説明

[2−(4−フルオロ−ベンジル)−フェニル]−酢酸の製造方法

本発明は、無水フタル酸から得られうる化合物である[2−(4−フルオロ−ベンジル)−フェニル]−酢酸の新規な製造方法に関する。この方法は、次の段階a)〜e):a)適当な反応条件において無水フタル酸をフルオロベンゼンまたはその誘導体と反応させ、b)段階a)で得られる生成物をケトン部分において過剰還元し、c)段階b)で得られる生成物をジヒドロ−ビス(2−15メトキシエトキシ)アルミン酸ナトリウム(Red−Al)を用いて対応するアルコールに還元し、d)段階c)で得られるアルコールを塩素化し、e)COを段階d)で得られる生成物中に適切なPd−含有触媒系を通して挿入することを含んでなる。別の態様では、段階e)は段階f1)およびf2):f1)段階d)で得られる生成物をシアン化ナトリウムと反応させ、f2)段階f1)で得られる生成物を加水分解すること、により代替される。本発明は、工業的規模の反応器に適する
[2−(4−フルオロ−ベンジル)−フェニル]−酢酸の製造方法(例えばそれはより純粋でそしてより効率的である)を提供する。また、[2−(4−フルオロ−ベンジル)−フェニル]−酢酸は>95%の純度を有する結晶性物質として得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無水フタル酸から得られうる化合物である[2−(4−フルオロ−ベンジル)−フェニル]−酢酸の新規な製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この誘導体は、一般式(A)
【0003】
【化1】

【0004】
[式中、RおよびRはとりわけ水素および/またはメチルであり、RおよびRは水素またはハロゲンであり、XはCH、OまたはSであり、nは1でありそしてpおよびqは0、1または2である]
を有する、特許文献1に開示された、一連の化合物の合成における重要な中間体である。
【0005】
式(A)に従う化合物はCNS疾患、心臓血管疾患および胃腸疾患の処置および/または予防に有用であると見出された。それらの合成は、とりわけ、特許文献2および特許文献3に記載されている。後者の文献(スキーム1参照)では、式(IV)に従うケト−酸を生成するためのフルオロベンゼンおよび無水フタル酸を用いるフリーデル−クラフツアシル化反応で出発する当該技術で既知の工程(1966年10月10日付けの特許文献4、非特許文献1)の応用、その後のケトン基の還元的除去およびカルボン酸官能基のホモログ化により式(I)に従う[2−(4−フルオロ−ベンジル)−フェニル]−酢酸を製造できることが開示されている。
【0006】
【化2】

【0007】
この反応スキームに伴う問題は、合成の数段階が種々の欠点である環境的に優しくない溶媒、低い収率、複雑な試薬の使用または望ましくない塩混合物、例えばEtNHCl、の生成を被ることである。
【0008】
【特許文献1】国際公開第97/38991号パンフレット
【特許文献2】国際公開第03/048146号パンフレット
【特許文献3】国際公開第03/048147号パンフレット
【特許文献4】仏国特許第4395M号明細書
【非特許文献1】Can.J.Chem.,1971,49,746−754
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、工業的規模の反応器に適する(例えばそれはより純粋でそしてより効率的である)[2−(4−フルオロ−ベンジル)−フェニル]−酢酸の製造方法を提供することである。
【0010】
本発明の別の目的は、[2−(4−フルオロ−ベンジル)−フェニル]−酢酸が>95%の純度を有する結晶性物質として得られるような方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
非常に驚くべきことに、本発明者は、次の段階a)〜e):
a)適当な反応条件において無水フタル酸をフルオロベンゼンまたはその誘導体と反応させ、
b)段階a)で得られる生成物をケトン部分において過剰還元し(over reducing)、
c)段階b)で得られる生成物をジヒドロ−ビス(2−メトキシエトキシ)アルミン酸ナトリウム(Red−Al)を用いて対応するアルコールに還元し、
d)段階c)で得られるアルコールを塩素化し、
e)COを段階d)で得られる生成物中に適切なPd−含有触媒系を使用して挿入すること
を含んでなる方法により、既知の工程の欠点を克服することができることを見出した。
【0012】
同様な反応段階e)それ自体は欧州特許第1207148A1号明細書(Clariant GmbH、2002年5月22日)に開示されている。
【0013】
本発明に従う方法は下記の通りにして図式的に記述することができる(スキーム2参照):
【0014】
【化3】

【0015】
好ましくは、段階a)において、フリーデル−クラフツ反応用にフルオロベンゼン自体を溶媒としてそして塩化アルミニウムをルイス酸として用いるフリーデルクラフツ反応が使用される。好ましくは、塩化アルミニウムは無水フタル酸に関して>2:1のモル比で使用される。より少ない塩化アルミニウムは不完全な転化をもたらす。好ましくは、段階a)において、反応は約75〜80℃であるフルオロベンゼンの還流温度において行われる。反応がより低い温度において行われる時には、反応速度が低下する。好ましくは、多くのアルミニウム塩類を包含する段階a)で得られる反応混合物は水性塩酸を用いて加水
分解される。
【0016】
好ましくは、段階b)において、反応は水素気体を用いて、場合によりPd/C触媒の存在下でそしてイソプロパノール(iPrOH)を溶媒として用いて、行われる。その代わりに、メタノール(MeOH)の使用は低下した反応速度をもたらす。水の使用は不純物の生成をもたらす。好ましくは、段階b)において、反応は45℃より高い温度において行われる。45℃より低いと、反応は遅すぎる。
【0017】
好ましくは、段階c)において、2.3当量のジヒドロ−ビス(2−メトキシエトキシ)アルミン酸ナトリウム(「RedAl」)が使用される。より少ない還元剤の使用はより低い転化率をもたらしうる。好ましくは、段階c)において、トルエンが溶媒として使用される。トルエンは、商業用のジヒドロ−ビス(2−メトキシエトキシ)アルミン酸ナトリウム(「RedAl」)がその中に溶解する溶媒である。この還元剤の反応性のために、有極性溶媒を使用することは可能でない。さらに、生成物を含んでなるトルエン溶液がそのまま使用されるため、段階c)で得られる生成物を処理後に単離する必要がない。
【0018】
好ましくは、段階d)において水性塩酸が塩素化剤として使用される。好ましくは、段階d)において、反応は90℃において行われる。より低い温度においては反応速度はより低くなる。好ましくは、段階d)において、反応は閉鎖容器中で行われる(約1.5気圧への圧力上昇が起きる)。開放容器中では、塩酸が部分的に発生する。
【0019】
好ましくは、段階e)において、段階d)から得られる生成物をTHFおよびHOの、好ましくは1:1比の混合物中で、Pd−含有触媒系を用いてCOと反応させる。中間的なパラジウム複合体の加水分解を行うためには水が必要である。それとTHFとの組み合わせが最高の転化率を与える。この反応段階用の触媒系としては、好ましくは酢酸ナトリウムが使用される。酢酸ナトリウムが省略される場合には、ほとんど反応は起きない。他の系は炭酸カリウムまたはトリエチルアミンを含んでなる。好ましくは、段階e)において、トリフェニルホスフィン(PhP)をパラジウム用の配位子として使用して反応が行われる。他の配位子を試験したが、結果はそれより良くない。PhPがより普遍的なものでありそして好ましく使用される。好ましくは、段階e)において、反応は4バールの圧力において行われる。大気圧では、反応は非常に遅い。好ましくは、段階e)において、反応は80℃の温度において行われる。より低い温度では、反応はより遅くなる。
【0020】
本発明に関する別の態様によると、この方法は次の段階a)〜f2)を含んでなり、段階e)における前記の方法が段階f1)およびf2)により交換されることが異なる:
a)フリーデル−クラフツ反応用にフルオロベンゼン自体を溶媒としてそして塩化アルミニウムをルイス酸として用いて還流温度において無水フタル酸をフルオロベンゼンと反応させ、
b)段階a)で得られる生成物をケトン部分において過剰還元し、
c)段階b)で得られる生成物をジヒドロ−ビス(2−メトキシエトキシ)アルミン酸ナトリウム(Red−Al)を用いて対応するアルコールに還元し、
d)段階c)で得られるアルコールを塩素化し、
f1)段階d)で得られる生成物をシアン化ナトリウムと反応させ、
f2)段階f1)で得られる生成物を加水分解する。
【0021】
本発明に従う方法は下記の通りにして記述することができる(スキーム3参照):
【0022】
【化4】

【0023】
段階a)〜d)に関して、好ましい態様は以上に記載されている。
【0024】
好ましくは、段階f1)において、反応は70℃においてトルエン/水の混合物中で相間移動触媒(例えば硫酸水素テトラブチルアンモニウム(TBAHS))の存在下で行われる。好ましくは、段階f1)において、反応は酢酸、硫酸および水の混合物中で還流下で行われる。
【0025】
本発明に従う方法を次に下記の実施例を用いて説明するが、それらに限定されるものではない。
【0026】
実験
全ての物質は商業的供給業者から購入されそしてさらなる精製なしに使用される。反応は、必要時には、窒素の雰囲気下で行われた。研究室内ではガラス容器だけが使用され、パイロットプラント中では鋼またはガラスが裏打ちされた容器の両者が使用される。それぞれの反応に関して、反応混合物の試料が集められそしてHPLCにより分析された。
【実施例】
【0027】
段階a) 2−(4−フルオロ−ベンゾイル)−安息香酸(化合物IV)
1.温度を30℃より低く保つようにして、臭化p−フルオロベンゼンマグネシウムの溶液(THF中1.2M溶液、1当量)を無水フタル酸のTHF中0.4M溶液に加える。1時間後に、溶媒の半分を蒸留除去しそして反応混合物を一晩にわたり室温において撹拌する。得られた沈殿を濾別しそして水(0.3L/モル)の中に加えた。温度を35℃より低く保つようにして、トルエン(1L/モル)およびHCLcpを加える。1時間にわたり撹拌した後に、有機層を蒸発させ(50℃、真空)そして得られた固体を50℃において真空下で乾燥する。活性収率:69%。
2.或いは、フリーデル−クラフツ反応を行うことができる。無水フタル酸を含有する不活性化されたフラスコ中に、フルオロベンゼン(1.8L/モル)を加え、引き続き塩化アルミニウム(2.1当量)を注意深く加える。反応混合物を75℃まで加熱する(HCl発生が観察される)。75℃における3時間後に、水(1L/モル)を加える。有機層を分離しそして濃塩酸(0.1L/モル)を加える。フルオロベンゼンを蒸留除去しそして混合物を10℃に冷却する。沈殿を濾別し、水で洗浄しそして65〜70℃において乾燥する。活性収率:85%。註:フルオロベンゼンはアルカリ性溶液で洗浄しそして水層を廃棄することにより再生されうる。
【0028】
段階b) 2−(4−フルオロ−ベンジル)−安息香酸(化合物V)
水素化フラスコ中に2−(4−フルオロ−ベンゾイル)−安息香酸、プロピレングリコールモノメチルエーテル(1L/モル)および湿った10%Pd/C(15g/モル)を加えた。水素化を50℃において18時間にわたり行った。チオフェン(0.3kg/モ
ル)を加えそして触媒を濾別した。濾液を80℃まで加熱しそして水(1.12L/モル)をその温度において加えた。混合物を加熱還流し、次に25℃に冷却しそしてその温度において1時間にわたり撹拌した。沈殿を濾別し、水(1L/モル)で洗浄しそして50℃において18時間にわたり乾燥した。活性収率:83%。
【0029】
段階c) [2−(4−フルオロ−ベンジル)−フェニル]−メタノール(化合物VI)
2−(4−フルオロ−ベンゾイル)−安息香酸(1当量)を含有する不活性化されたフラスコ中に、トルエン(0.8L/モル)を加えそして容器を0−5℃に冷却する。ジヒドロ−ビス(2−メトキシエトキシ)アルミン酸ナトリウム(「RedAl」)(トルエン中1M、2.3当量)を滴下しそして反応混合物を5℃において16時間にわたり撹拌する。アセトン(3当量)を5℃において滴下しそして混合物を15分間にわたり撹拌する。温度を自然に25℃に上昇させる。水酸化ナトリウム溶液(5当量)を加えそして混合物を20分間にわたり激しく撹拌する。有機層を分離しそして再び微酸性の水溶液で洗浄する。有機層をジカライト(Dicalite)上で濾過しそして次の段階でさらに使用する。
【0030】
段階d) [2−(4−フルオロ−ベンジル)−フェニル]−クロロメタン(化合物VII)
[2−(4−フルオロ−ベンジル)−フェニル]−メタノールのトルエン中溶液を含有する不活性化されたフラスコ中に、HClcp(5当量)を加え、容器を閉鎖しそして混合物を90℃まで撹拌する(1.54バールの圧力が生ずる)。90℃における6時間後に、反応混合物を25℃に冷却しそして容器を開放する。層を分離し、有機層を水で、次に微アルカリ性の溶液で、洗浄し、そして次の段階でさらに使用する。
【0031】
段階e) [2−(4−フルオロ−ベンジル)−フェニル]−酢酸(化合物I)
[2−(4−フルオロ−ベンジル)−フェニル]−クロロメタン(1当量)、THF(1L/モル)、水(0.7L/モル)、Pd(OAc)(1.3モル%)、dppp(2.6モル%)および酢酸ナトリウム(2.5当量)を不活性化された反応器中に入れた。反応混合物を4バールのCO圧力下に入れそしてそのまま80℃において20時間にわたり撹拌する。有機層を分離しそして圧力下で蒸発させる。トルエン(0.75L/モル)を残渣に加えそしてカルボン酸を水酸化ナトリウムの2N溶液(0.75L/モル)で抽出する。パラジウムの黒色粒子をセライト(Celite)上での濾過により除去する。水層をフラスコ中に入れそして酢酸(0.9L/モル)を加える。混合物を80℃まで暖め、次に自然に冷却する。結晶化が約50℃で始まる。結晶を室温において濾別し、水で洗浄しそして乾燥して、黒色の[2−(4−フルオロ−ベンジル)−フェニル]−酢酸(91%)を与える。25mlの酢酸および水の混合物(7/3)中での木炭を用いる5gの黒色の[2−(4−フルオロ−ベンジル)−フェニル]−酢酸の処理が、[2−(4−フルオロ−ベンジル)−フェニル]−酢酸の純粋な白色結晶の単離をもたらす。この段階は酢酸の最初の添加前に行うことができる。
【0032】
段階f1) [2−(4−フルオロ−ベンジル)−フェニル]−アセトニトリル(化合物VIII)
2−(4−フルオロ−ベンジル)−安息香酸をトルエン(1.5L/モル)中に溶解させそしてDMF(1ml/モル)を加える。反応混合物を40℃まで加熱しそして塩化チオニル(1.1当量)を加える。添加中に、反応混合物を50℃までさらに加熱する。反応混合物を50℃において2.5時間にわたり撹拌し、次に50℃において真空下で蒸発させる。THF(0.3L/モル)を加えそしてその溶液をTHF中2MNaBH溶液(1.5当量)の中に滴下する。温度が還流(67℃)まで上昇しそして反応混合物を還流下で2時間にわたり撹拌する。反応混合物を室温に冷却する。アセトン(350ml/モル)を加え(温度が40℃に上昇し)、反応混合物を30分間にわたり撹拌し、引き続きトルエン(1L/モル)および水(1.5L/モル)を加える。反応混合物を50℃まで加
熱しそして有機層を50℃において真空下で蒸発させる。CHCl(3L/モル)を加え、引き続きトリエチルアミン(1.1当量)を加える。SOCl(1.1当量)を滴下すると、温度が還流に上昇する。反応混合物を45分間にわたり室温に撹拌する。水(1L/モル)を加えそして反応混合物を15分間にわたり激しく撹拌する。有機層を第二回目に水(1L/モル)で洗浄しそして蒸発させる(40℃、真空)。生成物をトルエン(2.5L/モル)中に溶解させ、硫酸水素テトラブチルアンモニウム(相間移動触媒)(0.1当量)を70℃において加えそして6Mシアン化ナトリウム(1.6当量)を70℃において激しく撹拌しながら加える。反応混合物を次に加熱還流しそして3時間にわたり撹拌する。室温に冷却した後に、水(0.5L/モル)を加えそして反応混合物を30分間にわたり撹拌する。第二回目に水(0.5L/モル)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥しそして溶媒を蒸発させた後に、[2−(4−フルオロ−ベンジル)−フェニル]−アセトニトリルが得られる。活性収率:94%。註:生成物を例えば薄膜蒸留により精製することができる。
【0033】
段階f2) [2−(4−フルオロ−ベンジル)−フェニル]−酢酸(化合物I)
[2−(4−フルオロ−ベンジル)−フェニル]−アセトニトリルを酢酸(0.5L/モル)、水(0.3L/モル)および硫酸(0.35L/モル) の中に懸濁させる。還流下での5時間後に、混合物を冷却し、水(1.2L/モル)およびジクロロメタン(0.3L/モル)を加える。有機抽出物を水(1.3L/モル)および50%水酸化ナトリウム(0.15L/モル)で洗浄する。20分間にわたり撹拌した後に、水層を分離しそしてCHCl(0.1L/モル)で洗浄し、それを廃棄する。水層を濃塩酸(2当量)で酸性化する。混合物を3時間にわたり撹拌し、沈殿を次に濾別しそして水(0.1L/モル)で洗浄する。収率:74%。
【0034】
全ての段階は研究室中で最適化され、次にパイロットプラント中で成功裡に規模拡大される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の段階a)〜e):
a)適当な反応条件において無水フタル酸をフルオロベンゼンまたはその誘導体と反応させ、
b)段階a)で得られる生成物をケトン部分において過剰還元し(over reducing)、
c)段階b)で得られる生成物をジヒドロ−ビス(2−メトキシエトキシ)アルミン酸ナトリウム(Red−Al)を用いて対応するアルコールに還元し、
d)段階c)で得られるアルコールを塩素化し、
e)COを段階d)で得られる生成物中に適切なPd−含有触媒系を通して挿入することを含んでなる、[2−(4−フルオロ−ベンジル)−フェニル]−酢酸の製造方法。
【請求項2】
次の段階a)〜f2):
a)適当な反応条件において無水フタル酸をフルオロベンゼンまたはその誘導体と反応させ、
b)段階a)で得られる生成物をケトン部分において過剰還元し、
c)段階b)で得られる生成物をジヒドロ−ビス(2−メトキシエトキシ)アルミン酸ナトリウム(Red−Al)を用いて対応するアルコールに還元し、
d)段階c)で得られるアルコールを塩素化し、
f1)段階d)で得られる生成物をシアン化ナトリウムと反応させ、
f2)段階f1)で得られる生成物を加水分解すること
を含んでなる、[2−(4−フルオロ−ベンジル)−フェニル]−酢酸の製造方法。
【請求項3】
段階a)においてフルオロベンゼンそれ自体を溶媒として用いそして塩化アルミニウムをルイス酸として用いるフリーデルクラフツ反応を使用することを特徴とする、請求項1および2のいずれか1項に記載の方法。
【請求項4】
段階a)において塩化アルミニウムを無水フタル酸に関して>2:1のモル比で使用することを特徴とする、請求項1および2のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
段階b)において反応を水素気体を用いて、場合によりPd/C触媒の存在下でそして溶媒としてイソプロパノール(iPrOH)を用いて行うことを特徴とする、請求項1および2のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
段階c)において2.3当量のジヒドロービス(2−メトキシエトキシ)アルミン酸ナトリウム(「Red−Al」)を使用することを特徴とする、請求項1および2のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
段階d)において水性塩酸を塩素化剤として使用することを特徴とする、請求項1および2のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
段階e)において段階e)から得られる生成物をTHFおよびHOの混合物中で酢酸ナトリウムおよびトリフェニルホスフィンの存在下でCOと反応させることを特徴とする、請求項1および2のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
段階f1)において反応を70℃においてトルエン/水の混合物中で相間移動触媒の存在下で行うことを特徴とする、請求項1および2のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法のいずれかにより得られる生成物。

【公表番号】特表2008−511582(P2008−511582A)
【公表日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−528863(P2007−528863)
【出願日】平成17年8月26日(2005.8.26)
【国際出願番号】PCT/EP2005/054202
【国際公開番号】WO2006/024630
【国際公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【出願人】(390033008)ジヤンセン・フアーマシユーチカ・ナームローゼ・フエンノートシヤツプ (616)
【氏名又は名称原語表記】JANSSEN PHARMACEUTICA NAAMLOZE VENNOOTSCHAP
【Fターム(参考)】