説明

光学的情報読取装置

【課題】光学的な情報読取機能と非接触通信機能とを共に備える光学的情報読取装置において、ケース内の所定位置にアンテナを安定的に収容し、かつ当該アンテナ付近を衝撃から適切に保護しうる構成を提供する。
【解決手段】光学的情報読取装置1は、アンテナを有するアンテナユニット50がケース2内に収容された構成をなしている。アンテナユニット50は、アンテナと、このアンテナを保持する基板53とが一体化されてなるものであり、ケース2内にはこのアンテナユニット50を支持する複数の支持台61〜64が設けられている。これら複数の支持台61〜64は互いに間隔をあけて配置されており、支持台間には支持台同士を連結する補強リブ65〜68が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学的情報読取装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
バーコードリーダ等の光学的情報読取装置では、現在、非接触通信機能を備えた構成が提供されている。この種の装置では、非接触通信を行うためのアンテナが必須であり、現在では、ケース内の所定位置にアンテナを固定する構成などが用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−331333
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のような光学的情報読取装置は、様々な衝撃が加わることが経験的に知られている。例えば、手に持って使用しうる携帯端末として構成される場合、落下衝撃等が生じる場合があり、このような衝撃は、装置内の各部品に影響を及ぼし、破損等の不具合の原因となりうる。従って、この種の装置では、このような落下衝撃等を想定し、仮に衝撃が生じた場合であっても装置内の部品を適切に保護しうる構成が望まれる。
【0005】
特に、落下衝撃等が問題となる部品としてはアンテナ付近の構成が挙げられる。即ち、上記のように光学的な情報読取機能と非接触通信機能とを共に備える構成とする場合、装置内にアンテナを設けることが必要となってくるが、このアンテナは一般的にある程度の大きさを要し、落下衝撃等に起因するケースの変形などの影響を受けやすいという問題がある。従って、装置内の部品を適切に保護する構成を実現する上では、特にアンテナ付近を如何に衝撃から保護するかが重要となる。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、光学的な情報読取機能と非接触通信機能とを共に備える光学的情報読取装置において、ケース内の所定位置にアンテナを安定的に収容し、かつ当該アンテナ付近を衝撃から適切に保護しうる構成を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、ケースと、光学的情報を読み取る光学的情報読取手段と、アンテナを備え、前記アンテナを用いて非接触通信媒体と非接触通信を行う非接触通信手段と、を有し、前記アンテナが前記ケース内に収容されてなる光学的情報読取装置であって、前記アンテナを保持する基板と、前記アンテナが前記基板に保持されてなるアンテナユニットを支持する複数の支持台と、を備え、複数の前記支持台が互いに間隔をあけて配置されると共に、前記アンテナユニットにおける複数位置において当該アンテナユニットと前記支持台とが固定手段によって固定されており、少なくともいずれかの前記支持台と、他の前記支持台とが補強リブによって連結されていることを特徴とする。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載の光学的情報読取装置において、複数の前記支持台はそれぞれ、前記アンテナユニットの周縁部付近を支持していることを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の光学的情報読取装置において、前記支持台は、前記ケースの内壁部に形成された突出部からなり、前記補強リブは、前記内壁部においていずれかの前記突出部と他の前記突出部とを連結する形態で形成されていることを特徴とする。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置において、前記ケースは長手状に形成されており、複数の前記支持台の内、少なくとも前記ケースの長手方向に沿って対向する2つの前記支持台が前記補強リブによって連結されていることを特徴とする。
【0011】
請求項5の発明は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置において、複数の前記支持台は、前記アンテナユニットの周縁部に沿って配置されており、それら複数の前記支持台の内、前記周縁部に沿って隣接する前記支持台同士をそれぞれ連結するように、複数の前記補強リブが環状に設けられていることを特徴とする。
【0012】
請求項6の発明は、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置において、前記アンテナユニットと前記支持台との間に、前記支持台よりも軟質の柔軟部材が挟み込まれていることを特徴とする。
【0013】
請求項7の発明は、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置において、前記アンテナは、前記基板の一方の板面側に搭載されており、複数の前記支持台はそれぞれ、前記一方の板面における前記アンテナが搭載された領域以外の領域を支持していること特徴とする。
【0014】
請求項8の発明は、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置において、前記アンテナは、板状のセラミック材を有してなり、前記アンテナユニットは、前記セラミック材と前記基板とが重ねられた状態で固定されていることを特徴とする。
【0015】
請求項9の発明は、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置において、前記アンテナは矩形状に構成され、前記基板は、前記アンテナよりも大きいサイズで矩形状に構成され、当該基板の中央領域に前記アンテナが搭載されており、複数の前記支持台は、前記基板における前記アンテナが搭載された一方面側の角部をそれぞれ支持する構成をなし、それら複数の前記支持台の内、前記アンテナユニットの周縁部に沿って隣接する前記支持台同士がそれぞれ前記補強リブによって連結された構成で、複数の前記補強リブが矩形枠状に形成されており、更に、複数の前記補強リブによって構成される矩形枠の内側に、矩形状の前記アンテナが収容されていることを特徴とする。
【0016】
請求項10の発明は、請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置において、前記アンテナユニットの側部と対向する位置に、当該アンテナユニットの側部と当接可能に配置され且つ弾性的に変形可能とされた当接リブが設けられていることを特徴とする。
【0017】
請求項11の発明は、請求項10に記載の光学的情報読取装置において、前記当接リブが、前記補強リブより薄く構成されていることを特徴とする。
【0018】
請求項12の発明は、請求項10又は請求項11に記載の光学的情報読取装置において、前記当接リブが、前記補強リブよりも軟質の材料によって構成されていることを特徴とする。
【0019】
請求項13の発明は、請求項10から請求項12のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置において、前記当接リブが、前記ケースの側壁部及び底壁部と一体化されていることを特徴とする。
【0020】
請求項14の発明は、請求項10から請求項13のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置において、前記ケースの長手方向に並ぶ構成で複数の前記当接リブが配置されており、これら複数の前記当接リブが、前記アンテナユニットの同じ側の側部と対向していることを特徴とする。
【0021】
請求項15の発明は、請求項16に記載の光学的情報読取装置において、前記ケースが、第1のケース体と第2のケース体とを有し、前記ケースの長手方向複数位置において、前記第1のケース体と前記第2のケース体とを連結する連結部が設けられており、前記長手方向に並ぶ複数の前記当接リブが、前記連結部に遠い位置に配置される第1当接リブと、当該第1当接リブより前記連結部から近い位置に配置される第2当接リブとを有しており、前記第1当接リブのほうが前記第2当接リブよりも変形し難い構造とされていることを特徴とする。
【0022】
請求項16の発明は、請求項15に記載の光学的情報読取装置において、前記第1当接リブが、前記ケースに連結された板状の延出壁と、前記ケースに連結され且つ前記延出壁と一体化された板状の対向壁とを備え、前記延出壁の一端部と前記対向壁の一方の板面部とが連結された構成をなし、前記対向壁の他方の板面部を前記アンテナユニットの側部と対向させた構成で配置されており、前記第2当接リブは、板状部を有し、当該板状部の側端部を前記アンテナユニットの側部と対向させた構成で配置されていることを特徴とする。
【0023】
請求項17の発明は、請求項10から請求項15のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置において、前記当接リブが、前記ケースに連結された板状の延出壁と、前記ケースに連結され且つ前記延出壁と一体化された板状の対向壁とを備え、前記延出壁の一端部と前記対向壁の一方の板面部とが連結された構成をなしており、前記対向壁の他方の板面部を前記アンテナユニットの側部と対向させた構成で配置されていることを特徴とする。
【0024】
請求項18の発明は、請求項16又は請求項17に記載の光学的情報読取装置であって、前記アンテナユニットの前記基板における前記対向壁と対向する位置に、当該基板の内側向きに凹となる切欠部が形成され、前記対向壁の前記他方の板面部が、前記切欠部の凹み方向奥側に配された内壁奥部と対向し、前記対向壁の一対の側端部が、前記切欠部の一対の内壁側部と対向した構成で、前記対向壁が前記切欠部に嵌り込んでいることを特徴とする。
【0025】
請求項19の発明は、請求項16から請求項18のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置において、前記対向壁の下端部が、前記ケースの底壁部に接合された第1接合部として構成され、前記延出壁の下端部が前記ケースの前記底壁部に接合された第2接合部として構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
請求項1の発明は、ケース内に光学的情報読取手段と非接触通信手段とが設けられているため、単一の装置で光学的な情報読取機能と非接触通信機能とを共に実現でき、ユーザの利便性を高めることができる。また、アンテナが基板に保持されてなるアンテナユニットを、間隔をあけて配置された複数の支持台によって支持しており、これにより、アンテナをケース内に安定的に固定することができる。更に、少なくともいずれか支持台と他の支持台とが補強リブによって連結されているため、衝撃時に支持台に生じる撓み等の変形を抑えることができ、アンテナユニットに支持台を介して間接的に加わる衝撃を効果的に緩和できる。
【0027】
請求項2の発明は、複数の支持台がそれぞれアンテナユニットの周縁部付近を支持している。このようにすると、アンテナユニットの中央領域にアンテナ配置スペースを確保しやすくなる。
【0028】
請求項3の発明は、ケースの内壁部に形成された突出部によって支持台が構成されており、このようにすると、アンテナユニットを支持する構成をケースの一部によって簡易に実現できると共に、アンテナユニットにおいて支持台と当接する領域を小さくでき、更には、支持台付近において部品収容空間を確保しやすくなる。一方、いずれかの突出部と他の突出部を連結する形態で補強リブが設けられているため、支持台を、サイズを抑えた突出構成としつつ、当該支持台(突出部)の強度を効果的に高めることができる。
【0029】
請求項4の発明は、ケースが長手状に形成され、少なくともケースの長手方向に沿って対向する2つの支持台が補強リブによって連結されている。このようにケースが長手状に構成される場合、作業者が把持しやすくなる反面、衝撃時において長手方向の撓み、変形等が生じやすくなるが、上記のように長手方向に対向する2つの支持台を補強リブによって連結するように構成すれば、ケースに生じる長手方向の撓み等に対応でき、ケース形状を適切に考慮した保護が可能となる。
【0030】
請求項5の発明は、複数の支持台がアンテナユニットの周縁部に沿って配置されているため、アンテナユニットの周縁部のスペースを利用して当該アンテナユニットを効率的に且つ安定的に支持することができる。更に、周縁部に沿って隣接する支持台同士をそれぞれ連結するように複数の補強リブが環状に設けられているため、支持台及び補強リブが変形しにくい極めて強固な構造となり、ケースからアンテナユニットへの衝撃の伝達をより一層効果的に抑えることができる。
【0031】
請求項6の発明は、アンテナユニットと支持台との間に、支持台よりも軟質の柔軟部材が挟み込まれている。このようにすると、支持台からアンテナユニットに伝わろうとする衝撃を柔軟部材によって効果的に緩和でき、アンテナユニットを衝撃からより一層良好に保護することができる。
【0032】
請求項7の発明は、基板の一方の板面側にアンテナが搭載されており、複数の支持台はそれぞれ、その一方の板面におけるアンテナが搭載された領域以外の領域を支持している。このようにすると、基板におけるアンテナ搭載領域以外を利用して支持台を固定できると共に、支持台を介してアンテナユニットに伝達するケースからの衝撃をアンテナに伝わりにくくすることができる。また、基板の一方の板面側において、支持台配置スペース以外を利用してアンテナを収容でき、基板、アンテナ、支持台についてより効率的な配置が可能となる。
【0033】
請求項8の発明は、アンテナが板状のセラミック材を有してなり、アンテナユニットは、セラミック材と基板とが重ねられた状態で固定された構成をなしている。本発明のように、板状のセラミック材を用いることはアンテナとして優れた機能を実現する上で好ましく、このようなセラミック材を用いる場合、基板と重ねた構成とすることで、より効率的で安定的な配置が可能となる。しかしながら、セラミック材を備えたアンテナは、割れ易い、衝撃に弱い等の特性を有しており、衝撃等に起因してアンテナと基板との接合部の破損等が生じやすいという問題もある。しかしながら、本発明のように支持台と他の支持台とを補強リブによって連結し、支持台の撓み変形等を抑えた構成とした上で上記アンテナユニット(即ち、セラミック材と基板とが重ねられてなるアンテナユニット)を配置すれば、セラミック材を有するアンテナの優れた機能を実現しつつ、上記特性上の問題点を効果的に解消できる。
【0034】
請求項9の発明は、矩形状の基板の中央領域に矩形状のアンテナが搭載され、複数の支持台は、基板におけるアンテナが搭載された一方面側の角部をそれぞれ支持する構成をなしている。このようにすると、基板及びアンテナを加工容易なシンプルな構成としつつ、複数の支持台によって基板を安定的に支持することができる。また、アンテナユニットの周縁部に沿って隣接する支持台同士がそれぞれ補強リブによって連結され、複数の補強リブが矩形枠状に形成されるため、支持台及び補強リブが変形しにくい極めて強固な構成となり、更に、その矩形枠の内側に矩形状のアンテナが収容されるため、強固な矩形枠構成を有効に利用した効率的な配置が可能となる。
【0035】
請求項10の発明は、アンテナユニットの側部と対向する位置に、当該アンテナユニットの側部と当接可能に配置され且つ弾性的に変形可能とされた当接リブが設けられている。このようにすると、アンテナユニットを組付ける際に、アンテナユニットの側部の位置決めを行いやすくなる。
一方、他部品をアンテナユニットと対向させて位置決めを行いやすくすると、ケース外から衝撃(例えば落下衝撃など)が加えられたときに、ケースの変形や、アンテナユニットの位置ずれ等に起因してアンテナユニットが他部品(位置決め部品)に衝突しやすくなることが問題となるが、本発明では、アンテナユニットの側部に弾性変形可能な当接リブを対向させているため、ケース外から衝撃(例えば落下衝撃など)が加えられたときでも、当接リブを弾性変形させてアンテナユニットに加えられる衝撃を吸収することができ、アンテナユニットを安定的に保護することができる。
【0036】
請求項11の発明は、当接リブが補強リブより薄く構成されてため、当接リブが補強用のリブよりも変形しやすくなり、支持部付近については補強効果を高め、アンテナユニットの側部付近については弾性変形しやすく構成して衝撃吸収効果を高めることができる。
【0037】
請求項12の発明は、当接リブが補強リブよりも軟質の材料によって構成されているため、当接リブが補強用のリブよりも変形しやすくなり、支持部付近については補強効果を高め、アンテナユニットの側部付近については弾性変形しやすく構成して衝撃吸収効果を高めることができる。
【0038】
請求項13の発明は、当接リブがケースの側壁部及び底壁部と一体化されている。このようにすると、当接部をケースにより安定的に連結することができ、当接部を弾性変形可能な構成としつつ破損等が生じにくい構成とすることができる。
【0039】
請求項14の発明は、ケースの長手方向に並ぶ構成で複数の当接リブが配置されており、これら複数の当接リブが、アンテナユニットの同じ側の側部と対向している。このようにすると、アンテナユニットを組付ける際に、アンテナユニットの一方の側部(同じ側の側部)を、長手方向に並ぶ複数の当接リブによって位置決めすることができるため、長手方向に対するアンテナユニットの傾きも正確に定めやすくなる。また、組み付け後には、ケース外から衝撃(例えば落下衝撃など)が加えられたときに、長手方向に並ぶ複数の当接リブによって衝撃を吸収できるため、衝撃を分散することができ、衝撃吸収効果を一層高めることができる。
【0040】
請求項15の発明は、長手方向に並ぶ複数の当接リブが、連結部に遠い位置に配置される第1当接リブと、当該第1当接リブより連結部から近い位置に配置される第2当接リブとを有しており、第1当接リブのほうが第2当接リブよりも変形し難い構造とされている。このように、ケースに対して衝撃が加えられたときに変形量が比較的大きくなる側(即ち、連結部からより離れた側)に相対的に変形しにくい第1当接リブを配置することで、リブの過度な変形を抑えつつ衝撃を吸収することができる。また、ケースに対して衝撃が加えられたときに変形量が比較的小さくなる側(即ち、連結部に近い側)には、相対的に変形しやすい第2当接リブが配置されているため、変形量が小さくても衝撃を良好に吸収できるようになる。
【0041】
請求項16の発明は、第1当接リブが、ケースに連結された板状の延出壁と、ケースに連結され且つ延出壁と一体化された板状の対向壁とを備え、延出壁の一端部と対向壁の一方の板面部とが連結された構成をなしている。このようにすると、第1当接リブについては、構造をそれほど複雑化することなく、ある程度弾性変形可能であって且つ強固なリブ構成を実現できる。一方、第2当接リブについては、板状部の側端部をアンテナユニットの側部と対向させた構成で配置されているため、撓み変形し易い簡易な構成で衝撃を良好に吸収できるようになる。
【0042】
請求項17の発明は、当接リブが、ケースに連結された板状の延出壁と、ケースに連結され且つ延出壁と一体化された板状の対向壁とを備え、延出壁の一端部と対向壁の一方の板面部とが連結された構成をなしており、対向壁の他方の板面部をアンテナユニットの側部と対向させた構成で配置されている。このようにすると、構造をそれほど複雑化することなく、ある程度弾性変形可能であって且つ強固なリブ構成を実現できる。
【0043】
請求項18の発明は、アンテナユニットの基板において、対向壁と対向する位置に、当該基板の内側向きに凹となる切欠部が形成されている。そして、対向壁の他方の板面部が、切欠部の凹み方向奥側に配された内壁奥部と対向し、対向壁の一対の側端部が、切欠部の一対の内壁側部と対向した構成で、対向壁が切欠部に嵌り込んでいる。このようにすると、アンテナユニットの横方向の位置決め(組付け時)、及び横方向への相対移動に起因する衝撃吸収(組付け後)を可能としつつ、更に、前後方向の位置決め、及び前後方向への相対移動に起因する衝撃吸収も可能となる。
【0044】
請求項19の発明は、対向壁の下端部が、ケースの底壁部に接合された第1接合部として構成され、延出壁の下端部がケースの底壁部に接合された第2接合部として構成されている。このように、対向壁の下端領域及び延出壁の下端領域をいずれもケースと接合される接合領域とすることにより、衝撃を吸収し得る領域をより広く確保することができ、ケースの底壁部からアンテナユニットに伝わろうとする衝撃をより広い範囲で吸収することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態に係る光学的情報読取装置の内部構成を概略的に例示する斜視図である。
【図2】図2は、図1からアンテナユニットを取り外した状態を例示する斜視図である。
【図3】図3は、図1の光学的情報読取装置の電気的構成を例示するブロック図である。
【図4】図4(a)は、アンテナユニットを概略的に例示する斜視図であり、図4(b)は、アンテナユニットが支持台に支持される様子を例示する斜視図である。
【図5】図5(a)は、アンテナユニットの概略側面図であり、図5(b)は、アンテナユニットが支持台に支持された様子を側方から示す説明図である。
【図6】図6は、支持台及び補強リブを平面視した状態の概略図である。
【図7】図7(a)は、第2実施形態に係る光学的情報読取装置において、アンテナユニットが支持台に支持された様子を側方から示す説明図であり、図7(b)は、その様子の斜視図である。
【図8】図8は、第2実施形態の光学的情報読取装置における支持台、補強リブ、柔軟部材を平面視した状態の概略図である。
【図9】図9は、アンテナ支持部の変形例1を説明する説明図である。
【図10】図10は、アンテナ支持部の変形例2を説明する説明図である。
【図11】図11(a)は、第3実施形態に係る光学的情報読取装置の上ケースを示す平面図であり、図11(b)は、その光学的情報読取装置の下ケースを示す平面図である。
【図12】図12は、図11(b)の下ケースにアンテナユニットを組み付けた状態を示す平面図である。
【図13】図13は、図12の一部を拡大して説明する説明図である。
【図14】図14は、下ケースを部分的に拡大して示す拡大図である。
【図15】図15は、下ケースにアンテナユニットを組み付けた状態を部分的に拡大して示す拡大図である。
【図16】図16は、図11(b)のA−A断面を概略的に示す断面概略図である。
【図17】図17(a)は、図13のB−B断面を概略的に示す断面概略図であり、図17(b)は、図13のC−C断面を概略的に示す断面概略図である。
【図18】図18(a)は、第1当接リブと底壁部との接合構造を概略的に例示する斜視図であり、図18(b)は、第2当接リブと底壁部との接合構造を概略的に例示する斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る光学的情報読取装置1の内部構成を概略的に例示する斜視図である。図2は、図1からアンテナユニットを取り外した状態を例示する斜視図である。図3は、図1の光学的情報読取装置の電気的構成を例示するブロック図である。図4(a)は、アンテナユニットを概略的に例示する斜視図であり、図4(b)は、アンテナユニットが支持台に支持される様子を例示する斜視図である。図5(a)は、アンテナユニットの概略側面図であり、図5(b)は、アンテナユニットが支持台に支持された様子を側方から示す説明図である。図6は、支持台及び補強リブを平面視した状態の概略図である。
【0047】
図1に示す光学的情報読取装置1は、長手状の外観をなしており、その一端側のほぼ半分の領域が把持領域とされ、ユーザによって把持されつつ使用される構成をなしている。この光学的情報読取装置1は、例えば、ユーザによって携帯されて様々な場所で用いられる携帯情報端末として構成されており、バーコードや二次元コードなどの情報コードを読み取る情報コードリーダとしての機能と、無線タグを読み取る無線タグリーダとしての機能とを備え、読み取りを二方式で行いうる構成となっている。
【0048】
図1に示すように、光学的情報読取装置1は長手状のケース2によって外郭が構成されている。ケース2は、図1に示す下ケース2aと図示しない上ケースとが結合して長手状の箱状形態をなしており、下ケース2aには、読取口3、バッテリ収容部5、アンテナ支持部60(図2参照)などが形成されている。なお、アンテナ支持部60については後に詳述する。
【0049】
次に、光学的情報読取装置1が備えている機能について説明する。
図3(a)に示すように、光学的情報読取装置1のケース2内には、光学的情報読取装置1全体を制御する制御部8が設けられている。この制御部8は、マイコンを主体として構成されるものであり、CPU、システムバス、入出力インタフェース等を有し、メモリ13とともに情報処理装置を構成している。また、制御部8には、LED9、表示部10、キー操作部11、スピーカ12、外部インターフェース17などが接続されている。キー操作部11は、制御部8に対して操作信号を与える構成をなしており、制御部8は、この操作信号を受けて操作信号の内容に応じた動作を行う。また、LED9、スピーカ12、表示部10は、制御部8によって制御される構成をなしており、それぞれ、制御部8からの指令を受けて動作する。外部インターフェース17は、外部装置(例えばホスト装置)との間でのデータ通信を行うためのインターフェースとして構成されており、制御部8と協働して通信処理を行う構成をなしている。また、ケース2内には、電源となるバッテリ15や電源部16が設けられており、これらによって制御部8や各種電気部品に電力が供給されるようになっている。
【0050】
また、制御部8には、非接触通信部20及び情報コード読取部30がそれぞれ接続されている。
非接触通信部20は、アンテナ51及び制御部8と協働して無線タグ等の非接触通信媒体との間で電磁波による通信を行ない、非接触通信媒体に記憶されるデータの読取り、或いは非接触通信媒体に対するデータの書込みを行なうように機能するものである。この非接触通信部20は、公知の電波方式で伝送を行う回路として構成されており、図3(b)にて概略的に示すように、発振器21、変調器22、復調器23などを備えてなるものである。なお、非接触通信部20には、これら以外の公知構成(例えば、増幅器、フィルタ回路、整合回路等)も設けられているが、図3(b)ではこれらについては図示を省略している。
なお、本実施形態では、非接触通信部20及びアンテナ51が「非接触通信手段」の一例に相当する。
【0051】
情報コード読取部30は、図3(c)に示すように、CCDエリアセンサからなる受光センサ33、結像レンズ37、複数個のLEDやレンズ等から構成される照明部31などを備えた構成をなしており、制御部8と協働して読取対象Rに付された情報コードC(バーコードや二次元コード)を読み取るように機能する。この情報コード読取部30によって読み取りを行う場合、まず、制御部8によって指令を受けた照明部31から照明光Lfが出射され、この照明光Lfが読取口3(図1、図2参照)を通って読取対象Rに照射される。そして、照明光Lfが情報コードC(バーコードや二次元コード)にて反射した反射光Lrは読取口3を通って装置内に取り込まれ、結像レンズ37を通って受光センサ33に受光される。読取口3と受光センサ33との間に配される結像レンズ37は、情報コードCの像を受光センサ33上に結像させる構成をなしており、受光センサ33はこの情報コードCの像に応じた受光信号を出力する。受光センサ33から出力された受光信号は、画像データとしてメモリ13(図3(a))に記憶され、デコード処理に用いられるようになっている。なお、情報コード読取部30には、受光センサ33からの信号を増幅する増幅回路や、その増幅された信号をデジタル信号に変換するAD変換回路等が設けられているがこれらの回路については図示を省略している。
なお、本実施形態では、情報コード読取部30が「光学的情報読取手段」の一例に相当する。
【0052】
次に、アンテナユニット50及びアンテナ支持部60等について説明する。
アンテナユニット50は、図4(a)、図5(a)に示すように、アンテナ51とこのアンテナ51を保持する基板53とが一体化してなるものであり、図1、図4(b)、図5(b)に示すようにケース2に形成されたアンテナ支持部60に支持される形態でケース2に固定されている。
【0053】
アンテナ51は、板状のセラミック材によって構成されており、図4(a)、図5(b)に示すように、アンテナユニット50は、このセラミック材と基板53とが重ねられた状態で互いに半田付け等により接合され、固定されている。なお、図5(b)では、半田付け部分を符号55にて概念的に示している。
【0054】
図4、図5、図6に示すように、アンテナ51は、平面視したときの板面形状が矩形形状をなしており、図5(a)、図6に示すように、基板53の一方の板面53aの中央領域に実装された形態をなしている。なお、図6は、ケース内壁部2cの一部を平面視した状態を概略的に示しており、各支持台61〜64に支持されたときの基板53の外縁を符号53'で示し、そのときのアンテナ51の外縁を符号51'で示している。
【0055】
図4、図5、図6に示すように、基板53は、例えば樹脂材料などによって板状に構成されており、アンテナ51よりも大きいサイズで矩形状に構成されている。なお、本実施形態では、図6に示すように、基板53の中央領域にアンテナ51が固定され、基板53の周縁部(アンテナ51が実装されたアンテナ実装領域(符号51'内の領域)の周囲部分)がアンテナ51が取り付けられていないアンテナ非実装領域とされており、このアンテナ非実装領域が環状に構成されている。
【0056】
このように構成されるアンテナユニット50は、図1に示すように、ケース2に形成されたアンテナ支持部60に支持される形態でケース2に固定されている。アンテナユニット50を支持するアンテナ支持部は、ケース2の一部として或いはケース2内に固定される部分として構成しうるものであり、図1、図2等では、その一例として、ケース2の内壁部2cに形成された複数(ここでは4つ)の支持台61〜64と、この支持台61〜64を連結する複数の補強リブ65〜68とによってアンテナ支持部60が構成された例を示している。
【0057】
アンテナ支持部60を構成する複数の支持台61〜64は、いずれも、ケース2の内壁部2cにおいて突出形態で形成された突出部からなり、図1、図4(b)、図5(b)に示すように、その先端部でアンテナユニット50の外面を支持するように構成されている。これら支持台61〜64はいずれも、円筒形態をなしており、図6に示すように、それぞれの中心部には、後述するねじ部材71、72、73、74(図4(b))をそれぞれ挿入するためのねじ孔61a、62a、63a、64aが形成されている。
【0058】
また、これら支持台61、62、63、64は、図1、図2に示すように、支持台61と支持台62とがケース2の幅方向(ケース2の長手方向と直交する方向)に間隔をあけて並び、支持台63と支持台64とが同様に幅方向に間隔をあけて並んでいる。また、支持台61と支持台63とがケース2の長手方向に間隔をあけて並び、支持台62と支持台64とが同様にケース2の長手方向に間隔をあけて並んでいる。なお、図1、図2では、ケース2の長手方向を矢印Xにて概念的に示しており、ケース2の幅方向を矢印Yにて概念的に示している。
【0059】
更に本実施形態では、支持台61、62、63、64を連結する補強リブ65、66、67、68が設けられている。これら補強リブ65〜68は、いずれもケース2の内壁部2cの一部として構成され、内壁面から突出する凸条形態をなしており、支持台61、62、63、64と一体化している。
【0060】
具体的には、内壁部2cに形成された支持台61と支持台62とを連結する形態でこれら支持台61、62を連結する補強リブ65が幅方向(Y方向)に延びる形態で形成されており、同様に、内壁部2cに形成された支持台63と支持台64とを連結する形態でこれら支持台61、62を連結する補強リブ66が幅方向(Y方向)に延びる形態で形成されている。図4(b)、図5(b)に示すように、補強リブ66は、円筒状に突出する支持台63、64よりも低い高さで形成され、支持台63、64の基端部側の外周部に連結される形態で固定されている。また、補強リブ65も同様であり、円筒状に突出する支持台61、62よりも低い高さで形成され、支持台61、62の外周部に連結される形態で固定されている。
【0061】
また、支持台61と支持台63とを連結する形態でこれら支持台61、63を連結する補強リブ67が長手方向(X方向)に延びる形態で形成されており、同様に、支持台62と支持台64とを連結する形態でこれら支持台62、64を連結する補強リブ68が長手方向(X方向)に延びる形態で形成されている。図4(b)に示すように、補強リブ67は、円筒状に突出する支持台61、63よりも低い高さで形成され、支持台61、63の基端部側の外周部に連結される形態で固定されている。また、補強リブ68も同様であり、円筒状に突出する支持台62、64よりも低い高さで形成され、支持台62、64の外周部に連結される形態で固定されている。
【0062】
このように、本実施形態では、複数の支持台61、62、63、64が、アンテナユニット50の周縁部に沿って配置されており、それら複数の支持台61、62、63、64の内、周縁部に沿って隣接する支持台同士をそれぞれ連結するように、複数の補強リブ65、66、67、68が環状に設けられている。
【0063】
次に、アンテナ支持部60によるアンテナユニット50の支持構成について説明する。本実施形態では、図4、図5に示すように、アンテナ51が基板53の一方の板面53a側に搭載されており、図4(b)、図5(b)、図6に示すように、複数の支持台61、62、63、64はそれぞれ、その一方の板面53aにおけるアンテナ51が搭載された領域以外の領域(アンテナユニット50の周縁部付近の複数位置)を支持している。より具体的には、複数の支持台61、62、63、64は、基板53におけるアンテナ51が搭載された一方面側の角部(角付近の部分)54a、54b、54c、54dをそれぞれ支持している。そして、各支持台61、62、63、64のそれぞれの支持位置において、アンテナユニット50と支持台61、62、63、64とが、ねじ部材71、72、73、74によって締結されて固定されている。なお、ねじ部材71、72、73、74は「固定手段」の一例に相当する。
【0064】
また、上述したように、複数の支持台61、62、63、64の内、アンテナユニット50の周縁部に沿って隣接する支持台同士がそれぞれ補強リブ65、66、67、68によって連結されており、これにより複数の補強リブ65、66、67、68が矩形枠状に形成されている。そして、このように複数の補強リブ65、66、67、68によって構成される矩形枠の内側に、矩形状のアンテナ51が収容されている。なお、本実施形態では、図4(a)、図6のように、基板53の中央領域にアンテナ51が搭載され、アンテナ搭載領域を避けた位置が支持台61、62、63、64によって支持されており、更に、基板53の周縁部に沿ってそれぞれ補強リブ65、66、67、68が設けられているため、アンテナ51が突出する領域には、支持台も補強リブも存在しない構成となっている。
【0065】
更に、各補強リブ65〜68と基板53の板面53aとが、それぞれ間隔があけられており、各補強リブ65〜68の基板53側の端面65a、66a、67a、68aと板面53aとが距離を隔てた構成となっている。これにより、補強リブ65〜68から基板53に直接衝撃が伝わらないようになっている。
【0066】
本実施形態の構成によれば、例えば以下のような効果を奏する。
本実施形態の光学的情報読取装置1では、ケース2内に情報コード読取部30と非接触通信部20とが設けられているため、単一の装置で光学的な情報読取機能と非接触通信機能とを共に実現でき、ユーザの利便性を高めることができる。また、アンテナ51が基板53に保持されてなるアンテナユニット50を、間隔をあけて配置された複数の支持台61、62、63、64によって支持しており、これにより、アンテナ51をケース2内に安定的に固定することができる。更に、少なくともいずれか支持台と他の支持台とが補強リブによって連結されているため、衝撃時に支持台に生じる撓み等の変形を抑えることができ、アンテナユニット50に支持台61、62、63、64を介して間接的に加わる衝撃を効果的に緩和できる。
【0067】
具体的には、複数の支持台61、62、63、64がそれぞれアンテナユニット50の周縁部付近を支持しているため、アンテナユニット50の中央領域にアンテナ51配置スペースを確保しやすくなっている。
【0068】
また、ケース2の内壁部2cに形成された突出部によって支持台61、62、63、64が構成されている。このようにすると、アンテナユニット50を支持する構成をケース2の一部によって簡易に実現できると共に、アンテナユニット50において支持台61、62、63、64と当接する領域を小さくでき、更には、支持台付近において部品収容空間を確保しやすくなる。一方、いずれかの突出部と他の突出部を連結する形態で補強リブが設けられているため、支持台61、62、63、64を、サイズを抑えた突出構成としつつ、当該支持台(突出部)の強度を効果的に高めることができる。
【0069】
また、ケース2が長手状に形成され、ケース2の長手方向に沿って対向する支持台61、63の組、及び支持台62、64の組がそれぞれ補強リブ67、68によって連結されている。このようにケース2が長手状に構成される場合、作業者が把持しやすくなる反面、衝撃時において長手方向の撓み、変形等が生じやすくなるが、上記のように長手方向に対向する2つの支持台を補強リブによって連結するように構成すれば、ケース2に生じる長手方向の撓み等に対応でき、ケース2形状を適切に考慮した保護が可能となる。
【0070】
また、複数の支持台61、62、63、64がアンテナユニット50の周縁部に沿って配置されているため、アンテナユニット50の周縁部のスペースを利用して当該アンテナユニット50を効率的に且つ安定的に支持することができる。更に、周縁部に沿って隣接する支持台同士をそれぞれ連結するように複数の補強リブ65、66、67,68が環状に設けられているため、支持台及び補強リブが変形しにくい極めて強固な構造となり、ケース2からアンテナユニット50への衝撃の伝達をより一層効果的に抑えることができる。
【0071】
また、基板53の一方の板面53a側にアンテナ51が搭載されており、複数の支持台61、62、63、64はそれぞれ、その一方の板面53aにおけるアンテナ51が搭載された領域以外の領域を支持している。このようにすると、基板53におけるアンテナ51搭載領域以外を利用して支持台61、62、63、64を固定できると共に、支持台61、62、63、64を介してアンテナユニット50に伝達するケース2からの衝撃をアンテナ51に伝わりにくくすることができる。また、基板53の一方の板面53a側において、支持台配置スペース以外を利用してアンテナ51を収容でき、基板53、アンテナ51、支持台61、62、63、64についてより効率的な配置が可能となる。
【0072】
また、アンテナ51が板状のセラミック材を有してなり、アンテナユニット50は、セラミック材と基板53とが重ねられた状態で固定されている。本発明のように、板状のセラミック材を用いることはアンテナとして優れた機能を実現する上で好ましく、このようなセラミック材を用いる場合、基板53と重ねた構成とすることで、より効率的で安定的な配置が可能となる。しかしながら、セラミック材を備えたアンテナは、割れ易い、衝撃に弱い等の特性を有しており、衝撃等に起因してアンテナと基板53との接合部の破損等が生じやすいという問題もある。その点、本発明のように支持台61、62、63、64同士を補強リブによって連結し、支持台61、62、63、64の撓み変形等を抑えた構成とした上で上記アンテナユニット50(即ち、セラミック材と基板53とが重ねられてなるアンテナユニット50)を配置すれば、セラミック材を有するアンテナの優れた機能を実現しつつ、上記特性上の問題点を効果的に解消できる。
【0073】
また、矩形状の基板53の中央領域に矩形状のアンテナ51が搭載され、複数の支持台61、62、63、64は、基板53におけるアンテナ51が搭載された一方面側の角部54a〜54dをそれぞれ支持する構成をなしている。このようにすると、基板53及びアンテナ51を加工容易なシンプルな構成としつつ、複数の支持台61、62、63、64によって基板53を安定的に支持することができる。また、アンテナユニット50の周縁部に沿って隣接する支持台同士がそれぞれ補強リブ65、66、67,68によって連結され、複数の補強リブ65、66、67,68が矩形枠状に形成されるため、支持台61、62、63、64及び補強リブ65、66、67,68が変形しにくい極めて強固な構成となり、更に、その矩形枠の内側に矩形状のアンテナ51が収容されるため、強固な矩形枠構成を有効に利用した効率的な配置が可能となる。
【0074】
[第2実施形態]
次に第2実施形態について説明する。
図7(a)は、第2実施形態に係る光学的情報読取装置において、アンテナユニットが支持台に支持された様子を側方から示す説明図であり、図7(b)は、その様子の斜視図である。また、図8は、第2実施形態の光学的情報読取装置における支持台及び補強リブを平面視した状態の概略図である。
【0075】
なお、本実施形態の構成は、各支持台61〜64の突出高さを第1実施形態よりもわずかに低くした点、及び支持台61〜64と基板53との間に柔軟部材201〜204をそれぞれ設けた点のみが第1実施形態と異なり、それ以外は第1実施形態と同様である。よって第1実施形態と同様の構成については第1実施形態と同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。また、第1実施形態と同様の構成を説明するために、必要に応じて適宜図1等を参照することとする。
【0076】
本実施形態の光学的情報読取装置も、図1〜図3に示すように、ケース2と、光学的情報を読み取る情報コード読取部30と、アンテナ51を用いて非接触通信媒体と非接触通信を行う非接触通信部20と、を有し、アンテナ51がケース2内に収容された構成をなしている。また、アンテナユニット50も第1実施形態と同様であり、図4(a)、図5(a)のように、アンテナ51と、アンテナ51を保持する基板53とを備え、アンテナ51が基板53に保持されて一体化されている。
【0077】
また、本実施形態でも、図7(a)(b)に示すように、アンテナユニット50を支持(本実施形態では、柔軟部材201〜204を介在させて間接的に支持)する複数の支持台61、62、63、64が設けられ、複数の支持台61、62、63、64が互いに間隔をあけて配置されると共に、アンテナユニット50における複数位置において当該アンテナユニット50と支持台61、62、63、64とがねじ部材71,72,73,74(固定手段)によって固定されている。
【0078】
また、本実施形態でも、アンテナ51は矩形状に構成され、基板53は、アンテナ51よりも大きいサイズで矩形状に構成されている。そして、当該基板53の中央領域にアンテナ51が搭載されており、複数の支持台61〜64は、基板53におけるアンテナ51が搭載された一方面側の角部をそれぞれ支持する構成をなしている。更に、それら複数の支持台61〜64の内、アンテナユニット50の周縁部に沿って隣接する支持台同士がそれぞれ補強リブによって連結された構成で、複数の補強リブ65〜68が矩形枠状に形成されており、更に、複数の補強リブ65〜68によって構成される矩形枠の内側に、矩形状のアンテナ51が収容されている。
【0079】
一方、本実施形態では、図7(a)(b)、図8に示すように、アンテナユニット50と支持台61〜64との間に、支持台61〜64よりも軟質の柔軟部材201〜204が挟み込まれている。具体的には、支持台61と基板53との間に柔軟部材201が挟み込まれており、この状態で、基板53、柔軟部材201を貫通するねじ部材71が固定されて締結されている。
【0080】
同様に、支持台62と基板53との間に柔軟部材202が挟み込まれており、この状態で、基板53、柔軟部材202を貫通するねじ部材72が固定されて締結されている。更に、支持台63と基板53との間に柔軟部材203が挟み込まれており、この状態で、基板53、柔軟部材203を貫通するねじ部材73が固定されて締結され、支持台64と基板53との間に柔軟部材204が挟み込まれており、この状態で、基板53、柔軟部材204を貫通するねじ部材74が固定されて締結されている。
【0081】
柔軟部材201〜204の材質は、支持台61〜64及び基板53よりも柔軟な材質が採用され、例えば、支持台61〜64をABSなどの樹脂材料によって構成した場合にはこれよりも柔軟なゴム、エラストマーなどの材料を好適に用いることができる。
【0082】
本実施形態の構成では、アンテナユニット50と、支持台61〜64のそれぞれとの間に、支持台61〜64よりも軟質の柔軟部材201〜204が挟み込まれているため、支持台61〜64からアンテナユニット50に伝わろうとする衝撃を柔軟部材201〜204によって効果的に緩和でき、アンテナユニット50を衝撃からより一層良好に保護することができる。
【0083】
[第3実施形態]
次に第3実施形態について説明する。図11(a)は、第3実施形態に係る光学的情報読取装置の上ケースを示す平面図であり、図11(b)は、その光学的情報読取装置の下ケースを示す平面図である。図12は、図11(b)の下ケースにアンテナユニットを組み付けた状態を示す平面図である。図13は、図12の一部を拡大して説明する説明図である。図14は、下ケースを部分的に拡大して示す拡大図であり、図15は、下ケースにアンテナユニットを組み付けた状態を部分的に拡大して示す拡大図である。図16は、図11(b)のA−A断面を概略的に示す断面概略図である。図17(a)は、図13のB−B断面を概略的に示す断面概略図であり、図17(b)は、図13のC−C断面を概略的に示す断面概略図である。
【0084】
なお、本実施形態の構成は、ケース2の内部に当接リブ410を設けた点、基板53の一部に切欠部481,482を設けた点が第1実施形態と異なり、それ以外は第1実施形態と同様である。よって、同様の部分については第1実施形態と同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。また、第1実施形態と同様の構成を説明するために、必要に応じて適宜図1等を参照することとする。
【0085】
本実施形態の光学的情報読取装置も、図11に示すように、ケース2と、光学的情報を読み取る情報コード読取部30(図3)と、アンテナ51を用いて非接触通信媒体と非接触通信を行う非接触通信部20(図3)とを有し、アンテナ51がケース2内に収容された構成をなしている。また、アンテナユニット50も第1実施形態と同様であり、図4(a)、図5(a)と同様に、アンテナ51と、アンテナ51を保持する基板53とを備え、アンテナ51が基板53に保持されて一体化されている。なお、図11〜図16では、第1実施形態で概略的に示されたアンテナユニットの構成をより具体的して示しているが、基本的構成は第1実施形態と同様である。
【0086】
また、本実施形態でも、図11(a)、図13に示すように、アンテナユニット50を支持する複数の支持台61、62、63、64が設けられ、複数の支持台61、62、63、64が互いに間隔をあけて配置されると共に、アンテナユニット50における複数位置において当該アンテナユニット50と支持台61、62、63、64とがねじ部材71,72,73,74(固定手段)によって固定されている。
【0087】
また、本実施形態でも、アンテナ51は矩形状に構成され、基板53は、アンテナ51よりも大きいサイズで矩形状に構成されている。そして、当該基板53の中央領域にアンテナ51が搭載されており、複数の支持台61〜64は、基板53におけるアンテナ51が搭載された一方面側の角部をそれぞれ支持する構成をなしている。更に、それら複数の支持台61〜64の内、アンテナユニット50の周縁部に沿って隣接する支持台同士がそれぞれ補強リブによって連結された構成で、複数の補強リブ65〜68が矩形枠状に形成されており、更に、複数の補強リブ65〜68によって構成される矩形枠の内側に、矩形状のアンテナ51が収容されている。なお、本実施形態では、図14等に示すように、補強リブ65〜68において、環状リブ461〜470が連結されているが、このような環状リブ461〜470を設けずに、補強リブ65〜68を第1実施形態と全く同一の構成としてもよい。
【0088】
本実施形態に係る光学的情報読取装置400では、更に、アンテナユニット50の側部と対向する位置に当接リブ410が設けられている。図12、図13に示すように、ケース2の短手方向一方側に設けられた側壁部403に隣接して2つの当接リブ410(第1当接リブ411及び第2当接リブ421)が配置されており、ケース2の短手方向他方側に設けられた側壁部404に隣接して、2つの当接リブ410(第1当接リブ412及び第2当接リブ422)が配置されている。4つの当接リブ410(第1当接リブ411、412、第2当接リブ421、422)は、いずれもアンテナユニット50の側部と当接可能とされ且つ弾性的に変形しうる構成をなしている。
【0089】
側壁部403側の2つの当接リブ410(第1当接リブ411及び第2当接リブ421)は、ケース2の長手方向(X方向)に並ぶ構成で配置されており、これら2つの当接リブ410(第1当接リブ411及び第2当接リブ421)が、いずれもアンテナユニット50の同じ側(側壁部403側)の側部50aと対向している。
【0090】
また、側壁部404側の2つの当接リブ410(第1当接リブ412及び第2当接リブ422)も、ケース2の長手方向(X方向)に並ぶ構成で配置されており、これら2つの当接リブ410(第1当接リブ412及び第2当接リブ422)は、いずれもアンテナユニット50の同じ側(側壁部404側)の側部50bと対向している。
【0091】
次に、第1当接リブ411、412について詳述する。
図14、図15に示すように、側壁部403側の第1当接リブ411は、ケース2に連結された板状の延出壁413と、ケース2に連結され且つ延出壁413と一体化された板状の対向壁414とを備えており、延出壁413の一端部(ケース2の短手方向(Y方向)における一端部)と対向壁414の一方の板面部414aとが連結された構成をなしている。図14、図17(b)に示すように、延出壁413は、ケース2の底壁部402から立ち上がり状に延出すると共にこの底壁部402と一体化されている。更に、延出壁413は、連結部431を介して側壁部403からも延出しており、この側壁部403とも一体化されている。
【0092】
また、対向壁414は、ケース2の底壁部402から立ち上がり状に延出すると共にこの底壁部402と一体化されており、当該対向壁414の板面方向と延出壁413の板面方向とがほぼ直交する構成で互いに連結している。本実施形態では、対向壁414の下端部におけるほぼ全領域がケース2の底壁部402に接合された「第1接合部」として構成され、当該下端部(第1接合部)と底壁部402との接合領域はケース2の長手方向に延びる構成となっている。また、延出部413の下端部におけるほぼ全領域がケース2の底壁部402に接合された「第2接合部」として構成され、当該下端部(第2接合部)と底壁部402との接合領域はケース2の短手方向に延びる構成となっている。なお、図18(a)では、もう一方の第1当接リブ412と底壁部402との接合構成を示しているが、第1当接リブ411と底壁部402との接合構成も同様となっている。
【0093】
また、対向壁414の板面部414bからアンテナユニット50側に突出する形態で、リブ状の突出部418が設けられている。このように構成される第1当接リブ411は、対向壁414の板面部414bをアンテナユニット50の側部50b(より詳しくは、基板53における側壁部403側の周縁部53b)と対向させた構成で配置されている。
【0094】
ケース2の短手方向(Y方向)において、第1当接リブ411の反対側の位置には、この第1当接リブ411と対をなす第1当接リブ412が配置されている。これら第1当接リブ411と第1当接リブ412の間の間隔は、基板53における切欠部481と切欠部482の間の間隔よりもわずかに大きく構成されており、アンテナユニット50における切欠部481と切欠部482の間の部分が、これら第1当接リブ412及び第1当接リブ411の間に挟まれている。
【0095】
側壁部404側の第1当接リブ412は、ケース2に連結された板状の延出壁415と、ケース2に連結され且つ延出壁415と一体化された板状の対向壁416とを備えており、延出壁415の一端部(ケース2の短手方向(Y方向)における一端部)と対向壁416の一方の板面部416aとが連結された構成をなしている。図14、図17(b)に示すように、延出壁415は、ケース2の底壁部402から立ち上がり状に延出すると共にこの底壁部402と一体化されている。更に、延出壁415は、連結部432を介して側壁部404からも延出しており、この側壁部404とも一体化されている。
【0096】
また、対向壁416は、ケース2の底壁部402から立ち上がり状に延出すると共にこの底壁部402と一体化されており、当該対向壁416の板面方向と延出壁415の板面方向とがほぼ直交する構成で互いに連結している。本実施形態では、図18(a)に示すように、対向壁416の下端部におけるほぼ全領域がケース2の底壁部402に接合された「第1接合部」として構成され、当該下端部(第1接合部)と底壁部402との接合領域はケース2の長手方向に延びる構成となっている。また、延出部415の下端部におけるほぼ全領域がケース2の底壁部402に接合された「第2接合部」として構成され、当該下端部(第2接合部)と底壁部402との接合領域はケース2の短手方向に延びる構成となっている。このように、第1当接リブ412では、対向壁416と延出壁415のいずれもが底壁部402に接合され、接合領域が広く確保されているため、底壁部402に衝撃が加えられたときに、当該衝撃を図18(a)の矢印F1〜F3で例示されるような広範にわたる様々な部位の弾性変形によって吸収することができ、図18(b)のように一枚板のものを底壁部402に連結させたような構成(図18(b)では、第2当接リブ422と底壁部402との接合構成を例示)と比較してより衝撃吸収効果を高めることができる。なお、このような効果は、同様の構成をなす第1当接リブ411においても同様に得られる。
【0097】
また、対向壁416の板面部416bからアンテナユニット50側に突出する形態で、リブ状の突出部419が設けられている。このように構成される第1当接リブ412は、対向壁416の板面部416bをアンテナユニット50の側部50c(より詳しくは、基板53における側壁部404側の周縁部53c)と対向させた構成で配置されている。
【0098】
アンテナユニット50の基板53には、各第1当接リブ411、412に対向する位置に、当該基板53の内側向きに凹となる切欠部481、482がそれぞれ形成されている。各切欠部481、482は、ケース2の短手方向(Y方向)における基板中心側に凹む構成をなしている。
【0099】
側壁部403側の切欠部481は、凹み方向奥側に配される内壁部483と、ケース2の長手方向(X方向)において対向して配置される一対の内壁側部484、485を有している。この切欠部481と対向する第1当接リブ411は、対向壁414の板面部414bを内壁奥部483と対向させ、対向壁414の一対の側端部414c、414dをそれぞれ内壁側部484、485と対向させた構成で、対向壁414を切欠部481に嵌り込ませている。また、図15に示すように、対向壁414の板面部414bと切欠部481の内壁奥部483との間には隙間が設けられており、この隙間内において、突出部418が、先端部を内壁奥部483と対向させた構成で突出している。
【0100】
側壁部404側の切欠部482も同様の構成をなしており、凹み方向奥側に配される内壁部486と、ケース2の長手方向(X方向)において対向して配置される一対の内壁側部487、488を有している。この切欠部482と対向する第1当接リブ412は、対向壁416の板面部416bを内壁奥部486と対向させ、対向壁416の一対の側端部416c、416dをそれぞれ内壁側部487、487と対向させた構成で、対向壁416を切欠部482に嵌り込ませている。また、図15に示すように、対向壁416の板面部416bと切欠部482の内壁奥部486との間には隙間が設けられており、この隙間内において、突出部419が、先端部を内壁奥部486と対向させた構成で突出している。
【0101】
また、本実施形態では、第1当接リブ411、412の延出壁413、414及び対向壁414、416のいずれも、補強リブ65,66,67,68よりも薄く構成されており、第1当接リブ411、412のいずれも、底壁部402からの延出高さが、補強リブ65,66,67,68よりも高く構成されており、各第1当接リブ411、412が、第1補強リブ65,66,67,68よりも弾性変形しやすくなっている。
【0102】
次に、第2当接リブ421、422について詳述する。
側壁部403側の第2当接リブ421は、板状部423を備えてなるものであり、この板状部423の側端部423aをアンテナユニット50の側部50a(より詳しくは、基板53における側壁部403側の周縁部53b)と対向させた構成で配置されている。この板状部423は、図14、図17(a)に示すように、ケース2の底壁部402から立ち上がり状に延出すると共にこの底壁部402と一体化されている。更に、板状部423は、側壁部403から延びる軸状部434を介して側壁部403にも連結され、この側壁部403とも一体化されている。
【0103】
側壁部404側の第2当接リブ422は、板状部424を備えてなるものであり、この板状部424の側端部424aをアンテナユニット50の側部50b(より詳しくは、基板53における側壁部404側の周縁部53c)と対向させた構成で配置されている。この板状部424は、図14、図17(a)に示すように、ケース2の底壁部402から立ち上がり状に延出すると共にこの底壁部402と一体化されている。更に、板状部423は、側壁部404からも延出しており、この側壁部403とも一体化されている。
【0104】
第2当接リブ421、422のいずれの板状部423、424も、上述の補強リブ65,66,67,68よりも薄く構成され、いずれの板状部423、424も、底壁部402からの延出高さがこれら補強リブ65,66,67,68よりも高く構成されており、補強リブ65,66,67,68よりも弾性変形しやすく構成されている。
【0105】
また、本実施形態では、ケース2が、下ケース2a(第1のケース体)と上ケース2b(第2のケース体)とによって構成されており、ケース2の長手方向(X方向)複数位置において、下ケース2aと上ケース2bとを連結する連結部406a、406b、407a、407b、408a、408bが設けられている。これら連結部406a、406b、407a、407b、408a、408bは、図示しない連結部材(ねじ等)によって上ケース2b側の各所定部分(図示略)と連結する部分であり、ケース2の長手方向一端寄りに連結部406a、406bが対をなして配置され、ケース2の長手方向中央部付近に部407a、407bが対をなして配置され、ケース2の長手方向他端寄りに連結部408a、408bが対をなして配置されている。
【0106】
一方、側壁部403側において、第1当接リブ411及び第2当接リブ421が長手方向に並んでおり、連結部から遠い位置に配置される第1当接リブ411のほうが、当該第1当接リブ411より連結部に近い位置に配置される第2当接リブ421よりも変形し難い構造とされている。即ち、第1当接リブ411から当該第1当接リブ411に最も近い位置に配置される連結部407aまでの距離が、第2当接リブ421から当該第2当接リブ421に最も近い位置に配置される連結部407aまでの距離よりも長くなっており、最も近い連結部までの距離が長い第1当接リブ411のほうが、最も近い連結部までの距離が短い第2当接リブ421よりも変形し難い構造とされている。上述したように、第1当接リブ411は、ケース2に連結された延出壁413の端部に、ケース2に連結された対向壁414の板面部414aが連結された構造をなしており、一枚板状の板状部423からなる第2当接リブ421よりも全体として撓み変形し難くなっている。また、第1当接リブ411の延出壁413、対向壁414は、板状部423よりも厚く構成されており、延出壁413及び対向壁414のそれぞれについても第2当接リブ421よりも撓み変形しにくくなっている。
【0107】
また、側壁部404側においては、第1当接リブ412及び第2当接リブ422が長手方向に並んでおり、連結部から遠い位置に配置される第1当接リブ412のほうが、当該第1当接リブ412より連結部に近い位置に配置される第2当接リブ422よりも変形し難い構造とされている。即ち、第1当接リブ412から当該第1当接リブ412に最も近い位置に配置される連結部407bまでの距離が、第2当接リブ422から当該第2当接リブ422に最も近い位置に配置される連結部407bまでの距離よりも長くなっており、最も近い連結部までの距離が長い第1当接リブ412のほうが、最も近い連結部までの距離が短い第2当接リブ422よりも変形し難い構造とされている。上述したように、第1当接リブ412は、ケース2に連結された延出壁415の端部に、ケース2に連結された対向壁416の板面部416aが連結された構造をなしており、一枚板状の板状部424からなる第2当接リブ422よりも全体として撓み変形し難くなっている。また、第1当接リブ412の延出壁415、対向壁416は、板状部424よりも厚く構成されており、延出壁415及び対向壁416のそれぞれについても第2当接リブ422よりも撓み変形しにくくなっている。
【0108】
(第3実施形態の主な効果)
本実施形態では、アンテナユニット50の側部と対向する位置に、当該アンテナユニット50の側部と当接可能に配置され且つ弾性的に変形可能とされた当接リブ410が設けられている。このようにすると、アンテナユニット50を組付ける際に、アンテナユニット50の側部の位置決めを行いやすくなる。一方、他部品をアンテナユニット50と対向させて位置決めを行いやすくすると、ケース外から衝撃(例えば落下衝撃など)が加えられたときに、ケースの変形や、アンテナユニット50の位置ずれ等に起因してアンテナユニット50が他部品(位置決め部品)に衝突しやすくなることが問題となるが、本発明では、アンテナユニット50の側部に弾性変形可能な当接リブ410を対向させているため、ケース外から衝撃(例えば落下衝撃など)が加えられたときでも、当接リブ410を弾性変形させてアンテナユニット50に加えられる衝撃を吸収することができ、アンテナユニット50を安定的に保護することができる。
【0109】
また、各当接リブ410が補強リブ65,66,67,68より薄く構成されてため、当接リブ410が補強用のリブよりも変形しやすくなり、支持部付近については補強効果を高め、アンテナユニット50の側部付近については弾性変形しやすくして衝撃吸収効果を高めることができる。
【0110】
また、各当接リブ410がケースの側壁部及び底壁部と一体化されている。このようにすると、当接リブ410をケースに安定的に連結することができ、弾性変形可能な構成としつつ破損等が生じにくい構成とすることができる。
【0111】
また、側壁部403側、404側のいずれにおいても、ケース2の長手方向(Y方向)に並ぶ構成で2つの当接リブ410が配置されており、各側壁部側の各当接リブ対(側壁部403側の第1当接リブ411及び第2当接リブ421の対、側壁部404側の第1当接リブ412及び第2当接リブ422の対)が、アンテナユニット50の同じ側の側部と対向している。このようにすると、アンテナユニット50を組付ける際に、アンテナユニット50の各側部(同じ側の側部)それぞれを、長手方向に並ぶ2つの当接リブによって位置決めすることができるため、長手方向に対するアンテナユニット50の傾きも正確に定めやすくなる。また、組み付け後には、ケース外から衝撃(例えば落下衝撃など)が加えられたときに、各側部に生じる衝撃を、長手方向に並ぶ2つの当接リブによってそれぞれ吸収することができるため、衝撃を分散させることができ、衝撃吸収効果を一層高めることができる。
【0112】
また、長手方向に並ぶ各当接リブ対(第1当接リブ411と第2当接リブ421の対、及び第1当接リブ412と第2当接リブ422の対)がいずれも、連結部に遠い位置に配置される第1当接リブと、当該第1当接リブより連結部から近い位置に配置される第2当接リブとからなり、第1当接リブのほうが第2当接リブよりも変形し難い構造とされている。このように、ケース2に対して衝撃が加えられたときに変形量が比較的大きくなる側(即ち、連結部からより離れた側)に相対的に変形しにくい第1当接リブを配置することで、リブの過度な変形を抑えつつ衝撃を吸収することができる。また、ケース2に対して衝撃が加えられたときに変形量が比較的小さくなる側(即ち、連結部に近い側)には、相対的に変形しやすい第2当接リブが配置されているため、変形量が小さくても衝撃を良好に吸収できるようになる。
【0113】
また、各第1当接リブ411、412が、ケース2に連結された板状の延出壁と、ケース2に連結され且つ延出壁と一体化された板状の対向壁とを備えており、延出壁の一端部と対向壁の一方の板面部とが連結された構成をなしている。このようにすると、各第1当接リブ411、412については、構造をそれほど複雑化することなく、ある程度弾性変形可能であって且つ強固なリブ構成を実現できる。一方、各第2当接リブ421、422は、板状部の側端部をアンテナユニット50の側部と対向させた構成で配置されているため、撓み変形し易い簡易な構成で衝撃を良好に吸収できるようになる。
【0114】
また、アンテナユニット50の基板53において、各対向壁414、416と対向する位置に、当該基板53の内側向きに凹となる切欠部481、482が形成されている。そして、各対向壁の他方の板面部414b、416bが、各切欠部481、482の凹み方向奥側に配された各内壁奥部483、486と対向し、各対向壁414、416それぞれの一対の側端部が、各切欠部481、482それぞれの一対の内壁側部と対向した構成で、各対向壁414、416が各切欠部481、482に嵌り込んでいる。このようにすると、アンテナユニット50の横方向(ケース2の短手方向(Y方向))の位置決め(組付け時)、及び横方向への相対移動に起因する衝撃吸収(組付け後)を可能としつつ、更に、前後方向(ケース2の長手方向(X方向))の位置決め、及び前後方向への相対移動に起因する衝撃吸収も可能となる。
【0115】
また、本実施形態では、第1当接リブ411、412のそれぞれにおいて、対向壁414,416の下端部が、ケース2の底壁部402に接合された第1接合部として構成され、延出壁413,415の下端部がケース2の底壁部402に接合された第2接合部として構成されている。このように、対向壁の下端領域及び延出壁の下端領域をいずれもケースと接合される接合領域とすることにより、衝撃を吸収し得る領域をより広く確保することができ、ケースの底壁部からアンテナユニットに伝わろうとする衝撃をより広い範囲で吸収することができる。
【0116】
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0117】
上記実施形態では、ケース2の長手方向及び幅方向のいずれにも補強リブが設けられた構成を例示したが、いずれか一方の方向に延びる補強リブのみを配置してもよい。例えば、図9のアンテナ支持部260のように、幅方向(Y方向)に延びる補強リブを設けずに長手方向(X方向)に延びる補強リブ67、68のみを設けるようにしてもよい。なお、図9の構成は、図6等に示す第1実施形態の構成から補強リブ65、66を省略した点のみが第1実施形態と異なり、それ以外は第1実施形態と同一構成である。
【0118】
また、図9のようにせずに、幅方向(Y方向)に延びる補強リブのみを設け、長手方向(X方向)に延びる補強リブを省略することもできる。或いは、図6の構成から、いずれか1つの補強リブ(例えば幅方向に延びる補強リブの一つ)を省略するといった構成であってもよい。
【0119】
上記実施形態では、支持台間にそれぞれ1本の補強リブが設けられた構成を例示したが、図10のように、支持台間の補強リブの数は2以上であってもよい。図10の例では、支持台61と支持台63とを連結する補強リブを2本の補強リブ367a、367bとし、支持台62と支持台64とを連結する補強リブを2本の補強リブ368a、368bとした点が第1実施形態と異なり、それ以外は第1実施形態と同一構成である。図10の構成によれば、アンテナ支持部360を長手方向の撓みにより強い構成とすることができる。
【0120】
上記実施形態では、「複数の支持台」として4つの支持台61〜64を例示したが、支持台の数はこれと異なる数でもよい。例えば、3つの支持台によってアンテナユニット50を支持する構成であってもよく、5以上の支持台でアンテナユニット50を支持する構成であってもよい。
【0121】
上記実施形態では、外装ケースとして構成されるケース2の内壁部によってアンテナ保持部60、260、360を構成したが、アンテナ保持部は、ケース2とは別部材によって構成されていてもよい。例えば、ケース2の内壁部に固定される内部フレームによってアンテナ保持部が構成されていてもよい。
【0122】
上記実施形態では、基板53と支持台61〜64とを固定する固定手段としてねじ部材71〜74を例示したが、支持台61〜64と基板53とを固定しうる手段であればねじ部材に限られない。例えば、ケース内壁部に形成された係合爪などを固定手段として機能させてもよい。
【0123】
第3実施形態では、第1実施形態の特徴を全て備え、更に、複数の当接リブ410及び切欠部481、482を追加した例を示したが、第2実施形態の特徴を全て備えた構成において、第3実施形態と同様の当接リブ410及び切欠部481、482を設けるようにしてもよい。
【0124】
第3実施形態では、各当接リブ410を補強リブ65,66,67,68と同一の材料によって構成し、これら補強リブ65,66,67,68と一体的に形成した例を示したが、各当接リブ410を、補強リブ65,66,67,68よりも軟質の材料によって構成してもよい。例えば、補強リブ65,66,67,68をポリカーボネイトによって構成し、各当接リブ410をナイロン、エラストマー、ABSのいずれかによって構成してもよく、或いは、補強リブ65,66,67,68をABSによって構成し、各当接リブ410をナイロン、エラストマーのいずれかによって構成してもよい。このようにすると、各当接リブ410が補強用のリブよりも変形しやすくなり、支持部付近については補強効果を高め、アンテナユニットの側部付近については弾性変形しやすく構成して衝撃吸収効果を高めることができる。
【符号の説明】
【0125】
1,400…光学的情報読取装置
2…ケース
2a…下ケース(第1ケース体)
2b…上ケース(第2ケース体)
2c…内壁部
20…非接触通信部(非接触通信手段)
30…情報コード読取部(光学的情報読取手段)
50…アンテナユニット
51…アンテナ(非接触通信手段)
53…基板
61,62,63,64…支持台(突出部)
65,66,67,68…補強リブ
71,72,73,74…ねじ部材(固定手段)
201,202,203,204…柔軟部材
402…底壁部
403,404…側壁部
406a、406b、407a、407b、408a、408b…連結部
410…当接リブ
411,412…第1当接リブ
413,415…延出壁
414,416…対向壁
421,422…第2当接リブ
423,424…板状部
481,482…切欠部
483,486…内壁奥部
484,485,487,488…内壁側部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースと
光学的情報を読み取る光学的情報読取手段と、
アンテナを備え、前記アンテナを用いて非接触通信媒体と非接触通信を行う非接触通信手段と、
を有し、
前記アンテナが前記ケース内に収容されてなる光学的情報読取装置であって、
前記アンテナを保持する基板と、
前記アンテナが前記基板に保持されてなるアンテナユニットを支持する複数の支持台と、
を備え、
複数の前記支持台が互いに間隔をあけて配置されると共に、前記アンテナユニットにおける複数位置において当該アンテナユニットと前記支持台とが固定手段によって固定されており、
少なくともいずれかの前記支持台と、他の前記支持台とが補強リブによって連結されていることを特徴とする光学的情報読取装置。
【請求項2】
複数の前記支持台はそれぞれ、前記アンテナユニットの周縁部付近を支持していることを特徴とする請求項1に記載の光学的情報読取装置。
【請求項3】
前記支持台は、前記ケースの内壁部に形成された突出部からなり、
前記補強リブは、前記内壁部においていずれかの前記突出部と他の前記突出部とを連結する形態で形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光学的情報読取装置。
【請求項4】
前記ケースは長手状に形成されており、
複数の前記支持台の内、少なくとも前記ケースの長手方向に沿って対向する2つの前記支持台が前記補強リブによって連結されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置。
【請求項5】
複数の前記支持台は、前記アンテナユニットの周縁部に沿って配置されており、
それら複数の前記支持台の内、前記周縁部に沿って隣接する前記支持台同士をそれぞれ連結するように、複数の前記補強リブが環状に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置。
【請求項6】
前記アンテナユニットと前記支持台との間に、前記支持台よりも軟質の柔軟部材が挟み込まれていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置。
【請求項7】
前記アンテナは、前記基板の一方の板面側に搭載されており、
複数の前記支持台はそれぞれ、前記一方の板面における前記アンテナが搭載された領域以外の領域を支持していること特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置。
【請求項8】
前記アンテナは、板状のセラミック材を有してなり、
前記アンテナユニットは、前記セラミック材と前記基板とが重ねられた状態で固定されていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置。
【請求項9】
前記アンテナは矩形状に構成され、
前記基板は、前記アンテナよりも大きいサイズで矩形状に構成され、当該基板の中央領域に前記アンテナが搭載されており、
複数の前記支持台は、前記基板における前記アンテナが搭載された一方面側の角部をそれぞれ支持する構成をなし、
それら複数の前記支持台の内、前記アンテナユニットの周縁部に沿って隣接する前記支持台同士がそれぞれ前記補強リブによって連結された構成で、複数の前記補強リブが矩形枠状に形成されており、
更に、複数の前記補強リブによって構成される矩形枠の内側に、矩形状の前記アンテナが収容されていることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置。
【請求項10】
前記アンテナユニットの側部と対向する位置に、当該アンテナユニットの側部と当接可能に配置され且つ弾性的に変形可能とされた当接リブが設けられていることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置。
【請求項11】
前記当接リブは、前記補強リブより薄く構成されていることを特徴とする請求項10に記載の光学的情報読取装置。
【請求項12】
前記当接リブは、前記補強リブよりも軟質の材料によって構成されていることを特徴とする請求項10又は請求項11に記載の光学的情報読取装置。
【請求項13】
前記当接リブは、前記ケースの側壁部及び底壁部と一体化されていることを特徴とする請求項10から請求項12のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置。
【請求項14】
前記ケースの長手方向に並ぶ構成で複数の前記当接リブが配置されており、これら複数の前記当接リブが、前記アンテナユニットの同じ側の側部と対向していることを特徴とする請求項10から請求項13のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置。
【請求項15】
前記ケースは、第1のケース体と第2のケース体とを有し、
前記ケースの長手方向複数位置において、前記第1のケース体と前記第2のケース体とを連結する連結部が設けられており、
前記長手方向に並ぶ複数の前記当接リブは、前記連結部に遠い位置に配置される第1当接リブと、当該第1当接リブより前記連結部から近い位置に配置される第2当接リブとを有し、
前記第1当接リブのほうが前記第2当接リブよりも変形し難い構造とされていることを特徴とする請求項14に記載の光学的情報読取装置。
【請求項16】
前記第1当接リブは、前記ケースに連結された板状の延出壁と、前記ケースに連結され且つ前記延出壁と一体化された板状の対向壁とを備え、前記延出壁の一端部と前記対向壁の一方の板面部とが連結された構成をなし、前記対向壁の他方の板面部を前記アンテナユニットの側部と対向させた構成で配置されており、
前記第2当接リブは、板状部を有し、当該板状部の側端部を前記アンテナユニットの側部と対向させた構成で配置されていることを特徴とする請求項15に記載の光学的情報読取装置。
【請求項17】
前記当接リブは、前記ケースに連結された板状の延出壁と、前記ケースに連結され且つ前記延出壁と一体化された板状の対向壁とを備え、前記延出壁の一端部と前記対向壁の一方の板面部とが連結された構成をなしており、前記対向壁の他方の板面部を前記アンテナユニットの側部と対向させた構成で配置されていることを特徴とする請求項10から請求項15のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置。
【請求項18】
前記アンテナユニットの前記基板には、前記対向壁と対向する位置において、当該基板の内側向きに凹となる切欠部が形成され、
前記対向壁の前記他方の板面部が、前記切欠部の凹み方向奥側に配された内壁奥部と対向し、前記対向壁の一対の側端部が、前記切欠部の一対の内壁側部と対向した構成で、前記対向壁が前記切欠部に嵌り込んでいることを特徴とする請求項16又は請求項17に記載の光学的情報読取装置。
【請求項19】
前記対向壁の下端部が、前記ケースの底壁部に接合された第1接合部として構成され、前記延出壁の下端部が前記ケースの前記底壁部に接合された第2接合部として構成されていることを特徴とする請求項16から請求項18のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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