説明

X線CT装置

【課題】被検体の身長情報、または年齢情報及び身長情報から被検体の体軸方向の撮影長さ、またはFOVを適切に設定するX線CT装置を提供する。
【解決手段】あらかじめ蓄積されたスキャンプロトコル毎の被検体情報と、被検体の体軸方向の撮影長さとの相関を持たせたデータと、撮影を行う被検体情報から、被検体の体軸方向の撮影長さを適切に設定するX線CT装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、X線CT装置に関し、特に被検体の情報、またはスキャノグラム画像から、被検体の体軸方向の撮影長さ、またはFOVを適切に設定する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
X線CT装置により被検体の部位を撮影する際、スキャノグラム画像の幾何学的特徴量から被検体の部位を自動認識し、あらかじめ登録されたスキャンプロトコルの中から、その被検体の部位に適したスキャンプロトコルを選択、または調整する方法があった(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-12229号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では被検体の部位に適したスキャンプロトコルを設定する際、スキャノグラム画像の幾何学的特徴量を用いているため、その幾何学的特徴量を、スキャノグラム画像から抽出するための高度な画像処理技術が必要とされていた。
そこで本発明の目的は、被検体の部位に適したスキャンプロトコル毎の撮影長さ、またはFOVを比較的簡易な方法で設定することが可能なX線CT装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、被検体にX線を照射するX線源と、前記X線源に対向配置され前記被検体を透過したX線を検出するX線検出器と、前記X線源と前記X線検出器を搭載し前記被検体の周囲を回転する回転円盤と、前記X線検出器により検出された透過X線量に基づき被検体の断層画像を再構成する画像再構成装置と、前記画像再構成装置により再構成された断層画像を表示する表示装置と、を備えたX線CT装置であって、
画像再構成装置内部に持たせた、あらかじめ蓄積されたスキャンプロトコル毎の被検体の身長情報または身長情報及び年齢情報と、被検体の体軸方向の撮影長さとの相関データと、撮影を行う被検体の身長情報または身長情報及び年齢情報から、被検体の体軸方向の撮影長さを設定する。
【0006】
あるいは、被検体のスキャノグラム画像を解析し被検体の楕円モデル、または減弱データを生成する手段と
前記楕円モデル、または前記減弱データから被検体の撮影箇所の断面が収まるようにFOVを設定する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、被検体の部位に適したスキャンプロトコル毎の被検体の体軸方向の撮影長さ、またはFOVを、比較的簡易な方法で設定し撮影することが可能なX線CT装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施例に係るX線CT装置を示す全体構成図。
【図2】(a)スキャンプロトコル毎の被検体の身長情報と、被検体の体軸方向の撮影長さとの相関データであって、図1または図4内の記憶装置123内部のデータ構成を示す一例。(b)スキャンプロトコル毎の被検体の年齢情報及び身長情報と、被検体の体軸方向の撮影長さとの相関データであって、図1または図4内の記憶装置123内部のデータ構成を示す一例。
【図3】実施例1の画像再構成処理を示すフローチャート。
【図4】実施例3に係るX線CT装置を示すブロック図。
【図5】実施例6を説明するための図。
【図6】実施例7を説明するための図。
【図7】実施例6の画像再構成処理を示すフローチャート。
【図8】実施例7の画像再構成処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明を適用してなるX線CT装置について図を用いて説明する。図1は本発明を適用したX線CT装置の全体構成図である。X線CT装置1はスキャンガントリ部100と操作卓120とを備える。
【0010】
スキャンガントリ部100は、X線管101と、回転円盤102と、コリメータ103と、X線検出器106と、データ収集装置107と、寝台105と、ガントリ制御装置108と、寝台制御装置109と、X線制御装置110と、を備えている。
【0011】
X線管101は寝台105上に載置された被検体にX線を照射する装置である。コリメータ103はX線管101から照射されるX線の放射範囲を制限する装置である。回転円盤102は、寝台105上に載置された被検体が入る開口部104を備えるとともに、X線管101とX線検出器106を搭載し、被検体の周囲を回転するものである。X線検出器106は、X線管101と対向配置され被検体を透過したX線を検出することにより透過X線の空間的な分布を計測する装置であり、多数のX線検出素子を回転円盤102の回転方向に配列したもの、若しくは回転円盤102の回転方向と回転軸方向との2次元に配列したものである。データ収集装置107は、X線検出器106で検出されたX線量をデジタルデータとして収集する装置である。ガントリ制御装置108は回転円盤102の回転を制御する装置である。寝台制御装置109は、寝台105の上下前後動を制御する装置である。X線制御装置110はX線管101に入力される電力を制御する装置である。
【0012】
操作卓120は、入力装置121と、画像演算装置122と、表示装置125と、記憶装置123と、システム制御装置124とを備えている。入力装置121は、被検体氏名、検査日時、撮影条件などを入力するための装置であり、具体的にはキーボードやポインティングデバイスである。画像演算装置122は、データ収集装置107から送出される計測データを演算処理してCT画像再構成を行う装置である。表示装置125は、画像演算装置122で作成されたCT画像を表示する装置であり、具体的にはCRT(Cathode-Ray Tube)や液晶ディスプレイ等である。
【0013】
記憶装置123は、データ収集装置107で収集したデータ、画像演算装置122で作成されたCT画像の画像データ及びスキャンプロトコル毎の被検体情報と被検体の体軸方向の撮影長さとの相関を持たせた製品出荷時にあらかじめ蓄積させたデータ(以下「蓄積データ」という。)を記憶する装置であり、具体的にはHDD(Hard Disk Drive)等である。システム制御装置124は、これらの装置及びガントリ制御装置108と寝台制御装置109とX線制御装置110を制御する装置である。
【0014】
入力装置121から入力された撮影条件、特にX線管電圧やX線管電流などに基づきX線制御装置110がX線管101に入力される電力を制御することにより、X線管101は撮影条件に応じたX線を被検体に照射する。X線検出器106は、X線管101から照射され被検体を透過したX線を多数のX線検出素子で検出し、透過X線の分布を計測する。回転円盤102はガントリ制御装置108により制御され、入力装置121から入力された撮影条件、特に回転速度などに基づいて回転する。寝台105は寝台制御装置109によって制御され、入力装置121から入力された撮影条件、特にらせんピッチなどに基づいて動作する。
【0015】
X線管101からのX線照射とX線検出器106による透過X線分布の計測が回転円盤102の回転とともに繰り返されることにより、様々な角度からの投影データが取得される。取得された様々な角度からの投影データは画像演算装置122に送信される。画像演算装置122は送信された様々な角度からの投影データを逆投影処理することによりCT画像を再構成する。再構成して得られたCT画像は表示装置125に表示される。
【実施例1】
【0016】
次に、本発明の実施例1について図1及び図2(a)を用いて説明する。
図2(a)はスキャンプロトコル毎の被検体の身長情報と、被検体の体軸方向の撮影長さとの相関データであり、記憶装置123内にある蓄積データの一例である。
【0017】
本実施例のX線CT装置は、入力装置121から入力された撮影を行う被検体の身長情報と、記憶装置123内の蓄積データであるスキャンプロトコル毎の被検体の身長情報と、被検体の体軸方向の撮影長さとの相関データ図2(a)に基づいて、被検体の部位に適したスキャンプロトコル毎に、被検体の体軸方向の撮影長さを設定する。
【0018】
例えば、撮影を行う被検体の身長が153(cm)の場合、操作者は入力装置121から身長情報として153(cm)を入力する。また、スキャンプロトコルとして、スキャンプロトコルA1を選択するとする。この場合に、スキャンプロトコル毎の被検体の身長情報と、被検体の体軸方向の撮影長さとの相関データ図2(a)の蓄積データに基づいて、被検体の身長が150(cm)から155(cm)以内であるので、被検体の体軸方向の撮影長さは5(cm)と設定される。
【0019】
また、このときスキャンプロトコルとして、スキャンプロトコルA1ではなくスキャンプロトコルB1を選択した場合は、被検体の体軸方向の撮影長さは3(cm)と設定される。
【0020】
次に、本実施例の動作を図3のフローチャートに基づいて説明する。
まず、ステップS301では、操作者は撮影を行う被検体の身長情報を入力装置121及び表示装置125を用いて入力する。次に、ステップS302では、ステップS301で入力された被検体の身長情報が記憶装置123に保存される。次に、ステップS303では、記憶装置123に保存された撮影を行う被検体の身長情報と、スキャンプロトコル毎の被検体の身長情報と、被検体の体軸方向の撮影長さとの相関データ図2(a)の蓄積データに基づいて、システム制御装置124が撮影を行う被検体の体軸方向の撮影長さを求め記憶装置123に設定する。
【0021】
次に、ステップS304では、システム制御装置124は、記憶装置123内に設定した撮影条件を基に、X線制御装置110、寝台制御装置109及びガントリ制御装置108を制御して被検体の撮影を開始し、データ収集装置107から計測データの収集を行い、記憶装置123に計測データを格納する。次に、ステップS305では、画像演算装置122が、記憶装置123から必要なデータを用いて画像再構成処理を行う。次に、ステップS306では、画像再構成処理の結果を表示装置125に表示する。
【0022】
以上説明した様に、本実施例のX線CT装置によれば、撮影を行う被検体の身長情報に基づいて、比較的簡易に被検体の部位に適したスキャンプロトコル毎に被検体の体軸方向の撮影長さが自動的に設定され、該設定に基づいて撮影をすることができる。
【実施例2】
【0023】
次に、本発明の実施例2について図1及び図2(b)を用いて説明する。
図2(b)はスキャンプロトコル毎の被検体の年齢情報及び身長情報と、被検体の体軸方向の撮影長さとの相関データであり、記憶装置123内にある蓄積データの一例である。
実施例1と共通部分については一部説明を省略する。
【0024】
本実施例のX線CT装置は、入力装置121から入力された撮影を行う被検体の年齢情報及び身長情報と、記憶装置123内の蓄積データであるスキャンプロトコル毎の被検体の年齢情報及び身長情報と被検体の体軸方向の撮影長さとの相関データ図2(b)に基づいて、被検体の部位に適したスキャンプロトコル毎に被検体の体軸方向の撮影長さを設定する。
【0025】
例えば、撮影を行う被検体の年齢が15(歳)で身長が154(cm)の場合、操作者は入力装置121から年齢情報及び身長情報として15(歳)、154(cm)を入力する。また、スキャンプロトコルとして、スキャンプロトコルA2を選択するとする。この場合に、スキャンプロトコル毎の被検体の年齢情報及び身長情報と被検体の体軸方向の撮影長さとの相関データ図2(b)の蓄積データに基づいて、被検体の年齢が13(歳)から15(歳)以内で、かつ身長が150(cm)から155(cm)以内であるので、被検体の体軸方向の撮影長さは5(cm)と設定される。また、このときスキャンプロトコルとして、スキャンプロトコルA1ではなくスキャンプロトコルB1を選択した場合は、被検体の体軸方向の撮影長さは4(cm)と設定される。
【0026】
本実施例の動作について、図3のフローチャートで実施例1と異なる所を説明する。
まず、ステップS301では、操作者は撮影を行う被検体の年齢情報及び身長情報を入力装置121及び表示装置125を用いて入力する。次に、ステップS302では、ステップS301で入力された被検体の年齢情報及び身長情報が記憶装置123に保存される。次に、ステップS303では、記憶装置123に保存された撮影を行う被検体の年齢情報及び身長情報と、スキャンプロトコル毎の被検体の年齢情報及び身長情報と、被検体の体軸方向の撮影長さとの相関データ図2(a)の蓄積データに基づいて、システム制御装置124が撮影を行う被検体の体軸方向の撮影長さを求め記憶装置123に設定する。
【0027】
以上説明した様に、本実施例のX線CT装置によれば、撮影を行う被検体の年齢情報及び身長情報に基づいて、比較的簡易に被検体の部位に適したスキャンプロトコル毎に被検体の体軸方向の撮影長さが自動的に設定され、該設定に基づいて撮影をすることができる。
【実施例3】
【0028】
本発明を適用してなるX線CT装置について、図4及び図2(a)に基づいて説明する。
図4は、本実施例に係るX線CT装置を示すブロック図である。
実施例1と共通部分については一部説明を省略する。
【0029】
本X線CT装置は、HISまたはRIS401からネットワーク402を経由して撮影を行う被検体の身長情報を取得し、取得した被検体の身長情報と、記憶装置123内の蓄積データであるスキャンプロトコル毎の被検体の身長情報と、被検体の体軸方向の撮影長さとの相関データ図2(a)に基づいて、被検体の部位に適したスキャンプロトコル毎に被検体の体軸方向の撮影長さを設定する。
【0030】
HIS(Hospital Information System)とは病院情報システムの略で、被検体の基本情報などが登録されている。RIS(Radiology Information System)とは放射線情報システムの略で、主に放射線科に関連する被検体の基本情報などが登録されている。
【0031】
本実施例の動作について、図3のフローチャートで実施例1と異なる所を説明する。
ステップS301では、操作者は撮影を行う被検体の名前等を入力装置121及び表示装置125を用いて入力し、入力された被検体情報に基づいて、HISまたはRIS401からネットワーク402を経由して撮影を行う被検体の身長情報を取得する。
【0032】
以上説明した様に、本実施例のX線CT装置によれば、HISまたはRIS401から取得した撮影を行う被検体の身長情報に基づいて、比較的簡易に被検体の部位に適したスキャンプロトコル毎に被検体の体軸方向の撮影長さが自動的に設定され、該設定に基づいて撮影をすることができる。
【実施例4】
【0033】
次に、本発明の実施例4について図4及び図2(b)を用いて説明する。
図2(b)はスキャンプロトコル毎の被検体の年齢情報及び身長情報と、被検体の体軸方向の撮影長さとの相関データであり、記憶装置123内にある蓄積データの一例である。
実施例3と共通部分については一部説明を省略する。
【0034】
本X線CT装置は、HISまたはRIS401からネットワーク402を経由して撮影を行う被検体の年齢情報及び身長情報を取得する。取得した被検体の年齢情報及び身長情報と、記憶装置123内の蓄積データであるスキャンプロトコル毎の被検体の年齢情報及び身長情報と、被検体の体軸方向の撮影長さとの相関データ図2(b)に基づいて、被検体の部位に適したスキャンプロトコル毎に、被検体の体軸方向の撮影長さを設定する。
【0035】
本実施例の動作について、図3のフローチャートで実施例2と異なる所を説明する。
ステップS301では、操作者は撮影を行う被検体の名前等を入力装置121及び表示装置125を用いて入力し、入力された被検体情報に基づいて、HISまたはRIS401からネットワーク402を経由して撮影を行う被検体の年齢情報及び身長情報を取得する。
【0036】
以上説明した様に、本実施例のX線CT装置によれば、HISまたはRIS401から取得した撮影を行う被検体の年齢情報及び身長情報に基づいて、比較的簡易に被検体の部位に適したスキャンプロトコル毎に被検体の体軸方向の撮影長さが自動的に設定され、該設定に基づいて撮影をすることができる。
【実施例5】
【0037】
実施例1から実施例4において、設定した被検体の体軸方向の撮影長さに対し、操作者は微調整を行うことが可能であり、最終的に撮影を行ったときの被検体の身長情報、または年齢情報及び身長情報と、被検体の体軸方向の撮影長さとの相関データを記憶装置123内の蓄積データあるいはHISまたはRIS401に保存し蓄積する。
蓄積した前記相関データを用いることで、さらに精度の高い撮影長さの設定が可能となる。
【実施例6】
【0038】
本発明を適用してなるX線CT装置について、図1及び図5に基づいて説明する。
図5は、本実施例を説明するための図である。
実施例1と共通部分については一部説明を省略する。
【0039】
本X線CT装置は、撮影を行う被検体のスキャノグラム画像501を取得し、取得したスキャノグラム画像501から楕円モデルデータ502を生成する。さらに、生成した楕円モデルデータ502から、楕円モデルデータ502上の撮影予定位置の楕円形をした断面において、長軸の長さ以上となるように撮影範囲のFOV504を設定する。
【0040】
次に、本実施例の動作を図7のフローチャートに基づいて説明する。
図3と共通部分については一部説明を省略する。
まず、ステップS701では、操作者は撮影を行う被検体のスキャノグラム画像501を撮影する。スキャノグラム画像501は、X線管101及びX線検出器106を回転させることなく、被検体の側面方向からX線管101を用いてX線を照射し、X線検出器106により検出した検出データから取得する。次に、ステップS702では、画像演算装置122が前記検出データの解析処理を行う。次に、ステップS703では、前記解析処理の結果から、画像演算装置122が被検体の楕円モデルデータ502を生成する。次に、ステップS704では、システム制御装置124が、楕円モデルデータ502から、被検体がすべて納まるように撮影範囲のFOV504を記憶装置123に設定する。
【0041】
以上説明した様に、本実施例のX線CT装置によれば、撮影を行う被検体のスキャノグラム画像501に基づいて、比較的簡易に被検体の撮影範囲のFOV504が自動的に設定され、該設定に基づいて撮影をすることができる。
【実施例7】
【0042】
本発明を適用してなるX線CT装置について、図1及び図6に基づいて説明する。
図6は、本実施例を説明するための図である。
実施例6と共通部分については一部説明を省略する。
本X線CT装置は、撮影を行う被検体の側面からのスキャノグラム画像601を取得し、取得したスキャノグラム画像601から撮影予定位置の減弱データ602を生成し、生成した減弱データ602から、撮影予定位置の最大減弱データ603を得て、さらに、最大減弱データ603を2倍にした値を、スキャノグラム画像601上の奥行き方向の被検体長さとして算出する。算出した被検体の長さ以上となるように、撮影範囲のFOVを設定する。
【0043】
次に、本実施例の動作を図8のフローチャートに基づいて説明する。
図3及び図7と共通部分については一部説明を省略する。
ステップS803では、ステップS702で得た解析処理の結果から、画像演算装置122が被検体の減弱データ602を生成し、撮影予定位置の最大減弱データ603を得る。次に、ステップS804では、システム制御装置124が、撮影予定位置の最大減弱データ603から、被検体がすべて納まるように撮影範囲のFOVを記憶装置123に設定する。
【0044】
以上説明した様に、本実施例のX線CT装置によれば、撮影を行う被検体の撮影予定位置の最大減弱データ603に基づいて、比較的簡易に被検体の撮影範囲のFOVが自動的に設定され、該設定に基づいて撮影をすることができる。
【0045】
以上、本発明の実施例を述べたが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0046】
1 X線CT装置、100 スキャンガントリ部、101 X線管、102 回転円盤、103 コリメータ、104 開口部、105 寝台、106 X線検出器、107 データ収集装置、108 ガントリ制御装置、109 寝台制御装置、110 X線制御装置、120 操作卓、121 入力装置、122 画像演算装置、123 記憶装置、124 システム制御装置、125 表示装置、401 HIS/RIS、402 ネットワーク、501 スキャノグラム画像、502 撮影予定位置の楕円モデルデータ、503 撮影箇所を示すライン、504 撮影範囲のFOV、601 スキャノグラム画像、602 撮影予定位置の減弱データ、603 撮影予定位置の最大減弱データ、604 撮影箇所を示すライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体にX線を照射するX線管と、X線管と対向配置され被検体を透過したX線を検出するX線検出器と、X線検出器で検出したX線をデジタルデータとして収集するデータ収集装置と、データ収集装置から送出される計測データを演算処理してCT画像再構成を行う画像演算装置と、被検体の情報を入力するための入力装置と、あらかじめ蓄積されたスキャンプロトコル毎の被検体の身長情報と、被検体の体軸方向の撮影長さとの相関データを保存する記憶装置を有するX線CT装置であって、ユーザーが前記入力装置より入力した被検体の身長情報と、前記あらかじめ蓄積されたスキャンプロトコル毎の被検体の身長情報と、被検体の体軸方向の撮影長さとの相関を持たせたデータから、被検体の部位に適したスキャンプロトコル毎の被検体の体軸方向の撮影長さを設定し、撮影する手段を持つことを特徴としたX線CT装置。
【請求項2】
被検体にX線を照射するX線管と、X線管と対向配置され被検体を透過したX線を検出するX線検出器と、X線検出器で検出したX線をデジタルデータとして収集するデータ収集装置と、データ収集装置から送出される計測データを演算処理してCT画像再構成を行う画像演算装置と、被検体の情報を入力するための入力装置と、あらかじめ蓄積されたスキャンプロトコル毎の被検体の年齢情報及び身長情報と、被検体の体軸方向の撮影長さとの相関データを保存する記憶装置を有するX線CT装置であって、ユーザーが前記入力装置より入力した被検体の年齢情報及び身長情報と、前記あらかじめ蓄積されたスキャンプロトコル毎の被検体の年齢情報及び身長情報と、被検体の体軸方向の撮影長さとの相関を持たせたデータから、被検体の部位に適したスキャンプロトコル毎の被検体の体軸方向の撮影長さを設定し、撮影する手段を持つことを特徴としたX線CT装置。
【請求項3】
請求項1又は2において、ネットワークを通してHISまたはRISと接続するX線CT装置であって、被検体の情報を、前記HISまたはRISから前記ネットワークを経由して取得する手段を持つことを特徴とするX線CT装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項において、被検体の部位に適したスキャンプロトコル毎の被検体の体軸方向の撮影長さに対し、最終的に操作者が、前記撮影長さを微調整する手段をもつことを特徴とするX線CT装置。
【請求項5】
請求項4において、操作者が最終的に設定した撮影被検体の身長、または身長及び年齢に対する撮影被検体の部位に適したスキャンプロトコル毎の撮影長さを、前記あらかじめ蓄積されたスキャンプロトコル毎の被検体の身長情報と、被検体の体軸方向の撮影長さとの相関を持たせたデータ、もしくは前記あらかじめ蓄積されたスキャンプロトコル毎の被検体の年齢及び身長情報と、被検体の体軸方向の撮影長さとの相関を持たせたデータに蓄積することを特徴とするX線CT装置。
【請求項6】
被検体にX線を照射するX線管と、X線管と対向配置され被検体を透過したX線を検出するX線検出器と、X線検出器で検出したX線をデジタルデータとして収集するデータ収集装置と、データ収集装置から送出される計測データを演算処理してCT画像再構成を行う画像演算装置と、CT画像を記憶する記憶装置と、被検体の情報を入力するための入力装置を有するX線CT装置であって、被検体のスキャノグラム画像から楕円モデルデータを生成し、前記楕円モデルデータから、撮影予定位置の楕円形をした断面において、長軸の長さ以上となるように撮影範囲のFOVを設定する手段を持つことを特徴としたX線CT装置。
【請求項7】
被検体にX線を照射するX線管と、X線管と対向配置され被検体を透過したX線を検出するX線検出器と、X線検出器で検出したX線をデジタルデータとして収集するデータ収集装置と、データ収集装置から送出される計測データを演算処理してCT画像再構成を行う画像演算装置と、CT画像を記憶する記憶装置と、被検体の情報を入力するための入力装置を有するX線CT装置であって、
被検体の側面から取得したスキャノグラム画像から、撮影予定位置の最大減弱データを取得し、前記、最大減弱データを2倍した値以上となるように、撮影範囲のFOVを設定する手段を持つことを特徴としたX線CT装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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