説明

いずれの基地局が端末をハンドリングしなければならないのかを選択するための方法及びデバイス

【課題】無線セルラー電気通信ネットワークにおいて、複数の基地局の中でいずれの基地局が半二重端末をハンドリングしなければならないのかを選択する方法を提供する。
【解決手段】基地局はそれぞれのセルにおいて信号を転送し、半二重端末は、基地局によってハンドリングされているときに、アイドル期間中に信号の転送及び受信を行わない、方法に関する。方法は、基地局によって転送された信号に関する品質測定値を取得し、各基地局によって転送された信号に関する品質測定値から、適切な変調/符号化方式を求め、各基地局について、その基地局によるハンドリングされるためにアイドル期間を取得し、品質測定値及びアイドル期間から、基地局BSと半二重端末との間で予測することができる実効スループットを求め、且つ実効スループットに従って、端末をハンドリングしなければならない基地局を選択する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包括的には、無線セルラー電気通信ネットワークにおいて、いずれの基地局が端末をハンドリングしなければならないのかを選択するための方法及びデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
無線セルラー電気通信ネットワークへの接続を端末が試みているとき、その端末をハンドリングするのにいくつかの基地局が利用可能な場合がある。したがって、その端末をハンドリングすることができる基地局に端末の受信機を同期させるために、すなわち、端末が基地局を通じて他の電気通信デバイスと通信することを可能にすることができるように、初期セルサーチ手順が端末から要求される。次に、全体的なネットワーク効率を最適化するように、特定の基地局による新しい端末のハンドリングが決定される。
【0003】
同様に、別の基地局による端末のハンドリングも、いわゆるハンドオーバ手順に従って通信中に決定することができる。
【0004】
端末と基地局との間のチャネルの品質は、端末と基地局との間の距離、障害物の存在等のような伝播環境に従って変化する場合がある。
【0005】
初期セルサーチ手順には、端末によるダウンリンクチャネルの信号の検出が必要とされ、より正確には、同期チャネル、パイロットチャネル、又はデータチャネル等の測定チャネルの信号の検出が必要とされる。各基地局は、その信号を規則的に転送する。異なる測定チャネルの信号は検出されることができ、これらの信号の品質は端末によって評価される。その後、端末は、これらの信号の品質の測定値を記憶することができる。
【0006】
初期セルサーチ手順は、信号が最良の品質で受信される基地局を識別することに本質があり、たとえば、端末によって受信された基地局からの信号が、所定の値よりも上の電力強度を有し、且つ/又は、他の基地局によって転送された信号の電力強度よりも高い電力強度を有する基地局を識別することに本質がある。
【0007】
この基地局が識別されると、競合ベースのチャネル、すなわち、予約メカニズムなしでいずれの端末にとってもアクセス可能なチャネルを通じて、識別された基地局に向かって、端末によりランダムアクセス手順が開始される。
【0008】
基地局は、その新しい端末を識別し、通信を確立するためのダウンリンク固有制御情報(たとえば、資源予約、アップリンク同期不一致(uplink synchronisation mismatch)等)を端末へ送信する。
【0009】
従来、理論的に通信をハンドリングすることができる基地局の候補セットが、各端末に規則的に割り当てられる。これらの候補基地局は、たとえば、端末を現在ハンドリングしている基地局の周囲の基地局とすることができる。各端末は、異なる候補基地局の測定チャネルの信号の品質を、定期的に測定するか、又は、要求に応じて、すなわち特定のイベントの後に測定する。これらの測定値は、その後、端末によって、ハンドオーバ手順を開始するべきか否かを判定することができる、この端末を現在ハンドリングしている基地局に報告される。
【0010】
代替的に、基地局の候補セットは、端末に割り当てられない。各端末は、十分な品質を有する信号が測定されるその信号源の基地局と測定を行う。次に、端末は、ハンドオーバ手順を開始するべきか否かを判定することができる、この端末を現在ハンドリングしている基地局に測定値を報告する。
【0011】
このような最先端のハンドオーバは初期セルサーチ手順と同様に、全二重端末については有効であるが、半二重端末についてはいくつかの問題につながるおそれがある。
【0012】
全二重端末は、無線信号の送信及び受信を同時に行うことができる端末である。
【0013】
半二重端末は、無線信号の送信及び受信を同時に行うことができない端末である。たとえば、端末は、時分割複信(TDD)モードで動作し、送信及び受信は、同じ周波数帯域上であるが異なる時間期間に行われる。端末は、周波数分割複信(FDD)モードでも動作することができ、送信及び受信は、異なる周波数帯域上で異なる時間期間に行われる。
【0014】
時刻teにおいて基地局が半二重端末にシンボルを送信するとき、これらのシンボルは、基地局から距離dに位置する端末によって、te+RTD(d)/2に等しい時刻に受信される。ここで、RTD(d)は、この端末のラウンドトリップ遅延(Round Trip Delay)である。これらのシンボルは、端末によって処理され、端末も、その後、アップリンクチャネルを介して基地局へシンボルを送信することができる。端末TEは、アップリンクチャネルを介してシンボルを送信する前に、ハードウェアオペレーション及びソフトウェアオペレーションの継続時間を考慮するために、或る期間待たなければならない。この或る期間は、受信送信切り換え時間(Receive Transmit Switch time)又は単にスイッチング時間と言われ、RTSと呼称される。たとえば、この遅延RTSは、端末のハードウェア機器が受信モードと送信モードとの間を切り換えるのに必要とする時間、及び、基地局のハードウェア機器が送信モードと受信モードとの間を切り換えるのに必要とする時間の最大値である。したがって、アップリンクチャネルを介して送信されたシンボルは、te+RTD(d)+RTS+DDLに等しい時刻trの前に基地局BTSで受信することができない。DDLは、端末がダウンリンクチャネルで受信することができるシンボルの全継続時間である。
【0015】
基地局が、セル内の任意の位置に位置する端末をハンドリングすることができるようにするには、基地局側及び端末側の双方又は端末側のみのいずれかにおいて、アイドル期間継続時間(an idle period duration)を作成する必要がある。半二重端末によって使用されるアイドル期間は、セルサイズ、及び/又は、半二重端末とセルの基地局との間の距離に従って、セルごとに変化する場合がある。アイドル期間が同じセルのあらゆる半二重端末について固定されている場合、アイドル期間は、セルのサイズに従って変化する場合がある。代替的に、特許文献1に記載されているような半二重端末固有のアイドル期間を基地局が受け入れる場合には、アイドル期間は、半二重端末と基地局との間の距離に従って変化する。
【0016】
特許文献1では、基地局BSは、当該基地局BSによってハンドリングされる各端末TEについて、端末TEに割り当てることができるダウンリンクタイムスロットの補助ダウンリンクシンボルの個数を求める。
【0017】
基地局BSから距離diに位置する端末TEiについて、時間遅延TD(di)が、個数ndlのダウンリンクシンボルの継続時間にスイッチング時間RTSを加えたものと、個数ndl+1のダウンリンクシンボルの継続時間にスイッチング時間RTSを加えたものとの間に含まれる場合、基地局BTSは、その端末TEiの情報をndl個の補助ダウンリンクシンボルに挿入することができる。この条件は、数学的には、次のように記述することができる。
【0018】
dl・tsdl≦TD(di)−RTS<(ndl+1)tsdlである場合、多くともndl個の補助シンボルを挿入する。
【0019】
ダウンリンクシンボルの個数が、宛先端末TEに従って変化すると、アイドル期間も、宛先端末TEに従って変化する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0020】
【特許文献1】欧州特許出願第1746743号
【0021】
本発明は、無線セルラー電気通信ネットワークにおいて、最良の通信状態を端末に提供するために、いずれの基地局がその端末をハンドリングしなければならないのかを選択することを目的とする。
【0022】
そのために、本発明は、無線セルラー電気通信ネットワークにおいて、複数の基地局の中でいずれの基地局が半二重端末をハンドリングしなければならないのかを選択する方法であって、基地局はそれぞれのセルにおいて信号を転送し、半二重端末は、基地局によってハンドリングされているときに、アイドル期間と呼ばれる時間期間中に信号の転送及び受信を行わず、
方法は、
基地局によって転送された信号に関する品質測定値を取得するステップと、
各基地局によって転送された信号に関する品質測定値から、当該品質測定値に対して適切な変調/符号化方式を求めるステップと、
各基地局について、その基地局によるハンドリングされるために使用されるアイドル期間を取得するステップと、
品質測定値及びアイドル期間から、基地局と半二重端末との間で予測することができる実効スループットを求めるステップと、
基地局BSと半二重端末との間で予測することができる実効スループットに従って、端末をハンドリングしなければならない基地局を選択するステップと、
を含むことを特徴とする、方法に関する。
【0023】
本発明はまた、無線セルラー電気通信ネットワークにおいて、複数の基地局の中でいずれの基地局が半二重端末をハンドリングしなければならないのかを選択するためのデバイスであって、基地局はそれぞれのセルにおいて信号を転送し、半二重端末は、基地局によってハンドリングされているときに、アイドル期間と呼ばれる時間期間中に信号の転送及び受信を行わず、
デバイスは、
基地局によって転送された信号に関する品質測定値を取得する手段と、
各基地局によって転送された信号に関する品質測定値から、当該品質測定値に対して適切な変調/符号化方式を求める手段と、
各基地局について、その基地局によるハンドリングされるために使用されるアイドル期間を取得する手段と、
品質測定値及びアイドル期間から、基地局BSと半二重端末との間で予測することができる実効スループットを求める手段と、
基地局と半二重端末との間で予測することができる実効スループットに従って、端末をハンドリングしなければならない基地局を選択する手段と、
を備えることを特徴とする、デバイスにも関する。
【0024】
したがって、半二重端末は、自身のスループットが最適化されることを保証される。
【0025】
任意の端末によって報告された測定値に基づいて、基地局は、この端末に適した変調/符号化方式に従いスループットを計算することができる場合がある。本発明は、実効スループットを求めるためにアイドル期間継続時間を考慮して実効送信継続時間(the effective transmission duration)を検討する。
【0026】
特定の特徴によれば、選択された基地局は、半二重端末の最大実効スループットを提供する基地局である。
【0027】
このように、その特定の半二重端末の送信のパフォーマンスは最適化される。
【0028】
一変形では、選択された基地局は、すべての端末にわたって集約された全体的なシステムスループットを最大にすることを可能にする実効スループットを提供する基地局である。
【0029】
特定の特徴によれば、
無線電気通信ネットワークは、半二重周波数分割複信方式を使用し、
基地局によってハンドリングされる半二重端末のみが、基地局によってハンドリングされるために使用されるアイドル期間中、信号の転送及び受信を行わないか、又は、基地局によってハンドリングされる半二重端末、及び基地局が、基地局によってハンドリングされるために使用されるアイドル期間中、信号の転送及び受信を行わない。
【0030】
したがって、半二重FDD端末に起因する、基地局におけるこの特定の実施態様のコストが削減されるか、又は、基地局の電力消費が制限される。
【0031】
特定の特徴によれば、
無線電気通信ネットワークは、時分割複信方式を使用し、
基地局によってハンドリングされる半二重端末、及び、基地局は、基地局によってハンドリングされるために使用されるアイドル期間中、信号の転送及び受信を行わない。
【0032】
したがって、アップリンク通信とダウンリンク通信との間の干渉が削減される。
【0033】
特定の特徴によれば、1つの基地局が端末をハンドリングし、その端末をハンドリングするその基地局が本発明を実行する。
【0034】
したがって、半二重端末のハンドオーバ要求を処理するための基地局間の調整を行う必要がない。
【0035】
特定の特徴によれば、品質測定値は、端末によって転送された測定報告から取得される。
【0036】
したがって、基地局において品質測定は行われない。
【0037】
特定の特徴によれば、本発明は端末によって実行される。
【0038】
したがって、ハンドオーバの決定は、基地局と半二重端末との間でシグナリングを行う必要なく分散化される。
【0039】
特定の特徴によれば、品質測定値は端末によって測定される。
【0040】
したがって、基地局の複雑度が低減される。
【0041】
特定の特徴によれば、端末は、さらに、選択された基地局とのランダムアクセス手順を開始する。
【0042】
したがって、ランダムアクセス手順が加速される。
【0043】
さらに別の態様によれば、本発明は、プログラマブルデバイス内に直接ロード可能とすることができるコンピュータプログラムであって、プログラマブルデバイス上で実行されると、本発明による方法のステップを実施するための命令又はコード部分を含む、コンピュータプログラムに関する。
【0044】
このコンピュータプログラムに関する特徴及び利点は、本発明による方法及びデバイスに関連して上述したものと同じであるので、ここでは繰り返さないことにする。
【0045】
本発明の特徴は、一例の実施形態の以下の説明を読むことによってより明確になろう。当該説明は、添付図面に関して作成されている。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1a】アイドル期間が各基地局のセルについて求められるときの、本発明が実施される無線セルラー電気通信ネットワークのアーキテクチャを表す図である。
【図1b】少なくとも1つのセルにおいて、アイドル期間が、そのセルに位置する各端末について調整されるときの、本発明が実施される無線セルラー電気通信ネットワークのアーキテクチャを表す図である。
【図2a】アップリンクチャネルが同期しているときにおける、基地局及び半二重端末がアイドル期間において信号の転送及び受信を行わない場合のアイドル期間を示すクロノグラムである。
【図2b】アップリンクチャネルが同期しているときにおける、半二重端末がアイドル期間において信号の転送及び受信を行わない場合のアイドル期間を示すクロノグラムである。
【図3】アップリンクチャネルが非同期であり、無線電気通信ネットワークが時分割複信方式を使用し、且つ、セルに位置する半二重端末及び基地局がアイドル期間中信号の転送及び受信を行わない、アイドル期間を示すクロノグラムである。
【図4】本発明による無線電気通信システムの基地局のアーキテクチャを表す図である。
【図5】本発明による無線電気通信システムの端末のアーキテクチャを表す図である。
【図6】基地局が本発明を実施するときに基地局によって実行されるアルゴリズムの一例である。
【図7】半二重端末が本発明を実施するときに半二重端末によって実行されるアルゴリズムの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
図1は、本発明が実施される無線セルラー電気通信ネットワークのアーキテクチャを表す図である。
【0048】
無線セルラー電気通信ネットワークは、時分割複信方式(TDD)又は半二重周波数分割複信方式(half duplex Frequency Division Duplexing scheme)を使用する、無線電気通信システムとすることができる。
【0049】
TDD方式では、アップリンクチャネル及びダウンリンクチャネルで転送される信号は、同じ周波数帯域において、異なるサブフレームで複信される。このサブフレームは、タイムスロットとも呼ばれる。
【0050】
全二重周波数分割複信方式では、アップリンクチャネル及びダウンリンクチャネルで転送される信号は、異なる周波数帯域において、同じサブフレームで複信される。このサブフレームは、タイムスロットとも呼ばれる。
【0051】
半二重端末側からの半二重FDD方式では、アップリンクチャネル及びダウンリンクチャネルで転送される信号は、異なる周波数帯域において、異なるサブフレームで複信される。このサブフレームは、タイムスロットとも呼ばれる。このような場合、基地局は、全二重周波数分割複信方式を使用することができる場合があると同時に、各半二重FDD端末のタイムスロットを適切に順序付けることによっていくつかの半二重FDD端末と同時に通信することができる場合があることに留意されたい。
【0052】
基地局BSが端末TEにシンボルを転送するとき、データ、信号、又はメッセージは、ダウンリンクチャネルを通じて転送される。
【0053】
端末TEが基地局BSにシンボルを転送するとき、信号、メッセージ、又はデータは、アップリンクチャネルを通じて転送される。
【0054】
図1の電気通信ネットワークでは、1つの端末TEは、基地局BS1のセル151及び基地局BS2のセル152に含まれている。
【0055】
単純にするために、図1には、2つの基地局BSしか示されていないが、実際には、無線セルラー電気通信ネットワークは、複数の基地局BSから成る。
【0056】
基地局BS1のセル151は、基地局BS1の測定チャネルで転送される信号のような、基地局BS1によって転送される信号の電力強度が、セル151に位置する端末TEによって所定の値よりも上のレベルで受信されるエリアである。全二重端末TEが基地局BS1のセル151に位置しているとき、基地局BS1は、全二重端末TEをハンドリングすることができる。全二重端末TEは、基地局BS1を通じて、リモートの電気通信デバイスと通信を確立又は受信することができる。セル151は、規則正しい形状を有していない。これは、主として、障害物又は基地局BS1との見通し線にある特定のロケーションに起因する。
【0057】
基地局BS1のエリアR1は、R1内に位置する各端末TEについて、基地局BS1とその端末TEとの間のラウンドトリップ遅延、並びに、受信モードと送信モードとの間の切り換え、及び/又は送信モードと受信モードとの間の切り換えの合計が、セル151のアイドル期間以下であるエリアである。
【0058】
図1では、エリアR1はセル151に含まれる。エリアR1は、セル151よりも大きい場合もある。
【0059】
半二重端末TEがセル151に位置し、基地局BS1のエリアR1に位置していないとき、端末TEのラウンドトリップ遅延は、セル151のアイドル期間と整合していないので、基地局BS1は半二重端末TEをハンドリングすることができない。
【0060】
R1と151との相違は、セル151について設定されたアイドル期間によって画定される。
【0061】
基地局BS2のセル152は、基地局BS2の測定チャネルで転送される信号のような信号の電力強度が、セル152に位置する端末TEによって所定の値よりも上のレベルで受信されるエリアである。全二重端末TEが、基地局BS2のセル152に位置しているとき、基地局BS2は、全二重端末TEをハンドリングすることができる。全二重端末TEは、基地局BS2を通じて、リモートの電気通信デバイスと通信を確立又は受信することができる。
【0062】
図1aでは、基地局BS2のエリアR2は、R2内に位置する各端末TEについて、基地局BS2とその端末TEとの間のラウンドトリップ遅延、並びに、受信モードと送信モードとの間の切り換え、及び/又は送信モードと受信モードとの間の切り換えの合計が、セル152のアイドル期間以下であるエリアである。
【0063】
図1aでは、エリアR2は、セル152に含まれる。エリアR2が、セル152を含む場合もある。
【0064】
半二重端末TEがセル152に位置し、基地局BS2のエリアR2に位置していないときは、端末TEは、セル152のアイドル期間と整合していないので、基地局BS2は半二重端末TEをハンドリングすることができない。
【0065】
図1aの例では、エリアR2はエリアR1よりも小さい。
【0066】
エリアRが大きくなるほど、アイドル期間は大きくなる。基地局BS1及びBS2によってそれぞれ設定されたアイドル期間は、図1の例では、異なっている。
【0067】
図1bにおいて、基地局BS2のエリアR’2は、端末TEがndl個の補助ダウンリンクシンボルで基地局BS2からの情報を受信することができるエリアである。
【0068】
図1bにおいて、エリアR’2に含まれない基地局BS2のエリアR2は、端末TEがndl個の補助ダウンリンクシンボルで基地局BS2からの情報を受信することができないエリアである。
【0069】
エリアR’2に含まれる端末TEのアイドル期間IP’2は、エリアR’2に含まれない基地局BS2のエリアR2に位置する端末TEのアイドル期間IP2よりも小さい。
【0070】
半二重端末TEがセル152に位置し、基地局BS2のエリアR’2に位置していないとき、端末TEは、セル152のアイドル期間IP’2と整合していないので、アイドル期間IP’2を有する基地局BS2は半二重端末TEをハンドリングすることができない。
【0071】
簡単にするために、図1には1つの端末TEしか示されていないが、実際には、全二重又は半二重の、より重要な数(important number)の端末TEが、基地局BSのセル15に存在する。基地局BSは、各端末TEが全二重端末TEであるのか、又は半二重端末TEであるのかを判断することができる。
【0072】
基地局BSは、ノード、又はノードB、又は拡張ノードB、又はアクセスポイントとも呼ばれる。
【0073】
端末TEは、移動電話、携帯情報端末、又はパーソナルコンピュータのような半二重端末である。端末TEは、ユーザ機器とも呼ばれる。
【0074】
無線電気通信ネットワークは、セル同期されている場合がある。この場合、異なるセル15又は基地局BSを発信源とする信号は、同時に送信される。
【0075】
より正確には、これらの信号は、フレームに構造化され、それ自体、シンボルから成る。セル同期は、シンボルレベルで確保される場合があり、これは、所与のセル15又は基地局BSにおけるシンボルの送信時刻が、他の任意のセル15又は基地局BSにおけるシンボルの送信時刻と一致することを意味する。また、セル同期は、フレームレベルで確保される場合もある。その場合、所与のセル15又は基地局BSにおけるフレームの送信時刻は、他の任意のセル15又は基地局BSにおけるフレームの送信時刻と一致する。セル同期は、各基地局BSにGNSS(全地球的航法衛星システム)を含めることによって行うことができる。
【0076】
一代替案として、無線電気通信ネットワークは、セル同期されていないものとすることができる。この場合、異なるセル15間又は基地局BS間で、フレームレベルの同期もシンボルレベルの同期も保証する必要はない。
【0077】
図2aは、アップリンクチャネルが同期し、且つ、基地局及び半二重端末がセルのアイドル期間において信号の転送及び受信を行わない、アイドル期間を示すクロノグラムである。
【0078】
アップリンクチャネルが同期しているとき、基地局BSの所与のセル15のアップリンクチャネルで送信されるシンボルは、基地局BSと端末TEとを隔てる距離にかかわらず、基地局BSによって同じ時刻trで受信されなければならない。信号が、基地局及び半二重端末側の双方によってアイドル期間中に受信も転送もされないとき、基地局BSは、端末TEによって送信されたシンボルの処理を行うために、それらのシンボルの受信を待たなければならない。
【0079】
エリアR1又はR2の境界に位置する端末TEについて求められる待ち時間、換言すれば、求めることができる最大待ち時間は、ガード期間又はアイドル期間IPと呼ばれ、少なくとも、ラウンドトリップ遅延RTD(Ra)に受信送信切り換え時間RTSを加えたものに等しくなければならない。ここで、Raは、エリアR1又はR2が円とみなされる場合に、エリアR1又はR2の半径である。
【0080】
基地局BS1は、ダウンリンクシンボルDLを端末TEへ転送する。これらのダウンリンクシンボルDLは、ラウンドトリップ遅延RTDの2分の1に等しい遅延で端末TEによって受信される。
【0081】
アイドル期間IPの期間中、基地局BSは、いずれのシンボルの転送も受信も行わない。いずれのシンボルの転送も受信も行わないことによって、基地局の電力消費が削減される。
【0082】
基地局BSとそのセル15に含まれる各端末TEとを隔てる距離にかかわらず、基地局BSがアップリンクシンボルを同時に受信する必要があるので、基地局BSは、端末TEのそれぞれについてタイミング遅延TD(d)を求める。
【0083】
このタイミング遅延は、次の式を使用して計算される。
TD(d)=tr−te−DDL−RTD(d)=IP−RTD(d)
ここで、dは、端末TEと基地局BSとの間の距離であり、DDLは、端末がダウンリンクチャネルで受信することができるシンボルの全継続時間である。
【0084】
基地局BSは、各タイミング遅延から、各端末TEについて、タイミングアドバンスTA=IP−TD(d)を求め、このタイミングアドバンスを対応する端末TEへ転送する。
【0085】
端末TE1が、その端末TEのデータを含む先行のダウンリンクタイムスロットの直後のアップリンクタイムスロットにスケジューリングされている場合、端末TEは、アップリンクチャネルを介するシンボルの送信に自身のタイミングアドバンスTA(TE)値を適用して、送信されたシンボルが、アップリンクタイムスロットtrの開始時に端末TEから基地局BSで受信されるようにする。
【0086】
ここで、アイドル期間IPは不連続であることに留意しなければならない。アイドル期間IPは、端末TEについて、1/2RTD及び時間期間TA(TE)で示される時間期間から成る。
【0087】
図2bは、アップリンクチャネルが同期し、且つ、半二重端末がセルのアイドル期間において信号の転送及び受信を行わない、アイドル期間を示すクロノグラムである。
【0088】
図2bの例のアイドル期間中、端末TEのみが、信号の受信も転送も行わない。
【0089】
基地局BSは、アイドル期間を何ら考慮することなく、ダウンリンクチャネルDLTでシンボルを転送する。基地局BSは、各端末TEを潜在的に全二重端末TEであるとみなす。基地局BSは、たとえシンボルが半二重端末によって使用可能でない場合であっても、シンボルを転送することがある。使用可能でないシンボルを転送することによって、全二重端末及び半二重端末をハンドリングすることができる基地局BSの特定の特徴を製造するための開発コストが削減される。
【0090】
半二重端末TE、例として端末TEが、ダウンリンクチャネルDLTでシンボルを受信すると、端末TEは、受信シンボルに対して或るパンクチャリング(puncturing)を実行する。端末TEは、アイドル期間に整合するダウンリンクシンボル、すなわち、端末がダウンリンクチャネルで受信することができるシンボルの継続時間DDLに含まれるダウンリンクシンボルのみをDLRで受信する。
【0091】
端末TEのタイミングアドバンスTA(TE)及びタイミング遅延TD(TE)は、図2aで開示したのと同様の方法で求められる。
【0092】
ここで、アイドル期間は、基地局BSでは連続であるのに対して、半二重端末TEでは不連続であることに留意しなければならない。アイドル期間IPは、端末TEについて、1/2RRTD及び時間遅延TD(TE)で示される2つの時間期間から成る。
【0093】
DLに含まれない信号Puncは処理されない。
【0094】
図3は、アップリンクチャネルが非同期であり、無線電気通信ネットワークが時分割複信方式を使用し、且つ、セルに位置する半二重端末及び基地局がアイドル期間中に信号の転送及び受信を行わないときのアイドル期間を示すクロノグラムである。
【0095】
アップリンクチャネルが非同期であるとき、すなわち、異なる端末TEからアップリンクチャネルで送信されたシンボルが、同時に受信される必要がないとき、各端末TEa又はTEbは、基地局BSによってダウンリンクチャネルで送信された信号の受信終了後、同じ所定の継続時間の後に、アップリンクチャネルによりアップリンクシンボルULa又はULbを送信する。したがって、アイドル期間は、セル15の異なる端末の異なる伝播距離を吸収するために、基地局BSにおいて作成される。
【0096】
端末TEaは、端末TEbよりも基地局BSに近い。端末TEaは、端末TEbのラウンドトリップ遅延RTD(b)の2分の1よりも小さな、ラウンドトリップ遅延RTD(a)の2分の1の後に、ダウンリンクシンボルDLを受信する。
【0097】
端末TEaがシンボルを転送する場合、これらのシンボルは、図3に示すように、端末TEbによって転送されたシンボルよりも早く基地局Bsによって受信される。
【0098】
図4は、本発明による基地局のアーキテクチャを表す図である。
【0099】
基地局BSは、たとえば、バス401によって互いに接続されているコンポーネントと、図6に開示するようなアルゴリズムに関連するプログラムによって制御されるプロセッサ400とに基づくアーキテクチャを有する。
【0100】
ここで、基地局BSは、一変形では、以下で開示するようなプロセッサ400によって実行されるオペレーションと同じオペレーションを実行する1つ又はいくつかの専用集積回路の形態で実施されることに留意しなければならない。
【0101】
バス401は、プロセッサ400を、読み出し専用メモリROM402、ランダムアクセスメモリRAM403、及びチャネルインターフェース405にリンクする。
【0102】
読み出し専用メモリROM402は、図6に開示するようなアルゴリズムに関連するプログラムの命令を含む。これらの命令は、基地局BSに電源が投入されるときにランダムアクセスメモリRAM3へ転送される。
【0103】
RAMメモリ403は、変数と、図6に開示するようなアルゴリズムに関連するプログラムの命令とを収容するように意図されるレジスタを含む。
【0104】
チャネルインターフェース405は、アンテナBSAntを通じて端末TEへ信号及び/若しくはメッセージを転送及び/又は受信する手段を備える。
【0105】
図5は、本発明による端末のアーキテクチャを表す図である。
【0106】
端末TEは、たとえば、バス501によって互いに接続されているコンポーネントと、図7に開示するようなアルゴリズムに関連するプログラムによって制御されるプロセッサ500とに基づくアーキテクチャを有する。
【0107】
ここで、端末TEは、一変形では、以下で開示するようなプロセッサ500によって実行されるオペレーションと同じオペレーションを実行する1つ又はいくつかの専用集積回路の形態で実施されることに留意しなければならない。
【0108】
バス501は、プロセッサ500を、読み出し専用メモリROM502、ランダムアクセスメモリRAM503、及びチャネルインターフェース505にリンクする。
【0109】
読み出し専用メモリROM502は、図7に開示するようなアルゴリズムに関連するプログラムの命令を含む。これらの命令は、端末TEに電源が投入されるときにランダムアクセスメモリRAM503へ転送される。
【0110】
RAMメモリ503は、変数と、図7に開示するようなアルゴリズムに関連するプログラムの命令とを収容するように意図されるレジスタを含む。
【0111】
チャネルインターフェース505は、アンテナTEAntを通じて基地局BSへ信号及び/若しくはメッセージを転送及び/又は受信する手段と、受信された信号、例として測定チャネルの信号Sync、を測定する手段とを備える。
【0112】
図6は、基地局が本発明を実施するときに基地局によって実行されるアルゴリズムの一例である。
【0113】
より正確には、本アルゴリズムは、各基地局BSのプロセッサ400によって周期的に又は所定のイベントに応答して実行される。
【0114】
ステップS600において、基地局BSのプロセッサ400は、少なくとも1つのダウンリンク信号を転送するようにチャネルインターフェース405に命令する。この少なくとも1つのダウンリンク信号は、基地局BSの測定チャネルで転送される。
【0115】
次のステップS601において、プロセッサ400は、少なくとも1つの転送されたダウンリンク信号に応答したメッセージの受信を待つ。
【0116】
次のステップS602において、プロセッサ400は、受信メッセージから品質測定値を得る。
【0117】
次のステップS603において、プロセッサ400は、基地局によって転送された信号に関する受信された各品質測定値について、その品質測定値に対して適切な変調/符号化方式(the modulation and coding scheme)を求める。
【0118】
次のステップS604において、プロセッサ400は、基地局BSによって転送された信号に関する各品質測定値について、基地局BSによるハンドリングされるために使用されるアイドル期間を取得する。
【0119】
基地局BSによるハンドリングされるために使用されるアイドル期間は、各端末TEによって基地局BSのセルで使用されるアイドル期間とすることもできるし、図1bに開示したような端末固有のアイドル期間とすることもできる。
【0120】
周囲の各基地局BSによるハンドリングされるために使用されるアイドル期間は、例として、RAMメモリ403に記憶される。
【0121】
次のステップS605において、プロセッサ400は、基地局BSによって転送された信号に関する品質測定値が受信メッセージに含まれている最初の基地局BSを選択する。
【0122】
次のステップS606において、プロセッサ400は、基地局BSと半二重端末TEとの間で予測することができる実効スループットを求める。
【0123】
実効スループットは、求められた変調/符号化方式、及び、基地局BSによるハンドリングされるために使用されるアイドル期間に従って求められる。
【0124】
実効スループットは、次の式に従って求められる。
スループット(i)=MCS(i)×(T−IP(i))/T
ここで、iは、選択された基地局BSに関連付けられるインデックスであり、MCS(i)は、選択された基地局BSによって転送された信号に関する品質測定値から求められた変調/符号化方式であり、IP(i)は、選択された基地局BSによるハンドリングされるために使用されるアイドル期間であり、Tは、ダウンリンク部分、アップリンク部分、及びアイドル期間を含むフレームの全継続時間である。
【0125】
実効スループットは、シンボルが少なくとも端末TEによって送信及び受信されないアイドル期間が、スループットを求めるのに考慮されることを意味する。
【0126】
次のステップS607において、プロセッサ400は、基地局BSによって転送された信号に関する品質測定値が受信メッセージに含まれている基地局BSであって、まだ選択されていない基地局BSが、少なくとも1つ存在するか否かをチェックする。
【0127】
基地局BSによって転送された信号に関する品質測定値が受信メッセージに含まれている基地局BSが、まだ選択されていない場合、プロセッサ400は、ステップS608に移動し、別の基地局BSを選択し、ステップS606に戻る。
【0128】
基地局BSによって転送された信号に関する品質測定値が受信メッセージに含まれている各基地局BSが、すでに選択されている場合、プロセッサ400はステップS609に移動する。
【0129】
そのステップにおいて、プロセッサ400は、求められる最も高いスループットを有する基地局BSを、ハンドオーバを行わなければならない対象の基地局BSとして選択し、ハンドオーバが従来どおり実行される。
【0130】
その後、プロセッサ400は、本アルゴリズムを中断する。
【0131】
図7は、半二重端末が本発明を実施するときに半二重端末によって実行されるアルゴリズムの一例である。
【0132】
より正確には、本アルゴリズムは、ダウンリンク信号が少なくとも1つの基地局BSの測定チャネルで受信されるごとに各端末TEのプロセッサ500によって実行される。
【0133】
端末TEは、当該端末TEの近くにある基地局BSによるハンドリングされるために使用されるアイドル期間IPを知っている。
【0134】
基地局BSによるハンドリングされるために使用されるアイドル期間は、各端末TEによって基地局BSのセルで使用されるアイドル期間とすることもできるし、図1bに開示したような端末固有のアイドル期間とすることもできる。
【0135】
例として、各基地局BSによるハンドリングされるために使用されるアイドル期間IPは、端末TEをハンドリングする基地局BSによってブロードキャストされるか、又は、各基地局BSによってブロードキャストされるか、又は、各基地局BSについて同一である。
【0136】
ステップS700において、プロセッサ500は、周囲の基地局BSによって転送された信号の受信をチャネルインターフェース505により検出する。
【0137】
端末TEが基地局BSによってハンドリングされるとき、信号は、端末TEをハンドリングする基地局BSによって転送された信号、及び、少なくとも別の基地局BSによって転送された少なくとも信号である。
【0138】
次のステップS701において、プロセッサ500は、ダウンリンク信号に関するいくつかの品質測定を実行するようにチャネルインターフェース505に命令する。チャネルインターフェース505は、見つけることができる基地局BSの各測定チャネルで転送された信号を測定し、品質測定値が所定の値よりも大きい基地局BS及び測定値を記憶する。
【0139】
次のステップS702において、プロセッサ500は、基地局BSによって転送された信号に関する各品質測定値について、その品質測定値に対して適切な変調/符号化方式を求める。
【0140】
次のステップS703において、プロセッサ500は、基地局BSによって転送された信号に関する各品質測定値について、基地局BSのアイドル期間を取得する。
【0141】
次のステップS704において、プロセッサ500は、基地局BSによって転送された信号に関して品質測定が実行された最初の基地局BSを選択する。
【0142】
次のステップS705において、プロセッサ500は、基地局BSと半二重端末TEとの間で予測することができる実効スループットを求める。
【0143】
実効スループットは、求められた変調/符号化方式、及び、基地局BSによるハンドリングされるために使用されるアイドル期間に従って求められる。
【0144】
実効スループットは、次の式に従って求められる。
スループット(i)=MCS(i)×(T−IP(i))/T
ここで、iは、選択された基地局BSに関連付けられるインデックスである。
【0145】
次のステップS706において、プロセッサ500は、基地局BSによって転送された信号に関して品質測定が実行された基地局BSであって、まだ選択されていない基地局BSが、少なくとも1つ存在するか否かをチェックする。
【0146】
基地局BSによって転送された信号に関して品質測定が実行された各基地局BSが、まだ選択されていない場合、プロセッサ500は、ステップS707に移動し、別の基地局BSを選択し、ステップS705に戻る。
【0147】
基地局BSによって転送された信号に関する品質測定値が受信メッセージに含まれている各基地局BSが、すでに選択されている場合、プロセッサ500は、ステップ708に移動する。
【0148】
そのステップにおいて、プロセッサ500は、求められる最も高いスループットを有する基地局BSを基地局BSとして選択する。
【0149】
この選択された基地局BSは、例として、ハンドオーバを行わなければならない対象の基地局BSであるか、又は、端末TEによってランダムアクセス手順が開始される対象の基地局BSである。
【0150】
当然のことながら、本発明の範囲から逸脱することなく、上述した本発明の実施形態に多くの変更を行うことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線セルラー電気通信ネットワークにおいて、複数の基地局の中でいずれの基地局が半二重端末をハンドリングしなければならないのかを選択する方法であって、前記基地局はそれぞれのセルにおいて信号を転送し、前記半二重端末は、基地局によってハンドリングされているときに、アイドル期間と呼ばれる時間期間中に信号の転送及び受信を行わず、
該方法は、
前記基地局によって転送された前記信号に関する品質測定値を取得するステップと、
各基地局によって転送された前記信号に関する前記品質測定値から、該品質測定値に対して適切な変調/符号化方式を求めるステップと、
各基地局について、該基地局によるハンドリングされるために使用される前記アイドル期間を取得するステップと、
前記品質測定値及び前記アイドル期間から、前記基地局と前記半二重端末との間で予測することができる実効スループットを求めるステップと、
前記基地局と前記半二重端末との間で予測することができる前記実効スループットに従って、前記端末をハンドリングしなければならない前記基地局を選択するステップと、
を含むことを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記選択された基地局は、最大実効スループットを提供する基地局であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記無線電気通信ネットワークは、半二重周波数分割複信方式を使用することを特徴とし、且つ、
基地局によってハンドリングされる半二重端末のみが、該基地局によってハンドリングされるために使用される前記アイドル期間中に信号の転送及び受信を行わないか、又は、基地局によってハンドリングされる前記半二重端末及び該基地局が、該基地局によるハンドリングされるために使用される前記アイドル期間中に信号の転送及び受信を行わないことを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記無線電気通信ネットワークは、時分割複信方式を使用することを特徴とし、且つ、
基地局によってハンドリングされる前記半二重端末及び該基地局は、該基地局によるハンドリングされるために使用される前記アイドル期間中に信号の転送及び受信を行わないことを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
1つの基地局が前記端末をハンドリングすることを特徴とし、且つ、
前記方法は、前記端末をハンドリングする前記基地局によって実行されることを特徴とする、請求項3又は4に記載の方法。
【請求項6】
前記品質測定値は、前記端末によって転送される測定報告から取得されることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記端末によって実行されることを特徴とする、請求項3又は4に記載の方法。
【請求項8】
前記品質測定値は、前記端末によって測定されることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記選択された基地局でランダムアクセス手順を開始するさらなるステップを含むことを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
無線セルラー電気通信ネットワークにおいて、複数の基地局の中でいずれの基地局が半二重端末をハンドリングしなければならないのかを選択するためのデバイスであって、前記基地局はそれぞれのセルにおいて信号を転送し、前記半二重端末は、第1の基地局によってハンドリングされているときに、或る時間期間中に信号の転送及び受信を行わず、
該デバイスは、
前記基地局によって転送された前記信号に関する品質測定値を取得する手段と、
各基地局によって転送された前記信号に関する前記品質測定値から、該前記品質測定値に対して適切な変調/符号化方式を求める手段と、
各基地局について、該基地局によるハンドリングされるために使用されるアイドル期間を取得する手段と、
前記品質測定値及び前記アイドル期間から、前記基地局と前記端末との間で予測することができる実効スループットを求める手段と、
前記実効スループットに従って、前記端末をハンドリングしなければならない前記基地局を選択する手段と、
を備えることを特徴とする、デバイス。
【請求項11】
1つの基地局が前記端末をハンドリングすることを特徴とし、且つ、
前記デバイスは、前記端末をハンドリングする前記基地局に含まれることを特徴とする、請求項10に記載のデバイス。
【請求項12】
前記端末に含まれることを特徴とする、請求項10に記載のデバイス。
【請求項13】
プログラマブルデバイス内に直接ロード可能とすることができるコンピュータプログラムであって、該コンピュータプログラムが前記プログラマブルデバイス上で実行されると、請求項1〜9のいずれか一項による方法のステップを実施するための命令又はコード部分を含む、コンピュータプログラム。

【図1a】
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【図1b】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−201109(P2009−201109A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−31169(P2009−31169)
【出願日】平成21年2月13日(2009.2.13)
【出願人】(503163527)ミツビシ・エレクトリック・アールアンドディー・センター・ヨーロッパ・ビーヴィ (175)
【氏名又は名称原語表記】MITSUBISHI ELECTRIC R&D CENTRE EUROPE B.V.
【住所又は居所原語表記】Capronilaan 46, 1119 NS Schiphol Rijk, The Netherlands
【Fターム(参考)】