説明

アミノアントラセンを使用した安定な有機発光デバイス

有機発光デバイスは、基板と、基板の上に配置されたアノード及びカソードと、アノードとカソードとの間に配置された、ホストと少なくとも1つのドーパントとを含む発光層とを含む。発光層のホストは少なくとも2つの成分の混合物を含む固体有機材料を含むように選択され、その際第1の成分はアミノアントラセンを含む有機化合物である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機発光デバイスに関する。より詳しく言うと、本発明は、デバイス性能を改善するための発光層の組成の設計に関する。
【背景技術】
【0002】
有機電場発光(EL)デバイスとしても知られる有機発光ダイオード(OLED)は、デバイスに印加された電流に応答して光を放射する一種の電子デバイスである。OLEDデバイスの構造は一般に、アノード、有機EL媒体、及びカソードを含む。本出願では、有機EL媒体という用語は、OLEDデバイス中のアノードとカソードとの間に配置された有機材料または有機材料の層を指す。有機EL媒体は、薄膜またはバルク固体の形態の低分子量化合物、高分子量ポリマー、低分子量化合物のオリゴマー、または生体材料を含んでもよい。媒体はアモルファスまたは結晶性でもよい。様々な構造の有機電場発光媒体が先行技術で記載されている。ドレスナー(Dresner)は、RCAレビュー(RCA Review)、30、322(1969)で、単一層のアントラセン膜を備える媒体を記載した。タン(Tang)他は、応用物理通信(Applied Physics Letters)、51、913(1987)、応用物理紀要(Journal of Applied Physics)、65、3610(1989)、及び同じ譲受人に譲受された米国特許第4,769,292号で、多層構造の有機薄膜を備えたEL媒体を報告し、こうした媒体を使用した高い効率のOLEDデバイスを実証した。OLEDデバイス構造の中には、多層EL媒体が、アノードに隣接した正孔輸送層と、カソードに隣接した電子輸送層と、これらの2つの層の間に配置された発光層とを含むものがある。さらに、好適なデバイス構造の中には、発光層が、ホストとしての有機材料と、ドーパントとしての低濃度の蛍光化合物とを備えるドープ有機膜から構成されるものがある。こうしたドープOLEDデバイスにおいて、適当なドーパントとホストの組成を選択することによって、EL効率、色度、及び安定性の改善が得られた。主要な発光中心であるドーパントは、望ましいEL色を生じるように選択する。タン(Tang)他が同じ譲受人に譲受された米国特許第4,769,292号で報告し、チェン(Chen)他が同じ譲受人に譲受された米国特許第5,908,581号で報告したドープ発光層の例は、緑色発光OLEDのためのクマリン染料でドープしたトリス(8−キノリノール)アルミニウム(AlQ)ホスト、及び橙−赤色発光OLEDのための4−ジシアノメチレン−4H−ピラン(DCM)でドープした(AlQ)ホストである。シ(Shi)他は、同じ譲受人に譲受された米国特許第5,593,788号で、AlQホスト中のドーパントとしてキナクリドン化合物を使用することによって長動作寿命が得られることを報告した。ブライアン(Bryan)他は、同じ譲受人に譲受された米国特許第5,141,671号で、青色発光ホスト中のドーパントとしてペリレンまたはペリレン誘導体を含む発光層を開示した。彼らは、動作安定性が改善された青色発光OLEDデバイスが得られることを示した。どちらの開示でも、発光層中に選択した蛍光ドーパントを組み込むことによってOLEDデバイスの全体的な性能パラメータが大きく改善されることが分かる。日本国特許第JP11−273861号及び第JP2001−284050号に示されるように、発光層をアントラセン誘導体でコドープすることによって、より良好な安定性を備えたデバイスが得られる。正孔輸送を妨害する材料によって正孔輸送層をドープし、正孔輸送材料を電子輸送性AlQにコドープすることによってデバイスの寿命が改善される。ポポヴィッチ(Popovic)他、固体薄膜2000(Thin Solid Film 2000)、363、6、。SPIE、1998、3476、68。
【0003】
ドープ発光層の最も一般的な構成は、ホストマトリックス中の単一のドーパントだけを含む。しかし、場合によっては、発光層中に1つより多いドーパントを組み込むのが安定性及び色相を改善する際有益であることが分かっている。AlQホスト中に、黄色発光ドーパントであるルブレンと、赤色発光ドーパントであるDCJ、4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−[2−(4−ジュロリジル)エテニル]−4H−ピランとを含む発光層を使用して、動作安定性が改善され優れた色度を備えた赤色発光OLEDデバイスを製造することができる。浜田(Hamada)他、応用物理通信(Applied Phys. Lett.)、75、1682(1999)。ハトワール(Hatwar)他、欧州特許第EP 1 162 674 A2号。こうした多重ドーパント系によって、ルブレンは、AlQホストからDCJ発光体へのエネルギー移動を媒介する際コドーパントとしての役目を果たす。
【0004】
様々な組成のドープ発光層を使用することによってEL効率、色、及び安定性は大きく改善したが、低い動作安定性の問題は残っている。不十分な安定性は、多くの望ましい実際の用途に対する最大の障害の1つになっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、OLEDデバイスの寿命及び効率を増大する発光層のための新しい組成を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、有機発光デバイスであって、基板と、基板の上に配置されたアノード及びカソードと、アノードとカソードとの間に配置された発光層とを備え、発光層がホストと少なくとも1つのドーパントとを含み、発光層のホストが少なくとも2つの成分の混合物を含む固体有機材料を含むよう選択され、その混合物の第1の成分がアミノアントラセンを含む有機化合物であり、第2の成分が、該第1の成分より大きい双極子モーメントを有する有機化合物を含む有機発光デバイスによって達成される。
【発明の効果】
【0007】
本発明の利点は、高い動作安定性、低い駆動電圧、及び優れた輝度効率を備えたOLEDデバイスが達成できることである。
【0008】
第1の成分としてアミノアントラセンを選択し、第1の成分より大きい双極子モーメントを有する第2の成分を選択することによって、OLEDデバイスのための発光層の寿命と効率との両方が増大することが、全く予想外に判明した。
【0009】
本発明の別の利点は、ディスプレイ用途に適したOLEDデバイスを提供することである。
【0010】
基準化を行い、また便宜な均等な基準化を行うには、個々の層は薄すぎ、様々な要素の厚さの差は大きすぎるので、図面は当然概略的な性質のものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1は、本発明で実施される最も単純な構成のOLEDデバイスの構造を例示する。この構造では、OLEDデバイス100は、基板110の上に配置された、アノード120と、EL媒体130と、カソード140とを含む。動作の際、導電体10を備えた外部電流または電圧源をアノード及びカソードに接続することによってOLEDデバイスを電流が通過し、EL媒体から光を放射させる。光は必要に応じて、かつアノード及びカソードの光透過性に応じて、アノードまたはカソードの何れかまたはそれらの両方を通じて出てもよい。EL媒体は単一層または多重層の有機材料を含む。
【0012】
図2は、本発明の別のOLEDデバイスの構造を例示する。この構造では、OLEDデバイス200は、基板210と、アノード220とカソード240との間に配置されたEL媒体230とを含む。EL媒体230は、アノードに隣接した正孔輸送層231と、カソードに隣接した電子輸送層233と、正孔輸送層と電子輸送層との間に配置された発光層232とを含む。動作の際、導電体10を備えた外部電流または電圧源をアノード及びカソードに接続することによってOLEDデバイスを電流が通過する。EL媒体を通過するこの電流によって、主として発光層232から光が放射する。正孔輸送層231は、正孔、すなわち正の電荷キャリアを、アノードから発光層に運ぶ。電子輸送層233は、電子、すなわち負の電荷キャリアを、カソードから発光層232に運ぶ。正孔と電子の再結合によって、光の放射、すなわち電場発光が、発光層232から生じる。
【0013】
図3は、本発明のOLEDデバイスのまた別の構造を例示する。この構造では、OLEDデバイス300は、基板310と、アノード320とカソード340との間に配置されたEL媒体330とを含む。EL媒体330は、正孔注入層331と、正孔輸送層332と、発光層333と、電子輸送層334と、電子注入層335とを含む。図2のOLEDデバイス200と同様に、電子と正孔の再結合によって、主として発光層333から放射が生じる。正孔注入層331と電子注入層335とを提供することは、それぞれの電極からのキャリア注入に対する障壁を減少させる働きがある。その結果、OLEDデバイスのために必要な駆動電圧を低下させることができる。
【0014】
本発明によれば、発光層(図2の層232または図3の層333の何れか)は主としてOLEDデバイスから放射される電場発光を担当する。この発光層のための最も一般的に使用される構成は、ホストと1つかそれ以上のドーパントとを含む有機薄膜である。ホストは、アノード及びカソードから注入される電荷キャリアの輸送及び再結合のための固体媒体またはマトリックスの役目を果たす。ドーパントは、普通ホスト中に少量均質に分布しており、光が生成される発光中心を提供する。先行技術の教示に準拠して、本発明はホスト及びドーパントを含む発光層を使用するが、本発明のホストは、各成分が特定の電子特性を有する少なくとも2つの成分を有する混合物である点で先行技術と異なっている。こうしたホスト成分及び適合するドーパント材料の選択は以下の基準による。
1.ホストは少なくとも2つの成分の混合物を含む固体有機薄膜である。
2.混合物の第1の成分は、次式のアミノアントラセン化合物を含むが、
【0015】
【化1】

【0016】
ここで、
1〜R10は個別に、水素、フルオロ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、1〜24個の炭素原子の非分枝アルキルまたは置換非分枝アルキル、1〜24個の炭素原子の分枝アルキルまたは置換分枝アルキル、1〜24個の炭素原子の環式アルキルまたは置換環式アルキル、5〜40個の炭素原子のアリールまたは置換アリール、複素環または置換複素環、アルケニルまたは置換アルケニル、アルコキシまたは置換アルコキシ、アリールオキシまたは置換アリールオキシ、芳香族炭化水素または置換芳香族炭化水素であり、R1〜R10の少なくとも1つはジアリールアミノ、アリールアルキルアミノ、またはジアルキルアミノである。
3.混合物の第2の成分は、第1の成分より大きい双極子モーメントを有する有機化合物を含む。
4.ドーパントは、第1または第2何れかのホスト成分中の電子と正孔の再結合から放出されたエネルギーを受容し、光としてエネルギーを放射することのできる有機発光化合物である。
【0017】
本発明の選択基準に準拠して、低い電圧、高い効率、及び優れた動作安定性を有するOLEDデバイスを構成した。より重要なことだが、動作安定性と、カンデラ/アンペアを単位として測定した輝度効率が、第1の成分のない系と比較して大きく向上した。さらに、色度が保持され動作電圧が低下した。これは、先行技術に対する歴然たる利点であり、先行技術では、比較例に対する効率の増大と組み合わされたこうした動作安定性の改善を実証することはなかった。実際には、動作安定性の増大は、輝度の減少、駆動電圧の増大または色度の変化といった1つかそれ以上の副作用を伴うことが多い。
【0018】
本発明の発光層の第1のホスト成分のための好適な材料は次式のアミノアントラセン化合物を含むが、
【0019】
【化2】

【0020】
ここで、
1〜R10は個別に、水素、フルオロ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、1〜24個の炭素原子の非分枝アルキルまたは置換非分枝アルキル、1〜24個の炭素原子の分枝アルキルまたは置換分枝アルキル、1〜24個の炭素原子の環式アルキルまたは置換環式アルキル、5〜40個の炭素原子のアリールまたは置換アリール、複素環または置換複素環、アルケニルまたは置換アルケニル、アルコキシまたは置換アルコキシ、アリールオキシまたは置換アリールオキシ、芳香族炭化水素または置換芳香族炭化水素であり、R1〜R10の少なくとも1つはジアリールアミノ、アリールアルキルアミノ、またはジアルキルアミノである。
【0021】
特に好適な材料の特定の例の化学式は以下である。
【化3】

【化4】

【0022】
第2のホスト成分のための1つの特定の選択基準は、当該有機化合物が第1の成分より極性の強い分子構造を有するべきであるというものである。化合物の極性は分子中の電荷の分布の尺度である。非極性またはほぼ非極性の分子は、各原子がほぼ電気的に中性であるという構造を有する。それと対照的に、極性化合物は一部の原子が部分的に正または負の電荷を有する分子構造を有する。場合によっては、分子の極性は、デバイ(Debye)を単位として定義する双極子モーメントの大きさによって示してもよい。参考までに、多数の有機化合物の双極子モーメントの値は、化学物理便覧、51版(The Handbook of Chemistry and Physics,51st edition)、E70ページに見られる。非極性分子は普通1.0デバイ未満の双極子モーメントを有する。第1のホスト成分の双極子モーメントは好適には2.5デバイ未満である。
【0023】
有機化合物の中には、個別の基としては極性である原子の様々なモイエティまたは基を含み得るものの、分子の平均双極子モーメントは比較的小さいものであり得る分子構造を有するものがある。その理由は、分子構造中の個別のモイエティの双極子モーメントは互いに反対なことがあり、それらの双極子モーメントを打ち消すからである。基双極子モーメントとして知られる、分子中の原子の様々な基の双極子モーメントの値は、文献「有機化学における双極子モーメント(Dipole Moments in Organic Chemistry)」、V.I.ミンキン(V.I.Minkin)、O.A.オシポフ(O.A.Osipov)、及びY.A.ジダノフ(Y.A.Zhdanov)著、に見られる。OLED中で有用な分子の非極性または極性の性質を記述するための正味及び基双極子モーメントのさらなる例は、ヤング(Young)及びフィッツジェラルド(Fitzgerald)、物理化学紀要(Journal of Physical Chemistry)、99、4230(1995)で利用可能である。
【0024】
本出願で使用する場合、分子中の原子のモイエティまたは基の双極子モーメントを基双極子モーメントと呼ぶ。分子全体の双極子モーメントを分子の正味双極子モーメントと呼ぶ。
【0025】
本発明の発光層の第2のホスト成分のための材料は、第1のホスト成分より高い双極子モーメントを有する有機化合物を含む。前に定義したように、分子の正味双極子モーメントと基双極子モーメントの値はかなり異なっていることがある。有機化合物が第2のホスト成分として有用であるために必要なことは、分子の何らかの個別の基双極子モーメントまたは正味双極子モーメントが、第1のホスト成分のために使用される分子の何らかの個別の基双極子モーメントまたは正味双極子モーメントより大きいことだけである。発光層中の第2のホスト成分として有用な分子の個別の基または正味双極子モーメントとしては2.5デバイまたはそれより大きい値が好適である。表1は、本発明で有用ないくつかの材料の双極子モーメントを記載する。形状と双極子モーメントはB3LYP/MIDI!法を使用して計算した。B3LYPは、Gaussian98コンピュータコード中の定義により使用した。使用した双極子は波動関数双極子であった。
【0026】
【化5】

【0027】
第2のホスト成分のための材料の好適な種類はオキシノイド化合物である。オキシノイド化合物の例は以下の構造式を満たすものであるが、
【化6】

ここで、
Meは金属を表し、
nは1〜3の整数であり、
Zは発生する都度個別に、少なくとも2つの縮合芳香環を有する核を完成する原子を表す。
【0028】
上記から、金属は一価、二価、または三価の金属でもよいことが明らかである。金属は、例えば、リチウム、ナトリウム、ルビジウム、セシウムまたはカリウムといったアルカリ金属、マグネシウム、ストロンチウム、バリウム、またはカルシウムといったアルカリ土類金属、またはボロンまたはアルミニウム、ガリウム、及びインジウムといった土類金属でもよい。一般に、有用なキレート化金属であることが知られた一価、二価、または三価の金属を利用すればよい。
【0029】
Zは、少なくとも1つがアゾール環またはアジン環である少なくとも2つの縮合芳香環を含む複素環核を完成する。必要な場合、脂肪族環及び芳香族環の両方を含む追加の環を2つの必要な環と共に縮合してもよい。機能を改善することなく分子の大きさを増やすのを避けるため、環の原子の数は18またはそれ未満に維持することが好ましい。
【0030】
有用なキレート化オキシノイド化合物とそれらの短縮名の例は以下である。
トリス(8−キノリノール)アルミニウム(AlQ3
ビス(8−キノリノール)マグネシウム(MgQ2
トリス(8−キノリノール)ガリウム(GaQ3
8−キノリノールリチウム(LiQ)
このリストはさらに、InQ3、ScQ3、ZnQ2、BeBq2(ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム)、Al(4−MeQ)3、Al(2−MeQ)3、Al(2,4−Me2Q)3、Ga(4−MeQ)3、Ga(2−MeQ)3、Ga(2,4−Me2Q)3、及びMg(2−MeQ)2を含む。オキシノイド化合物のリストはさらに、例えば、Xが任意のアリールオキシ、アルコキシ、アリールカボキシラト、又は複素環式カルボキシラト基であるAl(2−MeQ)2(X)といった、2つの二座配位子と1つの単座配位子とを備えた金属錯体を含む。
【0031】
発光層中のドーパントのための材料選択基準は、1)ドーパント分子が、発光層中の高い効率の蛍光または燐光を有する、及び2)第1及び第2両方のホスト材料より小さいバンドギャップを有する、というものである。さらに、選択されたドーパントは青色、青−緑色、緑色、緑−黄色、または黄色の光を生じてもよい。
【0032】
緑色発光OLEDの場合、次式のクマリン染料を含む種類の蛍光材料が本発明のドーパントとして有用であるが、
【0033】
【化7】

【0034】
ここで、
X=S、O、またはNR7であり、R1及びR2は個別に1〜20個の炭素原子のアルキル、アリールまたは炭素環系であり、
3及びR4は個別に、1〜10個の炭素原子のアルキル、または、それぞれR1及びR2と接続する分枝または非分枝の5〜6個の要素の置換環であり、
5及びR6は個別に、分枝または非分枝の、1〜20個の炭素原子のアルキルであり、
7は任意のアルキルまたはアリール基である。
【0035】
こうした材料は、溶液中の個体と同程度の高い蛍光効率を有する。この種類の代表的な材料とそれらの短縮名は以下を含む。
【0036】
【化8】

【0037】
緑色発光OLEDの場合、次式のキナクリドン染料を有する化合物を含む別の種類の蛍光材料が本発明のドーパントとして有用であるが、
【化9】

【0038】
ここで、
置換基R1〜R7は各々個別に、水素、フルオロ、シアノ、アルコキシ、アリールオキシ、ジアリールアミノ、アリールアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、トリアルキルシリル、トリアリールシリル、ジアリールアルキルシリル、ジアルキルアリールシリル、ケト、ジシアノメチル、1〜24個の炭素原子のアルキル、1〜24個の炭素原子のアルケニル、1〜24個の炭素原子のアルキニル、5〜30個の炭素原子のアリール、置換アリール、少なくとも1つの窒素原子、または少なくとも1つの酸素原子、または少なくとも1つの硫黄原子、または少なくとも1つのボロン原子、または少なくとも1つの燐原子、または少なくとも1つのシリコン原子、またはそれらの任意の組み合わせを含む複素環であり、また任意の2つの隣接するR1〜R4置換基は縮環ベンゾ、ナフト、アントラ、フェナントロ、フルオランテノ、ピレノ、トリフェニレノ、またはペリレノ置換基またはそのアルキルまたはアリール置換誘導体を形成し、また任意の2つのR1〜R4置換基は1,2−ベンゾ、1,2−ナフト、2,3−ナフト、1,8−ナフト、1,2−アントラセノ、2,3−アントラセノ、2,2’−BP、4,5−PhAn、1,12−TriP、1,12−Per、9,10−PhAn、1,9−An、1,10−PhAn、2,3−PhAn、1,2−PhAn、1,10−Pyr、1,2−Pyr、2,3−Per、3,4−FlAn、2,3−FlAn、1,2−FlAn、3,4−Per、7,8−FlAn、8,9−FlAn、2,3−TriP、1,2−TriP、アセ、またはインデノ置換基またはそれらのアルキルまたはアリール置換誘導体を形成する。
【0039】
こうした材料は、溶液中の個体と同程度の高い蛍光効率を有する。この種類の代表的な材料とそれらの短縮名は以下を含む。
【化10】

【0040】
緑色、緑−黄色、及び黄色発光OLEDの場合、DPMB(ジピリジノメテンボラート)モイエティを有する化合物を含む別の種類の蛍光材料が本発明のドーパントとして有用であるが、
【化11】

【0041】
ここで、
置換基R1〜R9は各々個別に、水素、フルオロ、シアノ、アルコキシ、アリールオキシ、ジアリールアミノ、アリールアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、トリアルキルシリル、トリアリールシリル、ジアリールアルキルシリル、ジアルキルアリールシリル、ケト、ジシアノメチル、1〜24個の炭素原子のアルキル、1〜24個の炭素原子のアルケニル、1〜24個の炭素原子のアルキニル、5〜30個の炭素原子のアリール、置換アリール、少なくとも1つの窒素原子、または少なくとも1つの酸素原子、または少なくとも1つの硫黄原子、または少なくとも1つのボロン原子、または少なくとも1つの燐原子、または少なくとも1つのシリコン原子、またはそれらの任意の組み合わせを含む複素環であり、また任意の2つの隣接するR1〜R9置換基は縮環ベンゾ、ナフト、アントラ、フェナントロ、フルオランテノ、ピレノ、トリフェニレノ、またはペリレノ置換基またはそのアルキルまたはアリール置換誘導体を形成し、また任意の2つのR1〜R9置換基は1,2−ベンゾ、1,2−ナフト、2,3−ナフト、1,8−ナフト、1,2−アントラセノ、2,3−アントラセノ、2,2’−BP、4,5−PhAn、1,12−TriP、1,12−Per、9,10−PhAn、1,9−An、1,10−PhAn、2,3−PhAn、1,2−PhAn、1,10−Pyr、1,2−Pyr、2,3−Per、3,4−FlAn、2,3−FlAn、1,2−FlAn、3,4−Per、7,8−FlAn、8,9−FlAn、2,3−TriP、1,2−TriP、アセ、またはインデノ置換基またはそれらのアルキルまたはアリール置換誘導体を形成する。
【0042】
こうした材料は、溶液中の個体と同程度の高い蛍光効率を有する。この種類の代表的な材料は以下を含む。
【化12】

【0043】
黄色及び橙色発光OLEDの場合、本発明のための好適な種類のドーパントはインデノペリレンモイエティを有する化合物を含むが、
【化13】

【0044】
ここで、
置換基R1〜R14は各々個別に、水素、フルオロ、シアノ、アルコキシ、アリールオキシ、ジアリールアミノ、アリールアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、トリアルキルシリル、トリアリールシリル、ジアリールアルキルシリル、ジアルキルアリールシリル、ケト、ジシアノメチル、1〜24個の炭素原子のアルキル、1〜24個の炭素原子のアルケニル、1〜24個の炭素原子のアルキニル、5〜30個の炭素原子のアリール、置換アリール、少なくとも1つの窒素原子、または少なくとも1つの酸素原子、または少なくとも1つの硫黄原子、または少なくとも1つのボロン原子、または少なくとも1つの燐原子、または少なくとも1つのシリコン原子、またはそれらの任意の組み合わせを含む複素環であり、また任意の2つの隣接するR1〜R14置換基は縮環ベンゾ、ナフト、アントラ、フェナントロ、フルオランテノ、ピレノ、トリフェニレノ、またはペリレノ置換基またはそのアルキルまたはアリール置換誘導体を形成し、また任意の2つのR1〜R14置換基は1,2−ベンゾ、1,2−ナフト、2,3−ナフト、1,8−ナフト、1,2−アントラセノ、2,3−アントラセノ、2,2’−BP、4,5−PhAn、1,12−TriP、1,12−Per、9,10−PhAn、1,9−An、1,10−PhAn、2,3−PhAn、1,2−PhAn、1,10−Pyr、1,2−Pyr、2,3−Per、3,4−FlAn、2,3−FlAn、1,2−FlAn、3,4−Per、7,8−FlAn、8,9−FlAn、2,3−TriP、1,2−TriP、アセ、またはインデノ置換基またはそれらのアルキルまたはアリール置換誘導体を形成する。
【0045】
こうした材料は、溶液中の個体と同程度の高い蛍光効率を有する。この種類の1つの代表的な材料は以下である。
【化14】

【0046】
黄色及び橙色発光OLEDの場合、本発明のための別の好適な種類のドーパントはナフタセンモイエティを有する化合物を含むが、
【化15】

【0047】
ここで、
置換基R1〜R12は各々個別に、水素、フルオロ、シアノ、アルコキシ、アリールオキシ、ジアリールアミノ、アリールアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、トリアルキルシリル、トリアリールシリル、ジアリールアルキルシリル、ジアルキルアリールシリル、ケト、ジシアノメチル、1〜24個の炭素原子のアルキル、1〜24個の炭素原子のアルケニル、1〜24個の炭素原子のアルキニル、5〜30個の炭素原子のアリール、置換アリール、少なくとも1つの窒素原子、または少なくとも1つの酸素原子、または少なくとも1つの硫黄原子、または少なくとも1つのボロン原子、または少なくとも1つの燐原子、または少なくとも1つのシリコン原子、またはそれらの任意の組み合わせを含む複素環であり、また任意の2つの隣接するR1〜R12置換基は縮環ベンゾ、ナフト、アントラ、フェナントロ、フルオランテノ、ピレノ、トリフェニレノ、またはペリレノ置換基またはそのアルキルまたはアリール置換誘導体を形成し、また任意の2つのR1〜R12置換基は1,2−ベンゾ、1,2−ナフト、2,3−ナフト、1,8−ナフト、1,2−アントラセノ、2,3−アントラセノ、2,2’−BP、4,5−PhAn、1,12−TriP、1,12−Per、9,10−PhAn、1,9−An、1,10−PhAn、2,3−PhAn、1,2−PhAn、1,10−Pyr、1,2−Pyr、2,3−Per、3,4−FlAn、2,3−FlAn、1,2−FlAn、3,4−Per、7,8−FlAn、8,9−FlAn、2,3−TriP、1,2−TriP、アセ、またはインデノ置換基またはそれらのアルキルまたはアリール置換誘導体を形成する。
【0048】
緑−青色、青−緑色、及び青色発光OLEDの場合、本発明のための好適な種類のドーパントはBASB(ビスアミノスチリルベンゼン)モイエティを有する化合物を含むが、
【化16】

【0049】
ここで、
各二重結合は他の二重結合とは独立してEまたはZの何れでもよく、置換基R1〜R4は各々個別に、かつ独立して、1〜24個の炭素原子のアルキル、5〜30個の炭素原子のアリールまたは置換アリール、少なくとも1つの窒素原子、または少なくとも1つの酸素原子、または少なくとも1つの硫黄原子、または少なくとも1つのボロン原子、または少なくとも1つの燐原子、または少なくとも1つのシリコン原子、またはそれらの任意の組み合わせを含む複素環であり、置換基R5〜R20は各々個別に、水素、フルオロ、シアノ、アルコキシ、アリールオキシ、ジアリールアミノ、アリールアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、トリアルキルシリル、トリアリールシリル、ジアリールアルキルシリル、ジアルキルアリールシリル、ケト、ジシアノメチル、1〜24個の炭素原子のアルキル、1〜24個の炭素原子のアルケニル、1〜24個の炭素原子のアルキニル、5〜30個の炭素原子のアリール、置換アリール、少なくとも1つの窒素原子、または少なくとも1つの酸素原子、または少なくとも1つの硫黄原子、または少なくとも1つのボロン原子、または少なくとも1つの燐原子、または少なくとも1つのシリコン原子、またはそれらの任意の組み合わせを含む複素環であり、また任意の2つの隣接するR5〜R20置換基は縮環ベンゾ、ナフト、アントラ、フェナントロ、フルオランテノ、ピレノ、トリフェニレノ、またはペリレノ置換基またはそのアルキルまたはアリール置換誘導体を形成し、また任意の2つのR5〜R20置換基は1,2−ベンゾ、1,2−ナフト、2,3−ナフト、1,8−ナフト、1,2−アントラセノ、2,3−アントラセノ、2,2’−BP、4,5−PhAn、1,12−TriP、1,12−Per、9,10−PhAn、1,9−An、1,10−PhAn、2,3−PhAn、1,2−PhAn、1,10−Pyr、1,2−Pyr、2,3−Per、3,4−FlAn、2,3−FlAn、1,2−FlAn、3,4−Per、7,8−FlAn、8,9−FlAn、2,3−TriP、1,2−TriP、アセ、またはインデノ置換基またはそれらのアルキルまたはアリール置換誘導体を形成する。
【0050】
こうした材料は、溶液中の個体と同程度の高い蛍光効率を有する。この種類の代表的な材料は以下を含む。
4−(ジフェニルアミノ)−4’−[4−(ジフェニルアミノ)スチリル]スチルベン
4−(ジ−p−トリルアミノ)−4’−[(ジ−p−トリルアミノ)スチリル]スチルベン(青色−緑色2)
4,4’−[(2,5−ジメトキシ−1,4−フェニレン)ジ−2,1−エテネジル]ビス[N,N−ビス(4−メチルフェニル)ベンゼンアミン
4,4’−(1,4−ナフタレネジルジー2,1−エスネジル)ビス[N,N−ビス(4−メチルフェニル)ベンゼンアミン
3,3’−(1,4−フェニレンジ−2,1−エスネジル)ビス[9−(4−エチルフェニル)−9H−カルバゾール
4,4’−(1,4−フェニレンジ−2,1−エスネジル)ビス[N,N−ジフェニル−1−ナフタレンアミン
4,4’−[1,4−フェニレンビス(2−フェニル−2,1−エスネジル)]ビス[N,N−ジフェニルベンゼンアミン]
4,4’,4”−(1,2,4−ベンゼントリイルトリ−2,1−エスネジル)トリス[N,N−ジフェニルベンゼンアミン]
9,10−ビス[4−(ジ−p−トリルアミノ)スチリル]アントラセン
α,α’−(1,4−フェニレンジメチリジン)ビス[4−(ジフェニルアミノ)−1−ナフタレンアセトニトリル
【0051】
青色発光OLEDの場合、本発明のための好適な種類のドーパントはペリレンモイエティを有する化合物を含むが、
【化17】

【0052】
ここで、
置換基R1〜R12は各々個別に、水素、フルオロ、シアノ、アルコキシ、アリールオキシ、ジアリールアミノ、アリールアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、トリアルキルシリル、トリアリールシリル、ジアリールアルキルシリル、ジアルキルアリールシリル、ケト、ジシアノメチル、1〜24個の炭素原子のアルキル、1〜24個の炭素原子のアルケニル、1〜24個の炭素原子のアルキニル、5〜30個の炭素原子のアリール、置換アリール、少なくとも1つの窒素原子、または少なくとも1つの酸素原子、または少なくとも1つの硫黄原子、または少なくとも1つのボロン原子、または少なくとも1つの燐原子、または少なくとも1つのシリコン原子、またはそれらの任意の組み合わせを含む複素環であり、また任意の2つの隣接するR1〜R12置換基は縮環ベンゾ、ナフト、アントラ、フェナントロ、フルオランテノ、ピレノ、トリフェニレノ、またはペリレノ置換基またはそのアルキルまたはアリール置換誘導体を形成し、また任意の2つのR1〜R12置換基は1,2−ベンゾ、1,2−ナフト、2,3−ナフト、1,8−ナフト、1,2−アントラセノ、2,3−アントラセノ、2,2’−BP、4,5−PhAn、1,12−TriP、1,12−Per、9,10−PhAn、1,9−An、1,10−PhAn、2,3−PhAn、1,2−PhAn、1,10−Pyr、1,2−Pyr、2,3−Per、3,4−FlAn、2,3−FlAn、1,2−FlAn、3,4−Per、7,8−FlAn、8,9−FlAn、2,3−TriP、1,2−TriP、アセ、またはインデノ置換基またはそれらのアルキルまたはアリール置換誘導体を形成する。
【0053】
こうした材料は、溶液中の個体と同程度の高い蛍光効率を有する。この種類の代表的な材料は以下を含む。
ペリレン
2,5,8,11−テトラ−タート−ブチルペリレン(TBP)
2,8−ジ−タート−ブチルペリレン
オバレン
ジベンゾ[b,ghi]ペリレン
ジベンゾ[b,k]ペリレン
【0054】
青色発光OLEDの場合、本発明のための別の好適な種類のドーパントはADPMB(アザ−DPMB)モイエティを有する化合物を含むが、
【化18】

【0055】
ここで、
置換基R1〜R8は各々個別に、水素、フルオロ、シアノ、アルコキシ、アリールオキシ、ジアリールアミノ、アリールアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、トリアルキルシリル、トリアリールシリル、ジアリールアルキルシリル、ジアルキルアリールシリル、ケト、ジシアノメチル、1〜24個の炭素原子のアルキル、1〜24個の炭素原子のアルケニル、1〜24個の炭素原子のアルキニル、5〜30個の炭素原子のアリール、置換アリール、少なくとも1つの窒素原子、または少なくとも1つの酸素原子、または少なくとも1つの硫黄原子、または少なくとも1つのボロン原子、または少なくとも1つの燐原子、または少なくとも1つのシリコン原子、またはそれらの任意の組み合わせを含む複素環であり、また任意の2つの隣接するR1〜R8置換基は縮環ベンゾ、ナフト、アントラ、フェナントロ、フルオランテノ、ピレノ、トリフェニレノ、またはペリレノ置換基またはそのアルキルまたはアリール置換誘導体を形成し、また任意の2つのR1〜R8置換基は1,2−ベンゾ、1,2−ナフト、2,3−ナフト、1,8−ナフト、1,2−アントラセノ、2,3−アントラセノ、2,2’−BP、4,5−PhAn、1,12−TriP、1,12−Per、9,10−PhAn、1,9−An、1,10−PhAn、2,3−PhAn、1,2−PhAn、1,10−Pyr、1,2−Pyr、2,3−Per、3,4−FlAn、2,3−FlAn、1,2−FlAn、3,4−Per、7,8−FlAn、8,9−FlAn、2,3−TriP、1,2−TriP、アセ、またはインデノ置換基またはそれらのアルキルまたはアリール置換誘導体を形成する。
【0056】
こうした材料は、溶液中の個体と同程度の高い蛍光効率を有する。この種類の代表的な材料は以下を含む。
【化19】

【0057】
本発明の発光層の組成は、第1のホスト成分または第2のホスト成分の何れかが発光層の最大の体積分率を占めることができるようなものである。ドーパントは普通最小の体積分率を占める。第1のホスト成分の範囲は発光層の1〜99体積%である。第1のホスト成分の好適な範囲は25〜75体積%である。第2のホスト成分の範囲は発光層の99〜1体積%である。第2のホスト成分の好適な範囲は75〜25体積%である。ドーパントの濃度範囲は0.1〜10体積%である。ドーパントの好適な濃度範囲は0.5〜5体積%である。本発明で有用な発光層の厚さは50〜5000オングストロームである。この範囲の厚さは十分に大きいので、電荷キャリアの再結合が可能になり、もっぱらこの層で電場発光が行われる。好適な範囲は100〜1000オングストロームであり、この範囲内では、駆動電圧を含むOLEDデバイス全体の性能パラメータが最適になる。
【0058】
本発明の発光層を形成する有用な方法は真空チャンバ内での蒸着によるものである。この方法は、有機層を含む層構造を層間の大きな干渉なしに基板上に順次蒸着できるためOLEDデバイスを製造するため特に有用である。個別の各層の厚さとその組成は蒸着処理中に正確に制御することができる。発光層の望ましい組成を生じるため、蒸着率モニタを使用して各成分の蒸着率を独立して制御する。
【0059】
本発明の発光層を形成する別の有用な方法はスピンコーティングまたはインクジェット印刷によるものである。この方法は低コストOLEDデバイスを製造するため特に有用である。発光層の組成はコーティングする溶液中の各成分の濃度によって決定する。
【0060】
図2に戻ると、正孔輸送層231及び電子輸送層233は、発光層232にそれぞれ正孔及び電子を輸送する機能を提供する。OLEDデバイスにおけるこうした層の使用とその材料組成は、引用によって本出願の記載に援用する、同じ譲受人に譲受された米国特許第4,769,292号でタン(Tang)他によって開示されている。通常の正孔輸送層は、N,N’−ビス(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(NPB)、N,N’−ビス(1−ナフチル)−N,N’−ビス(2−ナフチル)ベンジジン(TNB)、及びN,N’−ビス(3−トリル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(TPD)といった正孔輸送化合物を含む。
【0061】
図3に戻ると、正孔注入層331及び電子注入層335は、それぞれアノードからの正孔注入とカソード340からの電子注入を改善する機能を提供する。OLEDデバイスにおける正孔注入層の使用は、引用によって本出願の記載に援用する、同じ譲受人に譲受された米国特許第4,720,432号でヴァン・スライク(Van Slyke)他によって開示されている。電子注入層の使用は、やはり引用によって本出願の記載に援用する、同じ譲受人に譲受された米国特許第5,776,622号でフン(Hung)他によって開示されている。
【0062】
アミノアントラセンは多様な方法で合成してよい。以下の合成スキームで、1つの特定の方法を概説する。この例では、鈴木クロスカップリングを使用して9−ブロモアントラセンをある特定のアリール基と結合しアリールアントラセン(a)を形成する。アリールアントラセン(a)を臭素化して(b)を得る。アリールアントラセン(b)をPd触媒によりアミンとクロスカップリングして、本発明で有用なアミノアントラセン(c)を得る。
【0063】
【化20】

【実施例】
【0064】
化合物I−IVの合成
9−(2−ナフチレニル)アントラセン
9−ブロモアントラセン(25.0g、0.088モル)、2−ナフチルボロン酸(17.1g、0.099モル)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.7g)、300mlのトルエン、及び150mlの炭酸カリウム(2N)を全て窒素雰囲気下で丸底フラスコに加えた。反応物を2日間還流させ加熱した。溶離液としてヘキサン:ジクロロメタン(比率6:1)を使用した薄層クロマトグラフィー(TLC)は、9−ブロモアントラセンがもはや存在しないことを示した。反応物を室温に冷却し、濾過によって灰色の固体を収集し、水で十分に洗浄した。この固体をHCl(6M)中で2時間軽く加熱した後固体を濾過によって収集し、水で十分に洗浄し乾燥した。灰色の固体をジクロロメタン中に懸濁し穏やかに加熱した。浮遊物を濾過し、ジクロロメタンで十分に洗浄した。濾過液を回転気化し、その結果得られた黄色の固体をジエチルエーテル中で60分間超音波処理する。黄色の固体を濾過によって収集し、ジエチルエーテルで洗浄した後オーブン中で乾燥して16.7gの純粋な黄色の製品を得る(収率62%)。FD−MS(m/z):304。
【0065】
9−ブロモ−10−(2−ナフチレニル)アントラセン
9−(2−ナフチレニル)アントラセン(24.5g、0.081モル)を400mlのジクロロメタン中に溶解した。100mlのジクロロメタン中に溶解した臭素(13.0g、0.081モル)を30分間にわたって滴下して加え、溶液を室温で一晩攪拌した。回転気化によってジクロロメタンを除去し、メタノール(250ml)をフラスコに加える。浮遊物を濾過し黄色の固体をメタノールで洗浄し乾燥して30gの純粋な黄色の製品を得る(収率97%)。FD−MS(m/z):383。
【0066】
N,10−(2−ナフタレニル)−N’−フェニル−9−アントラセンアミン(I)
9−ブロモ−10−(2−ナフチレニル)アントラセン(5.0g、0.013モル)、N−フェニル−2−ナフチルアミン(3.2g、0.014モル)1.75gのナトリウムタート−ブトキシド、0.16gのパラジウム(II)アセテート、2滴のトリ−タート−ブチルホスフィン、及び25mlのo−キシレンを全て窒素雰囲気下で丸底フラスコに加える。混合物を100℃で一晩加熱する。室温まで冷却した後、不溶性の材料を濾過によって除去する。キシレンを蒸留によって除去し残った固体をシリカゲルカラムでクロマトグラフにかけ、6.0gの純粋な黄色の製品を得る(収率88%)。FD−MS(m/z):521。
【0067】
N,10−フェニル−N’−(2−ナフタレニル)−9−アントラセンアミン(II)
9−ブロモ−10−フェニルアントラセン(1.5g、0.005モル)、N−フェニル−2−ナフチルアミン(0.005モル)0.5gのナトリウムタート−ブトキシド、0.1gのパラジウム(II)アセテート、2滴のトリ−タート−ブチルホスフィン、及び40mlのトルエンを窒素雰囲気下で丸底フラスコに加える。混合物を2日間還流させ加熱する。冷却後、回転気化によってトルエンを除去し、残った固体をシリカゲルカラムでクロマトグラフにかけ、1.6gの純粋な黄色の製品を得る(収率75%)。FD−MS(m/z):471。
【0068】
10−(2−ナフタレニル)−N,N−ジフェニル−9−アントラセンアミン(III)
9−ブロモ−10−(2−ナフチレニル)アントラセン(3.3g、0.008モル)、ジフェニルアミン(1.5g、0.008モル)、1.0gのナトリウムタート−ブトキシド、0.1gのパラジウム(II)アセテート、3滴のトリ−タート−ブチルホスフィン、及び80mlのトルエンを窒素雰囲気下で丸底フラスコに加える。混合物を2日間還流させ加熱する。冷却後、回転気化によってトルエンを除去し、残った固体をシリカゲルカラムでクロマトグラフにかけ、4.0gの純粋な黄色の製品を得る(収率99%)。FD−MS(m/z):471。
【0069】
10−[1,1’−ビフェニル]−4−yl−N−フェニル−N’−(2−ナフタレニル)−9−アントラセンアミン(IV)
9−ブロモ−10−[1,1’−ビフェニル]−4−yl−アントラセン(7.0g、0.017モル)、N−フェニル−2−ナフチルアミン(3.5g、0.017モル)、2.7gのナトリウムタート−ブトキシド、1.0gのパラジウム(II)アセテート、6滴のトリ−タート−ブチルホスフィン、及び120mlのトルエンを窒素雰囲気下で丸底フラスコに加える。混合物を1日間還流させ加熱する。冷却後、メタノールを加え、濾過によって固体を収集し乾燥する。固体をシリカゲルカラムでクロマトグラフにかけ、7.0gの純粋な黄色の製品を得た(収率75%)。FD−MS(m/z):547。
【0070】
デバイス例1〜7
本発明及びその利点は、以下の本発明の例及び比較例によってよりよく認識できる。これらの例では、有機層の厚さ及びドーピング濃度は、較正膜厚モニタ(INFICON IC/5蒸着制御装置)を使用して現場で制御及び測定した。製造した全てのデバイスの電場発光特性は、室温で定電流源(KEITHLEY 2400 SourceMeter)及び光度計(PHOTO RESEARCH SpectraScan PR 650)を使用して評価した。
【0071】
例1(比較例)
従来のOLEDの準備は以下の通りである。透明なITO導電層でコーティングした〜1.1mm厚のガラス基板を市販のガラス洗浄工具を使用して清掃及び乾燥した。ITOの厚さは約42nmであり、ITOのシート抵抗は約68Ω/スクエアである。次いで、ITOの表面を酸化性プラズマで処理し、表面をアノードとして調整した。RFプラズマ処理チャンバ内でCHF3ガスを分解することによって、1nm厚のCFxの層を、清掃したITOの表面にHILとして蒸着した。そして、基板を真空蒸着チャンバ(TROVATO MFG.INC)内に移動し、基板の上部に他の全ての層を蒸着した。
【0072】
約10-6トールの真空下で加熱したボートから気化することによって、以下の層を以下の順序で蒸着した。(1)正孔輸送層、75nm厚、NPBを含む、(2)発光層、37.5nm厚、単独のホスト材料としてのAlQとドーパントとしての0.6%のDPQAを含む、(3)電子輸送層、37.5nm厚、AlQ3を含む、及び(4)カソード、約2100nm厚、Mg:Agの体積比が約10:0.5であるマグネシウムと銀の合金を含む。
【0073】
これらの層を蒸着した後、カプセル化のためデバイスを蒸着チャンバからドライボックス(VAC Vacuum Atmosphere Company)内に移動した。
【0074】
デバイスのEL特性を、定電流源及び光度計を使用して評価した。駆動電圧、cd/m2を単位とする輝度、cd/Aを単位とするEL効率、及び国際照明委員会(Commission Internationale de l’Eclairage,CIE)座標を全て測定した。それらの値を表2に示す。このデバイスは20mA/cm2を流すのに8.6Vの駆動電圧を必要とする。その輝度は1756cd/m2でありその輝度効率は8.8cd/Aである。製造したデバイスを動作安定性の試験のため20mA/cm2で室温で動作させた。その結果得られた輝度の減衰と動作時間との関係を図4及び図5の両方に示す。300時間の動作後、輝度は13%低下した。
【0075】
例2(本発明の例)
発光層中、化合物Iが第1のホスト成分のための材料であり、Alqが第2のホスト成分のための材料であり、DPQAが蛍光ドーパントである点以外は比較例1と同様のOLEDデバイスを構成した。化合物I、AlQ、及びDPQAの体積比での相対量は25.2:74.2:0.6である。このデバイスのEL特性もやはり表2に示す。このデバイスは20mA/cm2を流すのに8.3Vの駆動電圧を必要とする。その輝度は1857cd/m2でありその輝度効率は9.3cd/Aである。例1と比較すると、効率はわずかに高く、電圧は低い。輝度の減衰と動作時間との関係を図4に示す。300時間の動作後、輝度は約5%低下しただけだった。
【0076】
例3(本発明の例)
発光層中、化合物Iが第1のホスト成分のための材料であり、Alqが第2のホスト成分のための材料であり、DPQAが蛍光ドーパントである点以外は比較例1と同様のOLEDデバイスを構成した。化合物I、AlQ、及びDPQAの体積比での相対量は50.7:48.7:0.6である。このデバイスのEL特性もやはり表2に示す。このデバイスは20mA/cm2を流すのに7.6Vの駆動電圧を必要とする。その輝度は2103cd/m2でありその輝度効率は10.5cd/Aである。例1と比較すると、効率は極めて高く、電圧はかなり低い。輝度の減衰と動作時間との関係を図4に示す。300時間の動作後、輝度は約4%低下しただけだった。
【0077】
例4(本発明の例)
発光層中、化合物Iが第1のホスト成分のための材料であり、Alqが第2のホスト成分のための材料であり、DPQAが蛍光ドーパントである点以外は比較例1と同様のOLEDデバイスを構成した。化合物I、AlQ、及びDPQAの体積比での相対量は75.8:23.6:0.6である。このデバイスのEL特性もやはり表2に示す。このデバイスは20mA/cm2を流すのに7.4Vの駆動電圧を必要とする。その輝度は2019cd/m2でありその輝度効率は10.1cd/Aである。例1と比較すると、効率は極めて高く、電圧はかなり低い。輝度の減衰と動作時間との関係を図4に示す。300時間の動作後、輝度は約4%低下しただけだった。
【0078】
例5(本発明の例)
発光層中、化合物IIが第1のホスト成分のための材料であり、Alqが第2のホスト成分のための材料であり、DPQAが蛍光ドーパントである点以外は比較例1と同様のOLEDデバイスを構成した。化合物II、AlQ、及びDPQAの体積比での相対量は75.6:23.8:0.6である。このデバイスのEL特性もやはり表2に示す。このデバイスは20mA/cm2を流すのに7.7Vの駆動電圧を必要とする。その輝度は1706cd/m2でありその輝度効率は8.5cd/Aである。例1と比較すると、効率はほぼ同じであり、電圧は低い。輝度の減衰と動作時間との関係を図5に示す。300時間の動作後、輝度は約7%低下しただけだった。
【0079】
例6(本発明の例)
発光層中、化合物IIが第1のホスト成分のための材料であり、Alqが第2のホスト成分のための材料であり、DPQAが蛍光ドーパントである点以外は比較例1と同様のOLEDデバイスを構成した。化合物II、AlQ、及びDPQAの体積比での相対量は54.2:45.2:0.6である。このデバイスのEL特性もやはり表2に示す。このデバイスは20mA/cm2を流すのに7.0Vの駆動電圧を必要とする。その輝度は1880cd/m2でありその輝度効率は9.4cd/Aである。例1と比較すると、効率は増大し、電圧はかなり低い。輝度の減衰と動作時間との関係を図5に示す。300時間の動作後、輝度は約7%低下しただけだった。
【0080】
例7(本発明の例)
発光層中、化合物IIが第1のホスト成分のための材料であり、Alqが第2のホスト成分のための材料であり、DPQAが蛍光ドーパントである点以外は比較例1と同様のOLEDデバイスを構成した。化合物II、AlQ、及びDPQAの体積比での相対量は38.1:61.3:0.6である。このデバイスのEL特性もやはり表2に示す。このデバイスは20mA/cm2を流すのに6.9Vの駆動電圧を必要とする。その輝度は1913cd/m2でありその輝度効率は9.6cd/Aである。例1と比較すると、効率は増大し、電圧はかなり低い。輝度の減衰と動作時間との関係を図5に示す。300時間の動作後、輝度は約8%低下しただけだった。
【0081】
【表1】

【0082】
上記の例は、第1の成分がアミノアントラセンを含む有機化合物である少なくとも2つの成分の混合物を含む固体有機材料を含むように発光層のホストを選択する場合達成される電圧、効率及び安定性の極めて大きな改善を実証している。さらに、CIE座標から明らかなように、発光層のホストがアミノアントラセンを含む場合、デバイスの色純度が保持される。
【0083】
本明細書中で引用した特許及び他の刊行物の全体を引用によって本明細書の記載に援用する。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】有機EL媒体を備えたOLEDの概略構造である。
【図2】1つの構成の有機EL媒体を示す概略OLED構造である。
【図3】別の構成の有機EL媒体を示す概略OLED構造である。
【図4】比較例1及び本発明に係るデバイスの例2〜4についての正規化輝度対動作時間のグラフである。全てのデバイスは、20mA/cm2の一定の電流密度及び室温で動作した。
【図5】比較例1及び本発明に係るデバイスの例5〜7についての正規化輝度対動作時間のグラフである。全てのデバイスは、20mA/cm2の一定の電流密度及び室温で動作した。
【符号の説明】
【0085】
10 導電体
100 OLEDデバイス
110 基板
120 アノード
130 EL媒体
140 カソード
200 OLEDデバイス
210 基板
220 アノード
230 EL媒体
231 正孔輸送層
232 発光層
233 電子輸送層
240 カソード
300 OLEDデバイス
310 基板
320 アノード
330 EL媒体
331 正孔注入層
332 正孔輸送層
333 発光層
334 電子輸送層
335 電子注入層
340 カソード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機発光デバイスであって、基板と、前記基板の上に配置されたアノード及びカソードと、前記アノードと前記カソードとの間に配置された発光層とを備え、前記発光層がホストと少なくとも1つのドーパントとを含み、前記発光層の前記ホストが少なくとも2つの成分の混合物を含む固体有機材料を含むよう選択され、前記混合物の第1の成分がアミノアントラセンを含む有機化合物であり、第2の成分が、該第1の成分より大きい双極子モーメントを有する有機化合物を含む有機発光デバイス。
【請求項2】
有機発光デバイスであって、
a)基板と、
b)前記基板の上に配置されたアノード及びカソードと、
c)前記アノードと前記カソードとの間に配置された、ホストと少なくとも1つのドーパントとを含む発光層とを備え、
d)前記発光層の前記ホストが少なくとも2つの成分の混合物を含む固体有機材料を含むように選択され、その際、
i)前記混合物の第1の成分が式
【化1】

のアミノアントラセン化合物を含み、
ここで、
1〜R10は個別に、水素、フルオロ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、1〜24個の炭素原子の非分枝アルキルまたは置換非分枝アルキル、1〜24個の炭素原子の分枝アルキルまたは置換分枝アルキル、1〜24個の炭素原子の環式アルキルまたは置換環式アルキル、5〜40個の炭素原子のアリールまたは置換アリール、複素環または置換複素環、アルケニルまたは置換アルケニル、アルコキシまたは置換アルコキシ、アリールオキシまたは置換アリールオキシ、芳香族炭化水素または置換芳香族炭化水素であり、R1〜R10の少なくとも1つはジアリールアミノ、アリールアルキルアミノ、またはジアルキルアミノであり、
ii)前記混合物の第2の成分が、該第1の成分より大きい双極子モーメントを有する有機化合物を含み、
e)前記発光層の前記ドーパントが前記発光デバイスから光を生じるように選択される有機発光デバイス。
【請求項3】
前記ホストの前記第1の成分が前記発光層の少なくとも1体積%を占める、請求項2に記載の有機発光デバイス。
【請求項4】
前記ホストの前記第1の成分が好適には前記発光層の25〜75体積%を占める、請求項2に記載の有機発光デバイス。
【請求項5】
前記第2の成分がオキシノイド化合物を含む、請求項2に記載の有機発光デバイス。
【請求項6】
前記第2の成分が、AlQ3、GaQ3、InQ3、ScQ3、ZnQ2、BeBq2(ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム)、Al(4−MeQ)3、Al(2−MeQ)3、Al(2,4−Me2Q)3、Ga(4−MeQ)3、Ga(2−MeQ)3、Ga(2,4−Me2Q)3、Mg(2−MeQ)2、またはXがアリールオキシ、アルコキシ、アリールカボキシラトもしくは複素環式カルボキシラト基であるAl(2−MeQ)2(X)を含む、請求項5に記載の有機発光デバイス。
【請求項7】
前記ホストの前記第2の成分が好適には前記発光層の75〜25体積%を占める、請求項2に記載の有機発光デバイス。
【請求項8】
前記発光層中の前記ドーパントの濃度が0.1〜10体積%である、請求項2に記載の有機発光デバイス。
【請求項9】
前記ドーパントがクマリン染料を含む、請求項2に記載の有機発光デバイス。
【請求項10】
前記ドーパントがC−6、C−545T、またはC−525Tを含む、請求項9に記載の有機発光デバイス。
【請求項11】
前記ドーパントがキナクリドン染料を含む、請求項2に記載の有機発光デバイス。
【請求項12】
前記ドーパントがQA、DMQA、CFDMQA、またはDPQAを含む、請求項11に記載の有機発光デバイス。
【請求項13】
前記ドーパントが青色、青−緑色、緑色、緑−黄色、または黄色の光を生じる、請求項2に記載の有機発光デバイス。
【請求項14】
前記ホストの前記第1の成分が式
【化2】

の化合物を含む、請求項2に記載の有機発光デバイス。
【請求項15】
前記ホストの前記第1の成分が式
【化3】

の化合物を含む、請求項2に記載の有機発光デバイス。
【請求項16】
前記ホストの前記第1の成分が式
【化4】

の化合物を含む、請求項2に記載の有機発光デバイス。
【請求項17】
前記ホストの前記第1の成分が式
【化5】

の化合物を含む、請求項2に記載の有機発光デバイス。
【請求項18】
有機発光デバイスであって、
a)基板と、
b)前記基板の上に配置されたアノード及びカソードと、
c)前記アノードと前記カソードとの間に配置された、ホストと少なくとも1つのドーパントとを含む発光層とを備え、
d)前記発光層の前記ホストが少なくとも2つの成分の混合物を含む固体有機材料を含むように選択され、その際、
i)前記混合物の第1の成分が式
【化6】

のアミノアントラセン化合物を含み、
ここで、
1〜R9は個別に、水素、フルオロ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、1〜24個の炭素原子の非分枝アルキルまたは置換非分枝アルキル、1〜24個の炭素原子の分枝アルキルまたは置換分枝アルキル、1〜24個の炭素原子の環式アルキルまたは置換環式アルキル、5〜40個の炭素原子のアリールまたは置換アリール、複素環または置換複素環、アルケニルまたは置換アルケニル、アルコキシまたは置換アルコキシ、アリールオキシまたは置換アリールオキシ、芳香族炭化水素または置換芳香族炭化水素であり、Ar1及びAr2は個別に5〜40個の炭素原子のアリールまたは置換アリールであり、
ii)前記混合物の第2の成分が、該第1の成分より大きい双極子モーメントを有する有機化合物を含み、
e)前記発光層の前記ドーパントが前記発光デバイスから光を生じるように選択される有機発光デバイス。
【請求項19】
前記ホストの前記第1の成分が前記発光層の少なくとも1体積%を占める、請求項18に記載の有機発光デバイス。
【請求項20】
前記ホストの前記第1の成分が好適には前記発光層の25〜75体積%を占める、請求項18に記載の有機発光デバイス。
【請求項21】
前記第2の成分がオキシノイド化合物を含む、請求項18に記載の有機発光デバイス。
【請求項22】
前記第2の成分が、AlQ3、GaQ3、InQ3、ScQ3、ZnQ2、BeBq2(ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム)、Al(4−MeQ)3、Al(2−MeQ)3、Al(2,4−Me2Q)3、Ga(4−MeQ)3、Ga(2−MeQ)3、Ga(2,4−Me2Q)3、Mg(2−MeQ)2、またはXがアリールオキシ、アルコキシ、アリールカボキシラトもしくは複素環式カルボキシラト基であるAl(2−MeQ)2(X)を含む、請求項21に記載の有機発光デバイス。
【請求項23】
前記ホストの前記第2の成分が好適には前記発光層の75〜25体積%を占める、請求項18に記載の有機発光デバイス。
【請求項24】
前記発光層中の前記ドーパントの濃度が0.1〜10体積%である、請求項18に記載の有機発光デバイス。
【請求項25】
前記ドーパントがクマリン染料を含む、請求項18に記載の有機発光デバイス。
【請求項26】
前記ドーパントがC−6、C−545T、またはC−525Tを含む、請求項25に記載の有機発光デバイス。
【請求項27】
前記ドーパントがキナクリドン染料を含む、請求項18に記載の有機発光デバイス。
【請求項28】
前記ドーパントがQA、DMQA、CFDMQA、またはDPQAを含む、請求項27に記載の有機発光デバイス。
【請求項29】
前記ドーパントが青色、青−緑色、緑色、緑−黄色、または黄色の光を生じる、請求項18に記載の有機発光デバイス。
【請求項30】
前記ホストの前記第1の成分が式
【化7】

の化合物を含む、請求項18に記載の有機発光デバイス。
【請求項31】
前記ホストの前記第1の成分が式
【化8】

の化合物を含む、請求項18に記載の有機発光デバイス。
【請求項32】
前記ホストの前記第1の成分が式
【化9】

の化合物を含む、請求項18に記載の有機発光デバイス。
【請求項33】
前記ホストの前記第1の成分が式
【化10】

の化合物を含む、請求項18に記載の有機発光デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2007−520061(P2007−520061A)
【公表日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−549323(P2006−549323)
【出願日】平成16年12月22日(2004.12.22)
【国際出願番号】PCT/US2004/043890
【国際公開番号】WO2005/071773
【国際公開日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【出願人】(590000846)イーストマン コダック カンパニー (1,594)
【Fターム(参考)】