説明

β−ハイドロカルビルオキシエステル誘導体およびその製造方法

【課題】カルボニル基のα位が4級炭素原子であり、かつβ’位も4級炭素原子である新規のβ−ハイドロカルビルオキシエステル誘導体、およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】下記式(1)で表されるβ−ハイドロカルビルオキシエステル誘導体。


(式中、R、R、RおよびRは、同一または相異なり、炭素原子数1〜20のアルキル基または炭素原子数2〜20のアルケニル基を表し、
は、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数3〜10のシクロアルキル基、
炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアラルキル基を表し、
は、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数3〜10のシクロアルキル基または炭素原子数7〜20のアラルキル基を表す。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、β−ハイドロカルビルオキシエステル誘導体およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
β−ハイドロカルビルオキシエステル誘導体は、チーグラー・ナッタ触媒の電子供与性化合物として有用な化合物であり、また香料または医農薬の中間体としても重要であるため、その合成方法も種々報告されている。
例えば、カルボニル基のα位に2つのメチル基が導入されたβ−ハイドロカルビルオキシエステル誘導体は、前駆体であるアルコールを水素化ナトリウム存在下で処理した後、ハロゲン化アルキルとの反応により合成できることが記載されている(特許文献1、非特許文献1)。また、カルボニル基のα位に嵩高い置換基であるイソプロピル基とイソアミル基が導入されたβ−ハイドロカルビルオキシエステル誘導体は、塩基としてカリウムtert-ブトキシドを用いることで目的のβ−ハイドロカルビルオキシエステル誘導体が合成できることが記載されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開03/000680号明細書
【特許文献2】特開平8−92163号明細書
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters, 2007, No. 17, 2452-2455
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、カルボニル基のα位が4級炭素原子であり、かつβ’位も4級炭素原子であるβ−ハイドロカルビルオキシエステル誘導体については、その合成方法も含め未だ報告されていないのが現状である(下式参照)。


本発明は、カルボニル基のα位が4級炭素原子であり、かつβ’位も4級炭素原子である新規のβ−ハイドロカルビルオキシエステル誘導体、およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、鋭意検討することにより本発明により上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は、下記式(1)で表されるβ−ハイドロカルビルオキシエステル誘導体の製造方法であって、下記式(2)で表される化合物と、下記式(3)で表される化合物とを、前記式(2)で表される化合物に対して2.0〜10.0モル比の水素化アルカリ土類金属または水素化アルカリ金属存在下、25℃〜180℃の温度範囲で反応させる前記製造方法にかかるものである。


(式中、R、R、RおよびRは、同一または相異なり、炭素原子数1〜20のアルキル基または炭素原子数2〜20のアルケニル基を表し、
は、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数3〜10のシクロアルキル基、
炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアラルキル基を表し、
は、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数3〜10のシクロアルキル基または炭素原子数7〜20のアラルキル基を表す。)

(式中、R〜Rは前記と同様である。)

(式中、Rは前記と同様であり、Xは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、RSO基を表し、Rは、メチル基、エチル基、フェニル基、4−メチルフェニル基、トリフルオロメチル基を表す。)
また、本発明は、前記式(1)で表されるβ−ハイドロカルビルオキシエステル誘導体にかかるものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、カルボニル基のα位が4級炭素原子であり、β’位が4級炭素原子である新規のβ−ハイドロカルビルオキシエステル誘導体を、効率的に提供することができる。
本発明のβ−ハイドロカルビルオキシエステル誘導体は、チーグラー・ナッタ触媒の電子供与性化合物として有用であり、また香料または医農薬の中間体としての用途も期待できる。さらに、本発明の製造方法は、香料または医農薬の中間体として有用なβ−ヒドロキシエステル誘導体のヒドロキシ基を保護する方法としても、簡便で有効な方法である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
式(1)で表されるβ−ハイドロカルビルオキシエステル誘導体について説明する。


(式中、R、R、RおよびRは、同一または相異なり、炭素原子数1〜20のアルキル基または炭素原子数2〜20のアルケニル基を表し、
は、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数3〜10のシクロアルキル基、
炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアラルキル基を表し、
は、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数3〜10のシクロアルキル基または炭素原子数7〜20のアラルキル基を表す。)
【0009】
、R、RおよびRは、好ましくは、同一または相異なり、炭素原子数1〜20のアルキル基であり、より好ましくは、炭素原子数1〜10のアルキル基であり、さらに好ましくは、炭素原子数1〜6のアルキル基である。
【0010】
およびRは、好ましくは、同一または相異なり、炭素原子数1〜20のアルキル基、または炭素原子数7〜20のアラルキル基であり、より好ましくは、炭素原子数1〜6のアルキル基である。
【0011】
〜Rの炭素原子数1〜20のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−ペンタデシル基、n−エイコシル基などが挙げられ、好ましくは炭素原子数1〜10、より好ましくは炭素原子数1〜6のアルキル基であり、より好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基である。
【0012】
〜Rの炭素原子数2〜20のアルケニル基としては、ビニル基、アリル基、プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、ホモアリル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基などが挙げられ、好ましくは炭素原子数2〜5のアルケニル基であり、より好ましくは、アリル基、ホモアリル基である。
【0013】
およびRの炭素原子数3〜10のシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基または、シクロオクチル基などが挙げられ、好ましくは炭素原子数3〜7のシクロアルキル基であり、より好ましくはシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基である。
【0014】
およびRの炭素原子数7〜20のアラルキル基としては、ベンジル基、(2−メチルフェニル)メチル基、(3−メチルフェニル)メチル基、(4−メチルフェニル)メチル基、(2,3−ジメチルフェニル)メチル基、(2,4−ジメチルフェニル)メチル基、(2,5−ジメチルフェニル)メチル基、(2,6−ジメチルフェニル)メチル基、(3,4−ジメチルフェニル)メチル基、(3,5−ジメチルフェニル)メチル基、(2,3,4−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,5−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,6−トリメチルフェニル)メチル基、(3,4,5−トリメチルフェニル)メチル基、(2,4,6−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メチル基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メチル基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メチル基、(ペンタメチルフェニル)メチル基、(エチルフェニル)メチル基、(n−プロピルフェニル)メチル基、(イソプロピルフェニル)メチル基、(n−ブチルフェニル)メチル基、(sec−ブチルフェニル)メチル基、(tert−ブチルフェニル)メチル基、(イソブチルフェニル)メチル基、(n−ペンチルフェニル)メチル基、(ネオペンチルフェニル)メチル基、(n−ヘキシルフェニル)メチル基、(n−オクチルフェニル)メチル基、(n−デシルフェニル)メチル基、ナフチルメチル基、アントラセニルメチル基等などが挙げられ、好ましくは炭素原子数7〜10のアラルキル基であり、より好ましくはベンジル基である。
【0015】
の炭素原子数6〜20のアリール基としては、フェニル基、2−トリル基、3−トリル基、4−トリル基、2,3−キシリル基、2,4−キシリル基、2,5−キシリル基、2,6−キシリル基、3,4−キシリル基、3,5−キシリル基、2,3,4−トリメチルフェニル基、2,3,5−トリメチルフェニル基、2,3,6−トリメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、3,4,5−トリメチルフェニル基、2,3,4,5−テトラメチルフェニル基、2,3,4,6−テトラメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラメチルフェニル基、ペンタメチルフェニル基、エチルフェニル基、n−プロピルフェニル基、イソプロピルフェニル基、n−ブチルフェニル基、sec−ブチルフェニル基、tert−ブチルフェニル基、イソブチルフェニル基、n−ペンチルフェニル基、ネオペンチルフェニル基、n−ヘキシルフェニル基、n−オクチルフェニル基、n−デシルフェニル基、n−ドデシルフェニル基、n−テトラデシルフェニル基、ナフチル基あるいはアントラセニル基などが挙げられ、好ましくはフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、3,4,5−トリメチルフェニル基、2,3,4,5−テトラメチルフェニル基、2,3,4,6−テトラメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラメチルフェニル基、ペンタメチルフェニル基である。好ましくは炭素原子数6〜15、より好ましくは炭素原子数6〜12のアリール基である。
【0016】
式(1)で表される化合物の具体例としては下記の化合物が挙げられる。








【0017】
また、これらの化合物のエトキシカルボニル基のエトキシ基をメトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基、ベンジルオキシ基、フェノール基に変更した化合物も挙げられる。
【0018】
式(2)で表される化合物は、下記のとおりである。

(式中、R〜Rは前記と同様である。)
【0019】
式(2)で表される化合物の具体例としては下記の化合物である。

【0020】
また、これらの化合物のエトキシカルボニル基のエトキシ基をメトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基、ベンジルオキシ基、フェノール基に変更した化合物も挙げられる。
【0021】
本発明に用いられる水素化アルカリ金属または水素化アルカリ土類金属とは、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水素化物であり、好ましくはアルカリ金属の水素化物である。具体的には、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化リチウム、および水素化カルシウムが挙げられ、好ましくは水素化ナトリウムまたは水素化カリウムである。
【0022】
本発明において、水素化アルカリ金属または水素化アルカリ土類金属の使用量は、式(2)で表される化合物に対するモル比が、2.0〜10.0であり、好ましくは、2.0〜5.0であり、より好ましくは3.0〜5.0であり、特に好ましくは3.0〜4.8である。
【0023】
式(3)で表される化合物は下記のとおりである。

(式中、Rは前記と同様であり、Xは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、RSO基を表し、Rは、メチル基、エチル基、フェニル基、4−メチルフェニル基、トリフルオロメチル基を表す。)
【0024】
Xは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、4−MeC-SO基、MeSO基、EtSO基、PhSO基、またはC-FSO基であり、好ましくは臭素原子、ヨウ素原子、4−MeC-SO基、MeSO基、またはC-FSO基であり、より好ましくは、臭素原子、ヨウ素原子である。
【0025】
式(3)で表される化合物として具体的には、ヨードメタン、ヨードエタン、1−ヨードn−プロパン、1−ヨードn−ブタン、2−ヨードプロパン、ベンジルアイオダイド、イソブチルアイオダイドなどが挙げられる。
【0026】
また、これらの化合物のヨウ素原子を塩素原子、臭素原子、PhSO基、4−MeC-SO基、MeSO基、またはC-FSO基に変更した化合物も挙げられる。
【0027】
式(3)で表される化合物の使用量は、式(2)で表される化合物量に対するモル比が通常1.0〜10.0であり、収率の点から1.0〜5.0が好ましい。
【0028】
本反応で用いる溶媒は、類似の反応で一般的に用いられる溶媒であれば特に制限されるものではなく、例えばトルエン、ベンゼン、o―キシレン、m―キシレン、およびp―キシレンのような芳香族炭化水素;ヘキサン、ヘプタン、およびシクロヘキサンのような脂肪族炭化水素;1、4−ジオキサン、およびテトラヒドロフランのような環状エーテル;ジメチルスルホキシド;N,N−ジメチルホルムアミドが挙げられ、好ましくは、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、環状エーテルであり、より好ましくはN,N−ジメチルホルムアミドである。これらの溶媒はモレキュラーシーブスまたは活性アルミナ、ナトリウムまたは水素化カルシウムなどにより乾燥しで用いることが好ましい。
【0029】
溶媒の使用量は、式(2)で表される化合物の濃度範囲が0.001〜4.0mol/L、より好ましくは0.01〜2.0mol/L、さらに好ましくは0.1〜0.8mol/Lとなるような範囲で用いることができる。
【0030】
本発明において、式(2)で表される化合物と式(3)で表される化合物とを反応させる温度は、25〜180℃であり、好ましくは40〜140℃ある。
【0031】
本発明の製造方法は、空気、ヘリウム、アルゴンまたは窒素気流下で行うことができる。好ましくは、ヘリウム、アルゴンまたは窒素気流下、より好ましくは、窒素またはアルゴン気流下である。
【0032】
本発明の製造方法において、圧力の影響は無視できるため、大気圧下で反応を行うのが一般的である。
【0033】
本発明において、式(2)で表される化合物と式(3)で表される化合物とを反応させる時間は、30分間〜48時間であり、好ましくは3時間〜24時間、より好ましくは3時間〜12時間である。
【0034】
式(2)で表される化合物と式(3)で表される化合物とを反応させる方法は特に限定されないが、化合物(2)を有機溶媒に溶解または希釈し、水素化アルカリ金属または水素化アルカリ土類金属とを混合した後に、式(3)で表される化合物とを加えることが好ましい。
【0035】
反応終了後、式(1)で表される化合物を得るため反応液を後処理することが好ましい。後処理方法としては、例えば、水、希塩酸水溶液、チオ硫酸ナトリウムまたは炭酸水素ナトリウム-炭酸ナトリウム混合水溶液を反応溶液に加え、次に、ヘキサン、酢酸エチルまたはジエチルエーテルを加え、抽出操作を行うことができる。
得られた式(1)で表される化合物は、必要に応じて蒸留、再結晶、シリカゲルまたはアルミナを用いる薄相またはカラムクロマトグラフィー、およびGPC型分取液体クロマトグラフィーによる精製操作を行って、純度を高めることができる。
【実施例】
【0036】
以下、本発明を下記の実施例に基づき詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。反応に使用した有機溶媒は、関東化学株式会社より脱水された溶媒を用いた。
【0037】
化合物はH NMRおよび13C NMRで同定した。H NMRおよび13C NMRは、核磁気共鳴装置(日本電子社製、JNM−AL400)を用いて下記の条件により測定した。テトラメチルシランの水素の化学シフト値を基準にした。
測定溶媒:CDCl
測定温度:室温
【0038】
目的の生成物とその位置異性体の生成比は、ガスクロマトグラフ(島津製作所製、GC−17A)を用いて下記条件により測定した。
(1)測定カラム:
(i)参考例1〜3、実施例1〜3ならびに参考比較例1および2
DB−5(Agilent Technologies社製)
長さ30m、I.D.:0.25mm、Films:0.25μm
(ii)参考例4〜6、および実施例4〜7
DB−1(Agilent Technologies社製)
長さ30m、I.D.:0.25mm、Films:0.25μm
(2)測定温度:100℃〜300℃(10℃/分) 300℃ 10分間保持
【0039】
ジエチルtert-ブチル−n-ブチルマロン酸エステルは、Advanced Synthesis & Catalysis,2005,347,1587−1594.に記載の方法に従い合成した。2−tert-ブチル−2−n-ブチル−3−ヒドロキシ−プロピオン酸エチルは、特許第3597890号に記載の方法に従い合成した。
【0040】
(参考例1)
窒素気流下1000mL四つ口フラスコに、N,N−ジメチルホルムアミド(230mL)、ジエチルtert-ブチルマロン酸エステル(53.0g,0.245mol)を入れた。この溶液に、オイル懸濁の60wt%水素化ナトリウム(14.7g,0.367mol)を加え、室温にて30分間撹拌した。ブロモn-ブタン(42.0mL,0.392mol)を加え、反応液を50℃まで昇温し2時間撹拌した。その後、室温まで冷却した後12時間撹拌した。その後、蒸留水200 mLを滴下した。その混合溶液にジエチルエーテルを200ml加え有機層を分離した後、水層をジエチルエーテル50mLで3回抽出した。分離した有機層と抽出液をあわせ、蒸留水100mLで2回洗浄した後、硫酸マグネシウムにより乾燥した。減圧下、揮発成分を留去して、黄色油状物としてジエチルtert-ブチル−n-ブチルマロン酸エステルを72.6g(純度 82%(GC面百値))を得た。
【0041】
ジエチルtert-ブチル−n-ブチルマロン酸エステル
H−NMR(CDCl):δ4.18(m,4H),1.84(m,2H),1.28(t,J=8.0Hz,6H),1.33−1.22(m,4H)1.10(s,9H),0.88(t,J=4.0Hz,3H).
【0042】
(参考例2)
窒素気流下1000mL四つ口フラスコに、トルエン(300mL)、ジエチルtert-ブチル−n-ブチルマロン酸エステル(72.6g,純度 82%(GC面百値))を入れた。この溶液を−78℃まで冷却し、ジイソブチルアルミニウムハイドライド(490mL,0.490mol,1.5M/L in toluene)を1時間かけて滴下した後、更に同温度で1時間滴下した。メタノールを100mL加え、未反応のジイソブチルアルミニウムハイドライドをクエンチした後、反応混合溶液に希塩酸を100mL加えた。有機層を分離した後、水層をヘキサン100mLで4回抽出した。得られた有機層を硫酸マグネシウムにより乾燥した。減圧下、揮発成分を留去して、無色油状物として2−tert-ブチル−2−ホルミル−ヘキサン酸エチルと2−tert-ブチル−2−n-ブチル−3−ヒドロキシ−プロピオン酸エチルの混合物を48.5g(純度 2−tert-ブチル−2−ホルミル−ヘキサン酸エチル76%(GC面百値), 2−tert-ブチル−2−n-ブチル−3−ヒドロキシ−プロピオン酸エチル19%(GC面百値))を得た。
【0043】
2−tert-ブチル−2−ホルミル−ヘキサン酸エチル
H−NMR(CDCl):δ10.13(s,1H),4.27(m,2H),1.83(dt,J=4.0Hz,J=12.0Hz,1H),1.70(dt,J=4.0Hz,J=12.0Hz,1H),1.33(t,J=4.0Hz,3H),1.03(s,9H),0.87(t,J=8.0Hz,3H).
【0044】
(参考例3)
空気下1000mL四つ口フラスコに、2−tert-ブチル−2−ホルミル−ヘキサン酸エチルと2−tert-ブチル−2−n-ブチル−3−ヒドロキシ−プロピオン酸エチルの混合物(45.1g,純度 2−tert-ブチル−2−ホルミル−ヘキサン酸エチル76%(GC面百値), 2−tert-ブチル−2−n-ブチル−3−ヒドロキシ−プロピオン酸エチル19%(GC面百値))、テトラヒドロフラン(150mL)を入れた。この溶液に、ナトリウムボロンハイドライド(7.47g,0.196mol)を30分間かけて加えた後、エタノール(57.6mL,0.988mol)を加え、更に室温下で1時間攪拌した。反応混合溶液に希塩酸を100mL加えた後、ヘキサン100mLを加え、有機層を分離した後、水層をヘキサン50mLで4回抽出した。得られた有機層を硫酸マグネシウムにより乾燥した。減圧下、揮発成分を留去して、無色油状物として2−tert-ブチル−2−n-ブチル−3−ヒドロキシ−プロピオン酸エチルを(44.9g,0.195mol,純度 95%(GC面百値))を得た。
【0045】
2−tert-ブチル−2−n-ブチル−3−ヒドロキシ−プロピオン酸エチル
H−NMR(CDCl):δ4.20(q,J=8.0Hz,2H),3.87(dd,J=6.4Hz,J=12.1Hz,1H),3.76(dd,J=6.4Hz,J=12.1Hz,1H),2.57(m,1H),1.86(m,1H),1.23-1.59(m,5H), 1.30(t,J=6.5Hz,3H),1.02(s,9H),0.89(t,J=7.3Hz,3H).
【0046】
(実施例1)
窒素気流下100mL2つ口フラスコに、2−tert-ブチル−2−n-ブチル−3−ヒドロキシ−プロピオン酸エチル(26.0g,0.113mol,純度 95%(GC面百値))、テトラヒドロフラン(513mL)を入れた。この溶液に、オイル懸濁の60wt%水素化ナトリウム(19.9g,0.497mol)を加え、室温にて30分間撹拌した。ヨードエタン(23mL,0.288mol)を加え、還流温度まで昇温した。還流下3時間攪拌し、ガスクロマトグラフィー測定により反応物を分析した。その結果、生成した目的の化合物(3−エトキシ−2−tert-ブチル−2−n-ブチル−プロピオン酸エチル)の面積百分率(GC面百値)は74%であった。その反応混合物に残存する2−tert-ブチル−2−n-ブチル−3−ヒドロキシ−プロピオン酸エチルは、確認できなかった。
反応混合溶液に水を200mL加えた後、ヘキサン100mLを加え、有機層を分離した後、水層をヘキサン50mLで4回抽出した。得られた有機層を飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液100mLで洗浄した後、硫酸マグネシウムにより乾燥した。減圧下、揮発成分を留去して、黄色油状物を得た。黄色油状物を減圧下蒸留することで無色油状物として3−エトキシ−2−tert-ブチル−2−n-ブチル−プロピオン酸エチルを(bp 92−94℃,/5.6mHg,10.2g,0.039mol,純度 95%(GC面百値))で得た。
【0047】
3−エトキシ−2−tert-ブチル−2−n-ブチル−プロピオン酸エチル
H−NMR(CDCl):δ 4.08(m,2H),3.63(d,J=10.4Hz,1H),3.46(d,J=10.4Hz,1H),3.38(m,2H),1.64−1.71(m,2H),1.19−1.30(m,4H),1.22(t,J=7.2Hz,3H),1.12(t,J=6.8Hz,3H),0.94(s,9H),0.86(t,J=6.8Hz,3H).
13C−NMR(CDCl):δ174.9,69.4,66.3,59.7,55.3,35.8,28.8,27.6,27.4,23.6,15.1,14.2,14.0.
【0048】
(実施例2)
窒素気流下100mL2つ口フラスコに、2−tert-ブチル−2−n-ブチル−3−ヒドロキシ−プロピオン酸エチル(2.0g,8.69mmol,純度 95%(GC面百値))、テトラヒドロフラン(40mL)を入れた。この溶液に、オイル懸濁の60wt%水素化ナトリウム(0.77g,19.1mmol)を加え、室温にて30分間撹拌した。ヨードエタン(1.7mL,20.9mmol)を加え、還流温度(66℃)まで昇温した。還流下3時間攪拌し、ガスクロマトグラフィー測定により反応物を分析した。その結果、生成した目的の化合物(3−エトキシ−2−tert-ブチル−2−n-ブチル−プロピオン酸エチル)の面積百分率(GC面百値)は67%であった。その反応混合物に残存する2−tert-ブチル−2−n-ブチル−3−ヒドロキシ−プロピオン酸エチルの面積百分率(GC面百値)は10%であった。
【0049】
(実施例3)
窒素気流下100mL2つ口フラスコに、2−tert-ブチル−2−n-ブチル−3−ヒドロキシ−プロピオン酸エチル(2.0g,8.69mmol,純度 95%(GC面百値))、テトラヒドロフラン(40mL)を入れた。この溶液に、オイル懸濁の60wt%水素化ナトリウム(1.50g,38.2mmol)を加え、室温にて30分間撹拌した。ヨードエタン(3.3mL,41.7mmol)を加え、還流温度(66℃)まで昇温した。還流下3時間攪拌し、ガスクロマトグラフィー測定により反応物を分析した。その結果、生成した目的の化合物(3−エトキシ−2−tert-ブチル−2−n-ブチル−プロピオン酸エチル)の面積百分率(GC面百値)は88%であった。その反応混合物に残存する2−tert-ブチル−2−n-ブチル−3−ヒドロキシ−プロピオン酸エチルは、確認できなかった
【0050】
(参考比較例1)
窒素気流下200mL2つ口フラスコに、2−tert-ブチル−2−n-ブチル−3−ヒドロキシ−プロピオン酸エチル(18.5g,0.080mol,純度 95%(GC面百値))、テトラヒドロフラン(80mL)を入れた。この溶液に、カリウムtert-ブトキシド(9.47g,0.084mol)を加え、室温にて30分間撹拌した。ヨードエタン(7.7mL,0.096mol)を加え、還流温度(66℃)まで昇温した。還流下2時間攪拌し、ガスクロマトグラフィー測定により反応物を分析した。その結果、生成した目的の化合物(3−エトキシ−2−tert-ブチル−2−n-ブチル−プロピオン酸エチル)の面積百分率(GC面百値)は11%であった。その反応混合物に残存する2−tert-ブチル−2−n-ブチル−3−ヒドロキシ−プロピオン酸エチルの面積百分率(GC面百率)は34%であった。
さらに、カリウムtert-ブトキシド(9.47g,0.084mol)及びヨードエタン(7.7mL,0.096mol)を加え、還流下2時間攪拌し、ガスクロマトグラフィー測定により反応物を分析した。その結果、生成した目的の化合物(3−エトキシ−2−tert-ブチル−2−n-ブチル−プロピオン酸エチル)の面積百分率(GC面百値)は14%であった。その反応混合物に残存する2−tert-ブチル−2−n-ブチル−3−ヒドロキシ−プロピオン酸エチルの面積百分率(GC面百値)は26%であった。
【0051】
(参考比較例2)
窒素気流下100mL2つ口フラスコに、2−tert-ブチル−2−n-ブチル−3−ヒドロキシ−プロピオン酸エチル(2.0g,8.69mmol,純度 95%(GC面百値))、テトラヒドロフラン(40mL)を入れた。この溶液に、オイル懸濁の60wt%水素化ナトリウム(0.38g,9.9mmol)を加え、室温(25℃)にて30分間撹拌した。ヨードエタン(0.8mL,10.4mmol)を加え、室温下(25℃)で2時間攪拌した。その反応混合物をガスクロマトグラフィーで測定した結果、目的の化合物(3−エトキシ−2−tert-ブチル−2−n-ブチル−プロピオン酸エチル)は確認できなかった。その反応混合物に残存する2−tert-ブチル−2−n-ブチル−3−ヒドロキシ−プロピオン酸エチルの面積百分率(GC面百値)は63%であった。還流温度(66℃)まで昇温した。還流下3時間攪拌し、ガスクロマトグラフィー測定により反応物を分析した。その結果、生成した目的の化合物(3−エトキシ−2−tert-ブチル−2−n-ブチル−プロピオン酸エチル)の面積百分率(GC面百値)は47%であった。その反応混合物に残存する2−tert-ブチル−2−n-ブチル−3−ヒドロキシ−プロピオン酸エチルの面積百分率(GC面百値)は18%であった。
【0052】
(参考例4)
窒素気流下1000mL四つ口フラスコに、N,N−ジメチルホルムアミド(230mL)、ジエチルtert-ブチルマロン酸エステル(53.0g,0.245mol)を入れた。この溶液に、オイル懸濁の60wt%水素化ナトリウム(13.9g,0.347mol)を加え、室温にて30分間撹拌した。ヨウ化メチル(24.4mL,0.392mol)を加え、反応液を1時間撹拌した。その後、蒸留水200 mLを滴下した。その混合溶液にジエチルエーテルを200ml加え有機層を分離した後、水層をジエチルエーテル50mLで3回抽出した。分離した有機層と抽出液をあわせ、蒸留水100mLで2回洗浄した後、硫酸マグネシウムにより乾燥した。減圧下、揮発成分を留去して、黄色油状物としてジエチルtert-ブチル−メチルマロン酸エステルを75.0g(純度 94%(GC面百値))を得た。
【0053】
ジエチルtert-ブチル−メチルマロン酸エステル
H−NMR(CDCl):δ4.17(q,J=6.8Hz1H),1.44(s,3H),1.27(t,J=6.8Hz),1.11(s,9H).
【0054】
(参考例5)
窒素気流下1000mLフラスコに、トルエン(300mL)、ジエチルtert-ブチル−メチルマロン酸エステル(75.0g,純度 94%(GC面百値))を入れた。この溶液を−78℃まで冷却し、ジイソブチルアルミニウムハイドライド(490mL,0.490mol,1.5M/L in toluene)を1時間かけて滴下した後、更に同温度で1時間滴下した。メタノールを100mL加え、未反応のジイソブチルアルミニウムハイドライドをクエンチした後、反応混合溶液に希塩酸を100mL加えた。有機層を分離した後、水層をヘキサン100mLで4回抽出した。得られた有機層を硫酸マグネシウムにより乾燥した。減圧下、揮発成分を留去して、無色油状物として2−tert-ブチル−2−ホルミル−プロピオン酸エチルと2−tert-ブチル−2−メチル−3−ヒドロキシ−プロピオン酸エチルの混合物を66.9g(2−tert-ブチル−2−ホルミル−プロピオン酸エチルの純度 50%(GC面百値),2−tert-ブチル−2−メチル−3−ヒドロキシ−プロピオン酸エチルの純度 41%(GC面百値))を得た。
【0055】
2−tert-ブチル−2−ホルミル−プロピオン酸エチル
H−NMR(CDCl):δ10.0(s,1H),4.3−4.1(m,2H),1.27(t,J=7.2Hz,3H),1.19(s,3H),0.95(s,9H).
【0056】
(参考例6)
空気下1000mL四つ口フラスコに、2−tert-ブチル−2−ホルミル−プロピオン酸エチル(66.9g,2−tert-ブチル−2−ホルミル−プロピオン酸エチルの純度 50%(GC面百値),2−tert-ブチル−2−メチル−3−ヒドロキシ−プロピオン酸エチルの純度 41%(GC面百値))、テトラヒドロフラン(150mL)を入れた。この溶液に、ナトリウムボロンハイドライド(9.26g,0.243mol)を30分間かけて加えた後、エタノール(22.0mL,0.377mol)を加え、更に室温下で1時間攪拌した。反応混合溶液に希塩酸を100mL加えた後、ヘキサン100mLを加え、有機層を分離した後、水層をヘキサン50mLで4回抽出した。得られた有機層を硫酸マグネシウムにより乾燥した。減圧下、揮発成分を留去して、無色油状物として2−tert-ブチル−2−メチル−3−ヒドロキシ−プロピオン酸エチルを(55.7g,0.296mol,純度 91%(GC面百値))を得た。
2−tert-ブチル−2−メチル−3−ヒドロキシ−プロピオン酸エチル
H−NMR(CDCl):δ4.21−4.15(m,2H),4.08−4.03(m,1H),3.43−3.38(m,1H),2.14(m,1H),1.29(t,J=7.1Hz,3H),1.21(s,3H),0.97(s,9H).
【0057】
(実施例4)
窒素気流下1000mL4つ口フラスコに、2−tert-ブチル−2−メチル−3−ヒドロキシ−プロピオン酸エチル(30.0g,0.159mol,純度 91%(GC面百値))、テトラヒドロフラン(300mL)を入れた。この溶液に、オイル懸濁の60wt%水素化ナトリウム(13.0g,0.323mol)を加え、室温(25℃)にて30分間撹拌した。ヨードエタン(26.5mL,0.322mol)を加え、還流温度(66℃)まで昇温した。還流下3時間攪拌し、ガスクロマトグラフィー測定により反応物を分析した。その結果、生成した目的の化合物(3−エトキシ−2−tert-ブチル−2−メチル−プロピオン酸エチル)の面積百分率(GC面百値)は89%であった。その反応混合物に残存する2−tert-ブチル−2−メチル−3−ヒドロキシ−プロピオン酸エチルの面積百分率(GC面百値)は0%であった。
反応混合溶液に水を200mL加えた後、ヘキサン100mLを加え、有機層を分離した後、水層をヘキサン50mLで4回抽出した。得られた有機層を飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液100mLで洗浄した後、硫酸マグネシウムにより乾燥した。減圧下、揮発成分を留去して、黄色油状物を得た。黄色油状物を減圧下蒸留することで無色油状物として3−エトキシ−2−tert-ブチル−2−メチル−プロピオン酸エチルを(bp 84−85℃,/3mmHg,13.0g,0.060mol,純度 96%(GC面百値))で得た。
【0058】
3−エトキシ−2−tert-ブチル−2−メチル−プロピオン酸エチル
H−NMR(CDCl):δ 4.14(m,2H),3.82(d,J=8.4Hz,1H),3.45(q,J=6.8Hz,2H),3.33(d,J=8.4Hz,2H),1.26(t,J=7.0Hz,3H),1.20(s,3H),1.14(t,J=7.0Hz,3H),0.95(s,9H).
13C−NMR(CDCl):δ175.4,73.4,66.8,52.8,34.6,26.7,16.2,15.1,14.3.
【0059】
(実施例5)
窒素気流下100mL2つ口フラスコに、2−tert-ブチル−2−メチル−3−ヒドロキシ−プロピオン酸エチル(3.07g,16.3mmol,純度 91%(GC面百値))、テトラヒドロフラン(20mL)を入れた。この溶液に、オイル懸濁の60wt%水素化ナトリウム(1.3g,32.3mmol)を加え、室温(25℃)にて30分間撹拌した。ヨードエタン(2.7mL,32.8mmol)を加え、還流温度(66℃)まで昇温した。還流下2時間攪拌し、ガスクロマトグラフィー測定により反応物を分析した。その結果、生成した目的の化合物(3−エトキシ−2−tert-ブチル−2−メチル−プロピオン酸エチル)の面積百分率(GC面百値)は92%であった。その反応混合物に残存する2−tert-ブチル−2−メチル−3−ヒドロキシ−プロピオン酸エチルの面積百分率(GC面百値)は0%であった。
【0060】
(実施例6)
窒素気流下100mL2つ口フラスコに、2−tert-ブチル−2−メチル−3−ヒドロキシ−プロピオン酸エチル(0.50g,2.66mmol,純度 91%(GC面百値))、テトラヒドロフラン(10mL)を入れた。この溶液に、オイル懸濁の60wt%水素化ナトリウム(0.21g,5.22mmol)を加え、室温(25℃)にて30分間撹拌した。ヨードエタン(0.43mL,5.22mmol)を加え、室温にて12時間攪拌し、ガスクロマトグラフィー測定により反応物を分析した。その結果、生成した目的の化合物(3−エトキシ−2−tert-ブチル−2−メチル−プロピオン酸エチル)の面積百分率(GC面百値)は57%であった。その反応混合物に残存する2−tert-ブチル−2−メチル−3−ヒドロキシ−プロピオン酸エチルの面積百分率(GC面百値)は32%であった。
【0061】
(実施例7)
窒素気流下100mL2つ口フラスコに、2−tert-ブチル−2−メチル−3−ヒドロキシ−プロピオン酸エチル(0.50g,2.66mmol,純度 91%(GC面百値))、テトラヒドロフラン(10mL)を入れた。この溶液に、オイル懸濁の60wt%水素化ナトリウム(0.42g,10.4mmol)を加え、室温(25℃)にて30分間撹拌した。ヨードエタン(0.85mL,10.4mmol)を加え、室温(25℃)にて12時間攪拌し、ガスクロマトグラフィー測定により反応物を分析した。その結果、生成した目的の化合物(3−エトキシ−2−tert-ブチル−2−メチル−プロピオン酸エチル)の面積百分率(GC面百値)は84%であった。その反応混合物に残存する2−tert-ブチル−2−メチル−3−ヒドロキシ−プロピオン酸エチルの面積百分率(GC面百値)は0%であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1)で表されるβ−ハイドロカルビルオキシエステル誘導体。

(式中、R、R、RおよびRは、同一または相異なり、炭素原子数1〜20のアルキル基または炭素原子数2〜20のアルケニル基を表し、
は、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数3〜10のシクロアルキル基、
炭素原子数6〜20のアリール基、または炭素原子数7〜20のアラルキル基を表し、
は、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数3〜10のシクロアルキル基または炭素原子数7〜20のアラルキル基を表す。)
【請求項2】
、R、RおよびRは、同一または相異なり、炭素原子数1〜6のアルキル基であり、RおよびRは前記のとおりである請求項1に記載のβ−ハイドロカルビルオキシエステル誘導体。
【請求項3】
は、炭素原子数1〜6のアルキル基である請求項1または2記載のβ−ハイドロカルビルオキシエステル誘導体。
【請求項4】
は、炭素原子数1〜6のアルキル基である請求項1〜3のいずれかに記載のβ−ハイドロカルビルオキシエステル誘導体。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の誘導体の製造方法であって、下記式(2)で表される化合物と、下記式(3)で表される化合物とを、前記式(2)で表される化合物量に対して2.0〜10.0モル比の水素化アルカリ土類金属または水素化アルカリ金属存在下、25℃〜180℃の温度範囲で反応させる前記製造方法。



(式中、R〜Rは前記と同様である。)


(式中、R〜Rは前記と同様である。)


(式中、Rは前記と同様であり、Xは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子またはRSO基を表し、Rは、メチル基、エチル基、フェニル基、4−メチルフェニル基またはトリフルオロメチル基を表す。)

【公開番号】特開2011−231066(P2011−231066A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−104103(P2010−104103)
【出願日】平成22年4月28日(2010.4.28)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】