説明

ろ過装置

本発明は、2つのホルダ(12、13)をフィルタの両側に有するフィルタ本体(11)を含む真空フィルタ装置(10)を提供する。各々のホルダが、閉じた容器(15、16)を液密、密封の関係で収容する。フィルタが、フィルタの上面にシールの圧力を弾性的に加える圧縮シール部材によって保持される。シール部材は、シール部材へと所望の圧縮力を加えるリングで形成された圧縮部材によって所定位置に保持される。圧縮部材は、シール部材、およびフィルタを所定位置に圧縮シール下に保持するために、本体の一部分へと接合される。本発明の他の態様は、圧縮部材に装置の通気孔に位置合わせさせることができるポートを形成することを含む。本発明はまた、ポートが装置の通気孔に位置合わせされるように保証する位置合わせ用の特徴部を圧縮部材に設けることができる。さらに装置は、フィルタの下流側に連通し、したがって、ろ液容器に連通する真空ポート(26)を含むことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2007年10月4日付の米国特許仮出願第60/997,655号の優先権を主張し、この全内容が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、一般には、真空フィルタ装置に関し、特に、一方の容器からの液体を膜によってろ過し、ろ液を別の容器へと直接届けるような装置に関する。さらに詳しくは、本発明は、組織培養培地などの溶液の真空ろ過が行われる溶液を液密、密閉型のろ過システムに関する。
【背景技術】
【0003】
生物学的溶液をろ過するための装置は、一般に、3つの主要な構成要素、すなわち2つの容器の間に介装された膜フィルタと、膜の上流に位置し、ろ過対象の試料溶液を保持する供給容器と、膜フィルタの下流に位置し、ろ過された試料溶液を集めるろ液容器とを含む。フィルタを通して圧力差を生じさせることによってろ過の速度を高めるために、膜の下流において真空が引かれることが多い。しかしながら、そのような場合には、膜を通して圧力差を維持して、したがってろ過が停止することがないように保証しなければならない。
【0004】
真空ろ過のための構成要素の配置は、さまざまな形態をとることができるが、特に研究室環境において、使用が容易であること、保管要件が少ないこと、および使い捨てのハードウェアが最小限であることが、生物学的溶液がこぼれないこととともに、重要な関心事である。他の特定の用途においては、ろ過される溶液の無菌状態が保たれることも、重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
真空フィルタ装置の例が、米国特許第4,673,501号明細書に記載されており、ろ過対象の溶液の試料を受けるための開放型のじょうごが、ろ液を集めるための瓶の上部へとシールされるように構成されている。じょうごの底部が、膜フィルタを、ろ過対象の試料がじょうごの上部へと注がれたときに、試料溶液のすべてが膜フィルタを通って流れるように配置して含む。真空源へと接続されるように構成された真空管が、じょうごの底部に形成されており、ろ液瓶を真空引きして、試料溶液を膜フィルタを通って引き込むことができるようにしている。フィルタを通して圧力差が、フィルタの下流側への真空の吸引および開いたじょうごの液面に存在する大気圧ゆえに一定であるため、迅速なろ過が可能であり、流量の減少は、フィルタの詰まりの結果である。それにもかかわらず、本願に記載されている種類の真空フィルタ装置は、それらを研究室での使用にとって不便にするいくつかの欠点を抱えている。第1に、これらの装置においては、液体試料を研究室の通常の容器から開いたじょうごへと移す必要があり、このことが、こぼれにつながる可能性があり、試料がより多くの表面に触れることで、非特異的結合による表面への損失が持ち込まれる可能性があり、あるいは実験器具の清掃または取り扱いが不適切であることで、望ましくない種が加わる可能性がある。このアセンブリにおいては、液体の重量が上部に集中するため、試料を注ぐときや、真空ホースを接続するときに、アセンブリが傾きやすく、したがって生物学的溶液をこぼしやすい。ろ過対象の流体の取り扱いがユーザにとって不便であるほかに、開放型であるというこの装置の性質ゆえに、特定の生物学的溶液の無菌状態が損なわれる危険が大きい。さらには、これらのフィルタアセンブリは、サイズが大きいため、限られた研究室の保管空間を占有する結果となる。さらには、ろ過プロセスに使用される容器が使い捨てであり、1回だけ使用されるように意図されているため、これらのフィルタアセンブリならびに関連のろ過前およびろ過後用の容器によって、かなりの量の固体廃棄物が生じる。
【0006】
固体廃棄物の量および流体の受け渡しを最小限にするために、米国特許第5,141,639号明細書が、膜フィルタがろ液容器へとシールすることができるカバーに配置されている真空フィルタアセンブリを記載している。カバーが、膜フィルタの上流側に位置する管状の供給ニップルの形態の供給ポートを備えて形成されている。配管の一端が、供給ニップルへと接続され、他端が、ろ過対象の溶液を収容している試料容器へと直接挿入される。さらに、カバーは、ろ液出口ポートおよび真空ポートを含み、どちらも膜フィルタの下流側に、流体的に接続されている。配管が真空ポートに取り付けられ、真空が引かれると、ろ過対象の試料溶液が配管を通って流れ、膜フィルタをろ液容器へと通過する。上述の米国特許第4,673,501号明細書の場合と同様に、この従来技術のアセンブリにおいても、ろ液容器内の真空ならびに開放されている供給容器または試料容器の液面に作用する大気圧のために、圧力差は一定のままである。この装置は、ろ過の際に生じる固体廃棄物の量を最小限にするが、作業者が配管をカバーへと組み付け、必要な真空の圧力がろ液容器内に達成されるまでカバーをろ液容器へと保持しなければならないため、使用が面倒である。さらには、空気が試料溶液へと引き込まれると、ろ過が中断されかねないため、そのようなことがないように、供給配管を試料容器に沈めた状態に保たなければならない。加えて、試料が開放型の容器に収容されているため、したがって生物学的な完全性または無菌状態が損なわれる危険が高くなる。
【0007】
米国特許第5,603,900号明細書が、2つの閉じたホルダを備える装置を提供することによって、これらの問題の多くを克服している。一方のホルダが供給用であり、他方のホルダがろ過後の流体用であり、どちらも、フィルタの上流の通気孔とフィルタの下流の真空ポートとを有する共通の真空ろ過本体へと取り付けられている。しかしながら、フィルタが本体の上側の内面へとシールされ、熱シールされるため、依然として用途が限られている。このことが、装置において使用することができる膜またはフィルタの種類を、本体表面へと熱シールすることができるものに限定している。ろ過紙、限外ろ過膜、ガラスフィルタ、および/または多層フィルタなどといった他のフィルタは、強いニーズにもかかわらず、このシステムでは使用することができない。
【0008】
したがって、幅広くさまざまなフィルタに対応でき、それらをフィルタ装置の本体内に完全にシールすることができる優れた真空フィルタ装置について、ニーズが依然として存在することが明らかである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、溶液をろ過するための真空フィルタ装置であって、2つの接続部をフィルタの両側に配置して有するフィルタ本体を含む真空フィルタ装置を提供することによって、従来技術の欠点および限界を克服する。各々の接続部が、閉じた容器を流体を液密、密封された関係で受け入れるように構成されている。フィルタが、装置に進入するすべての流体が下側の容器に進入する前にフィルタを通過しなければならないよう、フィルタの上面にシールの圧力を弾性的に加えて、フィルタを本体の支持部に当接した状態に保つ圧縮シール部材によって、本体内に保持される。シール部材は、シール部材へと所望の圧縮力を加えるリングで形成された圧縮部材によって所定位置に保持される。圧縮部材は、組み立ての最中または前に本体内に捕らえられ、シール部材およびフィルタが、圧縮シール下で所定位置に捕らえられる。本発明の他の態様は、リングに装置の通気孔に位置合わせさせることができるポートを形成することを含む。本発明はまた、ポートが装置の通気孔に位置合わせされるように保証する位置合わせ用の特徴部を圧縮部材に設けることができる。さらに装置は、フィルタの下流側に連通し、したがってろ液容器に連通する真空ポートを含む。真空源へと接続されたとき、圧力差により、真空が試料溶液を試料容器からフィルタを通ってろ液容器へと引き込むことができる。試料の流れを続けるために必要な圧力差を維持するために、通路が、大気圧への通気をもたらすために、膜の上流側、したがって試料容器に連通する。
【0010】
本発明の好ましい実施形態によれば、2つの同一な研究室容器、例えば、50mlの遠心分離管が、フィルタ本体の両側にねじ込まれる。フィルタ本体に形成された2つの通路が、膜の両側に流体的に連通し、最終的には各々の容器に連通する。通路の一方は、フィルタの下流側に連通する真空ポートであり、試料をフィルタを通って吸い出してろ液として収集できるよう、真空源へと接続されるように構成されている。他方の通路は、フィルタの上流側(したがって、試料容器)に連通し、大気圧への通気として機能する。
【0011】
試料溶液が試料容器に配置され、試料容器および空のろ液容器の両方がフィルタ本体へと固定されると、2つの容器の間に圧力差を生じさせるべく、真空が真空ポートへと引かれる。この圧力差によって、試料流体が、試料容器からフィルタを通ってろ液容器へと通過する。試料容器内の流体の体積が減少するにつれ、空気が通気路を通って進入し、試料がろ過されるまでろ過が中断されずに続くよう、フィルタを通して圧力差を維持する。
【0012】
特定の用途においては、上述の小寸法の通路の液密という特徴が、通路の表面エネルギを小さくすることによって強調される。これは、通路へと疎水性のライナを挿入することによって実現でき、あるいは通路の内面のすべてまたは一部へと疎水性の構造部を挿入し、あるいは疎水性の表面処理を加えることによって実現できる。
【0013】
本発明のこれらの態様および利点ならびに他の態様および利点が、図面と併せて検討される以下の詳細な説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態を平面図にて示している。
【図2】本発明の一実施形態のフィルタ本体を、分解断面図にて示している。
【図3】図2の本体の実施形態を平面図にて示している。
【図4】本発明の本体の別の実施形態を分解図にて示している。
【図5】図4の実施形態のシール部材のさまざまな実施形態の拡大図を、断面図にて示している。
【図6】本発明の別の実施形態を分解図にて示している。
【図7】本発明の別の実施形態を分解図にて示している。
【図8】本発明のさらなる実施形態を断面図にて示している。
【図9】図8の実施形態の断面を拡大断面図にて示している。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1が、フィルタ本体11を含む真空フィルタ装置10を示しており、フィルタ本体11が、各々が開放端を有する1対の軸方向に配置されたホルダ12、13を有する。各々のホルダ12、13の開放端が、ろ過対象の組織培養培地などの生物学的流体のための閉じた試料容器15、およびろ過後の試料(ろ液)を集めるための閉じたろ液容器16を受け入れるための接合部として機能する。ホルダ12、13に、ねじ山を設け、容器15、16のねじ山(図示せず)に一致させることができ、ホルダ12、13を、ホルダ12、13および容器15、16の対をなすねじ部によって本体11へと固定することができる。Tri−clover(R)クランプまたはLadishクランプなどのバヨネットロック、スナップカラー、クランプ、などといった他の手段を、容器15、16をホルダ12、13に保持するために使用してもよい。試料容器15および収集容器16が、同一であるものとして示されているが、15mlの試料チューブから50mlのろ液チューブへなど、異なっていてもよい。容器15および16についての唯一の要件は、ホルダ12および13に液密方式で結合することだけである。ホルダ12、13は、一体の本体を形成すべく、超音波溶接などの適切な溶接技法によって、境界32において背中合わせ(図2を参照)に接合される。これらに限られるわけではないが、スピン溶接、接着剤、レーザ溶接、オーバーモールディング、および非接触の熱接合など、他の溶接法も使用可能である。
【0016】
ホルダ13(図2)は、放射状に延びる一連のリブ19を備えるフェイスプレート17を含んでおり、リブ19が、プレートに成型され、プレート17の上面を形成している。リブ19は、フィルタ18を通過した液体がフェイスプレート17の下流の構成要素へと流れることができる空間を、リブ19の間に有する。リブ19は、フェイスプレート17の上に配置される多孔性フィルタ18のための支持体として機能する。圧縮シール部材20が、フィルタ18の上方に配置され、フィルタ18の上側外周面とともに圧縮シールを形成し、ろ液ホルダ16に進入するすべての流体が、フィルタ18の周囲を通過するのではなくて、フィルタ18を通過することによってろ液ホルダ16へと進入しなければならないようにする。圧縮部材21が、ホルダ13の上部の内径において、シール部材20の上方に配置される。部材21は、側壁を貫いて形成された開口22(図3)を有しており、開口22は、通気路25に位置合わせしており、その機能は、さらに詳しく後述される。ホルダ12の底部が、領域32においてホルダ13の上部に当接し、上述のとおりホルダ13へと接合される。ホルダ12は、ホルダ12の一部として形成されたガード26を含む。ガードは、2つのホルダ12、13が一体に接合されたときに、試料溶液を一連の開口27を通って流して、フィルタ18によってろ過することができるよう、図示のような荷馬車の車輪状であってもよい。格子および他の開放型の支持構造も、同様に使用することが可能である。ホルダ13の下部の通路30が、フィルタ18の下流側とろ液容器16との間の流体の連通リンクをもたらしている。
【0017】
好ましくは、さらに装置が、組み立ての際に圧縮部材21の開口22(図3)が通気路25に位置合わせされるように、位置合わせ用の特徴部28を含む。これは、使用時に通路25を塞いでしまいかねない位置合わせずれを防止する。図示のとおり、この特徴部28は、圧縮部材21の外壁面から外へと突き出しているタブの形態である。接合および使用の際に位置合わせが保たれるように保証するために、図示のとおりのタブなど、この位置合わせ用の特徴部が、部材21が挿入される本体13に、対応する位置合わせ部29を有することができる。図2および図3に示したこの実施形態においては、この位置合わせ部29が、位置合わせ用の特徴部のタブ28に適合するように設計されたスロットである。位置合わせ部29は、圧縮部材21が本体へと過剰に延びてシール部材20またはフィルタ18を過剰に圧縮することがないようにするための所定の深さまたは他の機構を有することができ、好ましくは、そのような深さまたは機構を有する。図2および図3には、スロット29内のタブ28が示されているが、任意の幾何学的な雄−雌の対をなす特徴部を、それらが使用時の適切な通気を保証するためのホルダと圧縮部材との半径方向の位置合わせをもたらす限りにおいて、使用することができる。これらの装置のうちの1つ以上を、それらが適切な位置合わせを維持する限りにおいて使用することができる。図示のとおり、1つの好ましい実施形態は、直径方向において互いに対向する2つのそのような位置合わせ装置を使用することである。当業者にとって知られているとおり、適切な位置合わせなどを保証するために、位置合わせ装置が、互いからずらされていてもよく、位置合わせ装置が、同じまたは異なるサイズ、型であってもよい。
【0018】
真空ポート23(図2)が、ホルダ13の側壁に形成されており、フィルタ18の下流側に流体連通している。ポート23は、ポート23の中央穴24にフィルタマトリクス(図示せず)を含むことができる。マトリクスは、真空操作の際にバクテリアまたは油残留物などの汚染物質の移動がろ液へと進入することがないようにするために使用され、さらには真空システムをろ過後の試料による汚染から保護するために使用される。通気路25が、フェイスプレート17およびフィルタ18の上方のホルダ13の側壁に形成され、フィルタ18の上流側に流体連通して、試料容器15に通気を提供する。
【0019】
通気路25を備えることは、試料容器15が閉じた容器であり、フィルタ装置の全体が液密構造であるため、真空フィルタ装置10の適切な動作のために重要である。通気路によって、フィルタ18を通して必要な圧力差を維持することが可能になる。閉じられた試料容器では、ろ過プロセスを開始させることは可能であるが、ろ過の経過の全体にわたって商業的に容認できる性能をもたらすことはできないと考えられる。
【0020】
説明のために、閉じた試料容器が、大気圧にある開始時内圧にてろ過プロセスを開始する。真空が真空ポート23へと引かれるとき、フィルタ18を通して圧力差(ΔP)は、ΔP=(Psample−Pfiltrate)によって定められ、ここで、Psampleは、試料容器内の空気の圧力であり、Pfiltrateは、ろ液容器内の空気の圧力である。最初は、Psample=Pfiltrate=Patmosphereであるが、流体がフィルタ18を通ってろ液容器16へと吸い出されるにつれ、試料の体積が減少する。閉じられた系においては、この時刻t1からt2にわたる試料容器内の試料の量の減少が、圧力/体積の関係(Psample(t1)sample(t1)Psample(t2)sample(t2))によって支配されるとおり、圧力の低下に変換され、ここで、PsampleおよびVsampleは、試料容器内の気体に関係する。試料容器内の圧力が低下するにつれ、ΔPが小さくなり、流れの速度が遅くなる。さらに続くことができるのであれば、PsampleがPfiltrateに等しくなり、結果として流れがなくなる。最大のΔP、したがって最大の流量を保証するために、試料容器15を、可能な限りPatmosphereに近く保つ必要がある。この目標が、試料容器15を外部の大気圧に接続する通気路25によって達成される。
【0021】
通気路25は、溶液が装置から漏れ出ないようにし、通常の使用時に装置への微生物または汚染物質の進入を防止するために、通気路25を覆い、あるいは通気路25を選択的に閉鎖するさらなるフィルタ(図示せず)によって、液密能力を維持する。
【0022】
疎水性フィルタ(図示せず)を通気路25内に配置して備えることが好ましい。このフィルタの好ましい形態として、いずれも適切な疎水性樹脂で構成または処理される多孔性中空繊維膜、多孔性ポリマーロッド、POREX(R)フリットなどの多孔性フリット、またはマイクロ孔チューブが挙げられる。あるいは、疎水性のMILLEX(R)フィルタ装置など、別途のフィルタが、試料容器15と外部の大気圧との間の流体連通をもたらすために、通路25へと取り付けられる。
【0023】
図4および図5が、シール部材20aが圧縮部材21aに接合され、あるいは他の方法で圧縮部材21aの一部として形成されている別の実施形態を示している。構成要素が図1から図3と同じである限りにおいて、同じ参照番号が使用される。変更が加えられている構成要素は、参照番号の後ろに文字が加えられ、新たな構成要素には、新たな参照番号が割り当てられる。シール部材20a(図5の(a))を、圧縮片21aの底部に蟻継ぎスロット40を形成し、この蟻継ぎスロット40にシール部材に形成された対応する形状のタブ41を収めるなどにより、圧縮部材21aへと機械的に保持することができる。圧縮片21a(図5の(b))の平坦な底面42へと貼り付けることもでき、図5の(c)に示されるとおりの段差のある底部43へと貼り付けることもできる。図5の(b)または(c)のいずれの実施形態においても、シール部材を、室温シリコーン、エポキシ、などの接着剤によって貼り付けることができる。あるいは、熱シールによって貼り付けることも可能である。2つの部品の間に溶剤結合を形成するために、溶剤を使用してもよい。好ましくは、シール部材20aを形成して圧縮片21aの底面(42または43)へと成型するために、熱可塑性エラストマを使用することができる。
【0024】
図5のシール部材20aは、さまざまな外形44、45、46を備えて図示されている。外形は、用途に最も適するようにシール力を変更するために、さまざまである。図5の(a)においては、外形44が、シール領域の全体に均一な圧縮力を分布させる図5の(b)の外形45と比べ、圧縮およびシールにおいて集中をもたらす。図5の(c)の外形46は、圧縮されたときに、圧縮時のフィルタを引き延ばすための横方向の引っ張りを生み出すことができる片側へと付勢された点力を有する。
【0025】
エラストマ製または可撓シール部材を使用する利点は、熱シール困難な材料をシールできるという能力を超えて広がる。すなわち、厚さにおいてさまざまである材料、類似および非類似の材料からなる多層の材料、ガラスなどの脆い材料、ならびに3D形状(結合および溶出の化学的性質や抗体などの親和性リガンドを含む多孔性媒体の柱など)を有する材料またはサブアセンブリのために、寛大な組み立てプロセスをもたらす。
【0026】
図6が、圧縮シール部材および圧縮部材が共通の部品20bで構成されているさらに別の実施形態を示している。フィルタ18の上面へのシールのためのシール力は、圧縮部品20bの可撓ベローズ部71によって生み出される。可撓ベローズ71が、組み立てられたときに圧縮され、素材(プラスチック)が記憶を維持し、結果としてシール力が生み出される。可撓ベローズ71は、ホルダ12およびフィルタ18の上面と対をなす剛性のある平坦な2つの端面72、73を有する。端面72、73は、シール力をフィルタ18のシール領域の全体に一様に分布させるために剛性がある。
【0027】
図7が、圧縮部材44および圧縮シール部材20cがホルダ12に取り入れられているさらに別の実施形態を示している。さらに、圧縮部材20cを図示のようにホルダ12へと融合させることができると考えられ、あるいは圧縮部材20cが、シリコン材料などで構成されるOリングまたは平たい可撓ガスケットなど、別途の部材であってもよい。
【0028】
図8が、図2のようなフィルタ18に代えて、クロマトグラフ床またはミニカラム50を可撓性のある圧縮可能インサート60に収容して有することができるさらに別の実施形態を示している。1つ以上のシール部材を有することができ、この場合には、フェイスプレート17とホルダ12との間のインサート60のための上側および下側シールを形成する2つのシール部材61および62を有することができる。さらに、インサート60上に、大気を試料容器15に連通させることができるように保証する通気装置51が含まれている。疎水性フィルタ(図示せず)が、通路25に収容される。
【0029】
クロマトグラフ媒体は、アニオンまたはカチオンクロマトグラフ媒体などのイオン交換物質、疎水性相互作用媒体、あるいはProtein AまたはProtein Gなどの親和性(リガンドまたは化学的擬態)媒体であってもよい。このような製品は、当業者にとって知られており、Millipore Corporation(Billerica、Massachusetts)や、GE Healthcare Biosciences AB(Upsala、Sweden)など、さまざまな供給元から入手することができる。
【0030】
図9が、ベース13内に保持されているときの床50を示している。床50は、この場合には、クロマトグラフ媒体54を間に保持するための上側フリット52および下側フリット53を含む。さらに、インサート60は、フリット52、53および媒体を保持する一連の内向きの突起または棚またはリム55、55aを有する。突起または棚、またはリムは、固定されていても、あるいはフリット52、53および媒体54の装てんを可能にするために55aのように曲げることが可能であってもよい。代案として、媒体を、多孔性のプラスチック装置(図示せず)の内部に収容してもよく、この装置は、突起55または55aによってインサート60へと保持される。通気孔51が、空気を通過させることができる通路63を有する。
【0031】
フィルタは、これらに限られるわけではないが、微多孔膜、限外ろ過膜、ナノろ過膜、または逆浸透膜などを含む、生物学的標本のろ過に一般的に使用されている任意の種類のフィルタであってもよい。好ましくは、微多孔膜、限外ろ過膜、またはナノろ過膜が使用される。さらにより好ましくは、微多孔膜および限外ろ過膜が使用される。
【0032】
代表的かつ適切な微多孔膜として、セルロース、再生セルロース複合材料、ニトロセルロース、酢酸セルロース、ポリエーテルスルホンおよびポリアリールスルホンなどのポリスルホン類、ポリフッ化ビニリデン、超高分子量ポリエチレン、低密度ポリエチレン、およびポリプロピレンなどのポリオレフィン類、ナイロンおよび他のポリアミド、PTFE、ポリ(TFE−co−PFAVE)などの熱可塑性フッ素化ポリマー、ポリカーボネート、あるいは3M(Minneapolis、Minnesota)から入手することができるEMPORE(R)などの粒子充てん膜が挙げられる。このような膜は、当該技術分野において知られており、Millipore Corporation(Billerica、Massachusetts)など、さまざまな供給元から市販されている。所望であれば、これらの膜が、親水性になるように処理されていてもよい。そのような技法は知られており、そのような技法として、これらに限られるわけではないが、膜の表面へのグラフティング、親和性材料の架橋または単純な重合、またはコーティングが挙げられる。
【0033】
代表的な限外ろ過膜またはナノろ過膜として、ポリエーテルスルホンおよびポリアリールスルホンなどのポリスルホン類、ポリフッ化ビニリデン、およびセルロースが挙げられる。これらの膜は、典型的には、高度に多孔性の構造で一般的に形成される支持層を含む。これらの支持層の典型的な材料として、スパンボンド(spun bounded)のポリエチレンまたはポリプロピレン、ガラス、あるいは膜自体と同じまたは異なるポリマーで形成される微多孔材料など、種々の不織材料が挙げられる。このような膜は、当該技術分野において知られており、Millipore Corporation(Billerica、Massachusetts)など、さまざまな供給元から市販されている。
【0034】
ガラス繊維またはマット、セラミックフィルタ、などの無機材料の使用も可能であり、微多孔性でないフィルタ構造(例えば、デプスフィルタ)、不織のフィルタ、なども同様である。いくつかの用途においては、フィルタの組み合わせが、性能の向上をもたらすことができる。例えば、きわめて汚れた試料については、プレフィルタマトリクスとして機能するデプスフィルタを、微多孔フィルタと組み合わせて使用することができる。DNAおよびRNAなどの核酸を回収するために使用される実施形態においては、ガラス繊維またはマットを、単独で使用することができ、あるいは上方に位置する1つ以上のプレフィルタ層および/または下方に位置する1つ以上の微多孔層との組み合わせにおいて使用することができる。
【0035】
ホルダおよび圧縮部材の形成に使用することができる適切なポリマーとして、これらに限られるわけではないが、ポリカーボネート、ポリエステル、ナイロン、PTFE樹脂および他のフッ素化ポリマー、アクリルおよびメタクリル樹脂およびコポリマー、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリールスルホン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビニル、ABSならびにその合金および混合物、ポリオレフィン、好ましくは直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、および超高分子量ポリエチレンなどのポリエチレンならびにこれらのコポリマー、ポリプロピレンおよびそのコポリマー、ならびにメタロセンを用いて生成されたポリオレフィンが挙げられる。
【0036】
好ましいポリマーは、ポリオレフィン、特にポリエチレン、ポリプロピレン、およびこれらのコポリマー、ポリスチレン、アクリル、ならびにポリカーボネートである。
【0037】
圧縮シール部材を形成するために適した材料として、これらに限られるわけではないが、シール用として伝統的な任意の弾性またはエラストマ材料が挙げられる。それらとして、これらに限られるわけではないが、発泡ポリプロピレンなどの発泡または非発泡の熱可塑性ポリマー、コポリマー、またはターポリマー、Santoprene(R)ポリマーなどの熱可塑性エラストマ、ウレタン、特に独立気泡の発泡ウレタンなどの熱硬化性樹脂、ならびに天然およびシリコーンゴムなどの合成の両方のゴムが挙げられる。
【0038】
図1および図2に示したとおりの本発明による装置は、以下の方法で製作される。ホルダ13およびホルダ12が、これらに限られるわけではないが真空ポート23、通気路25、フェイスプレート17、開口30、ガード26、および開口27、ならびに位置合わせ用の特徴部29など、図に示されているとおりのそれぞれのホルダの構成要素および特徴部をすべて含んで、熱可塑性プラスチックで個々に成型される。圧縮部材21が、ホルダ12、13と同様または同一の熱可塑性プラスチックで、別途成型され、開口22および位置合わせ用の特徴部28などといった所望の特徴部を含む。ホルダ13の上部開口の空洞の内径に実質的に等しい外径を有するシリコーン製のOリング20も、市販の供給元から入手される。Millipore Corporation(Billerica、Massachusetts)から入手できるようなフィルタ18が、ホルダ13の上部開口の空洞の内径に実質的に等しい直径の切断済みディスクの形態、またはディスクを切り出しまたは打ち抜きするための平坦なシートの形態で入手される。フィルタ18が、ホルダ13の上部開口へと配置され、フェイスプレート17の上面に置かれる。圧縮シール部材21が、部材の開口22と通気路25とが位置合わせされるように保証するための好ましい位置合わせ用の特徴部28および29を利用して、フィルタ18の上に挿入され、フィルタ18の上面に接する。次いで、ホルダ12が、ホルダ13の境界面32に接触させられ、2つのホルダ12、13が、好ましくは超音波溶接などの上述した方法のうちの1つによって、互いに取り付けられる。ホルダ12は、ホルダ13へと接触させられるときに、シール部材および圧縮部材へと所望の圧縮も加え、開口30に進入するすべての液体がフィルタ18の周囲を通過するのではなくてフィルタ18を通って開口30へと進入しなければならないよう、フィルタ18の外周付近に液密シールを形成する。次いで、容器15および16がそれぞれのホルダへと取り付けられ、装置がすぐに使用できる状態になる。随意により、使用に先立ってガンマ線などによって殺菌を行ってもよい。
【0039】
作業時、ろ過対象の試料溶液が、試料容器15に入れられ、容器の上縁が半径方向のフランジ26の表面に対して圧迫されるまで、試料容器15の上端を上向きに保った状態でホルダ12へと堅固に取り付けられる。容器15のフィルタ本体11へのねじ込みなどによる堅固な取り付けによって、液密シールが生み出される。同様の方法で、ろ液容器16がホルダ13へと、ホルダ13の下部のシール面31の表面に対して取り付けられ、好ましくはねじ込まれる。随意により、エラストマーガスケットを、必要なシールをもたらすために、ガード26および半径方向のフランジ31に隣接するホルダ12、13の底部に配置することができる。組織培養物の無菌状態でのろ過のためには、ろ液容器およびフィルタ本体が、それらを結合させる前にあらかじめ殺菌される。結合および溶出の作業のためには、特定のマトリクスが、試料容器への結合に先立ってホルダにあらかじめ装てんされる。
【0040】
次いで、装置10が、図1に示されるように試料容器15がフィルタ本体11に対して上方を向くように、上下逆さまにされる。配管28が真空ポンプ(図示せず)へと接続され、真空がポート23へと引かれて、ろ液容器16の空気が排気され、結果としてろ液容器16内の圧力が低下する。その結果、未処理の試料溶液が、より高い圧力の試料容器15から、膜ガード20および膜18を通過する。ろ過後の溶液が、開口30を通って流れ、ろ液としてろ液容器16に集まる。駆動力として機能する圧力差を維持するために、大気圧の空気が、通気路25を通って進入し、膜を通過する試料溶液の体積を置換する。
【0041】
本発明によれば、装置において使用されるフィルタ(複数可)を最適にすることができる。フィルタを所定位置に保持するために熱シールに頼っている従来の装置と異なり、本発明は、圧縮シールを使用するので、装置へと熱シールすることが不可能であり、したがってそのような装置の形式では利用することができなかったフィルタが、使用できるようになる。
【0042】
多くの限外ろ過膜など、熱によって傷んでしまうフィルタや、結合を妨げる保湿剤などの物質を含むフィルタを、今やこの所望のろ過の形式において使用することが可能である。例えば、Millipore Corporation(Billerica、Massachusetts)から入手することができるViresolve(R)フィルタなどのウイルス保持フィルタを、今やこの装置においてウイルス物質の回収を可能にするために使用することができる。そのような際に、閉じられた系であることが、追加の安全性の利点を提供する。
【0043】
さらには、ガラス繊維またはパッドや、セルロース、スパンボンドの不織布、などで作成されたデプスフィルタなど、所定位置への熱接合が不可能であるフィルタを、本発明の装置に容易に収容して、使用することが可能である。複数の層からなるフィルタを、各々の層を装置の表面へと熱接合できなければならず、あるいは各々の層を互いに熱接合できなければならないという限定なしで、本発明の装置において使用することができる。本発明は、基本形に任意のフィルタまたはフィルタの組み合わせを装置において使用できるようにする。
【0044】
そのようなフィルタの例として、これらに限られるわけではないが、好ましくはウイルスの保持に適した公称重量カットオフ値を有する限外ろ過膜であるフィルタ、熱接合の影響を受けやすく、あるいは熱シールを妨げる保湿剤を含む限外ろ過膜、0.1から10ミクロンの孔サイズを有し、孔サイズ分布が対称または非対称である微多孔膜、Tyvec(R)材料などの不織布で作られ、あるいはセルロースまたはセルロースとフィラー(珪藻土、パーライト、など)とで作られたデプスフィルタ、ガラスマットで形成されたフィルタまたは繊維フィルタ、3M(Minneapolis、Minnesota)からのEMPORE(R)クロマトグラフ膜などの吸収剤で満たされた膜、アニオンまたはカチオン膜などのイオン帯電したフィルタ、同じまたは異なるフィルタからなる多層系、互いに重ね合わせられた2層以上のウイルス保持フィルタ(1つの実施形態は、同じ膜からなる3層系であり、別の実施形態は、少なくとも2つの層の公称の分子量カットオフ値およびイオン強度などのウイルス保持特性が異なる2つ以上の層である)、デプスフィルタである第1の上流側フィルタおよび限外ろ過ウイルス保持膜である第2の下流側フィルタ、ガラス繊維またはマットフィルタである第1の上流側フィルタおよび微多孔膜である第2の下流側フィルタ、デプスフィルタである第1の上流側フィルタおよび微多孔膜である第2の下流側フィルタ、第1の上流側デプスフィルタ、これに続く、約1から約10ミクロンの孔サイズを有する第2の微多孔フィルタ、および約0.2から約1.0ミクロンの孔サイズを有する微多孔膜で形成された第3の下流側層など、下流へと孔サイズが小さくなる一連のフィルタ、微多孔膜とこれに続くガラスフィルタ、多孔性金属フィルタ、または非織布フィルタなど、下流へと孔サイズが大きくなる一連のフィルタが挙げられる。
【0045】
さらには、本発明は、装置の構造およびその製造を簡単にし、製造に要するコストおよび時間の削減をもたらす。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)下側ホルダおよび上側ホルダを順に配置して有しており、各々のホルダが、第1および第2のそれぞれの流体容器を収容するように構成されており、各々の容器が、開放端および閉鎖端を有しており、第1の容器の開放端が、上側ホルダへと取り付けられ、第2の容器が、下側ホルダのスカートへと取り付けられ、各々の開放端が、液密および気密の方法でそれぞれのホルダへと取り付けられるフィルタ本体と、
b)前記容器が前記フィルタ本体へと結合されたときに液密および気密のシールを生成するためのシール部材を含んでおり、前記容器の各々が、前記フィルタ本体へと結合されたときに液密の入れ物を形成する各々のホルダと、
c)第1の流体容器内の液体が第2の流体容器へと進入する前にフィルタを通過しなければならないように、前記フィルタ本体においてホルダの間に圧縮されてシールされているフィルタと、
d)フィルタ本体を貫いて延び、フィルタの下流側で第2の流体容器に流体連通しており、第1の流体容器から液体をフィルタを通って第2の流体容器へと引き込むために、真空源へと接続されるように構成されている真空ポートと、
e)真空フィルタ装置の周囲の大気中の気体を、フィルタの上流側において第1の流体容器に直接流体連通させることができるが、第2の流体容器には直接流体連通させないようにフィルタ本体に構成されている通気路とを含む、真空フィルタ装置。
【請求項2】
下側ホルダが、中空であり、内面を有する側壁ならびに軸方向に離間した上端および下端を有しており、上端が開いており、下端が、底壁および底壁を超えて下方へと延びるスカートを備えており、底壁が、上側内面、下側外面、および底壁に内面から外面へと位置している流体流通ポートを有しており、フィルタが、外面、上面、および下面を有する圧縮部材によって圧縮されてシールされており、部材が、中空の下側ホルダの内側に位置していて、下側ホルダの内壁の直径に実質的に等しい直径を有しており、下面が、フィルタの上面に押し付けられるシール部材に押し付けられており、上側ホルダが、下側ホルダの内側に位置する圧縮部材を覆って取り付けられ、圧縮部材をシール部材に押し付けて、シール部材をフィルタの上面に押し付けられた状態に保つために、下側ホルダの内壁に結合し、上側ホルダが、開いた上部および少なくとも部分的に開いた底部を有しており、真空ポートが、下側ホルダの開放端の上方においてスカートに形成され、下側ホルダの側壁を貫いて延びている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
フィルタが、シール部材とシール部材の上方の別途の圧縮部材とで形成される圧縮部材によって、圧縮されてシールされる、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
フィルタが、シール部材とシール部材の上方の別途の圧縮部材とで形成される圧縮部材によって、圧縮されてシールされ、シール部材が、Oリングの形態である、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
シール部材が、圧縮部材へと成型された弾性シールである、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
圧縮部材が、フィルタの上方の下側ホルダの内部と通気路との間に流体連通をもたらすために、側壁に開口を有する、請求項2に記載の装置。
【請求項7】
圧縮部材が、フィルタの上方の下側ホルダの内部と通気路との間に流体連通をもたらすために、側壁に開口を有するとともに、さらに圧縮部材の外面に位置する1つ以上の位置合わせ用の特徴部を有しており、開口を通気路に位置合わせさせるために、圧縮部材に位置する位置合わせ用の特徴部の数と同数である1つ以上の対をなす位置合わせ用の特徴部が下側ホルダの内壁に形成されている、請求項2に記載の装置。
【請求項8】
フィルタが、ウイルス保持フィルタである、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
フィルタが、2つのフィルタであり、どちらもウイルス保持フィルタである、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
フィルタが、2つのフィルタであり、どちらもウイルス保持フィルタであるが、各々が異なるウイルス保持特性である、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
フィルタが、ウイルスの保持に適した公称重量カットオフ値を有する限外ろ過膜である、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
フィルタが、2つのフィルタであり、どちらもウイルスの保持に適した公称重量カットオフ値を有する限外ろ過膜である、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
フィルタが、3つのフィルタであり、いずれもウイルスの保持に適した公称重量カットオフ値を有する限外ろ過膜である、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
フィルタが、ガラスマットおよびクロマトグラフ床でからなる群から選択される、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
フィルタが、2つのフィルタであり、第1の上流側フィルタが、デプスフィルタであり、第2の下流側フィルタが、微多孔膜、非対称微多孔膜、1つ以上の吸収ビードを含む微多孔膜、およびウイルスの保持に適した公称重量カットオフ値を有する限外ろ過膜でからなる群から選択される、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
第1のホルダおよび第2のホルダ、フィルタ、圧縮部材、シール部材、ならびに第1および第2のホルダにそれぞれ取り付けられる2つの容器を用意し、第1のホルダが、内面を有する側壁ならびに軸方向に離間した上端および下端を有しており、上端が開いており、下端が、底壁および底壁を超えて下方へと延びるスカートを備えており、底壁が、上側内面、下側外面、および底壁に内面から外面へと位置している流体流通ポートを有しており、真空ポートが、下側ホルダの開放端の上方においてスカートに形成され、下側ホルダの側壁を貫いて延びており、第1のホルダから液体をフィルタを通って第2のホルダへと引き込むために、真空源へと接続されるように構成されており、通気路が、外部の大気に接するようにフィルタの上流において下側ホルダの側壁に形成されており、フィルタを第1のホルダの開いた上端へと配置し、シール部材をフィルタの上面に配置し、圧縮部材をシール部材の上面の上に配置し、第2のホルダの下面を第1のホルダの開いた上端に配置し、第1のホルダの流体流通ポートを出るすべての液体が第1のホルダの流体流通ポートを出る前にフィルタを通過するよう、液密シールをフィルタと形成するために、圧縮部材およびシール部材に圧縮力を加えるべく第2のホルダに所望の圧縮力を加え、第2のホルダへの圧縮力を保ちつつ、第1のホルダおよび第2のホルダを一体に接合させる、請求項1に記載の密閉型の真空ろ過装置を製造する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2010−540239(P2010−540239A)
【公表日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−527936(P2010−527936)
【出願日】平成20年9月16日(2008.9.16)
【国際出願番号】PCT/US2008/010761
【国際公開番号】WO2009/045268
【国際公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【出願人】(390019585)ミリポア・コーポレイション (212)
【氏名又は名称原語表記】MILLIPORE CORPORATION
【Fターム(参考)】