説明

アクリルポリオール水分散体、水性二液型硬化組成物及びこれらの製造方法

【課題】低水分散性イソシアネートを用いても、硬化膜の外観に優れる水性二液型硬化組成物を実現する。
【解決手段】本発明の水性二液型硬化組成物は、アクリルポリオール水分散体と、スルホン酸基を有するポリイソシアネート化合物とを含有し、アクリルポリオール水分散体は、コアを製造する溶液重合とシェルを製造する溶液重合とを含む重合で得られるアクリルポリオールを水分散して得られ、上記重合で使用する全モノマー混合物の水酸基価及び酸価は所定の範囲内であり、シェルの重合で使用するモノマー混合物(a−2)の水酸基価及び酸価は所定の範囲内であり、コアの重合で使用するモノマー混合物(a−1)の水酸基価に対する、モノマー混合物(a−2)の水酸基価の比率が1.3〜3.0、ポリイソシアネート化合物は酸価が5〜12mgKOH/g、且つイソシアネート基含有量が16〜22質量%である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクリルポリオール水分散体、及び当該水分散体を含む水性二液型硬化組成物、並びにこれらの製造方法に関するものである。更には、当該水性二液型硬化組成物を用いた塗膜の形成方法、及び当該方法により形成された塗膜に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年環境問題に大きな関心が寄せられており、VOC削減の観点から、塗料の水性化が進められている。
【0003】
このような水性塗料分野において使用される硬化性樹脂組成物は、1つの組成物からなる一液型のものと、2つの成分を別個に製造、保管し、使用直前に混合して使用する二液型のものとに分けられる。二液型の硬化性樹脂組成物は、バインダー成分を含む主剤と、当該バインダー成分を硬化させるための硬化剤とからなる。
【0004】
上記硬化剤としては、水分散性ポリイソシアネートが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、オーバーベークによる塗膜の黄変を抑制させる目的で、リン酸基及びポリエーテル基を有する親水性ポリイソシアネート化合物を含有し、主剤として、水酸基含有樹脂を含む塗料組成物が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特表2003−533566号公報(2003年11月11日公開)
【特許文献2】特開2007−84801号公報(2007年4月5日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献に記載の構成では、硬化剤として、水分散性の高いイソシアネート化合物を使用しなければならないため、塗料の設計が制限されるという問題が生じる。
【0007】
具体的には、上記特許文献に記載の構成では、水分散性の低い特定のイソシアネートを硬化剤として使用した場合では、得られる硬化膜の外観が悪化してしまう。
【0008】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、水分散性の低いイソシアネート化合物を硬化剤として使用した場合であっても、得られる硬化膜の外観に優れる水性二液型硬化組成物を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る水性二液型硬化組成物は、上記課題を解決するために、アクリルポリオール水分散体(A)と、スルホン酸基を有するポリイソシアネート化合物(B)を含む硬化剤とを含有する水性二液型硬化組成物であって、上記アクリルポリオール水分散体(A)は、コアを製造するための溶液重合とシェルを製造するための溶液重合とを含む重合で得られるアクリルポリオール(a)を水分散して得られ、上記コアを製造するための重合で使用するモノマー混合物(a−1)と、上記シェルを製造するための重合で使用するモノマー混合物(a−2)とを含む全モノマー混合物は水酸基価が100mgKOH/g以上180mgKOH/g以下の範囲内であり、且つ酸価が10mgKOH/g以上45mgKOH/g以下の範囲内であり、上記モノマー混合物(a−2)は水酸基価が150mgKOH/g以上300mgKOH/g以下の範囲内であり、且つ酸価が100mgKOH/g以上200mgKOH/g以下の範囲内であり、上記モノマー混合物(a−1)の水酸基価に対する、上記モノマー混合物(a−2)の水酸基価の比率が1.3以上3.0以下の範囲内であり、上記ポリイソシアネート化合物(B)は、酸価が5mgKOH/g以上12mgKOH/g以下の範囲内であり、且つイソシアネート基含有量が16質量%以上22質量%以下の範囲内であることを特徴としている。
【0010】
本発明に係るアクリルポリオール水分散体の製造方法は、上記課題を解決するために、酸価が5mgKOH/g以上12mgKOH/g以下の範囲内であり、且つイソシアネート基含有量が16質量%以上22質量%以下の範囲内である、スルホン酸基を有するポリイソシアネート化合物(B)を硬化剤として含有する水性二液型硬化組成物に用いられるアクリルポリオール水分散体(A)の製造方法であり、コアを製造するための溶液重合を行う工程と、シェルを製造するための溶液重合を行う工程と、上記少なくとも二段の重合で得られるアクリルポリオール(a)を水に分散させる工程と、を含み、上記コアを製造するための重合で使用するモノマー混合物(a−1)と、上記シェルを製造するための重合で使用するモノマー混合物(a−2)とを含む全モノマー混合物は、水酸基価が100mgKOH/g以上180mgKOH/g以下の範囲内であり、且つ酸価が10mgKOH/g以上45mgKOH/g以下の範囲内であり、上記モノマー混合物(a−2)は水酸基価が150mgKOH/g以上300mgKOH/g以下の範囲内であり、且つ酸価が100mgKOH/g以上200mgKOH/g以下の範囲内であり、上記モノマー混合物(a−1)の水酸基価に対する、上記モノマー混合物(a−2)の水酸基価の比率が、1.3以上3.0以下の範囲内であることを特徴としている。
【0011】
本発明に係る塗膜の形成方法は、上記課題を解決するために、上記本発明に係る水性二液型硬化組成物を用いて塗装することを特徴としている。
【0012】
本発明に係る塗膜は、上記課題を解決するために、上記本発明に係る塗膜の形成方法により得られることを特徴としている。
【0013】
本発明に係るアクリルポリオール水分散体は、上記課題を解決するために、酸価が5mgKOH/g以上12mgKOH/g以下の範囲内であり、且つイソシアネート基含有量が16質量%以上22質量%以下の範囲内である、スルホン酸基を有するポリイソシアネート化合物(B)を硬化剤として含有する水性二液型硬化組成物に用いられるアクリルポリオール水分散体(A)であり、コアを製造するための溶液重合とシェルを製造するための溶液重合とを含む重合で得られるアクリルポリオール(a)を水分散して得られ、上記コアを製造するための重合で使用するモノマー混合物(a−1)と、上記シェルを製造するための重合で使用するモノマー混合物(a−2)とを含む全モノマー混合物は水酸基価が100mgKOH/g以上180mgKOH/g以下の範囲内であり、且つ酸価が10mgKOH/g以上45mgKOH/g以下の範囲内であり、上記モノマー混合物(a−2)は水酸基価が150mgKOH/g以上300mgKOH/g以下の範囲内であり、且つ酸価が100mgKOH/g以上200mgKOH/g以下の範囲内であり、上記モノマー混合物(a−1)の水酸基価に対する、上記モノマー混合物(a−2)の水酸基価の比率が1.3以上3.0以下の範囲内であることを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
本発明の水性二液型硬化組成物では、これに含まれるコアシェル型アクリルポリオール水分散体におけるコアとシェルとの水酸基価の比率を特定の範囲内に設定することによって、水分散性の低いイソシアネート化合物を硬化剤として使用した場合であっても、得られる硬化膜の外観が優れている。これは以下のように考えられる。
【0015】
外観不良は、ポリオールとイソシアネート化合物とが均一に混じり合っていないことにより発生すると考えた場合、ポリオールのシェルの分散能を高めて、水分散性の低いイソシアネート化合物を良好に分散させることがまず考えられる。しかし、分散能を高めるためのシェルの酸価の増加は塗膜の耐水性を引き起こすことが予想される。しかし、水酸基価を大きく高めても、外観不良は解消しない。
【0016】
これは、シェルの水酸基の量が多すぎると、シェルがコアよりも優先的に反応することにより硬化膜が不均一な構造となり、その結果、濁り等の外観不良が発生したものと考えられる。本発明の水性二液型硬化組成物に含まれるコアシェル型アクリルポリオール水分散体では、コアとシェルとの水酸基価の比率を特定の範囲内に設定することによって、コアおよびシェルとイソシアネート化合物との反応が均一に進行するものと考えられる。
【0017】
本発明の水性二液型硬化組成物は、溶剤型のものと比較して、同等の外観を有する硬化膜が得られる上に、VOCを低くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の実施の一形態について説明すれば、以下の通りである。
【0019】
尚、本明細書では、「(メタ)アクリル酸」はアクリル酸又はメタクリル酸を意味し、同様に「(メタ)アクリレート」はアクリレート又はメタクリレートを意味する。また、範囲を示す「A〜B」は、A以上B以下であることを示す。
【0020】
更には、本明細書で挙げられている各種物性値は、特に断りの無い限り後述する実施例に記載の方法により測定した値を意味する。
【0021】
本実施の形態に係る水性二液型硬化組成物は、アクリルポリオール水分散体(A)と、スルホン酸基を有する、水分散可能なポリイソシアネート化合物(B)とを含有する。
【0022】
(I)アクリルポリオール水分散体(A)
本実施の形態に係るアクリルポリオール水分散体(A)は、アクリルポリオール(a)を水分散して得られる。
【0023】
尚、本明細書における「アクリルポリオール」とは、アクリル系モノマー由来の構造単位を主成分として(好ましくは50質量%以上)含み、1分子内に水酸基価を2以上有する重合体を意味する。
【0024】
また、「アクリル系モノマー」とは、(メタ)アクリル酸若しくは(メタ)アクリル酸エステル等の(メタ)アクリル酸誘導体を意味する。
【0025】
上記アクリルポリオール(a)は、コアを製造するための溶液重合とシェルを製造するための溶液重合とを含む重合で得られる。
【0026】
尚、本明細書における「コア」とは、上記重合により得られるアクリルポリオール(a)において、基本的に酸基を有せず、水分散化した際にはそのもの自体は水分散性を発現しないため、水分散体中の樹脂成分の内側に位置すると思われる部分を意味し、「シェル」とは、上記重合により得られるアクリルポリオールにおいて、酸基を有しており、水分散化した際にはそのもの自体が水分散性または水溶解性を発現し、水分散体中の樹脂成分の外側に位置すると思われる部分を意味する。
【0027】
また、コア及びシェルはそれぞれ複数回の重合により製造することが可能であるが、生産効率の観点から、コア及びシェルはそれぞれ1回ずつの重合により製造されることが好ましい。
【0028】
〔モノマー混合物(a−1)〕
上記コアを製造するための重合で使用するモノマー混合物(a−1)は、水酸基含有モノマーを含む単量体組成物である。
【0029】
上記水酸基含有モノマーは、水酸基を含有するエチレン性不飽和モノマーであれば特に限定されず、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、アリルアルコール、メタクリルアルコール、及び2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとε−カプロラクトンとの付加物等が挙げられる。
【0030】
水酸基含有モノマー以外でモノマー混合物(a−1)に含まれ得るモノマーとしては、特には限定されないが、中性のアクリル系モノマーや、多官能モノマーや、重合性芳香族化合物や、重合性ニトリル化合物や、エチレン及びプロピレン等のα−オレフィンや、酢酸ビニル及びプロピオン酸ビニル等のビニルエステルが挙げられる。尚、これらのモノマーは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0031】
上記中性のアクリル系モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、及びジヒドロジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0032】
上記多官能モノマーとしては、1分子中に複数のビニル基を有するモノマーであれば特に限定されず、例えば、多価アルコールの重合性不飽和モノカルボン酸エステル、多塩基酸の重合性不飽和アルコールエステル、ジエン、及び2個以上のビニル基で置換された芳香族化合物等が挙げられる。
【0033】
具体的には、例えば、アリル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタンジ(メタ)アクリレート、トリアリルイソシアヌレート、ブタジエン及びイソプレン等のジエン、及びジビニルベンゼン等が挙げられる。
【0034】
上記重合性芳香族化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、パラクロロスチレン、及びビニルナフタレン等が挙げられる。
【0035】
上記重合性ニトリル化合物としては、例えば、アクリロニトリル、及びメタクリロニトリル等が挙げられる。
【0036】
上記モノマー混合物(a−1)の水酸基価は90〜150mgKOH/gの範囲内であることが好ましく、95〜140mgKOH/gの範囲内であることがより好ましい。
【0037】
上記水酸基価が上記範囲内であれば、水分散した際に、コアとしての硬化性及び安定性が確保できる。
【0038】
尚、上記モノマー混合物(a−1)は、基本的に酸基含有モノマーを含まないものであるが、酸基含有モノマーを含む場合、その量はモノマー混合物(a−1)の5質量%以内であることが好ましい。
【0039】
〔モノマー混合物(a−2)〕
上記シェルを製造するための重合で使用するモノマー混合物(a−2)は、水酸基含有モノマー及び酸基含有モノマーを含む単量体組成物である。
【0040】
上記水酸基含有モノマーとしては、例えば、〔モノマー混合物(a−1)〕で上述したモノマーが挙げられる。
【0041】
上記酸基含有モノマーは、酸性基を含有するエチレン性不飽和モノマーであれば特に限定されず、カルボン酸基含有モノマーやリン酸基含有モノマーが挙げられる。
【0042】
カルボン酸基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、及びクロトン酸等が挙げられる。
【0043】
リン酸基含有モノマーとしては、例えば、ビニルホスホン酸、アリルホスホン酸、α−ホスホノスチレン、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンホスホン酸及びその塩、例えばそのアルカリ金属塩等が挙げられる。
【0044】
水酸基含有モノマー及び酸基含有モノマー以外でモノマー混合物(a−2)に含まれ得るモノマーとしては、特には限定されないが、〔モノマー混合物(a−1)〕で上述したモノマー(中性のアクリル系モノマー、多官能モノマー、重合性芳香族化合物、重合性ニトリル化合物、α−オレフィン、ビニルエステル)が挙げられる。尚、これらのモノマーは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0045】
上記モノマー混合物(a−2)の水酸基価は150〜300mgKOH/gの範囲内であり、且つ酸価が100〜200mgKOH/gの範囲内である。
【0046】
上記モノマー混合物(a−2)の水酸基価は、好ましくは200〜280mgKOH/gの範囲内である。上記モノマー混合物(a−1)の水酸基価が50mgKOH/g未満である場合、水分散化した際に、シェルとしての硬化性が低下すると考えられ、その結果、水性二液硬化組成物とした場合の硬化性が悪化するおそれがある。また、300mgKOH/gを超える場合では、その水酸基含有モノマーの量に見合うだけの効果が得られにくいと考えられ、水酸基含有モノマーの量が多くなり、設計上の自由度が少なくなるおそれがある。
【0047】
上記モノマー混合物(a−2)の酸価は、好ましくは140〜190mgKOH/gの範囲内である。上記モノマー混合物(a−2)の酸価が100mgKOH/g未満である場合、アクリルポリオール(a)を水分散化することが困難となると考えられ、その結果、水性二液硬化組成物を得ることが困難となるおそれがある。また、200mgKOH/gを超える場合では、酸基の量が多すぎると考えられ、その結果、水性二液硬化組成物とした場合に得られる硬化膜の耐水性が悪化するおそれがある。
【0048】
〔全モノマー混合物〕
上記モノマー混合物(a−1)と上記モノマー混合物(a−2)とを含む全モノマー混合物の水酸基価は100〜180mgKOH/gの範囲内であり、好ましくは100〜150mgKOH/gの範囲内である。上記全モノマー混合物の水酸基価が100mgKOH/g未満であると、水性二液型硬化組成物とした場合に得られる塗膜の硬化性が不十分となる場合がある。また、180mgKOH/gを超える場合では、水性二液型硬化組成物とした場合に得られる塗膜の耐水性が低下する場合がある。
【0049】
また、全モノマー混合物の酸価は、10〜45mgKOH/gの範囲内であり、好ましくは15〜40mgKOH/gの範囲内である。上記全モノマー混合物の酸価が上記範囲内であれば、水性二液硬化組成物とした場合の安定性に優れ、良好な外観の硬化膜が得られる。
【0050】
上記モノマー混合物(a−1)の水酸基価に対する、上記モノマー混合物(a−2)の水酸基価の比率は1.3以上3.0以下の範囲内である。当該水酸基価の比率が1.3未満である場合、ポリイソシアネート化合物を水中で良好に分散させることが困難となると考えられ、水性二液型硬化組成物とした場合に得られる塗膜の外観(グロス及び濁度)が悪化する。また、当該水酸基価の比率が3.0を超える場合には、シェル及びコアと水酸基の硬化剤との反応を均一に起こさせることが困難になると考えられるため、同様に、外観(グロス及び濁度)が悪化する。
【0051】
上記モノマー混合物(a−1)と上記モノマー混合物(a−2)との質量比率は、9:1〜7:3の範囲内であることが好ましい。上記質量比率が上記範囲内であれば、安定な水分散体を得ることができると考えられる。
【0052】
〔アクリルポリオール(a)〕
アクリルポリオール(a)は、上述した各モノマー混合物を用いて、溶液重合を行うことにより得られる。上記溶液重合において、コア及びシェルがそれぞれ1回ずつの重合により製造される場合、アクリルポリオール(a)は二段重合で得られる。
【0053】
上記溶液重合を行う方法としては、加熱条件下において、各モノマー混合物を重合開始剤と共に溶媒中へ滴下しながら撹拌する方法が例として挙げられる。例えば、モノマー混合物(a−1)を溶液重合し、ここにモノマー混合物(a−2)を更に加えて溶液重合する。溶液重合する際の条件は、例えば、重合温度が60〜160℃、滴下時間が0.5〜10時間である。
【0054】
上記重合開始剤は、通常の重合に用いられるものであれば特に限定されず、例えば、アゾ系化合物や過酸化物が挙げられる。一般に、モノマー混合物100質量部に対する重合開始剤の量は0.1〜18質量部であり、好ましくは0.3〜12質量部である。
【0055】
また、ここで用い得る溶媒は反応に悪影響を与えないものであれば特に限定されず、例えば、アルコール、ケトン及び炭化水素系溶媒等が挙げられる。更に、分子量を調節するために、ラウリルメルカプタンのようなメルカプタン、及びα−メチルスチレンダイマー等のような連鎖移動剤を必要に応じて用いることができる。
【0056】
アクリルポリオール(a)の数平均分子量は5,000〜20,000の範囲内であることが好ましく、ガラス転移温度(Tg)は10〜40℃の範囲内であることが好ましい。
【0057】
得られるアクリルポリオール(a)の樹脂固形分は、30〜60質量%であることが好ましい。樹脂固形分が上記範囲内であれば、効率よく安定なアクリルポリオール(a)を得ることができる。
【0058】
〔アクリルポリオール水分散体(A)〕
アクリルポリオール水分散体(A)は、上述の重合により得られるアクリルポリオール(a)溶液に、中和剤を添加してアクリルポリオール(a)を水分散させることにより得られる。このとき、先にアクリルポリオール(a)溶液から溶剤を除去しておいてもよい。
【0059】
ここでいう中和剤は、樹脂中の酸性基を中和して水との溶解性又は分散性を付与するものである。例えば、アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、ジエチルアミノエタノール等が挙げられる。
【0060】
得られるアクリルポリオール水分散体(A)の樹脂固形分は、25〜55質量%であることが好ましい。樹脂固形分が上記範囲内であれば、安定に効率よくアクリルポリオール水分散体(A)を得ることができる。
【0061】
更に、得られるアクリルポリオール水分散体(A)の体積平均粒子径は、0.01〜1μmの範囲内であることが好ましい。体積平均粒子径が上記範囲内であれば、水分散体の安定性に優れ、得られる塗膜の外観が良好である。
【0062】
(II)ポリイソシアネート化合物(B)
本実施の形態に係るポリイソシアネート化合物(B)は、酸価が5mgKOH/g以上12mgKOH/g以下の範囲内であり、且つイソシアネート基含有量が16質量%以上22質量%以下の範囲内である、スルホン酸基を有するポリイソシアネート化合物である。
【0063】
酸価が上記範囲内であることにより、水分散性が低いという性質を有する。イソシアネート基含有量が上記範囲内であることにより、水性二液硬化組成物とした場合の硬化性を確保できる。
【0064】
上記ポリイソシアネート化合物(B)としては、例えば、特表2003−533566号公報に開示されている、スルホン酸基含有ポリイソシアネート化合物等を用いることができる。具体的には、ポリイソシアネートと、2−(シクロヘキシルアミノ)−エタンスルホン酸及び/又は3−(シクロヘキシルアミノ)−プロパンスルホン酸との反応によって得られる変性ポリイソシアネート等を用いることができる。
【0065】
尚、特表2003−533566号公報に開示されているポリイソシアネート化合物の中には、ポリエチレンオキサイドユニットを導入したものが開示されているが、本実施の形態で用いられるポリイソシアネート化合物(B)は、ポリエチレンオキサイドユニットを有しない。
【0066】
(III)水性二液型硬化組成物
本実施の形態に係る水性二液型硬化組成物は、上述したアクリルポリオール水分散体(A)と上述したポリイソシアネート化合物(B)とを混合することにより得られる。上記混合は、塗装の直前に行われることが好ましく、例えば、塗装ガンの中で行うこともできる。
【0067】
混合する際、上記ポリイソシアネート化合物(B)は溶剤に溶解されていてもよい。ポリイソシアネート化合物(B)が有するイソシアネート基は、活性水素と反応し得るため、用いられる溶剤は活性水素を有しないものが好ましく、また、アクリルポリオール水分散体(A)と混合することから、水混和性の高い溶剤が好ましい。
【0068】
アクリルポリオール水分散体(A)とポリイソシアネート化合物(B)との混合比は、好ましくは、アクリルポリオール水分散体(A)が有する水酸基とポリイソシアネート化合物(B)が有するイソシアネート基との当量比が、1:1〜1:2の範囲内、より好ましくは、1:1.2〜1:1.6の範囲内となるようにする。上記範囲内とすれば、硬化膜を効率よく得ることができる。
【0069】
本実施の形態に係る水性二液型硬化組成物は、塗料に一般的に含まれるその他の成分を含有していてもよい。上記その他の成分としては、沈降防止剤、硬化触媒、紫外線吸収剤、酸化防止剤、レベリング剤、表面調整剤、タレ止め剤、増粘剤、消泡剤等が挙げられる。本実施の形態に係る水性二液型硬化組成物には、光輝性顔料や着色顔料や体質顔料等の顔料成分を含有させることも可能である。
【0070】
上記その他の成分を用いる場合、ポリイソシアネート化合物(B)のイソシアネート基との反応を避けるため、当該その他の成分はアクリルポリオール水分散体(A)と先に混合しておくことが好ましい。
【0071】
(IV)塗膜の形成方法
本実施の形態に係る塗膜の形成方法は、上述した水性二液型硬化組成物を用いて塗装し、乾燥して硬化膜を得る方法である。この際、ポリイソシアネート化合物(B)は硬化剤として作用する。
【0072】
上記塗装は、種々の基材に対して、刷毛、スプレー、ローラー、コーターなどの通常の方法により行い得る。また、上記乾燥は室温で行うこともできるが、必要に応じて、60〜180℃の温度で所定時間加熱することも可能である。
【0073】
本実施の形態に係る塗膜の形成方法が、自動車車体のトップコートのクリア塗膜を形成するものである場合、光輝性顔料や着色顔料を含んだベースコートを塗装し、これを完全に硬化させずに、上述した水性二液型硬化組成物をウェットオンウェットで塗装し、2コート1ベークすることにより、複層塗膜を得ることができる。また、ベースコートの下層に存在する塗膜を完全に硬化させずに塗装を行う、いわゆる3ウェット塗装系への適用が可能である。
【0074】
(V)塗膜
本実施の形態に係る塗膜は、上述した塗膜の形成方法により得られるものである。本実施の形態に係る塗膜では、上述した水性二液型塗料組成物を用いて塗装を行うことにより得られるため、外観が優れた塗膜が得られ、自動車車体のトップコートのクリア塗膜に適している。
【0075】
本実施の形態に係る塗膜は、顔料等を含んだ着色塗膜であっても、顔料を含まないクリア塗膜であってもよいが、外観が優れていることから、複層塗膜の最上層に位置する、クリア塗膜であることが好ましい。
【0076】
本実施の形態に係る塗膜の膜厚は特に規定されないが、一般的に5〜40μmとすることができる。
【実施例】
【0077】
以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0078】
〔水酸基価、酸価〕
アクリルポリオールを規定する「水酸基価」及び「酸価」は、アクリルポリオールを製造する際の各原料の仕込み量から計算した。
【0079】
〔ガラス転移温度(Tg)〕
アクリルポリオールのガラス転移温度は、アクリルポリオールを製造する際の各原料の仕込み量から計算した。
【0080】
〔樹脂固形分〕
アクリルポリオール及びアクリルポリオール水分散体の樹脂固形分は、サンプルを150℃で1時間加熱した前後での質量をそれぞれ測定し、保持された質量の割合を計算して求めた。
【0081】
〔分子量〕
アクリルポリオールの分子量は、ポリスチレンを標準物質としたGPCにより数平均分子量として求めた。
【0082】
〔グロス〕
リン酸亜鉛鋼板に、カチオン電着塗料(商品名:パワートップU−80、日本ペイント(株)製)を塗装し、焼付け乾燥後、その上に中塗り塗料(商品名:オルガP−2 ブラック、日本ペイント(株)製)を塗装し、焼付け乾燥した。得られた工程試験板に、各実施例及び比較例で作製した水性二液型クリア塗料組成物を塗布し、室温で10分間放置した。更に60℃で10分間プレヒートを行った後、140℃で30分間焼付け乾燥を行った。
【0083】
水性二液型クリア塗料組成物を塗布後の上記工程試験板について、デジタル変角光沢計(製品名:UGV−6P、スガ試験機(株)製)を用いて、20°光沢を測定した。75.0以上が合格である。
【0084】
〔濁度〕
ドクターブレードにて、乾燥塗膜で50μmとなるように、各実施例及び比較例で作製した水性二液型クリア塗料組成物をガラス板上に塗装し、室温で10分間放置後、60℃で10分間プレヒートを行った。その後、140℃で30分間焼付け乾燥した。
【0085】
濁度計(商品名:NDH−2000、日本電色工業(株)製)により、上記塗装後のガラス板上の塗膜の濁度を測定した。0.50以下が合格である。
【0086】
〔実施例1〕
攪拌、冷却及び加熱装置を備えた2L反応器に、メチルプロピレングリコール75質量部を仕込み120℃まで加熱した。その後、スチレン(ST)13.6質量部、n−ブチルアクリレート(BA)23.3質量部、tert−ブチルメタクリレート(TBMA)23.7質量部、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)18.6質量部、エチレングリコールジメタクリレート(EGDM)0.8質量部のモノマー混合物と、メチルプロピレングリコール16質量部中にtert-ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサネート2.4質量部を溶解させた溶液とを90分かけて2系列等速滴下した。
【0087】
反応混合物を120℃で60分間保ち、次いで、n−ブチルメタクリレート(BMA)2.5質量部、ヒドロキシブチルアクリレート(HBA)12.9質量部、アクリル酸(AA)4.6質量部のモノマー混合物と、メチルプロピレングリコール4質量部中にtert−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサネート0.6質量部を溶解させた溶液とを60分かけて2系列等速滴下した。
【0088】
反応混合物を120℃で30分間保ち、更に、メチルプロピレングリコール5質量部中にtert−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサネート0.3質量部を溶解させた溶液を30分かけて1系列等速滴下した。更に120℃で60分間攪拌した後、混合物を70℃まで冷却して、アクリルポリオールを合成した。得られたアクリルポリオールの樹脂固形分は49.8質量%であり、数平均分子量は6300であった。アクリルポリオールの配合、樹脂固形分、及び数平均分子量を表1に示す。
【0089】
続いて、固形分が85質量%になるまで、得られた上記樹脂溶液からメチルプロピレングリコールを減圧下で留去した後、ソルベッソ100(商品名、エクソンケミカル(株)製)の9質量部を加えて希釈した。ここに、ジメチルエタノールアミン5.7質量部を添加した後、水を89.8質量部加えて、アクリルポリオール水分散体を作製した。得られた水分散体の樹脂固形分は45.5質量%、レーザー光散乱法により求められた体積平均粒子径は160nm、pHは8.5であった。得られた水分散体の樹脂固形分値、平均体積粒子径及び配合から求めた特数値を表2に示す。
【0090】
次に、得られた水分散体と、酸価が10mgKOH/g、イソシアネート基含有量が19質量%である、スルホン酸基を有するポリイソシアネート化合物(商品名:バイヒジュールXP2655、住化バイエルウレタン(株)製)とをイソシアネート基/水酸基の当量比が1.3/1になるよう配合し、#4フォードカップで容器から流下に要する時間が30秒となるように、イオン交換水で粘度を調整し、水性二液型クリア塗料組成物を得た。水性二液型クリア塗料組成物の評価結果を表3に示す。
【0091】
〔実施例2〜4〕
各原料の仕込み量を表1に記載の値に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、実施例2〜4の各水分散体、並びに各水性二液型クリア塗料組成物を得た。
【0092】
得られたアクリルポリオールの配合、樹脂固形分、及び数平均分子量を表1に、水分散体の樹脂固形分値、平均体積粒子径及び配合から求めた特数値を表2に、各水性二液型クリア塗料組成物の評価結果を表3にそれぞれ示す。
【0093】
〔比較例1,2〕
各原料の仕込み量を表1に記載の値に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、比較例1,2の各水分散体、並びに各水性二液型クリア塗料組成物を得た。
【0094】
得られたアクリルポリオールの配合、樹脂固形分、及び数平均分子量を表1に、水分散体の樹脂固形分値、平均体積粒子径及び配合から求めた特数値を表2に、各水性二液型クリア塗料組成物の評価結果を表3にそれぞれ示す。
【0095】
〔参考例1〕
比較例1で得られたアクリルポリオール水分散体を用いて、ポリイソシアネート化合物をバイヒジュールXP2655から、バイヒジュールXP2570(商品名、住化バイエルウレタン(株)製)(酸価が15mgKOH/g、イソシアネート基含有量が21質量%である、スルホン酸基を有するポリイソシアネート化合物)に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、水性二液型クリア塗料組成物を得た。得られた水性二液型クリア塗料組成物について評価を行ったところ、グロスが80.5、濁度が0.28と共に優れた値を示した。
【0096】
【表1】

【0097】
【表2】

【0098】
※表中、「OHV」は水酸基価(mgKOH/g)を意味し、「AV」は酸価(mgKOH/g)を意味する。
【0099】
【表3】

【0100】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本発明の水性二液型硬化組成物は、上述した組成を有するため、得られる塗膜のグロス及びヘイズに優れる。このため、自動車車体トップコート用クリア塗装、一般工業用常温乾燥型上塗り塗料等に好適に適用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクリルポリオール水分散体(A)と、スルホン酸基を有するポリイソシアネート化合物(B)を含む硬化剤とを含有する水性二液型硬化組成物であって、
上記アクリルポリオール水分散体(A)は、コアを製造するための溶液重合とシェルを製造するための溶液重合とを含む重合で得られるアクリルポリオール(a)を水分散して得られ、
上記コアを製造するための重合で使用するモノマー混合物(a−1)と、上記シェルを製造するための重合で使用するモノマー混合物(a−2)とを含む全モノマー混合物は水酸基価が100mgKOH/g以上180mgKOH/g以下の範囲内であり、且つ酸価が10mgKOH/g以上45mgKOH/g以下の範囲内であり、
上記モノマー混合物(a−2)は水酸基価が150mgKOH/g以上300mgKOH/g以下の範囲内であり、且つ酸価が100mgKOH/g以上200mgKOH/g以下の範囲内であり、
上記モノマー混合物(a−1)の水酸基価に対する、上記モノマー混合物(a−2)の水酸基価の比率が1.3以上3.0以下の範囲内であり、
上記ポリイソシアネート化合物(B)は、酸価が5mgKOH/g以上12mgKOH/g以下の範囲内であり、且つイソシアネート基含有量が16質量%以上22質量%以下の範囲内であることを特徴とする水性二液型硬化組成物。
【請求項2】
酸価が5mgKOH/g以上12mgKOH/g以下の範囲内であり、且つイソシアネート基含有量が16質量%以上22質量%以下の範囲内である、スルホン酸基を有するポリイソシアネート化合物(B)を硬化剤として含有する水性二液型硬化組成物に用いられるアクリルポリオール水分散体(A)の製造方法であり、
コアを製造するための溶液重合を行う工程と、
シェルを製造するための溶液重合を行う工程と、
上記少なくとも二段の重合で得られるアクリルポリオール(a)を水に分散させる工程と、を含み、
上記コアを製造するための重合で使用するモノマー混合物(a−1)と、上記シェルを製造するための重合で使用するモノマー混合物(a−2)とを含む全モノマー混合物は、水酸基価が100mgKOH/g以上180mgKOH/g以下の範囲内であり、且つ酸価が10mgKOH/g以上45mgKOH/g以下の範囲内であり、
上記モノマー混合物(a−2)は、水酸基価が150mgKOH/g以上300mgKOH/g以下の範囲内であり、且つ酸価が100mgKOH/g以上200mgKOH/g以下の範囲内であり、
上記モノマー混合物(a−1)の水酸基価に対する、上記モノマー混合物(a−2)の水酸基価の比率が、1.3以上3.0以下の範囲内であることを特徴とするアクリルポリオール水分散体の製造方法。
【請求項3】
請求項1に記載の水性二液型硬化組成物を用いて塗装することを特徴とする塗膜の形成方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法により得られることを特徴とする塗膜。
【請求項5】
酸価が5mgKOH/g以上12mgKOH/g以下の範囲内であり、且つイソシアネート基含有量が16質量%以上22質量%以下の範囲内である、スルホン酸基を有するポリイソシアネート化合物(B)を硬化剤として含有する水性二液型硬化組成物に用いられるアクリルポリオール水分散体(A)であり、
コアを製造するための溶液重合とシェルを製造するための溶液重合とを含む重合で得られるアクリルポリオール(a)を水分散して得られ、
上記コアを製造するための重合で使用するモノマー混合物(a−1)と、上記シェルを製造するための重合で使用するモノマー混合物(a−2)とを含む全モノマー混合物は水酸基価が100mgKOH/g以上180mgKOH/g以下の範囲内であり、且つ酸価が10mgKOH/g以上45mgKOH/g以下の範囲内であり、
上記モノマー混合物(a−2)は水酸基価が150mgKOH/g以上300mgKOH/g以下の範囲内であり、且つ酸価が100mgKOH/g以上200mgKOH/g以下の範囲内であり、
上記モノマー混合物(a−1)の水酸基価に対する、上記モノマー混合物(a−2)の水酸基価の比率が1.3以上3.0以下の範囲内であることを特徴とするアクリルポリオール水分散体。

【公開番号】特開2009−221244(P2009−221244A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−64331(P2008−64331)
【出願日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願人】(000230054)日本ペイント株式会社 (626)
【Fターム(参考)】