説明

アリール−及びヘテロアリール−アルキルスルホニルハライドの調製方法

本発明は、薬剤の調製における中間体として有用なアリールアルキルスルホニルハライド及びヘテロアリールアルキルスルホニルハライドの調製方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬剤などの調製における中間体として有用なアリールアルキルスルホニルハライド及びヘテロアリールアルキルスルホニルハライドの調製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スルホニルクロライド類は、染料、リソグラフィー用レジスト、及び薬剤の調製など化学産業において広く使用されている。これらはさらに、他の官能基、例えば芳香族スルホン(芳香族基質のフリーデル−クラフツ(Friedel-Crafts)スルホニル化による)またはスルホンアミド(アミンとの反応による)(例えば、カーク−オスマー化学工学百科事典(Kirk-Othmer Encyclopedia of Chemical Technology)参照)に変換することができる。スルホンアミドは、多種多様な治療用小分子薬物、例えば抗菌剤、利尿薬、およびcPLA2阻害剤に必要な官能基である。
【0003】
スルホニルクロライド類の典型的な調製では、スルホン酸のナトリウム塩と、五塩化リンとの反応に、場合によりオキシ塩化リン又はチオニルクロライドが併用される反応を伴い、多くの場合この反応混合物は加熱される(例えば、March, Advanced Organic Chemistry, 4th ed., John Wiley & Sons, 1992, p.499を参照されたい)。これらの比較的過酷な反応条件は、立体障害のあるスルホニルクロライド類、例えばアリールアルキルスルホニルクロライドなどの調製には適しておらず、二酸化硫黄の脱離により低収率となる場合がある(ナカヤマ(Nakayama)ら, Tet Lett., 1984, 25, 4553-4556)。スルホニルクロライド類を合成するための、より穏やかであまり使用されない方法は、スルホン酸のテトラブチルアンモニウム塩とトリフェニルホスフィン/スルフリルクロライドとの反応(ウィドランスキー(Widlanski)ら, Tet. Lett., 1992, 33, 2657-2660)であるが、この方法は原子効率が低くなるという欠点を有する。
【0004】
立体障害のある多数のスルホニルハライド類、例えば(2,6−ジメチルフェニル)−メタンスルホニルクロライド、並びに他のアリール−及びヘテロアリール−スルホニルハライドは、喘息や関節疾患及びリウマチ疾患の治療のためのcPLA2阻害剤の調製に特に有用であり、例えば国際公開第2003/048122号パンフレットに記載されている。前述したように、これらの中間体は、高温で二酸化硫黄が失われ、多量の不純物が形成されるために調製が困難である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、これらの化合物を製造するための新規であり改善された方法が必要とされており、本明細書において提供される方法は、これら及び他の要求を満たすのに有用となる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ある実施形態においては、本発明は、式Iの化合物:
Ar−R−SO2−X

(上式中:
Arは、ハロゲン、C1〜C6アルキル、C3〜C7シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ホルミル、シアノ、ニトロ、OH、C1〜C6アルコキシ、アリールアルキルオキシ、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C3パーハロアルキル、C1〜C6ハロアルコキシ、C1〜C3パーハロアルコキシ、NR12、NR1COR3、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、及びヘテロアリールオキシからなる群より選択される1又はそれ以上の置換基、好ましくは最大5個の置換基によって場合により置換されていてもよいアリール又はヘテロアリールであり;
RはC1〜C6アルキレニルであり;
1及びR2はそれぞれ独立して、H、C1〜C6アルキル、又はC3〜C7シクロアルキルである;あるいはR1及びR2とそれらが結合するN原子とを合わせたものが5員又は6員複素環を形成し;
3は、H、C1〜C6アルキル又はC3〜C7シクロアルキルであり;
Xはハロゲンである)
を調製する方法であって、
a)式IIの化合物:
Ar−R−L
II
(上式中、Lは脱離基である)
と、I族又はII族の金属の亜硫酸塩とを、場合により相間移動触媒の存在下で式IIIのスルホン酸塩化合物:
(Ar−R−SO3-1q
III
(上式中、MはI族又はII族の金属イオンであり;
MがI族の金属イオンである場合にはqは1であり、MがII族の金属イオンである場合にはqは2である)
を生成するのに十分な時間および条件で反応させる工程と、
b)前記式IIIの化合物とプロトン酸とを、式IVのスルホン酸化合物:
Ar−R−SO3
IV
を生成するのに十分な時間および条件で反応させる工程と、
(c)前記式IVの化合物とハロゲン置換試薬とを、前記式Iの化合物を生成するのに十分な時間および条件で反応させる工程とを含む方法を提供する。
【0007】
ある実施形態においては、工程a)の反応は水を含む溶媒中で実施される。ある実施形態においては、工程a)の反応は相間移動触媒の非存在下で実施される。さらに別の実施形態においては、工程a)の反応は相間移動触媒の存在下で実施される。さらに別の実施形態においては、工程a)の反応は、水を含む溶媒中、相間移動触媒の存在下で実施される。
【0008】
ある実施形態においては、好ましくは、式IIIの化合物を沈殿させ、得られた沈殿物を場合により濾過することによって、式IIIの化合物が単離される。ある実施形態においては、式IIIの化合物の沈殿は、(1)水溶性金属ハライド塩、好ましくはNaClの添加、(2)実質的に水と混和性でない溶媒、好ましくは酢酸エチルの添加、又は(1)及び(2)の両方によって誘導される。
【0009】
ある実施形態においては、工程(b)のプロトン酸は無機酸であり、好ましくはHCl、HBr、H3PO4、HNO3、HClO4、又はH2SO4、又はそれらの組み合わせである。より好ましいある実施形態においては、工程(b)のプロトン酸がHClである。ある実施形態においては、このプロトン酸は、式IIIの化合物を含有する反応混合物又は溶媒に添加される気体HClである。
【0010】
ある実施形態においては、工程b)の反応は、アルコール、好ましくはメタノールを含む溶媒中で実施される。
【0011】
ある実施形態においては、好ましくは、式IVの化合物を沈殿させ、得られた沈殿物を場合により濾過することによって、式IVの化合物が単離される。ある実施形態においては、式III及び式IVの両方の化合物が単離される。
【0012】
ある実施形態においては、ハロゲン置換試薬は、SOCl2、POCl3、CCl4/トリフェニルホスフィン、オキサリルクロライド、又はオキサリルブロマイドであり、好ましくはオキサリルクロライドである。
【0013】
ある実施形態においては、工程c)の反応は、アシル移動触媒の存在下、好ましくは第3級アミド、好ましくはN,N−ジメチルホルムアミドの存在下で実施される。
【0014】
さらに別の実施形態においては、本発明は、式IVの化合物:
Ar−R−SO3
IV
(上式中、Ar及びRは前出の定義の通りである)
を調製する方法であって、
a)溶液中で、式IIの化合物:
Ar−R−L
II
(上式中、Lは前出の定義の通りである)
と、I族又はII族の金属の亜硫酸塩とを、場合により相間移動触媒の存在下で、式IIIのスルホン酸塩化合物:
(Ar−R−SO3-1q
III
(上式中、Mおよびqは前出の定義の通りである)
を生成するのに十分な時間および条件で反応させる工程と、
b)前記式IIIの化合物とプロトン酸とを、前記式IVの化合物を生成するのに十分な時間および条件で反応させる工程とを含む方法を提供する。
【0015】
ある実施形態においては、式IIIの化合物を沈殿させ、続いて場合により濾過することによって、式IIIの化合物が単離される。ある好ましい実施形態においては、この沈殿は、(1)工程(a)の反応混合物の、水溶性金属ハライド塩、好ましくはNaClによる処理、又は(2)工程(a)の反応混合物への、実質的に水と混和性でない溶媒、好ましくは酢酸エチルの添加、又は(1)及び(2)の両方によって促進される。ある実施形態においては、工程(a)の反応は水を含む溶媒中で実施される。さらに別の実施形態においては、工程(a)の反応は相間移動触媒の存在下で実施される。さらに別の好ましい実施形態においては、工程(b)の反応は、アルコールを含む、好ましくはメタノールを含む溶媒中で実施される。ある好ましい実施形態においては、工程(b)のプロトン酸はHClであり、好ましくは式IIIの化合物を含有する溶媒に添加される気体HClである。
【0016】
さらに別の実施形態においては、本発明は、式IIIの化合物:
(Ar−R−SO3-1q
III
(上式中、MはI族又はII族の金属イオンであり;MがI族の金属イオンである場合にはqは1であり、MがII族の金属イオンである場合にはqは2であり;
Arは、ハロゲン、C1〜C6アルキル、C3〜C7シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ホルミル、シアノ、ニトロ、OH、C1〜C6アルコキシ、アリールアルキルオキシ、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C3パーハロアルキル、C1〜C6ハロアルコキシ、C1〜C3パーハロアルコキシ、NR12、NR1COR3、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、及びヘテロアリールオキシからなる群より選択される1又はそれ以上の置換基、好ましくは最大5個の置換基によって場合により置換されていてもよいアリール又はヘテロアリールであり;
RはC1〜C6アルキレニルであり;
1及びR2はそれぞれ独立して、H、C1〜C6アルキル、及びC3〜C7シクロアルキルからなる群より選択される;あるいはR1及びR2とそれらが結合するN原子とを合わせたものが5員又は6員複素環を形成し;
3は、H、C1〜C6アルキル、及びC3〜C7シクロアルキルからなる群より選択される)
を調製する方法であって、式IIの化合物:
Ar−R−L
II
(上式中、Lは脱離基である)
と、I族又はII族の金属の亜硫酸塩とを、場合により相間移動触媒の存在下で前記式IIIの化合物を含有する反応混合物を生成するのに十分な時間および条件で反応させる工程と、反応混合物から式IIIの化合物を沈殿させることによって前記式IIIの化合物を単離する工程とを含む方法を提供する。ある実施形態においては、この沈殿は、(1)反応混合物の、水溶性金属ハライド塩、好ましくはNaClによる処理、又は(2)反応混合物への、実質的に水と混和性でない溶媒、好ましくは酢酸エチルの添加、又は(1)及び(2)の両方によって促進される。ある実施形態においては、この反応は、水を含む溶媒中、好ましくは相間移動触媒の存在下で実施される。
【0017】
前述の各方法のある実施形態においては、水溶性金属ハライド塩はNaClである。前述の各方法のさらに別の実施形態においては、相間移動触媒はテトラブチルアンモニウムヨーダイドである。前述の各方法のさらに別の実施形態においては、式IIの化合物、例えば2,6−ジメチルベンジルクロライド又は2,6−ジメチルベンジルブロマイドを、Na2SO3と反応させる。前述の方法の一部のさらに別の実施形態においては、プロトン酸が加えられるアルコール溶媒はメタノールである。前述の方法の一部のさらに別の実施形態においては、無機プロトン酸は気体HClである。さらに別の実施形態においては、式IVの化合物は、アルコール溶媒の蒸発によって単離される。
【0018】
前述の方法のある実施形態においては、式IVのスルホン酸種、例えば2,6−ジメチルベンジルスルホン酸と、ハロゲン置換試薬、例えばオキサリルクロライドとの反応は、オキサリルクロライドの添加中、約−10℃未満で実施される。この反応に好適な溶媒としては、例えば、エーテル(例えば、テトラヒドロフラン)またはエーテル混合物が挙げられる。
【0019】
前述の方法のある実施形態においては、Arは、ハロゲン、C1〜C6アルキル、C3〜C7シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シアノ、ニトロ、OH、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6ハロアルコキシ、NR12、NR1COR3、アリール、及びヘテロアリールから独立して選択される1又はそれ以上の置換基によって場合により置換されていてもよいフェニルであり、好ましくはこの置換基は、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、ハロゲン、CN、NO2、NR12、及びNR1COR3から独立して選択される。ある好ましい実施形態においては、Arは、1又はそれ以上のハロゲン、C1〜C6アルキル、C1〜C3パーハロアルキル、ホルミル、またはアリールアルキルオキシ置換基で置換されたフェニルである。ある実施形態においては、Arは、2位又は6位における少なくとも1つの置換基、あるいは2位及び6位の両方における置換基で置換されたフェニルである。別の実施形態においては、Arは、3位及び4位において置換されたフェニル、例えば3,4−ジクロロフェニルなどである。前述の方法のさらに別のある実施形態においては、Rは、C1〜C4アルキレン、またC1〜C6直鎖アルキレン、好ましくはメチレン又はエチレン、より好ましくはメチレンである。
【0020】
前述の方法のある実施形態においては、Lは独立して、ハロゲン、OSO2CH3、OSO2CF3、またはOSO2−アリール’であり、ここでアリール’は、C1〜C3アルキル及びハロゲンから独立して選択される1、2、又は3個の置換基によって場合により置換されていてもよいフェニル基である。好ましくは、LはClである。
【0021】
前述の方法のある実施形態においては、MはNa+イオン又はK+イオンであり、好ましくはNa+イオンである。
【0022】
前述の方法の好ましいある実施形態においては、XはClである。
【0023】
前述の方法のさらに好ましいある実施形態においては、Arは、ハロゲン、C1〜C6アルキル、C1〜C3パーハロアルキル、ホルミル、アリールアルキルオキシ、NR12、及びNR1COR3から選択される1又はそれ以上の置換基によって場合により置換されていてもよいフェニルであり;Rはメチレン又はエチレンであり;R1及びR2はそれぞれ独立して、H又はC1〜C6アルキルであり;R3はH又はC1〜C6アルキルであり;XはClであり;Lはハロゲンであり;工程(a)の金属亜硫酸塩がNa2SO3であり;工程(a)の相間移動触媒が存在し;式IIIのスルホン酸塩化合物が式NaSO3−R−Arを有し;工程(a)が、式IIIの化合物を単離する工程をさらに含み;工程(b)が、式IVの化合物を単離する工程をさらに含み;工程(c)のハロゲン置換試薬がオキサリルクロライドである。
【0024】
本発明の方法の別の好ましい実施形態においては、工程(a)が相間移動触媒の非存在下で実施される。このようなある実施形態においては、式IIのAr−R−Lが2,3−ジクロロベンジルクロライドであり、式Iの化合物が(2,3−ジクロロフェニル)−メタンスルホニルクロライドである。
【0025】
別の好ましい実施形態においては、本発明の方法は、(3,4−ジクロロフェニル)−メタンスルホニルクロライド、(2,6−ジメチルフェニル)−メタンスルホニルクロライド、(2−メチルフェニル)−メタンスルホニルクロライド、(2,6−ジフルオロフェニル)−メタンスルホニルクロライド、2−フルオロ−6−(トリフルオロメチルフェニル)−メタンスルホニルクロライド、2,6−ビス(トリフルオロメチルフェニル)−メタンスルホニルクロライド、(2−トリフルオロメチルフェニル)−メタンスルホニルクロライド、(2−ベンジルオキシフェニル)−メタンスルホニルクロライド、(2,3−ジクロロフェニル)−メタンスルホニルクロライド、又は(2−ホルミルフェニル)−メタンスルホニルクロライドの調製に使用される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明は、特定のcPLA2阻害剤の合成の中間体である(2,6−ジメチル−フェニル)−メタンスルホニルクロライドなどのアリール−及びヘテロアリール−アルキルスルホニルハライドの調製方法を提供する。ある実施形態においては、本発明の方法は一般に、スルホン酸生成後、スルホニルハライドに転化させることを含む。
【0027】
本発明の方法のある実施形態の概要を図式Iに示しており、これに記載される式I、II、III、およびIVの化合物の構成要素は前述の定義の通りである。
【化1】

【0028】
図式1に示されるように、ハロゲン置換試薬との反応によって、式IVのスルホン酸をスルホニルハライドに転化させることができる。本明細書において使用される場合、ハロゲン置換試薬は、非ハロゲン置換基(例えばH又はOHなど)をハロゲン置換基に転化させることができる試薬である。本発明のハロゲン置換試薬は、例えばスルホン酸部分をスルホニルハライド部分に転化させることができる。この転化を実施できる多数の試薬が当技術分野において公知となっている。好ましいハロゲン置換試薬の一部としては、SOCl2、POCl3、CCl4/トリフェニルホスフィン、オキサリルクロライド、又はオキサリルブロマイドが挙げられる。より好ましいある実施形態においては、ハロゲン置換試薬はオキサリルクロライドである。特に出発物質、溶媒、又はその両方の中に残留溶媒が存在する場合には、ハロゲン置換剤は好ましくは過剰量で使用される。オキサリルクロライドがハロゲン置換剤として使用される場合、スルホン酸試薬(式IVの化合物)の量に対して約1〜約6当量、約2〜約4当量、又は約3〜約3.5当量の範囲で使用することができる。使用されるハロゲン置換剤の量は、出発物質又は溶媒中の水の量、並びに出発物質及び溶媒の性質及び反応性に特に依存することが当業者には理解できるであろう。
【0029】
ハロゲン置換反応(例えば、図式Iの工程3)に好適な溶媒としては、式IVの化合物を少なくとも部分的に溶解することができるあらゆる有機溶媒が挙げられる。好ましい溶媒としては、非極性又は弱い極性の溶媒、たとえば、アセトニトリル、芳香族炭化水素、たとえばベンゼン及びトルエン、並びにハロゲン化溶媒、たとえば1,2−ジクロロエタン及びメチレンクロライドが挙げられる。より好ましい溶媒はエーテル類である。好適なエーテルとしては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、又はそれらの混合物などが挙げられる。より好ましいエーテルはテトラヒドロフランである。
【0030】
ハロゲン置換反応は、あらゆる好適な温度で実施することができる。例えば、ある好ましい実施形態においては、この反応を約−40℃から室温付近で実施することができる。より好ましいある実施形態においては、この反応約−10℃未満で実施することができる。
【0031】
本発明の方法のスルホニルハライド生成工程(例えば、図式Iの工程3)は、アシル移動触媒、たとえば第3級アミド(例えば、ジメチルホルムアミド)の存在下で実施することもできる。アシル移動触媒は、反応速度を加速するのに十分な量で使用することができる。好ましい実施形態においては、アシル移動触媒は、スルホン酸試薬の量に対して約1当量未満で存在する。より好ましい実施形態においては、アシル移動触媒は、スルホン酸試薬の量に対して約0.01〜約0.5当量、さらにより好ましくは約0.1〜約0.2当量の量で存在する。
【0032】
式Iの化合物は、沈殿及び濾過によって反応混合物から単離することができる。沈殿を誘導するための多数のあらゆる公知の方法を使用することができる。ある好ましい実施形態においては、非溶媒(たとえば水)又は水を含有する溶媒を反応混合物に加えて沈殿を誘導することができる。水を非溶媒として使用すると、ヘプタンなどの有機溶媒を使用する場合に観察される分解速度よりも、スルホニルハライド生成物の分解速度を小さくすることができるため、収率を改善できることが分かった。より好ましいある実施形態においては、反応混合物の温度を例えば約−20℃未満まで低下させることによって沈殿を促進することができる。
【0033】
図式Iに示されるように、式IVのスルホン酸は、式IIIスルホン酸塩(スルホネート塩)をプロトン酸と反応させることによって調製することができる。好適なプロトン酸は、本発明の方法によりスルホネート塩をその対応する酸に転化させることができるように十分な強度を有する。例えば、プロトン酸は、無機強酸、たとえばHCl、HBr、H3PO4、HNO3、HClO4、H2SO4などであってよい。別の実施形態においては、プロトン酸は有機酸であってよい。有機酸の例としては、ギ酸メタンスルホン酸(formic methanesulfonic acid)、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、及びその他の有機強酸が挙げられる。ある実施形態においては、プロトン酸は気体で使用される。ある好ましい実施形態においては、この無機酸はHClである。より好ましいある実施形態においては、無機酸は、スルホネート塩を含有する反応溶媒に加えられる気体HClである。好ましい実施形態においては、プロトン酸は、式IIIのスルホン酸塩に対して過剰のモル当量で使用される。
【0034】
式IVスルホン酸化合物の生成は、あらゆる好適な溶媒中で実施することができる。例えば、式IIIの化合物の少なくとも一部が可溶性である有機溶媒が好適である。ある好ましい実施形態においては、この溶媒は金属ハライド塩、たとえばNaCl又はKClをあまり溶解せず、そのため、金属ハライド塩が沈殿することによって反応を熱力学的に促進する。さらに別の好ましい実施形態においては、溶媒は、アルコール、たとえばメタノール、エタノール、イソプロパノールなど、又はそれらの混合物を含有することができる。溶媒は水を含有することもできる。さらに別のより好ましい実施形態においては、溶媒はメタノールを含有する。反応温度は当業者によって容易に決定することができる。例えば、反応は室温未満の温度、たとえば約−20〜約10℃で実施することができる。ある好ましい実施形態においては、反応が約0℃又は約10℃未満で実施される。
【0035】
式IVのスルホン酸化合物は、通常の方法によって単離することができる。単離は、例えば生成物を反応混合物から沈殿させることによって実施することができる。沈殿はあらゆる好適な手段によって誘導することができる。ある好ましい実施形態においては、沈殿は、反応混合物の濃縮(場合により共沸させる)、冷却(例えば約10℃未満まで)、及び非極性有機溶媒、たとえばアルカン(例えば、ヘプタン、ヘキサン、ペンタンなど)の添加のいずれか、又はこれらの組み合わせによって誘導することができる。
【0036】
本発明は、前述の図式1の工程1に示されるように、式IIの化合物:Ar−R−L(式中、Ar、R、及びLの定義は本明細書で前述している)を、I族又はII族の金属亜硫酸塩と、場合により相間移動触媒の存在下で反応させることにより、式IIIのスルホン酸塩(スルホネート塩)化合物を調製する方法も提供する。あらゆるI族又はII族の金属の亜硫酸塩が好適であり、例えば、限定するものではないが、Li2SO3、Na2SO3、K2SO3、MgSO3、CaSO3などが挙げられる。I族又はII族の金属の亜硫酸塩は、式IIの化合物の量に対してモル過剰、例えば、約2当量〜約1当量で使用することができる。ある好ましい実施形態においては、この金属塩はNa2SO3又はK2SO3であり、より好ましくはNa2SO3である。
【0037】
好ましい実施形態においては、式IIIのスルホネート塩化合物の生成を、相間移動触媒の存在下で実施することができる。ある好ましい実施形態においては、この相間移動触媒は第4級アンモニウムハライドであり、好ましくはテトラブチルアンモニウムヨーダイドである。相間移動触媒は、反応速度を加速するのに好適な量で使用することができる。ある好ましい実施形態においては、相間移動触媒は、約0.1〜2重量%、より好ましくは0.5〜1重量%で存在する。
【0038】
I族又はII族の金属の亜硫酸塩を部分的に溶解することができる溶媒などのあらゆる好適な溶媒を使用することができる。ある実施形態においては、この溶媒は水を含有する。ある好ましい実施形態においては、この溶媒は、約50%を超え、より好ましくは約75%、さらにより好ましくは約90%を超え、さらにより好ましくは約95%を超え、さらにより好ましくは約99%を超える水を含有する。この反応は、あらゆる好適な温度で実施することもできる。ある好ましい実施形態においては、温度を上昇させる。さらに別の好ましい実施形態においては、この反応は約100℃で実施される。
【0039】
式IIIの化合物の反応混合物からの単離は、あらゆる通常の方法によって実施することができる。ある実施形態においては、式IIIの化合物を反応混合物から沈殿させる。ある好ましい実施形態においては、この沈殿は、例えば反応混合物を水溶性無機塩で処理することによって促進される。特定の理論によって束縛しようと望むものではないが、十分な量の水溶性無機塩を加えることによって、IIIの化合物が溶液から熱力学的に追い出され、それによって単離及び精製が促進されると考えられる。ある好ましい実施形態においては、水溶性無機塩はNaCl又はKClであり、より好ましくはNaClである。さらに別の実施形態においては、式IIIの化合物の単離は、実質的に水と混和性でない有機溶媒を反応混合物に加えることによってさらに促進することができる。好適な溶媒の例としては、酢酸エチル、エーテル(例えばエチルエーテルなど)、アルカン(例えば、ヘキサン、石油エーテルなど)、芳香族(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなど)などが挙げられ、酢酸エチルが最も好ましい。この場合も特定の理論によって束縛しようと望むものではないが、有機溶媒を添加することによって、式IIIの化合物が沈殿するときに、溶液中に不純物が残存しやすくなると考えられる。ある好ましい実施形態においては、沈殿を誘導するために反応混合物を冷却(例えば約10℃未満)することもできる。
【0040】
本発明の多数の利点は、当業者には明らかであろう。例えば、スルホニルハライドの生成前にスルホン酸中間体を調製することによって、立体障害のあるスルホニルハライドの調製において典型的に観察される二酸化硫黄の減少が回避されることで、収率を改善することができる。さらに、本明細書に記載の調製及び単離方法は収率を最大限にするのに有用である。
【0041】
本発明のある実施形態においては、段階的に多段階方法が実施され、次の工程に移行する前に各中間体が単離される。本発明の別の実施形態においては、一部の中間体は単離されるが、残りは単離されない。さらに別の実施形態においては、すべての中間体が全く単離されず、すべての反応が1つの反応容器中で行われる。
【0042】
上記の一般的な説明、及び本明細書に記載される他の基において、それぞれの場合で、あらゆる可変基は、その許容される基で独立して置き換えることができることを理解されたい。従って、例えば、同一化合物上に2つのR2基が同時に存在する構造が説明される場合、それら2つのR2基が異なる基を表すことができる。
【0043】
明確にするため別々の実施形態の状況において説明される本発明の特定の複数の特徴を、1つの実施形態において組み合わせて提供する場合があることを理解されたい。逆に、1つの実施形態の状況で簡潔に説明される本発明の種々の特徴も、独立して提供したり、あらゆる好適なサブコンビネーション(subcombination)で提供したりする場合がある。
【0044】
単独で使用される用語「アルキル」は、本明細書において、特に明記しない限り、直鎖又は分岐のいずれかの飽和炭化水素部分として定義される。ある実施形態においては、アルキル部分は、1〜12個、1〜10個、1〜8個、1〜6個、又は1〜4個の炭素原子を含有する。飽和炭化水素アルキル部分の例としては、限定するものではないが、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、イソブチル、sec−ブチル;より高級な同族体、たとえばn−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチルなどの化学基が挙げられる。
【0045】
用語「アルキレニル」は、二価の直鎖又は分岐のアルキル基を意味する。
【0046】
本明細書において使用される場合、「ハロアルキル」は、1又はそれ以上のハロゲン置換基を有するアルキル基を意味する、過ハロゲン化種までを含んでいる。従って、ハロアルキル基の例としては、パーハロアルキル基、たとえばCF3、C25、CCl3、C2Cl5など、およびハロゲンですべて置換されていない基、たとえばCHF2、CHCl2などが挙げられる。用語「パーハロアルキル」は、すべての水素原子がハロゲン原子で置き換えられたアルキル基を意味することを意図している。
【0047】
単独又は他の用語との組み合わせで使用される用語「アルコキシ」は、本明細書において、特に明記しない限り、−O−アルキルとして定義される。アルコキシ部分の例としては、限定するものではないが、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、及び同族体、異性体などの化学基が挙げられる。
【0048】
単独又は他の用語との組み合わせで使用される用語「ハロアルコキシ」は、本明細書において、特に明記しない限り、−O−ハロアルキルとして定義される。ハロアルコキシ部分の例としては、限定するものではないが、−OCF3などの化学基が挙げられる。
【0049】
単独又は他の用語との組み合わせで使用される用語「シクロアルキル」は、本明細書にいて、特に明記しない限り、単環、二環、三環、縮合、架橋、またはスピロの3〜8個又は3〜7個の炭素原子の一価の非芳香族炭化水素部分として定義される。シクロアルキルの定義には、非芳香族環と縮合した(すなわち共通の結合を有する)1又はそれ以上の芳香環を有する部分も含まれる。シクロアルキル部分のあらゆる好適な環位置が、定義される化学構造に共有結合することができる。シクロアルキル部分の例としては、限定するものではないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、ノルボルニル、アダマンチル、スピロ[4.5]デカニル、及び同族体、異性体などの化学基が挙げられる。
【0050】
本明細書において使用される場合、「ヘテロシクロアルキル」は、1又はそれ以上の(例えば最大4個の原子)がヘテロ原子、たとえばO、S、N、又はP原子で置き換えられているシクロアルキル基(例えば3〜12個の原子)を意味する。ヘテロシクロアルキルの定義には、非芳香族複素環式環と縮合した(すなわち、共通の結合を有する)1又はそれ以上の(例えば2つの)芳香環を有する部分も含まれ、たとえばフタルイミジル、ナフタルイミジルピロメリット酸ジイミジル、フタラニル、並びに飽和複素環のベンゾ誘導体、たとえばインドレン及びイソインドレン基も含まれる。ある実施形態においては、ヘテロシクロアルキルは、酸素、窒素、及び硫黄から選択される同種又は異種の1〜4個のヘテロ原子を有し、そこに縮合した1又は2個のベンゼン環を有する3〜12員の基であり、この基は環の炭素又は窒素原子を介して結合する。
【0051】
単独又は他の用語との組み合わせで使用される用語「ハロ」又は「ハロゲン」は、本明細書において、特に明記しない限り、フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨードとして定義される。
【0052】
単独又は他の用語との組み合わせで使用される用語「アリール」は、本明細書において、特に明記しない限り、1つの環(単環)、あるいは互いに縮合又は共有結合した複数の環(二環、最大3つの環)であってよい最大14個の炭素原子の芳香族炭化水素として定義される。アリール部分のあらゆる好適な環位置を、定義される化学構造と共有結合させることができる。アリール部分の例としては、限定するものではないが、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、ジヒドロナフチル、テトラヒドロナフチル、ビフェニル、アントリル、フェナントリル、フルオレニル、インダニル、ビフェニレニル、アセナフテニル、アセナフチレニルなどの化学基が挙げられる。
【0053】
本明細書において使用される場合、用語「アリールオキシ」は、式−O−アリールの基を意味し、ここで用語「アリール」は本明細書において前述した定義を有する。
【0054】
単独又は他の用語との組み合わせで使用される用語「アリールアルキル」又は「アラルキル」は、本明細書において、特に明記しない限り、本明細書で定義されたアリール部分で置換された本明細書で前述した定義のアルキルとして定義される。アリールアルキル部分の例としては、限定するものではないが、ベンジル、1−フェニルエチル、2−フェニルエチル、ジフェニルメチル、3−フェニルプロピル、2−フェニルプロピル、フルオレニルメチル、および同族体、異性体などの化学基が挙げられる。
【0055】
本明細書において使用される場合、用語「アリールアルキルオキシ」は、式−O−アリールアルキルの基を意味し、用語「アリールアルキル」は本明細書において前述した定義を有する。
【0056】
本明細書において使用される場合、「ヘテロアリール」基は、少なくとも1つのヘテロ原子環構成要素、たとえば硫黄、酸素、又は窒素を有する単環及び多環式(例えば3つの環)の芳香族炭化水素である。ヘテロアリール基としては、限定するものではないが、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、フリル、キノリル、イソキノリル、チエニル、イミダゾリル、チアゾリル、インドリル、ピリル、オキサゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンズチアゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、インダゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、イソチアゾリル、ベンゾチエニル、プリニル、カルバゾリル、ベンズイミダゾリル、2,3−ジヒドロベンゾフラニル、2,3−ジヒドロベンゾチエニル、2,3−ジヒドロベンゾチエニル−S−オキシド、2,3−ジヒドロベンゾチエニル−S−ジオキシド、ベンゾオキサゾリン−2−オン−イル、インドリニル、ベンゾジオキソラニル、ベンゾジオキサンなどが挙げられる。ある実施形態においては、ヘテロアリール基は1〜約20個の炭素原子を有することができ、さらに別の実施形態においては約3〜約20個の炭素原子を有することができる。ある実施形態においては、ヘテロアリール基は、1〜約4個、1〜約3個、又は1〜2個のヘテロ原子を有する。ある実施形態においては、ヘテロアリールは、酸素、窒素、及び硫黄から選択される同種または異種の1〜4個のヘテロ原子を有する芳香族5〜24員単環又は多(例えば、二又は三)環式基である。
【0057】
本明細書において使用される場合、「複素環」はヘテロアリール又はヘテロシクロアルキル基を意味する。
【0058】
本明細書において使用される用語「ヘテロアリールオキシ」は、式−O−ヘテロアリールの基を意味し、ここで用語「ヘテロアリール」は本明細書において前述した定義を有する。
【0059】
本明細書において使用される場合、用語「脱離基」は、化学反応中の求核性攻撃などによって別の部分に置き換わることができる部分を意味する。脱離基は当技術分野において公知であり、脱離基としては、例えば、ハライド及びOSO2−R’が挙げられ、式中のR’は、例えばアルキル、ハロアルキル、またはアリールであり、これらはハロ、アルキル、アルコキシ、アミノなどで場合により置換されていてもよい。脱離基の例の一部としては、クロロ、ブロモ、ヨード、メシレート、トシレート、及び他の類似の基が挙げられる。
【0060】
本明細書において使用される場合、用語「反応」は、記載される化学反応物質とともに使用され、化学変換が起こってその系内に最初に導入されたものとは異なる化合物を生成することを意味する。反応は、溶媒の存在下または非存在下で起こりうる。
【0061】
本明細書において使用される場合、用語「沈殿」は当技術分野において公知のように使用され、一般に固体が溶解している溶液から固体(例えば沈殿物)が形成されることを意味する。この固体は非晶質の場合もあるし結晶の場合もある。沈殿方法は当技術分野において公知であり、例えば、溶質が不溶性である溶媒の比率を増加させる、温度を低下させる、溶媒中に対して可溶性でなくなるように溶質を化学変換させることなどが挙げられる。
【0062】
本発明の化合物は不斉原子を含むことができ、一部の化合物は1又はそれ以上の不斉原子又は不斉中心を含むことができ、従ってこれによって光学異性体(エナンチオマー)およびジアステレオマーが生じうる。本発明は、このような光学異性体(エナンチオマー)およびジアステレオマー(幾何異性体)、並びにラセミ体及び分割されエナンチオマー的に純粋なR及びS立体異性体、並びに他のR及びS立体異性体の混合物、並びにそれらの薬学的に許容される塩を含んでいる。光学異性体は、当業者に公知の標準的手順によって純粋形態で得ることができ、そのような手順としては、限定するものではないが、ジアステレオマー塩形成、速度論的分割、及び不斉合成が挙げられる。理解できるであろうが、本発明は、当業者に公知の標準的分離手段によって純粋形態で得ることができるすべての存在しうる位置異性体、およびそれらの混合物を含んでおり、そのような分離手段としては、限定するものではないが、カラムクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、及び高速液体クロマトグラフィーが挙げられる。
【0063】
本発明により提供される化合物は、例えば、塩基性残基、たとえばアミン類の無機又は有機酸塩;酸性残基、たとえばカルボン酸のアルカリ又は有機塩などから形成される塩も含むことができる。本発明は、無機酸又は有機酸のいずれかとの負荷反応より形成される許容される塩形態を含む。さらに、本発明は、本発明の化合物の第4級アンモニウム塩を含み、これらは、求核性アミンを、好適な反応性アルキル化剤、たとえばアルキルハライド又はベンジルハライドと反応させることによって調製することができる。好適な塩の一覧は、レミントン薬学第17版,マック・パブリッシングカンパニー,ペンシルバニア州イーストン,1985年,1418ページ(Remington's Pharmaceutical Sciences, 17th ed., Mack Publishing Company, Easton, Pa., 1985, p. 1418)に見ることができ、この開示は本明細書に組み込まれる。
【0064】
本発明の化合物は、中間体又は最終化合物中に存在するすべての原子の同位体も含むことができる。同位体は、同じ原子番号を有するが異なる質量数を有する原子を含む。例えば、水素の同位体としては、三重水素及び重水素が挙げられる。
【0065】
本発明の化合物は、互変異性形態、たとえばケト−エノール互変異性体を含むこともできる。互変異性形態は、平衡状態にしたり、適切な置換によって1つの形態に立体的に固定したりすることができる。
【0066】
本明細書に記載される方法は、当技術分野において公知のあらゆる好適な方法によりモニターすることができる。例えば、生成物の形成は、分光学的手段、たとえば核磁気共鳴分光法(例えば、1H又は13C)、赤外分光法、分光光度法(例えば、UV可視性)、あるいは質量分析、あるいはクロマトグラフィー、たとえば高速液体クロマトグラフィー(HPLC)又は薄層クロマトグラフィーによってモニターすることができる。
【0067】
本明細書に記載される方法の反応は、好適な溶媒中で実施することができ、これらは有機合成の当業者により容易に選択することができる。好適な溶媒は、出発物質(反応物質)、中間体、または生成物に対して、反応が実施される温度、例えば、溶媒が凍結する温度から溶媒が沸騰する温度までの範囲をとることができる温度において、実質的に非反応性であってよい。所与の反応は、1つの溶媒中、又は2種類以上の溶媒の混合物中で実施することができる。個々の反応工程に依存して、個々の反応工程に適した溶媒を選択することができる。ある実施形態においては、少なくとも1つの試薬が液体又は気体である場合など、反応を溶媒の非存在下で実施することができる。本明細書に記載される方法に好適な溶媒の例の一部としては、ハロゲン化炭化水素(例えば、メチレンクロライド)、芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン、トルエンなど)、およびエーテル(例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなど)が挙げられる。
【0068】
本明細書に記載される方法の反応は、当業者によって容易に決定可能な適切な温度において行うことができる。反応温度は、例えば、試薬及び溶媒の融点及び沸点(存在する場合)、反応の熱力学(例えば、激しく発熱する反応は典型的には低温で実施される)、及び反応の動力学(例えば、高い活性化エネルギー障壁は、典型的には高温を必要とする)に依存する。「高温」は室温(約20℃)よりも高い温度を意味し、「低温」は室温よりも低い温度を意味する。
【0069】
本明細書に記載される方法の反応は、空気中又は不活性雰囲気下で実施することができる。典型的には、実質的に空気と反応性である試薬又は生成物を含む反応は、当業者に公知の空気反応性の合成技術を使用して実施することができる。
【0070】
本明細書に記載される方法により化合物の調製を実施した後、通常の単離及び精製作業、たとえば濃縮、濾過、抽出、固相抽出、再結晶、クロマトグラフィーなどを使用して所望の生成物を単離することができる。
【0071】
本明細書に記載される方法のある実施形態において、以下の代表的化合物を、下記の表1および実施例に示されるそれぞれの調製材料から生成することができる。
【表2】


【0072】
具体的な実施例によって本発明をより詳細に説明する。以下の実施例は説明の目的で提供しており、いかなる方法によっても本発明を限定することを意図するものではない。当業者であれば、実質的に同じ結果が得られるように変更又は修正可能な種々の重要ではない要素があることが容易に理解できるであろう。
実施例
【実施例1】
【0073】
(2,6−ジメチル−フェニル)−メタンスルホニルクロライドの調製
工程1:(2,6−ジメチル−フェニル)−メタンスルホン酸ナトリウム塩の調製)
【化2】

亜硫酸ナトリウム(442.4g)を、2−クロロメチル−1,3−ジメチル−ベンゼン(526.6g)、テトラブチルアンモニウムヨーダイド(6.4g)、及び水(3.0L)の撹拌混合物に加えた。この混合物を1時間加熱還流した。混合物を室温まで冷却してから、塩化ナトリウム(526g)および酢酸エチル(1.4L)を加えた。この混合物を撹拌し、<10℃まで冷却した。生成物を濾過により回収し、酢酸エチル(250mL)及びアセトン(500mL)で洗浄した。生成物を一定重量となるまで60℃で減圧乾燥して、(2,6−ジメチル−フェニル)−メタンスルホン酸ナトリウム塩(634g、88%)を得た。1H NMR(300MHz、DMSOd6):δ 7.17〜6.91(m、3H、ArH)、3.96(s、2H、CH2)、及び2.29(s、6H、CH3)。
【0074】
工程2:(2,6−ジメチル−フェニル)−メタンスルホン酸の調製
【化3】

メタノール(2.2L)及び(2,6−ジメチル−フェニル)−メタンスルホン酸ナトリウム塩(185g)を、オーバーヘッド撹拌機を取り付けたマルチネック5Lフラスコ中で混合した。この混合物を0℃まで冷却し、塩化水素(112g)を混合物に通しながら、内部温度を<10℃に維持した。この混合物を2時間撹拌し、室温まで上昇させた。この混合物を濾過により浄化した。その濾液を、周囲圧力において体積600mLまで濃縮し、トルエン(3×600mL)とともに共沸させた。ヘプタン(1.1L)を混合物に加えながら<10℃まで冷却した。その固体生成物を濾過により回収し、ヘプタン(100mL)で洗浄した。生成物を一定重量になるまで40℃で減圧乾燥して、(2,6−ジメチル−フェニル)−メタンスルホン酸(149g、89%)を得た。1H NMR(300MHz、DMSOd6):δ 7.0〜6.91(m、3H、ArH)、4.40(s、2H、CH2)、及び2.34(s、6H、CH3)。
【0075】
工程3:(2,6−ジメチル−フェニル)−メタンスルホニルクロライドの調製
【化4】

テトラヒドロフラン(3.0L)、(2,6−ジメチル−フェニル)−メタンスルホン酸(300g、KF分析より12%の水を含有、すなわち含水を補正すると266g)、及びN,N−ジメチルホルムアミド(15g)を、オーバーヘッド撹拌機を取り付けた5Lマルチネックフラスコ中で混合した。この反応混合物を−20℃まで冷却し、オキサリルクロライド(655.5g)を1時間かけてゆっくりと加えた。反応混合物を濾過により浄化し、体積が1Lになるまで濃縮した。この濾液を、オーバーヘッド撹拌機が取り付けられたフラスコに移し、−40℃まで冷却した。水(900mL)を30分かけて加えながら、内部温度を<−10℃に維持した。生成物を濾過により回収し、水及びヘプタンで洗浄し、乾燥させて、(2,6−ジメチル−フェニル)−メタンスルホン酸クロライド(277g、96%)を得た。1H NMR(300MHz、CDCl3):δ 7.25〜7.04(m、3H、ArH)、5.17(s、CH2)、及び2.50(s、6H、CH3)。
【実施例2】
【0076】
(2−メチルフェニル)−メタンスルホニルクロライドの調製
工程1:(2−メチルフェニル)−メタンスルホン酸ナトリウム塩の調製
実施例1の工程1に記載の手順を使用して、α−ブロモ−o−キシレン(100g、0.54mol)から(2−メチルフェニル)−メタンスルホン酸ナトリウム塩(75g、66%)を白色固体として得た。LC−MSよりスルホン酸の分子イオンが確認された(G8382−72、G8382−49)。
【0077】
工程2:(2−メチルフェニル)−メタンスルホン酸の調製
実施例1の工程2に記載の手順を使用して、(2−メチルフェニル)−メタンスルホン酸ナトリウム塩(12g、58mmol)から(2−メチルフェニル)−メタンスルホン酸(10.6g、〜100%)を淡黄色固体として得た(L25213−78)。
【0078】
工程3:(2−メチルフェニル)−メタンスルホニルクロライドの調製
実施例1の工程3に記載の手順を使用して、(2−メチルフェニル)−メタンスルホン酸(10.6g、57mmol)から(2−メチルフェニル)−メタンスルホニルクロライド(11.8g、100%)を得た。1HNMR(400MHz、CDCl3)δ 2.48(s、3H)、4.97(s、2H)、7.3(d、J=7.3Hz、2H)、7.33〜7.41(m、1H)、7.45(d、J=7.6Hz、1H)。(L25213−80)。
【実施例3】
【0079】
(2,6−ジフルオロフェニル)−メタンスルホニルクロライドの調製
工程1:(2,6−ジフルオロフェニル)−メタンスルホン酸ナトリウム塩の調製
実施例1の工程1に記載の手順を使用して、2,6−ジフルオロベンジルブロマイド(50g、0.24mol)から(2,6−ジフルオロフェニル)−メタンスルホン酸ナトリウム塩(38.9g、70%)を白色固体として得た(G8324−105)。
【0080】
工程2:(2,6−ジフルオロフェニル)−メタンスルホン酸の調製
実施例1の工程2に記載の手順を使用して、(2,6−ジフルオロフェニル)−メタンスルホン酸ナトリウム塩(10g、44mmol)から(2,6−ジフルオロフェニル)−メタンスルホン酸(9.5g)が粘稠オレンジ色油として得られ、これをさらに精製することなく使用した(L26913−131)。
【0081】
工程3 (2,6−ジフルオロフェニル)−メタンスルホニルクロライドの調製
実施例1の工程3に記載の手順を使用して、(2,6−ジフルオロフェニル)−メタンスルホン酸(9.5g、44mmol)から(2,6−ジフルオロフェニル)−メタンスルホニルクロライド(1.3g、14%)を得た。1HNMR(400MHz、CDCl3)δ 5.02(s、2H)、7.00〜7.11(m、2H)、7.40〜7.57(m、1H)。(L26913−136)。
【実施例4】
【0082】
2−フルオロ−6−(トリフルオロメチルフェニル)−メタンスルホニルクロライドの調製
工程1:2−フルオロ−6−(トリフルオロメチルフェニル)−メタンスルホン酸ナトリウム塩の調製
実施例1の工程1に記載の手順を使用して、2−フルオロ−6−(トリフルオロメチルフェニル)ベンジルブロマイド(15g、61mmol)から2−フルオロ−6−(トリフルオロメチルフェニル)−メタンスルホン酸ナトリウム塩(15g、89%)を白色固体として得た。1HNMR(400MHz、DMSO−d6)δ4.02(s、2H)、7.26〜7.66(m、3H)。(L26913−185)。
【0083】
工程2:2−フルオロ−6−(トリフルオロメチルフェニル)−メタンスルホン酸の調製
実施例1の工程2に記載の手順を使用して、2−フルオロ−6−(トリフルオロメチルフェニル)−メタンスルホン酸ナトリウム塩(15g、53mmol)から2−フルオロ−6−(トリフルオロメチルフェニル)−メタンスルホン酸(15g)が淡いオレンジ色の油として得られ、これをさらに精製することなく使用した。1HNMR(400MHz、DMSO−d6)δ 4.12(s、2H)、7.39〜7.73(m、3H)。(L26913−190)。
【0084】
工程3:2−フルオロ−6−(トリフルオロメチルフェニル)−メタンスルホニルクロライドの調製
実施例1の工程3に記載の手順を使用して、2−フルオロ−6−(トリフルオロメチルフェニル)−メタンスルホン酸(15g、53mmol)から11gの粗生成物が得られ、これをヘキサンからの低温結晶化により精製して、2−フルオロ−6−(トリフルオロメチルフェニル)−メタンスルホニルクロライド(9.0g、62%)を得た。1HNMR(400MHz、CDCl3)δ 5.31(s、2H)、7.38〜7.51(m、1H)、7.58〜7.68(m、2H)。(L26913−192)。
【実施例5】
【0085】
2,6−ビス(トリフルオロメチルフェニル)−メタンスルホニルクロライドの調製
工程1:2,6−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイルフルオライドの調製
W. Dmowski and K. Piasecka-Maciejewska, Tetrahedron Lett. 1998, 54, 6781-6792に記載の手順を使用して、7.0gの2,6−ビス(トリフルオロメチル)安息香酸を、オレンジ色固体の酸フッ化物(7.0g、100%)に転化させた。1HNMR(400MHz、DMSO−d6)δ 8.17(t、J=8.0Hz、1H)、8.40(d、J=8.0Hz、2H)(L27132−12、15)。
【0086】
工程2:2,6−ビス(トリフルオロメチルフェニル)ベンジルアルコールの調製
W. Dmowski and K. Piasecka-Maciejewska, Tetrahedron Lett. 1998, 54, 6781-6792に記載の手順を使用して、7.0gの2,6−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイルフルオライドを淡黄色油のアルコール(6.6g、100%)に転化させた。1HNMR(400MHz、CDCl3)δ 4.95(s、2H)、7.59(t、J=8.0Hz、1H)、7.94(d、J=7.8Hz,2H)。(L27132−16)。
【0087】
工程3:2,6−ビス(トリフルオロメチルフェニル)ベンジルブロマイドの調製
2,6−ビス(トリフルオロメチルフェニル)ベンジルアルコール(6.6g、28mmol)および1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン(6.9g、17mmol)を含む0℃のCH2Cl2(50mL)溶液に、四臭化炭素(11g、33mmol)をゆっくりと加えた。この混合物を室温で終夜撹拌した後、ピペットで200mLのEt2Oを加えた。この混合物をセライト(Celite)(登録商標)で濾過し、濃縮した。その黄色油を2%EtOAc−Hex中に懸濁させ、SiO2のパッドで濾過して、臭化物(7.2g、84%)を無色油として得た。1HNMR(400MHz、CDCl3)δ 4.78(s、2H)、7.59(t、J=7.9Hz、1H)、7.92(d、J=7.9Hz、2H)。(L27132−17)。
【0088】
工程4:2,6−ビス(トリフルオロメチルフェニル)−メタンスルホン酸ナトリウム塩の調製
実施例1の工程1に記載の手順を使用して、2,6−ビス(トリフルオロメチルフェニル)ベンジルブロマイド(7.2g、23mmol)から2,6−ビス(トリフルオロメチルフェニル)−メタンスルホン酸ナトリウム塩(3.2g、32%)を白色固体として得た。(L27132−19)。
【0089】
工程5:2,6−ビス(トリフルオロメチルフェニル)−メタンスルホン酸の調製
実施例1の工程2に記載の手順を使用して、2,6−ビス(トリフルオロメチルフェニル)−メタンスルホン酸ナトリウム塩(0.19g、0.44mmol)から2,6−ビス(トリフルオロメチルフェニル)−メタンスルホン酸(0.14g、100%)がオレンジ色固体として得られ、これをさらに精製することなく使用した。1HNMR(400MHz、DMSO−d6)δ 4.25(s、2H)、7.64(t、J=8.5Hz、1H)、7.96(d、J=7.8Hz、2H)。(L27132−21)。
【0090】
工程6:2,6−ビス(トリフルオロメチルフェニル)−メタンスルホニルクロライドの調製
実施例1の工程3に記載の手順を使用して、2,6−ビス(トリフルオロメチルフェニル)−メタンスルホン酸(0.14g、0.44mmol)から99mgの粗生成物が得られ、これをヘキサンからの低温結晶化により精製して、2,6−ビス(トリフルオロメチルフェニル−)メタンスルホニルクロライド(33mg、23%)を白色粉末として得た。1HNMR(400MHz、CDCl3)δ 5.56(s、2H)、7.70(t、J=8.0Hz、1H)、7.97(d、J=8.0Hz、2H)。(L27132−23)。
【実施例6】
【0091】
(2−トリフルオロメチルフェニル)−メタンスルホニルクロライドの調製
工程1:(2−トリフルオロメチルフェニル)−メタンスルホン酸ナトリウム塩の調製
実施例1の工程1に記載の手順を使用して、2−(トリフルオロメチル)ベンジルブロマイド(25g、0.14mol)から(2−トリフルオロメチルフェニル)−メタンスルホン酸ナトリウム塩(22.2g、60%)を白色固体として得た。LC−MSよりスルホン酸の分子イオンが確認された。(G9381−183)。
【0092】
工程2:(2−トリフルオロメチルフェニル)−メタンスルホン酸の調製
実施例1の工程2に記載の手順を使用して、(2−トリフルオロメチルフェニル)−メタンスルホン酸ナトリウム塩(22.2g、84mmol)から(2−トリフルオロメチルフェニル)−メタンスルホン酸(20.3g、〜100%)の淡黄色固体を得た。(G9381−183)。
【0093】
工程3:(2−トリフルオロメチルフェニル)−メタンスルホニルクロライドの調製
実施例1の工程3に記載の手順を使用して、(2−トリフルオロメチルフェニル)−メタンスルホン酸(20.3g、84mmol)から、(2−トリフルオロメチルフェニル)−メタンスルホニルクロライド(19.6g、90%)が、石油エーテルからの結晶化後に白色固体として得られた。1HNMR(400MHz、CDCl3)δ 5.15(s、2H)、7.60(t、J=7.6Hz、1H)、7.66(t、J=7.4Hz、1H)、7.80(dd、J= 7.5 & 2.8Hz、2H)。(G9381−184)。
【実施例7】
【0094】
(2−ベンジルオキシ−フェニル)−メタンスルホニルクロライドの調製
工程1:(2−ベンジルオキシ−フェニル)−メタンスルホン酸の調製
亜硫酸ナトリウム(4.2g)を、1−ベンジルオキシ−2−ブロモメチル−ベンゼン(8.9g)、テトラブチルアンモニウムヨーダイド(59mg)、および水(150ml)の撹拌混合物に加えた。この混合物を終夜加熱還流した。この混合物を0℃まで冷却してから6N HClで酸性化させた。酢酸エチルによる抽出(100ml×6)を実施した(水層中に一部が残存した)。これらの有機相を合わせたものをMgSO4上で乾燥させた。その濾液を減圧濃縮した。その生成物にエチルエーテルを加えて粉砕して、(2−ベンジルオキシ−フェニル)−メタンスルホン酸(678mg、8%)を得た。1H NMR(400MHz、DMSO−D6):δppm 3.82(s、2H)5.09(s、2H)6.86(t、J=7.45Hz、1H)6.96(d、J=8.08Hz、1H)7.14(t、J=7.83Hz、1H)7.32(d、J=7.33Hz、1H)7.38(t、J=7.33Hz、2H)7.46(d、J=9.09Hz、1H)7.52(d、J=7.07Hz、2H)。
【0095】
工程2:(2−ベンジルオキシ−フェニル)−メタンスルホニルクロライドの調製
テトラヒドロフラン(10ml)、(2−ベンジルオキシ−フェニル)メタンスルホン酸(138mg)、およびN,N−ジメチルホルムアミド(2滴)を−78℃まで冷却し、オキサリルクロライド(315mg)をゆっくりと加えた。その反応混合物を−78℃から0℃まで3時間撹拌した。反応混合物を濾過により浄化した。その濾液を氷冷水及びヘプタンで洗浄し、乾燥させて(2−ベンジルオキシ−フェニル)−メタンスルホニルクロライド(114mg、77%)を得た。1H NMR(400MHz、クロロホルム−D):δppm 5.06(s、2H)5.15(s、2H)7.04(m、2H)7.42(m、7H)。
【実施例8】
【0096】
(2,3−ジクロロフェニル)−メタンスルホニルクロライドの調製
工程1:(2,3−ジクロロフェニル)−メタンスルホン酸ナトリウム塩の調製
2,3−ジクロロベンジルクロライド(0.68mL、5.0mmol)を20mL 水に懸濁した懸濁液に、亜硫酸ナトリウム(630mg、5.0mmol)を加え、その混合物を終夜加熱還流した。その反応混合物を、ロータリーエバポレーター上で徹底的に蒸発させ、減圧乾燥させて、(2,3−ジクロロフェニル)−メタンスルホン酸のナトリウム塩を白色固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−D6)δppm 3.97(s、2H)7.28(t、J=7.83Hz、1H)7.49(m、2H)。
【0097】
工程2:(2,3−ジクロロフェニル)−メタンスルホン酸の調製
(2,3−ジクロロフェニル)−メタンスルホン酸のナトリウム塩(5.0mmol)を50mL MeOH中に懸濁させ、50℃で1時間撹拌した後、−10℃まで冷却した。数秒間HClガスを吹き込み、得られた白色懸濁液を−10℃で1時間撹拌した。その混合物をセライト(Celite)(登録商標)で濾過し、蒸発させた。得られた残留物に60mLの乾燥アセトンを加えて粉砕し、濾過した。その濾液を蒸発させると黄色の半固体が得られた。この固体に40mL 2:1 エーテル:ヘキサンを加えて粉砕した。得られた固体を濾過し、ヘキサンで洗浄して、902mgの(2,3−ジクロロフェニル)−メタンスルホン酸を得た。1H NMR(400MHz、DMSO−D6)δppm 3.96(s、2H)7.27(t、J=7.83Hz、1H)7.49(m、2H)。
【0098】
工程3:(2,3−ジクロロフェニル)−メタンスルホニルクロライドの調製
(2,3−ジクロロフェニル)−メタンスルホン酸(260mg、1.0mmol)を5mL 乾燥THF中に溶解させ、0℃まで冷却した。触媒量のDMFを加えた後、オキサリルクロライド(0.44mL、5.0mmol)を加えた。その反応混合物を90分かけて室温まで上昇させ、次にセライト(Celite)(登録商標)で濾過し、そのセライト(Celite)(登録商標)をさらに15mL 乾燥THFで洗浄した。濾液を約5mLの体積まで蒸発させ、次に5mL 水を少しずつ加え、その容器を水浴中で冷却した。この混合物を2×25mL EtOAcで抽出し、その有機相を合わせたものを飽和重炭酸ナトリウム、ブラインで洗浄し、乾燥させた(MgSO4)。濾過及び蒸発により粗生成物が黄色油として得られる。5% EtOAc/ヘキサンから30% EtOAc/ヘキサンのグラジエントを使用したシリカゲルのクロマトグラフィーにより、142mg(2,3−ジクロロフェニル)−メタンスルホニルクロライドが白色固体として得られる。1H NMR(400MHz、クロロホルム−D)δppm 5.09(s、2H)7.25(t、J=7.96Hz、1H)7.45(m、1H)7.53(dd、J=8.08、1.52Hz、1H)。
【実施例9】
【0099】
(2−ホルミル−フェニル)−メタンスルホニルクロライドの調製
工程1:2−ブロモメチル−ベンズアルデヒドの調製
0℃のDCM中のα−ブロモ−o−トルニトリル(10g、51mmol)に、DIBAL−H(ヘキサン中1M、55mL、55mmol)を加え、その反応混合物を同じ温度で3.5時間撹拌した後、5% HBrの冷溶液中に注いだ。さらに15分間撹拌した後、層を分離させ、水層をDCMで抽出し、有機層を合わせたものをNaHCO3及び水で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、蒸発させて、暗色液体(9.4g)を得た。この材料は、さらに精製を行うことなく次の工程で直接使用した。
【0100】
工程2:(2−ホルミル−フェニル)−メタンスルホン酸ナトリウム塩の調製
実施例1の工程1に記載の手順を使用して、2−ブロモメチル−ベンズアルデヒド(1.58g、7.94mol)から(2−ホルミル−フェニル)−メタンスルホン酸ナトリウム塩(1.40g、80%)をオフホワイトの固体として得た。(L27234−72)。
【0101】
工程3:(2−ホルミル−フェニル)−メタンスルホン酸の調製
実施例1の工程2に記載の手順を使用して、(2−ホルミル−フェニル)−メタンスルホン酸ナトリウム塩(1.40g、6.30mmol)から(2−ホルミル−フェニル)−メタンスルホン酸(418mg、33%)を淡黄色固体として得た。(L27234−73)。
【0102】
工程4:(2−ホルミル−フェニル)−メタンスルホニルクロライドの調製
実施例1の工程3に記載の手順を使用して、(2−ホルミル−フェニル)−メタンスルホン酸(418mg、2.09mmol)から(2−ホルミル−フェニル)−メタンスルホニルクロライド(367mg、80%)を得た。1HNMR(400MHz、CDCl3)δ 10.15(s、1H)、7.92(dd、1H)、7.74〜7.61(m、3H)、5.67(s、2H)。(L27234−74)。
【実施例10】
【0103】
(3,4−ジクロロフェニル)−メタンスルホニルクロライドの調製
工程−1の出発物質として2,3−ジクロロベンジルクロライドを3,4−ジクロロベンジルクロライドで置き換えるなど、実施例8の手順を適切に修正することにより、当業者により表題化合物を調製することができる。
【0104】
種々の変更及び/又は修正を本発明の態様又は実施形態に対して行うことができ、このような変更及び/又は修正を本発明の意図から逸脱しないようにできることは、当業者には理解できるであろう。したがって、添付の請求項が、本発明の意図及び範囲に含まれるすべてのこのような同等の変形を含むことを意図している。本出願は、2004年2月25日に出願された米国仮出願第60/547,600号明細書(この記載内容全体が本明細書に組み込まれる)の優先権の利益を主張する。本特許文献に記載されるすべての特許、出願、および書籍などの印刷刊行物は、それらの記載内容全体が本明細書に組み込まれることを意図している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物:
Ar−R−SO2−X

(上式中:
Arは、ハロゲン、C1〜C6アルキル、C3〜C7シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ホルミル、シアノ、ニトロ、OH、C1〜C6アルコキシ、アリールアルキルオキシ、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C3パーハロアルキル、C1〜C6ハロアルコキシ、C1〜C3パーハロアルコキシ、NR12、NR1COR3、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、及びヘテロアリールオキシからなる群より選択される1又はそれ以上の置換基によって場合により置換されていてもよいアリール又はヘテロアリールであり;
RはC1〜C6アルキレニルであり;
1及びR2はそれぞれ独立して、H、C1〜C6アルキル、及びC3〜C7シクロアルキルからなる群より選択される;あるいはR1及びR2とそれらが結合するN原子とを合わせたものが5員又は6員複素環を形成し;
3は、H、C1〜C6アルキル、及びC3〜C7シクロアルキルからなる群より選択され;
Xはハロゲンである)
を調製する方法であって、
(a)式IIの化合物:
Ar−R−L
II
(上式中、Lは脱離基である)
を、I族又はII族の金属の亜硫酸塩と、場合により相間移動触媒の存在下で反応させて、式IIIのスルホン酸塩化合物:
(Ar−R−SO3-1q
III
(上式中、MはI族又はII族の金属イオンであり;
MがI族の金属イオンである場合にはqは1であり、MがII族の金属イオンである場合にはqは2である)
を生成する工程と、
(b)前記式IIIの化合物をプロトン酸と反応させて、式IVのスルホン酸化合物:
Ar−R−SO3
IV
を生成する工程と、
(c)前記式IVの化合物をハロゲン置換試薬と反応させて、前記式Iの化合物を生成する工程とを含む方法。
【請求項2】
工程(a)の前記反応が相間移動触媒の存在下で実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
工程(a)が、前記式IIIの化合物を沈殿させ、得られた沈殿物を場合により濾過することによって、前記式IIIの化合物を単離する工程をさらに含む、請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項4】
工程(a)の前記反応が水を含む溶媒中で実施される、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記沈殿が、
(1)工程(a)の反応混合物を水溶性金属ハライド塩で処理する;又は
(2)実質的に水と混和性でない溶媒を、工程(a)の反応混合物に加える;又は、
(1)及び(2)の両方;
によって促進される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記水溶性金属ハライド塩がNaClを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
実質的に水と混和性でない前記溶媒が酢酸エチルを含む請求項5又は請求項6に記載の方法。
【請求項8】
工程(b)の前記プロトン酸が、HCl、HBr、H3PO4、HNO3、HClO4、及びH2SO4、またはそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記プロトン酸がHClを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記プロトン酸が気体HClを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
工程(b)の前記反応がアルコールを含む溶媒中で実施される、請求項1から10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記アルコールがメタノールを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記工程(b)が、前記式IVの化合物を沈殿させ、得られた沈殿物を場合により濾過することによって、前記式IVの化合物を単離する工程をさらに含む、請求項1から12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記ハロゲン置換試薬が、SOCl2、POCl3、CCl4/トリフェニルホスフィン、オキサリルクロライド、及びオキサリルブロマイドからなる群より選択される、請求項1から13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記ハロゲン置換試薬がオキサリルクロライドを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
工程(c)の前記反応がアシル移動触媒の存在下で実施される、請求項1から15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記アシル移動触媒が第3級アミドを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記アシル移動触媒がN,N−ジメチルホルムアミドを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
Arが、ハロゲン、C1〜C6アルキル、C3〜C7シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ホルミル、シアノ、ニトロ、OH、C1〜C6アルコキシ、アリールアルキルオキシ、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C3パーハロアルキル、C1〜C6ハロアルコキシ、C1〜C3パーハロアルコキシ、NR12、NR1COR3、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、及びヘテロアリールオキシからなる群より独立して選択される1又はそれ以上の置換基によって場合により置換されていてもよいフェニルである、請求項1から18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
Arが、ハロゲン、C1〜C6アルキル、C1〜C3パーハロアルキル、ホルミル、及びアリールアルキルオキシからなる群より選択される1又はそれ以上の置換基によって置換されたフェニルである、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
RがC1〜C4アルキレンである、請求項1から20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
Rがメチレンである、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
Lが、ハロゲン、OSO2CH3、OSO2CF3、及びOSO2−アリール’からなる群より選択され、アリール’が、C1〜C3アルキル及びハロゲンからなる群より独立して選択される1、2、又は3個の置換基によって場合により置換されていてもよいフェニル基である、請求項1から22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
LがClである、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
MがNa+イオン又はK+イオンである、請求項1から24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
XがClである、請求項1から25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
Arが、ハロゲン、C1〜C6アルキル、C1〜C3パーハロアルキル、ホルミル、アリールアルキルオキシ、NR12、及びNR1COR3からなる群より選択される1又はそれ以上の置換基によって場合により置換されていてもよいフェニルであり;
Rがメチレン又はエチレンであり;
1及びR2がそれぞれ独立して、H又はC1〜C6アルキルであり;
3がH又はC1〜C6アルキルであり;
XがClであり;
Lがハロゲンであり;
工程(a)の前記金属亜硫酸塩がNa2SO3であり;
工程(a)の前記相間移動触媒が存在し;
式IIIの前記スルホン酸塩化合物が式NaSO3−R−Arを有し;
前記工程(a)が、前記式IIIの化合物を単離する工程をさらに含み;
前記工程(b)が、前記式IVの化合物を単離する工程をさらに含み;
工程(c)前記ハロゲン置換試薬がオキサリルクロライドである、請求項1に記載の方法。
【請求項28】
前記式Iの化合物が、(3,4−ジクロロフェニル)−メタンスルホニルクロライド、(2,6−ジメチルフェニル)−メタンスルホニルクロライド、(2−メチルフェニル)−メタンスルホニルクロライド、(2,6−ジフルオロフェニル)−メタンスルホニルクロライド、2−フルオロ−6−(トリフルオロメチルフェニル)−メタンスルホニルクロライド、2,6−ビス(トリフルオロメチルフェニル)−メタンスルホニルクロライド、(2−トリフルオロメチルフェニル)−メタンスルホニルクロライド、(2−ベンジルオキシ−フェニル)−メタンスルホニルクロライド、(2,3−ジクロロフェニル)−メタンスルホニルクロライド、又は(2−ホルミルフェニル)−メタンスルホニルクロライドである、請求項1に記載の方法。
【請求項29】
式Iの化合物、Ar、R、及びXが以下の表に従って選択される、請求項1から18のいずれか1項に記載の方法。
【表1】



【請求項30】
式IVの化合物:
Ar−R−SO3
IV
(上式中:
Arは、ハロゲン、C1〜C6アルキル、C3〜C7シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ホルミル、シアノ、ニトロ、OH、C1〜C6アルコキシ、アリールアルキルオキシ、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C3パーハロアルキル、C1〜C6ハロアルコキシ、C1〜C3パーハロアルコキシ、NR12、NR1COR3、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、及びヘテロアリールオキシからなる群より選択される1又はそれ以上の置換基によって場合により置換されていてもよいアリール又はヘテロアリールであり;
RはC1〜C6アルキレニルであり;
1及びR2はそれぞれ独立して、H、C1〜C6アルキル、及びC3〜C7シクロアルキルからなる群より選択される;あるいはR1及びR2とそれらが結合するN原子とを合わせたものが5員又は6員複素環を形成し;
3は、H、C1〜C6アルキル、及びC3〜C7シクロアルキルからなる群より選択される)
を調製する方法であって、
a)溶媒中で、式IIの化合物:
Ar−R−L
II
(上式中、Lは脱離基である)
を、I族又はII族の金属の亜硫酸塩と、場合により相間移動触媒の存在下で、反応させて、式IIIのスルホン酸塩化合物:
(Ar−R−SO3-1q
III
(上式中、MはI族又はII族の金属イオンであり;
MがI族の金属イオンである場合にはqは1であり、MがII族の金属イオンである場合にはqは2である)
を生成する工程と、
b)前記式IIIの化合物をプロトン酸と反応させて、前記式IVの化合物を生成する工程とを含む方法。
【請求項31】
式IIIの化合物:
(Ar−R−SO3-1q
III
(上式中、MはI族又はII族の金属イオンであり;MがI族の金属イオンである場合にはqは1であり、MがII族の金属イオンである場合にはqは2であり;
Arは、ハロゲン、C1〜C6アルキル、C3〜C7シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ホルミル、シアノ、ニトロ、OH、C1〜C6アルコキシ、アリールアルキルオキシ、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C3パーハロアルキル、C1〜C6ハロアルコキシ、C1〜C3パーハロアルコキシ、NR12、NR1COR3、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、及びヘテロアリールオキシからなる群より独立して選択される1又はそれ以上の置換基によって場合により置換されていてもよいアリール又はヘテロアリールであり;
RはC1〜C6アルキレニルであり;
1及びR2はそれぞれ独立して、H、C1〜C6アルキル、及びC3〜C7シクロアルキルからなる群より選択される;あるいはR1及びR2とそれらが結合するN原子とを合わせたものが5員又は6員複素環を形成し;
3は、H、C1〜C6アルキル、及びC3〜C7シクロアルキルからなる群より選択される)
を調製する方法であって、
式IIの化合物:
Ar−R−L
II
(上式中、Lは脱離基である)
を、I族又はII族の金属の亜硫酸塩と、場合により相間移動触媒の存在下で、反応させて、前記式IIIの化合物を含有する反応混合物を形成する工程と;
前記式IIIの化合物を単離する工程と;
前記単離工程が、前記式IIIの化合物を前記反応混合物から沈殿させることによって実施され;
前記沈殿が、
(1)前記反応混合物を水溶性金属ハライド塩で処理する;又は
(2)実質的に水と混和性でない溶媒を、前記反応混合物に加える;又は、
(1)及び(2)の両方;
によって促進される、方法。

【公表番号】特表2007−523954(P2007−523954A)
【公表日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−500927(P2007−500927)
【出願日】平成17年2月23日(2005.2.23)
【国際出願番号】PCT/US2005/005624
【国際公開番号】WO2005/082843
【国際公開日】平成17年9月9日(2005.9.9)
【出願人】(591011502)ワイス (573)
【氏名又は名称原語表記】Wyeth
【Fターム(参考)】