遊技機
【課題】 確変非報知機種としての魅力を保持することができる遊技機を提供すること。
【解決手段】 パチンコ遊技機1は、大当り遊技状態の終了後の報知態様として、確変報知または時短報知を行う第1の報知態様とするか、確変報知または時短報知を行わない第2の報知態様とするかを、大当り遊技状態の終了後の所定期間が経過する度に抽選し、この抽選結果に応じて、報知態様を第2の報知態様から第1の報知態様に切換える。また、複数の異なる抽選期間や抽選割合をプログラムROM43に記憶し、サブCPU42がプログラムROM43に記憶された複数の抽選期間または抽選割合のうちの何れかの抽選期間または抽選割合に基づいて、第1の報知態様とするか、第2の報知態様とするかを抽選する。
【解決手段】 パチンコ遊技機1は、大当り遊技状態の終了後の報知態様として、確変報知または時短報知を行う第1の報知態様とするか、確変報知または時短報知を行わない第2の報知態様とするかを、大当り遊技状態の終了後の所定期間が経過する度に抽選し、この抽選結果に応じて、報知態様を第2の報知態様から第1の報知態様に切換える。また、複数の異なる抽選期間や抽選割合をプログラムROM43に記憶し、サブCPU42がプログラムROM43に記憶された複数の抽選期間または抽選割合のうちの何れかの抽選期間または抽選割合に基づいて、第1の報知態様とするか、第2の報知態様とするかを抽選する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関し、例えば、大当り遊技状態の終了後の遊技状態が確変遊技状態であるのか、時短遊技状態であるのかを演出上で報知しない確変非報知機種等の遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のパチンコ遊技機等の遊技機にあっては、確変大当りまたは時短大当りの2種類の大当り遊技を行うようにしたものがあり、確変大当りの場合には大当り遊技状態の終了後に確変遊技状態に移行し、時短大当りの場合には大当り遊技状態の終了後に時短遊技状態に移行する。
【0003】
近時のパチンコ遊技機には、大当り遊技状態の終了後の遊技状態が確変遊技状態であるのか、時短遊技状態であるのかを演出上で報知しない、所謂、確変非報知機種があり、このような確変非報知機種の最大の魅力は、大当り遊技の終了後の遊技状態が確変であるのか時短であるのかを演出上で分からないようにして、すなわち、遊技者に報知しないようにして遊技者が遊技を止め難くするところにある。
【0004】
ところが、このように大当り遊技状態の終了後に遊技状態を報知しないようにすると、遊技者は遊技状態が確変であるのか、時短であるのかを伺い知ることができないので、ストレスを感じたり、遊技の止め時が分からない等して遊技離れを招くおそれがある。
【0005】
このような不具合を解消するものとしては、大当り遊技状態の終了後に確変遊技状態になっているか否かを初期状態において遊技者に報知せず、パチンコ遊技機に備えられた確変表示ボタンを遊技者が操作したときに、確変情報を、例えば、ランプや表示態様によって演出表示するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
このようにすれば、確率変動状態となっているか否かを遊技者自身が希望するタイミングで知ることができるので、ストレスを軽減することができるとともに、遊技の止め時の目安にすることができ、遊技者の要望に答えたパチンコ遊技機を提供することができる。
【特許文献1】特開2004−173825号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、このような従来のパチンコ遊技機にあっては、確変表示ボタンを操作することにより、確変遊技状態であるか否かが直ちに判断されてしまうので、遊技者は確変表示ボタンの操作後に確変でないことが分かると、直ちに遊技を止めてしまうことが予想される。
【0008】
すなわち、確変表示ボタンを操作することにより、確変遊技状態であるか否かが直ちに判断されてしまうので、確変非報知機種としての魅力を十分に発揮することができないという問題があった。
【0009】
本発明は、このような問題に鑑みなされたもので、確変非報知機種としての魅力を保持することができる遊技機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の遊技機は、遊技球が通過可能な各種入賞領域(例えば、第1始動口19、第2始動口23、大入賞口22)を有する遊技領域(例えば、遊技領域10a)と、前記各種入賞領域の少なくとも1つを構成する始動入賞領域を遊技球が通過したことを条件として、遊技者にとって有利な大当り遊技状態とするか否かを判定する大当り判定手段(例えば、メインCPU32)と、前記大当り遊技状態の終了後の遊技状態として、相対的に有利な第1の遊技状態(例えば、確変遊技状態)および前記第1の遊技状態よりも不利な第2の遊技状態(例えば、時短遊技状態)の何れか一方の遊技状態を決定する遊技状態決定手段(例えば、メインCPU32)と、前記遊技状態決定手段が前記第1の遊技状態または前記第2の遊技状態を決定したことを報知する第1の報知態様(例えば、確変報知、時短報知)と、前記第1の遊技状態または前記第2の遊技状態を決定したことを報知しない第2の報知態様とに報知態様を切換え可能な報知態様切換え手段(例えば、サブCPU42)と、前記大当り遊技状態の終了後の報知態様として、前記第1の報知態様とするか、前記第2の報知態様とするかを、前記大当り遊技状態の終了後の所定期間が経過する度に抽選する報知態様抽選手段(例えば、サブCPU42)とを備え、前記報知態様切換え手段は、前記報知態様抽選手段による抽選結果に応じて、報知態様を前記第2の報知態様から前記第1の報知態様に切換えるものから構成されている。
【0011】
この構成により、大当り遊技状態の終了後の所定期間が経過する度に第1の報知態様とするか、第2の報知態様とするかを抽選し、抽選結果に応じて報知態様を第2の報知態様から第1の報知態様に切換えるようにしたので、抽選結果が当選であった場合には、確変が成立しているか時短が成立しているかを早い時期に把握することができたり、遅い時期に把握することができ、あるいは抽選にはずれた場合には、例えば、表示画面が第2の報知態様の表示画面から通常画面に切換わることで確変が成立していないことを知ることができる。
【0012】
このように大当り遊技状態の終了後に、確変が成立したか否かを様々な時期に知ることができるので、確変非報知機種としての魅力を保持することができる。
【0013】
また、本発明の遊技機は、前記所定期間として、複数の異なる抽選期間を記憶する抽選期間記憶手段(例えば、プログラムROM43)を備え、前記報知態様抽選手段は、前記抽選期間記憶手段に記憶された複数の抽選期間のうちの何れかの抽選期間に基づいて、前記第1の報知態様とするか、前記第2の報知態様とするかを抽選するものから構成されている。
【0014】
この構成により、3分周期、5分周期のような時間的な複数の抽選期間、または10回転または20回転等のように図柄等の識別情報の変動回数による複数の抽選期間の中から1つの抽選期間を選択し、この抽選期間に基づいて第1の報知態様とするか、第2の報知態様とするかを抽選するようにしたので、大当り遊技状態の終了後に確変の成立や不成立を報知するタイミングに変化を持たせることができ、遊技者にドキドキ感を与えることができる。
【0015】
また、本発明の遊技機の前記抽選期間記憶手段(例えば、プログラムROM43)は、前記報知態様抽選手段が前記第1の報知態様とするか、前記第2の報知態様とするかを抽選するための複数の抽選割合を記憶しており、前記報知態様抽選手段は、前記抽選期間記憶手段に記憶された複数の抽選割合のうちの何れかの抽選割合に基づいて、前記第1の報知態様とするか、前記第2の報知態様とするかを抽選するものから構成されている。
【0016】
この構成により、報知態様抽選手段が第1の報知態様とするか、第2の報知態様とするかを抽選するための複数の抽選割合を備えているので、抽選割合を第1の報知態様に当選し易い抽選割合と第1の報知態様に当選し難い抽選割合とに振り分けることで、第1の報知態様の抽選割合が高ければ、第1の報知態様を早い時期に報知し易くなり、第2の報知態様の抽選割合が高ければ、第1の報知態様の報知時期が遅くなるというように、確変の成立または不成立を遊技者が把握する時期に変化を持たせることができる。
【0017】
また、本発明の遊技機は、始動入賞領域を遊技球が通過したことを条件として識別情報の変動を行う識別情報変動手段(例えば、導出図柄を変動表示する液晶表示装置12、液晶表示装置12を制御する表示制御回路45)と、前記識別情報が変動を開始してから終了するまでの前記識別情報の変動回数を1回としてカウントし、前記識別情報の変動回数を加算して記憶する変動回数加算記憶手段(例えば、ワークRAM44)とを備え、前記報知態様抽選手段は、前記所定期間として、前記変動回数記憶手段に記憶された前記識別情報の変動回数が所定変動回数を満たしたことを条件として、前記抽選を行うものから構成されている。
【0018】
この構成により、図柄等の識別情報の変動回数に基づいて第1の報知態様とするか、第2の報知態様とするかを抽選するので、例えば、時間の変化によって抽選を行うものに比べて、遊技者が始動入賞領域に遊技球を通過させるタイミングで抽選を行うことができる。
【0019】
また、本発明の遊技機の報知態様切換え手段は、前記報知態様抽選手段によって前記第1の報知態様が抽選された時点で、報知態様を前記第2の報知態様から前記第1の報知態様に切換えるものから構成されている。
【0020】
この構成により、例えば、大当り遊技状態の終了後に、図柄等の識別情報が5回転目の抽選で第1の報知態様に当選した場合には、識別情報が5回転目に変動停止するまでに報知態様を第1の報知態様に切換えるので、確変または時短になったことを遊技者が直ちに把握することができる。
【0021】
また、本発明の遊技機は、遊技に関する画像を表示する表示手段(例えば、液晶表示装置12)を備え、前記報知態様切換え手段は、前記表示手段を介して報知態様を前記第2の報知態様から前記第1の報知態様に切換えるものから構成されている。
【0022】
この構成により、表示手段を介して報知態様を第2の報知態様から第1の報知態様に切換えるので、遊技者は第1の報知態様に当選したことを視認することにより、報知態様が切換えられたこと明確に把握することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明の遊技機は、確変非報知機種としての魅力を保持することができる遊技機を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
図1〜図20は本発明に係る遊技機の一実施の形態を示す図であり、本発明の遊技機をパチンコ遊技機に適用した例を示している。
まず、構成を説明する。図1において、パチンコ遊技機1には、本体枠2と、本体枠2に組み込まれた遊技盤10(図2参照)と、本体枠2に回動軸5を介して回動自在に設けられ、遊技盤10と略同面積のガラス部材3を備えた前面扉4と、本体枠2の下方に設けられた上皿6および下皿7と、下皿7の右側に設けられた発射ハンドル8とを備えている。
【0025】
発射ハンドル8は本体枠2に対して回動自在に設けられており、遊技者によって発射ハンドル8が操作されることによりパチンコ遊技を進めることができる。また、発射ハンドル8の裏側には、発射モータ(図示せず)が設けられている。
【0026】
また、発射ハンドル8の周縁部には、タッチセンサ(図示せず)が設けられており、このタッチセンサが触接されたときには、遊技者により発射ハンドル8が把持されたことが検知されるようになっている。
【0027】
そして、発射ハンドル8が遊技者によって把持されて時計回り方向に回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射モータに電力が供給され、上皿6に貯留された遊技球が遊技盤10に順次発射される。
【0028】
なお、発射ハンドル8に設けられるタッチセンサは、遊技者によって発射ハンドル8が把持されたことを判別できるものであれば良く、光学的に検知するものや、熱により検知するもの等、センサの種類を問わない。
【0029】
また、本体枠2の上方にはスピーカ51L、51Rが設けられており、このスピーカ51L、51Rは遊技に関する種々の情報を音声、音楽等によって出力するようになっている。
【0030】
図2に示すように遊技盤10の前面には複数の障害釘(図示せず)が打ち込まれており、発射された遊技球は、遊技盤10上に設けられたガイドレール11に案内されて遊技盤10の上部に移動した後、上述した複数の障害釘との衝突によりその進行方向を変えながら遊技盤10の下方に向かって落下する。このように、ガイドレール11に囲まれ、遊技球が転動可能な領域を遊技領域10aと称する。
【0031】
遊技盤10の前面の略中央には表示手段としての液晶表示装置12が設けられており、液晶表示装置12は表示領域12aを備え、この表示領域12aにはそれぞれ識別情報が可変表示されたり、遊技に関連する演出画像が表示される。なお、遊技盤10の全面、すなわち、遊技領域10aを液晶表示装置12の表示領域12aとしても良い。
【0032】
また、液晶表示装置12によって表示される識別情報は、特別図柄ゲームにおいて装飾図柄を構成するものである。これらの識別情報は、数字や記号等からなる図柄であり、数字の図柄の場合には例えば、"0"から"9"までの数字を用いる。
【0033】
ここで、「可変表示」とは、変動可能に表示される概念であり、例えば、実際に変動して表示される「変動表示」、実際に停止して表示される「停止表示」等を可能とするものである。また、「可変表示」は、特別図柄ゲームの結果として識別情報が表示される「導出表示」を行うことができる。また、変動表示が開始されてから導出表示されるまでを1回の可変表示と称する。また、液晶表示装置12には複数の図柄列、例えば、3列の識別情報が可変表示される。
【0034】
この液晶表示装置12では複数列の識別情報の導出表示が行われ、導出表示された複数列の識別情報の組合せが特定の表示態様(例えば、複数の図柄列のそれぞれに"0"から"9"の何れかの数字が全て揃った状態で導出表示される態様)になったことに基づいて、遊技状態を遊技者に有利な大当り遊技状態に移行することになる。
【0035】
また、大当りとなる特定停止態様を構成する識別情報の種類に応じて、「大当り」は「確変大当り」と「通常大当り」に区別される。例えば、"1"、"3"、"5"、"7"、"9"の5種類の識別情報を「確変図柄」とし、"2"、"4"、"6"、"8"、"0"の5種類の識別情報を「通常図柄」とする。
【0036】
「確変大当り」は、「確変図柄」が揃った特定停止態様となったときに発生する相対的に有利な遊技状態であり、本実施の形態では、確変遊技状態を第1の遊技状態という。また、「確変大当り」となった場合は、「大当り遊技状態」が終了した後の一般遊技状態において、大当りの発生確率が高い状態となる。
【0037】
他方、「時短大当り」は、「通常図柄」が揃った「非特定停止態様」となったときに発生する確変遊技状態よりも不利な遊技状態であり、本実施の形態では時短遊技状態を第2の遊技状態という。また、「時短大当り」となった場合は、「大当り遊技状態」が終了した後に時短遊技状態に移行する。
【0038】
なお、時短遊技状態とは、「確変大当り」の遊技状態が終了した後に非確変である「通常大当り」の遊技状態が終了したときと、確変とならずに「通常大当り」の遊技状態が終了したときとの両方(所謂、フルスペック)、若しくは、「確変大当り」の遊技状態が終了した後で非確変である「通常大当り」の遊技状態が終了したときのみ(所謂、ハーフスペック)、「大当り」の遊技状態の終了後に所定の遊技回数、例えば、100回転だけ装飾図柄が短い時間で変動表示を終了し、後述する普通図柄表示器16の「○」のみが点灯したときに、後述する羽根部材23a、23bが通常遊技時よりも長い時間開放されて持ち玉を減らすことなく遊技を進めることができる遊技状態をいう。
【0039】
なお、本実施の形態において、画像を表示する部分として液晶ディスプレイパネルからなる液晶表示装置12を採用したが、これに限らず、他の態様であっても良く、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)を含むブラウン管、ドットLED、セグメントLED、EL(Electronic Luminescent)、プラズマ等からなるものであっても良い。
【0040】
また、本実施の形態では、表示手段として液晶表示装置12を採用したが、これに限らず、別の態様であっても良く、例えば、ドラム、ベルト、リール等を表示手段して採用しても良い。
【0041】
また、遊技盤10の上方には特別図柄始動記憶表示器13が設けられており、この特別図柄始動記憶表示器13は4つの保留ランプ13a〜13dから構成されている。また、保留ランプ13bと保留ランプ13cの間には普通図柄ゲームにおける普通図柄始動記憶表示器14が設けられており、普通図柄始動記憶表示器14は4つの保留ランプ14a〜14dから構成されている。
【0042】
保留ランプ13bと保留ランプ13cの間には特別図柄表示器15が設けられている。この特別図柄表示器15は、7セグ表示が可能な表示器であり、特別図柄ゲームにおいて特別図柄の可変表示を行うものである。この特別図柄表示器15における特別図柄は、一列の図柄列で構成されているが、これに限らず、例えば、複数の図柄列で構成されていても良い。この特別図柄は、数字や記号等からなる図柄であり、本実施の形態においては、"0"から"9"の数字、"−"の記号を用いる。
【0043】
また、この特別図柄表示器15において、特別図柄の導出表示が行われ、導出表示された特別図柄が特定の表示態様(例えば、"0"から"9"の何れかが導出表示される態様、所謂「大当り表示態様」)になったことに基づいて、遊技状態を遊技者に有利な大当り遊技状態に移行することとなる。
また、導出表示された特別図柄が非特定の表示態様(例えば、"−"が導出表示される態様、所謂「はずれ態様」)、になった場合には、大当り遊技状態に移行しない。
【0044】
また、導出表示された特別図柄が、特定の表示態様のうちの特別の表示態様(例えば、"1"、"3"、"5"、"7"、"9"が導出表示される態様、所謂「確変大当り」)になったことに基づいて、遊技状態を遊技者に有利な大当り遊技状態に移行し、その大当り遊技状態が終了した場合に、確変遊技状態に移行することとなる。
【0045】
一方、導出表示された特別図柄が、特定の表示態様のうち、特別の表示態様ではない非特定の表示態様(例えば、"0"、"2"、"4"、"6"、"8"が導出表示される態様、所謂「時短大当り」)になったことに基づいて、遊技状態を遊技者に有利な大当り遊技状態に移行し、その大当り遊技状態が終了した場合に、遊技者に相対的に不利な時短遊技状態に移行することとなる。
【0046】
上述したような確変遊技状態では、時短遊技状態よりも相対的に大当り遊技状態に移行する確率が向上する。なお、導出表示された特別図柄が特別の表示態様となった場合に大当り遊技状態に移行し、その大当り遊技状態の終了後に確変遊技状態に移行する遊技状態を、特別大当り遊技状態と称する。
【0047】
また、導出表示された特別図柄が非特定の表示態様となった場合に大当り遊技状態に移行し、その大当り遊技状態の終了後に時短遊技状態に移行する遊技状態を、普通大当り遊技状態と称する。
【0048】
また、大当り遊技状態となった後に、確変遊技状態となる特別大当りにおいては、大当り遊技状態中におけるラウンド制御の上限ラウンド数が15ラウンドとなる。すなわち、遊技者に相対的に有利な大当り遊技状態に遊技状態が移行されることとなる。
【0049】
一方、大当り遊技状態となった後に、確変遊技状態とならない普通大当りにおいては、大当り遊技状態中におけるラウンド制御の上限ラウンド数が15ラウンドとなる。このように、特別図柄表示器15は、特別図柄(識別情報の一例)の可変表示を行う。
【0050】
また、液晶表示装置12には、特別図柄表示器15における特別図柄の可変表示に合わせて、複数の図柄列に対応する装飾図柄が可変表示される。換言すれば、液晶表示装置12は、複数の図柄列(表示列)のそれぞれにおいて装飾図柄の可変表示を行う。
【0051】
これら複数の図柄列において装飾図柄の導出表示が行われ、特別図柄表示器15における特別図柄の可変表示の結果が特定の表示態様となる場合には、導出表示された複数の装飾図柄の組合せが特定の組合せ(例えば、複数の図柄列のそれぞれに"0"から"9"の何れかが全て揃った状態で導出表示される態様、所謂「大当り表示態様」)となり、遊技状態を遊技者に有利な大当り遊技状態に移行することとなる。
また、特別図柄表示器15における特別図柄の可変表示の結果が特別大当り表示態様となる場合には、導出表示された複数の装飾図柄の組合せが、特定の組合せのうちの特別の組合せ(例えば、複数の図柄列のそれぞれに"1"、"3"、"5"、"7"、"9"のうち何れかが全て揃った状態で導出表示される態様、所謂「特別大当り表示態様」)となり、遊技状態を遊技者に有利な大当り遊技状態に移行し、その大当り遊技状態が終了した場合に、確変遊技状態に移行することとなる。
【0052】
一方、特別図柄表示器15における特別図柄の可変表示の結果が普通大当り表示態様となる場合には、導出表示された複数の装飾図柄の組合せが、特定の組合せのうちの非特別の組合せ(例えば、複数の図柄列のそれぞれに"0"、"2"、"4"、"6"、"8"の何れかが全て揃った状態で導出表示される態様、所謂「普通大当り表示態様」)となり、遊技状態を遊技者に有利な大当り遊技状態に移行し、その大当り遊技状態が終了した場合に、時短遊技状態に移行することとなる。
【0053】
また、特別図柄表示器15の右隣には普通図柄表示器16が設けられており、この普通図柄表示器16は数字や記号等の普通図柄からなる情報であり、本実施の形態では"○"、"×"の記号から普通図柄が構成され、"○"の記号を表示するランプ16aと、"×"の記号を表示するランプ16bを備えている。
【0054】
また、遊技盤10の右上部にはラウンド数表示器17が設けられており、このラウンド数表示器17は後述する大入賞口の開放回数を表示する。
【0055】
また、液晶表示装置12の両側には、通過ゲート18が設けられている。この通過ゲート18は、その近傍を遊技球が通過したことを検出したときには、普通図柄表示器16a、16bの普通図柄の変動表示が開始され、所定の時間が経過した後、普通図柄の変動表示を停止する。
【0056】
この普通図柄が所定の図柄、例えば"○"として停止表示されたときには、第2始動口23の左右の両側に設けられている羽根部材(所謂、普通電動役物)23a、23bが閉鎖状態から開放状態となり、第2始動口23に遊技球が入り易くなる。また、羽根部材23a、23bを開放状態とした後、所定の時間が経過したときには、羽根部材23a、23bを閉鎖状態として、第2始動口23に遊技球が入り難くなるようにする。
【0057】
また、遊技盤10の下左側および下右側の遊技領域には遊技球の一般入賞口21が設けられており、一般入賞口21に入賞した遊技球は一般入賞口スイッチ102(図3参照)によって検出される。また、一般入賞口21の近傍の遊技領域には、入賞領域としての大入賞口22および大入賞口22に対して開閉自在なシャッタ22aが設けられており、大入賞口22およびシャッタ22aは可変入賞装置を構成している。
【0058】
上述したように、液晶表示装置12における識別情報の組合せが特定の表示態様である場合には、識別情報の可変表示に基づいて遊技状態が大当り遊技状態に移行され、このシャッタ22aが遊技球を受け入れ易い開放状態となるように駆動される。
【0059】
また、この大入賞口22には、カウントスイッチ101(図3参照)が設けられた遊技球の通過領域を備えており、通過領域を遊技球が所定個数(例えば10個)通過するか、または、所定時間(例えば25秒)が経過するまでシャッタ22aが開放状態に駆動される。
【0060】
すなわち、開放状態において大入賞口22への所定数の遊技球の入賞または所定時間の経過の何れかの条件が成立すると、大入賞口22を、遊技球を受け入れ難い閉鎖状態にする。
【0061】
また、液晶表示装置12の下方には、第1始動口スイッチ104(図3参照)を有する第1始動口19が設けられている。この第1始動口19に遊技球が入賞した場合に液晶表示装置12における特別図柄ゲームが開始され、複数列の識別情報を変動表示する変動表示状態に移行する。
【0062】
また、第1始動口19の下方の入賞領域には第2始動口スイッチ105(図3参照)を有する第2始動口23が設けられている。この第2始動口23に遊技球が入賞した場合にも第1始動口19に遊技球が入賞したときと同様に液晶表示装置12における特別図柄ゲームが開始され、複数列の識別情報を変動表示する変動表示状態に移行する。
【0063】
ここで、所定の可変表示開始条件とは、本実施の形態においては、第1始動口19または第2始動口23に遊技球が入賞したことを主な条件とする。また、その他にも、識別情報が導出表示されていることを条件ともする。すなわち、所定の可変表示開始条件が成立する毎に識別情報の可変表示を行うこととなる。
【0064】
また、液晶表示装置12における特別図柄ゲームにおいて、識別情報の変動表示中に遊技球が第1始動口19または第2始動口23に入賞したことを条件(所定の可変表示保留条件)として、第1始動口19または第2始動口23への遊技球の入賞に基づく識別情報の可変表示の実行(開始)が保留される。
【0065】
そして、所定の可変表示保留条件が成立した場合には、変動表示中の識別情報が導出表示される等の所定の可変表示開始条件が成立するまで、識別情報の可変表示の実行(開始)が保留されることになる。
【0066】
識別情報の可変表示の実行が保留されている状態で、識別情報が導出表示された場合には、保留されている識別情報の可変表示の実行が開始される。また、識別情報が導出表示された場合に実行される識別情報の可変表示の実行は1回分である。
【0067】
例えば、識別情報の可変表示の実行が3回分保留されている状態で、識別情報が導出表示された場合には、保留されている識別情報の可変表示のうち1回分が実行され、残りの2回分は保留される。
【0068】
第1始動口19または第2始動口23への遊技球の入賞に基づく識別情報の可変表示の実行が保留される場合は、識別情報の可変表示が後から実行できるように始動記憶情報を、所定数(例えば、4つ)を上限に、後述するメインRAM34(図3参照)に記憶する。
【0069】
このような始動記憶情報を記憶することによって、第1始動口19または第2始動口23への遊技球の入賞に基づく識別情報の可変表示が保留されるとともに、識別情報の可変表示の結果を決定するための情報が記憶される。
【0070】
なお、第1始動口19または第2始動口23への遊技球の入賞に基づく識別情報の可変表示の実行が保留される場合に、メインRAM34に記録される情報を始動記憶情報という。
【0071】
また、一般に、これらの始動記憶情報の数(所謂、「始動記憶数」)、すなわち保留されている識別情報の可変表示の実行回数は、特別図柄始動記憶表示器13に備えられた保留ランプ13a〜13dの点灯(発光)、消灯(消光)によって表示される。
【0072】
また、上述した第1始動口19、第2始動口23、一般入賞口21および大入賞口22における通過領域および一般領域に遊技球が入賞または通過したときには、それぞれの入賞口の種類に応じて予め設定されている数の遊技球が上皿6または下皿7に払出される。
【0073】
特別図柄始動記憶装置13は、表示オブジェクト(発光体)としての保留ランプ13a〜13dを備えており、保留ランプ13a〜13dの各々は1個のLED(発光ダイオード)ランプで構成されている。
【0074】
この保留ランプ13a〜13dは、液晶表示装置12における識別情報ゲームにおいて、識別情報の変動表示中に遊技球が第1始動口19または第2始動口23に入賞して、始動記憶数が1つ増える場合(識別情報の可変表示の結果を決定するための始動記憶情報がメインRAM34に記憶される場合)、左から右に順番にそれぞれ1つずつ点灯して行く。
【0075】
すなわち、1番左に位置する保留ランプ13aが点灯していない場合、液晶表示装置12における特別図柄ゲームにおいて、識別情報の変動表示中に遊技球が第1始動口19または第2始動口23に入賞して、始動記憶数が1つ増える場合に保留ランプ13aがまず点灯し、次いで保留ランプ13b、保留ランプ13cの順に点灯し、保留ランプ13dが最後に点灯する。
【0076】
また、保留される識別情報の可変表示の実行回数には各々上限が設定されており、本実施の形態においては、識別情報の可変表示の実行回数は各々4回が保留される。なお、識別情報の可変表示の実行が両方とも上限を設定することなく保留されるように構成しても良い。
【0077】
図3は、パチンコ遊技機1の制御回路を示すブロック図である。
遊技制御手段としての主制御回路31は、制御手段であるメインCPU32、メインROM(読み出し専用メモリ)33、メインRAM(読み書き可能メモリ)34等を備えており、主制御回路31は、遊技の進行を制御する。
【0078】
メインCPU32には、メインROM33、メインRAM34等が接続されており、メインROM33に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。このように、このメインCPU32は、後述する各種の手段として機能することとなる。
【0079】
メインROM33には、メインCPU32によりパチンコ遊技機1の動作を制御するためのプログラムが記憶されており、その他には、乱数抽選によって大当り判定をする際に参照される大当り判定テーブルや、演出を選択する際に参照される演出条件選択テーブル(遊技態様テーブルを含む)等の各種のテーブルも記憶されている。具体的なプログラム、テーブルについては後述する。
【0080】
メインCPU32は、第1始動口19または第2始動口23に遊技球が入賞(通過)したことを条件として、大当り判定テーブルに基づいて乱数抽選を行い、大当り遊技状態に移行するか否かを決定し、遊技状態を大当り遊技状態に移行するようになっている。本実施の形態では、メインCPU32が大当り判定手段を構成している。
【0081】
また、メインCPU32は、大当りと判定した場合に、大当り遊技状態終了後の遊技状態として、確変遊技状態および時短遊技状態の何れか一方の遊技状態を決定するようになっており、遊技状態決定手段を構成している。
【0082】
なお、本実施の形態においては、プログラム、テーブル等を記憶する媒体としてメインROM33を用いるように構成したが、これに限らず、制御手段を備えたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様であっても良く、例えば、ハードディスク装置、CD−ROMおよびDVD−ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体に記録されていても良い。
【0083】
また、これらのプログラムは、予め記録されているものでなくとも、電源投入後にこれらのプログラムをダウンロードしてメインRAM34等に記録されるものでも良い。さらに、プログラムの各々が別々の記憶媒体に記録されていても良い。
【0084】
また、本実施の形態においては、メインCPU32、メインROM33およびメインRAM34を別々に設けたが、これらが一体となっているワンチップマイコンを使用しても良い。
【0085】
メインRAM34は、メインCPU32の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。メインRAM34に記憶されるデータの具体例としては、以下のようなものがある。
【0086】
メインRAM34には、制御状態フラグ、普通図柄制御状態フラグ、大当り判定用乱数カウンタ、大当り図柄決定用乱数カウンタ、はずれ図柄決定用乱数カウンタ、演出条件選択用乱数カウンタ、大入賞口入賞カウンタ、待ち時間タイマ、大入賞口開放時間タイマ、特別図柄ゲームにおける始動記憶数を示すデータ、普通図柄ゲームにおける始動記憶数を示すデータ等が存在する出力に関する変数等が位置付けられている。また、メインRAM34には、後述する副制御回路41にコマンドを供給するためのデータ、変数等も位置付けられている。
【0087】
制御状態フラグは、特別図柄ゲームの制御状態を示すものである。普通図柄制御状態フラグは、普通図柄ゲームの制御状態を示すものである。
【0088】
大当り判定用乱数カウンタは、特別図柄ゲームの当否を判定するためのものである。大当り図柄決定用乱数カウンタは、特別図柄ゲームの結果を当選と判定した場合に、導出表示される識別情報を決定するためのものである。
【0089】
はずれ図柄決定用乱数カウンタは、特別図柄ゲームの結果を当選と判定しなかった場合に、導出表示する識別情報を決定するためのものである。演出条件選択用乱数カウンタは、識別情報の変動表示パターンを決定するためのものである。
【0090】
これらのカウンタは、メインCPU32により順次"1"増加するように記憶更新されており、所定のタイミングで各カウンタから乱数値を抽出することにより、メインCPU32の各種の機能を実行することとなる。
【0091】
なお、本実施の形態においては、このような乱数カウンタを備え、プログラムに従って、メインCPU32が、乱数カウンタを"1"増加させるように記憶更新する構成としたが、これに限らず、別個に、乱数発生器のような装置を備えるように構成しても良い。また、はずれではあるが、リーチとするか否かを判定するためのリーチ判定用乱数カウンタを設けても良い。
【0092】
待ち時間タイマは、主制御回路31と副制御回路41とにおいて実行される処理の同期を取るためのものである。また、大入賞口開放時間タイマは、シャッタ22aを駆動させ、大入賞口22を開放する時間を計測するためのものである。なお、本実施の形態におけるタイマは、メインRAM34において、所定の周期で、その所定の周期だけ減算されるように記憶更新されるが、これに限らず、CPU等自体がタイマを備えていても良い。
【0093】
大入賞口開放回数カウンタは、大当り遊技状態における大入賞口22の開放回数(所謂、「ラウンド数」)を示すものである。また、大入賞口入賞カウンタは、1ラウンド中に大入賞口22に入賞し、カウントスイッチ101を通過した遊技球の数を示すものである。
【0094】
また、始動記憶数を示すデータは、第1始動口19または第2始動口23に遊技球が入賞したが、識別情報の変動表示が実行できないときに、当該変動表示を保留するが、その保留されている識別情報の変動回数(始動記憶数を含む)を示すものである。
【0095】
また、メインRAM34には、特別図柄記憶領域および普通図柄記憶領域が位置付けられ、記憶されている。
【0096】
特別図柄記憶領域は、液晶表示装置12による特別図柄ゲームにおける1回の可変表示に対応する大当り判定用乱数値、大当り図柄用乱数値、クリアデータ等のデータが記憶されており、特別図柄記憶領域(0)から特別図柄記憶領域(4)がある。
【0097】
特別図柄記憶領域(0)には、今現在実行されている可変表示に対応するデータが記憶されている。また、特別図柄記憶領域(1)から特別図柄記憶領域(4)には、現在実行されている可変表示が終了した後に実行される可変表示に対応するデータ(始動記憶情報)が記憶されている。
【0098】
すなわち、特別図柄記憶領域(0)から特別図柄記憶領域(4)の全てのデータがクリアデータである場合には、現在の可変表示が実行されず、可変表示を実行するための保留も行われていないこととなる。
【0099】
また、現在の識別情報の可変表示が終了した場合には、特別図柄記憶領域(1)から特別図柄記憶領域(4)の各々のデータを、特別図柄記憶領域(0)から特別図柄記憶領域(3)にシフトし、特別図柄記憶領域(4)にクリアデータを記憶する。これによって、特別図柄記憶領域の更新が行われる。
なお、本実施の形態においては、メインCPU32の一時記憶領域としてメインRAM34を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であれば良い。
【0100】
また、主制御回路31は、電源投入時においてリセット信号を生成する初期リセット回路35、ランプ制御回路36、副制御回路41に対してコマンドを供給するためのコマンド出力ポート37を備えている。また、これらの初期リセット回路35、ランプ制御回路36、コマンド出力ポート37は、メインCPU32に接続されている。
【0101】
また、主制御回路31には、各種の装置が接続されており、例えば、カウントスイッチ101、一般入賞口スイッチ102、通過ゲートスイッチ103、第1始動口スイッチ104、第2始動口スイッチ105、可動部材ソレノイド106、大入賞口ソレノイド107、バックアップクリアスイッチ108等が接続されている。
【0102】
カウントスイッチ101は、大入賞口22における通過領域に設けられており、この通過領域を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路31に供給する。
【0103】
一般入賞口スイッチ102は、一般入賞口21に設けられており、この一般入賞口スイッチ102は、一般入賞口21を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路31に供給する。
【0104】
通過ゲートスイッチ103は、通過ゲート18に設けられており、通過ゲートスイッチ103は、通過ゲート18を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路31に供給する。
【0105】
第1始動口スイッチ104は、第1始動口19に設けられており、この第1始動口スイッチ104は、第1始動口19に遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路31に供給する。
第2始動口スイッチ105は、第2始動口23に設けられており、この第2始動口スイッチ105は、第2始動口23に遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路31に供給する。
【0106】
可動部材ソレノイド106は、リンク部材(図示せず)を介して図2に示す羽根部材23a、23bに接続されており、メインCPU32から供給される駆動信号に応じて、羽根部材23a、23bを開放状態または閉鎖状態とする。
【0107】
大入賞口ソレノイド107は、図2に示すシャッタ22aに接続されており、メインCPU32から供給される駆動信号に応じて、シャッタ22aを駆動させ、大入賞口22を開放状態または閉鎖状態とする。
【0108】
バックアップクリアスイッチ108は、パチンコ遊技機1に内蔵されており、電断時等におけるバックアップデータを遊技場の管理者の操作に応じてクリアする機能を有する。
【0109】
ランプ制御回路36には、特別図柄始動記憶表示器13、普通図柄始動記憶表示器14、特別図柄表示器15、普通図柄表示器16、ラウンド数表示器17が接続されており、ランプ制御回路36はメインCPU32からの駆動信号に基づいて特別図柄始動記憶表示器13、普通図柄始動記憶表示器14、特別図柄表示器15、普通図柄表示器16、ラウンド数表示器17の点灯表示制御を行う。
【0110】
また、主制御回路31には、払出制御回路61が接続されており、この払出制御回路61には、遊技球の払出しを行う払出装置65が接続されている。
【0111】
また、主制御回路31には、発射制御回路62が接続されており、この発射制御回路62には遊技球の発射を行う発射装置67および発射ハンドル8が接続されている。
【0112】
また、前面扉4の下部には球貸し操作パネル63が設けられており、この球貸し操作パネル63はパチンコ遊技機1に隣接して設けられたカードユニット64に接続されている。
【0113】
カードユニット64にはプリペイドカード(あるいは現金)が投入されるようになっており、球貸し操作パネル63の操作に応じて一定の金額に相当する遊技球の払出信号を払出制御回路61に送信する。払出制御回路61はカードユニット64からの払出信号が入力されると、払出装置65に一定の数の遊技球を払出させる。
【0114】
また、発射制御回路62は、発射装置67に対して発射信号を供給することにより、遊技球を発射させる制御を行う。なお、球貸し操作パネル63はカードの引き出し操作(または現金の払い戻し操作)も行う。
【0115】
また、発射装置67には、上述した発射モータ、タッチセンサ等の遊技球を発射させるための装置が備えられており、発射ハンドル8が遊技者によって把持され、かつ、時計回り方向に回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射モータに電力が供給され、上皿6に貯留された遊技球が発射モータにより遊技領域10aに順次発射される。
【0116】
一方、メインROM33の特定領域には図4に示す大当り判定テーブルが格納されており、この大当り判定テーブルは、それぞれ一定範囲の乱数値を備えている。すなわち、大当り判定テーブルは、高確時、すなわち、確変遊技時の大当りの抽選確率として1/100となる乱数範囲に設定されており、低確時、すなわち、通常遊技時および時短遊技時の大当りの抽選確率として1/400となる乱数範囲に設定されている。
【0117】
メインCPU32は、高確時と低確時のそれぞれにおいて、第1始動口19または第2始動口23に入賞したときに取得した乱数値と大当り判定テーブルの高確時または低確時の乱数値とを比較して大当りの判定を行う。
【0118】
また、コマンド出力ポート37には、副制御回路41が接続されている。この副制御回路41は、サブCPU42、プログラムROM43、液晶表示装置12の表示制御を行う表示制御回路45、スピーカ51L、51Rから発生させる音声に関する制御を行う音声制御回路50および装飾ランプ54の制御を行うランプ制御回路53を備え、主制御回路31からの指令に応じて遊技の進行に応じた演出を実行する。なお、装飾ランプ54は図示していないが、前面扉4に設けられている。
【0119】
サブCPU42にはプログラムROM43、ワークRAM44等が接続されており、サブCPU42は、このプログラムROM43に記憶されたプログラムに従って各種の処理を実行する機能を有する。
【0120】
特に、サブCPU42は、主制御回路31から供給される各種のコマンドに従って副制御回路41の制御を行う。サブCPU42は、後述する各種の手段として機能することになる。
【0121】
プログラムROM43には、サブCPU42によりパチンコ遊技機1の遊技演出を制御するためのプログラムが記憶されており、その他には、演出に関する決定を行うためのテーブル等の各種のテーブルも記憶されている。具体的なプログラムについては後述する。
【0122】
なお、本実施の形態においては、プログラム、テーブル等を記憶する記憶手段としてプログラムROM43を用いるように構成したが、これに限らず、制御手段を備えたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様であっても良く、例えば、ハードディスク装置、CD−ROMおよびDVD−ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体に記録されていても良い。
【0123】
ワークRAM44は、サブCPU42の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。例えば、演出パターンを選択するための演出表示選択用乱数カウンタ等各種の変数等が位置付けられている。
なお、本実施の形態においては、サブCPU42の一時記憶領域としてワークRAM44を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であれば良い。
【0124】
表示制御回路45は、画像データROM46、VDP(Video Display Processor)4
7、D/A変換回路48およびVRAM(ビデオラム)49を備えている。
【0125】
画像データROM46には、装飾図柄を示す装飾図柄画像データ、背景画像データ、演出用画像データ等の液晶表示装置12に表示される各種の画像データが記憶されており、これらの各種画像データはサブCPU42から供給される画像表示命令に応じて読み出される。
【0126】
VDP47は、サブCPU42で設定されたパラメータに応じて画像データROM46内の各種画像データを読み出して液晶表示装置12に表示すべき画像データを生成する。
【0127】
D/A変換回路48は、VDP47で生成された画像データをD/A変換して液晶表示装置12に表示する。また、VRAM49は、VDP47で画像を形成するときの一時記憶手段として用いられる。本実施の形態では、液晶表示装置12および表示制御回路45が識別情報変動手段を構成している。
【0128】
一方、サブCPU42は、メインCPU32から確変報知コマンドまたは時短報知コマンドが送信されると、大当り遊技状態の終了後の報知態様として、確変遊技状態に決定されたのか時短遊技状態に決定されたのかを報知する第1の報知態様とするか、確変遊技状態に決定されたのか時短遊技状態に決定されたのかを報知しない第2の報知態様とするかを、大当り遊技状態の終了後の抽選期間(所定期間)が経過する度に抽選するようになっている。
【0129】
そして、サブCPU42は、抽選結果が第1の報知態様に決定された場合に、直ちに報知態様を第2の報知態様から第1の報知態様に切換えるようになっており、VDP47を制御して確変遊技状態中または時短遊技状態中であることを示す画像を表示する。
【0130】
また、サブCPU42は、抽選結果が第2の報知態様に決定された場合に、報知態様を第2の報知態様の状態を保持し、VDP47を制御して確変遊技状態中または時短遊技状態中であることを報知しない画像を表示する。
【0131】
本実施の形態では、サブCPU42が報知態様抽選手段を構成し、サブCPU42および表示制御回路45が報知態様切換え手段を構成している。
【0132】
また、プログラムROM43には、図5に示す抽選時期抽選テーブルが記憶されている。この抽選時期抽選テーブルは、大当り遊技状態の終了後に報知態様を報知するか否かの抽選を行う期間として、図柄の毎変動、5回転毎、10回転毎、20回転毎、30回転毎の5種類の抽選期間が格納されており、それぞれの抽選期間の選択率が20%に設定されている。
【0133】
具体的には、各抽選期間はそれぞれ乱数範囲が設定されており、サブCPU42はメインCPU32から送信された乱数値と抽選時期抽選テーブルの乱数値とを比較し、第1の報知態様とするか、第2の報知態様とするかの抽選を行う。
【0134】
また、プログラムROM43には図6に示す抽選割合抽選テーブルが記憶されており、この抽選割合記憶テーブルには、サブCPU42が第1の報知態様とするか、第2報知の態様とするかを抽選するための複数の抽選割合が記憶されている。
【0135】
具体的には、抽選割合記憶テーブルには、第1の報知態様とする割合を30%にし、第2の報知態様とする割合を70%にする抽選割合と、第1の報知態様とする割合を40%にし、第2の報知態様とする割合を60%にする抽選割合と、第1の報知態様とする割合を50%にし、第2の報知態様とする割合を50%にする抽選割合と、第1の報知態様とする割合を60%にし、第2の報知態様とする割合を40%にする抽選割合と、第1の報知態様とする割合を70%にし、第2の報知態様とする割合を30%にする抽選割合とを備えており、各抽選割合に当選する確率はそれぞれ20%に設定されている。
【0136】
上述した各抽選割合はそれぞれ乱数範囲が設定されており、サブCPU42はメインCPU32から送信された乱数値と抽選割合抽選テーブルの乱数値とを比較し、第1の報知態様とするか、第2の報知態様とするかの抽選を行う。本実施の形態では、プログラムROM43が抽選期間記憶手段を構成している。
【0137】
また、サブCPU42は、図柄が変動を開始してから終了するのまでの図柄の変動回数を1回としてカウントし、この変動回数を加算してワークRAM44に記憶するようになっており、ワークRAM44と共に変動回数加算記憶手段を構成している。
【0138】
サブCPU42は、ワークRAM44に記憶された図柄の変動回数が図5に示す抽選時期抽選テーブルに記憶された変動回数を満たしたことを条件として、報知態様を第1の報知態様とするか、第2の報知態様とするのかを抽選する。
【0139】
また、音声制御回路50は、音声に関する制御を行う音源IC(図示せず)、各種の音声データを記憶する音声データROM(図示せず)等から構成されている。音声制御回路50は、サブCPU42から供給される音声発生命令に応じて、音声データROMに記憶されている複数の音声データから一つの音声データを選択する。また、音声制御回路50は、選択された音声データを音声データROMから読み出し、音声データを所定の音声信号に変換し、その音声信号を増幅させ、スピーカ51L、51Rから音声を発生させる。
【0140】
なお、本実施の形態では、液晶表示装置12に確変遊技状態中または時短遊技状態中であることを示す画像を表示するようにしたが、音、例えば、確変時、時短時の音の変化で報知しても良い。
【0141】
ランプ制御回路53は、ランプ制御信号を供給するためのドライブ回路(図示せず)、複数種類のランプ装飾パターン等が記憶されている装飾データROM(図示せず)等から構成されており、サブCPU42から供給される命令に基づいて、装飾ランプ54の発光制御を行う。
なお、確変時、時短時に装飾ランプの色の違い、例えば、確変時には赤色で報知、時短時には青色で報知するようにしても良い。
【0142】
次に、パチンコ遊技機1で実行される処理を図7〜図17のフローチャートおよび図18〜図20に示す画像表示例に基づいて説明する。なお、図7〜図12はメインCPU32によって実行される制御プログラムであり、この制御プログラムはメインRAM34に記憶されている。
【0143】
また、図13〜図17はサブCPU42によって実行される制御プログラムであり、この制御プログラムはプログラムROM43に記憶されている。
図7に示すメイン処理では、まず、RAMアクセス許可、バックアップ復帰処理、作業領域を初期化等の初期設定処理を実行する(ステップS1)。そして、詳しくは図9を用いて後述するが、特別図柄ゲームの進行、識別情報に関する特別図柄制御処理を実行する(ステップS2)。
【0144】
次いで、普通図柄ゲームの進行に関する普通図柄制御処理を実行する(ステップS3)。ステップS3の処理において、メインCPU32は、普通図柄制御状態フラグに基づいて、普通図柄ゲームにおける当り判定等を実行する。
【0145】
次いで、メインCPU32はランプ制御回路36を制御して特別図柄表示器15および普通図柄表示器16を制御する図柄表示制御処理を実行する(ステップS4)。メイン処理においては、ステップS1の初期設定処理が終了した後、ステップS2からステップS4の処理を繰り返し実行することになる。
【0146】
また、メインCPU32は、メイン処理を実行している状態であっても、メイン処理を中断させ、システムタイマ割込処理を実行する場合がある。図示しないリセット用クロックパルス発生回路から所定の周期(例えば2ミリ秒)毎に発生されるクロックパルスに応じて、図8に示すシステムタイマ割込処理を実行する。
【0147】
図8はシステムタイマ割込処理を示すフローチャートである。図8において、最初に、メインCPU32は、大当り判定用乱数カウンタ、大当り図柄決定用乱数カウンタ等の各カウント値を"1"増加するように乱数更新処理を実行する(ステップS11)。
【0148】
次いで、第1始動口19および第2始動口23、通過ゲート18および一般入賞口21等の遊技球の入賞または通過を検知する入力検出処理を実行する(ステップS12)。
【0149】
この処理においては、メインCPU32は、各種の入賞口に遊技球が入賞したことを条件として、遊技球を払出す(賞球する)旨のデータをメインRAM34の所定領域に記憶する。
【0150】
次いで、主制御回路31と副制御回路41との同期を取るための待ち時間タイマ、大当りが発生した際に開放する大入賞口22の開放時間を計測するための大入賞口開放時間タイマ等、各種のタイマの更新処理を実行する(ステップS13)。
【0151】
次いで、各種の変数に基づいて駆動制御するための信号をソレノイド、モータ等に供給するために、出力処理を実行し(ステップS14)。この処理が終了した場合には、ステップS15に処理を移す。
【0152】
ステップS15においては、コマンド出力処理を実行する。この処理において、メインCPU32は、各種のコマンドを副制御回路41に供給する。これらの各種のコマンドとしては、具体的には、遊技状態が通常遊技状態であるのか特別遊技状態(大当り遊技状態)であるかを示す遊技状態コマンド、確変遊技状態であることを示す確変コマンド、時短遊技状態であることを示す時短コマンド、大当り遊技状態の終了後に確変遊技状態や時短遊技状態手あることを報知するか否かの抽選を行うための報知抽選コマンド等が含まれる。この処理が終了した場合には、ステップS16に処理を移す。
【0153】
そして、ステップS16の処理でメインCPU32は、払出装置65に賞球を行わせるための賞球制御コマンドを払出制御回路61に送信する等の払出処理を実行する。
【0154】
また、メインCPU32は、各種の入賞口に遊技球が入賞することで予め設定された所定数の賞球払出しを行うための賞球制御コマンドを払出制御回路61に供給する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了し、割込発生前のアドレスへ復帰し、メイン処理を実行させる。
【0155】
図9は図7のステップS2において実行される特別図柄制御処理である。
図9において、まず、制御状態フラグをロードする処理を実行する(ステップS21)。この処理において、メインCPU32は、制御状態フラグを読み出す。この処理が終了した場合には、ステップS22に処理を移す。
【0156】
なお、後述するステップS22からステップS30において、メインCPU32は、後述するように、制御状態フラグの値に基づいて、各ステップにおける各種の処理を実行するか否かを判断することとなる。この制御状態フラグは、特別図柄ゲームの遊技の状態を示すものであり、ステップS22からステップS30における処理の何れかを実行可能にするものである。
【0157】
また、それに加えて、メインCPU32は、各ステップに対して設定された待ち時間タイマ等に応じて決定される所定のタイミングで各ステップにおける処理を実行する。なお、この所定のタイミングに至る前においては、各ステップにおける処理を実行することなく終了することになり、他のサブルーチンを実行することとなる。勿論、所定の周期でシステムタイマ割込処理も実行する。
【0158】
ステップS22においては、特別図柄記憶チェック処理を実行する。詳しくは図10を用いて後述するが、メインCPU32は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00)である場合に、始動記憶数のチェックを行い、始動記憶数がある場合に、大当り判定、識別情報の変動パターンの決定を行う。
【0159】
また、メインCPU32は、特別図柄変動時間管理を示す値(01)を制御状態フラグにセットし、今回の処理で決定された変動パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマにセットする。
【0160】
すなわち、今回決定された変動パターンに対応する変動時間を経過した後、ステップS23の処理を実行するように設定するのである。一方、始動記憶数がない場合には、デモ画面が表示される。この処理が終了した場合には、ステップS23に処理を移す。
【0161】
ステップS23においては、特別図柄変動時間管理処理を実行する。この処理において、メインCPU32は、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理を示す値(01)であり、変動時間が経過した場合に、特別図柄表示時間管理を示す値(02)を制御状態フラグにセットし、確定後待ち時間(例えば1秒)を待ち時間タイマにセットする。すなわち、確定後待ち時間が経過した後、ステップS24の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS24に処理を移す。
【0162】
ステップS24においては、特別図柄表示時間管理処理を実行する。この処理において、メインCPU32は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理を示す値(02)であり、確定後待ち時間が経過した場合に、大当りか否かを判断する。
【0163】
メインCPU32は、大当りである場合に、大当り開始インターバル管理を示す値(03)を制御状態フラグにセットし、大当り開始インターバルに対応する時間(例えば10秒)を待ち時間タイマにセットする。すなわち、大当り開始インターバルに対応する時間が経過した後、ステップS25の処理を実行するように設定するのである。
【0164】
一方、メインCPU32は、大当りではない場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(08)をセットする。すなわち、ステップS30の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS25に移行する。
【0165】
ステップS25においては、大当り開始インターバル管理処理を実行する。この処理において、メインCPU32は、制御状態フラグが大当り開始インターバル管理を示す値(03)であり、その大当り開始インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口22を開放させるために、メインROM33から読み出されたデータに基づいて、メインRAM34に位置付けられた変数を更新する。
【0166】
メインCPU32は、大入賞口開放中を示す値(04)を制御状態フラグにセットするとともに、開放上限時間(例えば25秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。すなわち、ステップS27の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS26に処理を移す。
【0167】
ステップS26においては、大入賞口再開放前待ち時間管理処理を実行する。この処理において、メインCPU32は、制御状態フラグが大入賞口再開放待ち時間管理を示す値(06)であり、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタを"1"増加するように記憶更新する。
【0168】
メインCPU32は、大入賞口開放中を示す値(04)を制御状態フラグにセットする。メインCPU32は、開放上限時間(例えば25秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。すなわち、ステップS27の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS27に処理を移す。
【0169】
ステップS27においては、大入賞口開放中処理を実行する。この処理において、メインCPU32は、制御状態フラグが大入賞口開放中を示す値(04)である場合に、大入賞口入賞カウンタが"10"以上であるという条件、開放上限時間を経過した(大入賞口開放時間タイマが"0"である)という条件の何れかを満たすか否かを判断する。
【0170】
メインCPU32は、何れかの条件を満たした場合に、大入賞口22を閉鎖させるために、メインRAM34に位置付けられた変数を更新する。メインCPU32は、大入賞口内残留球監視を示す値(05)を制御状態フラグにセットする。
【0171】
メインCPU32は、大入賞口内残留球監視時間(例えば1秒)を待ち時間タイマにセットする。すなわち、大入賞口内残留球監視時間が経過した後、ステップS28の処理を実行するように設定するのである。なお、メインCPU32は、何れの条件も満たさない場合には、上述した処理を実行しない。この処理が終了した場合には、ステップS28に処理を移す。
【0172】
ステップS28においては、大入賞口内残留球監視処理を実行する。この処理においては、メインCPU32は、制御状態フラグが大入賞口内残留球監視を示す値(05)であり、大入賞口内残留球監視時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタが"15"以上である(最終ラウンドである)という条件を満たすか否かを判断する。
【0173】
メインCPU32は、上述の条件を満たした場合に、大当り終了インターバルを示す値(07)を制御状態フラグにセットし、大当り終了インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、大当り終了インターバルに対応する時間が経過した後、ステップS29の処理を実行するように設定するのである。
【0174】
一方、メインCPU32は、上述の条件を満たさない場合に、大入賞口再開放待ち時間管理を示す値(06)を制御状態フラグにセットする。また、メインCPU32は、ラウンド間インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した後、ステップS26の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS29に処理を移す。
【0175】
ステップS29においては、大当り終了インターバル処理を実行する。この処理においては、メインCPU32は、制御状態フラグが大当り終了インターバルを示す値(07)であり、大当り終了インターバルに対応する時間が経過した場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(08)を制御状態フラグにセットする。すなわち、ステップS30の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS30に処理を移す。
【0176】
ステップS30においては、特別図柄ゲーム終了処理を実行する。この処理においては、メインCPU32は、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了を示す値(08)である場合に、始動記憶数を示すデータを"1"減算するように記憶更新する。
【0177】
また、メインCPU32は、始動記憶数表示コマンドを示すデータをメインRAM34の所定領域に記憶する。ここでの始動記憶数表示コマンドとは、保留ランプ13a〜13dの点灯表示や消灯表示を指示するコマンドである。
【0178】
メインRAM34に記憶された始動記憶数表示コマンドを示すデータは、図8のステップS15の処理により、主制御回路31のメインCPU32はランプ制御回路36を駆動して特別図柄始動記憶表示器13を制御し、保留ランプ13a〜13dの点灯表示制御や消灯表示制御を行う。
【0179】
そして、メインCPU32は、特別図柄記憶領域(1)から特別図柄記憶領域(4)のデータのそれぞれを、特別図柄記憶領域(0)から特別図柄記憶領域(3)にシフト(記憶)する処理を実行し、特別図柄記憶領域(4)にクリアデータをセットする処理を実行する。これによって、特別図柄記憶領域のデータの更新、すなわち始動記憶数の更新を実行することになる。
【0180】
また、メインCPU32は、特別図柄記憶チェックを示す値(00)を制御状態フラグにセットする。すなわち、ステップS22の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、特別図柄制御処理を終了する。
【0181】
上述したように、制御状態フラグをセットすることにより、特別図柄ゲームが実行されることとなる。
【0182】
図10は図9のステップS22において実行される特別図柄記憶チェック処理のフローチャートである。
図10において、まず、メインCPU32は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00)であるか否かの判断を行い(ステップS31)、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値であるものと判断した場合には、ステップS32に処理を移し、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値であるものと判断しなかった場合には、本サブルーチンを終了する。
【0183】
そして、ステップS32においては、メインCPU32は、始動記憶数、すなわち、保留個数が"0"であるか否かの判断を行い、保留個数を示すデータが"0"であるものと判断した場合には、ステップS33に処理を移し、保留個数を示すデータが"0"であるものと判断しない場合には、ステップS34に処理を移す。
【0184】
また、ステップS33においては、デモ表示処理を実行する。この処理において、メインCPU32は、デモ表示を行わせるために副制御回路41にデモ表示コマンドを供給するための変数をメインRAM34に記憶する。これによって、液晶表示装置12において、デモ画面の表示が実行されることとなる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0185】
また、ステップS34においては、制御状態フラグとして特別図柄変動時間管理を示す値(01)をセットする処理を実行する。この処理において、メインCPU32は、特別図柄変動時間管理を示す値を制御状態フラグに記憶する。この処理が終了した場合には、ステップS35に処理を移す。
【0186】
ステップS35においては、大当り判定処理を実行する。この処理において、メインCPU32は、始動入賞時に抽出された大当り判定用乱数値と、図4に示す大当り判定テーブルとを参照する。すなわち、メインCPU32は、遊技領域に設けられた第1始動口19または第2始動口23を遊技球が通過したことを条件に、識別情報の可変表示の結果に基づく大当り遊技状態に移行させるか否かを判定することとなる。この処理が終了した場合には、ステップS36に処理を移す。
【0187】
ステップS36においては、大当りであるか否かの判断を行う。この処理において、メインCPU32は、ステップS35の参照の結果に基づいて、大当りであるか否かを判断することになる。メインCPU32は、大当りであるものと判断した場合には、ステップS37に処理を移し、大当りであるものとは判断しない場合には、ステップS38に処理を移す。
【0188】
ステップS37においては、大当り図柄の決定処理を実行する。この処理において、メインCPU32は、始動入賞時に抽出された大当り図柄用乱数値を抽出し、その大当り図柄用乱数値に基づいて、特別図柄表示器15に表示する特別図柄を決定し、その識別情報を示すデータをメインRAM34の所定領域に記憶する。
【0189】
このように記憶された識別情報を示すデータは、図8のステップS15の処理により、主制御回路31のメインCPU32から副制御回路41のサブCPU42に図柄指定コマンドとして供給される。この処理が終了した場合には、ステップS39に処理を移す。
【0190】
ステップS38においては、はずれ図柄の決定処理を実行する。この処理において、メインCPU32は、特別図柄表示器15に表示するはずれ図柄を決定し、その識別情報を示すデータをメインRAM34の所定領域に記憶する。
【0191】
このように記憶された識別情報を示すデータは、図8のステップS15の処理により、主制御回路31のメインCPU32から副制御回路41のサブCPU42に図柄指定コマンドとして供給される。このような処理が実行されることによって、すなわち、識別情報の可変表示の結果を決定することとなる。この処理が終了した場合には、ステップS39に処理を移す。
【0192】
ステップS39においては、変動パターン決定処理を実行する。この処理において、メインCPU32は、演出条件選択用乱数値を抽出する。メインCPU32は、ステップS37およびステップS38により決定された識別情報に基づいて、変動パターンを決定する。
【0193】
次いで、メインCPU32は、演出条件選択用乱数カウンタから抽出した演出条件選択用乱数値に基づいて変動パターンを決定し、メインRAM34の所定領域に記憶する。このように記憶された変動パターンを示すデータは、図8のステップS15の処理により、主制御回路31のメインCPU32から副制御回路41のサブCPU42に変動パターン指定コマンドとして供給される。副制御回路41のサブCPU42は、受信した変動パターン指定コマンドに応じた演出表示を実行することとなる。この処理が終了した場合には、ステップS40に処理を移す。
【0194】
ステップS40においては、決定した変動パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマ(t)にセットする処理を実行する。この処理において、メインCPU32は、ステップS39の処理により決定された変動パターンと、その変動パターンの変動演出時間を示す変動演出時間テーブルとに基づいて、変動演出時間を決定し、その変動演出時間を示す値を待ち時間タイマに記憶する。
【0195】
この処理が終了した場合には、今回の変動表示に用いられた記憶領域をクリアする処理を実行する(ステップS41)。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
図11は図9のステップS29において実行される大当り終了インターバル処理のフローチャートである。
【0196】
図11において、まず、メインCPU32は、制御状態フラグが大当り終了インターバルを示す値(07)であるか否かの判断を行い(ステップS51)、制御状態フラグが大当り終了インターバルを示す値であるものと判断した場合には、ステップS52に処理を移し、制御状態フラグが大当り終了インターバルを示す値であるものと判断しなかった場合には、本サブルーチンを終了する。
【0197】
そして、ステップS52においては、メインCPU32は、待ち時間タイマ(t)が "0"であるか否かの判断を行い、待ち時間タイマ(t)が"0"であるものと判断した場合には、ステップS53に処理を移し、待ち時間タイマ(t)が"0"であるものと判断しない場合には、本サブルーチンを終了する。
【0198】
また、ステップS53においては、メインCPU32は、特別図柄ゲーム終了を示す値(08)を制御状態フラグにセットしてステップS54に進む。ステップS54ではメインCPU32は、大当り図柄が特定図柄(確変図柄)であるか否かを判別する。
【0199】
ステップS54で大当り図柄が特定図柄でなく、通常図柄である場合には、ステップS56に進み、大当り図柄が特定図柄である場合には、高確率フラグ(77)をセットする(ステップS55)。
【0200】
ステップS56においては、大当り遊技の終了後に確変遊技であるか、時短遊技であるかを報知するか否かの抽選を行う報知抽選コマンドをメインRAM34にセットして本サブルーチンを終了する。
【0201】
なお、ステップS54では液晶表示装置12の表示領域12a上において、装飾図柄が通常図柄で大当りとなった場合でも、それは演出上のことであって、実際には特別図柄が確変図柄で大当りになっていることもあり、装飾図柄の組合せからだけでは、遊技者は確変か否かを伺い知ることができない。このため、大当り遊技の終了後の所定期間に確変報知または時短報知を行うのかの抽選を行う。
図12は図9のステップS30において実行される特別図柄ゲーム終了処理のフローチャートである。
【0202】
図12において、メインCPU32は、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了を示す値(08)であるか否かの判断を行い(ステップS61)、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了を示す値であるものと判断した場合には、ステップS62に処理を移し、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了を示す値であるものと判断しなかった場合には、本サブルーチンを終了する。
【0203】
そして、ステップS62においては、保留個数を"1"減算した後、メインRAM34の特別図柄記憶領域(1)から特別図柄記憶領域(4)の各々のデータを、特別図柄記憶領域(0)から特別図柄記憶領域(3)にシフトする(ステップS63)。
【0204】
次いで、特別図柄記憶領域のデータ(4)にクリアデータをセットする(ステップS64)。このステップS63、ステップS64の処理によって特別図柄記憶領域の更新が行われる。
【0205】
次いで、メインCPU32は、制御状態フラグとして特別図柄記憶チェックを示す値(00)を制御状態フラグにセットした後(ステップS65)、特別図柄ゲーム終了処理が終了したことを示す1変動終了コマンドを副制御回路41に送信する(ステップS66)。
【0206】
図13は副制御回路41で行われるメイン処理のフローチャートである。
図13において、サブCPU42は、ワークRAM44に記憶された各種設定を初期化した後(ステップS71)、各種演出に関連する乱数更新処理(予告決定用乱数)を行う(ステップS72)。
【0207】
次いで、サブCPU42は、図15に示すようにメインCPU32から受信したコマンドを解析するコマンド解析処理を実行した後(ステップS73)、表示制御回路45の制御処理を行う(ステップS74)。具体的には、サブCPU42は、表示制御回路45を制御することによって液晶表示装置12の表示領域12aに識別情報と共に予告画像や背景画像等を表示する。
【0208】
次いで、サブCPU42は、音声制御回路50を制御する(ステップS75)。具体的には、サブCPU42は、音声制御回路50を制御することによってスピーカ51L、51Rから効果音や音声等を出力する。
【0209】
次いで、サブCPU42は、ランプ制御回路53を制御する(ステップS76)。具体的には、サブCPU42は、ランプ制御回路53を制御することによって、装飾ランプ54を所定のパターンで点灯・消灯する。
【0210】
図14はコマンド受信割込処理のフローチャートであり、コマンド受信割込処理は、サブCPU42がメイン処理を実行している状態であっても、メイン処理を中断させて実行するものであり、図示しないリセット用クロックパルス発生回路から所定の周期(例えば2ミリ秒)毎に発生されるクロックパルスに応じて実行される。
【0211】
図14において、サブCPU42は、レジスタを退避させた後(ステップS81)、メインCPU32から入力されたコマンドを受信バッファへ格納し(ステップS82)、次いで、レジスタを復帰する(ステップS83)。
【0212】
図15は図13のステップS73で実行されるコマンド解析処理のフローチャートである。
【0213】
図15において、サブCPU42は、受信バッファにメインCPU32から送信されたコマンドが記憶されているか否かを判別し(ステップS91)、コマンドが記憶されていないものと判断した場合には本サブルーチンを終了する。
【0214】
また、サブCPU42は、コマンドが記憶されているものと判断した場合には、受信バッファからコマンドを読み出した後(ステップS92)、読み出したコマンドが報知抽選コマンドであるか否かを判別する(ステップS93)。
【0215】
サブCPU42は、読み出したコマンドが報知抽選コマンドであるものと判断した場合には、対応する報知抽選フラグをオンにした後(ステップS94)、抽選時期決定処理を実行する(ステップS95)。
この抽選時期決定処理では、プログラムROM43に記憶された抽選時期抽選テーブル(図5参照)を参照し、取得した乱数値とこの抽選時期抽選テーブルに記憶された各抽選時期に対応する乱数範囲とを比較し、一致する乱数値に対応する抽選時期を抽出する。
次いで、サブCPU42は、抽選割合決定処理を実行する(ステップS96)。この抽選割合決定処理では、ワークRAM44に記憶された抽選割合抽選テーブル(図6参照)を参照し、取得した乱数値とこの抽選割合抽選テーブルに記憶された各抽選割合に対応する乱数範囲とを比較し、一致する乱数値に対応する抽選割合を抽出する。
【0216】
一方、ステップS93で読み出したコマンドが報知コマンドでない場合には、サブCPU42は、読み出したコマンドが1変動終了コマンド(図12のステップS66)であるか否かを判別する(ステップS97)。
【0217】
サブCPU42は、この判別結果が"YES"であれば、図16に示す報知抽選処理を実行して(ステップS98)本サブルーチンを終了し、この判別結果が"NO"であれば、その他のコマンドに対応する処理を実行して(ステップS99)本サブルーチンを終了する。
【0218】
図16は図15のステップS98で実行される報知抽選処理のフローチャートである。
図16において、サブCPU42は、報知抽選フラグがオンであるか否かを判別し(ステップS101)、報知抽選フラグがオンでないものと判断した場合には、今回のサブルーチンを終了し、報知抽選フラグがオンであるものと判断した場合には、図柄の変動回数をワークRAM44に加算して記憶する変動回数加算記憶処理を実行する(ステップS102)。
【0219】
次いで、サブCPU42は、変動回数が抽選時期を満たす回数であるか否かを判別する(ステップS103)。ここで、抽選周期として"10回転毎"が選択されていた場合には、変動回数が10回転目であるか否かを判別する。
【0220】
サブCPU42は、この判別結果が"YES"であれば決定した抽選時期ならびに抽選割合で確変または時短の報知を行うか否かの抽選を行う。ここで、報知態様を第1の報知態様とする割合が60%、第2の報知態様とする割合が40%となる抽選選割が選択されていた場合には、当該割合で遊技状態が確変遊技状態または時短遊技状態であるか否かを報知する抽選を行う(ステップS104)。
【0221】
また、サブCPU42は、ステップS103の判別結果が"NO"である場合には抽選期間である最大100回転(時短遊技回数に設定された遊技回数)を満たしたか否かを判別する(ステップS105)。
【0222】
サブCPU42は、ステップS104で抽選を行った結果、第1の報知態様に当選したか否かを判別し(ステップS106)、第1の報知態様に当選したものと判断した場合には、図17に示す報知態様データ決定処理を行い(ステップS107)、第2の報知態様に当選したものと判断した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0223】
サブCPU42は、ステップS107で報知態様データ決定処理を実行した後、抽選時期・抽選割合・報知抽選フラグをクリアして(ステップS108)、本サブルーチンを終了する。
【0224】
また、サブCPU42は、ステップS105で抽選期間が最大100回転を満たしたものと判断した場合には、ステップS108の処理に移行し、抽選期間が最大100回転を満たしていないものと判断した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0225】
図17は図16のステップS107で実行される報知態様データ決定処理のフローチャートである。
図17において、サブCPU42は、高確率フラグが"オン"であるか否かを判別し(ステップS111)、高確率フラグが"オン"であるものと判断した場合には、「〜確変中〜」の表示データをセットして(ステップS112)、サブルーチンを終了し、高確率フラグが"オン"でないものと判断した場合には、「〜時短中〜」の表示データをセットして(ステップS113)、本サブルーチンを終了する。
【0226】
図18は、大当り遊技状態の終了後に、確変遊技状態または時短遊技状態を報知しない第2の報知態様に設定されたときの液晶表示装置12の表示領域12aを示す図であり、この状態では花火職人が月を眺めている画像が表示され、遊技者は遊技状態が確変遊技状態であるのか遊技状態であるのかを把握することができない。
【0227】
一方、ステップS112の処理が実行されると、サブCPU42が表示制御回路45を制御することにより、図19に示すように、確変遊技状態であることを示す画像を表示領域12aに表示し、ステップS113の処理が実行されると、図20に示すように、時短遊技状態であることを示す画像を表示領域12aに表示する。この結果、遊技者は遊技状態が確変遊技状態であるのか時短遊技状態であるのかを把握することができる。
【0228】
このように本実施の形態によれば、大当り遊技状態の終了後の報知態様として、確変報知または時短報知を行う第1の報知態様とするか、確変報知または時短報知を行わない第2の報知態様とするかを、大当り遊技状態の終了後の所定期間が経過する度に抽選し、この抽選結果に応じて、報知態様を第2の報知態様から第1の報知態様に切換えるようにしたので、抽選結果が当選であった場合には、確変が成立しているか時短が成立しているかを早い時期に把握することができたり、遅い時期に把握することができ、あるいは抽選にはずれた場合には、例えば、液晶表示装置12が第2の報知態様の表示画面から通常画面に切換わることで確変が成立していないことを知ることができる。
このように大当り遊技状態の終了後に、確変が成立したか否かを様々な時期に知ることができるので、確変非報知機種としての魅力を保持することができる。
【0229】
また、本実施の形態では、抽選を行う所定期間として、複数の異なる抽選期間をプログラムROM43に記憶し、サブCPU42がプログラムROM43に記憶された複数の抽選期間のうちの何れかの抽選期間に基づいて、第1の報知態様とするか、第2の報知態様とするかを抽選するようにしたので、大当り遊技状態の終了後に確変の成立や不成立を報知するタイミングに変化を持たせることができ、遊技者にドキドキ感を与えることができる。
【0230】
特に、本実施の形態では、図柄の変動回数に基づいて抽選を行うので、第2始動口23に遊技球を通過させるタイミングで抽選を行うことができる。
【0231】
また、本実施の形態では、サブCPU42が第1の報知態様とするか、第2の報知態様とするかを抽選するための複数の抽選割合をプログラムROM43に記憶し、サブCPU42が、プログラムROM43に記憶された複数の抽選割合のうちの何れかの抽選割合に基づいて、第1の報知態様とするか、第2の報知態様とするかを抽選するようにしたので、抽選割合を第1の報知態様に当選し易い抽選割合と第1の報知態様に当選し難い抽選割合とに振り分けることで、第1の報知態様の抽選割合が高ければ、第1の報知態様を早い時期に報知し易くなり、第2の報知態様の抽選割合が高ければ、第1の報知態様の報知時期が遅くなるというように、確変の成立または不成立を遊技者が把握する時期に変化を持たせることができる。
【0232】
また、本実施の形態では、サブCPU42が、第1の報知態様が抽選された時点で、報知態様を第2の報知態様から第1の報知態様に切換えるので、例えば、大当り遊技状態の終了後に、図柄が5回転目の抽選で第1の報知態様に当選した場合には、図柄が5回転目に変動停止するまでに報知態様を第1の報知態様に切換えることができ、確変または時短になったことを遊技者が直ちに把握することができる。
【0233】
また、本実施の形態では、液晶表示装置12によって報知態様を第2の報知態様から第1の報知態様に切換えるようにしたので、遊技者は第1の報知態様に当選したことを視認することにより、報知態様が切換えられたこと明確に把握することができる。
【0234】
なお、本実施の形態では、抽選周期として図柄の変動回数を用いているが、これに限らず、3分周期、5分周期のような時間的な周期を用いて抽選を行うようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0235】
【図1】本発明の一実施の形態のパチンコ遊技機の外観を示す斜視図
【図2】一実施の形態のパチンコ遊技機の遊技盤の正面図
【図3】一実施の形態のパチンコ遊技機において構成される主制御回路および副制御回路を示すブロック図
【図4】一実施の形態のパチンコ遊技機の大当り判定テーブルを示す図
【図5】一実施の形態のパチンコ遊技機の抽選時期抽選テーブルを示す図
【図6】一実施の形態のパチンコ遊技機の抽選割合抽選テーブルを示す図
【図7】一実施の形態のパチンコ遊技機の主制御回路において実行されるメイン処理を示すフローチャート
【図8】一実施の形態のパチンコ遊技機の主制御回路において実行されるシステムタイマ割込処理を示すフローチャート
【図9】一実施の形態のパチンコ遊技機の主制御回路において実行される特別図柄制御処理を示すフローチャート
【図10】一実施の形態のパチンコ遊技機の主制御回路において実行される特別図柄記憶チェック処理を示すフローチャート
【図11】一実施の形態のパチンコ遊技機の主制御回路において実行される大当り終了インターバル処理を示すフローチャート
【図12】一実施の形態のパチンコ遊技機の主制御回路において実行される特別図柄ゲーム終了処理を示すフローチャート
【図13】一実施の形態のパチンコ遊技機の副制御回路において実行されるメイン処理を示すフローチャート
【図14】一実施の形態のパチンコ遊技機の副制御回路において実行されるコマンド受信割込処理を示すフローチャート
【図15】一実施の形態のパチンコ遊技機の副制御回路において実行されるコマンド解析処理を示すフローチャート
【図16】一実施の形態のパチンコ遊技機の副制御回路において実行される報知抽選処理を示すフローチャート
【図17】一実施の形態のパチンコ遊技機の副制御回路において実行される報知態様データ決定処理を示すフローチャート
【図18】一実施の形態のパチンコ遊技機における確変非報知時に表示領域に表示される演出画像
【図19】一実施の形態のパチンコ遊技機において確変報知時に表示領域に表示される演出画像
【図20】一実施の形態のパチンコ遊技機において時短報知時に表示領域に表示される演出画像
【符号の説明】
【0236】
1 パチンコ遊技機(遊技機)
10a 遊技領域
12 液晶表示装置(表示手段、識別情報変動手段)
19 第1始動口(入賞領域)
22a シャッタ(可変入賞装置)
23 第2始動口(入賞領域)
32 メインCPU(大当り判定手段、遊技状態決定手段)
33 メインROM(遊技態様記憶手段)
42 サブCPU(報知態様切換え手段、報知態様抽選手段)
43 プログラムROM(抽選期間記憶手段)
44 ワークRAM(変動回数加算記憶手段)
45 表示制御回路(報知態様切換え手段、識別情報変動手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関し、例えば、大当り遊技状態の終了後の遊技状態が確変遊技状態であるのか、時短遊技状態であるのかを演出上で報知しない確変非報知機種等の遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のパチンコ遊技機等の遊技機にあっては、確変大当りまたは時短大当りの2種類の大当り遊技を行うようにしたものがあり、確変大当りの場合には大当り遊技状態の終了後に確変遊技状態に移行し、時短大当りの場合には大当り遊技状態の終了後に時短遊技状態に移行する。
【0003】
近時のパチンコ遊技機には、大当り遊技状態の終了後の遊技状態が確変遊技状態であるのか、時短遊技状態であるのかを演出上で報知しない、所謂、確変非報知機種があり、このような確変非報知機種の最大の魅力は、大当り遊技の終了後の遊技状態が確変であるのか時短であるのかを演出上で分からないようにして、すなわち、遊技者に報知しないようにして遊技者が遊技を止め難くするところにある。
【0004】
ところが、このように大当り遊技状態の終了後に遊技状態を報知しないようにすると、遊技者は遊技状態が確変であるのか、時短であるのかを伺い知ることができないので、ストレスを感じたり、遊技の止め時が分からない等して遊技離れを招くおそれがある。
【0005】
このような不具合を解消するものとしては、大当り遊技状態の終了後に確変遊技状態になっているか否かを初期状態において遊技者に報知せず、パチンコ遊技機に備えられた確変表示ボタンを遊技者が操作したときに、確変情報を、例えば、ランプや表示態様によって演出表示するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
このようにすれば、確率変動状態となっているか否かを遊技者自身が希望するタイミングで知ることができるので、ストレスを軽減することができるとともに、遊技の止め時の目安にすることができ、遊技者の要望に答えたパチンコ遊技機を提供することができる。
【特許文献1】特開2004−173825号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、このような従来のパチンコ遊技機にあっては、確変表示ボタンを操作することにより、確変遊技状態であるか否かが直ちに判断されてしまうので、遊技者は確変表示ボタンの操作後に確変でないことが分かると、直ちに遊技を止めてしまうことが予想される。
【0008】
すなわち、確変表示ボタンを操作することにより、確変遊技状態であるか否かが直ちに判断されてしまうので、確変非報知機種としての魅力を十分に発揮することができないという問題があった。
【0009】
本発明は、このような問題に鑑みなされたもので、確変非報知機種としての魅力を保持することができる遊技機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の遊技機は、遊技球が通過可能な各種入賞領域(例えば、第1始動口19、第2始動口23、大入賞口22)を有する遊技領域(例えば、遊技領域10a)と、前記各種入賞領域の少なくとも1つを構成する始動入賞領域を遊技球が通過したことを条件として、遊技者にとって有利な大当り遊技状態とするか否かを判定する大当り判定手段(例えば、メインCPU32)と、前記大当り遊技状態の終了後の遊技状態として、相対的に有利な第1の遊技状態(例えば、確変遊技状態)および前記第1の遊技状態よりも不利な第2の遊技状態(例えば、時短遊技状態)の何れか一方の遊技状態を決定する遊技状態決定手段(例えば、メインCPU32)と、前記遊技状態決定手段が前記第1の遊技状態または前記第2の遊技状態を決定したことを報知する第1の報知態様(例えば、確変報知、時短報知)と、前記第1の遊技状態または前記第2の遊技状態を決定したことを報知しない第2の報知態様とに報知態様を切換え可能な報知態様切換え手段(例えば、サブCPU42)と、前記大当り遊技状態の終了後の報知態様として、前記第1の報知態様とするか、前記第2の報知態様とするかを、前記大当り遊技状態の終了後の所定期間が経過する度に抽選する報知態様抽選手段(例えば、サブCPU42)とを備え、前記報知態様切換え手段は、前記報知態様抽選手段による抽選結果に応じて、報知態様を前記第2の報知態様から前記第1の報知態様に切換えるものから構成されている。
【0011】
この構成により、大当り遊技状態の終了後の所定期間が経過する度に第1の報知態様とするか、第2の報知態様とするかを抽選し、抽選結果に応じて報知態様を第2の報知態様から第1の報知態様に切換えるようにしたので、抽選結果が当選であった場合には、確変が成立しているか時短が成立しているかを早い時期に把握することができたり、遅い時期に把握することができ、あるいは抽選にはずれた場合には、例えば、表示画面が第2の報知態様の表示画面から通常画面に切換わることで確変が成立していないことを知ることができる。
【0012】
このように大当り遊技状態の終了後に、確変が成立したか否かを様々な時期に知ることができるので、確変非報知機種としての魅力を保持することができる。
【0013】
また、本発明の遊技機は、前記所定期間として、複数の異なる抽選期間を記憶する抽選期間記憶手段(例えば、プログラムROM43)を備え、前記報知態様抽選手段は、前記抽選期間記憶手段に記憶された複数の抽選期間のうちの何れかの抽選期間に基づいて、前記第1の報知態様とするか、前記第2の報知態様とするかを抽選するものから構成されている。
【0014】
この構成により、3分周期、5分周期のような時間的な複数の抽選期間、または10回転または20回転等のように図柄等の識別情報の変動回数による複数の抽選期間の中から1つの抽選期間を選択し、この抽選期間に基づいて第1の報知態様とするか、第2の報知態様とするかを抽選するようにしたので、大当り遊技状態の終了後に確変の成立や不成立を報知するタイミングに変化を持たせることができ、遊技者にドキドキ感を与えることができる。
【0015】
また、本発明の遊技機の前記抽選期間記憶手段(例えば、プログラムROM43)は、前記報知態様抽選手段が前記第1の報知態様とするか、前記第2の報知態様とするかを抽選するための複数の抽選割合を記憶しており、前記報知態様抽選手段は、前記抽選期間記憶手段に記憶された複数の抽選割合のうちの何れかの抽選割合に基づいて、前記第1の報知態様とするか、前記第2の報知態様とするかを抽選するものから構成されている。
【0016】
この構成により、報知態様抽選手段が第1の報知態様とするか、第2の報知態様とするかを抽選するための複数の抽選割合を備えているので、抽選割合を第1の報知態様に当選し易い抽選割合と第1の報知態様に当選し難い抽選割合とに振り分けることで、第1の報知態様の抽選割合が高ければ、第1の報知態様を早い時期に報知し易くなり、第2の報知態様の抽選割合が高ければ、第1の報知態様の報知時期が遅くなるというように、確変の成立または不成立を遊技者が把握する時期に変化を持たせることができる。
【0017】
また、本発明の遊技機は、始動入賞領域を遊技球が通過したことを条件として識別情報の変動を行う識別情報変動手段(例えば、導出図柄を変動表示する液晶表示装置12、液晶表示装置12を制御する表示制御回路45)と、前記識別情報が変動を開始してから終了するまでの前記識別情報の変動回数を1回としてカウントし、前記識別情報の変動回数を加算して記憶する変動回数加算記憶手段(例えば、ワークRAM44)とを備え、前記報知態様抽選手段は、前記所定期間として、前記変動回数記憶手段に記憶された前記識別情報の変動回数が所定変動回数を満たしたことを条件として、前記抽選を行うものから構成されている。
【0018】
この構成により、図柄等の識別情報の変動回数に基づいて第1の報知態様とするか、第2の報知態様とするかを抽選するので、例えば、時間の変化によって抽選を行うものに比べて、遊技者が始動入賞領域に遊技球を通過させるタイミングで抽選を行うことができる。
【0019】
また、本発明の遊技機の報知態様切換え手段は、前記報知態様抽選手段によって前記第1の報知態様が抽選された時点で、報知態様を前記第2の報知態様から前記第1の報知態様に切換えるものから構成されている。
【0020】
この構成により、例えば、大当り遊技状態の終了後に、図柄等の識別情報が5回転目の抽選で第1の報知態様に当選した場合には、識別情報が5回転目に変動停止するまでに報知態様を第1の報知態様に切換えるので、確変または時短になったことを遊技者が直ちに把握することができる。
【0021】
また、本発明の遊技機は、遊技に関する画像を表示する表示手段(例えば、液晶表示装置12)を備え、前記報知態様切換え手段は、前記表示手段を介して報知態様を前記第2の報知態様から前記第1の報知態様に切換えるものから構成されている。
【0022】
この構成により、表示手段を介して報知態様を第2の報知態様から第1の報知態様に切換えるので、遊技者は第1の報知態様に当選したことを視認することにより、報知態様が切換えられたこと明確に把握することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明の遊技機は、確変非報知機種としての魅力を保持することができる遊技機を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
図1〜図20は本発明に係る遊技機の一実施の形態を示す図であり、本発明の遊技機をパチンコ遊技機に適用した例を示している。
まず、構成を説明する。図1において、パチンコ遊技機1には、本体枠2と、本体枠2に組み込まれた遊技盤10(図2参照)と、本体枠2に回動軸5を介して回動自在に設けられ、遊技盤10と略同面積のガラス部材3を備えた前面扉4と、本体枠2の下方に設けられた上皿6および下皿7と、下皿7の右側に設けられた発射ハンドル8とを備えている。
【0025】
発射ハンドル8は本体枠2に対して回動自在に設けられており、遊技者によって発射ハンドル8が操作されることによりパチンコ遊技を進めることができる。また、発射ハンドル8の裏側には、発射モータ(図示せず)が設けられている。
【0026】
また、発射ハンドル8の周縁部には、タッチセンサ(図示せず)が設けられており、このタッチセンサが触接されたときには、遊技者により発射ハンドル8が把持されたことが検知されるようになっている。
【0027】
そして、発射ハンドル8が遊技者によって把持されて時計回り方向に回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射モータに電力が供給され、上皿6に貯留された遊技球が遊技盤10に順次発射される。
【0028】
なお、発射ハンドル8に設けられるタッチセンサは、遊技者によって発射ハンドル8が把持されたことを判別できるものであれば良く、光学的に検知するものや、熱により検知するもの等、センサの種類を問わない。
【0029】
また、本体枠2の上方にはスピーカ51L、51Rが設けられており、このスピーカ51L、51Rは遊技に関する種々の情報を音声、音楽等によって出力するようになっている。
【0030】
図2に示すように遊技盤10の前面には複数の障害釘(図示せず)が打ち込まれており、発射された遊技球は、遊技盤10上に設けられたガイドレール11に案内されて遊技盤10の上部に移動した後、上述した複数の障害釘との衝突によりその進行方向を変えながら遊技盤10の下方に向かって落下する。このように、ガイドレール11に囲まれ、遊技球が転動可能な領域を遊技領域10aと称する。
【0031】
遊技盤10の前面の略中央には表示手段としての液晶表示装置12が設けられており、液晶表示装置12は表示領域12aを備え、この表示領域12aにはそれぞれ識別情報が可変表示されたり、遊技に関連する演出画像が表示される。なお、遊技盤10の全面、すなわち、遊技領域10aを液晶表示装置12の表示領域12aとしても良い。
【0032】
また、液晶表示装置12によって表示される識別情報は、特別図柄ゲームにおいて装飾図柄を構成するものである。これらの識別情報は、数字や記号等からなる図柄であり、数字の図柄の場合には例えば、"0"から"9"までの数字を用いる。
【0033】
ここで、「可変表示」とは、変動可能に表示される概念であり、例えば、実際に変動して表示される「変動表示」、実際に停止して表示される「停止表示」等を可能とするものである。また、「可変表示」は、特別図柄ゲームの結果として識別情報が表示される「導出表示」を行うことができる。また、変動表示が開始されてから導出表示されるまでを1回の可変表示と称する。また、液晶表示装置12には複数の図柄列、例えば、3列の識別情報が可変表示される。
【0034】
この液晶表示装置12では複数列の識別情報の導出表示が行われ、導出表示された複数列の識別情報の組合せが特定の表示態様(例えば、複数の図柄列のそれぞれに"0"から"9"の何れかの数字が全て揃った状態で導出表示される態様)になったことに基づいて、遊技状態を遊技者に有利な大当り遊技状態に移行することになる。
【0035】
また、大当りとなる特定停止態様を構成する識別情報の種類に応じて、「大当り」は「確変大当り」と「通常大当り」に区別される。例えば、"1"、"3"、"5"、"7"、"9"の5種類の識別情報を「確変図柄」とし、"2"、"4"、"6"、"8"、"0"の5種類の識別情報を「通常図柄」とする。
【0036】
「確変大当り」は、「確変図柄」が揃った特定停止態様となったときに発生する相対的に有利な遊技状態であり、本実施の形態では、確変遊技状態を第1の遊技状態という。また、「確変大当り」となった場合は、「大当り遊技状態」が終了した後の一般遊技状態において、大当りの発生確率が高い状態となる。
【0037】
他方、「時短大当り」は、「通常図柄」が揃った「非特定停止態様」となったときに発生する確変遊技状態よりも不利な遊技状態であり、本実施の形態では時短遊技状態を第2の遊技状態という。また、「時短大当り」となった場合は、「大当り遊技状態」が終了した後に時短遊技状態に移行する。
【0038】
なお、時短遊技状態とは、「確変大当り」の遊技状態が終了した後に非確変である「通常大当り」の遊技状態が終了したときと、確変とならずに「通常大当り」の遊技状態が終了したときとの両方(所謂、フルスペック)、若しくは、「確変大当り」の遊技状態が終了した後で非確変である「通常大当り」の遊技状態が終了したときのみ(所謂、ハーフスペック)、「大当り」の遊技状態の終了後に所定の遊技回数、例えば、100回転だけ装飾図柄が短い時間で変動表示を終了し、後述する普通図柄表示器16の「○」のみが点灯したときに、後述する羽根部材23a、23bが通常遊技時よりも長い時間開放されて持ち玉を減らすことなく遊技を進めることができる遊技状態をいう。
【0039】
なお、本実施の形態において、画像を表示する部分として液晶ディスプレイパネルからなる液晶表示装置12を採用したが、これに限らず、他の態様であっても良く、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)を含むブラウン管、ドットLED、セグメントLED、EL(Electronic Luminescent)、プラズマ等からなるものであっても良い。
【0040】
また、本実施の形態では、表示手段として液晶表示装置12を採用したが、これに限らず、別の態様であっても良く、例えば、ドラム、ベルト、リール等を表示手段して採用しても良い。
【0041】
また、遊技盤10の上方には特別図柄始動記憶表示器13が設けられており、この特別図柄始動記憶表示器13は4つの保留ランプ13a〜13dから構成されている。また、保留ランプ13bと保留ランプ13cの間には普通図柄ゲームにおける普通図柄始動記憶表示器14が設けられており、普通図柄始動記憶表示器14は4つの保留ランプ14a〜14dから構成されている。
【0042】
保留ランプ13bと保留ランプ13cの間には特別図柄表示器15が設けられている。この特別図柄表示器15は、7セグ表示が可能な表示器であり、特別図柄ゲームにおいて特別図柄の可変表示を行うものである。この特別図柄表示器15における特別図柄は、一列の図柄列で構成されているが、これに限らず、例えば、複数の図柄列で構成されていても良い。この特別図柄は、数字や記号等からなる図柄であり、本実施の形態においては、"0"から"9"の数字、"−"の記号を用いる。
【0043】
また、この特別図柄表示器15において、特別図柄の導出表示が行われ、導出表示された特別図柄が特定の表示態様(例えば、"0"から"9"の何れかが導出表示される態様、所謂「大当り表示態様」)になったことに基づいて、遊技状態を遊技者に有利な大当り遊技状態に移行することとなる。
また、導出表示された特別図柄が非特定の表示態様(例えば、"−"が導出表示される態様、所謂「はずれ態様」)、になった場合には、大当り遊技状態に移行しない。
【0044】
また、導出表示された特別図柄が、特定の表示態様のうちの特別の表示態様(例えば、"1"、"3"、"5"、"7"、"9"が導出表示される態様、所謂「確変大当り」)になったことに基づいて、遊技状態を遊技者に有利な大当り遊技状態に移行し、その大当り遊技状態が終了した場合に、確変遊技状態に移行することとなる。
【0045】
一方、導出表示された特別図柄が、特定の表示態様のうち、特別の表示態様ではない非特定の表示態様(例えば、"0"、"2"、"4"、"6"、"8"が導出表示される態様、所謂「時短大当り」)になったことに基づいて、遊技状態を遊技者に有利な大当り遊技状態に移行し、その大当り遊技状態が終了した場合に、遊技者に相対的に不利な時短遊技状態に移行することとなる。
【0046】
上述したような確変遊技状態では、時短遊技状態よりも相対的に大当り遊技状態に移行する確率が向上する。なお、導出表示された特別図柄が特別の表示態様となった場合に大当り遊技状態に移行し、その大当り遊技状態の終了後に確変遊技状態に移行する遊技状態を、特別大当り遊技状態と称する。
【0047】
また、導出表示された特別図柄が非特定の表示態様となった場合に大当り遊技状態に移行し、その大当り遊技状態の終了後に時短遊技状態に移行する遊技状態を、普通大当り遊技状態と称する。
【0048】
また、大当り遊技状態となった後に、確変遊技状態となる特別大当りにおいては、大当り遊技状態中におけるラウンド制御の上限ラウンド数が15ラウンドとなる。すなわち、遊技者に相対的に有利な大当り遊技状態に遊技状態が移行されることとなる。
【0049】
一方、大当り遊技状態となった後に、確変遊技状態とならない普通大当りにおいては、大当り遊技状態中におけるラウンド制御の上限ラウンド数が15ラウンドとなる。このように、特別図柄表示器15は、特別図柄(識別情報の一例)の可変表示を行う。
【0050】
また、液晶表示装置12には、特別図柄表示器15における特別図柄の可変表示に合わせて、複数の図柄列に対応する装飾図柄が可変表示される。換言すれば、液晶表示装置12は、複数の図柄列(表示列)のそれぞれにおいて装飾図柄の可変表示を行う。
【0051】
これら複数の図柄列において装飾図柄の導出表示が行われ、特別図柄表示器15における特別図柄の可変表示の結果が特定の表示態様となる場合には、導出表示された複数の装飾図柄の組合せが特定の組合せ(例えば、複数の図柄列のそれぞれに"0"から"9"の何れかが全て揃った状態で導出表示される態様、所謂「大当り表示態様」)となり、遊技状態を遊技者に有利な大当り遊技状態に移行することとなる。
また、特別図柄表示器15における特別図柄の可変表示の結果が特別大当り表示態様となる場合には、導出表示された複数の装飾図柄の組合せが、特定の組合せのうちの特別の組合せ(例えば、複数の図柄列のそれぞれに"1"、"3"、"5"、"7"、"9"のうち何れかが全て揃った状態で導出表示される態様、所謂「特別大当り表示態様」)となり、遊技状態を遊技者に有利な大当り遊技状態に移行し、その大当り遊技状態が終了した場合に、確変遊技状態に移行することとなる。
【0052】
一方、特別図柄表示器15における特別図柄の可変表示の結果が普通大当り表示態様となる場合には、導出表示された複数の装飾図柄の組合せが、特定の組合せのうちの非特別の組合せ(例えば、複数の図柄列のそれぞれに"0"、"2"、"4"、"6"、"8"の何れかが全て揃った状態で導出表示される態様、所謂「普通大当り表示態様」)となり、遊技状態を遊技者に有利な大当り遊技状態に移行し、その大当り遊技状態が終了した場合に、時短遊技状態に移行することとなる。
【0053】
また、特別図柄表示器15の右隣には普通図柄表示器16が設けられており、この普通図柄表示器16は数字や記号等の普通図柄からなる情報であり、本実施の形態では"○"、"×"の記号から普通図柄が構成され、"○"の記号を表示するランプ16aと、"×"の記号を表示するランプ16bを備えている。
【0054】
また、遊技盤10の右上部にはラウンド数表示器17が設けられており、このラウンド数表示器17は後述する大入賞口の開放回数を表示する。
【0055】
また、液晶表示装置12の両側には、通過ゲート18が設けられている。この通過ゲート18は、その近傍を遊技球が通過したことを検出したときには、普通図柄表示器16a、16bの普通図柄の変動表示が開始され、所定の時間が経過した後、普通図柄の変動表示を停止する。
【0056】
この普通図柄が所定の図柄、例えば"○"として停止表示されたときには、第2始動口23の左右の両側に設けられている羽根部材(所謂、普通電動役物)23a、23bが閉鎖状態から開放状態となり、第2始動口23に遊技球が入り易くなる。また、羽根部材23a、23bを開放状態とした後、所定の時間が経過したときには、羽根部材23a、23bを閉鎖状態として、第2始動口23に遊技球が入り難くなるようにする。
【0057】
また、遊技盤10の下左側および下右側の遊技領域には遊技球の一般入賞口21が設けられており、一般入賞口21に入賞した遊技球は一般入賞口スイッチ102(図3参照)によって検出される。また、一般入賞口21の近傍の遊技領域には、入賞領域としての大入賞口22および大入賞口22に対して開閉自在なシャッタ22aが設けられており、大入賞口22およびシャッタ22aは可変入賞装置を構成している。
【0058】
上述したように、液晶表示装置12における識別情報の組合せが特定の表示態様である場合には、識別情報の可変表示に基づいて遊技状態が大当り遊技状態に移行され、このシャッタ22aが遊技球を受け入れ易い開放状態となるように駆動される。
【0059】
また、この大入賞口22には、カウントスイッチ101(図3参照)が設けられた遊技球の通過領域を備えており、通過領域を遊技球が所定個数(例えば10個)通過するか、または、所定時間(例えば25秒)が経過するまでシャッタ22aが開放状態に駆動される。
【0060】
すなわち、開放状態において大入賞口22への所定数の遊技球の入賞または所定時間の経過の何れかの条件が成立すると、大入賞口22を、遊技球を受け入れ難い閉鎖状態にする。
【0061】
また、液晶表示装置12の下方には、第1始動口スイッチ104(図3参照)を有する第1始動口19が設けられている。この第1始動口19に遊技球が入賞した場合に液晶表示装置12における特別図柄ゲームが開始され、複数列の識別情報を変動表示する変動表示状態に移行する。
【0062】
また、第1始動口19の下方の入賞領域には第2始動口スイッチ105(図3参照)を有する第2始動口23が設けられている。この第2始動口23に遊技球が入賞した場合にも第1始動口19に遊技球が入賞したときと同様に液晶表示装置12における特別図柄ゲームが開始され、複数列の識別情報を変動表示する変動表示状態に移行する。
【0063】
ここで、所定の可変表示開始条件とは、本実施の形態においては、第1始動口19または第2始動口23に遊技球が入賞したことを主な条件とする。また、その他にも、識別情報が導出表示されていることを条件ともする。すなわち、所定の可変表示開始条件が成立する毎に識別情報の可変表示を行うこととなる。
【0064】
また、液晶表示装置12における特別図柄ゲームにおいて、識別情報の変動表示中に遊技球が第1始動口19または第2始動口23に入賞したことを条件(所定の可変表示保留条件)として、第1始動口19または第2始動口23への遊技球の入賞に基づく識別情報の可変表示の実行(開始)が保留される。
【0065】
そして、所定の可変表示保留条件が成立した場合には、変動表示中の識別情報が導出表示される等の所定の可変表示開始条件が成立するまで、識別情報の可変表示の実行(開始)が保留されることになる。
【0066】
識別情報の可変表示の実行が保留されている状態で、識別情報が導出表示された場合には、保留されている識別情報の可変表示の実行が開始される。また、識別情報が導出表示された場合に実行される識別情報の可変表示の実行は1回分である。
【0067】
例えば、識別情報の可変表示の実行が3回分保留されている状態で、識別情報が導出表示された場合には、保留されている識別情報の可変表示のうち1回分が実行され、残りの2回分は保留される。
【0068】
第1始動口19または第2始動口23への遊技球の入賞に基づく識別情報の可変表示の実行が保留される場合は、識別情報の可変表示が後から実行できるように始動記憶情報を、所定数(例えば、4つ)を上限に、後述するメインRAM34(図3参照)に記憶する。
【0069】
このような始動記憶情報を記憶することによって、第1始動口19または第2始動口23への遊技球の入賞に基づく識別情報の可変表示が保留されるとともに、識別情報の可変表示の結果を決定するための情報が記憶される。
【0070】
なお、第1始動口19または第2始動口23への遊技球の入賞に基づく識別情報の可変表示の実行が保留される場合に、メインRAM34に記録される情報を始動記憶情報という。
【0071】
また、一般に、これらの始動記憶情報の数(所謂、「始動記憶数」)、すなわち保留されている識別情報の可変表示の実行回数は、特別図柄始動記憶表示器13に備えられた保留ランプ13a〜13dの点灯(発光)、消灯(消光)によって表示される。
【0072】
また、上述した第1始動口19、第2始動口23、一般入賞口21および大入賞口22における通過領域および一般領域に遊技球が入賞または通過したときには、それぞれの入賞口の種類に応じて予め設定されている数の遊技球が上皿6または下皿7に払出される。
【0073】
特別図柄始動記憶装置13は、表示オブジェクト(発光体)としての保留ランプ13a〜13dを備えており、保留ランプ13a〜13dの各々は1個のLED(発光ダイオード)ランプで構成されている。
【0074】
この保留ランプ13a〜13dは、液晶表示装置12における識別情報ゲームにおいて、識別情報の変動表示中に遊技球が第1始動口19または第2始動口23に入賞して、始動記憶数が1つ増える場合(識別情報の可変表示の結果を決定するための始動記憶情報がメインRAM34に記憶される場合)、左から右に順番にそれぞれ1つずつ点灯して行く。
【0075】
すなわち、1番左に位置する保留ランプ13aが点灯していない場合、液晶表示装置12における特別図柄ゲームにおいて、識別情報の変動表示中に遊技球が第1始動口19または第2始動口23に入賞して、始動記憶数が1つ増える場合に保留ランプ13aがまず点灯し、次いで保留ランプ13b、保留ランプ13cの順に点灯し、保留ランプ13dが最後に点灯する。
【0076】
また、保留される識別情報の可変表示の実行回数には各々上限が設定されており、本実施の形態においては、識別情報の可変表示の実行回数は各々4回が保留される。なお、識別情報の可変表示の実行が両方とも上限を設定することなく保留されるように構成しても良い。
【0077】
図3は、パチンコ遊技機1の制御回路を示すブロック図である。
遊技制御手段としての主制御回路31は、制御手段であるメインCPU32、メインROM(読み出し専用メモリ)33、メインRAM(読み書き可能メモリ)34等を備えており、主制御回路31は、遊技の進行を制御する。
【0078】
メインCPU32には、メインROM33、メインRAM34等が接続されており、メインROM33に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。このように、このメインCPU32は、後述する各種の手段として機能することとなる。
【0079】
メインROM33には、メインCPU32によりパチンコ遊技機1の動作を制御するためのプログラムが記憶されており、その他には、乱数抽選によって大当り判定をする際に参照される大当り判定テーブルや、演出を選択する際に参照される演出条件選択テーブル(遊技態様テーブルを含む)等の各種のテーブルも記憶されている。具体的なプログラム、テーブルについては後述する。
【0080】
メインCPU32は、第1始動口19または第2始動口23に遊技球が入賞(通過)したことを条件として、大当り判定テーブルに基づいて乱数抽選を行い、大当り遊技状態に移行するか否かを決定し、遊技状態を大当り遊技状態に移行するようになっている。本実施の形態では、メインCPU32が大当り判定手段を構成している。
【0081】
また、メインCPU32は、大当りと判定した場合に、大当り遊技状態終了後の遊技状態として、確変遊技状態および時短遊技状態の何れか一方の遊技状態を決定するようになっており、遊技状態決定手段を構成している。
【0082】
なお、本実施の形態においては、プログラム、テーブル等を記憶する媒体としてメインROM33を用いるように構成したが、これに限らず、制御手段を備えたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様であっても良く、例えば、ハードディスク装置、CD−ROMおよびDVD−ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体に記録されていても良い。
【0083】
また、これらのプログラムは、予め記録されているものでなくとも、電源投入後にこれらのプログラムをダウンロードしてメインRAM34等に記録されるものでも良い。さらに、プログラムの各々が別々の記憶媒体に記録されていても良い。
【0084】
また、本実施の形態においては、メインCPU32、メインROM33およびメインRAM34を別々に設けたが、これらが一体となっているワンチップマイコンを使用しても良い。
【0085】
メインRAM34は、メインCPU32の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。メインRAM34に記憶されるデータの具体例としては、以下のようなものがある。
【0086】
メインRAM34には、制御状態フラグ、普通図柄制御状態フラグ、大当り判定用乱数カウンタ、大当り図柄決定用乱数カウンタ、はずれ図柄決定用乱数カウンタ、演出条件選択用乱数カウンタ、大入賞口入賞カウンタ、待ち時間タイマ、大入賞口開放時間タイマ、特別図柄ゲームにおける始動記憶数を示すデータ、普通図柄ゲームにおける始動記憶数を示すデータ等が存在する出力に関する変数等が位置付けられている。また、メインRAM34には、後述する副制御回路41にコマンドを供給するためのデータ、変数等も位置付けられている。
【0087】
制御状態フラグは、特別図柄ゲームの制御状態を示すものである。普通図柄制御状態フラグは、普通図柄ゲームの制御状態を示すものである。
【0088】
大当り判定用乱数カウンタは、特別図柄ゲームの当否を判定するためのものである。大当り図柄決定用乱数カウンタは、特別図柄ゲームの結果を当選と判定した場合に、導出表示される識別情報を決定するためのものである。
【0089】
はずれ図柄決定用乱数カウンタは、特別図柄ゲームの結果を当選と判定しなかった場合に、導出表示する識別情報を決定するためのものである。演出条件選択用乱数カウンタは、識別情報の変動表示パターンを決定するためのものである。
【0090】
これらのカウンタは、メインCPU32により順次"1"増加するように記憶更新されており、所定のタイミングで各カウンタから乱数値を抽出することにより、メインCPU32の各種の機能を実行することとなる。
【0091】
なお、本実施の形態においては、このような乱数カウンタを備え、プログラムに従って、メインCPU32が、乱数カウンタを"1"増加させるように記憶更新する構成としたが、これに限らず、別個に、乱数発生器のような装置を備えるように構成しても良い。また、はずれではあるが、リーチとするか否かを判定するためのリーチ判定用乱数カウンタを設けても良い。
【0092】
待ち時間タイマは、主制御回路31と副制御回路41とにおいて実行される処理の同期を取るためのものである。また、大入賞口開放時間タイマは、シャッタ22aを駆動させ、大入賞口22を開放する時間を計測するためのものである。なお、本実施の形態におけるタイマは、メインRAM34において、所定の周期で、その所定の周期だけ減算されるように記憶更新されるが、これに限らず、CPU等自体がタイマを備えていても良い。
【0093】
大入賞口開放回数カウンタは、大当り遊技状態における大入賞口22の開放回数(所謂、「ラウンド数」)を示すものである。また、大入賞口入賞カウンタは、1ラウンド中に大入賞口22に入賞し、カウントスイッチ101を通過した遊技球の数を示すものである。
【0094】
また、始動記憶数を示すデータは、第1始動口19または第2始動口23に遊技球が入賞したが、識別情報の変動表示が実行できないときに、当該変動表示を保留するが、その保留されている識別情報の変動回数(始動記憶数を含む)を示すものである。
【0095】
また、メインRAM34には、特別図柄記憶領域および普通図柄記憶領域が位置付けられ、記憶されている。
【0096】
特別図柄記憶領域は、液晶表示装置12による特別図柄ゲームにおける1回の可変表示に対応する大当り判定用乱数値、大当り図柄用乱数値、クリアデータ等のデータが記憶されており、特別図柄記憶領域(0)から特別図柄記憶領域(4)がある。
【0097】
特別図柄記憶領域(0)には、今現在実行されている可変表示に対応するデータが記憶されている。また、特別図柄記憶領域(1)から特別図柄記憶領域(4)には、現在実行されている可変表示が終了した後に実行される可変表示に対応するデータ(始動記憶情報)が記憶されている。
【0098】
すなわち、特別図柄記憶領域(0)から特別図柄記憶領域(4)の全てのデータがクリアデータである場合には、現在の可変表示が実行されず、可変表示を実行するための保留も行われていないこととなる。
【0099】
また、現在の識別情報の可変表示が終了した場合には、特別図柄記憶領域(1)から特別図柄記憶領域(4)の各々のデータを、特別図柄記憶領域(0)から特別図柄記憶領域(3)にシフトし、特別図柄記憶領域(4)にクリアデータを記憶する。これによって、特別図柄記憶領域の更新が行われる。
なお、本実施の形態においては、メインCPU32の一時記憶領域としてメインRAM34を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であれば良い。
【0100】
また、主制御回路31は、電源投入時においてリセット信号を生成する初期リセット回路35、ランプ制御回路36、副制御回路41に対してコマンドを供給するためのコマンド出力ポート37を備えている。また、これらの初期リセット回路35、ランプ制御回路36、コマンド出力ポート37は、メインCPU32に接続されている。
【0101】
また、主制御回路31には、各種の装置が接続されており、例えば、カウントスイッチ101、一般入賞口スイッチ102、通過ゲートスイッチ103、第1始動口スイッチ104、第2始動口スイッチ105、可動部材ソレノイド106、大入賞口ソレノイド107、バックアップクリアスイッチ108等が接続されている。
【0102】
カウントスイッチ101は、大入賞口22における通過領域に設けられており、この通過領域を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路31に供給する。
【0103】
一般入賞口スイッチ102は、一般入賞口21に設けられており、この一般入賞口スイッチ102は、一般入賞口21を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路31に供給する。
【0104】
通過ゲートスイッチ103は、通過ゲート18に設けられており、通過ゲートスイッチ103は、通過ゲート18を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路31に供給する。
【0105】
第1始動口スイッチ104は、第1始動口19に設けられており、この第1始動口スイッチ104は、第1始動口19に遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路31に供給する。
第2始動口スイッチ105は、第2始動口23に設けられており、この第2始動口スイッチ105は、第2始動口23に遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路31に供給する。
【0106】
可動部材ソレノイド106は、リンク部材(図示せず)を介して図2に示す羽根部材23a、23bに接続されており、メインCPU32から供給される駆動信号に応じて、羽根部材23a、23bを開放状態または閉鎖状態とする。
【0107】
大入賞口ソレノイド107は、図2に示すシャッタ22aに接続されており、メインCPU32から供給される駆動信号に応じて、シャッタ22aを駆動させ、大入賞口22を開放状態または閉鎖状態とする。
【0108】
バックアップクリアスイッチ108は、パチンコ遊技機1に内蔵されており、電断時等におけるバックアップデータを遊技場の管理者の操作に応じてクリアする機能を有する。
【0109】
ランプ制御回路36には、特別図柄始動記憶表示器13、普通図柄始動記憶表示器14、特別図柄表示器15、普通図柄表示器16、ラウンド数表示器17が接続されており、ランプ制御回路36はメインCPU32からの駆動信号に基づいて特別図柄始動記憶表示器13、普通図柄始動記憶表示器14、特別図柄表示器15、普通図柄表示器16、ラウンド数表示器17の点灯表示制御を行う。
【0110】
また、主制御回路31には、払出制御回路61が接続されており、この払出制御回路61には、遊技球の払出しを行う払出装置65が接続されている。
【0111】
また、主制御回路31には、発射制御回路62が接続されており、この発射制御回路62には遊技球の発射を行う発射装置67および発射ハンドル8が接続されている。
【0112】
また、前面扉4の下部には球貸し操作パネル63が設けられており、この球貸し操作パネル63はパチンコ遊技機1に隣接して設けられたカードユニット64に接続されている。
【0113】
カードユニット64にはプリペイドカード(あるいは現金)が投入されるようになっており、球貸し操作パネル63の操作に応じて一定の金額に相当する遊技球の払出信号を払出制御回路61に送信する。払出制御回路61はカードユニット64からの払出信号が入力されると、払出装置65に一定の数の遊技球を払出させる。
【0114】
また、発射制御回路62は、発射装置67に対して発射信号を供給することにより、遊技球を発射させる制御を行う。なお、球貸し操作パネル63はカードの引き出し操作(または現金の払い戻し操作)も行う。
【0115】
また、発射装置67には、上述した発射モータ、タッチセンサ等の遊技球を発射させるための装置が備えられており、発射ハンドル8が遊技者によって把持され、かつ、時計回り方向に回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射モータに電力が供給され、上皿6に貯留された遊技球が発射モータにより遊技領域10aに順次発射される。
【0116】
一方、メインROM33の特定領域には図4に示す大当り判定テーブルが格納されており、この大当り判定テーブルは、それぞれ一定範囲の乱数値を備えている。すなわち、大当り判定テーブルは、高確時、すなわち、確変遊技時の大当りの抽選確率として1/100となる乱数範囲に設定されており、低確時、すなわち、通常遊技時および時短遊技時の大当りの抽選確率として1/400となる乱数範囲に設定されている。
【0117】
メインCPU32は、高確時と低確時のそれぞれにおいて、第1始動口19または第2始動口23に入賞したときに取得した乱数値と大当り判定テーブルの高確時または低確時の乱数値とを比較して大当りの判定を行う。
【0118】
また、コマンド出力ポート37には、副制御回路41が接続されている。この副制御回路41は、サブCPU42、プログラムROM43、液晶表示装置12の表示制御を行う表示制御回路45、スピーカ51L、51Rから発生させる音声に関する制御を行う音声制御回路50および装飾ランプ54の制御を行うランプ制御回路53を備え、主制御回路31からの指令に応じて遊技の進行に応じた演出を実行する。なお、装飾ランプ54は図示していないが、前面扉4に設けられている。
【0119】
サブCPU42にはプログラムROM43、ワークRAM44等が接続されており、サブCPU42は、このプログラムROM43に記憶されたプログラムに従って各種の処理を実行する機能を有する。
【0120】
特に、サブCPU42は、主制御回路31から供給される各種のコマンドに従って副制御回路41の制御を行う。サブCPU42は、後述する各種の手段として機能することになる。
【0121】
プログラムROM43には、サブCPU42によりパチンコ遊技機1の遊技演出を制御するためのプログラムが記憶されており、その他には、演出に関する決定を行うためのテーブル等の各種のテーブルも記憶されている。具体的なプログラムについては後述する。
【0122】
なお、本実施の形態においては、プログラム、テーブル等を記憶する記憶手段としてプログラムROM43を用いるように構成したが、これに限らず、制御手段を備えたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様であっても良く、例えば、ハードディスク装置、CD−ROMおよびDVD−ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体に記録されていても良い。
【0123】
ワークRAM44は、サブCPU42の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。例えば、演出パターンを選択するための演出表示選択用乱数カウンタ等各種の変数等が位置付けられている。
なお、本実施の形態においては、サブCPU42の一時記憶領域としてワークRAM44を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であれば良い。
【0124】
表示制御回路45は、画像データROM46、VDP(Video Display Processor)4
7、D/A変換回路48およびVRAM(ビデオラム)49を備えている。
【0125】
画像データROM46には、装飾図柄を示す装飾図柄画像データ、背景画像データ、演出用画像データ等の液晶表示装置12に表示される各種の画像データが記憶されており、これらの各種画像データはサブCPU42から供給される画像表示命令に応じて読み出される。
【0126】
VDP47は、サブCPU42で設定されたパラメータに応じて画像データROM46内の各種画像データを読み出して液晶表示装置12に表示すべき画像データを生成する。
【0127】
D/A変換回路48は、VDP47で生成された画像データをD/A変換して液晶表示装置12に表示する。また、VRAM49は、VDP47で画像を形成するときの一時記憶手段として用いられる。本実施の形態では、液晶表示装置12および表示制御回路45が識別情報変動手段を構成している。
【0128】
一方、サブCPU42は、メインCPU32から確変報知コマンドまたは時短報知コマンドが送信されると、大当り遊技状態の終了後の報知態様として、確変遊技状態に決定されたのか時短遊技状態に決定されたのかを報知する第1の報知態様とするか、確変遊技状態に決定されたのか時短遊技状態に決定されたのかを報知しない第2の報知態様とするかを、大当り遊技状態の終了後の抽選期間(所定期間)が経過する度に抽選するようになっている。
【0129】
そして、サブCPU42は、抽選結果が第1の報知態様に決定された場合に、直ちに報知態様を第2の報知態様から第1の報知態様に切換えるようになっており、VDP47を制御して確変遊技状態中または時短遊技状態中であることを示す画像を表示する。
【0130】
また、サブCPU42は、抽選結果が第2の報知態様に決定された場合に、報知態様を第2の報知態様の状態を保持し、VDP47を制御して確変遊技状態中または時短遊技状態中であることを報知しない画像を表示する。
【0131】
本実施の形態では、サブCPU42が報知態様抽選手段を構成し、サブCPU42および表示制御回路45が報知態様切換え手段を構成している。
【0132】
また、プログラムROM43には、図5に示す抽選時期抽選テーブルが記憶されている。この抽選時期抽選テーブルは、大当り遊技状態の終了後に報知態様を報知するか否かの抽選を行う期間として、図柄の毎変動、5回転毎、10回転毎、20回転毎、30回転毎の5種類の抽選期間が格納されており、それぞれの抽選期間の選択率が20%に設定されている。
【0133】
具体的には、各抽選期間はそれぞれ乱数範囲が設定されており、サブCPU42はメインCPU32から送信された乱数値と抽選時期抽選テーブルの乱数値とを比較し、第1の報知態様とするか、第2の報知態様とするかの抽選を行う。
【0134】
また、プログラムROM43には図6に示す抽選割合抽選テーブルが記憶されており、この抽選割合記憶テーブルには、サブCPU42が第1の報知態様とするか、第2報知の態様とするかを抽選するための複数の抽選割合が記憶されている。
【0135】
具体的には、抽選割合記憶テーブルには、第1の報知態様とする割合を30%にし、第2の報知態様とする割合を70%にする抽選割合と、第1の報知態様とする割合を40%にし、第2の報知態様とする割合を60%にする抽選割合と、第1の報知態様とする割合を50%にし、第2の報知態様とする割合を50%にする抽選割合と、第1の報知態様とする割合を60%にし、第2の報知態様とする割合を40%にする抽選割合と、第1の報知態様とする割合を70%にし、第2の報知態様とする割合を30%にする抽選割合とを備えており、各抽選割合に当選する確率はそれぞれ20%に設定されている。
【0136】
上述した各抽選割合はそれぞれ乱数範囲が設定されており、サブCPU42はメインCPU32から送信された乱数値と抽選割合抽選テーブルの乱数値とを比較し、第1の報知態様とするか、第2の報知態様とするかの抽選を行う。本実施の形態では、プログラムROM43が抽選期間記憶手段を構成している。
【0137】
また、サブCPU42は、図柄が変動を開始してから終了するのまでの図柄の変動回数を1回としてカウントし、この変動回数を加算してワークRAM44に記憶するようになっており、ワークRAM44と共に変動回数加算記憶手段を構成している。
【0138】
サブCPU42は、ワークRAM44に記憶された図柄の変動回数が図5に示す抽選時期抽選テーブルに記憶された変動回数を満たしたことを条件として、報知態様を第1の報知態様とするか、第2の報知態様とするのかを抽選する。
【0139】
また、音声制御回路50は、音声に関する制御を行う音源IC(図示せず)、各種の音声データを記憶する音声データROM(図示せず)等から構成されている。音声制御回路50は、サブCPU42から供給される音声発生命令に応じて、音声データROMに記憶されている複数の音声データから一つの音声データを選択する。また、音声制御回路50は、選択された音声データを音声データROMから読み出し、音声データを所定の音声信号に変換し、その音声信号を増幅させ、スピーカ51L、51Rから音声を発生させる。
【0140】
なお、本実施の形態では、液晶表示装置12に確変遊技状態中または時短遊技状態中であることを示す画像を表示するようにしたが、音、例えば、確変時、時短時の音の変化で報知しても良い。
【0141】
ランプ制御回路53は、ランプ制御信号を供給するためのドライブ回路(図示せず)、複数種類のランプ装飾パターン等が記憶されている装飾データROM(図示せず)等から構成されており、サブCPU42から供給される命令に基づいて、装飾ランプ54の発光制御を行う。
なお、確変時、時短時に装飾ランプの色の違い、例えば、確変時には赤色で報知、時短時には青色で報知するようにしても良い。
【0142】
次に、パチンコ遊技機1で実行される処理を図7〜図17のフローチャートおよび図18〜図20に示す画像表示例に基づいて説明する。なお、図7〜図12はメインCPU32によって実行される制御プログラムであり、この制御プログラムはメインRAM34に記憶されている。
【0143】
また、図13〜図17はサブCPU42によって実行される制御プログラムであり、この制御プログラムはプログラムROM43に記憶されている。
図7に示すメイン処理では、まず、RAMアクセス許可、バックアップ復帰処理、作業領域を初期化等の初期設定処理を実行する(ステップS1)。そして、詳しくは図9を用いて後述するが、特別図柄ゲームの進行、識別情報に関する特別図柄制御処理を実行する(ステップS2)。
【0144】
次いで、普通図柄ゲームの進行に関する普通図柄制御処理を実行する(ステップS3)。ステップS3の処理において、メインCPU32は、普通図柄制御状態フラグに基づいて、普通図柄ゲームにおける当り判定等を実行する。
【0145】
次いで、メインCPU32はランプ制御回路36を制御して特別図柄表示器15および普通図柄表示器16を制御する図柄表示制御処理を実行する(ステップS4)。メイン処理においては、ステップS1の初期設定処理が終了した後、ステップS2からステップS4の処理を繰り返し実行することになる。
【0146】
また、メインCPU32は、メイン処理を実行している状態であっても、メイン処理を中断させ、システムタイマ割込処理を実行する場合がある。図示しないリセット用クロックパルス発生回路から所定の周期(例えば2ミリ秒)毎に発生されるクロックパルスに応じて、図8に示すシステムタイマ割込処理を実行する。
【0147】
図8はシステムタイマ割込処理を示すフローチャートである。図8において、最初に、メインCPU32は、大当り判定用乱数カウンタ、大当り図柄決定用乱数カウンタ等の各カウント値を"1"増加するように乱数更新処理を実行する(ステップS11)。
【0148】
次いで、第1始動口19および第2始動口23、通過ゲート18および一般入賞口21等の遊技球の入賞または通過を検知する入力検出処理を実行する(ステップS12)。
【0149】
この処理においては、メインCPU32は、各種の入賞口に遊技球が入賞したことを条件として、遊技球を払出す(賞球する)旨のデータをメインRAM34の所定領域に記憶する。
【0150】
次いで、主制御回路31と副制御回路41との同期を取るための待ち時間タイマ、大当りが発生した際に開放する大入賞口22の開放時間を計測するための大入賞口開放時間タイマ等、各種のタイマの更新処理を実行する(ステップS13)。
【0151】
次いで、各種の変数に基づいて駆動制御するための信号をソレノイド、モータ等に供給するために、出力処理を実行し(ステップS14)。この処理が終了した場合には、ステップS15に処理を移す。
【0152】
ステップS15においては、コマンド出力処理を実行する。この処理において、メインCPU32は、各種のコマンドを副制御回路41に供給する。これらの各種のコマンドとしては、具体的には、遊技状態が通常遊技状態であるのか特別遊技状態(大当り遊技状態)であるかを示す遊技状態コマンド、確変遊技状態であることを示す確変コマンド、時短遊技状態であることを示す時短コマンド、大当り遊技状態の終了後に確変遊技状態や時短遊技状態手あることを報知するか否かの抽選を行うための報知抽選コマンド等が含まれる。この処理が終了した場合には、ステップS16に処理を移す。
【0153】
そして、ステップS16の処理でメインCPU32は、払出装置65に賞球を行わせるための賞球制御コマンドを払出制御回路61に送信する等の払出処理を実行する。
【0154】
また、メインCPU32は、各種の入賞口に遊技球が入賞することで予め設定された所定数の賞球払出しを行うための賞球制御コマンドを払出制御回路61に供給する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了し、割込発生前のアドレスへ復帰し、メイン処理を実行させる。
【0155】
図9は図7のステップS2において実行される特別図柄制御処理である。
図9において、まず、制御状態フラグをロードする処理を実行する(ステップS21)。この処理において、メインCPU32は、制御状態フラグを読み出す。この処理が終了した場合には、ステップS22に処理を移す。
【0156】
なお、後述するステップS22からステップS30において、メインCPU32は、後述するように、制御状態フラグの値に基づいて、各ステップにおける各種の処理を実行するか否かを判断することとなる。この制御状態フラグは、特別図柄ゲームの遊技の状態を示すものであり、ステップS22からステップS30における処理の何れかを実行可能にするものである。
【0157】
また、それに加えて、メインCPU32は、各ステップに対して設定された待ち時間タイマ等に応じて決定される所定のタイミングで各ステップにおける処理を実行する。なお、この所定のタイミングに至る前においては、各ステップにおける処理を実行することなく終了することになり、他のサブルーチンを実行することとなる。勿論、所定の周期でシステムタイマ割込処理も実行する。
【0158】
ステップS22においては、特別図柄記憶チェック処理を実行する。詳しくは図10を用いて後述するが、メインCPU32は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00)である場合に、始動記憶数のチェックを行い、始動記憶数がある場合に、大当り判定、識別情報の変動パターンの決定を行う。
【0159】
また、メインCPU32は、特別図柄変動時間管理を示す値(01)を制御状態フラグにセットし、今回の処理で決定された変動パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマにセットする。
【0160】
すなわち、今回決定された変動パターンに対応する変動時間を経過した後、ステップS23の処理を実行するように設定するのである。一方、始動記憶数がない場合には、デモ画面が表示される。この処理が終了した場合には、ステップS23に処理を移す。
【0161】
ステップS23においては、特別図柄変動時間管理処理を実行する。この処理において、メインCPU32は、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理を示す値(01)であり、変動時間が経過した場合に、特別図柄表示時間管理を示す値(02)を制御状態フラグにセットし、確定後待ち時間(例えば1秒)を待ち時間タイマにセットする。すなわち、確定後待ち時間が経過した後、ステップS24の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS24に処理を移す。
【0162】
ステップS24においては、特別図柄表示時間管理処理を実行する。この処理において、メインCPU32は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理を示す値(02)であり、確定後待ち時間が経過した場合に、大当りか否かを判断する。
【0163】
メインCPU32は、大当りである場合に、大当り開始インターバル管理を示す値(03)を制御状態フラグにセットし、大当り開始インターバルに対応する時間(例えば10秒)を待ち時間タイマにセットする。すなわち、大当り開始インターバルに対応する時間が経過した後、ステップS25の処理を実行するように設定するのである。
【0164】
一方、メインCPU32は、大当りではない場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(08)をセットする。すなわち、ステップS30の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS25に移行する。
【0165】
ステップS25においては、大当り開始インターバル管理処理を実行する。この処理において、メインCPU32は、制御状態フラグが大当り開始インターバル管理を示す値(03)であり、その大当り開始インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口22を開放させるために、メインROM33から読み出されたデータに基づいて、メインRAM34に位置付けられた変数を更新する。
【0166】
メインCPU32は、大入賞口開放中を示す値(04)を制御状態フラグにセットするとともに、開放上限時間(例えば25秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。すなわち、ステップS27の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS26に処理を移す。
【0167】
ステップS26においては、大入賞口再開放前待ち時間管理処理を実行する。この処理において、メインCPU32は、制御状態フラグが大入賞口再開放待ち時間管理を示す値(06)であり、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタを"1"増加するように記憶更新する。
【0168】
メインCPU32は、大入賞口開放中を示す値(04)を制御状態フラグにセットする。メインCPU32は、開放上限時間(例えば25秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。すなわち、ステップS27の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS27に処理を移す。
【0169】
ステップS27においては、大入賞口開放中処理を実行する。この処理において、メインCPU32は、制御状態フラグが大入賞口開放中を示す値(04)である場合に、大入賞口入賞カウンタが"10"以上であるという条件、開放上限時間を経過した(大入賞口開放時間タイマが"0"である)という条件の何れかを満たすか否かを判断する。
【0170】
メインCPU32は、何れかの条件を満たした場合に、大入賞口22を閉鎖させるために、メインRAM34に位置付けられた変数を更新する。メインCPU32は、大入賞口内残留球監視を示す値(05)を制御状態フラグにセットする。
【0171】
メインCPU32は、大入賞口内残留球監視時間(例えば1秒)を待ち時間タイマにセットする。すなわち、大入賞口内残留球監視時間が経過した後、ステップS28の処理を実行するように設定するのである。なお、メインCPU32は、何れの条件も満たさない場合には、上述した処理を実行しない。この処理が終了した場合には、ステップS28に処理を移す。
【0172】
ステップS28においては、大入賞口内残留球監視処理を実行する。この処理においては、メインCPU32は、制御状態フラグが大入賞口内残留球監視を示す値(05)であり、大入賞口内残留球監視時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタが"15"以上である(最終ラウンドである)という条件を満たすか否かを判断する。
【0173】
メインCPU32は、上述の条件を満たした場合に、大当り終了インターバルを示す値(07)を制御状態フラグにセットし、大当り終了インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、大当り終了インターバルに対応する時間が経過した後、ステップS29の処理を実行するように設定するのである。
【0174】
一方、メインCPU32は、上述の条件を満たさない場合に、大入賞口再開放待ち時間管理を示す値(06)を制御状態フラグにセットする。また、メインCPU32は、ラウンド間インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した後、ステップS26の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS29に処理を移す。
【0175】
ステップS29においては、大当り終了インターバル処理を実行する。この処理においては、メインCPU32は、制御状態フラグが大当り終了インターバルを示す値(07)であり、大当り終了インターバルに対応する時間が経過した場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(08)を制御状態フラグにセットする。すなわち、ステップS30の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS30に処理を移す。
【0176】
ステップS30においては、特別図柄ゲーム終了処理を実行する。この処理においては、メインCPU32は、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了を示す値(08)である場合に、始動記憶数を示すデータを"1"減算するように記憶更新する。
【0177】
また、メインCPU32は、始動記憶数表示コマンドを示すデータをメインRAM34の所定領域に記憶する。ここでの始動記憶数表示コマンドとは、保留ランプ13a〜13dの点灯表示や消灯表示を指示するコマンドである。
【0178】
メインRAM34に記憶された始動記憶数表示コマンドを示すデータは、図8のステップS15の処理により、主制御回路31のメインCPU32はランプ制御回路36を駆動して特別図柄始動記憶表示器13を制御し、保留ランプ13a〜13dの点灯表示制御や消灯表示制御を行う。
【0179】
そして、メインCPU32は、特別図柄記憶領域(1)から特別図柄記憶領域(4)のデータのそれぞれを、特別図柄記憶領域(0)から特別図柄記憶領域(3)にシフト(記憶)する処理を実行し、特別図柄記憶領域(4)にクリアデータをセットする処理を実行する。これによって、特別図柄記憶領域のデータの更新、すなわち始動記憶数の更新を実行することになる。
【0180】
また、メインCPU32は、特別図柄記憶チェックを示す値(00)を制御状態フラグにセットする。すなわち、ステップS22の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、特別図柄制御処理を終了する。
【0181】
上述したように、制御状態フラグをセットすることにより、特別図柄ゲームが実行されることとなる。
【0182】
図10は図9のステップS22において実行される特別図柄記憶チェック処理のフローチャートである。
図10において、まず、メインCPU32は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00)であるか否かの判断を行い(ステップS31)、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値であるものと判断した場合には、ステップS32に処理を移し、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値であるものと判断しなかった場合には、本サブルーチンを終了する。
【0183】
そして、ステップS32においては、メインCPU32は、始動記憶数、すなわち、保留個数が"0"であるか否かの判断を行い、保留個数を示すデータが"0"であるものと判断した場合には、ステップS33に処理を移し、保留個数を示すデータが"0"であるものと判断しない場合には、ステップS34に処理を移す。
【0184】
また、ステップS33においては、デモ表示処理を実行する。この処理において、メインCPU32は、デモ表示を行わせるために副制御回路41にデモ表示コマンドを供給するための変数をメインRAM34に記憶する。これによって、液晶表示装置12において、デモ画面の表示が実行されることとなる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0185】
また、ステップS34においては、制御状態フラグとして特別図柄変動時間管理を示す値(01)をセットする処理を実行する。この処理において、メインCPU32は、特別図柄変動時間管理を示す値を制御状態フラグに記憶する。この処理が終了した場合には、ステップS35に処理を移す。
【0186】
ステップS35においては、大当り判定処理を実行する。この処理において、メインCPU32は、始動入賞時に抽出された大当り判定用乱数値と、図4に示す大当り判定テーブルとを参照する。すなわち、メインCPU32は、遊技領域に設けられた第1始動口19または第2始動口23を遊技球が通過したことを条件に、識別情報の可変表示の結果に基づく大当り遊技状態に移行させるか否かを判定することとなる。この処理が終了した場合には、ステップS36に処理を移す。
【0187】
ステップS36においては、大当りであるか否かの判断を行う。この処理において、メインCPU32は、ステップS35の参照の結果に基づいて、大当りであるか否かを判断することになる。メインCPU32は、大当りであるものと判断した場合には、ステップS37に処理を移し、大当りであるものとは判断しない場合には、ステップS38に処理を移す。
【0188】
ステップS37においては、大当り図柄の決定処理を実行する。この処理において、メインCPU32は、始動入賞時に抽出された大当り図柄用乱数値を抽出し、その大当り図柄用乱数値に基づいて、特別図柄表示器15に表示する特別図柄を決定し、その識別情報を示すデータをメインRAM34の所定領域に記憶する。
【0189】
このように記憶された識別情報を示すデータは、図8のステップS15の処理により、主制御回路31のメインCPU32から副制御回路41のサブCPU42に図柄指定コマンドとして供給される。この処理が終了した場合には、ステップS39に処理を移す。
【0190】
ステップS38においては、はずれ図柄の決定処理を実行する。この処理において、メインCPU32は、特別図柄表示器15に表示するはずれ図柄を決定し、その識別情報を示すデータをメインRAM34の所定領域に記憶する。
【0191】
このように記憶された識別情報を示すデータは、図8のステップS15の処理により、主制御回路31のメインCPU32から副制御回路41のサブCPU42に図柄指定コマンドとして供給される。このような処理が実行されることによって、すなわち、識別情報の可変表示の結果を決定することとなる。この処理が終了した場合には、ステップS39に処理を移す。
【0192】
ステップS39においては、変動パターン決定処理を実行する。この処理において、メインCPU32は、演出条件選択用乱数値を抽出する。メインCPU32は、ステップS37およびステップS38により決定された識別情報に基づいて、変動パターンを決定する。
【0193】
次いで、メインCPU32は、演出条件選択用乱数カウンタから抽出した演出条件選択用乱数値に基づいて変動パターンを決定し、メインRAM34の所定領域に記憶する。このように記憶された変動パターンを示すデータは、図8のステップS15の処理により、主制御回路31のメインCPU32から副制御回路41のサブCPU42に変動パターン指定コマンドとして供給される。副制御回路41のサブCPU42は、受信した変動パターン指定コマンドに応じた演出表示を実行することとなる。この処理が終了した場合には、ステップS40に処理を移す。
【0194】
ステップS40においては、決定した変動パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマ(t)にセットする処理を実行する。この処理において、メインCPU32は、ステップS39の処理により決定された変動パターンと、その変動パターンの変動演出時間を示す変動演出時間テーブルとに基づいて、変動演出時間を決定し、その変動演出時間を示す値を待ち時間タイマに記憶する。
【0195】
この処理が終了した場合には、今回の変動表示に用いられた記憶領域をクリアする処理を実行する(ステップS41)。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
図11は図9のステップS29において実行される大当り終了インターバル処理のフローチャートである。
【0196】
図11において、まず、メインCPU32は、制御状態フラグが大当り終了インターバルを示す値(07)であるか否かの判断を行い(ステップS51)、制御状態フラグが大当り終了インターバルを示す値であるものと判断した場合には、ステップS52に処理を移し、制御状態フラグが大当り終了インターバルを示す値であるものと判断しなかった場合には、本サブルーチンを終了する。
【0197】
そして、ステップS52においては、メインCPU32は、待ち時間タイマ(t)が "0"であるか否かの判断を行い、待ち時間タイマ(t)が"0"であるものと判断した場合には、ステップS53に処理を移し、待ち時間タイマ(t)が"0"であるものと判断しない場合には、本サブルーチンを終了する。
【0198】
また、ステップS53においては、メインCPU32は、特別図柄ゲーム終了を示す値(08)を制御状態フラグにセットしてステップS54に進む。ステップS54ではメインCPU32は、大当り図柄が特定図柄(確変図柄)であるか否かを判別する。
【0199】
ステップS54で大当り図柄が特定図柄でなく、通常図柄である場合には、ステップS56に進み、大当り図柄が特定図柄である場合には、高確率フラグ(77)をセットする(ステップS55)。
【0200】
ステップS56においては、大当り遊技の終了後に確変遊技であるか、時短遊技であるかを報知するか否かの抽選を行う報知抽選コマンドをメインRAM34にセットして本サブルーチンを終了する。
【0201】
なお、ステップS54では液晶表示装置12の表示領域12a上において、装飾図柄が通常図柄で大当りとなった場合でも、それは演出上のことであって、実際には特別図柄が確変図柄で大当りになっていることもあり、装飾図柄の組合せからだけでは、遊技者は確変か否かを伺い知ることができない。このため、大当り遊技の終了後の所定期間に確変報知または時短報知を行うのかの抽選を行う。
図12は図9のステップS30において実行される特別図柄ゲーム終了処理のフローチャートである。
【0202】
図12において、メインCPU32は、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了を示す値(08)であるか否かの判断を行い(ステップS61)、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了を示す値であるものと判断した場合には、ステップS62に処理を移し、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了を示す値であるものと判断しなかった場合には、本サブルーチンを終了する。
【0203】
そして、ステップS62においては、保留個数を"1"減算した後、メインRAM34の特別図柄記憶領域(1)から特別図柄記憶領域(4)の各々のデータを、特別図柄記憶領域(0)から特別図柄記憶領域(3)にシフトする(ステップS63)。
【0204】
次いで、特別図柄記憶領域のデータ(4)にクリアデータをセットする(ステップS64)。このステップS63、ステップS64の処理によって特別図柄記憶領域の更新が行われる。
【0205】
次いで、メインCPU32は、制御状態フラグとして特別図柄記憶チェックを示す値(00)を制御状態フラグにセットした後(ステップS65)、特別図柄ゲーム終了処理が終了したことを示す1変動終了コマンドを副制御回路41に送信する(ステップS66)。
【0206】
図13は副制御回路41で行われるメイン処理のフローチャートである。
図13において、サブCPU42は、ワークRAM44に記憶された各種設定を初期化した後(ステップS71)、各種演出に関連する乱数更新処理(予告決定用乱数)を行う(ステップS72)。
【0207】
次いで、サブCPU42は、図15に示すようにメインCPU32から受信したコマンドを解析するコマンド解析処理を実行した後(ステップS73)、表示制御回路45の制御処理を行う(ステップS74)。具体的には、サブCPU42は、表示制御回路45を制御することによって液晶表示装置12の表示領域12aに識別情報と共に予告画像や背景画像等を表示する。
【0208】
次いで、サブCPU42は、音声制御回路50を制御する(ステップS75)。具体的には、サブCPU42は、音声制御回路50を制御することによってスピーカ51L、51Rから効果音や音声等を出力する。
【0209】
次いで、サブCPU42は、ランプ制御回路53を制御する(ステップS76)。具体的には、サブCPU42は、ランプ制御回路53を制御することによって、装飾ランプ54を所定のパターンで点灯・消灯する。
【0210】
図14はコマンド受信割込処理のフローチャートであり、コマンド受信割込処理は、サブCPU42がメイン処理を実行している状態であっても、メイン処理を中断させて実行するものであり、図示しないリセット用クロックパルス発生回路から所定の周期(例えば2ミリ秒)毎に発生されるクロックパルスに応じて実行される。
【0211】
図14において、サブCPU42は、レジスタを退避させた後(ステップS81)、メインCPU32から入力されたコマンドを受信バッファへ格納し(ステップS82)、次いで、レジスタを復帰する(ステップS83)。
【0212】
図15は図13のステップS73で実行されるコマンド解析処理のフローチャートである。
【0213】
図15において、サブCPU42は、受信バッファにメインCPU32から送信されたコマンドが記憶されているか否かを判別し(ステップS91)、コマンドが記憶されていないものと判断した場合には本サブルーチンを終了する。
【0214】
また、サブCPU42は、コマンドが記憶されているものと判断した場合には、受信バッファからコマンドを読み出した後(ステップS92)、読み出したコマンドが報知抽選コマンドであるか否かを判別する(ステップS93)。
【0215】
サブCPU42は、読み出したコマンドが報知抽選コマンドであるものと判断した場合には、対応する報知抽選フラグをオンにした後(ステップS94)、抽選時期決定処理を実行する(ステップS95)。
この抽選時期決定処理では、プログラムROM43に記憶された抽選時期抽選テーブル(図5参照)を参照し、取得した乱数値とこの抽選時期抽選テーブルに記憶された各抽選時期に対応する乱数範囲とを比較し、一致する乱数値に対応する抽選時期を抽出する。
次いで、サブCPU42は、抽選割合決定処理を実行する(ステップS96)。この抽選割合決定処理では、ワークRAM44に記憶された抽選割合抽選テーブル(図6参照)を参照し、取得した乱数値とこの抽選割合抽選テーブルに記憶された各抽選割合に対応する乱数範囲とを比較し、一致する乱数値に対応する抽選割合を抽出する。
【0216】
一方、ステップS93で読み出したコマンドが報知コマンドでない場合には、サブCPU42は、読み出したコマンドが1変動終了コマンド(図12のステップS66)であるか否かを判別する(ステップS97)。
【0217】
サブCPU42は、この判別結果が"YES"であれば、図16に示す報知抽選処理を実行して(ステップS98)本サブルーチンを終了し、この判別結果が"NO"であれば、その他のコマンドに対応する処理を実行して(ステップS99)本サブルーチンを終了する。
【0218】
図16は図15のステップS98で実行される報知抽選処理のフローチャートである。
図16において、サブCPU42は、報知抽選フラグがオンであるか否かを判別し(ステップS101)、報知抽選フラグがオンでないものと判断した場合には、今回のサブルーチンを終了し、報知抽選フラグがオンであるものと判断した場合には、図柄の変動回数をワークRAM44に加算して記憶する変動回数加算記憶処理を実行する(ステップS102)。
【0219】
次いで、サブCPU42は、変動回数が抽選時期を満たす回数であるか否かを判別する(ステップS103)。ここで、抽選周期として"10回転毎"が選択されていた場合には、変動回数が10回転目であるか否かを判別する。
【0220】
サブCPU42は、この判別結果が"YES"であれば決定した抽選時期ならびに抽選割合で確変または時短の報知を行うか否かの抽選を行う。ここで、報知態様を第1の報知態様とする割合が60%、第2の報知態様とする割合が40%となる抽選選割が選択されていた場合には、当該割合で遊技状態が確変遊技状態または時短遊技状態であるか否かを報知する抽選を行う(ステップS104)。
【0221】
また、サブCPU42は、ステップS103の判別結果が"NO"である場合には抽選期間である最大100回転(時短遊技回数に設定された遊技回数)を満たしたか否かを判別する(ステップS105)。
【0222】
サブCPU42は、ステップS104で抽選を行った結果、第1の報知態様に当選したか否かを判別し(ステップS106)、第1の報知態様に当選したものと判断した場合には、図17に示す報知態様データ決定処理を行い(ステップS107)、第2の報知態様に当選したものと判断した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0223】
サブCPU42は、ステップS107で報知態様データ決定処理を実行した後、抽選時期・抽選割合・報知抽選フラグをクリアして(ステップS108)、本サブルーチンを終了する。
【0224】
また、サブCPU42は、ステップS105で抽選期間が最大100回転を満たしたものと判断した場合には、ステップS108の処理に移行し、抽選期間が最大100回転を満たしていないものと判断した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0225】
図17は図16のステップS107で実行される報知態様データ決定処理のフローチャートである。
図17において、サブCPU42は、高確率フラグが"オン"であるか否かを判別し(ステップS111)、高確率フラグが"オン"であるものと判断した場合には、「〜確変中〜」の表示データをセットして(ステップS112)、サブルーチンを終了し、高確率フラグが"オン"でないものと判断した場合には、「〜時短中〜」の表示データをセットして(ステップS113)、本サブルーチンを終了する。
【0226】
図18は、大当り遊技状態の終了後に、確変遊技状態または時短遊技状態を報知しない第2の報知態様に設定されたときの液晶表示装置12の表示領域12aを示す図であり、この状態では花火職人が月を眺めている画像が表示され、遊技者は遊技状態が確変遊技状態であるのか遊技状態であるのかを把握することができない。
【0227】
一方、ステップS112の処理が実行されると、サブCPU42が表示制御回路45を制御することにより、図19に示すように、確変遊技状態であることを示す画像を表示領域12aに表示し、ステップS113の処理が実行されると、図20に示すように、時短遊技状態であることを示す画像を表示領域12aに表示する。この結果、遊技者は遊技状態が確変遊技状態であるのか時短遊技状態であるのかを把握することができる。
【0228】
このように本実施の形態によれば、大当り遊技状態の終了後の報知態様として、確変報知または時短報知を行う第1の報知態様とするか、確変報知または時短報知を行わない第2の報知態様とするかを、大当り遊技状態の終了後の所定期間が経過する度に抽選し、この抽選結果に応じて、報知態様を第2の報知態様から第1の報知態様に切換えるようにしたので、抽選結果が当選であった場合には、確変が成立しているか時短が成立しているかを早い時期に把握することができたり、遅い時期に把握することができ、あるいは抽選にはずれた場合には、例えば、液晶表示装置12が第2の報知態様の表示画面から通常画面に切換わることで確変が成立していないことを知ることができる。
このように大当り遊技状態の終了後に、確変が成立したか否かを様々な時期に知ることができるので、確変非報知機種としての魅力を保持することができる。
【0229】
また、本実施の形態では、抽選を行う所定期間として、複数の異なる抽選期間をプログラムROM43に記憶し、サブCPU42がプログラムROM43に記憶された複数の抽選期間のうちの何れかの抽選期間に基づいて、第1の報知態様とするか、第2の報知態様とするかを抽選するようにしたので、大当り遊技状態の終了後に確変の成立や不成立を報知するタイミングに変化を持たせることができ、遊技者にドキドキ感を与えることができる。
【0230】
特に、本実施の形態では、図柄の変動回数に基づいて抽選を行うので、第2始動口23に遊技球を通過させるタイミングで抽選を行うことができる。
【0231】
また、本実施の形態では、サブCPU42が第1の報知態様とするか、第2の報知態様とするかを抽選するための複数の抽選割合をプログラムROM43に記憶し、サブCPU42が、プログラムROM43に記憶された複数の抽選割合のうちの何れかの抽選割合に基づいて、第1の報知態様とするか、第2の報知態様とするかを抽選するようにしたので、抽選割合を第1の報知態様に当選し易い抽選割合と第1の報知態様に当選し難い抽選割合とに振り分けることで、第1の報知態様の抽選割合が高ければ、第1の報知態様を早い時期に報知し易くなり、第2の報知態様の抽選割合が高ければ、第1の報知態様の報知時期が遅くなるというように、確変の成立または不成立を遊技者が把握する時期に変化を持たせることができる。
【0232】
また、本実施の形態では、サブCPU42が、第1の報知態様が抽選された時点で、報知態様を第2の報知態様から第1の報知態様に切換えるので、例えば、大当り遊技状態の終了後に、図柄が5回転目の抽選で第1の報知態様に当選した場合には、図柄が5回転目に変動停止するまでに報知態様を第1の報知態様に切換えることができ、確変または時短になったことを遊技者が直ちに把握することができる。
【0233】
また、本実施の形態では、液晶表示装置12によって報知態様を第2の報知態様から第1の報知態様に切換えるようにしたので、遊技者は第1の報知態様に当選したことを視認することにより、報知態様が切換えられたこと明確に把握することができる。
【0234】
なお、本実施の形態では、抽選周期として図柄の変動回数を用いているが、これに限らず、3分周期、5分周期のような時間的な周期を用いて抽選を行うようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0235】
【図1】本発明の一実施の形態のパチンコ遊技機の外観を示す斜視図
【図2】一実施の形態のパチンコ遊技機の遊技盤の正面図
【図3】一実施の形態のパチンコ遊技機において構成される主制御回路および副制御回路を示すブロック図
【図4】一実施の形態のパチンコ遊技機の大当り判定テーブルを示す図
【図5】一実施の形態のパチンコ遊技機の抽選時期抽選テーブルを示す図
【図6】一実施の形態のパチンコ遊技機の抽選割合抽選テーブルを示す図
【図7】一実施の形態のパチンコ遊技機の主制御回路において実行されるメイン処理を示すフローチャート
【図8】一実施の形態のパチンコ遊技機の主制御回路において実行されるシステムタイマ割込処理を示すフローチャート
【図9】一実施の形態のパチンコ遊技機の主制御回路において実行される特別図柄制御処理を示すフローチャート
【図10】一実施の形態のパチンコ遊技機の主制御回路において実行される特別図柄記憶チェック処理を示すフローチャート
【図11】一実施の形態のパチンコ遊技機の主制御回路において実行される大当り終了インターバル処理を示すフローチャート
【図12】一実施の形態のパチンコ遊技機の主制御回路において実行される特別図柄ゲーム終了処理を示すフローチャート
【図13】一実施の形態のパチンコ遊技機の副制御回路において実行されるメイン処理を示すフローチャート
【図14】一実施の形態のパチンコ遊技機の副制御回路において実行されるコマンド受信割込処理を示すフローチャート
【図15】一実施の形態のパチンコ遊技機の副制御回路において実行されるコマンド解析処理を示すフローチャート
【図16】一実施の形態のパチンコ遊技機の副制御回路において実行される報知抽選処理を示すフローチャート
【図17】一実施の形態のパチンコ遊技機の副制御回路において実行される報知態様データ決定処理を示すフローチャート
【図18】一実施の形態のパチンコ遊技機における確変非報知時に表示領域に表示される演出画像
【図19】一実施の形態のパチンコ遊技機において確変報知時に表示領域に表示される演出画像
【図20】一実施の形態のパチンコ遊技機において時短報知時に表示領域に表示される演出画像
【符号の説明】
【0236】
1 パチンコ遊技機(遊技機)
10a 遊技領域
12 液晶表示装置(表示手段、識別情報変動手段)
19 第1始動口(入賞領域)
22a シャッタ(可変入賞装置)
23 第2始動口(入賞領域)
32 メインCPU(大当り判定手段、遊技状態決定手段)
33 メインROM(遊技態様記憶手段)
42 サブCPU(報知態様切換え手段、報知態様抽選手段)
43 プログラムROM(抽選期間記憶手段)
44 ワークRAM(変動回数加算記憶手段)
45 表示制御回路(報知態様切換え手段、識別情報変動手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が通過可能な各種入賞領域を有する遊技領域と、
前記各種入賞領域の少なくとも1つを構成する始動入賞領域を遊技球が通過したことを条件として、大当り遊技状態とするか否かを判定する大当り判定手段と、
前記大当り判定手段が大当りと判定した場合に、前記大当り遊技状態の終了後の遊技状態として、相対的に有利な第1の遊技状態および前記第1の遊技状態よりも不利な第2の遊技状態の何れか一方の遊技状態を決定する遊技状態決定手段と、
前記遊技状態決定手段が前記第1の遊技状態または前記第2の遊技状態を決定したことを報知する第1の報知態様と、前記第1の遊技状態または前記第2の遊技状態を決定したことを報知しない第2の報知態様とに報知態様を切換え可能な報知態様切換え手段と、
前記大当り遊技状態の終了後の報知態様として、前記第1の報知態様とするか、前記第2の報知態様とするかを、前記大当り遊技状態の終了後の所定期間が経過する度に抽選する報知態様抽選手段とを備え、
前記報知態様切換え手段は、前記報知態様抽選手段による抽選結果に応じて、報知態様を前記第2の報知態様から前記第1の報知態様に切換えることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記所定期間として、複数の異なる抽選期間を記憶する抽選期間記憶手段を備え、
前記報知態様抽選手段は、前記抽選期間記憶手段に記憶された複数の抽選期間のうちの何れかの抽選期間に基づいて、前記第1の報知態様とするか、前記第2の報知態様とするかを抽選することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記抽選期間記憶手段は、前記報知態様抽選手段が前記第1の報知態様とするか、前記第2の報知態様とするかを抽選するための複数の抽選割合を記憶しており、
前記報知態様抽選手段は、前記抽選期間記憶手段に記憶された複数の抽選割合のうちの何れかの抽選割合に基づいて、前記第1の報知態様とするか、前記第2の報知態様とするかを抽選することを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
始動入賞領域を遊技球が通過したことを条件として識別情報の変動を行う識別情報変動手段と、
前記識別情報が変動を開始してから終了するまでの前記識別情報の変動回数を1回としてカウントし、前記識別情報の変動回数を加算して記憶する変動回数加算記憶手段とを備え、
前記報知態様抽選手段は、前記所定期間として、前記変動回数記憶手段に記憶された前記識別情報の変動回数が所定変動回数を満たしたことを条件として、前記抽選を行うことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の遊技機。
【請求項5】
前記報知態様切換え手段は、前記報知態様抽選手段によって前記第1の報知態様が抽選された時点で、報知態様を前記第2の報知態様から前記第1の報知態様に切換えることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の遊技機。
【請求項6】
遊技に関する画像を表示する表示手段を備え、
前記報知態様切換え手段は、前記表示手段を介して報知態様を前記第2の報知態様から前記第1の報知態様に切換えることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の遊技機。
【請求項1】
遊技球が通過可能な各種入賞領域を有する遊技領域と、
前記各種入賞領域の少なくとも1つを構成する始動入賞領域を遊技球が通過したことを条件として、大当り遊技状態とするか否かを判定する大当り判定手段と、
前記大当り判定手段が大当りと判定した場合に、前記大当り遊技状態の終了後の遊技状態として、相対的に有利な第1の遊技状態および前記第1の遊技状態よりも不利な第2の遊技状態の何れか一方の遊技状態を決定する遊技状態決定手段と、
前記遊技状態決定手段が前記第1の遊技状態または前記第2の遊技状態を決定したことを報知する第1の報知態様と、前記第1の遊技状態または前記第2の遊技状態を決定したことを報知しない第2の報知態様とに報知態様を切換え可能な報知態様切換え手段と、
前記大当り遊技状態の終了後の報知態様として、前記第1の報知態様とするか、前記第2の報知態様とするかを、前記大当り遊技状態の終了後の所定期間が経過する度に抽選する報知態様抽選手段とを備え、
前記報知態様切換え手段は、前記報知態様抽選手段による抽選結果に応じて、報知態様を前記第2の報知態様から前記第1の報知態様に切換えることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記所定期間として、複数の異なる抽選期間を記憶する抽選期間記憶手段を備え、
前記報知態様抽選手段は、前記抽選期間記憶手段に記憶された複数の抽選期間のうちの何れかの抽選期間に基づいて、前記第1の報知態様とするか、前記第2の報知態様とするかを抽選することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記抽選期間記憶手段は、前記報知態様抽選手段が前記第1の報知態様とするか、前記第2の報知態様とするかを抽選するための複数の抽選割合を記憶しており、
前記報知態様抽選手段は、前記抽選期間記憶手段に記憶された複数の抽選割合のうちの何れかの抽選割合に基づいて、前記第1の報知態様とするか、前記第2の報知態様とするかを抽選することを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
始動入賞領域を遊技球が通過したことを条件として識別情報の変動を行う識別情報変動手段と、
前記識別情報が変動を開始してから終了するまでの前記識別情報の変動回数を1回としてカウントし、前記識別情報の変動回数を加算して記憶する変動回数加算記憶手段とを備え、
前記報知態様抽選手段は、前記所定期間として、前記変動回数記憶手段に記憶された前記識別情報の変動回数が所定変動回数を満たしたことを条件として、前記抽選を行うことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の遊技機。
【請求項5】
前記報知態様切換え手段は、前記報知態様抽選手段によって前記第1の報知態様が抽選された時点で、報知態様を前記第2の報知態様から前記第1の報知態様に切換えることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の遊技機。
【請求項6】
遊技に関する画像を表示する表示手段を備え、
前記報知態様切換え手段は、前記表示手段を介して報知態様を前記第2の報知態様から前記第1の報知態様に切換えることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
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【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2007−75202(P2007−75202A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−263956(P2005−263956)
【出願日】平成17年9月12日(2005.9.12)
【出願人】(598098526)アルゼ株式会社 (7,628)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年9月12日(2005.9.12)
【出願人】(598098526)アルゼ株式会社 (7,628)
【Fターム(参考)】
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