アクティブ・ジャックを用いたネットワーク管理システムおよび方法
【課題】ローカル・エリア通信ネットワークを管理し文書化するシステムを提供する。
【解決手段】このシステムは、イーサネット・コントローラおよびパワー・オーバー・イーサネット転送機能を、ケーブル・プラント内における統合管理コンポーネントとして有する、アクティブ電子モジュールの使用によって、電力供給機器および受電デバイスを展開し、ネットワークの管理、文書化、セキュリティ、および緊急911といった面を強化し、更にネットワークの物理的範囲を拡大する。
【解決手段】このシステムは、イーサネット・コントローラおよびパワー・オーバー・イーサネット転送機能を、ケーブル・プラント内における統合管理コンポーネントとして有する、アクティブ電子モジュールの使用によって、電力供給機器および受電デバイスを展開し、ネットワークの管理、文書化、セキュリティ、および緊急911といった面を強化し、更にネットワークの物理的範囲を拡大する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には通信コンポーネントに関し、更に特定すれば、アクティブ・ジャック(active jack)を用いたネットワーク管理システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)を用いた広範囲の通信の提供は、ネットワークが増々広がり高密度化するにしたがって、拡大し続けている。同様に、LANの記録を取り管理することに伴う問題のために、接続性の問題が生じたときに適時に応答する必要性も増加している。これは、インターネット・プロトコル上での音声通信(voice)が出現し、従来の電話ネットワークの機能にとって代わるようになったが、現状ではデータ・サービスと同じLAN上で運用しているために、更に一層重要となっている。ローカル・エリア・ネットワークは、業務または家庭の総合的な電子通信機能を担う役割を増々吸収しつつある。
【0003】
文書化、管理および障害除去機能を設けるシステムは、アクセス・ポイントまたはパッチ・パネルにおいて人が関与する必要性を最少に抑えつつ、これらを行わなければならない。従来では、電話ネットワークおよびデータ・ネットワークは、2系統の別個のネットワークとして維持されており、それぞれに配線の必要性があり、特異性があった。これは、電話サービスにライフライン機能を維持させようとする法的な規制要件、およびDCリング・トーン電圧が比較的高いというような電気的な問題によるところが大きい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
多くの観点において、LAN配線方式は、電話方式を踏襲しており、パッチ・パネルまで導く壁ジャック・パネルを必要とする。しかしながら、ケーブルの形式や特性は別個のままである。これは、大規模なオフィス、住宅および小規模オフィス−家庭オフィス(SOHO)、ならびに多重住居ユニット(MDU:Multi-Dwelling Unit)における設置にも言えることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態によれば、アクティブ電子ジャックを用いるシステムを提供する。本発明の実施形態の一部によれば、アクティブ・ジャックは、企業のオフィス内の壁、ケーブル分散プラント内のパッチ・パネル内、ユーザのデバイス内、またはこれらのエリアの2箇所以上に配置することができる。本発明の一部の実施形態によれば、アクティブ・ジャックは、少なくとも2つの10/100Mb/sイーサネット・ポートを含み、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)上のネットワーク・エレメント(NE)となる。アクティブ・ジャックの一方のイーサネット・ポートは、ネットワーク・ポートであり、LANシステムの水平ケーブルに接続する。少なくとも1つの他のポートはユーザ・ポートであり、この中に、パーソナル・コンピュータ(PC)またはIP上音声通信(VOIP)電話機のようなイーサネット対応デバイス(Ethernet capable device)を差し込んで、LANへのアクセスを得る。アクティブ・ジャックは、二ポート・イーサネット・スイッチとしても機能して、2つのポート間でデータを導出することもできる。
【0006】
本発明の一実施形態によれば、物理位置情報(即ち、部屋、廊下等)を、アクティブ・ジャックのMACアドレスと関連付ける。アクティブ・ジャックはMACアドレスを有するので、ネットワークからのアドレス解明プロトコル(ARP:Address Resolution Protocol)に応答し、起動時またはネットワーク上での存在を示すように指示されたときに、ARPメッセージを送信する。アクティブ・ジャックのARPメッセージおよび関連する物理位置情報を用いると、構造化ケーブル・システム、即ち、LANケーブル・プラントの接続性に関する情報を提供することができる。
【0007】
本発明の一実施形態によれば、アクティブ・ジャックは、IEEE802.3AFに準拠する電源のような電力供給機器(PSE)から得ることができるDC電力の電源を必要とする電子エレメントである。このような電源は、ネットワークにおいては、ネットワーク上給電方式(power-over-network scheme)にしたがって受電するVOIPのような、固定受電デバイス(PD:attached powered device)のDC電力の電源として配備されている。本発明の一部の実施形態によれば、アクティブ・ジャックの電力消費は極少であり、残りの電力は、受電デバイス(PD)が接続されたときに、これに転送される。
【0008】
アクティブ・ジャックにDC電力を供給する方法にはいくつかある。本発明の一実施形態によれば、イーサネット・スイッチまたはIPルータのようなPSE機器を用いる。別の実施形態によれば、パッチ・パネル、またはミッドスパン・パッチ・パネル(mid-span patch panel)を用いることができる。パッチ・パネルにアクティブ・ジャックを装備すると、管理構造ケーブルPSEシステムが得られる。パッチ・パネルが有する管理の範囲は、アクティブ・パネルをパッチ・パネルと最終デバイスとの間に用いれば、拡大することができる。
【0009】
現行のケーブル・プラント管理およびセキュリティ方法は、水平ケーブル・システムおよび/またはパッチ・パネルの状態をほぼ一定に維持することを基本とする。更に、変化が生じた場合、それを詳細に文書化し、手作業でセキュリティ/管理システム・データベースに入力する。本発明の一実施形態によれば、アクティブ・ジャックの使用により、パッチ・コードおよび水平ケーブル・システムの状態を監視し、構造化ケーブル・システムを容易に管理できるようになる。特定のケーブルの除去または移動がある場合、そのケーブルによって接続されているアクティブ・ジャックは、上流側のネットワーク接続を失うことになる。パッチ・パネル内のアクティブ・ジャックは、周期的に、例えば、毎秒1回の上流側スイッチへの「ハート・ビート」IP送信を通じて、変化を検出することができる。PSEおよびPDは通信するので、PSEは瞬時にパッチ・コードにおける開放を報告することができる。任意に、アクティブ・ジャックが近隣のアクティブ・ジャックにメッセージを送り、通信問題を報告することができる。接続が再取付である場合、アクティブ・ジャックはARPメッセージを送出し、それがラインに戻ってきたこと、およびいずれかの他のデバイスがそれに接続されていることを示すこともできる。接続を再度確立すると、それによりスイッチ・ポートからパッチ・パネル・ポートまでを特定する。これは、パッチ・コード接続性を管理するには、重要な一面である。物理位置情報をアクティブ・ジャックと関連付けることができるので、ケーブル・プラントに対する一時的な変更であっても、認識し記録することができる。
【0010】
アクティブ壁ジャックは被管理ネットワーク・エレメントであるので、通信ネットワークの管理および動作コンポーネントによって、遠隔視認性(remote visibility)が得られる。アクティブ・ジャックは、遠隔監視を行い、機器の状態を判定するために技術者を派遣する必要性を未然に防ぐか、または低減することができる。離れた所から、サービスを中断したり、再開することができる。更に、アクティブ・ジャックを用いてネットワークに接続する終点デバイスも同様に、一覧表にまとめ制御することができる。
【0011】
本発明の一部の実施形態によれば、これらの管理およびセキュリティの面を利用するのは、顧客がソフトIPフォンまたはVOIP外部ハードウェア・フォンを利用するときである。アクティブ壁ジャックは、イーサネットを通じて電力を供給すること(電話機に給電する)、および/またはE911サービスに対応する物理位置アドレスを与えることができる。
【0012】
ライフラインVOIPに対応するには、PSSEスイッチを用いれば、全ての企業スイッチがAC停電を克服するだけの十分なDC電力の保有を確保することができる。内部スイッチは、外部世界へのVOIP通話を発信し管理し続けるが、その他のIPデータ・トランザクションを拒絶する。本発明の一実施形態によれば、アクティブ・ジャックを有する電力パッチ・パネルの利点は、AC電源が停電している間、上流側のスイッチが電力を遮断するのを可能にすることである。すると、トラフィックをパッチ・パネルから「ライフライン」VOIPゲートウェイに誘導することができ、ライフラインVOIPゲートウェイは、音声通信トラフィックに対応し、データ・トラフィックの量を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
これより図面を参照するが、最初に図1aを参照すると、アクティブ・ジャック10の等幅構造図が示されている。アクティブ・ジャック10は、2つのハウジング12aおよび12bを備えており、これらは、ハウジング12bについて図に示すように、プラグ受容開口14を形成することができる。本発明の代替実施形態によれば、アクティブ・ジャック10の一方のコネクタはパグ(pug)であり、他方のコネクタは、絶縁変位コネクタ(IDC:insulation displacement connector)である。ハウジング12aおよび12bは、2002年4月16日に発行されたDoorhy et al.による米国特許第6,371,793号、"Low Crosstalk Modular Communication Connector"(低クロストーク・モジュール状通信コネクタ)に更に詳しく記載されているような、通信コネクタに用いられる形式でよい。その内容は、ここで引用したことにより、全体が本願にも含まれるものとする。プラグ受容開口内には、複数の導体16が取り付けられており、通信プラグがアクティブ・ジャック10に接続されると、このプラグと弾性接触を形成する。導体16は、アクティブ・ジャック10のハウジングを貫通して導かれ、プリント回路基板(PCB)18と接触する。本発明の一実施形態によれば、PCB18は、x寸法が約5/8インチ、y寸法が約2インチであり、多層構造をなし、熱消散のためにその領域には最大限銅が充填されており、コンポーネント20を支持することができる。ハウジングは、熱接点22を露呈するために、回路基板18から離した分解図で示されており、一実施形態では、熱接点22は、回路基板18およびコンポーネント20から、コンポーネント12bのようなハウジング・コンポーネントに熱を伝導するのに役立つ。図1bには、通例壁の位置において通信ポートとして用いられる形式の取付可能な面板25に関して、アクティブ・ジャック10を図示している。
【0014】
本発明の一実施形態によれば、アクティブ・ジャック10の熱的な設計は、データ取り出し口のエンクロージャ内の環境に対応する。一部の実施形態によれば、このエンクロージャ内には事実上空気流がないので、熱消散は効果的でない。アクティブ・ジャックの設計では、図1bに示すように、コネクタ・ハウジング12bを介して、エンクロージャの外側への低熱抵抗接点を組み込むことができる。本発明の別の実施形態では、発生した熱の消散に役立つように、ハウジングを金属含浸材料のような高熱伝導性材料で構成する。本発明の代替実施形態では、プリント基板18上の電子コンポーネント20は、アクティブ・ジャック10の一方または双方のハウジング12aおよび12b内に設けられている。
【0015】
これより図2aに移ると、本発明の一実施形態によるアクティブ壁ジャック10が示されている。本発明の一実施形態によるアクティブ・ジャック・ユニット10のコンポーネントは、PCB18上に実装されている。図2aに示すコンポーネントは、種々の集積形態で実現できる機能ユニットとして示されている。これらのコンポーネントには、少なくとも、受信機28aおよび28bならびに送信機30aおよび20bを備えているデュアル・ポート・イーサネット物理デバイス(PHY)26が少なくとも含まれる。図2にはデュアル・ポート・イーサネット・デバイスを示すが、本発明の原理は、2つよりも多いポートを有するアクティブ・ジャックに適用可能であることは言うまでもない。これについては、以下で更に説明する。
【0016】
受信機28および送信機30は、それぞれの受信変圧器32aおよび32bならびに送信変圧器34aおよび34bに電気的に接続されている。受信変圧器32aおよび32bならびに送信変圧器34aおよび34bは、更に、それぞれのハウジング12aおよび12bの複数の導体(図1における参照番号16)に電気的に接続されている。導体は、ネットワーク側接続部37およびユーザ側接続部39の形態を取ることができる。PHY26は、二ポート・イーサネット・スイッチとして機能的に形成されている、イーサネット・メディア・アクセス・コントローラ(MAC)プロセッサ36に接続されている。
【0017】
本発明の一部の実施形態によれば、アクティブ・ジャック10の回路のための電力は、IEEE802.3AF準拠のPSE電源から得られ、一実施形態によれば、受信変圧器32aのセンター・タップから負レール38に抽出する負共通モード電圧と、送信変圧器34aから正レール40に抽出する正共通モード電圧とを供給する。また、IEEE802.3AF規格では、負および正ラインを切り換えることも可能である。DC−DC変換器42が、負レール38および正レール40に接続されており、アクティブ・ジャック10の回路に電力を供給する。抵抗器44が、電圧レール38および40間に配置されており、電力要求デバイス(PD:Power Requiring Device)の存在をPSEに知らせるのに十分な抵抗を有する。本発明の一実施形態によれば、抵抗器44の抵抗は26kΩであるが、これよりも大きな抵抗または小さな抵抗も、本発明の個々の実施形態では用いられる場合もある。電力供給スループット・モードでは、電圧レール38および40は、任意のスイッチ46を介して、送信変圧器34bおよび受信変圧器34bのセンター・タップに電気的に接続されており、下流側にあるその他のPDがPSEからの電力が得られるようになっている。IEEE802.33AF規格の素案は、所与の回路上における多数のPDには適用されないので、アクティブ・ジャック10のような中間PDの電力要求量は、非常に小さく、通例ワット未満でなければならない。任意のスイッチ46は、内部MACプロセッサによって制御し、管理および/またはセキュリティの目的のために下流側のPDの電力制御を行うことができる。これについては、以下で更に論ずることにする。
【0018】
また、図2aには、発光ダイオード(LED)48を制御するMACプロセッサ36も示されている。本発明の一実施形態によれば、MACプロセッサ36は、ネットワーク・ポート識別コンポーネントとして機能し、要求されたときに、識別情報を格納および提供する。通信リンクには、2つ以上のこのようなLED48があって、MACプロセッサ36が制御するようにしてもよい。少なくとも1つがリンク・ステータスを示し、少なくとも他の1つが送信/受信活動(activity)を示す。一実施形態によれば、LED(複数のLED)48は、PCボード18上に実装され、光は光パイプ50によって外部ジャック・ハウジング12bに導かれる。代替実施形態では、LEDをハウジング12上に実装し、PCB18に電気的に接続してもよい。代替実施形態によれば、1つ以上のLEDを、各アクティブ・ジャック10および各ジャック・ハウジング12に関連させてもよい。本発明の一部の実施形態によれば、追加のLEDポート、または異なる色のLED光も利用すれば、終点デバイスの制御または監視にも対応可能となる。例えば、異なる色の光または追加の光を用いれば、設置が完了していることまたはしていないことを示したり、ケーブル接続の監視および保守に役立てることができる。このような実施形態は、設置および保守要員に、ケーブル接続性(connectivity)における破断点を突き止め、それによって注意を要する接続点を特定するために必要な情報を提供することができる。
【0019】
これより図2bに移ると、本発明の一実施形態による、代わりのアクティブ・ジャックが示されている。図2bの実施形態では、ロジック・チップ51が、アクティブ・ジャックの機能を遂行し、アクティブ・ジャックを通じた通信の転送、アクティブ・ジャックによる信号の再生、データ・スループットの監視および報告、設置命令およびユーザ命令のメモリ格納、アクティブ・ジャックの論理的識別、ならびにアクティブ・ジャックを通じた通信を可能化(enable)または不可能化(disable)するためのアクティブ・ジャックの切り換えが含まれる。本発明の一実施形態によれば、ロジック・チップ51は、インストーラ(installer)が従うべき命令のテンプレート(template)および/またはアクティブ・ジャックの設置中にインストーラが充填すべき1つ以上のデータ・フィールドを格納するメモリ・コンポーネントを含む。ロジック・チップ51は、ネットワーク側接続部53およびユーザ側接続部55に接続されている。
【0020】
本発明の一部の実施形態によるアクティブ・ジャックは、パワー・オーバー・イーサネット(power-over-Ethernet)環境において展開することもできる。これらの環境では、アクティブ・ジャックは、その動作のために必要な電力を消費するが、電力消費レベルに達しないので、パワー・オーバー・イーサネット環境において、アクティブ・ジャックを受電デバイスとして識別することができる。このような環境におけるアクティブ・ジャックは、受電デバイスに供給するための電力を送る。
【0021】
これより図3aを参照すると、本発明の一実施形態による面板24aが、1つのアクティブ・ジャック10と共に示されている。図3bに示す他の実施形態は、2つのアクティブ・ジャック10a、10bを有する面板24bである。である。図3cに示す別の実施形態は、2つのアクティブ・ジャック10a、10bおよびパッシブ・ジャック52を有する面板24cである。尚、特定的な設置では、多数のアクティブおよびパッシブ・ジャックを用いた数種類の代替実施形態が実現可能であることは言うまでもない。また、図3a、図3b、および図3cに、アクティブ・ジャックの設置および保守を容易にするためのLEDインディケータ49も示されている。
【0022】
これより図4aを参照すると、本発明の一実施形態によれば、アクティブ・ジャック・ユニット10を、面板24の背後にある壁54に埋め込んだ壁パネル内に組み込み、ユーザ側ジャック・ハウジング12bが図示のようにユーザ・エリア56内でアクセスできるようにしている。アクティブ・ジャック・ユニット10は、終端プラグ60によって水平ケーブル58に接続されており、終端プラグ60は、アクティブ・ジャック・ユニット10または水平ケーブル58のいずれの検査および修理をも容易にする。あるいは、アクティブ・ジャック・ユニット10は、絶縁変位コネクタを介して、水平ケーブルに接続することもできる。
【0023】
また、本発明によるアクティブ・ジャックは、1つのアクティブ・ジャック・ユニット内において、多数のユーザ側接続部および/または多数のネットワーク側接続部の使用にも対応する。このような実施形態は、1つのユーザ・デバイスをネットワーク側で1つよりも多いネットワークに接続する実施態様において有用であると考えられる。更に、1つよりも多いユーザ・デバイス、またはネットワーク上で1つよりも多いアカウント所有者に属するユーザ・デバイスを、単一のアクティブ・ジャックに接続すること、およびアクティブ・ジャックのネットワーク側の1つまたは多数のネットワークにアクセスすることも可能である。多数のネットワーク側接続部を有するアクティブ・ジャックの構造は、アクティブ・ジャックのデュアル・ホーミング(dual homing)動作にも対応する。この動作では、アクティブ・ジャックが1つよりも多いネットワーク側接続部の操作性(operability)を監視することができる。主ネットワーク接続部が動作不能となったり、またはその他の通信問題が生じた場合、本発明によるアクティブ・ジャックは、自動的に副ネットワーク接続部に切り換えることができる。このネットワーク接続部の冗長性を設けることにより、このようなデュアル・ホーミング・システムを採用したアクティブ・ジャックにおけるネットワーク・アクセスの信頼性を大幅に高めることができる。
【0024】
多数のユーザ側および/またはネットワーク側接続部を用いた、本発明によるアクティブ・ジャックの実施形態を図4b、図4c、および図4dに示す。図4b、図4c、および図4dのアクティブ・ジャックは、壁パネル内に組み込まれているが、これらは、代わりに、他のネットワーク・コンポーネントにも、所望に応じて組み込めることは言うまでもない。図4bは、2つのネットワーク側終端プラグ60aおよび60bに接続するための、2つのネットワーク側コネクタ・ハウジング12aおよび12cを有するアクティブ・ジャックを示す。一方、ネットワーク側終端プラグ60aおよび60bは、2本の水平ケーブル58aおよび58bを通じて1つ以上のネットワークに接続されている。図4bのアクティブ・ジャックは、ユーザ・エリア56における1つの接続部が1つよりも多いネットワーク接続部にアクセスできるようにする。2つのネットワーク接続部を示したが、本実施形態および他の実施形態では、2つよりも多いネットワーク接続部をネットワーク側で採用してもよいことは言うまでもない。
【0025】
これより図4cに移ると、アクティブ・ジャックは、2つのユーザ・デバイスに接続するために、2つのユーザ側コネクタ・ハウジング12bおよび12dを有する。一方のネットワーク側コネクタ・ハウジング12aは、ネットワーク側終端プラグ60に接続するために示されており、一方ネットワーク側終端プラグ60は、水平ケーブル58を通じてネットワークに接続されている。この実施形態では、2つのユーザ・デバイスをアクティブ・ジャック・アセンブリに接続することが可能となる。更に、ユーザ側コネクタ・ハウジング12bおよび12dの各々が別個のアクティブ・ジャックの機能性に対応することができるので、図4cの実施形態では、直接壁接続を通じて、1つよりも多いユーザ側デバイスに、全てのアクティブ・ジャック機能を等しく適用することが可能となる。2つのユーザ側接続部を示したが、本実施形態および他の実施形態では、2つよりも多いユーザ側接続部を用いてもよいことは言うまでもない。
【0026】
図4dは、2つのネットワーク側コネクタ・ハウジング12aおよび12dならびに2つのユーザ側コネクタ・ハウジング12bおよび12d用いたアクティブ・ジャックの実施形態を示す。この実施形態では、VOIPフォンのような1つのユーザ・デバイスまたはその他のユーザ・デバイスを、1つよりも多いネットワーク側接続部に接続することができる。図4dの実施形態では、多数のユーザ側アクティブ・ジャックを有するアクティブ・ジャック壁アセンブリへのデュアル・ホーミングの適用が可能となる。つまり、主ネットワークの障害またはその他の通信問題の場合に、ジャックのユーザ側56における多数のユーザまたは多数のユーザ・デバイスに、ネットワークの冗長性を備えることができる。
【0027】
通信ネットワークでは、各ユーザの物理位置を特定できることが望ましい。これは、特に、VOIPのために電子緊急911データベースに対応する際に重要であり、その際、位置情報があれば、要員が緊急事態に対して非常に簡単に応答できるようにすることが可能となる。また、位置情報は、構造化ケーブル・プラントの管理にも対応することができる。本発明の一実施形態によれば、特定のアクティブ・ジャック10を、データベース内にあるその物理位置情報と関連付ける。アクティブ・ジャック10をその物理位置と関連付けるためには、エリア62の物理位置を、データベース70内におけるアクティブ・ジャックに関する情報、例えば、そのMACアドレスと関連付けるとよい。一部の実施形態によれば、データベース70は、E911データベース、またはE911プログラムが認識するデータベースである。
【0028】
更に、エリア62内にあり、アクティブ・ジャック10に接続されているデバイスは、品目種別または品目モデル毎に識別することができ、これによって、アクティブ・ジャック10に接続されている品目の一覧表作成(inventory)、およびアクティブ・ジャック10を介してネットワークに接続されている機器のリアルタイムでの監視が可能となる。例えば、学校ネットワークでは、教室内に分散したアクティブ・ジャックによって、アクティブ・ジャックを通じて学校ネットワークに接続されている機器の集中監視が可能となる。このため、特定のコンピュータまたは光学投影機が必要な場合、そのコンピュータまたは光学投影機の物理位置は、コンピュータ・ネットワークにおける当該デバイスの論理位置に加えて、機器がネットワークに接続されている限り、容易に判断することができる。本発明の一実施形態によれば、ネットワークに接続されているデバイスの物理位置に対応する調査情報を、ネットワークの物理位置の図式地図と関連付ければ、ネットワーク内部におけるデバイスの位置をリアルタイムで図示することが可能となる。
【0029】
本発明の一実施形態によれば、アクティブ・ジャックの設置に従事する要員が、PC72上で実行するアプリケーションを用いて位置情報を入力することによって、アクティブ・ジャックと、そのアクティブ・ジャックの物理位置とを関連付けることができる。PC72は、接続されているローカル・アクティブ・ジャック10と通信し、ローカル・アクティブ・ジャック10は、前述のように、それ自体のMACアドレスを有する。ローカル・アクティブ・ジャック10のMACアドレスの位置データとの関連付けは、PC72上に記録し、後に、アクティブ・ジャック設置作業期間の後、管理データベース70に転送することができる。代替実施形態では、接続されているネットワークを通じて関連付けた情報をデータベース70に直接入力する。別の方法では、要員が検査器具74を用いる。検査器具74は、同じ成果を達成するためのインターフェースを更に簡素化する。また、検査器具74は、種々のネットワーク試験を行い、適正なネットワーク設置および接続性を確保することができる。更に別の実施形態では、ネットワーク状コンピュータ76を用いて、作業注文入力情報に基づいて、位置データベースを更新する。図5に示すようなデータベース70は、ネットワーク管理システムの一部として、IPルータ68の一部として、またはVOIPシステムの音声通信ゲートウェイの一部として常駐してもよい。
【0030】
これより図6に移ると、3系統の接続経路が示されており、アクティブ・ジャック10を用いて構造化相互接続ケーブル・ネットワーク78を管理する方法を例示する。この例に用いる構造化ネットワークは、PSE IPスイッチ/ルータ80であり、パッチ・コード82によって、パッシブ・ジャックをポートとして有する第1パッチ・パネル84と、パッチ・コード86によって、アクティブ・ジャック10cをポートとして有する第2パッチ・パネル88とに接続されている。本発明のこの実施形態およびその他の実施形態と共に用いるユーザ・デバイスは、VOIPフォンのような電話機、コンピュータ等とすればよく、ネットワーク接続部から電力を引き出す受電デバイスとすればよい。第1接続経路90において、ケーブル・システム内のいずれかに開放接続がある場合、またはデバイス92aが受電デバイスであり、壁ジャック52から外れている場合、デバイス92aの電力が落ちる。これは、PSE IPスイッチ/ルータ80によって検出することができるが、理由、例えば、ケーブル・プラントの問題、オフィスの接続、またはデバイスの電力切断、は判断することができない。パッチ・コード82または接続水平ケーブル94aを移動させると、この移動は、デバイス82aの電力切断として検出されるだけである。アクティブ・ジャックをポートとして内蔵するパッチ・パネルは、被管理相互接続経路パネルと見なすことができる。何故なら、これは、必要なパッチ・パネルは1つだけでよいものの、交差接続パッチ・パネルと同様に、接続の監視および制御を可能とするからである。
【0031】
図6の第2接続経路96では、ユーザ・デバイス92bが、アクティブ壁ジャック10aによってネットワーク78に接続されている。この状況では、パッチ・コード82または水平ケーブル94bのいずれかにおけるケーブルの移動または開放回路によって、ユーザ・デバイス92b(ユーザ・デバイスが受電デバイスである場合)およびアクティブ・ジャック10aの電源が落ちる。この時点で、PSE IPスイッチ/ルータ80は、データベースにおいて、ユーザ・デバイス92bおよびアクティブ・ジャック10aがもはや存在しない、即ち、電力を引き出していないことを把握することができる。電力が回復すると(開放回路の場合ケーブルの交換または修理によって)、PSE IPスイッチ/ルータ80は、PSE IPスイッチ/ルータ80における電力要求の検知により、受電デバイスが接続されたことを把握する。更に、アクティブ・ジャック10aおよびデバイス92bは、電源投入時に、イーサネットARPメッセージを送り、ネットワーク上の存在を示す。デバイス92bのみが切断された場合、その消滅はPSE IPスイッチ/ルータ80によって検出され、アクティブ・ジャック10aには引き続き管理ソフトウェアが到達し問い合わせることができる。更に、ユーザ・デバイス92bのみが切断され、後に再度接続された場合、電力回復時に、再給電されたデバイス92bのみがイーサネットARPメッセージで応答する。アクティブ・ジャック10a、およびこれによってユーザ・デバイス92bは、所与の物理位置と関連付けることができ、サービス途絶の通知によって、管理を補助することができる。
【0032】
第3経路98に示すように、アクティブ・ジャックをパッチ・パネル88内に展開する場合、壁内のアクティブ・ジャックによって、構造化および被管理ケーブル・プラントの保守が容易になる。しかしながら、パッチ・パネルおよびクライアント宛先点においてアクティブ・ジャック技術を有することによって、なおも機能性の追加が可能となる。第3接続経路98では、ユーザ・デバイス92cが、アクティブ壁ジャック10b、およびアクティブ・ジャック10cを内蔵するパッチ・パネル88への水平ケーブル94cによってにネットワーク78に接続されている。一方、パッチ・パネル88は、パッチ・コード86を通じてPSE IPスイッチ/ルータ80に接続されている。この状況において、開放回路遮断、ケーブル移動、および/またはユーザ・デバイス92cの移動は、接続ネットワークがアクティブ・デバイス92c、10bおよび10cによって区分されているので、隔離し別個に特定することができる。前述のアクティブ・デバイスの各々は、イーサネットARP要求に応答し、電力投入時の状況についてイーサネットARPメッセージを生成する。例えば、パッチ・コード86の移動があった場合、ユーザ・デバイス92c、アクティブ・ジャック10b、およびパッチ・パネル・ジャック10cの電源が落ちる。この時点において、PSEは、ユーザ・デバイスの状態が変化したことを要求電力量から把握し、そのため、ユーザ・デバイス92cのみの除去と、水平コードまたはパッチ・コードの開放回路および/または移動との間で区別することができる。電力が回復したとき、既に電源が落ちていた全てのデバイスが、ネットワーク上にイーサネットARP要求を送り、存在を示す。更に、PSEデバイス80のポートとパッチ・パネル88のアクティブ・ポート間、またはパッチ・パネル88とアクティブ・ジャック10bとの間の相互接続が変化した場合、その変化の位置を判断し管理することができる。
【0033】
これより図7を参照すると、LAN100へのネットワーク・アクセスを制御するためのアクティブ・ジャック10の使用が示されている。この実施形態では、VOIPフォンのようなユーザ・デバイス102a〜102nが、それぞれの位置104a〜104nにおいて、それぞれのアクティブ・ジャック10a〜10nを介してネットワークに取り付けられている。4つのみのユーザ・デバイスを4箇所において示すが、本発明によるシステムおよび方法は、多数の位置における多数のデバイスとでも使用可能であることは言うまでもない。デバイス・ジャック10a〜10nは、水平ケーブル・プラント108によって、パッチ・パネル1106に接続されている。パッチ・パネル106は、PSE IPルータ・デバイス110に接続されており、PSE IPルータ・デバイス110は無停電電源(UPS)112に接続されており、IEEE802.3AF規格の素案にしたがって、下流側で電力を要求するデバイス、例えば、102a〜102nおよび10a〜10nに電源を供給する。PSEデバイス110は、IPルータ114に接続されている。IPルータ114は、VOIPゲートウェイとしても機能し、データベース1166に接続されているか、あるいはこれを内蔵する。ネットワーク・マネージャ118もLAN100に接続されており、本発明の一実施形態では、ルータ110および114ならびにアクティブ・ジャック10a〜10nのような種々のネットワーク・エレメントを簡単なネットワーク管理プロトコル(SNMP)メッセージによって監視し制御することができる。本発明の一部の実施形態によれば、ネットワーク・マネージャは、ネットワーク管理タスクを実施するために、ネットワーク管理プログラムを実行する。
【0034】
図2に示すように、アクティブ・ジャック10は、ローカル・プロセッサ36によって制御されるDC電力スイッチ46を有する。アクティブ・ジャック10は、スイッチ46を内蔵しており、したがって、あらゆる下流側デバイスに対するデータ接続性および給電の双方を、例えば、ローカル・プロセッサ36によって制御することができ、終点隔離、デバイス一覧作成、および許可というような、拡張セキュリティ機構を可能にする。ネットワーク・マネージャ118は、周期的な間隔で、またはサービスに対する不正な要求というような外部刺激に応答して、いずれの終点へのネットワーク・アクセスをも不可能化するように、ネットワーク・エレメントを制御することができる。これを遂行するには、ネットワーク・マネージャ118が、アクティブ・ジャック10に位置するプロセッサ36に信号を送り、特定の位置でスイッチ46を開くことによって、これらの位置におけるデータ流を妨げればよい。1日のある時間帯に被管理ネットワークへのアクセスを制限することができるアプリケーションがある。アクティブ・ジャック10をネットワークにおいて用いることによっても、使用の監視が可能である。例えば、あるオフィスから機密のまたは規制されたインターネットまたはイントラネットのサイトまたは位置へのアクセスを制限することが有用な場合もあり得る。不正アクセスが開始された場合、ネットワーク・マネージャ118は、侵入を察知し、アクティブ・ジャック10を遮断する選択肢、および要求元デバイスが用いているアクティブ・ジャックの位置を記録する選択肢を有することができる。
【0035】
これより図8を参照すると、パッチ・パネルを通じて緊急用電力を供給し、パッチ・パネルにおいてアクティブ・ジャックを用いて構造化ケーブル・システムを管理する、本発明の一実施形態によるシステムが示されている。ユーザ・エリア121a〜121nにおけるユーザVOIPフォン120a〜120nが、アクティブ壁ジャック10a〜10nを介して、水平ケーブル・プラント108を通じて、受電パッチ・パネル122に接続されている。受電パッチ・パネル122は、上流IPスイッチ124に接続されており、上流IPスイッチ124は、通常動作の間は、VOIPフォン120a〜120nのルーティング・デバイスとなる。また、受電パッチ・パネル122は、緊急電池、および緊急音声通信ゲートウェイ128のような、局在的な緊急時電源126にも接続されており、緊急音声通信ゲートウェイ128も局在的緊急時電源126に接続されている。停電の間、上流スイッチ124は、電源が落ち、電力パッチ・パネル122は音声通信トラフィックをローカル・ゲートウェイ128に方向転換することができる。一部の実施形態によれば、データ・サービスは停電中縮小される可能性があるが、音声通信サービスは緊急状況のために維持しておく。
【0036】
本発明の一実施形態によれば、アクティブ・ジャックはパッチ・パネル122内に、三ポート・デバイスとして設けられている。この実施形態では、1つのポートはユーザ接続性に用いられ、1つのポートはネットワーク接続性に用いられ、3番目のポートは緊急音声通信ゲートウェイ128への接続性に用いられる。本発明の他の実施形態によれば、パッチ・パネル122から緊急ゲートウェイ128への接続性は、共有イーサネット接続を経由する。本発明の更に別の実施形態によれば、パッチ・パネルは、ネットワーク側スイッチング・エレメントを用いて、パッチ・パネルのアクティブ・ジャックのネットワーク・ポートを共有イーサネット・バス130に接続する。
【0037】
これより図9を参照すると、受電パッチ・パネル122の一実施形態のブロック図が示されている。この実施形態では、24−ポート・パッチ・パネル122のアクティブ・ジャック・ユニット10a〜10xが、共通プリント回路基板132上に実装されている。プロセッサ134が、バス136を通じて、アクティブ・ジャック10a〜10xに電気的に接続され、これらの活動を制御する。DC−DC電力変換器138が、入来する電源を、内部回路が要求するような電源に変換する。例えば、電力変換器138は、入来する48ボルト電源を、内部回路が要求する3.3ボルトに変換することができる。内部回路用電力は、電力接続部140に沿って、アクティブ・ジャック10a〜10xに分配され、電力を下流側の受電デバイスに送る。一実施形態によれば、アクティブ・ジャック10xは、上流のPSEから48ボルトを抽出し、この48ボルトを入来電力接続部142を通じてDC−DC変換器138に分配するために割り当てられている。任意に、アクティブ・ジャック10wのような、代わりのアクティブ・ジャックも、例えば、冗長な上流PSEから電力を引き出す場合等に、電力抽出のために用いてもよい。DC−DC電力変換器138は、どの電源(例えば、10wまたは10x)から電力を用いるか決定することができる。代替実施形態では、1つまたは複数の追加のジャックを、電力抽出の目的のためのみに用いてもよい。
【0038】
これより図10に移ると、本発明の一実施形態によるアクティブ・ジャック144の代替構造が示されている。アクティブ・ジャック144は、例えば、図9の実施形態に用いることができ、その場合、共通プロセッサ134および共通DC−DC電力変換器138を用い、個々のジャックは上流PSEから電力を抽出する必要はない。図10のアクティブ・ジャック144は、それぞれ、上流ドライバ150および152に接続された上流変圧器146および148、ならびにそれぞれ下流ドライバ158および160に接続された下流変圧器154および156を備えている。スイッチ162が電力接続部140に動作可能に接続されており、プロセッサの制御の下でバス136を通じて、下流電力コネクタ164および166を介して下流変圧器154および156に分配される電力を制御し、電力を下流受電デバイスに送ることができる。このため、下流変圧器154および156は、電力を送る目的でセンター・タップに接続する必要がある。本発明の更に別の実施形態によれば、スイッチ162は、データ接続を中断する目的で、受信(Rx)および送信(Tx)信号に動作可能に接続することもできる。
【0039】
図9のパッチ・パネル122の一実施形態によれば、アクティブ・ジャック10は一体化したLEDを有し、これらが交差接続または相互接続システムのいずれかにおいてインストーラを補助する。図11は、相互接続システムを示し、ここでは、パッチ・パネル122上のアクティブ・ジャック10と関連するLED168を照明するかあるいはパターン状に点滅し、インストーラを補助することができる。例えば、LEDは、パッチ・コード86または水平ケーブル108をパッチ・パネル122に接続すべき位置を示すことができる。図11の実施形態では、パッチ・パネル122は、PSE IPスイッチ/ルータ170と水平ケーブル108との間の通信経路に沿って配置されている。一実施形態によれば、管理実体からのSNMPメッセージを通じて、アクティブ・ジャックLEDの照明を行う。LED機能性によって得られる設置の容易性に加えて、LEDは、動作不能のケーブルがどこにあるか視覚指示を保守要員に与えることによって、更に通信ネットワークにおいてケーブルを再編成するための指令を目視できるように与えることによって、設置後におけるケーブル管理を改善することもできる。アクティブ・ジャック144の各々と関連させた1つのLEDのみを示したが、本発明の一部の実施形態では、多数のLEDを各アクティブ・ジャックと関連させてもよいことは言うまでもない。
【0040】
本発明の別の実施形態を図12に示す。ここでは、パッチ・パネル122aおよび122bを、カスケード状マスタ−スレーブ構成に展開している。図12に示すカスケード状に展開したパッチ・パネルにより、各パネル上でLEDがインストーラに、パッチ・コードを除去または配線する位置を示すようにした交差接続システムが可能となる。
【0041】
図13に示す受電パッチ・パネル122の一実施形態によれば、48ボルトDCの給電のような給電は、局在電源172から得ることができる。局在電源172は、受電パッチ・パネル122をPSEデバイスにする、AC線PSEまたは緊急DCバッテリ・パックとすることができる。別の実施形態によれば、48ボルトDC給電のような電源は、図9に示すように、上流PSEから、ローカル・ジャック10xの1つによって得ることができる。
【0042】
図14に示す更に別の実施形態では、パッチ・パネル1222への48ボルトDC給電のような電源は、2つの独立した電源PSE174aおよび174bから、パッチ・コード1776aおよび176bによって、パッチ・パネル122内のジャック10kおよび10lのようなアクティブ・ジャックを用いて得ることができ、こうして冗長DC電源を設けることができる。
【0043】
これより図15を参照すると、本発明の一実施形態による多重住居ユニット(MDU:multiple-dwelling unit)が示されている。アクティブ・ジャックを用いることによって、個々の住居ユニットにおいて、サービスの賦活(activation)が可能になる。加えて、住宅および小規模オフィス/家庭オフィス(SOHO)の用途に、通信のセキュリティおよび管理を容易に行うことが可能となる。外部接続性のために、広帯域ルータ178が広域ネットワーク180に接続されており、更に、広帯域ルータ178は、MDU内部の分散システムに、パッチ・パネル182へのパッチ・コード86を通じて接続されている。パッチ・パネル182は、受電アクティブ・ジャックを有する受電パッチ・パネルとすることができる。パッチ・パネル182は、任意に、管理の目的のために1つ以上のアクティブ・ジャック10を含むことができる。パッチ・パネル182から、水平ケーブル・プラントが個々の位置184a〜184nに接続する。これらは個々の住居とすることができる。各位置184a〜184nは、壁装着アクティブ・ジャック10a〜10n、およびユーザ・デバイス186a〜186nを含む。各アクティブ・ジャック10a〜10nは、当該アクティブ・ジャックに関連するMACアドレスおよび物理位置情報を有する。アクティブ・ジャック10およびユーザ・デバイス186a〜186nの電力は、ブロードバンド・ルータ178またはパッチ・パネル182に接続されているUPS電源から得ることができる。アクティブ・ジャックをユーザ・エリアおよび/またはブロードバンド・ルータ178に統合することによって、配線基礎構造の問題の遠隔地からの管理および診断、配線基礎構造のセキュリティ向上、サービスの賦活(即ち、サービスの開始および終了)および監視、パワー・オーバー・イーサネットの応用、ならびにデバイスの物理位置の指示が可能となる。また、性能監視も改善される。何故なら、問題接続の正確なネットワークの物理および論理位置を、サービス提供業者によって集中的に特定することができ、基本的な位置の問題の調査範囲を拡大することが不要となるからである。
【0044】
本発明の多重住居ユニットへの応用は、ここで記載したようなアクティブ・ジャックの実施形態の効果を含み、住宅、オフィス、およびホテル・ネットワークに拡大することができる。これらのネットワーク全体にアクティブ・ジャックを分散することによって、種々の有用な特徴が可能となる。ネットワーク全体に分散したアクティブ・ジャック10a〜10nの用法の1つは、サービス別料金システム(toll-for-service system)である。このようなシステムは、例えば、ホテルにおいて実施することができ、位置184a〜184nの各々は、ホテルの客室または会議室である。アクティブ・ジャック10a〜10nは、データ・スループットの監視、およびネットワーク・マネージャへのデータ・スループットの報告を可能にする。したがって、ネットワーク・マネージャは、デバイス186a〜186nによって要求されて送ったデータ量に対して設定した料金を徴収することができる。更に、アクティブ・ジャック10a〜10nの各々は、ネットワーク・マネージャによってオンおまたはオフに切り換えることができるので、位置184a〜184nにおけるアクティブ・ジャック10a〜10nの使用可能性を集中的に制御し、個々のアクティブ・ジャックの使用を、当該アクティブ・ジャックの使用料を支払った者のみに許可し、一旦支払った分の期間が過ぎたならばアクティブ・ジャック10a〜10nを介したデータ流を中止できることも含めることができる。データ・パケット毎の支払い、またはその他のデータ単位および時間を基準にした支払いといった支払い方式を実施すれば、支払った者に対する効率的なネットワーク帯域幅の割り当てが可能となる。アクティブ・ジャックは、ネットワーク・ツリー・アーキテクチャにも分散することができ、例えば、会議室内において、アクセス可能エリア内にある各アクティブ・ジャックにアドレスすることなく、別個のアクティブ・ジャックの数人にユーザによるネットワーク・アクセスを、ネットワーク・マネージャによって容易に管理するようなことも可能となる。本発明によるアクティブ・ジャックは、ネットワーク内に設けられている他のアクティブ・ジャックに接続することもでき、壁内に設けられているアクティブ・ジャックを、壁内に設けられている他のアクティブ・ジャックに接続することができ、更に壁内に設けられているアクティブ・ジャックを、壁内に設けられている他のアクティブ・ジャック、またはパッチ・パネル内に設けられているアクティブ・ジャックに接続することもできる。更に、本発明によるネットワーク・アーキテクチャの中には、パッチ・パネル内に設けられているアクティブ・ジャックを、パッチ・パネル内に設けられている他のネットワーク・ジャックに接続できるものもある。
【0045】
図15に示すような多重住居ユニットにおけるアクティブ・ジャックの使用により、個々のケーブルの範囲で通信の問題を特定可能となることによって、サービス提供業者にとってケーブル管理が強化される。また、アクティブ・ジャックの集中管理および監視により、不正ネットワーク・アクセス、即ち、ネットワーク「無断使用」がなされようとしているか否か、ネットワーク・マネージャが判断することが可能となり、更に不正アクセスが行われようとした物理な位置を判断するために必要な情報をネットワーク・マネージャに提供する。
【0046】
アクティブ・ジャックをパッチ・パネルまたは壁ジャックに一体化すると、接続情報を上流に向けて遠隔地にあるネットワーク管理システムに送ることができるので、技術者を離れた現場に派遣して機器状態を判定したり、機器を点検する必要性を低減することができ、しかも多くの場合不要にすることができる。ここに記載したその他の多重ユーザ実施形態に関して、少数のユーザのみを示したが、本発明は、より多くのユーザとの実施でも容易にするために用いることができる。
【0047】
本発明によるアクティブ・ジャックは、イーサネット・システムの物理的範囲を広げるために用いることができる。受信した信号を再生することによって、通信経路に沿って配置したアクティブ・ジャックは、信号の有効範囲を広げるように機能し、一層頑強な通信経路が得られる。また、本発明の一部の実施形態における各アクティブ・ジャックは、イーサネット信号を再生するので、IPスイッチおよびルータをパッチ・パネルと一緒に配置する必要はない。更に、アクティブ・ジャックはパッチ・パネル内または壁ジャックに設けることができるので、通信経路は、コストを低く抑えつつ、アクティブ・ジャックの配置を最大限利用するように設計することができる。また、アクティブ・ジャックは、ワイヤレス・アクセス・ポイント(「WAP」)のような、ワイヤレス・ネットワーク・エレメントと組み合わせて使用し、ワイヤレス・ネットワークにおいてアクティブ・ジャックの特徴を得ることができる。
【0048】
図16は、アクティブ・ジャックを用いてネットワークの範囲を拡大した通信ネットワークのブロック図を示す。図16のネットワークにおいて、スイッチのようなネットワーク・エレメント188は、第1半径「R1」を有し、その内部ではネットワーク・エレメントは有線接続を通じてネットワーク信号を導通させることができる。したがって、ネットワーク・エレメント188は、第1の破線円「C1」で示す動作可能エリア190を有する。ネットワーク・エレメント188の動作可能エリア190の周囲付近に配置したアクティブ・ジャック10に有線接続192を設けることにより、システムの有効エリアが拡大する。何故なら、アクティブ・ジャック10は通信信号を再生できるからである。第2半径「R2」を有する第2の円「C2」は、アクティブ・ジャック10を採用すると得られる、拡大有効エリア194を示す。多数のアクティブ・ジャック10を用いることにより、またはアクティブ・ジャック10からワイヤレス・アクセス・ポイント198に追加の有線接続196を設けることによって、更に拡大することも可能である。尚、図16に示すような範囲拡大のために用いるアクティブ・ジャックは、壁ジャックとして、またはパッチ・パネル内部のアクティブ・ジャックとして設けてもよいことは言うまでもない。更に、ワイヤレス・アクセス・ポイント198およびアクティブ・ジャック10は、個々のネットワーク用途において所望通りに種々の構成で展開でき、アクティブ・ジャックは、ワイヤレス・アクセス・ポイントが担当するエリア内に設けると、追加のケーブル線に沿ってワイヤレス・アクセス・ポイントからの信号を再生できることも言うまでもない。加えて、図16では、R1およびR2を互いにほぼ同等に示したが、本発明の一部の実施形態では、2つの異なる半径を用いてもよいことは認められてしかるべきである。ワイヤレス・アクセス・ポイントおよびデュアル・ホーミング・アクティブ・ジャック(図4bを参照して先に説明した)を用いると、主ワイヤレス・アクセス・ポイントにネットワーク上の問題が生じた場合に、主ワイヤレス・アクセス・ポイントから副ワイヤレス・アクセス・ポイントにデバイスのアクセスを切り換えることができる。
【0049】
以上、本発明の特定的な実施形態および用途について図示し説明してきたが、本発明は、ここに開示した構造および構成そのものに限定されるのではなく、種々の修正、変更、および変形も、添付した特許請求の範囲に規定した、本発明の精神および範囲から逸脱することなく前述の説明から明白となり得ることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1a】図1aは、アクティブ壁ジャックの等幅図である。
【図1b】図1bは、アクティブ壁ジャックの側面図である。
【図2a】図2aは、アクティブ壁ジャックの模式図である。
【図2b】図2bは、アクティブ壁ジャックの代替実施形態の模式ブロック図である。
【図3a】図3aは、取り出しパネルにおけるアクティブおよび標準壁ジャックの様々な構成を示す。
【図3b】図3bは、取り出しパネルにおけるアクティブおよび標準壁ジャックの様々な構成を示す。
【図3c】図3cは、取り出しパネルにおけるアクティブおよび標準壁ジャックの様々な構成を示す。
【図4a】図4aは、本発明によるアクティブ壁ジャックの代替実施形態の側面図である。
【図4b】図4bは、本発明によるアクティブ壁ジャックの代替実施形態の側面図である。
【図4c】図4cは、本発明によるアクティブ壁ジャックの代替実施形態の側面図である。
【図4d】図4dは、本発明によるアクティブ壁ジャックの代替実施形態の側面図である。
【図5】図5は、位置データのアクティブ壁ジャックへの入力を示すブロック図である。
【図6】図6は、アクティブ壁ジャックに用いる電力分配およびケーブル管理方式を示すブロック図である。
【図7】図7は、本発明の一実施形態によるアクティブ・ジャックを用いた通信ネットワークを示すブロック図である。
【図8】図8は、アクティブ・ジャックを有するパッチ・パネルを組み込んだ緊急給電システムを示すブロック図である。
【図9】図9は、アクティブ・ジャックおよび共有回路を有するパネル・ジャックの模式図である。
【図10】図10は、本発明の一実施形態によるアクティブ・ジャックの模式図である。
【図11】図11は、本発明の一実施形態によるパッチ・パネルの実施態様のブロック図である。
【図12】図12は、本発明の別の実施形態によるパッチ・パネルの実施態様のブロック図である。
【図13】図13は、本発明の別の実施形態によるパッチ・パネルの実施態様のブロック図である。
【図14】図14は、本発明の別の実施形態によるパッチ・パネルの実施態様のブロック図である。
【図15】図15は、本発明の一実施形態による多重住居(multiple-dwelling)ユニット・ネットワークのブロック図である。
【図16】図16は、本発明の一実施形態によるネットワークのブロック図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には通信コンポーネントに関し、更に特定すれば、アクティブ・ジャック(active jack)を用いたネットワーク管理システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)を用いた広範囲の通信の提供は、ネットワークが増々広がり高密度化するにしたがって、拡大し続けている。同様に、LANの記録を取り管理することに伴う問題のために、接続性の問題が生じたときに適時に応答する必要性も増加している。これは、インターネット・プロトコル上での音声通信(voice)が出現し、従来の電話ネットワークの機能にとって代わるようになったが、現状ではデータ・サービスと同じLAN上で運用しているために、更に一層重要となっている。ローカル・エリア・ネットワークは、業務または家庭の総合的な電子通信機能を担う役割を増々吸収しつつある。
【0003】
文書化、管理および障害除去機能を設けるシステムは、アクセス・ポイントまたはパッチ・パネルにおいて人が関与する必要性を最少に抑えつつ、これらを行わなければならない。従来では、電話ネットワークおよびデータ・ネットワークは、2系統の別個のネットワークとして維持されており、それぞれに配線の必要性があり、特異性があった。これは、電話サービスにライフライン機能を維持させようとする法的な規制要件、およびDCリング・トーン電圧が比較的高いというような電気的な問題によるところが大きい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
多くの観点において、LAN配線方式は、電話方式を踏襲しており、パッチ・パネルまで導く壁ジャック・パネルを必要とする。しかしながら、ケーブルの形式や特性は別個のままである。これは、大規模なオフィス、住宅および小規模オフィス−家庭オフィス(SOHO)、ならびに多重住居ユニット(MDU:Multi-Dwelling Unit)における設置にも言えることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態によれば、アクティブ電子ジャックを用いるシステムを提供する。本発明の実施形態の一部によれば、アクティブ・ジャックは、企業のオフィス内の壁、ケーブル分散プラント内のパッチ・パネル内、ユーザのデバイス内、またはこれらのエリアの2箇所以上に配置することができる。本発明の一部の実施形態によれば、アクティブ・ジャックは、少なくとも2つの10/100Mb/sイーサネット・ポートを含み、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)上のネットワーク・エレメント(NE)となる。アクティブ・ジャックの一方のイーサネット・ポートは、ネットワーク・ポートであり、LANシステムの水平ケーブルに接続する。少なくとも1つの他のポートはユーザ・ポートであり、この中に、パーソナル・コンピュータ(PC)またはIP上音声通信(VOIP)電話機のようなイーサネット対応デバイス(Ethernet capable device)を差し込んで、LANへのアクセスを得る。アクティブ・ジャックは、二ポート・イーサネット・スイッチとしても機能して、2つのポート間でデータを導出することもできる。
【0006】
本発明の一実施形態によれば、物理位置情報(即ち、部屋、廊下等)を、アクティブ・ジャックのMACアドレスと関連付ける。アクティブ・ジャックはMACアドレスを有するので、ネットワークからのアドレス解明プロトコル(ARP:Address Resolution Protocol)に応答し、起動時またはネットワーク上での存在を示すように指示されたときに、ARPメッセージを送信する。アクティブ・ジャックのARPメッセージおよび関連する物理位置情報を用いると、構造化ケーブル・システム、即ち、LANケーブル・プラントの接続性に関する情報を提供することができる。
【0007】
本発明の一実施形態によれば、アクティブ・ジャックは、IEEE802.3AFに準拠する電源のような電力供給機器(PSE)から得ることができるDC電力の電源を必要とする電子エレメントである。このような電源は、ネットワークにおいては、ネットワーク上給電方式(power-over-network scheme)にしたがって受電するVOIPのような、固定受電デバイス(PD:attached powered device)のDC電力の電源として配備されている。本発明の一部の実施形態によれば、アクティブ・ジャックの電力消費は極少であり、残りの電力は、受電デバイス(PD)が接続されたときに、これに転送される。
【0008】
アクティブ・ジャックにDC電力を供給する方法にはいくつかある。本発明の一実施形態によれば、イーサネット・スイッチまたはIPルータのようなPSE機器を用いる。別の実施形態によれば、パッチ・パネル、またはミッドスパン・パッチ・パネル(mid-span patch panel)を用いることができる。パッチ・パネルにアクティブ・ジャックを装備すると、管理構造ケーブルPSEシステムが得られる。パッチ・パネルが有する管理の範囲は、アクティブ・パネルをパッチ・パネルと最終デバイスとの間に用いれば、拡大することができる。
【0009】
現行のケーブル・プラント管理およびセキュリティ方法は、水平ケーブル・システムおよび/またはパッチ・パネルの状態をほぼ一定に維持することを基本とする。更に、変化が生じた場合、それを詳細に文書化し、手作業でセキュリティ/管理システム・データベースに入力する。本発明の一実施形態によれば、アクティブ・ジャックの使用により、パッチ・コードおよび水平ケーブル・システムの状態を監視し、構造化ケーブル・システムを容易に管理できるようになる。特定のケーブルの除去または移動がある場合、そのケーブルによって接続されているアクティブ・ジャックは、上流側のネットワーク接続を失うことになる。パッチ・パネル内のアクティブ・ジャックは、周期的に、例えば、毎秒1回の上流側スイッチへの「ハート・ビート」IP送信を通じて、変化を検出することができる。PSEおよびPDは通信するので、PSEは瞬時にパッチ・コードにおける開放を報告することができる。任意に、アクティブ・ジャックが近隣のアクティブ・ジャックにメッセージを送り、通信問題を報告することができる。接続が再取付である場合、アクティブ・ジャックはARPメッセージを送出し、それがラインに戻ってきたこと、およびいずれかの他のデバイスがそれに接続されていることを示すこともできる。接続を再度確立すると、それによりスイッチ・ポートからパッチ・パネル・ポートまでを特定する。これは、パッチ・コード接続性を管理するには、重要な一面である。物理位置情報をアクティブ・ジャックと関連付けることができるので、ケーブル・プラントに対する一時的な変更であっても、認識し記録することができる。
【0010】
アクティブ壁ジャックは被管理ネットワーク・エレメントであるので、通信ネットワークの管理および動作コンポーネントによって、遠隔視認性(remote visibility)が得られる。アクティブ・ジャックは、遠隔監視を行い、機器の状態を判定するために技術者を派遣する必要性を未然に防ぐか、または低減することができる。離れた所から、サービスを中断したり、再開することができる。更に、アクティブ・ジャックを用いてネットワークに接続する終点デバイスも同様に、一覧表にまとめ制御することができる。
【0011】
本発明の一部の実施形態によれば、これらの管理およびセキュリティの面を利用するのは、顧客がソフトIPフォンまたはVOIP外部ハードウェア・フォンを利用するときである。アクティブ壁ジャックは、イーサネットを通じて電力を供給すること(電話機に給電する)、および/またはE911サービスに対応する物理位置アドレスを与えることができる。
【0012】
ライフラインVOIPに対応するには、PSSEスイッチを用いれば、全ての企業スイッチがAC停電を克服するだけの十分なDC電力の保有を確保することができる。内部スイッチは、外部世界へのVOIP通話を発信し管理し続けるが、その他のIPデータ・トランザクションを拒絶する。本発明の一実施形態によれば、アクティブ・ジャックを有する電力パッチ・パネルの利点は、AC電源が停電している間、上流側のスイッチが電力を遮断するのを可能にすることである。すると、トラフィックをパッチ・パネルから「ライフライン」VOIPゲートウェイに誘導することができ、ライフラインVOIPゲートウェイは、音声通信トラフィックに対応し、データ・トラフィックの量を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
これより図面を参照するが、最初に図1aを参照すると、アクティブ・ジャック10の等幅構造図が示されている。アクティブ・ジャック10は、2つのハウジング12aおよび12bを備えており、これらは、ハウジング12bについて図に示すように、プラグ受容開口14を形成することができる。本発明の代替実施形態によれば、アクティブ・ジャック10の一方のコネクタはパグ(pug)であり、他方のコネクタは、絶縁変位コネクタ(IDC:insulation displacement connector)である。ハウジング12aおよび12bは、2002年4月16日に発行されたDoorhy et al.による米国特許第6,371,793号、"Low Crosstalk Modular Communication Connector"(低クロストーク・モジュール状通信コネクタ)に更に詳しく記載されているような、通信コネクタに用いられる形式でよい。その内容は、ここで引用したことにより、全体が本願にも含まれるものとする。プラグ受容開口内には、複数の導体16が取り付けられており、通信プラグがアクティブ・ジャック10に接続されると、このプラグと弾性接触を形成する。導体16は、アクティブ・ジャック10のハウジングを貫通して導かれ、プリント回路基板(PCB)18と接触する。本発明の一実施形態によれば、PCB18は、x寸法が約5/8インチ、y寸法が約2インチであり、多層構造をなし、熱消散のためにその領域には最大限銅が充填されており、コンポーネント20を支持することができる。ハウジングは、熱接点22を露呈するために、回路基板18から離した分解図で示されており、一実施形態では、熱接点22は、回路基板18およびコンポーネント20から、コンポーネント12bのようなハウジング・コンポーネントに熱を伝導するのに役立つ。図1bには、通例壁の位置において通信ポートとして用いられる形式の取付可能な面板25に関して、アクティブ・ジャック10を図示している。
【0014】
本発明の一実施形態によれば、アクティブ・ジャック10の熱的な設計は、データ取り出し口のエンクロージャ内の環境に対応する。一部の実施形態によれば、このエンクロージャ内には事実上空気流がないので、熱消散は効果的でない。アクティブ・ジャックの設計では、図1bに示すように、コネクタ・ハウジング12bを介して、エンクロージャの外側への低熱抵抗接点を組み込むことができる。本発明の別の実施形態では、発生した熱の消散に役立つように、ハウジングを金属含浸材料のような高熱伝導性材料で構成する。本発明の代替実施形態では、プリント基板18上の電子コンポーネント20は、アクティブ・ジャック10の一方または双方のハウジング12aおよび12b内に設けられている。
【0015】
これより図2aに移ると、本発明の一実施形態によるアクティブ壁ジャック10が示されている。本発明の一実施形態によるアクティブ・ジャック・ユニット10のコンポーネントは、PCB18上に実装されている。図2aに示すコンポーネントは、種々の集積形態で実現できる機能ユニットとして示されている。これらのコンポーネントには、少なくとも、受信機28aおよび28bならびに送信機30aおよび20bを備えているデュアル・ポート・イーサネット物理デバイス(PHY)26が少なくとも含まれる。図2にはデュアル・ポート・イーサネット・デバイスを示すが、本発明の原理は、2つよりも多いポートを有するアクティブ・ジャックに適用可能であることは言うまでもない。これについては、以下で更に説明する。
【0016】
受信機28および送信機30は、それぞれの受信変圧器32aおよび32bならびに送信変圧器34aおよび34bに電気的に接続されている。受信変圧器32aおよび32bならびに送信変圧器34aおよび34bは、更に、それぞれのハウジング12aおよび12bの複数の導体(図1における参照番号16)に電気的に接続されている。導体は、ネットワーク側接続部37およびユーザ側接続部39の形態を取ることができる。PHY26は、二ポート・イーサネット・スイッチとして機能的に形成されている、イーサネット・メディア・アクセス・コントローラ(MAC)プロセッサ36に接続されている。
【0017】
本発明の一部の実施形態によれば、アクティブ・ジャック10の回路のための電力は、IEEE802.3AF準拠のPSE電源から得られ、一実施形態によれば、受信変圧器32aのセンター・タップから負レール38に抽出する負共通モード電圧と、送信変圧器34aから正レール40に抽出する正共通モード電圧とを供給する。また、IEEE802.3AF規格では、負および正ラインを切り換えることも可能である。DC−DC変換器42が、負レール38および正レール40に接続されており、アクティブ・ジャック10の回路に電力を供給する。抵抗器44が、電圧レール38および40間に配置されており、電力要求デバイス(PD:Power Requiring Device)の存在をPSEに知らせるのに十分な抵抗を有する。本発明の一実施形態によれば、抵抗器44の抵抗は26kΩであるが、これよりも大きな抵抗または小さな抵抗も、本発明の個々の実施形態では用いられる場合もある。電力供給スループット・モードでは、電圧レール38および40は、任意のスイッチ46を介して、送信変圧器34bおよび受信変圧器34bのセンター・タップに電気的に接続されており、下流側にあるその他のPDがPSEからの電力が得られるようになっている。IEEE802.33AF規格の素案は、所与の回路上における多数のPDには適用されないので、アクティブ・ジャック10のような中間PDの電力要求量は、非常に小さく、通例ワット未満でなければならない。任意のスイッチ46は、内部MACプロセッサによって制御し、管理および/またはセキュリティの目的のために下流側のPDの電力制御を行うことができる。これについては、以下で更に論ずることにする。
【0018】
また、図2aには、発光ダイオード(LED)48を制御するMACプロセッサ36も示されている。本発明の一実施形態によれば、MACプロセッサ36は、ネットワーク・ポート識別コンポーネントとして機能し、要求されたときに、識別情報を格納および提供する。通信リンクには、2つ以上のこのようなLED48があって、MACプロセッサ36が制御するようにしてもよい。少なくとも1つがリンク・ステータスを示し、少なくとも他の1つが送信/受信活動(activity)を示す。一実施形態によれば、LED(複数のLED)48は、PCボード18上に実装され、光は光パイプ50によって外部ジャック・ハウジング12bに導かれる。代替実施形態では、LEDをハウジング12上に実装し、PCB18に電気的に接続してもよい。代替実施形態によれば、1つ以上のLEDを、各アクティブ・ジャック10および各ジャック・ハウジング12に関連させてもよい。本発明の一部の実施形態によれば、追加のLEDポート、または異なる色のLED光も利用すれば、終点デバイスの制御または監視にも対応可能となる。例えば、異なる色の光または追加の光を用いれば、設置が完了していることまたはしていないことを示したり、ケーブル接続の監視および保守に役立てることができる。このような実施形態は、設置および保守要員に、ケーブル接続性(connectivity)における破断点を突き止め、それによって注意を要する接続点を特定するために必要な情報を提供することができる。
【0019】
これより図2bに移ると、本発明の一実施形態による、代わりのアクティブ・ジャックが示されている。図2bの実施形態では、ロジック・チップ51が、アクティブ・ジャックの機能を遂行し、アクティブ・ジャックを通じた通信の転送、アクティブ・ジャックによる信号の再生、データ・スループットの監視および報告、設置命令およびユーザ命令のメモリ格納、アクティブ・ジャックの論理的識別、ならびにアクティブ・ジャックを通じた通信を可能化(enable)または不可能化(disable)するためのアクティブ・ジャックの切り換えが含まれる。本発明の一実施形態によれば、ロジック・チップ51は、インストーラ(installer)が従うべき命令のテンプレート(template)および/またはアクティブ・ジャックの設置中にインストーラが充填すべき1つ以上のデータ・フィールドを格納するメモリ・コンポーネントを含む。ロジック・チップ51は、ネットワーク側接続部53およびユーザ側接続部55に接続されている。
【0020】
本発明の一部の実施形態によるアクティブ・ジャックは、パワー・オーバー・イーサネット(power-over-Ethernet)環境において展開することもできる。これらの環境では、アクティブ・ジャックは、その動作のために必要な電力を消費するが、電力消費レベルに達しないので、パワー・オーバー・イーサネット環境において、アクティブ・ジャックを受電デバイスとして識別することができる。このような環境におけるアクティブ・ジャックは、受電デバイスに供給するための電力を送る。
【0021】
これより図3aを参照すると、本発明の一実施形態による面板24aが、1つのアクティブ・ジャック10と共に示されている。図3bに示す他の実施形態は、2つのアクティブ・ジャック10a、10bを有する面板24bである。である。図3cに示す別の実施形態は、2つのアクティブ・ジャック10a、10bおよびパッシブ・ジャック52を有する面板24cである。尚、特定的な設置では、多数のアクティブおよびパッシブ・ジャックを用いた数種類の代替実施形態が実現可能であることは言うまでもない。また、図3a、図3b、および図3cに、アクティブ・ジャックの設置および保守を容易にするためのLEDインディケータ49も示されている。
【0022】
これより図4aを参照すると、本発明の一実施形態によれば、アクティブ・ジャック・ユニット10を、面板24の背後にある壁54に埋め込んだ壁パネル内に組み込み、ユーザ側ジャック・ハウジング12bが図示のようにユーザ・エリア56内でアクセスできるようにしている。アクティブ・ジャック・ユニット10は、終端プラグ60によって水平ケーブル58に接続されており、終端プラグ60は、アクティブ・ジャック・ユニット10または水平ケーブル58のいずれの検査および修理をも容易にする。あるいは、アクティブ・ジャック・ユニット10は、絶縁変位コネクタを介して、水平ケーブルに接続することもできる。
【0023】
また、本発明によるアクティブ・ジャックは、1つのアクティブ・ジャック・ユニット内において、多数のユーザ側接続部および/または多数のネットワーク側接続部の使用にも対応する。このような実施形態は、1つのユーザ・デバイスをネットワーク側で1つよりも多いネットワークに接続する実施態様において有用であると考えられる。更に、1つよりも多いユーザ・デバイス、またはネットワーク上で1つよりも多いアカウント所有者に属するユーザ・デバイスを、単一のアクティブ・ジャックに接続すること、およびアクティブ・ジャックのネットワーク側の1つまたは多数のネットワークにアクセスすることも可能である。多数のネットワーク側接続部を有するアクティブ・ジャックの構造は、アクティブ・ジャックのデュアル・ホーミング(dual homing)動作にも対応する。この動作では、アクティブ・ジャックが1つよりも多いネットワーク側接続部の操作性(operability)を監視することができる。主ネットワーク接続部が動作不能となったり、またはその他の通信問題が生じた場合、本発明によるアクティブ・ジャックは、自動的に副ネットワーク接続部に切り換えることができる。このネットワーク接続部の冗長性を設けることにより、このようなデュアル・ホーミング・システムを採用したアクティブ・ジャックにおけるネットワーク・アクセスの信頼性を大幅に高めることができる。
【0024】
多数のユーザ側および/またはネットワーク側接続部を用いた、本発明によるアクティブ・ジャックの実施形態を図4b、図4c、および図4dに示す。図4b、図4c、および図4dのアクティブ・ジャックは、壁パネル内に組み込まれているが、これらは、代わりに、他のネットワーク・コンポーネントにも、所望に応じて組み込めることは言うまでもない。図4bは、2つのネットワーク側終端プラグ60aおよび60bに接続するための、2つのネットワーク側コネクタ・ハウジング12aおよび12cを有するアクティブ・ジャックを示す。一方、ネットワーク側終端プラグ60aおよび60bは、2本の水平ケーブル58aおよび58bを通じて1つ以上のネットワークに接続されている。図4bのアクティブ・ジャックは、ユーザ・エリア56における1つの接続部が1つよりも多いネットワーク接続部にアクセスできるようにする。2つのネットワーク接続部を示したが、本実施形態および他の実施形態では、2つよりも多いネットワーク接続部をネットワーク側で採用してもよいことは言うまでもない。
【0025】
これより図4cに移ると、アクティブ・ジャックは、2つのユーザ・デバイスに接続するために、2つのユーザ側コネクタ・ハウジング12bおよび12dを有する。一方のネットワーク側コネクタ・ハウジング12aは、ネットワーク側終端プラグ60に接続するために示されており、一方ネットワーク側終端プラグ60は、水平ケーブル58を通じてネットワークに接続されている。この実施形態では、2つのユーザ・デバイスをアクティブ・ジャック・アセンブリに接続することが可能となる。更に、ユーザ側コネクタ・ハウジング12bおよび12dの各々が別個のアクティブ・ジャックの機能性に対応することができるので、図4cの実施形態では、直接壁接続を通じて、1つよりも多いユーザ側デバイスに、全てのアクティブ・ジャック機能を等しく適用することが可能となる。2つのユーザ側接続部を示したが、本実施形態および他の実施形態では、2つよりも多いユーザ側接続部を用いてもよいことは言うまでもない。
【0026】
図4dは、2つのネットワーク側コネクタ・ハウジング12aおよび12dならびに2つのユーザ側コネクタ・ハウジング12bおよび12d用いたアクティブ・ジャックの実施形態を示す。この実施形態では、VOIPフォンのような1つのユーザ・デバイスまたはその他のユーザ・デバイスを、1つよりも多いネットワーク側接続部に接続することができる。図4dの実施形態では、多数のユーザ側アクティブ・ジャックを有するアクティブ・ジャック壁アセンブリへのデュアル・ホーミングの適用が可能となる。つまり、主ネットワークの障害またはその他の通信問題の場合に、ジャックのユーザ側56における多数のユーザまたは多数のユーザ・デバイスに、ネットワークの冗長性を備えることができる。
【0027】
通信ネットワークでは、各ユーザの物理位置を特定できることが望ましい。これは、特に、VOIPのために電子緊急911データベースに対応する際に重要であり、その際、位置情報があれば、要員が緊急事態に対して非常に簡単に応答できるようにすることが可能となる。また、位置情報は、構造化ケーブル・プラントの管理にも対応することができる。本発明の一実施形態によれば、特定のアクティブ・ジャック10を、データベース内にあるその物理位置情報と関連付ける。アクティブ・ジャック10をその物理位置と関連付けるためには、エリア62の物理位置を、データベース70内におけるアクティブ・ジャックに関する情報、例えば、そのMACアドレスと関連付けるとよい。一部の実施形態によれば、データベース70は、E911データベース、またはE911プログラムが認識するデータベースである。
【0028】
更に、エリア62内にあり、アクティブ・ジャック10に接続されているデバイスは、品目種別または品目モデル毎に識別することができ、これによって、アクティブ・ジャック10に接続されている品目の一覧表作成(inventory)、およびアクティブ・ジャック10を介してネットワークに接続されている機器のリアルタイムでの監視が可能となる。例えば、学校ネットワークでは、教室内に分散したアクティブ・ジャックによって、アクティブ・ジャックを通じて学校ネットワークに接続されている機器の集中監視が可能となる。このため、特定のコンピュータまたは光学投影機が必要な場合、そのコンピュータまたは光学投影機の物理位置は、コンピュータ・ネットワークにおける当該デバイスの論理位置に加えて、機器がネットワークに接続されている限り、容易に判断することができる。本発明の一実施形態によれば、ネットワークに接続されているデバイスの物理位置に対応する調査情報を、ネットワークの物理位置の図式地図と関連付ければ、ネットワーク内部におけるデバイスの位置をリアルタイムで図示することが可能となる。
【0029】
本発明の一実施形態によれば、アクティブ・ジャックの設置に従事する要員が、PC72上で実行するアプリケーションを用いて位置情報を入力することによって、アクティブ・ジャックと、そのアクティブ・ジャックの物理位置とを関連付けることができる。PC72は、接続されているローカル・アクティブ・ジャック10と通信し、ローカル・アクティブ・ジャック10は、前述のように、それ自体のMACアドレスを有する。ローカル・アクティブ・ジャック10のMACアドレスの位置データとの関連付けは、PC72上に記録し、後に、アクティブ・ジャック設置作業期間の後、管理データベース70に転送することができる。代替実施形態では、接続されているネットワークを通じて関連付けた情報をデータベース70に直接入力する。別の方法では、要員が検査器具74を用いる。検査器具74は、同じ成果を達成するためのインターフェースを更に簡素化する。また、検査器具74は、種々のネットワーク試験を行い、適正なネットワーク設置および接続性を確保することができる。更に別の実施形態では、ネットワーク状コンピュータ76を用いて、作業注文入力情報に基づいて、位置データベースを更新する。図5に示すようなデータベース70は、ネットワーク管理システムの一部として、IPルータ68の一部として、またはVOIPシステムの音声通信ゲートウェイの一部として常駐してもよい。
【0030】
これより図6に移ると、3系統の接続経路が示されており、アクティブ・ジャック10を用いて構造化相互接続ケーブル・ネットワーク78を管理する方法を例示する。この例に用いる構造化ネットワークは、PSE IPスイッチ/ルータ80であり、パッチ・コード82によって、パッシブ・ジャックをポートとして有する第1パッチ・パネル84と、パッチ・コード86によって、アクティブ・ジャック10cをポートとして有する第2パッチ・パネル88とに接続されている。本発明のこの実施形態およびその他の実施形態と共に用いるユーザ・デバイスは、VOIPフォンのような電話機、コンピュータ等とすればよく、ネットワーク接続部から電力を引き出す受電デバイスとすればよい。第1接続経路90において、ケーブル・システム内のいずれかに開放接続がある場合、またはデバイス92aが受電デバイスであり、壁ジャック52から外れている場合、デバイス92aの電力が落ちる。これは、PSE IPスイッチ/ルータ80によって検出することができるが、理由、例えば、ケーブル・プラントの問題、オフィスの接続、またはデバイスの電力切断、は判断することができない。パッチ・コード82または接続水平ケーブル94aを移動させると、この移動は、デバイス82aの電力切断として検出されるだけである。アクティブ・ジャックをポートとして内蔵するパッチ・パネルは、被管理相互接続経路パネルと見なすことができる。何故なら、これは、必要なパッチ・パネルは1つだけでよいものの、交差接続パッチ・パネルと同様に、接続の監視および制御を可能とするからである。
【0031】
図6の第2接続経路96では、ユーザ・デバイス92bが、アクティブ壁ジャック10aによってネットワーク78に接続されている。この状況では、パッチ・コード82または水平ケーブル94bのいずれかにおけるケーブルの移動または開放回路によって、ユーザ・デバイス92b(ユーザ・デバイスが受電デバイスである場合)およびアクティブ・ジャック10aの電源が落ちる。この時点で、PSE IPスイッチ/ルータ80は、データベースにおいて、ユーザ・デバイス92bおよびアクティブ・ジャック10aがもはや存在しない、即ち、電力を引き出していないことを把握することができる。電力が回復すると(開放回路の場合ケーブルの交換または修理によって)、PSE IPスイッチ/ルータ80は、PSE IPスイッチ/ルータ80における電力要求の検知により、受電デバイスが接続されたことを把握する。更に、アクティブ・ジャック10aおよびデバイス92bは、電源投入時に、イーサネットARPメッセージを送り、ネットワーク上の存在を示す。デバイス92bのみが切断された場合、その消滅はPSE IPスイッチ/ルータ80によって検出され、アクティブ・ジャック10aには引き続き管理ソフトウェアが到達し問い合わせることができる。更に、ユーザ・デバイス92bのみが切断され、後に再度接続された場合、電力回復時に、再給電されたデバイス92bのみがイーサネットARPメッセージで応答する。アクティブ・ジャック10a、およびこれによってユーザ・デバイス92bは、所与の物理位置と関連付けることができ、サービス途絶の通知によって、管理を補助することができる。
【0032】
第3経路98に示すように、アクティブ・ジャックをパッチ・パネル88内に展開する場合、壁内のアクティブ・ジャックによって、構造化および被管理ケーブル・プラントの保守が容易になる。しかしながら、パッチ・パネルおよびクライアント宛先点においてアクティブ・ジャック技術を有することによって、なおも機能性の追加が可能となる。第3接続経路98では、ユーザ・デバイス92cが、アクティブ壁ジャック10b、およびアクティブ・ジャック10cを内蔵するパッチ・パネル88への水平ケーブル94cによってにネットワーク78に接続されている。一方、パッチ・パネル88は、パッチ・コード86を通じてPSE IPスイッチ/ルータ80に接続されている。この状況において、開放回路遮断、ケーブル移動、および/またはユーザ・デバイス92cの移動は、接続ネットワークがアクティブ・デバイス92c、10bおよび10cによって区分されているので、隔離し別個に特定することができる。前述のアクティブ・デバイスの各々は、イーサネットARP要求に応答し、電力投入時の状況についてイーサネットARPメッセージを生成する。例えば、パッチ・コード86の移動があった場合、ユーザ・デバイス92c、アクティブ・ジャック10b、およびパッチ・パネル・ジャック10cの電源が落ちる。この時点において、PSEは、ユーザ・デバイスの状態が変化したことを要求電力量から把握し、そのため、ユーザ・デバイス92cのみの除去と、水平コードまたはパッチ・コードの開放回路および/または移動との間で区別することができる。電力が回復したとき、既に電源が落ちていた全てのデバイスが、ネットワーク上にイーサネットARP要求を送り、存在を示す。更に、PSEデバイス80のポートとパッチ・パネル88のアクティブ・ポート間、またはパッチ・パネル88とアクティブ・ジャック10bとの間の相互接続が変化した場合、その変化の位置を判断し管理することができる。
【0033】
これより図7を参照すると、LAN100へのネットワーク・アクセスを制御するためのアクティブ・ジャック10の使用が示されている。この実施形態では、VOIPフォンのようなユーザ・デバイス102a〜102nが、それぞれの位置104a〜104nにおいて、それぞれのアクティブ・ジャック10a〜10nを介してネットワークに取り付けられている。4つのみのユーザ・デバイスを4箇所において示すが、本発明によるシステムおよび方法は、多数の位置における多数のデバイスとでも使用可能であることは言うまでもない。デバイス・ジャック10a〜10nは、水平ケーブル・プラント108によって、パッチ・パネル1106に接続されている。パッチ・パネル106は、PSE IPルータ・デバイス110に接続されており、PSE IPルータ・デバイス110は無停電電源(UPS)112に接続されており、IEEE802.3AF規格の素案にしたがって、下流側で電力を要求するデバイス、例えば、102a〜102nおよび10a〜10nに電源を供給する。PSEデバイス110は、IPルータ114に接続されている。IPルータ114は、VOIPゲートウェイとしても機能し、データベース1166に接続されているか、あるいはこれを内蔵する。ネットワーク・マネージャ118もLAN100に接続されており、本発明の一実施形態では、ルータ110および114ならびにアクティブ・ジャック10a〜10nのような種々のネットワーク・エレメントを簡単なネットワーク管理プロトコル(SNMP)メッセージによって監視し制御することができる。本発明の一部の実施形態によれば、ネットワーク・マネージャは、ネットワーク管理タスクを実施するために、ネットワーク管理プログラムを実行する。
【0034】
図2に示すように、アクティブ・ジャック10は、ローカル・プロセッサ36によって制御されるDC電力スイッチ46を有する。アクティブ・ジャック10は、スイッチ46を内蔵しており、したがって、あらゆる下流側デバイスに対するデータ接続性および給電の双方を、例えば、ローカル・プロセッサ36によって制御することができ、終点隔離、デバイス一覧作成、および許可というような、拡張セキュリティ機構を可能にする。ネットワーク・マネージャ118は、周期的な間隔で、またはサービスに対する不正な要求というような外部刺激に応答して、いずれの終点へのネットワーク・アクセスをも不可能化するように、ネットワーク・エレメントを制御することができる。これを遂行するには、ネットワーク・マネージャ118が、アクティブ・ジャック10に位置するプロセッサ36に信号を送り、特定の位置でスイッチ46を開くことによって、これらの位置におけるデータ流を妨げればよい。1日のある時間帯に被管理ネットワークへのアクセスを制限することができるアプリケーションがある。アクティブ・ジャック10をネットワークにおいて用いることによっても、使用の監視が可能である。例えば、あるオフィスから機密のまたは規制されたインターネットまたはイントラネットのサイトまたは位置へのアクセスを制限することが有用な場合もあり得る。不正アクセスが開始された場合、ネットワーク・マネージャ118は、侵入を察知し、アクティブ・ジャック10を遮断する選択肢、および要求元デバイスが用いているアクティブ・ジャックの位置を記録する選択肢を有することができる。
【0035】
これより図8を参照すると、パッチ・パネルを通じて緊急用電力を供給し、パッチ・パネルにおいてアクティブ・ジャックを用いて構造化ケーブル・システムを管理する、本発明の一実施形態によるシステムが示されている。ユーザ・エリア121a〜121nにおけるユーザVOIPフォン120a〜120nが、アクティブ壁ジャック10a〜10nを介して、水平ケーブル・プラント108を通じて、受電パッチ・パネル122に接続されている。受電パッチ・パネル122は、上流IPスイッチ124に接続されており、上流IPスイッチ124は、通常動作の間は、VOIPフォン120a〜120nのルーティング・デバイスとなる。また、受電パッチ・パネル122は、緊急電池、および緊急音声通信ゲートウェイ128のような、局在的な緊急時電源126にも接続されており、緊急音声通信ゲートウェイ128も局在的緊急時電源126に接続されている。停電の間、上流スイッチ124は、電源が落ち、電力パッチ・パネル122は音声通信トラフィックをローカル・ゲートウェイ128に方向転換することができる。一部の実施形態によれば、データ・サービスは停電中縮小される可能性があるが、音声通信サービスは緊急状況のために維持しておく。
【0036】
本発明の一実施形態によれば、アクティブ・ジャックはパッチ・パネル122内に、三ポート・デバイスとして設けられている。この実施形態では、1つのポートはユーザ接続性に用いられ、1つのポートはネットワーク接続性に用いられ、3番目のポートは緊急音声通信ゲートウェイ128への接続性に用いられる。本発明の他の実施形態によれば、パッチ・パネル122から緊急ゲートウェイ128への接続性は、共有イーサネット接続を経由する。本発明の更に別の実施形態によれば、パッチ・パネルは、ネットワーク側スイッチング・エレメントを用いて、パッチ・パネルのアクティブ・ジャックのネットワーク・ポートを共有イーサネット・バス130に接続する。
【0037】
これより図9を参照すると、受電パッチ・パネル122の一実施形態のブロック図が示されている。この実施形態では、24−ポート・パッチ・パネル122のアクティブ・ジャック・ユニット10a〜10xが、共通プリント回路基板132上に実装されている。プロセッサ134が、バス136を通じて、アクティブ・ジャック10a〜10xに電気的に接続され、これらの活動を制御する。DC−DC電力変換器138が、入来する電源を、内部回路が要求するような電源に変換する。例えば、電力変換器138は、入来する48ボルト電源を、内部回路が要求する3.3ボルトに変換することができる。内部回路用電力は、電力接続部140に沿って、アクティブ・ジャック10a〜10xに分配され、電力を下流側の受電デバイスに送る。一実施形態によれば、アクティブ・ジャック10xは、上流のPSEから48ボルトを抽出し、この48ボルトを入来電力接続部142を通じてDC−DC変換器138に分配するために割り当てられている。任意に、アクティブ・ジャック10wのような、代わりのアクティブ・ジャックも、例えば、冗長な上流PSEから電力を引き出す場合等に、電力抽出のために用いてもよい。DC−DC電力変換器138は、どの電源(例えば、10wまたは10x)から電力を用いるか決定することができる。代替実施形態では、1つまたは複数の追加のジャックを、電力抽出の目的のためのみに用いてもよい。
【0038】
これより図10に移ると、本発明の一実施形態によるアクティブ・ジャック144の代替構造が示されている。アクティブ・ジャック144は、例えば、図9の実施形態に用いることができ、その場合、共通プロセッサ134および共通DC−DC電力変換器138を用い、個々のジャックは上流PSEから電力を抽出する必要はない。図10のアクティブ・ジャック144は、それぞれ、上流ドライバ150および152に接続された上流変圧器146および148、ならびにそれぞれ下流ドライバ158および160に接続された下流変圧器154および156を備えている。スイッチ162が電力接続部140に動作可能に接続されており、プロセッサの制御の下でバス136を通じて、下流電力コネクタ164および166を介して下流変圧器154および156に分配される電力を制御し、電力を下流受電デバイスに送ることができる。このため、下流変圧器154および156は、電力を送る目的でセンター・タップに接続する必要がある。本発明の更に別の実施形態によれば、スイッチ162は、データ接続を中断する目的で、受信(Rx)および送信(Tx)信号に動作可能に接続することもできる。
【0039】
図9のパッチ・パネル122の一実施形態によれば、アクティブ・ジャック10は一体化したLEDを有し、これらが交差接続または相互接続システムのいずれかにおいてインストーラを補助する。図11は、相互接続システムを示し、ここでは、パッチ・パネル122上のアクティブ・ジャック10と関連するLED168を照明するかあるいはパターン状に点滅し、インストーラを補助することができる。例えば、LEDは、パッチ・コード86または水平ケーブル108をパッチ・パネル122に接続すべき位置を示すことができる。図11の実施形態では、パッチ・パネル122は、PSE IPスイッチ/ルータ170と水平ケーブル108との間の通信経路に沿って配置されている。一実施形態によれば、管理実体からのSNMPメッセージを通じて、アクティブ・ジャックLEDの照明を行う。LED機能性によって得られる設置の容易性に加えて、LEDは、動作不能のケーブルがどこにあるか視覚指示を保守要員に与えることによって、更に通信ネットワークにおいてケーブルを再編成するための指令を目視できるように与えることによって、設置後におけるケーブル管理を改善することもできる。アクティブ・ジャック144の各々と関連させた1つのLEDのみを示したが、本発明の一部の実施形態では、多数のLEDを各アクティブ・ジャックと関連させてもよいことは言うまでもない。
【0040】
本発明の別の実施形態を図12に示す。ここでは、パッチ・パネル122aおよび122bを、カスケード状マスタ−スレーブ構成に展開している。図12に示すカスケード状に展開したパッチ・パネルにより、各パネル上でLEDがインストーラに、パッチ・コードを除去または配線する位置を示すようにした交差接続システムが可能となる。
【0041】
図13に示す受電パッチ・パネル122の一実施形態によれば、48ボルトDCの給電のような給電は、局在電源172から得ることができる。局在電源172は、受電パッチ・パネル122をPSEデバイスにする、AC線PSEまたは緊急DCバッテリ・パックとすることができる。別の実施形態によれば、48ボルトDC給電のような電源は、図9に示すように、上流PSEから、ローカル・ジャック10xの1つによって得ることができる。
【0042】
図14に示す更に別の実施形態では、パッチ・パネル1222への48ボルトDC給電のような電源は、2つの独立した電源PSE174aおよび174bから、パッチ・コード1776aおよび176bによって、パッチ・パネル122内のジャック10kおよび10lのようなアクティブ・ジャックを用いて得ることができ、こうして冗長DC電源を設けることができる。
【0043】
これより図15を参照すると、本発明の一実施形態による多重住居ユニット(MDU:multiple-dwelling unit)が示されている。アクティブ・ジャックを用いることによって、個々の住居ユニットにおいて、サービスの賦活(activation)が可能になる。加えて、住宅および小規模オフィス/家庭オフィス(SOHO)の用途に、通信のセキュリティおよび管理を容易に行うことが可能となる。外部接続性のために、広帯域ルータ178が広域ネットワーク180に接続されており、更に、広帯域ルータ178は、MDU内部の分散システムに、パッチ・パネル182へのパッチ・コード86を通じて接続されている。パッチ・パネル182は、受電アクティブ・ジャックを有する受電パッチ・パネルとすることができる。パッチ・パネル182は、任意に、管理の目的のために1つ以上のアクティブ・ジャック10を含むことができる。パッチ・パネル182から、水平ケーブル・プラントが個々の位置184a〜184nに接続する。これらは個々の住居とすることができる。各位置184a〜184nは、壁装着アクティブ・ジャック10a〜10n、およびユーザ・デバイス186a〜186nを含む。各アクティブ・ジャック10a〜10nは、当該アクティブ・ジャックに関連するMACアドレスおよび物理位置情報を有する。アクティブ・ジャック10およびユーザ・デバイス186a〜186nの電力は、ブロードバンド・ルータ178またはパッチ・パネル182に接続されているUPS電源から得ることができる。アクティブ・ジャックをユーザ・エリアおよび/またはブロードバンド・ルータ178に統合することによって、配線基礎構造の問題の遠隔地からの管理および診断、配線基礎構造のセキュリティ向上、サービスの賦活(即ち、サービスの開始および終了)および監視、パワー・オーバー・イーサネットの応用、ならびにデバイスの物理位置の指示が可能となる。また、性能監視も改善される。何故なら、問題接続の正確なネットワークの物理および論理位置を、サービス提供業者によって集中的に特定することができ、基本的な位置の問題の調査範囲を拡大することが不要となるからである。
【0044】
本発明の多重住居ユニットへの応用は、ここで記載したようなアクティブ・ジャックの実施形態の効果を含み、住宅、オフィス、およびホテル・ネットワークに拡大することができる。これらのネットワーク全体にアクティブ・ジャックを分散することによって、種々の有用な特徴が可能となる。ネットワーク全体に分散したアクティブ・ジャック10a〜10nの用法の1つは、サービス別料金システム(toll-for-service system)である。このようなシステムは、例えば、ホテルにおいて実施することができ、位置184a〜184nの各々は、ホテルの客室または会議室である。アクティブ・ジャック10a〜10nは、データ・スループットの監視、およびネットワーク・マネージャへのデータ・スループットの報告を可能にする。したがって、ネットワーク・マネージャは、デバイス186a〜186nによって要求されて送ったデータ量に対して設定した料金を徴収することができる。更に、アクティブ・ジャック10a〜10nの各々は、ネットワーク・マネージャによってオンおまたはオフに切り換えることができるので、位置184a〜184nにおけるアクティブ・ジャック10a〜10nの使用可能性を集中的に制御し、個々のアクティブ・ジャックの使用を、当該アクティブ・ジャックの使用料を支払った者のみに許可し、一旦支払った分の期間が過ぎたならばアクティブ・ジャック10a〜10nを介したデータ流を中止できることも含めることができる。データ・パケット毎の支払い、またはその他のデータ単位および時間を基準にした支払いといった支払い方式を実施すれば、支払った者に対する効率的なネットワーク帯域幅の割り当てが可能となる。アクティブ・ジャックは、ネットワーク・ツリー・アーキテクチャにも分散することができ、例えば、会議室内において、アクセス可能エリア内にある各アクティブ・ジャックにアドレスすることなく、別個のアクティブ・ジャックの数人にユーザによるネットワーク・アクセスを、ネットワーク・マネージャによって容易に管理するようなことも可能となる。本発明によるアクティブ・ジャックは、ネットワーク内に設けられている他のアクティブ・ジャックに接続することもでき、壁内に設けられているアクティブ・ジャックを、壁内に設けられている他のアクティブ・ジャックに接続することができ、更に壁内に設けられているアクティブ・ジャックを、壁内に設けられている他のアクティブ・ジャック、またはパッチ・パネル内に設けられているアクティブ・ジャックに接続することもできる。更に、本発明によるネットワーク・アーキテクチャの中には、パッチ・パネル内に設けられているアクティブ・ジャックを、パッチ・パネル内に設けられている他のネットワーク・ジャックに接続できるものもある。
【0045】
図15に示すような多重住居ユニットにおけるアクティブ・ジャックの使用により、個々のケーブルの範囲で通信の問題を特定可能となることによって、サービス提供業者にとってケーブル管理が強化される。また、アクティブ・ジャックの集中管理および監視により、不正ネットワーク・アクセス、即ち、ネットワーク「無断使用」がなされようとしているか否か、ネットワーク・マネージャが判断することが可能となり、更に不正アクセスが行われようとした物理な位置を判断するために必要な情報をネットワーク・マネージャに提供する。
【0046】
アクティブ・ジャックをパッチ・パネルまたは壁ジャックに一体化すると、接続情報を上流に向けて遠隔地にあるネットワーク管理システムに送ることができるので、技術者を離れた現場に派遣して機器状態を判定したり、機器を点検する必要性を低減することができ、しかも多くの場合不要にすることができる。ここに記載したその他の多重ユーザ実施形態に関して、少数のユーザのみを示したが、本発明は、より多くのユーザとの実施でも容易にするために用いることができる。
【0047】
本発明によるアクティブ・ジャックは、イーサネット・システムの物理的範囲を広げるために用いることができる。受信した信号を再生することによって、通信経路に沿って配置したアクティブ・ジャックは、信号の有効範囲を広げるように機能し、一層頑強な通信経路が得られる。また、本発明の一部の実施形態における各アクティブ・ジャックは、イーサネット信号を再生するので、IPスイッチおよびルータをパッチ・パネルと一緒に配置する必要はない。更に、アクティブ・ジャックはパッチ・パネル内または壁ジャックに設けることができるので、通信経路は、コストを低く抑えつつ、アクティブ・ジャックの配置を最大限利用するように設計することができる。また、アクティブ・ジャックは、ワイヤレス・アクセス・ポイント(「WAP」)のような、ワイヤレス・ネットワーク・エレメントと組み合わせて使用し、ワイヤレス・ネットワークにおいてアクティブ・ジャックの特徴を得ることができる。
【0048】
図16は、アクティブ・ジャックを用いてネットワークの範囲を拡大した通信ネットワークのブロック図を示す。図16のネットワークにおいて、スイッチのようなネットワーク・エレメント188は、第1半径「R1」を有し、その内部ではネットワーク・エレメントは有線接続を通じてネットワーク信号を導通させることができる。したがって、ネットワーク・エレメント188は、第1の破線円「C1」で示す動作可能エリア190を有する。ネットワーク・エレメント188の動作可能エリア190の周囲付近に配置したアクティブ・ジャック10に有線接続192を設けることにより、システムの有効エリアが拡大する。何故なら、アクティブ・ジャック10は通信信号を再生できるからである。第2半径「R2」を有する第2の円「C2」は、アクティブ・ジャック10を採用すると得られる、拡大有効エリア194を示す。多数のアクティブ・ジャック10を用いることにより、またはアクティブ・ジャック10からワイヤレス・アクセス・ポイント198に追加の有線接続196を設けることによって、更に拡大することも可能である。尚、図16に示すような範囲拡大のために用いるアクティブ・ジャックは、壁ジャックとして、またはパッチ・パネル内部のアクティブ・ジャックとして設けてもよいことは言うまでもない。更に、ワイヤレス・アクセス・ポイント198およびアクティブ・ジャック10は、個々のネットワーク用途において所望通りに種々の構成で展開でき、アクティブ・ジャックは、ワイヤレス・アクセス・ポイントが担当するエリア内に設けると、追加のケーブル線に沿ってワイヤレス・アクセス・ポイントからの信号を再生できることも言うまでもない。加えて、図16では、R1およびR2を互いにほぼ同等に示したが、本発明の一部の実施形態では、2つの異なる半径を用いてもよいことは認められてしかるべきである。ワイヤレス・アクセス・ポイントおよびデュアル・ホーミング・アクティブ・ジャック(図4bを参照して先に説明した)を用いると、主ワイヤレス・アクセス・ポイントにネットワーク上の問題が生じた場合に、主ワイヤレス・アクセス・ポイントから副ワイヤレス・アクセス・ポイントにデバイスのアクセスを切り換えることができる。
【0049】
以上、本発明の特定的な実施形態および用途について図示し説明してきたが、本発明は、ここに開示した構造および構成そのものに限定されるのではなく、種々の修正、変更、および変形も、添付した特許請求の範囲に規定した、本発明の精神および範囲から逸脱することなく前述の説明から明白となり得ることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1a】図1aは、アクティブ壁ジャックの等幅図である。
【図1b】図1bは、アクティブ壁ジャックの側面図である。
【図2a】図2aは、アクティブ壁ジャックの模式図である。
【図2b】図2bは、アクティブ壁ジャックの代替実施形態の模式ブロック図である。
【図3a】図3aは、取り出しパネルにおけるアクティブおよび標準壁ジャックの様々な構成を示す。
【図3b】図3bは、取り出しパネルにおけるアクティブおよび標準壁ジャックの様々な構成を示す。
【図3c】図3cは、取り出しパネルにおけるアクティブおよび標準壁ジャックの様々な構成を示す。
【図4a】図4aは、本発明によるアクティブ壁ジャックの代替実施形態の側面図である。
【図4b】図4bは、本発明によるアクティブ壁ジャックの代替実施形態の側面図である。
【図4c】図4cは、本発明によるアクティブ壁ジャックの代替実施形態の側面図である。
【図4d】図4dは、本発明によるアクティブ壁ジャックの代替実施形態の側面図である。
【図5】図5は、位置データのアクティブ壁ジャックへの入力を示すブロック図である。
【図6】図6は、アクティブ壁ジャックに用いる電力分配およびケーブル管理方式を示すブロック図である。
【図7】図7は、本発明の一実施形態によるアクティブ・ジャックを用いた通信ネットワークを示すブロック図である。
【図8】図8は、アクティブ・ジャックを有するパッチ・パネルを組み込んだ緊急給電システムを示すブロック図である。
【図9】図9は、アクティブ・ジャックおよび共有回路を有するパネル・ジャックの模式図である。
【図10】図10は、本発明の一実施形態によるアクティブ・ジャックの模式図である。
【図11】図11は、本発明の一実施形態によるパッチ・パネルの実施態様のブロック図である。
【図12】図12は、本発明の別の実施形態によるパッチ・パネルの実施態様のブロック図である。
【図13】図13は、本発明の別の実施形態によるパッチ・パネルの実施態様のブロック図である。
【図14】図14は、本発明の別の実施形態によるパッチ・パネルの実施態様のブロック図である。
【図15】図15は、本発明の一実施形態による多重住居(multiple-dwelling)ユニット・ネットワークのブロック図である。
【図16】図16は、本発明の一実施形態によるネットワークのブロック図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワーク壁パネルであって、
1つ以上のユーザ・デバイスに接続するための1つ以上のユーザ側通信接続部と、
1つ以上のネットワーク側通信接続部であって、該ネットワーク側通信接続部の少なくとも1つは、前記ユーザ側通信接続部の少なくとも1つに対応する、ネットワーク側通信接続部と、
ネットワーク・ポート識別コンポーネントであって、これに関連したネットワーク・ポート識別アドレスを有する、ネットワーク・ポート識別コンポーネントと、
を備えている、通信ネットワーク壁パネル。
【請求項2】
請求項1記載の通信ネットワーク壁パネルにおいて、前記ユーザ・デバイスは、受電デバイスである、通信ネットワーク壁パネル。
【請求項3】
請求項2記載の通信ネットワーク壁パネルであって、更に、前記ネットワーク・ポート識別コンポーネントおよび前記受電デバイスに電力を供給するように構成された電力管理コンポーネントを備えている、通信ネットワーク壁パネル。
【請求項4】
請求項1記載の通信ネットワーク壁パネルであって、更に熱消散コンポーネントを備えている、通信ネットワーク壁パネル。
【請求項5】
請求項4記載の通信ネットワーク壁パネルにおいて、前記熱消散コンポーネントは、前記電力管理コンポーネントから、前記1つ以上のユーザ側通信接続部を収容するユーザ側パネルまで延在する導電性部材である、通信ネットワーク壁パネル。
【請求項6】
請求項3記載の通信ネットワーク壁パネルにおいて、前記電力管理コンポーネントは、前記ユーザ側通信接続部および前記ネットワーク側通信接続部の一方または双方から電力を受け取り、前記ネットワーク・ポート識別コンポーネントによる使用のために前記電力を変換する、DC−DC電力変換器を備えている、通信ネットワーク壁パネル。
【請求項7】
請求項1記載の通信ネットワーク壁パネルであって、更に、前記ユーザ側通信接続部の1つ以上と、前記1つ以上のネットワーク側通信接続部の対応するものとの間におけるデータ流を可能化または不可能化する、アドレス可能なスイッチを備えている、通信ネットワーク壁パネル。
【請求項8】
請求項1記載のネットワーク壁パネルにおいて、前記ユーザ・デバイスは、受電デバイスではない、ネットワーク壁パネル。
【請求項9】
請求項1記載のネットワーク壁パネルであって、更に、前記ネットワーク壁パネルの設置、監視、および制御を容易にするための1つ以上の光インディケータを備えている、ネットワーク壁パネル。
【請求項10】
請求項1記載のネットワーク壁パネルにおいて、前記ネットワーク側通信接続部は少なくとも2つあり、前記ネットワーク側通信接続部のうち主接続部は主ネットワークに接続されており、前記ネットワーク側接続部のうちの副接続部は、副ネットワークに接続されており、前記ネットワーク壁パネルは、更に、前記主ネットワークに関連する通信問題の検出時に、前記ユーザ側通信接続部の少なくとも1つからの通信についての前記主ネットワークから前記副ネットワークへのスイッチングを可能にするスイッチを備えている、ネットワーク壁パネル。
【請求項11】
ネットワーク・エレメントの物理位置全体においてネットワーク接続部を管理するシステムであって、
ルータと、
前記ルータと通信するように構成されたネットワーク管理プログラムと、前記ルータと通信状態にある複数のネットワーク壁パネルであって、該ネットワーク壁パネルは、ユーザ側通信接続部と、ネットワーク側通信接続部とを備えており、前記複数のネットワーク壁パネルは、前記ネットワーク・エレメントの複数の壁パネル物理位置に設けられており、更に、壁パネル識別アドレスが関連する電子壁パネル識別コンポーネントを備えており、前記壁パネル識別コンポーネントが、前記識別アドレスによって、前記ネットワーク管理プログラムからの問い合わせに応答する、ネットワーク壁パネルと、
前記ルータと通信状態にあるネットワーク管理データベースであって、該ネットワーク管理データベースは、前記複数の壁パネル物理位置を、前記電子壁パネル識別コンポーネントと関連した前記識別アドレスとリンクするデータを収容する、ネットワーク管理データベースと、
を備えている、システム。
【請求項12】
請求項11記載のシステムにおいて、前記識別アドレスは、メディア・アクセス制御アドレスであり、前記電子壁パネル識別コンポーネントは、メディア・アクセス制御チップである、システム。
【請求項13】
請求項11記載のシステムであって、更に、前記ネットワーク壁パネルの前記ユーザ側通信接続部に接続された複数のボイス・オーバー・インターネット・プロトコル電話機を備えており、該ボイス・オーバー・インターネット・プロトコル電話機が、緊急通話を行うように構成された、システム。
【請求項14】
請求項13記載のシステムにおいて、前記ネットワーク管理プログラムは、前記ボイス・オーバー・インターネット・プロトコル・フォンが接続された前記ネットワーク壁パネルの電子壁パネル識別コンポーネントに関連した識別アドレスと関連する前記壁パネル物理位置を、外部緊急時供給業者に供給することにより、前記ボイス・オーバー・インターネット・プロトコル電話機の1つからの緊急コールに応答するように構成された、システム。
【請求項15】
通信ネットワークを設置する方法であって、
複数の壁ジャック物理位置に、複数のネットワーク壁ジャックを設置するステップであって、前記ネットワーク壁ジャックが、ユーザ側接続部とネットワーク側接続部と、壁ジャック識別アドレスが関連した電子壁ジャック識別コンポーネントとを備える、ステップと、
前記壁ジャック物理位置に関する情報を、前記壁ジャック識別アドレスと関連付けるステップと、
前記壁ジャック物理位置情報および前記関連付けた壁ジャック識別アドレスを記録するステップと、
前記通信ネットワークにとってアクセス可能なデータベースに、前記壁ジャック物理位置情報および前記関連付けた壁ジャック識別アドレスを格納するステップと、
を備えている、方法。
【請求項16】
請求項15記載の方法において、前記壁ジャック物理位置情報および前記関連付けた壁ジャック識別アドレスを格納するステップは、前記壁ジャック物理位置情報および前記関連付けた壁ジャック識別アドレスを、前記通信システムにおける前記壁ジャックの上流側にあるルータ内に常駐するE911アプリケーション・プログラムのデータベースに格納することを含む、方法。
【請求項17】
請求項15記載の方法において、前記壁ジャック物理位置情報および前記関連付けた壁ジャック識別アドレスを記録するステップは、前記壁ジャック物理位置情報および前記壁ジャック識別アドレスを試験機器に記録することを含む、方法。
【請求項18】
請求項15記載の方法において、前記壁ジャック物理位置情報および前記関連付けた壁ジャック識別アドレスを記録するステップは、前記壁ジャック物理位置情報および前記壁ジャック識別アドレスをパーソナル・コンピュータに記録することを含む、方法。
【請求項19】
請求項15記載の方法であって、更に、前記ネットワークのルータ内に緊急通話管理システムを設けるステップを含み、前記緊急通話管理システムが前記データベースにアクセスするように構成された。方法。
【請求項20】
請求項15記載の方法であって、更に、設置命令を格納し、該設置命令を通信ネットワーク・インストーラに供給するステップを含み、前記命令が、前記通信ネットワーク・インストーラに、前記壁ジャック物理位置情報を前記壁ジャック識別アドレスとどのように関連付けるか知らせる、方法。
【請求項21】
請求項20記載の方法において、前記設置命令を格納するステップは、前記設置命令を、前記ネットワーク壁ジャック内に設けられているメモリに格納することを含む、方法。
【請求項22】
請求項20記載の方法において、前記設置命令を格納するステップは、前記設置命令を、設置試験機器内に設けられているメモリに格納することを含む、方法。
【請求項23】
請求項20記載の方法において、前記設置命令を格納するステップは、前記設置命令を、パーソナル・コンピュータ内に設けられているメモリに格納することを含む、方法。
【請求項24】
請求項15記載の方法において、前記壁ジャック物理位置情報および前記関連付けた壁ジャック識別アドレスを記録するステップは、前記ネットワーク壁ジャックの設置中に試験機器内に前記壁ジャック物理位置情報および前記関連付けた壁ジャック識別アドレスを記録し、前記壁ジャック物理位置情報および前記関連付けた壁ジャック識別アドレスを前記データベースにアップロードすることを含む、方法。
【請求項25】
請求項15記載の方法であって、更に、前記ネットワーク壁ジャック上に設けられた光インディケータによって、前記ネットワーク壁ジャックの設置ステータスを目視可能に示すステップを含む、方法。
【請求項26】
通信ネットワークにおいてセキュリティを提供する方法であって、
前記ネットワークにおける物理位置に、複数のネットワーク壁ジャックを設けるステップであって、前記ネットワーク壁ジャックが、ネットワーク側コネクタおよびユーザ側コネクタを備えており、識別アドレスを内部に格納してある電子識別モジュールを有する、ステップと、
前記ネットワーク壁ジャックの前記識別アドレスを、前記ネットワーク壁ジャックを設けた前記物理位置と関連付けるステップと、
少なくとも1つのネットワーク・ルータを用いて、前記ネットワーク壁ジャックへデータを、そして前記ネットワーク壁ジャックからデータを送るステップと、
承認された物理位置と関連付けられた識別アドレスを有するネットワーク壁ジャックによって、前記通信ネットワークへのアクセスを制限することにより、前記物理位置の所定のもののみによる前記通信ネットワーク・アクセスを許可するステップと、
を備えている、方法。
【請求項27】
請求項26記載の方法であって、一日のうち特定の時間に、前記物理位置のうち所定のものによる前記通信ネットワークへのアクセスを行わせるステップを含む、方法。
【請求項28】
通信ネットワークを文書化するシステムであって、
ネットワーク管理プログラムを実行するネットワーク管理コンピュータと、
前記ネットワーク管理コンピュータに接続されたルータと、
前記ルータに接続された複数のネットワーク壁ジャックであって、該ネットワーク壁ジャックは、前記ルータへの接続のためのネットワーク側コネクタと、ユーザ・デバイスへの接続のためのユーザ側コネクタとを備えており、更に、識別コードが関連した識別電子回路を備えている、ネットワーク壁ジャックと、
ネットワーク管理データベースと、
を備えており、
前記ネットワーク管理コンピュータは、前記ルータを通じて前記ネットワーク壁ジャックに問い合わせるように構成されており、前記ネットワーク壁ジャックの各々は、その関連した識別コードで前記問い合わせに応答するように構成された、システム。
【請求項29】
請求項28記載のシステムにおいて、前記ネットワーク壁ジャックの各々は、前記ネットワーク壁ジャックの各々に接続された前記ユーザ・デバイスに関連するユーザ・デバイス識別コードで、前記問い合わせに応答するように構成された、システム。
【請求項30】
請求項29記載のシステムにおいて、前記ネットワーク管理データベースは、前記ユーザ・デバイス識別コードを、ネットワーク一覧における前記ネットワーク壁ジャックの各々に対応する物理位置情報とまとめるように構成された、システム。
【請求項31】
通信パッチ・パネルであって、
前記通信パッチ・パネルから下流のネットワーク・コンポーネントからデータ信号を受け入れ、前記下流のネットワーク・コンポーネントにデータ信号を送る複数の下流側ネットワーク・ポートと、
前記通信パッチ・パネルの上流のネットワーク・コンポーネントからデータ信号を受け入れ、前記上流のネットワーク・コンポーネントへデータ信号を送る複数の上流側ネットワーク・ポートであって、該上流側ネットワーク・ポートの各々は、前記上流側ネットワーク・ポートと前記下流側ネットワーク・ポートとの間でデータ信号を送信して上流−下流ポート対を形成するために、前記下流側ネットワーク・ポートの対応する1つに接続されている、上流側ネットワーク・ポートと、
複数のポート識別コンポーネントであって、該ポート識別コンポーネントの各々は、これに関連したポート識別アドレスを有し、前記ポート識別コンポーネントの各々は、前記上流−下流ポート対の1つと関連付けられている、ポート識別コンポーネントと、
を備えている、通信パッチ・パネル。
【請求項32】
請求項31記載の通信パッチ・パネルにおいて、前記ポート識別コンポーネントは、ネットワークにおける前記通信パッチ・パネルの上流または下流に位置するネットワーク・コンポーネントに前記ポート識別アドレスを送るように構成された、通信パッチ・パネル。
【請求項33】
請求項31記載の通信パッチ・パネルにおいて、前記上流−下流ポート対の各々およびその関連したポート識別コンポーネントは、アクティブ・パッチ・パネル・ジャックであり、前記通信パネル・パッチは、更に、前記パッチ・パネルの複数の前記ポート識別コンポーネントに第1電圧の電力を供給する電力変換器を備えており、前記アクティブ・パッチ・パネル・ジャックの1つは、給電機器から第2電圧の電力を受け入れ、該第2電圧の前記電力を前記電力変換器に送る電力受容パッチ・パネル・ジャックである、通信パッチ・パネル。
【請求項34】
請求項33記載の通信パッチ・パネルであって、更に、前記上流側ネットワーク・ポートの各々と関連する少なくとも1つの光インディケータを備えており、該少なくとも1つの光インディケータは、前記対応する上流側ネットワーク・ポートのネットワーク・ステータスを示す、通信パッチ・パネル。
【請求項35】
請求項33記載の通信パッチ・パネルであって、更に、前記下流側ネットワーク・ポートの各々と関連する少なくとも1つの光インディケータを備えており、該少なくとも1つの光インディケータは、前記対応する下流側ネットワーク・ポートのネットワーク・ステータスを示す、通信パッチ・パネル。
【請求項36】
請求項33記載の通信パッチ・パネルであって、更に、前記上流側ネットワーク・ポートの各々と関連する少なくとも1つの上流側光インディケータと、前記下流側ネットワーク・ポートの各々と関連する少なくとも1つの下流側光インディケータとを備えており、該光インディケータは、それらの対応するネットワーク・ポートのネットワーク・ステータスを示す、通信パッチ・パネル。
【請求項37】
請求項33記載の通信パッチ・パネルであって、更に、前記ネットワーク・ポートの少なくとも1つと関連した少なくとも1つの遠隔アドレス可能なネットワーク・ポート・スイッチを備えており、少なくとも1つのネットワーク・ポートを介して、通信を可能化または不可能化するように、前記遠隔アドレス可能なネットワーク・ポート・スイッチを遠隔から制御する、通信パッチ・パネル。
【請求項38】
通信システムであって、
複数のネットワーク壁ジャックであって、各々、ユーザ側通信接続部と、ネットワーク側通信接続部と、前記ネットワーク壁ジャックに対応する壁ジャック識別情報を格納する識別モジュールとを備えている、ネットワーク壁ジャックと、
通信ケーブルを通じて前記複数のネットワーク壁ジャックに接続されたネットワーク機器と、
ネットワーク管理プログラムを実行し、前記ネットワーク機器に接続された、ネットワーク管理システムと、
前記ネットワーク管理プログラムによる使用のために情報を格納するデータベースと、
を備えている、通信システム。
【請求項39】
請求項38記載のシステムにおいて、前記ネットワーク管理プログラムは、前記通信ネットワーク全体にわたって問い合わせ信号を送信するように構成された、システム。
【請求項40】
請求項39記載のシステムにおいて、前記ネットワーク壁ジャックの前記識別モジュールは、前記識別情報で前記問い合わせ信号に応答するように構成された、システム。
【請求項41】
請求項39記載のシステムにおいて、前記通信ネットワークは、前記複数のネットワーク壁ジャックのうちの1つ以上のものの前記ユーザ側通信接続部に接続されたユーザ・デバイスを備えており、前記ネットワーク壁ジャックは、前記壁ジャック識別情報と、前記ネットワーク壁ジャックに接続された前記ユーザ・デバイスに関連する識別情報とで、前記問い合わせ信号に応答するように構成された、システム。
【請求項42】
請求項41記載のシステムにおいて、前記データベースは、前記ネットワーク壁ジャックの物理位置に対応する物理位置情報を収容しており、ネットワーク管理プログラムは、前記壁ジャック識別情報と、前記ネットワーク壁ジャックに接続された前記ユーザ・デバイスに関連する前記識別情報とを受け入れ、前記壁ジャック識別情報を、個々のネットワーク壁ジャックに接続された前記ユーザ・デバイスに関連する前記識別情報と関連付けることによって、ネットワーク一覧を構築するように構成された、システム。
【請求項43】
請求項42記載のシステムにおいて、前記ネットワーク一覧は、複数のエントリを備えており、該エントリの各々は、前記ネットワーク壁ジャックの物理位置に対応する前記物理位置情報を備えており、更に、個々の壁ジャックに接続された前記ユーザ・デバイスに関連する前記識別情報を備えている、システム。
【請求項44】
請求項42記載のシステムにおいて、前記ユーザ・デバイスに関連する前記識別情報は、前記ユーザ・デバイスに関連するメディア・アクセス制御アドレスを含む、システム。
【請求項45】
請求項38記載のシステムにおいて、前記ネットワーク壁ジャックの少なくとも1つは、前記ネットワーク壁ジャックのうちの別の1つに水平ケーブルによって接続された、システム。
【請求項46】
請求項38記載のシステムにおいて、前記ネットワーク機器は、内部に少なくとも1つのパッチ・パネル・アクティブ・ジャックが設けられている少なくとも1つのネットワーク・パッチ・パネルを備えている、システム。
【請求項47】
請求項46記載のシステムにおいて、前記少なくとも1つのパッチ・パネル・アクティブジャックは、ネットワーク・ケーブルを通じて、前記ネットワーク壁ジャックの少なくとも1つに接続された、システム。
【請求項48】
請求項46記載のシステムにおいて、前記ネットワーク機器は、第1および第2ネットワーク・パッチ・パネルである少なくとも2つのネットワーク・パッチ・パネルを備えており、該少なくとも2つのネットワーク・パッチ・パネルの各々は、内部に設けられた少なくとも1つのパッチ・パネル・アクティブ・ジャックを備えており、前記第1ネットワーク・パッチ・パネルの前記少なくとも1つのパッチ・パネル・アクティブ・ジャックは、ネットワーク・ケーブルを通じて、前記第2ネットワーク・パッチ・パネルの前記少なくとも1つのパッチ・パネル・アクティブ・ジャックに接続された、システム。
【請求項49】
請求項38記載のシステムにおいて、前記ネットワーク機器は、ルータを備えている、システム。
【請求項50】
通信システムであって、
通信サービス提供業者への少なくとも1つの上流側接続部と、少なくとも1つの広帯域ルータ下流側接続部とを備えている、少なくとも1つの広帯域ルータと、
前記広帯域ルータ下流側接続部への少なくとも1つの上流側接続部と、少なくとも1つのパッチ・パネル下流側接続部とを備えている、少なくとも1つのパッチ・パネルであって、該パッチ・パネルの前記接続部が、パッチ・パネル・アクティブ・ジャックを介して形成された、少なくとも1つのパッチ・パネルと、
少なくとも1つのユーザ・ジャックであって、該ユーザ・ジャックは、前記パッチ・パネル下流側接続部への上流側接続部と、少なくとも1つのユーザ・デバイスへの下流側接続部とを有し、前記パッチ・パネルへの前記上流側接続部と、前記少なくとも1つのユーザ・デバイスへの前記下流側接続部が、ユーザ・アクティブ・ジャックを介して形成された、ユーザ・ジャックと、
を備えている、通信システム。
【請求項51】
請求項50記載の通信システムにおいて、前記システムは、多重住居ユニット内に展開され、前記少なくとも1つのユーザ・ジャックは、ユーザの住宅内に配置された、通信システム。
【請求項52】
請求項51記載の通信システムであって、更に、前記少なくとも1つの広帯域ルータと通信状態にあるネットワーク管理システムを備えており、前記ユーザ・アクティブ・ジャックの各々には、前記パッチ・パネルへの前記上流側接続部と、前記少なくとも1つのユーザ・デバイスへの前記下流側接続部との間の通信を可能化または不可能化するためのユーザ・アクティブ・ジャック・スイッチが設けられており、前記アクティブ・ジャックスイッチは、前記ネットワーク管理システムからの信号に応答して切り替わる、通信システム。
【請求項53】
請求項52記載の通信システムにおいて、前記ユーザ・アクティブ・ジャックの各々は、アクティブ・ジャック・ロジックと、アクティブ・ジャック・メモリとを備えており、前記アクティブ・ジャック・メモリは、アクティブ・ジャック識別情報を備えており、前記アクティブ・ジャック・ロジックは、前記識別情報を上流に向けて前記広帯域ルータに送ることにより前記ネットワーク管理システムからの問い合わせに応答する、通信システム。
【請求項54】
請求項52記載の通信システムにおいて、前記通信システムのユーザによる料金支払いに応答して、前記パッチ・パネルへの前記上流接続部と、前記少なくとも1つのユーザ・デバイスへの前記下流側接続との間の通信の可能化または不可能化を実行する、通信システム。
【請求項55】
通信システムであって、
水平ケーブルを通じて少なくとも1つのネットワーキング・デバイスに接続する少なくとも1つのアクティブ・ジャックを備えており、該少なくとも1つのアクティブ・ジャックは、ネットワーク側接続部と、ユーザ側接続部と、前記アクティブ・ジャックに関連する識別情報を格納する記憶コンポーネントと、前記アクティブ・ジャックの接続ステータスを示す少なくとも1つのインディケータ・ライトとを備えており、前記アクティブ・ジャックは、更に、当該アクティブ・ジャックのユーザ側接続部において、少なくとも1つのユーザ・デバイスに接続するように構成されており、前記アクティブ・ジャックは、前記少なくとも1つのネットワーキング・デバイスに、前記少なくとも1つのユーザ・デバイスへのその接続部のステータスを報告することによって、前記ネットワーク・デバイスと前記ユーザ・デバイスとの間の通信経路に沿って障害の区分化を可能にするように構成された、通信システム。
【請求項56】
請求項55記載の通信システムにおいて、前記ネットワーキング・デバイスは、パッチ・パネルである、通信システム。
【請求項57】
請求項55記載の通信システムにおいて、前記通信システムは、受電通信システムであり、前記アクティブ・ジャックは、前記水平ケーブルから、アクティブ・ジャック・コンポーネントの動作に必要な電力を消費し、前記ユーザ側接続部を介して未使用電力を送るためするように構成された、通信システム。
【請求項1】
通信ネットワーク壁パネルであって、
1つ以上のユーザ・デバイスに接続するための1つ以上のユーザ側通信接続部と、
1つ以上のネットワーク側通信接続部であって、該ネットワーク側通信接続部の少なくとも1つは、前記ユーザ側通信接続部の少なくとも1つに対応する、ネットワーク側通信接続部と、
ネットワーク・ポート識別コンポーネントであって、これに関連したネットワーク・ポート識別アドレスを有する、ネットワーク・ポート識別コンポーネントと、
を備えている、通信ネットワーク壁パネル。
【請求項2】
請求項1記載の通信ネットワーク壁パネルにおいて、前記ユーザ・デバイスは、受電デバイスである、通信ネットワーク壁パネル。
【請求項3】
請求項2記載の通信ネットワーク壁パネルであって、更に、前記ネットワーク・ポート識別コンポーネントおよび前記受電デバイスに電力を供給するように構成された電力管理コンポーネントを備えている、通信ネットワーク壁パネル。
【請求項4】
請求項1記載の通信ネットワーク壁パネルであって、更に熱消散コンポーネントを備えている、通信ネットワーク壁パネル。
【請求項5】
請求項4記載の通信ネットワーク壁パネルにおいて、前記熱消散コンポーネントは、前記電力管理コンポーネントから、前記1つ以上のユーザ側通信接続部を収容するユーザ側パネルまで延在する導電性部材である、通信ネットワーク壁パネル。
【請求項6】
請求項3記載の通信ネットワーク壁パネルにおいて、前記電力管理コンポーネントは、前記ユーザ側通信接続部および前記ネットワーク側通信接続部の一方または双方から電力を受け取り、前記ネットワーク・ポート識別コンポーネントによる使用のために前記電力を変換する、DC−DC電力変換器を備えている、通信ネットワーク壁パネル。
【請求項7】
請求項1記載の通信ネットワーク壁パネルであって、更に、前記ユーザ側通信接続部の1つ以上と、前記1つ以上のネットワーク側通信接続部の対応するものとの間におけるデータ流を可能化または不可能化する、アドレス可能なスイッチを備えている、通信ネットワーク壁パネル。
【請求項8】
請求項1記載のネットワーク壁パネルにおいて、前記ユーザ・デバイスは、受電デバイスではない、ネットワーク壁パネル。
【請求項9】
請求項1記載のネットワーク壁パネルであって、更に、前記ネットワーク壁パネルの設置、監視、および制御を容易にするための1つ以上の光インディケータを備えている、ネットワーク壁パネル。
【請求項10】
請求項1記載のネットワーク壁パネルにおいて、前記ネットワーク側通信接続部は少なくとも2つあり、前記ネットワーク側通信接続部のうち主接続部は主ネットワークに接続されており、前記ネットワーク側接続部のうちの副接続部は、副ネットワークに接続されており、前記ネットワーク壁パネルは、更に、前記主ネットワークに関連する通信問題の検出時に、前記ユーザ側通信接続部の少なくとも1つからの通信についての前記主ネットワークから前記副ネットワークへのスイッチングを可能にするスイッチを備えている、ネットワーク壁パネル。
【請求項11】
ネットワーク・エレメントの物理位置全体においてネットワーク接続部を管理するシステムであって、
ルータと、
前記ルータと通信するように構成されたネットワーク管理プログラムと、前記ルータと通信状態にある複数のネットワーク壁パネルであって、該ネットワーク壁パネルは、ユーザ側通信接続部と、ネットワーク側通信接続部とを備えており、前記複数のネットワーク壁パネルは、前記ネットワーク・エレメントの複数の壁パネル物理位置に設けられており、更に、壁パネル識別アドレスが関連する電子壁パネル識別コンポーネントを備えており、前記壁パネル識別コンポーネントが、前記識別アドレスによって、前記ネットワーク管理プログラムからの問い合わせに応答する、ネットワーク壁パネルと、
前記ルータと通信状態にあるネットワーク管理データベースであって、該ネットワーク管理データベースは、前記複数の壁パネル物理位置を、前記電子壁パネル識別コンポーネントと関連した前記識別アドレスとリンクするデータを収容する、ネットワーク管理データベースと、
を備えている、システム。
【請求項12】
請求項11記載のシステムにおいて、前記識別アドレスは、メディア・アクセス制御アドレスであり、前記電子壁パネル識別コンポーネントは、メディア・アクセス制御チップである、システム。
【請求項13】
請求項11記載のシステムであって、更に、前記ネットワーク壁パネルの前記ユーザ側通信接続部に接続された複数のボイス・オーバー・インターネット・プロトコル電話機を備えており、該ボイス・オーバー・インターネット・プロトコル電話機が、緊急通話を行うように構成された、システム。
【請求項14】
請求項13記載のシステムにおいて、前記ネットワーク管理プログラムは、前記ボイス・オーバー・インターネット・プロトコル・フォンが接続された前記ネットワーク壁パネルの電子壁パネル識別コンポーネントに関連した識別アドレスと関連する前記壁パネル物理位置を、外部緊急時供給業者に供給することにより、前記ボイス・オーバー・インターネット・プロトコル電話機の1つからの緊急コールに応答するように構成された、システム。
【請求項15】
通信ネットワークを設置する方法であって、
複数の壁ジャック物理位置に、複数のネットワーク壁ジャックを設置するステップであって、前記ネットワーク壁ジャックが、ユーザ側接続部とネットワーク側接続部と、壁ジャック識別アドレスが関連した電子壁ジャック識別コンポーネントとを備える、ステップと、
前記壁ジャック物理位置に関する情報を、前記壁ジャック識別アドレスと関連付けるステップと、
前記壁ジャック物理位置情報および前記関連付けた壁ジャック識別アドレスを記録するステップと、
前記通信ネットワークにとってアクセス可能なデータベースに、前記壁ジャック物理位置情報および前記関連付けた壁ジャック識別アドレスを格納するステップと、
を備えている、方法。
【請求項16】
請求項15記載の方法において、前記壁ジャック物理位置情報および前記関連付けた壁ジャック識別アドレスを格納するステップは、前記壁ジャック物理位置情報および前記関連付けた壁ジャック識別アドレスを、前記通信システムにおける前記壁ジャックの上流側にあるルータ内に常駐するE911アプリケーション・プログラムのデータベースに格納することを含む、方法。
【請求項17】
請求項15記載の方法において、前記壁ジャック物理位置情報および前記関連付けた壁ジャック識別アドレスを記録するステップは、前記壁ジャック物理位置情報および前記壁ジャック識別アドレスを試験機器に記録することを含む、方法。
【請求項18】
請求項15記載の方法において、前記壁ジャック物理位置情報および前記関連付けた壁ジャック識別アドレスを記録するステップは、前記壁ジャック物理位置情報および前記壁ジャック識別アドレスをパーソナル・コンピュータに記録することを含む、方法。
【請求項19】
請求項15記載の方法であって、更に、前記ネットワークのルータ内に緊急通話管理システムを設けるステップを含み、前記緊急通話管理システムが前記データベースにアクセスするように構成された。方法。
【請求項20】
請求項15記載の方法であって、更に、設置命令を格納し、該設置命令を通信ネットワーク・インストーラに供給するステップを含み、前記命令が、前記通信ネットワーク・インストーラに、前記壁ジャック物理位置情報を前記壁ジャック識別アドレスとどのように関連付けるか知らせる、方法。
【請求項21】
請求項20記載の方法において、前記設置命令を格納するステップは、前記設置命令を、前記ネットワーク壁ジャック内に設けられているメモリに格納することを含む、方法。
【請求項22】
請求項20記載の方法において、前記設置命令を格納するステップは、前記設置命令を、設置試験機器内に設けられているメモリに格納することを含む、方法。
【請求項23】
請求項20記載の方法において、前記設置命令を格納するステップは、前記設置命令を、パーソナル・コンピュータ内に設けられているメモリに格納することを含む、方法。
【請求項24】
請求項15記載の方法において、前記壁ジャック物理位置情報および前記関連付けた壁ジャック識別アドレスを記録するステップは、前記ネットワーク壁ジャックの設置中に試験機器内に前記壁ジャック物理位置情報および前記関連付けた壁ジャック識別アドレスを記録し、前記壁ジャック物理位置情報および前記関連付けた壁ジャック識別アドレスを前記データベースにアップロードすることを含む、方法。
【請求項25】
請求項15記載の方法であって、更に、前記ネットワーク壁ジャック上に設けられた光インディケータによって、前記ネットワーク壁ジャックの設置ステータスを目視可能に示すステップを含む、方法。
【請求項26】
通信ネットワークにおいてセキュリティを提供する方法であって、
前記ネットワークにおける物理位置に、複数のネットワーク壁ジャックを設けるステップであって、前記ネットワーク壁ジャックが、ネットワーク側コネクタおよびユーザ側コネクタを備えており、識別アドレスを内部に格納してある電子識別モジュールを有する、ステップと、
前記ネットワーク壁ジャックの前記識別アドレスを、前記ネットワーク壁ジャックを設けた前記物理位置と関連付けるステップと、
少なくとも1つのネットワーク・ルータを用いて、前記ネットワーク壁ジャックへデータを、そして前記ネットワーク壁ジャックからデータを送るステップと、
承認された物理位置と関連付けられた識別アドレスを有するネットワーク壁ジャックによって、前記通信ネットワークへのアクセスを制限することにより、前記物理位置の所定のもののみによる前記通信ネットワーク・アクセスを許可するステップと、
を備えている、方法。
【請求項27】
請求項26記載の方法であって、一日のうち特定の時間に、前記物理位置のうち所定のものによる前記通信ネットワークへのアクセスを行わせるステップを含む、方法。
【請求項28】
通信ネットワークを文書化するシステムであって、
ネットワーク管理プログラムを実行するネットワーク管理コンピュータと、
前記ネットワーク管理コンピュータに接続されたルータと、
前記ルータに接続された複数のネットワーク壁ジャックであって、該ネットワーク壁ジャックは、前記ルータへの接続のためのネットワーク側コネクタと、ユーザ・デバイスへの接続のためのユーザ側コネクタとを備えており、更に、識別コードが関連した識別電子回路を備えている、ネットワーク壁ジャックと、
ネットワーク管理データベースと、
を備えており、
前記ネットワーク管理コンピュータは、前記ルータを通じて前記ネットワーク壁ジャックに問い合わせるように構成されており、前記ネットワーク壁ジャックの各々は、その関連した識別コードで前記問い合わせに応答するように構成された、システム。
【請求項29】
請求項28記載のシステムにおいて、前記ネットワーク壁ジャックの各々は、前記ネットワーク壁ジャックの各々に接続された前記ユーザ・デバイスに関連するユーザ・デバイス識別コードで、前記問い合わせに応答するように構成された、システム。
【請求項30】
請求項29記載のシステムにおいて、前記ネットワーク管理データベースは、前記ユーザ・デバイス識別コードを、ネットワーク一覧における前記ネットワーク壁ジャックの各々に対応する物理位置情報とまとめるように構成された、システム。
【請求項31】
通信パッチ・パネルであって、
前記通信パッチ・パネルから下流のネットワーク・コンポーネントからデータ信号を受け入れ、前記下流のネットワーク・コンポーネントにデータ信号を送る複数の下流側ネットワーク・ポートと、
前記通信パッチ・パネルの上流のネットワーク・コンポーネントからデータ信号を受け入れ、前記上流のネットワーク・コンポーネントへデータ信号を送る複数の上流側ネットワーク・ポートであって、該上流側ネットワーク・ポートの各々は、前記上流側ネットワーク・ポートと前記下流側ネットワーク・ポートとの間でデータ信号を送信して上流−下流ポート対を形成するために、前記下流側ネットワーク・ポートの対応する1つに接続されている、上流側ネットワーク・ポートと、
複数のポート識別コンポーネントであって、該ポート識別コンポーネントの各々は、これに関連したポート識別アドレスを有し、前記ポート識別コンポーネントの各々は、前記上流−下流ポート対の1つと関連付けられている、ポート識別コンポーネントと、
を備えている、通信パッチ・パネル。
【請求項32】
請求項31記載の通信パッチ・パネルにおいて、前記ポート識別コンポーネントは、ネットワークにおける前記通信パッチ・パネルの上流または下流に位置するネットワーク・コンポーネントに前記ポート識別アドレスを送るように構成された、通信パッチ・パネル。
【請求項33】
請求項31記載の通信パッチ・パネルにおいて、前記上流−下流ポート対の各々およびその関連したポート識別コンポーネントは、アクティブ・パッチ・パネル・ジャックであり、前記通信パネル・パッチは、更に、前記パッチ・パネルの複数の前記ポート識別コンポーネントに第1電圧の電力を供給する電力変換器を備えており、前記アクティブ・パッチ・パネル・ジャックの1つは、給電機器から第2電圧の電力を受け入れ、該第2電圧の前記電力を前記電力変換器に送る電力受容パッチ・パネル・ジャックである、通信パッチ・パネル。
【請求項34】
請求項33記載の通信パッチ・パネルであって、更に、前記上流側ネットワーク・ポートの各々と関連する少なくとも1つの光インディケータを備えており、該少なくとも1つの光インディケータは、前記対応する上流側ネットワーク・ポートのネットワーク・ステータスを示す、通信パッチ・パネル。
【請求項35】
請求項33記載の通信パッチ・パネルであって、更に、前記下流側ネットワーク・ポートの各々と関連する少なくとも1つの光インディケータを備えており、該少なくとも1つの光インディケータは、前記対応する下流側ネットワーク・ポートのネットワーク・ステータスを示す、通信パッチ・パネル。
【請求項36】
請求項33記載の通信パッチ・パネルであって、更に、前記上流側ネットワーク・ポートの各々と関連する少なくとも1つの上流側光インディケータと、前記下流側ネットワーク・ポートの各々と関連する少なくとも1つの下流側光インディケータとを備えており、該光インディケータは、それらの対応するネットワーク・ポートのネットワーク・ステータスを示す、通信パッチ・パネル。
【請求項37】
請求項33記載の通信パッチ・パネルであって、更に、前記ネットワーク・ポートの少なくとも1つと関連した少なくとも1つの遠隔アドレス可能なネットワーク・ポート・スイッチを備えており、少なくとも1つのネットワーク・ポートを介して、通信を可能化または不可能化するように、前記遠隔アドレス可能なネットワーク・ポート・スイッチを遠隔から制御する、通信パッチ・パネル。
【請求項38】
通信システムであって、
複数のネットワーク壁ジャックであって、各々、ユーザ側通信接続部と、ネットワーク側通信接続部と、前記ネットワーク壁ジャックに対応する壁ジャック識別情報を格納する識別モジュールとを備えている、ネットワーク壁ジャックと、
通信ケーブルを通じて前記複数のネットワーク壁ジャックに接続されたネットワーク機器と、
ネットワーク管理プログラムを実行し、前記ネットワーク機器に接続された、ネットワーク管理システムと、
前記ネットワーク管理プログラムによる使用のために情報を格納するデータベースと、
を備えている、通信システム。
【請求項39】
請求項38記載のシステムにおいて、前記ネットワーク管理プログラムは、前記通信ネットワーク全体にわたって問い合わせ信号を送信するように構成された、システム。
【請求項40】
請求項39記載のシステムにおいて、前記ネットワーク壁ジャックの前記識別モジュールは、前記識別情報で前記問い合わせ信号に応答するように構成された、システム。
【請求項41】
請求項39記載のシステムにおいて、前記通信ネットワークは、前記複数のネットワーク壁ジャックのうちの1つ以上のものの前記ユーザ側通信接続部に接続されたユーザ・デバイスを備えており、前記ネットワーク壁ジャックは、前記壁ジャック識別情報と、前記ネットワーク壁ジャックに接続された前記ユーザ・デバイスに関連する識別情報とで、前記問い合わせ信号に応答するように構成された、システム。
【請求項42】
請求項41記載のシステムにおいて、前記データベースは、前記ネットワーク壁ジャックの物理位置に対応する物理位置情報を収容しており、ネットワーク管理プログラムは、前記壁ジャック識別情報と、前記ネットワーク壁ジャックに接続された前記ユーザ・デバイスに関連する前記識別情報とを受け入れ、前記壁ジャック識別情報を、個々のネットワーク壁ジャックに接続された前記ユーザ・デバイスに関連する前記識別情報と関連付けることによって、ネットワーク一覧を構築するように構成された、システム。
【請求項43】
請求項42記載のシステムにおいて、前記ネットワーク一覧は、複数のエントリを備えており、該エントリの各々は、前記ネットワーク壁ジャックの物理位置に対応する前記物理位置情報を備えており、更に、個々の壁ジャックに接続された前記ユーザ・デバイスに関連する前記識別情報を備えている、システム。
【請求項44】
請求項42記載のシステムにおいて、前記ユーザ・デバイスに関連する前記識別情報は、前記ユーザ・デバイスに関連するメディア・アクセス制御アドレスを含む、システム。
【請求項45】
請求項38記載のシステムにおいて、前記ネットワーク壁ジャックの少なくとも1つは、前記ネットワーク壁ジャックのうちの別の1つに水平ケーブルによって接続された、システム。
【請求項46】
請求項38記載のシステムにおいて、前記ネットワーク機器は、内部に少なくとも1つのパッチ・パネル・アクティブ・ジャックが設けられている少なくとも1つのネットワーク・パッチ・パネルを備えている、システム。
【請求項47】
請求項46記載のシステムにおいて、前記少なくとも1つのパッチ・パネル・アクティブジャックは、ネットワーク・ケーブルを通じて、前記ネットワーク壁ジャックの少なくとも1つに接続された、システム。
【請求項48】
請求項46記載のシステムにおいて、前記ネットワーク機器は、第1および第2ネットワーク・パッチ・パネルである少なくとも2つのネットワーク・パッチ・パネルを備えており、該少なくとも2つのネットワーク・パッチ・パネルの各々は、内部に設けられた少なくとも1つのパッチ・パネル・アクティブ・ジャックを備えており、前記第1ネットワーク・パッチ・パネルの前記少なくとも1つのパッチ・パネル・アクティブ・ジャックは、ネットワーク・ケーブルを通じて、前記第2ネットワーク・パッチ・パネルの前記少なくとも1つのパッチ・パネル・アクティブ・ジャックに接続された、システム。
【請求項49】
請求項38記載のシステムにおいて、前記ネットワーク機器は、ルータを備えている、システム。
【請求項50】
通信システムであって、
通信サービス提供業者への少なくとも1つの上流側接続部と、少なくとも1つの広帯域ルータ下流側接続部とを備えている、少なくとも1つの広帯域ルータと、
前記広帯域ルータ下流側接続部への少なくとも1つの上流側接続部と、少なくとも1つのパッチ・パネル下流側接続部とを備えている、少なくとも1つのパッチ・パネルであって、該パッチ・パネルの前記接続部が、パッチ・パネル・アクティブ・ジャックを介して形成された、少なくとも1つのパッチ・パネルと、
少なくとも1つのユーザ・ジャックであって、該ユーザ・ジャックは、前記パッチ・パネル下流側接続部への上流側接続部と、少なくとも1つのユーザ・デバイスへの下流側接続部とを有し、前記パッチ・パネルへの前記上流側接続部と、前記少なくとも1つのユーザ・デバイスへの前記下流側接続部が、ユーザ・アクティブ・ジャックを介して形成された、ユーザ・ジャックと、
を備えている、通信システム。
【請求項51】
請求項50記載の通信システムにおいて、前記システムは、多重住居ユニット内に展開され、前記少なくとも1つのユーザ・ジャックは、ユーザの住宅内に配置された、通信システム。
【請求項52】
請求項51記載の通信システムであって、更に、前記少なくとも1つの広帯域ルータと通信状態にあるネットワーク管理システムを備えており、前記ユーザ・アクティブ・ジャックの各々には、前記パッチ・パネルへの前記上流側接続部と、前記少なくとも1つのユーザ・デバイスへの前記下流側接続部との間の通信を可能化または不可能化するためのユーザ・アクティブ・ジャック・スイッチが設けられており、前記アクティブ・ジャックスイッチは、前記ネットワーク管理システムからの信号に応答して切り替わる、通信システム。
【請求項53】
請求項52記載の通信システムにおいて、前記ユーザ・アクティブ・ジャックの各々は、アクティブ・ジャック・ロジックと、アクティブ・ジャック・メモリとを備えており、前記アクティブ・ジャック・メモリは、アクティブ・ジャック識別情報を備えており、前記アクティブ・ジャック・ロジックは、前記識別情報を上流に向けて前記広帯域ルータに送ることにより前記ネットワーク管理システムからの問い合わせに応答する、通信システム。
【請求項54】
請求項52記載の通信システムにおいて、前記通信システムのユーザによる料金支払いに応答して、前記パッチ・パネルへの前記上流接続部と、前記少なくとも1つのユーザ・デバイスへの前記下流側接続との間の通信の可能化または不可能化を実行する、通信システム。
【請求項55】
通信システムであって、
水平ケーブルを通じて少なくとも1つのネットワーキング・デバイスに接続する少なくとも1つのアクティブ・ジャックを備えており、該少なくとも1つのアクティブ・ジャックは、ネットワーク側接続部と、ユーザ側接続部と、前記アクティブ・ジャックに関連する識別情報を格納する記憶コンポーネントと、前記アクティブ・ジャックの接続ステータスを示す少なくとも1つのインディケータ・ライトとを備えており、前記アクティブ・ジャックは、更に、当該アクティブ・ジャックのユーザ側接続部において、少なくとも1つのユーザ・デバイスに接続するように構成されており、前記アクティブ・ジャックは、前記少なくとも1つのネットワーキング・デバイスに、前記少なくとも1つのユーザ・デバイスへのその接続部のステータスを報告することによって、前記ネットワーク・デバイスと前記ユーザ・デバイスとの間の通信経路に沿って障害の区分化を可能にするように構成された、通信システム。
【請求項56】
請求項55記載の通信システムにおいて、前記ネットワーキング・デバイスは、パッチ・パネルである、通信システム。
【請求項57】
請求項55記載の通信システムにおいて、前記通信システムは、受電通信システムであり、前記アクティブ・ジャックは、前記水平ケーブルから、アクティブ・ジャック・コンポーネントの動作に必要な電力を消費し、前記ユーザ側接続部を介して未使用電力を送るためするように構成された、通信システム。
【図1a】
【図1b】
【図2a】
【図2b】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図4d】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図1b】
【図2a】
【図2b】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図4d】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公表番号】特表2007−503791(P2007−503791A)
【公表日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−532946(P2006−532946)
【出願日】平成16年5月12日(2004.5.12)
【国際出願番号】PCT/US2004/014682
【国際公開番号】WO2004/105317
【国際公開日】平成16年12月2日(2004.12.2)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
2.ETHERNET
【出願人】(591186877)パンデュイット・コーポレーション (65)
【氏名又は名称原語表記】PANDUIT CORPORATION
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年5月12日(2004.5.12)
【国際出願番号】PCT/US2004/014682
【国際公開番号】WO2004/105317
【国際公開日】平成16年12月2日(2004.12.2)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
2.ETHERNET
【出願人】(591186877)パンデュイット・コーポレーション (65)
【氏名又は名称原語表記】PANDUIT CORPORATION
【Fターム(参考)】
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