説明

アミンポリマー組成物

高リン血症を治療するための医薬組成物は、多アミンモノマーおよび多官能モノマー由来のポリマーを含み得、該多官能モノマーは、2つもしくは複数の求電子基を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、標的イオンを結合するためのポリマー、コポリマー、ポリマーネットワーク、および/またはコポリマーネットワークに関し、より具体的には、標的イオンを結合するための医薬的に許容される組成物、ポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークに関する。
【背景技術】
【0002】
高リン血症は、末期腎疾患(ESRD)、副甲状腺機能亢進症、およびある他の病状等の不十分な腎機能に付随する疾患をしばしば併発する。この疾患は、特に長期間存在すると、カルシウムおよびリン代謝障害における重度の異常を導き、関節、肺、および眼における異常なカルシウム沈着により顕在化する可能性がある。
【0003】
血清リン酸塩を低減するための治療的試みは、透析、食事によるリン酸塩の削減、および胃腸管の吸収を低減するための難溶性リン酸塩結合剤の経口投与を含む。多くのこのような治療は、様々な望ましくない副作用がある、ならびに/または効力および有効性等の最適なリン酸塩結合剤特性を有するに至らない。したがって、優れたリン酸塩結合特性および優れた副作用プロファイルを有する組成物および治療が必要である。
【発明の概要】
【0004】
一態様において、本発明は、ポリマー、コポリマー、ポリマーネットワーク、コポリマーネットワーク、および/またはこれらを含む医薬組成物に関連する。該ポリマーおよびコポリマーは、架橋され、それぞれ、ポリマーネットワークおよびコポリマーネットワークを形成することができる。組成物は、ポリマーまたはその残基、コポリマーまたはその残基、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークを含むことができる。本発明の本態様を含む、本発明のいくつかの実施形態を、以下にさらに詳しく説明する。概して、これらの実施形態のそれぞれは、本明細書に別途記述されない限り、様々かつ特定の組み合わせ、および他の様態および実施形態で使用することができる。
【0005】
本明細書に記載する、本発明のポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよびコポリマーネットワークに加えて、ポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよびコポリマーネットワークの他の形態も、本発明の範囲内であり、それには、ポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークの医薬的に許容される塩、溶媒和、水和物、プロドラッグ、多形体、クラスレート、および同位体変異形、およびこれらの混合物が含まれる。
【0006】
加えて、本発明のポリマー、コポリマー、ポリマーネットワーク、およびコポリマーネットワークは、光学中心、キラル中心または二重結合を有し得、本発明のポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよびコポリマーネットワークは、光学的に純粋な形態、ラセミ体、ジアステレオマー、エナンチオマー、互変異性体、および/またはその混合物を含む、ポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよびコポリマーネットワークの全ての異性体形態を含み得る。
【0007】
本発明は、ヒトを含む動物の治療方法を提供する。該方法は、一般的に、本明細書に記載する、ポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワーク、またはこれらを含む組成物(例えば、医薬組成物)の有効量の投与を含む。
【0008】
一部の実施形態において、本発明は、コポリマーまたはその残基および/またはコポリマーネットワーク、またはこれらを含む医薬組成物から本質的に成る、またはこれらを含み、該コポリマーは、2つもしくは複数のモノマーに由来する、または2つもしくは複数のモノマーの残基を含み、該モノマーは、2つもしくは複数のアミン反応基を含む多アミンモノマーおよび多官能モノマーを含む。一部の実施形態において、少なくとも1つのアミン反応基は、ハロゲン基、−OSOR、または−C(O)Rから選択される求電子基を含み、Rは、独立して、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アリール、または、置換もしくは非置換へテロアリールを表す。一部の実施形態において、2つもしくは複数のアミン反応基を含む多官能モノマーは、3つのアミン反応基を含み、一部の実施形態において、さらに1つのアミンを含み得る。
【0009】
一部の実施形態において、本発明は、本質的には、コポリマーまたはその残基、および/またはコポリマーネットワーク、またはこれらを含む医薬組成物から成る、またはこれらを含み、該コポリマーは、多求電子モノマーおよび多アミンモノマーの残基を含む。
【0010】
一実施形態において、本発明は、本質的には、コポリマーまたはその残基、および/または以下の式Iで表される少なくとも1つのポリマーおよび式IIで表される少なくとも1つのモノマーに由来するコポリマーネットワークから成る、またはこれらを含む。
【化1】

【0011】
式中、Rは、独立して、水素ラジカル、−RもしくはR−N(H)2−m−(R−N(H)2−n−(R−NHを表すか、またはRおよびRは結合して複素環を形成し、nとmは、0から2まで独立して整数を表し、Rは、独立して、酸素ラジカル、−CONR、分岐もしくは非分岐、置換もしくは非置換アルキルラジカル、分岐もしくは非分岐、置換もしくは非置換アルケニルラジカル、硫黄ラジカル、またはSOラジカルを表し、RおよびRは、独立して、水素ラジカル、または、分岐もしくは非分岐、置換もしくは非置換アルキルラジカルを表し、Rは、独立して、水素ラジカル、求電子基(E)もしくは−REを表すが、少なくとも1つのRおよび少なくとも1つのRは、Hではないことを条件とする。
【0012】
本発明の別の態様は、本発明の1つもしくは複数のポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワーク、および少なくとも1つの医薬的に許容される賦形剤を含む医薬組成物である。本明細書に記載するポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークには、いくつかの治療用途がある。例えば、これらは、化合物または陽イオン等のイオン(例えば、胃、小腸および/または大腸から等の胃腸管からの有機リン酸および/またはリン酸等のリン酸含有化合物またはリン酸含有イオン等)の除去に有用である。一部の実施形態において、ポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークは、リン酸不均衡疾患および腎疾患の治療に使用する。
【0013】
一部の実施形態において、本発明は、1ポットまたは単一工程合成を使用して1つもしくは複数のモノマーから形成されるポリマーおよび/またはコポリマー、コポリマーネットワークおよび/またはこれらから形成される医薬組成物を含む。
【0014】
さらに別の態様において、ポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークは、リン酸含有化合物、または塩化物イオン、重炭酸イオン等のイオン、および/またはシュウ酸塩含有化合物またはイオン以外の溶質の除去に有用である。シュウ酸化合物またはイオンを除去するポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークは、シュウ酸不均衡疾患の治療に使用されている。塩化化合物またはイオンを除去するポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークは、例えば、酸血症の治療に使用されている。一部の実施形態において、ポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークは、胆汁酸および関連化合物の除去に有用である。
【0015】
本発明はポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークが、粒子の形態であり、該粒子は、1つもしくは複数の殻に包み込まれる、本明細書に記載する、ポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークのいずれかを含む組成物をさらに提供する。
【0016】
別の態様において、本発明は、医薬組成物を提供する。一実施形態において、医薬組成物は、本発明の1つもしくは複数のポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークおよび医薬的に許容される賦形剤を含む。一部の実施形態において、該組成物は、ポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークが、水等の液体ビヒクルおよび適切な賦形剤に分散される液体製剤である。一部の実施形態において、本発明は、標的化合物またはイオンを結合するためのポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワーク、および1つもしくは複数の適切な医薬賦形剤を含む、医薬組成物を提供し、該組成物は、錠剤、サシェ、スラリー、食品製剤、トローチ、カプセル、エリキシル剤、懸濁剤、シロップ、ウエハ、チューイングガム、またはロゼンジ剤の形態である。一部の実施形態において、該組成物は、スクロース、マンニトール、キシリトール、マルトデキストリン、果糖、ソルビトール、およびこれらの組み合わせから成る群から選択される医薬賦形剤を含む。一部の実施形態において、該ポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークは、錠剤の約50重量%を上回る。一部の実施形態において、該錠剤は、直径が約12mm〜約28mmで、高さが約1mm〜8mmの円柱形状の錠剤であり、該アミンポリマーは、錠剤の総量のうち0.6〜約2.0gmを上回る量を構成する。
【0017】
本発明の組成物のいくつかにおいて、該賦形剤は、甘味剤、結合剤、潤滑剤、および分解剤から成る群から選択される。任意に、該ポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークは、約80μmの平均直径未満の粒子として存在する。これらの実施形態のいくつかにおいて、該甘味剤は、スクロース、マンニトール、キシリトール、マルトデキストリン、果糖、およびソルビトール、およびこれらの組み合わせから成る群から選択される。
【0018】
一部の実施形態において、本発明は、コポリマー、コポリマーネットワーク、もしくはコポリマーまたはその残基を含む組成物を提供し、該コポリマーは、少なくとも1つの多アミンまたはその残基、および少なくとも1つの多ハロアルキルアミンまたはその残基を含む2つもしくは複数のコモノマーに由来する。
【0019】
一部の実施形態において、本発明は、ポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークまたはコポリマーネットワークおよび/またはこれらを含む医薬組成物を含み、該ポリマーまたはコポリマーは、1つもしくは複数のアミン基および1つもしくは複数の求電子基を含むモノマーに由来する。一部の実施形態において、コポリマーは、1つもしくは複数のアミン基および1つもしくは複数の求電子基を含むモノマー、および多アミンモノマーに由来し得る。
【0020】
一部の実施形態において、本発明のポリマーおよび/またはコポリマーは、高分岐ポリマーを含み得る。一部の実施形態において、本発明のポリマーおよび/またはコポリマーは、該ポリマーおよび/またはコポリマー中の10%〜95%の該アミン基が、第2級アミン基を含む、ポリマーおよび/またはコポリマーを含む。他の実施形態において、本発明のポリマーおよび/またはコポリマーは、0.10〜0.95の分岐度を有し得る。他の実施形態において、本発明のポリマーおよび/またはコポリマーは、1.2を上回る多分散度を有する。一部の実施形態において、本発明のポリマーおよび/またはコポリマーは、分岐であり、最大値のないログ(M)対ログ(η)のプロットにより特徴付けることが可能であり、ここで、Mはポリマーの粘度平均分子量を表し、ηはポリマーの固有粘度を表す。他の実施形態において、本発明のポリマーおよび/またはコポリマーは、該ポリマーまたはコポリマーの10%を上回り90%未満の非末端アミン基が第3級アミンである、ポリマーおよび/またはコポリマーを含む。
【0021】
また別の実施形態において、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークは、2つもしくは複数のポリマーまたはコポリマーを含み得、該ポリマーまたはコポリマーの少なくとも1つは、式IおよびIIに従うモノマーに由来し、該モノマーは連結または架橋されて、ポリマーネットワークまたはコポリマーネットワークを形成し得る。例えば、一部の実施形態において、ポリマーネットワークまたはコポリマーネットワークは、本発明による2つもしくは複数のポリマーまたはコポリマーの残基、および1つもしくは複数の架橋剤の残基を含み得る。
【発明を実施するための形態】
【0022】
一態様において、本発明は、本質的には、高分岐ポリマーまたはその残基、高分岐コポリマーまたはその残基、高分岐ポリマーネットワークおよび/または高分岐コポリマーネットワーク、またはこれらを含む医薬組成物から成る、またはこれらを含む。
【0023】
別の態様において、本発明は、コポリマーと、該コポリマーまたはその残基を含むコポリマーネットワークと、コポリマーおよび/またはコポリマーネットワークを含む組成物と、有効量のコポリマーまたはコポリマーネットワークを投与することにより、動物の胃腸管からリン酸含有化合物またはリン酸含有イオン(例えばリン酸塩)等の化合物またはイオンを除去するための方法と、を提供し、該コポリマーは、例えば、−Cl、−Br、−I、−OSOR、または−C(O)R等の2つもしくは複数のアミン反応基を含む多アミンモノマーの残基および多官能モノマーの残基に由来する、またはこれらを含み、Rは、独立して、C、C、C、C、CもしくはCラジカル等の、置換もしくは非置換C〜C20アルキルラジカル、置換もしくは非置換アリールラジカル、置換もしくは非置換ヘテロアリールラジカル、および/またはこれらの組み合わせを表す。該アミン反応基は、適切な反応、例えば、縮合または重縮合反応により、またはアルキル化反応により、多アミンと反応し得る。一部の実施形態において、該反応は、アルキル化との縮合反応の組み合わせ等の、異なる反応の組み合わせを含み得る。一部の実施形態において、該反応は、溶媒、温度、反応物の濃度、保護基を使用した保護、pHおよび/または他のあらゆる適切な方法の選択を含む、あらゆる適切な手段により制御し得る。
【0024】
一部の実施形態において、2つもしくは複数のアミン反応基を含む多官能モノマーは、
【化2】

【0025】
およびこれらの組み合わせから成る群から選択され、Rは、例えば、以下の化合物等の、C、C、C、C、C、またはCアルキルラジカル等、C〜C20アルキルラジカルのような、分岐もしくは非分岐、置換もしくは非置換アルキルラジカルである。
【化3】

【0026】
一部の実施形態において、本発明は、コポリマー、該コポリマーまたはその残基を含むコポリマーネットワーク、コポリマーおよび/またはコポリマーネットワークを含む組成物と、有効量のコポリマーまたはコポリマーネットワークを投与することにより、動物の胃腸管からリン酸含有化合物またはリン酸含有イオン(例えばリン酸塩)等の化合物またはイオンを除去するための方法と、を提供し、該コポリマーは、多求電子モノマーの残基および多アミンモノマーの残基を含む。
【0027】
一態様において、本発明は、コポリマーと、該コポリマーまたはその残基を含むコポリマーネットワークと、コポリマーおよび/またはコポリマーネットワークを含む組成物と、有効量のコポリマーまたはコポリマーネットワークを投与することにより、動物の胃腸管からリン酸含有化合物またはリン酸含有イオン(例えば、リン酸塩)等の化合物またはイオンを除去するための方法と、を提供し、該コポリマーは、以下の式IおよびIIにより表されるコモノマーに由来し、
【化4】

【0028】
式中、Rは、独立して、水素ラジカル、−RもしくはR−N(H)2−m−(R−N(H)2−n−(R−NHを表すか、またはRおよび別のRは結合して複素環、例えば、1〜4個の窒素原子等の1、2、3、もしくは4個のヘテロ原子等の1〜4個のヘテロ原子を含む複素環を形成し、該環は、1、2、3、4、5、6、7、8、または9個の炭素原子等、1〜10個の炭素原子をも含み、nおよびmは、独立して、0、1、または2等の0〜2の整数を表し、好適には、nまたはmのいずれかが1であり、Rは、独立して、酸素ラジカル、−CONR、例えば、C、C、C、C、CまたはCアルキルラジカル等、C〜C20アルキルラジカルのような、分岐もしくは非分岐、置換もしくは非置換アルキルラジカル、例えば、C、C、C、C、CまたはC等、C〜C20アルケニルラジカルのような、分岐もしくは非分岐、置換もしくは非置換アルケニルラジカル、硫黄ラジカル、またはSOラジカルを表し、RおよびRは、独立して、水素ラジカル、または、例えば、C、C、C、C、CまたはCアルキルラジカル等、C〜C20アルキルラジカルのような、分岐もしくは非分岐、置換もしくは非置換アルキルラジカルを表し、Rは、独立して、水素ラジカル、求電子基(E)もしくは−REを表すが、少なくとも1つのRおよび少なくとも1つのRがHではないことを条件とする。
【0029】
一部の実施形態において、本発明のポリマーおよび/またはコポリマーは、該ポリマーまたはコポリマー中の10〜95%、例えば、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%または55%等、10〜75%、25%〜75%、30%〜60%のアミン基が第2級アミン基を含む、ポリマーおよび/またはコポリマーを含む。他の実施形態において、本発明のポリマーおよび/またはコポリマーは、該ポリマーまたはコポリマー中の10%を上回り90%未満、例えば、35%、40%、45%、50%、55%、60%または65%等、15%〜85%、20%〜80%、30%〜70%の非末端アミン基が第3級アミンである、ポリマーおよび/またはコポリマーを含む。他の実施形態において、本発明のポリマーおよび/またはコポリマーは、0.25〜0.75、0.30〜0.60または0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55の分岐度等、0.10〜0.95の分岐度を有し得、分岐度は、一部の実施形態において、以下の式に従い計算することができる。
【数1】

式中、
=ポリマー中の第1級アミン単位(例えば、
【化5】

単位)の数、
=ポリマー中の第3級アミン単位(例えば、
【化6】

単位)の数、および
=ポリマー中の第2級アミン単位(例えば、
【化7】

単位)の数である。
【0030】
他の実施形態において、本発明のポリマーおよび/またはコポリマーは、1.2を上回る、例えば、1.3、1.4、1.5、1.75、2.0、2.5を上回る、またはさらに3.0を上回る多分散度を有する。一部の実施形態において、本発明のポリマーおよび/またはコポリマーは、分岐させることが可能であり、最大値のないログ(M)対ログ(η)のプロットにより特徴付けることが可能であり、ここでは、Mはポリマーまたはコポリマーの粘度平均分子量を表し、ηはポリマーまたはコポリマーの固有粘度を表す。例えば、ログ(MV)対ログ(η)のプロットにおいて、以下の方程式
d(log(η))/d(log(MV))≠0
が真である。
【0031】
一部の実施形態において、本発明のポリマーおよび/またはコポリマーは、ランダムな可変長分岐を有する。例えば、本発明のポリマーまたはコポリマーは、規則的な、または容易に予測可能な、または数量化可能なパターンの発生もしくは長さに従わず、代わりに、例えば、モノマー濃度、反応性、pH、溶媒、温度、電荷−電荷相互作用、触媒作用、添加順序、およびあらゆる他の反応パラメータ等、広範な様々の異なる変数によりもたらされ得る、本質的にランダムな分子相互作用から生じる、分岐を呈し得る。
【0032】
別途記載がない限り、本明細書に使用する、「〜に由来する」という用語は、化学反応により別の物質から生成された、または得られた、特に、反応物から直接由来するということを意味すると理解され、例えば、ポリマーまたはコポリマーは、多アミン化合物および多求電子化合物に由来し得る。さらに、架橋剤等の連結剤と反応するポリマーまたはコポリマーは、ポリマーまたはコポリマーおよび該架橋剤に由来する、ポリマーネットワークまたはコポリマーネットワークをもたらす。
【0033】
一部の実施形態において、本発明は、コポリマーと、該コポリマーまたはその残基を含むコポリマーネットワークと、コポリマーおよび/またはコポリマーネットワークを含む組成物(例えば、医薬組成物)と、有効量のコポリマーまたはコポリマーネットワークを投与することにより、化合物または動物の胃腸管からリン酸含有化合物またはリン酸含有イオン(例えば、リン酸塩)等のイオンを除去するための方法と、を提供し、該コポリマーは、以下の式IおよびIIにより表されるコモノマーに由来し、
【化8】

【0034】
式中、Rは、独立して、水素ラジカル、−RもしくはR−N(H)2−m−(R−N(H)2−n−(R−NHを表すか、または、Rおよび別のRは結合して複素環、例えば、1〜4個の窒素原子等の1、2、3、もしくは4個のヘテロ原子等の1〜4個のヘテロ原子を含む複素環を形成し、該環は、1、2、3、4、5、6、7、8、または9個の炭素原子等の1〜10個の炭素原子をも含み、nおよびmは、独立して、0、1、または2等の0〜2の整数を表し、好適には、nまたはmのいずれかが1であり、Rは、独立して、酸素ラジカル、−CONR、例えば、C、C、C、C、CまたはCアルキルラジカル等、C〜C20アルキルラジカルのような、分岐もしくは非分岐、置換もしくは非置換アルキルラジカル、例えば、C、C、C、C、CまたはC等、C〜C20アルケニルラジカルのような、分岐もしくは非分岐、置換もしくは非置換アルケニルラジカル、硫黄ラジカル、またはSOラジカルを表し、RおよびRは、独立して、水素ラジカル、または、例えば、C、C、C、C、CまたはCアルキルラジカル等、C〜C20アルキルラジカルのような、分岐もしくは非分岐、置換もしくは非置換アルキルラジカルを表し、Rは、独立して、水素ラジカル、求電子基(E)もしくは−REを表すが、少なくとも1つのRおよび少なくとも1つのRがHではないことを条件とし、該コポリマーは、高分岐である。
【0035】
一態様において、本発明は、コポリマーと、該コポリマーまたはその残基を含むコポリマーネットワークと、コポリマーおよび/またはコポリマーネットワークを含む組成物(例えば、医薬組成物)と、有効量のコポリマーまたはコポリマーネットワークを投与することにより、動物の胃腸管からリン酸含有化合物またはリン酸含有イオン(例えば、リン酸塩)等の化合物またはイオンを除去するための方法と、を提供し、該コポリマーは、以下の式IおよびIIにより表されるコモノマーに由来し、
【化9】

【0036】
式中、Rは、独立して、水素ラジカル、−RもしくはR−N(H)2−m−(R−N(H)2−n−(R−NHを表すか、または、Rおよび別のRは結合して複素環、例えば、1〜4個の窒素原子等の1、2、3、もしくは4個のヘテロ原子等の1〜4個のヘテロ原子を含む複素環を形成し、該環は、1、2、3、4、5、6、7、8、または9個の炭素原子等の1〜10個の炭素原子をも含み、nおよびmは、独立して、0、1、または2等の0〜2の整数を表し、好適には、nまたはmのいずれかが1であり、Rは、独立して、酸素ラジカル、−CONR、例えば、C、C、C、C、CまたはCアルキルラジカル等、C〜C20アルキルラジカルのような、分岐もしくは非分岐、置換もしくは非置換アルキルラジカル、例えば、C、C、C、C、CまたはC等、C〜C20アルケニルラジカルのような、分岐もしくは非分岐、置換もしくは非置換アルケニルラジカル、硫黄ラジカル、またはSOラジカルを表し、RおよびRは、独立して、水素ラジカル、または、例えば、C、C、C、C、CまたはCアルキルラジカル等、C〜C20アルキルラジカルのような、分岐もしくは非分岐、置換もしくは非置換アルキルラジカルを表し、Rは、独立して、水素ラジカル、求電子基(E)もしくは−REを表し、Eは、いかなる求電子基、例えば、−Cl、−Br、−I等のハロ、または−OSOR、もしくは、−C(O)Rであり得、Rは、独立して、C、C、C、C、CまたはCアルキルラジカル等、C〜C20アルキルラジカルのような、置換もしくは非置換アルキルラジカル、置換もしくは非置換アリールラジカル、または置換もしくは非置換ヘテロアリールラジカルを表すが、少なくとも1つのRおよび少なくとも1つのRがHではないことを条件とし、該コポリマーは、以下の特徴のうちの1つ以上を有する。
0.10〜0.95の分岐度、
該コポリマー中の10〜95%の窒素原子が第2級アミン部分中の窒素である、
約1.2を上回る多分散度、
ランダムな可変長分岐、
該コポリマー中の10%を上回り90%未満の非末端アミン基が第3級アミンを含む、
分岐する場合、最大値(粘度平均分子量に対し)がない固有粘度。
【0037】
一部の実施形態において、ポリマーネットワークまたはコポリマーネットワークは、本明細書に記載するポリマーまたはコポリマーの残基、および1つもしくは複数の架橋剤の残基を含む。一部の実施形態において、該架橋剤は、例えば、エピクロロヒドリン等のエピハロヒドリンを含む。
【0038】
一部の実施形態において、本発明は、ポリマーと、コポリマーと、該ポリマーまたはその残基を含むポリマーネットワークと、コポリマーまたはその残基を含むコポリマーネットワークと、ポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークを含む組成物と、有効量のコポリマーまたはコポリマーネットワークを投与することにより、動物の胃腸管からリン酸含有化合物またはリン酸含有イオン(例えば、リン酸塩)等の化合物またはイオンを除去するための方法と、を提供し、該コポリマーは、少なくとも1つの多アミンまたはその残基、および少なくとも1つの多ハロアルキルアミンまたはその残基を含む2つもしくは複数のコモノマーに由来し、該コポリマーは、以下の特徴のうちの1つ以上を有する。
0.10〜0.95の分岐度、
該コポリマー中の10から95%の窒素原子が第2級アミン部分中の窒素である、
約1.2を上回る多分散度、
ランダムな可変長分岐、
該コポリマー中の10%を上回り90%未満の非末端アミン基が第3級アミンを含む、
分岐する場合、最大値(粘度平均分子量に対し)がない固有粘度。
【0039】
一部の実施形態において、該多アミンは、
【化10】

【0040】
およびこれらの組み合わせから成る群から選択してもよく、式中、Rは、独立して、例えば、C、C、C、C、CまたはCラジカル等、C〜C20アルキルラジカルのような、分岐もしくは非分岐、置換もしくは非置換アルキルラジカルを表す。そのような化合物のいくつかの例としては、
【化11】

およびこれらの組み合わせが挙げられる。
【0041】
一部の実施形態において、該多アミンは、2〜20個のアミン基を含み得、少なくとも1個、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20個の第2級アミン基を含む。一部の実施形態において、本発明に従う該多アミンは、式Iに従う化合物を含む。一部の実施形態において、該多アミンは、2〜20個、例えば、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19個の末端アミン基を有し得る。
【0042】
一部の実施形態において、該多アルキルハロアミンは、
【化12】

【0043】
およびこれら組み合わせから成る群から選択してもよく、Rは、独立して、例えば、C、C、C、C、CまたはCラジカル等、C〜C20アルキルラジカルのような、分岐もしくは非分岐、置換もしくは非置換アルキルラジカルを表し、Xは、独立して、−NH、−Cl、−Br、または−Iを表し、少なくとも2つのX基がNHではないことを条件とする。多ハロアルキルアミンのいくつかの例としては、
【化13】



およびこれらの組み合わせが挙げられる。
【0044】
一部の実施形態において、本発明に従う該多ハロアルキルアミンは2〜20個のアミン基を含み得、少なくとも1個、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20個のハロアルキル基を含む。一部の実施形態において、本発明に従う該多アルキルハロアミンは、式IIに従う化合物を含む。
【0045】
一部の実施形態において、本発明は、コポリマーと、該コポリマーまたはその残基を含むコポリマーネットワークと、コポリマーおよび/またはコポリマーネットワークを含む組成物と、有効量のコポリマーまたはコポリマーネットワークを投与することにより、動物の胃腸管からリン酸含有化合物またはリン酸含有イオン(例えば、リン酸塩)等の化合物またはイオンを除去するための方法と、を提供し、該コポリマーは、1つもしくは複数のアミン基および1つもしくは複数の求電子基を含むモノマー、および多アミンモノマーに由来し、該コポリマーは、以下の特徴のうちの1つ以上を有する。
0.10〜0.95の分岐度、
コポリマー中の10〜95%の窒素原子が第2級アミン部分中の窒素である、
約1.2を上回る多分散度、
ランダムな可変長分岐、
該コポリマー中の10%を上回り90%未満の非末端、非アミドアミン基が第3級アミンを含む、
分岐する場合、最大値(粘度平均分子量に対して)がない固有粘度。
【0046】
一部の実施形態において、本発明は、コポリマーと、該コポリマーまたはその残基を含むコポリマーネットワークと、コポリマーおよび/またはコポリマーネットワークを含む組成物と、有効量のコポリマーまたはコポリマーネットワークを投与することにより、動物の胃腸管からリン酸含有化合物またはリン酸含有イオン(例えば、リン酸塩)等の化合物またはイオンを除去するための方法と、を提供し、該ポリマーは、1つもしくは複数のアミン基および2つもしくは複数の求電子基を含むモノマーに由来し、該ポリマーは、以下の特徴のうちの1つ以上を有する。
0.10〜0.95の分岐度、
該コポリマー中の10〜95%の窒素原子が第2級アミン部分中の窒素である、
約1.2を上回る多分散度、
ランダムな可変長分岐、
該コポリマー中の10%を上回り90%未満の非末端アミン基が第3級アミンを含む、
分岐する場合、最大値(粘度平均分子量に対して)がない固有粘度。
【0047】
一部の実施形態において、1つもしくは複数のアミン基および1つもしくは複数の求電子基を含む該モノマーは、多ハロアルキルアミンを含む。
【0048】
一部の実施形態において、本発明は、ポリマーと、該ポリマーまたはその残基を含むポリマーネットワークと、ポリマーおよび/またはポリマーネットワークを含む組成物と、有効量のポリマーまたはポリマーネットワークを投与することにより、動物の胃腸管からリン酸含有化合物またはリン酸含有イオン(例えば、リン酸塩)等の化合物またはイオンを除去するための方法と、を提供し、該ポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークまたはコポリマーネットワークは、以下の式III〜Vのうちの1つもしくは複数の式により表される1つもしくは複数の基を含み、
【化14】

【0049】
式中、Rは、独立して、分岐もしくは非分岐、置換もしくは非置換アルキルラジカル、例えば、C、C2、C、C、C、またはC等のC〜C20アルキルラジカルを表し、該ポリマーまたはコポリマーは、以下の特徴のうちの1つ以上を有する。
0.10〜0.95の分岐度、
該コポリマー中の10〜95%の窒素原子が第2級アミン部分中の窒素である、
約1.2を上回る多分散度、
ランダムな可変長分岐、
該ポリマー中の10%を上回り90%未満の非末端アミン基が第3級アミンを含む、
分岐する場合、最大値(粘度平均分子量に対して)がない固有粘度。
【0050】
一部の実施形態において、本発明のポリマーおよびコポリマーは、1つもしくは複数の多アミンまたはその残基を含み得る。一部の実施形態において、本発明のポリマーおよびコポリマーは、重合後、例えば、ポリマーまたはコポリマー中のあらゆる残留アミン反応基の多アミンとの反応により、多アミンとさらに反応し得る。一部の実施形態において、本発明のポリマーおよびコポリマーは、重合後、少なくとも1つのアミン反応基を含む単官能アミンと、例えば、該ポリマーまたはコポリマー中のあらゆる末端アミン基のハロアルキルアミンとの反応により、反応し得る。
【0051】
一部の実施形態において、ポリマーネットワークまたはコポリマーネットワークは、本明細書に記載のポリマーまたはコポリマーの残基、および1つもしくは複数の架橋剤の残基を含む。一部の実施形態において、該架橋剤は、エピクロロヒドリンを含む。
【0052】
一部の実施形態において、本発明のコポリマーの作製方法は、反応器中で多ハロアルキルアミンモノマー等の、2つもしくは複数のアミン反応基を含む化合物に多アミンを添加し、混合物を加熱する等、あらゆる適切な方法を含むことができる。一部の実施形態において、該混合物は、55℃を上回る、例えば、60℃、65℃、70℃、75℃、80℃、85℃またはそれ以上に加熱することができる。一部の実施形態において、該混合物は、2〜6日または24、48、72または96時間等の1〜7日等、1時間〜数日、加熱することができる。得られたコポリマーは、沈殿および洗浄、または透析等、あらゆる適切な方法を使用して精製することができる。次いで、コポリマーは、所望のコポリマーを得るために、真空下で乾燥または凍結乾燥することができる。
【0053】
次いで、上記の方法で精製されたコポリマーは、あらゆる適切な方法を使用して、順次架橋させる。例えば、水等の適切な溶媒中で、例えば、エピクロロヒドリン等の架橋剤と混合し、攪拌することができる。一部の実施形態において、架橋剤は、2〜8または3〜5のアリコート等の1〜10のアリコート等、1つもしくは複数のアリコート中に添加し得る。一部の実施形態において、溶液は、1、2、3、4、または5日等、1時間〜5日撹拌し、加熱し得る。ゲルが形成し得、ゲルは、1、2、3、4、または5日等、1時間〜5日間、硬化、破壊、再懸濁、および1回以上洗浄、次いで、例えば、強制空気オーブン内または凍結乾燥により乾燥させることができる。一部の実施形態において、洗浄には、材料のpHの調節を含み得る。
【0054】
一部の実施形態において、本発明は、低減を必要とする患者の血液リン酸レベルを5〜100%低減するための方法であり、該方法は、本発明の治療有効量の1つもしくは複数のポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワーク、または本発明の1つもしくは複数のポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークを含む組成物を患者へ投与する工程を含む。一部の実施形態において、本発明は、低減を必要とする患者の尿リン酸を5〜100%低減するための方法であり、該方法は、本発明の治療有効量の1つもしくは複数のポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワーク、または本発明の1つもしくは複数のポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークを含む組成物を患者へ投与する工程を含む。
【0055】
一部の実施形態において、本発明は、本発明の治療有効量の1つもしくは複数のポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワーク、または本発明の1つもしくは複数のポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークを含む組成物を、治療を必要とする患者へ投与する工程を含む、高リン血症等のリン酸不均衡疾患の治療方法である。
【0056】
一部の実施形態において、組成物は、本発明の2つもしくは複数のポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークの混合物を含み、例えば、本発明の2〜20個、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9または10個のポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークを含む。
【0057】
一部の実施形態において、本発明は、多アミン化合物の混合物である、多アミン化合物に由来する本発明のポリマー、コポリマー、ポリマーネットワーク、および/またはコポリマーネットワーク、このようなポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークを含む医薬組成物、または動物の胃腸管からリン酸含有化合物またはリン酸含有イオン(例えば、リン酸)等の化合物またはイオンを除去するために、治療有効量でこれらを使用する方法を含む。
【0058】
本発明の他の実施形態は、ポリマーまたはポリマーの重合骨格上のペンダント基として、ポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークで形成されるペンダントポリマーを含む。このようなペンダントポリマーは、ペンダントモノマーを形成するように、1つもしくは複数の重合可能な基をポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワーク上の1つもしくは複数のアミン基に添加し、次に、順次、ポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークを含むペンダントポリマーを形成するために、重合可能な基を重合させることにより形成し得る。このような添加の模式的な実施例を以下に記載する(以下では、「AC」と称されるポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークは、本発明のポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークまたはその残基を表すことを意図し、重合可能な基を、どのように該ポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークに添加し得るかを、そのアミン基の1つを図示する目的で示すことに留意するべきである。)。
【化15】

【0059】
本発明の実施形態に従うポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークと共に使用することができる他の重合可能な基の非限定的な例としては、
【化16】

が挙げられる。
【0060】
1つもしくは複数の重合可能な基は、各ACに添加させることができ、したがって、異なる数の重合可能な基を有する様々なペンダントACを有するペンダントモノマーの混合物を得ることが可能である。加えて、このように作製されたペンダントポリマーは、改質、架橋、ネットワークに形成、または重合後に置換することが可能である。このような変更は、効率、許容性を向上するため、または副作用を低減するため等のあらゆる数の事由により実施することが可能である。
【0061】
ペンダントモノマーは、ACの1つもしくは複数のアミン基をアミン反応ポリマー上の1つまたは複数のアミン反応基と反応させて、該ACをアミン反応ポリマーに添加することにより形成することができる。いくつかのアミン反応ポリマーの例としては、
【化17】

が挙げられる。
【0062】
該ACまたはペンダントモノマーは、ポリマーを形成するために、多官能モノマーとしての役割も果たし得る。例えば、該ACまたはペンダントモノマーから形成されたポリマーを、架橋する時、該架橋反応は、バルク溶液(すなわち、純粋なアミンおよび純粋な架橋剤を使用)中、または分散媒中のいずれかで実施することができる。バルク工程を使用する時、溶媒は、反応物を共溶解し、架橋反応を干渉しないように選択する。適切な溶媒は、水、低沸点アルコール(メタノール、エタノール、ブタノール)、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトン、メチルエチルケトン等を含む。
【0063】
他の重合方法は、単一重合反応、一連の反応を介した個々のモノマーの段階的添加、モノマーブロックの段階的添加、前述のものの組み合わせ、またはあらゆる他の重合方法、例えば、直接または逆懸濁、凝結、エマルジョン、沈殿技術、エアゾールの重合またはバルク重合/架橋方法の使用、ならびに押出しおよび粉砕等のサイズの低減工程を含み得る。工程は、バッチ、半継続および継続工程として実施することができる。分酸媒の工程において、該継続相は、トルエン、ベンゼン、炭化水素、ハロゲン化溶媒、超臨界二酸化炭素等の無極溶媒から選択することができる。直接懸濁工程において、水を使用することができるが、塩水も滴下分離相中のアミンおよび架橋剤を「脱塩」するために有用である。
【0064】
本発明のポリマーおよびコポリマー、ペンダントモノマーおよびペンダントポリマーは、1つもしくは複数の他のモノマーまたはオリゴマーまたは他の重合可能な基と重合し得るか、架橋し得るか、ポリマー骨格内またはペンダント基として架橋または他の連結剤またはモノマーを有し得るか、形成または重合させて、または混合もしくはコポリマーネットワークを形成させることができ、それは、ポリマーもしくはコポリマー、またはその残基、ペンダントモノマーもしくはその残基、架橋剤もしくはその残基、または他の連結剤もしくはその残基を含む。該ネットワークは、直接であり得る、同一もしくは異なる分子間で多重結合を含み得るか、または架橋剤もしくはモノマー、またはオリゴマーもしくはその残基等の他の連結剤等、1つもしくは複数の連結基を含み得る。
【0065】
単一または併用して使用し得るコモノマーの非限定的な例としては、スチレン、置換されたスチレン、アクリル酸アルキル、置換されたアクリル酸アルキル、メタクリル酸アルキル、置換されたメタクリル酸アルキル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド、N−アルキルメタクリルアミド、N,N−ジアルキルアクリルアミド、N,N−ジアルキルメタクリルアミド、イソプレン、ブタジエン、エチレン、酢酸ビニル、N−ビニルアミド、マレイン酸誘導体、ビニルエーテル、アリル、メタリルモノマーおよびこれらの組み合わせが挙げられる。これらのモノマーの官能型も使用し得る。本発明で使用し得るさらなる特定のモノマーまたはコモノマーは、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル(全異性体)、メタクリル酸ブチル(全異性体)、2−メタクリル酸エチルヘキシル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸フェニル、メタクリロニトリル、α−メチルスチレン、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル(全異性体)、アクリル酸ブチル(全異性体)、2−アクリル酸エチルヘキシル、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸、アクリル酸ベンジル、アクリル酸フェニル、アクリロニトリル、スチレン、メタクリル酸グリシジル、2−メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル(全異性体)、メタクリル酸ヒドロキシブチル(全異性体)、N,N−メタクリル酸ジメチルアミノエチル、N,N−メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸トリエチレングリコール、イタコン酸無水物、イタコン酸、アクリル酸グリシジル、2−アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル(全異性体)、アクリル酸ヒドロキシブチル(全異性体)、N,N−アクリル酸ジメチルアミノエチル、N,N−アクリル酸ジエチルアミノエチル、アクリル酸トリエチレングリコール、メタクリル酸アミド、N−メチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−tert−ブチルメタクリル酸アミド、N−N−ブチルメタクリル酸アミド、N−メチルオールメタクリル酸アミド、N−エチルオールメタクリル酸アミド、N−tert−ブチルアクリルアミド、N−N−ブチルアクリルアミド、N−メチルオールアクリルアミド、N−エチルオールアクリルアミド、4−アクリルオイルモルホリン、安息香酸ビニル(全異性体)、ジエチルアミノスチレン(全異性体)、α−安息香酸メチルビニル(全異性体)、ジエチルアミノα−メチルスチレン(全異性体)、p−ビニルベンゼンスルホン酸、p−ビニルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、メタクリル酸トリメトキシシリルプロピル、メタクリル酸トリエトキシシリルプロピル、メタクリル酸トリブトキシシリルプロピル、メタクリル酸ジメトキシメチルシリルプロピル、メタクリル酸ジエトキシメチルシリルプロピル、メタクリル酸ジブトキシメチルシリルプロピル、メタクリル酸ジイソプロポキシメチルシリルプロピル、メタクリル酸ジメトキシシリルプロピル、メタクリル酸ジエトキシシリルプロピル、メタクリル酸ジブトキシシリルプロピル、メタクリル酸ジイソプロポキシシリルプロピル、アクリル酸トリメトキシシリルプロピル、アクリル酸トリエトキシシリルプロピル、アクリル酸トリブトキシシリルプロピル、アクリル酸ジメトキシメチルシリルプロピル、アクリル酸ジエトキシメチルシリルプロピル、アクリル酸ジブトキシメチルシリルプロピル、アクリル酸ジイソプロポキシメチルシリルプロピル、アクリル酸ジメトキシシリルプロピル、アクリル酸ジエトキシシリルプロピル、アクリル酸ジブトキシシリルプロピル、アクリル酸ジイソプロポキシシリルプロピル、マレイン酸無水物、N−フェニルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、アリルアミン、メタリルアミン、アリルアルコール、メチル−ビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルテザー、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、エチレン、酢酸ビニルおよびこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0066】
一部の実施形態において、本発明のポリマーおよびコポリマーは、架橋剤を使用して架橋させ、溶媒に溶解することができず、せいぜい溶媒に膨潤するのみである。該膨潤比率は、以下の試験方法の段落の手順に従い測定することができ、典型的には、例えば、2〜10、2.5〜8、3〜6または5未満、6未満、または7未満、10未満、15未満、または20未満等の1〜約100、1〜約80、1〜約60、1〜約40、1〜約20等、約1〜約150の範囲である。一部の実施形態において、ポリマーおよびコポリマーは、溶媒中でゲルを形成しないポリマーまたはコポリマーネットワークを生じ得る架橋剤または他の連結剤を含み得、いくつかの溶媒に可溶性または部分的に可溶性であり得る。
【0067】
架橋剤は、典型的には、ハロゲン基、カルボニル基、エポキシ基、エステル基、酸無水物基、酸ハライド化物基、イソシアナート基、ビニル基、およびクロロギザン基から選択される、少なくとも2つの官能基を有する化合物である。該架橋剤は、炭素骨格、または本明細書に記載するポリマーまたはコポリマーの窒素に結合させることができる。
【0068】
本発明の該ポリマーまたはコポリマーの合成に適している架橋剤の例としては、ジハロアルカン、ハロアルキルオキシラン、アルキルオキシランスルホン酸、ジ(ハロアルキル)アミン、トリ(ハロアルキル)アミン、ジエポキシド、トリエポキシド、テトラエポキシド、ビス(ハロメチル)ベンゼン、トリ(ハロメチル)ベンゼン、テトラ(ハロメチル)ベンゼン、エピクロルヒドリンおよびエピブロモヒドリンポリ(エピクロルヒドリン)等のエピハロヒドリン、(ヨードメチル)オキシラン、グリシジルトシレート、グリシジル3−ニトロベンゼンスルホン酸、4−トシルオキシ−1,2−エポキシブタン、ブロモ−1,2−エポキシブタン、1,2−ジブロモエタン、1,3−ジクロロプロパン、1,2−ジクロロエタン、1−ブロモ−2−クロロエタン、1,3−ジブロモプロパン、ビス(2−クロロエチル)アミン、トリス(2−クロロエチル)アミン、およびビス(2−クロロエチル)メチルアミン、1,3−ブタジエンジエポキシド、1,5−ヘキサジエンジエポキシド、ジグリシジルエーテル、1,2,7,8−ジエポキシオクタン、1,2,9,10−ジエポキシデカン、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,2−エタンジオールジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、1,3−ジグリシジルグリセリルエーテル、N,N−ジグリシジルアニリン、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ビス(グリシジルオキシ)ベンゼン、レゾルシノールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチルオールプロパンジグリシジルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、1,3−ビス−(2,3−エポキシプロピルオキシ)−2−(2,3−ジヒドロキシプロピルオキシ)プロパン、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジグリシジルエステル、2,2’−ビス(グリシジルオキシ)ジフェニルメタン、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、1,4−ビス(2’,3’−エポキシプロピル)パーフルオロ−n−ブタン、2,6−ジ(オキシラン−2−イルメチル)−1、2,3,5,6,7−ヘキサヒドロピロロ[3,4−f]イソインドール−1,3,5,7−テトラオン、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、エチル5−ヒドロキシ−6,8−ジ(オキシラン−2−イルメチル)−4−オキソ−4h−クロメン−2−カルボン酸、ビス[4−(2,3−エポキシ−プロピルチオ)フェニル]−硫化物、1,3−ビス(3−グリシドオキシプロピル)テトラメチルジシロキサン、9,9−ビス[4−(グリシジルオキシ)フェニル]フッ素、トリエポキシイソシアヌル酸、グリセロールトリグリシジルエーテル、N,N−ジグリシジル−4−グリシジルオキシアニリン、イソシアヌル酸(S,S,S)−トリグリシジルエステル、イソシアヌル酸(R,R,R)−トリグリシジルエステル、イソシアヌル酸トリグリシジル、トリメチルオールプロパントリグリシジルエーテル、グリセロールプロポキシレートトリグリシジルエーテル、トリフェニルオールメタントリグリシジルエーテル、3,7,14−トリス[[3−(エポキシプロポキシ)プロピル]ジメチルシリルオキシ]−1,3,5,7,9,11,14−ヘプタシクロペンチルトリシクロ[7.3.3.15,11]ヘプタシロキサン、4,4’−メチレンビス(N,N−ジグリシジルアニリン)、ビス(ハロメチル)ベンゼン、ビス(ハロメチル)ビフェニルおよびビス(ハロメチル)ナフタレン、トルエンジイソシアネート、塩化アクリルオール、アクリル酸メチル、エチレンビスアクリルアミド、ピロ金属二無水物、二塩化サクシニル、ジメチルコハク酸等の1つもしくは複数の官能架橋剤が挙げられるが、これらに限定されない。該架橋剤がアルキルハライド化合物のとき、塩基を、反応中に形成された酸を捕捉するために使用することができる。無機または有機塩基が適している。NaOHが好ましい。塩基対架橋剤比率は、好適には、約0.5〜約2の間である。
【0069】
一部の実施形態において、該架橋剤は、2、3、4、5、6重量%等、約2〜約15重量%、約2〜約12重量%、約3〜約10重量%、約3〜約6重量%等のアミンポリマーまたはポリマーの総重量に基づき、0.5〜25重量%の量で該重合反応に導入させることができる。該必要な架橋剤の量は、アミン化合物内の分岐度に依存し得る。
【0070】
一部の実施形態において、該ポリマーおよびコポリマーの重量平均分子量は、典型的には、少なくとも約1000であり得る。例えば、該分子量は、2000〜750,000、3000〜500,000、約5000〜約250,000、15,000〜80,000、20,000〜75,000、25,000〜60,000、30,000〜50,000または40,000〜45,000等の約10000〜約100,000等、約1000〜約1,000,000であり得る。
【0071】
一部の実施形態のポリマーは、重合開始剤を使用して形成することができる。一般的に、陽イオンおよびラジカル開始剤を含む開始剤を使用し得る。使用し得る適切な開始剤のいくつかの例としては、アゾジイソブチロニトリル、アゾジイソバレロニトリル、ジメチルアゾジイソブチレート、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキアンカルボ−ニトリル)、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)、2,2’−アゾビス(イソブチルアミド)二水和物、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、VAZO67、シアノペンタン酸、ペルオキシピバレート、ドデシルベンゼンペルオキシド、ベンゾイイルペルオキシド、ジ−t−ブチルヒドロペルオキシド、t−ブチルペルアセテート、アセチルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、クミルヒドロペルオキシド、ジメチルビス(ブチルペルオキシ)ヘキサン等、遊離ラジカルペルオキシおよびアゾタイプの化合物が挙げられる。
【0072】
一部の実施形態において、本発明の実施形態に従うポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワーク内のいずれかの窒素原子は、任意に、対応する正電荷第3級窒素基、例えば、アンモニウムまたは置換されたアンモニウム基等を得るために、四級化することができる。ポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワーク中のいずれかの1つもしくは複数の窒素原子は、四級化し得、このような四級化は、存在するとき、末端アミン窒素原子に限定されない、または含む必要がない。一部の実施形態において、この四級化は、さらなるネットワーク形成を生じ得、窒素への架橋、連結またはアミン反応基の追加の結果であり得る。該アンモニウム基は、医薬的に許容される反対イオンと結合し得る。
【0073】
一部の実施形態において、本発明のポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークまたはその残基は、有機イオン、無機イオンまたはこれらの組み合わせであり得る、医薬的に許容される反対イオンと部分的にまたは完全に、プロトン化等、四級化することができる。いくつかの適切な無機イオンの例としては、ハライド(例えば、クロライド、ブロミド、またはヨウ素)炭酸、炭酸水素、硫酸、重硫酸、水酸化物、硝酸、過硫酸、および亜硫酸が挙げられる。いくつかの適切な有機イオンの例としては、酢酸、アスコルビン酸、安息香酸、クエン酸、二水素性クエン酸、クエン酸水素、シュウ酸、コハク酸、酒石酸、タウロコール酸、グリココール酸、およびコール酸が挙げられる。好適なイオンは、クロライドおよび炭酸を含む。
【0074】
一部の実施形態において、本発明のポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークまたはその残基は、プロトン化された窒素原子の比率が、1〜25%、好適には、3〜25%、より好適には、5〜15%であるように、プロトン化し得る。
【0075】
一実施形態において、医薬的に許容されるポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークまたはコポリマーネットワークまたはその残基は、プロトン化された形態のポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークまたはその残基であり、炭酸陰イオンを含む。一実施形態において、該医薬的に許容されるポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークは、プロトン化された形態であり、炭酸および炭酸水素陰イオンの混合物を含む。
【0076】
一部の実施形態において、本発明のポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークは、化合物またはイオンに結合するその能力により特徴付けられる。好適には、該本発明のポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークは、陰イオンに結合し、より好適には、これらは、有機リン酸エステル、リン酸、および/またはシュウ酸に結合し、最も好適には、これらは、有機リン酸エステルまたはリン酸に結合する。例示のため、陰イオン結合ポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワーク、および特に、有機リン酸エステルまたはリン酸結合ポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークを説明するが、本説明は、当該分野に精通した者には明白である適切な変形を使用して、他のイオン、化合物および溶質に同様に適用することを理解されたい。ポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークは、一般的に、非共有様態である必要はないが、少なくとも一部のイオンが、ポリマーが溶液または体からのイオンの除去をもたらすのに十分な時間使用する、生体外または生体内状態下で結合を維持する十分な結合力で、イオン、例えば、それらがイオンと結合する場合に、陰イオンと結合し得る。標的イオンは、該ポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークが結合するイオンであり得、通常、ポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークへの結合がポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークの治療作用を生成すると考えられるイオンを指し、陰イオンまたは陽イオンであり得る。本発明のポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークは、1つを上回る標的イオンを有し得る。
【0077】
例えば、本明細書に記述するポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークのいくつかは、有機リン酸エステルまたはリン酸の結合特性を呈する。リン酸結合能力は、リン酸結合剤が所与の溶液中で結合することができるリン酸イオンの量の尺度である。例えば、リン酸結合剤の結合能力は、例えば、水または塩水溶液中等、生体外で、もしくは、例えば、リン酸尿排せつから等、生体内で、または例えば、実験動物、患者またはボランティアから得た粥状液等の吸引液を使用して生体外で測定することができる。測定は、リン酸イオンのみ、または少なくとも該ポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークに結合するリン酸イオンと競合する他の競合溶質を含まない溶液中で実行することができる。これらの場合において、非干渉緩衝液が使用し得る。代替として、測定は、例えば、他のイオンまたは代謝物等、ポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークとの結合において、リン酸イオン(標的溶質)と競合する、他の競合溶質の存在下で実行することができる。
【0078】
ポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークのイオン結合能力は、試験方法に示される通りに測定することができる。一部の実施形態は、約0.2、0.5、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、5.0、6.0、8.0、10.0、12、14、16、18、または約20mmol/gを上回り得るリン酸結合能力を有する。一部の実施形態において、標的イオンに対する本発明のポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーまたはその残基の生体外リン酸結合能力は、約0.5mmol/gを上回る、好適には、約2.5mmol/gを上回る、さらにより好適には、約3mmol/gを上回る、さらにより好適には、約4mmol/gを上回る、さらにより好適には、約6mmol/gを上回る。一部の実施形態において、リン酸結合能力は、約0.5mmol/g〜約10mmol/g、好適には、約2.5mmol/g〜約8mmol/g、およびさらにより好適には、約3mmol/g〜約6mmol/g等、約0.2mmol/g〜20mmol/gの範囲であり得る。リン酸結合は、以下の試験方法の段落で説明する技術に従い測定することができる。
【0079】
一部の実施形態において、ポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークおよび本発明の組成物は、低減を必要とする患者の尿亜リン酸を5〜100%、例えば、10〜75%、25〜65%または45〜60%低減し得る。一部の実施形態は、尿亜リン酸を10%上回る、20%上回る、30%上回る、40%上回る、45%上回る、50%上回る、または60%を上回って低減し得る。尿亜リン酸の低減は、以下の段落の試験方法に説明される方法に従い測定することができる。
【0080】
一部の実施形態において、本発明のポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークおよび組成物は、低減を必要とする患者の血液リン酸を5〜100%、例えば、10〜75%、25〜65%または45〜60%低減し得る。一部の実施形態は、血液リン酸レベルを10%上回る、20%上回る、30%上回る、40%上回る、45%上回る、50%上回る、または60%上回って低減し得る。
【0081】
架橋させる時、本発明のポリマーまたはコポリマー、例えば、ポリマーネットワークまたはコポリマーネットワークのいくつかの実施形態は、胃腸管媒体または生理的に許容される媒体中等の溶媒中でゲルを形成する。
【0082】
本発明の一様態は、ポリマーコアおよび殻を含むコア−殻組成物である。一部の実施形態において、該ポリマーコアは、本明細書に記述するポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークを含む。殻材料は、化学的にコア材料に固定させることができるか、または物理的に被覆することができる。前者の場合、化学手段、例えば、コアポリマー上に固定された活性部位から活重合を使用した殻ポリマーのコアへの化学移植により、界面反応、すなわち、界面重縮合等のコア粒子表面に位置する化学反応、およびコア粒子合成中に、懸濁剤としてブロックコポリマーを使用することにより、殻をコア成分上に成長させることができる。
【0083】
一部の実施形態において、該界面反応およびブロックポリマーの使用は、化学方法を使用する時に使用する技術である。該界面反応経路において、典型的には、コア粒子の周辺は、コア界面上の小分子または高分子を反応させることにより化学的に改質する。例えば、アミン含有イオン結合コア粒子は、コアの周囲に架橋殻を形成するために、エポキシ、イソシアナート、活性エステル、ハライド基等のポリマー含有アミン反応基と反応させる。
【0084】
別の実施形態において、該殻は、まず、カプセルを生成するために、界面重縮合または溶媒液滴形成を使用して作成する。次いで、該カプセルの内部は、該殻カプセル内に該コアを構築するために、コア形成前駆体で充填する。
【0085】
一部の実施形態において、該ブロックコポリマー手法を使用して、両親媒性ブロックコポリマーを、逆性または直接懸濁粒子形成プロセスで該コア粒子を形成するために、懸濁剤として使用することができる。逆性油中水型懸濁プロセスを使用する時、次いで、ブロックコポリマーは、連続油相で第1のブロック溶質を含み、別の親水性ブロックは該コアポリマーと反応し得る官能基を含む。ブロックコポリマーは、コア形成前駆体と共に、水相および油相に添加する時、油中水型界面に位置し、懸濁剤として作用する。該親水性ブロックは、該コア材料と反応するか、または該コア形成前駆体と共反応する。該粒子を該油相から分離した後、該ブロックコポリマーは、共有結合で該コア表面に固定する薄い殻を形成する。該ブロックの化学的性質および長さは、関心対象となる溶質の方向に該殻の透過特徴を変更するように変更することが可能である。
【0086】
該殻材料が、物理的にコア材料に吸収される時、溶媒液滴形成、流動層スプレー塗布装置、または多層乳化剤等のマイクロカプセル封入の既知の技術を使用することができる。マイクロカプセル封入の一方法は、ビュルスター構成において、流動層スプレー塗布装置である。さらに別の実施形態において、該殻材料は、口および食道中にある時、コア粒子の膨潤を遅延することにより、一時的に作用し、任意に、胃または十二指腸で分解する。次いで、該殻は、高疎水性および非常に低透水性の層を生成することにより、コア粒子に水の輸送を妨げるように選択する。
【0087】
一実施形態において、該殻材料は、使用環境にある時、負電荷を有する。1つの機構の作用に限定されないが、陰イオン結合ビーズ上に被覆された負電荷した殻材料は、大きな価数およびサイズを有する競合イオンに比して、低電荷密度(リン酸等)を有する小無機イオンの結合を強化する。したがって、とりわけ、クエン酸、胆汁酸、および脂肪酸等の競合陰イオンは、おそらく該殻を透過する限度の結果、陰イオン結合コアに対してより低い相対親和性を有し得る。
【0088】
一部の実施形態において、殻材料は、典型的には、腸で見られるpH範囲の負電荷を有するポリマーである。例としては、カルボン酸、スルホン酸、ヒドロスルホン酸、スルファミン酸、リン酸、ヒドロリン酸、ホスホン酸、ヒドロホスホン酸、ホスホロアミド酸、フェノール、ボロン酸等のペンダント酸基およびこれらの組み合わせを有するポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。該ポリマーは、プロトン化または非プロトン化させることができ、後者の場合、酸性陰イオンは、Na、K、Li、Ca、Mg、およびNH等の医薬的に許容される陰イオンで中和させることができる。
【0089】
別の実施形態において、該多価陰イオンは、最終的に、多価陰イオンとして活性化する前駆体として投与することができる。例えば、ポリスルホン酸またはポリカルボン酸のいずれかの特定の不安定なエステルまたは無水物形態は、胃の酸環境で加水分解しやすく、活性陰イオンに変換することができる。
【0090】
該殻ポリマーは、ネットワーク、完全および半浸透性ネットワーク(IPN)において、直線、分岐、高分岐、分割(すなわち、少なくとも1つペンダント酸基を含む隣接ブロックの配列で配置される骨格ポリマー)、櫛形、星形、または架橋のいずれかであり得る。該殻ポリマーは、組成物においてランダムまたはブロックのいずれかであり、コア材料に共有結合的または物理的のいずれかで結合する。このような殻ポリマーの実施例は、アクリル酸ホモポリマーまたはコポリマー、メタクリル酸ホモポリマーまたはコポリマー、およびメタクリル酸およびメタアクリル酸のコポリマーを含むが、これらに限定されない。このようなポリマーの例は、商品名Eudragit(Rohm GmbH&Co.KG)で販売されるメチルメタクリル酸およびメタアクリル酸のコポリマー、およびエチルアクリル酸のコポリマー、およびメタアクリル酸であり、これらの例としては、商品名Eudragit RLおよびEudragit RSで販売されるEudragit L100−55およびEudragit L100(メチルメタクリル酸−メタアクリル酸(1:1)コポリマー、Degussa/Rohm)、Eudragit L30−D55、Eudragit S100−55およびEudragit FS 30D、Eudragit S100(メチルメタクリル酸−メタアクリル酸(2:1)コポリマー)、Eudragit LD−55(エチルアクリル酸−メタアクリル酸(1:1)コポリマー)、第4級アンモニウム基を伴うアクリル酸およびメタアクリル酸のコポリマー、および商品名Eudragit NE30−Dで販売されるいかなる官能基も伴わない中性エステル分酸剤を含む。
【0091】
さらなる殻ポリマーには、ポリ(スチレンスルホン酸)、ポリカルボフィル(登録商標)、ポリアクリル酸、商品名HP−50およびHP−55(Shin−Etsu Chemical Co.,Ltd.)で販売されるカルボキシメチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタル酸、酢酸トリメット酸セルロース、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルエチルセルロースおよびヒドロキプロピルエチルセルロース等のセルロース誘導体、およびフィルム被覆配合物に有用なセルロースエーテル等のセルロース誘導体、酢酸フタル酸ポリビニル、カラギナン、アルギン酸、またはポリ(メタアクリル酸)エステル、アクリル/マレイン酸コポリマー、スチレン/マレイン酸ポリマー、イタコン酸/アクリル酸コポリマー、およびフマル酸/アクリル酸コポリマー、商品名AEA(Sankyo Co.,Ltd.)で販売されるポリビニルアセタールジエチルアミノ酢酸、メチルビニルエーテル/マレイン酸コポリマーおよびシェラックが挙げられる。
【0092】
一部の実施形態において、該殻ポリマーは、Eudragit L100−55およびEudragit L100(メチルメタクリル酸−メタアクリル酸(1:1)コポリマー、Degussa/Rohm)等の医薬的に許容されるポリマー、カルボポール934(ポリアクリル酸)、C−A−P NF(酢酸フタル酸セルロースEastman)、Eastacryl(メタアクリル酸エステルEastman)、カラギナンおよびアルギン酸(FMC Bioポリマー)、AnycoatP(Samsung Fine ChemicalsHPMCフタル酸)、またはAqualon(カルボキシメチルセルロースHercules)、メチルビニルエーテル/マレイン酸コポリマー(Gantrez)、およびスチレン/マレイン酸(SMA)の中から選択する。
【0093】
該殻は、様々な方法で被覆することができる。一実施形態においては、殻材料を、活性賦形剤として薬物製剤工程で添加する。例えば、殻材料は、粉末として、固体製剤に含めることができ、有機リン酸エステルまたはリン酸結合ポリマーおよび他の賦形剤と物理的に混合させ、任意で、顆粒とし、圧縮して、錠剤を形成することができる。したがって、一部の実施形態において、殻材料は、薬物生産においてコア材料を被覆する必要がない。例えば、該酸性殻ポリマーは、錠剤、カプセル、ゲル、液体等、ウエハ、押出物の形状の陰イオン結合コアポリマーと一緒に添加することができ、次いで、該殻ポリマーは、薬物製品が口、食道、または最終的には、作用部位、すなわち、胃腸管で平衡化される間、溶解され、殻としてコア周囲に均一に分散することができる。
【0094】
一部の実施形態において、該殻は、殻ポリマーの薄い層である。該層は、コア粒子表面上の多価陰イオンの分子層であってもよい。コアに対する重量比は、約0.0001%〜約30%の間であることが可能であり、好適には、約0.1%〜約5%等の約0.01%〜約5%の間を含む。
【0095】
該殻ポリマーは、コア気孔容量内で自由に透過しない、またはコア表面から溶出しないように、最低限の分子量を有する。一部の実施形態において、殻酸性ポリマーの分子量(Mw)は、約5,000g/モル以上等、約1,000g/モル以上、および/またはさらには20,000g/モル以上である。
【0096】
該殻材料の陰イオン電荷密度(使用環境で使用する)は、2mEq/gr〜15mEq/gr等の0.5mEq/gr〜22mEq/grの間であり得る。被覆工程を、用量形態の製造の一部としてポリマー粒子上に殻を形成するために使用する場合、医薬産業の当該分野からの者に既知の手順が適用できる。一実施形態において、該殻は、流動層塗布装置(ビュルスター塗布装置)で形成する。代替実施形態において、該殻は、制御された沈殿または液滴形成により形成させ、そこでは、該ポリマー粒子をポリマー溶液中で懸濁させ、溶媒性質は、ポリマーを誘導してポリマー粒子上に沈殿またはそれを被覆するように変化させる。
【0097】
適切な被覆工程は、典型的には、医薬産業で使用する工程を含む。典型的には、被覆方法の選択は、殻材料(バルク、溶液、乳化剤、懸濁液、融成物)の形状、ならびにコア材料の形および性質(球状ビーズ、不規則な形状等)および沈殿した殻の量が挙げられるが、これらに限定されない、多くのパラメータにより決定される。加えて、コアは、1つもしくは複数の殻で被覆され得、複数の殻層または交互の殻層を含み得る。
【0098】
本明細書で使用する「リン酸不均衡疾患」という用語は、体に存在するリン酸のレベルが異常である症状を指す。リン酸不均衡疾患の一例は、高リン血症を含む。本明細書で使用する「高リン血症」という用語は、成分リン酸が上昇したレベルで体に存在する症状を指す。一般的には、患者は、しばしば、血液リン酸レベルが、例えば、1デシリットルの血液につき約4.0または4.5ミリグラム以上、例えば、約5.5mg/dl以上等の約5.0mg/dl以上、例えば、6.0mg/dl以上、および/または例えば、正常の約20%未満等の、低下した糸球体濾過率である場合、高リン血症と診断される。本発明は、末期の腎疾患の高リン血症に罹患している、および透析治療(例えば、血液透析または腹膜透析)をも受ける患者を治療するために使用することができる。
【0099】
本発明の方法、化合物、組成物およびキットで治療することができる他の疾患は、低カルシウム血症、副甲状腺機能亢進症、機能の低下した腎臓のカリシトリオールの合成、低カルシウム血症によるテタニー、腎不全、および関節、肺、腎臓、結膜および心筋組織のカルシウム沈着を含む軟組織の異所性石灰化を含む。また、本発明は、慢性腎臓疾患(CKD)、末期の腎疾患(ESRD)および透析患者を治療するために使用することができ、上記のいずれの予防治療をも含む。
【0100】
本明細書に記載するポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークおよび組成物は、例えば、食事によるリン酸摂取の制限、透析、無機金属塩および/または他のポリマー樹脂を使用する、他の治療への補助として使用することができる。
【0101】
本発明の組成物も、胃腸管から塩化物、重炭酸、シュウ酸、および胆汁酸を除去するのに有用である。シュウ酸化合物またはイオンを除去するポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークは、腎結石形成のリスクを増大するシュウ酸症または低シュウ酸尿症等のシュウ酸不均衡疾患の治療に使用を見出す。塩化化合物またはイオンを除去するポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークは、例えば、酸血症、胸やけ、酸逆流、胃酸過多、または胃炎の治療に使用を見出す。一部の実施形態において、本発明の組成物は、脂肪酸、ビリルビン、および関連化合物を除去するために有用である。一部の実施形態は、タンパク質、核酸、ビタミンまたは細胞屑のような高分子量分子を結合および除去し得る。
【0102】
本発明は、動物の治療のための方法、医薬組成物、およびキットを提供する。本明細書で使用する「動物」もしくは「動物対象」、または「患者」とは、ヒト、ならびに他の哺乳類(例えば、イヌもしくはネコ、または、ブタ、ヤギ、ウシ、ウマ、ニワトリ等の家畜の治療等、獣医学における治療)を含む。本発明の一実施形態は、有効量の、本明細書で記載するポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークのうちの少なくとも1つを投与することにより、動物の胃、小腸または大腸等の胃腸管からリン有機リン酸エステルまたはリン酸等のリン酸含有化合物を除去する方法である。
【0103】
本明細書で使用する「治療」という用語およびその文法上の相当語は、治療効果および/または予防的効果を達成することを含む。治療効果とは、治療される根低にある疾患の根絶、改善または予防を意味する。例えば、高リン血症患者において、治療効果は、根底にある高リン血症の根絶または改善を含む。また、治療効果は、患者がまだ根低にある疾患に罹患する可能性があるにもかかわらず、回復が患者に見られるように、根底にある疾患に伴う生理的症状の1つもしくは複数の根絶、改善または予防により達成される。例えば、本明細書に記載するポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークを、腎不全および/または高リン血症に罹患する患者へ投与することによって、患者の血清リン酸レベルが減少するだけでなく、異所性石灰化および腎骨形成異常のような腎不全および/または高リン血症を伴う他の疾患に対して、患者に回復が見られる治療効果を提供する。予防効果については、例えば、該ポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークを、高リン血症を発症するリスクのある患者、または高リン血症の診断はされていないが、高リン血症の1つもしくは複数の生理的症状が報告される患者に、投与し得る。
【0104】
該組成物は、例えば、正常値または正常値に近いリン酸血清レベルを、例えば、健康な患者の正常値の10%以内のレベルに変更することにより、上昇したリン酸レベルを伴う対象の血清リン酸を制御するために、使用することができる。
【0105】
本発明の他の実施形態は、少なくとも1つもしくは複数のポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークまたはその医薬的に許容される塩、および1つもしくは複数の医薬的に許容される賦形剤、希釈剤、または担体、および任意に、さらなる治療剤を含む医薬組成物に関する。該化合物は、製剤化する前に凍結乾燥、または、真空下もしくは乾燥器で乾燥し得る。
【0106】
賦形剤または担体は、他の製剤の材料に適合性があり、その受給者に有害ではないという意味で「許容される」。製剤は、便宜的に単位投与形態をとることができ、あらゆる適切な方法により調製することができる。該方法は、典型的には、均一かつ均質にアミンポリマーを賦形剤または担体と混合することにより、薬剤を賦形剤または担体と混合し、次いで、必要に応じて、製品をその単位投与形態に分割する工程を含む。
【0107】
本発明の医薬組成物は、該ポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークが有効量、すなわち、治療および/または予防利点を達成するための有効量で存在する組成物を含む。特定の用途の実際の有効量は、患者(例えば、年齢、体重)、治療する疾患、および投与経路に依存する。
【0108】
動物における該ポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークの用量は、治療する疾患、投与経路、および治療する動物の物理的特性による。一部の実施形態において、治療および/または予防使用のいずれかにおけるこのような用量レベルは、約1gm/日〜約30gm/日、例えば、約2gm/日〜約20gm/日、または約3gm/日〜約7gm/日であり得る。本明細書に記載するポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークの用量は、約50gm/日未満、約40gm/日未満、約30gm/日未満、約20gm/日未満、および約10gm/日未満であり得る。
【0109】
一般的には、該ポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークは、食事の前後、または食事と一緒に投与することができる。本明細書で使用する通り、食事の「前」または「後」は、典型的には、それぞれ、食事の始めまたは終わりの2時間以内、好適には、1時間以内、より好適には、30分以内、最も好適には、10分以内である。
【0110】
一般的に、該ポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークは、食事と共に投与することが好ましい。該ポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークは、1日1回、1日2回、または1日3回、投与し得る。好適には、ポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークは、最も大きな食事と共に1日1回、投与する。
【0111】
好適には、該ポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークは、治療および/または予防効果のために使用することができ、単一または医薬組成物の形態で投与することができる。該医薬組成物は、該ポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワーク、1つもしくは複数の医薬的に許容される担体、希釈剤または賦形剤、および任意に、さらなる治療剤を含む。例えば、本発明の該ポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークは、治療する状態に応じて、他の活性薬剤と共に投与し得る。共に投与し得る薬剤の実施例としては、
【0112】
医薬的に許容されるランタン、カルシウム、アルミニウム、マグネシウムおよび酢酸、炭酸、酸化物、水酸化物、クエン酸、アルギン酸、およびそのケト酸等の亜鉛化合物を含む、他のリン酸封鎖剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0113】
炭酸カルシウム、酢酸(PhosLo(登録商標)酢酸カルシウム錠剤等)、クエン酸、アルギン酸、およびケト酸を含むカルシウム化合物は、リン酸結合に使用されている。
【0114】
Amphojel(登録商標)アルミニウム水酸化ゲル等のアルミニウムベースのリン酸封鎖剤も、高リン血症を治療するために使用されている。これらの化合物は、腸リン酸と複合体を形成し、高難溶性リン酸アルミニウムを形成する。結合リン酸は、患者によって吸収されない。
【0115】
最も一般的に使用されるランタン化合物である炭酸ランタン(Fosrenol(登録商標))は、炭酸カルシウムと同様に作用する。
【0116】
本発明の使用に適した他のリン酸封鎖剤は、医薬的に許容されるマグネシウム化合物を含む。医薬的に許容されるマグネシウム化合物の様々な実施例は、2005年11月8日に出願された米国仮出願第US60/734,593号に記載されており、参照によりその全体の教示を本明細書に組み込む。特定の適切な実施例としては、酸化マグネシウム、マグネシウム水酸化物、ハロゲン化マグネシウム(例えば、フッ化マグネシウム、塩化マグネシウム、臭化マグネシウムおよびヨウ化マグネシウム)、マグネシウムアルコキシド(例えば、マグネシウムエトキシドおよびマグネシウムイソプロポキシド)、炭酸マグネシウム、重炭酸マグネシウム、ギ酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、三ケイ酸マグネシウム、有機酸(例えばフマル酸、マレイン酸、アクリル酸、メタアクリル酸、イタコン酸、およびスチレンスルホン酸等)のマグネシウム塩、およびこれらの組み合わせ等が挙げられる。
【0117】
医薬的に許容される亜鉛化合物の様々な実施例は、2005年12月29日に出願されたPCT出願第PCT/US2005/047582号に記載されており、参照により、その全体の教示を本明細書に組み込む。医薬的に許容される亜鉛化合物の特定の適切な例としては、酢酸亜鉛、臭化亜鉛、カプリル酸亜鉛、炭酸亜鉛、塩化亜鉛、クエン酸亜鉛、ギ酸亜鉛、ヘキサフルオロケイ酸亜鉛、ヨウ素亜鉛、ヨウ化亜鉛、亜鉛ヨウ化澱粉、乳酸亜鉛、硝酸亜鉛、オレイン酸亜鉛、シュウ酸亜鉛、酸化亜鉛、カラミン(小量の酸化第二鉄を伴う酸化亜鉛)、p−フェノールスルホン酸亜鉛、プロピオン酸亜鉛、サリチル酸亜鉛、ケイ酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、硫酸亜鉛、亜鉛硫化物、タンニン酸亜鉛、酒石酸亜鉛、吉草酸亜鉛およびエチレンビス(ジチオカルバミド酸)亜鉛を含む。別の実施例は、ポリ(アクリル酸亜鉛)が挙げられる。
【0118】
上述のリン酸封鎖剤のいずれかに言及する際、混合物、多形体およびその溶媒和物が包含されることを理解されたい。
【0119】
一部の実施形態において、上述のリン酸封鎖剤の混合物は、医薬的に許容される第一鉄塩と組み合わせて本発明で使用し得る。
【0120】
他の実施形態において、本発明のポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークと組み合わせて使用するリン酸封鎖剤は、医薬的に許容されるマグネシウム化合物ではない。さらに他の実施形態において、該医薬的に許容されるポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークと組み合わせて使用するリン酸封鎖剤は、医薬的に許容される亜鉛化合物ではない。
【0121】
本発明は、リン酸輸送阻害剤またはアルカリフォスファターゼ阻害剤と併用する、該ポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークの併用治療に関する方法および医薬組成物も含む。代替として、該ポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークの混合物は、リン酸輸送阻害剤またはアルカリフォスファターゼ阻害剤と共に使用する。
【0122】
リン酸輸送阻害剤の適切な実施例は、同時係属中米国特許出願第US2004/0019113号および第US2004/0019020号および国際公開第WO2004/085448号に見出すことができ、参照によりその全体の教示を本明細書に組み込む。
【0123】
多種多様な有機および無機分子が、アルカリフォスファターゼ(ALP)への阻害剤である(例えば、米国特許第US5,948,630号を参照されたい。参照によりその全体の教示を本明細書に組み込む)。アルカリフォスファターゼ阻害剤の例としては、オルトリン酸、ヒ酸、L−フェニルアラニン、L−ホモアルギニン、テトラミソール、レバミソール、L−p−ブロモテトラミゾール、5,6−ジヒドロ−6−(2−ナフチル)イミダゾ−[2,1−b]チアゾール(ナフチル)およびその誘導体が挙げられる。好適な阻害剤には、レバミソール、ブロモテトラミゾール、および5,6−ジヒドロ−6−(2−ナフチル)イミダゾ−[2,l−b]チアゾールおよびその誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0124】
この同時投与は、同一の用量形態の2つの薬剤の同時投与、個別の用量形態の同時投与、および個別の投与を含み得る。例えば、高リン血症の治療において、該ポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークは、高リン血症から生じる低カルシウム血症を治療するために使用するカルシウム塩と共に、同時投与し得る。
【0125】
本発明の医薬組成物は、錠剤、サッシェ、スラリー、食品製剤、トローチ、カプセル、エリキシル、懸濁剤、シロップ、ウエハ、チューイングガムまたはロゼンジ剤として製剤化することができる。
【0126】
好適には、該ポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワーク、またはポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークを含む該医薬組成物は、経口的に投与する。適切な方法、ビヒクル、賦形剤および担体の実例は、例えば、Remington´s Pharmaceutical Sciences,19th ed.,に記載されており、参照によりその内容を本明細書に組み込む。
【0127】
本発明に従って使用する医薬組成物は、医薬的に使用する調製剤への活性ポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークの処理を容易にする賦形剤および補助剤を含む1つもしくは複数の生理的に許容される担体を使用して、従来の方法で製剤化し得る。適切な剤形は、選択する投与経路に依存する。アミン類の医薬組成物を調製するための適切な技術は、当該分野において周知である。
【0128】
本発明の一部の態様において、該ポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークは、一般的に賦形剤によりなされる機械的および熱的特性を提供し、したがって、製剤に必要なこのような賦形剤の量を減少する。一部の実施形態において、該ポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークは、約30重量%を上回る、例えば、約40重量%を上回る、約50重量%を上回る、好適には、約60重量%を上回る、約70重量%を上回る、より好適には、約80重量%を上回る、約85重量%を上回る、または約90重量%を上回る組成物を含み、残りは、適切な賦形剤を含む。
【0129】
一部の実施形態において、該錠剤の圧縮性は、該ポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークの水和(含水量)に非常に依存する。好適には、該ポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークは、重量比約5%もしくは複数の含水量を有し、より好適には、含水量が、重量比約5%〜約9%である、および最も好適には、重量比約7%である。アミンポリマーが水和物である実施形態において、水和の水は、該アミンポリマーの成分であると考えられることを理解されたい。
【0130】
該錠剤は、硬化材、摺滑剤および潤滑剤等の1つもしくは複数の賦形剤をさらに含むことができ、これらは、当該分野に周知である。適切な賦形剤は、コロイド二酸化ケイ素、ステアリン酸、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、スクロース、ステアリン酸カルシウム、ベヘン酸グリセリル、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ステアリン酸亜鉛、およびステアリルフマル酸ナトリウムを含む。
【0131】
本発明の実施形態の錠剤コアは、(1)該ポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークに水分を加え、または乾燥させて所望の含水レベルにする、(2)該ポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークをいずれかの賦形剤と混合する、および(3)従来の錠剤技術を使用して混合物を圧縮する工程を含む方法により、調製し得る。
【0132】
一部の実施形態において、本発明は、安定した飲み込み可能な被覆された錠剤、特に、上述の通り、該ポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークを含む錠剤等、親水性コアを含む錠剤に関する。一実施形態において、該被覆組成物は、セルロース誘導体および可塑剤を含む。該セルロース誘導体は、好適には、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)である。該セルロース誘導体は、水溶液として存在し得る。適切なヒドロキシプロピルメチルセルロース水溶液は、HPMC低粘度および/またはHPMC高粘度を含むものを含む。さらに適切なセルロース誘導体は、フィルム被覆製剤に有用なセルロースエーテルを含む。該可塑剤は、例えば、ジアセチル化モノグリセリド等のアセチル化モノグリセリドであり得る。該被覆組成物は、選択された色素をさらに含み、所望の色の錠剤被覆を提供することができる。例えば、二酸化チタニウム等の白い色素を選択し、白色の被覆を生成することができる。
【0133】
一実施形態において、本発明の該被覆錠剤は、溶媒、溶媒に溶解または懸濁された少なくとも1つの被覆剤、および任意に1つもしくは複数の可塑剤を含む被覆溶液を、上述の通り、本発明の錠剤コアと接触させる工程を含む方法により調製することができる。好適には、溶媒は、水または水性緩衝液等の水性溶媒、または混合水溶液/有機溶媒である。通常、約4%から約6%までに及ぶ量で錠剤コアの重さが増加するまで、錠剤コアを被覆溶液に接触させる。そして、この増加は錠剤被覆を形成するための錠剤コアにおける適切なコーティングの堆積を示す。
【0134】
本発明の一部の組成物において有用な他の医薬賦形剤は、微結晶セルロース、カルボポール、プロビドンおよびキサンタンゴム等の結合剤、マンニトール、キシリトール、マルトデキストリン、果糖またはソルビトール等の風味料、植物ベースの脂肪酸等の潤滑剤、および任意に、クロスカルメロースナトリウム、ゲランガム、セルロースの低置換ヒドロキシプロピルエーテル、ナトリウム澱粉グリコール酸等の崩壊剤を含む。このような添加剤および他の適切な材料は、当該分野に周知である。例えば、Gennaro A R (ed),Remington´s Pharmaceutical Sciences,19th Editionを参照されたい。
【0135】
一部の実施形態においては、本発明のポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークを、チュアブル錠の形態で医薬組成物として提供する。該活性成分に加えて、以下の種類の賦形剤を一般的に使用する。必要な風味を提供するための甘味剤と、前者が十分な錠剤の硬化の提供に不適切の場合に、結合剤、ダイ壁で摩擦作用を最小限にし、錠剤の排出を容易にするための潤滑剤、および、一部の製剤において、咀嚼を容易にするために、少量の崩壊剤を添加する。一般的に、現在入手可能なチュアブル錠における賦形剤レベルは、活性成分の約3〜5倍であるが、甘味剤は、不活性成分の大半を占める。一部の実施形態において、本発明は、本明細書に記載するポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワーク、充填剤および潤滑剤を含むチュアブル錠として製剤化される医薬組成物を提供する。一部の実施形態において、本発明は、本明細書に記載するポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワーク、充填剤および潤滑剤を含むチュアブル錠として製剤化される医薬組成物を提供し、該充填剤は、スクロース、マンニトール、キシリトール、マルトデキストリン、果糖およびソルビトールから成る群から選択し、該潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウム等のマグネシウム脂肪酸塩である。
【0136】
一実施形態において、該ポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークは、ポリマーおよび賦形剤が均質に混合される個体溶液を形成するために、マンニトール、ソルボーズおよびスクロース等の高ガラス転移点(Tg)/高融点低分子量の賦形剤を使用して、事前に製剤化する。押出、スプレー乾燥、冷却乾燥、凍結乾燥または湿潤造粒等の混合方法が有用である。混合レベルの指標は、差動走査熱量測定または動態機械分析等の既知の物理的な方法により得られる。
【0137】
一部の実施形態においては、本発明のポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークを、液体製剤の形態で、医薬組成物として提供する。一部の実施形態において、医薬組成物は、適切な液体賦形剤に分散されるポリマー、コポリマー、ポリマーネットワークおよび/またはコポリマーネットワークを含む。適切な液体賦形剤は、当該分野において周知である。例えば、Remington´s Pharmaceutical Sciencesを参照されたい。
【0138】
一部の実施形態において、医薬組成物は、水または他の摂取可能な液体と混合する、飲料(溶液または懸濁剤)として経口的に投与する、サッシェとしてパッケージされた粉末製剤の形態をとることができる。このような製剤が、口当たりまたは風味等、許容される特性を患者に提供することを確実にするために、医薬的に許容される陰イオン安定化剤を製剤に含めることができる。
【0139】
適切な陰イオン安定化剤の例としては、陰イオンポリペプチド、陰イオンポリサッカライド等の陰イオンポリマー、またはマンヌロン酸、グルロン酸、アクリル酸、メタアクリル酸、グルクロン酸、グルタミン酸またはその組み合わせのポリマー、およびその医薬的に許容される塩等の1つもしくは複数の陰イオンモノマーのポリマーが挙げられる。該陰イオンポリマーの他の例としては、カルボキシアルキルセルロースまたはその医薬的に許容される塩等のセルロースが挙げられる。該陰イオンポリマーは、上述の2つもしくは複数の陰イオンモノマーのホモポリマーまたはコポリマーであり得る。代替として、該陰イオンコポリマーは、1つもしくは複数の陰イオンモノマーおよびビニルアルコール、アクリルアミド、およびビニルフォルムアミド等、オレフィン酸陰イオンモノマー等の1つもしくは複数の中性コモノマーを含み得る。
【0140】
陰イオンポリマーの実施例としては、アルギン酸(例えば、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸カルシウム、アルギン酸マグネシウム、アルギン酸アンモニウム、およびアルギン酸のエステル類)、カルボキシメチルセルロース、ポリラクチック酸、ポリグルタミン酸、ペクチン、キサンタン、カラギナン、フルセララン、アラビアゴム、カラヤゴブ、ガッチガム、ケラブゴム、およびトラガカントガムが挙げられる。好ましい陰イオンポリマーはアルギン酸であり、好適には、アルギン酸のC2−C5−ジオールエステルまたはアルギン酸のC3−C5トリオールエステル等のエステル化アルギン酸である。本明細書に記載する「エステル化アルギン酸」とは、アルギン酸の1つもしくは複数のカルボキシル基がエステル化されるアルギン酸を意味する。該アルギン酸の残りのカルボキシル基は、任意に、医薬的に許容される塩として(部分的または完全に)中和される。例えば、アルギン酸プロピレングリコールは、カルボキシル基の一部がプロピレングリコールを使用してエステル化され、残りのカルボン酸基は、任意に、医薬的に許容される塩と中和される、アルギン酸のエステルである。より好適には、該陰イオンポリマーは、アルギン酸エチレングリコール、アルギン酸プロピレングリコール、またはアルギン酸グリセロールであるが、アルギン酸プロピレングリコールがさらにより好ましい。
【0141】
本明細書に記載する全出版物および特許出願は、個々の出版物または特許出願のそれぞれが、参照により、具体的に、そして個々に組み込まれるかのように、参照により本明細書に組み込む。
【0142】
多くの変更および修正は、付属の請求項の精神または範囲から逸脱することなく、本明細書に提示する開示に成し得ることは、当業者には明らかであろう。
【実施例】
【0143】
使用した材料
トリス(2−クロロエチル)アミン塩酸塩、エピクロロヒドリン、メタノール、ヘキサン、アセトニトリル、ジプロピレントリアミン、イソプロパノール、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、トリス(3−アミノプロピル)アミンおよびトリス(2−アミノエチル)アミンはSigma−Aldrich,Coから入手できる。
【0144】
トリス(3−クロロプロピル)アミン塩酸塩は、Franczyk,Thaddeus S.,Czerwinski,Kenneth R.,Rymond,Kenneth N,Stereognostic coodination chemistry 1.The design and synthesis of chelator for the uranyl ion,J.Am.Chem.Soc.114(21):8138−46(1992)の方法に従い調製した。
【0145】
実施例1:化合物Iの合成
0.231gのトリス(3−クロロプロピル)アミン塩酸塩の溶液、141μlのトリス(2−アミノエチル)アミン、1mlのアセトニトリル、および500μlの脱イオン水を窒素雰囲気下で12時間、75℃で加熱した。淡色のゲルを得た。
【0146】
実施例2:化合物IIの合成
0.266gのトリス(3−クロロプロピル)アミン塩酸塩の溶液、161μlのトリス(2−アミノエチル)アミン、1mlのアセトニトリル、および500μlの脱イオン水を窒素雰囲気下で12時間、75℃で加熱した。淡色のゲルを得た。
【0147】
実施例3:化合物IIIの合成
0.253gのトリス(2−クロロエチル)アミン塩酸塩の溶液、175μlのジプロピレントリアミン、1mlのアセトニトリル、および500μlの脱イオン水を窒素雰囲気下で12時間、75℃で加熱した。淡色のゲルを得た。
【0148】
実施例4:化合物IVの合成
0.5gのトリス(3−クロロプロピル)アミン塩酸塩の溶液、5mlの脱イオン水および1.0gのNaOHの50%の水溶液を、6mlのヘキサンで2回抽出した。該ヘキサン抽出物を混合し、回転蒸発器で真空で濃縮し、0.419gのトリス(3−クロロプロピル)アミンを得た。得られた0.419gのトリス(3−クロロプロピル)アミンを1.3mlのトリス(2−アミノエチル)アミン、850μlのアセトニトリル、および850μlの脱イオン水と共に、溶液中に入れ、窒素雰囲気下で12時間、75℃で加熱した。溶液の粘度は増大した。溶液を真空で濃縮し、メタノールで希釈した。得られた溶液をジエチルエーテルで2回洗浄し、窒素流下で乾燥し、続いて、Pを上回る真空下で乾燥し、6.84kDのMWおよび1.54の多分散度を有する所望の生成物を得た。
【0149】
実施例5:化合物Vの合成
1.0gのトリス(3−クロロプロピル)アミン塩酸塩の溶液、5mlの脱イオン水および1.0gのNaOHの50%の水溶液を6mlのヘキサンで2回抽出した。該ヘキサン抽出物を混合し、回転蒸発器で真空で濃縮し、0.834gのトリス(3−クロロプロピル)アミンを得た。得られた0.834gのトリス(3−クロロプロピル)アミンを101μlのトリス(2−アミノエチル)アミン、450μlのアセトニトリル、および450μlの脱イオン水と共に、溶液に入れ、窒素雰囲気下で12時間、75℃で加熱した。溶液は、ゲルを形成した。
【0150】
実施例6:化合物VIの合成
0.5gのトリス(2−クロロエチル)アミン塩酸塩、5mlの脱イオン水および1.0gのNaOHの50%の水溶液を、6mlのヘキサンで2回抽出した。該ヘキサン抽出物を混合し、回転蒸発器で真空で濃縮し、0.36gのトリス(2−クロロエチル)アミン塩酸塩を得た。得られた0.36gのトリス(2−クロロエチル)アミン塩酸塩を1.3mlのジプロピレントリアミン、800μlのアセトニトリル、および800μlの脱イオン水と共に、溶液中に入れ、窒素雰囲気下で12時間、75℃で加熱した。溶液の粘度は増大した。該溶液を真空で濃縮し、メタノールで希釈した。得られた溶液をジエチルエーテルで2回洗浄し、窒素流下で乾燥し、続いて、P上の真空下で乾燥し、2.21kDのMWおよび1.74の多分散度を有する所望の生成物を得た。
【0151】
実施例7:化合物VIIの合成
0.6872gのトリス(2−クロロエチル)アミン塩酸塩の溶液、400μlのジプロピレントリアミン、400μlのアセトニトリル、および400μlの脱イオン水を窒素雰囲気下で12時間、75℃で加熱した。ゲルが形成した。
【0152】
実施例8:化合物VIIIの合成
2.0gのトリス(3−クロロプロピル)アミン塩酸塩の溶液、20mlの脱イオン水および4.0gのNaOHの50%の水溶液を20mlのヘキサンで2回抽出した。該ヘキサン抽出物を混合し、回転蒸発器で真空で濃縮し、1.54gのトリス(3−クロロプロピル)アミンを得た。得られた1.54gのトリス(3−クロロプロピル)アミンを5.1mlのトリス(2−アミノエチル)アミン、3.4mlのアセトニトリル、および3.4mlの脱イオン水と共に、溶液に入れ、窒素雰囲気下で12時間、75℃で加熱した。溶液の粘度は増大した。該溶液をイソプロパノールで希釈し、tert−ブチルメチルエーテルと混合した。得られた沈殿物を収集し、イソプロパノールおよびt−ブチルメチルエーテル混合物で数回洗浄した。残渣物を真空で乾燥した。層を組み合わせたイソプロパノール/tert−ブチルメチルエーテルを濃縮し、残渣物および濃縮層を脱イオン水中に溶解した。NaOHの50%の水溶液を、溶液のpHが10.6になるまで添加した。該溶液を脱イオン水に対して透析し(MWCO3500)、凍結乾燥して、0.5gの所望の生成物を得た。
【0153】
実施例9:化合物IXの合成
0.2gのトリス(3−クロロプロピル)アミン塩酸塩の溶液、550μlのトリス(2−アミノエチル)アミン、および728μlの脱イオン水を窒素雰囲気下で48時間、75℃で加熱した。該溶液をイソプロパノールで希釈し、濃縮HClをpH紙で測定されるとおりに、pHが2と3の間になるまで添加した。該溶液を沈殿物から静かに移し、該沈殿物をイソプロパノール、続いて、tert−ブチルメチルエーテルで洗浄し、真空で乾燥した。該残渣物を脱イオン水中で溶解し、NaOHの50%の溶液をpHが11になるまで添加した。該溶液を脱イオン水に対して透析し(MWCO3500)、凍結乾燥して、25mgの所望の生成物を得た。
【0154】
実施例10:化合物Xの合成
2.05gのトリス(2−クロロエチル)アミン塩酸塩の溶液、6.07gのトリス(2−アミノエチル)アミン、および8mlの脱イオン水を窒素雰囲気下で72時間、75℃で加熱した。得られた生成物は、1.7kDのMWおよび1.46の多分散度を有した。
【0155】
実施例11:化合物XIの合成
2.03gのトリス(2−クロロエチル)アミン塩酸塩の溶液、3.64gのトリス(2−アミノエチル)アミン、および5.6mlの脱イオン水を窒素雰囲気下で72時間、75℃で加熱した。得られた生成物は、2.48kDのMWおよび1.93の多分散度を有した。
【0156】
実施例12:化合物XIIの合成
2.04gのトリス(2−クロロエチル)アミン塩酸塩の溶液、7.8gのトリス(3−アミノプロピル)アミン、および9.8mlの脱イオン水を窒素雰囲気下で72時間、75℃で加熱した。得られた生成物は、2.4kDのMWおよび1.45の多分散度を有した。
【0157】
実施例13:化合物XIIIの合成
2.05gのトリス(2−クロロエチル)アミン塩酸塩の溶液、4.69gのトリス(3−アミノプロピル)アミン、および9.8mlの脱イオン水を窒素雰囲気下で72時間、75℃で加熱した。得られた生成物は、2.4kDのMWおよび1.45の多分散度を有した。
【0158】
実施例14:化合物XIVの合成
5.0gのトリス(3−クロロプロピル)アミン塩酸塩の溶液、50mlの脱イオン水、および10.0gのNaOHの50%の水溶液を、それぞれ60mlのヘキサンで2度抽出した。該ヘキサン抽出物を混合し、回転蒸発器で真空で濃縮して、3.84gのトリス(3−クロロプロピル)アミンを得た。得られた3.84gのトリス(3−クロロプロピル)アミンを11.4mlのトリス(2−アミノエチル)アミン、5mlのアセトニトリル、および5mlの脱イオン水と共に、溶液中に入れ、窒素雰囲気下で6日間、75℃で加熱した。該溶液をメタノールで希釈し、得られた沈殿物を収集し、回転蒸発器を使用して真空で濃縮した。該材料をメタノール中に溶解し、tert−ブチルメチルエーテル中に沈殿させた。溶媒層を静かに移し、残渣物を窒素流下で乾燥し、17.62gの所望の生成物を得た。
【0159】
実施例15:化合物XIVのエピクロロヒドリンとの反応
2.0gの化合物XIVの溶液、および2.0gの脱イオン水中の350μlのエピクロロヒドリンを室温で一晩、撹拌して、ゲルを得た。該材料を一晩、60℃で加熱し、室温に冷却した。該ゲルを小片に砕き、500mlの脱イオン水に懸濁、撹拌し、濾過した。湿量62.45gを有する湿った材料を60℃の強制空気オーブンで乾燥させ、82.3ml/gの処理中膨張比を有する0.75gの生成物を得た。
【0160】
実施例16:化合物XVIの合成
5.0gのトリス(2−クロロエチル)アミン塩酸塩の溶液、50mlの脱イオン水、および10.0gのNaOHの50%の水溶液を、それぞれ、60mlのヘキサンで2度抽出した。該ヘキサン抽出物を混合し、回転蒸発器で真空で濃縮し、3.84gのトリス(2−クロロエチル)アミンを得た。得られた3.84gのトリス(2−クロロエチル)アミンを18.2mlのトリス(3−アミノプロピル)アミン、6.5mlのアセトニトリル、および6.5mlの脱イオン水と共に溶液中に入れ、窒素雰囲気下で6日間、75℃で加熱した。該溶液をメタノールで希釈し、得られた沈殿物を濾過して収集し、回転蒸発器を使用して真空で濃縮した。該材料をメタノールに溶解し、t−ブチルメチルエーテル中に沈殿させた。溶媒層を静かに移し、残渣物を窒素流下で乾燥し、24.42gの所望の生成物を得た。
【0161】
実施例17:化合物XVIのエピクロロヒドリンとの反応
2.0gの化合物XVIの溶液、および2.0gの脱イオン水中の350μlのエピクロロヒドリンを室温で一晩、撹拌して、ゲルを得た。該材料を一晩、60℃で加熱し、室温に冷却した。該ゲルを小片に砕き、500mlの脱イオン水に懸濁、撹拌し、濾過した。湿量46.92gを有する湿った材料を60℃の強制空気オーブンで乾燥させ、45.9ml/gの処理中膨張比を有する1.10gの生成物を得た。
【0162】
実施例18:化合物XVIIIの合成
2.0gのトリス(2−クロロエチル)アミン塩酸塩の4つの溶液、5.0mlのトリス(3−アミノプロピル)アミン、および6.7mlの脱イオン水を個別の反応バイアルに入れ、窒素雰囲気下で4日間、75℃で加熱した。イソプロパノールをそれぞれの溶液に添加し、溶液を個別にt−ブチルメチルエーテルに沈殿させた。それぞれの溶媒層を静かに移し、残渣物をメタノールに取り込んだ。該メタノール溶液を混合し、濾過紙を介して濾過し、回転蒸発器を使用して真空で濃縮した。該残渣物を窒素流下で乾燥し、28.4gの所望の生成物を得た。
【0163】
実施例19:化合物XVIIIのエピクロロヒドリンとの反応
2.0gの化合物XVIIIの溶液、および2.0gの脱イオン水中の300μlのエピクロロヒドリンを室温で一晩、撹拌して、ゲルを得た。該材料を一晩、60℃で加熱し、室温に冷却した。該ゲルを小片に砕き、500mlの脱イオン水に懸濁、撹拌し、濾過した。湿量29.49gを有する湿った材料を60℃の強制空気オーブンで乾燥させ、21.7ml/gの処理中膨張比を有する1.3gの生成物を得た。
【0164】
実施例20:化合物XXの合成
1.0gのトリス(2−クロロエチル)アミン塩酸塩の溶液、1.7mlのトリス(3−アミノプロピル)アミン、および1.2mlの脱イオン水を窒素雰囲気下で72時間、75℃で加熱した。メタノールを該溶液に添加し、該溶液を回転蒸発器を使用して真空で濃縮した。得られた材料をメタノール中に溶解し、ジエチルエーテルに沈殿させ、溶媒層を静かに移し、残渣物を室温で真空オーブンで乾燥した。脱イオン水を乾燥させた該残渣物に添加し、50%の水溶液を作り、390μlのエピクロロヒドリンを添加し、該溶液を一晩、室温で撹拌し、次いで、一晩、60℃に加熱した。20分以内にゲルが形成された。室温に冷却した後、該ゲルを小片に砕き、脱イオン水に懸濁、撹拌し、濾過した。湿量12.92gを有する湿った材料を60℃の強制空気オーブンで乾燥させ、5.2ml/gの処理中膨張比を有する2.07gの生成物を得た。
【0165】
実施例21:化合物XXIの合成
1.0gのトリス(2−クロロエチル)アミン塩酸塩の溶液、2.1mlのトリス(3−アミノプロピル)アミン、および1.4mlの脱イオン水を窒素雰囲気下下で72時間、75℃で加熱した。メタノールを該溶液に添加し、該溶液を回転蒸発器を使用して真空で濃縮した。得られた材料をメタノール中に溶解し、ジエチルエーテル中に沈殿させ、溶媒層を静かに移し、残渣物を室温で真空オーブンで乾燥した。脱イオン水を乾燥させた該残渣物に添加し、50%の水溶液を作り、続いて、450μlのエピクロロヒドリンを添加し、該溶液を一晩、室温で撹拌し、次いで、一晩60℃に加熱した。20分以内にゲルを形成した。室温に冷却した後、該ゲルを小片に砕き、脱イオン水に懸濁、撹拌し、濾過した。湿量22.78gを有する湿った材料を60℃の強制空気オーブンで乾燥させ、9.12ml/gの処理中膨張比を有する2.25gの生成物を得た。
【0166】
実施例22:化合物XXIIの合成
1.0gのトリス(2−クロロエチル)アミン塩酸塩の溶液、2.5mlのトリス(3−アミノプロピル)アミン、および1.6mlの脱イオン水を窒素雰囲気下で72時間、75℃で加熱した。メタノールを該溶液に添加し、該溶液を回転蒸発器を使用して真空で濃縮した。得られた材料をメタノール中に溶解し、ジエチルエーテル中に沈殿させ、溶媒層を静かに移し、残渣物を室温で真空オーブンで乾燥した。脱イオン水を乾燥させた該残渣物に添加し、50%の水溶液を作り、続いて、450μlのエピクロロヒドリンを添加した。ゲルが形成され、室温で3日間硬化させた。該ゲルを小片に砕き、1Lの脱イオン水に懸濁、撹拌し、濾過した。43.32gの湿量を有する得られた材料を、60℃の強制空気オーブンで乾燥させ、20.66ml/gの処理中膨張比を有する2.0gの所望の生成物を得た。
【0167】
実施例23:化合物XXIIIの合成
1.0gのトリス(2−クロロエチル)アミン塩酸塩の溶液、1.3mlのトリス(2−アミノエチル)アミン、および1.1mlの脱イオン水を窒素雰囲気下で72時間、75℃で加熱した。メタノールを該溶液に添加し、該溶液を回転蒸発器を使用して真空で濃縮した。得られた材料をメタノール中に溶解し、ジエチルエーテル中に沈殿させ、溶媒層を静かに移し、残渣物を室温で真空オーブンで乾燥した。脱イオン水を乾燥させた該残渣物に添加し、50%の水溶液を作り、続いて、300μlのエピクロロヒドリンを添加し、溶液を一晩、室温で撹拌し、次いで、一晩60℃に加熱した。20分以内にゲルを形成した。室温に冷却した後、該ゲルを小片に砕き、1Lの脱イオン水に懸濁、撹拌し、濾過した。湿量59.8gを有する湿った材料を60℃の強制空気オーブンで乾燥させ、71ml/gの処理中膨張比を有する0.85gの生成物を得た。
【0168】
実施例24:化合物XXIVの合成
5.0gのトリス(2−クロロエチル)アミン塩酸塩の溶液、8.5mlのトリス(3−アミノプロピル)アミン、および6mlの脱イオン水を窒素雰囲気下で4日間、75℃で加熱した。メタノールを該溶液に添加し、該溶液を回転蒸発器を使用して真空で濃縮した。メタノールの添加および濃縮を繰り返した。得られた材料を少量のメタノール中に溶解し、0.75Lのジエチルエーテルに沈殿させた。該溶液を2時間放置し、溶媒層を静かに移し、残渣物を30℃の真空オーブンで乾燥した。13.5gの脱イオン水、続いて、2.0mlのエピクロロヒドリンを乾燥させた該残渣物に添加し、該溶液を一晩、室温で撹拌し、次いで、一晩、60℃に加熱した。ゲルが形成された。室温に冷却した後、該ゲルを小片に砕き、2Lの脱イオン水に懸濁、2Lの脱イオン水に再懸濁し、撹拌して濾過した。湿量122.46gを有する湿った材料を60℃の強制空気オーブンで乾燥させ、10.13ml/gの処理中膨張比を有する11.0gの生成物を得た。
【0169】
実施例25:化合物XXVの合成
5.0gのトリス(2−クロロエチル)アミン塩酸塩の溶液、12.5mlのトリス(3−アミノプロピル)アミン、および8mlの脱イオン水を窒素雰囲気下で4日間、75℃で加熱した。メタノールを該溶液に添加し、該溶液を回転蒸発器を使用して真空で濃縮した。メタノールの添加および濃縮を繰り返した。得られた材料を少量のメタノール中に溶解し、0.75Lのジエチルエーテルに沈殿させた。該溶液を2時間放置し、溶媒層を静かに移し、残渣物を30℃の真空オーブンで乾燥した。17.5gの脱イオン水、続いて、2.5mlのエピクロロヒドリンを乾燥させた該残渣物に添加し、該溶液を一晩、室温で撹拌し、次いで、一晩、60℃に加熱した。ゲルが形成された。室温に冷却した後、該ゲルを小片に砕き、2Lの脱イオン水に懸濁、2Lの脱イオン水に再懸濁し、撹拌して濾過した。湿量537.08gを有する湿った材料を60℃の強制空気オーブンで乾燥させ、54.83ml/gの処理中膨張比を有する9.62gの生成物を得た。
【0170】
実施例26:化合物XXVIの合成
10.0gのトリス(2−クロロエチル)アミン塩酸塩の溶液、13.0mlのトリス(2−アミノエチル)アミン、および11mlの脱イオン水を窒素雰囲気下で4日間、75℃で加熱した。メタノールを該溶液に添加し、該溶液を回転蒸発器を使用して真空で濃縮した。メタノールの添加および濃縮を繰り返した。得られた材料を少量のメタノール中に溶解し、0.75Lのジエチルエーテルに沈殿させた。該溶液を2時間放置し、溶媒層を静かに移し、残渣物を30℃の真空オーブンで乾燥した。23.0gの脱イオン水、続いて、3.3mlのエピクロロヒドリンを乾燥させた該残渣物に添加し、該溶液を一晩、室温で撹拌し、次いで、一晩、60℃に加熱した。ゲルが形成された。室温に冷却した後、該ゲルを小片に砕き、2Lの脱イオン水に懸濁、2Lの脱イオン水に再懸濁し、撹拌して濾過した。湿量606.73gを有する湿った材料を60℃の強制空気オーブンで乾燥させ、39ml/gの処理中膨張比を有する15.17gの生成物を得た。
【0171】
実施例27:化合物XXVIIの合成
9.8gの化合物XXIVを2Lの脱イオン水に撹拌しながら懸濁し、NaOHの50%水溶液を使用して、pHを11.3に調節し、濾過した。収集した材料を2Lの脱イオン水に再懸濁し、NaOHの50%水溶液を使用して、pHを9.6に調節した。該懸濁液を濾過し、収集した材料を60℃の強制空気オーブンで乾燥し、6.55gの所望の生成物を得た。
【0172】
実施例28:化合物XXVIIIの合成
9.8gの化合物XXVIを2Lの脱イオン水で撹拌しながら懸濁し、NaOHの50%の水溶液を使用して、pHを11.2に調節し、濾過した。収集した材料を2Lの脱イオン水に撹拌しながら再懸濁し、濃縮HClを使用して、pHを9.5に調節した。該懸濁液を濾過し、収集した材料を60℃の強制空気オーブンで乾燥し、7.03gの所望の生成物を得た。
【0173】
実施例29:化合物XXIXの合成
5.82gのトリス(3−クロロプロピル)アミンの溶液、8.2mlのトリス(3−アミノプロピル)アミン、および6mlの脱イオン水を窒素雰囲気下で一晩、75℃で加熱し、ゲルを形成した。室温に冷却した後、該ゲルを小片に砕き、2Lの脱イオン水に懸濁し撹拌した。該懸濁液のpHをNaOHの50%の水溶液を使用して11に調節し、濾過した。
【0174】
実施例30:化合物XXXの合成
12.6gのトリス(2−クロロエチル)アミン塩酸塩の溶液、22.5mlのトリス(3−アミノプロピル)アミン、および16mlの脱イオン水を窒素雰囲気下で4日間、75℃で加熱した。メタノールを該溶液に添加し、該溶液を回転蒸発器を使用して真空で濃縮した。得られた材料を少量のメタノール中に溶解し、ジエチルエーテル中に沈殿させた。該溶液を放置し、溶媒層を静かに移し、残渣物を30℃の真空オーブンで乾燥した。30gの脱イオン水および少量のメタノールを乾燥させた該残渣物に添加し、該溶液を回転蒸発器で69.32gに濃縮した。5.2mlのエピクロロヒドリンを得られた溶液に添加し、該溶液を一晩室温で撹拌し、次いで、一晩60℃に加熱した。ゲルが形成された。室温に冷却した後、該ゲルを小片に砕き、2Lの脱イオン水に懸濁、撹拌、濾過し、2Lの脱イオン水に再懸濁、撹拌、濾過した。濾過した材料を2Lの脱イオン水に懸濁し、NaOHの50%の水溶液でpH11に調節し、濾過した。得られた濾過した該材料を2Lの脱イオン水に懸濁して濾過した。湿量182.1を有する湿った材料を60℃の強制空気オーブンで乾燥させ、7.17ml/gの処理中膨張比を有する22.3gの所望の生成物を得た。
【0175】
実施例31:化合物XXXIの合成
20.08gのトリス(2−クロロエチル)アミン塩酸塩の溶液、27mlのトリス(2−アミノエチル)アミン、および22mlの脱イオン水を窒素雰囲気下で4日間、75℃で加熱した。メタノールを該溶液に添加し、該溶液を回転蒸発器を使用して真空で濃縮した。得られた材料を少量のメタノール中に溶解し、ジエチルエーテル中に沈殿させた。該溶液を放置し、溶媒層を静かに移し、残渣物を30℃の真空オーブンで乾燥した。47gの脱イオン水および少量のメタノールを乾燥させた該残渣物に添加し、該溶液を回転蒸発器で78.56gに濃縮した。7.8mlのエピクロロヒドリンを得られた溶液に添加し、該溶液を3時間60℃に加熱し、その時点でさらに500μlのエピクロロヒドリンを添加し、順次一晩60℃に加熱した。ゲルが形成された。室温に冷却した後、該ゲルを小片に砕き、2Lの脱イオン水に懸濁、撹拌、濾過し、2Lの脱イオン水に再懸濁、撹拌、濾過した。濾過した材料を2Lの脱イオン水に懸濁し、NaOHの50%の水溶液でpH11.2に調節し、濾過した。得られた濾過した材料を2Lの脱イオン水に懸濁して撹拌した。湿量499.6gを有する湿った材料を60℃の強制空気オーブンで乾燥させ、17.24ml/gの処理中膨張比を有する27.39gの所望の生成物を得た。乾燥した該材料を2Lの脱イオン水に懸濁、撹拌し、濾過した。濾過した該材料を2Lの脱イオン水に懸濁、撹拌し、pHをNaOHの50%の水溶液を使用してpH12.6に調節し、濾過した。濾過した該材料を2Lの脱イオン水に懸濁、撹拌、濾過し、2Lの脱イオン水に懸濁、撹拌、濾過した。濾過した該材料を2Lの脱イオン水に懸濁し、濃縮HClでpH9.6に調節し、濾過した。湿量164.7を有する湿った材料を60℃の強制空気オーブンで乾燥させ、5.74ml/gの処理中膨張比を有する24.42gの所望の生成物を得た。
【0176】
実施例32:化合物XXXIIの合成
10.07gのトリス(3−クロロプロピル)アミン塩酸塩の溶液、22.5mlのトリス(3−アミノプロピル)アミン、および13.3mlの脱イオンを窒素雰囲気下で3日間、75℃で加熱した。メタノールを該溶液に添加し、該溶液を回転蒸発器を使用して真空で濃縮した。得られた材料を少量のメタノール中に溶解し、ジエチルエーテル中に沈殿させた。該溶液を放置し、溶媒層を静かに移し、残渣物を30℃の真空オーブンで乾燥した。32.5gの脱イオン水および少量のメタノールを乾燥させた該残渣物に添加し、該溶液を回転蒸発器で60.61gに濃縮した。4.8mlのエピクロロヒドリンを得られた溶液に添加し、該溶液は、室温で25分以内にゲル化した。該ゲルを一晩60℃で加熱した。室温に冷却した後、該ゲルを小片に砕き、2Lの脱イオン水に懸濁、撹拌、濾過し、2Lの脱イオン水に再懸濁、撹拌、濾過した。濾過した該材料を2Lの脱イオン水に懸濁し、NaOHの50%の水溶液でpH9.4に調節し、濾過した。得られた濾過した該材料を60℃の強制空気オーブンで乾燥させ33.86gを得た。乾燥した材料を2Lの脱イオン水に懸濁、撹拌、濾過し、2Lの脱イオン水で再懸濁し、pHをNaOHの50%の水溶液を使用してpH12.4に調節し、濾過した。得られた該材料を2Lの脱イオン水に懸濁、撹拌し、懸濁液を濾過して、2回洗浄した。第二の濾過から得られた該材料を2Lの脱イオン水に再懸濁し、pHをNaOHの50%の水溶液を使用して10に調節し、濾過した。湿量114.8を有する湿った材料を60℃の強制空気オーブンで乾燥させ、4.2ml/gの処理中膨張比を有する22.26gの所望の生成物を得た。
【0177】
実施例33:化合物XXXIIIの合成
10.08gのトリス(2−クロロエチル)アミン塩酸塩の溶液、24mlのジプロピレントリアミン、および14mlの脱イオン水を窒素雰囲気下で4日間、90℃で加熱した。メタノールを該溶液に添加し、該溶液を回転蒸発器を使用して真空で濃縮した。得られた材料を少量のメタノール中に溶解し、1Lのジエチルエーテル中に沈殿させた。該溶液を放置し、溶媒層を静かに移した。残渣物を少量のメタノール中に溶解し、1Lのジエチルエーテル中に沈殿させた。該溶液を放置し、該溶媒層を静かに移し、該残渣物を30℃の真空オーブンで乾燥した。34gの脱イオン水を乾燥した該残渣物に添加し、6.0mlのエピクロロヒドリンを得られた溶液に添加した。室温で一晩撹拌した後、600μlのエピクロロヒドリンを添加し、該溶液を一晩60℃で加熱した。さらに600μlのエピクロロヒドリンを添加し、該溶液を室温で8時間保った。ゲルが形成され、さらに5日間60℃で硬化させた。溶液はゲル化し、該ゲルを硬化させ、該溶液は、室温で25分以内にゲル化した。該溶液を一晩、60℃で加熱した。室温に冷却した後、ゲルを小片に砕き、2Lの脱イオン水に懸濁、撹拌、濾過した。得られた濾過した該材料を2Lの脱イオン水に懸濁、撹拌し、懸濁液をNaOHの50%の水溶液を使用してpH11.6に調節し、濾過した。濾過した該材料を2Lの脱イオン水で2回洗浄し、濾過した。濾過した該材料を60℃の強制空気オーブンで乾燥させ、136.5ml/gの処理中膨張比を有する10.0gの所望の生成物を得た。
【0178】
実施例34:化合物XXXIVの合成
化合物XXVの一部を2Lの脱イオン水に撹拌しながら懸濁し、pHをNaOHの50%の水溶液を使用して11.5に調節し、濾過した。収集した該材料を2Lの脱イオン水に撹拌しながら懸濁し、濾過した。濾過した該材料を2Lの脱イオン水に撹拌しながら懸濁し、pHをNaOHの50%の水溶液を使用して9.7に調節し、濾過した。濾過した該材料を2Lの脱イオン水に懸濁、撹拌し、濾過した。収集した材料を60℃の強制空気オーブンで乾燥させ、処理中膨張比10.6ml/gを有する7.52gの所望の生成物を得た。
【0179】
実施例35:化合物XXXVの合成
5gのトリス(3−クロロプロピル)アミン塩酸塩の溶液、11.2mlのトリス(3−アミノプロピル)アミン、および7mlの脱イオン水を窒素雰囲気下で3日間、75℃で加熱した。メタノールを該溶液に添加し、該溶液を回転蒸発器を使用して真空で濃縮した。脱イオン水で希釈した後、該溶液を脱イオン水に対して透析し(MWCO3500)、60℃の強制空気オーブンで濃縮し、凍結乾燥させ、36,000の重量平均分子量を有する5.38gの所望の生成物を得た。
【0180】
実施例36:化合物XXXVIの合成
30gのトリス(3−クロロプロピル)アミン塩酸塩の溶液、68mlのトリス(3−アミノプロピル)アミン、および40mlの脱イオン水を窒素雰囲気下で3日間、75℃で加熱した。メタノールを該溶液に添加し、該溶液を回転蒸発器を使用して真空で濃縮した。得られた材料を少量のメタノール中に溶解し、2Lのジエチルエーテル中に沈殿させた。該溶液を放置し、溶媒層を静かに移し、98mlの脱イオン水を添加し、該溶液を回転蒸発器で182.4gに濃縮した。14.4mlのエピクロロヒドリンを得られた溶液に添加し、該溶液は、室温で10分以内にゲル化した。該溶液を一晩室温で硬化させ、24時間60℃で加熱した。室温に冷却した後、該ゲルを小片に砕き、4Lの脱イオン水に懸濁、撹拌、濾過し、4Lの脱イオン水に再懸濁し、撹拌した。該懸濁液をNaOHの50%の水溶液でpH12.4に調節し、濾過した。得られた濾過した該材料を4Lの脱イオン水で2回洗浄した。得られた材料を4Lの脱イオン水で懸濁し、懸濁液をpH10.1に調節し、濾過し、湿量409.2gを有する材料を得た。204.6gの湿った濾過した材料を60℃の強制空気オーブンで乾燥させ、処理中膨張比4.6ml/gを有する36.45gの所望の生成物を得た。
【0181】
実施例37:化合物XXXVIIの合成
実施例36からの204.6gの湿った濾過した材料を1.5Lの脱イオン水で希釈し、懸濁液をNaOHの50%の水溶液でpH10.4に調節した。二酸化炭素を、懸濁液がpH8を有するまで、該溶液を通して泡立てた。得られた材料を濾過し、60℃の強制空気オーブンで乾燥させ、処理中膨張比4.7ml/gを有する39.5gの所望の生成物を得た。
【0182】
実施例38:化合物XXXVIIIの合成
5gのトリス(2−クロロエチル)アミン塩酸塩の溶液、8.5mlのトリス(3−アミノプロピル)アミン、および6mlの脱イオン水を窒素雰囲気下で3日間、75℃で加熱した。メタノールを添加し、該溶液を回転蒸発器を使用して真空で濃縮した。脱イオン水で希釈した後、該溶液を脱イオン水に対して透析し(MWCO3500)、60℃の強制空気オーブンで乾燥、凍結乾燥させ、15,000の重量平均分子量を有する5.38gの所望の生成物を得た。
【0183】
実施例39:化合物XXXIXの合成
10.07gのトリス(2−クロロエチル)アミン塩酸塩の溶液、12mlのジプロピレントリアミン、および10mlの脱イオン水を窒素雰囲気下で3日間、75℃で加熱した。メタノールを該溶液に添加し、該溶液を回転蒸発器を使用して真空で濃縮した。得られた材料を少量のメタノール中に溶解し、1Lのジエチルエーテル中に沈殿させた。該溶液を放置し、溶媒層を静かに移し、残渣物を30℃の真空オーブンで乾燥させた。22gの脱イオン水を乾燥させた該残渣物に添加し、得られた溶液に3.3mlのエピクロロヒドリンを添加した。一晩、室温で撹拌した後、1.1mlのエピクロロヒドリンを添加し、該溶液を一晩、室温で撹拌し、続いて一晩60℃で加熱した。ゲルが形成された。室温に冷却した後、ゲルを小片に砕き、1Lの脱イオン水に懸濁、撹拌、濾過した。濾過した該材料を1Lの脱イオン水で再び洗浄した。得られた濾過した該材料を1Lの脱イオン水で懸濁、撹拌し、懸濁液をNaOHの50%の水溶液を使用してpH12.3に調節し、濾過した。濾過した該材料を1Lの脱イオン水で2回洗浄し、濾過した。濾過した該材料を1Lの脱イオン水で懸濁、撹拌し、該懸濁液をNaOHの50%の水溶液を使用してpH10.2に調節した。二酸化炭素を懸濁液のpHが8になるまで該懸濁液を通して泡立てた。得られた材料を60℃の強制空気オーブンで乾燥させ、5.7ml/gの処理中膨張比を有する13.98gの所望の生成物を得た。
【0184】
実施例40:化合物XLの合成
10.09gのトリス(2−クロロエチル)アミン塩酸塩の溶液、18mlのジプロピレントリアミン、および12mlの脱イオン水を窒素雰囲気下で3日間、75℃で加熱した。メタノールを該溶液に添加し、該溶液を回転蒸発器を使用して真空で濃縮した。得られた材料を少量のメタノール中に溶解し、1Lのジエチルエーテル中に沈殿させた。該溶液を放置し、溶媒層を静かに移し、残渣物を30℃の真空オーブンで乾燥させた。28mlの脱イオン水を乾燥させた該残渣物に添加し、4.2mlのエピクロロヒドリンを得られた溶液に添加した。一晩、室温で撹拌した後、1.8mlのエピクロロヒドリンを添加し、溶液を一晩、室温で撹拌し、続いて一晩60℃で加熱した。ゲルが形成された。室温に冷却した後、該ゲルを小片に砕き、1Lの脱イオン水に懸濁、撹拌、濾過した。濾過した該材料を1Lの脱イオン水で再び洗浄した。得られた濾過した該材料を1Lの脱イオン水で懸濁、撹拌し、該懸濁液をNaOHの50%の水溶液を使用してpH12.4に調節し、濾過した。濾過した該材料を1Lの脱イオン水で2回洗浄し、濾過した。濾過した該材料を1Lの脱イオン水で懸濁、撹拌し、該懸濁液をNaOHの50%の水溶液を使用してpH11.1に調節した。濾過した該材料を1Lの脱イオン水で懸濁、撹拌し、該懸濁液をNaOHの50%の水溶液を使用してpH10.4に調節した。二酸化炭素を該懸濁液のpHが7.9になるまで該懸濁液を通して泡立てた。得られた材料を60℃の強制空気オーブンで乾燥させ、12.8ml/gの処理中膨張比を有する16.66gの所望の生成物を得た。
【0185】
実施例41:化合物XLIの合成
9.11gのトリス(3−クロロプロピル)アミンの溶液、21mlのトリス(3−アミノプロピル)アミン、および12mlの脱イオン水を窒素雰囲気下で3日間、75℃で加熱した。メタノールを該溶液に添加し、該溶液を回転蒸発器を使用して真空で濃縮した。得られた材料を少量のメタノール中に溶解し、1Lのジエチルエーテル中に沈殿させた。該溶液を放置し、溶媒層を静かに移し、残渣物を30℃の真空オーブンで乾燥させた。該残渣物の3.0gの一部を取っておいた。脱イオン水で希釈した後、残りの残渣物を脱イオン水に対して透析し(MWCO3500)、60℃の強制空気オーブンで濃縮、凍結乾燥させ、27,000の重量平均分子量および1.4の多分散度を有する9.36gの所望の生成物を得た。
【0186】
実施例42:化合物XXXVIの酸性化
5.0gの化合物XXXVIを500mlの脱イオン水で懸濁し、撹拌した。該溶液のpHが2.0になるまで、濃縮したHClを溶液に添加した。該混合液を濾過し、得られた固形物を60℃の強制空気オーブンで乾燥させ、5.5ml/gの処理中膨張比を有する7.5gの所望の生成物を得た。
【0187】
実施例43:化合物XLIIIの合成
1.7mlのエピクロロヒドリンを17.3gの脱イオン水中の11.74gの化合物XXXV、および8.17gの化合物にXLIの撹拌した溶液に添加した。52分以内にゲルが形成され、4日間、室温で硬化させた。該ゲルを小片に砕き、1Lの脱イオン水に懸濁、撹拌、濾過した。濾過した材料を1Lの脱イオン水で2回洗浄し、濾過した。得られた濾過した材料を1Lの脱イオン水で懸濁、撹拌し、該懸濁液をNaOHの50%の水溶液を使用してpH13に調節し、濾過した。濾過した材料を1Lの脱イオン水でさらに3回洗浄し、濾過した。濾過した材料を1Lの脱イオン水で懸濁、撹拌し、該懸濁液をNaOHの50%の水溶液を使用してpH10に調節した。二酸化炭素を該懸濁液のpHが7.7になるまで懸濁液を通して泡立てた。得られた材料を60℃の強制空気オーブンで乾燥させ、3.5ml/gの処理中膨張比を有する10.86gの所望の生成物を得た。
【0188】
実施例44:尿リン酸の減少(生体内ラット)
様々な化合物の尿リン酸の減少を、試験方法で記載した方法に従い、セルロース対照、およびセベラマーHClと比較した。表Iは、研究した用量および化合物、ならびに得られた結果の詳細を示す。
【表1】

【0189】
実施例45:尿リン酸の減少(生体内ラット)
化合物XXXの様々な用量の尿リン酸の減少を、試験方法で記載した方法に従い、セルロース対照、およびセベラマーHClの様々な用量と比較した。表IIは、研究した用量および化合物、ならびに得られた結果の詳細を示す。
【表2】

【0190】
実施例46:尿リン酸の減少(生体内ラット)
化合物XXVIIの尿リン酸の減少を、試験方法で記載した方法に従いセルロース対照、およびセベラマーHClの様々な用量と比較した。表IIIは、研究した用量および化合物、ならびに得られた結果の詳細を示す。
【表3】

【0191】
実施例47:尿リン酸の減少(生体内ラット)
様々な化合物の尿リン酸の減少を、試験方法で記載した方法に従い、セルロース対照、およびセベラマーHClの様々な用量と比較した。表IVは、研究した用量および化合物、ならびに得られた結果の詳細を示す。
【表4】

【0192】
試験方法
アミンポリマー尿リン酸の減少(生体内ラット)
飼育されたオスのスプラーグドーレイ(SD)ラットを実験に使用した。ラットを、ワイヤ底のケージに1匹ずつ別々に入れ、Purina5002餌を与え、実験使用前に少なくとも5日間馴化させた。
【0193】
ベースラインのリン酸の排せつを確立するために、該ラットを48時間、代謝ケージに入れた。該ラットの尿を収集し、そのリン酸含有量を日立分析機で分析して、mg/日の排せつを決定した。異常値を有するラットは、いずれも除外し、残りのラットは、グループ分けした。
【0194】
Purina5002を標準餌として使用した。餌の0.25重量%、0.35重量%、0.5重量%、および1重量%最終アミンポリマー濃度を生じるように、試験するアミンポリマーをPurina5002と混合した。0.5重量%でのセルロースを陰性対照として使用した。セベラマーを陽性対照として使用した。高脂肪食を使用する場合に、Purina5002、該ポリマーの餌の0.25重量%、0.35重量%、0.5重量%、および1重量%、および、精製オリーブ油の食餌の10重量%を、Sigma社から購入可能な精製オリーブ油と共に、ラットに与えた。各ラットに対して、200gの食餌を用意した。
【0195】
各ラットの体重を測定し、標準食餌を与えた。4日後、標準食餌を治療食または高脂肪食、(もしくは対照群に対しては、対照食餌)と置き換えた。5日および6日目、24時(+/−30分)でのラットからの尿試料を収集し、分析した。試験ラットの体重を再び測定し、いかなる体重減または体重増をも計算した。いかなる残食をも計量し、1日に摂取された食事量を計算した。ベースラインおよびセルロース陰性対照に対するリン酸の排せつ量の変化は、計算し得る。尿リン酸の減少パーセントは、以下の方程式により決定する。
【数2】

【0196】
生体外リン酸結合(mmol/g)
各試料の乾燥の減量に対してポリマーの重さを調節した後、ポリマーにつき2つの試料を、プラスチックのボトルで計量する。10mM KHPO、100mMのN,N−ビス[2−ヒドロキシエチル]−2−アミノエタンスルホン酸、80mMのNaCl、15mMのグルコケノデオキシコール酸(GCDC)、および15mMのオレイン酸(pHを1N NaOHで7.0に調節)を含む、10mMリン酸緩衝溶液を調製し、よく混合する。10Mリン酸緩衝溶液のアリコートを2つの試料ボトルのそれぞれに移す。溶液をよく混合し、次いで、1時間、37℃で、旋回振とう機に設置する。各溶液から試料アリコートを除去する前に、該ポリマーを放置する。試料アリコートを使い捨てシリンジ、およびシリンジフィルタを使用して、小さなバイアルに濾過する。濾過した試料を脱イオン(DI)水によって1:10に希釈する。振とうをさらに4時間(合計5時間)続け、試料採取手順を繰り返す。リン酸基準は、10mMリン酸基準原液から調製し、0.3〜1.0mMの範囲に基準を提供するように適切に希釈する。基準および試料の両方をイオンクロマトグラフィで分析する。基準曲線を設定し、各試験溶液の非結合リン酸(mM)を計算する。結合リン酸は、以下の方程式により決定する。
結合したリン酸(mmol/g)=[(10−非結合PO)×Vol.×1000]/MassP。式中、Vol.=試験溶液(L)の体積、MassP=ポリマーのLOD調節した質量(mg)
【0197】
処理中膨張比(ml/g)
処理中膨張比(SR)は、以下の方程式により決定した。
SR=(湿ったゲルの重量(g)−乾燥ポリマーの重量(g))/乾燥ポリマーの重量(g)
【0198】
本発明の好適な実施形態を本明細書に示し、また記述したが、このような実施形態は、一例としてのみ提供していることを当該分野の当事者には明らかであろう。数多くの変形、変更および置換が、本発明から逸脱することなく、当該分野に精通した者に企図されるだろう。本明細書に記載する本発明の実施形態に対する様々な代替は、本発明を実践することにおいて、使用することができることを理解するべきである。以下の請求項は、本発明の範囲を定義するものであり、これらの請求項の範囲内の方法および構成、およびこれらの等価物は、これらにより網羅することを意図する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医薬組成物であって、
a)
(i) 多求電子モノマーの残基と、
(ii)多アミンモノマーの残基と、を含むコポリマーと、
b) 医薬的に許容される賦形剤と、
を含む、組成物。
【請求項2】
医薬組成物であって、
a)
(i) 多求電子モノマーの残基と、
(ii)多アミンモノマーの残基と、を含むコポリマーであって、
前記コポリマーは、0.10〜0.95の分岐度を有する、コポリマーと、
b) 医薬的に許容される賦形剤と、
を含む、組成物。
【請求項3】
医薬組成物であって、
a)以下の式IおよびIIで表されるモノマーに由来するコポリマーであって、
【化1】

式中、Rは、独立して、水素ラジカル、−Rもしくは−R−N(H)2−m−(R−N(H)2−n−(R−NHを表すか、またはRおよび別のRは結合して複素環を形成し、
nおよびmは、独立して、0から2の整数を表し、
Rは、独立して、酸素ラジカル、−CONR、分岐もしくは非分岐、置換もしくは非置換アルキルラジカル、分岐もしくは非分岐、置換もしくは非置換アルケニルラジカル、硫黄ラジカル、またはSOラジカルを表し、
およびRは、独立して、水素ラジカル、または、分岐もしくは非分岐、置換もしくは非置換アルキルラジカルを表し、
は、独立して、水素ラジカル、求電子基(E)もしくは−REを表すが、少なくとも1つのRおよび少なくとも1つのRがHではないことを条件とする、コポリマーと、
c)医薬的に許容される賦形剤と、
を含む、組成物。
【請求項4】
医薬組成物であって、
a)以下の式IおよびIIで表されるモノマーに由来するコポリマーであって、
【化2】

式中、Rは、独立して、水素ラジカル、−Rもしくは−R−N(H)2−m−(R−N(H)2−n−(R−NHを表すか、またはRおよび別のRは結合して複素環を形成し、
nおよびmは、独立して、0から2の整数を表し、
Rは、独立して、酸素ラジカル、−CONR、分岐もしくは非分岐、置換もしくは非置換アルキルラジカル、分岐もしくは非分岐、置換もしくは非置換アルケニルラジカル、硫黄ラジカル、またはSOラジカルを表し、
およびRは、独立して、水素ラジカル、または、分岐もしくは非分岐、置換もしくは非置換アルキルラジカルを表し、
は、独立して、水素ラジカル、求電子基(−E)もしくは−REを表すが、少なくとも1つのRおよび少なくとも1つのRは、Hではないことを条件とし、
前記コポリマーは、0.10〜0.95の分岐度を有する、コポリマーと、
c)医薬的に許容される賦形剤と、
を含む、組成物。
【請求項5】
前記コポリマーは、0.25から0.75の分岐度を有する、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
医薬組成物であって、
a)以下の式IおよびIIで表されるモノマーに由来するコポリマーであって、
【化3】

式中、Rは、独立して、水素ラジカル、−Rもしくは−R−N(H)2−m−(R−N(H)2−n−(R−NHを表すか、またはRおよび別のRは結合して複素環を形成し、
nおよびmは、独立して、0から2の整数を表し、
Rは、独立して、酸素ラジカル、−CONR、分岐もしくは非分岐、置換もしくは非置換アルキルラジカル、分岐もしくは非分岐、置換もしくは非置換アルケニルラジカル、硫黄ラジカル、またはSOラジカルを表し、
およびRは、独立して、水素ラジカル、または、分岐もしくは非分岐、置換もしくは非置換アルキルラジカルを表し、
は、独立して、水素ラジカル、求電子基(−E)もしくは−REを表すが、少なくとも1つのRおよび少なくとも1つのRは、Hではないことを条件とし、
コポリマー中の10〜95%の窒素原子は、第2級アミン部分である、コポリマーと、
c)医薬的に許容される賦形剤と、
を含む、組成物。
【請求項7】
ポリマー中の25〜75%の窒素原子は、第2級アミン部分である、請求項6に記載の医薬組成物。
【請求項8】
医薬組成物であって、
a)以下の式IおよびIIで表されるモノマーに由来する分岐コポリマーであって、
【化4】

式中、Rは、独立して、水素ラジカル、−Rもしくは−R−N(H)2−m−(R−N(H)2−n−(R−NHを表すか、またはRおよび別のRは結合して複素環を形成し、
nおよびmは、独立して、0から2の整数を表し、
Rは、独立して、酸素ラジカル、−CONR、分岐もしくは非分岐、置換もしくは非置換アルキルラジカル、分岐もしくは非分岐、置換もしくは非置換アルケニルラジカル、硫黄ラジカル、またはSOラジカルを表し、
およびRは、独立して、水素ラジカル、または、分岐もしくは非分岐、置換もしくは非置換アルキルラジカルを表し、
は、独立して、水素ラジカル、求電子基(−E)もしくは−REを表すが、少なくとも1つのRおよび少なくとも1つのRは、Hではないことを条件とし、
前記分岐コポリマーの固有粘度は、最大値(粘度平均分子量に対して)がないコポリマーと、
c)医薬的に許容される賦形剤と、
を含む、組成物。
【請求項9】
医薬組成物であって、
a)以下の式IおよびIIで表されるモノマーに由来するコポリマーであって、
【化5】

式中、Rは、独立して、水素ラジカル、−Rもしくは−R−N(H)2−m−(R−N(H)2−n−(R−NH、またはRおよび別のRは結合して複素環を形成し、
nおよびmは、独立して、0から2の整数を表し、
Rは、独立して、酸素ラジカル、−CONR、分岐もしくは非分岐、置換もしくは非置換アルキルラジカル、分岐もしくは非分岐、置換もしくは非置換アルケニルラジカル、硫黄ラジカル、またはSOラジカルを表し、
およびRは、独立して、水素ラジカル、または、分岐もしくは非分岐、置換もしくは非置換アルキルラジカルを表し、
は、独立して、水素ラジカル、求電子基(−E)もしくは−REを表すが、少なくとも1つのRおよび少なくとも1つのRは、Hではないことを条件とし、
前記コポリマーは、約1.2を上回る多分散度を有する、コポリマーと、
c)医薬的に許容される賦形剤と、
を含む、組成物。
【請求項10】
前記コポリマーは、約1.5を上回る多分散度を有する、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
医薬組成物であって、
a)以下の式IおよびIIで表されるモノマーに由来するコポリマーであって、
【化6】

式中、Rは、独立して、水素ラジカル、−Rもしくは−R−N(H)2−m−(R−N(H)2−n−(R−NHを表すか、またはRおよび別のRは結合して複素環を形成し、
nおよびmは、独立して、0から2の整数を表し、
Rは、独立して、酸素ラジカル、−CONR、分岐もしくは非分岐、置換もしくは非置換アルキルラジカル、分岐もしくは非分岐、置換もしくは非置換アルケニルラジカル、硫黄ラジカル、またはSOラジカルを表し、
およびRは、独立して、水素ラジカル、または、分岐もしくは非分岐、置換もしくは非置換アルキルラジカルを表し、
は、独立して、水素ラジカル、求電子基(−E)もしくは−REを表すが、少なくとも1つのRおよび少なくとも1つのRは、Hではないことを条件とし、
前記コポリマーは、ランダムな可変長分岐を有する、コポリマーと、
c)医薬的に許容される賦形剤と、
を含む、組成物。
【請求項12】
医薬組成物であって、
a)以下の式IおよびIIで表されるモノマーに由来するコポリマーであって、
【化7】

式中、Rは、独立して、水素ラジカル、−Rもしくは−R−N(H)2−m−(R−N(H)2−n−(R−NHを表すか、またはRおよび別のRは結合して複素環を形成し、
nおよびmは、独立して、0から2の整数を表し、
Rは、独立して、酸素ラジカル、−CONR、分岐もしくは非分岐、置換もしくは非置換アルキルラジカル、分岐もしくは非分岐、置換もしくは非置換アルケニルラジカル、硫黄ラジカル、またはSOラジカルを表し、
およびRは、独立して、水素ラジカル、または、分岐もしくは非分岐、置換もしくは非置換アルキルラジカルを表し、
は、独立して、水素ラジカル、求電子基(−E)もしくは−REを表すが、少なくとも1つのRおよび少なくとも1つのRは、Hではないことを条件とし、
前記コポリマー中の10%を上回り90%未満の非末端のアミン基は、第3級アミンを含む、コポリマーと、
c)医薬的に許容される賦形剤と、
を含む、組成物。
【請求項13】
前記コポリマー中の25%を上回り75%未満の非末端のアミン基は、第3級アミンを含む、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
前記コポリマーは、1つもしくは複数の以下の式III〜Vで表される、1つもしくは複数の基を含み、
【化8】

式中、Rは、独立して、分岐もしくは非分岐、置換もしくは非置換アルキルラジカルを表す、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
前記求電子基は、−Cl、−Br、−I、−OSOR、または−C(O)Rから選択され、Rは、独立して、置換もしくは非置換アルキルラジカル、置換もしくは非置換アリールラジカル、または、置換もしくは非置換ヘテロアリールラジカルを表す、請求項2および請求項4〜15のいずれかに記載の組成物。
【請求項16】
前記求電子基Eは、−Clを含む、請求項3〜15のいずれかに記載の組成物。
【請求項17】
式Iに従う前記化合物は、以下から選択され、
【化9】

式中、Rは、独立して、分岐もしくは非分岐、置換もしくは非置換アルキルラジカルを表す、請求項3〜15のいずれかに記載の組成物。
【請求項18】
式Iに従う前記化合物は、
【化10】

およびこれらの組み合わせから選択される、請求項3〜15のいずれかに記載の組成物。
【請求項19】
式IIに従う前記化合物は、
【化11】

およびこれらの組み合わせから選択され、Rは、独立して、分岐もしくは非分岐、置換もしくは非置換アルキルラジカルを表す、請求項3〜15のいずれかに記載の組成物。
【請求項20】
式IIに従う前記化合物は、
【化12】

およびこれらの組み合わせから選択される、請求項3〜15のいずれかに記載の組成物。
【請求項21】
前記組成物は、トリス(3−クロロプロピル)アミンおよびトリス(2−アミノエチル)アミンに由来する、請求項3〜20のいずれかに記載の組成物。
【請求項22】
前記組成物は、トリス(2−クロロエチル)アミンおよびトリス(3−アミノプロピル)アミンに由来する、請求項3〜20のいずれかに記載の組成物。
【請求項23】
医薬組成物であって、
a)複数の求電子基を含む1つもしくは複数のモノマーおよび複数のアミン基を含む1つもしくは複数のモノマーに由来するコポリマーと、
b)架橋剤またはその残基と、
c)医薬的に許容される賦形剤と、
を含む、組成物。
【請求項24】
前記架橋剤は、エピクロロヒドリンを含む、請求項23に記載の医薬組成物。
【請求項25】
ポリマーまたはコポリマーネットワークを含む、医薬組成物であって、
a)請求項1〜22のいずれかに記載のポリマーまたはコポリマーの残基と、
b)架橋剤またはその残基と、
c)医薬的に許容される賦形剤と、
を含む、組成物。
【請求項26】
前記架橋剤は、エピクロロヒドリンを含む、請求項25に記載の医薬組成物。
【請求項27】
医薬組成物であって、
a)1つもしくは複数のアミン基および2つもしくは複数の求電子基を含むモノマーに由来するポリマーと、
b)医薬的に許容される賦形剤と、
を含む、組成物。

【公表番号】特表2010−519298(P2010−519298A)
【公表日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−550903(P2009−550903)
【出願日】平成20年2月20日(2008.2.20)
【国際出願番号】PCT/US2008/002210
【国際公開番号】WO2008/103368
【国際公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【出願人】(508328501)ゲンズイメ コーポレーション (9)
【Fターム(参考)】