説明

XRFを用いた層寸法の正確な測定

【課題】層寸法を正確に測定する方法を提供する。
【解決手段】平坦な試料の領域上に作用させるべく励起光線をあてるステップを有し、該試料は、その試料の面に垂直な側壁を持った特徴部を含んでおり、該側壁は、その上に薄膜を有している。励起光線に応じて試料から放出された蛍光X線(XRF)の強度が測定され、強度に基づいて側壁上の薄膜の厚さが評価される。別の方法では、研磨後の試料の表層にある凹部の幅と、凹部内に堆積した材料の厚さとが、XRFを用いて評価される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2005年12月22日に提出された米国特許仮出願第60/753,895号の優先権を主張するものであり、該出願は、参照したことによって本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の属する分野)
本発明は、全体としては、非破壊テストに関し、特に、半導体装置の製造において形成される薄膜層をテストするための方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
蛍光X線(XRF)測定、特に、マイクロ蛍光X線測定(即ち、狭く焦点を絞られた励起光線を用いた蛍光X線)が、半導体ウエハをテストする方法として一層の注目を集めている。XRF自体は、試料の元素組成の判定における周知の技術である。XRF分析装置には、概しては、試料を照射するX線源と、照射に応じて試料が放出する蛍光X線を検出するX線検出器とが含まれる。試料内の各元素は、元素の特徴であるエネルギーバンドでの蛍光X線を放出する。検出された蛍光X線は、検出されたフォトン(光子)のエネルギーまたは等価な波長を求めるために分析され、この分析に基づいて試料の定性的および/または定量的な組成が判定される。
【0004】
例えば、米国特許第6,108,398号は、参照したことによってその開示は本明細書に組み込まれるが、XRF分析装置(XRF analyzer)と試料を分析するための方法とを説明している。この分析装置は、X線ビーム発生器を含んでおり、該発生器は、試料上の或るスポットに入射するX線ビームを発生させ、複数の蛍光X線フォトンを作り出す。半導体検出器のアレイが該スポットの周りに配置され、これによって複数の蛍光X線フォトンが取り込まれる。この分析装置は、試料の分析に好適な電気パルスを発生させる。
【0005】
半導体ウエハをテストするためのマイクロ蛍光X線の使用が、米国特許第6,351,516号(参照したことによりその開示は本明細書に組み込まれる)に記述されている。この特許は、試料の表面上の凹部内の材料の堆積および除去をテストするための非破壊的な方法を説明している。励起光線が試料の凹部近辺の領域に向けられ、該領域から放出される蛍光X線の強度が測定される。凹部内に堆積した材料の量が、測定された強度に応じて判定される。
【0006】
マイクロ蛍光X線の別の応用例が、Lankoszらの論文、タイトルは ”Research in Quantitative X-ray Fluorescence Microanalysis of Patterned Thin Films,”Advances in X-ray Analysis 43 (1999), 497-503頁に説明されており、それは、参照したことにより本明細書に組み込まれる。その著者は、コリメートされたマイクロビームを用いた蛍光X線の微量分析法を説明している。該方法は、イオンスパッタリング技術によって準備された薄膜の、厚さと均一性とをテストするために適用される。
【0007】
米国特許第6,556,652号は、基板の表面をX線のビーム(光線)で照射することにより限界寸法を測定する方法を説明しており、その開示は参照したことにより本明細書に組み込まれる。表面上に形成された特徴部(feature)によって、該表面から散乱したX線のパターンが、該表面に対して平行方向の特徴部の寸法を測定するために検出され分析される。通常、基板は、半導体ウエハを有し、その上に、ウエハ上に製造中のマイクロ電子デバイスの機能的特徴部(functional features)の限界寸法を測定することを目的としたテストパターンが形成される。1つの実施対応では、該テストパターンは、格子構造を有し、リッジの周期的なパターンで構成され、対象となる機能的特徴の属性と類似の属性(高さ、幅、間隔などのもの)を有する。
【0008】
米国特許第6,879,051号は、溝の側壁のシー層の厚さを判定するための方法を説明しており、その開示は参照したことにより本明細書に組み込まれる。この方法は、基板に形成される溝内のバリア層を覆うコンフォーマルなシード層の形成を伴う。X線のビームがシード層の側壁部へ照射され、側壁部の厚さを判定するために反射したX線信号が測定される。
【発明の開示】
【0009】
(発明の概要)
本発明の実施態様は、X線技術、特にXRFを用いた、基板上の構造物の寸法を測定するための改良された方法を提供する。いくつかの実施態様では、例えば、これらの技術は半導体ウエハ上に形成された特徴部の臨界的寸法の判定に使用される。追加的に、あるいは代替的に、本発明の実施態様は、基板に堆積した薄膜層の厚さを判定するために適用することができ、特に基板上に形成された構造物の側壁に堆積した層の厚さの測定に適用することができる(この文脈においては、側壁(sidewall)とは、基板の表面の平面に対して垂直の、あるいは少なくとも水平ではない構造物の部分を意味する)。
【0010】
X線散乱を用いた側壁測定のさらなる態様が、米国特許第7,110,491号に説明されている。半導体ウエハ上の層の堆積と層の処理とを評価する際のXRFの使用もまた、米国特許出願第2006/0227931号に記述されている。本特許出願の出願人に譲渡されたこれら参考文献の双方の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。これら2つの参考文献、ならびに発明の背景に引用した発行物に説明される技術は、以下に説明する方法およびシステムと併せて有利に適用され得る。
【0011】
従って、本発明の実施態様による、試料の検査のための方法が提供され、当該方法は、
平坦な試料の領域に励起光線を当てるように向かわせることを含み、該試料はその試料の平面に垂直な側壁を持った特徴部を有しており、該側壁はその上に薄膜を有しており、
励起光線に応じて該試料から放出された蛍光X線(XRF)の強度を測定することを含み、
該強度に基づいて、側壁上の薄膜の厚さを評価することを含み。
【0012】
開示する実施態様においては、薄膜が、側壁に加えて、試料の少なくとも1つの水平な表面に対しても与えられており、かつ、厚さを評価することが、前記の少なくとも1つの水平な表面上の薄膜の深さを判定することを含み、かつ、該深さと該強度の両方に基づいて、側壁上の薄膜の厚さを計算することを含む。深さを判定することは、前記の少なくとも1つの水平な表面からのX線の反射率を測定することを含んでいてもよい。代替的または追加的には、深さを判定することが、側壁を含まない平坦な試料の基準領域上に薄膜を堆積させることを含み、かつ、該基準領域上の薄膜の深さを測定することを含む。
【0013】
いくつかの実施態様では、平坦な試料の領域が、その表層に第1のパターンとして形成された1つ以上の凹部を有する第1の領域を含み、かつ、当該方法は、第1のパターンとは異なる第2のパターンの凹部を有する平坦な試料の第2の領域に、励起光線が当たるように該光を向けることを含み、かつ、厚さを評価することが、第1のおよび第2の領域からそれぞれ放出されたXRFの、第1の強度と第2の強度とを比較することを含む。
【0014】
別の実施態様では、側壁が第1の元素を含んでおり、該元素は、第1のXRFスペクトル線になっているXRFを放出するものであり、かつ、第2の元素がまた前記平坦な試料の領域に堆積しており、その第2の元素は、第2のおよび第3のXRFスペクトル線を有しており、第3のXRFスペクトル線は、第1のXRFスペクトル線とオーバラップするものであり、かつ、厚さを評価することが、第2のXRFスペクトル線を有する第2の領域で測定されたXRFの第2の強度に対する、第1のおよび第3のXRFスペクトル線を有する第1のスペクトル領域で測定されたXRFの第1の強度の比を測定することを含み、かつ、測定された比に基づいて厚さを計算することを含んでいる。一実施態様では、厚さを算出することが、第1の元素が無い場合の第2の元素について判定された基準比に対して、測定された比を比較することを含み、その第1の元素はタンタルであり、第2の元素は銅である。
【0015】
また、本発明の実施態様による、試料を処理する方法が提供され、当該方法は、
該試料の第1のおよび第2の領域を覆って材料を堆積させることを含み、第1の領域は、その表層に第1のパターンとして形成された1つ以上の凹部を有し、第2の領域は、第1のパターンとは異なる第2のパターンの凹部によって特徴付けられており、
該材料を堆積させた後に、試料から該材料の一部を除去するために該試料を研磨することを含み、
該試料を研磨した後に、第1のおよび第2の領域上に励起光線を当てることを有し、
励起光線に応じて第1のおよび第2の領域から放出される蛍光X線の第1のおよび第2の強度を計測することを有し、該蛍光X線は、それぞれに、あるスペクトルの範囲にあり、該材料はその範囲において蛍光を発することが知られており、
第1のおよび第2の強度に基づいて、第1のパターンの凹部内に堆積した材料の厚さと、第1のパターンの凹部の幅とを、両方、評価することを含む。
【0016】
当該方法は、試料を研磨する前に、少なくとも第2の領域上に励起光線を当てることを含み、かつ、該励起光線に応じて放出された蛍光X線の第3の強度を測定することを有し、かつ、第2の強度と第3の強度との間の差に基づいて、研磨によって除去された材料の量を判定することを含む。
【0017】
開示する実施態様においては、第2のパターンが、平坦であって、かつ、凹部を含まない。任意的には、当該方法は、励起光線に応じて第3の領域から放出された蛍光X線の第3の強度を測定することを含み、第3の領域はその上に材料が堆積していないものであり、かつ、厚さと深さの両方を評価することが、測定された第3の強度を、厚さと深さの判定において、ゼロ基準として用いることを含む。
【0018】
典型的には、第1の領域内の凹部は、線、パッド、タイル、および、貫通孔からなる特徴部の群の中から選択された少なくとも1つの特徴部を定めるように形成される。
【0019】
加えて、本発明の実施態様による、試料の検査のための装置が提供され、当該装置は、
励起光源を含み、該励起光源は、平坦な試料のある領域に励起光線が当たるよう該光線を向わせるように構成されており、該試料は、その試料の平面に垂直な側壁を持った特徴部を有しており、該側壁はその上に薄膜を有しており、
1つ以上の検出器を含み、該検出器は、励起光線に応じて試料から放出された蛍光X線(XRF)の強度を測定するように配置されており、
信号プロセッサを含み、該プロセッサは、該強度に基づいて、側壁上の薄膜の厚さを評価するように作動するものである。
【0020】
本発明の実施態様による、試料を処理するための装置がさらに提供され、当該装置は、
堆積ステーションを含み、該堆積ステーションは、試料の第1のおよび第2の領域を覆って材料を堆積させるように設けられており、第1の領域は、その表層に第1のパターンとして形成された1つ以上の凹部を有し、第2の領域は、第1のパターンとは異なる第2のパターンの凹部によって特徴付けられており、
研磨ステーションを含み、該研磨ステーションは、材料を堆積させた後に、試料から該材料の一部を除去するために該試料を研磨するように設けられており、
テストステーションを含み、該テストステーションは、試料を研磨した後に、第1のおよび第2の領域に励起光線を当てるように設けられ、かつ、励起光線に応じて第1のおよび第2の領域から放出される蛍光X線の第1のおよび第2の強度を計測するように設けられ、該蛍光X線は、それぞれに、あるスペクトルの範囲にあり、該材料はその範囲において蛍光を発することが知られており、かつ、第1のおよび第2の強度に基づいて、第1のパターンの凹部に堆積した材料の厚さと、第1のパターンの凹部の幅とを、両方、評価するように設けられている。
【0021】
本発明の実施態様による、試料の検査のための装置がさらに提供され、
励起光源を含み、該励起光源は、該試料の第1のおよび第2の領域を覆う材料の堆積の後に、該試料の第1のおよび第2の領域上に励起光線を当てるように構成されており、第1の領域は、その表層に第1のパターンとして形成された1つ以上の凹部を有し、一方、第2の領域は、第1のパターンとは異なる第2のパターンの凹部によって特徴付けられ、かつ、材料の堆積に続いて該試料から材料の一部を除去するため該試料の研磨の後に、該試料の第1のおよび第2の領域上に励起光線を当てるように構成されており、
1つ以上の検出器を有し、該検出器は、第1のおよび第2の領域から励起光線に応じて放出される蛍光X線の第1のおよび第2の強度を計測するように設けられ、該蛍光X線は、それぞれに、あるスペクトルの範囲にあり、該材料はその範囲において蛍光を発することが知られており、かつ、
信号プロセッサを有し、該信号プロセッサは、第1のおよび第2の強度に基づいて、第1のパターンの凹部に堆積した材料の厚さと、第1のパターンの凹部の幅とを、両方、評価するように作動するものである、
【0022】
本発明は、以下の実施態様の詳細な説明を図面と共に参照することにより、より一層理解されるであろう。
【0023】
(態様の詳細な説明)
図1は、本発明の実施態様にかかる、マイクロ蛍光X線分析装置(X-ray microfluorescence analyzer)20の概略図である。分析装置20の態様は、上述の米国特許第6,108,398号に詳細に説明されている。分析装置20は、ウエハ製造プロセスにおける欠陥(fault)を識別するために、以下に説明する方法を用いて半導体ウエハ22(または別の試料)を試験するように配置される。
【0024】
分析装置20は、典型的には、X線管24などのような励起源を有し、該励起源は、当該技術分野で知られているように、高電圧電源26により駆動される。該X線管は、好適なエネルギー範囲(energy range)と電力束(power flux)とを有するX線を、X線光学系28に放出する。光学系28は、例えば、ポリキャピラリー・アレイを有していてもよい。光学系28は、試料22の表面上の微小領域30(典型的には直径20μmのオーダーのスポットである)に、X線ビームを焦点を合わせて集める。照射された領域は、蛍光X線を放出し、該蛍光X線は、領域30の周りに配置され領域30に向けられた検出器32のアレイ(配列)によって捕捉される。捕捉されたフォトンに応じて、検出器32は電気信号を発生させ、該電気信号は、信号プロセッサ34に伝達される。
【0025】
代替的には、当該技術分野で知られている他のタイプの蛍光分析装置(あらゆる好適な励起光源、電源、焦点を合わせる光学系、検出システムを有するもの)が、ここに説明する方法を実施するために使用され得る。
【0026】
プロセッサ34は、典型的には、当該技術分野で知られているように、エネルギー分散型パルス処理システム(energy-dispersive pulse processing system)を有し、このシステムは、検出器によって捕捉されたX線フォトンの強度スペクトルを判定する。代替的には、波長分散型検出処理システム(wavelength-dispersive detection and processing system)が使用されてもよい。照射された領域内の各化学元素は、管24からのX線によって励起され、特性スペクトル線になっているX線を放出する。特定の元素の特性スペクトル線の強度は、領域30内のその元素の質量に比例する。従って、プロセッサ34は、領域30の区域内に特定の材料がどれだけ存在するかを判定するために、決定された強度スペクトルを使用する。プロセッサ34は、典型的には、汎用コンピュータを有し、それは好適なソフトウェアの制御下でこれらの機能を実行する。該ソフトウェアは、例えば、ネットワークで、電子的フォームによりプロセッサにダウンロードされてもよく、また、代替的には、光学的な、磁気的な、または、電子的な記憶媒体などの、有形の媒体により提供されてもよい。
【0027】
図1に示すように、分析装置20は、ウエハ22上の領域30を試験するために用いられる。一実施態様においては、ウエハがX線ビームに対して移動することが可能となるように、試料が、X−Yステージ35などのような可動プラットフォーム上に取り付けられる。代替的には、ウエハは、好適な定置取付具(stationary fixture)上に取り付けられ、一方で、管24、光学系28、検出器32が動かされることにより、X線ビームがウエハを走査(scan)する。
【0028】
さらに、分析装置20は、反射、回折、および/または、小角度散乱(small-angle scattering)などの他のメカニズムによってウエハ22から散乱したX線を、捕捉(キャプチャー)し処理するように構成されてもよい。この種の多機能システムは、例えば、米国特許第6,381,303号、第6,895,075号、および本特許出願の出願人に譲渡された米国特許出願第11/200,857号(2005年8月10日に提出)に記述されている。これらの特許および特許出願の開示は、参照したことによって本明細書に組み込まれる。
【0029】
次に、図2を参照すると、同図は、本発明の実施態様にかかる半導体ウエハ40の概略平面図であり、該ウエハは、典型的には、シリコンウエハであり、該ウエハの上には、テストパターン42が形成されている。該ウエハは、複数のダイス(dies)44に分割され、スクライブ線46によって分離される。パターン42は、典型的には、スクライブ線の1つの上に位置し、該線のどちらの側のダイス上にも顕著に侵入しないように、十分に狭く、典型的には幅が約75μmのオーダーである。任意には、より綿密なおよび/または多様なテストを可能とするために、ウエハ40の他の領域に、パターン42のような複数のパターンを形成することもできる。
【0030】
図3Aおよび図3Bは、本発明の実施態様における、パターン42の詳細を、平面図および断面図にてそれぞれ概略的に示している。パターン42は、典型的には、ダイス44上の機能的な素子の特徴部に沿って、ウエハ40のプロセシングの適切な段階で形成され、これは当該技術分野で知られたフォトリソグラフィ技術を用いて行われる。本実施態様においては、該パターンは、誘電体層49に形成されている。代替的には、該パターンは、実質的にはあらゆる層に生成されてもよく、ウエハの表面に形成され、エッチングされ、または別のやり方でパターン形成されたものであってよい。典型的には、パターン42は、透明な基板を有するウエハ40(即ち、以下に説明する、測定を混乱させ得るような下にある層を有しないもの)の一部に形成される。
【0031】
パターン42は、3つの領域を有しており、それら領域は、図に示すように、互い隣で接触していてもよく、または、互いにごく接近していてもよい。
・複数の凹部56を有するテスト領域50。凹部がエッチングされた後、それら凹部は、別の材料または複数の材料によって充填され、それは、ダイス44上のデバイス特徴部同士の間の通路(vias)および他の凹部が充填されるのと同じ処理ステップ、および、同じ時間に行なわれる。従って、領域50内の凹部56は、典型的には、バリア層や金属層などの複数の層によって充填される。しかし、簡略化するために、これらの複数の層は、図3Bに明示していない。寸法(凹部56の深さと幅、および、凹部をコーティングする層の厚さ)は、ダイス44内の隣接するデバイス特徴部の寸法にたいてい類似する。
・ゼロ基準(zero reference)領域52。この領域は、実質的に充填材料を含まない。
・全面的基準(full-scale reference)領域54。この領域は、銅などの材料による全面的コーティング58を有し、その材料によって凹部56が充填される。
X線ビームが実質的に他の領域を侵害せずに各領域に目標を定め焦点を合わせることを可能とするために、各領域は十分に大きいことが望ましい(例えば、少なくとも50×50μm)。
【0032】
図3Aおよび図3Bに示す領域の形状と構成は、例として選択されたものである。該領域の他の配置も、加えて、凹部56の他の形状や配置も、当業者にとっては明らかであろう。例えば、凹部は、円形あるいは矩形であってもよく(パッドまたはタイルの形態となったもの)、また、それらは、図3Aに示した細長い溝に加えてまたは代わりに、正方形のまたは円形の貫通孔を有していてもよい。別の例として、基準領域54は、図に示すように、凹部を有しないことが好ましいが、基準領域内の凹部のパターンがテスト領域内の凹部のパターンとは実質的に異なる限り、基準領域が凹部を含んでいてもよい。(この文脈および請求の範囲においては、図3Aおよび図3Bに示すような基準領域54内の凹部の不在は、テスト領域50の凹部のパターンとは「凹部の異なるパターン」と見なされる。)さらに、本実施態様は、ウエハ40の領域をテスト目的専用のものとして参照するが、代替的あるいは追加的に、適切なパターンの凹部を有するダイ44の機能的領域が、ここに説明されるテスト目的に使用されてもよい。
【0033】
パターン42の領域は、様々なテスト目的に用いられることが可能であり、具体的にテスト目的には、ウエハ40に堆積した特徴部の臨界寸法(critical dimension)の測定と、このような特徴部に適用される化学的機械的研磨(CMP)の効果の評価とが含まれ、これらはさらに以下で説明される。凹部56の幅(ダイス46における機能的特徴部の限界寸法を反映する)は、システム20において領域50から受信したXRF信号から、原理上、推測できる。この測定の基礎にあるのは、充填材料(銅などのもの)の特性輝線(characteristic emission lines)における蛍光X線の強度が、凹部内の充填材料の量に比例するということである。従って、蛍光の強度は凹部の幅に比例し、凹部内の充填材料の深さが既知である限り、幅の正確な測定に用いることができる。しかし、堆積後に一部の充填材料を除去するためにCMPあるいは他の技術が使用された場合は、充填材料の厚さが変わる傾向があるため、限界寸法の測定の精度が損なわれる。
【0034】
この不確実性を解決するために、XRF測定は領域54にも施される。この領域では、考慮すべき幅変動が存在しないため、蛍光X線の強度は被覆58の厚さにのみ比例する。CMPに起因する厚さの変化は、研磨前後の蛍光X線を測定することにより判定することが可能である。追加的あるいは代替的には、領域50と領域54との間での蛍光の強度の比が、凹部56の幅の指標を与える。
【0035】
測定の精度を上げるために、領域50および54からのXRFの強度を、既知の品質の試料(例えば、過度にエッチングされた(over-etched)、少なくエッチングされた(under-etched)、適正にエッチングされた(properly-etched)特徴部を有する試料、および、過度に研磨された(over-polished)、少なく研磨された(under-polished)、適正に研磨された(properly-polished)試料)を用いて、事前に較正することが可能である。領域50と領域54と間の蛍光強度の比は、実際の加工中のウエハ上でなされるXRF測定から限界寸法と研磨効果とを判定するために適用できる測定基準(metrics)を定めるために、全ての異なるタイプの試料について測定してもよい。パターンが形成された領域(領域50など)では、均一にコートされた領域(領域54など)に比べて、CMPが異なった影響を膜厚に与えるため、この種の事前の較正(プレ−キャリブレーション)は特に有用である。
【0036】
上述したXRF較正基準および指標とデバイスの電気的性能とを相互に関連付けるために、ダイス46上のデバイスに対する後に続く電気的テストを用いることも可能である。
【0037】
図4は、本発明の実施態様にかかる、半導体装置の製造に用いるクラスターツール60の概略平面図である。クラスターツールは、複数のステーションを有し、ウエハ22の表面に微細構造をエッチングするエッチングステーション62と、ウエハに薄膜を堆積させる堆積(deposition)ステーション64と、ウエハ表面の化学的機械的研磨(CMP)を実行する研磨(polishing)ステーション66と、テストステーション67とを含んでいる。テストステーション67は、システム20(図1)と類似の方法で稼働し、従って、ウエハ22上に堆積した層の限界寸法および厚さを評価するために、上述の方法が適用される。ロボット59は、システム制御部68の制御下で、ステーション62、64、66、67間でのウエハの移送を行う。ツール60の操作は、制御部60に連結されたワークステーション69を用いて、オペレーターによって制御およびモニターされてもよい。
【0038】
ツール60における、エッチングステーション62、堆積ステーション64、CMPステーション66によって実行される製造プロセスにおいて選択されたステップ(工程)の前および後に、テストステーション67を、ウエハのX線検査を行うために使用してよい。例えば、テストステーションは、XRF測定を適用して、堆積ステーション64による金属の堆積の後、および/または、CMPステーション66による研磨の後における、金属層の厚さとウエハの特徴部の限界寸法とを判定することが可能である。この装置は、制御部68と、場合によってはワークステーション69とを用いて、製品ウエハにある、加工偏差(process deviation)の早期発見、および、加工パラメータの手軽な調整と評価とを可能にする。処理量(スループット)およびデバイスの品質を最適化するために、クラスターツール60の使用者は、製造のおよびテストのステップの順序を選択することができる。代替的には、テストステーション67は、図4に示した処理チャンバから分離した、半導体製造において独立した(standalone)の要素として操作され得る。さらに代替的には、XRF測定は、1つ以上の処理チャンバ内において、その場(in situ)で実行され得る。
【0039】
図5は、基板層71に形成されたパターン70の概略的な断面図であり、その特性が、本発明の別の実施態様によるXRFの方法によって測定されている。この実施態様では、パターン70は、リッジ72を有し、該リッジは薄膜層74によって覆われている。例えば、層74は、拡散バリア(Ta、TaN、TiN、または、高いkの誘電体など)を有することが可能であり、拡散バリアは、リッジ同士の間のギャップを金属で充填する前に、酸化物あるいは半導体材料で構成されるリッジ72の上に堆積されている。層74をパターン70上に堆積させる処理は、該層の厚さが所定のプロセスの範囲内(典型的には10〜20Å)となるように、慎重に制御されなければならない。別の例として、層74は、オンチップ・キャパシタの製造に用いられるコンフォーマル高k誘電体膜を有していてもよい。
【0040】
前述の実施態様と同様に、パターン70を含んでいる領域から受け取られた蛍光X線は、層74を形成する材料の輝線(emission line)になっており、該X線の強度は、試料の表面に堆積した材料の量に比例する。リッジ72の幅、深さ、間隔が既知であるとして、強度測定から判定された総材料体積と層74の厚さとを関連付けるために、幾何学的条件を用いてもよい。一実施態様においては、層の厚さが試料の表面全体にわたって一定であると仮定しており、よって、層74の総表面積に依存して、XRF強度と層厚との間の単純な直線的関係が得られる。
【0041】
しかし、実際には、ウエハの幾何学形状と堆積装置のために、リッジ72の側壁76に堆積した層の厚さは、通常、リッジの上面部および底面部における水平な表面上での厚さよりも薄い。従って、側壁の層の厚さを明確に測定することが特に有用である。側壁の層の厚さを推定する1つの方法は、堆積のモデルを使用することであり、これは、側壁の堆積物の厚さに対する水平な表面上の堆積物の厚さの比を推定するために、理論上のものでも実証的なものでもよい。そして、この比は、XRF強度から側壁の層の厚さを導くために、改変された幾何学形状のモデルに用いられてもよい。
【0042】
別の代替手段として、試料の水平な表面上にある層74の厚さが独立的に測定されてもよく、次いで、これを側壁の膜の厚さを導くために使用してもよい。水平な層の厚さを判定する1つの方法として、様々なパターンの凹部を有するウエハ表面の様々な領域からのXRF強度を測定し比較する方法がある。例えば、領域54(図2A)等の平坦で均一にコートされた水平な基準領域から放出されたXRFの強度を、水平な層の厚さを得るために測定してもよく、次いで、それを、領域50でなされた測定から側壁の層の厚さを導くことにおいて使用してもよい。
【0043】
別の代替手段として、水平な表面上の層の厚さを直接測定するために、X線反射光測定(X-ray reflectometry)(XRR)を使用してもよく、XRR技術を用いることは、例えば、上述した米国特許第6,381,303号、または、米国特許第6,512,814号(参照したことによりその記載は本明細書に組み込まれる)に説明されているように、当該技術分野では知られている。この測定された水平な層の厚さは、次に、水平な表面上の層74の体積を判定するために、パターンの幾何学的形状と共に用いてもよく、この体積は、XRF測定から判定された層74の総体積から減算されてもよい。これら2つの測定値の差は、側壁76に堆積した層74の残りの部分の体積にほぼ等しい。側壁の表面積は、リッジ72の既知の形状に基づいて推定することが可能であり、側壁の層の厚さは、表面積に対する体積の比によって与えられる。
【0044】
図6は、本発明の実施態様にかかる、システム20によって捕捉(キャプチャー)されたXRFスペクトルの概略図である。この例では、薄いタンタルのバリア層を有するウエハ22のある領域上に銅が堆積している。該銅の層は、よく知られたCu・Ka1線80と、Cu・Kb1線82とになっている蛍光X線を放出する。タンタル・バリア層は、Ta・La1線84と、Ta・Lb線86とになっている蛍光X線を放出する。Ta・La1線の強度は、通常、ウエハに堆積したタンタル層の厚さを好適に暗示するものであるが、この事例では、Ta・La1線は、より強力なCu・Ka1線によって覆い隠されている。
【0045】
この問題を克服し、タンタル層の厚さを評価するために、プロセッサ34は、スペクトル領域88、90のそれぞれにおける総XRFの強度を計算する。領域90における強度は、銅層のみに起因する。領域88における強度は、銅およびタンタルの蛍光の双方に起因する。タンタルの厚さを推定するために、領域88、90におけるそれら強度の基準比(reference ratio)が、タンタルを除外して決定される。(該基準比は、第一の原理から決定されてもよく、また、タンタル・バリア層を有しない基準ウエハを用いて測定されてもよい。)タンタル・バリア層の存在下で測定された領域88、90での強度の実際の比が、基準比と比較される。実際の比と基準比との差は、タンタル・バリア層に起因するため、Ta・La1線自体は解明できないものの、タンタルの厚さを推定することが可能である。
【0046】
図7は、本発明の実施態様にかかる、上述の技術を用いて測定された領域88と90との間の強度の比を概略的に示す図である。この強度の比は、先の段落で説明したように、タンタル・バリア層の厚さの評価を与える。該プロットは、強度の比の分布、そして、それによるウエハ22の領域100を覆うタンタルの堆積の厚さを示すために、擬似色(pseudo-color)および立面を用いている。このようにして、プロセッサ34は、領域102などのウエハの特定の領域における、減じられたタンタルの範囲(coverage)を検出することができる。以上、具体的にタンタルおよび銅を参照して、上述の図6および図7の技術を説明したが、この技術の原理は、他の多層構成(オーバラップするスペクトル線を有する互いに異なった元素からなる層が基板上に堆積している)における、他の元素の厚さの測定に同様に適用することができる。
【0047】
上述の実施態様は、例示のものとして引用したものであり、本発明は、上に詳細に示し説明したものに限定されないことは理解されるであろう。むしろ、本発明の対象範囲には、上述の各種特徴部の結合(コンビネーション)および小結合(サブコンビネーション)の双方が含まれ、さらに、当業者が前述の説明を読むことにより気付き、従来の技術に開示されていない本発明の変形(バリエーション)および改修(モディフィケーション)もまた含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】図1は、本発明の実施態様にかかる、マイクロ蛍光X線測定のシステムの概略図である。
【図2】図2は、本発明の実施態様にかかる、テストパターンが形成された半導体ウエハの概略平面図である。
【図3A】図3Aは、本発明の実施態様にかかる、図2のテストパターンの詳細を示した平面図である。
【図3B】図3Bは、本発明の実施態様にかかる、図2のテストパターンの詳細を示した断面図である。
【図4】図4は、本発明の実施態様にかかる、検査ステーションを含んだ、半導体装置製造用のクラスターツールの概略平面図である。
【図5】図5は、本発明の実施態様にかかる、薄膜層により被覆され、テストされた、試料の表面上の周期パターンの概略断面図である。
【図6】図6は、本発明の実施態様にかかる、マイクロ蛍光X線測定のためにシステムにより捕捉されたXRFスペクトルの概略図である。
【図7】図7は、本発明の実施態様にかかる、マイクロ蛍光X線測定を用いて測定されたバリア層の厚さを概略的に示すプロットである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料の検査のための方法であって、
平坦な試料の領域に励起光線を当てるように向かわせることを有し、該試料はその試料の平面に垂直な側壁を持った特徴部を有しており、該側壁はその上に薄膜を有しており、
励起光線に応じて該試料から放出された蛍光X線(XRF)の強度を測定することを有し、
該強度に基づいて、側壁上の薄膜の厚さを評価することを有する、
前記方法。
【請求項2】
薄膜が、側壁に加えて、試料の少なくとも1つの水平な表面に対しても与えられており、かつ、
厚さを評価することが、前記の少なくとも1つの水平な表面上の薄膜の深さを判定することを有し、かつ、該深さと該強度の両方に基づいて、側壁上の薄膜の厚さを計算することを有する、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
深さを判定することが、前記の少なくとも1つの水平な表面からのX線の反射率を測定することを有する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
深さを判定することが、側壁を含まない平坦な試料の基準領域上に薄膜を堆積させることを有し、かつ、該基準領域上の薄膜の深さを測定することを有する、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
平坦な試料の領域が、その表層に第1のパターンとして形成された1つ以上の凹部を有する第1の領域を有し、かつ、第1のパターンとは異なる第2のパターンの凹部を有する平坦な試料の第2の領域に、励起光線が当たるように該光を向けることを有し、かつ、
厚さを評価することが、第1のおよび第2の領域からそれぞれ放出されたXRFの、第1の強度と第2の強度とを比較することを有する、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
側壁が第1の元素を有しており、該元素は、第1のXRFスペクトル線になっているXRFを放出するものであり、かつ、
第2の元素がまた前記平坦な試料の領域に堆積しており、その第2の元素は、第2のおよび第3のXRFスペクトル線を有しており、第3のXRFスペクトル線は、第1のXRFスペクトル線とオーバラップするものであり、かつ、
厚さを評価することが、第2のXRFスペクトル線を有する第2の領域で測定されたXRFの第2の強度に対する、第1のおよび第3のXRFスペクトル線を有する第1のスペクトル領域で測定されたXRFの第1の強度の比を測定することを有し、かつ、測定された比に基づいて厚さを計算することを有する、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
厚さを算出することが、第1の元素が無い場合の第2の元素について判定された基準比に対して、測定された比を比較することを有する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
第1の元素がタンタルであり、第2の元素が銅である、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
試料を処理するための方法であって、
該試料の第1のおよび第2の領域を覆って材料を堆積させることを有し、第1の領域は、その表層に第1のパターンとして形成された1つ以上の凹部を有し、第2の領域は、第1のパターンとは異なる第2のパターンの凹部によって特徴付けられており、
該材料を堆積させた後に、試料から該材料の一部を除去するために該試料を研磨することを有し、
該試料を研磨した後に、第1のおよび第2の領域上に励起光線を当てることを有し、
励起光線に応じて第1のおよび第2の領域から放出される蛍光X線の第1のおよび第2の強度を計測することを有し、該蛍光X線は、それぞれに、あるスペクトルの範囲にあり、該材料はその範囲において蛍光を発することが知られており、かつ、
第1のおよび第2の強度に基づいて、第1のパターンの凹部内に堆積した材料の厚さと、第1のパターンの凹部の幅とを、両方、評価することを有する、
前記方法。
【請求項10】
試料を研磨する前に、少なくとも第2の領域上に励起光線を当てることを有し、かつ、該励起光線に応じて放出された蛍光X線の第3の強度を測定することを有し、かつ、第2の強度と第3の強度との間の差に基づいて、研磨によって除去された材料の量を判定することを有する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
第2のパターンが、平坦であって、かつ、凹部を含まない、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
励起光線に応じて第3の領域から放出された蛍光X線の第3の強度を測定することを有し、第3の領域はその上に材料が堆積していないものであり、かつ、
厚さと深さの両方を評価することが、測定された第3の強度を、厚さと深さの判定において、ゼロ基準として用いることを有する、
請求項9に記載の方法。
【請求項13】
第1の領域内の凹部が、線、パッド、タイル、および、貫通孔からなる特徴部の群の中から選択された少なくとも1つの特徴部を定めるように形成される、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
試料の検査のための装置であって、
励起光源を有し、該励起光源は、平坦な試料のある領域に励起光線が当たるよう該光線を向わせるように構成されており、該試料は、その試料の平面に垂直な側壁を持った特徴部を有しており、該側壁はその上に薄膜を有しており、
1つ以上の検出器を有し、該検出器は、励起光線に応じて試料から放出された蛍光X線(XRF)の強度を測定するように配置されており、
信号プロセッサを有し、該プロセッサは、該強度に基づいて、側壁上の薄膜の厚さを評価するように作動するものである、
前記装置。
【請求項15】
薄膜が、側壁に加えて、試料の少なくとも1つの水平な表面に対しても与えられており、かつ、
信号プロセッサが、前記の少なくとも1つの水平な表面上の薄膜の深さを判定するように配置され、該深さと該強度の両方に基づいて、側壁上の薄膜の厚さを計算するように配置されている、
請求項14に記載の装置。
【請求項16】
少なくとも1つの検出器が、少なくとも1つの水平な表面からのX線の反射率を測定するように配置され、かつ、
信号プロセッサが、測定されたX線反射率に応じて薄膜の深さを判定するように適合している、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
薄膜が、側壁を含まない平坦な試料の基準領域上にも堆積しており、かつ、
信号プロセッサが、基準領域から放出されたXRFの強度に基づいて、基準領域上の薄膜の深さを判定するように適合している、請求項15に記載の装置。
【請求項18】
平坦な試料の領域が、その表層に第1のパターンとして形成された1つ以上の凹部を有する第1の領域を有し、かつ、
励起光線が、第1のパターンとは異なる第2のパターンの凹部を有する平坦な試料の第2の領域に励起光線が当たるよう該光線を向わせるように配置され、
信号プロセッサが、第1のおよび第2の領域からそれぞれ放出されたXRFの第1の強度と第2の強度とを比較することによって、厚さを評価するように適合している、
請求項14に記載の装置。
【請求項19】
側壁が、第1の元素を有し、該元素は、第1のXRFスペクトル線になっているXRFを放出するものであり、かつ、第2の元素もまた、該平坦な試料の該領域に堆積しており、第2の元素は、第2のおよび第3のXRFスペクトル線を有し、第3のXRFスペクトル線は、第1のXRFスペクトル線とオーバラップしており、かつ、
信号プロセッサが、第2のXRFスペクトル線を有する第2の領域で測定されたXRFの第2の強度に対する、第1のおよび第3のXRFスペクトル線を有する第1のスペクトル領域で測定されたXRFの第1の強度の比を、評価するように適合しており、かつ、測定された比に基づいて厚さを計算するように適合している、
請求項14に記載の装置。
【請求項20】
信号プロセッサが、第1の元素が無い場合の第2の元素について判定された基準比に対して、測定された比を比較することによって、厚さを算出するように設けられている、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
第1の元素がタンタルであり、第2の元素が銅である、請求項19に記載の装置。
【請求項22】
試料を処理するための装置であって、
堆積ステーションを有し、該堆積ステーションは、試料の第1のおよび第2の領域を覆って材料を堆積させるように設けられており、第1の領域は、その表層に第1のパターンとして形成された1つ以上の凹部を有し、第2の領域は、第1のパターンとは異なる第2のパターンの凹部によって特徴付けられており、
研磨ステーションを有し、該研磨ステーションは、材料を堆積させた後に、試料から該材料の一部を除去するために該試料を研磨するように設けられており、
テストステーションを有し、該テストステーションは、試料を研磨した後に、第1のおよび第2の領域に励起光線を当てるように設けられ、かつ、励起光線に応じて第1のおよび第2の領域から放出される蛍光X線の第1のおよび第2の強度を計測するように設けられ、該蛍光X線は、それぞれに、あるスペクトルの範囲にあり、該材料はその範囲において蛍光を発することが知られており、かつ、第1のおよび第2の強度に基づいて、第1のパターンの凹部に堆積した材料の厚さと、第1のパターンの凹部の幅とを、両方、評価するように設けられている、
前記装置。
【請求項23】
テストステーションが、試料の研磨に先立って、少なくとも第2の領域上に励起光線を当てるように設けられており、かつ、励起光線に応じて放出された蛍光X線の第3の強度を測定するように設けられ、第2の強度と第3の強度との間の差に基づいて、研磨によって除去された材料の量を判定するように設けられている、請求項22記載の装置。
【請求項24】
第2のパターンが、平坦であって、かつ、凹部を含まない、請求項22に記載の装置。
【請求項25】
テストステーションが、材料が堆積していない第3の領域から励起光線に応じて放出された蛍光X線の第3の強度を測定するように設けられており、かつ、測定された第3の強度を、厚さと深さの判定において、ゼロ基準として用いるように設けられている、請求項22に記載の装置。
【請求項26】
第1の領域内の凹部が、線、パッド、タイル、および、貫通孔からなる特徴部の群の中から選択された少なくとも1つの特徴部を定めるように形成されている、請求項22に記載の装置。
【請求項27】
試料の検査のための装置であって、
励起光源を有し、該励起光源は、該試料の第1のおよび第2の領域を覆う材料の堆積の後に、該試料の第1のおよび第2の領域上に励起光線を当てるように構成されており、第1の領域は、その表層に第1のパターンとして形成された1つ以上の凹部を有し、一方、第2の領域は、第1のパターンとは異なる第2のパターンの凹部によって特徴付けられ、かつ、材料の堆積に続いて該試料から材料の一部を除去するため該試料の研磨の後に、該試料の第1のおよび第2の領域上に励起光線を当てるように構成されており、
1つ以上の検出器を有し、該検出器は、第1のおよび第2の領域から励起光線に応じて放出される蛍光X線の第1のおよび第2の強度を計測するように設けられ、該蛍光X線は、それぞれに、あるスペクトルの範囲にあり、該材料はその範囲において蛍光を発することが知られており、かつ、
信号プロセッサを有し、該信号プロセッサは、第1のおよび第2の強度に基づいて、第1のパターンの凹部に堆積した材料の厚さと、第1のパターンの凹部の幅とを、両方、評価するように作動するものである、
前記装置。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−187655(P2007−187655A)
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−345155(P2006−345155)
【出願日】平成18年12月22日(2006.12.22)
【出願人】(504390894)ジョーダン ヴァリー セミコンダクターズ リミテッド (4)
【Fターム(参考)】