説明

X線診断装置

【課題】透視画像収集操作手段による収集指示を受けて、透視画像を収集することにより、取得された透視画像を利用することが可能となるX線診断装置を提供する。
【解決手段】記憶手段、制御手段及び透視画像収集操作手段を有し、記憶手段は、被検体に照射され、被検体を透過したX線を基に取得された透視画像を取得後に利用可能に記憶し、制御手段は、透視画像の収集指示を受けて、透視画像を記憶手段に記憶させ、透視画像収集操作手段は収集指示を出力する。透視画像収集操作手段は、足操作により収集指示を出力するフットスイッチにより構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、被検体を透過したX線を基に透視画像を取得するX線診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、胸部・腹部大動脈瘤のEVAR治療(ステントグラフト(stent graft)内挿術)の例にあるように、カテーテルインターベーション(catheter intervention)と外科的処置を同時に行うことができる循環器X線システムがある。
【0003】
循環器X線システムのフットスイッチは、透視ペダル、撮影ペダルの2種類のペダルを基本とした構成で成り立っている(例えば、特許文献1)。透視ペダルは、カテ操作など画像の収集を必要としないX線照射に用いられ、撮影ペダルはステント留置など画像の収集を必要とするX線照射に用いられている。
【0004】
一般的に撮影は透視に比べて高線量のX線が用いられるが、最良の画質を収集したいという要望から術中で用いられることが多く、そのため被ばく線量が多くなる傾向にある。
【0005】
従来、X線撮影の記録には撮影画像を用いることがほとんどであったが、近年の被ばく低減の高まりからより線量の低い透視画像を記録することが求められるようになり、製品に実装されている。
【0006】
透視画像を記録するには、透視画像を単に取得するのではなく、収集すればよい。以下の説明において、透視画像の取得とは、X線透視において取得された透視画像を一時記憶手段に一時記憶することをいう。これに対し、透視画像の収集とは、X線透視において取得された透視画像をX線透視後に利用可能なように記憶部(たとえば、ハードディスク)に記憶することをいう。
【0007】
近年、透視画質の向上に伴い、透視画像を収集して残す機会が増えてきた。従来技術として、テーブルサイドコンソールに透視収集スイッチを設け、X線透視の事前、あるいは事後に有効にすることにより、所望の透視画像を収集することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−296177号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、テーブルサイドコンソールに設けられた従来の透視収集スイッチでは、フットスイッチのペダルとは別にワンアクションが必要となり、操作上のわずらわしさがあった。
【0010】
上記問題点に鑑みなされた一の実施形態では、透視画像収集操作手段による収集指示を受けて、透視画像を収集することにより、取得された透視画像を利用することが可能となるX線診断装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、実施形態に係るX線診断装置は、記憶手段、制御手段及び透視画像収集操作手段を有し、記憶手段は、被検体に照射され、被検体を透過したX線を基に取得された透視画像を取得後に利用可能に記憶し、制御手段は、透視画像の収集指示を受けて、透視画像を記憶手段に記憶させ、透視画像収集操作手段は収集指示を出力する。透視画像収集操作手段は、足操作により収集指示を出力するフットスイッチにより構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】一実施形態に係るX線診断装置の機能ブロック図である。
【図2A】各種ペダルの配置の一例を示す図である。
【図2B】図2AのIIB矢視図である。
【図3】透視画像を記憶させる制御の一連の動作を示すフローチャートである。
【図4】第1記憶制御の動作を示すフローチャートである。
【図5】第2記憶制御の動作を示すフローチャートである。
【図6】インターフェースを示す図である。
【図7】機能切替手段の動作を示すフローチャートである。
【図8】モード切替手段の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
このX線診断装置10の一実施形態について各図を参照して説明する。図1はX線診断装置の機能ブロック図、図2Aはフットスイッチ20において各種ペダルの配置の一例を示す図、図2Bは、図2AのIIB矢視図である。
【0014】
フットスイッチ20は、透視ペダル21、撮影ペダル22、第1透視収集ペダル23、及び第2透視収集ペダル24を有している。また、フットスイッチ20にはフック25が設けられている。
【0015】
透視ペダル21は、透視画像の取得指示を出力するための透視操作手段の一例である。画像取得手段11は、透視ペダル21によるX線透視の取得指示を受けて、X線管(図示省略)から被検体に対して低線量のX線を照射し、X線検出器(図示省略)により検出された被検体を透過したX線を基に透視画像を取得し、取得した透視画像を一時記憶手段12に一時的に記憶する。制御手段40は透視画像をモニタ32に表示させる。
【0016】
撮影ペダル22は、撮影画像の収集指示を出力するための操作手段である。画像取得手段11は、撮影ペダル22の撮影画像の収集指示を受けて、X線管から被検体に対して高線量のX線を照射し、X線検出器により検出された被検体を透過したX線を基に撮影画像を取得し、取得した撮影画像を利用可能に記憶手段44に記憶させる。
【0017】
第1透視収集ペダル23及び第2透視収集ペダル24は、透視画像収集操作手段の一例である。
【0018】
第1透視収集ペダル23は、透視画像を記憶手段44に記憶させる収集指示を出すための第1収集操作手段の一例である。なお、この実施形態では、第1透視収集ペダル23は、X線管(図示省略)から被検体に対して低線量のX線を照射し、X線検出器(図示省略)により検出された被検体を透過したX線を基に透視画像を取得し、X線透視により取得された透視画像を一時記憶手段12に一時的に記憶させる透視画像の取得指示を出するとともに、一時記憶手段12に一時記憶された透視画像を記憶手段44に記憶させる収集指示を出すものとする。
【0019】
第2透視収集ペダル24は、X線透視により一時記憶手段12に一時記憶された透視画像をX線透視開始後に記憶手段44に記憶させる収集指示を出すための第2収集操作手段の一例である。
【0020】
なお、透視画像を一時記憶手段12に一時記憶させることを「取得」といい、一時記憶させた透視画像を記憶手段44に記憶させることを「収集」という場合がある。また、透視画像を一時記憶手段12に一時記憶させるための取得指示情報(以下、単に取得指示と呼ぶ)と、一時記憶された透視画像を記憶手段44に記憶させるための収集指示情報(以下、単に収集指示と呼ぶ)とを含む情報であって、第1透視収集ペダル23の一つの操作により出力される情報を第1情報という。また、X線透視開始時に遡って透視画像の収集をするための収集指示情報であって、X線透視開始後に第2透視収集ペダル24により出力される情報を第2情報という。
【0021】
(記憶制御)
以上のように、第1透視収集ペダル23の一つの操作により第1情報が出力されとき、そのときから透視画像の取得及び収集が行われ、また、第2透視収集ペダル24により第2情報が出力されたとき、X線透視開始時に遡って透視画像の取得が行われる。
【0022】
次に、記憶制御の一連の動作について図1から図5を参照して説明する。
【0023】
図3は透視画像を記憶させる制御の一連の動作を示すフローチャートである。図3に示すように、制御手段40は、第1透視収集ペダル23により第1情報が出力されたか否かを判断する(ステップS101)。第1情報が出力されたことを制御手段40が判断した場合(ステップS101:Yes)、制御手段40が透視画像を一時記憶手段12に一時的に記憶させるとともに、記憶手段44に記憶させる第1記憶制御が行われる(ステップS102)。
【0024】
第1情報が出力されていないことを制御手段40が判断した場合(ステップS101:No)、さらに、透視ペダル21により透視画像の取得指示が出力されことを制御手段40が判断した場合(ステップS103:Yes)、制御手段40が透視画像を一時記憶手段12に一時的に記憶させる第2記憶制御が行われる(ステップS104)。
【0025】
(第1記憶制御)
次に、第1透視収集ペダル23により第1情報が出力された場合に行われる第1記憶制御の動作について、図4を参照して説明する。
【0026】
第1透視収集ペダル23により第1情報(透視画像の取得指示及び収集指示)が出力されると、画像取得手段11は、低線量のX線を被検体に照射し、X線検出器により検出された被検体を透過したX線を基に透視画像を取得する。制御手段40は、取得された透視画像を透視後に利用可能に記憶手段44に記憶させる。制御手段40は透視画像をモニタ32に表示させる。
【0027】
一つの第1透視収集ペダル23に透視画像の取得指示を出力する機能と、透視画像の取得指示を出力する機能の両方を盛り込むことにより、撮影画像の取得時に撮影ペダル22を操作するときと同様の操作感にて、透視画像の収集が可能となり、直感的な操作が可能となるとともに、低線量のX線透視により透視画像の取得をするので、高線量のX線撮影により撮影画像の取得をするときに比較して、患者の被ばく線量が低減する効果が得られる。
【0028】
第1記憶制御においては、第1透視収集ペダル23が踏まれてスイッチがON状態のときだけ透視画像の収集指示が出力される。これは、画像の収集指示をするときの信号こそ違うが、撮影ペダル22が踏まれてスイッチがON状態のときだけ撮影画像の収集指示が出力されるX線撮影時の制御と基本的に同じである。
【0029】
図4は第1記憶制御の動作を示すフローチャートである。図4に示すように、第1透視収集ペダル23により第1情報が出力されているか否かを制御手段40が判断する(ステップS201)。第1情報が出力されていることを制御手段40が判断した場合(ステップS201:Yes)、制御手段40が画像取得手段11を制御して、透視画像を一時記憶手段12に一時的に記憶させ、一時的に記憶させた透視画像を記憶手段44に記憶させることで、透視画像を収集する(ステップS202)。その後、第1記憶制御を終了する。
【0030】
第1情報が出力されていないことを制御手段40が判断した場合(ステップS201:No)、第1記憶制御を終了する。
【0031】
X線透視開示時から透視画像を収集するために、第1透視収集ペダル23により第1情報(透視画像の取得指示及び収集指示)が出力された場合の第1記憶制御においては、透視画像は一時記憶手段12に一時記憶されるとともに、記憶手段44に記憶される。透視ペダル21による透視画像の収集指示を受けて次回のX線透視が開始されるとき、新たな透視画像を一時記憶手段12に上書きすることにより、一時的に記憶されていた前回の透視画像が消去されるが、記憶手段44に記憶された前回の透視画像は消去されず、利用可能となる。第1透視収集ペダル23の一つの操作により、撮影ペダルを踏むことと同様の操作感にて透視画像の収集が可能となり、直感的な操作が可能となるとともに、患者の被ばく線量が低減する効果が得られる。
【0032】
(第2記憶制御)
次に、X線透視開始時は透視画像の収集をせずに、透視画像の取得のみをするために、透視ペダル21により透視画像の取得指示が出力された場合に行われる第2記憶制御の動作について、図5を参照して説明する。
【0033】
透視ペダル21により透視画像の取得指示を受けて、画像取得手段11は、低線量のX線を被検体に照射し、X線検出器により検出された被検体を透過したX線を基に透視画像を取得する。制御手段40は、取得した透視画像を一時記憶手段12に一時的に記憶させるとともに、透視画像をモニタ32に表示させる。
【0034】
図5は第2記憶制御の動作を示すフローチャートである。図5に示すように、第2記憶制御においては、制御手段40は、第2透視収集ペダル24による第2情報(透視画像の収集指示)が出力されているか否かを判断する(ステップS301)。
【0035】
第2情報が出力されたことを制御手段40が判断した場合(ステップS301:Yes)、制御手段40は、一時記憶手段12に一時的に記憶された透視画像を記憶手段44に記憶させることで、透視画像を収集する(ステップS302)。その後、第2記憶制御を終了する。
【0036】
第2情報が出力されないことを制御手段40が判断した場合(ステップS301:No)、第2記憶制御を終了する。
【0037】
したがって、第2記憶制御においては、第2透視収集ペダル24による第2情報(透視画像の収集指示)が出力されるか否かを条件として、第2情報が出力された場合、一時記憶手段12に一時的に記憶された透視画像を記憶手段44に記憶させ、透視画像を収集する。つまり、第1透視収集ペダル23を踏み忘れ、第1透視収集ペダル23による透視画像の収集指示を出力することなく、透視画像の取得を開始した後であっても、第2透視収集ペダル24を操作することにより、X線透視開始時に遡って透視画像を収集することが可能となる。
【0038】
以上のようにして、フットスイッチ20に、透視ペダル21、撮影ペダル22、第1透視収集ペダル23、及び、第2透視収集ペダル24を設けることにより、撮影画像または透視画像を様々な態様で収集することが可能となり、操作性を高めることができる。操作性をさらに高めるために、ペダルの機能を切り替えたり、ペダル操作の有効性を選択したりしても良い。
【0039】
(機能切替手段)
次に、ペダルの機能を切り替えるための機能切替手段41について図1、図6及び図7を参照して説明する。
【0040】
図1に示すように、インターフェース30は、マウス等のポインティングデバイスを含む入力部31、モニタ32、及び、モニタ32にペダル設定画面33を表示させる表示制御手段34有する。
【0041】
図6はインターフェース30を示す図である。図6に示すように、表示制御手段34は、透視ペダル21、撮影ペダル22、第1透視収集ペダル23、及び、第2透視収集ペダル24を含む各種ペダルを示す図柄A1〜A4、及び、それらのペダルの配置位置を示す図柄B1〜B4をペダル設定画面33に表示させる。
【0042】
入力部31による、例えば、第1透視収集ペダル23の図柄A3の指定を受けて、機能切替手段41は、図柄A3が選択されたと判断する。入力部31によるドラッグアンドドロップの操作で、図柄A3を図柄B2に移動させることにより、図柄B2が指定されたことを受けて、機能切替手段41は、図柄B2が選択されたと判断する。それにより、機能切替手段41は、図柄B2に示された位置に配置されるペダルに第1透視収集ペダル23の機能を割り当てる。
【0043】
また、入力部31による、例えば、第1透視収集ペダル23の図柄A3の指定を受けて、機能切替手段41は、図柄A3が選択されたと判断する。入力部31を用いたドラッグアンドドロップの操作で、図柄A3が図柄B3に移動することにより、位置の図柄B3が指定されたことを受けて、機能切替手段41は、図柄B3が選択されたと判断する。それにより、機能切替手段41は、図柄B3に示された位置に配置されるペダルに第1透視収集ペダル23の機能を割り当てる。
【0044】
さらに、入力部31による、例えば、撮影ペダル22の図柄A2の指定を受けて、機能切替手段41は、図柄A2が選択されたと判断する。入力部31を用いたドラッグアンドドロップの操作で、図柄A2を図柄B2に移動させることにより、図柄B2が指定されたことを受けて、機能切替手段41は、図柄B2が選択されたと判断する。それにより、機能切替手段41は、図柄B2に示された位置に配置されたペダルに撮影ペダル22の機能を割り当てる。以上のように、入力部31による指定を受けて、図柄B2に示された位置から図柄B3に示された位置に切り替え配置されたペダルに、第1透視収集ペダル23の機能を割り当てることが可能となる。また、図柄B2に示す位置に配置されたペダルに撮影ペダル22の機能を割り当てることが可能となる。
【0045】
(機能切替手段の動作)
次に、機能切替手段41の動作について図7を参照して説明する。図7は機能切替手段41の動作を示すフローチャートである。
【0046】
先ず、機能切替手段41は、ペダル設定画面33上の各種ペダルの図柄A1〜A4のいずれかが選択されたか否かを判断する(ステップS401)。入力部31の操作によるペダルの図柄の指定を受けて、機能切替手段41がペダルの図柄が選択されたと判断した場合(ステップS401:Yes)。次に、機能切替手段41が位置を示す図柄B1〜B4のいずれかが選択されたか否かを判断する(ステップS402)。機能切替手段41がペダルの図柄が選択されたと判断しない場合(ステップS401:No)、機能切替手段41がペダルの機能切替の終了の指示があったかどうかを判断する(ステップS404)に移行する。
【0047】
入力部31を用いたドラッグアンドドロップ操作で、位置を示す図柄が指定されたことを受けて、機能切替手段41が位置を示す図柄が選択されたと判断した場合(ステップS402:Yes)、機能切替手段41は、その指定された位置のペダルに選択された図柄のペダルの機能を割り当てる(ステップS403)。次に、機能切替手段41がペダルの機能切替の終了の指示があったかどうかを判断する(ステップS404)。また、機能切替手段41が位置を示す図柄が選択されたと判断しない場合((ステップS402:No)、機能切替手段41がペダルの機能切替の終了の指示があったかどうかを判断する(ステップS404)。
【0048】
機能切替手段41がペダルの機能切替の終了の指示があったと判断した場合(ステップS404:Yes)、ペダルの機能切替を終了する。ペダルの機能切替の終了の指示があったと判断しない場合(ステップS404:No)、各種ペダルの図柄A1〜A4のいずれかが選択されたか否かを判断する(ステップS401)に戻る。
【0049】
以上の入力部31の操作により、選択された位置に配置されるペダルに、選択されたペダルの機能を割り当てることが可能となる。このように、ペダルの機能は自由に切替可能であり、例えば撮影ペダルと透視収集ペダルを相互の操作性を損なうことなく、その機能を切り替えることが可能となる。
【0050】
(モード切替手段)
次に、ペダル操作の有効性を選択するためのモード切替手段42について図6及び図8を参照して説明する。
【0051】
図6に示すように、表示制御手段34は、ON/OFFを示す図柄Cをペダル設定画面33に表示させる。入力部31を用いたドラッグアンドドロップの操作で、図柄Cがペダル設定画面33上の図柄B1に移動することにより、図柄B1が指定されたことを受けて、モード切替手段42は、図柄B1で示す位置に配置されたペダルの機構を有効(オンモード)から無効(オフモード)に、または、オフからオンに切り替える。オンモードでは、ペダルを操作するとその指示が制御手段40に送られる。オフモードでは、ペダルを操作しても、その指示が制御手段40に送られない。
【0052】
(モード切替手段の動作)
モード切替手段42の動作の一例について図8を参照して説明する。図8はモード切替手段42の動作を示すフローチャートである。
【0053】
先ず、モード切替手段42は、ペダル設定画面33上の図柄Cが指定されたか否かを判断する(ステップS501)。
【0054】
入力部31による図柄Cの指定を受けて、モード切替手段42は、図柄Cが指定されたと判断した場合(ステップS501:Yes)、モード切替手段42は、位置を示す図柄B1〜B4のいずれかが指定されたか否かを判断する(ステップS502)。図柄Cが指定されたとモード切替手段42が判断しない場合(ステップS501:No)、モード切替手段42は、モード切替の終了の指示があったかどうかを判断する(ステップS504)に移行する。
【0055】
入力部31を用いたドラッグアンドドロップ操作で、図柄Cがペダル設定画面33上を移動し、位置を示す図柄B1〜B4が指定されたことを受けて、図柄B1〜B4のいずれかが指定されたとモード切替手段42が判断した場合(ステップS502:Yes)、モード切替手段42は、その位置に配置されたペダルの機能を有効から無効、または、無効から有効に切り替える(ステップS503)。次に、モード切替手段42は、モード切替の終了の指示があったかどうかを判断する(ステップS504)。モード切替の終了の指示があったとモード切替手段42が判断した場合(ステップS504:Yes)、モード切替を終了する。モード切替の終了の指示があったと判断しない場合(ステップS504:No)、図柄Cが指定されたか否かをモード切替手段42が判断する(ステップS501)に戻る。
【0056】
(フック)
次に、フットスイッチ20に設けられるフック25について図2A及び図2Bを参照して説明する。なお、以下の説明では、図2Aに示す透視ペダル21を左側のペダルと称し、撮影ペダル22を中央のペダルと称し、第1透視収集ペダルを右側のペダルと称する。
【0057】
フック25は、フットスイッチ20を持ち運ぶときに用いられるとともに、ペダルの位置を確認するときに用いられる。
【0058】
フック25は、金属材又は樹脂材により略円弧状に湾曲した棒状に形成されている。フック25の中央部26は中央のペダルの上方領域を横断するように設けられている。フック25の左側部27は左側のペダル上方領域の一部に斜めに進入するように設けられている。フック25の右側部28は右側のペダル上方領域の一部に斜めに進入するように設けられている。
【0059】
なお、フック25の左側部27は左側のペダルの上方領域の境に沿うように設けられてもよい。同様に、フック25の右側部28は右側のペダル上方領域の境に沿うように設けられてもよい。
【0060】
このようなフック25が設けられることにより、次のようにペダルの操作をすることが可能となる。なお、以下の説明では、操作者は右足でペダルを操作し、操作者の右足のつま先が図2Aの紙面上で上方を向いていると想定する。
【0061】
操作者のつま先がフック25に当たるとき、足は中央のペダルの上方にある。その位置から足を下ろすことで、中央のペダルを操作することが可能となる。また、つま先の右側(小指側)又は足の外側がフック25に当たるとき、足は左側のペダルの上方にある。その位置から足を下ろすことで、左側のペダルを操作することが可能となる。さらに、つま先の左側(親指側)又は足の内側がフック25に当たるとき、足は右側のペダルの上方にある。その位置から足を下ろすことで、右側のペダルを操作することが可能となる。
【0062】
以上のように、操作者は、フック25に足のどの部分が当たるかによって、足がどのペダルの上方位置にあるかを認識することが可能となる。それにより、操作者は、ペダルを見ずに、ペダルの位置を確認して、ペダルを操作することが可能となる。
【0063】
上記実施形態では、透視画像の取得指示及び収集指示を出力する機能を有する第1透視収集ペダル23を示したが、透視画像の収集後に、収集された透視画像を消去するための消去指示を出力する機能を第1透視収集ペダル23にもたせてもよく、消去指示を出力する機能を第1透視収集ペダル23とは別のスイッチにもたせてもよい。
【0064】
また、実施形態では、透視画像の取得指示及び収集指示を出力する機能を有する第1透視収集ペダル23と、透視ペダル21の操作により透視画像の取得を開始した後であっても、透視画像の収集指示を出力する機能を有する第2透視収集ペダル24を別体で示したが、一つのペダルで両方の機能を切り替えるように構成しても良い。
【0065】
また、実施形態において、透視ペダル21による透視画像の取得指示を受けて、画像取得手段11により一時記憶手段12に一時的に記憶された透視画像は、透視ペダル21による透視画像の収集指示を受けて次回のX線透視が開始されるとき、新たな透視画像を一時記憶手段12に上書きすることにより、一時記憶手段12に一時的に記憶された前回の透視画像が消去されることとした。しかし、一時記憶手段12の記憶領域を複数に区分けし、各回に取得された透視画像を一時記憶手段12の各記憶領域にそれぞれ記憶させて、上書きしないようにし、予め定められた期限が到来するまで、各回に取得された透視画像を一時記憶手段12の各記憶領域に残すようにしてもよい。そして、第2透視収集ペダル24(または、それとは別の収集スイッチ)の透視画像の収集指示を受けて、各記憶領域に一時的に記憶された透視画像を制御手段40が記憶手段44に記憶させるようにしてもよい。
【0066】
例えば、次のようにする。透視ペダル21による透視画像の取得開始または取得終了の指示を受けてからの経過時間を計測するタイマ43を設け、制御手段40は、タイマ43による計測結果を受けて、経過時間が予め定められた期限(透視ペダル21による透視画像の取得開始または透視画像の取得終了の指示を受けた後から例えば、8時間、一日、一週間、一か月)を超えたと判断した場合に、画像取得手段11に一時的に記録された透視画像を削除させればよい。また、予め定められた期限が到来するまでに、第2透視収集ペダル24等の透視画像の収集指示を受けて、各記憶領域に一時的に記憶された透視画像を制御手段40が記憶手段44に記憶させる。
【0067】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、書き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるととともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0068】
10 X線診断装置 11 画像取得手段 12 一時記憶手段
20 フットスイッチ 21 透視ペダル 22 撮影ペダル
23 第1透視収集ペダル 24 第2透視収集ペダル
30 インターフェース 31 入力部 32 モニタ 33 ペダル設定画面
34 表示制御手段 40 制御手段 41 機能切替手段
42 モード切替手段 43 タイマ 44 記憶手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体に照射され、前記被検体を透過したX線を基に取得された透視画像を当該取得後に利用可能に記憶する記憶手段と、
透視画像の収集指示を受けて、前記透視画像を前記記憶手段に記憶させる制御手段と、
前記収集指示を出力するための透視画像収集操作手段と、
を有し、
前記透視画像収集操作手段は、足操作により前記収集指示を出力するフットスイッチにより構成されていることを特徴とするX線診断装置。
【請求項2】
前記透視画像収集操作手段は、一つの操作により、前記透視画像の収集指示を前記制御手段に出力するための第1収集操作手段を有することを特徴とする請求項1に記載のX線診断装置。
【請求項3】
前記取得された前記透視画像を一時的に記憶する一時記憶手段をさらに有し、
前記制御手段は、透視画像の収集指示を受けて、前記一時的に記憶された前記透視画像を前記記憶手段に記憶させ、
前記透視画像収集操作手段は、前記透視画像の前記収集指示を前記制御手段に出力するための第2収集操作手段を有することを特徴とする請求項1に記載のX線診断装置。
【請求項4】
前記取得された前記透視画像を一時的に記憶する一時記憶手段をさらに有し、
前記制御手段は、透視画像の取得指示を受けて、前記透視画像を前記一時記憶手段に一時的に記憶させ、
さらに前記制御手段は、透視画像の収集指示を受けて、前記一時的に記憶された前記透視画像を前記記憶手段に記憶させ、
前記透視画像の取得指示を出力するための透視操作手段をさらに有し、
前記透視画像収集操作手段は、前記透視画像の前記収集指示を前記制御手段に出力するための第2収集操作手段を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のX線診断装置。
【請求項5】
前記透視操作手段は足操作により前記指示を前記制御手段に出力するように構成され、
前記フットスイッチは、前記第1収集操作手段及び前記第2収集操作手段を有し、さらに、前記透視操作手段を有することを特徴とする請求項4に記載のX線診断装置。
【請求項6】
前記フットスイッチには複数のペダルが設けられ、
各前記ペダルに対し、前記第1収集操作手段、前記第2収集操作手段、及び、前記透視操作手段が有する各機能を切り替える可能に割り当てる機能切替手段をさらに有することを特徴とする請求項5に記載のX線診断装置。
【請求項7】
前記第1収集操作手段及び/または前記第2収集操作手段が有する機能を有効から無効に、また、無効から有効に切り替えるモード切替手段をさらに有することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載のX線診断装置。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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