説明

アスファルト乳剤プライミング組成物およびその使用方法

路盤などの粒状表面をプライミングする際に使用するためのアスファルト乳剤組成物を提供する。アスファルト乳剤はアスファルトと、両性乳化剤と、水とを含む。アスファルト乳剤プライミング組成物を路盤上で使用して、舗装するための路盤を準備してもよい。アスファルト乳剤プライミング組成物の路盤などの粒状表面への適用は、粒状表面上で交通により生じる粉塵の減少または排除を含む、いくつかの利点を提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、米国特許法§119(e)の下、2007年8月23日に出願された米国特許仮出願第60/965,924号に対し優先権を主張する。前記特許仮出願の内容は全て参照により本明細書に組み入れられる。
【0002】
本発明は、1つの観点では、路盤(road bed)などの粒状表面をプライミングする(priming)際に使用するためのアスファルト乳剤組成物に関する。アスファルト乳剤は、アスファルトと、両性乳化剤と、水とを含む。第2の観点では、本発明は舗装のために、路盤を準備するために路盤上でアスファルト乳剤プライミング組成物を使用する方法に関する。路盤などの粒状表面にアスファルト乳剤プライミング組成物を適用すると、粒状表面上での交通により生じる粉塵の減少または排除を含む、いくつかの利点が提供可能である。
【背景技術】
【0003】
アスファルト乳剤プライミング(AEP)は、アスファルト表層を用いる舗装の準備における、粒状ベースなどの吸着表面への低粘度アスファルト乳剤から構成される。道路施工は典型的には、アスファルト表層の適用のための、粒状材料、例えば砂または砂利を含む表面の準備を含む。粒状材料はしばしば、等級分けされ、詰められ、舗装のための比較的平らで、均一な表面が形成される。アスファルト表層は典型的には、混合され、路盤中の準備された粒状材料の表面に適用されるアスファルトと、凝集体から構成される。
【0004】
アスファルト乳剤プライミング組成物は、急速に吸着表面中に浸透し、粒状材料を結合させるように調合される。プライミングされた表面が、道路サーフェーシング中に交通により容易に分断されないように確保されることが望ましい。
【0005】
粒状道路表面上で風または交通により生じる浮遊粉塵を減少させる他に、AEPはいくつかの利点を提供する。AEPは、アスファルト表層の適用前に、処理表面を部分的に防水し、その領域を水食に対して抵抗性とすることができる。これにより降雨後、粒状表面を修復する必要が減少または排除されうる。さらに、AEPは粒状ベースとアスファルト表層との間の接着の改善を提供することができる。
【0006】
現在使用されているAEP組成物は典型的には、アスファルトに添加された石油蒸留物を含む。石油蒸留物はアスファルトの粘度を低下させ、アスファルトの粒状ベース中への浸透を改善する。石油蒸留物の1つの不利点は、AEP材料が固まるにつれ、蒸気が空気中に放出されることである。これは、重大な汚染源および労働者に対する潜在的な健康被害を構成する。
【0007】
さらに、従来のAEP組成物は典型的には、組成物のpHを調整するために、酸性または塩基性添加物、例えば、塩酸または水酸化ナトリウムを必要としていた。これらの添加物は機器の腐食の原因、ならびに個人の安全性または環境の問題を生じさせる可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第5667577号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明の目的は、石油蒸留物または組成物のpHを調整するための添加物の使用を必要とせず、粒状表面に十分浸透する許容される特性を有するAEP組成物を提供することである。
【0010】
本発明の別の目的は、表面、例えば舗装のために準備された粒状表面にAEP組成物を適用する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によるアスファルト乳剤は、アスファルトと、両性乳化剤と、水とを含む。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】表3で記載したアスファルト乳剤プライミング組成物の浸透深さを示すチャートである。
【図2】赤色粘土砂中における表4で記載したアスファルト乳剤プライミング組成物の浸透深さを示すチャートである。
【図3】ABベース中における表4で記載したアスファルト乳剤プライミング組成物の浸透深さを示すチャートである
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の組成物および方法の別の利点は、下記で説明した好ましい実施形態の詳細な記載に基づいて当業者に明らかになるであろう。
【0014】
本発明は、アスファルト組成物の粘度を調整するための石油蒸留物を含まないアスファルト乳剤プライミング(AEP)組成物に関する。さらに、AEP組成物は、組成物のpHを調整するために使用される酸性または塩基性添加物、例えば塩酸または水酸化ナトリウムを含まない。AEP組成物はアスファルトと、水と、両性乳化剤とを含む。好ましくは、両性乳化剤はベタインである。所望であれば、他の乳化剤もまた、AEP組成物に添加してもよい。
【0015】
必要に応じて、AEP組成物は、ポリマーを含んでもよい。好ましくは、ポリマーはポリイソプレン、ポリノルボルネン、ポリブタジエン、ブチルゴム、ランダムエチレン/プロピレン(EP)コポリマー類、ランダムエチレン/プロピレン/ジエン(EPDM)ターポリマー類、スチレン−ブタジエンコポリマー類、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー類またはアクリルポリマー類からなる群より選択される。
【0016】
本発明の1つの実施形態では、AEP組成物はまた、植物から抽出した天然油を含む。天然油はさらに、AEP組成物の粘度を改善する可能性がある。好ましい実施形態では、天然油はd−リモネンである。石油蒸留物から形成される有機溶媒とは異なり、d−リモネンなどの天然油は環境災害または健康被害を引き起こさず、生じさせない。
【0017】
AEP組成物は典型的には最初に濃縮物として調合され、その後、舗装のために準備された粒状表面などの吸着表面に適用するために水で希釈され、表面にプライミングされる。AEP濃縮組成物/水混合物は粒状表面内への良好な浸透を有する。プライミングされた粒状表面は水食抵抗性となり、表面上では、風による、または交通に起因する粉塵はほとんど、または全く生じず、粒状ベースとアスファルト舗装との間の接着が提供される。
【0018】
本発明のAEP組成物は、アスファルトまたは乳剤の粘度を調整するための石油蒸留物を含まない。さらに、塩酸または水酸化ナトリウムなどの酸性または塩基性添加物を使用してAEP組成物のpHを調整する必要はない。
【0019】
本発明は一般に、両性乳化剤を使用するAEP組成物に関する。AEP組成物は石油蒸留物から製造される有機溶媒は含まない。結果として、AEP組成物は環境またはヒトの健康問題を引き起こす可能性のある揮発性有機物を空気中に放出しない。
【0020】
本発明のAEP組成物はアスファルトと、両性乳化剤と、水とを含む。好ましい実施形態では、AEP組成物は約30重量%から約95重量%の間のアスファルトと、約0.1重量%から約3重量%の間の両性乳化剤と、乳剤を完成させAEP組成物を形成させるのに十分な水とを含む。好ましくは、必要とされる水の量は約10重量%から40重量%の間である。特に好ましい実施形態では、AEP組成物は約60重量%から65重量%までの間のアスファルトを含む。AEP組成物は長期貯蔵に対して安定である。本発明の好ましい実施形態では、AEP組成物はさらに、粒状表面に適用される直前に水で希釈される。希釈されたAEP組成物は、希釈されていないAEP組成物よりも貯蔵に対する安定性が低い。
【0021】
本発明のAEP組成物には石油蒸留物は添加されていない。さらに、AEP組成物は、組成物のpHを調整するために、例えば、塩酸または水酸化ナトリウムなどの酸性または塩基性添加物を必要としない。
【0022】
本発明では、任意の適当な両性乳化剤を使用してもよい。好ましい実施形態では、両性乳化剤は式Iまたは式IIのいずれかを有するベタインである。
【化1】

上式において、Rは6から24の炭素原子を有する脂肪族、飽和または不飽和、直鎖または分枝基を示し、Rは2から6の炭素原子を有し、これらの炭素原子の少なくとも1つが必要であればヒドロキシ基により置換されている、脂肪族、飽和または不飽和、直鎖または分枝基であり、RおよびRは同一かまたは異なり、1から4の炭素原子を有する脂肪族、飽和または不飽和、直鎖または分枝基を示し、Rは同一かまたは異なり、1から6の炭素原子を有し、これらの炭素原子の少なくとも1つが必要であればヒドロキシ基により置換されている、脂肪族、飽和または不飽和、直鎖または分枝基であり、YはSOまたはCOO基であり、Zは同一かまたは異なり、SOまたはCOOまたはOH基である。
【0023】
上記式IまたはIIを有する両性乳化剤の組み合わせもまた使用してもよい。1つの好ましい実施形態では、両性乳化剤はココアミドプロピルベタインである。別の好ましい実施形態では、両性乳化剤はココアミドヒドロプロピルスルタインである。
【0024】
AEP組成物は、アスファルトを加熱してアスファルトの粘度を乳化のために十分減少させることにより調製される。好ましい実施形態では、混合前に約130℃から180℃の間の温度まで、より好ましくは約140℃の温度までアスファルトを加熱する。両性乳化剤および水を、約室温から約80℃までの範囲の温度で混合することにより組み合わせる。
【0025】
加熱したアスファルトおよび両性乳化剤/水混合物を組み合わせ、コロイドミル(高せん断ミキサ)に送り、乳化水中アスファルトAEP濃縮組成物を生成させる。AEP濃縮物は乳剤として、貯蔵において長期間安定であり、下記で記載されているように、濃縮物として使用することができ、または水と組み合わせることができ、舗装のために粒状表面にプライミングされる。
【0026】
上記AEP濃縮組成物は、直接粒状表面に適用され、舗装のために表面をプライミングしてもよいが、好ましい実施形態では、AEP濃縮物はさらに、粒状表面に適用される前に水で希釈され、浸透乳剤プライマ(PEP)が形成される。AEP濃縮物がさらに希釈される本発明の実施形態では、PEPにおいて使用される水の量は所望の浸透度が達成されるように選択される。好ましい実施形態では、AEP濃縮物は十分な水と混合され、約50重量%から約70重量%の水と、約30重量%から約50重量%のAEPの組成物とを有する混合物が得られる。
【0027】
PEPは長期間安定ではなく、典型的には混合後すぐに粒状表面に適用される。使用において、PEPは準備された吸着表面、例えば路盤の粒状表面で広げられる。材料は当業者に公知の機器を用いて表面上で広げられる。好ましい実施形態では、PEPは散布により粒状表面に適用される。十分な材料が表面に広げられ、所望のアスファルト量により粒状表面の所望の浸透が達成される。好ましくは、AEP組成物またはPEPは表面上で約2kg/mのアスファルトの速度で広げられる。PEP組成物(希釈したAEP組成物)を使用する場合、広げられたPEPの量は希釈度に依存する。好ましくは、PEPは約3kg/mから約15kg/mまでの間の速度で広げられる。所望であれば、AEP組成物またはAEP/水混合物の複数の適用を表面上に広げてもよく、粒状表面上で所望の量のアスファルトが達成される。
【0028】
AEP組成物またはPEP組成物を粒状表面上で広げた後、粒状表面に浸透し、硬化する時間を十分に取り、その後に、交通がその表面上を流れるようにする。好ましい実施形態では、AEP組成物またはPEP組成物は、表面上で少なくとも1時間、好ましくは約3時間から5時間の間、そのまま硬化される。
【0029】
本発明のいくつかの実施形態では、1つまたは複数のポリマー類がAEP組成物に添加されてもよい。使用されるポリマー類は、アスファルト組成物において使用するために当業者に公知の任意のものとしてもよく、例えば、ポリイソプレン、ポリノルボルネン、ポリブタジエン、ブチルゴム、ランダムエチレン/プロピレン(EP)コポリマー類、ランダムエチレン/プロピレン/ジエン(EPDM)ターポリマー類、スチレン−ブタジエンコポリマー類、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー類またはアクリルポリマー類としてもよい。ポリマーは好ましくは、部分的に(残りの部分は1つまたは多くの、上記ポリマー類または他のポリマー類から構成される)または完全に、1つまたは多くの、スチレンおよび共役ジエン、例えば、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、カルボキシル化ブタジエンまたはカルボキシル化イソプレンのランダムまたはブロックコポリマー類、より特定的には、スチレンおよびブタジエンの、スチレンおよびイソプレンの、スチレンおよびクロロプレンの、スチレンおよびカルボキシル化ブタジエンの、またはその代わりに、スチレンおよびカルボキシル化イソプレンの、ランダムヒンジを有する、または有さない、ブロックコポリマー類から選択される1つまたは多くのコポリマー類から構成される。スチレンおよび共役ジエンのコポリマー、特に上記コポリマー類の各々は、好ましくは、5重量%から50重量%までのスチレン量を有する。スチレンおよび共役ジエンのコポリマーの重量平均分子量、特に、上記コポリマー類の重量平均分子量は、例えば、10,000と600,000ダルトンの間とすることができ、好ましくは、30,000と400,000ダルトンの間に存在する。スチレンおよび共役ジエンのコポリマーは好ましくは、スチレン量および重量平均分子量が上記範囲内にある、スチレンおよびブタジエン、スチレンおよびイソプレン、スチレンおよびカルボキシル化ブタジエンまたはその代わりに、スチレンおよびカルボキシル化イソプレンのジ−またはトリ−ブロックコポリマー類から選択される。
【0030】
本発明のいくつかの実施形態では、1つまたは複数の天然植物油がAEPまたはPEP組成物に添加される。天然植物油は、有害な環境またはヒトの健康効果を引き起こさないように選択されるべきである。好ましくは、天然植物油は精油である。特に好ましい実施形態では、天然植物油はd−リモネンである。
【0031】
好ましくは、天然植物油はPEP組成物の約35重量%までを占める。特に好ましい実施形態では、天然植物油はPEP組成物の総重量の約2重量%から約15重量%の間を占める。天然植物油は好ましくは、AEP組成物に添加される前に希釈水に添加される。
【0032】
界面活性剤もまたPEP組成物に添加して、混合物の粒状材料に浸透する能力を改善してもよい。任意の適当な界面活性剤をPEP組成物中で使用してもよい。好ましい実施形態では、界面活性剤はロジン(Lodyne)S−100である。
【0033】
好ましくは、界面活性剤はPEP組成物の総重量の約0.01から5重量%の間を占める。界面活性剤は好ましくはAEP組成物の添加前に希釈水に添加される。
【0034】
AEP組成物のpH調整は一般的には、組成物を使用して粒状表面をプライミングするためには必要とされないが、表面に適用される舗装材料中で使用される骨材の性質のために、pHを調整することが望ましい可能性がある。これらの場合において、pHは塩酸、水酸化ナトリウムまたはリン酸を使用して所望のように調整してもよい。
【0035】
本発明のいくつかの実施形態の物理特性および浸透深さを下記表においてまとめて示す。これらは例示的な実施形態にすぎず、下記で提供した実施例において記載した組成物は本発明の範囲を制限しようとするものではないことを理解すべきである。
【0036】
【表1】

【0037】
【表2】

【0038】
浸透深さを、石油蒸留有機溶媒を使用する先行技術組成物に対し測定し、本発明の組成物の様々な実施形態に対する浸透深さと比較した。表3で要約し、図1で示した実施例では、AEP組成物と水の混合物は50/50重量比であった。乳化剤、界面活性剤または天然植物油の量は、AEP/水混合物の総重量に対するものである。これらの結果から、本発明のAEP組成物は石油蒸留有機溶媒を使用する組成物に等しいか、またはそれより優れた浸透深さを有することが証明される。
【0039】
【表3】

【0040】
別の浸透試験を、混合物中のAEPおよび水の相対量が変動したAEP/水混合物に対し実施した。これらの試験は、ネバダ州領域のラスベガス由来のABベース材料に対して実施した。ミシシッピ州ジャクソン由来の赤色粘土砂を対照として使用した。界面活性剤(ロジンS−100)または天然植物油(d−リモネン)を使用した調合物では、界面活性剤または天然油を水に対して使用し、AEP組成物と混合した。丸括弧内の数字は最終混合物中のAEP組成物の重量%である。試験結果を表4ならびに図2および図3にまとめて示す。
【0041】
【表4】

【0042】
実験室規模である量のAEP組成物を調製するための方法の一例を下記で提供する。AEP組成物を調製するためのプロセスは例示にすぎず、決して本発明の範囲を制限しようとするものではない。
【0043】
時としてベネディクトミルと呼ばれる、重力流で動作するミルを使用して、乳化剤とアスファルトを混合する。ミルはある量の生成物をリザーバまで循環させるポンピング能力を有する。ミルは直径が7.5インチで、約3450rpmで動作するローターを含む。ローターとステータとの間のギャップは0.025インチである。この機器を使用する典型的なバッチサイズは約3000グラムである。
【0044】
最初に、温水を用いてミルを予熱する。乳化剤溶液をベンチで調製し、オーブンに入れ、所望の温度、典型的には100°Fから140°Fの間の温度を維持する。アスファルトブレンドもベンチで調製し、オーブンに入れ、約290°Fの温度を維持する。ある温度の乳化剤溶液をリザーバに注ぎ入れ、その後、アスファルトを数秒の期間にわたりリザーバに添加する。アスファルトを添加する間、リザーバ中の材料を、金属スパチュラを用いて手で撹拌する。アスファルトをリザーバに添加した後、ミルを稼働させ、材料を約60秒の期間の間、リザーバを通して再循環させる。その後、試験のために材料をミルから容器に放出させる。
【0045】
好ましい実施形態について図示し、説明してきたが、添付の特許請求の範囲に記載した発明の精神および範囲から逸脱しなければ、上記プロセスに様々な改変を加えてもよい。したがって、本発明は、本明細書で例として記載されており、制限されるものではないことを理解すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)アスファルトと、
(b)両性乳化剤と、
(c)水と、
を含む粒状表面をプライミングする際に使用するためのアスファルト乳剤組成物。
【請求項2】
アスファルトは、約30重量%から約95重量%の間のアスファルトと、約0.1重量%から約3重量%の間の両性乳化剤と、約2重量%から約70重量%の間の水とを含む請求項1記載のアスファルト乳剤組成物。
【請求項3】
前記両性乳化剤は式Iまたは式IIのうちの1つを有する請求項2記載のアスファルト乳剤組成物。
【化1】

(式において、Rは6から24の炭素原子を有する脂肪族、飽和または不飽和、直鎖または分枝基を示し、Rは2から6の炭素原子を有し、これらの炭素原子の少なくとも1つが必要であればヒドロキシ基により置換されている、脂肪族、飽和または不飽和、直鎖または分枝基であり、RおよびRは同一かまたは異なり、1から4の炭素原子を有する脂肪族、飽和または不飽和、直鎖または分枝基を示し、Rは同一かまたは異なり、1から6の炭素原子を有し、これらの炭素原子の少なくとも1つが必要であればヒドロキシ基により置換されている、脂肪族、飽和または不飽和、直鎖または分枝基であり、YはSOまたはCOO基であり、Zは同一かまたは異なり、SOまたはCOOまたはOH基である)。
【請求項4】
前記両性乳化剤はココアミドプロピルベタインまたはココアミドヒドロプロピルスルタインのうちの1つである請求項2記載のアスファルト乳剤組成物。
【請求項5】
前記組成物は約60%から65%の間のアスファルトを含む請求項4記載のアスファルト乳剤組成物。
【請求項6】
(a)所定量のアスファルトを加熱して前記アスファルトの粘度を減少させる工程と、
(b)両性乳化剤を水と混合し、両性乳化剤溶液を生成させる工程と、
(c)前記加熱したアスファルトと、前記両性乳化剤溶液とを混合し、水中アスファルト乳剤プライマ濃縮物を生成させる工程と、
を含むアスファルト乳剤プライマ濃縮物を製造するためのプロセス。
【請求項7】
前記水中アスファルト乳剤は、約30重量%から約95重量%の間のアスファルトと、約0.1重量%から約3重量%の間の両性乳化剤と、約2重量%から約70重量%の間の水とを含む請求項6記載のプロセス。
【請求項8】
(a)請求項1ないし5のいずれか一項記載のアスファルト乳剤プライマ組成物を提供する工程と、
(b)前記アスファルト乳剤プライマ組成物を水で希釈する工程と、
(c)前記希釈したアスファルト乳剤プライマ組成物を粒状表面に散布する工程と、
を含む粒状表面にアスファルトプライミングするためのプロセス。
【請求項9】
前記希釈したアスファルトプライマ組成物は約50%の水と50%のアスファルト乳剤プライマとを含む請求項8記載のプロセス。
【請求項10】
天然植物油を、前記アスファルト乳剤プライマ組成物を希釈するための使用される水に添加する工程をさらに含む請求項8記載のプロセス。
【請求項11】
十分な量の天然植物油が前記水に添加され、前記希釈されたアスファルト乳剤プライマ組成物の総重量の約2重量%から15重量%の間の前記天然植物油の濃度が得られる請求項10記載のプロセス。
【請求項12】
前記天然植物油はd−リモネンである請求項11記載のプロセス。
【請求項13】
前記アスファルト乳剤プライマ組成物を希釈するために使用される水に界面活性剤を添加する工程をさらに含む請求項8記載のプロセス。
【請求項14】
十分な界面活性剤が前記水に添加され、前記希釈されたアスファルト乳剤プライマ組成物の総重量の約0.01重量%から5重量%の間の前記界面活性剤の濃度が得られる請求項13記載のプロセス。
【請求項15】
前記希釈されたアスファルト乳剤プライマは、1平方メートルあたり約2kgアスファルトの速度で粒状表面上に散布される請求項8記載のプロセス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−536999(P2010−536999A)
【公表日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−522002(P2010−522002)
【出願日】平成20年8月20日(2008.8.20)
【国際出願番号】PCT/US2008/073758
【国際公開番号】WO2009/026390
【国際公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【出願人】(505084756)イノフォス インコーポレーテッド (10)
【Fターム(参考)】