説明

β―ラクタマーゼ耐性セファロスポリンエステル化合物とその塩

本発明は、下記化学式(I)より成る耐β―ラクタマーゼとセファロスポリンとのエステル化合物に関し、該化合物の構造は、スルバクタムハロゲン化メチルエステルのメチルエステル残基と半合成セファロスポリン又はその塩とを結合して成ることを特徴とする。


又、本発明は該化合物の薬用塩と、内服用抗生物質の調製におけるその使用を与える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一系列の耐β―ラクタマーゼ耐性セファロスポリンエステル化合物とその塩、さらにはそれらの抗生物質調製への応用に関する。
【技術背景】
【0002】
下記一般式(II)の化合物は半合成セファロスポリンとして知られている。
【化1】

【0003】
これには、例えば、セフェタメット(cefetamet,CAS登録番号65052-63-3)、セフロクシーム(cefuroxime,CAS登録番号55268-75-2)、セフラディーン(cefradine,CAS登録番号38821-53-3)、セファレクシン(cefalexin,CAS登録番号15686-71-2)、セファクロール(cefaclor,CAS登録番号53994-73-3)、セファドロクシル(cefadroxil,CAS登録番号50370-12-2)等がある。その中でセフェタメットのピバロキシルオキシメチルエステル(cefetamet pivoxil,CAS登録番号65243-33-6)、セフロクシームの1-アセチルオキシルエチルエステル(cefruoxime axetil,CAS登録番号64544-07-6)及びその他の上記6個のセファロスポリンは、すべて臨床に用いる経口の抗生物質である。
【0004】
上記一般式(III)を有する化合物
【化2】

は、スルバクタム(sulbactam,CAS登録番号68373-14-8)ハロゲン化エチルエステルである。
【0005】
スルバクタムは、一種の耐β―ラクタマーゼ(lactomase)の抑制剤で、金色葡萄球菌及び多種のグラム陰性菌を産出するβ―ラクタマーゼに対して非常に強い不可逆性抑制作用を有する。
【0006】
2μg/ml濃度のものは、II、III、IV、V型β―ラクタマーゼの抑制作用が極めて強い。ペニシリンをセファロスポリン類抗生物質とその併用は、相乗効果を産生することができる。現在、すでに臨床に使用されている。アンピシリン、セフォペラゾン、セフォタキシム、セフェリアゾンとそのナトリウム塩の混合注射剤は、これらの抗生物質がβ―ラクタマーゼにより加水分解され、抗菌活性を失うのを防止することができ、又、酵素の産生によりもたらされる耐薬性細菌に対する、これらの抗生物質の最小抑制濃度を低下させることができる。
【0007】
周知のように、静脈用の薬剤の使用には、細心の注意が必要であり、血液に原因する伝染病、例えばB型、C型肝炎やエイズ等の脅威に対処しなければならない。又、軽度乃至中度の炎症の患者又は静脈炎症抑圧治療後の継続治療に対しては、往々にして、内服薬が用いられる。これは使用が便利、安全であり、多くの人力、物質、財力を節約することができる。しかし、β―ラクタマーゼ等の内服用抗生物質中には、酵素を産生する細菌の薬剤耐性現象が極めて一般的であり、治療効果に悪影響を及ぼす。それ故に、耐β―ラクタマーゼ内服用抗生物質の調製は、抗生物質分野における研究のホットスポットとなっている。
【0008】
現在、化合物(III)とアンピシリンとの化学合成を経てのジエステル−スルタミシリン(Sultamicillin,CAS登録番号76497-13-7)は、すでに臨床において広範に使用されている内服抗菌剤であり、服用後腸壁のエステル酵素により加水分解され、アンピシリンとスルバクタムを生成し、スルバクタムとアンピシリンとの混合注射剤と同様の治療効果を得る。しかしながら、現在、化合物(III)とセファロスポリンとの化学合成により、内服用耐β―ラクタマーゼ抗生物質の化合物はまだ得られていない。
【0009】
本発明の内容
本発明の目的は、上記課程を解決し、一種のβ―ラクタマーゼに対する耐性を有するセファロスポリンエステル化合物とその塩を提供することにある。
【0010】
本発明の目的は、下記の事項により達成することができる。
【0011】
一種の耐β―ラクタマーゼのセファロスポリンエステル化合物であり、その特徴は、その化合物の構造式は、スルバタムハロゲン化メチルエステルのメチルエステル残基と半合成のセファロスポリン又はその塩のカルボキシル基残基と結合して構成されているものである。ここに、この半合成のセファロスポリンの塩は、その無機塩又は有機アルカリ塩である。
【0012】
上記無機塩は、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、或いはカルシウム塩等でよく、上記有機アルカリ塩は、トリエチルアミン塩、トリブチルアミン塩、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデク−7−エン塩、ジシクロへキシルアミン塩やテトブチルアミン塩でよい。
【0013】
該半合成セファロスポリンは、セフェタメット、セフロクシーム、セフラディーン、セファレクシン、セファクロール、セファドロクシル等より選ぶ。
【0014】
このスルバクタムメチルエステルは、スルファクタム臭化メチルエステル又はスルバクタム沃化メチルエステルでよい。
【0015】
本発明は、さらに上記化合物の薬用塩を提供する。
【0016】
ここに、この薬用塩は、無機塩又は有機酸塩をさす。
【0017】
この無機塩、有機酸塩は、塩酸塩、硫酸塩、パラトルエンスルホン酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、乳酸塩でよい。
【0018】
本発明の化合物乃至その薬用塩の特徴は、下記の式(I)を有することである。
【化3】

【0019】
ここに、R、R1は、具体的には以下の表のとおりである。
【表1】

【0020】
上記の表中における化合物(I)の科学名称は、それぞれ次のとおりである。
【0021】
YR-1:5-チア-1-アザ-ビシクロ[4,2,0]オクタン-2-エン-2-カルボン酸 7-[[(2-アミノ-4-チアゾールイル)(メトキシイミン)アセチル]アミノ]-3-メチル-8-オキソ [[3,3-ジメチル-4,4-ジオキシ-7-オキソ-4-チア-1-アザ-ビシクロ[3,2,0]ヘプタン-2-イル]カルボニル]オキシ]メチルエステル、及びその塩
YR-2:5-チア-1-アザ-ビシクロ[4,2,0]オクタン-2-エン-2-カルボン酸 7-[[(2-フラン)(メトキシイミン)アセチル]アミノ]-3-[[アミノカルボニル]オキシ]メチル]-8-オキソ [[3,3-ジメチル-4,4-ジオキシ-7-オキソ-4-チア-1-アザ-ビシクロ[3,2,0]ヘプタン-2-イルブタンカルボニル]オキシ]メチルエステル、及びその塩
YR-3:5-チア-1-アザ-ビシクロ[4,2,0]オクタン-2-エン-2-カルボン酸 7-[[アミノ-1,4-シクロヘキサジエン-1-イル-アセチル]アミノ] 3-メチル-8-オキソ-[[3,3-ジメチル-4,4-ジオキシ-7-オキソ-4-チア-1-アザ-ビシクロ[3,2,0]ヘプタン-2-イル]カルボニル]オキシ]メチルエステル、及びその塩
YR-4:5-チア-1-アザ-ビシクロ[4,2,0]オクタン-2-エン-2-カルボン酸 7-[[アミノフェニルアセチル]アミノ] 3-メチル-8-オキソ- [[3,3-ジメチル-4,4-ジオキシ-7-オキソ-4-チア-1-アザ-ビシクロ[3,2,0]ヘプタン-2-イル]カルボニルオキシ]オキシ]メチルエステル、及びその塩
YR-5:5-チア-1-アザ-ビシクロ[4,2,0]オクタン-2-エン-2-カルボン酸 7-[[アミノ(4-ヒドロキシフェニル)-アセチル]アミノ]-8-オキソ- [[3,3-ジメチル-4,4-ジオキシ-7-オキソ-4-チア-1-アザ-ビシクロ[3,2,0]ヘプタン-2-イル]カルボニル]オキシ]メチルエステル、及びその塩
YR-6:5-チア-1-アザ-ビシクロ[4,2,0]オクタン-2-エン-2-カルボン酸 7-[[アミノフェニルアセチル]アミノ] 3-Cl-8-オキソ- [[3,3-ジメチル-4,4-ジオキシ-7-オキソ-4-チア-1-アザ-ビシクロ[3,2,0]ヘプタン2-2イル]カルボニル]オキシ]メチルエステル、及びその塩。
【0022】
本発明の化合物及びその塩とスルタミシリンとは、同様な体内代謝特性を有し、服用後腸壁のエステル酵素により水分解され、セファロスポリンとスルバクタムになり、体内の協同作用により、このセファロスポリンがある種の細菌の産生するβ―ラクタマーゼにより加水分解され、これが不足することを補うことができ、酵素の産生に起因してこのセファロスポリンに対する耐性を有する細菌の最低抑制濃度を薬剤が敏感に反応する範囲内にまで抑制することを可能にする。
【0023】
使用できる化合物(II)と(III)は、エステル化反応により合成される。化合物(II)は、臨床において広く用いられているセファロスポリン類抗生物質であり、化合物(III)は、Vytautas
J・Jasys等1984年米国特許4,444,686及び姜乃才等「医薬工業」(1985年、16(8)、346−9頁)等に報告されている方法により合成される。
【0024】
本発明の化合物は、二種の方法により合成することができる。
【0025】
方法1(YR-1乃至6の合成に適用する):
【化4】

【0026】
方法2(YR3乃至6の合成に適用する)
【化5】

【0027】
方法1:
方法1を用いて化合物(I)を合成することに当たっては、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、或いはトリエチルアミン塩、トリブチルアミン塩、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデク−7−エン(DBU)塩、ジシクロへキシルアミン塩、テトアミン塩等の化合物(II)の塩を用いる。
【0028】
合成化合物(I)、使用される化合物(II)と(III)のモル比は、1:0.9乃至1:1.5が最もよく、(II)と(III)の反応は、−15℃〜30℃で行い、反応時間は、一般に30分乃至15時間であり、反応過程中に反応の進行を有利にする18クラウンエーテル−6、16クラウンエーテル−4、12クラウンエーテル−2、テトラブチル硫酸水素アンモニウム、テトラブチル臭化アンモニウム等を添加する。
【0029】
反応に使用する溶剤としては、ジクロロメタン、エチレンクロリド等のアルキルモノハライド、プロパノン、シクロブタノン、シクロジタノン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の極性非プロントン性溶媒等がある。実施例には、ジメチルアセトアミドとジメチルホルムアミドを溶剤として用いる反応方法が示される。本発明の化合物とその塩は、等しく内服用抗菌剤に調製できる。本発明の化合物は、塩酸塩、硫酸塩、トルエンスルホン酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、乳酸塩等の多くの無機塩及び有機酸塩を生成することができる。実施例中には、本発明の化合物のトルエンスルホン酸塩と塩酸等塩の調製方法が示される。
【0030】
方法2:
方法2は、YR3−6の合成を用いる。その特徴は、化合物(II)と水素化ベンゾイルを、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等の極性非プロントン性溶媒や、メチルアルコール、エチルアルコール等の低級アルコールの存在下に反応させ、側鎖上のα−アミノを保護し、シッフ(Schiff)塩基を形成し、再び方法1を用いて中間体、即ち化合物(IV)を合成し、最後にグリニヤール(Grirnard)試薬を用いて保護基を脱離させ、化合物I(YR3-6)及びその塩を得る。
【0031】
具体的な実施方式
実施例1
化合物(II−1)のカリウム塩11g(0.025モル)をジメチルアセトアミド100ml中に投入し、攪拌均質化後に0.5gの18クラウンエーテル−6を添加し、全部溶かす。しかる後に溶液を0℃にまで冷却し、化合物(III)(X=I)9.4g(0.025モル)を加え、0℃で30分間攪拌し、薄層クロマトグラフィ*を用いて反応を制御する。原料の斑点が消失した後、反応液中にエチルアセテート200mlと水200mlを加え、充分に攪拌した後、層分離し、エチルアセテート200mlをもって水層を抽出し、エチルアセテート層と一緒にしてから、順次に水150mlと炭酸水素ナトリウム5mlの混合液及び飽和塩化ナトリウム水溶液を洗滌し、活性炭と無水硫酸マグネシウムで脱色、脱水する。その後、減圧してエチルアセテートを蒸発させて、得た油状物にジメチルカルビノール200mlを加え、室温のもとで1時間攪拌し、析出した白色固体を濾過し、当該白色固体を少量イソプロピルアルコールで洗滌し、温室の条件の下で真空乾燥し、12.9kの白色固体YR-1を得た。収率は80%であった。高圧液相測定純度は98.5%であった。
【0032】
*シリカゲル板HSGF254、展開剤イソプロピルアルコール:酢酸エチルエステル(2:1)
化合物(YR-1) RF=0.8
化合物(I)中に、IRと1H NMRにより、以下を確認した。
【化6】

【表2】

【表3】

【0033】
実施例2
DBU4.6g(0.03モル)をジメチルホルムアミド200mlに溶かし、0℃になるまで攪拌し、化合物(II-1)13.1g(0.03モル)と化合物(III)(X=I)11.2g(0.03モル)を加え、添加完了後0℃以下で30分間反応させ、薄層クロマトグラフィによる原料の斑点が消失するまで反応を継続分析する。反応が終了した後、実施例1と同様な方法で反応液を処理し、化合物YR-1の15.4gを得た。収率は80%であった。高圧液相測定純度は、98.2%であった。得られた生成物のIRと1H NMR分析の結果は、実施例1の生成物と一致した。
【0034】
実施例3
化合物(II-1)のカリウム塩11g(0.025モル)をジメチルアセトアミド150mlに添加し、攪拌し、温度20℃〜25℃に維持し、テトラブチル硫酸水素アンモニウム2.1g(0.006モル)と化合物(III)(X=I)9.4g(0・025モル)を添加し、同じ温度で4〜6時間反応させ、薄層クロマトグラフィを行い、原料の斑点が消失するまで反応を続ける。反応終了後、実施例1と同様の方法で反応液を処理し、化合物YR-1の13.7gを得た。収率は85%であった。高圧液相測定純度は98.7%であった。生成物のIRと1H NMR分析結果と実施例1の生成物と一致した。
【0035】
実施例4
化合物(YR-1)の6.45g(0.01モル)(実施例2より得たもの)を室温条件下で攪拌し、エチルアセテート65mlに溶かし、その後に、パラトルエンスルホン酸2.1g(0.012モル)を加え、攪拌下徐々に固体を析出した。攪拌を3時間続け、濾過し、少量のエチルアセテートで固体を洗滌し、真空乾燥により7.2gの白色化合物(YR-1)のパラトルエンスルホン酸を得た。収率は88%であり、高圧液相測定純度は98.5%であった。
【0036】
化合物YR-1パラトルエンスルホン酸塩をIRと1H NMRにより次の通り確認した。
【化7】

【表4】

【表5】

【0037】
実施例5
化合物(II-2)のナトリウム塩9.1g(0.025モル)をジメチルアセトアミド100ml中に加え、攪拌して0.5gの18クラウンエーテル−6を加え、混合物を−15℃まで冷却し、化合物(III)(X=I)9.4g(0.025モル)を加え、3時間攪拌する。反応が終了した後、反応液中にエチルアセテート200mlと水200mlを加え、1分間充分に攪拌した後、静止させて層分離させ、エチルアセテート層を分離取り出す。再びエチルアセテート200mlを用いて水層を抽出し、有機相と一緒にし、順次稀釈酸性炭酸ナトリウム溶液150ml、水150ml及び飽和食塩水100mlを用いて洗滌し、再び活性炭を用いて脱色し、無水硫酸マグネシウムを用いて脱水する。エチルアセテートを減圧蒸発除去し、油状物質を得る。油状物質をジメチルカルビノール200ml中で30分間攪拌し、濾過し、少量のジメチルカルビノールを用いて洗滌し、乾燥後YR-2の白色固体12.5gを得た。収率は85%であり、高圧液相測定純度は97.8%であった。
【0038】
化合物YR-2は、IRと1H NMRにより次の通り確認した。
【化8】

【表6】

【表7】

【0039】
実施例6
ジメチルアセトアミド200ml中にトリブチルアミン5.6g(0.03モル)を加え、攪拌し均一化した後に化合物(II-2)8.6g(0.025モル)を加え、20℃に調整して全てを溶かし、しかる後、-15℃に至るまで冷却し、化合物(III)(X=I)9.4g(0.025モル)を加え、-15℃で2時間攪拌した。その後、実施例5の操作を行い、YR-2を12.1g得た。収率は82%であった。高圧液相測定純度は98.2%であった。生成物をIR、1H NMRで測定したところ、結果は実施例5の生成物と一致した。
【0040】
実施例7
ジメチルアセトアミド36.5ml中に化合物(II-3)3.6g(0.01モル)を加え、攪拌し、-10℃にまで冷却し、DBUを1.53g(0.01モル)滴下して加え、溶液とし、化合物(III)(X=Br)を3.25g(0.01モル)を加え、攪拌し、12時間反応させ、反応液中にエチルアセテート100ml、3%酸性炭酸ナトリウム溶液30ml及び15%塩化ナトリウム水溶液50mlを加え、10分間攪拌し、静止した後、有機層を分離排出し、再び15%塩化ナトリウム水溶液50mlを用いて、二回にわたって洗滌する。有機層を活性炭で脱色し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、0℃まで冷却し、乾燥塩化水素気体を通して、PHを2.5にする。このとき大量の固体が析出する。これを濾過し、エチルアセテートで三回洗い、真空乾燥した後、YR-3塩酸塩1.05gを得た。高圧液相の分析で純度は97%であった。
【0041】
化合物YR-3塩酸塩はIRと1H NMRにより次の通り確認した。
【化9】

【表8】

【表9】

【0042】
実施例8
ジメチルアセトアミド36.5ml中に化合物(II-3)3.6g(0.01モル)を加え、攪拌して−10℃まで冷却し、DBU1.53g(0.01モル)を滴下して加え、澄んだ溶液を得、化合物(III)(X=I)3.36g(0.009モル)を加え、攪拌し12時間反応させ、反応液中にエチルアセテート100mlとPH値1の塩酸溶液150mlを加え、攪拌し、層分離し、水層中にエチルアセテート100mlを加え、その後に飽和酸素炭酸ナトリウム溶液を用いてPHを7.5にし、層分離し、有機層を3%の酸性炭酸ナトリウムと15%の塩化ナトリウムの混合液50mlで三回洗滌し、有機層を活性炭で脱色し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、濾過し、0℃に冷却し、乾燥した塩化水素気体を通してPHを2.5にした。このとき、大量の固体を析出した。これを濾過し、固体をエチルアセテートで三回洗い、真空乾燥後、YR-3塩酸塩0.9gを得た。高圧液相分析純度は94.5%であった。生成物は、IRと1H NMRで測定したところ、実施例7の生成物と一致した。
【0043】
実施例9
ジメチルアセトアミド36.5ml中に化合物(II-3)3.6g(0・01モル)を加え、攪拌して−10℃に冷却し、DBU1.53g(0.01モル)を滴下して加え、澄んだ溶液を得、化合物(III)(X=I)5.6g(0.015モル)を加え、攪拌し12時間反応させ、反応液中にエチルアセテート100mlとPH値1の塩酸溶液150mlを加え、攪拌し、層分離し、水層中にエチルアセテート100mlを加え、その後に飽和酸素炭酸ナトリウム溶液を用いてPHを7.5に調整し、層分離し、有機層を3%の酸性炭酸ナトリウムと15%の塩化ナトリウムの混合液50mlで三回洗滌し、有機層を活性炭で脱色し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、濾過し、濾液を冷却して0℃にし、乾燥した塩化水素気体を通してPHを2.5にした。このとき、大量の固体を析出した。固体をエチルアセテートで三回洗い、真空乾燥して、YR-3塩酸塩0.95gを得た。高圧液相分析純度は95.5%であった。生成物は、IRと1H NMRで測定した結果、実施例7の生成物と一致した。
【0044】
実施例10
実施例7と同様な操作をしたが、DBUの代わりに0.01モルのジシクロへキシルアミンを用い、臭化メチルエステルの変わりに0.01モルの化合物(III)(X=I)を用い、反応時間は1.5時間とし、YR-3塩酸塩1.15gを得た。高圧液相分析純度は96%であった。生成物はIRと1H NMR測定により、実施例7と同じであった。
【0045】
実施例11
ジメチルアセトアミド40ml中に化合物(II-3)ナトリウム塩3.72g(0.01モル)を加え、攪拌冷却して0℃にし、水素化ベンゾイル1.062g(0.01モル)を加え、0℃で10時間反応させた。反応液を−20℃に冷却し、化合物(III)(X=I)3.73(0.01モル)を加え、攪拌し3時間反応させた。ジクロロメタン110ml、3%の酸性炭酸ナトリウム溶液50ml及び15%の塩化ナトリウム水溶液50mlを加え、10分間攪拌し、静止状態で層分離し、有機相を分離排出し、PH7.5の燐酸緩衝液100mlで二回洗い、飽和塩化ナトリウム水溶液で二回洗った。分離排出した有機相を活性炭と無水硫酸マグネシウムで脱色し、脱出し、真空濃縮して油状物を得た。これに50mlのエチルエーテルを攪拌しながら加え、化合物IV
【化10】

の白色結晶6.12gを得た。
【0046】
パラトルエンスルホン酸2.1gとグリニヤール試薬2.1gをメチルアルコール10mlに溶かし、室温で上記生成物4.78g(0.01モル)を加え、30分攪拌し、減圧してメチルアルコールを蒸発させ、残留物にジクロロメタン30ml及びPH7.5の燐酸緩衝液30mlを加え、10分間攪拌し、静止状態で層分離し、水層を分離排出し、ジクロロメタン25mlを用いて三回蒸発採集した。有機層と一緒にし、飽和ナトリウム塩水溶液で二回洗滌し、水層を分離排出し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、0℃に冷却し、乾燥した塩化水素気体を通してPHを2.0にし、濾過して固体を収集した。少量のジクロロメタンを用いて三回洗い、真空乾燥してYR-3塩酸塩3.0gを得た。高圧液相分析純度は96.5%であった。生成物をIRと1H NMRで測定したところ、実施例7の生成物と同じであった。
【0047】
実施例12
ジメチルアセトアミド42ml中に化合物(II−4)3.65g(0・01モル)を加え、攪拌冷却して−15℃にし、DBU1.53g(0.01モル)を滴下して加え、添加終了後30分攪拌し、同温度で化合物(III)(X=Br)3.25g(0.01モル)を加え、攪拌し13時間反応させ、ジクロロメタン100mlとPH値7.5の燐酸緩衝液100mlを加え、10分間攪拌し、静止させて層分離した。有機相を順次PH7.5の燐酸緩衝液50mlで二回、飽和塩化ナトリウム水溶液50mlで二回洗滌し、さらに、活性炭で脱色し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、処理後の有機相を冷却して0℃にし、乾燥した塩化水素気体を通してPHを2.0にし、濾過し、固体を収集し、ジクロロメタンを用いて三回洗い、真空乾燥し、YR-4塩酸塩1.8gを得た。高圧液相分析純度は97.2%であった。
【0048】
化合物YR-4塩酸塩の構造は、IRと1H NMR測定により、次の通り確認された。
【化11】

【表10】

【表11】

【0049】
実施例13
ジメチルアセトアミド50ml中に化合物(II-4)カリウム塩4.03g(0.01モル)を加え、攪拌冷却して0℃にし、水素化ベンゾイル1.062g(0.01モル)を加え、0℃〜5℃で8時間反応させ、反応液を−15℃に冷却し、化合物(III)(X=I)3.37(0.01モル)を加え、攪拌し2時間反応させた。その他の反応操作を実施例9に従って行い、中間生成物である化合物(IV)
【化12】

の白色結晶6.05gを得た。最後にYR-4塩酸塩3.65gを得た。高圧液相分析純度は、95.6%であった。生成物はIRと1H NMR測定により、実施例10と同じであった。
【0050】
実施例14
化合物(II−5)3.65g(0.01モル)をジメチルホルムアミド37ml中に浮かばせ、冷却して−20℃にし、これにDBU1.51g(0.01モル)を加えて攪拌し溶解した後、化合物(III)(X=I)3.73g(0.01モル)を加えて30分攪拌した。反応液中に酢酸エチルエステル37mlと15%の塩化ナトリウム及び5%の酸性炭酸ナトリウムの水溶液80mlとを加え、10分間攪拌し、層分離し、分離して取り出した有機層を上記塩の混合物水溶液で二回洗滌した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濾液を乾燥した塩化水素気体を通してPHを2〜3とし、結晶が析出した後、10分間攪拌を継続し、濾過し、少量の酢酸エチルエステルで洗滌し、真空乾燥し、3.7gのYR-5塩酸塩の白色結晶を得た。HPLC測定による純度は95.6%であった。
【0051】
化合物YR-5塩酸塩をIRと1H NMRにより、次の通りと確認した。
【化13】

【表12】

【表13】

【0052】
実施例15
ジメチルホルムアミド15mlの溶液中に化合物(II-5)カリウム塩4.01g(0.01モル)を加え、冷却して0℃にし、これに水素化ベンゾイル1.27g(0.012モル)を加え、攪拌して8時間反応させ、しかる後に化合物(III)(X=I)3.73(0.01モル)を加え、攪拌し30分反応させ、次いで酢酸エチルエステル40mlと15%の塩化ナトリウム及び5%の酸性炭酸ナトリウム水溶液80mlとを加え、10分間攪拌し、有機層を分離し取り出し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗滌し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧して有機溶剤と蒸発除去し、イソプロピルアミン50mlを加え、攪拌して黄色い化合物(IV)
【化14】

の結晶6.1gを得た。そのほかの反応操作は、実施例9に従った。YR-5塩酸塩2.56gを得た。HPLH測定純度は、97.2%であった。生成物のIRと1H NMR分析結果は、実施例12と同じであった。
【0053】
次に、YR-1、YR-2の体外抗菌活性試験、マウスの半体内(ex vivo)抗菌性試験、とマウスの最大薬物耐性試験(これらの試験は上海医薬工業研究院により完成されたものである)を選び出して、さらに進んで本発明の化合物の抗菌効果と応用について説明する。
【0054】
効果実施例1:体外抗菌活性試験
1、試験材料:試料YR-1、YR-2それぞれ実施例1と実施例5により調製したものであり、対照試験サンプルは、セフェタメットナトリウム(CTM)、セフロキシームナトリウム(CRX)、セフェタメットナトリウム+スルバクタム(CTM+SBT)1:1(モル比)、及びセフロキシーム+スルバクタム(CRX+SBT)1:1(モル比)である。上記サンプルは、全て浙江永寧製薬廠(既に市販)の提供にかかる。
【0055】
2、試験菌種:黄色葡萄球菌26003、肺炎双球菌31002、大腸桿菌44102、ソンネ氏(Shigella sonnet)赤痢菌51081、ボグディ氏(Shigella bogdii)赤痢菌51313、フレックスナ氏(Shigella flexneri)赤痢菌51573、ミラビリス変形桿菌49005、普通変形桿菌49085、モルガン変形桿菌49086、緑膿桿菌10124、肺炎桿菌46101、腸炎サモン氏菌50041、腸チフス桿菌50097、クエン酸桿菌48017、粘質サレー氏桿菌41002がある。以上の菌種は、上海市衛生防疫站の提供にかかる。
【0056】
表皮葡萄球菌26069、産気(Bacillus aerogenes)桿菌45102がある。右の菌種は、北京薬品生物製品鑑定所の提供にかかる。
【0057】
肺炎双球菌0031がある。これは、上海第一人民医院の提供にかかる。
【0058】
3、培養基:Mueller-Hinton Agar(M.H)寒天培養基、認可番号20040528(中国腹潟病控制上海試剤供応研究中心の提供にかかる)である。
【0059】
4、試験方法:寒天二倍稀釈法を採用し、多点接種器定量接種を用いる。各点接種105CFU/MLである。37℃の温度で24時間を培養して、試験結果を観察し記録した。抗菌薬物抑制細菌の生長の最低濃度をもって最低抑制濃度(MIC)とした。
【0060】
5、試験結果:
【表14】


【0061】
6、結論:
YR-1、YR-2は、体外において均しく抗菌活性を有する。その抗菌活性は、それぞれCTM+SBTとCRX+SBTに大体一致している。両者は、β―ラクタマーゼを産生するグラム陰性菌に対し単にCTMやCRXを用いる場合に比して大幅に増強された抗菌活性を有する。例えば、モルガン変形桿菌49086に対しては、CTMとCRXのMICはそれぞれ>100mg/ml、100mg/mlであり、一方YR-1とYR-2のMICはそれぞれ0.78mg/mlと25mg/mlであり、両者の抗菌活性はそれぞれ100倍、4倍に増強されている。CTMは第三代セファロスポリンであり、ある種のグラム陽性菌と緑膿桿菌に対して効果がない。CRXは第二代セファロスポリンであり、ある種のグラム陽性菌に対する作用が比較的に弱く、緑膿桿菌に対しては効果がない。YR-1とYR-2の抗菌活性は同様な結果を示す。酵素を産生しない細菌に対しては、YR-1、YR-2及びCTM、CRXの抗菌活性は一致している。
【0062】
効果実施例2:マウスに投薬後半体内(ex vivo)の抗菌活性試験
1、試験材料:供試サンプルYR-1、YR-2。その対照試験試料は、CTM、CRX、CTM+SBT1:1及びCRX+SBT1:1。これらのサンプルの供給源は前述のものと同様である。
【0063】
2、試験菌種:普通変形桿菌49085、及びモルガン変形桿菌49086。各フローレンス瓶の菌液は105CFU/MLである。
【0064】
3、培養基:Mueller-Hinton Agar(M.H)寒天培養基、認可番号000707(中国腹潟病控制上海試剤供応研究中心の提供にかかる)。
【0065】
4、試験動物:
品種:昆明種マウス。供給源:上海医薬工業研究院動物室。合格証書番号:滬動合証字第107号。数量:120匹。性別:メス・オス半数ずつ。体重:18〜21g。禁食時間:16時間。
【0066】
5、試験方法:
第一組:CTM、CRX、CTM+SBT(等モル混合)、CRX+SBT(等モル混合)であり、四種の薬剤の用量は、各500mg/kgで、投薬方法は静脈注射である。採血を10分後、30分後、1時間後、2時間後、4時間後、及び8時間後行った。
【0067】
第二組: YR-1、YR-2であり、薬剤の用量は、1000mg/kgで、投薬方法は経口である。採血を10分後、30分後、1時間後、2時間後、4時間後、及び8時間後行った。
【0068】
実験動物は空腹時の体重、性別により任意に組分けした。各採血時点で3匹の動物を調べた。ヘパリンで凝固を防止した。採血後血漿を遠心分離した。試料を細菌抑え込みの輪の大小により定量測定した。抗菌活性を半定量測定した。
【0069】
6、試験結果:普通変形桿菌49085に対する薬剤の半体内(ex vivo)抗菌活性の結果
【表15】

【表16】

【0070】
7、結論:
マウスがYR−1とYR−2を服用した後、血液中に抗菌活性を検出することができた。YR−1とYR−2を動物に飲ませた後、継続的に安定した血中薬剤濃度を維持することができた。投薬時より8時間経過後の血液中においても抗菌活性を検出した。また、CTM、CRX、CTM+SBT、CRX+SBTを経口服用ではなく、静脈注射により投薬したときには、容易に血中薬剤濃度のピークを達し、半体内(ex vivo)抗菌活性試験中に比較的強い抗菌活性を示したが、その代謝は比較的速く、投薬後8時間の血液中には抗菌活性を検出することはできなかった。両者のケースを対比すると、YR−1、YR−2の服用後、体内に比較的長い半衰期があり、長期の効果を得ることがわかる。
【0071】
効果実施例3:マウスの最大薬物耐性試験
1、試験材料:YR−1、YR−2の試料は前例と同じである。
【0072】
2、実験動物:
品種:昆明種マウス。供給源:上海医薬工業研究院動物室。合格証書番号:滬動合証字第107号。数量:20匹。性別:メス・オス半数ずつ。体重:18〜21g。禁食時間:16時間。
【0073】
3、薬剤量:
試料の調製:5g/kg(5%CMC、即ちカルボキシメチルセルローズにより調製)。投与量:0.6ml/20g体重/回。投薬回数:一回。薬剤量:5g/kg/24hr。
【0074】
4、投薬方法:経口により胃に注入。
【0075】
5、試験方法:
試験時、合格したマウスを20匹、メス・オスそれぞれ半数ずつ、胃注入針によりマウスにYR−1又はYR−2を投与した。投薬後、直ちに動物の中毒症状の各種情況を観察し、死亡動物数を記録した。
【0076】
6、観察指標:
マウスにYR−1、YR−2を投与した後、直ちに動物の各種情況と中毒症状を観察した。実験期間中毎日午前、午後の二回観察した。
【0077】
死亡:観察期間内のマウスの死亡数を記録した。死亡した動物の死体を直ちに解剖した。肉眼によりマウスの主要な臓器(心臓、肝臓、脾臓、肺臓、腎臓等)の変化を観察し、もし肉眼で異常を発見したときは、直ちに病理検査を行った。
【0078】
毒性反応:観察期間内、メス・オスマウスの行動、皮膚、呼吸、大小便、食欲、鼻、目、口腔内に異常な分泌物がないか等の情況を観察する。
【0079】
観察期間:7日。観察期間終了後生きていたマウスの全部を殺し、解剖し、試験動物の内臓器官に異常がないかを調べた。
【0080】
7、試験結果:
メス・オスマウスを投薬前16時間空腹にした後YR−1、YR−2を投与したが、マウスには明確な毒性反応の異常症状が出現しなかった。マウスの行動には、明確な変化も生じなかった。解剖後内臓器官には異常がなかった。
【表17】

【0081】
8、結論:
YR−1とYR−2使用の場合、毒性は比較的低い。LD50の値を測定することができない。従って、最大薬物耐性試験を行ったところ、試験結果は、LD50>5g/kgとなった。この結果、YR−1とYR−2は、経口服用がすることができ、安全かつ低毒性の薬剤であることが判明した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
β―ラクタマーゼ耐性を有するセファロスポリンエステル化合物であって、該化合物の構造式がスルバクタムハロゲン化メチルエステルのメチルエステル残基と半合成セファロスポリン又はその塩のカルボキシル残基との結合により成ることを特徴とする化合物。
【請求項2】
請求項1の化合物において、上記半合成セファロスポリンの塩は、その無機塩又は有機アルカリ塩であることを特徴とする化合物。
【請求項3】
請求項2の化合物において、上記無機塩は、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩又はカルシウム塩であり、上記有機アルカリ塩は、トリエチルアミン塩、トリブチルアミン塩、1.8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデク−7−エン塩、ジシクロへキシルアミン塩又はテトラブチルアミン塩であることを特徴とする化合物。
【請求項4】
請求項1乃至3の化合物において、上記半合成セファロスポリンは、セファタメット、セフロキシーム、セフラディーン、セファレクミン、セファクロール、又はセファドロクシルであることを特徴とする化合物。
【請求項5】
請求項1の化合物において、上記スルバクタムハロゲン化メチルエステルは、スルバクタム臭化メチルエステル又はスルバクタム沃化メチルエステルであることを特徴とする化合物。
【請求項6】
請求項1の化合物の薬用塩。
【請求項7】
請求項6の薬用塩であって、該薬用塩は、無機塩又は有機酸塩であることを特徴とする塩。
【請求項8】
請求項7の薬用塩であって、上記無機塩又は有機酸塩は、塩酸塩、硫酸塩、パラトルエンスルホン酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩又は乳酸塩であることを特徴とする塩。
【請求項9】
請求項1又は6の化合物又はその薬用塩であって、上記化合物は、次の一般式(I)
【化1】

を有し、
ここにおいて、Rが
【化2】

であるとき、R1は、
【化3】

であり(YR-1)、
Rが
【化4】

であるとき、R1は、
【化5】

であり(YR-2)、
Rが
【化6】

であるとき、R1は、
【化7】

であり(YR-3)、
Rが
【化8】

であるとき、R1は、
【化9】

であり(YR-4)、
Rが
【化10】

であるとき、R1は、
【化11】

であり(YR-5)、
Rが
【化12】

であるとき、R1は、
【化13】

である(YR-6)、
ということを特徴とする化合物またはその薬用塩。
【請求項10】
下記一般式(IV)を有する化合物中間体
【化14】

であって、ここにR1=CH3又はClであり、R2は、
【化15】

又は
【化16】

である化合物中間体。
【請求項11】
請求項1又は6の化合物又はその薬用塩を抗生物質の調製するために使用する方法。

【公表番号】特表2007−512261(P2007−512261A)
【公表日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−540140(P2006−540140)
【出願日】平成16年11月19日(2004.11.19)
【国際出願番号】PCT/CN2004/001318
【国際公開番号】WO2005/051959
【国際公開日】平成17年6月9日(2005.6.9)
【出願人】(506182930)
【Fターム(参考)】