説明

β−カテニンの大腸菌(E.coli)介在遺伝子サイレンシング

細菌またはBTPを用いて、真核細胞に1つ以上の低分子干渉RNA(siRNA)を送達するための方法が記載されている。また、この細菌を使用して、RNA干渉を用いて真核細胞内での遺伝子発現を制御するための方法ならびにウイルス疾患および障害の治療のための方法も記載されている。細菌またはBTPは、1つ以上のsiRNAまたは1つ以上のsiRNAをコードする1つ以上のDNA分子を含む。また、本発明の細菌を用いて真核細胞においてRNA干渉を引き起こすためのベクターも記載されている。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
原核生物ベクターを含む侵襲性大腸菌(E.coli)細菌であって、前記ベクターが1つ以上のsiRNAをコードする1つ以上のDNA分子と、改変PlacUV5プロモーターと、少なくとも1つのInv遺伝子座と、少なくとも1つのHlyA遺伝子とを含み、前記siRNAがβ−カテニンのmRNAを阻害し、かつ前記侵襲性大腸菌(E.coli)細菌が野生型大腸菌(E.coli)細菌と比べてRNアーゼIII活性が減少している侵襲性大腸菌(E.coli)細菌。
【請求項2】
1つ以上のsiRNAをコードする1つ以上のDNA分子と、改変PlacUV5プロモーターと、少なくとも1つのInv遺伝子座と、少なくとも1つのHlyA遺伝子とを含み、前記siRNAがβ−カテニンのmRNAを阻害する原核生物ベクター。
【請求項3】
哺乳動物細胞に1つ以上のsiRNAを送達する方法であって、請求項1に記載の少なくとも1つの侵襲性大腸菌(E.coli)細菌を前記哺乳動物細胞に導入することを含む方法。
【請求項4】
哺乳動物細胞における遺伝子発現を制御する方法であって、請求項1に記載の少なくとも1つの侵襲性大腸菌(E.coli)細菌を前記哺乳動物細胞に導入することを含む方法。
【請求項5】
β−カテニンの過剰発現に関連した疾患または障害の治療または予防を、それを必要とする哺乳動物において行う方法であって、請求項1に記載の少なくとも1つの侵襲性大腸菌(E.coli)細菌を前記哺乳動物細胞に導入することを含む、前記哺乳動物におけるβ−カテニン発現の制御を含む方法。
【請求項6】
前記細菌が、RNアーゼIIIをコードするrnc遺伝子の欠失を含む、請求項1に記載の侵襲性大腸菌(E.coli)細菌。
【請求項7】
前記RNアーゼIII活性が野生型大腸菌(E.coli)細菌に比べて少なくとも90%減少している、請求項1に記載の侵襲性大腸菌(E.coli)細菌。
【請求項8】
前記RNアーゼIII活性が野生型大腸菌(E.coli)細菌に比べて少なくとも95%減少している、請求項1に記載の侵襲性大腸菌(E.coli)細菌。
【請求項9】
前記RNアーゼIII活性が野生型大腸菌(E.coli)細菌に比べて少なくとも99%減少している、請求項1に記載の侵襲性大腸菌(E.coli)細菌。
【請求項10】
前記1つ以上のDNA分子が侵襲性細菌内で1つ以上のshRNAに転写される、請求項1に記載の侵襲性大腸菌(E.coli)細菌。
【請求項11】
前記1つ以上のshRNAが3’突出または平滑末端を含む、請求項10に記載の侵襲性大腸菌(E.coli)細菌。
【請求項12】
前記3’突出が2〜5塩基対である、請求項11に記載の侵襲性大腸菌(E.coli)細菌。
【請求項13】
前記3’突出が2塩基対以下である、請求項11に記載の侵襲性大腸菌(E.coli)細菌。
【請求項14】
前記1つ以上のshRNAが1つ以上のsiRNAにプロセシングされる、請求項10に記載の侵襲性大腸菌(E.coli)細菌。
【請求項15】
前記原核生物ベクターが少なくとも1つのターミネーター配列をさらに含む、請求項1に記載の侵襲性大腸菌(E.coli)細菌。
【請求項16】
前記少なくとも1つのターミネーター配列が、少なくとも5つの連続したチミジン塩基対を含む、請求項15に記載の侵襲性大腸菌(E.coli)細菌。
【請求項17】
前記細菌が第二のターミネーター配列をさらに含む、請求項15に記載の侵襲性大腸菌(E.coli)細菌。
【請求項18】
前記第二のターミネーター配列がrrnCターミネーター配列である、請求項17に記載の侵襲性大腸菌(E.coli)細菌。
【請求項19】
前記原核生物プロモーターが少なくとも1つのUPエレメントをさらに含む、請求項1に記載の侵襲性大腸菌(E.coli)細菌。
【請求項20】
前記侵襲性細菌が弱毒化、非病原性または非毒性細菌である、請求項1に記載の侵襲性細菌。
【請求項21】
請求項1に記載の侵襲性細菌と薬学的に許容される担体とを含む、組成物。
【請求項22】
前記哺乳動物細胞を約10〜1011個の侵襲性細菌に感染させる、請求項5に記載の方法。
【請求項23】
前記哺乳動物細胞を約10〜10個の侵襲性細菌に感染させる、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記哺乳動物細胞を約0.1〜10の範囲の感染多重度で感染させる、請求項5に記載の方法。
【請求項25】
前記哺乳動物細胞を約10〜10の範囲の感染多重度で感染させる、請求項25に記載の方法。
【請求項26】
前記β−カテニン発現が、野生型のβ−カテニン発現に比べて、または前記侵襲性細菌の前記細胞への導入前のβ−カテニン発現に比べて減少する、請求項5に記載の方法。
【請求項27】
前記β−カテニン発現減少がβ−カテニンmRNAの発現減少である、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記β−カテニン発現減少がβ−カテニンタンパク質の発現減少である、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記β−カテニン発現が、野生型のβ−カテニン発現に比べて、または前記侵襲性細菌の前記細胞への導入前のβ−カテニン発現に比べて少なくとも50%減少する、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
前記β−カテニン発現が、野生型のβ−カテニン発現に比べて、または前記侵襲性細菌の前記細胞への導入前のβ−カテニン発現に比べて少なくとも75%減少する、請求項26に記載の方法。
【請求項31】
前記β−カテニン発現が、野生型のβ−カテニン発現に比べて、または前記侵襲性細菌の前記細胞への導入前のβ−カテニン発現に比べて少なくとも90%減少する、請求項26に記載の方法。
【請求項32】
哺乳動物におけるβ−カテニンの過剰発現に関連した前記疾患または障害が、結腸癌、直腸癌、結腸直腸癌、クローン病、潰瘍性大腸炎、家族性腺腫性ポリポーシス(FAP)、ガードナー症候群、肝細胞癌(HCC)、基底細胞癌、毛母腫、髄芽腫および卵巣癌からなる群より選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項33】
前記哺乳動物細胞が、結腸上皮細胞、直腸上皮細胞、腸上皮細胞、肝細胞、皮膚上皮細胞、有毛細胞、神経細胞および卵巣細胞からなる群より選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項34】
前記哺乳動物が、ヒト、ウシ、ヒツジ、ブタ、ネコ、ヤギュウ、イヌ、ヤギ、ウマ、ロバ、シカおよび霊長類からなる群より選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項35】
前記哺乳動物がヒトである、請求項34に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2012−508582(P2012−508582A)
【公表日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−536523(P2011−536523)
【出願日】平成21年11月13日(2009.11.13)
【国際出願番号】PCT/US2009/064409
【国際公開番号】WO2010/057009
【国際公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(507328184)マリーナ バイオテック,インコーポレイテッド (29)
【Fターム(参考)】