説明

アタッチメント動作装置

【課題】アタッチメントを任意の箇所に対して正確且つ確実に押し当てることができるアタッチメント動作装置を提供する。
【解決手段】撮影カメラ5で撮影した被施療者Aの被施療部Aa及びハンド型施療子4の画像をパーソナルコンピューター22の表示装置24に表示し、その表示装置24に表示される被施療部Aa及びハンド型施療子4の位置を被施療者Aの目で目視確認しながら、施療を受ける被施療者Aが入力装置25を操作して、ハンド型施療子4を任意の方向及び位置に移動させ、被施療者Aが好む又は望むような施療箇所に押し当てるか、施療に適した施療箇所に押し当てて施療する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば首部、肩部、背部、腰部、上半身等を施療したり、図形、文字、絵等を描いたり、アクションゲーム、シミュレーションゲーム等を遊戯したり、様々な用途及び目的に用いることができるアタッチメント動作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、上述例のマッサージに用いられる装置としては、例えば生体情報取得部で取得した被施療者の生体情報及び被施療者の属性データを生体情報送信部からマッサージプログラムデータベースへ送信し、その属性データに基づいて被施療者の生体情報をマッサージプログラムデータベースで解析し、適切なマッサージプログラムをマッサージプログラムデータベースからマッサージ機に送信し、そのマッサージプログラムにしたがってマッサージ機により施療する特許文献1のマッサージシステム、制御プログラムデータベース及びマッサージ機がある。
【0003】
しかし、マッサージ機に備えられた撮像手段は、被施療者の顔を撮像するものであり、画像データ及び音声データを、被施療者と医師との間で双方向に通信することにより、被施療者と医師とが会話しながら適切なマッサージを行う。また、撮像手段で撮像した患部の画像データを医師が確認することもできるが、施療を受ける被施療者の目で、マッサージ機の施療子が押し当てられた被施療部の位置、被施療部に押し当てられた施療子の位置を目視確認することが不可能である。
【0004】
また、被施療部に押し当てられた施療子の当接感覚で、施療子の位置を確認しなければならず、被施療者が着用する衣服の枚数が多い又は衣服の生地が厚いと、施療子の当接感覚が身体に伝わりにくく、施療子の当接感覚が自覚できないと、施療子の位置を被施療者自身が正確に把握することが困難であり、被施療者が好む又は望むような箇所を正確に施療することができない。
【特許文献1】特開2003−275263号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明は上記問題に鑑み、撮影手段で撮影した被押し当て部及びアタッチメントの画像を表示手段に表示することにより、アタッチメントを任意の箇所に対して正確且つ確実に押し当てることができるアタッチメント動作装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載した発明のアタッチメント動作装置は、被押し当て部と対向する位置に、該被押し当て部に対して押し当てられるアタッチメントと、該アタッチメントが押し当てられる被押し当て部を撮影する撮影手段とを設け、上記アタッチメントを被押し当て部の任意箇所に対して押し当てられる位置に移動する移動手段と、上記撮影手段で撮影した被押し当て部及びアタッチメントの画像を表示する表示手段と、上記アタッチメントの動作パターンを入力する入力手段と、上記アタッチメント、撮影手段、移動手段、表示手段、入力手段の駆動を制御するパーソナルコンピューターを備え、上記撮影手段で撮影した被押し当て部及びアタッチメントの画像を表示手段に表示し、上記表示手段に表示される被押し当て部及びアタッチメントの画像を人の目で見て、該被押し当て部及びアタッチメントの位置を目視確認しながら入力手段を操作して、上記アタッチメントを任意の方向及び位置に移動することを特徴とする。
【0007】
この発明によると、撮影手段で撮影した被押し当て部及びアタッチメントの画像を表示手段に表示し、表示手段に表示される被押し当て部及びアタッチメントの画像を人の目で見て、被押し当て部及びアタッチメントの位置を目視確認しながら、パーソナルコンピューターの入力手段を操作して、アタッチメントを被押し当て部に押し当てたまま任意の方向及び位置に移動するか、任意の方向及び位置に移動させてから被押し当て部に押し当てる。
【0008】
上記被押し当て部は、例えば首部、肩部、背部、腰部、上半身等の人の被施療部と、パネル、キャンバス、画用紙等の被描き部と、ゲーム板、地図等の被描き部で構成することができる。また、アタッチメントは、例えば押圧、揉み、たたき、伸ばし、掻く等の施療に用いられる施療子のような施療手段と、ペン、鉛筆、筆等の描くために用いられる筆記具のような筆記手段と、アクションゲーム、シミュレーションゲーム等の遊戯に用いられる遊戯具のような遊戯手段とで構成することができる。また、移動手段は、例えばリニアガイド、ナット部、ボールネジ、モータユニット、サーボモータ等で構成することができる。
【0009】
また、上記撮影手段は、例えばCCDカメラ、ディジタルカメラ等の光学的撮影装置で構成することができる。また、表示手段は、例えば有機EL式又は無機EL式のディスプレイ、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、CRTディスプレイ等で構成することができる。また、パーソナルコンピューターは、例えばデスクトップ型やノート型のパーソナルコンピューター、モバイル、インターネット機能を備えたゲーム機器等の制御装置で構成することができる。また、入力手段は、例えばマウス、キーボード、入力ペン、タブレット、タッチパネル、音声入力装置、レバー式入力装置等で構成することができる。また、人は、例えば被施療者、創作者、遊戯者等で構成することができる。
【0010】
請求項2に記載した発明のアタッチメント動作装置は、上記請求項1に記載の構成と併せて、上記入力手段により入力したアタッチメントの動作パターンを、上記パーソナルコンピューターに対して入力毎に記憶しておき、上記アタッチメントの動作開始前に、上記パーソナルコンピューターに記憶された複数の各動作パターンを表示手段に表示し、該表示手段に表示された複数の各動作パターンから選択した任意の動作パターンに従って上記アタッチメントを動作することを特徴とする。
【0011】
この発明によると、入力手段で入力した複数の各動作パターンをパーソナルコンピューターに記憶しておけば、アタッチメントの動作開始前において、パーソナルコンピューターに記憶された複数の各動作パターンを表示手段に表示し、表示手段に表示された複数の各動作パターンの中から選択した任意の動作パターンに従ってアタッチメントを動作させることができる。
【0012】
請求項3に記載した発明のアタッチメント動作装置は、上記請求項1に記載の構成と併せて、上記被押し当て部を、施療手段が押し当てられる人の被施療部で構成し、上記アタッチメントを、人の被施療部に対して押し当てられる施療手段で構成したことを特徴とする。
【0013】
この発明によると、施療を受ける被施療者等の人の目では、例えば首部、肩部、背部、腰部等の被施療部及び施療手段の位置を目視確認することが難しいので、撮影手段で撮影した被施療部及び施療手段の画像を表示手段に表示し、表示手段に表示される被施療部及び施療手段の画像を、施療手段が押し当てられる被施療者の目で見て、被施療部及び施療手段の位置を目視確認しながら、施療を受ける被施療者が入力手段を操作して、施療手段を被施療部に押し当てたまま任意の方向及び位置に移動するか、任意の方向及び位置に移動させてから被施療部に押し当てて施療する。
【0014】
請求項4に記載した発明のアタッチメント動作装置は、上記請求項1に記載の構成と併せて、上記被押し当て部を、筆記手段が押し当てられる被描き部で構成し、上記アタッチメントを、被描き部の描き面に対して押し当てられる筆記手段で構成したことを特徴とする。
【0015】
この発明によると、撮影手段で撮影した被描き部及び筆記手段の画像を表示手段に表示し、表示手段に表示される被描き部及び筆記手段の画像を人の目で見て、被描き部及び筆記手段の位置を目視確認しながら、表示手段の画像を見る人が入力手段を操作して、筆記手段を被描き部に押し当てたまま任意の方向及び位置に移動するか、任意の方向及び位置に移動させてから被描き部の描き面に押し当てる等して、例えば図形、文字、絵等を描く。
【0016】
請求項5に記載した発明のアタッチメント動作装置は、上記請求項3に記載の構成と併せて、上記表示手段を、上記施療手段が押し当てられる人の目で目視確認できる位置に設け、上記入力手段を、上記施療手段が押し当てられる人が操作できる位置に設けたことを特徴とする。
【0017】
この発明によると、表示手段に表示される被施療部及び施療手段の画像を、施療を受ける被施療者等の人の目で目視確認しながら、その施療を受ける人が入力手段を操作することができる。また、表示手段及び入力手段は、例えば施療手段により施療を受ける人の前方、側方、上方、下方等に設置することができる。
【0018】
請求項6に記載した発明のアタッチメント動作装置は、上記請求項1乃至2のいずれか一つに記載の構成と併せて、上記アタッチメントを、上記施療手段、筆記手段、遊戯手段等のいずれか一つに取り替え自在に設けたことを特徴とする。
【0019】
この発明によると、例えば首部、肩部、背部、腰部、上半身等を施療したり、図形、文字、絵等を描いたり、アクションゲーム、シミュレーションゲーム等を遊戯したりするのに応じたアタッチメントに取り替えるだけで、様々な用途及び目的に用いることができる。
【0020】
請求項7に記載した発明のアタッチメント動作装置は、上記請求項1乃至4のいずれか一つに記載の構成と併せて、上記アタッチメントの押し当て力を、上記入力手段により任意の押し当て力に可変調整自在に設けたことを特徴とする。
【0021】
この発明によると、例えば施療、描く、遊戯等の用途及び目的に応じた押し当て力に可変調整することができる。
【発明の効果】
【0022】
この発明によれば、撮影手段で撮影した被押し当て部及びアタッチメントの画像を表示手段に表示し、表示手段に表示される被押し当て部及びアタッチメントの位置を目視確認しながら、パーソナルコンピューターの入力手段を操作して、アタッチメントを任意の方向及び位置に移動させるので、人の目で目視確認することが難しい箇所であっても、アタッチメントを任意の箇所に対して正確且つ確実に押し当てることができる。また、例えば施療、描く、ゲーム等に応じたアタッチメントに取り替えるだけで、様々な用途及び目的に用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
この発明は、アタッチメントを任意の箇所に対して正確且つ確実に押し当てることができるという目的を、撮影手段で撮影した被押し当て部及びアタッチメントの画像を表示手段に表示し、その被押し当て部及びアタッチメントの位置を目視確認しながら、パーソナルコンピューターの入力手段を操作して、アタッチメントを任意の方向及び位置に移動させることで達成した。
【実施例】
【0024】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は、アタッチメントの一例である施療手段のハンド型施療子を取り付けたアタッチメント動作装置を示し、図1及び図2に於いて、このアタッチメント動作装置1は、座部2後方に設置されるフレーム3の前側上部に、座部2に着座する被施療者Aの被施療部Aaに対して押し当てられるハンド型施療子4と、該ハンド型施療子4が押し当てられた被施療部Aa及び被施療部Aaに押し当てられたハンド型施療子4を撮影する撮影カメラ5とを設けている。
【0025】
上記フレーム3は、長尺に形成した2本の各縦枠3a,3aを所定間隔に隔てて左右に起立するとともに、各縦枠3a,3aの下端部を下枠3bの左右端部に固定し、各縦枠3a,3aの上端部を上枠3cの左右端部に固定して、正面から見て縦長の枠形態に組み立てられ、被施療者Aが着座する座部2後方に対して起立状態に設置される。また、下枠3bは、フレーム3の起立状態が安定するような大きさ及び形状に形成している。なお、複数のキャスターを下枠3aに取り付けて、任意の設置場所に走行移動自在に設けてもよい。
【0026】
前記ハンド型施療子4は、座部2に着座する被施療者Aの被施療部Aaと対向して後述するヘッド20に対して取り替え自在に固定され、被施療部Aaの任意箇所に対して押し当てられる方向及び位置に移動装置8で移動される。また、被施療部Aaを押圧する前後一対の各指部4a,4aをヘッド20前面に固定した可動体4b下端部に対して複数組取り付けるとともに、被施療者Aの被施療部Aaが押圧される閉角度と、その押圧が解除される開角度とに可動体4bに内蔵したモータ等の駆動力で開閉回動される。また、ハンド型施療子4には、被施療部Aaの任意箇所に押し当てられたハンド型施療子4の押圧力を検知する感圧センサ6と、被施療者Aの被施療部Aaに押し当てられたハンド型施療子4に対して施療に適した振動を付与するバイブレーター等の振動発生器7とを設けている。
【0027】
また、ハンド型施療子4の押圧力を検知することができ、施療に適した振動をハンド型施療子4に付与することができるならば、感圧センサ6及び振動発生器7をヘッド20側に設けてもよい。また、ハンド型施療子4の代わりに、例えばボール型施療子、ローラー型施療子等の施療子で施療することもできる。
【0028】
感圧センサ6は、被施療部Aaの施療箇所に押し当てられるハンド型施療子4の押圧力を検知する。検知時において、感圧センサ6から出力される検知信号に基づいて、後述する前後用モータ19が正逆駆動され、ハンド型施療子4を被施療部Aaと対向する方向に前後移動させ、施療に適した押し当て力に可変調整する。また、被施療者Aが好む又は望むような押し当て力に入力装置25で設定することもできる。
【0029】
振動発生器7が付与する振動は、入力装置25により任意の強さ及び弱さに可変調整され、振動発生器7の振動によるマッサージ感覚を、被施療者Aの被施療部Aaに押し当てられたハンド型施療子4に対して付与する。つまり、被施療部Aaの被施療部Aaに押し当てられたハンド型施療子4に対して施療に適した振動を付与するか、被施療者Aが好む又は望むような振動を付与することができるので、例えば押圧、揉み、たたき、伸ばし、掻く等の人によるマッサージ感覚が得られる。
【0030】
前記撮影カメラ5は、例えばCCDカメラ、ディジタルカメラ等の光学的撮影装置で構成され、座部2に着座する被施療者Aの被施療部Aaと対向してフレーム3の上枠3cに取り付けている。また、フレーム3の縦枠3aに取り付けた撮影カメラ5で撮影するか、複数の各撮影カメラ5…で任意の方向から撮影する等してもよい。
【0031】
つまり、ハンド型施療子4が押し当てられる被施療者Aの被施療部Aaと、ハンド型施療子4が押し当てられた施療箇所と、施療箇所に押し当てられたハンド型施療子4とを撮影カメラ5で撮影し、その撮影した被施療部Aa及びハンド型施療子4の画像情報を後述するパーソナルコンピューター22に出力する。
【0032】
また、撮影カメラ5を任意の角度及び倍率に入力装置25で可変調整して、ハンド型施療子4が押し当てられる被施療部Aa全体を撮影するか、ハンド型施療子4が押し当てられた施療箇所のみを撮影する等してもよい。或いは、ハンド型施療子4の移動に追従又は連動して、撮影カメラ5の角度及び倍率を自動制御することもできる。
【0033】
また、図12に示すように、撮影カメラ5をヘッド20に取り付ければ、ハンド型施療子4と撮影カメラ5とが一体的に移動するため、ハンド型施療子4が押し当てられる被施療部Aaを正確且つ確実に撮影することができる。なお、撮影カメラ5をハンド型施療子4に対して一体的に設けてもよい。また、撮影カメラ5を後述する筆記具34と一体的に移動するように設けてもよい。
【0034】
前記移動装置8は、図3にも示すように、フレーム3の横幅と略同一となる長さに形成した第1可動部9の後面側両端部を、各縦枠3a,3a前面に架設したレール状の各リニアガイド10,10に対して上下移動自在に係合し、第1可動部9の後面側端部に固定したナット部11を、一方の縦枠3a側面に沿って垂直に軸架したボールネジ12に対して上下移動自在に係合し、縦枠3a側面に固定したモータユニット13をボールネジ12の端部に直結している。つまり、ボールネジ12を、モータユニット13の駆動力により正逆回転して、ナット部11をボールネジ12に沿って上下方向に垂直移動させ、第1可動部9を任意の上下位置に移動及び停止する。
【0035】
また、第2可動部14の後面側上端部を、第1可動部9の前面側上部に架設したレール状のリニアガイド15に対して左右移動自在に係合し、第2可動部14の後面側下端部に固定したナット部16を、第1可動部9の前面側下部に沿って水平に軸架したボールネジ17に対して左右下移動自在に係合し、第1可動部9の前面側端部に固定したモータユニット18をボールネジ17の端部に直結している。つまり、ボールネジ17を、モータユニット18の駆動力により正逆回転して、ナット部16をボールネジ17に沿って左右方向に水平移動させ、第2可動部14を任意の左右位置に移動及び停止する。
【0036】
また、第1可動部9の前面側両端部に配設した各近接スイッチ9A,9Aは、第2可動部14が予め設定した左右限界位置に移動したことを検知する。検知時において、近接スイッチ19から出力される検知信号に基づいて、モータユニット18の駆動が停止され、第2可動部14のオーバーランを防止する。
【0037】
上記モータユニット13,18は、例えばDCモータ、プラネタリーギアヘッド、MRエンコーダ等を備えている。また、近接スイッチ19の代わりに、例えばリミットスイッチ、光電センサ等を用いてもよい。
【0038】
また、第2可動部14の後面側上部に固定した前後用モータ19は、例えばギアードモータ等で構成され、前後用モータ19の可動軸19a前端部をヘッド20の後面側中央部に固定し、ヘッド20の前面側中央部に突設した軸部をハンド型施療子4の可動体4bに対してネジやボルト等で固定して、ハンド型施療子4を、座部2に着座する被施療者Aの被施療部Aaと対向させてヘッド20前面に対して取り替え自在に固定している。つまり、入力装置25の操作に対応して可動軸19aを軸方向に前後移動させ、ヘッド20に取り付けたハンド型施療子4を、被施療者Aの被施療部Aaに押し当てられる前進位置と、その押し当てが回避される後退位置とに前後移動する。
【0039】
前後用モータ19は、後述する入力装置25の操作に対応して、ハンド型施療子4が被施療者Aの被施療部Aaに対して押し当てられる前進方向と、そのハンド型施療子4が被施療部Aaから離間される後退方向とに正逆駆動され、前後用モータ19の前後移動量と対応する押し当て力を、被施療者Aの被施療部Aaに押し当てられたハンド型施療子4に対して付与する。つまり、被施療部Aaの被施療部Aaに押し当てられたハンド型施療子4に対して施療に適した押し当て力を付与するか、被施療者Aが好む又は望むような押し当て力を付与することができ、手揉みと略同等のマッサージ感覚が得られ、施療に適した押し当て力に可変調整することができる。
【0040】
前記ハンド型施療子4と、撮影カメラ5と、感圧センサ6と、振動発生器7と、移動装置8は、フレーム3に設けたCPU、ROM、RAMを内蔵する制御ユニット21に接続され、CPUは、パーソナルコンピューター22の本体装置23から出力される動作指令信号を受信したとき、ROM(又はPROM)に格納されたプログラムに沿って、ハンド型施療子4と、撮影カメラ5と、感圧センサ6と、振動発生器7と、移動装置8との駆動及び停止を制御する。
【0041】
前記制御ユニット21に接続したパーソナルコンピューター22は、例えばノート型のパーソナルコンピューター22等で構成され、本体装置23には表示装置24と入力装置25とが接続され、本体装置23は、入力装置25の入力操作に対応して、上記ハンド型施療子4、撮影カメラ5、移動装置8を駆動及び停止するための動作指令信号を出力する。
【0042】
表示装置24は、撮影カメラ5で撮影した画像と、本体装置23に記憶又は入力装置25で入力した動作パターン及び施療パターン、個人情報等のデータを表示する。
【0043】
入力装置25は、施療を受ける被施療者Aの身体的特徴等の個人情報と、各ハンド型施療子4,4の動作パターン(例えば施療範囲、施療位置、移動方向、移動速度、移動距離、施療時間、施療時の強弱等)とを入力する際に操作される。また、動作パターンと関連して、例えば押圧、揉み、たたき、伸ばし、掻く等の施療パターンを入力してもよい。なお、入力装置25により入力した動作パターン及び施療パターン、個人情報は、本体装置23に対して関連付けて被施療者A毎又は入力毎に記憶される。
【0044】
また、被施療者Aが好む又は望むような動作パターン或いは施療に適した動作パターンを、被施療者Aの個人情報と関連付けて入力装置25で入力した際に、その動作パターン及び施療パターン、個人情報を、装置本体23に記憶しておき、パーソナルコンピューター22の起動時又は施療開始前において、装置本体23に記憶された複数の各動作パターンを表示装置24の画面に表示し、複数の各動作パターンの中から被施療者Aが好む又は望むような動作パターン、或いは、施療に適した動作パターンを選択するとともに、その選択した任意の動作パターンに従って、ハンド型施療子4を任意の方向及び位置に移動させることもでき、新規に動作パターンを入力するような手間が省け、被施療者Aが好む又は望むような任意の動作或いは施療に適した動作を何回も繰り返し実行させることができる。
【0045】
また、入力装置25で入力した動作パターンを、例えば光磁気ディスク、メモリーカード、フレキシブルディスク等の記録媒体に記録しておき、施療時において、装置本体23に装填した記録媒体から動作パターンを読み取り、その読み取った動作パターンに沿って、ハンド型施療子4を任意の方向及び位置に移動させることもできる。
【0046】
前記表示装置24は、例えば有機EL式又は無機EL式のディスプレイ、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、CRTディスプレイ等で構成され、座部2に着座する施療を受ける被施療者Aの目で見ることができる位置、例えば座部2に着座する被施療者Aの前方、側方、上方等に設置される。また、撮影カメラ5により撮影した被施療部Aaと、被施療部Aaに押し当てられたハンド型施療子4との画像を表示する。実施例では、本体装置23と表示装置24とを一体的に設けているが、表示装置24を任意位置に独立して設置してもよい。
【0047】
また、表示装置24に表示される被施療部Aaの画像を入力装置25で可変調整して、被施療部Aa全体が表示されるような画像に縮小するか、ハンド型施療子4が押し当てられた被施療部Aaの施療箇所が表示されるような画像に拡大することもできる。
【0048】
前記入力装置25は、装置本体23に接続されたマウス26、キーボード27等で構成され、座部2に着座する施療を受ける被施療者Aが操作できる位置、例えば座部2に着座する被施療者Aの前方、側方、上方等に設置される。或いは、座部2の肘掛部に設置してもよい。また、マウス26やキーボード27の代わりに、例えば入力ペン、タブレット、タッチパネル、音声入力装置等のインターフェースで構成してもよい。
【0049】
上記ハンド型施療子4の移動パターンをマウス26で入力する場合、例えば図4に示すように、マウス26を前後移動した際に出力される動作指令信号を制御ユニット21が受けたとき、制御ユニット21から出力される上下移動指令信号に基づいて、第1可動部9を上下移動させ、マウス26を左右移動した際に出力される動作指令信号を制御ユニット21が受けたとき、制御ユニット21から出力される左右移動指令信号に基づいて、第2可動部14を左右移動させ、ハンド型施療子4を、被施療者Aが好む又は望むような施療箇所に移動する。
【0050】
また、マウス26の左ボタン26aをクリックしたとき、前後用モータ19の可動軸19aを前進させ、ハンド型施療子4を被施療者Aの被施療部Aaに対して押し当てられる方向に前進移動する。また、右ボタン26bをクリックしたとき、前後用モータ19の可動軸19aを後退させ、ハンド型施療子4を被施療者Aの被施療部Aaに対して押し当てが回避される方向に後退移動する。
【0051】
なお、マウス26やキーボード27の代わりに、例えばタッチパネル上を移動する指の動作に応じて、ハンド型施療子4を被施療者Aが好む又は望むような方向及び位置に移動させ、また、タッチパネルに付与される指の押圧力に応じて、被施療者Aの被施療部Aaに押し当てられるハンド型施療子4の押圧力を可変調整することもできる。また、入力ペン、タブレット、タッチパネル、音声入力装置、レバー式入力装置等でハンド型施療子4の移動を制御することもできる。
【0052】
図示実施例は上記の如く構成するものにして、以下、アタッチメント動作装置1による施療方法を説明する。
【0053】
先ず、図1、図2に示すように、被施療者Aが座部2に着座する際に、例えば背部や肩部等の被施療部Aaをハンド型施療子4と対向する方向に向けて正面向きに着座する。
【0054】
着座後において、座部2に着座する被施療者Aのハンド型施療子4が押し当てられる被施療部Aaと、ハンド型施療子4が押し当てられた施療箇所と、施療箇所に押し当てられたハンド型施療子4とを撮影カメラ5で撮影し、その撮影した被施療部Aa及びハンド型施療子4の画像データをパーソナルコンピューター22に出力する。
【0055】
撮影カメラ5で撮影した被施療部Aa及びハンド型施療子4の画像を、座部2に着座する被施療者Aの目で見ることができる場所に設置した表示装置24に表示する。
【0056】
次に、表示装置24に表示される被施療者Aの被施療部Aaと、ハンド型施療子4が押し当てられた施療箇所と、施療箇所に押し当てられたハンド型施療子4の画像とを、座部2に着座する施療を受ける被施療者Aの目で見て、ハンド型施療子4が押し当てられた施療箇所の位置、施療箇所に押し当てられたハンド型施療子4の位置等を目視確認しながら、座部2に着座する被施療者Aが操作できる場所に設置した入力装置25のマウス26又はキーボード27を操作して、ハンド型施療子4の各指部4a…を、移動装置8により任意の方向及び位置に移動させ、被施療者Aが好む又は望むような施療箇所に押し当ててマッサージする。
【0057】
また、ハンド型施療子4の各指部4a…を被施療者Aの被施療部Aaに押し当てたまま、被施療者Aが好む又は望むような施療箇所に移動させてマッサージするか、ハンド型施療子4を任意の施療箇所と対向する位置に移動させた後、各指部4a…をその施療箇所に押し当ててマッサージすることにより、被施療者Aが好む又は望むような施療箇所を正確に施療することができる。
【0058】
また、入力装置25を操作して、ハンド型施療子4を、前後用モータ19により被施療部Aaと対向する方向に前後移動させれば、施療箇所に押し当てられたハンド型施療子4の押し当て力を、被施療者Aの被施療部Aaを施療するのに適した押し当て力、被施療者Aが好む又は望むような押し当て力に可変調整することができ、手揉みと略同等のマッサージ感覚が得られる。或いは、被施療者A以外の人が、表示装置24に表示される画像を見ながら入力装置25を操作して、ハンド型施療子4を任意の方向及び位置に移動させて施療してもよい。
【0059】
以上のように、撮影カメラ5で撮影した被施療者Aの被施療部Aa及びハンド型施療子4の画像をパーソナルコンピューター22の表示装置24に表示し、その表示装置24に表示される被施療部Aa及びハンド型施療子4の位置を被施療者Aの目で目視確認しながら、入力装置25を操作して、左右一対の各ハンド型施療子4を任意の方向及び位置に移動させるので、被施療者Aの目で目視確認することが難しい箇所であっても、ハンド型施療子4を、被施療者Aが好む又は望むような施療箇所、施療に適した施療箇所に対して正確且つ確実に押し当てることができ、被施療部Aaの所定箇所を施療する作業が容易に行える。
【0060】
図5、図6は、上記ハンド型施療子4の代わりに、アタッチメントの他の例である筆記手段の筆記具34を取り付けた第2実施例のアタッチメント動作装置1を示し、例えばペンや鉛筆、筆等の筆記具34は、ヘッド20の上端側中央部に形成した凹状の受け部20aに対して止めネジ20bで取り替え自在に固定され、筆記具34が押し当てられるパネル状の被描き部35は、ヘッド20に取り付けられた筆記具34と対向して、フレーム3の上枠3c前面に突設した各軸部3d,3dに固定している。なお、第2の実施例に於いて、第1の実施例と同一構成の部分は同一の符号を記してその詳細な説明を省略する。
【0061】
つまり、筆記具34が押し当てられる被描き部35の描き面を撮影カメラ5で撮影し、表示装置24に表示される被描き部35の画像を創作者の目で見て、被描き部35に押し当てられた筆記具34の位置を目視確認しながら、パーソナルコンピューター22の入力装置25を操作して、筆記具34を任意の位置、方向、速度等で移動させ、筆記具34を被描き部35に押し当てたまま移動するか、筆記具34を任意位置に移動させてから被描き部35に押し当てる等して、例えば図形、文字、絵等の創作物を描くので、上記実施例と略同等の作用及び効果を奏することができる。
【0062】
また、図形、文字、絵等を消去するための消去具をヘッド20に取り付けたり、被描き部35を、例えばキャンバス、画用紙等に交換することもできる。
【0063】
図7、図8は、左右一対の各ハンド型施療子44,44を、座部42の背凭れ部42a上部に設けた第3実施例のアタッチメント動作装置1を示し、なお、第4実施例に於いて、第1〜第3実施例と同一構成の部分は同一の符号を記してその詳細な説明を省略する。
【0064】
左右一対の各ハンド型施療子44,44は、前後一対の各指部44a,44aを可動体45下端部に対して複数組取り付け、可動体45に設けたサーボモータ46の駆動力により、ハンド型施療子44の各指部44a…が被施療者Aの被施療部Aaに押し当てられる前進位置と、その押し当てが回避される後退位置とに前後移動する。また、各可動体45,45は、背凭れ部42a上部の支持部47前面に対して左右移動自在に突設した各支持軸48,48前端に固定され、支持部47に設けたサーボモータ49の駆動力により、可動体45を左右方向に移動して、ハンド型施療子44の各指部44a…が被施療者Aの被施療部Aaに対して押し当てられる間隔又は位置に左右移動する。
【0065】
つまり、撮影カメラ5で撮影した被施療者Aの被施療部Aaと、ハンド型施療子44,44が押し当てられた施療箇所と、施療箇所に押し当てられたハンド型施療子44,44との画像を、パーソナルコンピューター22の表示装置24に表示する。その表示装置24に表示される画像を被施療者Aの目で目視確認しながら、入力装置25を操作して、左右一対の各ハンド型施療子44,44を任意の方向及び位置に移動させて施療するので、第1実施例と略同等の作用及び効果を奏することができる。
【0066】
また、左右一対の各ハンド型施療子44,44を、図9の仮想線に示すように、座部42の背凭れ部42aに沿って任意高さに上下移動してもよい。
【0067】
図10、図11は、第3実施例の座部42に代えて、左右一対の各ハンド型施療子44,44が取り付けられた支持部47を2本の各支持脚50,50で支持した第4実施例のアタッチメント動作装置1を示し、なお、第4実施例に於いて、第1〜第3実施例と同一構成の部分は同一の符号を記してその詳細な説明を省略する。
【0068】
つまり、パーソナルコンピューター22の表示装置24に表示される撮影カメラ5で撮影した画像を被施療者Aの目で目視確認しながら、入力装置25を操作して、左右一対の各ハンド型施療子44,44を任意の方向及び位置に移動させて施療するので、第1実施例と略同等の作用及び効果を奏することができる。また、2本の各支持脚50,50を起立状態に設置するのに必要なスペースがあれば、アタッチメント動作装置1を任意の場所に移動及び設置することができる。
【0069】
また、図10の仮想線に示すように、支持部47を中心として任意角度に前後回動するか、図11の仮想線に示すように、支持部47前面の各支持軸48,48を中心として任意角度に左右回動する等してもよい。
【0070】
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明のアタッチメントは、実施例の施療手段であるハンド型施療子4、44と、筆記手段である筆記具34とに対応し、
以下同様に、
被押し当て部は、被施療者Aの被施療部Aaと、被描き部35とに対応し、
撮影手段は、撮影カメラ5に対応し、
移動手段は、移動装置8に対応し、
表示手段は、表示装置24に対応し、
入力手段は、入力装置25に対応し、
人は、被施療者A、創作者、遊戯者に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではなく、請求項に示される技術思想に基づいて応用することができ、多くの実施の形態を得ることができる。
【0071】
また、ハンド型施療子4、44や筆記具34を、例えばアクションゲーム、シミュレーションゲーム等の遊戯に用いられる遊戯手段の遊戯用アタッチメントに取り替えれば、遊戯者がゲームを楽しむことができ、実施例以外の用途にも用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】第1実施例のアタッチメント動作装置による施療方法を示す側面図。
【図2】座部を除いたハンド型施療子の上下移動及び左右移動を示す正面図。
【図3】第1可動部、第2可動部の取り付け構造を示す横断平面図。
【図4】マウスとハンド型施療子との動作関係を示す説明図。
【図5】第2実施例の描き装置による描き方法を示す側面図。
【図6】被描き部を除いた筆記具の上下移動及び左右移動を示す正面図。
【図7】第3実施例のアタッチメント動作装置による施療方法を示す側面図。
【図8】図6のハンド型施療子の左右移動を示す正面図。
【図9】図6のハンド型施療子の上下移動を示す側面図。
【図10】第4実施例のアタッチメント動作装置による施療方法を示す側面図。
【図11】図9のハンド型施療子の左右移動及び左右回動を示す正面図。
【図12】撮影カメラをハンド型施療子と一体的に移動する例を示す側面図。
【符号の説明】
【0073】
A…被施療者
Aa…被施療部
1…アタッチメント動作装置
2,42…座部
3…フレーム
4,44…ハンド型施療子
4a,44a…指部
5…撮影カメラ
8…移動装置
21…制御ユニット
22…パーソナルコンピューター
23…装置本体
24…表示装置
25…入力装置
26…マウス
27…キーボード
34…筆記具
35…被描き部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被押し当て部と対向する位置に、該被押し当て部に対して押し当てられるアタッチメントと、該アタッチメントが押し当てられる被押し当て部を撮影する撮影手段とを設け、
上記アタッチメントを被押し当て部の任意箇所に対して押し当てられる位置に移動する移動手段と、
上記撮影手段で撮影した被押し当て部及びアタッチメントの画像を表示する表示手段と、
上記アタッチメントの動作パターンを入力する入力手段と、
上記アタッチメント、撮影手段、移動手段、表示手段、入力手段の駆動を制御するパーソナルコンピューターを備え、
上記撮影手段で撮影した被押し当て部及びアタッチメントの画像を表示手段に表示し、
上記表示手段に表示される被押し当て部及びアタッチメントの画像を人の目で見て、該被押し当て部及びアタッチメントの位置を目視確認しながら入力手段を操作して、上記アタッチメントを任意の方向及び位置に移動することを特徴とする
アタッチメント動作装置。
【請求項2】
上記入力手段により入力したアタッチメントの動作パターンを、上記パーソナルコンピューターに対して入力毎に記憶しておき、
上記アタッチメントの動作開始前に、上記パーソナルコンピューターに記憶された複数の各動作パターンを表示手段に表示し、該表示手段に表示された複数の各動作パターンから選択した任意の動作パターンに従って上記アタッチメントを動作することを特徴とする
請求項1に記載のアタッチメント動作装置。
【請求項3】
上記被押し当て部を、施療手段が押し当てられる人の被施療部で構成し、
上記アタッチメントを、人の被施療部に対して押し当てられる施療手段で構成したことを特徴とする
請求項1に記載のアタッチメント動作装置。
【請求項4】
上記被押し当て部を、筆記手段が押し当てられる被描き部で構成し、
上記アタッチメントを、被描き部の描き面に対して押し当てられる筆記手段で構成したことを特徴とする
請求項1に記載のアタッチメント動作装置。
【請求項5】
上記表示手段を、上記施療手段が押し当てられる人の目で目視確認できる位置に設け、
上記入力手段を、上記施療手段が押し当てられる人が操作できる位置に設けた
請求項3に記載のアタッチメント動作装置。
【請求項6】
上記アタッチメントを、上記施療手段、筆記手段、遊戯手段等のいずれか一つに取り替え自在に設けた
請求項1又は2に記載のアタッチメント動作装置。
【請求項7】
上記アタッチメントの押し当て力を、上記入力手段により任意の押し当て力に可変調整自在に設けた
請求項1乃至4のいずれか一つに記載のアタッチメント動作装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−159703(P2007−159703A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−357532(P2005−357532)
【出願日】平成17年12月12日(2005.12.12)
【出願人】(591232484)共栄精工株式会社 (3)
【Fターム(参考)】