説明

アミノアルキルチオ硫酸化合物の製造方法

【課題】優れた純度のアミノアルキルチオ硫酸化合物を製造できる方法を提供する。
【解決手段】化合物(1)とチオ硫酸のアルカリ金属塩とを、水の存在下で反応させる第1工程と、第1工程で得られたアミノアルキルチオ硫酸化合物(2)を含む反応混合物を電気透析し脱塩する第2工程とを有する。




(式中、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表すか、RとRとが一緒になって炭素数2〜9のポリメチレン基を表し、Xは塩素原子又は臭素原子を表し、nは2〜9の整数を表し、Mは水素原子又はアルカリ金属を表す。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアミノアルキルチオ硫酸化合物の製造方法に関し、より詳細には、高い純度のアミノアルキルチオ硫酸化合物が得られる製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
アミノアルキルチオ硫酸化合物の製造方法としては、例えば、6−ブロモヘキシルアミン臭化水素酸塩とチオ硫酸ナトリウムとを、6−ブロモヘキシルアミン臭化水素酸塩1重量部に対して23.2重量部の水の存在下で反応させ、次いで、得られた溶液をその容量が半分になるまで濃縮し、生じた沈殿を濾集する方法が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭60-199643号公報(実施例24)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1記載の方法では、反応により副生する無機塩がアミノアルキルチオ硫酸化合物と共に沈殿し、得られるアミノアルキルチオ硫酸化合物の純度を低下させる場合がある。
【0005】
かかる状況下、優れた純度のアミノアルキルチオ硫酸化合物を製造できる方法が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るアミノアルキルチオ硫酸化合物の製造方法は、下記式(1)で示される化合物とチオ硫酸のアルカリ金属塩とを、水の存在下で反応させる第1工程と、第1工程で得られた下記式(2)で示されるアミノアルキルチオ硫酸化合物を含む反応混合物を電気透析し脱塩する第2工程とを有することを特徴とする。
【化1】

(式中、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表すか、RとRとが一緒になって炭素数2〜9のポリメチレン基を表し、Xは塩素原子又は臭素原子を表し、nは2〜9の整数を表す。)
【化2】

(式中、R、R及びnはそれぞれ式(1)と同じ意味を表し、Mは水素原子又はアルカリ金属を表す。)
【発明の効果】
【0007】
本発明の製造方法によれば、優れた純度のアミノアルキルチオ硫酸化合物を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明に係る製造方法に用いる電気透析装置の一例を示す概説図である。
【図2】実施例1における塩化物イオン濃度の電気透析中の経時変化を示す図である。
【図3】実施例2における塩化物イオン濃度の電気透析中の経時変化を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明に係るアミノアルキルチオ硫酸化合物の製造方法では、まず第1工程として、前記式(1)で示される化合物(以下、「化合物(1)」と記すことがある)と、チオ硫酸のアルカリ金属塩とを反応させる。
【0010】
式(1)においてR及びRで示される炭素数1〜6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等の直鎖状又は分岐状のものが挙げられる。また、RとRが一緒になって表される炭素数2〜6のポリメチレン基としては、エチレン基(ジメチレン基)、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基が挙げられる。
【0011】
化合物(1)としては、例えば、2−クロロエチルアミン、3−クロロプロピルアミン、4−クロロブチルアミン、5−クロロペンチルアミン、6−クロロヘキシルアミン、1−クロロ−3−(メチルアミノ)プロパン、1−クロロ−3−(エチルアミノ)プロパン、1−クロロ−3−(ジメチルアミノ)プロパン、1−クロロ−3−ピペリジノプロパン、2−ブロモエチルアミン、3−ブロモプロピルアミン、4−ブロモブチルアミン、5−ブロモペンチルアミン、6−ブロモヘキシルアミン、1−ブロモ−3−(メチルアミノ)プロパン、1−ブロモ−3−(エチルアミノ)プロパン、1−ブロモ−3−(ジメチルアミノ)プロパン、1−ブロモ−3−ピペリジノプロパン等が挙げられる。化合物(1)は、塩酸、臭化水素等の酸が付加してなる酸付加塩の形態として用いることが好ましい。
【0012】
化合物(1)は、市販のものを用いることもできるし、例えば、下記式(3)で示されるアルコール化合物(以下、「化合物(3)」と記すことがある)と塩化チオニル(SOCl)とを接触させる方法、ジクロロアルカンとフタルイミドカリウム塩とを反応させ、次いで得られた化合物をヒドラジンまたは1級アミンと接触させる方法等の方法により製造して用いることもできる。
【化3】

(式中、nは2〜9の整数を表す。)
【0013】
チオ硫酸のアルカリ金属塩としては、チオ硫酸リチウム、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム、チオ硫酸ルビジウム、チオ硫酸セシウムが挙げられる。チオ硫酸ナトリウム又はチオ硫酸カリウムが好ましく、チオ硫酸ナトリウムがより好ましい。チオ硫酸のアルカリ金属塩は水和物であってもよい。
【0014】
チオ硫酸のアルカリ金属塩の使用量は、化合物(1)1.0モルに対して、0.9モル以上が好ましく、0.9〜1.5モルがより好ましく、1.0〜1.1モルがさらに好ましい。
【0015】
化合物(1)とチオ硫酸のアルカリ金属塩との反応は、水の存在下で行う。水の使用量は、化合物(1)1重量部に対して1〜20重量部の範囲が好ましい。チオ硫酸のアルカリ金属塩として水和物を用いる場合は、かかる水和物に含まれる水も、ここでいう水に含まれるものとする。さらに好ましい水の使用量は、化合物(1)1重量部に対して6〜10重量部である。
【0016】
化合物(1)とチオ硫酸のアルカリ金属塩との反応温度は50〜100℃の範囲から選択される温度が好ましく、より好ましくは60〜100℃の範囲、さらに好ましくは70〜100℃の範囲から選択される。反応時間は例えば10分〜24時間の範囲である。反応の進行度合いは、薄層クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフイー、1H−NMR等の分析手段により確認できる。化合物(1)とチオ硫酸のアルカリ金属塩とを反応させた後、必要に応じてさらに水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物又は塩酸等の酸と混合してもよい。かかる混合により、後述する第2工程において、反応混合物のpHを所望する範囲に保持することができる。
【0017】
以上のようして、上記式(2)で示されるアミノアルキルチオ硫酸化合物(以下、「化合物(2)」と記すことがある)を含む反応混合物が得られる。化合物(2)としては、例えば、S−(2−アミノエチル)チオ硫酸、S−(3−アミノプロピル)チオ硫酸、S−(4−アミノブチル)チオ硫酸、S−(5−アミノペンチル)チオ硫酸、S−(6−アミノヘキシル)チオ硫酸、S−(3−メチルアミノプロピル)チオ硫酸、S−(3−エチルアミノプロピル)チオ硫酸、S−(3−ジメチルアミノプロピル)チオ硫酸、S−(3−ピペリジノプロピル)チオ硫酸、S−(2−アミノエチル)チオ硫酸ナトリウム、S−(3−アミノプロピル)チオ硫酸ナトリウム、S−(4−アミノブチル)チオ硫酸ナトリウム、S−(5−アミノペンチル)チオ硫酸ナトリウム、S−(6−アミノヘキシル)チオ硫酸ナトリウム、S−(3−メチルアミノプロピル)チオ硫酸ナトリウム、S−(3−エチルアミノプロピル)チオ硫酸ナトリウム、S−(3−ジメチルアミノプロピル)チオ硫酸ナトリウム、S−(3−ピペリジノプロピル)チオ硫酸ナトリウム等が挙げられる。
【0018】
次に、第2工程として、化合物(2)を含む反応混合物を電気透析し脱塩する。すなわち、反応混合物中のアルカリ金属の塩化物塩又は臭化物塩を除去し、化合物(2)の純度を高める。
【0019】
図1に、電気透析に用いる電気透析装置の一例を示す概念図を示す。この図に示す電気透析装置では、陽極1と陰極2との間に、陰イオン交換膜3と陽イオン交換膜4とが交互に並べて設けられ、これによって、脱塩室Aと濃縮塩室Bとが交互に形成され、両端に陽極室C及び陰極室Dが形成されている。そして、陽極1と陰極2との間に直流電圧が印加されることによって電気透析がなされる。なお、電気透析を効率よく行うには、陽極室Cと陰極室Dとの間に、脱塩室Aと濃縮塩室Bと交互に複数並べることが好ましい。
【0020】
化合物(2)を含む反応混合物を脱塩室Aに供給すると、反応混合物中のアルカリ金属イオンは、陽イオン交換膜4を通過して濃縮塩室Bに移動する。また、反応混合物中の塩素イオン又は臭素イオンは、陰イオン交換膜3を通過して濃縮塩室Bに移動する。一方、化合物(2)は、陰イオン交換膜3及び陽イオン交換膜4のいずれにも透過しないことから、脱塩室Aにおいて濃縮されることになる。
【0021】
濃縮塩室B、脱塩室A、陽極室C、陰極室Dの水溶液は、好ましくは、ポンプなどによってそれぞれの室間で循環される。陽極室Cと陰極室Dとは互いに循環されていてもよい。
【0022】
陽極1としては、例えば、白金、白金を被覆したチタン、カーボン、ニッケル、ルテニウムを被覆したチタン、イリジウムを被覆したチタンなどが挙げられる。また、陰極2としては、鉄、ニッケル、白金、白金を被覆したチタン、カーボン、ステンレス鋼などが挙げられる。陽極1および陰極2の電極構造としては、例えば、メッシュ状、格子状、板状等の構造が挙げられる。
【0023】
陰イオン交換膜3としては、例えば、陰イオン交換基含有モノマーの重合体、陰イオン交換基含有モノマーと炭化水素系モノマーとの共重合体などが挙げられる。ここで、陰イオン交換基含有モノマーとしては、例えば、1〜3級アミノ基、第4級アンモニウム基などを含有するモノマーなどが挙げられる。具体的には、N−ビニルイミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール、N−ビニル−2,4−ジメチルイミダゾール、N−ビニル−2−エチルイミダゾール、N−ビニル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ビニルイミダゾール、1−メチル−2−ビニルイミダゾール等のビニルイミダゾール類;4−ビニルピリジン等のビニルピリジン類などの複素環系モノマー等が挙げられる。また、3級アミノ基含有重合体を、塩化メチル、沃化メチル、ジブロモヘキサン、硫酸ジメチルなどにより第4級アンモニウム塩に変換してもよい。
【0024】
陽イオン交換膜4としては、例えば、陽イオン交換基含有モノマーの重合体、陽イオン交換基含有モノマーと炭化水素系モノマーとの共重合体、炭化水素系モノマーの重合体を濃硫酸、発煙硫酸などでスルホン化して得られる重合体などが挙げられる。ここで、陽イオン交換基含有モノマーとしては、例えば、スルホン酸基(−SO−)、カルボキシル基(−CO−)、フェノール性水酸基などを含有するモノマーなどが挙げられ、具体的には、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ビニルフェノールなどが挙げられる。
【0025】
また、炭化水素系モノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、アクリロニトリル、アクロレイン、メチルビニルケトン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、スチレン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、マレイン酸エステル、無水マレイン酸、イタコン酸エステル、無水イタコン酸、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、トリビニルシクロヘキサン、ジビニルナフタレン、クロロメチルスチレンなどが挙げられる。
【0026】
陰イオン交換膜3及び陽イオン交換膜4としては、その製造方法から、例えば、重合型、縮合型、均一型、不均一型などが挙げられる。また、これらイオン交換膜には補強心材があってもよい。さらに、炭化水素系のものとフッ素系のものの複合膜であってもよい。
【0027】
陰イオン交換膜3及び陽イオン交換膜4は、例えば、厚さ0.1〜0.6mm程度、電気抵抗0.2〜10Ω・cm程度である。
【0028】
陰イオン交換膜3としては、例えば、ACS、AMX、AFN、AFX(以上、(株)アストム社より入手)などの市販品の陰イオン交換膜を使用してもよい。陽イオン交換膜4としては、例えば、CIMS、CMX、CMB(以上、(株)アストム社より入手)などの市販品の陽イオン交換膜を使用してもよい。
【0029】
本発明において、電気透析時の各種の溶液温度としては、好ましくは、5〜70℃程度、より好ましくは20〜50℃程度である。また、電流密度は、好ましくは、0.01〜20A/dm程度、より好ましくは、0.05〜10A/dm程度である。印加する電圧としては、陽極室C、陰イオン交換膜3、脱塩室A、陽イオン交換膜4、濃縮塩室B、陰極室Dを1セルとした場合の1セルあたり、好ましくは、0.02〜5V程度、より好ましくは0.1〜2V程度である。通電時間としては、好ましくは、5〜2000分程度、より好ましくは20〜300分程度である。
【0030】
電気透析は、例えば、透析における導電率が定常になったとき、終了すればよい。具体的には、定電圧下にて電気透析を実施する場合には、電流値が低下しなくなれば電気透析を終了すればよく、定電流下にて電気透析を実施する場合には電圧値が上昇しなくなれば、電気透析を終了すればよい。なお、定電圧下に電気透析すると、イオン交換膜の絶縁破壊が抑制される傾向にあることから好ましい。電気透析を実施する間、反応混合物は、脱塩速度を向上させて通電時間を短くできる点でpH2〜8の範囲に保持されることが好ましく、pH3〜7の範囲に保持されることがより好ましい。反応混合物のpHは、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物又は塩酸等の酸と混合することにより、所望する範囲に保持することができる。
本発明は以下のように構成することも可能である。
本発明に係る製造方法では、第2工程は、前記反応混合物をpH2〜8の範囲に保持して当該反応混合物を電気透析し脱塩する工程であることが好ましい。
また、式(2)で示されるアミノアルキルチオ硫酸化合物のMは水素原子であることが好ましい。
【実施例】
【0031】
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
【0032】
実施例1
窒素置換された反応容器に3−クロロプロピルアミン塩酸塩1重量部を仕込み、水7重量部を加えて3−クロロプロピルアミン塩酸塩を溶解させた。そこにチオ硫酸ナトリウム五水和物2重量部を加えた後、得られた水溶液を60〜70℃に保温し、反応容器を浴温80℃で加熱しながら、その中の溶液を撹拌した。浴温80℃で4時間撹拌した後に1H−NMRを測定したところ、反応が完結していたので、浴温80℃で約5時間撹拌した後に浴槽を外して放冷した。S−(3−アミノプロピル)チオ硫酸の取得率は95.4%であった。得られた反応混合物中の塩化物イオン濃度は、5.4重量%であった。
【0033】
得られた反応混合物には、S−(3−アミノプロピル)チオ硫酸と塩化ナトリウムとが含まれる。そこで、次に、下記条件で電気透析を行い塩化ナトリウムの除去を行った。電気透析における反応混合物中の塩化物イオン濃度をイオンクロマトグラフィーで測定した。図2に、塩化物イオン濃度の電気透析中の経時変化を示す。電気透析を2時間行った後の塩化物イオン濃度は、0.02重量%であった。電気透析を行う前における反応混合物のpHは3.4であり、電気透析を2時間行った後、反応混合物のpHは7.3まで上昇した。
【0034】
カチオン膜:「CIMS」((株)アストム社)
アニオン膜:「ACS」 ((株)アストム社)
電極液 :NaSO 5%溶液
イオン交換液:NaCl 5%溶液
膜 面 積:0.055m
電 圧 :15V
【0035】
実施例2
窒素置換された反応容器に3−クロロプロピルアミン塩酸塩1重量部を仕込み、水2重量部を加えて3−クロロプロピルアミン塩酸塩を溶解させた。そこにチオ硫酸ナトリウム五水和物2重量部を加えた後、得られた水溶液を60〜70℃に保温し、反応容器を浴温80℃で加熱しながら、その中の溶液を撹拌した。浴温80℃で4時間撹拌した後に1H−NMRを測定したところ、反応が完結していたので、浴温80℃で約5時間撹拌した後に浴槽を外して放冷した。室温付近まで冷却した混合物に、25重量%水酸化ナトリウム水溶液1.2重量部を添加した。S−(3−アミノプロピル)チオ硫酸ナトリウムの取得率は91.42%であった。得られた反応混合物中の塩化物イオン濃度は、8.7重量%であった。
【0036】
得られた反応混合物には、S−(3−アミノプロピル)チオ硫酸ナトリウムと塩化ナトリウムとが含まれる。そこで、次に、実施例1と同じ条件で電気透析を行い塩化ナトリウムの除去を行った。電気透析における反応混合物中の塩化物イオン濃度をイオンクロマトグラフィーで測定した。図3に、塩化物イオン濃度の電気透析中の経時変化を示す。電気透析を約4時間行った後の塩化物イオン濃度は、3.2重量%であった。電気透析を行う前における反応混合物のpHは11.3であり、電気透析を約4時間行った後、反応混合物のpHは11.4であり、電気透析によりpHはほぼ変化しなかった。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明に係る製造方法によれば、反応により副生する無機塩を電気透析で除去でき、高い純度のアミノアルキルチオ硫酸化合物が得られ有用である。
【符号の説明】
【0038】
1 陽極
2 陰極
3 陰イオン交換膜
4 陽イオン交換膜
A 脱塩室
B 濃縮塩室
C 陽極室
D 陰極室

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1)で示される化合物とチオ硫酸のアルカリ金属塩とを、水の存在下で反応させる第1工程と、
第1工程で得られた下記式(2)で示されるアミノアルキルチオ硫酸化合物を含む反応混合物を電気透析し脱塩する第2工程と
を有することを特徴とするアミノアルキルチオ硫酸化合物の製造方法。
【化1】

(式中、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表すか、RとRとが一緒になって炭素数2〜9のポリメチレン基を表し、Xは塩素原子又は臭素原子を表し、nは2〜9の整数を表す。)
【化2】

(式中、R、R及びnはそれぞれ式(1)と同じ意味を表し、Mは水素原子又はアルカリ金属を表す。)
【請求項2】
前記第2工程が、前記反応混合物をpH2〜8の範囲に保持して当該反応混合物を電気透析し脱塩する工程である請求項1記載のアミノアルキルチオ硫酸化合物の製造方法。
【請求項3】
式(2)で示されるアミノアルキルチオ硫酸化合物のMが水素原子である請求項1又は2記載のアミノアルキルチオ硫酸化合物の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−188415(P2012−188415A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−10552(P2012−10552)
【出願日】平成24年1月22日(2012.1.22)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】