アバターを用いた情報検索システム
【課題】
テキストだけの検索条件では表現しきれない感覚などをアバターで表現し、そのアバターを構成するパーツを検索条件として情報検索を行う、アバターを用いた情報検索システムを提供することを目的とする。
【解決手段】
パーツ情報記憶手段と、利用者情報記憶手段と、利用者が選択したアバターを構成するパーツの識別情報に基づいて、選択されたパーツの画像情報を一つの画像に合成することで、利用者のアバターを設定するアバター設定手段と、利用者のアバターを構成するパーツの識別情報と他の利用者のアバターを構成するパーツの識別情報とを比較し、その全部又は一部が一致する他の利用者の属性情報の全部又は一部を利用者情報記憶手段から取得して、利用者端末に対して検索結果として送信するアバター検索手段と、を有するアバターを用いた情報検索システムである。
テキストだけの検索条件では表現しきれない感覚などをアバターで表現し、そのアバターを構成するパーツを検索条件として情報検索を行う、アバターを用いた情報検索システムを提供することを目的とする。
【解決手段】
パーツ情報記憶手段と、利用者情報記憶手段と、利用者が選択したアバターを構成するパーツの識別情報に基づいて、選択されたパーツの画像情報を一つの画像に合成することで、利用者のアバターを設定するアバター設定手段と、利用者のアバターを構成するパーツの識別情報と他の利用者のアバターを構成するパーツの識別情報とを比較し、その全部又は一部が一致する他の利用者の属性情報の全部又は一部を利用者情報記憶手段から取得して、利用者端末に対して検索結果として送信するアバター検索手段と、を有するアバターを用いた情報検索システムである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テキストだけの検索条件では表現しきれない感覚などをアバターで表現し、そのアバターを構成するパーツを検索条件として情報検索を行う、アバターを用いた情報検索システムに関する。
【背景技術】
【0002】
自分が知りたい情報を検索するには、インターネットの検索エンジンなどを用いることが多い。このような検索エンジンでは、そこに検索条件を入力して予めデータベースに登録された情報と照合することにより、検索条件に一致する検索結果を取得することで、自分が知りたい情報を閲覧することが出来る。
【0003】
例えば、利用者(本明細書では「利用者」には自然人の他、サークルや同好会などの団体も含む)と同様の趣味や嗜好(ある特徴を有するキャラクタを愛好するなど)を有する他の利用者を検索し、連絡を取ることによってそのような他の利用者と交流を深めたい場合には、利用者が検索条件とする趣味や嗜好などを検索条件としてテキスト入力し、検索エンジンがデータベースに登録された他の利用者の趣味、嗜好などの情報と照合することによって、該当する者やグループを検索結果として取得することが出来る。
【0004】
このように検索条件を入力する際には、一般的には下記特許文献1や特許文献2に示すようにテキスト入力が用いられている。
【0005】
しかし検索条件をテキスト入力とした場合には、趣味や嗜好の微妙な表現や感覚を表現することが困難であることから、感性の度合いを検索条件に付加した特許文献3に記載の発明や、画像そのものを検索条件とした特許文献4に記載の発明がある。
【0006】
【特許文献1】特開2003−108593号公報
【特許文献2】特開2004−258727号公報
【特許文献3】特開2002−288216号公報
【特許文献4】特開2002−132816号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献3に記載の発明は、検索条件として、商品などについて感性語を用い、その度合いを検索条件として入力することで、微妙な表現や感覚を検索条件に加味することが出来る発明である。しかし、そもそも商品や人の趣味、嗜好などの程度や感覚は、人によって異なるものであって、どのようなレベルから「とても」「やや」に該当するかが曖昧である。例えば、検索者Aにとっては「やや良い」と評価される感覚であっても、検索者Bにとっては「とても良い」と評価されることもある。従って、検索者が知りたい情報の曖昧さを加味した上でのデータ検索を行う際の精度が高くないと考えられる。
【0008】
一方、特許文献4に記載の発明では、検索者が知りたい情報を画像情報(画像データ)で表現し、それを検索条件として直接用いる。画像情報は、テキストよりも微妙な感覚、程度などを表現しうるから特許文献3のような問題は生じにくい。しかし、特許文献4に記載の発明では、画像情報を構成する画素の色情報などの画像解析を行った上で比較していることから、検索の精度が画像解析の精度に依存してしまい、画像解析の精度が高くない場合には、検索の精度を高くすることが出来ない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで本発明者は上記問題点に鑑み、アバターを用いた情報検索システムを発明した。
【0010】
第1の発明は、利用者の利用する利用者端末との間で情報の送受信が可能な、アバターを用いた情報検索システムであって、アバターを構成するパーツの識別情報と、前記パーツの画像情報とを記憶するパーツ情報記憶手段と、前記情報検索システムの他の利用者の属性情報と、前記他の利用者のアバターを構成するパーツの識別情報とを記憶する利用者情報記憶手段と、前記利用者が選択したアバターを構成するパーツの識別情報に基づいて、前記選択されたパーツの画像情報を前記パーツ情報記憶手段より取得して一つの画像に合成することで、前記利用者のアバターを設定するアバター設定手段と、前記利用者のアバターを構成するパーツの識別情報と、前記利用者情報記憶手段に記憶する前記他の利用者のアバターを構成するパーツの識別情報とを比較し、その全部又は一部が一致する他の利用者の属性情報の全部又は一部を前記利用者情報記憶手段から取得して、前記利用者端末に対して検索結果として送信するアバター検索手段と、を有するアバターを用いた情報検索システムである。
【0011】
本発明のように構成することで、利用者は自らの趣味や嗜好などの微妙な感覚を反映したアバターを設定し、そのアバターを構成するパーツの識別情報を検索条件として検索を行うこととなる。これによって、テキスト入力では反映しきれない微妙な感覚を反映した検索を行うことが出来る。また、アバターの画像情報そのものを検索条件としているのではなく、パーツの識別情報を検索条件としているので、画像解析の精度に依存しない検索システムを実現することが出来る。
【0012】
第1の発明に加えて、前記アバターを用いた情報検索システムは、更に、前記利用者の属性情報を前記利用者端末から受信し、前記設定したアバターを構成するパーツの識別情報を前記アバター設定手段から受け取り、前記利用者の属性情報と前記アバターを構成するパーツの識別情報とを前記利用者情報記憶手段に記憶するアバター登録受付手段を設けても良い。
【0013】
このように構成することで、利用者が設定したアバターを、新たに登録することが出来る。これにより検索を行った利用者も新たな利用者としてアバターが登録され、他の利用者がアバターを用いた検索を行った場合に、検索結果としてヒットする可能性が生じる。従って利用者の交流を深められる可能性が発生する。
【0014】
第1の発明に加えて、前記アバター設定手段は、前記アバターを構成するパーツを選択する画面を前記利用者端末に対して送信し、そこで選択されたパーツの識別情報を前記利用者端末から受信することとしても良い。
【0015】
このように画面からパーツが選択可能となることによって、利用者は容易にパーツを選択することが出来る。
【0016】
また、前記アバター設定手段は、前記パーツを選択する画面に、前記利用者が選択したパーツの画像情報を一つの画像に合成したアバターを表示することとしても良い。
【0017】
これによって、利用者がアバターを設定するにあたり、パーツの合成具合を画像で確認しながら各パーツを選択することが出来、アバターの設定が容易になる。
【発明の効果】
【0018】
本発明では、アバターを用いた情報検索システムの利用者は、自らの趣味や嗜好を表すアバターと呼ばれる分身を設定し、アバターを構成する各パーツを検索条件として、趣味や嗜好が一致する他の利用者を検索する。これによって、利用者の言葉では表現しきれない微妙な表現や感覚を反映した検索を行うことが出来る。またアバターの画像情報自体を検索条件とするのではなく、アバターを構成する各パーツの識別情報を検索条件としているので、従来のような画像解析の精度に依存する必要もない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明のアバターを用いた情報検索システム1(以下、「情報検索システム1」とする)について以下に説明する。尚、アバターとは、利用者の趣味や嗜好を反映して自由に設定することが可能なコンピュータ上に於けるキャラクタであって、いわばコンピュータ上に於ける利用者の分身(利用者自身の特徴を反映していなくても良い)である。また利用者が本発明の情報検索システム1にアクセスし、所定の操作を行うことによって利用者のアバターを設定し、そのアバターを構成するパーツの情報に基づいて、他の利用者が登録したアバターと一致するかを検索し、一致した他の利用者を検索結果として利用者に返す場合を説明する。
【0020】
図2のハードウェア構成図は、本発明の情報検索システム1を実行するコンピュータ端末(サーバも含む。以下同様)のハードウェア構成の一例を示した図であって、CPUなどの演算装置11、RAMやハードディスクなどの記憶装置12、他のコンピュータ端末とインターネット等のネットワーク3を介してデータの送受信を行う通信装置13を有するコンピュータ端末上でその処理が実現される。コンピュータ端末には、更にキーボード、マウス、テンキーなどの入力装置10、ディスプレイなどの表示装置14、プリンタなどの印刷装置15を更に備えていても良い。また本発明の情報検索システム1は、本発明で利用する情報を記憶するデータサーバと、アバターの設定や情報検索等の処理を行う検索用サーバから構成されている場合を説明するが、これらが単一又は複数のコンピュータ端末で実現されていても良い。
【0021】
情報検索システム1を実現するプログラムは、当該コンピュータ端末のハードディスクに記録されており、それが所定の操作が行われることによってRAMなどに読み込まれ、その機能(手段)を演算装置11で実行することで、情報検索システム1の処理が行われる。これらの処理に用いる情報は、データベースやデータファイルなどの各種のファイル保存形式で好適にはデータサーバの記憶装置12に記憶され、その処理の際に適宜読み出されることで処理が行われるが、必ずしもデータサーバの記憶装置12でなくても良く、検索用サーバの記憶装置12に記憶されていても良い。
【0022】
また各手段による処理結果も、データサーバ又は検索用サーバのRAMやハードディスクなどの記憶装置12に書き出され、適宜記憶される。本発明に於ける各手段は、その機能が論理的に区別されているのみであって、物理上或いは事実上は同一の領域を為していても良い。
【0023】
データサーバは、情報検索システム1で用いるアバターを構成するパーツに関する情報や利用者に関する情報について記憶しているデータサーバであって、例えばデータベースサーバやファイルサーバが該当する。またデータサーバは、検索用サーバから情報取得要求、検索要求などを受け付け、各要求に対する結果を検索用サーバに返す。
【0024】
データサーバは、パーツ情報記憶手段4と利用者情報記憶手段5とを有している。
【0025】
パーツ情報記憶手段4は、アバターを構成するパーツの識別情報(例えばパーツの名称、識別番号など)とパーツの画像情報とを対応付けて記憶している手段である。図4にアバターを構成するパーツの識別情報の一例を示す。尚、これらのパーツの識別情報は、各パーツの画像情報と対応付けて記憶されており、例えばパーツの画像情報のファイル名がパーツの識別情報となっている。図4(a)がアバターが女の子の場合のパーツの識別情報の一例であり、図4(b)がアバターが男の子の場合のパーツの識別情報の一例である。図4ではアバターが人間の場合を示しているが、人間には限定されず、動物や空想上の生物などであっても良い。
【0026】
図12にパーツの画像情報の一例を示す。図12(a)がパーツ「素体」の画像情報、図12(b)がパーツ「目」の画像情報、図12(c)がパーツ「口」の画像情報、図12(d)から(f)がパーツ「髪」の画像情報、図12(g)がパーツ「服」の画像情報、図12(h)がパーツ「アクセサリ(耳)」の画像情報の一例である。
【0027】
図12(d)から(f)のパーツ「髪」の画像情報のように、一つのパーツが複数の画像情報によって構成されていても良い。図12では各パーツに対して一つの画像情報の例を示したが、通常は、各パーツに対して異なる複数の画像情報がある。これによってパーツの選択肢が広がり、利用者による趣味や嗜好を正確に反映させやすくなる。
【0028】
利用者はパーツ情報記憶手段4に記憶するパーツを組み合わせることによって、自分のアバターを設定することとなる。
【0029】
利用者情報記憶手段5は、利用者のアバター、そのアバターがどのパーツから構成されているかを示す為のアバターを構成するパーツの識別情報、利用者の属性情報(氏名(仮名も含む)や名称、年齢、性別、電子メールアドレスなどの連絡先、利用者が開設するサイトのアドレス、自己紹介、イベントのスケジュールなど)を記憶している手段である。図5に利用者情報記憶手段5の概念図の一例を示す。
【0030】
検索用サーバは、アバター設定手段6とアバター検索手段7とアバター登録受付手段8とを有している。
【0031】
アバター設定手段6は、利用者がアバターを用いて他の利用者を検索するに際して、趣味や嗜好を反映させたアバターを設定する手段である。所定の方法で利用者端末2から検索用サーバにアクセスすると、アバター設定手段6は、データサーバのパーツ情報記憶手段4からアバターを構成するパーツの識別情報を取得し、それを利用者端末2に送信する。利用者端末2で選択されたパーツの識別情報を利用者端末2から受信し、それらのパーツの画像情報を一つの画像情報として合成することによってアバターを設定する。
【0032】
アバター検索手段7は、アバター設定手段6で設定された利用者のアバターを構成するパーツの識別情報に基づいて、同様のパーツ構成であるアバターがあるかどうかの検索要求をデータサーバの利用者情報記憶手段5に送信する手段である。また検索要求に対する検索結果を利用者端末2に対してネットワーク3を介して送信する手段でもある。
【0033】
アバター登録手段は、アバター設定手段6で設定したアバターを、利用者情報記憶手段5に自分のアバターとして新たに登録する手段である。この登録の際には、利用者の属性情報を利用者端末2から受信し、アバター設定手段6で設定したアバター、アバターを構成するパーツの識別情報を利用者情報記憶手段5に記憶することで行える。
【0034】
利用者端末2は、利用者が利用するコンピュータ端末や携帯端末(携帯電話、PHS、PDA等)であり、情報検索システム1との間でネットワーク3を介して情報の送受信が可能である。
【0035】
次に本発明の情報検索システム1の処理プロセスの一例を図3のフローチャート及び図1のシステム構成図を用いて説明する。尚、利用者情報記憶手段5には、他の利用者の属性情報、アバター、アバターを構成するパーツの識別情報が記録されているとする。
【0036】
利用者が、自分と同じような趣味や嗜好を有する他の利用者を知りたいと思った場合、利用者端末2から所定の操作を行うことによって、情報検索システム1にネットワーク3を介してアクセスする。この際に利用者端末2に表示されるトップページの一例を図6に示す。
【0037】
図6のトップページから「ジャンル検索」を利用者端末2で選択することによって、アバター設定手段6は、アバターを構成するパーツの識別情報の一覧をパーツ情報記憶手段4から取得し(S100)、利用者端末2に対してアバター設定画面を送信する。アバター設定画面の一例を図7に示す。
【0038】
この図7に示したアバター設定画面から、利用者は自分の趣味や嗜好に合うアバターを構成するパーツを選択し、それを利用者端末2からネットワーク3を介して情報検索システム1に送信する。例えば図7のアバター設定画面から「アクセサリ(頭)」の選択肢を利用者が利用者端末2で選択した場合には、アバター設定手段6は、「アクセサリ(頭)」のパーツの識別情報の一覧(「とらカチューシャ」、「カチューシャ」、「リボン」)をパーツ情報記憶手段4から取得し、図8に示すようなパーツの選択画面を利用者端末2に送信する。この際に各パーツの画像情報を併せて送信しても良い。
【0039】
このように利用者はアバターを構成するパーツを選択することによって、アバターを設定する。例えば利用者がパーツとして「性別=女の子」、「目=普通」、「口=口」、「髪型=ポニーテール」、「髪色=金」、「服=巫女服」、「アクセサリ(耳)=うさみみ」を選択したとする(「耳」、「アクセサリ(頭)」、「アクセサリ(目)」、「アクセサリ(足)」は選択していないとする)。
【0040】
そうすると、「性別=女の子」、「目=普通」、「口=口」、「髪型=ポニーテール」、「髪色=金」、「服=巫女服」、「アクセサリ(耳)=うさみみ」のパーツの識別情報が、利用者端末2から情報検索システム1に送信される。アバター設定手段6は、これらのパーツの画像をパーツ情報記憶手段4から取得して、パーツの画像情報を一つの画像情報として合成し、利用者のアバターとして設定する。例えば図12(a)から(h)に示すパーツの画像情報を取得して、一つの画像に合成する。このようにして合成されたアバターの一例を図12(i)に示す。図9のアバター設定画面では、パーツの選択肢と共に利用者が設定したアバターの画像情報(図12(i))が表示されていると良い。
【0041】
上述ではアバターを構成するパーツの合成をまとめて行っているが、各パーツを選択する毎に、逐次パーツの画像を合成しても良い。その場合には選択したパーツの画像が合成されたアバターの画像情報をアバター設定画面に併せて表示可能にすると良い。つまり、アバター設定画面には、利用者が設定している最中のアバターの画像が表示される欄が設けられており、その欄に利用者が選択したパーツの画像情報が一つの画像情報に合成されたアバターが表示されていると良い。利用者がアバターを設定する際にイメージが掴みやすくなるからである。
【0042】
利用者が自分の趣味や嗜好を反映したアバターが設定できたと思ったら、図9のアバター表示画面から「検索」を選択することで、利用者がS120で設定したアバターを構成するパーツの情報と一致する、他の利用者のアバターがあるかをアバター検索手段7が利用者情報記憶手段5から検索する(S130)。
【0043】
上述の例ではアバター検索手段7は、アバター設定手段6から利用者が設定したアバターを構成するパーツの識別情報として、「性別=女の子」、「目=普通」、「口=口」、「髪型=ポニーテール」、「髪色=金」、「服=巫女服」、「アクセサリ(耳)=うさみみ」を受け取り、このパーツの情報を有する、他の利用者が設定したアバターが利用者情報記憶手段5に記憶されているかを検索することとなる。
【0044】
尚、この検索の際には、利用者が設定したアバターを構成するパーツの識別情報の全てが一致する他の利用者のアバターを検索しても良いし、利用者が設定したアバターを構成するパーツの識別情報のうち、所定割合以上のパーツの識別情報が一致する他の利用者のアバターを検索しても良い。ここでは全てが一致するアバターを検索する場合を説明する。
【0045】
そうすると利用者情報記憶手段5(図5)では、他の利用者Cが設定したアバターを構成するパーツの識別情報と、利用者が設定したアバターを構成するパーツの識別情報とが一致する。従って、アバター検索手段7は、利用者Cの属性情報(氏名(仮名も含む)や名称、年齢、性別、電子メールアドレスなどの連絡先、利用者が開設するサイトのアドレス、自己紹介、イベントのスケジュールなど)を利用者情報記憶手段5から取得し、検索結果としてネットワーク3を介して利用者端末2に送信する(S140)。検索結果の画面の一例を図10に示す。
【0046】
この検索結果の画面から「利用者C」を利用者が利用者端末2で選択することによって、利用者Cの属性情報で設定されている利用者が開設しているサイトのアドレスに接続され、利用者Cのサイトを利用者端末2で閲覧することが出来る。利用者Cの画面の一例を図11に示す。
【0047】
検索をした利用者と、利用者Cとは、自分の趣味や嗜好を反映させたアバターを構成するパーツが一致していることから、検索をした利用者と利用者Cとは、趣味や嗜好が同じ傾向であると考えられる。
【0048】
検索をした利用者が自分もアバターを情報検索システム1に登録したいと考えた場合には、利用者は利用者端末2から所定の操作をすることによって、利用者の属性情報を入力する。アバター登録受付手段8はネットワーク3を介して利用者端末2から利用者の属性情報を受信し、またアバター設定手段6で設定したアバターとアバターを構成するパーツの識別情報とを受け取り、利用者情報記憶手段5に新たな利用者として登録する。
【0049】
尚、利用者が登録するアバターとしては、予めパーツ情報記憶手段4に記憶しているパーツの画像情報を用いたアバターでなくても良い。即ち、利用者が作成したアバターをアバターの画像情報として利用者端末2から情報検索システム1に送信し、それを受け付けたアバター登録受付手段8が利用者情報記憶手段5にアバターの画像情報として記憶させても良い。この際に、利用者のアバターがどのようなパーツから構成されているかが分からないので、利用者端末2から、当該アバターがどのようなパーツから構成されているかを示すパーツの識別情報の入力を受け付け、それをアバター登録受付手段8が利用者情報記憶手段5の、アバターを構成するパーツの識別情報に記憶させる。
【0050】
このようにすることで、例えば利用者自らが作成したアバターを、その利用者のアバターとして登録すると共に、アバターを構成するパーツの識別情報も登録されるため、検索の際に、アバターを構成するパーツの識別情報が一致すれば、検索結果としてヒットすることも期待できる。
【産業上の利用可能性】
【0051】
上述したように、アバターを用いた情報検索システム1の利用者は、自らの趣味や嗜好を表すアバターと呼ばれる分身を設定し、アバターを構成する各パーツを検索条件として、趣味や嗜好が一致する他の利用者を検索する。これによって、利用者の言葉では表現しきれない微妙な表現や感覚を反映した検索を行うことが出来る。またアバターの画像情報自体を検索条件とするのではなく、アバターを構成する各パーツの識別情報を検索条件としているので、従来のような画像解析の精度に依存する必要もない。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明のシステム構成の一例を示したシステム構成図である。
【図2】本発明を実行するコンピュータ端末のハードウェア構成の一例である。
【図3】本発明の処理プロセスの一例を示すフローチャートである。
【図4】アバターを構成するパーツの識別情報の一例である。
【図5】利用者情報記憶手段の概念図である。
【図6】トップページの一例である。
【図7】パーツを選択する前のアバター設定画面の一例である。
【図8】パーツの選択画面の一例である。
【図9】パーツを選択しアバターとして設定した後のアバター設定画面の一例である。
【図10】検索結果の画面の一例である。
【図11】利用者Cの画面の一例である。
【図12】パーツの画像情報の一例である。
【符号の説明】
【0053】
1:アバターを用いた情報検索システム
2:利用者端末
3:ネットワーク
4:パーツ情報記憶手段
5:利用者情報記憶手段
6:アバター設定手段
7:アバター検索手段
8:アバター登録受付手段
10:入力装置
11:演算装置
12:記憶装置
13:通信装置
14:表示装置
15:印刷装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、テキストだけの検索条件では表現しきれない感覚などをアバターで表現し、そのアバターを構成するパーツを検索条件として情報検索を行う、アバターを用いた情報検索システムに関する。
【背景技術】
【0002】
自分が知りたい情報を検索するには、インターネットの検索エンジンなどを用いることが多い。このような検索エンジンでは、そこに検索条件を入力して予めデータベースに登録された情報と照合することにより、検索条件に一致する検索結果を取得することで、自分が知りたい情報を閲覧することが出来る。
【0003】
例えば、利用者(本明細書では「利用者」には自然人の他、サークルや同好会などの団体も含む)と同様の趣味や嗜好(ある特徴を有するキャラクタを愛好するなど)を有する他の利用者を検索し、連絡を取ることによってそのような他の利用者と交流を深めたい場合には、利用者が検索条件とする趣味や嗜好などを検索条件としてテキスト入力し、検索エンジンがデータベースに登録された他の利用者の趣味、嗜好などの情報と照合することによって、該当する者やグループを検索結果として取得することが出来る。
【0004】
このように検索条件を入力する際には、一般的には下記特許文献1や特許文献2に示すようにテキスト入力が用いられている。
【0005】
しかし検索条件をテキスト入力とした場合には、趣味や嗜好の微妙な表現や感覚を表現することが困難であることから、感性の度合いを検索条件に付加した特許文献3に記載の発明や、画像そのものを検索条件とした特許文献4に記載の発明がある。
【0006】
【特許文献1】特開2003−108593号公報
【特許文献2】特開2004−258727号公報
【特許文献3】特開2002−288216号公報
【特許文献4】特開2002−132816号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献3に記載の発明は、検索条件として、商品などについて感性語を用い、その度合いを検索条件として入力することで、微妙な表現や感覚を検索条件に加味することが出来る発明である。しかし、そもそも商品や人の趣味、嗜好などの程度や感覚は、人によって異なるものであって、どのようなレベルから「とても」「やや」に該当するかが曖昧である。例えば、検索者Aにとっては「やや良い」と評価される感覚であっても、検索者Bにとっては「とても良い」と評価されることもある。従って、検索者が知りたい情報の曖昧さを加味した上でのデータ検索を行う際の精度が高くないと考えられる。
【0008】
一方、特許文献4に記載の発明では、検索者が知りたい情報を画像情報(画像データ)で表現し、それを検索条件として直接用いる。画像情報は、テキストよりも微妙な感覚、程度などを表現しうるから特許文献3のような問題は生じにくい。しかし、特許文献4に記載の発明では、画像情報を構成する画素の色情報などの画像解析を行った上で比較していることから、検索の精度が画像解析の精度に依存してしまい、画像解析の精度が高くない場合には、検索の精度を高くすることが出来ない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで本発明者は上記問題点に鑑み、アバターを用いた情報検索システムを発明した。
【0010】
第1の発明は、利用者の利用する利用者端末との間で情報の送受信が可能な、アバターを用いた情報検索システムであって、アバターを構成するパーツの識別情報と、前記パーツの画像情報とを記憶するパーツ情報記憶手段と、前記情報検索システムの他の利用者の属性情報と、前記他の利用者のアバターを構成するパーツの識別情報とを記憶する利用者情報記憶手段と、前記利用者が選択したアバターを構成するパーツの識別情報に基づいて、前記選択されたパーツの画像情報を前記パーツ情報記憶手段より取得して一つの画像に合成することで、前記利用者のアバターを設定するアバター設定手段と、前記利用者のアバターを構成するパーツの識別情報と、前記利用者情報記憶手段に記憶する前記他の利用者のアバターを構成するパーツの識別情報とを比較し、その全部又は一部が一致する他の利用者の属性情報の全部又は一部を前記利用者情報記憶手段から取得して、前記利用者端末に対して検索結果として送信するアバター検索手段と、を有するアバターを用いた情報検索システムである。
【0011】
本発明のように構成することで、利用者は自らの趣味や嗜好などの微妙な感覚を反映したアバターを設定し、そのアバターを構成するパーツの識別情報を検索条件として検索を行うこととなる。これによって、テキスト入力では反映しきれない微妙な感覚を反映した検索を行うことが出来る。また、アバターの画像情報そのものを検索条件としているのではなく、パーツの識別情報を検索条件としているので、画像解析の精度に依存しない検索システムを実現することが出来る。
【0012】
第1の発明に加えて、前記アバターを用いた情報検索システムは、更に、前記利用者の属性情報を前記利用者端末から受信し、前記設定したアバターを構成するパーツの識別情報を前記アバター設定手段から受け取り、前記利用者の属性情報と前記アバターを構成するパーツの識別情報とを前記利用者情報記憶手段に記憶するアバター登録受付手段を設けても良い。
【0013】
このように構成することで、利用者が設定したアバターを、新たに登録することが出来る。これにより検索を行った利用者も新たな利用者としてアバターが登録され、他の利用者がアバターを用いた検索を行った場合に、検索結果としてヒットする可能性が生じる。従って利用者の交流を深められる可能性が発生する。
【0014】
第1の発明に加えて、前記アバター設定手段は、前記アバターを構成するパーツを選択する画面を前記利用者端末に対して送信し、そこで選択されたパーツの識別情報を前記利用者端末から受信することとしても良い。
【0015】
このように画面からパーツが選択可能となることによって、利用者は容易にパーツを選択することが出来る。
【0016】
また、前記アバター設定手段は、前記パーツを選択する画面に、前記利用者が選択したパーツの画像情報を一つの画像に合成したアバターを表示することとしても良い。
【0017】
これによって、利用者がアバターを設定するにあたり、パーツの合成具合を画像で確認しながら各パーツを選択することが出来、アバターの設定が容易になる。
【発明の効果】
【0018】
本発明では、アバターを用いた情報検索システムの利用者は、自らの趣味や嗜好を表すアバターと呼ばれる分身を設定し、アバターを構成する各パーツを検索条件として、趣味や嗜好が一致する他の利用者を検索する。これによって、利用者の言葉では表現しきれない微妙な表現や感覚を反映した検索を行うことが出来る。またアバターの画像情報自体を検索条件とするのではなく、アバターを構成する各パーツの識別情報を検索条件としているので、従来のような画像解析の精度に依存する必要もない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明のアバターを用いた情報検索システム1(以下、「情報検索システム1」とする)について以下に説明する。尚、アバターとは、利用者の趣味や嗜好を反映して自由に設定することが可能なコンピュータ上に於けるキャラクタであって、いわばコンピュータ上に於ける利用者の分身(利用者自身の特徴を反映していなくても良い)である。また利用者が本発明の情報検索システム1にアクセスし、所定の操作を行うことによって利用者のアバターを設定し、そのアバターを構成するパーツの情報に基づいて、他の利用者が登録したアバターと一致するかを検索し、一致した他の利用者を検索結果として利用者に返す場合を説明する。
【0020】
図2のハードウェア構成図は、本発明の情報検索システム1を実行するコンピュータ端末(サーバも含む。以下同様)のハードウェア構成の一例を示した図であって、CPUなどの演算装置11、RAMやハードディスクなどの記憶装置12、他のコンピュータ端末とインターネット等のネットワーク3を介してデータの送受信を行う通信装置13を有するコンピュータ端末上でその処理が実現される。コンピュータ端末には、更にキーボード、マウス、テンキーなどの入力装置10、ディスプレイなどの表示装置14、プリンタなどの印刷装置15を更に備えていても良い。また本発明の情報検索システム1は、本発明で利用する情報を記憶するデータサーバと、アバターの設定や情報検索等の処理を行う検索用サーバから構成されている場合を説明するが、これらが単一又は複数のコンピュータ端末で実現されていても良い。
【0021】
情報検索システム1を実現するプログラムは、当該コンピュータ端末のハードディスクに記録されており、それが所定の操作が行われることによってRAMなどに読み込まれ、その機能(手段)を演算装置11で実行することで、情報検索システム1の処理が行われる。これらの処理に用いる情報は、データベースやデータファイルなどの各種のファイル保存形式で好適にはデータサーバの記憶装置12に記憶され、その処理の際に適宜読み出されることで処理が行われるが、必ずしもデータサーバの記憶装置12でなくても良く、検索用サーバの記憶装置12に記憶されていても良い。
【0022】
また各手段による処理結果も、データサーバ又は検索用サーバのRAMやハードディスクなどの記憶装置12に書き出され、適宜記憶される。本発明に於ける各手段は、その機能が論理的に区別されているのみであって、物理上或いは事実上は同一の領域を為していても良い。
【0023】
データサーバは、情報検索システム1で用いるアバターを構成するパーツに関する情報や利用者に関する情報について記憶しているデータサーバであって、例えばデータベースサーバやファイルサーバが該当する。またデータサーバは、検索用サーバから情報取得要求、検索要求などを受け付け、各要求に対する結果を検索用サーバに返す。
【0024】
データサーバは、パーツ情報記憶手段4と利用者情報記憶手段5とを有している。
【0025】
パーツ情報記憶手段4は、アバターを構成するパーツの識別情報(例えばパーツの名称、識別番号など)とパーツの画像情報とを対応付けて記憶している手段である。図4にアバターを構成するパーツの識別情報の一例を示す。尚、これらのパーツの識別情報は、各パーツの画像情報と対応付けて記憶されており、例えばパーツの画像情報のファイル名がパーツの識別情報となっている。図4(a)がアバターが女の子の場合のパーツの識別情報の一例であり、図4(b)がアバターが男の子の場合のパーツの識別情報の一例である。図4ではアバターが人間の場合を示しているが、人間には限定されず、動物や空想上の生物などであっても良い。
【0026】
図12にパーツの画像情報の一例を示す。図12(a)がパーツ「素体」の画像情報、図12(b)がパーツ「目」の画像情報、図12(c)がパーツ「口」の画像情報、図12(d)から(f)がパーツ「髪」の画像情報、図12(g)がパーツ「服」の画像情報、図12(h)がパーツ「アクセサリ(耳)」の画像情報の一例である。
【0027】
図12(d)から(f)のパーツ「髪」の画像情報のように、一つのパーツが複数の画像情報によって構成されていても良い。図12では各パーツに対して一つの画像情報の例を示したが、通常は、各パーツに対して異なる複数の画像情報がある。これによってパーツの選択肢が広がり、利用者による趣味や嗜好を正確に反映させやすくなる。
【0028】
利用者はパーツ情報記憶手段4に記憶するパーツを組み合わせることによって、自分のアバターを設定することとなる。
【0029】
利用者情報記憶手段5は、利用者のアバター、そのアバターがどのパーツから構成されているかを示す為のアバターを構成するパーツの識別情報、利用者の属性情報(氏名(仮名も含む)や名称、年齢、性別、電子メールアドレスなどの連絡先、利用者が開設するサイトのアドレス、自己紹介、イベントのスケジュールなど)を記憶している手段である。図5に利用者情報記憶手段5の概念図の一例を示す。
【0030】
検索用サーバは、アバター設定手段6とアバター検索手段7とアバター登録受付手段8とを有している。
【0031】
アバター設定手段6は、利用者がアバターを用いて他の利用者を検索するに際して、趣味や嗜好を反映させたアバターを設定する手段である。所定の方法で利用者端末2から検索用サーバにアクセスすると、アバター設定手段6は、データサーバのパーツ情報記憶手段4からアバターを構成するパーツの識別情報を取得し、それを利用者端末2に送信する。利用者端末2で選択されたパーツの識別情報を利用者端末2から受信し、それらのパーツの画像情報を一つの画像情報として合成することによってアバターを設定する。
【0032】
アバター検索手段7は、アバター設定手段6で設定された利用者のアバターを構成するパーツの識別情報に基づいて、同様のパーツ構成であるアバターがあるかどうかの検索要求をデータサーバの利用者情報記憶手段5に送信する手段である。また検索要求に対する検索結果を利用者端末2に対してネットワーク3を介して送信する手段でもある。
【0033】
アバター登録手段は、アバター設定手段6で設定したアバターを、利用者情報記憶手段5に自分のアバターとして新たに登録する手段である。この登録の際には、利用者の属性情報を利用者端末2から受信し、アバター設定手段6で設定したアバター、アバターを構成するパーツの識別情報を利用者情報記憶手段5に記憶することで行える。
【0034】
利用者端末2は、利用者が利用するコンピュータ端末や携帯端末(携帯電話、PHS、PDA等)であり、情報検索システム1との間でネットワーク3を介して情報の送受信が可能である。
【0035】
次に本発明の情報検索システム1の処理プロセスの一例を図3のフローチャート及び図1のシステム構成図を用いて説明する。尚、利用者情報記憶手段5には、他の利用者の属性情報、アバター、アバターを構成するパーツの識別情報が記録されているとする。
【0036】
利用者が、自分と同じような趣味や嗜好を有する他の利用者を知りたいと思った場合、利用者端末2から所定の操作を行うことによって、情報検索システム1にネットワーク3を介してアクセスする。この際に利用者端末2に表示されるトップページの一例を図6に示す。
【0037】
図6のトップページから「ジャンル検索」を利用者端末2で選択することによって、アバター設定手段6は、アバターを構成するパーツの識別情報の一覧をパーツ情報記憶手段4から取得し(S100)、利用者端末2に対してアバター設定画面を送信する。アバター設定画面の一例を図7に示す。
【0038】
この図7に示したアバター設定画面から、利用者は自分の趣味や嗜好に合うアバターを構成するパーツを選択し、それを利用者端末2からネットワーク3を介して情報検索システム1に送信する。例えば図7のアバター設定画面から「アクセサリ(頭)」の選択肢を利用者が利用者端末2で選択した場合には、アバター設定手段6は、「アクセサリ(頭)」のパーツの識別情報の一覧(「とらカチューシャ」、「カチューシャ」、「リボン」)をパーツ情報記憶手段4から取得し、図8に示すようなパーツの選択画面を利用者端末2に送信する。この際に各パーツの画像情報を併せて送信しても良い。
【0039】
このように利用者はアバターを構成するパーツを選択することによって、アバターを設定する。例えば利用者がパーツとして「性別=女の子」、「目=普通」、「口=口」、「髪型=ポニーテール」、「髪色=金」、「服=巫女服」、「アクセサリ(耳)=うさみみ」を選択したとする(「耳」、「アクセサリ(頭)」、「アクセサリ(目)」、「アクセサリ(足)」は選択していないとする)。
【0040】
そうすると、「性別=女の子」、「目=普通」、「口=口」、「髪型=ポニーテール」、「髪色=金」、「服=巫女服」、「アクセサリ(耳)=うさみみ」のパーツの識別情報が、利用者端末2から情報検索システム1に送信される。アバター設定手段6は、これらのパーツの画像をパーツ情報記憶手段4から取得して、パーツの画像情報を一つの画像情報として合成し、利用者のアバターとして設定する。例えば図12(a)から(h)に示すパーツの画像情報を取得して、一つの画像に合成する。このようにして合成されたアバターの一例を図12(i)に示す。図9のアバター設定画面では、パーツの選択肢と共に利用者が設定したアバターの画像情報(図12(i))が表示されていると良い。
【0041】
上述ではアバターを構成するパーツの合成をまとめて行っているが、各パーツを選択する毎に、逐次パーツの画像を合成しても良い。その場合には選択したパーツの画像が合成されたアバターの画像情報をアバター設定画面に併せて表示可能にすると良い。つまり、アバター設定画面には、利用者が設定している最中のアバターの画像が表示される欄が設けられており、その欄に利用者が選択したパーツの画像情報が一つの画像情報に合成されたアバターが表示されていると良い。利用者がアバターを設定する際にイメージが掴みやすくなるからである。
【0042】
利用者が自分の趣味や嗜好を反映したアバターが設定できたと思ったら、図9のアバター表示画面から「検索」を選択することで、利用者がS120で設定したアバターを構成するパーツの情報と一致する、他の利用者のアバターがあるかをアバター検索手段7が利用者情報記憶手段5から検索する(S130)。
【0043】
上述の例ではアバター検索手段7は、アバター設定手段6から利用者が設定したアバターを構成するパーツの識別情報として、「性別=女の子」、「目=普通」、「口=口」、「髪型=ポニーテール」、「髪色=金」、「服=巫女服」、「アクセサリ(耳)=うさみみ」を受け取り、このパーツの情報を有する、他の利用者が設定したアバターが利用者情報記憶手段5に記憶されているかを検索することとなる。
【0044】
尚、この検索の際には、利用者が設定したアバターを構成するパーツの識別情報の全てが一致する他の利用者のアバターを検索しても良いし、利用者が設定したアバターを構成するパーツの識別情報のうち、所定割合以上のパーツの識別情報が一致する他の利用者のアバターを検索しても良い。ここでは全てが一致するアバターを検索する場合を説明する。
【0045】
そうすると利用者情報記憶手段5(図5)では、他の利用者Cが設定したアバターを構成するパーツの識別情報と、利用者が設定したアバターを構成するパーツの識別情報とが一致する。従って、アバター検索手段7は、利用者Cの属性情報(氏名(仮名も含む)や名称、年齢、性別、電子メールアドレスなどの連絡先、利用者が開設するサイトのアドレス、自己紹介、イベントのスケジュールなど)を利用者情報記憶手段5から取得し、検索結果としてネットワーク3を介して利用者端末2に送信する(S140)。検索結果の画面の一例を図10に示す。
【0046】
この検索結果の画面から「利用者C」を利用者が利用者端末2で選択することによって、利用者Cの属性情報で設定されている利用者が開設しているサイトのアドレスに接続され、利用者Cのサイトを利用者端末2で閲覧することが出来る。利用者Cの画面の一例を図11に示す。
【0047】
検索をした利用者と、利用者Cとは、自分の趣味や嗜好を反映させたアバターを構成するパーツが一致していることから、検索をした利用者と利用者Cとは、趣味や嗜好が同じ傾向であると考えられる。
【0048】
検索をした利用者が自分もアバターを情報検索システム1に登録したいと考えた場合には、利用者は利用者端末2から所定の操作をすることによって、利用者の属性情報を入力する。アバター登録受付手段8はネットワーク3を介して利用者端末2から利用者の属性情報を受信し、またアバター設定手段6で設定したアバターとアバターを構成するパーツの識別情報とを受け取り、利用者情報記憶手段5に新たな利用者として登録する。
【0049】
尚、利用者が登録するアバターとしては、予めパーツ情報記憶手段4に記憶しているパーツの画像情報を用いたアバターでなくても良い。即ち、利用者が作成したアバターをアバターの画像情報として利用者端末2から情報検索システム1に送信し、それを受け付けたアバター登録受付手段8が利用者情報記憶手段5にアバターの画像情報として記憶させても良い。この際に、利用者のアバターがどのようなパーツから構成されているかが分からないので、利用者端末2から、当該アバターがどのようなパーツから構成されているかを示すパーツの識別情報の入力を受け付け、それをアバター登録受付手段8が利用者情報記憶手段5の、アバターを構成するパーツの識別情報に記憶させる。
【0050】
このようにすることで、例えば利用者自らが作成したアバターを、その利用者のアバターとして登録すると共に、アバターを構成するパーツの識別情報も登録されるため、検索の際に、アバターを構成するパーツの識別情報が一致すれば、検索結果としてヒットすることも期待できる。
【産業上の利用可能性】
【0051】
上述したように、アバターを用いた情報検索システム1の利用者は、自らの趣味や嗜好を表すアバターと呼ばれる分身を設定し、アバターを構成する各パーツを検索条件として、趣味や嗜好が一致する他の利用者を検索する。これによって、利用者の言葉では表現しきれない微妙な表現や感覚を反映した検索を行うことが出来る。またアバターの画像情報自体を検索条件とするのではなく、アバターを構成する各パーツの識別情報を検索条件としているので、従来のような画像解析の精度に依存する必要もない。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明のシステム構成の一例を示したシステム構成図である。
【図2】本発明を実行するコンピュータ端末のハードウェア構成の一例である。
【図3】本発明の処理プロセスの一例を示すフローチャートである。
【図4】アバターを構成するパーツの識別情報の一例である。
【図5】利用者情報記憶手段の概念図である。
【図6】トップページの一例である。
【図7】パーツを選択する前のアバター設定画面の一例である。
【図8】パーツの選択画面の一例である。
【図9】パーツを選択しアバターとして設定した後のアバター設定画面の一例である。
【図10】検索結果の画面の一例である。
【図11】利用者Cの画面の一例である。
【図12】パーツの画像情報の一例である。
【符号の説明】
【0053】
1:アバターを用いた情報検索システム
2:利用者端末
3:ネットワーク
4:パーツ情報記憶手段
5:利用者情報記憶手段
6:アバター設定手段
7:アバター検索手段
8:アバター登録受付手段
10:入力装置
11:演算装置
12:記憶装置
13:通信装置
14:表示装置
15:印刷装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者の利用する利用者端末との間で情報の送受信が可能な、アバターを用いた情報検索システムであって、
アバターを構成するパーツの識別情報と、前記パーツの画像情報とを記憶するパーツ情報記憶手段と、
前記情報検索システムの他の利用者の属性情報と、前記他の利用者のアバターを構成するパーツの識別情報とを記憶する利用者情報記憶手段と、
前記利用者が選択したアバターを構成するパーツの識別情報に基づいて、前記選択されたパーツの画像情報を前記パーツ情報記憶手段より取得して一つの画像に合成することで、前記利用者のアバターを設定するアバター設定手段と、
前記利用者のアバターを構成するパーツの識別情報と、前記利用者情報記憶手段に記憶する前記他の利用者のアバターを構成するパーツの識別情報とを比較し、その全部又は一部が一致する他の利用者の属性情報の全部又は一部を前記利用者情報記憶手段から取得して、前記利用者端末に対して検索結果として送信するアバター検索手段と、
を有することを特徴とするアバターを用いた情報検索システム。
【請求項2】
前記アバターを用いた情報検索システムは、更に、
前記利用者の属性情報を前記利用者端末から受信し、前記設定したアバターを構成するパーツの識別情報を前記アバター設定手段から受け取り、前記利用者の属性情報と前記アバターを構成するパーツの識別情報とを前記利用者情報記憶手段に記憶するアバター登録受付手段を、
有することを特徴とする請求項1に記載のアバターを用いた情報検索システム。
【請求項3】
前記アバター設定手段は、
前記アバターを構成するパーツを選択する画面を前記利用者端末に対して送信し、そこで選択されたパーツの識別情報を前記利用者端末から受信する、
ことを特徴とする請求項1に記載のアバターを用いた情報検索システム。
【請求項4】
前記アバター設定手段は、
前記パーツを選択する画面に、前記利用者が選択したパーツの画像情報を一つの画像に合成したアバターを表示する、
ことを特徴とする請求項2に記載のアバターを用いた情報検索システム。
【請求項1】
利用者の利用する利用者端末との間で情報の送受信が可能な、アバターを用いた情報検索システムであって、
アバターを構成するパーツの識別情報と、前記パーツの画像情報とを記憶するパーツ情報記憶手段と、
前記情報検索システムの他の利用者の属性情報と、前記他の利用者のアバターを構成するパーツの識別情報とを記憶する利用者情報記憶手段と、
前記利用者が選択したアバターを構成するパーツの識別情報に基づいて、前記選択されたパーツの画像情報を前記パーツ情報記憶手段より取得して一つの画像に合成することで、前記利用者のアバターを設定するアバター設定手段と、
前記利用者のアバターを構成するパーツの識別情報と、前記利用者情報記憶手段に記憶する前記他の利用者のアバターを構成するパーツの識別情報とを比較し、その全部又は一部が一致する他の利用者の属性情報の全部又は一部を前記利用者情報記憶手段から取得して、前記利用者端末に対して検索結果として送信するアバター検索手段と、
を有することを特徴とするアバターを用いた情報検索システム。
【請求項2】
前記アバターを用いた情報検索システムは、更に、
前記利用者の属性情報を前記利用者端末から受信し、前記設定したアバターを構成するパーツの識別情報を前記アバター設定手段から受け取り、前記利用者の属性情報と前記アバターを構成するパーツの識別情報とを前記利用者情報記憶手段に記憶するアバター登録受付手段を、
有することを特徴とする請求項1に記載のアバターを用いた情報検索システム。
【請求項3】
前記アバター設定手段は、
前記アバターを構成するパーツを選択する画面を前記利用者端末に対して送信し、そこで選択されたパーツの識別情報を前記利用者端末から受信する、
ことを特徴とする請求項1に記載のアバターを用いた情報検索システム。
【請求項4】
前記アバター設定手段は、
前記パーツを選択する画面に、前記利用者が選択したパーツの画像情報を一つの画像に合成したアバターを表示する、
ことを特徴とする請求項2に記載のアバターを用いた情報検索システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−350416(P2006−350416A)
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−172080(P2005−172080)
【出願日】平成17年6月13日(2005.6.13)
【出願人】(591043204)テクモ株式会社 (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月13日(2005.6.13)
【出願人】(591043204)テクモ株式会社 (2)
【Fターム(参考)】
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