説明

アベルメクチンB1単糖誘導体

炭素原子22および23間の結合が単結合または二重結合であってよく;R1が、C1〜C12アルキル、C3〜C8シクロアルキルまたはC2〜C12アルケニルであり;R2およびR3が、例えば互いに独立して、水素、C1〜C12アルキル、C3〜C12シクロアルキル、C2〜C12アルケニル、C2〜C12アルキニル、アリールまたはヘテロアリールである式(I)の化合物であって、そして各々の場合に遊離形態でまたは塩形態で、E/Z異性体、E/Z異性体の混合物、ジアステレオマーおよび/または互変異性体に適用可能である化合物;有効成分がその化合物およびそれらの互変異性体から選択された殺虫組成物;ならびにその組成物を用いた害虫の制御方法を発表する。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0001】
本発明は、(1)次式:
【化1】

(式中、炭素原子22および23間の結合は単結合または二重結合であり得るし;
1は、C1〜C12アルキル、C3〜C8シクロアルキルまたはC2〜C12アルケニルであり;
2およびR3は、互いに独立して、水素、C1〜C12アルキル、C3〜C12シクロアルキル、C2〜C12アルケニル、C2〜C12アルキニル、アリールまたはヘテロアリール(この場合、C1〜C12アルキル、C3〜C12シクロアルキル、C2〜C12アルケニル、C2〜C12アルキニル、アリールおよびヘテロアリールラジカルは非置換、または1〜5置換され得る)、−C(=O)R4またはSO24であり;あるいは
2およびR3はともに、3〜7員アルキレン架橋または4〜7員アルケニレン架橋(ここで、アルキレンまたはアルケニレン中の1または2個のCH2基はO、SまたはNR5により置換されてよく)であるか;あるいは基=N+=N-であり;
そしてここで、R2およびR3下で定義されるアルキル、アルケニル、アルキニル、アルキレン、アルケニレン、シクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールラジカルの置換基は、OH;=O;SH;=S;−NH2;CN;NO2;ハロゲン;C1〜C12アルキル;ハロ−C1〜C2アルキル;C1〜C12アルケニル;C2〜C6アルキニル;C3〜C6シクロアルキル(これは置換されないかまたは1〜3個のメチル基により置換される);ノルボルネニル;C3〜C8シクロアルケニル(置換されないかまたは1〜3個のメチル基により置換される);C3〜C8ハロシクロアルキル;C1〜C12アルコキシ;C1〜C6アルコキシ−C1〜C6アルキル;C1〜C6アルコキシ−C1〜C6アルコキシ;C1〜C6アルコキシ−C1〜C6アルコキシ−C1〜C6アルキル;C2〜C12アルケニルオキシ;C2〜C12アルケニルオキシ−C1〜C6アルコキシ;C3〜C8シクロアルコキシ;C1〜C12ハロアルコキシ;C1〜C12アルキルチオ;C3〜C8シクロアルキルチオ;C1〜C12ハロアルキルチオ;C1〜C12アルキルスルフィニル;C3〜C8シクロアルキルスルフィニル;C1〜C12ハロアルキルスルフィニル;C3〜C8ハロシクロアルキルスルフィニル;C1〜C12アルキルスルホニル;C3〜C8シクロアルキルスルホニル;C1〜C12ハロアルキルスルホニル;C3〜C8ハロシクロアルキルスルホニル;C2〜C8アルケニル;C2〜C8アルキニル;−NH(C1〜C6アルキル);−N(C1〜C6アルキル)2;−C(=O)R6;−NHC(=O)R7;−P(=O)(OC1〜C6アルキル)2;アリール;ヘテロシクリル;アリールオキシ;およびヘテロシクリルオキシからなる群から選択され;
ここで、アリール、ヘテロシクリル、アリールオキシおよびヘテロシクリルオキシラジカルは置換されないか、あるいは環での置換の可能性によって、OH;ハロゲン;CN;NO2;C1〜C12アルキル;C3〜C8シクロアルキル;C1〜C12ハロアルキル;C1〜C12アルコキシ;C1〜C12ハロアルコキシ;C1〜C12アルキルチオ;C1〜C12ハロアルキルチオ;C1〜C12アルキルスルフィニル;C1〜C12アルキルスルホニル;C1〜C6アルコキシ−C1〜C6アルキル;ジメチルアミノ−C1〜C6アルコキシ;C2〜C8アルケニル;C2〜C8アルキニル;フェニル−C1〜C6アルキル;フェノキシ(置換されないかまたは互いに独立して、ハロゲン、メトキシ、トリフルオロメチルおよびトリフルオロメトキシから選択される1〜3個の置換基により置換される);フェニル−C1〜C6アルコキシ(置換されないかまたは、ハロゲン、メトキシ、トリフルオロメチルおよびトリフルオロメトキシから互いに独立して選択される1〜3個の置換基により芳香族環中で置換される);フェニル−C2〜C6アルケニル;フェニル−C2〜C6アルキニル;メチレンジオキシ;−C(=O)R6;−O−C(=O)R7;−NH−C(=O)R7;−NH2;−NH(C1〜C12アルキル);−N(C1〜C12アルキル)2;C1〜C6アルキルチオ;C1〜C6アルキルスルフィニル;C3〜C8シクロアルキルスルフィニル;C1〜C6ハロアルキルスルフィニル;C3〜C8ハロシクロアルキルスルフィニル;C1〜C6アルキルスルホニル;C3〜C8シクロアルキルスルホニル;C1〜C6ハロアルキルスルホニル;およびC3〜C8ハロシクロアルキルスルホニルからなる群から選択される置換基のより1〜5置換され;
4は、H;C1〜C8アルキル;ハロゲン、ニトロ、C1〜C8アルコキシ、アリールオキシ、OH、SH、−NH2、−NH(C1〜C12アルキル)および−N(C1〜C12アルキル)2からなる群から選択される置換基により1〜7置換されるC1〜C8アルキル;C1〜C8アルコキシ;ハロ−C1〜C8アルコキシ;C3〜C8シクロアルキル;C3〜C8シクロアルコキシ;C2〜C8アルケニル;ハロC2〜C8アルケニル;C2〜C8アルケニルオキシ;ハロ−C2〜C8アルケニルオキシ;C2〜C8アルキニル;C2〜C8アルキニルオキシ;−NH2;−NH(C1〜C12アルキル);−N(C1〜C12アルキル)2;アリール;アリールオキシ;ベンジル;ベンジルオキシ;ヘテロシクリル;ヘテロシクリルオキシ;ヘテロシクリルメチル;ヘテロシクリルメトキシ;−NH−アリール;−NH−ヘテロシクリル;−N(C1〜C6アルキル)−アリール;または−N(C1〜C6アルキル)−ヘテロシクリルであり;
ここで、ラジカルアリール、アリールオキシ、ベンジル、ベンジルオキシ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルメチル、ヘテロシクリルメトキシ、−NH−アリール、−NH−ヘテロシクリル、−N(C1〜C6アルキル)−アリールおよび−N(C1〜C6アルキル)−ヘテロシクリルは、置換されないか、あるいは環での置換の可能性によって、互いに独立して、ハロゲン、C1〜C12アルキル、C1〜C12ハロアルキル、C1〜C12アルコキシ、C1〜C12ハロアルコキシ、C1〜C6アルコキシ−C1〜C6アルコキシ、C1〜C12アルキルチオ、C1〜C12ハロアルキルチオ、C1〜C12アルキルスルフィニル、C1〜C12アルキルスルホニル、C2〜C8アルケニルオキシ、C2〜C8アルキニルオキシ、ニトロ、−N3およびシアノから選択される1〜3個の置換基により置換される環中にあり;
5は、C1〜C8アルキル、C3〜C8シクロアルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、ベンジル、−C(=O)−R8または−C(=S)−R8であり;
6は、H;OH;SH;C1〜C8アルキル;ハロゲン、ニトロ、C1〜C8アルコキシ、アリールオキシ、OH、SH、−NH2、−NH(C1〜C12アルキル)および−N(C1〜C12アルキル)2からなる群から選択される置換基により1〜7置換されるC1〜C8アルキル;C1〜C8アルコキシ;ハロ−C1〜C8アルコキシ;C3〜C8シクロアルキル;C3〜C8シクロアルコキシ;C2〜C8アルケニル;C2〜C8アルケニルオキシ;C2〜C8アルキニル;C2〜C8アルキニルオキシ;−NH2;−NH(C1〜C12アルキル);−N(C1〜C12アルキル)2;アリール;アリールオキシ;ベンジル;ベンジルオキシ;ヘテロシクリル;ヘテロシクリルオキシ;ヘテロシクリルメチル;またはヘテロシクリルメトキシであり;
ここで、ラジカルアリール、アリールオキシ、ベンジル、ベンジルオキシ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルメチルおよびヘテロシクリルメトキシは、置換されないか、あるいは環での置換の可能性によって、互いに独立して、ハロゲン、C1〜C12アルキル、C1〜C12ハロアルキル、C1〜C12アルコキシ、C1〜C12ハロアルコキシ、C1〜C6アルコキシ−C1〜C6アルコキシ、C1〜C12アルキルチオ、C1〜C12ハロアルキルチオ、C1〜C12アルキルスルフィニル、C1〜C12アルキルスルホニル、C2〜C8アルケニルオキシ、C2〜C8アルキニルオキシ、ニトロ、−N3およびシアノから選択される1〜3個の置換基により置換され;
7は、H、C1〜C12アルキル、C1〜C6アルコキシ−C1〜C6アルキル、C1〜C12ハロアルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、アリール、ヘテロシクリル、ベンジル、−NH2、−NH(C1〜C12アルキル)、−N(C1〜C12アルキル)2、−NH−フェニルまたは−N(C1〜C12アルキル)−フェニルであり;
8は、H、OH、SH、−NH2、−NH(C1〜C12アルキル)、−N(C1〜C12アルキル)2、C1〜C12アルキル、C1〜C12ハロアルキル、C1〜C12アルコキシ、C1〜C12ハロアルコキシ、C1〜C6アルコキシ−C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ−C1〜C6アルコキシ、C1〜C12アルキルチオ、C1〜C12アルキルスルフィニル、C1〜C12アルキルスルホニル、C2〜C8アルケニルオキシ、C2〜C8アルキニルオキシ、フェニル、フェノキシ、ベンジルオキシ、−NH−フェニル、−N(C1〜C6アルキル)−フェニル、−NH−C1〜C6アルキル−C(=O)−R9、−N(C1〜C6アルキル)−C1〜C6アルキル−C(=O)−R9またはフェニル、フェノキシ、ベンジルオキシ、−NH−フェニルまたは−N(C1〜C6アルキル)−フェニル(その各々が、互いに独立して、ハロゲン、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルキルおよびC1〜C6ハロアルコキシから選択される1〜3個の置換基により芳香族環中で置換される)であり;
9は、H、OH、C1〜C12アルキル、C1〜C12アルコキシ、C1〜C6アルコキシ−C1〜C6アルコキシ、C2〜C8アルケニルオキシ、フェニル、フェノキシ、ベンジルオキシ、−NH2、−NH(C1〜C12アルキル)、−N(C1〜C12アルキル)2、−NH−フェニルまたは−N(C1〜C12アルキル)−フェニルである)
の化合物に、そして適用可能な場合には、各々の場合に遊離形態でまたは塩形態で、E/Z異性体、E/Z異性体の混合物、ジアステレオマーおよび/または互変異性体に;その化合物およびそれらの互変異性体の調製方法に、そして使用に;式(I)の化合物の調製のための出発原料に;有効成分が式(I)の化合物およびそれらの互変異性体から選択された殺虫組成物に;ならびにその組成物を用いた害虫の制御方法に関する。
【0002】
本明細書中の前記および後記において、式(I)、(II)および(IV)中で波線記号により示される結合は、4’−(S)−ならびに4’−(R)−異性体が意味されることを示す。
【0003】
ある種のマクロライド化合物は、文献中で害虫制御のために提唱される。それらの公知の化合物の生物学的特性は完全に納得がいくというわけではないが、しかしながらその理由のために、特に昆虫およびダニ目の成員の制御のための殺虫特性を有するさらなる化合物を提供する必要性がある。その問題は、式(I)の本発明の化合物の提供によって、本発明により解決される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0004】
本発明により特許請求される化合物は、アベルメクチンの誘導体である。アベルメクチンは、当業者に公知である。それらは、微生物ストレプトミセス・アベルミチリスの系統の発酵により得られる構造的に密接に関連した殺虫的有効化合物の一群である。アベルメクチンの誘導体は、慣用的化学合成により生成され得る。
【0005】
ストレプトミセス・アベルミチリスから生成され得るアベルメクチンは、A1a、A1b、A2a、A2b、B1a、B1b、B2aおよびB2bと呼ばれる。「A」および「B」と呼ばれる化合物は、5位に、それぞれメトキシラジカルおよびOH基を有する。「a」シリーズおよび「b」シリーズは、置換基R1(位置25における)がそれぞれsec−ブチルラジカルおよびイソプロピルラジカルである化合物である。化合物の名称中の数字1は、炭素原子22および23が二重結合により連結される、ということを意味する;数字2は、それらが単結合により連結され、そしてC原子23がOH基を保有する、ということを意味する。上記の用語は、本発明の説明中で固守されて、天然アベルメクチンに対応する本発明の非天然アベルメクチン誘導体における特定の構造型を意味する。本発明は、特にB1シリーズの化合物の単糖誘導体、特にアベルメクチンB1、特にB1aおよびB1bの単糖誘導体の混合物を、炭素原子22および23間の単結合を有する誘導体とともに;ならびに25位に他の置換基を有する誘導体を利用可能にする。
【0006】
式(I)の化合物のいくつかは、互変異性体の形態であり得る。したがって本明細書中の上記のおよび後記の式(I)の化合物への任意の言及は、適用可能な場合、全ての場合おいて特定的に記述されない場合でさえ、対応する互変異性体も包含すると理解されるべきである。
【0007】
式(1)の化合物、ならびに適用可能な場合、それらの互変異性体は、塩、例えば酸付加塩を生成し得る。これらの酸付加塩は、例えば強無機酸、例えば鉱酸、例えば硫酸、リン酸またはハロゲン化水素酸を用いて、強有機カルボン酸、例えば非置換または置換、例えばハロ置換C1〜C4アルカンカルボン酸、例えば酢酸、不飽和または飽和二カルボン酸、例えばシュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸またはフタル酸、ヒドロキシカルボン酸、例えばアスコルビン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸またはクエン酸、あるいは安息香酸を用いて、もしくは有機スルホン酸、例えば非置換または置換、例えばハロ置換C1〜C4アルカン−またはアリール−スルホン酸、例えばメタン−またはp−トルエン−スルホン酸を用いて生成される。少なくとも1つの酸性基を有する式(I)の化合物はさらに、塩基により塩を形成する。塩基との適切な塩は、例えば金属塩、例えばアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、例えばナトリウム、カリウムまたはマグネシウム塩、あるいはアンモニアとのまたは有機アミン、例えばモルホリン、ピペリジン、ピロリジン、モノ−、ジ−またはトリ−低級アルキルアミン、例えばエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミンまたはジメチルプロピルアミン、あるいはモノ−、ジ−またはトリヒドロキシ−低級アルキルアミン、例えばモノ−、ジ−またはトリ−エタノールアミンとの塩である。対応する内部塩も、適切な場合には形成され得る。遊離形態が好ましい。式(I)の化合物の塩の中で、農業化学的に有益な塩が好ましい。上記および後記の本明細書中で、式(I)の遊離化合物またはそれらの塩に対する任意の言及は、適切な場合は、それぞれ式(I)の対応する塩または遊離化合物も含むものと理解されるべきである。同じことは、式(I)の化合物の互変異性体およびその塩にも当てはまる。
【0008】
一般式(I)の化合物の調製は化合物の混合物を生じ、したがって本発明は、式(I)の化合物を含有する混合物、例えばEおよびZ異性体、RおよびSジアステレオマー、iPrであるR1を有する化合物およびsec−BuであるR1を有する化合物、または種々の互変異性体の化合物、あるいはその混合物にも及ぶ。
【0009】
特に断りのない限り、本明細書中の上記および後記で用いられる一般的用語は、下記の意味を有する。
【0010】
特に断りのない限り、炭素含有基および化合物は各々、1〜6まで(6を含む)、好ましくは1〜4まで(4を含む)、特に1または2個の炭素原子を含有する。
【0011】
ハロゲン−(基それ自体として、そしてその他の基および化合物、例えばハロアルキル、ハロアルコキシおよびハロアルキルチオの構造元素としての)−は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素、特にフッ素、塩素または臭素、とりわけフッ素または塩素である。
【0012】
アルキル−(基それ自体として、そして他の基および化合物、例えばハロアルキル、アルコキシおよびアルキルチオの構造元素としての)−は、各々の場合、当該基または化合物中に含有される炭素原子の数を考慮に入れて、直鎖、即ちメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチルまたはオクチル、あるいは分枝鎖、例えばイソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソペンチル、ネオペンチルまたはイソヘキシルである。アルキル基中の炭素原子の好適な数は、1〜6、例えば1〜4である。
【0013】
シクロアルキル−(基それ自体として、そして他の基および化合物、例えばハロシクロアルキル、シクロアルコキシおよびシクロアルキルチオの構造元素としての)−は、各々の場合、当該基または化合物中に含有される炭素原子の数を考慮に入れて、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルまたはシクロオクチルである。シクロアルキル基中の炭素原子の好適な数は、3〜6、例えば3〜4である。
【0014】
アルケニル−(基それ自体として、そして他の基および化合物の構造元素としての)−は、当該基中に含有される炭素原子の数、および共役または孤立二重結合の数を考慮して、直鎖、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニル、1−ヘキセニル、1−ヘプテニル、1,3−ヘキサジエニルまたは1,3−オクタジエニル、あるいは分枝鎖、例えばイソプロペニル、イソブテニル、イソプレニル、tert−ペンテニル、イソヘキセニル、イソヘプテニルまたはイソオクテニルである。3〜12、特に3〜6、とりわけ3または4個の炭素原子を有するアルケニル基が好ましい。3〜12、特に3〜6、特に3または4個の炭素原子を有するアルケニル基が選択される。
【0015】
アルキニル−(基それ自体として、そして他の基および化合物の構造元素としての)−は、各々の場合、当該基または化合物中に含有される炭素原子の数、および共役または孤立二重結合の数を考慮して、直鎖、例えばエチニル、プロパルギル、2−ブチニル、3−ペンチニル、1−ヘキシニル、1−ヘプチニル、3−ヘキセン−1−イニルまたは1,5−ヘプタジエン−3−イニル、あるいは分枝鎖、例えば3−メチルブタ−1−イニル、4−エチル−ペンタ−1−イニル、4−メチルヘキサ−2−イニルまたは2−メチルヘプタ−3−イニルである。3〜12、特に3〜6、とりわけ3または4個の炭素原子を有するアルキニル基が好ましい。3〜12、特に3〜6、特に3または4個の炭素原子を有するアルキニル基が選択される。
【0016】
アルコキシ−(基それ自体として、そして他の基および化合物の構造元素としても)−は、各々の場合、当該基または化合物中に各々の場合に含有される炭素原子の数を考慮して、直鎖、例えばメトキシ、エトキシまたはプロポキシ、あるいは分枝鎖、例えばイソプロポキシ、イソブチオキシまたはsec−ブトキシである。1つまたは複数の酸素原子が基中に存在し得る。アルコキシ基中の炭素原子の好適な数は、1〜6、例えば1〜4である。同様にアルケニルオキシ基またはアルキニルオキシ基中の酸素原子は任意の位置に存在し、そしていずれかの基中の炭素原子の好適な数は、2〜6、例えば2〜4である。
【0017】
アルキレンおよびアルケニレンは、直鎖または分枝鎖成員、特に−CH2−CH2−CH2−、−CH2−CH2−CH2−CH2−、−CH2−CH2−CH2−CH2−CH2−、−CH2(CH3)CH2−CH2−、−CH2C(CH32−CH2−、−CH2−CH=CH−CH2−または−CH2−CH=CH−CH2−CH2−である。
【0018】
ハロ置換炭素含有基および化合物、例えばハロゲンにより置換されるアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アルコキシまたはアルキルチオは、部分的にハロゲン化またはペルハロゲン化され、ポリハロゲン化の場合、ハロゲン置換基は同一であるかまたは異なり得る。ハロアルキルの例(基それ自体として、そして他の基および化合物、例えばハロアルコキシおよびハロアルキルチオの構造元素として)は、フッ素、塩素および/または臭素により1〜3回置換されるメチル、例えばCHF2またはCF3;フッ素、塩素および/または臭素により1〜5回置換されるエチル、例えばCH2CF3、CF2CF3、CF2CCl3、CF2CHCl2、CF2CHF2、CF2CFCl2、CF2CHBr2、CF2CHClF、CF2CHBrFまたはCClFCHClF;フッ素、塩素および/または臭素により1〜7回置換されるプロピルまたはイソプロピル、例えばCH2CHBrCH2Br、CF2CHFCF3、CH2CF2CF3、CH(CF32またはCF(CF32;フッ素、塩素および/または臭素により1〜9回置換されるブチルまたはその異性体、例えばCF(CF3)CHFCF3またはCH2(CF22CF3;フッ素、塩素および/または臭素により1〜11回置換されるペンチルまたはその異性体、例えばCF(CF3)(CHF)2CF3またはCH2(CF23CF3;およびフッ素、塩素および/または臭素により1〜13回置換されるヘキシルまたはその異性体、例えば(CH24CHBrCH2Br、CF2(CHF)4CF3、CH2(CF24CF3またはC(CF32(CHF)2CF3である。
【0019】
アリールは、特にフェニル、ナフチル、アントラセニルまたはペリレニル、好ましくはフェニルである。
【0020】
ヘテロシクリルは、飽和または不飽和であり得る、そしてN、OおよびS、特にNおよびSから選択される1〜3個のヘテロ原子を含有する3〜7員単環式環;あるいは飽和または不飽和であり得る、そして一方の環中にのみまたは互いに独立して両環中に、N、OおよびSから成る群から選択される1または2個のヘテロ原子を含有し得る8〜14環原子を有する二環式環系と理解される。ヘテロシクリルは特に、ピリジル、ピリミジル、s−トリアジニル、1,2,4−トリアジニル、チエニル、フリル、テトラヒドロフラニル、ピラニル、テトラヒドロピラニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、ベンゾチエニル、キノリニル、キノキサリニル、ベンゾフラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾピロリル、ベンゾチアゾリル、インドリル、クマリニルまたはインダゾリルであり、これらは好ましくは炭素原子を介して結合される。チエニル、チアゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチアゾリル、フリル、テトラヒドロピラニルおよびインドリル、特にピリジルまたはチアゾリルが選択される。
【0021】
本発明の範囲内で、選択されるのは以下のものである:
【0022】
(2)R2がH;C1〜C8アルキル;ハロゲン、OH、C1〜C4アルコキシおよびCNからなる群から選択される置換基により1〜5置換されるC1〜C8アルキル;C3〜C12アルケニル、C3〜C12アルキニル;またはC(=O)R4である式(I)の群(1)の化合物;
【0023】
(3)R2がC1〜C4アルキル、特にメチルである式(I)の群(2)の化合物;
【0024】
(4)R2がエチルである式(I)の群(2)の化合物;
【0025】
(5)R2がn−プロピルである式(I)の群(2)の化合物;
【0026】
(6)R3がH、C1〜C8アルキル、C3〜C12アルケニル、C3〜C12アルキニルまたはハロゲン、OHおよびCNからなる群から選択される置換基により置換されるC1〜C8アルキルであるである式(I)の群(1)〜(5)のいずれかの1つの化合物;
【0027】
(7)R3がHである式(I)の群(6)の化合物;
【0028】
(8)R3がメチルである式(I)の群(6)の化合物;
【0029】
(9)R3がエチルである式(I)の群(6)の化合物;
【0030】
(10)R3がn−プロピルである式(I)の群(6)の化合物;
【0031】
(11)R3がイソプロピルである式(I)の群(6)の化合物;
【0032】
(12)R2が−C(=O)R4であり、R4がH、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、ハロ−C1〜C4アルキル、ハロ−C1〜C4アルコキシ、C3〜C8シクロアルコキシ、C2〜C8アルケニルオキシ、C2〜C8アルキニルオキシ、−NH2、−NH(C1〜C12アルキル)、−N(C1〜C12アルキル)2、アリール、アリールオキシ、ベンジルまたはベンジルオキシであり;ラジカルアリール、アリールオキシ、ベンジルおよびベンジルオキシが置換されないかまたはハロゲン、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4ハロアルコキシ、C1〜C12ハロアルキルチオ、ニトロおよびシアノから互いに独立して選択される1〜3個の置換基により置換される式(I)の群(2)および(6)〜(11)のいずれか1つの化合物;
【0033】
(13)R2およびR3がともに−CH2−CH2−CH2−または−CH2−CH2−CH2−CH2−である式(I)の群(1)の化合物;
【0034】
(14)R2およびR3がともに−CH2−CH2−O−CH2−CH2−または−CH2−CH2−N(CH3)−CH2−CH2−である式(I)の群(1)の化合物;
【0035】
(15)R2が置換C1〜C4アルキル、特に−CH2−であり、そして置換基がOH、CN、ハロゲン、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルケニル(置換されないかまたは1〜3個のメチル基により置換される)、C1〜C12アルコキシ、C2〜C8アルキニル、−C(=O)R6、−NHC(=O)R7、−P(=O)(OC1〜C6アルキル)2、ならびに非置換、または環での置換の可能性によって、1〜5置換されるフェニル、ナフチル、アントラセニル、フェナントレニル、フルオレニル、ペリレニルおよびヘテロシクリルからなる群から選択される式(I)の群(1)および(6)〜(11)のいずれか1つの化合物;
【0036】
特に好ましいのは、ハロゲン、CN、C3〜C8シクロアルキル、C2〜C8アルキニル、−C(=O)R6、−NHC(=O)R7、−P(=O)(OC1〜C6アルキル)2、ならびに非置換、または環での置換の可能性によって、1〜3置換されるフェニル、ナフチル、アントラセニル、ピリジル、チアゾリル、イミダゾリル、フリル、キノリニルおよびピラゾリルからなる群から選択されるC1〜C4アルキル上の置換基である;
【0037】
(16)R2が、置換されないか、あるいはハロゲン、CN、NO2、C1〜C12アルキル、C3〜C8シクロアルキル、C1〜C12ハロアルキル、C1〜C12アルコキシ、C1〜C12ハロアルコキシ、C1〜C12アルキルチオ、C1〜C12ハロアルキルチオ、C1〜C12アルキルスルフィニル、C1〜C12アルキルスルホニル、C1〜C6アルコキシ−C1〜C6アルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、フェノキシ、フェニル−C1〜C6アルキル、メチレンジオキシ、−C(=O)R6、−O−C(=O)R7、−NH−C(=O)R7、−NH2、−NH(C1〜C12アルキル)、−N(C1〜C12アルキル)2、C1〜C6アルキルチオ、C1〜C6アルキルスルフィニル、C3〜C8シクロアルキルスルフィニル、C1〜C6ハロアルキルスルフィニル、C3〜C8ハロシクロアルキルスルフィニル、C1〜C6アルキルスルホニル、C3〜C8シクロアルキルスルホニル、C1〜C6ハロアルキルスルホニルおよびC3〜C8ハロシクロアルキルスルホニルからなる群から選択される1〜3個の置換基を芳香族部分上に保有するベンジルである式(I)の群(1)、(6)〜(11)のいずれか1つの化合物;
【0038】
ここで、R6は、H;OH;SH;C1〜C8アルキル;ハロゲン、ニトロ、C1〜C8アルコキシ、アリールオキシ、OH、SH、−NH2、−NH(C1〜C12アルキル)および−N(C1〜C12アルキル)2からなる群から選択される置換基により1〜7置換されるC1〜C8アルキル;C1〜C8アルコキシ;ハロ−C1〜C8アルコキシ;C3〜C8シクロアルキル;C3〜C8シクロアルコキシ;−NH2;−NH(C1〜C12アルキル);−N(C1〜C12アルキル)2;アリール;アリールオキシ;ベンジル;ベンジルオキシ;ヘテロシクリル;ヘテロシクリルオキシ;ヘテロシクリルメチル;またはヘテロシクリルメトキシであり;そして
7は、H、C1〜C12アルキル、C1〜C6アルコキシ−C1〜C6アルキル、C1〜C12ハロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ベンジル、−NH2、−NH(C1〜C12アルキル)、−N(C1〜C12アルキル)2、−NH−フェニルまたは−N(C1〜C12アルキル)−フェニルである;
【0039】
(17)R2がC1〜C4アルキル−C(=O)R6、特に−CH2−C(=O)R6である式(I)の群(1)および(6)〜(11)のいずれか1つの化合物;
ここで、R6は、H、OH、−NH2、−NH(C1〜C2アルキル)、−N(C1〜C2アルキル)2、C1〜C4アルキル、C1〜C12アルコキシ、C2〜C4アルケニルオキシ、−NH−C1〜C2アルキル−C(=O)−O−C1〜C2アルキル−フェニル、−P(=O)(OC1〜C6アルキル)2、あるいは置換されないかまたは塩素、フッ素、メトキシ、トリフルオロメチルおよびトリフルオロメトキシから選定された置換基により置換されるフェニル、フェノキシ、ベンジルオキシまたはNH−フェニルであり;
とりわけ、R6はC1〜C12アルコキシである;
【0040】
(18)4’位に(R)立体配置を有する式(I)の群(1)〜(17)のいずれか1つの化合物;
【0041】
(19)4’位に(S)立体配置を有する式(I)の群(1)〜(17)のいずれか1つの化合物;
【0042】
(20)R1がイソプロピルまたはsec−ブチルであり、好ましくはイソプロピルおよびsec−ブチル誘導体の混合物が存在する式(I)の群(1)〜(19)のいずれか1つの化合物;
【0043】
(21)R1がシクロヘキシルである式(I)の群(1)〜(19)のいずれか1つの化合物;
【0044】
(22)R1が1−メチル−ブチルである式(I)の群(1)〜(19)のいずれか1つの化合物;
【0045】
(23)炭素原子22および23間の結合が単結合である式(I)の群(1)〜(22)のいずれか1つの化合物;
【0046】
(24)炭素原子22および23間の結合が二重結合である式(I)の群(1)〜(22)のいずれか1つの化合物。
【0047】
本発明の範囲内で特に好ましいのは、化合物P.1〜P.4、化合物A.1〜A.20、ならびに表1〜36に列挙された化合物、そして適用可能な場合には、それらのE/Z異性体およびE/Z異性体の混合物である。
【0048】
本発明の明細書において、表1〜36に示したような式(Ia)または(Ib)の化合物について特に言及する。
【化2】

【表1】

【表2】

【表3】

【0049】
表1:R1がsec−ブチル(B1a)またはイソプロピル(B1b)であり、R3が水素であり、炭素原子22および23間の結合が二重結合であり、そしてR2がB.1〜B.54下で列挙された表Bのラジカルの1つに対応する式(Ia)の化合物。
【0050】
表2:R1がsec−ブチル(B1a)またはイソプロピル(B1b)であり、R3が水素であり、炭素原子22および23間の結合が単結合であり、そしてR2がB.1〜B.54下で列挙された表Bのラジカルの1つに対応する式(Ia)の化合物。
【0051】
表3:R1がsec−ブチル(B1a)またはイソプロピル(B1b)であり、R3が水素であり、炭素原子22および23間の結合が二重結合であり、そしてR2がB.1〜B.54下で列挙された表Bのラジカルの1つに対応する式(Ib)の化合物。
【0052】
表4:R1がsec−ブチル(B1a)またはイソプロピル(B1b)であり、R3が水素であり、炭素原子22および23間の結合が単結合であり、そしてR2がB.1〜B.54下で列挙された表Bのラジカルの1つに対応する式(Ib)の化合物。
【0053】
表5:R1がシクロヘキシルであり、R3が水素であり、炭素原子22および23間の結合が二重結合であり、そしてR2がB.1〜B.54下で列挙された表Bのラジカルの1つに対応する式(Ia)の化合物。
【0054】
表6:R1がシクロヘキシルであり、R3が水素であり、炭素原子22および23間の結合が単結合であり、そしてR2がB.1〜B.54下で列挙された表Bのラジカルの1つに対応する式(Ia)の化合物。
【0055】
表7:R1がシクロヘキシルであり、R3が水素であり、炭素原子22および23間の結合が二重結合であり、そしてR2がB.1〜B.54下で列挙された表Bのラジカルの1つに対応する式(Ib)の化合物。
【0056】
表8:R1がシクロヘキシルであり、R3が水素であり、炭素原子22および23間の結合が単結合であり、そしてR2がB.1〜B.54下で列挙された表Bのラジカルの1つに対応する式(Ib)の化合物。
【0057】
表9:R1が1−メチル−ブチルであり、R3が水素であり、炭素原子22および23間の結合が二重結合であり、そしてR2がB.1〜B.54下で列挙された表Bのラジカルの1つに対応する式(Ia)の化合物。
【0058】
表10:R1が1−メチル−ブチルであり、R3が水素であり、炭素原子22および23間の結合が単結合であり、そしてR2がB.1〜B.54下で列挙された表Bのラジカルの1つに対応する式(Ia)の化合物。
【0059】
表11:R1が1−メチル−ブチルであり、R3が水素であり、炭素原子22および23間の結合が二重結合であり、そしてR2がB.1〜B.54下で列挙された表Bのラジカルの1つに対応する式(Ib)の化合物。
【0060】
表12:R1が1−メチル−ブチルであり、R3が水素であり、炭素原子22および23間の結合が単結合であり、そしてR2がB.1〜B.54下で列挙された表Bのラジカルの1つに対応する式(Ib)の化合物。
【表4】

【表5】

【0061】
表13:R1がsec−ブチル(B1a)またはイソプロピル(B1b)であり、炭素原子22および23間の結合が二重結合であり、R2がC(=O)R4であり、R3が水素であり、そしてR4がC.1〜C.38下で列挙された表Cのラジカルの1つに対応する式(Ia)の化合物。
【0062】
表14:R1がsec−ブチル(B1a)またはイソプロピル(B1b)であり、炭素原子22および23間の結合が二重結合であり、R2がC(=O)R4であり、R3が水素であり、そしてR4がC.1〜C.38下で列挙された表Cのラジカルの1つに対応する式(Ib)の化合物。
【0063】
表15:R1がsec−ブチル(B1a)またはイソプロピル(B1b)であり、炭素原子22および23間の結合が単結合であり、R2がC(=O)R4であり、R3が水素であり、そしてR4がC.1〜C.38下で列挙された表Cのラジカルの1つに対応する式(Ia)の化合物。
【0064】
表16:R1がsec−ブチル(B1a)またはイソプロピル(B1b)であり、炭素原子22および23間の結合が単結合であり、R2がC(=O)R4であり、R3が水素であり、そしてR4がC.1〜C.38下で列挙された表Cのラジカルの1つに対応する式(Ib)の化合物。
【0065】
表17:R1がシクロヘキシルであり、炭素原子22および23間の結合が二重結合であり、R2がC(=O)R4であり、R3が水素であり、そしてR4がC.1〜C.38下で列挙された表Cのラジカルの1つに対応する式(Ia)の化合物。
【0066】
表18:R1がシクロヘキシルであり、炭素原子22および23間の結合が二重結合であり、R2がC(=O)R4であり、R3が水素であり、そしてR4がC.1〜C.38下で列挙された表Cのラジカルの1つに対応する式(Ib)の化合物。
【0067】
表19:R1がシクロヘキシルであり、炭素原子22および23間の結合が単結合であり、R2がC(=O)R4であり、R3が水素であり、そしてR4がC.1〜C.38下で列挙された表Cのラジカルの1つに対応する式(Ia)の化合物。
【0068】
表20:R1がシクロヘキシルであり、炭素原子22および23間の結合が単結合であり、R2がC(=O)R4であり、R3が水素であり、そしてR4がC.1〜C.38下で列挙された表Cのラジカルの1つに対応する式(Ib)の化合物。
【0069】
表21:R1が1−メチル−ブチルであり、炭素原子22および23間の結合が二重結合であり、R2がC(=O)R4であり、R3が水素であり、そしてR4がC.1〜C.38下で列挙された表Cのラジカルの1つに対応する式(Ia)の化合物。
【0070】
表22:R1が1−メチル−ブチルであり、炭素原子22および23間の結合が二重結合であり、R2がC(=O)R4であり、R3が水素であり、そしてR4がC.1〜C.38下で列挙された表Cのラジカルの1つに対応する式(Ib)の化合物。
【0071】
表23:R1が1−メチル−ブチルであり、炭素原子22および23間の結合が単結合であり、R2がC(=O)R4であり、R3が水素であり、そしてR4がC.1〜C.38下で列挙された表Cのラジカルの1つに対応する式(Ia)の化合物。
【0072】
表24:R1が1−メチル−ブチルであり、炭素原子22および23間の結合が単結合であり、R2がC(=O)R4であり、R3が水素であり、そしてR4がC.1〜C.38下で列挙された表Cのラジカルの1つに対応する式(Ib)の化合物。
【表6】

【表7】

【表8】

【0073】
表25:R1がsec−ブチル(B1a)またはイソプロピル(B1b)であり、炭素原子22および23間の結合が単結合であり、そして各化合物に関するR2およびR3の組合せが表Dの列D.1〜D.46に対応する式(Ia)の化合物。
【0074】
表26:R1がsec−ブチル(B1a)またはイソプロピル(B1b)であり、炭素原子22および23間の結合が二重結合であり、そして各化合物に関するR2およびR3の組合せが表Dの列D.1〜D.46に対応する式(Ia)の化合物。
【0075】
表27:R1がsec−ブチル(B1a)またはイソプロピル(B1b)であり、炭素原子22および23間の結合が単結合であり、そして各化合物に関するR2およびR3の組合せが表Dの列D.1〜D.46に対応する式(Ib)の化合物。
【0076】
表28:R1がsec−ブチル(B1a)またはイソプロピル(B1b)であり、炭素原子22および23間の結合が二重結合であり、そして各化合物に関するR2およびR3の組合せが表Dの列D.1〜D.46に対応する式(Ib)の化合物。
【0077】
表29:R1がシクロヘキシルであり、炭素原子22および23間の結合が単結合であり、そして各化合物に関するR2およびR3の組合せが表Dの列D.1〜D.46に対応する式(Ia)の化合物。
【0078】
表30:R1がシクロヘキシルであり、炭素原子22および23間の結合が二重結合であり、そして各化合物に関するR2およびR3の組合せが表Dの列D.1〜D.46に対応する式(Ia)の化合物。
【0079】
表31:R1がシクロヘキシルであり、炭素原子22および23間の結合が単結合であり、そして各化合物に関するR2およびR3の組合せが表Dの列D.1〜D.46に対応する式(Ib)の化合物。
【0080】
表32:R1がシクロヘキシルであり、炭素原子22および23間の結合が二重結合であり、そして各化合物に関するR2およびR3の組合せが表Dの列D.1〜D.46に対応する式(Ib)の化合物。
【0081】
表33:R1が1−メチル−ブチルであり、炭素原子22および23間の結合が単結合であり、そして各化合物に関するR2およびR3の組合せが表Dの列D.1〜D.46に対応する式(Ia)の化合物。
【0082】
表34:R1が1−メチル−ブチルであり、炭素原子22および23間の結合が二重結合であり、そして各化合物に関するR2およびR3の組合せが表Dの列D.1〜D.46に対応する式(Ia)の化合物。
【0083】
表35:R1が1−メチル−ブチルであり、炭素原子22および23間の結合が単結合であり、そして各化合物に関するR2およびR3の組合せが表Dの列D.1〜D.46に対応する式(Ib)の化合物。
【0084】
表36:R1が1−メチル−ブチルであり、炭素原子22および23間の結合が二重結合であり、そして各化合物に関するR2およびR3の組合せが表Dの列D.1〜D.46に対応する式(Ib)の化合物。
【0085】
本発明はさらに以下の方法に関する:
(1)下での上記の式(I)の化合物の、そして適用可能な場合にはその互変異性体の調製方法であって、
(A)次式:
【化3】

(式中、波線により表される結合は、4’位でのSならびにR異性体を示し;R1は式(I)に関して(1)下で上記定義されたものと同様であり、炭素原子22および23間の結合は単結合または二重結合であり;
そしてQは保護基であり、これは公知であるかまたはそれ自体公知の方法により調製され得る)
の化合物を、次式:
【化4】

(式中、R2およびR3は、式(I)に関して上記定義されたものと同様であり、そしてHalはハロゲン原子、好ましくは塩素、臭素またはヨウ素であり、これは公知で有るかまたはそれ自体公知の方法により調製され得る)
の化合物と反応させて、次式:
【化5】

(式中、炭素原子22および23間の結合は単結合または二重結合であり得るし、Q、R1、R2およびR3は式(II)に関して定義されたものと同様である)
の化合物を生成し;そして
(B)そのようにして得られた式(IV)の化合物の保護基Qを除去し;あるいは
(C)R1およびR3が式(I)に関して定義されたものと同様であり、そしてR2がHである式(I)の化合物を、式Hal−R2(式中、R2は、Hを除いて、式(I)に関して定義されたものと同様であり、Halはハロゲン、特に塩素、臭素またはヨウ素である)の化合物と反応させ;あるいは
(D)式(IV)(式中、Q、R1およびR3は式(IV)に関して定義されたものと同様であり、R2はHである)の化合物を、式Hal−R2(式中、R2は、Hを除いて、式(I)に関して定義されたものと同様であり、Halはハロゲン、特に塩素、臭素またはヨウ素である)の化合物と反応させ;そして製法段階(B)と同様にして得られた式(IV)の化合物から保護基Qを除去する
ことを包含する方法;あるいは
【0086】
式(I)(式中、R1は式(I)に関して定義されたのと同様であり、そしてR2およびR3は、水素以外は、式(I)に関して定義されたのと同一である)の化合物の、および適用可能である場合にはその互変異性体の調製方法であって、以下の:
(E)R1が式(I)に関して定義されたのと同様であり、そしてR2およびR3がHである式(I)の化合物を、式Hal−R2(式中、R2は、Hを除いて、式(I)に関して定義されたものと同様であり、Halはハロゲン、特に塩素、臭素またはヨウ素である)の2モルの化合物と反応させ;あるいは式(IV)(式中、R1は式(IV)に関して定義されたものと同様であり、R2およびR3はHである)の化合物を、式Hal−R2(式中、R2は、Hを除いて、式(I)に関して定義されたものと同様であり、Halはハロゲン、特に臭素またはヨウ素である)の2モルの化合物と反応させ;そして次に製法段階(B)と同様に保護基Qを除去する
ことを包含する方法;あるいは
【0087】
式(I)(式中、R1は式(I)に関して定義されたのと同様であり、そしてR2およびR3はともに、3〜7員アルキレン架橋または4〜7員アルケニレン架橋であり、この場合、アルキレンまたはアルケニレン中の1つのCH2基はO、SまたはNR5により置換されていることがある)の化合物の、および適用可能である場合にはその互変異性体の調製方法であって、以下の:
(F)R1が式(I)に関して定義されたのと同様であり、そしてR2およびR3がHである式(I)の化合物を、式Hal−A−Hal(式中、架橋成員AはR2およびR3の両方についての上記の定義を有し、そしてHalはハロゲン、特に塩素、臭素またはヨウ素である)の1モルの化合物と反応させ;あるいは製法段階(E)と同様に、式(IV)(式中、R1およびQは式(IV)に関して定義されたものと同様であり、そしてR2およびR3はHである)の化合物を、上記と定義した式Hal−A−Halの1モルの化合物と反応させ、そして次に製法段階(B)と同様に保護基Qを除去する
ことを包含する方法;あるいは
【0088】
式(I)(式中、R2は−C(O)R4であり、そしてR1、R3およびR4は式(I)に関して定義されたのと同様である)の化合物の、および適用可能である場合にはその互変異性体の調製方法であって、以下の:
(G)式(I)(式中、R1およびR3は式(I)に関して定義されたのと同様であり、そしてR2はHである)の化合物を、式Hal−C(O)R4(式中、R4は式(I)に関して上記定義されたのと同様であり、そしてHalはハロゲンである)の化合物と反応させ;あるいは式(IV)(式中、R1、R3、R4およびQは式(I)に関して定義されたのと同様であり、そしてR2はHである)の化合物を、式Hal−C(O)R4(式中、R4は式(I)に関して上記定義されたのと同様であり、そしてHalはハロゲンである)の化合物と反応させ;そして次に保護基Qを除去する
ことを包含する方法。
【0089】
式(I)の化合物の互変異性体に関して上記でなされた言及は、それらの互変異性体に関して本明細書中の上記および後記で記述される出発原料にも同様に当てはまる。
【0090】
本明細書中の上記および後記に発表する反応は、それ自体公知の方式で、例えば適切な溶媒または希釈剤のあるいはそれらの混合物の非存在下で、または通例は存在下で、実行され、反応は、必要に応じて、冷却しながら、室温で、または加熱しながら、例えばおよそ−80℃から、反応媒質の沸騰温度まで、好ましくは約0℃〜約プラス150℃の温度範囲で、そして必要な場合は、密閉容器中で、加圧下で、不活性ガス環境下でおよび/または無水条件下で実行される。特に有益な反応条件は、実施例中に見出すことができる。
【0091】
反応時間は重要ではない。約0.1〜約72時間、特に約0.5〜約24時間の反応時間が好ましい。
【0092】
生成物は、通例の方法により、例えば濾過、結晶化、蒸留またはクロマトグラフィーにより、あるいはかかる方法の任意の適切な組合せにより、単離される。
【0093】
式(I)の化合物、そして適用可能な場合はそれらの互変異性体の調製のために用いられる本明細書中の上記および後記に記述される出発原料は、公知であるか、あるいはそれ自体公知の方法により、例えば下記のように調製され得る。
次式:
【化6】

(式中、炭素原子22および23間の結合は単結合または二重結合であり、そしてR1およびQは上記式(II)と同様である)
の出発原料は、当業者に公知である。
【0094】
変法(A):
溶媒および希釈剤の例としては、以下のものが挙げられる:芳香族、脂肪族および脂環式炭化水素ならびにハロゲン化炭化水素、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ブロモベンゼン、石油エーテル、ヘキサン、シクロヘキサン、ジクロロメタン、トリクロロメタン、テトラクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエテンまたはテトラクロロエテン;エーテル、例えばジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジメトキシジエチルエーテル、テトラヒドロフランまたはジオキサン;カルボン酸のエステル、例えば酢酸エチル;アミド、例えばジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドまたは1−メチル−2−ピロリジノン;ニトリル、例えばアセトニトリル;スルホキシド、例えばジメチルスルホキシド;あるいは上記の溶媒の混合物。アミド、例えばジメチルホルムアミドおよびジメチルアセトアミド、特にジメチルアセトアミドが選択される。
【0095】
式(II)および(IV)の化合物中の保護基Qとしては、以下のものが挙げられる:アルキルエーテルラジカル、例えばメトキシメチル、メチルチオメチル、tert−ブチルチオメチル、ベンジルオキシメチル、p−メトキシベンジル、2−メトキシエトキシメチル、2,2,2−トリクロロエトキシメチル、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、1−エトキシエチル、1−(2−クロロエトキシ)エチル、1−メチル−1−メトキシエチル、1−メチル−1−ベンジルオキシエチル、トリクロロエチル、2−トリメチルシリルエチル、tert−ブチル、アリル、p−メトキシフェニル、2,4−ジニトロフェニル、ベンジル、p−メトキシベンジル、o−ニトロベンジル、p−ニトロベンジル、トリフェニルメチル;トリアルキルシリルラジカル、例えばトリメチルシリル、トリエチルシリル、ジメチル−tert−ブチルシリル、ジメチル−イソプロピルシリル、ジメチル−1,1,2−トリメチルプロピルシリル、ジエチル−イソプロピルシリル、ジメチル−tert−ヘキシルシリル(しかしフェニル−tert−アルキルシリル基、例えばジフェニル−tert−ブチルシリルも);エステル、例えばホルメート、アセテート、クロロアセテート、ジクロロアセテート、トリクロロアセテート、トリフルオロアセテート、メトキシアセテート、フェノキシアセテート、ピバロエート、ベンゾエート;アルキルカルボネート、例えばメチル−、9−フルオレニルメチル−、エチル−、2,2,2−トリ−クロロエチル−、2−(トリメチルシリル)エチル−、ビニル−、アリル−、ベンジル−、p−メトキシベンジル−、o−ニトロベンジル−、p−ニトロベンジル−(しかしp−ニトロフェニル−も)カルボネート。
【0096】
トリアルキルシリルラジカル、例えばトリメチルシリル、トリエチルシリル、ジメチルtert−ブチルシリル、ジフェニル−tert−ブチルシリル、エステル、例えばメトキシアセテートおよびフェノキシアセテート、ならびにカルボネート、例えば9−フルオレニルメチルカルボネートおよびアリルカルボネートが選択される。ジメチル−tert−ブチルシリルエーテルが特に好ましい。
【0097】
反応は、約−70℃〜50℃、好ましくは−10℃〜25℃の温度範囲で有益に実行される。
【0098】
変法(B):
溶媒および希釈剤の例は、変法A下で記述されたものと同一である。さらにアルコール、例えばメタノール、エタノールまたは2−プロパノールおよび水が適している。
【0099】
反応は、約−70℃〜100℃、好ましくは−10℃〜25℃の温度範囲で有益に実行される。
【0100】
保護基の除去に適しているのは、ルイス酸、例えば塩酸、メタンスルホン酸、BF3・OEt2、ピリジン中HF、Zn(BF4)・H2O、p−トルエンスルホン酸、AlCl3、HgCl2;フッ化アンモニウム、例えばフッ化テトラブチルアンモニウム;塩基、例えばアンモニア、トリアルキルアミンまたは複素環式塩基;触媒、例えば炭素上のパラジウムによる水素化分解;触媒、例えばPd(PPh34を伴う還元剤、例えばホウ化水素ナトリウムまたは水素化トリブチルスズ、あるいは酢酸を伴う亜鉛である。
【0101】
酸、例えばメタンスルホン酸またはピリジン中HF;Pd(0)を伴うホウ化水素ナトリウム;塩基、例えばアンモニア、トリエチルアミンまたはピリジン;特に酸、例えばピリジン中HFまたはメタンスルホン酸が選択される。
【0102】
変法(C):
溶媒および希釈剤の例は、変法(A)下で記述されたものと同一である。さらにアルコール、例えばメタノール、エタノールまたは2−プロパノールが適している。アミド、例えばジメチルホルムアミド、およびニトリル、例えばアセトニトリル、特にアセトニトリルが選択される。
【0103】
反応は、約−10℃〜120℃、好ましくは20℃〜100℃の温度範囲で有益に実行される。
【0104】
適切な塩基は、特にカルボネート、例えば炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、トリアルキルアミン、例えばトリエチルアミン、ならびに複素環式塩基、例えばピリジンである。
【0105】
変法(D)〜(F)は、変法(C)と実質的に同様に実行される。
【0106】
変法(G):
溶媒および希釈剤の例は、変法(B)下で記述されたものと同一である。
酢酸エチルおよび水が好ましい。
反応は、約−10℃〜120℃、好ましくは20℃〜80℃の温度範囲で有益に実行される。
適切な塩基は、特にカルボネート、例えば炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、トリアルキルアミン、例えばトリエチルアミン、ならびに複素環式塩基、例えばピリジンである。
【0107】
式(I)の化合物は、考え得る異性体のうちの1つの形態またはその混合物の形態、純異性体の形態、異性体混合物の形態、即ちジアステレオマー混合物の形態であり得る。本発明は、純異性体およびジアステレオマー混合物の両方に関する。そして本発明は、立体化学的詳細が全ての場合に特定的に記述されない場合でも、本明細書中の上記および後記に従って解釈されるべきである。
【0108】
ジアステレオマー混合物は、公知の方法により、例えば溶媒からの再結晶化により、クロマトグラフィー、例えばアセチルセルロース上での高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)により、適切な微生物の助けにより、特定の固定化酵素を用いた切断により、あるいは封入化合物の生成により、例えばクラウンエーテルを用いて、純異性体に分解され、一異性体のみの複合体が形成される。
【0109】
異性体の対応する混合物の分離とは別に、純ジアステレオマーは、立体選択合成の一般に公知の方法により、例えばそれ相当に適した立体化学を有する出発原料を用いて、本発明に従う製法を実行することによっても、本発明により得ることができる。
【0110】
各々の場合、生物学的により活性な異性体を単離または合成するのが有益であり、この場合、個々の構成成分は異なる生物学的活性を有する。
【0111】
式(I)の化合物は、それらの水和物の生成においても得られるし、および/または他の溶媒、例えば固体形態の化合物の結晶化のために用いられ得た溶媒を含み得る。
【0112】
本発明は、出発原料または製法の任意の段階での中間体として得られる化合物が出発原料として用いられ、そして残りの段階の全てまたはいくつかが実行されるか、あるいは出発原料が誘導体および/または塩および/またはそのジアステレオマーの形態で用いられ、あるいは特に反応条件下で生成される製法の全ての実施形態に関する。例えばその遊離または保護化形態で官能基を保有する式(I)の化合物は、式(I)のさらなる化合物の調製のための出発原料として用いることができる。かかる操作のために、当業者に公知の方法を適用することができる。
【0113】
本発明の製法では、特に好適である式(I)の化合物を生じる出発原料および中間体を用いるのが好ましい。
【0114】
本発明は、特に実施例に記載された調製方法に関する。
本発明はさらに、式(IV)の化合物、そして適用可能な場合には、各々の場合、遊離形態または塩形態でのE/Z異性体、E/Z異性体の混合物および/または互変異性体に関する。
【0115】
害虫制御の領域において、本発明の式(I)の化合物は、温血動物、魚類および植物に良好に耐容されながら、有益な殺生物範囲を、そして低濃度比率でさえ非常に広い範囲を有する有益な予防および/または治癒活性を示す有効成分である。それらは、意外にも、ヒトにおいて、そしてとりわけ多産な家畜類、飼育動物およびペットにおいて、植物害虫ならびに外部および内部寄生生物の両方を制御するのに等しく適している。それらは、有用生物を同時に防御しながら、通常の感受性動物害虫の、そしてまた耐性動物害虫、例えば昆虫ならびにダニ目、線虫、条虫および吸虫類の代表生物の、全てのまたは個々の発達段階に対して有効である。本発明の有効成分の殺昆虫または殺ダニ活性はそれ自体、直接的には、即ち害虫の死亡率において現れ、これは脱皮の直後に、または脱皮後にのみ、時としては例えば脱皮中に生じ、あるいは間接的には、例えば産卵および/または孵化率低減において現れ、良好な活性は少なくとも50〜60%の死亡率に対応する。
【0116】
本発明の対象の範囲の中での功を奏する制御は、特に鱗翅目、鞘翅目、直翅目、等翅目、チャタテムシ目、シラミ目、ハジラミ目、総翅目、異翅亜目、同翅亜目、膜翅目、双翅目、ノミ目、シミ目およびダニ目、主にダニ目、双翅目、シミ目、鱗翅目および鞘翅目からの害虫について可能である。特に非常に良好な制御は、以下の害虫について可能である:
Abagrotis spp. , Abraxas spp., Acantholeucania spp. , Acanthoplusia spp. , Acarus spp., Acarus siro, Aceria spp. , Aceria sheldoni, Acleris spp. , Acoloithus spp. , Acompsia spp., Acossus spp. , Acria spp. , Acrobasis spp. , Acrocercops spp., Acrolepia spp. , Acrolepiopsis spp. , Acronicta spp., Acropolitis spp. , Actebia spp., Aculus spp. , Aculus schlechtendali, Adoxophyes spp. , Adoxophyes reticulana, Aedes spp. , Aegeria spp. , Aethes spp. , Agapeta spp. , Agonopterix spp. , Agriopis spp. , Agriotes spp.,Agriphila spp. , Agrochola spp. , Agroperina spp. , Alabama ssp. , Alabama argillaceae, Agrotis spp., Albuna spp. , Alcathoe spp. , Alcis spp. , Aleimma spp. , Aletia spp. , Aleurothrixus spp. , Aleurothrixus floccosus, Aleyrodes spp. , Aleyrodes brassicae, Allophyes spp. , Alsophila spp. , Amata spp. , Amathes spp., Amblyomma spp. , Amblyptilia spp. , Ammoconia spp. , Amorbia spp. , Amphion spp. , Amphipoea spp. , Amphipyra spp., Amyelois spp. , Anacamptodes spp. , Anagrapha spp. , Anarsia spp. , Anatrychyntis spp., Anavitrinella spp. , Ancylis spp. , Andropolia spp. , Anhimella spp. , Antheraea spp. , Antherigona spp. , Antherigona soccata, Anthonomus ssp. , Anthonomus grandis, Anticarsia spp. , Anticarsia gemmatalis, Aonidiella spp. , Apamea spp. , Aphania spp.,Aphelia spp. , Aphididae, Aphis spp. , Apotomis spp. , Aproaerema spp. , Archippus spp., Archips spp. , Acromyrmex, Arctia spp. , Argas spp., Argolamprotes spp. , Argyresthia spp., Argyrogramma spp.,Argyroploce spp. , Argyrotaenia spp. , Arotrophora spp. , Ascotis spp., Aspidiotus spp., Aspilapteryx spp. , Asthenoptycha spp. , Aterpia spp. , Athetis spp. , Atomaria spp. , Atomaria linearis, Atta spp. , Atypha spp. , Autographa spp., Axylia spp. , Bactra spp., Barbara spp. , Batrachedra spp.,Battaristis spp. , Bembecia spp. , Bemisia spp. , Bemisia tabaci, Bibio spp. , Bibio hortulanis, Bisigna spp., Blastesthia spp. , Blatta spp. , Blatella spp. , Blepharosis spp. , Bleptina spp. , Boarmia spp. , Bombyx spp., Bomolocha spp. , Boophilus spp. , Brachmia spp. , Bradina spp., Brevipalpus spp. , Brithys spp. , Bryobia spp. , Bryobiapraetiosa, Bryotropha spp., Bupalus spp. , Busseola spp. , Busseola fusca, Cabera spp., Cacoecimorpha spp. , Cadra spp. , Cadra cautella, Caenurgina spp., Calipitrimerus spp. , Callierges spp. , Callophpora spp. , Callophpora erythrocephala, Calophasia spp. , Caloptilia spp. , Calybites spp. , Capnoptycha spp. , Capua spp. , Caradrina spp. , Caripeta spp. , Carmenta spp. , Carposina spp. , Carposina nipponensis, Catamacta spp., Catelaphris spp. , Catoptria spp., Caustoloma spp. , Celaena spp. , Celypha spp. , Cenopis spp. , Cephus spp., Ceramica spp. , Cerapteryx spp. , Ceratitis spp, Ceratophyllus spp. , Ceroplaster spp. , Chaeto- cnema spp. , Chaetocnema tibialis, Chamaesphecia spp. , Charanvca spp., Cheimophila spp. , Chersotis spp. , Chiasmia spp., Chilo spp. , Chionodes spp. , Chorioptes spp. , Choristoneura spp. , Chrysaspidia spp. , Chrysodeixis spp. , Chrysomya spp., Chrysomphalus spp. , Chrysomphalus dictyospermi, Chrysomphalus aonidium, Chrysoteuchia spp., Cilix spp. , Cimex spp. , Clysia spp. , Clysia ambiguella, Clepsis spp. , Cnaemidophorus spp., Cnaphalocrocis spp. , Cnephasia spp. , Coccus spp. , Coccus hesperidum, Cochylis spp. , Coleophora spp. , Colotois spp. , Commophila spp. , Conistra spp., Conopomorpha spp. , Corcyra spp. , Cornutiplusia spp. , Cosmia spp., Cosmopolites spp. , Cosmopterix spp. , Cossus spp. , Costaeonvexa spp. , Crambus spp. , Creatonotos spp., Crocidolomia spp. , Crocidolomia binotalis, Croesia spp. , Crymodes spp. , Cryptaspasma spp., Cryptoblabes spp. , Cryptocala spp. , Cryptophlebia spp. , Cryptophlebia leucotreta, Cryptoptila spp. , Ctenopseustis spp., Cucullia spp. , Curculio spp. , Culex spp. , Cuterebra spp. , Cydia spp. , Cydia pomonella, Cymbalophora spp. , Dactylethra spp. , Dacus spp. , Dadica spp., Damalinea spp. , Dasychira spp. , Decadarchis spp. , Decodes spp., Deilephila spp. , Deltodes spp. , Dendrolimus spp. , Depressaria spp. , Dermestes spp. , Dermanyssus spp. , Dermanyssus gallinae, Diabrotica spp. , Diachrysia spp. , Diaphania spp. , Diarsia spp. , Diasemia spp. , Diatraea spp. , Diceratura spp. , Dichomeris spp., Dichrocrocis spp. , Dichrorampha spp., Dicycla spp. , Dioryctria spp. , Diparopsis spp. , Diparopsis castanea, Dipleurina spp. , Diprion spp. , Diprionidae, Discestra spp. , Distantilla spp. , Distantiella theobroma,Ditula spp. , Diurnea spp. , Doratopteryx spp. , Drepana spp. , Drosphila spp. , Drosphila melanogaster, Dysauxes spp. , Dysdercus spp. , Dysstroma spp. , Eana spp. , Earias spp., Ecclitica spp. , Ecdytolopha spp. , Ecpyrrhorrhoe spp. , Ectomyelois spp. , Eetropis spp. , Egira spp., Elasmopalpus spp. , Emmelia spp. , mpoasca spp., Empyreuma spp. , Enargia spp. , Enarmonia spp. , Endopiza spp. , Endothenia spp. , Endotricha spp. , Eoreuma spp. , Eotetranychus spp. , Eotetranychus carpini, Epagoge spp., Epelis spp. , Ephestia spp. , Ephestiodes spp., Epiblema spp. , Epiehoristodes spp. , Epinotia spp., Epiphyas spp., Epiplema spp. , Epipsestis spp. , Epirrhoe spp. , Episimus spp. , Epitymbia spp. , Epllachna spp. , Erannis spp. , Erastria spp. , Eremnus spp. , Ereunetis spp. , Eriophyes spp. , Eriosoma spp. , Eriosoma lanigerum, Erythroneura spp. , Estigmene spp. , Ethmia spp., Etiella spp. , Euagrotis spp. , Eucosma spp., Euehlaena spp. , Euelidia spp. , Eueosma spp., Euchistus spp. , Eucosmomorpha spp. , Eudonia spp. , Eufidonia spp. , Euhyponomeutoides spp. , Eulepitodes spp. , Eulia spp. , Eulithis spp. , Eupithecia spp., Euplexia spp. , Eupoecilia spp. , Eupoecilia ambiguella, Euproctis spp., Eupsilia spp. , Eurhodope spp. , Eurois spp., Eurygaster spp. , Eurythmia spp. , Eustrotia spp. , Euxoa spp. , Euzophera spp. , Evergestis spp. , Evippe spp. , Exartema spp. , Fannia spp. , Faronta spp., Feltia spp. , Filatima spp. , Fishia spp., Frankliniella spp. , Fumibotys spp. , Gaesa spp. , Gasgardia spp., Gastrophilus spp. , Gelechia spp. , Gilpinia spp. , Gilpinia polytoma, Glossina spp. , Glyphipterix spp. , Glyphodes spp. , Gnorimoschemini spp. , Gonodonta spp. , Gortyna spp., Gracillaria spp. , Graphania spp., Grapholita spp. , Grapholitha spp. , Gravitarmata spp. , Gretchena spp., Griselda spp. , Gryllotalpa spp. , Gynaephora spp. , Gypsonoma spp. , Hada spp. , Haematopinus spp., Halisidota spp. , Harpipteryx spp. , Harrisina spp. , Hedya spp., Helicoverpa spp. , Heliophobus spp. , Heliothis spp. , Hellula spp. , Helotropa spp. , Hemaris spp. , Hercinothrips spp. , Herculia spp. , Hermonassa spp. , Heterogenea spp., Holomelina spp. , Homadaula spp. , Homoeosoma spp., Homoglaea spp. , Homohadena spp. , Homona spp. , Homonopsis spp., Hoplocampa spp. , Hoplodrina spp. , Hoshinoa spp., Hxalomma spp. , Hydraecia spp., Hydriomena spp., Hyles spp. , Hyloicus spp. , Hypagyrtis spp. , Hypatima spp. , Hyphantria spp. , Hyphantria cunea, Hypocala spp. , Hypocoena spp. , Hypodema spp. , Hyppobosca spp., Hypsipyla spp. , Hyssia spp. , Hysterosia spp., Idaea spp., dia spp. , Ipimorpha spp., Isia spp. , Isochorista spp., Isophrictis spp., Isopolia spp. , Isotrias spp., Ixodes spp. , Itame spp. , Jodia spp. , Jodis spp. , Kawabea spp. , Keiferia spp., Keiferia lycopersicella, Labdia spp. , Lacinipolia spp. , Lambdina spp. , Lamprothritpa spp., Laodelphax spp. , Lasius spp. , Laspeyresia spp. , Leptinotarsa spp. , Leptinotarsa decemlineata, Leptocorisa spp., Leptostales spp. , Lecanium spp. , Lecanium comi, Lepidosaphes spp. , Lepisma spp. , Lepisma saccharina, Lesmone spp. , Leucania spp. , Leucinodes spp. , Leucophaea spp. , Leucophaea maderae, Leucoptera spp. , Leucoptera scitella, Linognathus spp., Liposcelis spp. , Lissorhoptrus spp., Lithacodia spp., Lithocolletis spp. , Lithomoia spp. , Lithophane spp. , Lixodessa spp. , Lobesia spp. , Lobesia botrana, Lobophora spp. , Locusta spp., Lomanaltes spp. , Lomographa spp., Loxagrotis spp. , Loxostege spp., Lucilia spp. , Lymantria spp. , Lymnaecia spp. , Lyonetia spp. , Lyriomyza spp. , Macdonnoughia spp. , Macrauzata spp. , Macronoctua spp. , Macrosiphus spp., Malacosoma spp. , Maliarpha spp. , Mamestra spp. , Mamestra brassicae, Manduca spp. , Manduca sexta, Marasmia spp. , Margaritia spp. , Matratinea spp. , Matsumu raeses spp., Melanagromyza spp. , Melipotes spp. , Melissopus spp. , Melittia spp. , Melolontha spp. , Meristis spp. , Meritastis spp. , Merophyas spp. , Mesapamea spp. , Mesogona spp., Mesoleuca spp. , Metanema spp. , Metendothenia spp. , Metzneria spp. , Micardia spp. , Microcorses spp., Microleon spp. , Mnesictena spp. , Mocis spp. , Monima spp. , Monochroa spp., Monomorium spp. , Monomorium pharaonis, Monopsis spp. , Morrisonia spp. , Musca spp., Mutuuraia spp.,Myelois spp. , Mythimna spp. , Myzus spp. , Naranga spp. , Nedra spp. , Nemapogon spp. , Neodiprion spp., Neosphaleroptera spp. , Nephelodes spp. , Nephotettix spp. , Nezara spp., Nilaparvata spp. , Niphonympha spp., Nippoptilia spp. , Noctua spp., Nola spp. , Notocelia spp. , Notodonta spp., Nudaurelia spp. , Ochropleura spp. , Ocnerostoma spp., Oestrus spp., Olethreutes spp. , Oligia spp. , Olindia spp. , Olygonychus spp. , Olygonychus gallinae, Oncocnemis spp. , Operophtera spp. , Ophisma spp. , Opogona spp. , Oraesia spp., Orniodoros spp. , Orgyia spp. , Oria spp., Orseolia spp. , Orthodes spp. , Orthogonia spp., Orthosia spp., Oryzaephilus spp. , Oscinella spp. , Oscinella frit, Osminia spp. , Ostrinia spp., Ostrinia nubilalis, Otiorhynchus spp. , Ourapteryx spp. , Pachetra spp. , Pachysphinx spp., Pagyda spp., Paleacrita spp. , Paliga spp. , Palthis spp. , Pammene spp. , Pandemis spp., Panemeria spp., Panolis spp. , Panolis flammea, Panonychus spp. , Parargyresthia spp., Paradiarsia spp., Paralobesia spp. , Paranthrene spp. , Parapandemis spp. , Parapediasia spp. , Parastichtis spp. , Parasyndemis spp. , Paratoria spp. , Pareromeme spp. , Pectinophora spp. , Pectinophora gossypiella, Pediculus spp. , Pegomyia spp. , Pegomyia hyoscyami, Pelochrista spp. , Pennisetia spp. , Penstemonia spp. , Pemphigus spp. , Peribatodes spp., Peridroma spp., Perileucoptera spp. , Periplaneta spp. , Perizoma spp. , Petrova spp. , Pexicopia spp., Phalonia spp. , Phalonidia spp
. , Phaneta spp., Phlyctaenia spp. , Phlyctinus spp. , Phorbia spp. , Phragmatobia spp. , Phricanthes spp. , Phthorimaea spp. , Phthorimaea operculella, Phyllocnistis spp. , Phyllocoptruta spp. , Phyllocoptruta oleivora, Phyllonorycter spp. , Phyllophila spp. , Phylloxera spp. , Pieris spp. , Pieris rapae, Piesma spp., Planococus spp. , Planotortrix spp. , Platyedra spp. , Platynota spp. , Platyptilia spp. , Platysenta spp. , Plodia spp. , Plusia spp. , Plutella spp. , Plutella xylostella, Podosesia spp., Polia spp. , Popillia spp. , Polymixis spp. , Polyphagotarsonemus spp. , Polyphagotarsonemus latus, Prays spp., Prionoxystus spp., Probole spp. , Proceras spp. , Prochoerodes spp., Proeulia spp. , Proschistis spp., Proselena spp. , Proserpinus spp. , Protagrotis spp. , Proteoteras spp. , Protobathra spp. , Protoschinia spp., Pselnophorus spp. , Pseudaletia spp. , Pseudanthonomus spp. , Pseudaternelia spp. , Pseudaulacaspis spp. , Pseudexentera spp. , Pseudococus spp., Pseudohermenias spp., Pseudoplusia spp. , Psoroptes spp., Psylla spp. , Psylliodes spp. , Pterophorus spp., Ptycholoma spp. , Pulvinaria spp. , Pulvinaria aethiopica, Pyralis spp. , Pyrausta spp. , Pyrgotis spp. , Pyrreferra spp. , Pyrrharctia spp. , Quadraspidiotus spp. , Rancora spp. , Raphia spp., Reticultermes spp. , Retinia spp., Rhagoletis spp, Rhagoletis pomonella, Rhipicephalus spp. , Rhizoglyphus spp. , Rhizopertha spp. , Rhodnius spp. , Rhophalosiphum spp. , Rhopobota spp. , Rhyacia spp. , Rhyacionia spp. , Rhynchopacha spp. , Rhyzosthenes spp., Rivula spp. , Rondotia spp. , Rusidrina spp., Rynchaglaea spp. , Sabulodes spp. , Sahlbergella spp. , Sahlbergella singularis, Saissetia spp., Samia spp. , Sannina spp., Sanninoidea spp. , Saphoideus spp. , Sarcoptes spp. , Sathrobrota spp. , Scarabeidae, Sceliodes spp. , Schinia spp. , Schistocerca spp., Schizaphis spp. , Schizura spp. , Schreckensteinia spp. , Sciara spp. , Scirpophaga spp. , Scirthrips auranti, Scoparia spp., Scopula spp. , Scotia spp. , Scotinophara spp. , Scotogramma spp., Scrobipalpa spp. , Scrobipalpopsis spp. , Semiothisa spp. , Sereda spp. , Sesamia spp. , Sesia spp. , Sicya spp. , Sideridis spp. , Simyra spp. , Sineugraphe spp. , Sitochroa spp. , Sitobion spp., Sitophilus spp. , Sitotroga spp., Solenopsis spp. , Smerinthus spp. , Sophronia spp., Spaelotis spp. , Spargaloma spp. , Sparganothis spp. , Spatalistis spp. , Sperchia spp. , Sphecia spp. , Sphinx spp., Spilonota spp. , Spodoptera spp. , Spodoptera littoralis, Stagmatophora spp., Staphylinochrous spp. , Stathmopoda spp., Stenodes spp. , Sterrha spp. , Stomoxys spp. , Strophedra spp. , Sunira spp. , Sutyna spp., Swammerdamia spp., Syllomatia spp. , Sympistis spp. , Synanthedon spp. , Synaxis spp., Syncopacma spp. , Syndemis spp. , Syngrapha spp. , Synthomeida spp. , Tabanus spp., Taeniarchis spp. , Taeniothrips spp. , Tannia spp. , Tarsonemus spp., Tegulifera spp. , Tehama spp., Teleiodes spp. , Telorta spp. , Tenebrio spp. , Tephrina spp., Teratoglaea spp. , Terricula spp. , Tethea spp. , Tetranychus spp., Thalpophila spp. , Thaumetopoea spp. , Thiodia spp. , Thrips spp. , Thrips palmi, Thrips tabaci, Thyridopteryx spp. , Thyris spp., Tineola spp. , Tipula spp. , Tortricidia spp. , Tortrix spp. , Trachea spp., Trialeurodes spp. , Trialeurodes vaporariorum, Triatoma spp. , Triaxomera spp., Tribolium spp. , Tricodectes spp., Trichoplusia spp. , Trichoplusia ni, Trichoptilus spp. , Trioza spp. , Trioza erytreae, Triphaenia spp. , Triphosa spp. , Trogoderma spp. , Tyria spp. , Udea spp. , Unaspis spp. , Unaspis citri, Utetheisa spp., Valeriodes spp. , Vespa spp. , Vespamima spp., Vitacea spp., Vitula spp. , Witlesia spp. , Xanthia spp. , Xanthorhoe spp. , Xanthotype spp. , Xenomicta spp., Xenopsylla spp. , Xenopsylla cheopsis, Xestia spp., Xylena spp. , Xylomyges spp. , Xyrosaris spp. , Yponomeuta spp. , Yp-solopha spp. , Zale spp. , Zanclognathus spp. , Zeiraphera spp. , Zenodoxus spp. , Zeuzera spp. , Zygaena spp.,
【0117】
本発明の化合物を用いて、線形動物門の害虫を制御することもできる。このような害虫としては、例えば以下のものが挙げられる:
【0118】
ネコブ線虫、シスト形成線虫、ならびに茎および葉線虫;
特にシストセンチュウ、例えばヘテロデラシャクティHeterodera schachtii、ムギシストセンチュウおよびクローバシストセンチュウ;グロボデラ属、例えばジャガイモシストセンチュウ;ネコブセンチュウ属、例えばサツマイモネコブセンチュウ、ジャワネコブセンチュウ;ラドフォルス属、例えばラドフォルスシミリス;ネグサレセンチュウ、例えばムギネグサレセンチュウおよびキタネグサレセンチュウ;チレンクルスTylenchulus属、例えばミカンネセンチュウ;ロンギドルスLongidorus属、ユミハリセンチュウ、オオハリセンチュウ、クキセンチュウ、Apheenchoidesおよびコムギツブセンチュウ;特にネコブセンチュウ属、例えばサツマイモネコブセンチュウおよびシストセンチュウ、例えばダイズシストセンチュウ。
【0119】
本発明の特に重要な観点は、寄生性採食害虫に対する植物の防御における本発明の式(I)の化合物の使用である。
【0120】
動物害虫に対する本発明の化合物およびそれらを含む組成物の作用は、その他の殺昆虫剤、殺ダニ剤または殺線虫剤の付加により、所定の環境に有意に広げられそして適合され得る。適切な添加剤としては、例えば以下のクラスの有効成分の代表物が挙げられる:有機リン化合物、ニトロフェノールおよび誘導体、ホルムアミジン、尿素、カルバメート、ピレスロイド、塩素化炭化水素、ネオニコチノイドおよびバチルス・チューリンギエンシス調製物。
【0121】
特に適切な混合相手の例としては、以下のものが挙げられる:アザメチホス;クロルフェンビンホス;シペルメトリン、シペルメトリン・ハイ−シス;シロマジン;ジアフェンチウロン;ジアジノン;ジクロルボス;ジクロトホス;ジシクラニル;フェノキシカルブ;フルアズロン;フラチオカルブ;イサゾホス;ヨードフェンホス;キノプレン;ルフェヌロン;メタクリホス;メチダチオン;モノクロトホス;ホスファミドン;プロフェノホス;ジオフェノラン;バチルス・チューリンギエンシスGC91菌株またはNCTC11821菌株から得られる化合物;ピネトロジン;ブロモプロピレート;メトプレン;ジスルフォトン;キナルホス;タウフルバリネート;チオシクラム;チオメトン;アルジカルブ;アジンホス−メチル;ベンフラカルブ;ビフェントリン;ブプロフェジン;カルボフラン;ジブチルアミノチオ;カルタップ;クロルフルアズロン;クロルピリホス;クロチアニジン;シフルトリン;ラムダ−シハロトリン;アルファ−シペルメトリン;ゼータ・シペルメトリン;デルタメトリン;ジフルベンズロン;エンドスルファン;エチオフェンカルブ;フェニトロチオン;フェノブカルブ;フェンバレレート;フォルモチオン;メチオカルブ;ヘプテノホス;イミダクロピリド;イソプロカルブ;メタミドホス;メトミル;メビンホス;パラチオン;パラチオン−メチル;ホスサロン;ピリミカルブ;プロポキスル;テフルベンズロン;テルブホス;トリアザメート;フェノブカルブ;テブフェノジド;フィプロニル;ベータ・シフルトリン;シラフルオフェン;フェンピロキシメート;ピリダベン;フェナザキン;ピリプロキシフェン;ピリミジフェン;ニテンピラム;アセタミピリド;エマメクチン;エマメクチン−ベンゾエート;スピノサド;昆虫に対して活性である植物抽出物;線虫を含み、そして昆虫に対して活性である調製物;枯草菌から得られる調製物;真菌を含み、そして昆虫に対して活性である調製物;ウイルスを含み、そして昆虫に対して活性である調製物;クロルフェナピル;アセフェート;アクリナトリン;アラニカルブ;アルファメトリン;アミトラズ;AZ60541;アジンホスA;アジンホスM;アゾシクロチン;ベンジオカルブ;ベンスルタプ;ベータ・シフルトリン;BPMC;ブロフェンプロックス;ブロモホスA;ブフェンカルブ;ブトカルボキシン;ブチルピリダベン;カドゥサホス;カルバリル;カルボフェノチオン;クロエトカルブ;クロレトキシホス;クロルメホス;シス−レスメトリン;クロシトリン;クロフェンテジン;シアノホス;シクロプロトリン;シヘキサチン;デメトンM;デメトンS;デメトンS−メチル;ジクロフェンチオン;ジクリホス;ジエチオン;ジメトエート;ジメチルビンホス;ジオキサチオン;エディフェンホス;エスフェンバレレート;エチオン;エトフェンプロックス;エトプロホス;エトリムホス;フェナミホス;酸化フェンブタチン;フェノチオカルブ;フェンプロパトリン;フェンピラド;フェンチオン;フルアジナム;フルシクロクスロン;フルシトリネート;フルフェノクスロン;フルフェノプロックス;フォノホス;フォスチアゼート;フブフェンプロックス;HCH;ヘキサフルムロン;ヘキシチアゾックス;IKI−220;イプロベンホス;イソフェンホス;イソキサチオン;イベルメクチン;マラチオン;メカルバム;メスルフェンホス;メタルデヒド;メトルカルブ;ミルベメクチン;モキシデクチン;ナレド;NC184;ニチアジン;オメトエート;オキサミル;オキシデメトンM;オキシデプロホス;ペルメトリン;フェントエート;フォレート;フォスメット;フォシキム;ピリミホスM;ピリミホスE;プロメカルブ;プロパホス;プロチオホス;プロトエート;ピラクロホス;ピラダフェンチオン;ピレスメトリン;ピレトラム;テブフェノジド;サリチオン;セブホス;セルフォテップ;スルプロホス;テブフェンプラド;テブピリムホス;テフルトリン;テメホス;テルバム;テトラクロルビンホス;チアクロピリド;チアフェノックス;チアメトキサム;チオジカルブ;チオファノックス;チオナジン;チューリンギエンシン;トラロメトリン;トリアラテン;トリアゾホス;トリアズロン;トリクロルフォン;トリフルムロン;トリメタカルブ;バミドチオン;キシリルカルブ;YI5301/5302;ゼタメトリン;DPX−MP062−インドキサカルブ;メトキシフェノジド;ビフェナゼート;XMC(3,5−キシリルメチルカルバメート);または真菌病原体メタリジウム・アニソプリエ。
【0122】
本発明の化合物は、植物において、特に農業、園芸および造林における有用植物および観賞用植物において、このような植物の部分において、例えば果実、花、葉、茎、塊茎または根において生じる上記の種類の害虫を制御する、即ち抑制するかまたは破壊するために用いられ得るが、一方、いくつかの場合には、後期に成長する植物部分はそれらの害虫に対して依然として防御される。
【0123】
標的作物としては、特に穀類、例えばコムギ、オオムギ、ライムギ、オートムギ、イネ、トウモロコシおよびモロコシ;ビート、例えばサトウダイコンおよび飼料ビート;果実、例えば梨状果、核果および小果樹果、例えばリンゴ、ナシ、プラム、桃、アーモンド、サクランボおよびベリー類、例えばイチゴ、ラズベリーおよびブラックベリー;マメ科植物、例えばインゲン、レンズマメ、エンドウおよびダイズ;油脂植物、例えばアブラナ、カラシ、ケシ、オリーブ、ヒマワリ、ココナツ、ヒマシ油、ココアおよび落花生;ウリ科植物、例えばカボチャ、コショウ、ナス、キュウリおよびメロン;繊維植物、例えば綿、亜麻、麻および黄麻;柑橘類果実、例えばオレンジ、レモン、グレープフルーツおよびマンダリン;野菜、例えばホウレンソウ、レタス、アスパラガス、キャベツ、ニンジン、タマネギ、トマト、ジャガイモおよびパプリカ;クスノキ科、例えばアボカド、シナモンおよび樟脳;タバコ;ナッツ;コーヒー;サトウキビ;茶;つる植物;ホップ;バナナ;天然ゴム植物;および観賞用植物が挙げられる。
【0124】
したがって本発明は、式(I)の少なくとも1つの化合物を含む殺虫組成物、例えば乳化性濃縮物、懸濁濃縮物、直接噴霧用または希釈用溶液、展性ペースト、希釈乳濁液、湿潤性粉末、可溶性粉末、分散性粉末、湿潤性粉末、ダスト、顆粒およびポリマー物質の封入物も本発明に関する。処方物の選択は、意図された目的物および優勢な環境に従ってなされる。さらに殺虫組成物は、殺虫剤としてのその使用前に、しばしば希釈され、そして任意にその他の殺虫組成物と組合される。したがって本発明は、殺虫組成物、ならびに液体担体、一般的に水、および任意に1つまたは複数の他の殺虫組成物を含み、殺虫組成物が互いに、有効化合物としてさらなる殺虫剤を含むタンクミックス組成物(時としては、組成物が懸濁液である場合、スラリーとも呼ばれる)にも関する。
【0125】
有効成分は、純粋形態で、固体有効成分、例えば特定粒子サイズで、または好ましくは、処方技法において慣例の少なくとも1つの助剤(アジュバントとしても公知である)、例えば増量剤、例えば溶媒または固体担体、あるいは表面活性化合物(界面活性剤)と一緒にそれらの組成物中に用いられる。ヒト、飼育動物、多産な家畜およびペットにおける寄生生物制御の領域では、生理学的に耐容可能な添加剤のみが用いられることは自明である。
【0126】
溶媒は、例えば以下のものである:非水素化または部分的水素化芳香族炭化水素、好ましくはアルキルベンゼンの分画C8〜C12、例えばキシレン混合物、アルキル化ナフタレンまたはテトラヒドロナフタレン、脂肪族または脂環式炭化水素、例えばパラフィンまたはシクロヘキサン、アルコール、例えばエタノール、プロパノールまたはブタノール、グリコールおよびエーテルならびにそのエステル、例えばプロピレングリコール、ジプロピレングリコールエーテル、エチレングリコールまたはエチレングリコールモノメチルまたは−エチルエーテル、ケトン、例えばシクロヘキサノン、イソホロンまたはジアセトンアルコール、強極性溶媒、例えばN−メチルピロリド−2−オン、ジメチルスルホキシドまたはN,N−ジメチルホルムアミド,水、非エポキシド化またはエポキシド化植物油、例えば非エポキシド化またはエポキシド化ナタネ油、ヒマシ油、ヤシ油またはダイズ油、およびシリコーン油。
【0127】
例えばダストおよび分散性粉末のために用いられる固体担体は、一般に、天然岩石粉末、例えば方解石、タルク、カオリン、モンモリロナイトまたはアタパルジャイトである。高分散性ケイ酸または高分散性吸湿性ポリマーも、物理的特性を改良するために付加され得る。粒状吸湿性顆粒担体は、多孔性型、例えば軽石、粉砕レンガ、海泡石またはベントナイトであり、そして非吸収性担体物質は、方解石または砂である。無機または有機性の多数の粒状物質、特にドロマイトまたは細砕植物残留物がさらに用いられ得る。
【0128】
表面活性化合物は、処方されるべき活性化合物の性質によって、良好な乳化、分散および湿潤特性を有する非イオン性、陽イオン性および/または陰イオン性界面活性剤あるいは界面活性剤混合物である。以下に列挙される界面活性剤は、例としてのみみなされるべきものである:処方技法において慣例的である多数のその他の界面活性剤が適しており、そして関連文献中に記載されている。
【0129】
非イオン性界面活性剤は、特に3〜30グリコールエーテル基および(脂肪族)炭化水素ラジカル中に8〜20個の炭素原子を、そしてアルキルフェノールのアルキルラジカル中に6〜18個の炭素原子を含有し得る脂肪族または脂環式アルコール、飽和または不飽和脂肪酸およびアルキルフェノールのポリグリコールエーテル誘導体である。さらに適切である物質は、アルキル鎖中に1〜10個の炭素原子を有するプロピレングリコール、エチレンジアミノポリプロピレングリコールおよびアルキルポリプロピレングリコール上に20〜250のエチレングリコールエーテルおよび10〜100のプロピレングリコールエーテルを含有する水溶性酸化ポリエチレングリコール付加物である。上記の化合物は通常は、1〜5エチレングリコール単位/プロピレングリコール単位を含有する。例としては、ノニルフェノール−ポリエトキシエタノール、ヒマシ油ポリグリコールエーテル、ポリプロピレン−ポリエチレンオキシド付加物、トリブチルフェノキシポリエトキシエタノール、ポリエチレングリコールおよびオクチルフェノキシポリエトキシエタノールがある。その他の物質は、ポリオキシエチレンソルビタンの脂肪酸エステル、例えばポリオキシエチレンソルビタントリオレエートである。
【0130】
陽イオン性界面活性剤は、特に、8〜22個のC原子を有する少なくとも1つのアルキルラジカルを置換基として、そしてさらなる置換基として、低級非ハロゲン化またはハロゲン化アルキル、ベンジルまたは低級ヒドロキシルアルキルラジカルを含有する第四級アンモニウム塩である。塩は、好ましくはハロゲン化物、メチル硫酸塩またはエチル硫酸塩の形態である。例としては、塩化ステアリル−トリメチル−アンモニウムおよび臭化ベンジル−ジ−(2−クロロエチル)−エチル−アンモニウムがある。
【0131】
適切な陰イオン性界面活性剤は、水溶性石鹸および水溶性合成表面活性化合物の両方であり得る。適切な石鹸は、高級脂肪酸(C10〜C22)のアルカリ金属、アルカリ土類金属、および置換または非置換アンモニウム塩、例えばオレイン酸またはステアリン酸の、あるいは例えばやし油またはトール油から生成され得る天然脂肪酸混合物のナトリウムまたはカリウム塩であり;そしてさらに脂肪酸メチル−タウリン塩でもある。しかしながら合成界面活性剤、特に脂肪スルホン酸塩、脂肪硫酸塩、スルホン化ベンゾイミダゾール誘導体又はアルキルアリールスルホン酸塩は、より高頻度に用いられる。脂肪のスルホン酸塩および硫酸塩は、一般に、アルカリ金属、アルカリ土類金属、あるいは置換または非置換アンモニウム塩の形態であり、そして概して、8〜22個のC原子のアルキルラジカルを有し、アルキルは、アシルラジカルのアルキル部分も含む。例としては、リグニンスルホン酸の、ドデシル硫酸エステルの、または天然脂肪酸から調製される脂肪アルコール硫酸塩混合物のナトリウムまたはカルシウム塩である。これらは、脂肪アルコール−エチレンオキシド付加物の硫酸エステルおよびスルホン酸の塩も包含する。スルホン化ベンゾイミダゾル誘導体は、好ましくは2個のスルホン酸基、ならびに約8〜22個のC原子を有する脂肪酸ラジカルを含有する。アルキルアリールスルホネートは、例えばドデシルベンゼンスルホン酸の、ジブチルナフタレンスルホン酸の、またはナフタレンスルホン酸−ホルムアルデヒド縮合産物のナトリウム、カルシウムまたはトリエタノールアンモニウム塩である。対応するリン酸塩、例えばp−ノニルフェノール−(4−14)−エチレンオキシド付加物またはリン脂質のリン酸エステルの塩もさらに用いられ得る。
【0132】
組成物は、一般に、0.1〜99%、特に0.1〜95%の有効化合物、および1〜99.9%、特に5〜99.9%の少なくとも1つの固体または液体助剤を含み、一般に、組成物の0〜25%、特に0.1〜20%が界面活性剤であり得る(%は、各々の場合、重量%である)。濃縮組成物は市販製品としてより好ましいが、しかし最終使用者は一般に、かなり低濃度の有効化合物を含む希釈組成物を用いる。好ましい組成物は、特に以下のもので構成される(%=重量%):
【0133】
乳化性濃縮物:
有効成分: 1〜90%、好ましくは5〜20%
界面活性剤: 1〜30%、好ましくは10〜20%
溶媒: バランス
【0134】
ダスト:
有効成分: 0.1〜10%、好ましくは0.1〜1%
固体担体: 99.9〜90%、好ましくは99.9〜99%
【0135】
懸濁濃縮物:
有効成分: 5〜75%、好ましくは10〜50%
界面活性剤: 1〜40%、好ましくは2〜30%
水: バランス
【0136】
湿潤性粉末:
有効成分: 0.5〜90%、好ましくは1〜80%
界面活性剤: 0.5〜20%、好ましくは1〜15%
固体担体: バランス
【0137】
顆粒:
有効成分: 0.5〜30%、好ましくは3〜15%
固体担体: 99.5〜70%、好ましくは97〜85%。
【0138】
作物防御において用いるための特定処方物例を以下に示す(%=重量%):
【実施例】
【0139】
実施例F1:乳化性濃縮物
【表9】

微粉砕有効化合物および添加剤を混合して乳濁液濃縮物を生じ、これを、水で希釈することにより、所望の濃度の乳濁液を得る。
【0140】
実施例F2:溶液
【表10】

微粉砕有効化合物および添加剤を混合して、微小液滴の形態で用いるのに適した溶液を生じる。
【0141】
実施例F3: 顆粒
【表11】

有効化合物をジクロロメタン中に溶解し、溶液を担体の混合物上に噴霧し、そして溶媒を減圧下で蒸発させる。
【0142】
実施例F4:湿潤性粉末
【表12】

有効化合物および添加剤を混合し、混合物を適切なミルで粉砕する。これにより湿潤性粉末を得て、これを水で希釈し、所望濃度の懸濁液を生成し得る。
【0143】
実施例F5:乳化性濃縮物
【表13】

微粉砕有効化合物および添加剤を混合して乳濁濃縮物を生じ、これを、水で希釈することにより、所望の濃度の乳濁液を得る。
【0144】
実施例F6:押出成形顆粒
【表14】

有効化合物および添加剤を混合し、混合物を粉砕し、水で湿らせ、押出して、造粒し、そして顆粒を空気流中で乾燥する。
【0145】
実施例F7:被覆顆粒
【表15】

ミキサー中で、微粉砕有効化合物を、ポリエチレングリコールで湿らせたカオリンに均一に適用する。これにより、無塵被覆顆粒を得る。
【0146】
実施例F8:懸濁濃縮物
【表16】

微粉砕有効化合物および添加剤を混合して懸濁濃縮物を生じ、これを、水で希釈することにより、所望の濃度の懸濁液を得る。
【0147】
本発明の組成物はさらに、固体または液体アジュバント、例えば安定剤、例えば植物油またはエポキシド化植物油(例えばエポキシド化ヤシ油、ナタネ油またはダイズ油)、消泡剤、例えばシリコーン油、防腐剤、粘度調節剤、結合剤および/または粘着剤、ならびに肥料または特定の作用を得るためのその他の有効成分、例えば殺ダニ剤、殺細菌剤、殺真菌剤、殺線虫剤、殺陸貝剤または選択的除草剤も含み得る。
【0148】
特に作物防御物質として用いるための本発明の殺虫組成物は、例えば式(I)の化合物(有効成分として)またはその混合物を、アジュバントの非存在下で、粉砕し、篩に掛けおよび/または圧縮して、一定の粒子サイズとし、そして少なくとも1つのアジュバントの存在下で、例えば式(I)の化合物(有効成分として)またはその混合物をアジュバント(単数または複数)と均質に混合しおよび/または粉砕することにより、調製する。本発明は同様に、本発明の殺虫組成物の調製方法に、そして組成物の製造における式(I)の化合物の使用に関する。
【0149】
本発明は、殺虫およびタンクミックス組成物の適用方法に、即ち上記の種類の害虫の制御方法、例えば噴霧、霧化、散布、コーティング、ドレッシング、飛散または注ぎ込み(これらは意図された目的および優勢な環境に従って選択される)に、ならびに上記の種類の害虫の制御のための組成物の使用にも関する。濃度の典型的比率は、0.1〜1000 ppm、好ましくは0.1〜500 ppmの有効成分である。適用率/ヘクタールは、一般に1〜2000 gの有効成分/ヘクタール、特に10〜1000 g/ha、好ましくは20〜600 g/ha、最も好ましくは20〜100 g/haである。
【0150】
作物防御の領域における好ましい適用方法は、植物の葉への適用(葉適用)であり、適用の頻度および比率は、当該害虫による感染の危険性によっている。しかしながら有効成分は、植物の場所が液体処方物で含浸される場合、あるいは有効成分が固体形態で植物の場所に、例えば土壌中に、例えば粒状形態で組入れられる場合(土壌適用)、根を通して植物に浸透し得る(全身作用)。水稲作物の場合、このような顆粒は、水田に計測量で適用され得る。
【0151】
殺虫およびタンクミックス組成物は、植物繁殖物質、例えば種子、例えば果実、塊茎または穀粒、あるいは植物裁断片を動物害虫に対して防御するのにも適している。繁殖物質は、植付け前に組成物で処理され得る:例えば種子は、播種される前にドレッシングされ得る。本発明の有効成分は、液体処方物中に種子を含浸することにより、またはそれらを固体処方物でコーティングすることにより、穀粒(コーティング)にも適用され得る。組成物は、繁殖物質が、例えば播種中に種子畝に植え付けられるものである場合、植付け部位にも適用され得る。本発明は、植物繁殖物質のこのような処理方法に、そしてそのように処理される植物繁殖物質にも関する。
【0152】
本発明の化合物の使用のさらなる領域は、保存商品および保存室の防御、ならびに原料の防御であり、そして衛生部門では、特に上記の種類の害虫に対する飼育動物および多産な家畜の防御、とりわけノミ、ダニおよび線虫による感染からの飼育動物、特にネコおよびイヌの防御である。
【0153】
以下の実施例は、本発明を説明するのに役立つ。それらは本発明を限定しない。温度は℃で示し、溶媒の混合比率は容量部で示す。
【0154】
調製実施例
以下の実施例において、アベルメクチンB1誘導体(アベルメクチンB1aおよびB1b誘導体の混合物)の調製を説明する。B1b誘導体は一般に、混合物の約5〜10重量%のみを示し、その理由のため、通常はB1a誘導体の帯域のみがNMRスペクトルで検出され得る。
【0155】
化合物は、ほとんどの場合、アベルメクチンB1aおよびB1b誘導体の混合物の形態であるため、通例の物理学的データ、例えば融点または屈折率による特性化はほとんど用いられない。その理由のため、HPLC(高分解能液体クロマトグラフィー)による分析で確定される保持時間の参照により、特性化される。調製実施例に関する物理学的データ中の「B1a」という用語は、R1がsec−ブチルである主構成成分を指す。「B1b」は、R1がイソブチルである第二構成成分を表す。保持時間がB1a誘導体に関してのみ示される化合物の場合、B1b誘導体が小比率であるため、B1b構成成分に関する保持時間を確定できない。B1aおよびB1b構成成分の正確な配分は、質量分光分析により実行される。
【0156】
HPLC分析のために、以下の方法を用いる:
【表17】

物質データ情報で使用される略語は、以下を意味する。
化合物のクロマトグラフィーのために用いられるYMC-Pack ODS-AQカラムは、YMC, Alte Raesfelderstrasse 6, 46514 Schermbeck, Germanyにより製造される。
【0157】
LCMS:液体クロマトグラフィー質量分光分析;tRT:保持時間(分);M+H:質量ピーク+H;M+Na:質量ピーク+Na。実施例におけるTBDMSは、ラジカル−Si(CH32(tert−ブチル)を表す。溶媒の混合比は、容量部で示す。「エーテル」は、ジエチルエーテルを意味すると理解される。
【0158】
実施例P.1:次式の4’−(R)−4’−スルファモイルオキシ−アベルメクチンB1単糖の調製:
【化7】

塩化スルファモイル(ClSO2NH2)の調製:15.5 mlの蟻酸を−10℃で35 mlのクロロスルホニルイソシアネートに滴下し、そして氷で冷却することにより温度を+10℃より低い温度に保持する。付加の終了時に、ガスの発生が途絶えるまで、撹拌を室温で継続する。混合物をベンゼン中に取り、濾過し、真空蒸発により濃縮して、所望の塩化スルファモイルを得る。
【0159】
工程A:3.51 gの塩化スルファモイルを、アルゴン下で、90 mlのジメチルアセトアミド中の15 gの4’−エピ−5−O−TBDMS−アベルメクチンB1単糖の溶液に−10℃で一部ずつ付加する。混合物を室温に温めて、さらに1時間撹拌する。混合物を飽和NaCl水溶液上に注ぎ入れ、tert−ブチルメチルエーテルで2回抽出し、Na2SO4上で乾燥し、蒸発により濃縮して、所望の中間体5−O−TBDMS−4’−O−スルファモイルオキシ−アベルメクチンB1単糖を生成する。
【0160】
工程B:工程Aからの粗生成物を75 mlのメタノール中に溶解する。次に−5℃で、75 mlのメタノール中の1.5 mlのメタンスルホン酸を1時間かけて滴下する。混合物を室温に暖めて、放置し、4時間反応させる。溶液を飽和NaHCO3水溶液上に注ぎ入れ、真空蒸発により濃縮して、tert−ブチルメチルエーテルで2回抽出する。飽和NaCl水溶液で洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、蒸発により濃縮して、粗生成物を得る。CH2Cl2/酢酸エチル(9:1)中のシリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィーにより、所望の生成物を無色発泡体の形態で得る。
【0161】
実施例P.2:次式の4’−(S)−4’−イソブチロイルアミノスルホニルオキシ−アベルメクチンB1単糖の調製:
【化8】

10 mlのジクロロメタン中の490 mgの4’−スルファモイルオキシ−5−O−t−ブチルジメチルシリル−アベルメクチンB1単糖、0.26 mlの塩化イソブチリルおよび0.41 mlのピリジンの混合物を、25℃で一晩撹拌する。混合物をシリカゲル上で濾過し、蒸発、乾燥する。粗生成物を12 mlのテトラヒドロフラン中に溶解し、2.5 mLのHF−ピリジン複合体の溶液を付加する。混合物を室温で一晩撹拌する。混合物を炭酸水素ナトリウムの飽和溶液上に注ぎ、そして酢酸エチルで3回抽出して、有機相を併合し、そしてNa2SO4上で乾燥する。ヘキサン/酢酸エチル(1:1)中のシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより、所望の生成物を粗製混合物から単離する。
【0162】
実施例P.3:次式の4’−(S)−4’−ジプロパルギルアミノスルホニルオキシ−アベルメクチンB1単糖の調製:
【化9】

10 mlのアセトニトリル中の490 mgの4’−スルファモイルオキシ−アベルメクチンB単糖、230 mgの炭酸カリウムおよび0.15 mlの臭化プロパルギルの混合物を、50℃で3時間撹拌する。溶液を水上に注ぎ、酢酸エチルで抽出して、Na2SO4上で乾燥する。ヘキサン/酢酸エチル(1:4)中のシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより、粗製混合物から所望の生成物を単離する。
【0163】
実施例P.4:4’−(S)−4’−ジアリルアミノスルホニルオキシ−アベルメクチンB1単糖の調製:
【化10】

10 mlのアセトニトリル中の440 mgの4’−スルファモイルオキシ−アベルメクチンB単糖、280 mgの炭酸カリウムおよび0.2 mlの臭化プロパルギルの混合物を、室温で一晩撹拌し、次に2時間還流する。溶液を炭酸水素ナトリウムの飽和溶液上に注ぎ、酢酸エチルで抽出して、Na2SO4上で乾燥する。ヘキサン/酢酸エチル(1:1)中のシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより、粗製混合物から所望の生成物を単離する。
【0164】
化合物のHPLC特性を、以下の表Aに提示する。
表A:R1がsec−ブチル(B1a)またはイソプロピル(B1b)であり、炭素原子22および23間の結合が二重結合である式(Ia)または式(Ib)の化合物
【表18】

【表19】

【0165】
生物学的実施例
【0166】
実施例B1:ハスモンヨトウ(Spodoptera littoralis)に対する作用
若いダイズ植物に、12.5 ppmの試験化合物を含む水性乳濁液噴霧混合物を噴霧し、噴霧コーティングが乾燥した後、植物に、第一幼虫期のハスモンヨトウ10匹を棲みつかせて、次にプラスチック容器に入れる。3日後、集団の低減パーセンテージおよび採餌損害の低減パーセンテージ(活性%)を、処理植物に関する死亡幼虫の数および採餌損害と非処理植物に関する値とを比較することにより、確定する。
【0167】
式(I)の化合物は、この試験において良好な活性を示す。特に、化合物A.1、A.2、A.4、A.12、A.13およびA.16は、80%より高い値で有効である。
【0168】
実施例B2:ハスモンヨトウに対する作用(全身性)
トウモロコシの苗を、試験溶液中に入れる。6日後、葉を切り取り、ペトリ皿中の湿潤濾紙上に載せて、L1幼虫期のハスモンヨトウ12〜15匹に感染させる。4日後、集団の低減パーセンテージ(活性%)を、処理植物に関する死亡幼虫の数と非処理植物に関する値とを比較することにより、確定する。
【0169】
式(I)の化合物は、この試験において良好な活性を示す。特に、化合物A.1、A.2、A.4、A.12、A.13およびA.16は、80%より高い値で有効である。
【0170】
実施例B3:オオタバコガ(Heliothis virescens)に対する作用
0〜24時齢のオオタバコガの卵30〜35個を、人工栄養の層上のペトリ皿中の濾紙上に載せる。次に0.8 mlの試験溶液を濾紙上にピペッティングする。6日後に評価を行なう。処理植物に関する死亡卵および幼虫の数を非処理植物に関する値と比較することにより、集団の低減パーセンテージ(活性%)を確定する。
【0171】
式(I)の化合物は、この試験において良好な活性を示す。特に、化合物A.1、A.2、A.4、A.12、A.13およびA.16は、80%より高い値で有効である。
【0172】
実施例B4:コナガ(Plutella xylostella)幼虫に対する作用
若いキャベツ植物に、12.5 ppmの試験化合物を含む水性乳濁液噴霧混合物を噴霧する。噴霧コーティングが乾燥した後、キャベツ植物体に、第一幼虫期のコナガ10匹を棲みつかせて、プラスチック容器に入れる。3日後に評価を行なう。集団の低減パーセンテージおよび採餌損害の低減パーセンテージ(活性%)を、処理植物に関する死亡幼虫の数および採餌損害と非処理植物に関する値とを比較することにより、確定する。
【0173】
式(I)の化合物は、この試験において良好な活性を示す。特に、化合物A.1、A.2、A.4、A.12、A.13およびA.16は、80%より高い値で有効である。
【0174】
実施例B5:ミカンキイロアザミウマ(Frankliniella occidentalis)に対する活性
ペトリ皿中で、インゲンマメの葉のディスクを寒天上に載せ、噴霧小室中で、12.5 ppmの有効化合物を含む試験用液を噴霧する。次に、ミカンキイロアザミウマの混合集団を葉に棲みつかせる。10日後に評価を実行する。処理葉に関する集団と非処理葉とを比較することにより、低減パーセント(活性%)を確定する。
【0175】
式(I)の化合物は、この試験において良好な活性を示す。特に、化合物A.1、A.2、A.4、A.12、A.13およびA.16は、80%より高い値で有効である。
【0176】
実施例B6:ハムシの一種であるDiabrotica balteataに対する作用
トウモロコシの苗に、12.5 ppmの試験化合物を含む水性乳濁液噴霧混合物を噴霧し、噴霧コーティングが乾燥した後、トウモロコシ苗に、第二幼虫期のハムシ10匹を棲みつかせて、次にプラスチック容器に入れる。6日後、集団の低減パーセンテージ(活性%)を、処理植物に関する死亡幼虫の数と非処理植物に関する値とを比較することにより、確定する。
【0177】
式(I)の化合物は、この試験において良好な活性を示す。特に、化合物A.1、A.2、A.4、A.12、A.13およびA.16は、80%より高い値で有効である。
【0178】
実施例B7:ナミハダニ(Tetranychus urticae)に対する作用
若いインゲン植物にナミハダニの混合集団を棲みつかせて、12.5 ppmの試験化合物を含む水性乳濁液噴霧混合物を1日後に噴霧する。植物を25℃で6日間インキュベートし、その後、評価する。集団の低減パーセンテージ(活性%)を、処理植物に関する死亡卵、幼虫および成体の数と非処理植物に関する値とを比較することにより、確定する。
【0179】
式(I)の化合物は、この試験において良好な活性を示す。特に、化合物A.1、A.2、A.4、A.12、A.13およびA.16は、80%より高い値で有効である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次式:
【化1】

(式中、炭素原子22および23間の結合は単結合または二重結合であってよく;
1は、C1〜C12アルキル、C3〜C8シクロアルキルまたはC2〜C12アルケニルであり;
2およびR3は、互いに独立して、水素、C1〜C12アルキル、C3〜C12シクロアルキル、C2〜C12アルケニル、C2〜C12アルキニル、アリールまたはヘテロアリール;この場合、C1〜C12アルキル、C3〜C12シクロアルキル、C2〜C12アルケニル、C2〜C12アルキニル、アリールおよびヘテロアリールラジカルは非置換、または1〜5置換されてよく;−C(=O)R4またはSO24であり;あるいは
2およびR3はともに、3〜7員アルキレン架橋または4〜7員アルケニレン架橋(ここで、アルキレンまたはアルケニレン中の1または2個のCH2基はO、SまたはNR5により置換されてよく)であるか;あるいは基=N+=N-であり;
そしてここで、R2およびR3下で定義されるアルキル、アルケニル、アルキニル、アルキレン、アルケニレン、シクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールラジカルの置換基は、OH;=O;SH;=S;−NH2;CN;NO2;ハロゲン;C1〜C12アルキル;ハロ−C1〜C2アルキル;C1〜C12アルケニル;C2〜C6アルキニル;C3〜C8シクロアルキル(これは置換されないかまたは1〜3個のメチル基により置換される);ノルボルネニル;C3〜C8シクロアルケニル(置換されないかまたは1〜3個のメチル基により置換される);C3〜C8ハロシクロアルキル;C1〜C12アルコキシ;C1〜C6アルコキシ−C1〜C6アルキル;C1〜C6アルコキシ−C1〜C6アルコキシ;C1〜C6アルコキシ−C1〜C6アルコキシ−C1〜C6アルキル;C2〜C12アルケニルオキシ;C2〜C12アルケニルオキシ−C1〜C6アルコキシ;C3〜C8シクロアルコキシ;C1〜C12ハロアルコキシ;C1〜C12アルキルチオ;C3〜C8シクロアルキルチオ;C1〜C12ハロアルキルチオ;C1〜C12アルキルスルフィニル;C3〜C8シクロアルキルスルフィニル;C1〜C12ハロアルキルスルフィニル;C3〜C8ハロシクロアルキルスルフィニル;C1〜C12アルキルスルホニル;C3〜C8シクロアルキルスルホニル;C1〜C12ハロアルキルスルホニル;C3〜C8ハロシクロアルキルスルホニル;C2〜C8アルケニル;C2〜C8アルキニル;−NH(C1〜C6アルキル);−N(C1〜C6アルキル)2;−C(=O)R6;−NHC(=O)R7;−P(=O)(OC1〜C6アルキル)2;アリール;ヘテロシクリル;アリールオキシ;およびヘテロシクリルオキシからなる群から選択され;
ここで、アリール、ヘテロシクリル、アリールオキシおよびヘテロシクリルオキシラジカルは置換されないか、あるいは環での置換の可能性によって、OH;ハロゲン;CN;NO2;C1〜C12アルキル;C3〜C8シクロアルキル;C1〜C12ハロアルキル;C1〜C12アルコキシ;C1〜C12ハロアルコキシ;C1〜C12アルキルチオ;C1〜C12ハロアルキルチオ;C1〜C12アルキルスルフィニル;C1〜C12アルキルスルホニル;C1〜C6アルコキシ−C1〜C6アルキル;ジメチルアミノ−C1〜C6アルコキシ;C2〜C8アルケニル;C2〜C8アルキニル;フェニル−C1〜C6アルキル;フェノキシ(置換されないかまたは互いに独立して、ハロゲン、メトキシ、トリフルオロメチルおよびトリフルオロメトキシから選択される1〜3個の置換基により置換される);フェニル−C1〜C6アルコキシ(置換されないかまたは、ハロゲン、メトキシ、トリフルオロメチルおよびトリフルオロメトキシから互いに独立して選択される1〜3個の置換基により芳香族環中で置換される);フェニル−C2〜C6アルケニル;フェニル−C2〜C6アルキニル;メチレンジオキシ;−C(=O)R6;−O−C(=O)R7;−NH−C(=O)R7;−NH2;−NH(C1〜C12アルキル);−N(C1〜C12アルキル)2;C1〜C6アルキルチオ;C1〜C6アルキルスルフィニル;C3〜C8シクロアルキルスルフィニル;C1〜C6ハロアルキルスルフィニル;C3〜C8ハロシクロアルキルスルフィニル;C1〜C6アルキルスルホニル;C3〜C8シクロアルキルスルホニル;C1〜C6ハロアルキルスルホニル;およびC3〜C8ハロシクロアルキルスルホニルからなる群から選択される置換基により1〜5置換され;
4は、H;C1〜C8アルキル;ハロゲン、ニトロ、C1〜C8アルコキシ、アリールオキシ、OH、SH、−NH2、−NH(C1〜C12アルキル)および−N(C1〜C12アルキル)2からなる群から選択される置換基により1〜7置換されるC1〜C8アルキル;C1〜C8アルコキシ;ハロ−C1〜C8アルコキシ;C3〜C8シクロアルキル;C3〜C8シクロアルコキシ;C2〜C8アルケニル;ハロ−C2〜C8アルケニル;C2〜C8アルケニルオキシ;ハロ−C2〜C8アルケニルオキシ;C2〜C8アルキニル;C2〜C8アルキニルオキシ;−NH2;−NH(C1〜C12アルキル);−N(C1〜C12アルキル)2;アリール;アリールオキシ;ベンジル;ベンジルオキシ;ヘテロシクリル;ヘテロシクリルオキシ;ヘテロシクリルメチル;ヘテロシクリルメトキシ;−NH−アリール;−NH−ヘテロシクリル;−N(C1〜C6アルキル)−アリール;または−N(C1〜C6アルキル)−ヘテロシクリルであり;
ここで、ラジカルアリール、アリールオキシ、ベンジル、ベンジルオキシ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルメチル、ヘテロシクリルメトキシ、−NH−アリール、−NH−ヘテロシクリル、−N(C1〜C6アルキル)−アリールおよび−N(C1〜C6アルキル)−ヘテロシクリルは、置換されないか、あるいは環での置換の可能性によって、互いに独立して、ハロゲン、C1〜C12アルキル、C1〜C12ハロアルキル、C1〜C12アルコキシ、C1〜C12ハロアルコキシ、C1〜C6アルコキシ−C1〜C6アルコキシ、C1〜C12アルキルチオ、C1〜C12ハロアルキルチオ、C1〜C12アルキルスルフィニル、C1〜C12アルキルスルホニル、C2〜C8アルケニルオキシ、C2〜C8アルキニルオキシ、ニトロ、−N3およびシアノから選択される1〜3個の置換基により置換される環中にあり;
5は、C1〜C8アルキル、C3〜C8シクロアルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、ベンジル、−C(=O)−R8または−C(=S)−R8であり;
6は、H;OH;SH;C1〜C8アルキル;ハロゲン、ニトロ、C1〜C8アルコキシ、アリールオキシ、OH、SH、−NH2、−NH(C1〜C12アルキル)および−N(C1〜C12アルキル)2からなる群から選択される置換基により1〜7置換されるC1〜C8アルキル;C1〜C8アルコキシ;ハロ−C1〜C8アルコキシ;C3〜C8シクロアルキル;C3〜C8シクロアルコキシ;C2〜C8アルケニル;C2〜C8アルケニルオキシ;C2〜C8アルキニル;C2〜C8アルキニルオキシ;−NH2;−NH(C1〜C12アルキル);−N(C1〜C12アルキル)2;アリール;アリールオキシ;ベンジル;ベンジルオキシ;ヘテロシクリル;ヘテロシクリルオキシ;ヘテロシクリルメチル;またはヘテロシクリルメトキシであり;
ここで、ラジカルアリール、アリールオキシ、ベンジル、ベンジルオキシ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルメチルおよびヘテロシクリルメトキシは、置換されないか、あるいは環での置換の可能性によって、互いに独立して、ハロゲン、C1〜C12アルキル、C1〜C12ハロアルキル、C1〜C12アルコキシ、C1〜C12ハロアルコキシ、C1〜C6アルコキシ−C1〜C6アルコキシ、C1〜C12アルキルチオ、C1〜C12ハロアルキルチオ、C1〜C12アルキルスルフィニル、C1〜C12アルキルスルホニル、C2〜C8アルケニルオキシ、C2〜C8アルキニルオキシ、ニトロ、−N3およびシアノから選択される1〜3個の置換基により置換され;
7は、H、C1〜C12アルキル、C1〜C6アルコキシ−C1〜C6アルキル、C1〜C12ハロアルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、アリール、ヘテロシクリル、ベンジル、−NH2、−NH(C1〜C12アルキル)、−N(C1〜C12アルキル)2、−NH−フェニルまたは−N(C1〜C12アルキル)−フェニルであり;
8は、H、OH、SH、−NH2、−NH(C1〜C12アルキル)、−N(C1〜C12アルキル)2、C1〜C12アルキル、C1〜C12ハロアルキル、C1〜C12アルコキシ、C1〜C12ハロアルコキシ、C1〜C6アルコキシ−C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ−C1〜C6アルコキシ、C1〜C12アルキルチオ、C1〜C12アルキルスルフィニル、C1〜C12アルキルスルホニル、C2〜C8アルケニルオキシ、C2〜C8アルキニルオキシ、フェニル、フェノキシ、ベンジルオキシ、−NH−フェニル、−N(C1〜C6アルキル)−フェニル、−NH−C1〜C6アルキル−C(=O)−R9、−N(C1〜C6アルキル)−C1〜C6アルキル−C(=O)−R9またはフェニル、フェノキシ、ベンジルオキシ、−NH−フェニルまたは−N(C1〜C6アルキル)−フェニル(その各々が、互いに独立して、ハロゲン、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルキルおよびC1〜C6ハロアルコキシから選択される1〜3個の置換基により芳香族環中で置換される)であり;
9は、H、OH、C1〜C12アルキル、C1〜C12アルコキシ、C1〜C6アルコキシ−C1〜C6アルコキシ、C2〜C8アルケニルオキシ、フェニル、フェノキシ、ベンジルオキシ、−NH2、−NH(C1〜C12アルキル)、−N(C1〜C12アルキル)2、−NH−フェニルまたは−N(C1〜C12アルキル)−フェニルである)
の化合物、そして適用可能な場合には、各々の場合に遊離形態または塩形態の、E/Z異性体、E/Z異性体の混合物、ジアステレオマーおよび/または互変異性体。
【請求項2】
有効成分として請求項1記載の式(I)の少なくとも1つの化合物を、そして少なくとも1つのアジュバントを含む殺虫組成物。
【請求項3】
害虫の制御方法であって、請求項2記載の組成物を害虫またはそれらの生息環境に適用することを包含する方法。
【請求項4】
請求項2記載の少なくとも1つのアジュバントを含む組成物の調製方法であって、有効成分をアジュバント(単数または複数)と均質に混合しおよび/または磨砕することを包含する方法。
【請求項5】
請求項2記載の組成物の調製における請求項1記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項6】
害虫を制御するに際しての請求項2記載の組成物の使用。
【請求項7】
植物繁殖物質の防御方法であって、繁殖物質または繁殖物質の植付け部位を請求項2記載の殺虫組成物で処理することを包含する方法。
【請求項8】
請求項7記載の方法に従って処理される植物繁殖物質。
【請求項9】
請求項2記載の殺虫組成物を含むタンクミックス組成物。

【公表番号】特表2006−527724(P2006−527724A)
【公表日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−515942(P2006−515942)
【出願日】平成16年6月15日(2004.6.15)
【国際出願番号】PCT/EP2004/006442
【国際公開番号】WO2004/111070
【国際公開日】平成16年12月23日(2004.12.23)
【出願人】(500584309)シンジェンタ パーティシペーションズ アクチェンゲゼルシャフト (352)
【Fターム(参考)】