説明

WiMAXネットワークと他のネットワークとの間における相互作用およびハンドオーバー

【解決手段】 WiMAXネットワークと他のネットワークとの間でのハンドオーバーを管理する技術を説明する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
WiMAXネットワークと他のネットワークとを相互に作用させ、且つ、両者間でハンドオーバーを実行するための技術には、有用性があると考えられ得る。
【図面の簡単な説明】
【0002】
以下の添付図面を参照しつつ詳細に説明する。図面は以下の通りである。
【図1A】実施形態に係る、WiMAXネットワークにおけるデータ経路を示す概略図である。
【図1B】実施形態に係る、WiMAXネットワークとGPRS/UMTSネットワークとの間におけるハンドオーバー手順を示す概略図である。
【図1C】実施形態に係る、GPRS/UMTSネットワークにおけるデータ経路を示す概略図である。
【図2】実施形態に係る、WiMAXネットワークとGPRS/UMTSネットワークとの間におけるハンドオーバー手順を示す概略図である。
【図3】実施形態に係る、WiMAXネットワークとGPRS/UMTSネットワークとの間における相互作用手順を示す概略図である。
【図4】実施形態に係る、WiMAXネットワークとGPRS/UMTSネットワークとの間における相互作用手順を示す概略図である。
【図5】実施形態に係る、WiMAXネットワークとGPRS/UMTSネットワークとの間における相互作用手順を示す概略図である。
【図6】実施形態に係る、WiMAXネットワークとGPRS/UMTSネットワークとの間における相互作用手順を示す概略図である。
【図7】実施形態に係る、WiMAXネットワークとGPRS/UMTSネットワークとの間における相互作用手順を示す概略図である。
【図8】実施形態に係る、MIPフェーズの手順を示す概略図である。
【図9】実施形態に係る、MIPフェーズの手順を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0003】
本明細書では、WiMAXネットワークと他のネットワークとの間でハンドオーバーを実行すると共に両者間で互いの動作に基づいて処理を進めるためのシステムおよび方法の例を記載する。以下の説明では、さまざまな実施形態を完全に理解していただくべく具体的且つ詳細な内容を数多く記載する。しかし、当業者におかれては、後述する具体的且つ詳細な内容を含むことなくさまざまな実施形態を実施し得るものと理解されたい。また、公知の方法、手順、構成要素、および回路は、具体的な実施形態の説明をあいまいにすることを避けるべく、詳細な図示または説明を省略している。
【0004】
一部の実施形態によると、WiMAXネットワークとGPRS/UMTSネットワークとの間でのハンドオフ処理を管理する方法が提供される。図1Aは、実施形態に係る、WiMAXネットワークにおけるデータ経路を示す概略図である。図1Aを参照しつつ説明すると、移動局(MS)、基地局(BS)、ソースアクセスサービスネットワークゲートウェイ(ASN−GW)、および、ゲートウェイGPRSサポートノード(GGSN)の間に、データ経路が存在する。GGSNは、HSSホームロケーションレジスタ(HSS/HLR)に結合されるとしてよい。
【0005】
図1Bは、実施形態に係る、WiMAXネットワークとGPRS/UMTSネットワークとの間におけるハンドオーバー手順を示す概略図である。図1Bを参照しつつ説明すると、MSは、ソースBSに対して、ハンドオーバーを開始したい旨を示すMOB_MSHO−REQを送る。このメッセージには、ターゲット無線ネットワークコントローラ(RNC)および/またはノードBの識別子が含まれるとしてよい。
【0006】
ソースBSは、MSに関してハンドオーバーをトリガすることに同意すると、ソースASN−GWに対して、このMSに関するハンドオーバーを示すHO要求を送る。ソースASN−GWは、HO要求を受け取った後、ターゲットサービングGPRSサポートノード(SGSN)に、フォワードリロケーション要求を送る。この要求は、ターゲットSGSNがこのMSに対してトランスポートベアラを構築する際に必要となる情報を含む。データの整合性を保証するべく、PDU情報が含まれるとしてよい。
【0007】
ターゲットSGSNは、ターゲットRNCに対して、ソースASN−GWから取得したコンテクストの一部または全てを含むリロケーション要求を送る。ターゲットSGSNおよびターゲットRNCで受け取ったコンテクストに応じて、アクセスリンクコントロールアプリケーションプロトコル(ALCAP)Iubデータトランスポートベアラが構築される。ターゲットRNCはその後、無線リンク設定要求をターゲットノードBに送り、無線リンクリソース割り当てに対して準備するように要求する。ターゲットノードBはその後、ターゲットRNCに対して、無線リンク設定応答で返答する。
【0008】
ターゲットRNCおよびターゲットノードBが受信したコンテクストに応じて、ALCAP Iubデータトランスポートベアラが、ターゲットRNCとノードBとの間に、設定される。ターゲットRNCは、ターゲットSGSNに対して、リロケーション要求肯定応答(Ack)を送る。ターゲットSGSNは、ソースASN−GWに対して、フォワードリロケーション応答を送る。ソースASN−GWは、ソースBSに対して、HO応答を送る。
【0009】
ソースBSにデータがバッファリングされていれば、ソースBSはデータをソースASN−GWへとフォワーディングし、ASN−GWは当該データをターゲットSGSNにフォワーディングし、そしてターゲットRNCにフォワーディングする。ソースASN−GWにデータがバッファリングされていれば、ASN−GWはデータを直接ターゲットSGSNにフォワーディングすることができ、その後ターゲットRNCにフォワーディングすることができる。ソースBSは、MOB_BSHO−RSPをMSへ送り、MSは、ソースBSに対して、当該MSが所望するハンドオーバー先であるターゲットRNCおよびノードBの識別子を含むMOB_HO−INDを送る。
【0010】
ソースBSはその後、ソースASN−GWに対して、ターゲットRNCおよびノードBの識別子を示すHO確認を送る。ソースASN−GWは、ターゲットSGSNに対して、SRNSコンテクストフォワーディングを送る。この手順は、ソースASNコンテクストをターゲットRNCに移送することと、サービングASNの役割をターゲットRNCへと移行させることとを目的としている。コンテクストには、アップリンク方向およびダウンリンク方向についての次のPDUシーケンス番号が含まれるとしてよい。サービングASN−GWは、GRE PDUシーケンス番号をGTP PDUシーケンス番号へとマッピングする。
【0011】
ソースASN−GWからコンテクストを受け取ると、MSが有効か否かを検証するべくセキュリティ機能が作動する。セキュリティ機能によってMSが正しく認証されない場合、ハンドオーバー手順は失敗となる。セキュリティ機能の実行が成功した後、ターゲットSGSNは、ソースASN−GWに対してSRNSコンテクストフォワーディング肯定応答で返答して、SRNSコンテクストの受け取りが完了し、MSが検証の結果有効となったことを確認する。
【0012】
ターゲットSGSNは、ターゲットRNCに、SRNSコンテクストフォワーディングを送る。ターゲットSGSNは、アップリンク方向およびダウンリンク方向のそれぞれについて、GTP PDUシーケンス番号をPDCP PDUシーケンス番号にマッピングするとしてよい。MSは、ターゲットノードBによって検出される。ターゲットノードBは、ターゲットRNCに対して、無線リンク復元指示を送る。ターゲットRNCは、ターゲットSGSNに対して、MSがターゲットRNCによって検出されたことを示すリロケーション検出を送る。
【0013】
MSは、自身の再設定が済むと、RRCメッセージ、例えば、物理チャネル再設定完了メッセージをターゲットSRNCへと送る。ターゲットSRNCが適切なRRCメッセージ、例えば、UTRANの場合は物理チャネル再設定完了メッセージあるいは無線ベアラリリース完了メッセージ、または、GERANの場合はUTRANへのハンドオーバー完了メッセージまたはハンドオーバー完了メッセージを受け取ると、つまり、MSとの間で無線プロトコルにより新しいSRNC−ID+S−RNTIの交換が成功すると、ターゲットSRNCは、新しいSGSNに対してリロケーション完了メッセージを送ることによって、リロケーション完了手順を開始する。リロケーション完了手順は、ターゲットSRNCが、CNへのSRNSのリロケーションの完了を示すことを目的とする。ターゲットSGSNは、ソースASN−GWに対して、フォワードリロケーション完了を送って、ターゲットネットワークでリロケーションが完了したことを知らせる。
【0014】
ソースASN−GWがソースBSにハンドオーバー完了を送ると、その後、ソースBSとASN−GWとの間のデータ経路の登録が取り消される。データ経路登録取り消し手順は、ソースBSまたはASN−GWによって開始することができる。ターゲットSGSNは、GGSNのPDPコンテクストを更新する。GGSNは、PDPコンテクストフィールドを更新して、PDPコンテクスト更新応答メッセージを返す。図1Cは、実施形態に係る、GPRS/UMTSネットワークにおけるデータ経路を示す概略図である。
【0015】
一部の実施形態に係るシステムは、ルーティングエリア(RA)更新手順を実装している。MSは、新しい3GPPネットワークにハンドオーバーすると、ターゲットSGSNに対してルーティングエリア更新要求を送って、ルーティングエリアの更新を要求する。ターゲットSGSNは、ルーティングエリア情報を更新するべく、HSS/HLRに対して、このMSの現在のルーティングエリア情報を含むロケーション更新を送る。HSS/HLRは、最新エリア情報がAAAサーバを指し示していることを認識するので、ロケーション削除をAAAサーバに送る。AAAサーバは、ロケーション削除を受け取った後、格納されているMSセッション情報を消去して、ロケーション削除肯定応答で返答する。
【0016】
HSS/HLRは、新しいSGSNに対して、加入者データ挿入を送って加入者関連データを通知し、SGSNは、加入者データ挿入肯定応答で返答する。HSS/HLRは、ロケーション更新に対して、ロケーション更新肯定応答で応答する。MSがモードIまたはクラスAであれば、SGSNはロケーション更新要求をMSC/VLRに送る。MSC/VLRは、ロケーション更新要求を受け取ると、HSS/HLRに対してロケーション更新を送ることができる。
【0017】
HSS/HLRは、加入者データ挿入を利用して、MSC/VLRに対して加入者データを送り、MSC/VLRは加入者データ挿入肯定応答で応答する。HSS/HLRは、MSC/VLRに加入者データを挿入した後、ロケーション更新肯定応答をMSC/VLRに送る。MSC/VLRは、ロケーション更新肯定応答を受け取った後、ロケーション更新承認をSGSNに送り、SGSNはルーティングエリア更新承認をMSに送る。MSは、ルーティングエリア更新承認を受信した後、ルーティングエリア更新完了でSGSNに対して応答する。
【0018】
図2は、実施形態に係る、WiMAXネットワークとGPRS/UMTSネットワークとの間におけるハンドオーバー手順を示す概略図である。図2を参照しつつ説明すると、ソースSRNCは、測定結果および既知のRANトポロジーに基づき、ハードハンドオーバーおよびSRNSリロケーション混合処理を開始することを決める。ソースRNCは、ソースSGSNに対して、リロケーションを要求するリロケーション要求(Relocation Required)を送る。ソースSGSNは、ターゲットIDに基づき、SRNSリロケーションが、SGSN内SRNSリロケーションであるか、SGSN間SRNSリロケーションであるかを判断する。SGSN間SRNSリロケーションの場合、ソースSGSNは、ターゲットASN−GWにフォワードリロケーション要求メッセージを送ることによって、リロケーションリソース割り当て手順を開始する。
【0019】
ターゲットASN−GWは、ハンドオーバー要求をターゲットBSに送って、BSがMSに対してアクセスを認めるか否かを問い合わせる。ターゲットBSは、ターゲットASN−GWに対して、ハンドオーバー応答で返答する。ターゲットASN−GWは、ソースSGSNに対して、ターゲットBSからのコンテクストを含むフォワードリロケーション応答を送る。ソースSGSNは、ソースRNCに対して、ターゲットBSがMSを承認し得ることを示すリロケーションコマンドを送る。
【0020】
データの整合性を保証するべく、ソースRNCはデータをソースSGSNにフォワーディングして、SGSNはデータをターゲットASN−GWにフォワーディングする。ソースRNCは、ハンドオーバーを示すRRCメッセージ(例えば、UTRANの場合は物理チャネル再設定、または、UTRANからのハンドオーバー、または、GERAN Iuモードの場合はハンドオーバーコマンド)をMSに送る。ソースRNCは、SRNSコンテクストフォワーディングをソースSGSNに送る。SRNSコンテクストは、関連するRAB毎に送られ、アップリンク方向およびダウンリンク方向に次に送信されるべきGTP PDUのシーケンス番号およびMSからデータを送受信するべく利用されたであろう次のPDCPシーケンス番号を含む。ソースSGSNは、ソースRNCから受信したコンテクストを含むSRNSコンテクストを、ターゲットASN−GWにフォワーディングする。
【0021】
ターゲットASN−GWは、ソースSGSNからSRNSコンテクストを受け取ると、SRNSコンテクストフォワーディング肯定応答で返答する。ターゲットASN−GWは、ターゲットBSに対して、MSがここにMSがハンドオーバーすることを示すHO確認を送る。ASN−GWとBSとの間のデータ経路は、HO確認の後に設定されるとしてよい。MSは、ターゲットBSにRNG−REQを送って、ネットワークへの参入を要求する。ターゲットBSは、AKコンテクストについて、ターゲットASN−GWに問い合わせる。ターゲットASN−GWは、MSについてAKコンテクストを供給できない、または、導き出せない場合、AAAサーバに連絡して、ルート鍵およびその寿命を取得し、AAAサーバがルート鍵を供給できない場合、HSS/HLRに連絡して鍵材料を取得するとしてよい。AAAサーバはアクセス承認をターゲットASN−GWに送り、ターゲットASN−GWは関連セキュリティコンテクストを導き出してAKコンテクストをターゲットBSに送る。
【0022】
ターゲットBSは、セキュリティコンテクストを取得して、検証の結果MSが有効であると判断した後、RNG−RSPをMSに送る。ここで、BSとASN−GWとの間のデータ経路を確立するとしてよい。BSは、ハンドオーバー完了をASN−GWに送る。ASN−GWはソースSGSNにフォワードリロケーション完了を送り、ソースSGSNはフォワードリロケーション完了肯定応答で応答する。SGSNはソースRNCに対してIuリリースコマンドを送ってIuインターフェースをリリースして、ソースRNCはその後Iuリリース完了で返答する。
【0023】
ASN−GWは、フォワードリロケーション完了肯定応答を受信した後、GGSNにPDPコンテクスト更新要求を送り、GGSNはMSについてPDPコンテクストを更新し、PDPコンテクスト更新応答で応答する。ロケーション更新手順には2種類あり、一方はAAAサーバを介して行う手順であり、他方はHSS/HLRに直接ロケーション更新を送る手順である。前者の手順によれば、ASN−GWはMAPを実装する必要がない。
【0024】
一部の実施形態に係るシステムは、ロケーション更新を実装しているとしてよい。例えば、ターゲットASN−GWは、AAAサーバを介して、HSS/HLRにロケーション更新を送る。HSS/HLRは、MSが新しいアクセスネットワークに入ったことを認識すると(これは、ASN−GWの識別子を読むことによって可能)、ロケーション削除をソースSGSNに送り、SGSNはこのMSについての関連セッションコンテクストを消去してロケーション削除肯定応答で返答する。HSS/HLRは、ロケーション削除肯定応答を受け取った後、新しいASN−GWに加入者データをAAAサーバを介して挿入する。これは、加入者データ挿入および加入者データ挿入肯定応答を利用することによって実行されるとしてよい。
【0025】
HSS/HLRは、新しいASN−GWに加入者データを挿入した後、AAAサーバを介してロケーション更新肯定応答で応答する。MSが3GPPネットワークにおいてモードIまたはクラスAであった場合、HSS/HLRは、MSC/VLRにロケーション削除を送り、MSC/VLRはMS関連セッションコンテクストを消去してロケーション削除肯定応答で返答する。
【0026】
ロケーション更新ルーチンの別の例では、ターゲットASN−GWがロケーション更新をHSS/HLRに送る。HSS/HLRは、MSが新しいアクセスネットワークに入ったことを認識すると(これは、ASN−GWの識別子を読むことによって可能)、ロケーション削除をソースSGSNに送り、SGSNはこのMSについての関連セッションコンテクストを消去してロケーション削除肯定応答で返答する。HSS/HLRは、ロケーション削除肯定応答を受信した後、新しいASN−GWに加入者データを挿入する。これは、加入者データ挿入および加入者データ挿入肯定応答を利用することによって実行されるとしてよい。HSS/HLRは、新しいASN−GWに加入者データを挿入した後、ロケーション更新肯定応答で応答する。
【0027】
MSが3GPPネットワークにおいてモードIまたはクラスAであった場合、HSS/HLRは、MSC/VLRにロケーション削除を送り、MSC/VLRはMS関連セッションコンテクストを消去してロケーション削除肯定応答で返答する。
【0028】
別の実装例に係るシステムでは、WiMAXネットワークと他のネットワークとの間で互いの動作に応じて処理を進めるための方法が提供される。図3から図7は、実施形態に係る、WiMAXネットワークとGPRS/UMTSネットワークとの間における相互作用手順を示す概略図である。
【0029】
図3を参照しつつ説明すると、まず、時間同期、電力同期、周波数同期等の同期を実現するべく、MSは無線インターフェースによってBSに接続される。MSとHSSとの間では、AAAクライアントを介して、ASN−GWおよびAAAサーバで、認証が行われる。ローミングの場合であれば、ビジタCSNにはAAAプロキシがあり、ホームCSNにはAAAサーバがある。認証が成功すれば、AAAサーバはビジタCSNに通知して、ビジタCSNはASNにMSが認証されたことを通知する。同時に、加入者情報がASNに送られる。DHCPメッセージおよびMIPメッセージを搬送するべく、最初のサービスフローがBSとASN−GWとの間に設けられて、DHCP手順およびMIP手順が実行される。
【0030】
ASN−GWにDHCPプロキシがあれば、DHCP手順はMSとASN−GWとの間で実行される。ASN−GWにDHCPエージェントがあれば、DHCP手順は、MS、ASN−GW、およびDHCPサーバの間で実行される。クライアントMIPv4の場合、MS、ASN−GW、およびPDN−GWの間でMIP手順が実行される。プロキシMIPv4の場合、ASN−GWとPDN−GWとの間でMIP手順が実行される。プロキシMIPv6の場合、ASN−GWとPDN−GWとの間でMIP手順が実行される。MIP登録が成功すると、ASN−GWとPDN−GWとの間にMIPトンネルが設けられる。MIP登録の後、MS、BS、ASN−GW、PDF、およびPCRFの間でプロビジョニング前のサービスフロー手順が実行される。ローミングの場合、ビジタCSNにV−PCRFがある。
【0031】
図4は、WiMAXネットワークとSAEネットワークとの間でハンドオフを行うための準備フェーズでの処理を示す概略図である。ハンドオーバーが実行される前に、アップリンクペイロードPDUおよびダウンリンクペイロードPDUは、MS、ソースBS、ソースASN−GW、およびPDN−GWの間で転送される。
【0032】
図4に示す実施形態によると、MSは、ソースBSに対して、ハンドオーバーを示すMOB_MSHQ−REQを送る。ターゲットeノードBの候補のリストが含まれる。ソースBSは、ソースASN−GWに対して、所望のハンドオーバー先であるターゲットeノードBの識別子のリストを含むハンドオーバー要求を送る。このメッセージには、MSの電力、周波数、時間、および機能に関する情報が含まれるとしてよい。ソースASN−GWは、各ターゲットeノードBのロケーションを問い合わせ、ターゲットMMEを見つけて、ハンドオーバー準備を示すフォワードリロケーション要求を各ターゲットMMEに送る。このメッセージには、MSの電力、周波数、時間、および機能に関する情報が含まれるとしてよい。
【0033】
ターゲットMMEはその後、ターゲットeノードBに対して、ハンドオーバー準備を示すリロケーション要求を送る。このメッセージには、MSの電力、周波数、時間、および機能に関する情報が含まれるとしてよい。ターゲットeノードBは、自身の機能と、MSの情報とを比較して、当該ターゲットeノードBにMSがハンドオーバー可能か否かを判断する。ターゲットeノードBは、MSの受け入れが可能であれば、ターゲットMMEに対して、周波数、時間、および機能に関する情報を含んだリロケーション要求肯定応答を送る。ターゲットMMEは、ソースASN−GWに、フォワードリロケーション応答を送る。ターゲットeノードBの周波数、時間、および機能に関する情報が含まれるとしてよい。ソースASN−GWは、各ターゲットeノードBからの応答をまとめて、ソースBSへハンドオーバー応答を送る。ターゲットeノードBの周波数、時間、および機能に関する情報が含まれるとしてよい。最後に、ソースBSは、判断して、MSに対して、候補であるeノードBの機能に関する情報を含めたeノードB候補リストを送る。
【0034】
図5は、実施形態に係るハンドオーバーフェーズを示す概略図である。図5を参照しつつ説明すると、MSは最初に、所望のハンドオーバー先であるターゲットeノードBを決定し、ソースBSに対して、ターゲットeノードBの識別子を含むMOB_HO−INDを送る。ソースBSは、ソースASN−GWに対して、ターゲットeノードBの識別子およびそれに関するMSコンテクストを含むハンドオーバー要求を送る。ソースASNとターゲットeノードBとの間でデータフォワーディングが実行されるとしてよい。
【0035】
ソースASN−GWは、ターゲットMMEに対して、MSコンテクストを含むSRNSコンテクストフォワーディングを送る。ターゲットMMEは、ターゲットeノードBに対して、MSコンテクストを含むSRNSコンテクストフォワーディングを送る。ターゲットeノードBは、SRNSコンテクストフォワーディング肯定応答で、ターゲットMMEに返答する。
【0036】
ターゲットMMEは、SRNSコンテクストフォワーディング肯定応答で、ソースASN−GWに返答する。MSは、ターゲットeノードBに接続される。
【0037】
ターゲットeノードBは、E−UTRANへのHO完了を受け取った後、ターゲットMMEにリロケーション完了を送る。ターゲットMMEは、ソースASN−GWにフォワードリロケーション完了を送り、ソースASN−GWは、フォワードリロケーション完了肯定応答メッセージで返答する。ソースASN−GWは、ソースBSにハンドオーバー完了を送る。BSとASN−GWとの間のデータ経路は登録が取り消され、MIPリリース手順が実行される。
【0038】
ターゲットMMEは、サービングSWに対して、ターゲットeノードBの識別子を含むベアラ更新要求を送り、サービングGWは、ベアラ更新要求をPDN−GWにフォワーディングする。PDN−GWは、サービングGWにベアラ更新応答で返答し、サービングGWはターゲットMMEにベアラ更新応答を送る。データベアラは、ターゲットeノードB、サービングGW、およびPDN−GWの間で設定される。アップリンクペイロードPDUおよびダウンリンクペイロードPDUは、MS、eノードB、サービングGW、およびPDN−GWの間で転送される。
【0039】
図6は、SAEネットワークとWiMAXネットワークとの間でハンドオフを行うための準備フェーズでの処理を示す概略図である。図6を参照しつつ説明すると、ソースeノードBは、MSがリロケーションを実行する必要があることを検出すると、ソースMMEに対して、ハンドオーバーを意味するロケーション要求(Relocation Required)を送る。このメッセージには、ターゲットBSの識別子が含まれる。MSおよびeノードBの機能、電力、周波数、および時間に関する情報が含まれるとしてもよい。ソースMMEは、BSのロケーションについて問い合わせ、ターゲットBSのロケーションを含むターゲットASN−GWに対して、フォワードリロケーション要求を送る。MSおよびeノードBの機能、電力、周波数、および時間に関する情報が含まれるとしてもよい。ターゲットASN−GWは、ターゲットBSにハンドオーバー要求を送る。MSおよびeノードBの機能、電力、周波数、および時間に関する情報が含まれるとしてもよい。ターゲットBSは、当該要求を処理して、ターゲットASN−GWに対してハンドオーバー応答で返答する。ターゲットASN−GWは、ターゲットBSに対して、フォワードリロケーション応答で返答する。
【0040】
図7は、SAEネットワークとWiMAXネットワークとの間でハンドオフを行うための実行フェーズの処理を示す概略図である。図7を参照しつつ説明すると、最初に、ソースMMEは、ソースeノードBに対して、ハンドオーバー実行フェーズが開始されたことを示すリロケーションコマンドを送る。ソースeノードBは、リロケーションコマンドを受信すると、ターゲットASN−GWに対してデータフォワーディングを開始するとしてよい。
【0041】
ソースeノードBは、MSに対して、ハンドオーバーを示している、E−UTRANからのHOコマンドを送る。このメッセージには、ターゲットBSの識別子が含まれている。ソースeノードBは、ソースMMEに対して、MSセッション情報を含むSRNSコンテクストフォワーディングを利用して、SRNSコンテクストフォワーディングを送る。このメッセージには、ターゲットBSの識別子が含まれている。
【0042】
ソースMMEは、ターゲットASN−GWにSRNSコンテクストフォワーディングを送る。このメッセージには、MSセッション情報が含まれているとしてもよい。このメッセージには、ターゲットBS識別子が含まれている。ターゲットASN−GWは、ターゲットBSにハンドオーバー確認を送る。このメッセージには、MSセッション情報が含まれているとしてよい。
【0043】
ターゲットBSは、ターゲットASN−GWに対してハンドオーバー確認の肯定応答で返答する。ターゲットASN−GWは、ソースMMEに対して、SRNSコンテクストフォワーディング肯定応答メッセージで返答する。ターゲットWiMAXネットワークではハンドオーバーが完了し、ASN−GWは、ソースMMEに対して、ターゲットネットワークにおいてハンドオーバーが完了した旨を示すフォワードリロケーション完了を送る。
【0044】
ハンドオーバー手順が終了し、イニシャル・サービス・フローが設定された後、MIPフェーズが開始される。図8を参照しつつ説明すると、MSは、MIPv4フォーリン・エージェント広告メッセージを受け取れない場合、ターゲットASN−GWに、MIPv4エージェント要請を送るとしてよい。続いて、ASN−GWのFAは、MSに対して、MIPv4フォーリン・エージェント広告を広告する。MSはその後、ASN−GWのFAに対して、MIPv4登録を開始するべくMIPv4登録要求を送り、FAは、PDN−GWに、MIPv4登録要求をフォワーディングする。
【0045】
PDN−GWは、AAAサーバまたはHLRによる認証を必要とする。認証が成功すれば、AAAサーバまたはHLRは、MSについてのPDN−GWアドレスレコードを更新するとしてよい。PDN−GWは、ASN−GWのFAに対して、MIPv4登録返答を送り、ASN―GWのFAは、MSに対して、MIPv4登録返答で返答する。
【0046】
一部の実施形態によると、MS、ASN−GW、およびPDN−GWの間にMIPトンネルが構築される。ハンドオーバー手順が終了し、イニシャル・サービス・フローが設定された後、MIPフェーズが開始される。図9を参照しつつ説明すると、最初に、ASN−GWのPMIPv6クライアントが、PDN−GWに対して、プロキシバインディング更新を送る。PDN−GWはその後、AAAサーバまたはHLRによる認証を必要とする。認証が成功すれば、AAAサーバまたはHLRは、MSについてのPDN−GWアドレスレコードを更新するとしてよい。最後に、PDN−GWは、ASN−GWに対して、プロキシバインディング肯定応答で返答する。
【0047】
「論理命令」は、本明細書で使用する場合、1以上の論理演算を行うべく1以上の機械が理解する式に関する用語である。例えば、論理命令は、1以上のデータオブジェクトに対して1以上の演算を実行するべくプロセッサのコンパイラが解釈可能な命令を含むとしてよい。しかし、これは機械可読命令の一例に過ぎず、実施形態はこれに限定されない。
【0048】
「コンピュータ可読媒体」は、本明細書で使用する場合、1以上の機械で検知可能な式を維持することが可能な媒体に関する用語である。例えば、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読命令またはコンピュータ可読データを格納する1以上のストレージデバイスを含むとしてよい。このようなストレージデバイスは、例えば、光学格納媒体、磁気格納媒体、または半導体格納媒体等の格納媒体を含むとしてよい。しかし、これはコンピュータ可読媒体の一例に過ぎず、実施形態はこれに限定されない。
【0049】
「ロジック」は、本明細書で使用する場合、1以上の論理演算を実行する構造に関する用語である。例えば、ロジックは、1以上の入力信号に基づき1以上の出力信号を供給する回路を備えるとしてよい。当該回路は、デジタル入力を受け取ってデジタル出力を供給する有限ステートマシンを有するとしてもよいし、または、1以上のアナログ入力信号に応じて1以上のアナログ出力信号を供給する回路を有するとしてもよい。当該回路は、特定用途向け集積回路(ASIC)またはフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)に設けられているとしてよい。また、ロジックは、機械可読命令を実行するための処理回路と共にメモリに格納されている当該機械可読命令を含むとしてよい。しかし、上記はロジックを供給する構造の一例に過ぎず、実施形態はこれに限定されない。
【0050】
本明細書に記載した方法のうち一部は、コンピュータ可読媒体に格納される論理命令として実施されるとしてよい。論理命令は、プロセッサで実行されると、本明細書に記載した方法を実装する特定用途向け機械として当該プロセッサをプログラミングする。当該プロセッサは、論理命令によって本明細書に記載した方法を実行するべく設定されると、本明細書に記載した方法を実行する構造を構成する。これに代えて、本明細書に記載した方法は、例えば、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)等に設けられたロジックとしてもよい。
【0051】
明細書および特許請求の範囲で、「結合」および「接続」という用語が使用される場合がある。特定の実施形態では、「接続」は、2つ以上の素子が物理的または電気的に互いに直接接触している様子を意味する用語として用いられるとしてよい。「結合」は、2つ以上の素子が、物理的または電気的に直接接触していることを意味するとしてよい。しかし、「結合」はさらに、2つ以上の素子が、互いに直接接触していないが、互いに協働または相互作用することを意味するとしてよい。
【0052】
明細書で「一実施形態」または「実施形態」と記載する場合、これらは、当該実施形態に関連付けて記載された特定の特徴、構造、または特性が、少なくとも1つの実施例に含まれることを意味している。「一実施形態」という記載は明細書中で繰り返し見られるが、全てが同じ実施形態を指し示しているとは限らない。
【0053】
構造の特徴および/または方法の処理に特有の用語を用いて実施形態を説明してきたが、請求対象の主題は記載した具体的な特徴または処理に限定されるものではないと理解されたい。具体的な特徴および処理は、請求対象の主題を実装する形態の例として開示されているものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
WiMAXネットワークとGPRS/UMTSネットワークとの間でのハンドオーバーを管理する方法であって、
移動局において、前記WiMAXネットワークから前記GPRS/UMTSネットワークへのハンドオーバーを開始するための要求を開始する段階と、
前記要求を基地局に送信する段階と、
前記要求をターゲット無線ネットワークコントローラ(RNC)へ送信する段階と、
アクセス・リンク・コントロール・アプリケーション・プロトコル・トランスポート・ベアラを構築する段階と、
前記ターゲット無線ネットワークコントローラ(RNC)から前記移動局へ肯定応答を送信する段階と、
前記移動局から前記ターゲット無線ネットワークコントローラ(RNC)へ確認を送信する段階と
を備える方法。
【請求項2】
前記要求をターゲット無線ネットワークコントローラへ送信する段階は、サービングGPRSサポートノードを介して前記要求を送信する段階を有する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
1以上のセキュリティ処理を実施する段階をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記移動局と前記ターゲット無線ネットワークコントローラとの間のデータ経路を更新する段階をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記移動局に対応付けられているロケーションパラメータを更新する段階をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記移動局に対応付けられている加入者データを更新する段階をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記移動局に対応付けられているデータ経路の登録を取り消す段階をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項8】
WiMAXネットワークとSAEネットワークとの間でのハンドオーバーを管理する方法であって、
移動局において、前記WiMAXネットワークから前記SAEネットワークへのハンドオーバーを開始するための要求を開始する段階と、
前記要求を基地局へ送信する段階と、
前記要求をターゲット無線ネットワークコントローラ(RNC)へ送信する段階と、
アクセス・リンク・コントロール・アプリケーション・プロトコル・トランスポート・ベアラを構築する段階と、
前記ターゲット無線ネットワークコントローラ(RNC)から前記移動局へ肯定応答を送信する段階と、
前記移動局から前記ターゲット無線ネットワークコントローラ(RNC)へ確認を送信する段階と
を備える方法。
【請求項9】
前記要求をターゲット無線ネットワークコントローラへ送信する段階は、サービングGPRSサポートノードを介して前記要求を送信する段階を有する請求項8に記載の方法。
【請求項10】
1以上のセキュリティ処理を実施する段階をさらに備える請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記移動局と前記ターゲット無線ネットワークコントローラとの間のデータ経路を更新する段階をさらに備える請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記移動局に対応付けられているロケーションパラメータを更新する段階をさらに備える請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記移動局に対応付けられている加入者データを更新する段階をさらに備える請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記移動局に対応付けられているデータ経路の登録を取り消す段階をさらに備える請求項8に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2011−517164(P2011−517164A)
【公表日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−550013(P2010−550013)
【出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【国際出願番号】PCT/CN2008/000631
【国際公開番号】WO2009/121201
【国際公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【出願人】(591003943)インテル・コーポレーション (1,101)
【Fターム(参考)】