説明

X線高電圧装置及びこれを用いたX線CT装置

【課題】 共振回路構成を備えたX線高電圧装置であって、このX線高電圧装置の構成要素の一つである高電圧変圧器において、その一次巻線の両端にかかる最大電圧値が同じになるように、共振回路を構成することで対称な耐圧設計を可能とし、これにより安定した動作と信頼性の高いX線高電圧装置と、さらにこのX線高電圧装置を用いたX線CT装置を提供する。
【解決手段】 直流電源と、直流電源から出力される直流電力を交流電圧に変換するインバータ回路と、交流電圧を昇圧する高電圧変圧器と、昇圧した交流電圧を直流高電圧に変換して、X線管に直流高電圧を供給する整流器と、を備えたX線高電圧装置であって、高電圧変圧器に備えられた一次巻線の両入力端子部にそれぞれ直列に挿入したキャパシタを用いて、インバータ回路の出力端子部と高電圧変圧器に備えられた一次巻線の両入力端子部とを接続し共振回路構成を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、共振回路を含むX線高電圧装置及びこれを用いたX線装置及びX線CT装置に関し、特に共振回路の回路構成に関する。
【背景技術】
【0002】
高周波で駆動されるインバータ回路では、インバータ回路の負荷に共振回路を形成することで負荷インピーダンスを下げ、共振周波数とインバータ周波数を近づけることで力率を改善する電力変換方式であり、これを応用したX線高電圧装置は広く一般的である。
【0003】
X線高電圧装置は、前記インバータ回路の他、直流電源、高電圧変圧器、整流器とから構成され、X線高電圧装置により生成された電力はX線管に供給される。X線管はX線高電圧装置により供給された電力を基にX線を発生する。
【0004】
またこの場合、一次巻線と二次巻線とを有する前記高電圧変圧器は、大きな漏れインダクタンスと二次巻線浮遊容量を有し、これらが共振回路の要素となる。この為、X線高電圧装置は任意の共振周波数を得るため、高電圧変圧器の一次巻線の一方と、インバータ回路の出力との間に直列にキャパシタを挿入する方式が一般的である(特許文献1)。
【0005】
また、X線高電圧装置では高い安全性や信頼性を得るため、様々な箇所に保護回路や保護素子を有している。回路には主回路成分だけでなく、避けられないインダクタ成分やキャパシタ成分が含まれ、これらによりサージ電圧や突入電流が発生することがある。更にX線管の耐電圧性能が低下すると、X線管で放電現象が頻繁に発生し、X線高電圧装置内部に装置の破壊を招く突入電流が発生することがある。このような現象から装置を保護する機能の一つとしてサージアブソーバがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002-65657号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
図1は従来のX線高電圧装置にサージアブソーバZNR101、102を接続した図である。サージアブソーバZNR101、102はそれぞれ高電圧変圧器102の入力部に発生するサージ電圧から装置を保護する役割を担っている。
【0008】
しかしこの場合、インバータ回路101から出力される出力端子の一方はキャパシタC101を介して高電圧変圧器102の一次巻線の一端の入力端子に接続され、またインバータ回路101から出力される出力端子の他方は、直接、高電圧変圧器102の一次巻線の他端の入力端子に接続されるため、接地点から見た一次巻線の両入力端子にかかる最大電圧値は非対称となる。そのため、2つのサージアブソーバZNR101、102にかかる最大電圧値もそれぞれで異なり、それぞれにおいて適正な定格のサージアブソーバを選定し非対称な耐圧設計を講じる必要がある。
【0009】
また、サージアブソーバを付加しない場合であっても、一次巻線の両入力端子にかかる最大電圧値は非対称であるため、両入力端子に対し他の構造物や部品との絶縁耐量や沿面距離等を考慮した非対称な耐圧設計を講じる必要がある。両入力端子にかかる最大電圧値のうち大きい値に合わせて対称に設計を行った場合は一方が必要以上のマージンをもって設計されていることになり、装置の小型化に対し十分な設計とはいえない。
【0010】
上記のような非対称な耐圧設計は、回路設計の困難性が増し、引いては回路の安定動作に対し、問題を生じる可能性が増すという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
直流電源と、直流電源から出力される直流電力を交流電圧に変換するインバータ回路と、交流電圧を昇圧する高電圧変圧器と、昇圧した交流電圧を直流高電圧に変換して、X線管に直流高電圧を供給する整流器と、を備えたX線高電圧装置であって、高電圧変圧器に備えられた一次巻線の両入力端子部にそれぞれ直列に挿入したキャパシタを用いて、インバータ回路の出力端子部と高電圧変圧器に備えられた一次巻線の両入力端子部とを接続し共振回路構成を形成する。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、安定した動作と信頼性の高いX線高電圧装置及びこれを用いたX線CT装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】従来例を説明するためのX線高電圧装置の構成図
【図2】実施例1を説明するためのX線高電圧装置の構成図
【図3】図2に示すインバータ回路202と高電圧変圧器203の詳細説明図
【図4】実施例2を説明するためのX線高電圧装置の構成図
【図5】実施例3を説明するためのX線高電圧装置の構成図
【図6】実施例2を説明するためのX線CT装置の構成図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面に従って本発明のX線高電圧装置及びこれを用いたX線CT装置の好ましい実施形態について詳説する。なお、発明の実施形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
【実施例1】
【0015】
本発明の実施例について図2、3を用いて説明する。図2は、本発明のX線高電圧装置の構成図である。図3は、図2に示すインバータ回路202と高電圧変圧器203の詳細説明図である。
【0016】
図2に示すように、X線高電圧装置は直流電源201と、インバータ回路202と、高電圧変圧器203と、整流器204と、キャパシタC201、C202と、変圧器入力サージ電圧保護回路206と、を備えて構成される。また、該X線高電圧装置の出力端にはX線管205が接続される。
【0017】
直流電源201は、インバータ回路202に接続され直流電力を供給する。インバータ回路202は、供給された直流電力を高周波交流電圧に変換し、出力端子部からキャパシタC201及びC202を介して接続される高電圧変圧器203に高周波交流電圧を供給する。高電圧変圧器203は、供給された高周波交流電圧を高周波高電圧に昇圧し、高電圧変圧器203の出力段に接続される整流器204に高周波高電圧を供給する。整流器204は、供給された高周波高電圧を直流高電圧に変換し、整流器204の出力段に接続されるX線管205に直流高電圧を供給する。高電圧変圧器203の入力端子に生じるサージ電圧や突入電流による故障を防止する変圧器入力サージ電圧保護回路206は、本実施例ではサージアブソーバZNR201、ZNR202により構成される。
【0018】
サージアブソーバZNR201、ZNR202の一方の電極は、キャパシタC201、C202と接続される高電圧変圧器203の入力端子部にそれぞれ接続される。また、サージアブソーバZNR201、ZNR202の他方の電極は共にGNDに接地される。次に、図3を用いてインバータ回路202、高電圧変圧器203、及びサージアブソーバZNR201、ZNR202が接続される高電圧変圧器203の入力端子部について詳説する。
【0019】
インバータ回路202は、スイッチング素子S301〜S304により構成されている。
スイッチング素子S301〜S304は、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)で構成され、他にもMOS-FET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)等が該スイッチング素子として使用することができる。高電圧変圧器203は、一次巻線L301と二次巻線L302を有して構成される。一次巻線L301の両入力端子部をそれぞれA箇所、B箇所とする。このA箇所、B箇所はサージアブソーバZNR201、ZNR202がGNDを接地点としてそれぞれ接続している箇所である。(サージアブソーバZNR201、ZNR202については図示を省略している。)また、インバータ回路202は、キャパシタC201、C202と、高電圧変圧器203の一次巻線L301、及び高電圧変圧器203に含まれる漏れインダクタンスや二次巻線浮遊容量等を負荷とし共振回路を形成している。この共振周波数に近い周波数でインバータ回路202を駆動することで大きな出力が得られる回路となっている。
【0020】
次に、動作について説明する。
スイッチング素子S301、S304が導通(以下ON)し、スイッチング素子S303、S302が開放(以下OFF)した場合、直流電源201から電流はスイッチング素子S301から順に、キャパシタC201、一次巻線L301、キャパシタC202、スイッチング素子S304を通り直流電源201へ戻る。また、反対にスイッチング素子S301、S304がOFFで、スイッチング素子S303、S302がONの場合、直流電源201から電流はスイッチング素子S303から順に、キャパシタC202、一次巻線L301、キャパシタC201、スイッチング素子S302を通り直流電源201へ戻る。インバータ回路202は上記2つの状態を繰り返し、反復動作を行う。この際、一次巻線L301の両入力端子部にそれぞれキャパシタC201、C202を挿入したことで、A箇所、B箇所にかかる最大電圧値は共に同じ値となり、高電圧変圧器203の両入力端子部に対し対称な耐圧設計を行うことができ、さらに両入力端子部に接続されるサージアブソーバZNR201、ZNR202に対しても対称な耐圧設計を行うことができる。
【0021】
以上説明した様に本実施例のX線高電圧装置によれば、共振回路を備えたX線高電圧装置において、インバータ回路202の出力部から高電圧変圧器203の入力部に接続される2つの接続ラインに対し、それぞれ直列にキャパシタC201、キャパシタC202、を挿入することで、高電圧変圧器203の両入力端子部及び、そこに接続される変圧器入力サージ電圧保護回路206の耐圧設定が容易となり、信頼性の高い安定した回路動作を実施することが可能なX線高電圧装置を提供することができる。
【0022】
また、変圧器入力サージ電圧保護回路206を備えない場合であっても、高電圧変圧器203の両入力端子部の耐圧に対する設計が容易となり、上記と同様の効果を奏することは言うまでもない。
【実施例2】
【0023】
本発明の実施例2について、図4と図6を用いて説明する。実施例1と共通部分については一部説明を省略する。
【0024】
図6は、本発明のX線CT装置の構成図である。
図4は、図6に示すX線CT装置に用いるX線高電圧装置の構成図である。
図6に示すX線CT装置は、スキャンガントリ部601と操作卓602とを備える。スキャンガントリ部601は、X線管603と、回転円盤604と、コリメータ605と、X線検出器606と、データ収集装置607と、寝台608と、ガントリ制御装置609と、寝台制御装置610と、X線高電圧装置611と、を備えている。
【0025】
X線管603は寝台608上に載置された被検体にX線を照射する装置である。コリメータ605はX線管603から照射されるX線の放射範囲を制限する装置である。回転円盤604は、寝台608上に載置された被検体が入る開口部612を備えるとともに、X線管603とX線検出器606を搭載し、被検体の周囲を回転するものである。X線検出器606は、X線管603と対向配置され被検体を透過したX線を検出することにより透過X線の空間的な分布を計測する装置であり、多数のX線検出素子を回転円盤604の回転方向に配列したもの、若しくは回転円盤604の回転方向と回転軸方向との2次元に配列したものである。データ収集装置607は、X線検出器606で検出されたX線量をデジタルデータとして収集する装置である。ガントリ制御装置609は回転円盤604の回転を制御する装置である。寝台制御装置610は、寝台608の上下前後動を制御する装置である。X線高電圧装置611は、X線管603に電力を供給する装置であり、詳細については図4に示すX線高電圧装置の構成図を用いて後述する。操作卓602は、入力装置612と、画像演算装置613と、表示装置614と、記憶装置615と、システム制御装置616と、を備えている。
【0026】
入力装置612は、被検体氏名、検査日時、撮影条件などを入力するための装置である。画像演算装置613は、データ収集装置607から送出される計測データを演算処理してCT画像再構成を行う装置である。表示装置614は、画像演算装置613で作成されたCT画像を表示する装置である。
【0027】
記憶装置615は、データ収集装置607で収集したデータ及び画像演算装置613で作成されたCT画像の画像データを記憶する装置である。システム制御装置616は、これらの装置及びガントリ制御装置609と寝台制御装置610とX線高電圧装置611を制御する装置である。入力装置612から入力された撮影条件、特にX線管電圧やX線管電流などに基づきX線高電圧装置611がX線管603に入力される電力を制御することにより、X線管603は撮影条件に応じたX線を被検体に照射する。
【0028】
X線検出器606は、X線管603から照射され被検体を透過したX線を多数のX線検出素子で検出し、透過X線の分布を計測する。回転円盤604はガントリ制御装置609により制御され、入力装置612から入力された撮影条件、特に回転速度などに基づいて回転する。寝台608は寝台制御装置610によって制御され、入力装置612から入力された撮影条件、特にらせんピッチなどに基づいて動作する。X線管603からのX線照射とX線検出器606による透過X線分布の計測が回転円盤604の回転とともに繰り返されることにより、様々な角度からの投影データが取得される。取得された様々な角度からの投影データは画像演算装置613に送信される。画像演算装置613は送信された様々な角度からの投影データを逆投影処理することによりCT画像を再構成する。再構成して得られたCT画像は表示装置614に表示される。
【0029】
次に本実施例のX線CT装置に用いるX線高電圧装置611について図4を用いて説明する。
図4に示すX線高電圧装置は、直流電源201と、インバータ回路202と、高電圧変圧器403と、整流器404と、キャパシタC401、C402と、変圧器入力サージ電圧保護回路406と、非接触給電装置407と、を備えて構成される。また、該X線高電圧装置の出力端にはX線管603が接続される。
【0030】
実施例1で説明した図1のX線高電圧装置と異なる点は、キャパシタC401、C402に加え非接触給電装置407を介してインバータ回路202から出力される電力を高電圧変圧器403へ供給するところである。非接触給電装置407は1対1で形成された互いに非接触の一次巻線L401と二次巻線L402とから構成され、一次巻線L401はスキャンガントリ部601側に、二次巻線L402は回転円盤604側にそれぞれ設置される。これにより回転円盤604が回転動作を行った場合でも一次巻線L401側で発生した電力を二次巻線L402側に伝送することができる。一次巻線L401の両入力端子部はキャパシタC401、C402に、二次巻線L402の両出力端子部は高電圧変圧器403の一次巻線(特に図示しない)の両入力端子部にそれぞれ接続される。
【0031】
変圧器入力サージ電圧保護回路406はサージアブソーバZNR401、ZNR402により構成され、サージアブソーバZNR401、ZNR402の一方の電極は、非接触給電装置407の二次巻線L402と接続される高電圧変圧器403の両入力端子部にそれぞれ接続される。該接続箇所をそれぞれC箇所、D箇所とする。サージアブソーバZNR401、ZNR402の他方の電極は共にGNDに接地される。また、インバータ回路202は、キャパシタC401、C402と、非接触給電装置407の一次巻線L401、二次巻線L402及び高電圧変圧器403の一次巻線と、それら非接触給電装置407、高電圧変圧器403に含まれる漏れインダクタンス等を負荷として共振回路を形成している。この共振周波数に近い周波数でインバータ回路202を駆動することで大きな出力が得られることは実施例1で示したX線高電圧装置と同様である。
【0032】
動作説明については、非接触給電装置407により電力を伝達すること以外は実施例1で示したX線高電圧装置と同様であるため省略する。
【0033】
本実施例のようにX線CT装置に用いる非接触給電装置407を備えたX線高電圧装置において、非接触給電装置407の一次巻線L401の両入力端子部にそれぞれキャパシタC401、C402を備えることで、C箇所、D箇所にかかる最大電圧値は共に同じ値となり、高電圧変圧器403の両入力端子部に対し対称な耐圧設計を行うことができ、さらに、両入力端子部に接続されるサージアブソーバZNR401、ZNR402に対しても対称な耐圧設計を行うことができる。
以上説明した様に本実施例のX線CT装置によれば、インバータ回路202の出力部から非接触給電装置407の一次巻線L401の両入力端子部に接続される2つの接続ラインに対し、それぞれ直列にキャパシタC401、キャパシタC402、を挿入することで高電圧変圧器403の両入力端子部及び、そこに接続される変圧器入力サージ電圧保護回路406の耐圧設定が容易となるX線高電圧装置を用いることにより、信頼性の高い安定した回路動作を実施することが可能なX線CT装置を提供することができる。
【0034】
また、変圧器入力サージ電圧保護回路406を備えない場合であっても高電圧変圧器403の両入力端子部の耐圧に対する設計が容易となり、上記と同様の効果を奏することは言うまでもない。
【実施例3】
【0035】
本発明の実施例3について、図5を用いて説明する。実施例2と共通部分については一部説明を省略する。
【0036】
図5に示すX線高電圧装置は、実施例2で示したX線CT装置に用いるX線高電圧装置の別の実施例である。
【0037】
図5に示すX線高電圧装置は、インバータ回路202の出力部から非接触給電装置407の一次巻線L401の両入力端子部に接続される2つの接続ラインと、非接触給電装置407の二次巻線L402の両出力端子部から高電圧変圧器403の両入力端子部に接続される2つの接続ラインに対し、それぞれ分割してキャパシタC501〜C504を直列に挿入し接続している。このように分割してキャパシタC501〜C504を挿入することで実施例3に示したキャパシタC401、C402に対し、1個当たりのキャパシタの定格を低減することができる。
【0038】
以上説明した様に本実施例のX線高電圧装置によれば、インバータ回路202、非接触給電装置407間、非接触給電装置407、高電圧変圧器403間にそれぞれ分割して直列にキャパシタC501〜C504を挿入することで個々のキャパシタの定格低減及び外形寸法の小型化ができるので、狭小レイアウトを求められるような部品配置や汎用品の選択等を考慮して、実施例2で示したX線高電圧装置の他、本実施例のX線高電圧装置をX線CT装置のX線高電圧装置として選択することが可能となる。回転円盤604による遠心力の低減をより重視した場合は、回転円盤604の軽量化が望まれる。このような場合は実施例2のX線高電圧装置を用いることで本実施例のX線高電圧装置に対し、より回転円盤604部の軽量化を実施することができる。状況に応じて最良の形態を選択することが可能である。
【0039】
また、変圧器入力サージ電圧保護回路406を備えない場合であっても高電圧変圧器403の両入力端子部の耐圧に対する設計が容易となり、上記と同様の効果を奏することは言うまでもない。
【符号の説明】
【0040】
101 インバータ回路、102 高電圧変圧器、201 直流電源、202 インバータ回路、203 高電圧変圧器、204 整流器、205 X線管、206 変圧器入力サージ電圧保護回路、403 高電圧変圧器、404 整流器、406 変圧器入力サージ電圧保護回路、407 非接触給電装置、601 スキャンガントリ部、602 操作卓、603 X線管、604 回転円盤 、605 コリメータ、606 X線検出器、607 データ収集装置、608 寝台、609 ガントリ制御装置、610 寝台制御装置、611 X線高電圧装置、612 開口部、613 画像演算装置、614 表示装置、615 記憶装置、616 システム制御装置、C101、C201、C202、C401、C402、C501〜C504 キャパシタ、ZNR101、102、ZNR201、202、ZNR401、402 サージアブソーバ、S301〜S304 スイッチング素子、L301 高電圧変圧器203の一次巻線 L302 高電圧変圧器203の二次巻線、L401 非接触給電装置407の一次巻線 L402 非接触給電装置407の二次巻線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流電源と、前記直流電源から出力される直流電力を交流電圧に変換するインバータ回路と、前記交流電圧を昇圧する高電圧変圧器と、前記昇圧した交流電圧を直流高電圧に変換し、X線管に該直流高電圧を供給する整流器と、を備えたX線高電圧装置において、
前記高電圧変圧器に備えられた一次巻線の両入力端子部にそれぞれ直列に挿入したキャパシタを用いて、前記インバータ回路の出力端子部と前記高電圧変圧器に備えられた一次巻線の両入力端子部と、を接続した共振回路構成を備えることを特徴とするX線高電圧装置。
【請求項2】
前記高電圧変圧器の一次巻線の両入力端子部と基準電位間に、変圧器入力サージ電圧保護回路を備えることを特徴とする請求項1に記載のX線高電圧装置。
【請求項3】
サージアブソーバを用いて構成される前記変圧器入力サージ電圧保護回路を備えることを特徴とする請求項2に記載のX線高電圧装置。
【請求項4】
直流電源と、前記直流電源から出力される直流電力を交流電圧に変換するインバータ回路と、前記交流電圧を伝送する一次巻線と二次巻線とからなる非接触給電装置と、前記伝送した交流電圧を昇圧する高電圧変圧器と、前記昇圧した交流電圧を直流高電圧に変換し、X線管に前記直流高電圧を供給する整流器と、を備えたX線CT装置において、
前記非接触給電装置に備えられた一次巻線の両入力端子部にそれぞれ直列に挿入したキャパシタを用いて、前記インバータ回路の出力端子部と前記非接触給電装置に備えられた一次巻線の両入力端子部と、を接続し、前記高電圧変圧器に備えられた一次巻線と共に共振回路構成を備えることを特徴とするX線CT装置。
【請求項5】
前記高電圧変圧器に備えられた一次巻線の両入力端子部にそれぞれ直列に挿入したキャパシタを用いて、前記非接触給電装置の二次巻線の両出力端子部と、前記高電圧変圧器に備えられた一次巻線の両入力端子部と、を接続した共振回路構成を備えることを特徴とする請求項4に記載のX線CT装置。
【請求項6】
前記高電圧変圧器の一次巻線の両入力端子部と基準電位間に、変圧器入力サージ電圧保護回路を備えることを特徴とする請求項4又は5に記載のX線CT装置。
【請求項7】
サージアブソーバを用いて構成される前記変圧器入力サージ電圧保護回路を備えることを特徴とする請求項6に記載のX線CT装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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