説明

アプリケーション検索システム、アプリケーション検索方法、モニタ端末、検索サーバおよびプログラム

【課題】人間の主観や特徴表現の粒度などの違いによる検索精度の低下を防ぐこと。
【解決手段】アプリケーションモニタ端末2は、アプリケーションの挙動をモニタリングして特徴量を収集管理する手段と、アプリケーションに関するメタ情報を生成して検索サーバに通知する手段を備え、アプリケーション検索サーバ1は、メタ情報をアプリケーション検索用データベースに登録して蓄積する手段を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アプリケーション検索の機能を提供するシステムにおいて、検索に必要なアプリケーションに関するメタ情報を、アプリケーションの動作をモニタリングすることによって自動的に生成・蓄積する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
アプリケーションを自由にダウンロードできる端末を持つユーザにとって、所望のアプリケーションの情報を得るためのアプリケーション検索システムは必要不可欠である。
【0003】
現状のアプリケーション検索システムでは、アプリケーションにメタ情報を付与する作業は、人の手に委ねられている。また、アプリケーションの検索を、メタ情報のキーワード検索のみで行っている。
【0004】
関連技術として、例えば、特許文献1には検索要求時の最適化に関する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2006−107473号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の関連技術では、アプリケーションが検索システムの持つデータベースに登録される際、アプリケーションのメタ情報はアプリケーションの製作者、もしくはアプリケーションの挙動を理解したものが、そのアプリケーションの特徴を端的に現す言語キーワードや注釈を連想し、それをメタ情報として手動で付与することでそのアプリケーションを特徴付ける。
【0006】
この手法では、連想する言語キーワードは製作者側の主観に委ねられ、かつ特徴付けの粒度が一定とならない可能性も高いので、検索する側が意図しないアプリケーションが検索結果となる場合があり得る。
【0007】
また、キーワード一致型検索は、アプリケーションの操作感など、キーワードとして表現することが難しい特徴部分も存在する。
【0008】
そのため、現状のシステムではアプリケーションの検索精度は、キーワード一致型検索に限定されている。また、アプリケーションメタ情報データベースの粒度不一致が理由で精度が低下する(ユーザが所望するアプリケーションが得られない)ケースが発生し得る。
【0009】
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたもので、人間の主観や特徴表現の粒度などの違いによる検索精度の低下を防ぐことができるアプリケーション検索システム、アプリケーション検索方法、モニタ端末、検索サーバおよびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のアプリケーション検索システムでは、モニタ端末は、アプリケーションの挙動をモニタリングして特徴量を収集管理する手段と、
アプリケーションに関するメタ情報を自動的に生成して検索サーバに通知する手段と、を備え、
検索サーバは、前記メタ情報をアプリケーション検索用データベースに登録する蓄積する手段と
を備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明のアプリケーション検索方法は、モニタ端末が、アプリケーションの挙動をモニタリングして特徴量を収集管理するステップと、
アプリケーションに関するメタ情報を自動的に生成して検索サーバに通知するテップと、を有し、
検索サーバが、前記メタ情報をアプリケーション検索用データベースに登録する蓄積するテップ
を有することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の第一のモニタ端末は、アプリケーションの挙動をモニタリングして特徴量を収集管理する手段と、
アプリケーションに関するメタ情報を自動的に生成して検索サーバに通知する手段と
を備えることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の第二のモニタ端末は、アプリケーションの挙動をモニタリングして特徴量を収集管理する手段と、
アプリケーションに関するメタ情報を自動的に生成する手段と、
前記メタ情報をアプリケーション検索用データベースに登録する蓄積する手段と
を備えることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の検索サーバは、アプリケーションの挙動をモニタリングして特徴量を収集管理する手段を備えるモニタ端末から、自動的に生成されたアプリケーションに関するメタ情報を受け取る手段と、
前記メタ情報をアプリケーション検索用データベースに登録する蓄積する手段と
を備えることを特徴とする。
【0015】
また、本発明のプログラムは、コンピュータに、アプリケーションの挙動をモニタリングして特徴量を収集管理するステップと、
アプリケーションに関するメタ情報を自動的に生成するテップと、
前記メタ情報をアプリケーション検索用データベースに登録する蓄積するテップと
を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、人間の主観や特徴表現の粒度などの違いによる検索精度の低下を防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の第一の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は本実施の形態のアプリケーション検索システムを示したものである。
【0018】
アプリケーション検索サーバ1は、検索対象のアプリケーションにメタ情報を対応付けしたデータベース(アプリケーションメタ情報格納部104)を持っており、ユーザ端末3からの検索リクエストに対して起動すべきアプリケーションの情報を出力する機能を持つ。
【0019】
さらに上記データベース(アプリケーションメタ情報格納部104)はアプリケーションモニタ端末2から、アプリケーションのモニタリング結果を受け取ってアプリケーション検索用のデータとして蓄積する機能を持つ。
【0020】
アプリケーションモニタ端末2は、アプリケーションのモニタリングが可能な実行環境を持っている。モニタリングに際しては"実行時に用いたコンポーネントの種類"や"コンポーネント同士がアプリケーション動作時に取り交わす通信メッセージの内容"、さらには"アプリケーションの挙動を示す言語情報の解析結果"などをアプリケーションの特徴とし、その特徴をメタ情報に変換する。
【0021】
なお、コンポーネントとはアプリケーションを構成する為の機能要素の一つである。アプリケーションは複数のコンポーネントの組み合わせで成り立っている。
【0022】
モニタリング結果は、アプリケーション検索サーバ1の持つデータベース(アプリケーションメタ情報格納部104)に反映される。モニタリング結果には、モニタ対象となったアプリケーションと、そのアプリケーションの特徴として抽出したメタ情報のリストが含まれる。
【0023】
ユーザ端末3は、ユーザが特定のサービスを受ける為にアプリケーションを実際に利用する環境で、ユーザが利用したいサービスに関する検索キーワードをアプリケーション検索サーバ1に入力し、検索結果として受け取ったアプリケーションの情報を元にアプリケーションを起動する。ユーザ端末3の中に起動対象のアプリケーションがない場合は、外部からダウンロードすることであってもよい。
【0024】
次にアプリケーション検索サーバ1内の各機能について説明する。
検索キー入力部101は、ユーザからのアプリケーション検索の為の検索リクエストを受け付ける部分である。検索リクエストは、ユーザによるキーワード入力や音声データ等の様々な入力を含む。検索キー入力部101は、それらの様々な入力をアプリケーション検索部103で取り扱う検索キーに変換する機能を有する。
【0025】
アプリケーション情報出力部102は、アプリケーション検索部103から得られた検索結果をユーザ端末3へ出力する制御を行う部分である。具体的な出力制御は、アプリケーションのIDを単純に出力する形のほかに、WEBサーバーアプリケーションのようにアプリケーションの挙動を記述するスクリプトを出力することであってもよい。
【0026】
アプリケーション検索部103は、入力された検索キーを元に出力すべきアプリケーション情報を決定する部分である。アプリケーション情報の決定は、アプリケーションメタ情報格納部104とサービス定義格納部105に格納されている情報を元に行う。具体的な決定処理動作は以下に詳述する。
【0027】
アプリケーションメタ情報格納部104には、例えば図2に示すような、アプリケーションの識別子に対して複数のメタ情報が紐付けされた形で格納されている。
【0028】
アプリケーションの識別子は、統合的なデータベース上で管理されているならばその中で割り振られているIDでもよいし、WEBからダウンロードが可能な形で一般に公開されているものならばダウンロード先のURL等でもよい。なお、メタ情報に関しては後述する。
【0029】
サービス定義格納部105には、例えば図3に示すような、サービス情報に対して複数のメタ情報が紐付けされた形で格納されている。
【0030】
サービス情報とは、具体的には『電話』や『メール』『予定表』などの携帯端末がユーザに提供する一般的なアプリケーション機能や、『電車経路探索』や『ショッピングサイト』などユーザの生活の中で一般的に利用されるようなネットワークサービス形態を表すサービス的な意味情報や、『無線通信』、『モバイル』、『ワンタッチ』、『○○風の画面』などのユーザの実際の利用感に関する意味情報のことを指す。
【0031】
メタ情報とは、具体的にはユーザ端末上で実現可能なアプリケーションの中で、分割可能なコンポーネント単位の機能を表現する意味情報のことを指す。例えば、RFCなどで定義される通信プロトコル(SIP、RTPなど)を実装するライブラリはここで言うコンポーネントにあたり、これらのコンポーネントを表すメタ情報は『SIP』や『RTP』と表現される。また、アプリケーションを携帯端末で利用する際のUIデバイスとして一般的に認知されているキーボードやテンキー、さらにモーションセンサなどはコンポーネントとみなし、それぞれ『キーボード』、『テンキー』、『モーションセンサ』というメタ情報で表現される。本発明で想定するメタ情報のカテゴリと具体的な値を図4に挙げる。
【0032】
次にアプリケーションモニタ端末2内の各機能について説明する。
メタ情報収集部201は、アプリケーションの挙動からメタ情報を抽出してその結果をアプリケーション検索サーバのデータベース(アプリケーションメタ情報格納部104)に登録する部分である。
【0033】
メタ情報の抽出は、アプリケーション実行モニタ管理部202から通知されてくるアプリケーションの挙動に関する情報を元に、挙動の一定のパターンをメタ情報に変換することで実現する。
【0034】
メッセージパターン格納部203やコンポーネントパターン格納部204には、それら挙動パターンと各パターンと一致する場合該当するメタ情報の関連付け情報が格納されており、メタ情報収集部201がアプリケーションの挙動のパターンマッチングを行う際に利用される。
【0035】
メッセージパターン格納部203には、コンポーネント間でやり取りされるメッセージのパターンとそれに関連するメタ情報が対になって格納されている。メッセージのパターンについては、具体的に『SIP』や『RTP』の例を述べると、IPパケットのペイロード部のメッセージパターンをプロトコル解析するとそのメッセージが何のプロトコルを載せたIPパケットかが判る。該格納部203には、このようなメッセージパターンがメタ情報と関連付けされた形で格納されている。さらに、コンポーネントパターン格納部204には、アプリケーションが実行される際に利用されるコンポーネント識別子とそれに関連するメタ情報が対になって格納されている。ここで言うコンポーネント識別子は、例えば、OSに含まれる標準ライブラリやオープンソースとして公開されているライブラリの名前や、オープンソースではなくても広く認知され利用されているソフトウェアエンジン名(レンダリングエンジン、スクリプトエンジン等)、さらには、ハードウェア・端末に実装されているデバイスドライバ名などが想定される。上記2つの格納部203、204に格納されるメッセージパターンとコンポーネント識別子は、標準化仕様や慣習的な情報を元に事前にオペレータが手入力しておくことであってもよい。
【0036】
アプリケーション実行モニタ管理部202はコンパイラ型言語を対象としたプログラム実行環境であり、アプリケーションが実行される際の挙動をモニタリングする機能を備える。アプリケーション実行モニタ管理部202は、さらにメッセージ解析部2021と利用コンポーネント解析部2022を含む。
【0037】
メッセージ解析部2021は、コンポーネント間でやり取りされるオブジェクトメッセージや端末外部とやり取りする通信メッセージの中身を解析し、メタ情報収集部201に通知する。解析においては、コンポーネントに備わるソケット通信インタフェースを監視し、そこを流れるメッセージの内容を読み取ることによって行われる。
【0038】
コンポーネント解析部2022は、アプリケーションが実行時に利用するライブラリやシステムコール、API等の利用状況を解析し、メタ情報収集部201に通知する。解析においては、アプリケーションが実行される際にリンクされるライブラリをOSレベルで判断する手法が例として挙げられる。
【0039】
アプリケーションモニタ内容指示部205は、アプリケーションの動作を指示する部分である。動作の指示内容は『電話をする』や『経路検索を行う』など前述したサービス情報単位で区切られる。このような指示レベルにすることによって、実際の動作時に得られたメタ情報は、サービス情報単位に関連したメタ情報として意味を持つことが期待出来る。
【0040】
次に、図1に示す本実施の形態の動作について、図5、図6のフローチャート図を用いて説明する。
【0041】
図5はアプリケーションモニタ端末2がアプリケーションの挙動をモニタリングして、抽出したメタ情報をアプリケーション検索サーバ1のデータベースに登録するまでの流れを表したフローチャート図である。本発明は、例えば、アプリケーションの特徴量をテスト段階で統計的に採取する場合に適する。よって、アプリケーションモニタ内容指示部205を備えるアプリケーションモニタ端末2は一般的なSDK(例:Microsoft Visual Studio(登録商標)、Eclipseなど)であってもよい。
【0042】
図5はアプリケーションモニタ内容指示部205が、サービス情報を元にモニタ対象のアプリケーションの動作内容を決定するところから始まる(ステップS101)。なお、具体的なシチュエーションの一例として「SDKで作成した新たなアプリケーションをテストするケース」では、例えば作成されたアプリケーションが『電話』アプリケーションであった場合、ユーザはテスト段階で"電話"に関係する一連の動作を試し、その裏で動く各種ライブラリやコンポーネントがプログラム通り正常に動くかを確認するが、ここで言う「サービス情報の取得」とは、ユーザがアプリケーションモニタ内容指示部205に対して、このアプリケーションは『電話』であるとユーザが入力したり、テスト環境が自動化されている場合、専用のテストプログラムが"電話を掛ける"、"電話を切る"といった動作を順次、自動的に試す。
【0043】
サービス情報を元にモニタ対象のアプリケーションの動作内容を決定する際には、例えば『電話』アプリケーションであった場合は、一般的な電話の機能としての、"電話を掛ける"、"電話を切る"、"電話帳を参照する"、"電話を転送"、"保留する"などの動作が該当し、また、標準化された通信プロトコルなどでは、そのプロトコルを実装した製品の互換性を保つために「確認すべきテスト項目」も標準化しグローバルに展開する例もあり、この場合、テストプログラムはこの標準化された項目を基準に作成される。アプリケーションの動作内容を決定するのは、サービス情報と動作内容を対応付けたドキュメントやサービス情報と動作内容とを対応付けた所定のテーブルを参照して行われる。
【0044】
アプリケーションモニタ内容指示部205が発行したコマンドで指定されたアプリケーションが起動され(ステップS102)、動作するアプリケーションの挙動は、アプリケーション実行モニタ管理部202によってモニタリングされる(ステップS103)。モニタリングは、動作時に利用されるコンポーネントの内容やコンポーネント間でやり取りされるメッセージ内容を解析することで実現される。これらの解析は、メッセージ解析部2021や利用コンポーネント解析部2022が担う。
【0045】
アプリケーションの挙動の解析内容はメタ情報収集部201に送られる。メタ情報収集部201は、受け取った解析内容をメッセージパターン格納部203、コンポーネントパターン格納部204に格納されている解析内容−メタ情報の対応情報より照合し、解析内容に応じたメタ情報を割り出す(ステップS104)。
【0046】
メタ情報収集部201は、ステップS104にて割り出されたメタ情報をモニタ対象のアプリケーションと紐付けした形でアプリケーションメタ情報格納部104に格納する(ステップS105)。また、メタ情報収集部201は、ステップS104にて割りだされたメタ情報をサービス情報と対応付けてサービス定義格納部105に格納する(ステップS105)。
【0047】
図6はアプリケーション検索サーバ1がユーザ端末3から利用したいサービスに関わるアプリケーション検索のリクエストを受け、適切なアプリケーションの情報を通知するまでの流れを表したフローチャート図である。
【0048】
図6は、アプリケーション検索サーバ1がユーザ端末3より検索リクエストを受信するところから始まる(ステップS201)。
【0049】
受信する検索リクエストは、ユーザが入力した自然言語データや音声認識データ等を想定する。これらのデータは検索キー入力部101に渡され、単語レベルに分割・変換され、これが検索キーとしてアプリケーション検索部に渡される(ステップS202)。
【0050】
以下に、ユーザが入力した自然言語データが単語レベルに分割される一例を示す。
例)
検索リクエスト:「予定表を確認」「○○風の画面」「モバイル」
単語レベルの分割・変換結果:「予定表」「確認」「外観:○○風」「無線通信」
【0051】
アプリケーション検索部103は、前記検索キーを用いてサービス定義格納部105に格納されているサービス情報から一致するものを検索する。検索は完全一致、もしくは部分一致型のキーワード検索方法を用いる。もしも、一致するサービス情報が見つかった場合、アプリケーション検索部103は一致したサービス情報に関連付けされたメタ情報を取り出しアプリケーション検索用パラメータの候補とする(ステップS203)。
【0052】
アプリケーション検索部103は、S203で候補としたメタ情報と同一のメタ情報と対応付けられているアプリケーションIDをアプリケーションメタ情報格納部104から検索する(ステップS204)。
【0053】
もしも条件に合うアプリケーションが見つかった場合、アプリケーションの情報はアプリケーション情報出力部102に渡され、そこからユーザ端末3に検索結果として送信される(ステップS205)。
【0054】
本実施の形態によれば、アプリケーション検索システムにおいて、アプリケーションの挙動からアプリケーションの検索条件となる特徴量を自動的に採取する方法を取ることによって、アプリケーションの検索データベースを、共通化したルールのもと自動的に構成でき、且つ、アプリケーション検索の際は、検索キーとして共通化ルールのもと作成されたメタ情報に変換したものを指定する方式を取るので、人間の主観や特徴表現の粒度などの違いによる検索精度の低下を防ぐことができ、結果としてユーザが所望するアプリケーションを提供する機能が向上する。
【0055】
次に、本発明の第二の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図7を参照すると、本実施の形態はアプリケーションモニタ端末4が、図1に示された第一の実施の形態におけるアプリケーションモニタ端末2が持つアプリケーション実行モニタ管理部202とは異なる解析機能を備えるアプリケーション実行モニタ管理部402を持つ点と、上記の解析機能が出力する解析結果とメタ情報を紐付けするスクリプト言語パターン格納部403を新たに持つ点が異なる。
【0056】
具体的には第一の実施の形態ではアプリケーションモニタ端末2は、モニタ対象として、アプリケーション実行時に利用されるコンポーネントと各コンポーネント間を流れるメッセージであったが、本実施の形態のアプリケーションモニタ端末4では、アプリケーションの実行環境としてインタプリタ方式を想定し、モニタ対象は、アプリケーション実行時にインタプリタに読み込まれるスクリプト言語情報になる。
【0057】
アプリケーション実行モニタ管理部402はインタプリタ型言語を対象としたプログラム実行環境であり、アプリケーションが実行される際の挙動をモニタリングする機能を備える。アプリケーション実行モニタ管理部402は、さらにスクリプト言語情報解析部4021を含む。
【0058】
スクリプト言語情報解析部4021は、アプリケーションの挙動を記述するスクリプトを言語レベルで解析し、利用されているスクリプトAPIやパラメータを割り出し、メタ情報収集部401に通知する。
【0059】
スクリプト言語パターン格納部403には、例えば図8に示すような、スクリプトAPIとスクリプトAPIが実行される際に指定されるパラメータの組み合わせパターンとそれに関連するメタ情報が関連付けされて格納されている。例えば、図8における組み合わせパターン例におけるonMotion(“up”)は、「端末が上に向かって振られたら」発動するイベントトリガ用のスクリプト記述とする。このようなスクリプト記述を持つアプリケーションは、端末にモーションセンサが内蔵されていることを前提として作られたものである。よって、モニタ対象のアプリケーションに対してスクリプト言語情報解析部4021は、このアプリケーションに対して「モーションセンサ」もメタ情報として関連付ける。
【0060】
本実施の形態では、アプリケーションの実行内容をモニタリングする為に必要な技術要素として、一般的な言語解析機能を用いることができる。これは図1で示される第一の実施の形態のようにOS依存のシステムコールなどを解析する必要がないので、単一のアプリケーションモニタ端末4で、様々なプラットフォームに透過的に対応することができ、結果的にアプリケーションモニタ端末4の実装負荷軽減に繋がるという効果がある。
【0061】
なお、上述する各実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更実施が可能である。例えば、アプリケーション検索サーバ、アプリケーションモニタ端末の機能を実現するためのプログラムを各装置に読込ませて実行することにより各装置の機能を実現する処理を行ってもよい。さらに、そのプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であるCD−ROMまたは光磁気ディスクなどを介して、または伝送媒体であるインターネット、電話回線などを介して伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。
【0062】
ユーザ端末3がアプリケーションモニタ端末2の機能を具備していてもよく、また、アプリケーション検索サーバ1がアプリケーションモニタ端末2の機能を具備していてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の第一の実施の形態に係るシステムの全体構成を示す図である。
【図2】本発明の第一の実施の形態に係るアプリケーションメタ情報格納部のデータ構成を示す図である。
【図3】本発明の第一の実施の形態に係るサービス定義格納部のデータ構成を示す図である。
【図4】本発明の第一の実施の形態に係るカテゴリ毎のメタ情報の具体例を示す図である。
【図5】本発明の第一の実施の形態に係るアプリケーションモニタ端末の動作フローチャートである。
【図6】本発明の第一の実施の形態に係るアプリケーション検索サーバの動作フローチャートである。
【図7】本発明の第二の実施の形態に係るシステムの全体構成を示す図である。
【図8】本発明の第二の実施の形態に係るスクリプト言語パターン格納部のデータ構成を示す図である。
【符号の説明】
【0064】
1 アプリケーション検索サーバ
2 アプリケーションモニタ端末
3 ユーザ端末
101 検索キー入力部
102 アプリケーション情報出力部
103 アプリケーション検索部
104 アプリケーションメタ情報格納部
105 サービス定義格納部
201 メタ情報収集部
202 アプリケーション実行モニタ管理部
2021 メッセージ解析部
2022 利用コンポーネント解析部
203 メッセージパターン格納部
204 コンポーネントパターン格納部
205 アプリケーションモニタ内容指示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モニタ端末は、アプリケーションの挙動をモニタリングして特徴量を収集管理する手段と、
アプリケーションに関するメタ情報を生成して検索サーバに通知する手段と、を備え、
検索サーバは、前記メタ情報をアプリケーション検索用データベースに登録して蓄積する手段と
を備えることを特徴とするアプリケーション検索システム。
【請求項2】
前記モニタ端末は、前記アプリケーションの挙動を決定する為のパラメータとして、サービス情報を用いることを特徴とする請求項1記載のアプリケーション検索システム。
【請求項3】
前記モニタ端末は、アプリケーションを実際に動かして、利用したコンポーネント単位/通信したメッセージ内容単位でアプリケーションの特徴を抽出することを特徴とする請求項1または2記載のアプリケーション検索システム。
【請求項4】
前記モニタ端末は、アプリケーションの特徴量を表すために、アプリケーション実行時にコンポーネント間でやり取りされるメッセージの履歴を用いることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のアプリケーション検索システム。
【請求項5】
前記モニタ端末は、メタ情報と、抽出されたメッセージのパターンを記憶部に紐付けして格納しておくことを特徴とする請求項4記載のアプリケーション検索システム。
【請求項6】
前記モニタ端末は、アプリケーションの特徴量を表すために、アプリケーション実行時に動的にリンクされるコンポーネント(ライブラリ)の履歴を用いることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のアプリケーション検索システム。
【請求項7】
前記モニタ端末は、メタ情報と、抽出されたコンポーネントの種類を記憶部に紐付けして格納しておくことを特徴とする請求項6記載のアプリケーション検索システム。
【請求項8】
前記モニタ端末の前記収集管理する手段は、アプリケーションを実際に動かす際に、インタプリタに入力されるスクリプトAPIやAPIコール時に指定されるパラメータを言語情報レベルで解析することによりアプリケーションの特徴を抽出することを特徴とする請求項1記載のアプリケーション検索システム。
【請求項9】
前記モニタ端末は、メタ情報と、抽出されたスクリプトAPIとそのAPIコール時に指定されるパラメータの組み合わせパターンを記憶部に紐付けして格納しておくことを特徴とする請求項8記載のアプリケーション検索システム。
【請求項10】
前記検索サーバは、サービス情報を入力として関連するメタ情報を割り出すことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載のアプリケーション検索システム。
【請求項11】
モニタ端末が、アプリケーションの挙動をモニタリングして特徴量を収集管理するステップと、
アプリケーションに関するメタ情報を生成して検索サーバに通知するテップと、を有し、
検索サーバが、前記メタ情報をアプリケーション検索用データベースに登録して蓄積するテップ
を有することを特徴とするアプリケーション検索方法。
【請求項12】
前記モニタ端末が、前記アプリケーションの挙動を決定する為のパラメータとして、サービス情報を用いることを特徴とする請求項11記載のアプリケーション検索方法。
【請求項13】
前記モニタ端末が、アプリケーションを実際に動かして、利用したコンポーネント単位/通信したメッセージ内容単位でアプリケーションの特徴を抽出することを特徴とする請求項11または12記載のアプリケーション検索方法。
【請求項14】
前記モニタ端末が、アプリケーションの特徴量を表すために、アプリケーション実行時にコンポーネント間でやり取りされるメッセージの履歴を用いることを特徴とする請求項11から13のいずれか1項に記載のアプリケーション検索方法。
【請求項15】
前記モニタ端末が、メタ情報と、抽出されたメッセージのパターンを記憶部に紐付けして格納しておくことを特徴とする請求項14記載のアプリケーション検索方法。
【請求項16】
前記モニタ端末が、アプリケーションの特徴量を表すために、アプリケーション実行時に動的にリンクされるコンポーネント(ライブラリ)の履歴を用いることを特徴とする請求項11から13のいずれか1項に記載のアプリケーション検索方法。
【請求項17】
前記モニタ端末が、メタ情報と、抽出されたコンポーネントの種類を記憶部に紐付けして格納しておくことを特徴とする請求項16記載のアプリケーション検索方法。
【請求項18】
前記モニタ端末の前記収集管理するステップにおいて、アプリケーションを実際に動かす際に、インタプリタに入力されるスクリプトAPIやAPIコール時に指定されるパラメータを言語情報レベルで解析することによりアプリケーションの特徴を抽出することを特徴とする請求項11記載のアプリケーション検索方法。
【請求項19】
前記モニタ端末が、メタ情報と、抽出されたスクリプトAPIとそのAPIコール時に指定されるパラメータの組み合わせパターンを記憶部に紐付けして格納しておくことを特徴とする請求項18記載のアプリケーション検索方法。
【請求項20】
前記検索サーバが、サービス情報を入力として関連するメタ情報を割り出すことを特徴とする請求項11から19のいずれか1項に記載のアプリケーション検索方法。
【請求項21】
アプリケーションの挙動をモニタリングして特徴量を収集管理する手段と、
アプリケーションに関するメタ情報を生成して検索サーバに通知する手段と
を備えることを特徴とするモニタ端末。
【請求項22】
アプリケーションの挙動をモニタリングして特徴量を収集管理する手段と、
アプリケーションに関するメタ情報を生成する手段と、
前記メタ情報をアプリケーション検索用データベースに登録して蓄積する手段と
を備えることを特徴とするモニタ端末。
【請求項23】
アプリケーションの挙動をモニタリングして特徴量を収集管理する手段を備えるモニタ端末から、生成されたアプリケーションに関するメタ情報を受け取る手段と、
前記メタ情報をアプリケーション検索用データベースに登録して蓄積する手段と
を備えることを特徴とする検索サーバ。
【請求項24】
コンピュータに、アプリケーションの挙動をモニタリングして特徴量を収集管理するステップと、
アプリケーションに関するメタ情報を生成するテップと、
前記メタ情報をアプリケーション検索用データベースに登録して蓄積するテップと
を実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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