説明

ほぼ撚りが解かれた繊維材料から編み製品を製造するための方法および編み機

ローラのペア(11c)によって供給された繊維材料で構成された編み製品を製造するための方法および編み機が説明されている。編み目は、編み要素(3)が非編み位置から繊維テークアップ位置まで持ち上げられることによって通常のように形成され、その間に、以前に形成された編み目はそれ同時にノックオーバされ、繊維材料(6)が挿入されたあと再び引き込まれている。繊維材料の存在はセンサ(22)によってモニタされ、このセンサは繊維材料が存在していないとき、エラー信号を発生し、その結果として編み要素は繊維テークアップ位置までさらに持ち上げられることが防止されている。本発明によれば、エラー信号が発生したとき、編み要素(3)は、以前に形成された編み目がノックオーバされることなく、および繊維材料がテークアップされることなく、再び中間位置から引き込まれる。さらに、センサは、好ましくは、ローラのペア(11c)と編みシステム(4)の間のロケーションに置かれている(図1)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1および請求項5の前文に規定したタイプの方法および編み機に関する。
【背景技術】
【0002】
公知の方法および上記タイプの糸紡ぎ−編み機(spinning-knitting machine)とも呼ばれる編み機(例えば、特許文献1)は、編み製品が通常の撚られたヤーンから製造されるではなく、スライバの形体で提供される繊維材料から製造され、このスライバは相互に対して平行に配置されたほぼ撚りが解かれたステープル繊維(staple fibers)から作られているという点で特徴がある。このスライバは糸紡ぎ(spinning)テクノロジから知られているドラフティングデバイス(drafting device)によって編みシステムに供給されている。スライバをドラフティングデバイスから編みシステムに移送するために、スライバは、各々が少なくとも1つの撚り要素(twist elementとそこに接続されたチューブを含んでいる糸紡ぎデバイスと移送デバイスによって、最初に複数の撚りをもつ仮ヤーン(temporary yarn)に変換され、その撚りは全移送操作期間の間保たれている。その結果として、通常のヤーンに比べてその強度が低いにもかかわらず、より長い距離にわたってスライバを移送することが可能になっている。仮ヤーンの撚りは、糸紡ぎデバイスまたは移送デバイスの出口端からスライバが編み要素に入る入り口までの短い距離にわたってゼロに減少(false twist effect)されるので、編み地(knitted fabric)において実際に処理された繊維材料は撚られたヤーンではなく、ほぼ撚りが解かれたスライバからなっている。その結果として、非常に柔軟性のある編み製品が最終製品として得られている。
【0003】
なお、代替方法として、糸紡ぎデバイスは、永続的接着ヤーン(permanently bonded yarn)、具体的には、所謂従来にないヤーン(unconventional yarn)の形成にも適応し、例えば、空気糸紡ぎデバイス(air spinning device)として構成することができる(例えば、特許文献2および特許文献3参照)。このようなヤーンには若干の撚りまたは巻きもあるが、例えば、玉(bundle)またはカバリングヤーン(covering yarn)のように、標準的意味におけるヤーンではない。糸紡ぎ操作は、好ましくは、仮ヤーンの上述したケースにおけるように、望みの移送目的のために十分に引き締まったスライバが形成されるが、その場合でも、十分にソフトな編み製品が得られるようにセットされている。
【0004】
さらに、編み機、具体的には、丸編み機は公知であり(特許文献8)、ドラフトされ、ほぼ撚りが解かれた繊維材料は、好ましくは、フライヤフレームスライバ(flyer frame sliver)の形で提供される繊維材料を2供給ローラ間のクランプギャップ(clamping gap)を通るように案内し、このローラのペアと編み機の関連作業エリアとの間で事前選択のドラフティング処理を繊維材料に加えることによって編み機に供給されている。
【0005】
従来の方法および編み機の場合と同じように、スライバが破断またはランアウト(run-out)すると、編み製品に穴が生じ、またはすでに形成された筒状ニットを編み要素からドロップさせるという欠点がある。これは、スライバの供給がないにもかかわらず、編み要素が繊維テークアップ位置までさらに持ち上げられ、その結果として、以前に形成された編み目が編み要素からノックオーバされることで起っている。ここで「ノックオーバ(knocking over)」という用語は、編み機のタイプ(例えば、ラッチニードル、組み合わせニードル(compound needle)、フック形状の要素など)に関係なく、これらが繊維テープアップ位置まで持ち上げられると、旧編み目が編み要素のブレード(blade)上に最初にスリップし、そのあと編み要素が下げられたとき、そのフック上をスライドし、新たに形成された編み目が編み要素から完全にスライドして離れることを意味するものと解されている。
【0006】
従って、糸センサを備え、通常の糸モニタと同じように構成されているモニタリングデバイスでスライバの供給をモニタすることは公知である(特許文献4)。このモニタリングデバイスが欠陥を見つけると、編み機およびドラフティングデバイスをスイッチオフすることを目的としたエラー信号が生成される。
【0007】
公知モニタリングデバイスのセンサは、スライバの移送方向に向かってドラフティングデバイスの前方に位置するロケーションに置かれている。このようにすると、ドラフティングデバイスが空で走行するのが防止され、新スライバの複雑な挿入の必要性がなくなるはずであるが、これに関連して種々の欠点がある。さらに、その目的は、スライバの終端がそれぞれの編みシステムに到達する前に編み機を停止することである。
【0008】
しかし、公知手順によると、2つの欠点がある。第一に、モニタリングデバイスと編み機の間に位置する個所でのスライバの破断が検出できないので、スライバがドラフティングデバイスまで走行する前にスライバの欠陥が起ると、筒状ニットの穴の形成または分離が防止できない。第二に、スライバの終端がそれぞれの編みシステムに到達する前に編み機が静止ことがまったく保証されないが、これはドラフティングデバイスの長さ、編み機からのその距離および個々のケースで使用される編み機の「停止距離」にほぼ依存し、例えば、これが回転可能ニードルシリンダを備えた丸編み機の場合には、特に丸編み機の回転可能ニードルシリンダに依存するからである。従って、センサは、編みシステムに入る繊維入り口個所から少なくとも遠く離れている必要があるので、その間に置かれたスライバの断片も、編み機の考えられる最高速度のとき、最終的に編み機が停止するまでの既存スライバ要件をカバーするのに十分である。
【0009】
さらに、繊維材料が存在しない場合または他のいずれかの障害が発生した場合、単一の編みシステムが非編み操作に切り替わり、この切り替わりが糸モニタによって自動的に行なわれるように前記タイプの編み機を構成することはすでに提案されている(特許文献5)。この提案では、これ以上の詳細が明らかにされていない。それにもかかわらず、編み製品に長い穴が形成されることは、この方法では確実に回避できないのは、このような穴の長さが、切り替えが完了するまでに実際に要する時間に左右されるからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】PCT WO2004/079068 A2明細書
【特許文献2】EP 1518949 A2明細書
【特許文献3】EP 1826299 A2明細書
【特許文献4】DE 10 2005 031 079 A1明細書
【特許文献5】DE 10 2006 056 895明細書
【特許文献6】PL 530 299 A2明細書
【特許文献7】DE 10 2006 006 502 A1明細書
【特許文献8】PL 350 489 A明細書
【特許文献9】DE 40 07 253 C2明細書
【特許文献10】DE 103 21 737 A1明細書
【特許文献11】DE 1 123 425明細書
【特許文献12】DE 35 07 496 C2明細書
【特許文献13】DE 15 85 229 C明細書
【特許文献14】DE 21 15 332 C3明細書
【特許文献15】DE 15 85 188明細書
【特許文献16】DE 16 35 844C3明細書
【特許文献17】DE 44 21 255 A1明細書
【特許文献18】EP 0761 585A1明細書
【特許文献19】DE 195 43 229 A1明細書
【特許文献20】DE 44 08 312 C2明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記に鑑みて、本発明の技術的課題は、スライバが破断したとき編み製品に発生した穴が比較的短く保つことを可能にし、スライバに発生する殆どすべての破断が検出できるように前述の方法および編み機を構成することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的は請求項1および請求項5に記載の特徴事項、すなわち、エラー信号が発生したとき、以前に形成された編み目がノックオーバされることなく、およびスライバがテークアップされることなく、編み要素が中間位置から再び引き込まれることを特徴とした方法によって、および編み要素を持ち上げる手段は、以前に形成された編み目がノックオーバされることなく、およびスライバがテークアップされることなく、編み要素が再び中間位置から引き込まれるように構成されていることを特徴とする編み機によって達成されている。
【発明の効果】
【0013】
本発明には、ドラフティングデバイスの引き込みローラまたは、例えば、特許文献6に記載の供給ローラのペアであるローラのペアと編みシステムとの間に位置するロケーションでモニタリングが行なわれ、糸テークアップが行なわれることなく、編み要素が再び中間位置から持上げられるという利点がある。従って、一方では、モニタリングデバイスのセンサは、必要ならば、それぞれの編みシステムに非常に近接して置くことができるので、編みシステムの直前で発生するスライバの破断なども確実に検出することができる。他方では、編み要素の特別な制御のために、エラー信号が発生したあと、依然として不可避的に繊維テークアップ位置まで移動する編み要素の数を、従って、その結果として編み製品に生じる穴の数も、センサと繊維入り口個所の間に位置するスライバの断片が比較的近く短いときでも、可能な限り少なく保つことが可能である。
【0014】
本発明のその他の有利な特徴は、従属明細書に記載されている通りである。
【0015】
以下、添付図面と関連付けて例示の実施形態に基づいて本発明を詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】ほぼ撚りが解かれたステープル繊維を含む繊維材料から編み製品を製造するために本発明の目的に適した丸編み機を示す概略図である。
【図2】多数の編みシステムを備えた図1に図示の丸編み機の概略平面図である。
【図3】図1に図示の丸編み機用の可能なカムを示す正面図である。
【図4】図1に図示の丸編み機用の可能なカムを示す正面図である。
【図5】本発明に従って繊維テークアップ位置に置かれた図1に図示の丸編み機のラッチニードルを示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1は、ラッチニードル3の形体をした通常の編み要素が移動可能に配置されているニードルシリンダ2を備えた丸編み機1の一部断面を示す概略垂直断面図であり、編み要素は、フック3aとピボット回転ラッチ3bを有し、以下では編みシステム4と名付けた編み個所においてカム5(詳細は示していない)によって繊維材料6をテークアップするのに適した繊維テークアップ位置まで移動可能になっている。例えば、台丸編み機(plain circular knitting machine)として構成可能である丸編み機は、ワークショップまたは編成室(knitting room)の概略図で示すフロア上に載置されている。オペレータは、ワークショップフロアから編み機1を操作することができる。さらに、繊維からなるカードスライバ(card sliver)8がそこに蓄積されている複数のケンス(can)7は、例えば、ワークショップフロア上に置かれている。
【0018】
カードスライバ8は、移送要素9(詳細は図示していない)によってドラフティングデバイス10に供給される。なお、図1にはその1つだけが示されているが、複数の編みシステム4の各々は、そのようなドラフティングデバイス10が関連付けられており、このドラフティングデバイス10は、それ自体公知であるように、例えば、3ペアのドラフティングローラ11を備えている。
【0019】
ドラフティングデバイス10から出た繊維材料は、相互に平行に配置されたほぼ撚りが解かれたステープル繊維からなり、全体を符号12で示す糸紡ぎデバイスまたは移送デバイスによって公知のように関連編みシステム4に供給される。移送デバイス12は、少なくとも1つの撚り要素14と、その撚り要素4に接続された糸紡ぎチューブまたは移送チューブ15とを含んでいるが、図1に示す例示の実施形態では、3つの撚り要素14a、14b、14cおよび移送チューブ15a、15b、15cは、一方が他方の背後になるように接続されているのは、ドラフティングデバイス10からの丸編み機1の距離が比較的大きいためである。繊維材料の移送方向における最初の撚り要素14aは、ドラフティングデバイス10の引き込みローラのペア(withdrawal roller pair)11の直接背後に置かれているのに対し、移送方向における最後の移送チューブ15cの終端は、それぞれの編みシステム上の繊維テークアップ位置まで持上げられたラッチニードル3のフック3aに非常に近接している。
【0020】
糸紡ぎデバイス12または撚り要素14と移送チューブ15とを含む各移送ユニットは、ドラフティングデバイス10から出たスライバを、真の撚り(genuine twists)をもつ仮ヤーン17に最初に変換する働きをする。この目的のために、撚り要素14は、例えば、ほぼ中空の円筒体から形成され、その内側空洞は移送チューブ15の先頭セクションを受け入れ、少なくとも1つのエアダクト、好ましくは、すべてが移送チューブ15の中心軸に対し角度をなして配置された複数のエアダクトが設けられている。エアダクトは中空体の壁と移送チューブ15を通過し、移送チューブ15の内壁で終わっている。オペレーション期間、圧縮空気または吹き付け空気は手段(図示せず)によってエアダクトの外端に接続され、撚り要素14が引き込みローラのペア11aによって供給された繊維材料を移送チューブ15内に引き入れ、それと同時にそれぞれの編みシステム4の方向に移送チューブ15を通過するようにも仕向けている。
【0021】
さらに、エアダクトがスロープ構成になっているため、空気は移送チューブ15内で渦を生じ、引き込みローラ11cから出た繊維材料が吸引されるだけでなく、複数の撚りを与えることによって仮ヤーンに紡糸されるようになっており、これらの撚りは同時に繊維材料を圧縮している。仮ヤーンは最後の移送チューブ15cのほぼ終端まで撚りを保持しており、そこでこれらの撚りは再び解放される。すなわち、最後に受け入れた繊維材料6が編みニードル3に入るまでゼロに減少される(仮撚り効果)。従って、圧縮されたが、ほぼ撚りが解かれたスライバ6は編みニードル3に入る。異なる移送ユニット14、15の間には、関連の抜き出し手段19のあるそれぞれのギャップ18が、好ましくは、撚り要素14から出た余分の空気と繊維材料内に存在する遊離不純物を抜き出すために設けられている。
【0022】
図2の概略平面図が示すように、図1に示す多数のデバイスが丸編み機1の周辺の周りに分布されており、ここでは、糸紡ぎと移送デバイス12は2つのそれぞれの移送ユニット14、15だけを備えている。さらに、例示の実施形態の特殊な特徴によれば、各々がスライバを案内する4つのそれぞれのドラフティングデバイス(例:10a、10b、10cおよび10d)はペアで相互に隣接して配置され、共通カウンティング20の両側に固定され、ドラフティングデバイス群21を形成するように結合されている。さらに、各ドラフティングデバイス21は2つのドライブを有し(図示せず)、その一方のドライブは4つの供給ローラと中央ローラ11a、11bのすべてを駆動し、他方のドライブはそれぞれのドラフティングローラ群21の4つの引き込みローラ11cのすべてを駆動している。従って、図2に示す丸編み機1は、24個の個別ドラフティングデバイスを備え、その各々はそれぞれのスライバ6を24個の編みシステムの1つに供給している。
【0023】
上述したタイプの丸編み機は、例えば、特許文献1と特許文献7から公知であり、これらの文献は重複を避けるために引用によって本明細書の一部になっている。
【0024】
本発明によれば、上述した丸編み機1は各編みシステム4上に少なくとも1つのセンサ22を備えており、このセンサは編みシステム4に供給される繊維材料の存在の有無を検出するのに適し、特に、繊維材料の動きと停止も検出するという利点があり、このセンサは、好ましくはドラフティングデバイス10の引き込みローラペア11cと編みシステム4の間に位置しているロケーションに置かれている。このモニタリングは、移送デバイス12の最後の移送チューブから排出するスライバ6に基づいて行なうことも、2移送ユニット14、15間のギャップ18内に案内された仮ヤーン17に基づいて行なうことも、さらには移送チューブ15内に案内された仮ヤーンに基づいて行なうことができる。最後に言及したケースでは、それぞれの移送チューブ15は、好ましくは、完全な透明材料からなる窓または中間セクションを有し、センサ22によって仮ヤーン17がそこから検出できるようになっている。図1と図2の例示実施形態では、このような3つセンサ22a、22bおよび22cがそれぞれ各システム用に設けられており、その各々は移送チューブ15a、15b、15cと関連付けられている。少なくとも1つのセンサ22がそれぞれの編みシステム4に可能な限り近接して配置されていると、特に、そこに発生した破断または繊維材料の他の欠陥も検出できるという利点がある。
【0025】
通常の編み機で糸センサ(thread sensor)として使用される通常のセンサは、モニタされる繊維材料が不存在または停止したとき、電気的エラー信号を発信するセンサ22として設けることができる。このエラー信号は、本発明によれば、それぞれの編みシステム4を通過するニードル3が繊維テークアップ位置内に通過できなくなったが、どの繊維もテークアップすることなく再び中間位置から持ち上げられるのを可能にするために使用されている。このプロセスを示したのが図4と図5の概略図である。
【0026】
図3では、ニードル3自体またはニードルと関連付けられたセレクタまたはジャックセレクタ24(図1)が、通常の編み機におけると同じように、編みシステム3に配置されたカム5と作用し合う持ち上げバット25(図3)を備えていることが前提になっている。その結果として、すべてのニードル3が、例えば、繊維テークアップ位置までの持ち上げ通路26に沿って通り抜け位置(through-position)または非編み位置から最初に持ち上げられ、そのあと、引き込み通路27に沿って再び引き込まれ、キャストオフ(cast-off)またはクーリエ(coulier)通路28を通過したあと、ニードル3を通り抜け位置まで再び進めるようになっている。カム5に対するニードル3の動きは、図3中の矢印の方向に行なわれる。繊維テークアップ位置は持ち上げ通路26の最高個所29の近くで到達し、これは、ニードルのフック3aに位置し、先行する編みシステムで形成された編み目が開いたラッチを越えてニードルブレード3c(図1)上をスライドする距離までニードルが持ち上げられている位置にニードル3を配置するのに役立っている。その間、例えば、糸ガイドのアイレット(eyelet)を示すロケーション30にある繊維材料は、その引き込み期間に遅くともニードル3のフック3a内に置かれるように進めることができる。しかし、ニードルの引き込みは、挿入された繊維材料をニードルブレード3c上にサスペンドされた以前形成の編み目を通るように引っ張り、それと同時に、ラッチ3bが閉じたときフック3a上の旧編み目を完全にノックオーバするのに役立っている。
【0027】
繊維材料の破断または類似の欠陥が発生し、そのために繊維材料を再びテークアップすることなく旧編み目をノックオーバしたときニードル3がさらに持ち上がって繊維テークアップ位置になるのを防止するために、図3に示すように持ち上げ通路26の始まりにブランチ31を設けることができ、そのブランチでは、バット25は、一部のバット25aについて示すように選択的に持ち上げ通路26上に案内されることも、通り抜け通路32に入るように案内されることも可能である。例えば、ブランチ31の個所に配置された電磁石33は、ニードル制御システムの場合に一般に知られているように、セレクタ手段となることができる。この電磁石33は、センサ22のエラー信号に応答してそれぞれの編みシステム4上のすべてのニードル3が通り抜け通路32内に仕向けられるように制御することができる。その結果として、旧編み目はノックオーバされることが防止される。
【0028】
しかし、上述した制御が最適でないのは、図3において、セレクタマグネット33の右側に配置されたすべてのニードル3は、エラー信号が発生したときすでにブランチ31を通り過ぎているので、繊維テークアップ位置に持ち上げられるのを最早防止することができない。その結果として、編み製品に穴が形成され、その長さが少なくとも図3に示す長さyに相当しているのは、少なくとも個所yに置かれたすべてのニードル3が繊維テークアップ位置に到達する前にまだその編み目をノックオーバしているからである。この穴のサイズは個々のケース、ニードルのピッチおよびその他の特性に依存している。
【0029】
従って、本発明によれば、図4に示すように、ブランチ34と関連セレクタマグネットを、持ち上げ通路内で取り抜け通路32(through-path)の上方の高さhに配置することが提案されている。さらに、ブランチ34を中間通路35に接続することが提案されており、この通路35は中間通路上に配置されたバット25bが繊維テークアップ位置の下を通過するように導き、中間通路がロケーション36で引き込み通路27に供給するのを可能にし、関連ニードル3がどの繊維もテークアップしないことを保証している。さらに、高さhは、持ち上げ作用がブランチ34に到達する時間までに起っているため、ニードル3のラッチ3bが図5に示すようにすでに開いていて、他方、糸37で示す旧編み目が空きのラッチチップのすぐ上に位置しているため、中間通路35上をニードル3が移送している期間、ラッチ3bの下を通ってニードルバット3c上に通過できないような寸法になっている。
【0030】
この方法によると、センサ22から発信されるエラー信号が発生したとき、セレクタマグネット33によって中間通路35に入るように仕向けることができないのは、ブランチ34をすでに通過したニードル3、つまり、編みシステム4の区間y−xにすでに置かれているニードル3だけであることが保証される。逆に、図4の個所xに置かれているすべてのニードル3はセレクタマグネット33によってまだ中間通路に入るように仕向けられることが可能になっている。ニードル3が旧編み目をノックオーバするのを防止できなくなった区間y−xは、従って、寸法yよりもほぼ狭くなっているので、繊維材料6が存在しないために起る編み製品中の穴は、これらに応じて長さが短くなっている。この穴の長さは、従って、図3に比べて寸法xだけ全体的に縮小している。
【0031】
さらに、図4に示す構成は、ニードル3がブランチ34の位置によって規定され、図5の意味において最適化できる中間位置C(図4)に持ち上げられるという利点がある。中間経路35は、通り抜け通路32(図3)と旧編み目がまだノックオーバされていない図5に示す最高個所の間にだけ位置している限り、どのような望みの高さにも置くことができるという利点がある。さらに、編み関連の設計上の特徴によると、寸法xを最適化し、可能な限り大きくできるという利点があるのと同時に、ブランチ34と、繊維材料がニードルによってテークアップされないロケーション30との間の水平距離および繊維材料に破断が起った場合にどの繊維もテークアップしないニードルの数も可能な限り小さく選択できるという利点がある。
【0032】
図1は、センサ22と丸編み機1の制御要素の残り部分との接続を示す図である。この中には、中央制御要素として、特に標準的マシンコントロールユニット41が含まれており、例えば、電磁石によって制御可能である編みニードル用の電子的セレクタドライブを備えた丸編み機の場合と同じ方法で、これは、電気的ラインを介してマシンドライブ42およびセレクタマグネット33に接続されている。本発明によれば、さらにマイクロプロセッサ43が用意されており、これは、一方のサイドではマシンコントロールユニット41に、他方のサイドではセンサ22のほかに、ドラフティングデバイス10の異なるドライブを制御する働きをするコントロールデバイスにも接続されている。
【0033】
丸編み機1を制御するための2つの好ましい方法が、特に本発明の目的のために提供されている。どちらの方法も、図2に示すドラフティングデバイス10の設計に基づいて働き、この設計によれば、マウンティング20の同じサイドに配置された2つのそれぞれの隣接ドラフティングデバイス10がペアを構成している。このペアの2ドラフティングデバイス10の上部ローラは、それぞれ、共通プレスアーム(press arm)またはスイングサポート(swing support)上に回転可能に置かれている。各プレスアームは、一方のサイドでは、公知のようにスプリングなどによってバイアスされて、上部ローラをあらかじめ決めた力で下部ローラに押し付けており、他方のサイドでは、ドラフティングローラハウジング上にピボット回転可能に置かれ、ハウジングが修理と保守作業用にオープン可能になっている。さらに、図2に示すように、同一マウンティング20上に取り付けられた4個のドラフティングデバイス10からなる各ドラフティングデバイス群21は2つの関連モータをもち、そのうちの一方は供給ローラと中央ローラ11a、11bを駆動する働きをし、他方は引き込みローラ11cを駆動する働きをしている。
【0034】
上記に基づき、丸編み機1を制御するための第1の方法によれば、いずれかのセンサ11によってマイクロプロセッサ43に供給され、スライバ6または仮ヤーン17の存在を示すエラー信号が、マシンコントロールユニット41に即時に転送されるようになっている。これにより、制御信号が関連編みシステム4のセレクタマグネット33に送られるので、セレクタマグネット33を通過したすべてのニードル3は即時に中間通路35(図4)に入るように仕向けられるので、繊維テープアップ位置29に持ち上げられることがない。この方法の実施は、電子システムによって起る信号走行と計算時間が避けられないが、非常に高速化することができる。従って、上述したように、少数の追加ニードルを除き、障害発生時にセレクタマグネット33をすでに通過したニードル3だけは検出されることがない。しかし、後続ニードル3はすべて中間通路35内を通過しているので、編み製品における穴形成は比較的短くなっている。
【0035】
エラー信号が発生したとき、マシンコントロールユニット41は制御信号をマシンドライブ42に送信することを続けるので、丸編み機1またはニードルシリンダ2用の駆動モータが停止される。ニードルシリンダ2は、このようにして徐々に静止する状態になり、その間、例えば、1/4または1/2回転をまだ行なっている。しかし、この停止時間がニードルから編み目をノックオーバするのに重要でないのは、これがセレクタマグネット33のスイッチオーバ(切り替え)によってすでに防止されているからである。
【0036】
最後に、制御信号はマイクロプロセッサ43を経由してコントロールデバイス4にも送信され、そこで、これにより、丸編み機1またはニードルシリンダ2と同期してすべてのドラフティングデバイス9の駆動モータも停止される。
【0037】
丸編み機1の停止のあと、それぞれのドラフティングデバイス10における損傷は修復することができ、丸編み機1はマシンコントロールユニット41上の対応するスイッチによって手操作でリスタートすることができる。その結果、エラー信号を出したセンサ22はマイクロプロセッサ43によって再びアクティブなモニタリングステートにすることができ、その間にドラフティングデバイス10のドライブは再びスイッチオンされる。しかし、欠陥によって影響を受けた編みシステム3のセレクタマグネット33は、それぞれのセンサ22によってモニタされたドラフティングデバイス10が繊維材料を再び供給し、繊維材料を移動していること、すなわち、移送がニードル3の方向に行なわれていることをセンサ22が示しているとき、ブランチ26ですべての通過ニードル3を持ち上げ通路26に仕向ける状態にされるだけである。
【0038】
上述した説明によれば、2つのそれぞれの隣接ドラフティングデバイス10が同一プレスアームに接続されている場合には、エラー信号が発生したとき、同一ペアの隣接ドラフティングデバイス10に属する編みシステム4のセレクタマグネット33も、上述したように自動的にスイッチオーバされる。これが好都合であるのは、示された障害を除去するには、一般に共通プレスアームをオープンさせる必要があり、その結果として、実際に未影響の隣接システムにおける繊維の流れも中断されるか、少なくとも乱れるからである。2つの隣接システムを中間通路35に一緒にスイッチオーバする結果として、ペアの両隣接ドラフティングデバイス10において同じ条件を簡単に引き起こしてから、丸編み機1を再スタートすることが可能になる。
【0039】
上記プロシージャは、3以上のドラフティングデバイス10の上部ローラが共通プレスアームに接続されている場合も同じである。
【0040】
本発明による第2の好ましい方法によれば、センサ22の1つによってある障害が検出されたにもかかわらず、丸編み機1は稼動を続けることになる。これには、障害の即時除去が不可能であるか、またはなんらかの理由で望ましくない場合、大幅な停止期間を回避できるという利点がある。
【0041】
この場合には、ある障害がセンサ22の1つによって指示されたとき、その障害の影響を受けたペアに属する2つの編みシステム4上のニードルだけが中間通路に仕向けられるのではなく、図2中のそれぞれのドラフティングデバイス群21の他の2つのドラフティングデバイス10に属する編みシステム4のニードル3も同様である。さらに、ドラフティングデバイス群21の2つの駆動モータはコントロールデバイス44によってオフにスイッチされ、追加の繊維がテークアップされていなくても、繊維がそれぞれのシステム4に供給され続けることが防止される。その結果として、丸編み機1は、全ドラフティングデバイス群21が最早動作していない状態になる。それにもかかわらず、丸編み機1が問題なく動作を続けることができるのは、例示の実施形態では、ドラフティングデバイス群21が停止すると、ニードルシリンダの回転ごとに通常より少ない4つの編み目列が存在するだけであり、その理由は、各編みシステム4に編み目列が形成されるからである。残りの編みシステム4のすべてが完璧に働いている限り、確かに製造が減少することになるが、多くの場合、製造した編み製品の品質が低下することにはならない。品質の低下は、丸編み機1のテークオフデバイス(take-off device)がマシンコントロールユニット41によって減少した出力に合わせて調整されるので防止することもできる。
【0042】
その後のいずれかの時に、停止したドラフティングデバイス群21に存在する障害を除去する必要が起った場合は、丸編み機1を手操作で停止させ、それぞれのドラフティングデバイス10を上述したのと同じように開閉することによって障害を取り除くことができる。そのあと、丸編み機1は手操作でリスタートされ、そこでは、それぞれのドラフティングデバイス群21のドラフティングデバイス10に属するセレクタマグネット33は、それぞれのセンサ22のすべてが繊維材料、好ましくは、移動する繊維材料を再び検出するまで、スイッチオーバした位置に留まっている。そのあと、セレクタマグネット33はスイッチオーバされ、セレクタマグネットによって制御された編みシステム4上のニードル3も繊維テークアップ位置まで再び持ち上げる。しかし、代替方法として、マシンを稼動させたまま障害を取り除いたあと、センサ22が繊維材料の移送を検出するや否や、マシンを停止することなくセレクタマグネット33を再びスイッチオーバすることも可能である。上述した方法のどちらによる場合も、丸編み機1のリスタート時にコントロールエラーを防止するためにマシンを停止したあと、丸編み機1に存在するすべてのセンサ22a、22bおよび22cを瞬時にスイッチオフできるので好都合である。さらに、撚り要素14と吸引デバイス19を上述したコントロールに組み込み、これらに関連する吹き付け空気と吸引空気の流れを、適当なレギュレータデバイスなどによってそれぞれが変化した動作条件に適応させることができるという利点がある。
【0043】
上記プロシージャは、複数のセンサ22がエラー信号を同時に出力する場合も同じである。
【0044】
どちらの方法も、編みシステム4に供給される繊維材料が特許文献8に従って、すなわち、従来のドラフティングデバイスが存在しないとき供給ローラのペアによって供給される場合には同じように適用することができる。
【0045】
図4の意味におけるニードル3の制御のためには、3ウェイ手法(3-way technique)でニードル選択のために主として従来から使用されていたパターニングデバイス(patterning device)が適している(例えば、特許文献9と特許文献10)。そこでは、図3に示すように、ニードルが第1のセレクタマグネットで選択的に通り抜け通路または持ち上げ通路に入るように制御することは広く知られている。この場合、持ち上げ通路上に案内されたニードルは、図4に示すように、第2のセレクタマグネットによって選択的にキャッチ位置(catch position)に仕向けることも、持ち上げ通路に移動して糸テークアップ位置に入れることもできる。しかし、本発明によれば、通り抜け通路と持ち上げ通路の間で選択するのに役立つセレクタマグネットは省くことが可能であり、これは、ニードルはすべてが糸紡ぎ―編み(spinning-knitting)期間に糸テープアップ位置に入るように制御されるのが通常であるからである。
【0046】
この分野の精通者ならば明らかであるように、ニードル3のシングルセレクションを可能にする電磁セレクタマグネットの代わりに、繊維テークアップ位置と中間位置の間でスイッチオーバ可能である電気的に制御可能のカムスイッチの形体をしたセレクタ構成を使用して(例えば、特許文献11と特許文献12)、繊維の破断が起ったときニードルを中間位置に仕向けることも可能である。さらに、ニードル3を中間位置に仕向けるように制御するために切り替え可能なカムまたはピボット回転するスイングレバー(例えば、特許文献13)が使用できる。例えば、圧電素子で動作する純粋に電気的パターンニングデバイス(例えば、特許文献14)または空力的に動作するパターンニングデバイス(例えば、特許文献15)を使用することも可能である。スライバに欠陥が発生したときニードル3を中間通路35に仕向けるためにどのような手段が使用されるかは、本発明の目的のためには特に重要でない。
【0047】
さらに、組み合わせニードル(compound needle)のように、電磁セレクタデバイスが同じように使用されている他の編み要素(例えば、特許文献16)がラッチニードルの代わりに使用されることも可能である。この意味では、フック形状の編み要素の適用も可能である。
【0048】
本発明の枠内に属する適当なセンサとしては、特に、通常の編みヤーンをモニタリングするのにも適しているすべてのセンサ、および光学的に、機械的にまたは純粋に電子的に動作するすべてのセンサがある(例えば、特許文献17、特許文献18、特許文献19または特許文献20)。
【0049】
上記に列挙したすべての文献は重複を避けるために、引用により本明細書の一部を構成している。
【0050】
本発明は上述した例示の実施形態に限定されず、これらの実施形態は種々の態様に変更が可能である。特に、明らかであるように、図4に示す中間通路35は、必ずしも、ニードル3の中間位置Cの高さで通り抜け通路と正確に平行になっている必要はない。特に好ましい例示の実施形態によれば、中間通路35は、その代わりに、図4中の破線35aと35bで示すように、ブランチに隣接して急峻な下降スロープになっている。中間通路35はロケーション36において引き込み通路27にではなく、糸案内アイレット36のより前方に位置するロケーション32において通り抜け通路32に入り込んでおり、従ってニードル3は、移送方向に見たとき、ニードルがロケーション36でのみ引き込み通路27に入り込む場合よりも早期に引き込まれている。その結果として、ある編みシステムまたはすべての編みシステムで糸を紡ぐとき、ニードルの円(needle circle)内にすでに挿入されている繊維材料のセクションが、中間通路35上を移送されたニードル3またはこれらの間を通過するニードル3によって確実に絡まれないという利点がある。急斜カム(steep cam)を避けるために、若干平坦化したコース35bが現在では本発明の最良実施形態と見なされている。さらに、図1に示す丸編み機1のコントロールシステムは一例だけを表しているが、これは種々の態様で変更が可能である。このことは、センサ22a、22bの位置および数にも該当し、センサは繊維材料の通路上の他のどのロケーションに置くことも可能である。例えば、ドラフティングデバイスの個所に置くことも、その前方に置くことも可能である。原理的には、各編みシステム4に1つのセンサ22が用意されていれば十分である。さらに、ドラフティングデバイス10は、図2に示すように、2個のペアで、および4個のドラフティングデバイス群で配置する必要がない。本発明の目的のために、各々の個的ドラフティングデバイス10が配列され、別々に駆動される構成も適している。さらに、センサ22のほかに、繊維の流れをモニタリングする別のセンサを編み機に設けることも可能である。特に、このようなセンサは、それ自体公知であるように、繊維の移送方向に向かってドラフティングデバイスの前方に配置されることも可能である。最後に、明らかであるように、上述し、図示した組み合わせとは別の組み合わせで異なる特徴を適用することも可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
編み要素(3)と少なくとも1つの編みシステム(4)とを備えた編み機(1)で編み製品を製造するための方法であって、編みシステムが非編み位置から繊維テークアップ位置まで持ち上げられることによって編み目の形成が達成され、その間に、以前に形成された編み目がそれと同時にノックオーバされ、ローラのペアによって供給されたドラフト済みスライバ(6)が挿入されたあと再び非編み位置まで移動されると共に、繊維材料(6、17)の存在がモニタされ、繊維材料(6、17)が存在していなければエラー信号が生成され、その結果として編み要素(3)が繊維テークアップ位置まで持ち上げられるのを防止するようにした方法において、前記エラー信号が発生したとき、編み要素(3)は、以前に形成された編み目がノックオーバされることなく、およびスライバ(6)がテークアップされることなく、中間位置(C)から再び引き込まれることを特徴とする方法。
【請求項2】
複数のドラフティングデバイス(10)が結合されてドラフティングデバイス群(21)を形成し、このドラフティングデバイス群(21)のドラフティングデバイス(10)の1つでエラー信号が発生した場合、そのドラフティングデバイスを操作するために使用されるドライバだけがスイッチオフされ、その間、丸編み機は残りのドラフティングデバイス(10)で動作を続けることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
複数のドラフティングデバイス(10)がペアに組み合わされ、これらのペアのドラフティングデバイス(10)でエラー信号が発生したとき、丸編み機(1)のドライブおよびすべてのドラフティングデバイス(10)のドライブがシャットダウンされることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記モニタリングは、ローラのペア(11c)と編み機(1)の間に位置するロケーションで行なわれることを特徴とする請求項1乃至3の1つに記載の方法。
【請求項5】
編み要素(3)と少なくとも1つの編みシステム(4)とを備えた編み機であって、編みシステム(4)と関連付けられていて、ドラフトされたスライバを繊維テークアップ個所に供給するローラのペアを備えた少なくとも1つのアセンブリと、編み要素(4)と関連付けられていて、編み要素(3)を非編み位置から繊維テークアップ位置(29)まで持ち上げるための手段(26、27)と、その間に、繊維テークアップ個所でスライバ(6)をテークアップし、そのあと編み要素(3)を非編み位置まで移動するために、以前に形成された編み目がそれと同時にノックオーバされ、少なくとも1つのセンサを持つスライバ(6)のモニタリング手段とを備え、スライバ(6)が存在していないとき、編み要素(3)が繊維テークアップ個所に持ち上げられるのを防止されるようにした編み機において、前記手段(26、27)は、以前に形成された編み目がノックオーバされることなく、およびスライバ(6)がテークアップされることなく、編み要素が再び中間位置(C)から引き込まれるように構成されていることを特徴とする編み機。
【請求項6】
前記手段は、編み要素(3)のバット(25)用カムから形成されたブランチ個所(34)またはこれらのカムと関連付けられた制御要素(24)と、前記ブランチ(34)と関連付けられた電気的制御可能セレクタデバイス(33)とを備え、ニードル(3)は、センサ(22)からのエラー信号が発生したとき、前記電気的制御可能セレクタデバイス(33)によって中間通路(35)に入るように仕向けられることを特徴とする請求項5に記載の編み機。
【請求項7】
編み要素(3)はラッチニードルを含み、中間位置(C)は以前に形成された編み目がオープンしたラッチ(3b)上にまだ置かれているように選択されていることを特徴とする請求項5または6に記載の編み機。
【請求項8】
ブランチ(34)からは、中間通路(35)はコース(35a、35b)が通り抜け通路(32)の方向に下降していることを特徴とする請求項6または7に記載の編み機。
【請求項9】
前記センサ(22)は、ローラのペア(11c)と編みシステム(4)の間に位置するロケーションに置かれていることを特徴とする請求項5乃至8の1つに記載の編み機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−537080(P2010−537080A)
【公表日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−522177(P2010−522177)
【出願日】平成20年8月1日(2008.8.1)
【国際出願番号】PCT/DE2008/001258
【国際公開番号】WO2009/026875
【国際公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【出願人】(591027710)ジプラ パテントエントビクルングス−ウント ベタイリグングスゲゼルシャフト エムベーハー (16)
【氏名又は名称原語表記】SIPRA PATENTENTWICKLUNGS−UND BETEILIGUNGS−GESELLSCHAFT MIT BESCHRANKTER HAFTUNG
【Fターム(参考)】