説明

はんだ付け装置

【課題】はんだ付け装置の温度プロファイル測定時において、基板の誤搬送や測定ミス、警報の誤作動を防止する。
【解決手段】リフロー装置100では、生産モードから温度プロファイルモードに変更されると、基板がリフロー装置本体の搬出口に到達する何秒前に警告音を発生するかの設定が行われる。制御部は、設定された基板搬出前警報時間等から、警告音を発生させる警報音発生時間を算出すると共に、前段の装置に供給するReady信号、基板停滞検出機能および基板落下検出機能のそれぞれをオフにする(S400,S410)。そして、入口側センサ部により基板がリフロー装置本体に搬入されたか否かを検出した後(S420)、警報音を発生させる発生時間が経過したか否かを判断する(S430)。報知部は、制御部により発生時間が経過したと判断されると、基板が出口付近に接近していることを警告音を発生させてユーザに報知する(S440)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板上に電子部品を接合するはんだ付け装置に関する。詳しくは、温度プロファイルモードにおいて、基板がリフロー装置本体の搬出口に到達する前に、警告音により基板がリフロー装置本体の搬出口に接近したことをユーザに報知するものである。
【背景技術】
【0002】
プリント配線基板上に電子部品をはんだ付けする場合には、一般にリフロー装置が使用される。リフロー装置は、プリント配線基板を搬送するコンベアとコンベアによりプリント配線基板が搬送されるリフロー装置本体とを備える。リフロー装置本体の内部は、予備加熱ゾーン、本加熱ゾーン、冷却ゾーンに分割されている。予めはんだペーストが印刷されたプリント配線基板は、まず、予備加熱ゾーンにおいて予備加熱される。予備加熱されたプリント配線基板は、本加熱ゾーンにおいてはんだペーストが溶融され、続けてプリント配線基板が冷却ゾーンで冷却されることにより電子部品がプリント配線基板上に接合される。
【0003】
このようにリフロー装置では、予備加熱ゾーン、本加熱ゾーン、冷却ゾーンのそれぞれに応じた最適な温度プロファイルに従って制御する必要がある。また、本加熱ゾーンにおいては、はんだペーストや電子部品、プリント配線基板等の耐熱限界温度を超えないように、加熱温度や加熱時間を適切に管理する必要がある。そのため、リフロー装置では、炉内の各ゾーン等における温度が最適であるか否かを検証する温度プロファイルの測定を行っている。
【0004】
温度プロファイルの測定は、熱電対、記録媒体等を取り付けたプリント配線基板(プロファイラー基板)を測定対象とするプリント配線基板(被測定プリント配線基板)に接続して、被測定プリント配線基板側を先頭にして炉内に共に搬送し、各ゾーンにおける測定点の温度変化を熱電対等で測定することにより行われる。このようにして得られた情報は、プロファイラー基板に搭載した記録媒体に記録され、リフロー後に、コンピュータによりプロファイラー基板に搭載した記録媒体から各種情報を読み出し、リフロー炉の温度設定に利用される。そして、各測定点で所望の温度プロファイルに沿った温度測定結果が得られるまでリフロー装置の加熱条件を逐次変更しながら検証を繰り返し行い、適切なリフロー条件を設定している。
【0005】
温度プロファイルの測定方法としては、例えば、被加熱物の物性値を用いることなく、加熱装置の加熱条件を効率的に見出すことができる熱解析方法が提案されている(特許文献1参照)。この熱解析方法によれば、熱条件の補正による被加熱物の温度プロファイルを実測することなく短時間に高い精度でシミュレーションすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−64002号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1等に開示される従来のリフロー装置では下記(1)〜(3)に示す問題がある。
(1)従来のリフロー装置では、リフロー処理を行う通常の生産モードにおいて温度プロファイル測定を行っている。この通常の生産モードでは、リフロー処理されてリフロー炉から搬出される基板は、次工程の装置に搬送されるため、リフロー炉から搬出された時点で基板を取り出す必要はない。これに対し、温度プロファイル測定では、リフロー炉内での基板の温度測定を目的とするものなので、リフロー炉から基板が搬出された時点で基板をリフロー炉から取り出す必要がある。これは、そのまま放置すると、基板が次工程に搬送されてしまうからである。ところが、従来のリフロー炉は生産モードを前提としているため、基板が搬出された時点でユーザに報知するような手段は備わっていない。そのため、従来の温度プロファイル測定では、基板を炉内に投入した後は、基板がいつ炉外に搬出されるか分からないので、ユーザは基板がリフロー炉の外に搬出されるまでリフロー炉の側から離れることができないという問題があった。
【0008】
(2)また、温度プロファイル測定においては、被測定プリント配線基板にプロファイラー基板を接続するため、リフロー装置の搬入口に設置されたセンサでは、被測定プリント配線基板およびプロファイラー基板を連続した搬送物として検出してしまう場合がある。そのため、通常の生産モード時における基板単体よりもセンサによる検出時間が長くなってしまい、リフロー装置では基板が搬入口付近で停滞していると誤って認識してしまう場合がある。この場合には、基板停滞エラーとして、警報が報知されてしまうという問題がある。
【0009】
(3)さらに、温度プロファイル測定においては、被測定プリント配線基板にプロファイラー基板を接続するため、被測定プリント配線基板がリフロー装置の搬出口に到達したときに被測定プリント配線基板を取り出すと、この被測定プリント配線基板の後続のプロファイラー基板も同時に取り出されてしまう。このとき、入口側センサでは基板と温度プロファイラーとで2回の搬入を検出するのに対し、出口側センサでは基板と同時に温度プロファイラーも取り出されてしまうので基板のみの検出となってしまい、搬送途中に温度プロファイラーが搬送路から落下したと誤って認識してしまう場合がある。この場合には、基板落下エラーとして、警報が報知されてしまうという問題がある。
【0010】
そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、はんだ付け装置の温度プロファイル測定時において、基板の誤搬送や測定ミス、警報の誤作動を防止することが可能なはんだ付け装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、基板に電子部品をはんだ付け処理するはんだ付け装置であって、少なくとも通常の生産モードとはんだ付け装置本体内を搬送される基板の温度を測定する温度プロファイルモードとを有し、温度プロファイルモードにおいては、警報を発生させるための報知手段と、この報知手段により警報を発生させる際の発生時間を設定するための操作部と、はんだ付け装置本体の搬入口付近に設けられ、はんだ付け装置本体に搬入される基板を検出するセンサ部と、センサ部により検出された検出結果に基づいて、設定部により設定された報知手段により警報を発生させる発生時間になったか否かを判断する制御部とを備え、制御部により警告を発生させる発生時間になったと判断された場合に報知手段により警報を発生させるようにしたことを特徴とするものである。
【0012】
本発明のはんだ付け装置は、はんだペーストを用いて電子部品を基板上に接合することによりはんだ付け処理を行う生産モードと、生産モードとは別に、はんだ付け装置本体内における基板の温度を測定する温度プロファイルモードとを備える。操作部において、温度プロファイルモードに切り替えられたときに、基板がリフロー装置本体の搬出口に到達するどのくらい前(何秒前)に報知手段により警報を発生するかの設定が行われる。ここで、報知手段による警報としては、例えば、ブザー音や音声等による警告音や、パトライトによる発光、振動装置による振動、表示部の画面上への警告表示等が挙げられる。
【0013】
温度プロファイルモードに切り替えられて、温度プロファイル測定が開始されると、搬入口側に設けられたセンサ部により基板がリフロー装置本体に搬入されたか否かが検出される。制御部では、センサ部から検出信号が供給されると、この検出時間を基準として警報を発生させる発生時間が経過したか否かを判断する。制御部により発生時間が経過したと判断されると、基板がはんだ付け装置本体の搬出口付近に接近していることを報知手段による警報を発生させてユーザに報知する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、温度プロファイルモードにおいて、基板が装置本体の搬出口に到達する前に、警告音等の報知手段により基板が装置本体の搬出口に接近したことをユーザに報知するので、ユーザは基板が装置本体の搬出口に到達したときに確実に基板を装置本体から取り出すことができる。これにより、基板の次工程への誤搬送を防止することができ、ユーザの不注意によるプロファイル測定ミスを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態に係るリフロー装置の構成例を示す図である。
【図2】リフロー装置のブロック構成例を示す図である。
【図3】生産モードにおけるリフロー装置制御画面の表示例を示す図である(その1)。
【図4】生産モードにおけるリフロー装置制御画面の表示例を示す図である(その2)。
【図5】温度プロファイルモードにおけるリフロー装置制御画面の表示例を示す図である(その1)。
【図6】温度プロファイルモードにおけるリフロー装置制御画面の表示例を示す図である(その2)。
【図7】リフロー装置の動作例を示すフローチャートである。
【図8】温度プロファイルモード中の動作例を示すフローチャートである。
【図9】温度プロファイルモード中の動作例を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、発明を実施するための最良の形態(以下実施の形態とする)について説明する。
[リフロー装置の構成例]
図1は、本発明に係るリフロー装置100の構成の一例について説明する。本発明に係るリフロー装置100は、生産モードと温度プロファイルモードとを備え、温度プロファイルモードでは、リフロー装置本体内を搬送される基板30がリフロー装置100の搬出口10bに到達する前の段階で警告音を発生させることを特徴とするものである。
【0017】
このリフロー装置100は、図1に示すように、リフロー装置本体10とヒータ12とファン14とモータ16と冷却機18と入口側センサ部20と出口側センサ部22とコンベア34とを備える。リフロー装置本体10は、搬入口10aと搬出口10bとを有したトンネル状の筐体からなる。コンベア34は、搬入口10aから搬出口10bに至る搬送方向Xに沿うようにして延在しており、基板30をリフロー装置本体10の搬入口10aから搬出口10bに向かって所定の速度で搬送する。
【0018】
入口側センサ部20は、リフロー装置本体10の搬入口10a付近に設置され、コンベア34によりリフロー装置本体10の内部に搬入される基板30や温度プロファイラー基板32を検出する。出口側センサ部22は、リフロー装置本体10の搬出口10b付近に設置され、コンベア34によりリフロー装置本体10から外部に搬出される基板30や温度プロファイラー基板32を検出する。
【0019】
リフロー装置本体10の内部には、その搬送方向Xに沿って、予備加熱ゾーンZ1、加熱ゾーンZ2および冷却ゾーンZ3が設けられている。予備加熱ゾーンZ1は、はんだペーストに含まれる溶剤を揮発させるための領域であり、ヒータ12、ファン14およびモータ16等により構成される。はんだペーストとしては、例えば錫−銀−銅や錫−亜鉛−ビスマス等を含有する鉛フリーはんだ等が用いられる。このはんだペーストの融点は、例えば180℃〜220℃程度である。本加熱ゾーンZ2は、基板30を加熱することによりはんだを溶融させるための領域であり、ヒータ12、ファン14およびモータ16等が設置される。なお、予備加熱ゾーンZ1と本加熱ゾーンZ2では、ヒータ12、ファン14およびモータ16の構成が異なるものが用いられる場合もあるが、基本的な構成および機能は同一であるため、便宜上、共通した文章により説明する。
【0020】
ヒータ12は、コンベア34の上下のそれぞれに対向するようにして配置され、予備加熱ゾーンZ1および本加熱ゾーンZ2内部の空気を加熱する。本例の場合、図1に示すように、予備加熱ゾーンZ1には上下のそれぞれに3個のヒータ12が配置され、本加熱ゾーンZ2には上下のそれぞれに2個のヒータ12が配置される。
【0021】
モータ16は、コンベア34の上下のそれぞれに対向するようにして配置され、各ゾーンに配置されるファン14を回転駆動させる。本例の場合、図1に示すように、予備加熱ゾーンZ1には上下のそれぞれに3個のモータ16が配置され、本加熱ゾーンZ2には上下のそれぞれに2個のモータ16が配置される。
【0022】
ファン14は、例えばターボファンやシロッコファン等から構成され、モータ16に電気的に接続される。このファン14は、モータ16の駆動により回転駆動し、ヒータ12によって加熱された熱風を予備加熱ゾーンZ1および本加熱ゾーンZ2内部で循環させて基板30の上面および下面のそれぞれに吹き付ける。本例の場合、予備加熱ゾーンZ1には上下のそれぞれに3個のファン14が配置され、本加熱ゾーンZ2には上下のそれぞれに2個のファン14が配置される。
【0023】
冷却ゾーンZ3は、本加熱ゾーンZ2で加熱された基板30を急速に冷却して溶融したはんだを固化するための領域であり、冷却機18により構成される。この冷却機18は、例えば、冷却部材、ファンおよびモータを有する。ファンおよびモータは、予備加熱ゾーンZ1および本加熱ゾーンZ2で説明したファン14およびモータ16と構成および機能がほぼ共通したものが用いられる。このような構成により、冷却機18によって冷却された空気が基板30の上面および下面のそれぞれに吹き付けられ、基板30が冷却される。
【0024】
[リフロー装置のブロック構成例]
次に、リフロー装置100のブロック構成について説明する。図2は、リフロー装置100のブロック構成の一例を示している。図2に示すように、リフロー装置100は、制御部50と入口側センサ部20と出口側センサ部22と報知部66と操作表示部60とを備える。
【0025】
入口側センサ部20は、例えば光センサ等から構成され、リフロー装置本体10の搬入口10aから搬入される基板30を検出して検出信号Saを制御部50に供給する。出口側センサ部22は、例えば光センサ等から構成され、リフロー装置本体10の搬出口10bから搬出される基板30を検出して検出信号Sbを制御部50に供給する。
【0026】
報知手段としての報知部66は、例えばスピーカ等から構成され、制御部50からの出力指示に基づいてブザー音や音声等の警告音を発生する。例えば、生産モードでは、基板30がリフロー装置本体10内で停滞した場合や、基板30がリフロー装置本体10内で落下した場合に警告音を発生する。また、温度プロファイルモードでは、基板30が搬出口10bに到達する前に、基板30が搬出口10bに接近していることをユーザに報知するための警告音を発生する。なお、報知手段としての報知部66としては、スピーカ以外にも、例えば、パトライトなどの発光により報知する光発生器や、画面上に警告表示をして報知する表示装置を用いることができる。表示装置には、後述する表示部64を用いることができる。また、報知部66として振動装置を用いることもできる。この場合には、振動装置をユーザに所持させて、基板30が搬出口10bに接近したときに制御部50から振動装置に駆動信号を送信して振動装置を振動させることによりユーザに基板30の搬出を報知する。
【0027】
操作表示部60は、操作部62と表示部64とを有する。操作部62は、例えばキーボードやマウス、タッチパネル入力装置等から構成され、ユーザにより入力された入力情報に基づく操作信号Sdを生成して制御部50に供給する。例えば、コンベア34の搬送速度や各ゾーンの設定温度、基板30の寸法等を設定したりする。また、温度プロファイルモードのように、基板30が搬出口10bに到達する前に警告音を発生させる場合には、搬出口10bに到達するどのくらい前(何秒前)に警報音を発生させるかの基板搬出前警報時間Td2を入力する。
【0028】
表示部64は、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等から構成され、後述するリフロー装置の温度設定や速度等の条件を設定するためのリフロー装置制御画面64aを表示したり、生産モードや温度プロファイルモードの運転モードの変更を行うためのモード変更画面70aを表示する。
【0029】
本例のリフロー装置100においては、操作部62と表示部64とが一体に組み合わされたタッチパネル方式の操作表示部60が用いられる。この操作表示部60は、例えば、図1に示したリフロー装置100の正面のケーシングに設置される。
【0030】
制御部50は、例えばCPU(Central Processing Unit)52、ROM(Read Only Memory)54およびRAM(Random Access Memory)56等を有する。CPU52は、ROM54に格納されている制御プログラム等を読み出してRAM56に展開し、展開した制御プログラム等を実行することでリフロー装置100の各部を制御する。制御部50は、表示部64に表示される後述するリフロー装置制御画面64aの入力情報(操作信号)に基づいてヒータやモータ等の駆動を制御する。また、制御部50は、表示部64に表示されるモード変更画面70aのモード変更操作に基づいて、生産モードや温度プロファイルモードを実行する。ここで、生産モードとは、リフロー処理を行う通常のモードである。温度プロファイルモードとは、生産モードの開始前や実行中の合間において、炉内の温度プロファイルを測定するモードである。
【0031】
制御部50は、入口側センサ部20および出口側センサ部22から基板30の検出に基づく検出信号Sa,Sbが供給されると、この検出信号Sa,Sbに基づいて報知部66から警告音を発生するように制御する。例えば、生産モードでは、後述する基板停滞検出機能や基板落下検出機能によってエラーが検出された時点で、出力信号Scを報知部66に供給して警告音を報知部66から発生させる。温度プロファイルモードでは、基板30が搬出口10bに到達する直前に警告音を報知部66から発生させる。警告音を発生させるタイミングは、ユーザ側で任意に設定することができる。例えば、プロファイル測定中の基板30が搬出口10bに到達したときに、リフロー装置100の周辺で作業を行っているユーザがリフロー装置100の搬出口10bまで確実に移動できる位置(距離)であることが好ましい。
【0032】
また、制御部50は、操作部62から温度プロファイルモードに変更する操作信号Sdが供給されると、リフロー装置本体10の前段に設置されている装置に供給するReady信号をオフにする。前段に設置される装置としては、例えば、基板30にはんだペーストを印刷するはんだ印刷機やはんだペーストを印刷した接合部に電子部品を実装するチップマウンター等が挙げられる。また、Ready信号とは、リフロー装置100の前段に配置される装置に供給される信号であり、前段の装置から後段のリフロー装置100に対して基板30を搬送しても良いか否かの搬送許可/搬送非許可を示す信号である。生産モードでは、このReady信号が常にオン状態となっており、前段の装置で処理された基板30が順次、後段のリフロー装置100に搬送される。一方、温度プロファイルモードでは、Ready信号がオフ状態に切り替えられるので、前段の装置から基板30が搬入されるのを防止できる。
【0033】
また、制御部50は、操作部62から温度プロファイルモードに変更する操作信号Sdが供給されると、基板停滞検出機能をオフにする。基板停滞検出機能とは、入口側センサ部20および出口側センサ部22による基板30の検出時間が、予め設定された検出時間を越える場合に、基板30がリフロー装置本体10で停滞していると判断してユーザに警告音を発生する機能である。温度プロファイルモードでは、温度プロファイラー基板32が接続された基板30がコンベア34により搬送される。そのため、入口側センサ部20および出口側センサ部22では、基板30および温度プロファイラー基板32が連続して検出されることになるので、一つの搬送物として認識されてしまう場合がある。そこで、本発明に係る制御部50は、入口側センサ部20および出口側センサ部22により検出される検出時間が予め定められた時間を超える場合であっても、エラー警報を発しないような制御を行い、基板停滞検出機能をオフする。例えば、基板30の搬入、搬出が検出された時点で、この基板30以降に搬送される搬送物の検出は初期化するような制御を行う。
【0034】
さらに、制御部50は、操作部62から温度プロファイルモードに変更する操作信号Sdが供給されると、基板落下検出機能をオフにする。基板落下検出機能とは、基板30が入口側センサ部20で検出された後であって出口側センサ部22で基板30が検出されないような場合に、基板30がリフロー装置本体10の内部で落下している判断してユーザに警報音を発生させる機能である。温度プロファイルモードでは、入口側センサ部20により基板30および温度プロファイラー基板32が2回検出され、出口側センサ部22により基板30および温度プロファイラー基板32が2回検出されることになるが、基板30が搬出口10bに到達したときに基板30を取り出すと温度プロファイラー基板32も同時に取り出されることになるので、出口側センサ部22では1回のみの検出となってしまう場合がある。そこで、本発明に係る制御部50は、温度プロファイルモードでは、基板落下検出機能をオフする。例えば、出口側センサ部22で基板30が検出されたら、それ以降の基板30の検出機能を無効とし、検出位置を初期位置にするように制御する。
【0035】
[リフロー装置制御画面の構成例]
図3および図4は、生産モードにおける表示部64の画面の構成の一例を示している。図5および図6は、温度プロファイルモードにおける表示部64の画面の構成の一例を示している。
【0036】
リフロー装置100の電源がオンされると、図3に示すように、表示部64にはリフロー装置制御画面64aが表示される。リフロー装置制御画面64aには、各ゾーンの実際の温度やコンベア34の搬送スピード等が表示される。また、リフロー装置制御画面64aには、各ゾーンの温度設定やファン14の風量設定、コンベア34の搬送速度の設定、基板寸法等の数値を入力するためのアップタウンボタン等が設けられており、このアップダウンボタン等をタッチ操作することにより任意の数値を入力できるようになっている。また、リフロー装置制御画面64aに表示されるリフロー装置画像の略中央部には、現在の運転モードを示すモード情報表示部64cが設けられる。本例の場合、現在の運転モードが生産モードであるので、モード情報表示部64cには「生産モード動作中」の文字が表示される。
【0037】
リフロー装置制御画面64aの上部右側には、運転モードを温度プロファイルモードに変更するためのプロファイルモードボタン64bが表示される。プロファイルモードボタン64bが選択されると、図4に示すように、リフロー装置制御画面64aの略中央部に、リフロー装置100の運転モードを変更するためのモード変更画面70aがリフロー装置制御画面64aに重畳してボップアップ表示される。
【0038】
モード変更画面70a中の上側には、現在の運転モードが表示されるモード表示部70bが設けられる。本例では、現在の運転モードが生産モードであるので、「生産モード」を示す文字が表示される。モード表示部70b中の下側には、現在の運転モードを変更するための変更ボタン70cとキャンセルボタン70dとが設けられる。変更ボタン70cが選択されると、運転モードが現在の生産モードから温度プロファイルモードに変更される。また、キャンセルボタン70dが選択されると、ポップアップ表示されているモード変更画面70aがリフロー装置制御画面64aから消去される。
【0039】
続けて、リフロー装置100の運転モードを生産モードから温度プロファイルモードに変更する場合の表示例について説明する。モード変更画面70aにおいて運転モードが温度プロファイルモードに変更されると、一定時間経過した後、図5に示すように、ポップアップ表示されているモード変更画面70aがリフロー装置制御画面64a上から消去される。そして、リフロー装置制御画面64aのモード情報表示部64cには、変更された運転モードの文字が表示される。本例の場合、運転モードが温度プロファイルモードに変更されたので、モード情報表示部64cには「プロファイルモード動作中」の文字が表示される。さらに、運転モードが温度プロファイルモードに変更されると、リフロー装置制御画面64aの上部には、基板30が搬出口10bに到達する何秒前に警報音を発生させるかを設定するための基板搬出前警報時間設定部64dが設けられる。この基板搬出前警報時間設定部64dのアップダウンボタンを操作することにより、基板搬出前警報時間Td2の任意の秒数が設定できるようになっている。
【0040】
続けて、運転モードを温度プロファイルモードから生産モードに戻す場合の表示例について説明する。運転モードを変更する場合において、プロファイルモードボタン64bが選択されると、リフロー装置制御画面64aの略中央部には、モード変更画面70aがリフロー装置制御画面64aに重畳してボップアップ表示される。本例では、現在の運転モードが温度プロファイルモードであるので、モード変更画面70a中のモード表示部70bには「温度プロファイルモード」を示す文字が表示される。変更ボタン70cおよびキャンセルボタン70dは上述した説明と同様であり、変更ボタン70cが選択されると運転モードが温度プロファイルモードから生産モードに変更され、図3に示した初期画面であるリフロー装置制御画面64aに遷移する。また、キャンセルボタン70dが選択されると、ポップアップ表示されているモード変更画面70aがリフロー装置制御画面64aから消去される。
【0041】
[リフロー装置の動作例]
次に、本発明に係るリフロー装置100の動作の一例について説明する。図7は、リフロー装置100の動作の一例を示すフローチャートである。なお、以下の説明において、リフロー装置100の電源がオンされた初期状態では、リフロー装置100の運転モードは生産モードに設定されているものとする。
【0042】
図7に示すように、ステップS10において、リフロー装置100の電源がユーザによりオンされる。制御部50は、例えば、リフロー装置100に設けられた電源スイッチがオンされたか否かによりリフロー装置100の電源のオン/オフを判断する。電源がオンされてリフロー装置100の運転が開始されたら、ステップS20に進む。
【0043】
ステップS20で制御部50は、生産モードを実行する。続けて、ステップS30の生産モードでは、前段の装置に供給するReady信号、基板停滞検出機能および基板落下検出機能のそれぞれをオンすると共に、前段に配置された装置からコンベアを介して搬送されてくる基板30に予備加熱処理、本加熱処理および冷却処理を施すことにより、基板30上のはんだペーストを溶融して電子部品を基板30の接合部に接合させる。
【0044】
ステップS40で制御部50は、リフロー装置100の電源がオフされたか否かを判断する。制御部50は、リフロー装置100の電源がオフされたと判断した場合には、Ready信号、基板停滞検出機能および基板落下検出機能のそれぞれをオフにして、生産モードの一連の処理を終了(END)する。一方、制御部50は、リフロー装置100の電源がオフされていないと判断した場合にはステップS50に進む。
【0045】
ステップS50で制御部50は、温度プロファイルモードが選択されたか否かを判断する。図4に示したように、リフロー装置制御画面64aにおいて、プロファイルモードボタン64bが選択され、ポップアップ表示されるモード変更画面70aの変更ボタン70cが選択されたか否かにより、運転モードが生産モードから温度プロファイルモードに変更されたか否かを判断する。制御部50は、温度プロファイルモードが選択されたと判断した場合にはステップS60に進む。一方、温度プロファイルモードが選択されていないと判断した場合には、ステップS40に戻り、生産モードをそのまま継続して実行する。
【0046】
温度プロファイルモードが選択された場合、ステップS60で基板搬出前警報時間Td2の設定を行う。すなわち、基板30がリフロー装置本体10の搬出口10bから搬出される搬出時間T2の何秒前に警告音を発生させるかの設定を行う。基板搬出前警報時間Td2の設定は、例えば、図5に示した表示部64のリフロー装置制御画面64aに設けられた基板搬出前警報時間設定部64dのアップダウンボタン(操作部)で、希望する基板搬出前警報時間Td2を入力操作することにより行うことができる。入力された基板搬出前警報時間Td2はメモリ等に保存され、後述する警報音発生時間Td3の算出の際にメモリから読み出されて使用される。
【0047】
ステップS70で制御部50は、警報音発生時間Td3を算出する。制御部50は、まずステップS60で設定された基板搬出前警報時間Td2を取得する。次いで、リフロー装置本体10の搬入口10aから搬出口10bに至る基板30の全搬送時間Td1を、基板30の搬送距離および搬送速度から算出する。基板30の搬送距離とは、搬入口10a(入口側センサ部20)から搬出口10b(出口側センサ部22)までの距離D(図1参照)であり、例えば設計値に基づいた値が予めメモリ等に保存されている。搬送速度とは、搬入口10aおよび搬出口10b間の基板30の搬送速度であり、例えば、リフロー装置制御画面64aのコンベアスピードの項目の入力値から取得される。
【0048】
そして、制御部50は、全搬送時間Td1から基板搬出前警報時間Td2を減算することにより警報音発生時間Td3を算出する。警報音発生時間Td3とは、入口側センサ部20により基板30が検出された検出時間T1から警告音を発生させるまでの時間であり、基板30が搬出口10bに到達する搬出時間T2よりも前の時間を意味している。これらの算出処理が終了したら、後述するように、実際に、温度プロファイラー基板32が接続された基板30がリフロー装置本体10に搬入され、温度プロファイルの測定が開始される。なお、上述した基板搬出前警報時間Td2の設定や警報音発生時間Td3の算出、および後述する基板搬出前警報時間Td2の設定変更等は、温度プロファイルモード中だけでなく、生産モード中において行うこともできる。
【0049】
その後、ステップS80の温度プロファイルモードに進む。温度プロファイルモードでは、図8に示すサブルーチンに移行して温度プロファイルモードを実行する。図8は温度プロファイルモードの動作の一例を示すフローチャートであり、図9(A)〜図9(C)はそのタイミングチャートを示している。図8に示すように、運転モードが温度プロファイルモードに変更されると、ステップS400で制御部50は、前段の装置に供給するReady信号、基板停滞検出機能および基板落下検出機能のそれぞれがオフになっているか否かを判断する。制御部50は、Ready信号、基板停滞検出機能および基板落下検出機能のそれぞれがオフになっていると判断した場合にはステップS420に進み、Ready信号、基板停滞検出機能および基板落下検出機能のそれぞれがオフになっていないと判断した場合にはステップS410に進む。
【0050】
ステップS410で制御部50は、Ready信号をオフにする。これにより、前段の装置から生産用の基板30が誤って搬送されてしまうことを防止できる。また、制御部50は、基板停滞検出機能および基板落下検出機能をオフに切り替える。これにより、温度プロファイルモードにおいて、基板30の誤検出等によるエラー警報の発生を防止できる。
【0051】
これらの設定が終了したら、実際に、温度プロファイラー基板32が接続された基板30がリフロー装置本体10に搬入され、温度プロファイルの測定が開始される。
【0052】
ステップS420で制御部50は、基板30が入口側センサ部20により検出されたか否かを判断する(図9(A)参照)。基板30が入口側センサ部20により検出されたと判断した場合にはステップS430に進む。一方、基板30が入口側センサ部20により検出されていないと判断した場合には、基板30がリフロー装置本体10に搬入されるまで待機する。
【0053】
ステップS430で制御部50は、基板30の検出時(搬入時)から警報音発生時間Td3が経過したか否かを判断する。制御部50は、入口側センサ部20により基板30の搬入が検出されると、この基板30が検出された検出時間T1から時間のカウントを開始して警報音発生時間Td3(数秒間)が経過したか否かを判断する。警報音発生時間Td3が経過したと判断した場合にはステップS440に進み、警報音発生時間Td3が経過していないと判断した場合には警報音発生時間Td3が経過するまで時間をカウントする。
【0054】
ステップS440で制御部50は、警報音発生時間Td3が経過したと判断した場合、報知部66に出力信号Scを供給して報知部66から警告音を発生させる(図9(B))。警告音は、図9(B)および図9(C)に示すように、例えば、出口側センサ部22により基板30が検出された時点で停止させることができる。この警告音は、継続的に出力させても良いし、間欠的に出力させても良い。ユーザは、この警告音を聞くことにより、基板30がリフロー装置本体10の搬出口10bに接近していることを認識することができ、基板30が搬出口10bに到達したときに(基板30が次工程の装置に搬送される前に)、基板30をリフロー装置100から取り出すことができる。
【0055】
警告音による報知が完了したら、図7に示すステップS90に戻り、リフロー装置制御画面64aにおいて、運転モードが温度プロファイルモードから生産モードに変更されたか否かを判断する。制御部50は、生産モードに変更されたと判断した場合にはステップS20に進む。一方、制御部50は、生産モードが変更されていないと判断した場合にはステップS100に進む。ステップS100では、基板搬出前警報時間Td2の設定を変更するかどうかの操作がなされたかどうかの判断がなされ、この温度プロファイルモードにおいて基板搬出前警報時間Td2の設定に変更がない場合には、前回設定した基板搬出前警報時間Td2をそのまま利用できるので、再度基板搬出前警報時間Td2を入力する必要はない。この場合にはステップS80に進み、上述した温度プロファイルモード(ステップS400〜ステップS440)を継続して実行する。一方、基板搬出前警報時間Td2を変更する場合には、ステップS60に戻り、基板搬出前警報時間Td2の設定(ステップS60)および警報音発生時間Td3の算出(ステップS70)を行った後に、上述した温度プロファイルモード(ステップS400〜ステップS440)を実行する。
【0056】
ステップS90で温度プロファイルモードから生産モードに変更された場合には、制御部50は、ステップS20に戻り、温度プロファイルモードから生産モードの実行に移行し、次いで、ステップS30で前段の装置に供給するReady信号をオンに切り替える。これにより、リフロー装置の前段に配置された装置は、基板30の搬送が許可されたことを認識し、当該装置によって処理された基板30を後段のリフロー装置100に搬送する。また、制御部50は、リフロー装置100の運転モードが生産モードに切り替えられると、基板停滞検出機能および基板落下検出機能をオンに切り替える。これにより、リフロー装置100内において基板30が停滞したとき、または、落下したときには警告音によりユーザに報知される。
【0057】
ステップS30の処理が終了したら次のステップに進み、上述したような生産モードおよび温度プロファイルモードの処理を実行する。本例では、このような一連の動作が繰り返し実行される。
【0058】
以上説明したように、本実施の形態によれば、温度プロファイルモードにおいて、基板30がリフロー装置本体10の搬出口10bに到達する前の位置で、ブザー音等の警告音を発生させることにより、基板30がリフロー装置本体10の搬出口10bに接近していることをユーザに報知する。これにより、基板30が搬出口10bに到達した時点で、ユーザが搬出口10bに確実に移動して基板30をリフロー装置本体10から取り出すことができ、次工程への誤搬出や基板30の落下等を防止できる。
【0059】
例えば、基板30が搬出口10bに到達したときに、出口側センサ部22の検出に基づいて警告音を発生させることも考えられる。しかしながら、ユーザがリフロー装置100から離れた場所で作業を行っている等の場合には、ユーザが搬出口10bに戻ってきたときには基板30が既に次工程の装置に搬送されてしまう等の問題が発生する。これに対し、本発明に係るリフロー装置100によれば、上述したように、搬出口10b到達前に警告音を発生させるので、基板30が次工程に搬送されてしまう等の問題を解消できる。
【0060】
また、本実施の形態では、搬出口10b到達の何秒前に警報音を発生させるかの基板搬出前警報時間Td2を設定して警報音発生時間Td3を制御部50により算出するので、警報発生位置にセンサを別途設置することなく、警報音を報知部66から発生させることができる。これにより、低コスト化を図ることができる。
【0061】
また、本実施の形態によれば、運転モードが温度プロファイルモードに変更されると、Ready信号をオフにするので、温度プロファイルモード中に前工程の装置から誤って生産用の基板30がリフロー装置本体10に搬入されてしまうことを防止できる。
【0062】
さらに、本実施の形態によれば、運転モードが温度プロファイルモードに変更されると、基板停滞検出機能および基板落下検出機能をオフに切り替えるので、基板30および温度プロファイラー基板32の誤検出によるエラー警告音の発生を防止できる。これにより、測定ミスを減少させることができ、効率的かつ迅速に温度プロファイルの測定を行うことができる。
【0063】
なお、本発明の技術範囲は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。例えば、上述した実施の形態では、本発明に係る温度プロファイルモードをリフロー装置100に適用した例について説明したが、これに限定されることはない。例えば、電子部品が実装された基板の接合部に、溶融されたはんだが収容されたはんだ槽上を通過させてはんだを付着させることにより電子部品のはんだ付け(フロー処理)を行う、はんだ付け装置にも適用可能であることはもちろんである。
【0064】
また、温度プロファイルモードが実行されたときに、リフロー装置本体10の内部で基板30が停滞したり、落下する場合も考えられる。この場合には、基板30が入口側センサ部20に検出されてから出口側センサ部22に検出される時間は上述した全搬送時間Td1により把握できるので、この全搬送時間Td1が経過しても基板30が出口側センサ部22により検出されない場合には、基板30が停滞または落下したとしてエラー警告を発生させることができる。
【0065】
また、上述した実施の形態では、搬出口10bに到達する前の基板搬出前警報時間Td2を設定したが、予めリフロー装置本体10の全長における搬送時間は算出により得られるので、直接、警報音を発生させる警報音発生時間Td3を設定しても良い。この場合には、上述した算出処理が不要となるので、処理の時間短縮を図ることができる。
【符号の説明】
【0066】
10・・・リフロー装置本体、12・・・ヒータ、14・・・ファン、16・・・モータ、22・・・入口側センサ部、22・・・出口側センサ部、30・・・基板、32・・・温度プロファイラー、18・・・冷却機、50・・・制御部、60・・・操作表示部、62・・・操作部、64・・・表示部、64a・・・リフロー装置制御画面、66・・・報知部、70a・・・モード変更画面、100・・・リフロー装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に電子部品をはんだ付け処理するはんだ付け装置であって、
少なくとも通常の生産モードとはんだ付け装置本体内を搬送される前記基板の温度を測定する温度プロファイルモードとを有し、
前記温度プロファイルモードにおいては、
警報を発生させるための報知手段と、
この報知手段により警報を発生させる際の発生時間を設定するための操作部と、
前記はんだ付け装置本体の搬入口付近に設けられ、前記はんだ付け装置本体に搬入される前記基板を検出するセンサ部と、
前記センサ部により検出された検出結果に基づいて、前記設定部により設定された前記報知手段により警報を発生させる前記発生時間になったか否かを判断する制御部とを備え、
前記制御部により前記警告を発生させる前記発生時間になったと判断された場合に前記報知手段により警報を発生させるようにした
ことを特徴とするはんだ付け装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記基板が前記はんだ付け装置本体の前記搬出口に到達するどのくらい前に警報を発生させるかの基板搬出前警報発生時間と、前記基板の搬送速度と、前記はんだ付け装置本体の搬送距離とに基づいて前記警報音を発生させる前記発生時間を算出する
ことを特徴とする請求項1に記載のはんだ付け装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記はんだ付け装置本体が前記生産モードおよび前記温度プロファイルモードの何れの運転モードであるかを判断し、
前記生産モードであると判断したとき、前記はんだ付け装置本体の前段に設けられる装置に供給する前記基板の搬送許可の可否を示すReady信号をオン状態とし、
前記温度プロファイルモードであると判断したとき、前記Ready信号をオフ状態とする
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のはんだ付け装置。
【請求項4】
前記はんだ付け装置本体の各部の設定を行うための運転制御画面を表示する表示部をさらに備え、
前記制御部は、前記表示部に表示される前記運転制御画面に、前記生産モードまたは前記温度プロファイルモードを選択するための運転モード変更画面を表示させる
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のはんだ付け装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記生産モード時に、前記基板が前記はんだ付け装置本体の内部に停滞したときに、前記基板が前記はんだ付け装置本体内部に停滞したことをユーザに報知する基板停滞検出機能を有し、
前記はんだ付け装置本体の運転モードが前記温度プロファイルモードに変更されたとき、前記基板停滞検出機能をオフにする
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のはんだ付け装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記生産モード時に、前記基板が前記はんだ付け装置本体の内部において搬送路から落下したときに、前記基板が前記搬送路から落下したことをユーザに報知する基板落下検出機能を有し、
前記はんだ付け装置本体の運転モードが前記温度プロファイルモードに変更されたとき、前記基板落下検出機能をオフにする
ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のはんだ付け装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−222784(P2011−222784A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−90969(P2010−90969)
【出願日】平成22年4月9日(2010.4.9)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.パトライト
【出願人】(000199197)千住金属工業株式会社 (101)
【Fターム(参考)】