説明

アミリン凝集阻害剤およびその使用

IAAP関連障害、特に、I型もしくはII型糖尿病に関連するアミロイド沈着の治療または予防のための短いペプチドおよびその誘導体または類似体が本明細書に記載されている。これらのペプチドおよび/またはそれらの誘導体は、糖尿病II型の病因に関与するアミリン小線維の形成を阻害し、既に形成されている線維状沈着を溶解するように設計されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、βシート破壊ペプチドの分野、特に、II型糖尿病に治療におけるそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
II型糖尿病は、β細胞不全、インスリン抵抗、および約90%の患者の膵島におけるアミロイド沈着の存在によって特徴付けられる異質性および多因子疾患である(アンギナオ(Anguinao)ら、2002)。これらの沈着の主要成分は、膵島アミロイドポリペプチド(IAPP)またはアミリンと呼ばれる37アミノ酸ペプチドである(クーパー(Cooper)ら、1987)。
【0003】
アミリンは、膵臓β細胞の正常な分泌産物であり、インスリンと同じ顆粒に貯蔵され、エキソサイトーシスのプロセス中にインスリンと共に放出される。可溶性アミリンの正常な機能は、おそらく、インスリン逆調節ホルモンとして、グルコースホメオスタシスを制御することである(リンク(Rink)ら、1993)。しかし、所定の条件下では、アミリン分泌の増加は、II型糖尿病患者の膵臓において沈着するアミロイド小線維の形成をもたらす。アミロイド沈着の形成は、β細胞機能の連続的な低下および疾患の進行に強く関連する(ホッペナー(Hoeppener)ら、2000)。糖尿病II型の病因におけるアミロイドの重要性に対する強力な証拠が遺伝子研究から生じ、特に、肥満を伴う場合、アミリン遺伝子の変異が早期発症型遺伝疾患を生じることが示されている。
【0004】
IAPP小線維形成はまた、移植後にI型糖尿病を伴う患者においても見出される。従って、インビトロで膵島β細胞毒性を誘導することが示されているアミロイド原性タンパク質IAPPは、膵島β細胞(ランゲルハンス島)の消失およびI型またはII型糖尿病患者の膵臓における小線維の形成による臓器不全に寄与し得る。
【0005】
アミリン小線維形成は、不規則に構造化されたコンホマー(ランダムコイル、可溶性形態)の高度に安定なβシートリッチ線維凝集への変換に関与する。アルツハイマー病におけるアミロイドベータの場合のように、ランダムコイルからβシートへの変換は、アミリン小線維形成における最も早期の事象のうちの1つであると考えられる。従って、糖尿病II型は、タンパク質のミスホールディングおよび凝集が疾患の特徴的事象である疾患のグループに含まれる(ソト(Soto)ら、2000;カレル(Carrell)ら、1997およびドブソン(Dobson)、1999)。アミリン配列の中央領域残基20〜29は、小線維形成に極めて重要であることが見出されており(グレンナー(Glenner)ら、1988およびウエスターマーク(Westermark)ら、1990)、従って、βシートへの変換が生じる配列であり得る。
【0006】
生来のアミリンのいくつかのフラグメントは、IAPP凝集のモジュレータとして開発されている(欧州特許第885904号明細書および米国特許公開第2002/0119926号明細書)。さらに、アミリンのいくつかの類似体は、増強されたアミリン作用が有益である低血糖症状の治療のアミリンアゴニストとして開発されている(欧州特許第1162207号明細書および米国特許第6,610,824号明細書)。
【0007】
37アミノ酸のヒトアミリン、酢酸プラムリンチド(シムリン(Symlin)(登録商標))は、I型糖尿病の合併症の潜在的予防のためのインスリンとの補剤およびII型糖尿病のための単一の薬剤としてアミリン・ファーマシューティカルズ・インク(Amylin Pharmaceuticals Inc.)により開発されている。
【0008】
タンパク質のミスホールディングおよび凝集に関連する障害の治療および予防に対する1つのアプローチは、アミロイド形成に関与すると考えられる天然のタンパク質配列に対していくつかの配列相同性を有するが、同時に、βシートコンホメーションの形成を回避または不安定にする1つもしくはそれ以上のアミノ酸を有する短いペプチドを開発することである。ペプチドはβアミロイドの凝集を防止し、それによって、その細胞障害性効果を防止する。このアプローチは、アルツハイマー病およびプリオン関連障害において提唱されており(国際公開第96/39834号パンフレット、ニューヨーク大学および国際公開第01/34631号パンフレット、アクソニクス・インク(Axonyx Inc.))、特に、以下に示すβシート破壊ペプチドの開発がもたらされている:
【化1】

【0009】
プロリンの物理化学および構造特性は、βシート構造の内部においてこの残基がほとんど見られないことを決定するため、アミノ酸のプロリンは、βシート構造の形成を不安定にするために頻繁に使用されている。興味深いことに、アミリン配列と異なる種との比較から、糖尿病の症状が報告されている種(ヒトおよびネコ)は、アミロイド沈着および糖尿病が示されていないげっ歯類と比較して、アミリンの20〜29領域においてより少数のプロリンを有することが示されている(図1)(モリアーティ(Moriarty)ら、1999)。これらの所見は、糖尿病II型の病因におけるアミリン凝集の役割と一致し、アミロイド形成の阻害剤として有用であるβシート破壊ペプチドの概念をさらに支持する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、糖尿病、とりわけII型糖尿病の治療および/または予防および/または糖尿病の進行の遅延に適切である物質を提供することである。
【0011】
本発明の目的はまた、アミリン凝集を減少または阻害するのに適切である物質を提供することである。
【0012】
とりわけ、本発明の目的は、アミリンによるアミロイド形成を減少または阻害するのに適切であるβシート破壊ペプチドを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
第1の局面では、本発明は、式I(配列番号1):X1FGAPX23
[式中、
1はアスパラギン酸およびその誘導体から選択され;
2はロイシンであるか、またはX3が存在しない場合、X2はロイシンおよびその誘導体から選択され;
3は存在しないか、またはアスパラギン酸およびその誘導体から選択される]
のアミノ酸配列を有するペプチドを提供し、
ここで、Fはフェニルアラニンを表し、Gはグリシンを表し、Aはアラニンを表し、Pはプロリンを表す。
【0014】
第2の局面では、本発明は、医薬品としての使用のための式Iの化合物を提供する。
【0015】
第3の局面では、本発明は、医薬として許容可能な賦形剤またはキャリアと共に、式Iの化合物を含む医薬組成物を提供する。
【0016】
第4の局面では、本発明は、移植後I型糖尿病およびII型糖尿病から選択される糖尿病症状の治療ならびに/あるいは予防のための医薬品の調製のための式Iの使用を提供する。
【0017】
第5の局面では、本発明は、膵島アミロイドポリペプチドの異常なホールディングに関連する疾患を治療するための方法を提供する。
【0018】
第6の局面では、本発明は、糖尿病、とりわけII型糖尿病を患う患者を治療するための方法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下の段落は、多様な化学部分および用語の定義を提供し、他で表現した定義が異なる定義を提供しない限り、明細書および特許請求の範囲全体を通して、均一にあてはまることが意図される。
【0020】
用語「ペプチド」は、3〜30もしくはそれ以上の連続アミノ酸、通常、3〜20連続アミノ酸を含有するポリペプチド鎖に対して、通常適用される。そのようなペプチドは、より大きなタンパク質の部分タンパク質切断、化学合成、または遺伝子操作を含む当業者に公知の方法によって作製することができる。
【0021】
表現「誘導体または類似体」は、その構造が親ペプチドに対する修飾を含有するが、式Iの化合物の生物学的活性の少なくとも50%、より好ましくは、少なくとも75%、最も好ましくは、少なくとも90%を維持する任意の化合物を意味する。
【0022】
本明細書で使用される用語「誘導体」は、既知の方法に従って、アミノ酸部分の側鎖上またはN−/またはC−末端基上に存在する官能基から調製することができる誘導体をさす。そのような誘導体は、例えば、カルボキシル基のエステルまたは脂肪族アミドおよび遊離アミノ基のN−アシル誘導体または遊離水酸基のO−アシル誘導体を含み、例えば、アルカノイルまたはアロイル基などのアシル基により形成される。
【0023】
本明細書で使用される用語「塩」は、本発明のペプチド、ポリペプチド、またはその類似体のカルボキシル基の塩およびアミノ基の酸付加塩の両方を指す。カルボキシル基の塩は、当該分野において公知の方法によって形成され得、無機塩、例えば、ナトリウム、カルシウム、アンモニウム、鉄または亜鉛塩など、および例えば、トリエタノールアミン、アルギニンまたはリジン、ピペリジン、プロカインなどのアミンと形成されるような有機性塩基との塩を含む。酸付加塩は、例えば、塩酸または硫酸などの無機酸との塩、および例えば、酢酸またはシュウ酸などの有機酸との塩を含む。そのような塩のいずれもが、本発明のペプチドおよびポリペプチドまたはそれらの類似体に対して実質的に同様な活性を有するべきである。
【0024】
「C1〜C6アルキル」は、1〜6個の炭素原子を有する1価のアルキル基を指す。この用語は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ヘキシルなどの基によって例示される。類推により、C1〜C5アルキルは、1〜5個の炭素原子を有する1価のアルキル基を指す。
【0025】
「C1〜C6アシル」は、RがHおよび「C1〜C5アルキル」基を含む−C(O)Rを指す。この用語はホルミル(−C(O)H)およびアセチル(−C(O)CH3)を含む。
【0026】
「アミノ」は、各R、R’が独立して水素または「C1〜C6アルキル」である−NRR’を指す。
【0027】
「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素原子を指す。
【0028】
「アミド化されたアミノ酸」は、酸部分由来の水酸基がアミノ基によって置き換えられているアミノ酸を指す。
【0029】
「アシル化されたアミノ酸」は、窒素上の1個の水素原子がC1〜C6アシル基によって置き換えられているアミノ酸を指す。さらに、「アセチル化されたアミノ酸」は、1個の水素原子がアセチル基によって置き換えられているアミノ酸を指す。
【0030】
「置換された」は、「C1〜C6アルキル」、「アミノ」、「ハロゲン」、トリハロメチル、シアノ、ヒドロキシ、メルカプト、ニトロなどを含む群から選択される1〜5個の置換基で置換された基を指す。
【0031】
本発明のポリペプチドおよびペプチドは、活性画分、前駆体、塩、誘導体、コンジュゲートもしくは複合体として、使用および/または産生の所望される方法に従って好適であり得る他の代替的形態であることができる。
【0032】
本発明の化合物は、膵島アミロイドポリペプチドの異常なホールディングに関連する疾患、I型またはII型糖尿病および移植後I型またはII型糖尿病を含む糖尿病症状の治療ならびに/あるいは予防に適切である。
【0033】
本発明の化合物は、化学合成技術を含む当該分野において周知の任意の手順によって調製し得る。
【0034】
化学合成技術の例には、固相合成および液相合成がある。固相合成では、例えば、合成しようとするペプチドのC末端に対応するアミノ酸を、有機溶媒に不溶である支持体に結合させ、アミノ基および適切な保護基で保護された側鎖の官能基を有するアミノ酸を、C末端からN末端の順で1つずつ縮合させる反応、および樹脂に結合させたアミノ基またはペプチドのアミノ基の保護基を遊離させる反応の交互の反復反応によって、この様式でペプチドを伸張させる。固相合成法は、使用される保護基のタイプに依存して、tBoc法およびFmoc法に大まかに分類される。典型的に、使用される保護基として、アミノ基に対するtBoc(t−ブトキシカルボニル)、Cl−Z(2−クロロベンジルオキシカルボニル)、Br−Z(2−ブロモベンジルオキシカルボニル)、Bzl(ベンジル)、Fmoc(9−フルオレニルメトキシカルボニル)、Mbh(4,4’−ジメトキシジベンズヒドリル)、Mtr(4−メトキシ−2,3,6−トリメチルベンゼンスルホニル)、Trt(トリチル)、Tos(トシル)、Z(ベンジルオキシカルボニル)およびCl2−Bzl(2,6−ジクロロベンジル);グアニジノ基に対するNO2(ニトロ)およびPmc(2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン−6−スルホニル);ならびに水酸基に対するtBu(t−ブチル)が挙げられる。所望されるペプチドの合成後、該ペプチドは、脱保護反応に供され、固体支持体から切り離される。そのようなペプチド切断反応は、Boc法ではフッ化水素またはトリフルオロメタンスルホン酸によって、およびFmoc法ではTFAによって行うことができる。
【0035】
本発明は、IAPP凝集および小線維形成を制御することが可能な化合物を提供する。
【0036】
アミリン小線維を阻害することにおける本発明の化合物の活性は、例えば、膵島アミロイドポリペプチド(IAPP)の凝集を防止する本発明の化合物の活性を測定するクランク(Klunk)ら、1999およびフェゾウイ(Fezoui)ら、1999により記載されたアッセイなどのインビトロアッセイを使用して、検出することができる。結果は実施例で報告する。
【0037】
アミリン小線維は、アポトーシスによる細胞死を含む細胞障害性である(ロレンゾ(Lorenzo)ら、1994)。本発明の化合物は、アミリン小線維の細胞障害性を防止するそれらの活性について試験することができる。結果は実施例で報告する。
【0038】
1つの実施態様では、本発明は、式I[式中、X1はアスパラギン酸およびアセチル化されたアスパラギン酸から選択される]に従う化合物を提供する。
【0039】
別の実施態様では、本発明は、式I[式中、X2はロイシンおよびアミド化されたロイシンから選択される]に従う化合物を提供する。
【0040】
別の実施態様では、本発明は、式I[式中、X3は存在しない]に従う化合物を提供する。
【0041】
別の実施態様では、本発明は、式I[式中、X1はアスパラギン酸であり、X2はロイシンである]に従う化合物を提供する。
【0042】
別の実施態様では、本発明は、式I[式中、X1はアセチル化されたアスパラギン酸であり、X2はアミド化されたロイシンである]に従う化合物を提供する。
【0043】
別の実施態様では、本発明のペプチドは、以下の式II:
【化2】

[式中、R1はH、場合により置換されたC2〜C6アシルおよび場合により置換されたC1〜C6アルキル、好ましくは、Hおよびアセチルから選択され;R2はOHおよびNR34から選択され、ここで、R3およびR4は、独立してHおよび場合により置換されたC1〜C6アルキルから選択され、好ましくは、R2はOHおよびNH2から選択され、R5、R6、R7、R8およびR9は、独立してHおよびC1〜C6アルキルから選択される]である。
【0044】
別の実施態様では、本発明のペプチドは、以下の式III:
【化3】

[式中、R1はH、場合により置換されたC2〜C6アシルおよび場合により置換されたC1〜C6アルキル、好ましくは、Hおよびアセチルから選択され;R2はOHおよびNR34から選択され、ここで、R3およびR4は、独立してHおよび場合により置換されたC1〜C6アルキルから選択され、好ましくは、R2はOHおよびNH2から選択され、R5、R6、R7およびR8は、独立してHおよびC1〜C6アルキルから選択される]である。
【0045】
別の実施態様では、本発明は、式IIまたはIII[式中、R5、R6、R7およびR8はHである]に従う化合物を提供する。
【0046】
別の実施態様では、本発明は、式IIまたはIII[式中、R1はHであり、R2はOHである]に従う化合物を提供する。
【0047】
別の実施態様では、本発明は、式IIまたはIII[式中、R1はアセチルである]に従う化合物を提供する。
【0048】
別の実施態様では、本発明は、式IIまたはIII[式中、R2はNH2である]に従う化合物を提供する。
【0049】
別の実施態様では、本発明は、式III[式中、R1はアセチルであり、R2はNH2である]に従う化合物を提供する。
【0050】
別の実施態様では、式Iのペプチドは、配列番号2、配列番号3および配列番号4よりなる群から選択される。
【0051】
本発明の別の実施態様では、式Iのペプチドは、例えば、II型糖尿病の発症および/もしくは進行に関連するアミリンの凝集を防止または遅延するための糖尿病I型もしくはII型などのIAPP関連障害の治療または予防のため、あるいは膵島細胞、例えば、それらの移植の前にインビトロで培養された膵島細胞の処置のため、移植された細胞における小線維形成を防止または阻害するために、例えば、移植後のI型糖尿病患者の治療のための医薬品の調製のために使用することができる。
【0052】
本発明のなお別の実施態様は、糖尿病障害などのIAPP関連アミロイドーシス、好ましくはII型糖尿病もしくは移植後I型糖尿病を治療または予防するための方法である。
【0053】
本発明のさらなる実施態様は、IAPP障害を治療または予防する方法であって、ここで、該方法は、有効量の上記ペプチドおよびその誘導体を、それを必要とする被験体に投与することを含んでなり、ここで、被験体は、ヒトまたは動物であり得、好ましくは、ヒトである。
【0054】
本発明のさらなる実施態様は、例えば、同時、連続または個別使用のための糖尿病の治療において、インスリンもしくはグルコース増感剤で調整された領域における少なくとも本発明の化合物の投与を含む。
【0055】
本発明の少なくとも1つのペプチドを含む医薬組成物は、意図される目的を達成するのに有効な量でペプチドが含有されるすべての組成物を含む。さらに、医薬組成物は、薬学的に使用することができる製剤への活性な化合物のプロセシングを容易にする賦形剤および助剤を含む適切な医薬として許容可能なキャリアを含有してもよい。適切な医薬として許容可能なビヒクルは当該分野において周知であり、例えば、ジェンナロ(Gennaro)ら、2000(この分野における標準的参考文献)に記載されている。医薬として許容可能なビヒクルは、ペプチドの投与形態、可溶性および安定性に従って、日常的に選択することができる。例えば、静脈内投与のための処方は、緩衝液、希釈剤および他の適切な添加物をも含有し得る滅菌水溶液を含み得る。薬物送達のための生体材料および他のポリマーの使用、同様に、特定の投与形態をバリデートするための異なる技術およびモデルも文献(ルオ(Luo)ら、2001およびクレランド(Cleland)ら、2001)に開示されている。
【0056】
本発明の上記のペプチドおよび誘導体は、意図される目的を達成する任意の手段によって投与することができる。例えば、投与は、皮下、静脈内、皮内、筋肉内、腹腔内、大脳内、髄腔内、鼻腔内、経口、直腸、経皮、鼻腔内または口内を含むがそれらに限定されない多くの異なる経路によって達成することができる。好ましくは、本発明の化合物は、皮下、筋肉内または静脈内注射あるいは輸注によって、投与することができる。
【0057】
非経口投与は、ボーラス注入または緩徐な経時的潅流によって投与することができる。アミリンミスホールディング障害を予防、抑制、または治療する典型的レジメンは、(1)0.5〜10mgのペプチド、好ましくは、0.5〜5mgのペプチドの範囲の1もしくは2回投与の高濃度の阻害ペプチドの有効量の投与か、または(2)10〜1000μg、より好ましくは、数か月〜数年を含む時点までの期間の間の50〜500μgの複数回投与のより低濃度の阻害ペプチドの有効量のペプチドの投与のいずれかを含む。投与用量は、レシピエントの年齢、性別、健康状態、および重量、併用処置、もしあれば、処置回数、ならびに所望される効果の性質に依存する。各処置に必要とされる総用量は、複数回投与または単回投与で投与することができる。
【0058】
非経口投与のための製剤は、滅菌水性または非水性溶液、懸濁液、およびエマルジョンを含み、当該分野において公知である助剤または賦形剤を含有してもよい。非経口投与のための適切な処方として、水溶性形態、例えば、水溶性塩の活性な化合物の水溶液が挙げられる。さらに、適切な油性注入懸濁液として活性な化合物の懸濁液を投与してもよい。
【0059】
意図される送達経路に依存して、注入可能または経口組成物として、化合物を処方してもよい。経口投与のための組成物は、バルクの液体の溶液もしくは懸濁液、またはバルクの粉末の形態をとることができる。しかし、より一般的には、組成物は、正確な投与を容易にするための単位剤形で提示される。用語「単位剤形」は、ヒト被験体および他の動物のための単位用量として適切な物理的に個別の単位を指し、各単位は、適切な薬学的賦形剤を伴い、所望される治療効果を生成するために算出された予め決定された量の活性材料を含有する。典型的な単位剤形は、予め充填された、予め計量された液体組成物のアンプルもしくはシリンジ、または固体組成物の場合、ピル、錠剤、カプセルなどを含む。そのような組成物では、本発明の化合物は、通常、少量成分(約0.1〜約50重量%、もしくは好ましくは、約1〜約40重量%)であり、残りは、多様なビヒクルまたはキャリアおよび所望される剤形を形成するのに有用なプロセシング補助剤である。
【0060】
経口投与に適切な液体の形態は、緩衝液、懸濁化および調合剤、着色剤、風味付けなどを伴う適切な水性または非水性ビヒクルを含むことができる。固体形態は、例えば、次の成分のいずれか、または類似の性質の化合物を含むことができる:微結晶セルロース、トラガカントゴムまたはゼラチンなどの結合剤;スターチもしくはラクトースなどの賦形剤;アルギン酸、プリモゲル(Primogel)、コーンスターチなどの崩壊剤;ステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤;コロイド状二酸化ケイ素などの流動促進剤;またはスクロースもしくはサッカリンなどの甘味剤;またはペパーミント、サリチル酸メチル、もしくはオレンジ風味付けなどの風味剤。
【0061】
注入可能な組成物は、典型的に、注入可能な滅菌食塩水もしくはリン酸緩衝化食塩水または当該分野において公知の他の注入可能なキャリアに基づく。
【0062】
経口投与されるまたは注入可能な組成物のための上記の成分は、単に代表的なものである。さらなる材料ならびにプロセシング技術などは、当業者に公知である(ジェンナロ(Gennaro)ら、2000)。
【0063】
本発明の化合物は、徐放形態でまたは徐放薬物送達系から投与することができる。代表的な徐放材料の説明についても当業者に公知である(カルサ(Karsa)ら、1993およびヤコビ(Yacobi)ら、1998)。
【0064】
「有効量」は、アミリン沈着の形成を遅らせるもしくは阻害する、または予め形成された沈着を溶解することが可能であるペプチドの能力を達成するのに十分な量を意味する。そのような濃度は、当業者によって、日常的に決定することができる。実際に投与される化合物の量は、典型的に、治療すべき症状、選択された投与経路、投与される実際の化合物、年齢、重量および個々の患者の応答、患者の徴候の重症度などを含む関連環境に照らし合わせて、医師によって決定される。当業者であればまた、用量が、投与されるペプチドの安定性に依存し得ることを理解するであろう。より安定性の低いペプチドは、複数回の投与を必要とし得る。
【0065】
表現「医薬として許容可能な」は、有効成分の生物学的活性の有効性に緩衝せず、投与される宿主に対して毒性を示さない任意のキャリアを包含することを意味する。例えば、非経口投与のために、上記の有効成分を、食塩水、デキストロース溶液、血清アルブミンおよびリンガー溶液などのビヒクル中に、注射のための単位剤形で処方することができる。
【0066】
医薬として許容可能なキャリアの他に、本発明の組成物はまた、安定化剤、緩衝液および保存剤などの少量の添加物を含んでなり得る。
【0067】
本発明は、具体的な実施態様を参考にして説明されているが、説明の内容は、特許請求の範囲の意味および目的を逸脱することなく、当業者が行うことができるすべての改変ならびに置換を含む。
【0068】
これより、以下の実施例によって本発明を説明するが、これらの実施例は、いかなる方法においても、本発明を制限するように解釈すべきではない。実施例では、以下に具体的に示す図について言及する。
【0069】
略語
h(時間)、μl(マイクロリットル)、μM(マイクロモル)、mg(ミリグラム)、min(分)、ml(ミリリットル)、mM(ミリモル)、MTT(3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド)、nm(ナノメートル)、PBS(リン酸緩衝化食塩水)、pM(ピコモル)、RT(室温)、SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)、TFA(トリフルオロ酢酸)
【実施例】
【0070】
本発明を以下の実施例によって例示するが、これらの実施例は本発明の範囲を制限するものと解釈されるべきではない。
【0071】
以下の実施例は、式Iに従う好適な化合物、およびそれらの生物学的活性を決定するための方法を例示する。
【0072】
合成ヒトアミリン(1〜37)(TFA塩)およびAβ1-42を、W.M.ケク基金(W.M.KECK FOUNDATION)、エール大学(YALE UNIVERSITY)で固相において合成した。アミリンは、アミノ酸2と7との間でシステイン架橋が形成されることを確実にするために、化学的に還元しなかった。コントロールペプチド、およびプリオンタンパク質フラグメント106〜126は、ネオシステム(NEOSYSTEM)(ストラスブール(Strasbourg))から購入した。アミリン(1〜37)の溶解度を増加するために、1mgのアミリンを1mlの2mM HCl溶液に溶解することによって、アミリンのHCl塩を作製し、1分、RT、超音波水浴中で音波処理し、次いで、0.2mgのアリコートで凍結乾燥し、使用するまで4℃で乾燥を保った。
【0073】
実施例1:本発明の化合物の合成
阻害剤ペプチドは、固相において、ネオシステム(NEOSYSTEM)により合成された。ペプチドをHPLCによって精製し、ペプチド配列決定およびレーザー脱離質量分析によって、純度(>95%)を評価した。ペプチドのストック溶液を、水/0.1%トリフルオロ酢酸中で調製し、アリコートにおいて−70℃で凍結乾燥状態で貯蔵した。ストック溶液の濃度を、アミノ酸分析によって評価した。
【0074】
ネオシステム(NEOSYSTEM)による合成中、標準的手順を使用して、化学誘導体化反応を行った。
【0075】
質量分析によって測定された分子量を以下の表Iに列挙する:
【0076】
【表1】

【0077】
実施例2:生物学的アッセイ
インビトロペプチド溶解アッセイ:
定性アッセイを使用して、本発明のペプチドの溶解度を得たが、ここで、ペプチドをトリス(Tris)緩衝液、pH7.4に、1、5、または10mg/mlで溶解し、軽くボルテックス攪拌し、次いで、16,000gで30分、遠心分離した。チューブの底のペレットの存在は、ペプチドが、それぞれの濃度で溶解しないことを示す。
【0078】
以下の表IIのデータは、本発明のペプチドが高度に可溶性であることを示す:
【0079】
【表2】

【0080】
活性のインビトロアッセイ:
凝集したアミリン小線維の形成を阻害する本発明の化合物の活性は、吸収の変化によって試験することができる。
【0081】
報告されている以下の式(クランク(Klunk)ら、1999)を使用して、小線維に対する結合型コンゴー・レッド(Congo red)(Cb)の量を測定することによって、アミロイド形成を、定量的に評価した:
Cb(μM)=(A541/47,800)−(A403/68,300)−(A403/86,200)
[式中、A541およびA403は、それぞれ541および403nmでの吸光度である]。
【0082】
50mMトリス(Tris)−HCl、pH7.4において調製した0.4mg/mlの濃度のアミリンのアリコートを、本発明のペプチドの1mg/mlの非存在または存在下、37℃で48h、インキュベートした。インキュベーション時間の終了時に、PBS中15μMコンゴー・レッド(Congo red)の125μlを25μlのサンプルに添加し、混合し、10分間、RTでインキュベートした。次いで、得られた溶液の吸光度を、403および541nmで測定した。コンゴー・レッド(Congo red)の量を上記の式を使用して算出した。阻害剤の存在下でアミリン小線維に結合したコンゴー・レッド(Congo red)の量を100%とした。
【0083】
以下の表IIIにおいて提示されるデータは、本発明のペプチドがアミリン凝集物の形成を阻害することを示す:
【0084】
【表3】

【0085】
活性の細胞アッセイ:
II型糖尿病の病因におけるアミリンミスホールディングおよび凝集の関連について提唱されている機構は、膵島β細胞死および故に、膵臓機能不全を誘導することによるものである。細胞障害性アミリン小線維の形成を防止または減少する本発明の化合物の能力(ロレンゾ(Lorenzo)ら、1994)を、膵臓β細胞におけるアミリン誘導性細胞障害性の阻害を測定することによって、評価した。
【0086】
PC12細胞またはRin−m5F細胞(ATCC)、膵臓β細胞株による、酸化還元活性染料、3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTT)の還元に対するアミリンまたは本発明のペプチドに結合したアミリンの効果を比較することによって、毒性を評価した。10%ウシ胎児血清を含有するRPMI−1640培地中で細胞を増殖させ、96ウェルプレート上に配置した。
【0087】
1mg/mlの本発明のペプチドの非存在または存在下、50mMトリス(Tris)−HCl pH7.4中0.2mg/mlのアミリンを、37℃で48h、インキュベートし、次いで、Rin−m5F細胞への添加の前に、適切なペプチド濃度で50μlの培養培地に希釈した。1晩のインキュベーション後、10μlの2.5mg/mlMTTを各ウェルに添加し、インキュベーションをさらに3h継続した。次いで、細胞を50%(v/v)N,N’−ジメチルホルムアミド中20%(w/v)SDSの200μl、25mM HCl、2%(v/v)氷酢酸、pH4.7中に、37℃での1晩のインキュベーションによって溶解した。マイクロプレートリーダーを使用して、595および650nmでの吸光度の差を測定することによって、還元型MTTのレベルを決定した。
【0088】
アミリン単独の存在下およびアミリンおよび本発明のペプチドの混合物についての細胞生存率を測定した。アミリンおよび配列番号2の化合物の混合物の存在下での細胞生存率を、アミリン単独と比較して、図2に提示する。混合物における細胞毒性の阻害の百分率を、アミリン単独によって誘導される細胞毒性と比較して算出する。本発明の化合物における細胞毒性の阻害の百分率を、以下の表IVに提示する。
【0089】
【表4】

【0090】
本発明のペプチドの阻害効果が観察される濃度は、使用するアミリンの濃度に依存するため、アミリンの濃度を変更し、配列番号2の化合物の効果の50%での阻害濃度(IC50)を算出した。このため、2.5、10、50および100μMのアミリンを、配列番号2のペプチドの異なる濃度と共に、24h、37℃でインキュベートした。
【0091】
その後、サンプルを細胞培養培地で希釈し、細胞障害性アッセイを実施した。
【0092】
図3に示されるように、配列番号2のペプチドのIC50は、アミリン濃度と直線関係を有する。IC50は、研究で使用したアミリン濃度よりも1.5〜2.7倍高いことを見出した。血中のアミリン濃度が2〜3pMであることが示されていることを考慮して、本発明者らは、インビボで活性の50%に到達する血漿中ペプチド濃度は4〜6pMであると推測する。
【0093】
本発明のペプチドの効果の選択性について、上記と同じアッセイでアッセイした。
【0094】
アミリンに対する本発明のペプチドの選択性を、プリオンタンパク質フラグメント(PrP106-126)、Aβ1-42ペプチドによって誘導される細胞障害性を阻害する本発明のペプチドの能力を測定することによって試験した。本発明のペプチドは、プリオン、またはAβ小線維の細胞障害性のいずれをも阻害することができなかった。
【0095】
参考文献
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国際公開第96/39834号パンフレット、ニューヨーク大学(New York University);
国際公開第01/34631号パンフレット、アクソニクス・インク(Axonyx Inc.);
欧州特許第885904号明細書 Frauenhofer Ges.Forshung;
米国特許公開第2002/0119926号明細書;
欧州特許第1162207号明細書 アミリン・ファーマシューティカルズ(Amylin Pharmaceuticals);
米国特許第6,610,824号明細書 アミリン・ファーマシューティカルズ(Amylin Pharmaceuticals);
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】図1は、ヒト、ネコ、マウス、ラットおよびハムスターのアミリンの配列を比較している。残基20〜29にわたるアミロイド原性ドメインを矢印で示し、βシート破壊ペプチドを作成するための鋳型として使用される配列を太字で強調する。
【図2】図2は、アミロイド細胞障害性に対する例の配列番号2のペプチドの効果を示す。可溶性アミリン(100μM)、可溶性アミリン(100μM)+配列番号2のペプチド(800μM)、および配列番号2のペプチド(800μM)を、37℃、トリス(Tris)緩衝液pH7.4中24h、予めインキュベートし、次いで、Rin−m5F細胞に添加する前に50μlの培養培地で希釈し、2μM(アミリン)および16μM(配列番号2のペプチド)の最終濃度を得た。データを、培地単独で処置した細胞(100%に等しいとみなした)に対する平均MTT還元±SD(n=5)として表した。
【図3】図3は、インビトロで細胞障害性を防止する配列番号2のペプチドのIC50とアミリン濃度との間の直線関係を示す。2.5、10、50および100μMのアミリンのアリコートを、24h、37℃で、異なる濃度の配列番号2のペプチドと共にインキュベートした。その後、サンプルを細胞培養培地で希釈し、実施例2に記載のように細胞障害性アッセイを実施した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I(配列番号1):X1FGAPX23
[式中、
1はアスパラギン酸ならびにアシル化およびアルキル化されたアスパラギン酸から選択されるその誘導体から選択され;
2はロイシンであるか、またはX3が存在しない場合、X2はロイシンおよびアミド化されたロイシンから選択され;
3は存在しないか、またはアスパラギン酸およびアミド化されたアスパラギン酸から選択される]
のアミノ酸配列を有するペプチドならびにその塩および任意の誘導体または類似体。
【請求項2】
1およびX3はアスパラギン酸である、請求項1に記載のペプチド。
【請求項3】
3は存在しない、請求項1または2に記載のペプチド。
【請求項4】
以下の式II:
【化1】

[式中、R1はH、C2〜C6アシルおよびC1〜C6アルキルから選択され;R2はOHおよびNR34から選択され、ここで、R3およびR4は、独立してHおよびC1〜C6アルキルから選択され、R5、R6、R7、R8およびR9は、独立してHおよびC1〜C6アルキルから選択される]の請求項1〜3のいずれか1項に記載のペプチド。
【請求項5】
1はHおよびC2〜C6アシルから選択され、R2はOHおよびNH2から選択される、請求項4に記載のペプチド。
【請求項6】
1はHであり、R2はOHである、請求項4に記載のペプチド。
【請求項7】
以下の式III:
【化2】

[式中、R1はH、C2〜C6アシルおよびC1〜C6アルキルから選択され;R2はOHおよびNR34から選択され、ここで、R3およびR4は、独立してHおよびC1〜C6アルキルから選択され、R5、R6、R7およびR8は、独立してHおよびC1〜C6アルキルから選択される]の請求項1に記載のペプチド。
【請求項8】
1はHおよびC2〜C6アシルから選択され、R2はOHおよびNH2から選択される、請求項7に記載のペプチド。
【請求項9】
1はアセチルであり、R2はNH2である、請求項7または8に記載のペプチド。
【請求項10】
5、R6、R7およびR8はHである、請求項1〜9のいずれか1項に記載のペプチド。
【請求項11】
次の群:配列番号2、配列番号3および配列番号4から選択される、請求項1〜10のいずれか1項に記載のペプチド。
【請求項12】
医薬品としての使用のための請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項13】
IAPPに関連するアミロイドーシス性障害の治療または予防のための医薬品の調製のための請求項1〜11のいずれか1項に記載のペプチドの使用。
【請求項14】
前記アミロイドーシス性障害は糖尿病性障害である、請求項13に記載の使用。
【請求項15】
前記糖尿病の病態はII型糖尿病である、請求項14に記載の使用。
【請求項16】
前記糖尿病の病態は移植後I型糖尿病である、請求項14に記載の使用。
【請求項17】
有効成分として請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物および医薬として許容可能な賦形剤またはキャリアを含む、医薬組成物。
【請求項18】
請求項1〜11のいずれか1項に記載の任意のペプチドまたは化合物の有効量を、それを必要とする被験体に投与することによって、糖尿病性障害を治療または予防する方法。
【請求項19】
前記被験体はヒトである、請求項18に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−527365(P2007−527365A)
【公表日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−505472(P2006−505472)
【出願日】平成16年3月17日(2004.3.17)
【国際出願番号】PCT/EP2004/050320
【国際公開番号】WO2004/083243
【国際公開日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【出願人】(599177396)アプライド リサーチ システムズ エーアールエス ホールディング ナームロゼ フェンノートシャップ (70)
【Fターム(参考)】