説明

アリールジニトリルオキシドの接着剤組成物における使用

本発明は、天然ゴム、ポリイソプレン、ポリブタジエン、スチレン/ブタジエンコポリマー、スチレン/イソプレンコポリマー、ブタジエン/イソプレンコポリマーおよびスチレン/ブタジエン/イソプレンターポリマーによって形成される群から選ばれる少なくとも1種の高不飽和エラストマー;脂肪族溶媒;および、少なくとも1種の安定なアリールジニトリルオキシド化合物を含む“硬化”系をベースとする接着剤組成物の、加硫ゴム部品と未硬化または予備加硫または加硫ゴム部品との間での使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磨耗タイヤの再トレッド形成またはタイヤの修復を意図するパッチの製造のための2つの未硬化または予備加硫(prevulcanized)または加硫(vulcanized)ゴム部品用の結合用ゴム(tie rubber)として機能することを意図する、加硫ゴム部品と未硬化または予備加硫または加硫ゴム部品との間での接着剤組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
タイヤ、特に、重量車両タイヤ、航空機タイヤまたは土木工学車両タイヤを再トレッド形成するまたは修復する以下のような種々の方法が知られている:特にプラグ形状の修復パッチまたは修復ゴムを使用して再トレッド形成および/または修復したタイヤカバーを圧力下のモールド内で150℃の温度で硬化させることからなる“高温(hot)”再トレッド形成、トレッドおよび/または保護プライおよび/またはカーカスおよび修復ゴムを95℃〜115℃程度の比較的低温で加硫することからなる“冷間(cold)”再トレッド形成および/または修復、および60℃〜20℃程度の温度でそのような低温において機能することになっている加硫促進剤を使用して操作することからなる“低温(low temperature)” 再トレッド形成および/または修復。
【0003】
“高温”および“冷間”方法に関しては、“低温”再トレッド形成および/または修復方法は、結合用ゴムの隣接ゴムコンパウンドへの良好な接着を必要とする。これらの結合用ゴムにおいては、従って、周囲温度において高反応性であって迅速な硬化速度と高度の架橋を担保するような加硫系を使用することが必要である。“硬化”系のこれらの2つの性能は、このタイプの用途において必要とする架橋レベルを20℃〜30℃程度の周囲温度において相応な時間内、即ち、せいぜい24時間以内で得るためには不可欠である。事実、タイヤ再トレッド形成および修復市場においては、周囲温度においてせいぜい24時間以内で実施することのできるパッチによる再トレッド形成および/または修復方法が正に求められている。
【0004】
タイヤ用の、特に、ラジアルカーカス磨耗重量車両タイヤ用の修復パッチは、一般に合成繊維製のコードの形の補強要素を必要に応じて含む各種ゴム層のアッセンブリと、修復すべきタイヤカバーの位置においてタイヤカバーの内部ライナーに適用することを意図する接着用ゴム組成物の薄層とを含む。
【0005】
本発明者等が行った研究は、低温において通常に機能しなければならない加硫促進剤はタイヤを45℃で再トレッド形成または修復することを意図する2つの未硬化または予備加硫または加硫ゴム部品に対する結合用ゴムとしての使用において満足し得る架橋レベルを得るのを可能にしないと結論付けることを可能にした。上記問題を解決するために、その後、本発明者等は、明確には天然ゴム(NR)と周囲温度以上において高反応性である2個の官能基を有する化合物による架橋のようなもう1つの概念を調査し、そのような化合物のうちで、アリールジニトリルオキシド化合物の、さらに詳細には、アリールジニトリルオキシド化合物からメシチレンジニトリルオキシド(MDNO)の使用を選択した。
【0006】
特許 FR 1 583 406号は、ポリマーマトリックス中での、特に、ポリブタジエン、天然ゴム、ブタジエン/スチレンコポリマーおよびブチルゴムを含むそのようなマトリックスの構成ポリマーの0℃〜100℃の範囲の温度での架橋を可能にするための多官能性ジニトリルオキシド類の現場生成を開示し、周囲温度を使用することを推奨しているものの、その場合、架橋には数日間を要している。この現場生成は、多官能性ジニトリルオキシドの高不安定性によって妥当であるとしている。
【0007】
特許出願 EP 0 903 338 A2号は、MDNOのような安定なアリールジニトリルオキシド化合物の合成方法を記載しており、これらの化合物を、飽和オレフィン系ポリマーラテックスを周囲温度において“硬化”または“加硫”するための剤として使用し得ることを示唆している。
特許 US 6 252 009 B1号は、MDNOのような安定なジニトリルオキシド類のアクリルポリマーの架橋における使用を開示している。
【0008】
従って、従来技術においては、タイヤの再トレッド形成において使用する結合用ゴムまたはタイヤの修復において使用するパッチ用のジエンエラストマー組成物において、即ち、高不飽和エラストマー組成物において、20℃と30℃の間の周囲温度においてのせいぜい24時間の短時間での硬化および周囲温度での硬化後の高架橋効率の双方を授与することのできる“硬化”系は、存在しない。
【発明の概要】
【0009】
本発明の主題は、天然ゴム、ポリイソプレン、ポリブタジエン、スチレン/ブタジエンコポリマー、スチレン/イソプレンコポリマー、ブタジエン/イソプレンコポリマーおよびスチレン/ブタジエン/イソプレンターポリマーによって形成される群から選ばれる少なくとも1種の高不飽和エラストマー;脂肪族溶媒;および、少なくとも1種の安定なアリールジニトリルオキシド化合物を含む“硬化”系をベースとする接着剤組成物の、加硫ゴム部品と未硬化または予備加硫または加硫ゴム部品との間での使用に関する。
【0010】
安定なアリールジニトリルオキシド化合物としては、特許出願 EP 0 903 338 A2号に記載されている化合物が、特に適している。
1つの好ましい実施態様によれば、上記の安定なアリールジニトリルオキシド化合物は、メシチレンジニトリルオキシド(MDNO)およびビスメシチレンジニトリルオキシド(BMNO)である。
安定なアリールジニトリルオキシド化合物の含有量は、有利には1phr (エラストマー100質量部当りの質量部)と20phrの間、好ましくは2phrと15phrの間、より好ましくは5phrと10phrの間の量である。
【0011】
本発明の1つの実施態様によれば、操作温度は60℃よりも低く、好ましくは、操作温度は18℃と45℃の間である。
本発明の1つの特徴によれば、上記加硫ゴム部品はタイヤの1部によって構成され、特に、上記加硫ゴム部品は、上記タイヤのカーカス、トレッド、側壁または上記タイヤの内部ライナーによって構成される。
本発明のもう1つの特徴によれば、上記加硫ゴム部品は、重量車両用、土木工学車両用または航空機用のタイヤの1部によって構成される。
【0012】
本発明のもう1つの特徴によれば、上記未硬化または加硫または予備加硫ゴム部品は、タイヤ修復パッチの構成要素である。
また、本発明は、少なくとも1つの未硬化または予備加硫または加硫ゴム部品と、天然ゴム、ポリイソプレン、ポリブタジエン、スチレン/ブタジエンコポリマー、スチレン/イソプレンコポリマー、ブタジエン/イソプレンコポリマーおよびスチレン/ブタジエン/イソプレンターポリマーによって形成される群から選ばれる少なくとも1種の高不飽和エラストマー;脂肪族溶媒;および、少なくとも1種の安定なアリールジニトリルオキシド化合物を含む“硬化”系をベースとする接着剤組成物とを含むタイヤ修復パッチにも関する。
【0013】
また、本発明は、天然ゴム、ポリイソプレン、ポリブタジエン、スチレン/ブタジエンコポリマー、スチレン/イソプレンコポリマー、ブタジエン/イソプレンコポリマーおよびスチレン/ブタジエン/イソプレンターポリマーによって形成される群から選ばれる少なくとも1種の高不飽和エラストマー;脂肪族溶媒;および、少なくとも1種の安定なアリールジニトリルオキシド化合物を含む“硬化”系をベースとする少なくとも1種の組成物を含むタイヤにも関する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
I. 発明の詳細な説明
本説明においては、他で明確に断らない限り、示す百分率(%)は、全て質量%である。さらにまた、“aとbの間”なる表現によって示される値の間隔は、いずれも、aよりも大きいからbよりも小さいに至る値の範囲を示し(即ち、限界値aとbを除く)、一方、“a〜b”なる表現によって示される値の間隔は、いずれも、aから出発しbに至る値の範囲を意味する(即ち、厳格な限定値aおよびbを含む)。
【0015】
I‐1. ジエンエラストマー
用語“ジエン”エラストマーまたはゴムは、知られている通り、ジエンモノマー(共役型であってもまたはなくてもよい2個の炭素‐炭素結合を担持するモノマー)に少なくとも1部由来する1種以上のエラストマー(即ち、ホモポリマーまたはコポリマー)を意味するものと理解すべきである。
【0016】
これらのジエンエラストマーは、2つのカテゴリー、即ち、“本質的に不飽和”または“本質的に飽和”に分類し得る。用語“本質的に不飽和”とは、一般に、15%(モル%)よりも多いジエン起原(共役ジエン)単位含有量を有する、少なくとも1部共役ジエンモノマーに由来するジエンエラストマーを意味するものと理解されたい;従って、ブチルゴムまたはEPDEタイプのジエンとα‐オレフィンとコポリマーのようなジエンエラストマーは、上記の定義に属さず、詳細には、“本質的に飽和”のジエンエラストマー(常に15%よりも低い、低いまたは極めて低いジエン起原単位含有量)として説明し得る。“本質的不飽和”のジエンエラストマーのカテゴリーにおいては、用語“高不飽和”ジエンエラストマーは、特に、50%よりも多いジエン起原(共役ジエン)単位含有量を有するジエンエラストマーを意味するものと理解されたい。
【0017】
本発明に従う組成物のジエンエラストマーは、好ましくは、ポリブタジエン(“BR”と略記する)、合成ポリイソプレン(IR)、天然ゴム(NR)、ブタジエンコポリマー、イソプレンコポリマーおよびこれらのエラストマーのブレンドからなる高不飽和ジエンエラストマーの群から選ばれる。そのようなコポリマーは、さらに好ましくは、ブタジエン/スチレンコポリマー(SBR)、イソプレン/ブタジエンコポリマー(BIR)、イソプレン/スチレンコポリマー(SIR)およびイソプレン/ブタジエン/スチレンコポリマー(SBIR)からなる群から選ばれる。
また、上記組成物は、酸化亜鉛、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛および1種以上の樹脂のような、タイヤカバー用のゴム組成物において通常に使用する添加剤も含み得る。
【0018】
I‐2. 安定なアリールジニトリルオキシド化合物
安定なアリールジニトリルオキシド化合物としては、メシチレンジニトリルオキシド(MDNO)およびビスメシチレンジニトリルオキシド(BMNO)が、特に適している。
これらの化合物の合成は、特に、特許出願 EP 0 903 338 A2号および下記の刊行物に記載されている:
MDNOについて:
・Synthesis of stable functionally substituted nitrile oxides of the aromatic series, D.V. Tsyganov, A.P. Yakubov, L.I. Belen'kii and M.M. Krayushkin, Russ. Chem. Bull, 1991, 1078‐1080;
BMNOについて:
・Synthesis and properties of stable aromatic bis(nitrile oxides), D.V. Tsyganov, A.P. Yakubov, L.I. Belen'kii and M.M. Krayushkin, Russ. Chem. Bull, 1991, 40, 6, 1238‐1243;および、
・Synthesis of sterically hindered dialdehyde, A.P. Yakubov, D.V. Tsyganov, L.I. Belen'kii and M.M. Krayushkin M.M. Krayushkin et al., Russ. Chem. Bull., 1991, Vol 40, No. 7, 1509‐1512。
【0019】
II. 本発明の典型的な実施態様
以下、典型的な実施態様によって本発明を説明するが、本発明を限定するものではない。
II‐1. 接着試験
本発明に従う接着剤組成物を、接着試験によって評価する。
接着試験は、一方で“硬化”系を含む接着剤組成物、結合用ゴムおよび2つの加硫組成物を含む組立て多構成材試験標本の一軸引張引き剥がし力(uniaxial tensile pull-off force)を測定することからなる。上記試験標本は、上記接着剤組成物が架橋し得るような所定条件に従う加熱処理を受ける。実際には、2つのアッセンブリが上記試験標本内には見出され、これらの2つは、上記接着剤組成物により、それぞれ、アッセンブリの一方に対するカーカスプライNC部分と他方のアッセンブリに対するタイヤの内部コーティーングゴムの部分に相応するタイヤの表面部分に結合させた再トレッド形成用または修復用ゴムのアッセンブリに相応する。
【0020】
従って、上記接着試験において使用する試験標本は、5つの構成材、即ち、(i) タイヤの表面要素に相応する加硫ゴム部品(硬化繊維製の補強プライ、カーカスプライNC面)、(ii) 本発明に従う接着剤組成物、(iii) 小さい厚さを有する未硬化層の形の、再トレッド形成用または修復用ゴムを構成する組成物、(iv) 本発明に従う接着剤組成物および(v) タイヤの表面要素に相応する加硫ゴム部品(内部ライナーGI面)の積み重ね体である。
【0021】
a) 材料(i)の製造
材料(i)は、NR、カーボンブラック、増量剤オイル、およびイオウと加硫促進剤をベースとする標準加硫系を含む他の標準添加剤をベースとするコンパウンドである。材料(v)は、ブチルゴム(イソブチレンとイソプレンのコポリマー)、カーボンブラック、増量剤オイル、およびイオウと加硫促進剤をベースとする標準加硫系を含む他の標準添加剤のコンパウンドである。未硬化コンパウンドの超微細層の形で製造した組成物(iii)は、下記の配合に従う促進剤を含まないNR/カーボンブラック/増量剤オイルコンパウンドである:
【0022】
【表1】

後者のコンパウンドは、修復パッチを示す。
【0023】
接着剤組成物(ii)および(iv)の製造
上記接着試験における試験標本を作成するために、本発明に従う接着剤組成物を、先ず、イオウと促進剤を含まず、一定容量の溶媒、ジエンエラストマー(この場合、可塑化NR)および添加剤からなり、下記の配合物1に相応するゴム溶液の形で調製する。
【0024】
【表2】

(1) Resin‐OPFT樹脂は、オクチル置換フェノール‐ホルムアルデヒド樹脂であり;
(2) PTFは、溶媒を除いた配合物のそれぞれphrおよびグラムでの構成成分の総質量である。
【0025】
c) 対照組成物の調製
また、対照試験標本も、下記の配合物2に相応する結合用ゴムのゴム溶液の形の対照組成物によって作成する:
【0026】
【表3】

(3) ZIPX:イソプロピルキサントゲン酸亜鉛;
(4) DPG:ジフェニルグアニジン。
【0027】
上記ゴム溶液を調製するには、可塑化天然ゴム(NR)を秤量し、小砕片として漏れ止め500mlボトル内に導入し、その後、70mlのヘプタンを添加する。ボトルを密閉し、次いで、ボトルを1夜撹拌下に保ちながら均質化する。翌日、NR以外の、必要に応じて破砕した各種構成成分を秤量し、第2の250mlフラスコに導入する。次に、20mlのヘプタンを添加し、次いで、フラスコを、周囲温度(22℃)で1時間撹拌する。その後、得られた溶液を超音波浴に5分間供し、その後、5分間静置し、再び、超音波浴にさらに5分間供する。この溶液を上記のNR溶液に導入し、その後、250mlフラスコを10mlのヘプタンで濯ぎ、このヘプタンを、各成分を含むフラスコに添加する。その後、このフラスコを、周囲温度で10分間撹拌する。ゴム溶液の形でそのようにして調製した結合用ゴムを、最後の撹拌工程を実施すると直ぐに、下記で説明するプロトコールに従う接着試験において使用する試験標本に適用する。
【0028】
d) 試験標本の作成
接着試験を実施する試験標本は、下記の工程順序に従って作成する:
1) 上記試験標本を、10mmの幅を有する小ストリップ(トレッドマークと平行)に切断する(即ち、およそ12本の小ストリップ)。(端部領域は、測定の良好な再現性のために除去する)。
【0029】
【表4】

【0030】
2) 20本×幅10mmの“未硬化コンパウンド層”のコンパウンドのストリップを切断する。
3) 試験標本を下記の手順に従って組み立てる(ヒュームフードの下で):
・第1の小ストリップを取上げ、0.1mlの接着剤組成物を適用する;
・放置して約10分間乾燥させる;
・未硬化コンパウンドのストリップをこの領域に付着させる;
・未硬化コンパウンドのストリップの他の面上で、接着剤組成物と第2の小ストリップによる同じ操作を実施する。
4) 各試験標本を所望の時間および所望の温度(周囲温度で24時間)で硬化させる。
【0031】
e) 試験条件
そのようにして組み立てた試験標本を、接着試験を下記の条件下で実施するのに使用する。
接着試験は、INSTRON 5565装置を使用して実施する。試験標本を、3cmの領域に亘るその2つの末端で顎によって取付ける。装置の上の部分は、試験標本が破断するまで100mm/分で移動する。その力Nを、試験した試験標本の伸びの関数として表す。“引き剥がし力”としても知られているこの力Nは、架橋効率に関連している:高い引き剥がし力が高架橋効率を示す。
【0032】
配合物1および2を、上記のプロトコールに従って試験した2通りの試験標本を作成するのに使用し、測定結果は下記の表に記録している。
【0033】
【表5】

【0034】
得られた結果は、本発明に従う配合物1に相応する結合用ゴムによって得られた引き剥がし力は、ZIPX/DPG促進剤系(60℃のような比較的低温において先験的に機能することについて知られている系、従って、引き剥がし力は不十分であると言える)を含有する対照配合物2に相応する結合用ゴムによって得られた引き剥がし力よりも2.7倍大きいことを示しており、このことは、通常の加硫促進剤を使用している溶液と比較して、24時間の設定時間におけるMDNOの有意な架橋活性を明白にしている。上記架橋レベルは、このタイプのゴム用途において、即ち、特にラジアルカーカスを有する重量車両用の再トレッド形成タイヤの製造或いは磨耗タイヤの修復を意図するパッチの製造における2つの未硬化または予備加硫または加硫ゴム部品に対する結合用ゴムとして必要な架橋レベルに達している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天然ゴム、ポリイソプレン、ポリブタジエン、スチレン/ブタジエンコポリマー、スチレン/イソプレンコポリマー、ブタジエン/イソプレンコポリマーおよびスチレン/ブタジエン/イソプレンターポリマーによって形成される群から選ばれる少なくとも1種の高不飽和エラストマー;
脂肪族溶媒;並びに、
少なくとも1種の安定なアリールジニトリルオキシド化合物を含む“硬化”系、
をベースとする接着剤組成物の、加硫ゴム部品と未硬化または予備加硫または加硫ゴム部品との間での使用。
【請求項2】
前記安定なアリールジニトリルオキシド化合物が、メシチレンジニトリルオキシド(MDNO)である、請求項1記載の使用。
【請求項3】
前記安定なアリールジニトリルオキシド化合物が、ビスメシチレンジニトリルオキシド(BMNO)である、請求項1記載の使用。
【請求項4】
安定なアリールジニトリルオキシド化合物の含有量が、1phr (エラストマー100質量部当りの質量部)と20phrの間である、請求項2又は3に記載の使用。
【請求項5】
安定なアリールジニトリルオキシド化合物の含有量が、2phrと15phrの間である、請求項4記載の使用。
【請求項6】
安定なアリールジニトリルオキシド化合物の含有量が、5phrと10phrの間である、請求項5記載の使用。
【請求項7】
操作温度が、60℃よりも低い、請求項1〜6のいずれか1項記載の使用。
【請求項8】
操作温度が、18℃と45℃の間である、請求項7記載の使用。
【請求項9】
前記加硫ゴム部品が、タイヤの1部によって構成される、請求項1〜8のいずれか1項記載の使用。
【請求項10】
前記加硫ゴム部品を構成するタイヤの1部が、前記タイヤのカーカスである、請求項9記載の使用。
【請求項11】
前記加硫ゴム部品を構成するタイヤの1部が、前記タイヤのトレッドである、請求項9記載の使用。
【請求項12】
前記加硫ゴム部品を構成するタイヤの1部が、前記タイヤの側壁である、請求項9記載の使用。
【請求項13】
前記加硫ゴム部品を構成するタイヤの1部が、前記タイヤの内部ライナーである、請求項9記載の使用。
【請求項14】
前記タイヤが、重量車両タイヤである、請求項9〜13のいずれか1項記載の使用。
【請求項15】
前記タイヤが、土木工学車両タイヤである、請求項9〜13のいずれか1項記載の使用。
【請求項16】
前記タイヤが、航空機タイヤである、請求項9〜13のいずれか1項記載の使用。
【請求項17】
前記未硬化または加硫または予備加硫ゴム部品が、タイヤ修復パッチの構成要素である、請求項9〜16のいずれか1項記載の使用。
【請求項18】
少なくとも1つの未硬化または予備加硫または加硫ゴム部品と、
天然ゴム、ポリイソプレン、ポリブタジエン、スチレン/ブタジエンコポリマー、スチレン/イソプレンコポリマー、ブタジエン/イソプレンコポリマーおよびスチレン/ブタジエン/イソプレンターポリマーによって形成される群から選ばれる少なくとも1種の高不飽和エラストマー;脂肪族溶媒;並びに、少なくとも1種の安定なアリールジニトリルオキシド化合物を含む“硬化”系をベースとする接着剤組成物と、
を含むタイヤ修復パッチ。
【請求項19】
前記安定なアリールジニトリルオキシド化合物が、メシチレンジニトリルオキシド(MDNO)である、請求項18記載のタイヤ修復パッチ。
【請求項20】
前記安定なアリールジニトリルオキシド化合物が、BMNOである、請求項18記載のタイヤ修復パッチ。
【請求項21】
天然ゴム、ポリイソプレン、ポリブタジエン、スチレン/ブタジエンコポリマー、スチレン/イソプレンコポリマー、ブタジエン/イソプレンコポリマーおよびスチレン/ブタジエン/イソプレンターポリマーによって形成される群から選ばれる少なくとも1種の高不飽和エラストマー;
脂肪族溶媒;並びに、
少なくとも1種の安定なアリールジニトリルオキシド化合物を含む“硬化”系、
をベースとする少なくとも1種の組成物を含むタイヤ。
【請求項22】
前記安定なアリールジニトリルオキシド化合物が、メシチレンジニトリルオキシド(MDNO)である、請求項21記載のタイヤ。
【請求項23】
前記安定なアリールジニトリルオキシド化合物が、BMNOである、請求項21記載のタイヤ。

【公表番号】特表2012−522088(P2012−522088A)
【公表日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−502631(P2012−502631)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【国際出願番号】PCT/EP2010/054172
【国際公開番号】WO2010/112492
【国際公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(599093568)ソシエテ ド テクノロジー ミシュラン (552)
【出願人】(508032479)ミシュラン ルシェルシュ エ テクニーク ソシエテ アノニム (499)
【Fターム(参考)】