説明

アプリケーションプログラム又はコンテンツのライセンスを管理するためのプログラム、方法、及び装置

【課題】アプリケーションプログラム又はコンテンツのライセンス管理において、低コストで、ユーザーが気楽に使用でき、市販パッケージなどのソースコードが入手できないプログラムにも適用することができ、さらに、プログラムではない音楽や映像などのコンテンツにも適用することができるようにする。
【解決手段】ユーザー端末1に内蔵又は接続されているハードウェアキーの識別情報を取得する手段12と、前記取得したハードウェアキーの識別情報に基づいて前記暗号化されたライセンス情報を復号化する手段13と、前記復号化されたライセンス情報の中に含まれるハードウェアキーの識別情報と前記取得したハードウェアキーの識別情報とが一致するとき、前記暗号化されたアプリケーションプログラム又はコンテンツを動的に復号化する手段16とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アプリケーションプログラム又はコンテンツのライセンスを管理するためのプログラム、方法、及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、アプリケーションプログラム又はコンテンツのライセンス範囲外の不正使用を防止するために様々な方策が提案されている。例えば、特許文献1は、所定のキー情報を記録した特殊なハードウェアキーをアプリケーションプログラムと共にユーザー側に配布しておき、ユーザーがアプリケーションプログラムの使用を希望するときは、ユーザー側から前記ハードウェアキーのキー情報をホストコンピュータ側にネットワーク経由で送信し、前記ホストコンピュータ側で必要な照合・判定を行った後に起動許可情報をユーザー側に送信するという方式を提案している。
【0003】
また、ライセンスチェック(暗号解除)用のAPI(アプリケーション・プログラム・インターフェース)をプログラムのソースコードに埋め込む(ハードウェアキーも使用する)ことにより、ライセンス管理を可能にしたFlexLMという方式も一部で実用化されている。
【特許文献1】特開2002−312051号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1の方式は、いちいち専用の特殊なハードウェアキーを配布する必要があるのでコスト高になってしまう、専用のデバイスドライバをインストールする必要がありまた使用時にはホストコンピュータにキー情報を送信する必要があるのでユーザーにとって極めて煩雑である、専用のハードウェアキーは記憶容量が比較的小さいため柔軟なライセンス管理が難しい、などの問題がある。
【0005】
また、前記FlexLMは、プログラムのソースコードにライセンスチェック(暗号解除)用のAPI(アプリケーション・プログラム・インターフェース)を直接埋め込む必要があるため、ソースコードの設計段階からプロテクトを意識した設計が必要になる、市販パッケージなどのソースコードが入手できないプログラムには適用できない、プログラムではない音楽や映像などのコンテンツには(APIを埋め込むことができないので)適用できない、などの問題がある。
【0006】
本発明はこのような従来技術の問題点に着目してなされたものであって、ライセンス管理のためのコストを最小にすることができ、ユーザーに煩雑な作業を要求する必要がなく、記憶容量が比較的大きいハードウェアキーを使用できるため柔軟なライセンスモデルの構築を可能にし、ソースコードの設計段階からプロテクトを意識した設計を不要にでき、市販パッケージなどのソースコードが入手できないプログラムにも適用することができ、さらに、プログラムではない音楽や映像などのコンテンツにも適用することができる、アプリケーションプログラム又はコンテンツのライセンスを管理するためのプログラム、方法、又は装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上のような課題を解決するための本発明は、ユーザー端末に内蔵又は接続された記録手段に、暗号化されたアプリケーションプログラム又はコンテンツを含む(カプセル化・エンベロープ化した)プログラムがインストール又は記録されており、且つ、ユーザー端末に内蔵又は接続された記録手段(後述のハードウェアキーでもよい)に、前記アプリケーションプログラム又はコンテンツの使用有効期限などの使用許可条件とハードウェアキー(ユーザー端末に内蔵又は接続され、その識別情報が電子的に読み取り可能な一つ又は複数のハードウェアから成る)の識別情報とを含むライセンス情報であって前記ハードウェアキーの識別情報により暗号化されたライセンス情報が記録されている環境下で、前記アプリケーションプログラム又はコンテンツのライセンスを管理するためのプログラム、方法、又は装置であって、ユーザー端末に内蔵又は接続されている一つ又は複数のハードウェアキーの識別情報を取得する機能(ステップ、又は手段)と、前記取得したハードウェアキーの識別情報に基づいて前記暗号化されたライセンス情報を復号化する機能(ステップ、又は手段)と、前記復号化されたライセンス情報の中に含まれるハードウェアキーの識別情報と前記取得したハードウェアキーの識別情報とが一致するとき、前記暗号化されたアプリケーションプログラム又はコンテンツの中のこれから実行又は再生する部分を動的に復号化する機能(ステップ、又は手段)と、前記復号化されたライセンス情報の中に含まれるハードウェアキーの識別情報と前記取得したハードウェアキーの識別情報とが一致するとき、前記アプリケーションプログラム又はコンテンツのライセンス監視を行うためのライセンス監視プログラムを動的に生成する機能(ステップ、又は手段)と、前記ライセンス監視プログラムにより実現される機能(ステップ、又は手段)であって、前記ハードウェアキーがユーザー端末に内蔵又は接続されなくなったとき又は前記ライセンス情報中の使用許可条件が充足されなくなったとき前記アプリケーションプログラム又はコンテンツの復号化を終了させる機能(ステップ、又は手段)と、を備えたことを特徴とするものである。
【0008】
また、本発明によるアプリケーションプログラム又はコンテンツのライセンスを管理するためのプログラム、方法、又は装置においては、前記ハードウェアキーは、「前記ユーザー端末に内蔵又は接続され、その識別情報が電子的に読み取り可能な複数のハードウェア」の中からユーザーが任意に選択した一つ又は複数のハードウェアである、ことが望ましい。
【0009】
また、本発明によるアプリケーションプログラム又はコンテンツのライセンスを管理するためのプログラム、方法、又は装置においては、前記ハードウェアキーは、固有の識別IDを取得可能なUSBフラッシュメモリなどのUSB機器、ハードディスク装置、ネットワークカード、又はUSIM(universal subscriber identity module)カードであり、前記暗号化されたライセンス情報はこのハードウェアキーとしてのUSBフラッシュメモリ又はこれとは別の電子的に記録可能な記録媒体の中に記録されている、ことが望ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によるアプリケーションプログラム又はコンテンツのライセンスを管理するためのプログラム、方法、又は装置においては、ユーザー端末に内蔵されているハードディスクやユーザー端末に接続されているUSBフラッシュメモリ、ネットワークカード、USBのIDが取得可能なマウスやプリンタなどのように、ユーザー端末に日常的に内蔵又は接続されている市販の機器をハードウェアキーとしている。よって、本発明によれば、従来のように専用の特殊なハードウェアをハードウェアキーとする場合と異なって、ライセンス管理のために特別なコストや専用のデバイスドライバをインストールする手間などは必要なく、低コストで手軽なライセンス管理が可能である。また、本発明では、前述のようにハードディスクやUSBフラッシュメモリなどの記憶容量が比較的大きい機器をハードウェアキーとして使用できるので柔軟なライセンスモデルを構築できるようになる。
【0011】
また、本発明によるアプリケーションプログラム又はコンテンツのライセンスを管理するためのプログラム、方法、又は装置においては、ユーザーが前記アプリケーションプログラム又はコンテンツの使用を希望するとき(例えばユーザーが前記アプリケーションプログラム又はコンテンツを含む(カプセル化・エンベロープ化した)プログラムをマウスでダブルクリックしたとき)、前記ハードウェアキーの識別情報を自動的に取得するようにして、この識別情報から前記アプリケーションプログラム又はコンテンツのライセンスチェック(暗号解除)やライセンス監視を自動的に行うようにしている。よって、本発明によれば、ソフトウェアベンダーは、ユーザーに煩雑さを感じさせることなく手軽なライセンス管理を行うことができる。
【0012】
また、本発明によるアプリケーションプログラム又はコンテンツのライセンスを管理するためのプログラム、方法、又は装置においては、アプリケーションプログラム又はコンテンツそのものを暗号化しておき、前記アプリケーションプログラム又はコンテンツとは別のプログラムでライセンスチェック(暗号解除)やライセンス監視を行うようにしているので、前記アプリケーションプログラム又はコンテンツそれ自体の中にライセンスチェック(暗号解除)用のAPIを埋め込む必要がない。よって、本発明によれば、前記アプリケーションプログラムのソースコードの設計段階ではプロテクトを意識して設計する必要がない。また、本発明によるライセンス管理は、ソースコードが入手できない市販のアプリケーションプログラムやプログラムではないコンテンツに対しても、プロテクトのために適用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明を実施するための最良の形態は、以下の実施例1について述べるような形態である。
【実施例1】
【0014】
以下、本発明の実施例1によるアプリケーションプログラム又はコンテンツのライセンスを管理するためのプログラム、方法、及び装置を説明する。なお、以下では、可逆暗号変換前のアプリケーションプログラム又はコンテンツを「プログラムA」、前記アプリケーションプログラム又はコンテンツを可逆暗号変換したものをカプセル化・エンベロープ化したプログラム(ベンダーがユーザーに提供するもの)を「プログラムB」、プログラムBの中に含まれているプログラムAのライセンス監視をするプログラムを「プログラムC」と呼ぶ。また、「コンテンツ」とは、映像や音楽などから構成される映画、番組、ゲーム、その他の映像ソフト、音楽ソフトなどの情報の内容をいう。
【0015】
また、本実施例1において、前記のプログラムAは、プログラムBを生成するときに使用するオリジナル(暗号化前のプログラム)である。本実施例1では、後述するように、プログラムBを実行すると、プログラムAとプログラムCが復号化・生成される。プログラムAとプログラムCは、プログラムB内に暗号化されて格納(エンベロープ化・カプセル化)され、全体が1つのソフトウェアとしてパッケージングされている。
【0016】
図1は本実施例1によるアプリケーションプログラム又はコンテンツのライセンス管理装置を示す概念ブロック図、図2は暗号化されたアプリケーションプログラム又はコンテンツをライセンス付きでユーザー側に配布するベンダー側のサーバー(ライセンス発行サーバー及びソフトウェア提供サーバー)の動作を示すフローチャート、図3はユーザー端末側で暗号化されたアプリケーションプログラム又はコンテンツを復号して利用するときの動作を示すフローチャート、である。
【0017】
図1において、1はユーザーが保有するパソコン、PDA(携帯型情報端末)、携帯電話などのユーザー端末、2はこのユーザー端末1に接続されるUSBフラッシュメモリ(本実施例1ではこれがハードウェアキーとなっている)、3は前記ユーザー端末1に内蔵されるハードディスク、4は前記ユーザー端末に備えられているキーボードやディスプレイなどから成る入出力部、である。
【0018】
また、図1において、11はユーザーからの所定の入力操作に基づいてプログラムBを起動するためのプログラムB起動部、12は前記プログラムB起動部11からの信号に基づいて前記USBフラッシュメモリ(ハードウェアキー)2のIDを前記USBフラッシュメモリ2のID記録部2aから読み取るためのハードウェアキーID取得部、13は前記ハードウェアキーID取得部12からのハードウェアキーIDに基づいて前記USBフラッシュメモリ(ハードウェアキー)2のライセンス情報記録部2bに記録されている暗号化されたライセンス情報を復号化するためのライセンス情報復号部、である。
【0019】
また、図1において、14は、前記ライセンス情報復号部13からの前記復号化されたライセンス情報の中に含まれているハードウェアキーIDと、前記ハードウェアキーID取得部12からのユーザー端末1に現在内蔵又は接続されているハードウェアキーのIDとを照合して両者が一致するかどうかを判定するためのハードウェアキーID照合判定部、である。前記ハードウェアキーID照合判定部14は、前記照合の結果、前記両IDが一致しないときは、そのことを警告表示して、プログラムBに含まれるプログラムAの復号化を不可とする。また、前記ハードウェアキーID照合判定部14は、前記照合の結果、前記両IDが一致するときは、そのことを示す信号を次の使用許可判定部15に出力する。
【0020】
また、図1において、15は、前記ハードウェアキーID照合判定部14から前記両IDが一致することを示す信号を受信したとき、前記ライセンス情報復号部13からの復号化されたライセンス情報中の使用有効期限などの使用許可条件の情報を受信し、プログラムBがこの使用有効期限などの使用許可条件(逆変換の条件)を満たしているかどうかを判定するための使用許可判定部である。
【0021】
また、図1において、16は前記使用許可判定部15によりプログラムBが使用許可条件を満たしていると判定されたときにそれを示す信号を受けてプログラムAの実行に必要な部分(プログラムAがコンテンツの場合はその再生に必要な部分)を部分的に復号化するためのプログラムA復号部、17は前記使用許可判定部15によりプログラムBが使用許可条件を満たしていると判定されたときにそれを示す信号を受けてプログラムCを動的に生成するためのプログラムC生成部、である。
【0022】
以上に説明した符号11〜17で示す部分により、プログラムB実行部10が構成されている。このプログラムB実行部10は、実際には、プログラムBとこれを実行するためのCPUやメモリなどにより実現されている。
【0023】
また、図1において、21は前記プログラムA復号部16により部分的に復号化されたプログラムAを実行するためのプログラムA実行部で、復号化されたプログラムAとこれを実行するためのCPUやメモリなどにより実現されている。
【0024】
また、図1において、22は前記プログラムC生成部17により動的に生成されたプログラムCを実行するためのプログラムC実行部で、動的に生成されたプログラムCとこれを実行するためのCPUやメモリなどにより実現されている。前記プログラムCは、前記プログラムA実行部21により実行されるプログラムAのライセンス監視を行うためのもので、ユーザー端末1からハードウェアキー(USBフラッシュメモリ)2が取り外されたり、ライセンスの使用有効期限が終了した場合は、そのことを検知して直ちにプログラムAを終了させ、その後プログラムCも直ちに終了する。
【0025】
次に、図2を参照してベンダー側のライセンス発行サーバー(ソフトウェア提供サーバーを兼ねる)及びユーザー端末の動作を説明する。
【0026】
ユーザー側からプログラムAの送信要求が送信されると(ステップS1)、ベンダー側は、ハードウェアキーは指定せずにプログラムBのみをインターネット経由でユーザー側にダウンロードさせる(プログラムBの出荷段階。ステップS2、S3)。
【0027】
その後、ユーザー端末側で前記ダウンロードしたプログラムBをインストールするときは(ステップS4)、前記プログラムBのインストーラが、ユーザー端末に内蔵又は接続されており固有の製品番号やMACアドレスなどのIDが電子的に読み取り可能なハードウェア機器、例えば内蔵のハードディスク3、外付けのUSBフラッシュメモリ2(図1参照)、ネットワークカード、USBのIDを有しているプリンタやマウスなどのハードウェア機器を、検出する(ステップS5)。例えば、図1において、USBフラッシュメモリ2やハードディスク3などは、固有の製品番号などのIDが電子的に読み取り可能であるから、前記プログラムBのインストーラにより検出される。
【0028】
次に、前記プログラムBのインストーラは、前述のように各IDが電子的に読み取り可能な複数の機器を画面に一覧表示し、ユーザーに対して、この一覧表示された複数の機器の中からプログラムBの復号のためのハードウェアキーとすべきもの(一つ又は複数)を任意に選択するように促す(ステップS6)。この画面上で、ユーザーが例えばUSBフラッシュメモリ2をハードウェアキーとして選択すると、前記プログラムBのインストーラは、この選択されたUSBフラッシュメモリのIDを読み取り、これをハードウェアキーIDとしてベンダー側に送信する(ステップS7)。
【0029】
ベンダー側では、この送信されてきたハードウェアキーID(USBフラッシュメモリ2のID)を使用して、このハードウェアキーIDとプログラムAの使用許可条件などを含むライセンス情報を生成し、これを暗号化する(ステップS8)。ベンダー側は、この暗号化したライセンス情報をユーザー端末1に送信する(ステップS9)。
【0030】
ユーザー端末1では、前記プログラムBのインストーラが、このベンダー側から送信されてきた暗号化されたライセンス情報をUSBフラッシュメモリ2(ハードウェアキー)の中のライセンス情報記録部2bに記録して、前記プログラムBのインストールを終了する(ステップS10)。
【0031】
次に、図3を参照して、ユーザー側で、前記プログラムBを起動して、ライセンスチェックを行って、暗号化されたプログラムAを復号化し、この復号化したプログラムAを実行又は再生するときの動作を説明する。
【0032】
まず、ユーザーがプログラムBを起動すると(ステップS21)、プログラムB起動部11(図1参照)からの信号に基づいて、ハードウェアキーID取得部12が、ユーザー端末1に接続又は内蔵されているハードウェアキー(本実施例1ではUSBフラッシュメモリ2)のIDを取得する(ステップS22)。その後、前記ライセンス情報復号部13が、前記ハードウェアキーID取得部12が取得したハードウェアキーIDに基づいて、前記USBフラッシュメモリ2に記録されたライセンス情報を復号化する(ステップS23)。
【0033】
次に、前記ハードウェアキーID照合判定部14が、前記ハードウェアキーID取得部12により取得されたハードウェアキーIDと、前記ライセンス情報復号部13により復号化されたライセンス情報に含まれるハードウェアキーIDとが、互いに一致するかどうかを照合・判定する(ステップS24)。
【0034】
前記ステップS24で前記両IDが一致していないと判定されたときは、プログラムAの復号化を不可とし、処理を終了する(ステップS25)。他方、前記ステップS24で前記両IDが一致していると判定されたときは、ステップS26に進み、前記使用許可判定部15が、前記復号化されたライセンス情報に含まれる使用許可条件をプログラムB(この中に含まれるプログラムA)が満たしているかどうかを判定する。
【0035】
前記ステップS26で前記使用許可条件を満たしていないと判定されたときは、プログラムAの復号化を不可とし、処理を終了する(ステップS25)。他方、前記ステップS26で前記使用許可条件を満たしていると判定されたときは、ステップS27に進み、前記プログラムA復号部16によりプログラムAの実行(又は再生)に必要な部分を動的に復号化し、前記プログラムA実行部21により実行(又は再生)する。さらに、ステップS28に進み、前記プログラムC生成部17によりプログラムCを動的に生成し、前記プログラムC実行部22により実行する。
【0036】
前記プログラムCは、プログラムAが動的に実行されているとき、そのライセンス監視をするプログラムである。前記プログラムCは、ユーザー端末1からハードウェアキーの接続又は内蔵が無くなったとき又はプログラムAのライセンスの使用有効期限が終了したとき、プログラムAを直ちに終了させ、プログラムCも直ちに終了する。
【0037】
以上、本発明の各実施例について説明したが、本発明及び本発明を構成する各構成要件は、それぞれ、前記の各実施例及び前記の各実施例を構成する各要素として述べたものに限定されるものではなく、様々な修正及び変更が可能である。例えば、前記の実施例1においては、ユーザー端末1に外付けされたUSBフラッシュメモリ2をハードウェアキーとしているが、本発明ではこれに限られるものではなく、様々な機器をハードウェアキーとして使用することができる。例えば、マウスやプリンタなどでも、USBフラッシュメモリなどと同様にUSBのIDを取得可能な機器であれば、ハードウェアキーとして使用できる。また、ハードディスクなどの固有の製品番号を電子的に保有している機器、ネットワークカードなどのMACアドレスを電子的に保有している機器も、ハードウェアキーとして使用できる。また、例えば株式会社NTTドコモが3G携帯電話用に提供している「FOMAカード」(商品名)を初めとする「USIM(universal subscriber identity module)カード」のような、契約者・加入者情報を電子的に記録して契約者・加入者を電子的に特定できる機器も、ハードウェアキーとして使用できる。
【0038】
また、前記の実施例1では、ハードウェアキーIDと使用許可条件とを含む暗号化されたライセンス情報を、ハードウェアキーの中に記録するようにしているが、本発明では、前記暗号化されたライセンス情報はハードウェアキー以外の他の記録手段(ユーザー端末1に内蔵又は接続されている他の記録手段)の中に記録するようにしてもよい。例えば、上記のUSBのIDを取得可能なマウスやプリンタの場合は、他の記録可能な媒体(ハードディスク、USBフラッシュメリ、CD−Rなど)に、前記暗号化されたライセンス情報を記録する。
【0039】
また、前記の実施例1においては、ユーザー側にライセンスを発行する方法として、ユーザー側からオンラインでハードウェアキーIDをサーバー側に送信させてそれを基にライセンス情報を生成・暗号化してユーザー側に送信するという方式(ユーザーによるオンライン・アクティベーション方式)を説明したが、本発明ではこの方式に限定されるものではなく、他の方式も可能である。例えば、ベンダー側からのソフトウェアの出荷段階で使用可能なハードウェアキーに対してライセンスを発行してソフトウェアに添付するという従来のセキュリティ製品におけると同様の方式(ベンダーによるハードウェアキーのアクティベーション方式)、ユーザーが指定したハードウェアキーの情報をベンダー側にメールやFAXで送信してもらい、ベンダー側でその情報に基づいてライセンスの自動設定プログラムを生成し、これをユーザー側にメールや郵送などの方法で送付する方式(センドバックによるアクティベーション方式)などの様々な方式を採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の実施例1によるアプリケーションプログラム又はコンテンツのライセンス管理装置の動作原理を示す概念ブロック図。
【図2】本実施例1におけるユーザー側に暗号化されたアプリケーションプログラム又はコンテンツをライセンス付きで配布するためのベンダー側(ライセンス発行サーバー及びソフトウェア提供サーバー)の動作を示すフローチャート。
【図3】本実施例1におけるユーザー端末側で暗号化されたアプリケーションプログラム又はコンテンツを復号して利用するときの動作を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0041】
1 ユーザー端末
2 USBフラッシュメモリ
2a ハードウェアキーID記録部
2b ライセンス情報記録部
3 ハードディスク
10 プログラムB実行部
11 プログラムB起動部
12 ハードウェアキーID取得部
13 ライセンス情報復号部
14 ハードウェアキーID照合判定部
15 使用許可判定部
16 プログラムA復号部
17 プログラムC生成部
21 プログラムA実行部
22 プログラムC実行部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザー端末に内蔵又は接続された記録手段に、暗号化されたアプリケーションプログラム又はコンテンツを含むプログラムがインストール又は記録されており、且つ、ユーザー端末に内蔵又は接続された記録手段に、前記アプリケーションプログラム又はコンテンツの使用有効期限などの使用許可条件とユーザー端末に内蔵又は接続されるハードウェアキーの識別情報とを含むライセンス情報であって前記ハードウェアキーの識別情報により暗号化されたライセンス情報が記録されている環境下で、前記アプリケーションプログラム又はコンテンツのライセンスを管理するためのプログラムであって、
ユーザーが前記アプリケーションプログラム又はコンテンツの使用を希望するとき、ユーザー端末に内蔵又は接続されている一つ又は複数のハードウェアキーの識別情報を取得する機能と、
前記ハードウェアキーの識別情報が取得されたとき、前記取得したハードウェアキーの識別情報に基づいて前記暗号化されたライセンス情報を復号化する機能と、
前記復号化されたライセンス情報の中に含まれるハードウェアキーの識別情報と前記取得したハードウェアキーの識別情報とが一致するとき、前記暗号化されたアプリケーションプログラム又はコンテンツの中のこれから実行又は再生する部分を動的に復号化する機能と、
前記復号化されたライセンス情報の中に含まれるハードウェアキーの識別情報と前記取得したハードウェアキーの識別情報とが一致するとき、前記アプリケーションプログラム又はコンテンツのライセンス監視を行うためのライセンス監視プログラムを動的に生成する機能と、
前記ライセンス監視プログラムにより実現される機能であって、前記アプリケーションプログラム又はコンテンツが部分的に動的に実行又は再生されている場合において、前記ハードウェアキーがユーザー端末に内蔵又は接続されなくなったとき又は前記ライセンス情報中の使用許可条件が充足されなくなったとき、前記アプリケーションプログラム又はコンテンツの復号化を終了させる機能と、
を備えたことを特徴とするアプリケーションプログラム又はコンテンツのライセンスを管理するためのプログラム。
【請求項2】
請求項1において、前記ハードウェアキーは、「前記ユーザー端末に内蔵又は接続され、その識別情報が電子的に読み取り可能な複数のハードウェア」の中からユーザーが任意に選択した一つ又は複数のハードウェアである、ことを特徴とするアプリケーションプログラム又はコンテンツのライセンスを管理するためのプログラム。
【請求項3】
請求項1又は2において、前記ハードウェアキーは、固有の識別IDを取得可能なUSBフラッシュメモリなどのUSB機器、ハードディスク装置、ネットワークカード、又はUSIM(universal subscriber identity module)カードであり、前記暗号化されたライセンス情報はこのハードウェアキー又はこれとは別の電子的に記録可能な記録媒体に記録されている、ことを特徴とするアプリケーションプログラム又はコンテンツのライセンスを管理するためのプログラム。
【請求項4】
ユーザー端末に内蔵又は接続された記録手段に、暗号化されたアプリケーションプログラム又はコンテンツを含むプログラムがインストール又は記録されており、且つ、ユーザー端末に内蔵又は接続された記録手段に、前記アプリケーションプログラム又はコンテンツの使用有効期限などの使用許可条件とユーザー端末に内蔵又は接続されるハードウェアキーの識別情報とを含むライセンス情報であって前記ハードウェアキーの識別情報により暗号化されたライセンス情報が記録されている環境下で、前記アプリケーションプログラム又はコンテンツのライセンスを管理するための方法であって、
ユーザーが前記アプリケーションプログラム又はコンテンツの使用を希望するとき、ユーザー端末に内蔵又は接続されている一つ又は複数のハードウェアキーの識別情報を取得する第1ステップと、
前記ハードウェアキーの識別情報が取得されたとき、前記取得したハードウェアキーの識別情報に基づいて前記暗号化されたライセンス情報を復号化する第2ステップと、
前記復号化されたライセンス情報の中に含まれるハードウェアキーの識別情報と前記取得したハードウェアキーの識別情報とが一致するとき、前記暗号化されたアプリケーションプログラム又はコンテンツの中のこれから実行又は再生する部分を動的に復号化する第3ステップと、
前記第3ステップと同時に又は相前後して、前記復号化されたライセンス情報の中に含まれるハードウェアキーの識別情報と前記取得したハードウェアキーの識別情報とが一致するとき、前記アプリケーションプログラム又はコンテンツのライセンス監視を行うためのライセンス監視プログラムを動的に生成する第4ステップと、
前記アプリケーションプログラム又はコンテンツが部分的に動的に実行又は再生されている場合において、前記ハードウェアキーがユーザー端末に内蔵又は接続されなくなったとき又は前記ライセンス情報中の使用許可条件が充足されなくなったとき、前記ライセンス監視プログラムにより、前記アプリケーションプログラム又はコンテンツの復号化を終了させる第5ステップと、
を備えたことを特徴とするアプリケーションプログラム又はコンテンツのライセンスを管理するための方法。
【請求項5】
請求項4において、前記ハードウェアキーは、「前記ユーザー端末に内蔵又は接続され、その識別情報が電子的に読み取り可能な複数のハードウェア」の中からユーザーが任意に選択した一つ又は複数のハードウェアである、ことを特徴とするアプリケーションプログラム又はコンテンツのライセンスを管理するための方法。
【請求項6】
請求項4又は5において、前記ハードウェアキーは、固有の識別IDを取得可能なUSBフラッシュメモリなどのUSB機器、ハードディスク装置、ネットワークカード、又はUSIM(universal subscriber identity module)カードであり、前記暗号化されたライセンス情報はこのハードウェアキー又はこれとは別の電子的に記録可能な記録媒体に記録されている、ことを特徴とするアプリケーションプログラム又はコンテンツのライセンスを管理するための方法。
【請求項7】
ユーザー端末に内蔵又は接続された記録手段に、暗号化されたアプリケーションプログラム又はコンテンツを含むプログラムがインストール又は記録されており、且つ、ユーザー端末に内蔵又は接続された記録手段に、前記アプリケーションプログラム又はコンテンツの使用有効期限などの使用許可条件とユーザー端末に内蔵又は接続されるハードウェアキーの識別情報とを含むライセンス情報であって前記ハードウェアキーの識別情報により暗号化されたライセンス情報が記録されている環境下で、前記アプリケーションプログラム又はコンテンツのライセンスを管理するためのライセンス管理装置であって、
ユーザーが前記アプリケーションプログラム又はコンテンツの使用を希望するとき、ユーザー端末に内蔵又は接続されている一つ又は複数のハードウェアキーの識別情報を取得するためのハードウェアキーID取得手段と、
前記ハードウェアキーの識別情報が取得されたとき、前記取得したハードウェアキーの識別情報に基づいて前記暗号化されたライセンス情報を復号化するためのライセンス情報復号化手段と、
前記復号化されたライセンス情報の中に含まれるハードウェアキーの識別情報と前記取得したハードウェアキーの識別情報とが一致するとき、前記暗号化されたアプリケーションプログラム又はコンテンツの中のこれから実行又は再生する部分を動的に復号化するためのハードウェアキーID一致判定手段と、
前記復号化されたライセンス情報の中に含まれるハードウェアキーの識別情報と前記取得したハードウェアキーの識別情報とが一致するとき、前記アプリケーションプログラム又はコンテンツのライセンス監視を行うためのライセンス監視プログラムを動的に生成するためのライセンス監視プログラム生成手段と、
前記ライセンス監視プログラムにより実現されるライセンス監視手段であって、前記アプリケーションプログラム又はコンテンツが部分的に動的に実行又は再生されている場合において、前記ハードウェアキーがユーザー端末に内蔵又は接続されなくなったとき又は前記ライセンス情報中の使用許可条件が充足されなくなったとき、前記アプリケーションプログラム又はコンテンツの復号化を終了させるためのライセンス監視手段と、
を備えたことを特徴とするアプリケーションプログラム又はコンテンツのライセンスを管理するためのライセンス管理装置。
【請求項8】
請求項7において、前記ハードウェアキーは、「前記ユーザー端末に内蔵又は接続され、その識別情報が電子的に読み取り可能な複数のハードウェア」の中からユーザーが任意に選択した一つ又は複数のハードウェアである、ことを特徴とするアプリケーションプログラム又はコンテンツのライセンスを管理するためのライセンス管理装置。
【請求項9】
請求項7又は8において、前記ハードウェアキーは、固有の識別IDを取得可能なUSBフラッシュメモリなどのUSB機器、ハードディスク装置、ネットワークカード、又はUSIM(universal subscriber identity module)カードであり、前記暗号化されたライセンス情報はこのハードウェアキー又はこれとは別の電子的に記録可能な記録媒体に記録されている、ことを特徴とするアプリケーションプログラム又はコンテンツのライセンスを管理するためのライセンス管理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−183696(P2007−183696A)
【公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−380681(P2005−380681)
【出願日】平成17年12月29日(2005.12.29)
【出願人】(506005097)
【出願人】(500422528)ジュール有限会社 (1)
【Fターム(参考)】