説明

tert−ブチル(E)−(6−[2−[4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ピリミジン−5−イル]ビニル](4R,6S)−2,2−ジメチル[1,3]ジオキサン−4−イル)アセテートの製造法

【課題】高コレステロール血症、高リポ蛋白血症、およびアテローム性動脈硬化症の治療に有用なHMGCoAレダクターゼ阻害剤を製造する上での中間体として有用な、tert-ブチル(E)-(6-[2-[4-(4-フルオロフェニル)-6-イソプロピル-2-[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ピリミジン-5-イル]ビニル]-(4R,6S)-2,2-ジメチル[1,3]ジオキサン-4-イル)アセテートの製造法の提供。
【解決手段】ジフェニル[4-(4-フルオロフェニル)-6-イソプロピル-2-[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ピリミジン-5-イルメチル]ホスフィンオキシドとtert-ブチル-2-[(4R,6S)-6-ホルミル-2,2-ジメチル-1,3-ジオキサン-4-イル]アセテートとを強塩基の存在下で反応させる。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は新規の化学プロセスに関し、さらに詳細には、たとえば、特に高コレステロール血症、高リポ蛋白血症、およびアテローム性動脈硬化症の治療に有用な医薬を製造する上での中間体として有用な、式I
【0002】
【化4】

【0003】
で示されるtert-ブチル (E)-(6-[2-[4-(4-フルオロフェニル)-6-イソプロピル-2-[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ピリミジン-5-イル]ビニル](4R,6S)-2,2-ジメチル[1,3]ジオ
キサン-4-イル)アセテート(以後、BEMと呼ぶ)を製造するための新規化学プロセスに関す
る。本発明はさらに、前記プロセスにおいて使用される新規の出発物質、およびHMG CoA
レダクターゼ阻害剤の製造において前記プロセスを使用することを含む。
【0004】
ヨーロッパ特許出願公開番号(EPA)0521471には、(E)-7-[4-(4-フルオロフェニル)-6-イソプロピル-2-[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ピリミジン-5-イル](3R,5S)-3,5-ジヒ
ドロキシ-6-ヘプテン酸およびそのナトリウム塩とカルシウム塩(下記)〔以後、これらを
総称して“エージェント(The Agent)”と呼ぶ〕が、HMG
CoAレダクターゼの阻害剤として開示されている。
【0005】
【化5】

【0006】
該特許出願によれば、エージェントは、メチル 7-[4-(4-フルオロフェニル)-6-イソプロ
ピル-2-(N-メチル-N-メチルスルホニル-アミノ)ピリミジン-5-イル-(3R)-3-ヒドロキシ-5-オキソ-(E)-ヘプテノエートの還元とその後の処理によって得られている。しかしながらエージェントは、BEMから、酸で処理し(アセトニド保護基を切断)、次いで塩基で処理し(エステル基を切断)、そして最初に形成された塩を遊離酸もしくはカルシウム塩に転化す
ることによって得ることができる。
【0007】
本発明者らは、BEMを製造するための有利かつ有用な方法を見出した。
本発明によれば、式III
【0008】
【化6】

【0009】
で示されるジフェニル[4-(4-フルオロフェニル)-6-イソプロピル-2-[メチル(メチルスル
ホニル)アミノ]ピリミジン-5-イルメチル]ホスフィンオキシド(以後DPPOと呼ぶ)と式II
【0010】
【化7】

【0011】
で示されるtert-ブチル 2-[(4R,6S)-6-ホルミル-2,2-ジメチル-1,3-ジオキサン-4-イル]
アセテート(以後BFAと呼ぶ)とを強塩基の存在下で反応させることを含む、BEM(式I)の製
造法が提供される。
【0012】
本発明の製造法は、適切なある1種の溶媒、混合溶媒(たとえば、エーテル類の混合溶
媒や芳香族炭化水素の混合溶媒)、またはこれらの混合物中で行われる。特に適した溶媒
としては、たとえば、テトラヒドロフラン(THF)、ジメトキシエタン、トルエン、または
これらの混合物がある。特に好ましい溶媒としては、たとえば、THFおよびTHFとトルエンとの混合物がある。
【0013】
本発明の製造法において使用するための適切な塩基としては、たとえば、アミド塩基(amide bases)、アルキル金属、および金属水素化物がある。具体的に挙げると、たとえば
、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、ブチルリチウム、および水素化ナトリウムなどがある。特に好ましい塩基は、たとえばナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド(NaHMDS)である。
【0014】
反応は、たとえば、−40℃〜−90℃(たとえば−40℃〜−80℃)等の−20℃〜−90℃の温度範囲で行うことができる。反応行うための適切な温度は、たとえば、アセトンと固体二酸化炭素との混合物の温度(約−75℃)である。
【0015】
本発明の製造法は、1当量のDPPOに対して1.0〜1.2当量(たとえば、1.05〜1.2当量、好
ましくは1.05〜1.12当量)の塩基を使用して行うのが有利である。BFAは大過剰に存在してもよいが、1当量のDPPOに対して1.0〜1.35当量(好ましくは1.05〜1.3当量、特に好ましくは1.05〜1.15当量)の量にて使用するのが適切である。
【0016】
本発明の製造法は、DPPOの代わりに対応するジアルキルホスホネート(-PO(Oアルキル)2)出発物質を使用した場合と比較して、生成物の大幅な収率アップと品質向上をもたらす

【0017】
出発物質であるDPPO(本発明の他の態様である)は、アルキル 2-アミノ-4-(4-フルオロ
フェニル)-6-イソプロピルピリミジン-5-カルボキシレート(たとえば、メチルエステルは日本特許出願第06-256318号に記載のように、またエチルエステルはEPA0521471号に記載
のように得ることができる)から出発して、後記の実施例に記載のように得ることができ
る。BFAは、EPA0319847号に記載のように得ることができる(実施例6)。
【0018】
本発明のさらに他の態様は、式IV
【0019】
【化8】

【0020】
(式中、R1は、水素または医薬用として許容しうるカチオンである)で示される化合物の製造法であって、
(1) DPPOとBFAとを強塩基(前述)の存在下で反応させてBEMを得る工程;
(2) ジヒドロキシ(アセトニド)保護基を切断する(たとえば酸加水分解によって、たとえばTHFまたはアセトニトリル中にてHClを使用することによって)工程;
(3) tert-ブチルエステル基を塩基性条件下で切断して、R1が医薬用として許容しうるカチオンである場合の式IVの化合物を形成させる(たとえば金属水酸化物の極性溶媒溶液
を使用することによって、たとえば水酸化ナトリウムの水性エタノール溶液もしくは水性アセトニトリル溶液を使用することによって)工程;
次いで必要に応じて、中和処理を施してR1が水素である場合の式IVの化合物を得る工程; および/または
次いで必要に応じて、R1が医薬用として許容しうるカチオンである場合の、式IVの別の化合物に転化させる〔たとえば、水性条件下にて水溶性カルシウム塩(たとえば塩化カル
シウム)で処理することによって、ナトリウム塩をカルシウム塩に転化させる〕工程;
を含む前記製造法である。
【0021】
工程(2)と(3)及びその後の任意工程に対する適切な条件は、EPA0521471号および/また
はEPA0319847号(これらの特許文献を参照により本明細書に含める)に開示の条件と類似しているか、あるいは全く同じである。式IVの化合物のカルシウム塩(1ページに示されている)を得るためには、工程(2)と(3)及びメチルアミン塩を介してのカルシウム塩への転化
を、実施例7に記載のように行うのが好ましい(これらの工程も本発明のさらなる態様を形成する)。
【0022】
言うまでもないことであるが、上記の製造法において、BFAを一般式V
【0023】
【化9】

【0024】
〔式中、P1とP2はアルコール保護基であるか、あるいはP1とP2が一緒になって1,3-ジオール保護基であり(たとえば、EPA0319847号とGB2244705号(これらの特許文献を参照により
本明細書に含める)に記載の保護基)、P3はカルボン酸保護基(たとえばC1-C8アルキル(た
とえばC1-C4アルキル))である〕で示される化合物で置き換えて、式VI
【0025】
【化10】

【0026】
で示される化合物を形成させることができる。式VIの化合物に対し、アルコール保護基またはジオール保護基を切断し、COOP3をCOOH基またはその医薬用として許容しうる塩に転
化することによって、式VIの化合物をエージェントに転化することができる。このような一般的なプロセスも本発明のさらなる特徴を形成する。
【0027】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明がこれらの実施例によって限定されることはない。
【0028】
製造例1
DPPOの製造
メチル 4-(4-フルオロフェニル)-6-イソプロピル-2-[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ピリミジン-5-カルボキシレート(12.0g)をトルエン(55ml)中に混合して得た混合物を撹
拌しながら−10℃に冷却し、これにジイソブチル水素化アルミニウム(トルエン中1.5M溶
液50ml)を、温度を0℃未満に保持しながら2時間で加えた。添加後、混合物を0℃で30分撹拌した。温度を0℃に保持しながら、混合物にメタノール(0.64ml)を加えた。本混合物を
、濃塩酸(23.3ml)と水(40.5ml)とアセトニトリル(24ml)との40℃混合物に、得られる混合物の温度を40℃に保持しつつ2時間で加えた。添加後、混合物を40℃でさらに30分撹拌し
、次いで窒素をパージした(イソブタンを除去するため)。本混合物を20℃に冷却し、20分静置した。有機相を分離し、濃塩酸(0.7ml)と水(30ml)との混合物で洗浄した。有機相に
アセトニトリル(24ml)を加え、本混合物を重炭酸ナトリウム(0.038g)の水(120ml)溶液で
洗浄した。
【0029】
有機相を40℃に加熱し、次いで窒素パージを使用して40℃〜80℃に加熱した。本混合物を常圧蒸留によって濃縮し、54mlの留出物を捕集した。濃縮された溶液にアセトニトリル(24ml)を加え、得られる混合物の温度を20℃に保持しつつ、撹拌しながら三臭化リン(1.2ml)を加えた。添加後、混合物を20℃で30分撹拌した。温度を20℃に保持しつつ、本混合
物を30分で水(36ml)中に加えた。得られた混合物を5分撹拌し、有機相を分離した。有機
相を重炭酸ナトリウム(0.027g)の水(36ml)溶液で洗浄し、次いで水(36ml)で洗浄した。有機相を減圧蒸留して29mlの留出物を捕集した。混合物を60℃に冷却し、エチルジフェニルホスフィン(7.47ml)を加えた。本混合物を60℃で3時間撹拌し、次いで加熱還流した。ト
ルエン(40ml)を加え、混合物を2時間で0℃に冷却した。生成物を濾過によって捕集し、冷トルエン(10ml)で洗浄し、50℃にて減圧乾燥してDPPO(14.66g)を得た。
【0030】
【化11】

【0031】
メチル 4-(4-フルオロフェニル)-6-イソプロピル-2-[メチル(メチルスルホニル)アミノ)ピリミジン-5-カルボキシレートは下記のように製造した。
メチル 2-アミノ-4-(4-フルオロフェニル)-6-イソプロピル-ピリミジン-5-カルボキシ
レート(19.0g)とナトリウムtert-ペントキシド(22.95g)とジメトキシエタン(190ml)との
混合物を25℃で30分撹拌した。本混合物を撹拌しながら−10℃に冷却し、得られる混合物の温度を−5℃に保持しつつ塩化メタンスルホニル(8.4ml)を滴下した。20分後、硫酸ジメチル(8.1ml)を加え、本混合物を25℃に自然加温した。混合物を25℃で1時間撹拌し、ナトリウムtert-ペントキシド(1.91g)のジメトキシエタン(10ml)溶液を加えた。混合物を25℃で1時間撹拌した。塩化ナトリウム(13.3g)の水(133ml)溶液を加え、混合物を25℃で10分
撹拌した。混合物を15分静置し、下側の水性相を分離して廃棄した。残りの混合物に水(38ml)を加え、本混合物を25℃で30分撹拌した。次いで混合物を加熱して完全な溶液を得た。混合物を1時間で25℃に徐々に冷却した。混合物を0℃に冷却し、1時間撹拌し、懸濁状
態の固体を濾過によって捕集した。この固体を、水/ジメトキシエタン(50:50)の低温(0℃)溶液(20ml)で洗浄した。固体を60℃で減圧乾燥してメチル
4-(4-フルオロフェニル)-6-イソプロピル-2-[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ピリミ
ジン-5-カルボキシレート(19.35g)を得た。
【0032】
【化12】

【0033】
実施例1
DPPO(19.17g)とTHF(227ml)との混合物を、透明な溶液が形成されるまで40℃に短時間加温し、減圧と窒素導入とを順次(5サイクル)施すことによって不活性化した。本混合物を
アセトン/CO2浴中に浸漬し、内容物を−75℃に冷却した。温度を−74℃未満に保持しつつ、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中1.0M溶液37.4ml)を圧力均等化滴下ロ
ートから反応混合物に10分で加え、アニオンの赤色溶液を形成させた。THF(10ml)を滴下
ロートに入れてすすぎながら混合物中に滴下し、本混合物を−76℃でさらに1時間撹拌し
て赤色懸濁液を形成させた。温度を−73℃未満に保持しつつ、BFA(約13.5%w/wトルエン溶液80ml)を圧力均等化滴下ロートから前記懸濁液に少量ずつ20分で加えた。トルエン(20ml)を滴下ロート中に入れ、すすぎながら混合物中に加え、本混合物を−76℃でさらに15分
撹拌した。冷却浴をはずし、懸濁液を1.5時間で10℃に自然加温した。氷酢酸(3.21g)の水(15g)溶液を一度に全部加えると、温度が18℃に上昇し、固体が溶解した。本混合物をさ
らに5分撹拌した。
【0034】
本混合物を常圧蒸留(ジャケット温度110℃)によって94℃の温度になるまで濃縮し、合
計274mlの留出物を捕集した。濃縮された混合物を40℃に冷却し、水(40ml)を加え、本混
合物を5分撹拌し、次いで15分静置した。下側の水性相を廃棄した。炭酸水素ナトリウム(2.99g)の水(40ml)溶液を加え、本混合物を5分撹拌し、15分静置した。下側の水性相を廃
棄した。水(30ml)を加え、混合物を5分撹拌し、15分静置した。下側の水性相を廃棄した

【0035】
有機相をトルエン(20ml)を使用して蒸留装置に移し、常圧蒸留(ジャケット温度125〜130℃)によって116℃の温度になるまで濃縮し、85mlの留出物を捕集した。減圧にし(400〜500ミリバール)、111℃の温度になるまで、さらに16.5mlの留出物を捕集した。減圧を解除し、濃縮混合物を80℃に自然冷却した。激しく撹拌しながら加温したMeOH(140ml, 50℃)
を加え、30分でバッチを20℃に自然冷却した(この時間中に固体が沈殿した)。この懸濁液をさらに30分で2℃に冷却し、固体をガラスロートでの濾過によって捕集し、そしてでき
るだけ乾燥するように吸引した。固体を冷メタノール(60ml, 2℃)で洗浄し、再びできる
だけ乾燥するように吸引し、次いで減圧オーブンに移し、一晩乾燥(50℃、200ミリバール)してBEM(14.01g, 67.7%)を得た。
【0036】
【化13】

【0037】
実施例2〜6
実施例1に記載の手順を、表1に記載の反応物の比率および温度を使用して行った。BEM
が下記の収率にて得られた。
【0038】
【表1】

【0039】
実施例7
BEM(5.0g)とアセトニトリル(35ml)との混合物を40℃にて不活性雰囲気下で撹拌した。
得られた溶液に、温度を35℃〜42℃に保持しながら、0.02Mの塩酸(9.5ml)を30分で加えた。混合物を40℃で3時間撹拌し、25℃に冷却した。1.0Mの水酸化ナトリウム水溶液(9.5ml)を25℃にて撹拌しながら加え、本混合物を25℃でさらに1時間撹拌した。塩化ナトリウム(4.7g)を加え、混合物を1時間で−5℃に冷却した。1M塩酸(9.5ml)と塩化ナトリウム(2.4g)との溶液を−5℃で充分な量にて加えてpHを3.4〜4.0とし、混合物をこの温度で5分撹拌した。混合物を−5℃にて10分静置して2つの層を得た。下側の層を分離して廃棄した。残りの溶液にアセトニトリル(65ml)を加え、濾過助剤を通して混合物を濾過した。40%メチレ
ン水溶液(1.1ml)を−5℃で加え、混合物を40分で30℃に加温し、この温度で90分保持した。次いで混合物を40分で0℃に冷却し、この温度で90分保持した。得られた固体を濾過に
より捕集し、アセトニトリル(2×12ml)で洗浄した。この固体〔式IVの化合物のメチルア
ミン塩(R1=MeNH3+)〕を減圧下にて35℃で乾燥した(3.87g)。20℃にて脱気した水(30ml)中にメチルアミン塩(6.0g)を混合して得た混合物を撹拌し、これに8%w/w水酸化ナトリウム
水溶液(5.44ml)を加え、本混合物を1時間撹拌した。混合物を濾過し、減圧下にて40℃で
濃縮して24mlの留出物を捕集した。水(24ml)を加え、混合物を再び減圧下にて40℃で濃縮して24mlの留出物を捕集した。水(30ml)を加え、塩化カルシウム二水和物(1.03g)の水(6ml)溶液を20℃で滴下した。本混合物を45分撹拌し、生成した固体を濾過した。固体を水(36ml)で洗浄し、40℃で減圧乾燥して(E)-7-[4-(4-フルオロフェニル)-6-イソプロピル-2-[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ピリミジン-5-イル](3R,5S)-3,5-ジヒドロキシ-6-ヘプテン酸を得た。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジフェニル[4-(4-フルオロフェニル)-6-イソプロピル-2-[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ピリミジン-5-イルメチル]ホスフィンオキシドとtert-ブチル-2-[(4R,6S)-6-ホルミル-2,2-ジメチル-1,3-ジオキサン-4-イル]アセテートとを強塩基の存在下で反応させることを含む、tert-ブチル (E)-(6-[2-[4-(4-フルオロフェニル)-6-イソプロピル-2-[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ピリミジン-5-イル]ビニル]-(4R,6S)-2,2-ジメチル[1,3]ジオキサン-4-イル)アセテートの製造法。
【請求項2】
前記反応を−20℃〜−90℃の範囲の温度で行う、請求項1記載の製造法。
【請求項3】
前記強塩基がナトリウムビス(トリメチルシリル)アミドである、請求項1または2に記載の製造法。
【請求項4】
前記反応を、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、トルエン、およびこれらの混合物から選ばれる溶媒中にて行う、請求項1、2、または3に記載の製造法。
【請求項5】
ホスフィンオキシド1当量当たり1.0〜1.2当量の塩基を使用する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造法。
【請求項6】
ホスフィンオキシド1当量当たり1.0〜1.35当量のtert-ブチル-2-[(4R,6S)-6-ホルミル-2,2-ジメチル-1,3-ジオキサン-4-イル]アセテートを使用する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造法。
【請求項7】
ジフェニル[4-(4-フルオロフェニル)-6-イソプロピル-2-[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ピリミジン-5-イルメチル]ホスフィンオキシドである化合物。
【請求項8】
tert-ブチル (E)-(6-[2-[4-(4-フルオロフェニル)-6-イソプロピル-2-[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ピリミジン-5-イル]ビニル]-(4R,6S)-2,2-ジメチル[1,3]ジオキサン-4-イル)アセテートである化合物。
【請求項9】
式IV
【化1】

(式中、R1は、水素または医薬用として許容しうるカチオンである)で示される化合物の製造法であって、
(1) ジフェニル[4-(4-フルオロフェニル)-6-イソプロピル-2-[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ピリミジン-5-イルメチル]ホスフィンオキシドとtert-ブチル-2-[(4R,6S)-6-ホルミル-2,2-ジメチル-1,3-ジオキサン-4-イル]アセテートとを強塩基の存在下で反応させて、式Iで示されるtert-ブチル (E)-(6-[2-[4-(4-フルオロフェニル)-6-イソプロピル-2-[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ピリミジン-5-イル]ビニル]-(4R,6S)-2,2-ジメチル[1,3]ジオキサン-4-イル)アセテートを得る工程;
(2) 工程(1)の生成物からジヒドロキシ保護基を切断する工程;
(3) 工程(2)の生成物からtert-ブチルエステル基を塩基性条件下で切断して、R1が医薬用として許容しうるカチオンである場合の式IVの化合物を形成させる工程;
次いで必要に応じて、中和処理を施してR1が水素である場合の式IVの化合物を得る工程; および/または
次いで必要に応じて、R1が医薬用として許容しうるカチオンである場合の、式IVの別の化合物に転化させる工程;
を含む前記製造法。
【請求項10】
ジフェニル[4-(4-フルオロフェニル)-6-イソプロピル-2-[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ピリミジン-5-イルメチル]ホスフィンオキシドと式V
【化2】

(式中、P1とP2はアルコール保護基であるか、あるいはP1とP2が一緒になって1,3-ジオール保護基であり、P3はカルボン酸保護基である)で示される化合物とを強塩基の存在下で反応させることを含む、式VI
【化3】

で示される化合物の製造法。

【公開番号】特開2008−255114(P2008−255114A)
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−67100(P2008−67100)
【出願日】平成20年3月17日(2008.3.17)
【分割の表示】特願2007−123108(P2007−123108)の分割
【原出願日】平成12年2月15日(2000.2.15)
【出願人】(300022641)アストラゼネカ アクチボラグ (581)
【出願人】(000001926)塩野義製薬株式会社 (229)
【Fターム(参考)】