説明

β−(1,3)−グルクロナンまたはβ−(1,3)−グルコグルクロナンのタイプの一または複数の化合物を含有する美容用組成物

本発明は、β−(1,3)−グルクロナンまたはβ−(1,3)−グルコグルクロナンのタイプ、およびそれらの薬学的に許容可能な塩の一または複数の化合物を含有する美容用組成物、並びに種々の美容的適用のためのこの組成物およびこれら化合物の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の説明】
【0001】
本発明は、β−(1,3)−グルクロナンまたはβ−(1,3)−グルコグルクロナンのタイプ、およびこれらの薬学的に許容可能な塩の一または複数の化合物を含む美容用組成物、並びに種々の美容的適用のための前記組成物および前記化合物の使用に関する。
【0002】
グルクロナンは、β−(1,3)、β−(1,4)、α−(1,3)またはα−(1,4)タイプの結合により連結されたグルクロン酸のセグメントをかなりの割合で含有する、天然のポリサッカリドまたは化学的に酸化された天然のポリサッカリドである。例として、我々は、細菌および真菌のグルクロナンを挙げることができる(Dantas L. et al., Carbohydr. Res. 1994, 265, 303-310; De Ruiter G.A. et al., Carbohyd. Pol. 1992, 18, 1-7; Park J.K. et al., Carbohyd. Pol. 2006, 63, 482-486)。
【0003】
以前の研究により、ポリグルクロン酸は、天然のポリサッカリドから、いわゆるレジオ選択的な化学的酸化ルートにより得られることが示された。特に、酸化剤としての二酸化窒素(NO2/N2O4)によるポリサッカリドの酸化は、しばしば使用される反応である。よって、Vignon et al.は、フランス特許出願FR A 2 873 700で、酸化剤として二酸化窒素を使用した、超臨界状態における不活性ガス中でのセルロースの酸化反応を記載した。この方法により得られたポリグルクロン酸は、セルロースの場合、25.5%までの重量パーセントの比率のカルボン酸を有する。しかし、このタイプの方法は、圧力をかけてガスを扱う際に通例の欠点を有する。更に、ヒポクロライド(hypochloride)ナトリウム媒体中のTEMPO試薬の使用により、ある種のモノサッカリドの第一級アルコール基のレジオ選択的酸化が可能になることが示された(N. J. Davis and S. L. Flitsch, Tetrahedron Letters 1993, 34(7), 1181-1184)。同様の方法を用いて、Vignon et al.は、国際特許出願 WO 03/035699で、TEMPO試薬を用いた、エステル化ポリアンヒドログルコース、より詳細にはセルロースエステルの酸化を記載する。Vignonにより記載される方法は、水溶性または水分散性のエステル化セルロースを用いた作業を必要とする。この方法により得られる生成物は、多くの適用例を有する。
【0004】
よって、特許出願 WO 91/04988は、かかる化合物の錯化剤、添加剤、キャリア、安定化剤または可溶化剤としての使用を記載し、特許出願 US 2003/0209336は、前記化合物のペーパー用の添加剤としての使用を記載する。
【0005】
これら化合物は、美容分野において、使用されたことも、何らかの活性を有すると記載されたこともない。
【0006】
かなり驚くべきことに、これら化合物が、非常に多様な活性を有する美容用組成物の調製のために使用できることがここで発見された。よって、たとえば本発明の範囲内において、β−(1,3)−グルクロナンまたはβ−(1,3)−グルコグルクロナンの一または複数を有効成分として含む美容用組成物が、種々の多様な特性、たとえば、痩身(reducing)、抗セルライト、引き締め(firming)、潤い(hydrating)、抗微生物、抗酸化、抗ラジカル、創傷治癒、リフティング、抗しわ、キレーティング、錯体化および金属イオン封鎖、緩和(soothing)、コンシーリング(concealing)、抗赤味(anti-redness)、および皮膚軟化の特性、髪のもつれを解く特性、抗ふけ特性、髪回復特性、髪コーティング特性、脱毛特性、顔および体の毛の再生を制限する特性、細胞のリニューアルに関与する特性、炎症反応を調整する特性、または卵型の顔の維持に関与する特性を有することが実証された。
【0007】
したがって、本発明は、式(I)のβ−(1,3)−グルクロナンまたはβ−(1,3)−グルコグルクロナン、並びにこれらの薬学的に許容可能な塩の一または複数を有効成分として含む美容用組成物に関する:
【化1】

【0008】
ここで、
− R1、R2およびR3は、同一であっても異なっていてもよく、各グルコース単位に対して独立に選択され、ヒドロキシル、アルコキシ、アシルオキシまたはスルホニルオキシ基を表し;
− Rは、各グルコース単位に対して独立に選択され、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アシル基、または-CH2R4基(ここでR4は、ヒドロキシル、アルコキシ、アシルオキシ、スルホニルオキシ、スルフィニル基を表す)を表し;
− nは、平均分子量が500〜4 000 000ダルトンになるように選択され;
R基の少なくとも0.1%が、当該グルコース単位の各々に対して独立に選択され、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アシル基を表す。
【0009】
本発明の範囲内において、
− 以下の記載で使用される「酸化度」および「分子量」の表現は、分子単独であるか分子の混合物であるかの区別なく、本ケースでは平均値を表す;
− 以下の記載で使用される「β−(1,3)−グルクロナンおよび/またはβ−(1,3)−グルコグルクロナンの酸化度」は、グルクロンユニット、または前記β−(1,3)−グルクロナンおよび/またはβ−(1,3)−グルコグルクロナンの一連のユニットに存在するグルクロン酸に由来するユニットのパーセンテージを指す。より正確には、本発明に従った前述の酸化度は、全体のR基に対する、カルボキシル、アルコキシカルボニルまたはアシル基を表すR基のパーセンテージにより特徴づけられる;
− 「アルキル基」は、飽和の、一価の、直鎖または分枝の、1〜6個の炭素原子を含む炭化水素系鎖を意味し、その代表エレメントは、たとえば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル基である;
− 上記で定義される「アルキル」の用語は、この用語が、アルコキシ基などの基の名称に組み込まれるとき、同じ定義をもつ。よって、アルコキシ基の代表エレメントは、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ基である;
− 「薬学的に許容可能な塩」は、有機溶媒または水性溶媒内、たとえばアルコール、ケトン、エーテルまたは塩素系溶媒内の、酸の作用により無機または有機酸を付加した任意の塩であって、薬学的見地から許容可能な塩を意味する。前記塩の例として、我々は、以下の塩を挙げることができる。:ベンゼンスルホネート、ヒドロブロマイド、ヒドロクロライド、クエン酸塩、エタンスルホネート、フマル酸塩、グルコン酸塩、ヨウ素酸塩、イセチオン酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホネート、メチレン−ビス−b−オキシナフトエート、硝酸塩、シュウ酸塩、パルモエート(palmoate)、リン酸塩、サリチル酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、テオフィリンアセテート、およびp−トルエンスルホネート。
【0010】
好ましくは、本発明は、上記で規定される式(I)のβ−(1,3)−グルクロナンまたはβ−(1,3)−グルコグルクロナンであって、以下の特徴を単独または組み合わせて選択したものの一または複数を有効成分として含む美容用組成物に関する:
− R1、R2およびR3は、同一であっても異なっていてもよく、各グルコース単位に対して独立に選択され、ヒドロキシル、アルコキシ、またはスルホニルオキシ基を表し、好ましくはヒドロキシルまたはアルコキシ基を表す;
− Rは、各グルコース単位に対して独立に選択され、カルボキシルまたはアシル基、または-CH2R4基(ここでR4は、ヒドロキシル、アルコキシ、またはスルホニルオキシ基、好ましくはヒドロキシルまたはアルコキシ基を表す)を表す;
− nは、平均分子量が500〜4 000 000ダルトン、好ましくは500〜2 00 000ダルトン、更に好ましくは5000ダルトン未満になるように選択され、前記オリゴおよび/またはポリサッカリドの重合度は、25のオーダーである;
− 式(I)の化合物は、少なくとも5%、好ましくは少なくとも30%、より好ましくは少なくとも90%の酸化度を有する。更に好ましくは、式(I)の化合物は、100%酸化される。
【0011】
更に好ましくは、本発明は、上記で規定される式(I)のβ−(1,3)−グルクロナンまたはβ−(1,3)−グルコグルクロナンであって、R1、R2およびR3基はヒドロキシル基を表し、R基はカルボキシル基または-CH2OH基を表すものの一または複数を含む美容用組成物に関する。更に好ましくは、本発明は、上記で規定される式(I)のβ−(1,3)−グルクロナンまたはβ−(1,3)−グルコグルクロナンであって、R1、R2およびR3基はヒドロキシル基を表し、R基はカルボキシル基または-CH2OH基を表し、少なくとも95%の酸化度を有する化合物の一または複数を含む美容用組成物に関する。
【0012】
本発明は、より詳細には、式(II)のβ−(1,3)−グルクロナンの一または複数を有効成分として含む美容用組成物に関する:
【化2】

【0013】
ここでnは、平均分子量が500〜2 500 000ダルトンになるように選択される。
【0014】
好ましくは、本発明は、上記で規定される式(II)のβ−(1,3)−グルクロナンであって、nは、平均分子量が500〜200 000ダルトン、好ましくは500〜5000ダルトンになるように選択されるものの一または複数を有効成分として含む美容用組成物に関する。
【0015】
更に好ましくは、本発明は、種々の酸化度を有する、直鎖で非分枝のβ−(1,3)−グルクロナンまたはβ−(1,3)−グルコグルクロナンであって、以下から選択されるものの一または複数を有効成分として含む美容用組成物に関する:
− 500〜2 500 000ダルトンの分子量を有するβ−(1,3)−D−ポリグルクロン酸;
− 600〜3 500 000ダルトンの分子量を有する過アセチル化β−(1,3)−D−ポリグルクロン酸;および
− C2およびC4の位置で硫酸化された、800〜4 000 000ダルトンの分子量を有するβ−(1,3)−D−ポリグルクロン酸。
【0016】
上記で規定されるβ−(1,3)−グルクロナンおよび/またはβ−(1,3)−グルコグルクロナンのタイプの化合物は、当業者に周知の方法により調製することができる。前記方法の例として、我々は、直鎖、非分枝の非エステル化β−(1,3)−グルカンの少なくとも一つから出発し、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシル(TEMPO)および共添加物(co-additive)としての少なくとも一つの次亜塩素酸アルカリ金属を用いた、前記β−(1,3)−グルカンのC6の位置のレジオ選択的酸化の少なくとも一つの操作を含む調製方法を挙げることができる。
【0017】
好ましくは、本発明の方法におけるレジオ選択的酸化の前述の段階は、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシル(TEMPO)と、次亜塩素酸アルカリ金属の共添加物を、臭化アルカリ金属と一緒に用いて行われる。より好ましくは、次亜塩素酸アルカリ金属の共添加物は、次亜塩素酸ナトリウムであり、臭化アルカリ金属は、臭化ナトリウムである。
【0018】
本発明の方法を実施するために使用される前述の直鎖、非分枝、非エステル化β−(1,3)−グルカンは、以下の記載において「基質」と称される。
【0019】
前記基質は、合成または半合成により得られる直鎖、非分枝、非エステル化β−(1,3)−グルカンであってもよいし、あるいは、天然由来のもの、好ましくは細菌由来のものであってもよい。前記基質は、500〜2 500 000ダルトンのオーダーの重量のモル質量を有することができる。
【0020】
好ましくは、前記基質は、水溶性である(アルカリ性pHの水において少なくとも1 g/Lの溶解度)か、または時間経過後に凝集物を形成しない、直鎖、非分枝、非エステル化β−(1,3)−グルカンから選択される。
【0021】
好ましい基質は、カードラン(curdlan)、直鎖、非分枝、約2 000 000〜2 500 000ダルトンの分子サイズのβ−(1,3)−グルカンであり、これは、アグロバクテリウム(Agrobacterium)属およびリゾビウム(Rhizobium)属の細菌により特に産生される。
【0022】
選択的な酸化段階は、一般に、特許出願FR A 2 831 171に記載される方法に従って行われる。
【0023】
前記方法により調製されるβ−(1,3)−グルコグルクロナンの様々な酸化度は、たとえば、前述の選択的な酸化段階の反応時間を制御することにより得ることができる。とりわけ、基質の完全な酸化を達成することができる。よって、前述の選択的酸化反応は、たとえば、塩酸または硫酸などの無機酸を添加することにより停止させることができる。β−(1,3)−グルクロナンおよび/またはβ−(1,3)−グルコグルクロナンは、必要に応じて、エタノールなどのアルコールを用いて沈殿させることができる。酸化段階の終わりに得られるβ−(1,3)−グルクロナンおよび/またはβ−(1,3)−グルコグルクロナンは、必要に応じて、任意の公知の通常の方法、たとえば再溶解、洗浄、透析、またはタンジェンシャルフローナノ濾過および限外濾過により精製することができる。
【0024】
よって、好ましい方法は、カルボキシル基から構成されるR基を少なくとも95%有するβ−(1,3)−グルコグルクロナン、またはβ−(1,3)−グルクロナンを得ることを可能にするものである。
【0025】
得られたβ−(1,3)−グルクロナンおよび/またはβ−(1,3)−グルコグルクロナンの特性を調節するために、前述の方法の前述の選択的な酸化段階に続いて、以下の二つの段階を任意の順に行うことができる:
a)メチル、メチルオキシ、エチル、エチルオキシ、ブチル、ブチルオキシ、イソブチル、イソブチルオキシ、プロピル、プロピルオキシ、イソプロピル、イソプロピルオキシ、スルフェート、スルホアセテート、アセテート、プロピオネート、アセトブチレート、アセトプロピオネート、グリセレートまたはホスホリルから選択される官能基を用いた化学的官能基付与の操作;
b)化学的および/または物理的および/または酵素的分解の操作。
【0026】
好ましくは、前述の方法の前述の選択的な酸化段階に続いて、以下の二つの段階を任意の順に行うことができる:
c)メチル、メチルオキシ、エチル、エチルオキシ、ブチル、ブチルオキシ、スルフェート、スルホアセテート、またはホスホリルから選択される官能基を用いた化学的官能基付与の操作;
d)化学的および/または物理的および/または酵素的分解の操作。
【0027】
前記段階は、公知の方法に従って行うことができる。前記段階または前記方法の二つの段階のいずれかの終わりに得られる中間体および/または最終産物のβ−(1,3)−グルクロナンおよび/またはβ−(1,3)−グルコグルクロナンは、必要に応じて、任意の通常の公知の方法、たとえば再溶解、洗浄、透析による塩の除去、またはタンジェンシャルフローナノ濾過または限外濾過により精製することができる。
【0028】
式(I)または(II)により表されるβ−(1,3)−グルクロナンおよび/またはβ−(1,3)−グルコグルクロナンまたは本発明の方法により得られる中間体は、通常の公知の方法、たとえば再溶解、洗浄、透析、またはタンジェンシャルフローナノ濾過および限外濾過により精製することができる。
【0029】
本発明の組成物は、薬剤の形態:クリーム、ゲル、ローション、ミルク、水中油または油中水エマルジョン、溶液、軟膏、スプレー、ボディーオイル、ヘアローション、シャンプー、アフターシェーブローション、石鹸、保護リップスティック、メーキャップスティックおよびペンシルの形態で、パウダー形態では0.01%〜75 wt.%、好ましくは0.01%〜25%の含量、カプセル化形態では0.01%〜35%、好ましくは0.01%〜15%の含量で調合することができる。
【0030】
これら組成物の調製のために、β−(1,3)−グルクロナンまたはβ−(1,3)−グルコグルクロナンのタイプの一または複数の化合物、またはこれらの薬学的に許容可能な塩の一または複数を、化粧品産業で一般に使用される賦形剤と混合する。
【0031】
本発明の組成物は、クリームの形態とすることができ、ここで、β−(1,3)−グルクロナンまたはβ−(1,3)−グルコグルクロナンのタイプの一または複数の化合物、またはこれらの薬学的に許容可能な塩の一または複数は、化粧品学で通常使用される賦形剤と配合される。
【0032】
本発明の組成物は、適切な賦形剤、たとえばセルロースエステルまたは他のゲル化剤、たとえばカルボポール(carbopol)、グアーガムなどでゲルの形態とすることができる。
【0033】
本発明の組成物は、ローションまたは溶液の形態とすることもでき、ここで、β−(1,3)−グルクロナンまたはβ−(1,3)−グルコグルクロナンのタイプの一または複数の化合物、またはこれらの薬学的に許容可能な塩の一または複数は、カプセル化形態である。
【0034】
本発明のミクロスフェアは、たとえば、脂肪、寒天および水から構成することができる。β−(1,3)−グルクロナンまたはβ−(1,3)−グルコグルクロナンのタイプの一または複数の化合物、またはこれらの薬学的に許容可能な塩の一または複数は、キャリア、たとえばリポソーム、グリコスフェア(glycosphere)、シクロデキストリン、カイロミクロン、マクロ−、ミクロ−、ナノ粒子、並びにマクロ−、ミクロ−およびナノカプセルに組み込まれていてもよいし、粉状の有機ポリマー、タルク、ベントナイトおよび他のミネラル支持体の上に吸着されていてもよい。
【0035】
これらエマルジョンは、優れた安定性をもち、0〜50℃の温度で、構成成分の沈殿や相分離を起こすことなく、使用に必要な時間保存することができる。
【0036】
本発明の組成物は、化粧品学でよく見られる添加剤またはアジュパントを含有していてもよく、たとえば抗菌剤や香料、更に、抽出または合成の脂質、ゲル化および粘度上昇ポリマー、界面活性剤および乳化剤、水溶性もしくは脂溶性の有効成分、植物抽出物、組織抽出物、マリン抽出物または合成の活性剤(actives)が挙げられる。
【0037】
本発明の組成物は、作用のために選択された他の追加の有効成分、たとえば、痩身(reducing)効果、抗セルライト効果、引き締め(firming)効果、潤い(hydrating)効果、抗微生物活性、抗酸化活性、抗ラジカル活性、創傷治癒効果、リフティング効果、抗しわ効果、キレーティング活性、錯体化および金属イオン封鎖活性、緩和(soothing)効果、コンシーリング(concealing)効果、抗赤味(anti-redness)効果、皮膚軟化活性、髪のもつれを解く効果、抗ふけ活性、髪回復効果、髪コーティング効果、脱毛活性、顔および体の毛の再生を制限する活性、細胞のリニューアルに関与する活性、炎症反応を調整する活性、または卵型の顔の維持に関与する活性、更に、日光防御、抗刺激活性、細胞栄養、細胞呼吸、抗脂漏性処理、皮膚の張性、頭髪の保護のために選択された他の追加の有効成分を含んでいてもよい。
【0038】
本発明の組成物が、追加の有効成分を含有する場合、後者は、その活性を発揮するのに充分高い濃度で組成物中に一般に存在する。
【0039】
本発明の組成物は、好ましくは、一日に1回以上適用するデイリー用である。
【0040】
本発明の組成物は、非常に耐性があり、毒性を示さず、長期間にわたる皮膚への適用が、系統的な効果につながることはない。
【0041】
本発明の組成物は、多くの美容適用のために使用することができる。例として、我々は、痩身(reducing)組成物、抗セルライト組成物、引き締め(firming)組成物、潤い(hydrating)組成物、抗微生物組成物、抗酸化組成物、抗ラジカル組成物、創傷治癒組成物、リフティング組成物、抗しわ組成物、キレーティング組成物、錯体化および金属イオン封鎖組成物、緩和(soothing)組成物、コンシーリング(concealing)組成物、抗赤味(anti-redness)組成物、皮膚軟化組成物、髪のもつれを解く組成物、抗ふけ組成物、髪回復組成物、髪コーティング組成物、脱毛組成物、顔および体の毛の再生を制限する組成物、細胞のリニューアルに関与する組成物、炎症反応を調整する組成物、および卵型の顔の維持に関与する組成物としての、本発明の組成物の使用を挙げることができる。好ましくは、本発明の組成物は、痩身(reducing)組成物、抗セルライト組成物、引き締め(firming)組成物、創傷治癒組成物、抗しわ組成物、コンシーリング(concealing)組成物、または抗炎症組成物として使用される。更に好ましくは、本発明の組成物は、痩身(reducing)組成物として使用される。
【0042】
実際、本発明に従って規定される式(I)のβ−(1,3)−グルクロナンまたはβ−(1,3)−グルコグルクロナンの化合物は、免疫応答の調節と関連した細胞外マトリクスの再構築を担うコラーゲンのフィブリルの産生および組織化を誘導することが見出された。このことに基づいて、これら化合物は、細胞のリニューアルのため、炎症の調節のため、緩和(soothing)剤、および潤い(hydrating)剤として使用することができる。
【0043】
また、本発明に従って規定される式(I)のβ−(1,3)−グルクロナンまたはβ−(1,3)−グルコグルクロナンの化合物は、局所または全身に適用した場合に、痩身美容特性を示すことが見出された。実際、これら化合物は、アジポカイン(adipokine)をコードするANGPTL4遺伝子を過剰発現に導き、アジポカインは、脂肪組織に接着した血管内皮細胞に固定される酵素リポタンパク質リパーゼ(LPL)の活性を阻害する特性を顕著に有する。この酵素阻害は、リポタンパク質から含脂肪細胞への脂肪酸の移動を妨害し、これにより脂質生成を大きく減少させる。更に、アジポカインは、含脂肪細胞に存在する酵素ATGL(脂肪トリグリセリドリパーゼ)を活性化する特性を有する。よって、この酵素活性化は、脂肪分解および含脂肪細胞からの脂肪酸の放出を大きく増大させる。
【0044】
よって、本発明の別の対象は、痩身(reducing)剤、抗セルライト剤、引き締め(firming)剤、潤い(hydrating)剤、抗微生物剤、抗酸化剤、抗ラジカル剤、創傷治癒剤、リフティング剤、抗しわ剤、キレーティング剤、錯体化および金属イオン封鎖剤、緩和(soothing)剤、コンシーリング(concealing)剤、抗赤味(anti-redness)剤、皮膚軟化剤、髪のもつれを解く薬剤、抗ふけ剤、髪回復剤、髪コーティング剤、脱毛剤、顔および体の毛の再生を制限する薬剤、細胞のリニューアルに関与する薬剤、炎症反応を調整する薬剤、および卵型の顔の維持に関与する薬剤としての、本発明に従って規定される式(I)のβ−(1,3)−グルクロナンまたはβ−(1,3)−グルコグルクロナンの一または複数の使用に関する。好ましくは、本発明に従って規定される式(I)のβ−(1,3)−グルクロナンまたはβ−(1,3)−グルコグルクロナンは、痩身(reducing)剤、抗セルライト剤、引き締め(firming)剤、創傷治癒剤、抗しわ剤、コンシーリング(concealing)剤、または抗炎症剤として使用される。更に好ましくは、本発明に従って規定される式(I)のβ−(1,3)−グルクロナンまたはβ−(1,3)−グルコグルクロナンは、痩身(reducing)剤として使用される。
【0045】
本発明は、以下の実施例により詳説されるが、以下の実施例に限定されない。
【0046】
実施例1 − β−(1,3)−グルクロナンまたはβ−(1,3)−グルコグルクロナン化合物の調製例
13C NMRスペクトルを、Avance 400 Bruker NMRスペクトロメーター (9.4 T, 400 MHz) で記録した。30000アキュムレーションを30℃で実施した。
【0047】
液体媒体中でのβ−(1,3)−グルクロナンの産生(少なくとも95%の酸化度)
カードラン (10 g) を蒸留水 (1 L) 中に、0℃の温度でpH 10で溶解する。TEMPO (43.3 g)、NaBr (0.95 g) およびNaClO (13%で50 mL)を反応混合物に添加する。酸化反応を、メタノールを添加することにより1時間後に停止させ、その後、塩酸 (2M) で中和する。形成されたβ−(1,3)−グルクロナンを氷冷アルコールで沈殿させる。その後、この陰イオンポリサッカリドを遠心分離 (15000 g, 20 min, 4℃) により回収し、最後に凍結乾燥 (24 h) により乾燥させる。
【0048】
13C NMR分析により、第一級アルコール (CH2OH) をもつC6炭素に相当する61.4 ppmのシグナルが完全に消失し、カードランのC6炭素のカルボキシル化 (COO-) に特徴的な175.5 ppmの新たなシグナルが現れたため、カードランのC6炭素の完全な酸化が明らかである。また、酸化度は、電気伝導度の決定により計算される。
【0049】
液体媒体中でのβ−(1,3)−グルコグルクロナンの産生(41%酸化)
カードラン (10 g) を蒸留水 (1 L) 中に、0℃の温度でpH 10で溶解する。TEMPO (43.3 g)、NaBr (0.95 g) およびNaClO (13%で50 mL)を反応混合物に添加する。酸化反応を、メタノールを添加することにより30分後に停止させ、その後、塩酸 (2M) で中和する。形成されたβ−(1,3)−グルコグルクロナンを氷冷アルコールで沈殿させる。その後、この部分的に酸化されたポリサッカリドを遠心分離 (15000 g, 20 min, 4℃) により回収し、最後に凍結乾燥 (24 h) により乾燥させる。
【0050】
13C NMR分析により、175.5 ppmおよび61.4 ppmのシグナルのインテグレーションにより、カードランのC6炭素の部分的な酸化(41%)が明らかである。
【0051】
β−(1,3)−グルクロナンの熱劣化
β−(1,3)−グルクロナンの溶液(水中10 g/L)を100℃の温度で20分間加熱する。冷却後、溶液を酸性化し(pH 2)、その後、遠心分離する (15000 g, 20 min, 4℃)。オリゴサッカリドを含有する上清を回収し、中和し、凍結乾燥により乾燥させる。
【0052】
β−(1,3)−グルクロナンの過アセチル化(peracetylation)
β−(1,3)−グルクロナンの溶液(ピリジン中10 g/L)に無水酢酸を添加し(1体積)、室温で少なくとも24時間(24-48時間)維持し、その後、真空下で蒸発させる。このようにして得た過アセチル化β−(1,3)−グルクロナンを回収する。
【0053】
これら分子の13C NMR分析により、アセテートのメチル基に特徴的な23.4 ppmのシグナルの存在が明らかになり、β−(1,3)−ポリグルクロン酸のアセチル化が確認される。
【0054】
β−(1,3)−グルクロナンの過硫酸化(persulfation)
β−(1,3)−グルクロナンの溶液(DMF中10 g/L)にSO3/DMFの溶液を添加し(1体積)、室温で少なくとも24時間(24-48時間)維持し、その後、凍結乾燥させる前に中和する。硫酸化度は、電位差の決定により測定される。
【0055】
例2:β−(1,3)−グルクロナンおよびβ−(1,3)−グルコグルクロナン化合物の美容的活性
β−(1,3)−グルクロナン化合物またはβ−(1,3)−グルコグルクロナン化合物の混合物の生物学的活性を、分子生物学のオリジナル方法(転写技術)により選別し、美容学で慣用的に使用される方法論により検出した。
【0056】
例2.1:β−(1,3)−グルクロナン化合物またはβ−(1,3)−グルコグルクロナン化合物の混合物の痩身、抗セルライト、抗ミカン肌活性
これら化合物の一または複数の非存在下または存在下においてインビトロで培養したヒト繊維芽細胞で実施した転写研究により、これら分子が、同じ名称のアジポカイン(adipokine)をコードするANGPTL4遺伝子を過剰発現に導くことが示された。脂肪組織で局所的に産生されるこのアジポカインは、酵素リポタンパク質リパーゼ(LPL)の活性を阻害し、これによりリポタンパク質から含脂肪細胞への脂肪酸の移動を妨害し、これにより脂質生成を大きく減少させる。同時に、このアジポカインは、含脂肪細胞に存在する酵素ATGL(脂肪トリグリセリドリパーゼ)を活性化し、これにより脂肪分解および含脂肪細胞からの脂肪酸の放出を大きく増大させる。
【0057】
これらの結果は、0.5%濃度のβ−(1,3)−グルクロナン化合物またはβ−(1,3)−グルコグルクロナン化合物の混合物の非存在下または存在下で培養された含脂肪細胞について実施したインビトロ研究により補充され、この研究により、これらの分子が、含脂肪細胞の脂質小胞にトリグリセリドの形態で保存される脂肪酸の密度を25%のオーダーで減少させることが示された。
【0058】
更に、プレ含脂肪細胞(pre-adipocyte)について実施した第二のインビトロ研究により、これら化合物の一または複数の使用(0.5%の濃度)は、プレ含脂肪細胞の成熟含脂肪細胞への分化を大きく減少させる(マーカーaP2/FABP4の発現を減少させる)ことが示された。
【0059】
β−(1,3)−グルクロナン化合物またはβ−(1,3)−グルコグルクロナン化合物の混合物により誘導される、脂質生成の減少、脂質分解の増大、含脂肪細胞からの脂肪酸の放出の増大、これら脂肪酸の利用の増大、およびプレ含脂肪細胞の成熟含脂肪細胞への分化の減少が、これら分子の痩身活性の証拠を提供する。
【0060】
ヒトボランティアに対して実施した臨床研究により、3%のβ−(1,3)−グルクロナン化合物または3%のβ−(1,3)−グルコグルクロナン化合物の混合物を含有するクリームの形態の美容用調製物を毎日局所適用すると、これら個体の63%以上でセルライトの有意な減少につながることが示された。ミカン肌は、(プラセボで処置したボランティアグループの27%に対し)ボランティアの53%で減少した。
【0061】
例2.2:β−(1,3)−グルクロナン化合物またはβ−(1,3)−グルコグルクロナン化合物の混合物の創傷治癒活性および組織リモデリングに対する効果
これら化合物の一または複数の非存在下または存在下においてインビトロで培養したヒト繊維芽細胞で実施した転写研究により、これら分子が、遺伝子MMP、EGR1、WNT11、PDGFD、TFPI2、PTGS2を過剰発現に導き、瘢痕形成および組織リモデリングのプロセスに関与する同じ名称のタンパク質をコードするHAPLN1遺伝子を発現低下に導くことが示された。実際、金属タンパク分解酵素(MMP)の(TEPI2およびPDGFDの制御下の)一過性誘導およびHAPLN1の(TFPI2の制御下の)一過性阻害は、主にコラーゲン繊維に対する異化作用により、細胞外マトリクスの(瘢痕形成を必要とする)ストレス部位を一過的に局所的に不安定にする。TFPI2により制御される細胞外マトリクスの分解後、これにより、ダメージを受けたコラーゲン繊維は除去され、組織リモデリングのプロセスに必須の細胞(繊維芽細胞、ケラチノサイト、メラノサイトなど)は(PTGS2により制御される)移動および増殖をし、タンパク質EGR1およびWNT11は、コラーゲン繊維の合成を刺激し、その結果、新たな細胞外マトリクスを再構築し、安定化させる。したがって、これらタンパク質の発現の誘導により、β−(1,3)−グルクロナン化合物またはβ−(1,3)−グルコグルクロナン化合物の混合物は、化粧品、とりわけ、創傷治癒、抗老化、抗しわ、コンシーリング、リフティング、引き締め、および潤い製品、並びに卵型の顔を維持することを助ける製品で使用することができる、創傷治癒活性および組織リモデリングに対する作用を有する。
【0062】
例2.3:β−(1,3)−グルクロナン化合物またはβ−(1,3)−グルコグルクロナン化合物の混合物の細胞リニューアルに対する効果
β−(1,3)−グルクロナン化合物またはβ−(1,3)−グルコグルクロナン化合物の混合物の非存在下または存在下においてインビトロで培養したヒト繊維芽細胞で実施した転写研究により、これら分子が、化粧品のターゲット細胞である繊維芽細胞、ケラチノサイトおよびメラノサイトの(過剰発現されるTFPI2の制御下の)活性化、増殖および分化を担う、同じ名称のタンパク質をコードする遺伝子EGR1、PTGS2、PDGFD、NPTX1を過剰発現に導くことが示された。
【0063】
例2.4:β−(1,3)−グルクロナン化合物またはβ−(1,3)−グルコグルクロナン化合物の混合物の抗炎症活性
これら化合物の一または複数の非存在下または存在下においてインビトロで培養したヒト繊維芽細胞で実施した転写研究により、これら分子が、抗炎症活性を担う同じ名称のタンパク質をコードする遺伝子NPTX1、PTGS2およびAPOEを過剰発現に導くことが示された。実際、タンパク質PTGS2は、プロスタグランジンE2のプロスタグランジンD2(炎症前)へのスイッチを阻害することにより、炎症の負の調節因子の役割を果たす。更に、APOEは、炎症部位への単球の流入を減少させることにより炎症の負の調節因子として作用する。NPTX1は、その役割のため、T細胞の活性化を阻害する。したがって、これらタンパク質の発現の誘導により、β−(1,3)−グルクロナン化合物またはβ−(1,3)−グルコグルクロナン化合物の混合物は、化粧品、とりわけ、抗炎症、抗赤味および/または緩和製品で使用することができる抗炎症活性を有する。
【0064】
例2.5:β−(1,3)−グルクロナン化合物またはβ−(1,3)−グルコグルクロナン化合物の混合物の抗酸化および抗ラジカル活性
これら化合物の一または複数の非存在下または存在下においてインビトロで培養したヒト繊維芽細胞で実施した転写研究により、これら分子が、抗酸化および抗ラジカル活性を担う同じ名称のタンパク質をコードする遺伝子ALDH3A1、EPXH1およびHSPA6を過剰発現に導くことが示された。実際、タンパク質ALDH3A1は、フリーラジカルの直接的なトラッピング、酸化還元バランスの維持、グルタチオン状態の維持(抗酸化分子)、並びに脂質および過酸化アルデヒドの無毒化に同時に関与する。更に、タンパク質EPXH1は、過酸化脂質の代謝および求電子体(酸化スチレン、酸化エチレン、ガンマ照射など)の無毒化に関与する。タンパク質HSPA6は、その役割のため、細胞レベルにおいて全般的に酸化ストレスに対して活性である。したがって、これらタンパク質の発現の誘導により、β−(1,3)−グルクロナン化合物またはβ−(1,3)−グルコグルクロナン化合物の混合物は、有効成分として、および/または他の化合物と組み合わせて、抗酸化および/または抗ラジカル活性を有する美容用組成物の調製のために使用することができる。
【0065】
例2.6:β−(1,3)−グルクロナン化合物またはβ−(1,3)−グルコグルクロナン化合物のキレーティングおよび金属イオン封鎖活性
β−(1,3)−グルクロナン化合物またはβ−(1,3)−グルコグルクロナン化合物は、一価および二価の陽イオンをキレーティングおよび金属イオン封鎖することができる多価陰イオン分子である。このことは、一価の陽イオン(特にNa+およびCu+)および/または二価の陽イオン(特にCu2+、Ca2+、Mg2+およびZn2+など)を、攪拌しながら、β−(1,3)−グルクロナン化合物またはβ−(1,3)−グルコグルクロナン化合物の混合物の存在下で溶解させることにより実証された。化合物を回収し、洗浄した後、原子吸光による調査により、β−(1,3)−グルクロナン化合物またはβ−(1,3)−グルコグルクロナン化合物の混合物は、一価および二価の陽イオンをキレーティングおよび金属イオン封鎖することが示された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)のβ−(1,3)−グルクロナンまたはβ−(1,3)−グルコグルクロナン、並びにこれらの薬学的に許容可能な塩の一または複数を有効成分として含む美容用組成物:
【化1】

ここで、
− R1、R2およびR3は、同一であっても異なっていてもよく、各グルコース単位に対して独立に選択され、ヒドロキシル、アルコキシ、アシルオキシまたはスルホニルオキシ基を表し;
− Rは、各グルコース単位に対して独立に選択され、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アシル基、または-CH2R4基(ここでR4は、ヒドロキシル、アルコキシ、アシルオキシ、スルホニルオキシ、スルフィニル基を表す)を表し;
− nは、平均分子量が500〜4 000 000ダルトンになるように選択され;
R基の少なくとも0.1%が、当該グルコース単位の各々に対して独立に選択され、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アシル基を表す。
【請求項2】
R1、R2およびR3は、同一であっても異なっていてもよく、各グルコース単位に対して独立に選択され、ヒドロキシル、アルコキシ、またはスルホニルオキシ基を表すことを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
Rは、各グルコース単位に対して独立に選択され、カルボキシルまたはアシル基、または-CH2R4基(ここでR4は、ヒドロキシル、アルコキシ、スルホニルオキシ基を表す)を表すことを特徴とする、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
nは、平均分子量が500〜4 000 000ダルトンになるように選択されることを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の組成物。
【請求項5】
式(I)の化合物が、少なくとも5%の酸化度を有することを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載の組成物。
【請求項6】
組成物が、式(II)のβ−(1,3)−グルクロナンの一または複数を有効成分として含むことを特徴とする、請求項1に記載の組成物:
【化2】

ここでnは、平均分子量が500〜2 500 000ダルトンになるように選択される。
【請求項7】
式(I)の化合物が、様々な酸化度を有し、以下のものから選択されることを特徴とする、請求項1に記載の組成物:
− 500〜2 500 000ダルトンの分子量を有するβ−(1,3)−D−ポリグルクロン酸;
− 600〜3 500 000ダルトンの分子量を有する過アセチル化β−(1,3)−D−ポリグルクロン酸;および
− C2およびC4の位置で硫酸化された、800〜4 000 000ダルトンの分子量を有するβ−(1,3)−D−ポリグルクロン酸。
【請求項8】
痩身(reducing)組成物としての、請求項1〜7の何れか1項に記載の組成物の使用。
【請求項9】
抗セルライト組成物、引き締め(firming)組成物、潤い(hydrating)組成物として、抗微生物組成物として、抗酸化組成物として、抗ラジカル組成物として、創傷治癒組成物として、リフティング組成物として、抗しわ組成物として、キレーティング組成物として、錯体化および金属イオン封鎖組成物として、緩和(soothing)組成物として、コンシーリング(concealing)組成物として、抗赤味(anti-redness)組成物として、皮膚軟化組成物として、髪のもつれを解く組成物として、抗ふけ組成物として、髪回復組成物として、髪コーティング組成物として、脱毛組成物として、顔および体の毛の再生を制限する組成物として、細胞のリニューアルに関与する組成物として、炎症反応を調整する組成物として、または卵型の顔の維持に関与する組成物としての、請求項1〜7の何れか1項に記載の組成物の使用。
【請求項10】
痩身(reducing)剤としての、請求項1〜7の何れか1項に規定されるβ−(1,3)−グルクロナンまたはβ−(1,3)−グルコグルクロナンの使用。
【請求項11】
抗セルライト組成物、引き締め(firming)組成物、潤い(hydrating)組成物として、抗微生物組成物として、抗酸化組成物として、抗ラジカル組成物として、創傷治癒組成物として、リフティング組成物として、抗しわ組成物として、キレーティング組成物として、錯体化および金属イオン封鎖組成物として、緩和(soothing)組成物として、コンシーリング(concealing)組成物として、抗赤味(anti-redness)組成物として、皮膚軟化組成物として、髪のもつれを解く組成物として、抗ふけ組成物として、髪回復組成物として、髪コーティング組成物として、脱毛組成物として、顔および体の毛の再生を制限する組成物として、細胞のリニューアルに関与する組成物として、炎症反応を調整する組成物として、または卵型の顔の維持に関与する組成物としての、請求項1〜7の何れか1項に規定されるβ−(1,3)−グルクロナンまたはβ−(1,3)−グルコグルクロナンの使用。

【公表番号】特表2010−537959(P2010−537959A)
【公表日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−522415(P2010−522415)
【出願日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際出願番号】PCT/FR2008/001211
【国際公開番号】WO2009/060140
【国際公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【出願人】(510051680)
【氏名又は名称原語表記】GREENTECH
【住所又は居所原語表記】Biopole Clermont−Limagne, 63360 ST BEAUZIRE, FRANCE
【出願人】(510055954)ウニベルシテ・ブレーズ・パスカル (1)
【氏名又は名称原語表記】Universite Blaise Pascal
【住所又は居所原語表記】34 avenue Carnot, 63000 CLERMONT FERRAND, FRANCE
【Fターム(参考)】