説明

アクティブ/スタンドバイ・リクエストチャネルを用いるメンテナンスリンク

【課題】CDMAシステムにおけるフィールドユニットは、共有フォワードおよびリバースリンクチャネルを用いてベースステーションと通信するために同期化され、ベースステーションからメッセージを受け取る為にフォワードリンクチャネルの中でタイムスロットを割り当てる方法を提供する。
【解決手段】フィールドユニットの各々とベースステーションとの間のタイミングの一致およびパワーレベルコントロールは、各フィールドユニットによりメッセージが送信される対応するタイムスロット内でベースステーションにおいて受信されるメッセージを分析する。その後、メッセージは該当のタイムスロットの中のベースステーションから特定のフィールドユニットにタイミング、又はパワーレベルを調節し、フィールドユニットからの将来送信されるメッセージが希望のパワーレベルでベースステーションでの適切なタイムスロットの中で受信されるように送信される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、ワイヤレス電話およびコンピュータに関する。
【背景技術】
【0002】
ワイヤレス電話および個人使用のコンピュータの普及は、かつては特別な用途にしか使用出来なかった近代的な通信サービスの需要を増大させることになった。1980年代になると無線音声通信は、携帯電話ネットワークを利用することで一般に普及した。しかし、このサービスは加入コストが高いと予測された為に最初はビジネスの特定分野にのみ利用可能と考えられていた。同じ現象は、遠隔地に分布するコンピュータネットワークへのアクセスにも見られ、ごく最近迄必要なコンピュータおよびワイヤラインアクセス機器を利用出来るのはビジネスマンおよび大規模な研究所に限られていた。
【0003】
利用可能な新しいテクノロジーの範囲が拡大した結果、今や大衆が次第にインターネットおよびプライベートイントラネットへのワイヤラインアクセスのみならず、ワイヤレスアクセスをも希望する時代を迎えた。ワイヤレステクノロジーは、ポータブルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、手持ち式のデジタル機器等を使用して、電話線に接続することなしにこのようなネットワークにアクセスすることを好むユーザにとって特に便利である。
【0004】
インターネット、プライベートイントラネットおよび既存のワイヤレスインフラストラクチャーを用いる他のネットワークに対する低コスト、高速のアクセスを可能にする為の満足できる解決法は未だ広く望み得ないのが実情である。これは次の幾つかの過去の不幸な例に見出すことが出来る。第一に、ワイヤラインネットワークによる商用上の高速データサービス提供の為の代表的な方法は、大抵の家庭又はオフィスで利用出来るボイスグレードサービスには容易に適用出来ないことである。例えば、このような標準高速データサービスは、必ずしも標準の携帯電話による効果的な通信を可能にはしないのである。何故ならばワイヤレスネットワークは元来音声サービスの提供のみを目的としているからである。従って現在のデジタル無線通信システムは、音声通話用に最適化されているが、しかしCDMAの様な或る方法はデータ送信を可能にする非対称性挙動の手段を提供する。例えば、フォワードトラフィックチャネル上のIS−95に対してTelecommunication Industry Association (TIA)により定められたデータレートは、いわゆるRate Set 1に対しては1.2kbpsから9.6kbpsの範囲の増分で調節可能であり、Rate Set 2に対しては1.8kbpsから14.4kbpsの範囲の増分で調節可能である。リバースリンクトラフィックチャネルでもデータレートはかなり低い。
【0005】
従って、既存のワイヤレスシステムは、通常はせいぜいフォワードリンク方向に毎秒14.4kilobits(kbps)の最大データレート伝送を可能にする無線チャネルを提供するのみである。この様に低データレートチャネルは、現在は割安なワイヤラインモデムを用いることにより、一般的に利用可能である28.8又は56.6kbpsのレートでさえデータを直接送信するのには適さない、ましてや統合サービス・デジタル・ネットワーク(ISDN)タイプ機器で利用可能な128kbpsの様な高レートには到底適さない。これらのレベルのデータレートは、ウェブページをブラウジングするなどの動作に利用し得る最小限のレートに急速になりつつある。
【0006】
ワイヤラインネットワークは、携帯システムが最初に開発された時には知られていたが、セルラーネットワークトポロジーにより高速ISDN−又は×DSL−グレードのデータサービスを提供するワイヤレスシステムのための手段は存在しなかった。
【0007】
ほとんどのワイヤレスシステムに於いて、無線チャネル資源よりも遥かに多くのユーザーが期待出来る。デマンドベースのマルチプルアクセスシステムが従って必要である。
【0008】
マルチプルアクセスが一群の無線周波数搬送波信号でのアナログ変調を用いる伝統的な周波数区分マルチプレックス・アクセス(FDMA)もしくは、又は時間分割多アクセス(TDMA)、もしくはCode Division Multiple Access (CDMA)を用いる無線搬送波周波数の共有を可能にする方式により提供されるかは関係なく、無線スペクトラムの性質は共有されるものである。この事は、ワイヤライン媒体が比較的低廉であり、通常は共有されないというデータ送信を支持する従来の条件とは全く似てはいない。
【0009】
ワイヤレスシステムの設計に於いて考える可き他の要因はデータ自体の特性である。例えば、ウェブページへのアクセスが一般にリバースおよびフォワード方向の非対称性データレート伝送規定を持ち、バーストに基づくものであると考えることとする。一般的な用途では遠隔クライアントコンピュータのユーザは、先ずブラウザプログラムに対するウェブページのアドレスを定める。次にブラウザプログラムはサーバーコンピュータへのネットワークを用い通常100バイト又はそれ以下のウェブページアドレスデータを送信する。サーバコンピュータは次に10キロバイトから数メガバイトのテキスト、画像、オーディオデータ、又はビデオデータさえも含む要求されたウェブページのコンテンツを以って応答する。ユーザは、別のウェブページをダウンロードする前に、そのウェブページのコンテンツを数秒又は数分かけて読む。
【0010】
オフィス環境では、大部分の従業員のコンピュータ作業習慣は、通常2,3のウェブページをチェックし、次に、局所的に記憶されたデータにアクセスする、又はコンピュータの使用全体を打切るなどの何かを他の作業を長い時間にわたり実施するというようなものである。従ってこの様なユーザーは、一日中インターネット、又はプライベートイントラネットに常時接続されていても高速データリンクの実際の使用は通常極めて散発的である。
【0011】
インターネット接続性を支持するワイヤレスデータ送信サービスがワイヤレス音声通信と共存する場合、ワイヤレスCDMAシステムの利用可能な資源の使用を最適化することが益々重要になって来る。周波数の再使用およびトラフィックチャネルの動的な割り当ては、高性能ワイヤレスCDMA通信システムの効率を高めることができる要素であるが、利用可能な資源のより効率的な利用の必要性が依然望まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、CDMAコミュニケーションシステムにおけるワイヤレスリンクを最適化する為の幾つかの斬新な特徴を提供する。図示された実施形態では、一対の共有チャネルが、ベースステーションをフィールドユニットに同期化する為に所定の時点においてフィールドユニットからベースステーションに、メッセージを伝送する為に割り当てられる。さらに詳しくは、共有されたチャネル対の何れかにおいてフィールドユニットからベースステーションにおいて受け取られるメッセージは分析されて、割り当てられた時間セグメント中に伝送する為にフィールドユニットが正しくベースステーションに同期化されていることを判定する。タイミングを進める、又は遅らせる為の最小タイミングフィードバックメッセージが次にフォワードリンクでフィールドユニットに伝送される為、フィールドユニットによるその後のメッセージが適切な時間セグメント中に伝送される。好ましくは、リンクの同期化はベースステーションと多数のフィールドユニットの各々との間で同時に維持される。従って本発明の共有コミュニケーションシステムの構成によれば、最小の資源が多数のフィールドユニットとの同期化リンクを維持するように割り当てられる為、ワイヤレス資源は高帯域幅データ伝送の為に取っておくことが出来る。
【0013】
好ましい実施形態においては、フォワードリンクチャネルはベースステーションから多数のフィールドユニットの各々へ時間分割されたメッセージ伝送をサポートする為に割り当てられる。リバース方向には、リバースリンクチャネルがフィールドユニットからベースステーションへの時間分割されたメッセージ伝送をサポートする為に割り当てられる。従って、各チャネルはタイムスロット、又は時間セグメント(時間区分)に分割され、上記フォワードチャネルのタイムスロットは、ベースステーションから対応するフィールドユニットへの通信を導くようにフィールドユニットに割り当てられる。同様に、リバースチャネルのタイムスロットは、メッセージをベースステーションに伝送する為にフィールドユニットに割り当てられる。フォワードリンクおよびリバースリンク通信の両者に対してタイムスロット自体の相対位置は、メッセージがベースステーションから何れのフィールドユニットに伝送されているか、又は何れのフィールドユニットからメッセージがベースステーションに伝送されているかを示す。
【0014】
或る用途では、フォワードリンクチャネルは“アクティブ"および"スタンドバイ"タイムスロットの両者を含む様に分割される。アクティブタイムスロットは、フィールドユニットに割り当てられており、このことはリバースリンクトラフィックチャネルが現在、リバースリンクにおいてベースステーションにデータペイロードを伝送する為に用いられていることを示している。スタンドバイタイムスロットは、フィールドユニットが現在リバースリンク上でデータペイロードを伝送していなくてもベースステーションとの同期化を維持する為にフィールドユニットに割り当てられる。従ってスタンドバイモードのフィールドユニットは、新たに割り当てられたリバースリンクチャネル上で再同期化の為の長い遅延を生じることなしに直ちに伝送することが出来る。何故ならばフィールドユニットは既にベースステーションと同期化されているからである。
【0015】
ベースステーションは、フィールドユニットを監視して、アクティブモードに移るフィールドユニットによる要求を確認する。アクティブタイムスロットに空きがあるときには、そのタイムスロットを、リンクを要求するフィールドユニットに割り当てられ、トラフィックチャネルはリバースリンクにおいて要求しているフィールドユニットとベースステーションとの間のデータペイロード転送を支持する。特定のリンク上のデータ転送に続いて、フィールドユニットは、スタンドバイタイムスロットに再割り当てされることにより最小ではあるがベースステーションと同期化されたリンクを維持する。
【0016】
好ましい実施形態においては、フォワードリンクおよび一対のリバースリンクのコードを持つチャネルの各々に割り当てられた、所定数の定期的に反復するタイムスロットがある。従ってベースステーション、又はフィールドユニットからのメッセージは、共有チャネルの適当なタイムスロット内で周期的に伝送される。好ましくは、ベースステーションからのデータを受け取る為の第1チャネルにおけるフィールドユニットに割り当てられるタイムスロットは、フィールドユニットからベースステーションへのタイミング表示マーカを伝送する為の対のチャネルに割り当てられた対応するタイムスロットに関して時間的に食い違っている。これによりベースステーションタイムは、タイムスロット内で受け取られたメッセージのタイミングを分析し、タイミング調節フィードバックメッセージを作り出し、これをフォワードチャネルの適切なタイムスロットにおける対応するフィールドユニットに伝送することが可能となる。
【0017】
割り当てられたタイムスロットにおけるベースステーションにおいて多数のフィールドユニットの各々から受け取られたメッセージは、対応するフィールドユニットにおける将来のメッセージ伝送のタイミングをいかに調節すべきかを決定する為に分析される。詳しくは、フィールドユニットからのメッセージ伝送は、割り当てられたタイムスロット、又は時間セグメントにおいてベースステーションでメッセージが受け取られる様に調節される。これはタイミング調節メッセージをベースステーションからフォワードリンクを経てフィールドユニットに伝送することにより達成され、このフィールドユニットにおいてタイミング調節メッセージは、将来のメッセージの伝送が所望のタイムスロット内に合致する様にメッセージの伝送のタイミングを速める、又は遅らせるべきかを示す。この様にして、同一のリバースリンクチャネルの隣り合うタイムスロットにおいてメッセージを伝送する複数のフィールドユニットは互いに阻害し合うことはない。これにより同一チャネルの干渉が減少する。
【0018】
リバースリンクチャネルを介してフィールドユニットからベースステーションに伝送されたメッセージは、好ましくは対応するユニットをベースステーションと同期化する為のマーカを含む。メッセージの中で伝送されるマーカは、タイミング修正情報を作り出す為にタイムスロット自体の中で正確な基準点を提供する。例えば、ベースステーションはタイムスロットの中のマーカを分析し、フィールドユニットが適切な時間セグメントにおいてその後のメッセージを伝送する間、リバースリンクにおいてそのタイミングを調節せねばならぬ度合いを決定する。好ましくは、適切に配列されたパイロットシンボルの列がタイムスロットにおいて時間基準マーカとして用いられる。上記に代り短い擬似ランダム・ノイズ(PN)コードがタイムスロットにおける時間基準マーカとして用いることが出来る。勿論、任意のタイプのマーカがベースステーションにより検出される限り使用可能である。
【0019】
アクティブモードにおいてはトラフィックチャネルの対応するタイムスロットにおけるマーカは、フィールドユニットとベースステーションとの間のタイミングの一致をサポートする為に分析される。アクティブでない、又はスタンドバイモードにおいて一対の割り当てられたリバースリンクチャネルの何れか一つのタイムスロットにおけるマーカは、フィールドユニットとベースステーションとの間のタイミングの一致をサポートする為に分析される。
【0020】
上述の様に共有のフォワードリンクチャネルは、ベースステーションから多数のフィールドユニットへリンククオリティメッセージ、又はタイミング調節メッセージを伝送するのに用いられる。反対の方向において、リバースリンクは一対の独特のコードを持つ第1および第2チャネルを含む。この一対のチャネルの各々は特定の目的に用いられる。例えば、リバースリンクチャネルの時間セグメント、又はタイムスロットは、ベースステーション表示メッセージを伝送する為のフィールドユニットに割り当てられる。第1チャネルを介したフィールドユニットからのデータ伝送は、ベースステーションへの第1タイプのメッセージを示すのに対し、第2チャネルを介したフィールドユニットからのデータ伝送は、ベースステーションへの第2タイプのメッセージを示す。したがって、特定のチャネル自体上の単なる伝送は、ベースステーションに対する表示、又はメッセージを提供する。これにより、コード化されたデータペイロードはベースステーションと通信する為に伝送される必要はない。
【0021】
或る用途では、一つのチャネル上のタイムスロットにおけるマーカ伝送は、対応するフィールドユニットによるアクティブへの移行の要求を示す。即ち、割り当てられたタイムスロットにおけるマーカの伝送は、リバースリンクトラフィックチャネルがフィールドユニットからベースステーションへのデータペイロードを伝送する為にユーザに割り当てられるようにフィールドユニットが要求していることを示している。この事は、フィールドユニットが現在スタンドバイモードであることを示している。あるいはフィールドユニットは、マーカをリバースリンクチャネルの一対のうちの第2チャネルを介して伝送することにより、フィールドユニットはアクティブモードへの移行を要求していないことを示す。例えば、フィールドユニットはリバースリンクチャネル上でデータを伝送することを望んでいない。むしろフィールドユニットは、随時再び動作が出来るように、動作はしていないがベースステーションと同期化されていることを要求する。
【0022】
上述の様に同期化は、多数のフィールドユニットの各々に対してベースステーションにおいて受け取られたマーカを監視することにより、かつ、将来の伝送がタイムスロットの中で正しく一致する様にリバースリンクにおいて調節メッセージを伝送することにより達成される。好ましい用法では、フィールドユニットは、三つのリバースリンクチャネルの少なくとも一つにおいてマーカを伝送することにより、ベースステーションとフィールドユニットとを同期化出来る。例えば、正確なタイミングの一致は、フィールドユニットが第1の共有リバースリンクチャネルのタイムスロットにおいて伝送されるマーカを介してスタンドバイモードに在るときに達成される。フィールドユニットがアクティブモードに移行しようとする時、フィールドユニットは、第1の共有チャネルにおいてマーカの伝送を中断し、同じ時間セグメントにおいて第2チャネルを介しマーカを伝送する。第2チャネルを介したこの伝送には二つの目的がある。第1の目的は、フィールドユニットがアクティブモードに移行しようとしていることを示すことに在る。第2の目的は、ベースステーションがフィールドユニットが正しく同期化されているかどうかを分析し続けることが出来るようにフィールドユニットからマーカを伝送することに在る。リバースリンクトラフィックチャネルが特定のフィールドユニットにより使用の為に割り当てられる場合には、フィールドユニットは同期化を維持する為に第1、又は第2チャネルの何れかにおいてマーカの伝送を中断する。むしろフィールドユニットは、この時マーカを割り当てられたリバースリンクトラフィックチャネルにおいて伝送する。上述の方法と同様にベースステーションは、この時フィールドユニットがタイムスロットの中で伝送する為に正しく同期化されているか否かを決定する為にリバースリンクトラフィックチャネル内で伝送されるマーカの一部分を監視する。この様にしてフィールドユニットの各々に対するフィードバックは、フィールドユニットのモードには関係なく割り当てられたタイムスロットの中でデータを伝送する為にそれらが正しく一致されていることを保証する。言い換えれば、フィールドユニットへの特定のリンクの正確なタイミングの一致は、フィールドユニットがスタンドバイモードであるか、アクティブモードへの移行を要求中か、又は現在一つもしくは多数の割り当てられたリバースリンクトラフィックチャネル上でデータペイロードを伝送しているかには関係なく最適に維持される。
【0023】
好ましい実施形態に於いて、ベースステーションに関してタイミングを調整する為にベースステーションからフィールドユニットに送られるメッセージは、フィールドユニットに於いてスロットタイミング基準を進ませるか遅らせる可きかを示す単一ビットを含む。対応するフィールドユニットに於けるタイムスロットに於いて受け取られるビットの状態に基づいてフィールドユニットは、そのスロットタイミングを所定時間の長さ、例えばチップの1/8だけ進め、又は遅らせる。フィールドユニットにおける連続的なフィードバックメッセージに於いて受け取られた単一ビットの状態が、n回続けて同じ状態である、即ち連続的にn箇(予め定められた数)のロジック1又はゼロが受け取られる時には、同じ状態にあるその後のビットはチップの1/8よりも大きい、例えばチップの1/2の様な予め定められた時間に基づいてフィールドユニットにそのタイミングを進めさせ、又は遅れさせる。従って、ベースステーションとの同期化が大巾に狂っているフィールドユニットは、チップの1/8のような小さい固定調節時間がタイミングを連続的に調節するのに用いられている時よりも迅速に同期化される。
【0024】
新たに参加したフィールドユニットを同期化するには、ベースステーションは、このベースステーションと共に新しいリンクを作るフィールドユニットによる要求の為にアクセスチャネルを監視する。ランダム、又は擬似ランダムリンク要求メッセージがベースステーションのアクセスチャネルを介して受け取られるタイムは、ベースステーションとのタイミング同期化を実現することを要求するフィールドユニットに於いて行われるべき初期のタイミング調節を始めるのに用いることが出来る。
【0025】
更に詳細には、ベースステーションとフィールドユニットとの間のタイムスロットの初期の同期化を達成するには、粗いタイミング調節メッセージが各フィールドユニットに送信されて、ベースステーションとの大まかなタイミング調節をいかに実現すべきかを示す。粗いタイミング調節メッセージは、好ましくはマルチビット値であり、ベースステーションとの同期化を達成するために初期のタイミングを進ませる、又は遅らせる量をフィールドユニットに知らせる。従って、フィールドユニットは、割り当てられたタイムスロットにおいてメッセージを受け取り、また発信するために大まかに又は正確に同期化される。
【0026】
好ましくは、粗いタイミング調節メッセージは、ページングチャネルを介してフィールドユニットを要求するリンクに送られる。同様に動的タイムスロット割り当て情報は、ページングチャネルを介してフィールドユニットに伝送される。
【0027】
本発明の別の実施形態に於いては、ワイヤレス通信システムのコード化されたチャネルは、多数の送信器の各々および受信器からの同期化された通信を支持するために割り当てられる。コード化されたチャネルの第1部分は、第1送信器による使用のために割り当てられて受信器に基準信号を送信するのに対し、チャネルの第2部分は第2送信器による使用のために割り当てられて受信器にメッセージを送信する。好ましくはコード化されたチャネルは複数のタイムスロットに分割され、各送信器は適切なタイムスロットにおいて受信器に送信する。
【0028】
この方法によれば、多数の送信器はコード化されたチャネルを介して受信器に異なるタイプの情報を伝達することが出来る。例えば、第1の送信器により伝送される基準信号は、受信器により分析されるタイミング基準信号である。タイミング調節およびフィードバックリンクのパワーレベルコントロールメッセージは、この時第1送信器に伝達されて、そのタイミングおよびパワーレベルを調節する。同時にメッセージは、コード化されたチャネルを介して第2送信器により受信器に伝送される。
【0029】
好ましくは、第1送信器により生成される基準信号は、フォワードエラー修正情報を含んでいないのに対して、第2送信器により送信されるメッセージはフォワードエラー修正情報を含む。特定の用途では、第2送信器から受信器に送信されるメッセージは、受信器と対応する送信器との間の伝送のリバースリンククオリティを示すリンククオリティメッセージを含むフィードバックメッセージである。
【0030】
本発明の別の実施形態では、第1および第2のコード化されたチャネルは、送信器から受信器への同期化された通信を支持するために割り当てられる。好ましくは、第1および第2のコード化されたチャネルは、複数のタイムスロットに分割され、そのタイムスロットにおいて送信器は、調節されたパワーレベルで送信器から受信器への信号を生成するにより対象となる受信器に表示(指示)を送信する。上述の様に第1又は第2のコード化されたチャネル自体を介した送信は受信器に対してメッセージを示す。例えば、第1のコード化されたチャネルのタイムスロット内の伝送は、受信器に対しフィールドユニットがスタンドバイモードにとどまることを望んでいるのを示すのに対し、第2のコード化されたチャネルを介した伝送は、受信器に対し送信器が追加して割り当てられたトラフィックチャネルを介して受信器にデータペイロードを送信しようとすることを示す。
【0031】
タイムスロットに於ける第1又は第2チャネルを介して送信される表示は、受信器に於いて分析されて受信された信号の強度を判定する。信号強度が所望のレベルよりも低い場合には、受信器により生成されるフィードバックメッセージは、第1又は第2のコード化されたチャネル上で後の送信のためそのパワーレベルを調節するために送信器に伝達される。このようにして、送信器のパワーレベルをワイヤレスシステムにおける同一チャネルの干渉を抑制するために調節することが出来る。詳しくは、送信装置のパワーレベルは徐々に増減出来るため、他のチャネルへの影響は最小に抑えられる。
【0032】
受信器から送信器に送信されたパワー調節メッセージは、送信器が後の伝送のためにパワー出力を増やす、又は減らすべきかを示す単一ビットを含むことが出来る。従って、パワーは、ノイズ比に対する信号がほとんど瞬時に変化することのある動的環境に於いてさえも最適に調節される。
【0033】
パワーを調節するこの方法は、フィードバックメッセージを介して送信器を受信器に対して同期化する上述の方法に似ている。しかし、この実施形態に於いて、送信器のパワーレベル出力は、タイミングの代りにフィードバックメッセージを介して調節される。従って、送信器のパワーレベルは、スタンドバイモードの間に調節することが出来るため、送信器が動作して、受信器にデータペイロードを送信する場合に送信器のパワーレベルが同一チャネル干渉を減少させるために最適化される。パワーおよびタイミングフィードバックループの両方を、同時に実施することが出来るため、送信器のパワー出力レベルおよびタイミングは潜在的に散発的なデータ送信用に最適化される。
【0034】
本発明の一つの構成は、ベースステーションと多数のフィールドユニットの各々との間に最小の資源を用いてリンクを提供することである。ベースステーションと通信するために上述の方法を用いて共有チャネルを提供することは、多数のフィールドユニットとの同期化されたリンクを維持するために必要なCDMAチャネルの数を減らすことになる。従って、ベースステーションとフィールドユニットとの間のデータ転送を支持するために、より多くのチャネル、又は資源が利用可能である。これにより割り当てられた搬送波周波数での潜在的な処理資源が増大する。
【0035】
本発明の別の構成は、ベースステーションと多数のフィールドユニットの各々との間のタイミングの一致およびパワーレベルコントロールを支持するための最小フィードバックループを提供する斬新な方法を包含する。ベースステーションは、割り当てられたタイムスロットに於いて受け取られた各メッセージに用いられている基準マーカを分析して、ベースステーションに向けられたフィールドユニット信号、又は表示が、ベースステーションにおよび好ましいタイミングに関して早いか遅いかを検出する。単一の進め、又は遅らせるコントロールビットのようなメッセージは、対応するフィールドユニットに伝達し戻されてそのメッセージタイミングが進められるか、又は遅らされるため、フィールドユニットからの将来のメッセージ伝送は適切なタイムスロットにおけるベースステーションに於いて受け取られる。従って、共有リバースリンクチャネル上で信号を伝送する多数のフィールドユニットは、隣接するタイムスロットにおいて伝達するとき、互いに干渉することはない。更にフォワードリンク上で送られるタイミング情報は、フィールドユニットがフォワードリンク上で割り当てられたタイムスロットの中でメッセージを受け取るためにベースステーションに対して自らを同期化することを可能にする。多数の同期化されたリンクの各々を維持する結果として、対応するフィールドユニットは、データ送信の前にベースステーションと再同期化するための長いプロセスを経由することなくリバースリンク方向にデータペイロードを直ちに伝送することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0036】
本発明の上記のおよびその他の目的、特徴および長所は、その中で同じ部品には一貫して類似の記号が用いられる添付の図面に図示されている本発明の好ましい実施形態の下記のさらに詳細な記述から明らかとなる。図面は必ずしも縮尺を使用せず、むしろ本発明の原理を図示するために強調が行われている。
【図1】本発明の原理によるワイヤレス通信システムを示す全体図である。
【図2】本発明の原理によるハートビートおよびLQMスロットタイミングを示すタイムチャート図である。
【図3】本発明の原理によるLQMスロットのビットの規定例を示す図である。
【図4】本発明の原理による動作することを要求するフィールドユニット、およびリバースリンク方向にデータペイロードを伝送するためのトラフィックチャネルの割り当てを示すグラフである。
【図5】本発明の原理によるチャネル同期化をサポートするブロック図である。
【図6a】本発明の原理によるフォワードおよびリバースチャネルの同期化を示すフローチャートである。
【図6b】本発明の原理によるフォワードおよびリバースチャネルの同期化を示すフローチャートである。
【図7】本発明の原理によるフォワードおよびリバースチャネルを同期化するためのタイミングマークを特定するためのパルスサンプリング技法を示すグラフである。
【図8】本発明の原理によるフィールドユニットをベースステーションに同期化するためのアクティブ、スタンバイおよびアイドルのモードを示すテーブルである。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1は本発明の原理によるワイヤレス通信システム100のダイアグラムである。ベースステーション25は、図示された複数のフィールドユニット42A,42B,42C(フィールドユニット42と総称する)の各々とワイヤレス通信リンクを維持する。このようなワイヤレスリンクは、ベースステーション25とフィールドユニット42との間のフォワードリンク70およびリバースリンク65にメモリ領域を割り当てることにより確立される。各リンク65または70は、通常いくつかのロジカルリバースリンクチャネル55およびいくつかのロジカルフォワードリンクチャネル60から成っている。
【0038】
図示されたように通信システム100は、インターフェース50とネットワーク20との間のワイヤレス通信をサポートする。通常、ネットワーク20は、パケット交換電話網(Packet Switched Telephone Network(PSTN)) 、もしくはインターネット、インターネットまたはイントラネットのようなコンピュータネットワークである。インターフェース50は、好ましくはネットワーク20に対するワイヤレスアクセスを提供するためにポータブルコンピュータ12のようなデジタルプロセス装置に接続される。したがって、ポータブルコンピュータ装置12は、配線接続およびワイヤレスデータリンクの両者を組み合わせることによる通信に基づいてネットワーク20に対してアクセスを持つ。
【0039】
好ましい実施形態において、フォワードリンクチャネル60およびリバースリンクチャネル55は、符号分割多元接続方式(Code Division Multiple Access(CDMA)) チャネルとしてワイヤレス通信システム100に規定される。即ち、各CDMAチャネルはコード化され、データを擬似雑音(PN)コードシーケンスを増大させられたチャネルを介したデータの送信により規定される。PNコード化されたデータは無線周波数搬送波に変調される。これにより受信器は、特定のチャネルに対して割り当てられた特別に増大したPNコードのみを知る別のものから一つのCDMAチャネルを解読することが可能となる。好ましい実施形態によれば、各チャネルは好ましくはIS−95CDMA規格を満し、38.4kbpsで送信することのできる1.25MHz帯域を占有する。
【0040】
フォワードリンクチャネル70は、少なくとも3つのロジカルチャネルを含む。図示されたようにこの中にはリンク品質マネージメント(Link Quality Management (LQM))チャネル60L、ページングチャネル60Pおよび多数のトラフィックチャネル60Tが含まれる。
【0041】
リバースリンク65は、ハートビートスタンバイ55HS、ハートビートリクエストアクティブチャネル55HRA、アクセスチャネル55Aおよび多数のトラフィックチャネル55Tを含む。一般にリバースリンクチャネル55は、フォワードリンクチャネル60Tに似ているが各リバースリンクトラフィックチャネル60Tは、2.4 kbpsから最大160 kbpsの間の種々なデータ伝送速度をサポートすることができる。
【0042】
ベースステーション25とフィールドユニット42Aとの間で伝送されるデータは、通常ウェブページデータのようなコード化されたデジタル情報からなる。リバースリンク65、またはフォワードリンク70における多数のトラフィックチャネルの割り当てに基づいてベースステーション25およびフィールドユニット42Aとの間の特定のリンクにおいてデータ伝送の高いレートを実現することができる。しかし、多数のフィールドユニット42が帯域巾の割り当てをめぐり競合するから、フィールドユニット42は、データペイロードを伝送するためにメモリ領域(リソース)が自由に割り当てられたトラフィックチャネルになるまで待たなければならないことがある。
【0043】
図2に示されたように、フォワードリンクLQMチャネル60Lは、多数のフィールドユニット42の各々にメッセージを伝送するための予め定められた数の周期的に反復するタイムスロット310に分割される。各フィールドユニット42は、その割り当てられたタイムスロット310において受け取られたメッセージに基づいて送られたメッセージを識別する。言い換えれば、フィールドユニット42は、ベースステーション25からの情報を受け取るためにそれぞれ割り当てられたタイムスロット310において受け取られた情報をモニタリングする。
【0044】
リバースリンクハートビートスタンバイチャネル55HSおよびハートビートリクエストアクティブチャネル55HRAもまた多数のユーザの間で共有される。これらのチャネルは、それが各ハートビートチャネルの中で互いに一致するように周期的に反復するタイムスロット310およびLQMチャネル60Lのタイムスロットの両者に分割される。リバースリンクハートビートチャネル55HSまたは55HRAのタイムスロット310は、ハートビートスタンバイチャネル55HSまたはハートビートリクエストアクティブチャネル55HRAのいずれかを介してハートビートタイプメッセージをベースステーション25に伝送するために多くのフィールドユニット42の一つに割り当てられる。したがって、ベースステーション25は、いずれのフィールドユニット42Aからメッセージが特定のタイムスロットの中でメッセージの受け取りに基づいて伝送されるかを特定する。
【0045】
リバースリンク中の共有されるチャネルの対は、ハートビートチャネルと呼ばれる。なぜならば本発明の一つの構成は、ベースステーション25と同期状態に保たれるためにフィールドユニット42Aからの最小の表示(指示)の伝達を包含するからである。ハートビートチャネル55HS、55HRAおよびLQMチャネル60Lは次に詳述される。
【0046】
上述のように、本発明の別の構成は、複数のフィールドユニットの各々およびベースステーション25の間にそれらが現在データペイロードをリバースリンク方向に伝送していない時にも最小のメンテナンスリンクの維持を包含している。同期化を維持するこの方式は、多数のフィールドユニットの各々が散発的に動作することを要求し、データをリバースリンクに伝送する用途には特に有利である。フィールドユニット42の各々が最小リンクを介してベースステーション25とは既に同期化しているから、フィールドユニット42Aは、リバースリンクトラフィックチャネル55を割り当てられ、割り当てとほとんど同時に他のチャネルに干渉することなくリバースリンク方向にデータペイロードを送信する。即ち、フィールドユニット42Aは、トラフィックチャネルがその用途に割り当てられる時にベースステーション25との再同期化の長いプロセスを経由することを必要としない。
【0047】
下記の記述には再び図1が参照されるが、LQMチャネル60およびハートビートチャネル55Hのさらなる詳細が図2と関連付けられる。
【0048】
ベースステーション25との同期化されたリンクを確立するために、フィールドユニット42は、メッセージをアクセスチャネルでベースステーション受信器35にフィールドユニット送信器40を介して送る。これらのメッセージはベースステーション25において確認され、プロセスされる。可能な場合には、要求するフィールドユニット42Aとの間に双方向の通信リンクを作るためにベースステーション25によりメモリ領域が割り当てられる。
【0049】
フォワードリンク70の中では、ページングチャネル60Pがベースステーション送信器30により使用されてオーバヘッドまたはページングメッセージまたは命令をフィールドユニット受信器45に送る。オーバヘッド情報は、フィールドユニット42と共にワイヤレスリンクを作るためにシステムコンフィグレーションパラメータのようなデータを含む。
【0050】
上述のように、ワイヤレス通信システム100はハートビートチャネル55HSおよびハートビートリクエストアクティブチャネル55HRAをリバースリンク65に、またリンク品質マネージメントチャネル(LQM)60Lをフォワードリンク70の中に含む。これらのチャネルは、ベースステーション25および多数のフィールドユニット42との間で共有される。即ち、ベースステーション25は、メッセージを多数のフィールドユニット42に同じフォワードリンクLQMチャネル60Lを用いて送信するのに対し、特定のフィールドユニット42Aへのメッセージは、割り当てられたタイムスロット310の中で伝送される。このようにタイムスロット割り当ては、メッセージを特定のフィールドユニットおよび対応するコミュニケーションリンクに対しアドレスするための方法として用いられる。
【0051】
本発明の原理は、オンデマンドおよび散発的なデータの高速処理をワイヤレス通信リンクにおいて要求するユーザをサポートするために有利に運用される。例えば、PC装置12の遠隔ユーザは、ウェブページのようなオブジェクトファイルをダウンロードするためのオンデマンド高速処理能力をサポートするワイヤレスリンクによりインターネットに接続することができる。ユーザは、データペイロードがリバースリンク方向に送信されない時にはスタンバイモードにとどまることができる。例えば、リンクのユーザは、ある時間セグメントでは最小であることが可能であるために、ウェブページを点検することができる。このようなユーザをサポートするためにリンクがデータの送信、または受信に用いられていない時でもベースステーション25との同期化を維持することは有利である。このことは、ワイヤレス通信システム100においてベースステーション25と特定のフィールドユニット42Aとの間にデータが伝送されていない時でもベースステーション25との最小接続を維持することにより達成される。
【0052】
フィールドユニット42Aとベースステーション25との間の最小接続の一つの構成は、そのタイミングがベースステーション25と正しく一致するためにフィールドユニット42Aの調節タイミングを包含する。最小接続の別の構成は、フィールドユニット42Aのパワーレベル出力をそれが低くはあるが、しかし検出可能なパワーレベルで送信するように調節することを包含する。
【0053】
上述のようにリンクを散発的にしか必要としないユーザに対して反復的に作り出され、または存続する接続は、時間を多く費やし、メモリ領域の非効率な利用を招くことになる。また現在データを伝送していない加入者に対して連続ベースでトラフィックチャネル55Tのようなメモリ領域を保有することもまた非効率的である。したがって、トラフィックチャネル55Tは、必要時のみ割り当てられることによりデータ伝送をサポートし、ワイヤレス交信システム100での利用可能なメモリ領域の使用を最適化することになる。
【0054】
図2は、タイミングダイアグラムで、特にハートビートスタンバイチャネル55HS、ハートビートリクエストアクティブチャネル55HRAおよびLQMチャネル60Lを図示している。好ましくは、コード化されたチャネルは、通常対で割り当てられるから2つのハートビートスタンバイチャネル55HSおよび2つのハートビートリクエストアクティブチャネル55HRAを含む合計4つのハートビートタイプチャネルと組み合わされた2つのLQMチャネルが存在する。しかし、図示の目的のために図2には各チャネルタイプは、一つのみ示されているに過ぎない。もちろん、チャネルの対となるセットがユーザの数の2倍をサポートするために用いることができる。
【0055】
図示されているように、ハートビートスタンバイ55HS、ハートビートリクエストアクティブチャネル55HRAおよびLQM60Lチャネルの各々において64のタイムスロット(各方向)が、EPOCH時間毎に規定される。スタンバイモードでの最高48フィールドユニット42は、アクティブモードでの最高16ユーザと共にサポートされることができる。図示された実施形態におけるEPOCH時間は、13.3mSであるために各タイムスロットは208 mSまたは256PNコードチップである。タイムスロットは、周期的に反復するためにベースステーション25は特定のフィールドユニット42とEPOCH、または13.3mS毎に情報を交換することができる。
【0056】
LQMチャネル60Lでのデータの伝送は、好ましくはマスタータイミング基準として用いられるベースステーション25により維持される。したがって、フィールドユニット42は、ベースステーション25と交信し、割り当てられたタイムスロットの中で送信するために自己をベースステーション25、特にLQMチャネル60Lに同期化する必要がある。
【0057】
一般にベースステーション25とフィールドユニット42Aとの間のリンクは、3つのモード、即ちアクティブ、スタンバイまたはアイドルのいずれかで保持されている。ベースステーション25および特定のフィールドユニット42Aとの間の正確な周期化は、アクティブおよびスタンバイモードにあるフィールドユニット42に対してのみ維持される。図7は、ベースステーション25とフィールドユニット42Aとの間の特定のリンクに対して維持されるモードタイプに関するさらなる詳細を示す。本発明のこの構成は明細書の中で後述される。
【0058】
スタンバイまたはアクティブモードでの各フィールドユニット42Aは、フォワードリンクLQMチャネル60Lにおいて一つのタイムスロットを、またリバースリンクハートビートタイプチャネルでは一つの時間セグメントを割り当てられる。したがって、情報はメッセージの特定のタイムスロットでの伝送に基づきフィールドユニット42Aを目標とされる。例えば、タイムスロット#1に割り当てられたフィールドユニット42Aは、フォワードリンクLQMチャネル60L上のタイムスロット#1において受け取った情報を復調し、解読するのに対し、ベースステーション25に戻されたデータは、リバースリンクハートビートスタンバイチャネル55HSまたはハートビートリクエストアクティブチャネル55HRAのタイムスロット#1の中のフィールドユニット42Aにより送信される。ベースステーション25およびフィールドユニット42Aの両者は、いずれのリンクにメッセージが特定のタイムスロット310でのメッセージの受領に基づいて表示されているかを特定する。
【0059】
好ましくは、各対応するチャネルにおけるタイムスロット間にはタイミングのズレが存在し、ベースステーション25に割り当てられたタイムスロットにおいて受け取られたメッセージを処理し、次にサイクルの残りの部分でLQMチャネル60Lを用いて適切に応答するための時間を与える。したがってLQMチャネル60Lにより伝送されたメッセージは、フィールドユニット42Aの伝送特性を調節するのに用いられるフィードバックメッセージを含む。
【0060】
LQMチャネル60Lは、上述のようにタイミング基準として用いられるが、本発明の原理はフォワードリンクにハートビートタイプチャネル55HSおよび55HRAが用いられ、リバースリンクにはLQM−タイプチャネルが用いられる時に同等に適用される。言い換えれば、ベースステーション25はフィールドユニット42Aに関して選択的に同期化される。
【0061】
スタンバイモードでは、同期化は、LQMチャネル60Lの対応するタイムスロットにおいて送られたメッセージに基づいてフォワードリンクLQMチャネル60Lとリバースリンクハートビートスタンバイチャネル55HSとの間で保持され、特定のフィールドユニット42に対してベースステーション25にそのフィールドユニット42から送られたメッセージが適切なタイムスロットにおいて受け取られるか否かを表示する。例えば、フィールドユニット送信器40からベースステーション25へのメッセージ送信は、ベースステーション受信器35において分析されてベースステーション25と多数のフィールドユニット42の各々との間の微調整に役立てられる。
【0062】
図2に示されているように、LQMチャネル60LのタイムスロットA1 からA16は、アクティブモードでのフィールドユニット42に対して留保されており、トラフィックチャネルはリバースリンク方向でのフィールドユニット42Aに割り当てられ、データはフィールドユニット42からベースステーション25に伝送される。逆にLQMチャネル60Lのタイムスロット1−48は、フィールドユニット42に対して留保され、通信システム100のリバースリンクを用いてデータペイロードを現在送信していないスタンバイモードで操作している。
【0063】
随時、対応するフィールドユニット42に割り当てられているのは、ハートビートチャネル55HまたはLQMチャネル60Lの64のタイムスロットの内の48以下であることが望ましい。このことは、フィールドユニット42Aとベースステーション25との間のデータ伝送の完了時にアクティブタイムスロットを割り当てられたアクティブモードでのフィールドユニット42Aがスタンバイモードに戻り、使用されないスタンバイモードタイムスロット310を再び割り当てられることを保障する。
【0064】
好ましくは、スタンバイモードのフィールドユニット42は、それらがアクティブモードにある時にはできる限りEPOCHマークM1に近い形で、使用されないアクティブタイムスロット310を割り当てられる。例えば、48のフィールドユニットがスタンバイモードLQMスロットS1 ,S2 …S48を割り当てられる時には、アクティブモードにセットされたフィールドユニット42AはLQMチャネルの中の割り当てられたアクティブモードタイムスロットA1 である。フィールドユニット42Aに割り当てられるべき次のアクティブタイムスロット310は、A1がその時に使用されていることを仮定してA2 のような低い番号の使用されていないタイムスロットとなる。
【0065】
ハートビートスタンバイチャネル55HSは、アクティブフィールドユニット42Aからのメッセージを伝送するための追加のタイムスロットをも包含し、即ちリバースリンクにおいて割り当てられたトラフィックチャネルを用いてベースステーション25にデータを送信するフィールドユニット42Aである。好ましくは、リバースLQMタイムスロット250は、対応するアクティブフィールドユニット42Aからベースステーション25にリンク品質情報を送信するために割り当てられる。このようにしてベースステーション25は、ベースステーション25とフィールドユニット42との間のフォワードチャネルに関する送信の対応するリンク品質を通知することができる。
【0066】
リバースLQMタイムスロット250を用いる特定の用途では、フィールドユニット42Aはベースステーション25からのフォワードリンク信号の品質をモニタリングし、フォワードエラー修正情報を含む変調されたメッセージを割り当てられたLQMタイムスロット250におけるベースステーション25に送信することができる。LQMタイムスロット250において伝送されるこれらのフィードバックメッセージに基づいてベースステーション25からの伝送された信号の性質は、フォワードリンクチャネルでのその後のフィールドユニット42Aへのメッセージが正しく検出することのできるように調節することができる。例えば、フィールドユニット42Aは、フォワードリンクトラフィックチャネルを通してベースステーション25により伝送される信号が適切なパワーレベルで送られるために受信された信号のパワーレベルが希望の範囲内にあるか否か、例えば選ばれた信号対ノイズ比(S/N比)であるか否かをモニタリングすることができる。この場合、リバースLQMタイムスロット250において送られたメッセージは、ベースステーション25がフォワードチャネルにおけるそのパワーレベル出力を増大させまたは低下させるかを示すことができる。
【0067】
ハートビートスタンバイチャネル55HSは、多数のフィールドユニット42とベースステーション25との間の通信の少なくとも2つのタイプをサポートする。スタンバイモードでの第1フィールドユニット42Aは、対応するフィールドユニット42Aのタイミングの一致およびパワーレベルを調節するためにベースステーション25においてモニタリングされるタイミング基準信号を送信する。最近話題となっているようにアクティブモードでの第2フィールドユニット42Bは、メッセージをベースステーション25に送信するためにリバースLQMタイムスロット250を割り当てられる。好ましくは、リバースLQMタイムスロット250において伝送されるメッセージは、メッセージの内容を決定するためにベースステーション25において復調され解読されるデータメッセージを含む。
【0068】
スタンバイモード自身においてフィールドユニット42Aによるハートビートスタンバイチャネル55HSでのタイムスロット中の単なる無線周波数の伝送は、フィールドユニット42Aがスタンバイモードにとどまることを望むことのベースステーション25に対する表示である。上述のように、フィールドユニット42Aによるスタンバイモードでの後者の送信は、フォワードエラー修正情報を含む解読され復調されたメッセージを含まない。
【0069】
図3は、本発明の原理によるフォワードリンクLQMタイムスロット310におけるビットのマッピングの例を示すタイムチャート図である。図示されているように、各々タイムスロット310において送信される16ビットが存在するが、これは用途によって変化することがある。LQMタイムスロット310の一つのビットは、少なくともメッセージサイクルにおいてベースステーション25で受信されたフィールドユニットメッセージ送信が正確に割り当てられたタイムスロット310の中で受け取られたか否かを示すLQMタイミングビット311である。このことは、同じリバースリンクチャネル65の隣接するタイムスロットにおけるメッセージを送信する他のフィールドユニット42は互いに干渉することのないことを保障する。
【0070】
好ましい実施形態においては、LQMタイミングビット311は、フィールドユニット42Aがリバースリンク65上でのタイミングを進めるべきか、または遅らせるべきかを示す。ロジックワンは、タイミングをチップの1/8だけ進ませるべきことを示すのに対し、ロジックゼロは、タイミングをチップ1/8だけ遅らせるべきことを示す。このようにしてベースステーション25は、ベースステーション25と複数のフィールドユニット42の各々との間の通信リンクを個々に同期化する。言い換えれば、対応するフィールドユニット42からのメッセージ送信のタイミングはしばしば調節されるために、対応するメッセージはベースステーション25の割り当てられたタイムスロットの中で受け取られる。したがって、フィールドユニット42は、ベースステーション25に比較してきわめて高速で動くにもかかわらず、ベースステーション25に同期化することができる。
【0071】
好ましい実施形態において、ベースステーション25は、BHCコード化に基づいてLQMチャネル60L上で情報を伝送する。これにより受信フィールドユニット42はエラーを検出し修正することができる。たとえば、15.7コード使用は、最大2つのエラーを修正し、最大3つのエラーを検出することを可能にする。図3に示されるように、エラーの修正と検出のために8つのパリティービット313が用いられている。
【0072】
再び図2によれば、タイムチャート図は、ハートビートスタンバイチャネル55HSおよびハートビートリクエストアクティブチャネルHRAを示す。図示されたように、タイムスロットのナンバリングは、互いに順番に並ぶように両チャネルに対して選ばれている。例えば、各ハートビートチャネルのタイムスロット#1は、その時の時間セグメントTslotの中で互いに一致している。
【0073】
ハートビートスタンバイチャネル55HSおよびハートビートリクエストアクティブチャネル55HRAは、異なった機能を発揮する。例えば、特定のタイムスロット310の使用を割り当てられたフィールドユニット42は、スタンバイモードにとどまることを望むことをベースステーション25に示すために、ハートビートスタンバイチャネル55Hを介して送信する。他方、フィールドユニット42Aは、選択的にフィールドユニット12がフィールドユニット42Aからベースステーション25までデータペイロードを送信するためにリバースリンクトラフィックチャネルの割り当てを望むことをベースステーション25に表示するためにハートビートリクエストアクティブチャネル55HRAの対応するタイムスロット310を介して送信する。
【0074】
好ましい用途では、ハートビートスタンバイチャネル55HS、ハートビートリクエストアクティブチャネル55HRAおよびLQMチャネル60Lは、長いPN(擬似雑音)コードのような独特のコードによりすべて規定される。したがって、ベースステーション25は、割り当てられたタイムスロットにおけるフィールドユニット42Aからのメッセージを、フィールドユニット42AがRF(無線周波数)信号を対応する固有のコード化されたチャネル上を送信するか否かを検出することによって検出する。いずれかのハートビートチャネルの割り当てられたタイムスロットの中の伝送は、復調されるべき重要な意味を持つデータペイロードを含むことを必要としない。なぜならばチャネル自身の時間内のフィールドユニット42Aによる単なるコード化されたRF伝送は、ベースステーション25に対し対応するフィールドユニット42Aがスタンバイモードにとどまるか、または動作することを望むか否かを示すからである。
【0075】
ある用途において、フィールドユニット42Aは、短いPNコード、長いPNコードおよびWalshコードのような直交コードを含む復調されないデータを、ハートビートタイプチャネル、即ちハートビートリクエストアクティブチャネル55HRAのハートビートスタンバイチャネル55HSの割り当てられたタイムスロット310の中で送信する。このように、タイムスロット310の中で受信されたメッセージは、対応するデータペイロードメッセージを解読することなしに容易に特定される。フィールドユニット42Aは、コード化されたメッセージまたはデータペイロードを含む表示を伝送した時には、通常必要とされるよりも低いパワーレベルで送信する。
【0076】
フィールドユニット42Aは、割り当てられた時間セグメント中はハートビートスタンバイチャネル55HSおよびハートビートリクエストアクティブチャネル55HRAを含むハートビートチャネルの対の一つのみを送信するから、これらのチャネル上で送信されたRFパワーの組合せは、単一チャネルの場合と同じ効果を示す。
【0077】
マーカは、いずれかのハートビートチャネルのタイムスロット化されたメッセージ内に含まれるのが望ましく、したがってベースステーション25は、対応するフィールドユニット42が正しく同期化されるか否かを分析することができる。特に、フィールドユニット42はマーカをタイムスロットル310の中の予め定められた位置に伝送し、ベースステーション25は、次にフォワードリンクLQMチャネル60Lの適切なタイムスロット310の中でメッセージを送ることにより、フィールドユニットが将来のメッセージ送信のタイミングを進ませるかまたは遅らせるかを示す。
【0078】
本発明の別の構成は、多数のフィールドユニット42の各々とベースステーション25との間にパワーフィードバックループを維持することを包含する。ハートビートスタンバイチャネル55HSまたはハートビートリクエストアクティブチャネル55HRAのタイムスロットの中で送信される表示または基準信号は、ベースステーション25において分析されることにより対応するフィールドユニット42Aにより送信される受信RF信号の強度を決定する。例えばフィールドユニット42Aのパワー出力は、ベースステーション25において受信される信号の信号対ノイズ比に基づいて調節することができる。信号の強度が希望のレベルより低いか、またはベースステーション25により検出されるような定められた範囲外にある時には、ベースステーション25により作り出されたフィードバックメッセージは、ハートビートタイプチャネル上のその後の送信のためのパワーレベルを調節するために、対応するフォワードリンクにおけるフィールドユニット42Aに伝えられる。このようにしてフィールドユニット42Aのパワーレベルは、連続するLQMタイムスロット310におけるフィールドユニット42Aに送信されたパワー調節メッセージに基づいて同チャネル干渉を抑制するように調節されることができる。送信器のパワーレベルは徐々に増減されることができるので、他のチャネルに及ぼす影響は最小となる。
【0079】
フィールドユニット42Aのパワー出力レベルを調節する上記の方法は、フィードバックメッセージを介してフィールドユニット42Aをベースステーション25に同期化するために前述された方法に似ている。しかし、パワーフィードバックコントロールループでは、フィールドユニット42Aのパワーレベル出力がタイミングの代わりにパワーフィードバックメッセージを介して調節される。したがって、フィールドユニット42Aのパワーレベルは、スタンバイモード中は調節することが可能であり、送信器がデータペイロードを受信器に送信する時には、送信器のパワーレベルは同チャネル干渉を減少させるように最適化される。
【0080】
パワーフィードバックループは、特定のパワーレベルにおいてRF信号を送信するための基準を提供するために、フィールドユニット42Aはいかなるレベルでフィールドユニット42AがFEC(フォワードエラー修正)コード化メッセージをリバースリンクトラフィックチャネルのような他のチャネルにより送信すべきかを決定することができる。特に、最近アクティブモード化されたフィールドユニット42Aは、基準としてハートビートチャネル上でパワーレベル送信を用いてデータペイロードを送信する使用されるべき変調タイプおよびFECコードによりデータペイロードをいかなるレベルでベースステーション25に送信すべきかを決定することができる。
【0081】
パワーおよびタイミングフィードバックループの両者は、同時に実施されることができるためにフィールドユニット42Aのパワー出力レベルおよびタイミングが散発的データ送信のために最適化される。したがって、フィールドユニット42Aのパワーおよびタイミングフィールドユニット42Aの信号対ノイズ比および信号経路送信遅延がほとんど瞬時に変化するダイナミックな状況下でも最適に調節することができる。周囲の状況が変化する時にもリンクは維持される。
【0082】
スタンバイモードでは、フィールドユニット42Aからベースステーション25へのRF送信が適切なパワーレベルで受信されるか否かを特定のフィールドユニット42Aに示すLQMチャネル60L上の適切なタイムスロット310において送られたメッセージに基づいてパワーレベル最適化が達成される。例えば、フィールドユニット送信器40からベースステーション25への信号の送信は、ベースステーション受信器35において分析されて多数のフィールドユニット42の各々に対してパワーレベルの微調整が達成される。
【0083】
図3は、本発明の原理によるフォワードリンクLQMタイムスロット310におけるビットのマッピング例を図示している。開示されたように、各タイムスロット310においては少なくとも16ビットが送信されるが、これは用途により変えられる。
【0084】
LQMタイムスロット310の一つのビットは、前のEPOCHサイクル中にベースステーション25において受信されたハートビートスタンバイチャネル55HSまたはハートビートリクエストアクティブチャネル55HRA上のフィールドユニット送信が定められたパワーレベルより高いかまたは低いか検知された結果を示すLQMパワーレベルコントロールビット312である。LQMタイムスロット310の中でのこのフィードバックメッセージは、フィールドユニット42Aにおいてモニタリングされてフィールドユニット42Aのパワー出力レベルを調節するために、フィールドユニット42Aのパワー出力は最小であるが、ベースステーション25において検出可能である。もちろん、フィールドユニット42Aのパワー出力レベルは、最低検出可能レベルより上に調節されるために、フィールドユニット42Aからの送信は、たとえ外界条件にわずかな変化が現れてもなお検出可能である。
【0085】
注目すべきはフィールドユニット42Aによる送信が極めて低いためにベースステーション25では検出不可能である時には、LQMタイムスロット310でのフィードバックメッセージが作り出されて、フィールドユニット42Aが予め定められた量だけパワー出力レベルを高めることにより、ベースステーション25は、後続のEpochにおけるフィールドユニット42Aにより送信を検出できる可能性を示すことである。多数Epochにわたりフィールドユニット42Aに送信されるパワーフィードバックメッセージは、そのパワー出力レベルを徐々に調節するために用いることができる。このフィールドユニット42Aによるパワー出力の漸次の変化は、他のチャネルの品質へのインパクトを最小にする。言い換えれば、フィールドユニット42Aは、好ましくは他のコード化されたチャネル上で送信する他のフィールドユニット42に不当な干渉をもたらす程の高いパワーレベルで送信しないものとする。
【0086】
特定の用途では、LQMパワーレベルコントロールビット312は、フィールドユニット42Aがリバースリンク65上の送信のためのパワーレベル出力を増大させるべきか、減少させるべきかを示す。ロジック1は、タイミングを例えば1/2dBだけ高めるべきことを示すのに対し、ロジックゼロは、ベースステーション25での受信された信号が希望の信号対ノイズ比のレンジに収まるように、フィールドユニット42Aのパワーレベル出力が1/2dBだけ引き下げられるべきことを示す。このようにして、ベースステーション25は、ベースステーション25と複数のフィールドユニット42のそれぞれとの間の通信リンクのパワーレベルを個別に調節する。言い換えれば、対応するフィールドユニット42のパワー出力レベルはしばしば調節されるために、対応する表示は、ベースステーション25の所望のパワーレベルにおいて受信される。したがって、フィールドユニット42のパワー出力レベルは連続的に調節されるために、たとえフィールドユニット42Aがベースステーション25に対して極めて速く移動しても、すなわちリバースリンクパス損失が変化して、フィールドユニット42Aのパワー出力レベルがベースステーション25との連続的な通信をサポートするために適切に調節されるときにも、最適にセットされる。
【0087】
前述のように、パワー調節は、LQMタイミングビット312の状態に基づいて、フィールドユニット42Aにおいて行われる。最初、タイミングは、このビットの状態に応じて適切な方向に1/2dBのようなあらかじめ定められた最初の量により調節される。しかし、フィールドユニット42Aが、ある列で8つの“increase”パワービットを、またはある列で8つの“decrease”パワービットを、多くのEPOCHsについて受信する時には、フィールドユニット42Aのパワー調節は、同じ状態の後続のLQMパワーコントロールビット312に対しては、1/2dBの代りに1dBに基づいて行われる。このようにして、フィールドユニット42Aの最適のパワー出力レベルは、リンクのためのパワーレベルが大きく調節を乱されている時にはより迅速に実現される。
【0088】
フィールドユニット42Aは、パワー出力レベルが過剰修正されること、すなわちLQMタイミングビット312の極性があるepochから別のepochに状態を変化させることを認めると、フィールドユニット42Aでのパワー出力調節は、その後に受信される各LQMパワーコントロールビット312に対してのもとの1/2dBに戻される。フィールドユニット42とベースステーション25との間にパワー同期化が達成される時には、LQMパワーコントロールビット312は、通常、いくつかの継続するEPOCHサイクルに対し、ロジック1とゼロが交互に続くように設定される。言い換えれば、フィールドユニットにおけるパワーコントロール出力は、ベースステーション25およびフィールドユニット42Aの間で同期化が実際に果たされる時には、1/2dBだけジッタする。このジッタ量は、このような同期化リンクを維持するためには耐容することができる。もちろん、フィルタがフィールドユニット42Aに設けられることができるために、パワー出力は、フィールドユニット42Aの一つのEpochから次のEpochに移る時にジッタはおきない。
【0089】
単一LQMパワーコントロールビット312を送信する代りに、LQMタイミングスロット310は、また、対応するフィールドユニット42Aがそのパワー主T力レベルを増減すべき量を示すマルチビットメッセージを含んでもよい。
【0090】
図4は、本発明の原理により割り当てられたリバースリンクトラフィックチャネルとなることを要求する、フィールドユニット42Aを図示するタイミングダイアグラムである。図示されているように、スタンバイモードでのフィールドユニット42Aは、Epoch E1に特定のタイムスロット311を割り当てられる。前述のように、フィールドユニット42は、ハートビートスタンバイチャネル55HSの割り当てられたタイムスロット310を経て、スタンバイモードにとどまることを送信する。フィールドユニット42Aからのこのリバースリンク表示に対する応答にあたって、ベースステーション25は、リンクの同期化を維持するために、Epoch E1におけるLQMチャネル60Lの対応するタイムスロット310において、フィードバックメッセージを送信する。前述のように、このフィードバックメッセージは、パワーおよびタイミングのコントロール調節情報の両者を含むことができる。
【0091】
Epoch E2は、フィールドユニット42Aが引き続きスタンバイモードにとどまることを要求する類似の状況を示す。したがって、タイムスロット310の中でタイミングマーカをモニタリングし、リバースリンクにおいてLQMチャネル60Lを経て対応するフィードバックを提供する反復機は、フィールドユニット42がデータペイロードをリバースリンク方向に送信することを望む場合に対応するリンクが同期化されることを保障する。
【0092】
後続のEpoch E3において、フィールドユニット42Aは、ベースステーション25に対しデータペイロードを送信するためにリバースリンクトラフィックチャネルを割り当てられるよう機能を付与されることの要求を示す。前述のように、これは、ハートビートリクエストアクティブチャネル55HRAの適切なタイムスロット310においてRF信号を作ることにより果たされる。利用可能なリバースリンクトラフィックチャネルの数によっては、フィールドユニットが機能を付与されることを要求する時点と、トラフィックチャネルが実際にフィールドユニット42Aにより使用されるために実際に割り当てられる時点との間に遅れの生じることがある。したがって、ベースステーション25においてハートビートリクエストアクティブチャネル55HRAの割り当てられたタイムスロット310において送信することにより機能状態に移行する要求を反復することが望ましい。タイミング調節フィードバックメッセージは、また、ハートビートリクエストアクティブチャネル55HRA上で受信されたメッセージに基づいてフィールドユニット42Aに送信されるから、ベースステーション25とフィールドユニット42との間の対応するリンクの精密な同期化およびパワーコントロールは、その後のEpoch E4およびE5に対して維持される。
【0093】
Epoch E5の前、またはEpoch E5中、フィールドユニット42Aは、いずれのトラフィックチャネルがそのデータペイロードをリバースリンク方向に送信するために割り当てられるかを知らされる。
【0094】
Epoch E6およびE7は、フィールドユニット42Aがデータペイロードを送信するためにリバースリンクトラフィックチャネル55Tの使用を割り当てられたことを示す。注目すべきは、フィールドユニット42Aは、ハートビートスタンバイチャネル55HSまたはハートビートリクエストアクティブチャネル55HRAのいずれを介しても、ベースステーション25にもはや表示を送ることのないことである。しかし、リンク品質メッセージは、フィールドユニット42のタイミングを調節するためにベースステーション25からフォワードリンク方向に依然として送信されている。タイミング調節フィードバックメッセージは、リバースリンクトラフィックチャネル55Tを経て送信されたマーカに基づいている。図示されたように、Epoch E6およびE7において、LQMメッセージは、新たに割り当てられたA1とA6との間のアクティブタイムスロットにおいてフィールドユニット42Aに送信される。したがって、ベースステーション25からフィールドユニット42Aへの送信は、新たなタイムスロット310に移行した。もちろん、Epoch E6以前には、フィールドユニット42Aは、それがデータペイロード310を送信するトラフィックチャネル55Tおよびフィールドユニット42AがタイムスロットされたLQMメッセージを受信する新たに割り当てられたアクティブタイムスロット310を知らされねばならない。
【0095】
前述のように、マーカは、リバースリンクトラフィックチャネル55Tを経てそれらが分析されるベースセクション25へのデータペイロード送信に含まれる。この場合には、最小のフィードバックタイミング調節メッセージは、リバースリンクトラフィックチャネル55Tの中で受信されるマーカに基づいて作り出される。タイミング調節メッセージは、フォワードリンクLQMチャネル60Lの新たに割り当てられたアクティブタイムスロットA1において送信される。
【0096】
データペイロードがリバースリンクトラフィックチャネル55Tを経て送信された後、フィールドユニット42AはEpoch E8およびE9に示されているスタンバイモードに移行する。したがって、同期化は、フィールドユニット42Aとベースステーション25との間のフィードバックループに基づいて再び維持される。特に、ハートビートスタンバイチャネル55HSのタイムスロット310において送信されたメッセージは、ベースステーション25において再び分析され、タイミング調節フィードバック情報は、フォワードリンクLQMにおいて送信されてフィールドユニット42Aをベースステーション25に精密に同期化する。
【0097】
図5は、リバースリンク65およびフォワードリンク70の同期化ならびにパワーコントロールを探すために用いられるベースステーション25でのハードウェアコンポネントを示す。フィールドユニット42Aにより使用されるように割り当てられたタイムスロット310において送信された情報は、ハートビートスタンバイコリレーションフィルタ440、またはハートビートリクエストアクティブコリレーション445のような対応するハートビートコリレーションフィルタにより分析される。一般に、各ハートビートチャネルの固有のコードは、各種のタイムスロット310の中でモニタリングされて、対応するフィールドユニット42Aが機能モードにとどまることの要求を検出する。その後、ベースステーション25は、フィールドユニット42Aを、機能モードへの移行の要求が検出された時に適切なリソースをそれに与えることにより機能モードに設定する。ハートビートスタンバイコリレーションフィルタ440が、スタンバイモードにとどまることのフィールドユニット42Aの要求に対応する長いPNコードを特定するのに対し、ベースステーション25でのハートビートリクエストアクティブコリレーションフィルタ445は、機能モードに移行する要求に対応する長いPNコードを特定する。
【0098】
フィールドユニット42Aが、いずれのハートビートタイプチャネル上で、割り当てられたタイムスロット310において送信するかには関係なく、フィールドユニット42Aからのマーカは、パルスタイミングアナライザ422によりモニタリングされる。次に、対応するフィールドユニット42Aによるメッセージ伝送が、ベースステーション25でのタイムスロット310内で早く、または遅く受信されるかが求められる。好ましくは、あるタイムスロット310において受信された最強の相違点ストリングは、ハートビートスタンバイチャネル55HS、またはハートビートリクエストアクティブチャネル55HRAを介して受信されたメッセージのタイミングを分析するためのタイムアライメントストリングと命名される。
【0099】
タイムスロットアライメントは、前述のコリレーションフィルタを用いて分析される特定のストリングにおけるパイロットのコリレーションプロファイルに基づくのが好ましい。コリレーションフィルタ440、445の出力は、256サンプルを含み、64ラグに相当し、ラグ当たり4サンプルの割合である。256サンプル出力ウィンドウは、ベースステーション25の全コリレーション時間間隔をあらわす。好ましくは、タイムアライメントポイントまたはマーカは、サンプルナンバー80であり、プレカーソルに対して20ラグを、またポストカーソルチャネル情報に対して44ラグを可能にする。
【0100】
一般に、タイムアライメントエラーの計算は、特定のサンプルストリングの中のどこに質量中心またはピークが存在するかを求めることが基礎となっている。例えば、アートビートスタンバイチャネル55HSまたはハートビートリクエストアクティブチャネル55HRAのいずれかを経て指定されたタイムスロット310において送信する各フィールドユニット42Aは、マーカを、すなわちタイムスロットの中のあらかじめ定められた位置にあるピーク信号を含む。主経路のいずれかの側のチャネルおよび2サンプルに対する最強のパイロットパス、すなわち1および1/4チップは、タイムスロットの中の質量中心またはマーカのピークを求めるために統計的に分析される。図6のサンプルの質量中心は、下記の式に基づいて計算される。
【0101】
【数1】

【0102】
ここで、Lはタイムスロットにおける質量中心の位置であり、tはX−軸に沿ったサンプル時間、Q(t)は特定のサンプルタイムにおけるサンプルの大きさである。例えば、Lは、図6に示された結果に基づいて計算される。
【0103】
【数2】

【0104】
再度、タイミングアライメントエラーは、算定された質量中心のタイミングを、タイムスロット310の中のタイミングアライメントのための基準点として選ばれる所望の80の時間設定点と比較することにより、求められる。前記の例における質量中心は、78.317と推定されるから、タイミングは早いことになり、したがって対応するLQMタイミングビット311は、ロジック“1”にセットされ、対応するフィールドユニットは、そのタイミング基準をチップの1/8だけ進めることにより、その後のメッセージは、タイムスロット310の中でチップの1/8だけ遅らされる。本発明の中のこの総合的なフィードバック技法は、ベースユニット25と多数のフィールドユニット42のそれぞれの間のタイムアライメントの連続微調整を保障する。
【0105】
好ましくは、タイムエラーは、所望の設定点サンプル80とLとの差の2倍の整数を用いることにより計算される。例えば、 タイム_エラー=整数[(L−80)×2]
タイムエラーが負の値となると、LQMタイミグビット311はロジック“1”に設定される。逆に、LQMタイミグビット311は、タイム_エラーが正の値となるときにはロジック“ゼロ”に設定される。
【0106】
再び図5によれば、プロセッサ426はタイミングデータを分析し、リバースリンクハートビートチャネル55HおよびフォワードリングLQMチャネル60Lを同期化するためのタイム_エラーを作り出す。LQMタイムスロット化されたメッセージは、次に、LQMチャネル♯1 60L上のLQM信号発生機450により送信されて、前述の対応するフィールドユニット42Aに対するタイミング調節を可能にする。
【0107】
スタンバイモードでのフィールドユニット42Aが、ハートビートリクエストアクティブチャネル55HRAの割り当てられたタイムスロットの中で送信することにより、機能モードへの移行の要求を送信する時には、このような要求は、ハートビートリクエストアクティブコリレーションフィルタ445において検出される。前述のように、ハートビートリクエストアクティブコリレーションフィルタ445において検出されたアクティブモードリクエストのタイミング特性もまた分析されて、ベースステーション25と各フィールドユニット42Aとの間の特定のリンク上での整合を維持するために前述のようにタイミングエラーを求める。
【0108】
トラフィックチャネル55Tを割り当てるためのリソースが利用可能であれば、要求するフィールドユニット42Aはベースステーション25によりアクティブモードに移され、データの移行のための構成の詳細はプロセッサ426により操作される。例えば、新しいLQMタイムスロットの割り当てに関する情報、すなわちアクティブモードタイムスロットA1…A6の割り当ては、例えばページングチャネル60Pを介して対応するフィールドユニット42Aに送られる。リバースリンクトラフィックチャネル55Tは、次にフィールドユニット42Aからベースステーション25にデータペイロードを送るために割り当てられる。
【0109】
アクティブモードの間、フォワードおよびリバースリンクの同期化は、LQMチャネル60Lおよびトラフィックチャネル55Tを介したメッセージに基づいて維持される。なぜならば、ハートビートチャネルタイムスロットは、リバースフィールドユニット42Aによる使用のためにリバースリンク65専用のものではなくなっているからである。特に、タイミングマーカがリバースリンクトラフィックチャネル送信に含まれるために、ベースステーション25は、データペイロードフィールドユニット42Aがタイミングに関して早いか遅いかをモニタリングすることができる。
【0110】
アクティブモードでのフィールドユニット42Aにより送信されるメッセージは、トラフィックチャネル55Tを経てベースステーション25に送信され、対応するトラフィックチャネル信号は、パイロットシンボルタイミングマーカを検出するためにベースステーション25においてトラフィックチャネルコリレーションフィルタ430に送られる。好ましくは、フィールドユニット42Aは、タイミングマーカとして割り当てられたタイムスロット310の中で32のパイロットシンボルのシーケンスを送信する。トラフィックチャネル55Tは、次にパルスタイミングアナライザ420により分析されて、どのようなメッセージがベースステーション25とのフィールドユニット42の所望の同期化に関して早いか遅いかを判断される。
【0111】
質量中心を推定するためのパルスまたはマーカを分析するプロセスは、ハートビートチャネル55HSまたは55HRAのいずれかの長いPNコードのようなメッセージおよび対応するマーカに対する仕様に前述されているものに類似している。しかし、フィールドユニット42Aがアクティブモードにある時には、トラフィックチャネル55Tの中のパイロットシンボルが、長いPNコードよりもむしろタイミング基準マークとして用いられる。フィールドユニット42Aがそのタイミングを進めるかまたは遅らせるかを確定するために、タイミングマーカがいかに分析されるかに関する詳細については、図7および関連の考察を再度参照のこと。
【0112】
図8は、本発明の原理による各種の運転モードおよび同期化が、フィールドユニットおよびベースステーションとの間で、各モードに対していかに維持されるかを図示するテーブルである。
【0113】
好ましくは、ベースステーション25およびフィールドユニット42のタイミングアライメントは、フォワードリンク70上の割り当てられたアクティブタイムスロットA1…A16において送信されたLQMタイミングビット311に基づく。アクティブフィールドユニット42により送信されたデータメッセージの受け取りが、割り当てられたタイムスロットに関して早過ぎるかまたは遅過ぎる時には、LQMタイミングビット311は、トラフィックチャネル55T上の将来のメッセージ送信のタイミングを早めるかまたは遅らせるために設定される。
【0114】
単一トラフィックチャネルコリレーションフィルタ430が単一トラフィックチャネル55Tにおけるマーカを検出するために示されるが、多数のトラフィックチャネル55Tが選択的に分析されて、リバースリンク65とフォワードリンク70との間のタイミングアライメントを調整する。
【0115】
前述のように、ベースステーション25との間に同期化リンクを確立するための要求を送信するために、アクセスチャネル55Aがフィールドユニット42により用いられる。通常、アクセスチャネル55A上のメッセージはランダム方式で送信される。したがって、リンクを要求する2つ以上のフィールドユニット42が、偶然同時にアクセスチャネル55A上でリンク要求メッセージを送信して、メッセージの衝突が起きることがある。
【0116】
衝突がアクセスチャネル55A上で検出される時には、ページングチャネル60Pを介してページングチャネル信号発生機455により作られたメッセージに基づきフィールドユニット42に知らせる。各フィールドユニット42は、次に、ランダムバックオフタイムにもとづいてアクセスチャネル55A上で同期化リンクを確立するそれらの要求を再送信することにより、衝突の出現を第2のまたは他のその後の試みの際に抑制する。
【0117】
図5に示されているアクセスチャネル55Aは、アクセスチャネルコリレーションフィルタ435に送られる。好ましくは、フィールドユニット42は、同期化リンクを要求するフィールドユニット42Aを特定する情報を含む32のパイロットシンボルのシーケンスを送信する。受け取られた一連のパイロットシンボルは、パルスタイミングアナライザ422により分析されることにより、ベースステーション25に関してフィールドユニット42Aの最初のタイミング情報を求められる。フィールドユニット42は、アクセスチャネル55A上で要求を無作為に送信するから、フォワードおよびリバースリンクチャネルの概略同期化を達成するために、フィールドユニット42とベースステーション25との間の始めのタイミングエラーを求めることが必要である。
【0118】
ベースステーション25により、同期化リンクがベースステーション25と要求フィールドユニット42Aとの間に確立されることが認められる時には、適切な確認メッセージがフォワードページングチャネル60Pを経てベースステーション25から対応するフィールドユニット42Aに送信される。フォワードページングチャネル60Pを経てフィールドユニット42Aに送信される他の情報の中で、ハートビートタイムスロットの割り当て、LQMタイムスロットの割り当て、および概略タイミング調節情報のような同期化情報も、フィールドユニット42に送られる。このように、スタンバイモードに新たに移されたフィールドユニット42Aは、ベースステーション25との間でさらに精密な同期化を維持するために、ハートビートタイプチャネルの一つを介して表示を送信することができる。
【0119】
前述のように、概略タイミング調節情報は、フォワードページングチャネル60P上をベースステーション25に関してリンク要求フィールドユニット42Aを概略的に同期化するために送信される。好ましくは、10ビットのサイン番号がフィールドユニット42Aに送信されて、アクセスチャネル55A上を以前に送信されたフィールドユニット42のリンク要求メッセージに関してそのタイミングを早めるか、または遅らせる量を表示する。10ビットサイン番号のすべてのleast significant bit (LSB)は、適切に加重される。例えば、あるLSBは16チップを表すことができる。このタイミング修正情報に基いて、対応するフィールドユニット42Aは、その概略の、ベースステーション25に相対的なタイミングを調節する。その後、メッセージは、ハートビートチャネル55HS,55HRA、またはトラフィックチャネル55Tの適切なリバースリンクタイムスロットの中で送信される。微調整は、その後のベースステーション25におけるフィールドユニット42Aによる送信を分析すること、およびLQMチャネル60Lフィールドバック経路を経て同期化情報を提供することにより、果たされる。
【0120】
適切なタイムスロットの中での送信に加え、概略および精密なベースステーション25との同期化は、フィールドユニットが、フォワードリンクにおける割り当てられたタイムスロットの中で情報を受け取ることを可能にする。
【0121】
図5aおよび5bは、フィールドユニット42Aおよびベースステーション25の間にワイヤレスコミュニケーションリンクがいかに確立するかの詳細を提供するフローチャートである。通常、すべての移動ユニットまたはフィールドユニット42Aがベースステーション25に関して種々な間隔を隔てて位置する特定のサービスエリアの中に通信リンクを要求する、多数のフィールドユニット42が存在する。例えば、あるフィールドユニット42は、ベースステーション25にきわめて接近して存在することができるのに対し、他のものはきわめて離れた位置にある。したがって、信号が特定のフィールドユニット42Aからベースステーション25に移行するための時間は、各フィールドユニット42について相違する。したがって、特定のフィールドユニット42とベースステーション25の精密なタイミングの整合は、隣接するタイムスロットの中で送信するフィールドユニット42の間の衝突を防止しまたは最小に抑えるために重要である。
【0122】
すべてのフィールドユニット42が、ベースステーション25までの距離および対応する遅れを考慮することなくリアルタイムで送信したならば、特定のフィールドユニットからの割り当てられたタイムスロットにおけるメッセージ通信は、歪んで、すなわちベースステーションでのメッセージが割り当てられたタイムスロットからわずかに外れて受信される。したがって、各フィールドユニット42Aからのメッセージの送信は、この歪み現象を防止するために、前述のとおり精密に調節される。
【0123】
フィールドユニット42Aからベースステーション25までの距離のみならず、フィールドユニット42Aがメッセージを送信する外界条件も、タイミングの整合に影響を及ぼす。例えば、建造物の構造、大気条件および他の地形条件も、フィールドユニット42Aからベースステーション25に送信される信号の通路に影響を及ぼす。したがって、数秒間に数フィールド程度に位置を変えるフィールドユニット42でも、信号路のタイミングに大きな影響を及ぼす。本発明の原理に基いて共有されるリバースチャネル65の連続的に調節されるタイミング送信の前記方法は、隣り合うタイムスロットの中でのベースステーション25に送信する多数のフィールドユニット42の間の衝突を最小に抑える。
【0124】
図6aのステップ510は、ワイヤレス交信リンクを作るフローチャートの開始点を示す。ステップ515において、アクセスチャネル55Aは、フィールドユニット42の要求を検出するためにベースステーション25によりモニタリングされ、ベースステーション25とのワイヤレス同期リンクが確立される。ベースステーション25において受信されるリンクを要求するメッセージは、一連のパイロットシンボルに続いて、リンクを要求するフィールドユニット42Aを特定するデータを含む。アクセスチャネル55Aを介して受け取られるデータ情報に基いて、ベースステーション25は、対応するフィールドユニット42の特性にアクセスすることができる。
【0125】
新たな同期化リンクを作るためのスタンバイタイムスロットが得られない時には、フィールドユニット42Aによる接続要求は、ステップ525に示されているように拒否される。この時メッセージは、フォワードリンクページチャネル60P上の対応するフィールドユニット42Aに送られることにより、タイムスロットが存在しないことを示し、フィールドユニット42Aは、その後改めてスタンバイ同期化リンクの確立を試みなければならない。
【0126】
ステップ520において新しいリンクを確立するための資源が利用できる場合、ベースステーション25はステップ530のアクセスチャネル55A上のフィールドユニット42Aから受け取った要求メッセージのタイミングを分析する。上述の様に、32パイロットシンボルのシーケンスが分析されてリバースリンク65におけるピークパルス、又はマーカの位置が決定される。このランダムメッセージがベースステーションのマスタタイム基準EPOCHマーク、M1に関して受け取られる時間およびフィールドユニット42Aがベースステーション25から離れている距離に基づいて粗い時間調節メッセージがベースステーション25により生成されてリンクを要求するフィールドユニット42Aとベースステーション25との間のタイミングを同期化する。この粗いタイミング情報、好ましくは10ビットサイン番号は、フィールドユニットをベースステーションEPOCHマークに一致させるためにフィールドユニット42は、そのタイミングをいかに調節すべきかを示し、ステップ535のフォワードリンクページングチャネル60Pを経てフィールドユニット42Aに送られる。次にフィールドユニット42Aは、その後のメッセージがリバースリンク65上で割り当てられたタイムスロットの中で送信されるようにそのタイミング基準を調節する。また、タイミングの一致はフィールドユニット42AがフォワードリンクLQMチャネル60Lの適切なタイムスロットの中でベースステーション25からのメッセージを受け取ることが出来ることを保証する。
【0127】
ステップ540によれば、ベースステーション25は二つのタイムスロットをリンク要求フィールドユニット42Aにページングチャネル60Pを介して割り当てる。一つのタイムスロット割り当ては、フィールドユニット42AがLQMチャネル60L上でベースステーション25からLQMメッセージを受け取るタイムスロットを示す。別のタイムスロット割り当ては、リバースリンクフィールドユニット42のいづれかのタイムスロット310においてハートビートタイプチャネルを経てベースステーション25に送信すべきかを示す。これらのタイムスロット割り当てに基づいてベースステーション25およびフィールドユニット42は、いずれのリンクにメッセージが属するかを決定することが出来る。なぜならば、タイムスロット自体はメッセージがどの対象に向かっているかを示すからである。
【0128】
スタンドバイモード中、ベースステーション25はハートビートスタンドバイチャネル55HS、又はハートビートリクエストアクティブチャネル55HRAのいずれかで対応するフィールドユニット42Aによる送信のために割り当てられたタイムスロットにおける周期的メッセージを監視する。例えば、いずれかのチャネルのタイムスロットにおいて受け取られたマーカは、ベースステーション25において分析されてベースステーション25とフィールドユニット42Aとの間のタイミングの一致を修正する。タイムスロットの中のメッセージがベースステーション25で受け取られるタイミングが早過ぎるか遅すぎる場合には、リバースリンクハートビートチャネル上で割り当てられたタイムスロット310におけるフィールドユニット42による将来の送信のタイミングは、ステップ542において特定のフィールドユニット42AのためのLQMタイミングビット311に基づいて適切に遅らせる、又は進められる。
【0129】
タイミング調節は、LQMタイミングビット311の状態に基づいてフィールドユニット42Aにおいて行われる。最初、タイミングはこのビットの状態に基づいて適切な方向でチップの1/8ずつ調節される。しかし、フィールドユニット42Aが多くのEPOCH のように連続的に8つの後退ビット、又は連続的に8つの前進ビットを受け取る場合、フィールドユニット42Aの基準タイミング調節は、同じ状態にある後続のLQMビット311に対してはチップの1/8ではなくチップの1/2を基準とする。この様にして、ベースステーション25とフィールドユニット42との間の同期化はリンクのためのタイミングが大きくずれている時には、より迅速に達成される。
【0130】
フィールドユニット42Aが、タイミングが過剰修正される、即ちLQMタイミングビット311の極性が1つのepochから別のepochへ状態を変化することを判定すると、フィールドユニット42でのタイミング調節は、その後に受け取られるLQMタイミングビット311の各々に対してチップの1/8に戻される。フィールドユニット42とベースステーション25との間で同期化が達成される時には、LQMタイミングビット311はいくつかの連続EPOCHサイクルに対してロジックの1と0が交互に設定される。言い換えれば、フィールドユニットにおけるタイミングは、同期化がベースステーション25とフィールドユニット42Aとの間で実現される時にはチップの1/8をジッタする。このジッタ量は、この様な同期化リンクを維持するために許される。
【0131】
フィールドユニット42Aが16連続のLQMビット311が同じ状態であるように別の8サイクルのタイミング調整修正を同じ方向で受ける場合には、時間調節修正は、受け取ったLQMタイミングビット311当り1チップに設定される。上述の様に、修正が過剰であることが判明した時には、フィールドユニットにおけるタイミング調節は、受け取られたLQMタイミングビット311の各々に対し再びチップの1/8を基準とする。
【0132】
各フィールドユニット42のメッセージ送信を一致させる為にタイミングパルスを監視することに加えてベースステーション25は、いずれのハートビートチャネル上でフィールドユニット42Aがその割り当てられた時間区分Tslotの間に送信するか決定する。次にステップ547においてフィールドユニット42Aが、ハートビートリクエストアクティブチャネル55HRAにおいて送信するか否かによってフィールドユニット42Aが、アクティブモードに設定されるか否かを決定する。上記の通りであれば、ベースステーションはステップ550のデータ送信を支持するためにリバースリンク65におけるトライックチャネル55Tの様な適切な資源を割り当てる。さらに、ベースステーション25は、フィールドユニット42による使用の為にアクティブタイムスロット、即ちA1-A16の間の一つの利用可能なタイムスロットをフォワードリンクLQMチャネル60Lの中において割り当てられることにより同期化ループを維持する。アクティブモード中は、上述の様にフィールドユニット42Aは、ベースステーション25がフォワードリンクLQMタイミングビット311を用いて適切なタイムスロット310の中でタイミング調節を行うトラフィックチャネル55T内の正しく配列されたパイロットシンボルマーカのシーケンスに基づいてベースステーション25との同期化を維持する。更に、フィールドユニット42Aはステップ560において再び主ループに戻る前にステップ555においてリバースリンクトラフィックチャネル55Tを経てデータを送信する。再び主ループに入る時に、このフィールドユニット42は、スタンバイモードタイムスロット310を再び割り当てられる。
【0133】
フィールドユニット42Aがステップ560において余り長くスタンバイモードなかった場合には、ベースステーション25は、フィールドユニット42Aがステップ572においてベースステーション25と該当するフィールドユニット42Aとの間のワイヤレスリンクを切断する要求をするかどうか決定する。リンクを切断する要求がなければプロセスループはステップ542に戻る
【0134】
フィールドユニット42がステップ572で対応するリンクを切断する要求を生成する場合には、ベースステーション25はステップ575においてメッセージをフィールドユニット42に送ることにより、この様な要求を確認し、通信リンクを切断する。これはステップ580に示されたフローチャートを終了するための一つの方法である。
【0135】
ステップ560によれば、フィールドユニット42Aが長い間、動作していない、即ちデータを送らぬスタンバイモードが長く続くことが判明した場合には、ベースステーションは、他のユーザが使用できるようにLQMおよびハートビートチャネルスロットの割り当てを取り消し、ステップ565においてフィールドユニット42Aとはアイドル接続を維持する。
【0136】
フィールドユニット42Aがステップ582において再びアクティブモードに移行することを要求することが判明した時には、ステップ570において同期化リンクを再構築する為にプロセスフローは、フローチャートの初めにおいて継続する。この様な場合には、一部は以前の接続に基づいて接続度が再度構築される。例えば、再接続のために全プロセスを再び実施する必要はない。何故ならば対応する最近動作を始めたリンクに関して維持されるデータは、以前の接続の復活に伴うオーバーヘッドを最小にする為に有利に使用出来るからである。
【0137】
ベースステーション25は、ステップ582において再びアクティブモードに移行するフィールドユニット42による要求を検出出来ぬ時にはステップ585においてフローは継続する。ベースステーション25がステップ585において一定のタイムアウト時間内にアイドルフィールドユニット42Aからの応答を受け取ることが出来ぬ時には、ベースステーション25はフォワードページチャネル60P上でフィールドユニット42をpingして、ステップ587のフィールドユニット42による応答を引き出す。フィールドユニット42Aがステップ590において応答せぬ時には、フィールドユニット42Aは停止し、従ってアイドル接続は、その特定のフィールドユニット42に対してはもはや維持されない。フィールドユニット42Aがステップ590においてpingに応答する時には、プロセスフローはステップ595においてスタンドバイ接続としてのリンクを再構築する為にフローチャートのSTART(ステップ510)において継続する。
【0138】
本発明を好ましい実施形態により図示し、説明してきたが、当業者には添付の特許請求項に包含される本発明の範囲から逸脱することなく、形状または細部の各種の変更が実行可能であることは理解されるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクセスチャネルである第1のチャネル、トラフィックデータを搬送する第2のチャネルおよび前記第2のチャネルのためのリソースを割り当てられていないという条件で送信される第3のチャネル上で信号を送信するよう構成された回路
を備え、前記回路は、前記第3のチャネルで、トラフィックデータを送信するために前記第2のチャネルの割り当てを要求しているとの指示であって、少なくとも1つのタイムスロットの期間および直交シーケンスのためのデータ値によって生成される指示を送信するようさらに構成されたことを特徴とするアクセスユニット。
【請求項2】
前記直交シーケンスは、Walshシーケンスであることを特徴とする請求項1に記載のアクセスユニット。
【請求項3】
前記指示を送信することを許可されたタイムスロットを示す割り当て情報を受信することを特徴とする請求項1に記載のアクセスユニット。
【請求項4】
前記割り当て情報は、前記指示を送信することを許可されたタイムスロットの反復パターンを示すことを特徴とする請求項3に記載のアクセスユニット。
【請求項5】
前記送信された指示は、追加のシーケンスによってさらに生成されることを特徴とする請求項1に記載のアクセスユニット。
【請求項6】
アクセスユニットにより、アクセスチャネルである第1のチャネル、トラフィックデータを搬送する第2のチャネルおよび前記第2のチャネルのためのリソースを割り当てられていないという条件で送信される第3のチャネル上で信号を送信するステップと、
前記アクセスユニットにより、トラフィックデータを送信するために前記第2のチャネルの割り当てを要求しているとの指示であって、少なくとも1つのタイムスロットの期間および直交シーケンスのためのデータ値によって指示を生成し、前記第3のチャネルで送信するステップと
を備えたことを特徴とする方法。
【請求項7】
前記直交シーケンスは、Walshシーケンスであることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記アクセスユニットにより、前記指示を送信することを許可されたタイムスロットを示す割り当て情報を受信するステップをさらに備えたことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記割り当て情報は、前記指示を送信することを許可されたタイムスロットの反復パターンを示すことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記送信された指示は、追加のシーケンスによってさらに生成されることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項11】
アクセスユニットから、アクセスチャネルである第1のチャネル、トラフィックデータを搬送する第2のチャネルおよび前記アクセスユニットが前記第2のチャネルのためのリソースを割り当てられていないという条件で送信される第3のチャネル上で信号を受信するよう構成された回路
を備え、前記回路は、前記第3のチャネルで、前記アクセスユニットがトラフィックデータを送信するために前記第2のチャネルの割り当てを要求しているとの指示であって、少なくとも1つのタイムスロットの期間および直交シーケンスのためのデータ値によって生成される指示を受信するようさらに構成され、
前記回路は、前記指示の受信に応答して、前記アクセスユニットに前記第2のチャネルを割り当てるようさらに構成されたことを特徴とする無線ネットワーク。
【請求項12】
前記直交シーケンスは、Walshシーケンスであることを特徴とする請求項11に記載の無線ネットワーク。
【請求項13】
前記指示を送信することを許可されたタイムスロットを示す割り当て情報を受信することを特徴とする請求項11に記載の無線ネットワーク。
【請求項14】
前記割り当て情報は、前記指示を送信することを許可されたタイムスロットの反復パターンを示すことを特徴とする請求項13に記載の無線ネットワーク。
【請求項15】
前記送信された指示は、追加のシーケンスによってさらに生成されることを特徴とする請求項11に記載の無線ネットワーク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6a】
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【図6b】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−186844(P2012−186844A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−121265(P2012−121265)
【出願日】平成24年5月28日(2012.5.28)
【分割の表示】特願2001−557189(P2001−557189)の分割
【原出願日】平成13年2月7日(2001.2.7)
【出願人】(504407103)アイピーアール ライセンシング インコーポレイテッド (51)
【Fターム(参考)】