アクチュエータ及びマッサージ機
【課題】より柔軟な動作を行うことができるアクチュエータを備えたマッサージ機を提供する。
【解決手段】固定子20,21の磁気力にて移動される可動子23,24の可動範囲内である固定子20,21及び可動子23,24間に、可動子23,24の移動に伴って変形可能な袋状体30に流体が封入されてなる変位部22を配置する。そして、可動子23,24が固定子20,21の磁気力にて移動され、その際に変形される変位部22の変位にて出力を得るように構成される。
【解決手段】固定子20,21の磁気力にて移動される可動子23,24の可動範囲内である固定子20,21及び可動子23,24間に、可動子23,24の移動に伴って変形可能な袋状体30に流体が封入されてなる変位部22を配置する。そして、可動子23,24が固定子20,21の磁気力にて移動され、その際に変形される変位部22の変位にて出力を得るように構成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、柔軟な動作を可能とするアクチュエータ及びそれを備えたマッサージ機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から電磁石を用いたアクチュエータが知られており、例えば特許文献1には、固定子の電磁石を構成する固定鉄心の磁極間に可動子(可動鉄心)が磁極と直交する方向に移動可能に設けられて構成されたアクチュエータが開示されている。
【0003】
特許文献1のアクチュエータは、電磁石の磁気力を発生させることで可動鉄心を電磁石(固定子)に吸着されるため、可動子にかかる外力(例えば使用者の体重)に抗する力が働き、マッサージ機用の施療子として用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−126199号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記のアクチュエータでは、可動子(可動鉄心)を所定方向に動作させるために電磁石の磁気力にて可動子を吸引することで、可動子にかかる外力に抗するような力が発生されるように構成されているが、電磁石の磁気力のみではより柔軟な動作を行うことに限界があり、この改善が望まれている。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、より柔軟な動作を行うことができるアクチュエータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、固定子コアと該固定子コア内部に収容されるコイルとを有し、該コイルに電力供給することで磁気力が発生する固定子と、前記固定子による磁気力にて移動される可動子と、前記可動子の移動範囲内に配置され、前記可動子の移動に伴って変形可能な袋状体に流体が封入されてなる変位部と、を備え、前記可動子及び前記固定子間に働く磁気力にて前記可動子が移動されて前記変位部の変位にて出力を得るように構成されたことをその要旨とする。
【0008】
この発明では、固定子の磁気力にて移動される可動子の可動範囲内に、可動子の移動に伴って変形可能な袋状体に流体が封入されてなる変位部を配置する。そして、可動子が固定子の磁気力にて移動され、その際に変形される変位部の変位にて出力を得るように構成される。このため、変形する流体にて柔軟な動作を実現でき、剛体で支持機構が構成されたアクチュエータでは実現できない柔軟な出力を得ることが可能となる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のアクチュエータにおいて、前記袋状体に封入される流体は、磁性流体であることをその要旨とする。
この発明では、袋状体に封入される流体が磁性流体であるため、流体の磁気抵抗を抑えることができ、可動子を固定子の磁気力にて容易に移動させることができる。そのため、袋状体に流体が封入されてなる変位部を大きく変形させることができ、比較的大きな出力を得ることが可能となる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のアクチュエータにおいて、前記固定子を構成するコイルの径よりも前記袋状体が大きく、前記コイルと対となる前記可動子よりも前記袋状体が大きくなるよう構成されたことをその要旨とする。
【0011】
この発明では、袋状体が固定子を構成するコイルの径及びこのコイルと対となる可動子よりも大きくなるよう構成される。そのため、固定子の磁気力にて可動子を移動させる際に、袋状体における固定子及び可動子と接触する箇所以外の部分が変形しやすく、大きな変位(出力)を得ることが可能となる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のアクチュエータにおいて、前記可動子は、その一部が前記固定子コアと磁気力伝達可能に接続されたことをその要旨とする。
【0013】
この発明では、可動子は、その一部が固定子コアと磁気力伝達可能に接続される。そのため、可動子と固定子コアとが離間された状態と比較して、ギャップを小さくすることができるため、磁気効率を向上させることができる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載のアクチュエータにおいて、前記可動子には、貫通孔が形成されたことをその要旨とする。
この発明では、可動子には、貫通孔が形成される。そのため、固定子の磁気力にて可動子が移動されることで、袋状体に流体が封入されてなる変位部が貫通孔に合わせて変形されるため、貫通孔から突出する変位部にて柔軟な出力を得ることができる。
【0015】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のアクチュエータにおいて、前記変位部を構成する袋状体には、前記可動子の貫通孔に対応した凸部が形成されたことをその要旨とする。
【0016】
この発明では、変位部を構成する袋状体は、可動子の貫通孔に対応した凸部が形成されるため、貫通孔に合わせて流体が変形しやすく、より大きな変位(出力)を得ることが可能となる。
【0017】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のアクチュエータにおいて、前記凸部は、突出方向に伸縮可能に形成されたことをその要旨とする。
この発明では、凸部は、突出方向に伸縮可能に形成されるため、凸部が貫通孔に合わせて変形(伸縮)し、より大きな変位(出力)を得ることが可能となる。
【0018】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載のアクチュエータにおいて、前記変位部を構成する袋状体は、前記可動子を配置する凹部が形成されたことをその要旨とする。
【0019】
この発明では、変位部を構成する袋状体は可動子を配置する凹部が形成されるため、固定子の磁気力にて可動子が移動される場合に、凹部側に吸引されて変位部の凹部の周縁部が変形し、その周縁部側にて出力を得ることが可能となる。
【0020】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載のアクチュエータにおいて、前記可動子を配置する前記凹部の周縁部は、その突出方向に伸縮可能に形成されたことをその要旨とする。
【0021】
この発明では、可動子を配置する凹部の周縁部は、その突出方向に伸縮可能に形成される。つまり、周縁部が突出方向(可動子の移動方向と逆方向)に変形しやすく、より大きな変位(出力)を得ることが可能となる。
【0022】
請求項10に記載の発明は、請求項1〜9のいずれか一項に記載のアクチュエータにおいて、前記可動子は、複数の分割片にて構成されたことをその要旨とする。
この発明では、可動子は、複数の分割片にて構成される。そのため、変位部を構成する袋状体に沿って変形することができ、より柔軟な出力を得ることができる。また、可動子が分割されるため、可動子を通る磁束変化に伴った渦電流を低減させて所謂渦電流損を抑えることが可能となる。
【0023】
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載のアクチュエータにおいて、前記可動子の前記分割片は、その表面にシート状部材が貼られて一体化されたことをその要旨とする。
【0024】
この発明では、分割片は、その表面にシート状部材が貼られて一体化される。このため、可動子を構成する分割片が離散することを防止できる。また、シート状部材が貼られた状態において、例えば加圧によって分割させることができるため、可動子を容易に分割させることができ、製造を容易とすることができる。
【0025】
請求項12に記載の発明は、請求項1又は2に記載のアクチュエータにおいて、前記可動子は、電磁石にて構成されたことをその要旨とする。
この発明では、可動子は電磁石にて構成されるため、例えば可動子を磁性金属で構成した場合と比較して、電磁石にて発生する磁気力を利用して可動子及び固定子間の吸引力や反発力を大きくでき、大きな変位(出力)を得ることができる。
【0026】
請求項13に記載の発明は、請求項1又は2に記載のアクチュエータにおいて、前記可動子は、前記固定子を構成するコイルの中心孔を貫通可能に設けられるプランジャにて構成されたことをその要旨とする。
【0027】
この発明では、可動子は、固定子を構成するコイルの中心孔を貫通可能に設けられるプランジャにて構成される。このような構成とすることで、可動子(プランジャ)の可動範囲を大きくしても、コイルの中心孔に設けられた可動子と固定子(コイル)とのギャップ変化が比較的大きくならないため、可動子にて大きな磁気力を受ける、つまり磁気効率を高めることができる。
【0028】
請求項14に記載の発明は、請求項13に記載のアクチュエータにおいて、前記可動子を構成するプランジャの一端には、該プランジャにおける前記中心孔の貫通方向と直交する方向に延びるとともに、磁性を有する板状部材が設けられたことをその要旨とする。
【0029】
この発明では、可動子を構成するプランジャの一端には、そのプランジャにおける中心孔の貫通方向と直交する方向に延びるとともに、磁性を有する板状部材が設けられる。これにより、磁性を有する板状部材によっても固定子の磁気力を受けることができるため、可動子にて大きな磁気力を増やして、より容易にプランジャを動作させることができる。
【0030】
請求項15に記載の発明は、請求項13又は14に記載のアクチュエータにおいて、前記固定子コアは、その内周側に前記コイルの中心孔の貫通方向に沿ったコア凸部が形成されたことをその要旨とする。
【0031】
この発明では、固定子コアは、その内周側にコイルの中心孔の貫通方向に沿ったコア凸部が形成される。そのため、可動子の移動に伴うコイルの中心孔を移動する可動子(プランジャ)と固定子(コイル)とのギャップ変化を小さくすることが可能となる。そのため、可動子にて大きな磁気力を受ける、つまり磁気効率を高めることができる。
【0032】
請求項16に記載の発明は、請求項1〜15のいずれか一項に記載のアクチュエータにおいて、前記変位部を構成する袋状体に対して前記可動子及び前記固定子を複数設けたことをその要旨とする。
【0033】
この発明では、変位部を構成する袋状体に対して可動子及び固定子が複数設けられる。そのため、袋状体に対して可動子及び固定子を1つ設けた場合と比較して、磁気力(電磁力)を高めることができ、より大きな変位(出力)を得ることが可能となる。
【0034】
請求項17に記載の発明は、請求項1〜16のいずれか一項に記載のアクチュエータにおいて、前記可動子における出力側には軟材料を配置したことをその要旨とする。
この発明では、可動子における出力側には軟材料が配置される。このため、可動子にて出力を得る際に、その可動子が接触する対象物(例えば人体)に対して、質感を変えて柔軟な出力を付与することが可能となる。
【0035】
請求項18に記載の発明は、請求項1〜16のいずれか一項に記載のアクチュエータにおいて、前記可動子は、磁性を有する軟材料で構成されたことをその要旨とする。
この発明では、可動子は、磁性を有する軟材料で構成される。このため、可動子にて出力を得る際に、その可動子が接触する対象物(例えば人体)に対して、柔軟な出力を付与することができる。また、特に可動子に対して別途軟材料を設ける必要がないため、部品点数を抑えることができる。
【0036】
請求項19に記載の発明は、請求項1〜18のいずれか一項に記載のアクチュエータの動作により使用者の身体の施療を行うマッサージ機である。
この発明では、請求項1〜18のいずれか一項に記載のアクチュエータの動作により使用者の身体の施療を行うマッサージ機にて、請求項1〜18の効果と同様の効果を奏することができるマッサージ機を提供することができる。
【発明の効果】
【0037】
本発明によれば、より柔軟な動作を行うことができるアクチュエータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本実施形態におけるフェイスマッサージ機の概略構成図。
【図2】同上におけるフェイスマッサージ機を構成するアクチュエータの概略構成図。
【図3】(a)(b)は、アクチュエータの動作について説明するための説明図。
【図4】別例におけるアクチュエータの断面図。
【図5】(a)(b)は、別例におけるアクチュエータの断面図。
【図6】別例におけるアクチュエータの断面図。
【図7】(a)(b)は、別例におけるアクチュエータの断面図。
【図8】(a)(b)は、別例における可動子について説明するための説明図。
【図9】(a)は別例におけるアクチュエータの断面図、(b)は別例における変位部の側面図。
【図10】(a)は別例におけるアクチュエータの断面図、(b)は別例における変位部の側面図。
【図11】別例におけるアクチュエータの断面図。
【図12】別例におけるアクチュエータの断面図。
【図13】別例におけるアクチュエータの断面図。
【図14】別例におけるアクチュエータの断面図。
【図15】別例におけるアクチュエータの断面図。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明をフェイスマッサージ機に具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1は、本実施形態のフェイスマッサージ機の概略構成を示す。フェイスマッサージ機10は、複数のアクチュエータ11を備え、各アクチュエータ11に対して電源12からの電力供給を制御する制御装置13にて適宜制御されることで使用者の顔Fのマッサージを行うものである。
【0040】
フェイスマッサージ機10を構成する各アクチュエータ11は、図2及び図3(a)(b)に示すように、それぞれ2つの固定子20,21と、この固定子20,21上面に配置される変位部22と、固定子20,21と対となるとともに変位部22の上面に配置される可動子23,24とで構成されている。
【0041】
固定子20,21は、固定子コア20a,21aと、この固定子コア20a,21a内部に収容される環状のコイル20b、21bとで構成されている。各コイル20b、21bは中心孔20c、21cを有するように形成されている。尚、この中心孔20c、21cに固定鉄心を配置してもよく、これにより、発生する磁気力を増大させることができる。
【0042】
変位部22は、磁性流体を封入した可撓性を有する袋状体30が複数の固定子20,21全体に亘ってその上面を覆うように構成されている。そして、この変位部22は、可動子23,24の可動範囲内である固定子20,21及び可動子23,24間に配置されている。
【0043】
可動子23,24は、変位部22の上面に固定される例えば鉄等の磁性を有する金属円盤状部材にて構成されている。
次に、本実施形態のフェイスマッサージ機10を構成するアクチュエータ11の動作について説明する。
【0044】
アクチュエータ11は、制御装置13により、例えば2つの固定子20,21の内の一方である固定子20のコイル20bに電流供給を行うことで、図3(b)に示すようにそのコイル20bと対となる可動子(図3(b)において右側の可動子)23がコイル20bに発生する磁気力にて下側に吸引される。そして、その磁気力にて吸引される可動子23が変位部22を押圧変形させ、他方の可動子(図3(b)において左側の可動子)24が変位部22の変形によって出力側(図において上側)に移動される。
【0045】
次に、制御装置13により、一方の固定子20のコイル20bへの電流供給が停止されるとともに、他方の固定子21のコイル21bに対して電流供給される。そのため、その電流供給されるコイル21bと対となる可動子(図において左側の可動子)24がコイル21bに発生する磁気力にて吸引される。そして、その磁気力にて下側に吸引される可動子24が変位部22を押圧変形させ、他方の可動子(図において右側の可動子)23が変位部22の変形によって出力側(図において上側)に移動される。
【0046】
上述した動作を繰り返すことで、各アクチュエータ11において可動子23,24が交互に出力側(上側)に動作されて、その動作される可動子23,24にて使用者の顔Fがマッサージされるようになっている。この時、可動子23,24の下部側に磁性流体が封入された袋状体30(変位部22)にて可動子23,24が動作されるため、変形する流体にて柔軟な動作を実現でき、柔軟な出力を得ることが可能となっている。また、磁性流体で構成されるため、変位部22の磁気抵抗を抑えることができ、固定子20,21(コイル20b,21b)の磁気力にて可動子23,24を容易に動作させることができる。そのため、2つの可動子23,24の内の一方(例えば可動子23)が固定子20,21側に容易に移動されることで変位部22を大きく変形させることができ、固定子20,21側に移動される可動子23,24(例えば可動子23)とは異なる可動子23,24(例えば可動子24)側にて比較的大きな出力を得ることが可能となる。
【0047】
次に、本実施形態の特徴的な作用効果を記載する。
(1)固定子20,21の磁気力にて移動される可動子23,24の可動範囲内である固定子20,21及び可動子23,24間に、可動子23,24の移動に伴って変形可能な袋状体30に流体が封入されてなる変位部22を配置する。そして、可動子23,24が固定子20,21の磁気力にて移動され、その際に変形される変位部22の変位にて出力を得るように構成される。このため、変形する流体にて柔軟な動作を実現でき、剛体で支持機構が構成されたアクチュエータでは実現できない柔軟な出力を得ることが可能となる。
【0048】
(2)袋状体30に封入される流体が磁性流体であるため、流体の磁気抵抗を抑えることができ、可動子23,24を固定子20,21の磁気力にて容易に移動させることができる。そのため、袋状体30に流体が封入されてなる変位部22を大きく変形させることができ、比較的大きな出力を得ることが可能となる。
【0049】
(3)袋状体30が固定子20,21を構成するコイル20b,21bの径及びこのコイル20b,21bと対となる可動子23,24よりも大きくなるよう構成される。そのため、固定子20,21の磁気力にて可動子23,24を移動させる際に、袋状体30における固定子20,21及び可動子23,24と接触する箇所以外の部分が変形しやすく、大きな変位(出力)を得ることが可能となる。
【0050】
(4)変位部22を構成する袋状体30に対して可動子23,24及び固定子20,21が複数設けられる。そのため、袋状体30に対して可動子及び固定子を1つ設けた場合と比較して、磁気力(電磁力)を高めることができ、より大きな変位(出力)を得ることが可能となる。
【0051】
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、可動子23,24を鉄等の磁性を有する金属円盤状部材にて構成したが、これに限らず、例えば図4に示すように可動子35,36をコア37及びコイル38からなる電磁石39にて構成してもよい。このような構成とすることで、例えば金属円盤状部材(磁性金属)で構成された可動子23,24と比較して、電磁石39にて発生する磁気力を利用して可動子35,36及び固定子20,21間の吸引力や反発力を大きくでき、大きな変位(出力)を得ることができる。
【0052】
・上記実施形態では、可動子23,24を鉄等の磁性を有する金属円盤状部材にて構成したが、これに限らず、例えば図5(a)に示すように固定子20,21のコイル20b,21bの中心孔20c,21cを貫通可能に設けられるプランジャ(可動鉄心)にて可動子40を構成してもよい。このような構成とすることで、可動鉄心(プランジャ)からなる可動子40の可動範囲を大きくしても、コイル20b,21bの中心孔20c,21cに設けられた可動子40と固定子20,21(コイル20b,21b)とのギャップ変化が比較的大きくならないため、可動子40にて大きな磁気力を受ける、つまり磁気効率を高めることができる。
【0053】
更に、図5(a)に示すように、そのプランジャからなる可動子40におけるコイル20b,21bの中心孔20c、21cの貫通方向と直交する方向に延びるとともに、磁性を有する板状部材41をプランジャからなる可動子40の一端に設けてもよい。このような構成とすることで、磁性を有する板状部材41によっても固定子20,21の磁気力を受けることができるため、可動子40にて大きな磁気力を増やし、より容易にプランジャからなる可動子40を動作させることができる。
【0054】
また、図5(b)に示すように、固定子20,21を構成する固定子コア20a,21aの内周側にコイル20b、21bの中心孔20c,21cの貫通方向に沿ったコア凸部20d,21dを形成してもよい。このような構成とすることで、プランジャからなる可動子40の移動に伴うコイル20b,21bの中心孔20c,21cを移動する可動子40と固定子20,21(コイル20b、21b)とのギャップ変化を小さくすることが可能となる。そのため、可動子40にて大きな磁気力を受ける、つまり磁気効率を高めることができる。
【0055】
尚、図5(a)(b)においては、プランジャからなる可動子40における板状部材41とは反対側の端部と変位部22とが当接するように構成しており、2つの可動子40の内の一方を固定子20,21の電磁力で動作させて変位部22を押圧変形されることで、他方の可動子40の端部が変位部22の変形にて動作される。そして、変位部22にて動作される可動子40の板状部材41側から柔軟な出力(動作)が得られるように構成されている。
【0056】
・上記実施形態では、特に言及していないが、例えば可動子23,24にて出力を得る際に、図6に示すように、可動子23,24の出力側(図において上側)の表面にゴム等の軟材料45を設けてもよい。このような構成とすることで、可動子23,24にて出力を得る際に、その可動子23,24が接触する対象物(例えば顔F)に対して、質感を変えて柔軟な出力を付与することが可能となる。
【0057】
また、この軟材料45は、可動子23,24のそれぞれに複数設けてもよく、複数ある可動子23,24の内の例えば1つのみに設けてもよい。
また、可動子23,24自身を磁性を有する軟材料にて構成してもよい。このような構成としても、可動子23,24にて出力を得る際に、その可動子23,24が接触する対象物(例えば顔F)に対して、柔軟な出力を付与することができる。また、特に可動子23,24に対して別途軟材料を設ける必要がないため、部品点数を抑えることができる。
【0058】
・上記実施形態では、特に言及していないが、例えば図7(a)(b)に示すように可動子23,24に貫通孔50を形成してもよい。このような構成により、固定子の磁気力にて可動子が移動されることで、袋状体30に流体が封入されてなる変位部22が、図7(b)に示すように貫通孔50に合わせて変形されるため、貫通孔50から突出する流体を有する変位部22にて柔軟な出力を得ることができる。
【0059】
更に、図9(a)(b)に示すように、変位部22を構成する袋状体30に、可動子23,24の貫通孔50に対応した凸部30aを形成してもよい。このような構成とすることで、貫通孔50に合わせて流体が変形しやすく、より大きな変位(出力)を得ることが可能となる。また、前記凸部30aは、図10に示すように、例えばその側面を蛇腹状として突出方向に伸縮可能に形成してもよい。このような構成とすることで、凸部30aが貫通孔に合わせて変形(伸縮)し、より大きな変位(出力)を得ることが可能となる。
【0060】
・上記実施形態では、特に言及していないが、可動子23,24を図8(a)に示すように同一形状をなす複数の分割片55にて構成してもよい。このような構成とすることで、変位部を構成する袋状体に沿って変形することができ、より柔軟な出力を得ることができる。また、可動子が分割されるため、可動子を通る磁束変化に伴った渦電流を低減させて所謂渦電流損を抑えることが可能となる。尚、図8(b)に示すように、複数の分割片56は同一形状でなくてもよい。
【0061】
また、上記構成において、分割片55の表面にシート状部材(図示略)が貼られて一体化してもよい。このような構成とすることで、可動子23,24を構成する分割片55が離散することを防止できる。また、シート状部材が貼られた状態において、例えば加圧によって分割させることができるため、可動子23,24を容易に分割させることができ、製造を容易とすることができる。
【0062】
・上記実施形態では、特に言及していないが、例えば図11に示すように、変位部22を構成する袋状体30に、可動子23,24を配置するための凹部60,61を形成してもよい。このような構成とすることで、固定子20,21の磁気力にて可動子23,24が移動される際に、凹部60,61側に吸引されて変位部22の凹部60,61の周縁部62側が変形し、その周縁部62側にて出力を得ることが可能となる。
【0063】
また、図12に示すように、凹部60,61の周縁部62の側面を例えば蛇腹状に形成して、その突出方向に伸縮可能に構成してもよい。このような構成とすることで、周縁部62が突出方向(可動子23,24の移動方向と逆方向)に変形しやすく、より大きな変位(出力)を得ることが可能となる。
【0064】
・上記実施形態では、特に言及していないが、例えば図13に示すように可動子70,71の周縁の一部を固定子20,21を構成する固定子コア20a,21aと磁気力伝達可能接続させて、ピン部材72にて傾動可能に構成してもよい。このように、可動子70,71の一部が固定子コア20a,21aと磁気力伝達可能に接続されるため、可動子70,71と固定子コア20a,21aとが離間された状態と比較して、ギャップを小さくすることができるため、磁気効率を向上させることができる。
【0065】
・上記実施形態では、固定子20,21と対となるように、つまり同一個数の可動子23,24を設ける構成としたが、これに限らず、同一個数でなくてもよく、例えば図14に示すように、固定子20側に可動子を設けない構成を採用してもよい。尚、この場合、可動子24が固定子21の電磁力にて吸引されることで固定子20側の変位部22にて出力が得られるようになっている。また、固定子20の代わりに図15に示すように、変位部22を支持する支持台80を設けてもよい。このような構成であっても、可動子24による変位部22の押圧変形にて押圧箇所以外の部分を膨張変形させることができる。
【0066】
・上記実施形態では、可動子23,24にて出力を得てマッサージを行うように構成したが、これに限らない。例えば、可動子23,24の移動に伴って変形する変位部22にて出力を得るように構成してもよい。
【0067】
・上記実施形態では、複数のアクチュエータ11にてフェイスマッサージ機10を構成したが、これに限らず、1つのアクチュエータ11にてフェイスマッサージ機10を構成してもよい。
【0068】
・上記実施形態では、2つの固定子20,21と、この固定子20,21と対となる2つの可動子23,24を備えて各アクチュエータ11を構成したが、各アクチュエータ11のそれぞれを1つの固定子及び可動子で構成してもよく、または3つ以上の固定子及び可動子にてアクチュエータを構成してもよい。
【0069】
・上記実施形態では、特に言及していないが、例えば可動子23,24を同時に吸引してもよい。尚、この場合、可動子23,24によって押圧変形される変位部22にて出力を得る構成が考えられる。また、電流供給及び非供給を繰り返すことで可動子23,24を振動させて出力を得る構成が考えられる。
【0070】
・上記実施形態では、アクチュエータ11をフェイスマッサージ機10に適用したが、これに限らない。例えば、背中や脚部等のその他の身体の施療を行うマッサージ機に適用してもよい。また、マッサージ機以外のアクチュエータとして使用してもよい。
【0071】
・上記実施形態では、袋状体30に磁性流体を封入して変位部22を構成したが、液体等のその他の流体を封入して変位部を構成してもよい。
【符号の説明】
【0072】
11…アクチュエータ、20,21…固定子、20a,21a…固定子コア、20b,21b,38…コイル、20c,21c…中心孔、20d,21d…コア凸部、22…変位部、23,24,35,36,40,70,71…可動子、30…袋状体、30a…凸部、39…電磁石、41…板状部材、45…軟材料、50…貫通孔、55,56…分割片、60,61…凹部、62…周縁部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、柔軟な動作を可能とするアクチュエータ及びそれを備えたマッサージ機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から電磁石を用いたアクチュエータが知られており、例えば特許文献1には、固定子の電磁石を構成する固定鉄心の磁極間に可動子(可動鉄心)が磁極と直交する方向に移動可能に設けられて構成されたアクチュエータが開示されている。
【0003】
特許文献1のアクチュエータは、電磁石の磁気力を発生させることで可動鉄心を電磁石(固定子)に吸着されるため、可動子にかかる外力(例えば使用者の体重)に抗する力が働き、マッサージ機用の施療子として用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−126199号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記のアクチュエータでは、可動子(可動鉄心)を所定方向に動作させるために電磁石の磁気力にて可動子を吸引することで、可動子にかかる外力に抗するような力が発生されるように構成されているが、電磁石の磁気力のみではより柔軟な動作を行うことに限界があり、この改善が望まれている。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、より柔軟な動作を行うことができるアクチュエータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、固定子コアと該固定子コア内部に収容されるコイルとを有し、該コイルに電力供給することで磁気力が発生する固定子と、前記固定子による磁気力にて移動される可動子と、前記可動子の移動範囲内に配置され、前記可動子の移動に伴って変形可能な袋状体に流体が封入されてなる変位部と、を備え、前記可動子及び前記固定子間に働く磁気力にて前記可動子が移動されて前記変位部の変位にて出力を得るように構成されたことをその要旨とする。
【0008】
この発明では、固定子の磁気力にて移動される可動子の可動範囲内に、可動子の移動に伴って変形可能な袋状体に流体が封入されてなる変位部を配置する。そして、可動子が固定子の磁気力にて移動され、その際に変形される変位部の変位にて出力を得るように構成される。このため、変形する流体にて柔軟な動作を実現でき、剛体で支持機構が構成されたアクチュエータでは実現できない柔軟な出力を得ることが可能となる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のアクチュエータにおいて、前記袋状体に封入される流体は、磁性流体であることをその要旨とする。
この発明では、袋状体に封入される流体が磁性流体であるため、流体の磁気抵抗を抑えることができ、可動子を固定子の磁気力にて容易に移動させることができる。そのため、袋状体に流体が封入されてなる変位部を大きく変形させることができ、比較的大きな出力を得ることが可能となる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のアクチュエータにおいて、前記固定子を構成するコイルの径よりも前記袋状体が大きく、前記コイルと対となる前記可動子よりも前記袋状体が大きくなるよう構成されたことをその要旨とする。
【0011】
この発明では、袋状体が固定子を構成するコイルの径及びこのコイルと対となる可動子よりも大きくなるよう構成される。そのため、固定子の磁気力にて可動子を移動させる際に、袋状体における固定子及び可動子と接触する箇所以外の部分が変形しやすく、大きな変位(出力)を得ることが可能となる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のアクチュエータにおいて、前記可動子は、その一部が前記固定子コアと磁気力伝達可能に接続されたことをその要旨とする。
【0013】
この発明では、可動子は、その一部が固定子コアと磁気力伝達可能に接続される。そのため、可動子と固定子コアとが離間された状態と比較して、ギャップを小さくすることができるため、磁気効率を向上させることができる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載のアクチュエータにおいて、前記可動子には、貫通孔が形成されたことをその要旨とする。
この発明では、可動子には、貫通孔が形成される。そのため、固定子の磁気力にて可動子が移動されることで、袋状体に流体が封入されてなる変位部が貫通孔に合わせて変形されるため、貫通孔から突出する変位部にて柔軟な出力を得ることができる。
【0015】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のアクチュエータにおいて、前記変位部を構成する袋状体には、前記可動子の貫通孔に対応した凸部が形成されたことをその要旨とする。
【0016】
この発明では、変位部を構成する袋状体は、可動子の貫通孔に対応した凸部が形成されるため、貫通孔に合わせて流体が変形しやすく、より大きな変位(出力)を得ることが可能となる。
【0017】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のアクチュエータにおいて、前記凸部は、突出方向に伸縮可能に形成されたことをその要旨とする。
この発明では、凸部は、突出方向に伸縮可能に形成されるため、凸部が貫通孔に合わせて変形(伸縮)し、より大きな変位(出力)を得ることが可能となる。
【0018】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載のアクチュエータにおいて、前記変位部を構成する袋状体は、前記可動子を配置する凹部が形成されたことをその要旨とする。
【0019】
この発明では、変位部を構成する袋状体は可動子を配置する凹部が形成されるため、固定子の磁気力にて可動子が移動される場合に、凹部側に吸引されて変位部の凹部の周縁部が変形し、その周縁部側にて出力を得ることが可能となる。
【0020】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載のアクチュエータにおいて、前記可動子を配置する前記凹部の周縁部は、その突出方向に伸縮可能に形成されたことをその要旨とする。
【0021】
この発明では、可動子を配置する凹部の周縁部は、その突出方向に伸縮可能に形成される。つまり、周縁部が突出方向(可動子の移動方向と逆方向)に変形しやすく、より大きな変位(出力)を得ることが可能となる。
【0022】
請求項10に記載の発明は、請求項1〜9のいずれか一項に記載のアクチュエータにおいて、前記可動子は、複数の分割片にて構成されたことをその要旨とする。
この発明では、可動子は、複数の分割片にて構成される。そのため、変位部を構成する袋状体に沿って変形することができ、より柔軟な出力を得ることができる。また、可動子が分割されるため、可動子を通る磁束変化に伴った渦電流を低減させて所謂渦電流損を抑えることが可能となる。
【0023】
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載のアクチュエータにおいて、前記可動子の前記分割片は、その表面にシート状部材が貼られて一体化されたことをその要旨とする。
【0024】
この発明では、分割片は、その表面にシート状部材が貼られて一体化される。このため、可動子を構成する分割片が離散することを防止できる。また、シート状部材が貼られた状態において、例えば加圧によって分割させることができるため、可動子を容易に分割させることができ、製造を容易とすることができる。
【0025】
請求項12に記載の発明は、請求項1又は2に記載のアクチュエータにおいて、前記可動子は、電磁石にて構成されたことをその要旨とする。
この発明では、可動子は電磁石にて構成されるため、例えば可動子を磁性金属で構成した場合と比較して、電磁石にて発生する磁気力を利用して可動子及び固定子間の吸引力や反発力を大きくでき、大きな変位(出力)を得ることができる。
【0026】
請求項13に記載の発明は、請求項1又は2に記載のアクチュエータにおいて、前記可動子は、前記固定子を構成するコイルの中心孔を貫通可能に設けられるプランジャにて構成されたことをその要旨とする。
【0027】
この発明では、可動子は、固定子を構成するコイルの中心孔を貫通可能に設けられるプランジャにて構成される。このような構成とすることで、可動子(プランジャ)の可動範囲を大きくしても、コイルの中心孔に設けられた可動子と固定子(コイル)とのギャップ変化が比較的大きくならないため、可動子にて大きな磁気力を受ける、つまり磁気効率を高めることができる。
【0028】
請求項14に記載の発明は、請求項13に記載のアクチュエータにおいて、前記可動子を構成するプランジャの一端には、該プランジャにおける前記中心孔の貫通方向と直交する方向に延びるとともに、磁性を有する板状部材が設けられたことをその要旨とする。
【0029】
この発明では、可動子を構成するプランジャの一端には、そのプランジャにおける中心孔の貫通方向と直交する方向に延びるとともに、磁性を有する板状部材が設けられる。これにより、磁性を有する板状部材によっても固定子の磁気力を受けることができるため、可動子にて大きな磁気力を増やして、より容易にプランジャを動作させることができる。
【0030】
請求項15に記載の発明は、請求項13又は14に記載のアクチュエータにおいて、前記固定子コアは、その内周側に前記コイルの中心孔の貫通方向に沿ったコア凸部が形成されたことをその要旨とする。
【0031】
この発明では、固定子コアは、その内周側にコイルの中心孔の貫通方向に沿ったコア凸部が形成される。そのため、可動子の移動に伴うコイルの中心孔を移動する可動子(プランジャ)と固定子(コイル)とのギャップ変化を小さくすることが可能となる。そのため、可動子にて大きな磁気力を受ける、つまり磁気効率を高めることができる。
【0032】
請求項16に記載の発明は、請求項1〜15のいずれか一項に記載のアクチュエータにおいて、前記変位部を構成する袋状体に対して前記可動子及び前記固定子を複数設けたことをその要旨とする。
【0033】
この発明では、変位部を構成する袋状体に対して可動子及び固定子が複数設けられる。そのため、袋状体に対して可動子及び固定子を1つ設けた場合と比較して、磁気力(電磁力)を高めることができ、より大きな変位(出力)を得ることが可能となる。
【0034】
請求項17に記載の発明は、請求項1〜16のいずれか一項に記載のアクチュエータにおいて、前記可動子における出力側には軟材料を配置したことをその要旨とする。
この発明では、可動子における出力側には軟材料が配置される。このため、可動子にて出力を得る際に、その可動子が接触する対象物(例えば人体)に対して、質感を変えて柔軟な出力を付与することが可能となる。
【0035】
請求項18に記載の発明は、請求項1〜16のいずれか一項に記載のアクチュエータにおいて、前記可動子は、磁性を有する軟材料で構成されたことをその要旨とする。
この発明では、可動子は、磁性を有する軟材料で構成される。このため、可動子にて出力を得る際に、その可動子が接触する対象物(例えば人体)に対して、柔軟な出力を付与することができる。また、特に可動子に対して別途軟材料を設ける必要がないため、部品点数を抑えることができる。
【0036】
請求項19に記載の発明は、請求項1〜18のいずれか一項に記載のアクチュエータの動作により使用者の身体の施療を行うマッサージ機である。
この発明では、請求項1〜18のいずれか一項に記載のアクチュエータの動作により使用者の身体の施療を行うマッサージ機にて、請求項1〜18の効果と同様の効果を奏することができるマッサージ機を提供することができる。
【発明の効果】
【0037】
本発明によれば、より柔軟な動作を行うことができるアクチュエータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本実施形態におけるフェイスマッサージ機の概略構成図。
【図2】同上におけるフェイスマッサージ機を構成するアクチュエータの概略構成図。
【図3】(a)(b)は、アクチュエータの動作について説明するための説明図。
【図4】別例におけるアクチュエータの断面図。
【図5】(a)(b)は、別例におけるアクチュエータの断面図。
【図6】別例におけるアクチュエータの断面図。
【図7】(a)(b)は、別例におけるアクチュエータの断面図。
【図8】(a)(b)は、別例における可動子について説明するための説明図。
【図9】(a)は別例におけるアクチュエータの断面図、(b)は別例における変位部の側面図。
【図10】(a)は別例におけるアクチュエータの断面図、(b)は別例における変位部の側面図。
【図11】別例におけるアクチュエータの断面図。
【図12】別例におけるアクチュエータの断面図。
【図13】別例におけるアクチュエータの断面図。
【図14】別例におけるアクチュエータの断面図。
【図15】別例におけるアクチュエータの断面図。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明をフェイスマッサージ機に具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1は、本実施形態のフェイスマッサージ機の概略構成を示す。フェイスマッサージ機10は、複数のアクチュエータ11を備え、各アクチュエータ11に対して電源12からの電力供給を制御する制御装置13にて適宜制御されることで使用者の顔Fのマッサージを行うものである。
【0040】
フェイスマッサージ機10を構成する各アクチュエータ11は、図2及び図3(a)(b)に示すように、それぞれ2つの固定子20,21と、この固定子20,21上面に配置される変位部22と、固定子20,21と対となるとともに変位部22の上面に配置される可動子23,24とで構成されている。
【0041】
固定子20,21は、固定子コア20a,21aと、この固定子コア20a,21a内部に収容される環状のコイル20b、21bとで構成されている。各コイル20b、21bは中心孔20c、21cを有するように形成されている。尚、この中心孔20c、21cに固定鉄心を配置してもよく、これにより、発生する磁気力を増大させることができる。
【0042】
変位部22は、磁性流体を封入した可撓性を有する袋状体30が複数の固定子20,21全体に亘ってその上面を覆うように構成されている。そして、この変位部22は、可動子23,24の可動範囲内である固定子20,21及び可動子23,24間に配置されている。
【0043】
可動子23,24は、変位部22の上面に固定される例えば鉄等の磁性を有する金属円盤状部材にて構成されている。
次に、本実施形態のフェイスマッサージ機10を構成するアクチュエータ11の動作について説明する。
【0044】
アクチュエータ11は、制御装置13により、例えば2つの固定子20,21の内の一方である固定子20のコイル20bに電流供給を行うことで、図3(b)に示すようにそのコイル20bと対となる可動子(図3(b)において右側の可動子)23がコイル20bに発生する磁気力にて下側に吸引される。そして、その磁気力にて吸引される可動子23が変位部22を押圧変形させ、他方の可動子(図3(b)において左側の可動子)24が変位部22の変形によって出力側(図において上側)に移動される。
【0045】
次に、制御装置13により、一方の固定子20のコイル20bへの電流供給が停止されるとともに、他方の固定子21のコイル21bに対して電流供給される。そのため、その電流供給されるコイル21bと対となる可動子(図において左側の可動子)24がコイル21bに発生する磁気力にて吸引される。そして、その磁気力にて下側に吸引される可動子24が変位部22を押圧変形させ、他方の可動子(図において右側の可動子)23が変位部22の変形によって出力側(図において上側)に移動される。
【0046】
上述した動作を繰り返すことで、各アクチュエータ11において可動子23,24が交互に出力側(上側)に動作されて、その動作される可動子23,24にて使用者の顔Fがマッサージされるようになっている。この時、可動子23,24の下部側に磁性流体が封入された袋状体30(変位部22)にて可動子23,24が動作されるため、変形する流体にて柔軟な動作を実現でき、柔軟な出力を得ることが可能となっている。また、磁性流体で構成されるため、変位部22の磁気抵抗を抑えることができ、固定子20,21(コイル20b,21b)の磁気力にて可動子23,24を容易に動作させることができる。そのため、2つの可動子23,24の内の一方(例えば可動子23)が固定子20,21側に容易に移動されることで変位部22を大きく変形させることができ、固定子20,21側に移動される可動子23,24(例えば可動子23)とは異なる可動子23,24(例えば可動子24)側にて比較的大きな出力を得ることが可能となる。
【0047】
次に、本実施形態の特徴的な作用効果を記載する。
(1)固定子20,21の磁気力にて移動される可動子23,24の可動範囲内である固定子20,21及び可動子23,24間に、可動子23,24の移動に伴って変形可能な袋状体30に流体が封入されてなる変位部22を配置する。そして、可動子23,24が固定子20,21の磁気力にて移動され、その際に変形される変位部22の変位にて出力を得るように構成される。このため、変形する流体にて柔軟な動作を実現でき、剛体で支持機構が構成されたアクチュエータでは実現できない柔軟な出力を得ることが可能となる。
【0048】
(2)袋状体30に封入される流体が磁性流体であるため、流体の磁気抵抗を抑えることができ、可動子23,24を固定子20,21の磁気力にて容易に移動させることができる。そのため、袋状体30に流体が封入されてなる変位部22を大きく変形させることができ、比較的大きな出力を得ることが可能となる。
【0049】
(3)袋状体30が固定子20,21を構成するコイル20b,21bの径及びこのコイル20b,21bと対となる可動子23,24よりも大きくなるよう構成される。そのため、固定子20,21の磁気力にて可動子23,24を移動させる際に、袋状体30における固定子20,21及び可動子23,24と接触する箇所以外の部分が変形しやすく、大きな変位(出力)を得ることが可能となる。
【0050】
(4)変位部22を構成する袋状体30に対して可動子23,24及び固定子20,21が複数設けられる。そのため、袋状体30に対して可動子及び固定子を1つ設けた場合と比較して、磁気力(電磁力)を高めることができ、より大きな変位(出力)を得ることが可能となる。
【0051】
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、可動子23,24を鉄等の磁性を有する金属円盤状部材にて構成したが、これに限らず、例えば図4に示すように可動子35,36をコア37及びコイル38からなる電磁石39にて構成してもよい。このような構成とすることで、例えば金属円盤状部材(磁性金属)で構成された可動子23,24と比較して、電磁石39にて発生する磁気力を利用して可動子35,36及び固定子20,21間の吸引力や反発力を大きくでき、大きな変位(出力)を得ることができる。
【0052】
・上記実施形態では、可動子23,24を鉄等の磁性を有する金属円盤状部材にて構成したが、これに限らず、例えば図5(a)に示すように固定子20,21のコイル20b,21bの中心孔20c,21cを貫通可能に設けられるプランジャ(可動鉄心)にて可動子40を構成してもよい。このような構成とすることで、可動鉄心(プランジャ)からなる可動子40の可動範囲を大きくしても、コイル20b,21bの中心孔20c,21cに設けられた可動子40と固定子20,21(コイル20b,21b)とのギャップ変化が比較的大きくならないため、可動子40にて大きな磁気力を受ける、つまり磁気効率を高めることができる。
【0053】
更に、図5(a)に示すように、そのプランジャからなる可動子40におけるコイル20b,21bの中心孔20c、21cの貫通方向と直交する方向に延びるとともに、磁性を有する板状部材41をプランジャからなる可動子40の一端に設けてもよい。このような構成とすることで、磁性を有する板状部材41によっても固定子20,21の磁気力を受けることができるため、可動子40にて大きな磁気力を増やし、より容易にプランジャからなる可動子40を動作させることができる。
【0054】
また、図5(b)に示すように、固定子20,21を構成する固定子コア20a,21aの内周側にコイル20b、21bの中心孔20c,21cの貫通方向に沿ったコア凸部20d,21dを形成してもよい。このような構成とすることで、プランジャからなる可動子40の移動に伴うコイル20b,21bの中心孔20c,21cを移動する可動子40と固定子20,21(コイル20b、21b)とのギャップ変化を小さくすることが可能となる。そのため、可動子40にて大きな磁気力を受ける、つまり磁気効率を高めることができる。
【0055】
尚、図5(a)(b)においては、プランジャからなる可動子40における板状部材41とは反対側の端部と変位部22とが当接するように構成しており、2つの可動子40の内の一方を固定子20,21の電磁力で動作させて変位部22を押圧変形されることで、他方の可動子40の端部が変位部22の変形にて動作される。そして、変位部22にて動作される可動子40の板状部材41側から柔軟な出力(動作)が得られるように構成されている。
【0056】
・上記実施形態では、特に言及していないが、例えば可動子23,24にて出力を得る際に、図6に示すように、可動子23,24の出力側(図において上側)の表面にゴム等の軟材料45を設けてもよい。このような構成とすることで、可動子23,24にて出力を得る際に、その可動子23,24が接触する対象物(例えば顔F)に対して、質感を変えて柔軟な出力を付与することが可能となる。
【0057】
また、この軟材料45は、可動子23,24のそれぞれに複数設けてもよく、複数ある可動子23,24の内の例えば1つのみに設けてもよい。
また、可動子23,24自身を磁性を有する軟材料にて構成してもよい。このような構成としても、可動子23,24にて出力を得る際に、その可動子23,24が接触する対象物(例えば顔F)に対して、柔軟な出力を付与することができる。また、特に可動子23,24に対して別途軟材料を設ける必要がないため、部品点数を抑えることができる。
【0058】
・上記実施形態では、特に言及していないが、例えば図7(a)(b)に示すように可動子23,24に貫通孔50を形成してもよい。このような構成により、固定子の磁気力にて可動子が移動されることで、袋状体30に流体が封入されてなる変位部22が、図7(b)に示すように貫通孔50に合わせて変形されるため、貫通孔50から突出する流体を有する変位部22にて柔軟な出力を得ることができる。
【0059】
更に、図9(a)(b)に示すように、変位部22を構成する袋状体30に、可動子23,24の貫通孔50に対応した凸部30aを形成してもよい。このような構成とすることで、貫通孔50に合わせて流体が変形しやすく、より大きな変位(出力)を得ることが可能となる。また、前記凸部30aは、図10に示すように、例えばその側面を蛇腹状として突出方向に伸縮可能に形成してもよい。このような構成とすることで、凸部30aが貫通孔に合わせて変形(伸縮)し、より大きな変位(出力)を得ることが可能となる。
【0060】
・上記実施形態では、特に言及していないが、可動子23,24を図8(a)に示すように同一形状をなす複数の分割片55にて構成してもよい。このような構成とすることで、変位部を構成する袋状体に沿って変形することができ、より柔軟な出力を得ることができる。また、可動子が分割されるため、可動子を通る磁束変化に伴った渦電流を低減させて所謂渦電流損を抑えることが可能となる。尚、図8(b)に示すように、複数の分割片56は同一形状でなくてもよい。
【0061】
また、上記構成において、分割片55の表面にシート状部材(図示略)が貼られて一体化してもよい。このような構成とすることで、可動子23,24を構成する分割片55が離散することを防止できる。また、シート状部材が貼られた状態において、例えば加圧によって分割させることができるため、可動子23,24を容易に分割させることができ、製造を容易とすることができる。
【0062】
・上記実施形態では、特に言及していないが、例えば図11に示すように、変位部22を構成する袋状体30に、可動子23,24を配置するための凹部60,61を形成してもよい。このような構成とすることで、固定子20,21の磁気力にて可動子23,24が移動される際に、凹部60,61側に吸引されて変位部22の凹部60,61の周縁部62側が変形し、その周縁部62側にて出力を得ることが可能となる。
【0063】
また、図12に示すように、凹部60,61の周縁部62の側面を例えば蛇腹状に形成して、その突出方向に伸縮可能に構成してもよい。このような構成とすることで、周縁部62が突出方向(可動子23,24の移動方向と逆方向)に変形しやすく、より大きな変位(出力)を得ることが可能となる。
【0064】
・上記実施形態では、特に言及していないが、例えば図13に示すように可動子70,71の周縁の一部を固定子20,21を構成する固定子コア20a,21aと磁気力伝達可能接続させて、ピン部材72にて傾動可能に構成してもよい。このように、可動子70,71の一部が固定子コア20a,21aと磁気力伝達可能に接続されるため、可動子70,71と固定子コア20a,21aとが離間された状態と比較して、ギャップを小さくすることができるため、磁気効率を向上させることができる。
【0065】
・上記実施形態では、固定子20,21と対となるように、つまり同一個数の可動子23,24を設ける構成としたが、これに限らず、同一個数でなくてもよく、例えば図14に示すように、固定子20側に可動子を設けない構成を採用してもよい。尚、この場合、可動子24が固定子21の電磁力にて吸引されることで固定子20側の変位部22にて出力が得られるようになっている。また、固定子20の代わりに図15に示すように、変位部22を支持する支持台80を設けてもよい。このような構成であっても、可動子24による変位部22の押圧変形にて押圧箇所以外の部分を膨張変形させることができる。
【0066】
・上記実施形態では、可動子23,24にて出力を得てマッサージを行うように構成したが、これに限らない。例えば、可動子23,24の移動に伴って変形する変位部22にて出力を得るように構成してもよい。
【0067】
・上記実施形態では、複数のアクチュエータ11にてフェイスマッサージ機10を構成したが、これに限らず、1つのアクチュエータ11にてフェイスマッサージ機10を構成してもよい。
【0068】
・上記実施形態では、2つの固定子20,21と、この固定子20,21と対となる2つの可動子23,24を備えて各アクチュエータ11を構成したが、各アクチュエータ11のそれぞれを1つの固定子及び可動子で構成してもよく、または3つ以上の固定子及び可動子にてアクチュエータを構成してもよい。
【0069】
・上記実施形態では、特に言及していないが、例えば可動子23,24を同時に吸引してもよい。尚、この場合、可動子23,24によって押圧変形される変位部22にて出力を得る構成が考えられる。また、電流供給及び非供給を繰り返すことで可動子23,24を振動させて出力を得る構成が考えられる。
【0070】
・上記実施形態では、アクチュエータ11をフェイスマッサージ機10に適用したが、これに限らない。例えば、背中や脚部等のその他の身体の施療を行うマッサージ機に適用してもよい。また、マッサージ機以外のアクチュエータとして使用してもよい。
【0071】
・上記実施形態では、袋状体30に磁性流体を封入して変位部22を構成したが、液体等のその他の流体を封入して変位部を構成してもよい。
【符号の説明】
【0072】
11…アクチュエータ、20,21…固定子、20a,21a…固定子コア、20b,21b,38…コイル、20c,21c…中心孔、20d,21d…コア凸部、22…変位部、23,24,35,36,40,70,71…可動子、30…袋状体、30a…凸部、39…電磁石、41…板状部材、45…軟材料、50…貫通孔、55,56…分割片、60,61…凹部、62…周縁部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定子コアと該固定子コア内部に収容されるコイルとを有し、該コイルに電力供給することで磁気力が発生する固定子と、
前記固定子による磁気力にて移動される可動子と、
前記可動子の移動範囲内に配置され、前記可動子の移動に伴って変形可能な袋状体に流体が封入されてなる変位部と、
を備え、前記可動子及び前記固定子間に働く磁気力にて前記可動子が移動されて前記変位部の変位にて出力を得るように構成されたことを特徴とするアクチュエータ。
【請求項2】
請求項1に記載のアクチュエータにおいて、
前記袋状体に封入される流体は、磁性流体であることを特徴とするアクチュエータ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のアクチュエータにおいて、
前記固定子を構成するコイルの径よりも前記袋状体が大きく、前記コイルと対となる前記可動子よりも前記袋状体が大きくなるよう構成されたことを特徴とするアクチュエータ。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のアクチュエータにおいて、
前記可動子は、その一部が前記固定子コアと磁気力伝達可能に接続されたことを特徴とするアクチュエータ。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載のアクチュエータにおいて、
前記可動子には、貫通孔が形成されたことを特徴とするアクチュエータ。
【請求項6】
請求項5に記載のアクチュエータにおいて、
前記変位部を構成する袋状体には、前記可動子の貫通孔に対応した凸部が形成されたことを特徴とするアクチュエータ。
【請求項7】
請求項6に記載のアクチュエータにおいて、
前記凸部は、突出方向に伸縮可能に形成されたことを特徴とするアクチュエータ。
【請求項8】
請求項1〜4のいずれか一項に記載のアクチュエータにおいて、
前記変位部を構成する袋状体は、前記可動子を配置する凹部が形成されたことを特徴とするアクチュエータ。
【請求項9】
請求項8に記載のアクチュエータにおいて、
前記可動子を配置する前記凹部の周縁部は、その突出方向に伸縮可能に形成されたことを特徴とするアクチュエータ。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載のアクチュエータにおいて、
前記可動子は、複数の分割片にて構成されたことを特徴とするアクチュエータ。
【請求項11】
請求項10に記載のアクチュエータにおいて、
前記可動子の前記分割片は、その表面にシート状部材が貼られて一体化されたことを特徴とするアクチュエータ。
【請求項12】
請求項1又は2に記載のアクチュエータにおいて、
前記可動子は、電磁石にて構成されたことを特徴とするアクチュエータ。
【請求項13】
請求項1又は2に記載のアクチュエータにおいて、
前記可動子は、前記固定子を構成するコイルの中心孔を貫通可能に設けられるプランジャにて構成されたことを特徴とするアクチュエータ。
【請求項14】
請求項13に記載のアクチュエータにおいて、
前記可動子を構成するプランジャの一端には、該プランジャにおける前記中心孔の貫通方向と直交する方向に延びるとともに、磁性を有する板状部材が設けられたことを特徴とするアクチュエータ。
【請求項15】
請求項13又は14に記載のアクチュエータにおいて、
前記固定子コアは、その内周側に前記コイルの中心孔の貫通方向に沿ったコア凸部が形成されたことを特徴とするアクチュエータ。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれか一項に記載のアクチュエータにおいて、
前記変位部を構成する袋状体に対して前記可動子及び前記固定子を複数設けたことを特徴とするアクチュエータ。
【請求項17】
請求項1〜16のいずれか一項に記載のアクチュエータにおいて、
前記可動子における出力側には軟材料を配置したことを特徴とするアクチュエータ。
【請求項18】
請求項1〜16のいずれか一項に記載のアクチュエータにおいて、
前記可動子は、磁性を有する軟材料で構成されたことを特徴とするアクチュエータ。
【請求項19】
請求項1〜18のいずれか一項に記載のアクチュエータの動作により使用者の身体の施療を行うことを特徴とするマッサージ機。
【請求項1】
固定子コアと該固定子コア内部に収容されるコイルとを有し、該コイルに電力供給することで磁気力が発生する固定子と、
前記固定子による磁気力にて移動される可動子と、
前記可動子の移動範囲内に配置され、前記可動子の移動に伴って変形可能な袋状体に流体が封入されてなる変位部と、
を備え、前記可動子及び前記固定子間に働く磁気力にて前記可動子が移動されて前記変位部の変位にて出力を得るように構成されたことを特徴とするアクチュエータ。
【請求項2】
請求項1に記載のアクチュエータにおいて、
前記袋状体に封入される流体は、磁性流体であることを特徴とするアクチュエータ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のアクチュエータにおいて、
前記固定子を構成するコイルの径よりも前記袋状体が大きく、前記コイルと対となる前記可動子よりも前記袋状体が大きくなるよう構成されたことを特徴とするアクチュエータ。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のアクチュエータにおいて、
前記可動子は、その一部が前記固定子コアと磁気力伝達可能に接続されたことを特徴とするアクチュエータ。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載のアクチュエータにおいて、
前記可動子には、貫通孔が形成されたことを特徴とするアクチュエータ。
【請求項6】
請求項5に記載のアクチュエータにおいて、
前記変位部を構成する袋状体には、前記可動子の貫通孔に対応した凸部が形成されたことを特徴とするアクチュエータ。
【請求項7】
請求項6に記載のアクチュエータにおいて、
前記凸部は、突出方向に伸縮可能に形成されたことを特徴とするアクチュエータ。
【請求項8】
請求項1〜4のいずれか一項に記載のアクチュエータにおいて、
前記変位部を構成する袋状体は、前記可動子を配置する凹部が形成されたことを特徴とするアクチュエータ。
【請求項9】
請求項8に記載のアクチュエータにおいて、
前記可動子を配置する前記凹部の周縁部は、その突出方向に伸縮可能に形成されたことを特徴とするアクチュエータ。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載のアクチュエータにおいて、
前記可動子は、複数の分割片にて構成されたことを特徴とするアクチュエータ。
【請求項11】
請求項10に記載のアクチュエータにおいて、
前記可動子の前記分割片は、その表面にシート状部材が貼られて一体化されたことを特徴とするアクチュエータ。
【請求項12】
請求項1又は2に記載のアクチュエータにおいて、
前記可動子は、電磁石にて構成されたことを特徴とするアクチュエータ。
【請求項13】
請求項1又は2に記載のアクチュエータにおいて、
前記可動子は、前記固定子を構成するコイルの中心孔を貫通可能に設けられるプランジャにて構成されたことを特徴とするアクチュエータ。
【請求項14】
請求項13に記載のアクチュエータにおいて、
前記可動子を構成するプランジャの一端には、該プランジャにおける前記中心孔の貫通方向と直交する方向に延びるとともに、磁性を有する板状部材が設けられたことを特徴とするアクチュエータ。
【請求項15】
請求項13又は14に記載のアクチュエータにおいて、
前記固定子コアは、その内周側に前記コイルの中心孔の貫通方向に沿ったコア凸部が形成されたことを特徴とするアクチュエータ。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれか一項に記載のアクチュエータにおいて、
前記変位部を構成する袋状体に対して前記可動子及び前記固定子を複数設けたことを特徴とするアクチュエータ。
【請求項17】
請求項1〜16のいずれか一項に記載のアクチュエータにおいて、
前記可動子における出力側には軟材料を配置したことを特徴とするアクチュエータ。
【請求項18】
請求項1〜16のいずれか一項に記載のアクチュエータにおいて、
前記可動子は、磁性を有する軟材料で構成されたことを特徴とするアクチュエータ。
【請求項19】
請求項1〜18のいずれか一項に記載のアクチュエータの動作により使用者の身体の施療を行うことを特徴とするマッサージ機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2010−227257(P2010−227257A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−77580(P2009−77580)
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
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