供システム。
【請求項2】
Webサーバ側の照合キーとしての電話番号データが、ユニークURLによりWebサーバにアクセスして来た携帯電話の通信プロトコルに含まれる端末固有IDから取得されることを特徴とする請求項1に記載のWebサービス提供システム。
【請求項3】
音声応答サーバが、ユーザに特定の発音の択一的な応答による宣誓を促す音声ガイダンスを携帯電話へ発信するものであることを特徴とする請求項1に記載のWebサービス提供システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−124102(P2007−124102A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−311117(P2005−311117)
【出願日】平成17年10月26日(2005.10.26)
【出願人】(394025924)株式会社博報堂 (14)
【Fターム(参考)】