説明

アリール(ジオラート)ボラン類の製造方法

【課題】医農薬や機能性材料の原料となるビアリール類の合成中間体として重要な化合物であるアリール(ジオラート)ボラン類の簡便な製造方法の提供。
【解決手段】パラジウム触媒および酢酸塩の存在下、2,2’−ビ(1,3,2−ベンゾジオキサボロール)誘導体とベンゼン誘導体を反応させ、次いでジオール類を反応させてアリール(ジオラート)ボラン類(4)を製造する。


(式中、Rは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基等を示す。nは1または2を示す。RおよびRは同一または異なって、水素原子またはメチル基を示す。Aはメチレン基、ジメチルメチレン基等を示す。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アリール(ジオラート)ボラン類の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アリール(ジオラート)ボラン類は、医農薬や機能性材料の原料となるビアリール類の合成中間体として重要な化合物である(例えば非特許文献1)。通常これらのボラン類の合成法としては、ハロゲン化アリールに金属リチウムやマグネシウムを作用させてアリール金属種に変換した後、求電子性のホウ素化試薬と反応させる方法が一般的である。しかしながら、金属リチウムやマグネシウムに敏感な官能基を有するものには適用できない。
【0003】
また近年、アリール(ジオラート)ボラン類の一つである2−アリール−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン類の合成法として、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン)(ビス(ピナコラート)ジボロン)とハロゲン化アリールを遷移金属触媒の存在下に反応させる方法が開示されている(非特許文献2および3)。しかしながら、ビス(ピナコラート)ジボロンは、合成原料が非常に高価であり、かつ合成に多段階を必要とするため、工業的スケールでの利用が制限されている。
【0004】
一方、合成がより容易で安価な2,2’−ビ(1,3,2−ベンゾジオキサボロール)誘導体を原料とするアリール(ジオラート)ボラン類の製造方法はこれまでに報告がない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Chem.Rev.1995年,95巻, 2457ページ.
【非特許文献2】J. Organomet. Chem., 2000年, 611巻, 392ページ.
【非特許文献3】J. Organomet. Chem., 2003年, 680巻, 3ページ.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、アリール(ジオラート)ボラン類の簡便な製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、パラジウム触媒および酢酸塩の存在下、2,2’−ビ(1,3,2−ベンゾジオキサボロール)誘導体とベンゼン誘導体を反応させ、次いでジオール類を反応させることにより、アリール(ジオラート)ボラン類を製造できることを見出した。
【0008】
すなわち本発明は、パラジウム触媒および酢酸塩の存在下、一般式(1)
【0009】
【化1】

(式中、Rは、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を示す。)で表される2,2’−ビ(1,3,2−ベンゾジオキサボロール)誘導体と一般式(2)
【0010】
【化2】

(式中、Rは、水素原子;フッ素原子、水酸基またはアミノ基で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基;フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルコキシ基;炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいフェニルオキシ基;(炭素数1〜4のアルキル)カルボニル基;(炭素数1〜4のアルコキシ)カルボニル基;カルボキシル基;ホルミル基;水酸基;ハロゲン原子;シアノ基;炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基または(炭素数1〜4のアルキル)カルボニル基で1つないし2つ置換されていてもよいアミノ基;カルバモイル基;(フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル)チオ基;スルファモイル基;フルオロスルホニル基;(フッ素原子で置換されていてもよいフェニル)オキシスルホニル基;またはフェニル基を示す。隣接する水酸基は、一体となって、炭素数1から3のアルキレンジオキシ基を形成してもよい。nは1から4を示す。Xは、塩素原子;臭素原子;ヨウ素原子;またはトリフルオロメチルスルホニルオキシ基を示す。)で表されるベンゼン誘導体を反応させ、次いで一般式(3)
【0011】
【化3】

(式中、RおよびRは同一または異なって、水素原子またはメチル基を示す。Aはメチレン基;ジメチルメチレン基;エチレン基;または単結合を示す。)で表されるジオール類を反応させることを特徴とする、一般式(4)
【0012】
【化4】

(式中、R、R、R、nおよびAは前記と同じ内容を示す。)で表されるアリール(ジオラート)ボラン類の製造方法に関するものである。
【0013】
以下に本発明をさらに詳細に説明する。はじめに、2,2’−ビ(1,3,2−ベンゾジオキサボロール)誘導体(1)、ベンゼン誘導体(2)およびジオール類(3)について説明する。
【0014】
本反応で用いることのできる2,2’−ビ(1,3,2−ベンゾジオキサボロール)誘導体(1)としては、市販品さらには既知の方法で製造することができる化合物を例示することができる。具体的には、2,2’−ビ(1,3,2−ベンゾジオキサボロール)誘導体(1)のRで表される炭素数1〜4の直鎖または分岐のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が例示できる。Rは、以上のアルキル基または水素原子のいずれでも良いが、原料入手が容易な点、収率が良い点で水素原子またはtert−ブチル基が好ましく、水素原子がさらに好ましい。
【0015】
本発明のベンゼン誘導体(2)としては、市販品さらには既知の方法で製造することができる化合物を例示することができる。具体的には、ベンゼン誘導体(2)のR中の炭素数1〜6のアルキル基は、直鎖状、分岐状のいずれでもよく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ネオペンチル基等が例示できる。これらのアルキル基は、フッ素原子、アミノ基または水酸基で置換されていてもよく、具体的には、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、フルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピル基、2−アミノエチル基、3−アミノプロピル基、4−アミノブチル基、5−アミノペンチル基、6−アミノヘキシル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、4−ヒドロキシブチル基、5−ヒドロキシペンチル基、6−ヒドロキシヘキシル基等を例示することができる。
【0016】
中の炭素数1〜4のアルコキシ基は、直鎖状、分岐状のいずれでもよく、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、sec−ブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基が例示できる。これらのアルコキシ基は、フッ素原子で置換されていてもよく、トリフルオロメトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロポキシ基等が例示できる。
【0017】
で表される炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいフェニルオキシ基としては、フェニルオキシ基、o−トリルオキシ基、m−トリルオキシ基、p−トリルオキシ基、4−エチルフェニルオキシ基、4−プロピルフェニルオキシ基、4−ブチルフェニルオキシ基等が例示できる。
【0018】
で表される(炭素数1〜4のアルキル)カルボニル基は、直鎖状、分岐状のいずれでもよく、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、sec−ブチルカルボニル基、ピバロイル基が例示できる。
【0019】
で表される(炭素数1〜4のアルコキシ)カルボニル基は、直鎖状、分岐状のいずれでもよく、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基が例示できる。
【0020】
で表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が例示できる。
【0021】
で表される、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基または(炭素数1〜4のアルキル)カルボニル基で1つないし2つ置換されていてもよいアミノ基のアルキル基は、直鎖状、分岐状のいずれでもよい。炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基または(炭素数1〜4のアルキル)カルボニル基で1つないし2つ置換されていてもよいアミノ基は、具体的には、アミノ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、sec−ブチルアミノ基、tert−ブチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、エチルメチルアミノ基、メチルプロピルアミノ基、ブチルメチルアミノ基、フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ビス(p−トリル)アミノ基、ビス(m−トリル)アミノ基、ビス(o−トリル)アミノ基、ジナフチルアミノ基、ナフチルフェニルアミノ基、メチルフェニルアミノ基、アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基、ブチリルアミノ基、イソブチリルアミノ基、バレリルアミノ基、イソバレリアミノル基、sec−ブチルカルボニルアミノ基、ピバロイルアミノ基等が例示できる。
【0022】
で表される、(フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル)チオ基のアルキル基は、直鎖状、分岐状のいずれでもよい。(フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル)チオ基は、具体的には、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、ブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基、トリフルオロメチルチオ基、2,2,2−トリフルオロエチルチオ基、1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピルチオ基等が例示できる。
【0023】
で表される(フッ素原子で置換されていてもよいフェニル)オキシスルホニル基としては、具体的には、フェニルオキシスルホニル基、4−フルオロフェニルオキシスルホニル基、3−フルオロフェニルオキシスルホニル基、2−フルオロフェニルオキシスルホニル基、3,5−ジフルオロフェニルオキシスルホニル基、3,4−ジフルオロフェニルオキシスルホニル基、2,4,6−トリフルオロフェニルオキシスルホニル基、2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニルオキシスルホニル基等が例示できる。
【0024】
またRが隣接する水酸基である場合、これらが一体となって、炭素数1から3のアルキレンジオキシ基を形成してもよく、具体的には、メチレンジオキシ基、エチレンジオキシ基、プロピレンジオキシ基等を例示することができる。
【0025】
ベンゼン誘導体(2)のXは、収率が良い点で臭素原子が好ましい。
【0026】
、RおよびAの組合せで表されるジオール類(3)としては、1,2−エタンジオール、1,3−プロパンジオール、2,3−ブタンジオール、2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオール、カテコール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール,2,4−ペンタンジオール、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール等が例示できる。
【0027】
次に本発明の製造方法を説明する。本発明の製造方法は、パラジウム触媒および酢酸塩の存在下、2,2’−ビ(1,3,2−ベンゾジオキサボロール)誘導体(1)とベンゼン誘導体(2)を反応させる工程1と、次いでジオール類(3)を反応させる工程2からなる。
【0028】
工程1の反応は、溶媒中で実施することができる。用いることのできる溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリドン等のアミド系溶媒、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、エチレングリコール、イソプロピルアルコール、ブタノール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、シクロヘキサノール、ヘキサノール、トリフルオロエタノール等のアルコール系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶媒等の有機溶媒や、水を例示することができる。さらにはこれらの混合溶媒が例示できる。さらに具体的には、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、1,2−ジメトキシエタン、エタノール、tert−ブチルアルコール、エタノールとジメチルスルホキシドの混合溶媒、tert−ブチルアルコールとジメチルスルホキシドの混合溶媒、エタノールと水の混合溶媒が好ましい。溶媒の使用量に特に制限は無い。
【0029】
工程1の反応は、パラジウム触媒の存在下に行うことが必須である。用いることができるパラジウム化合物としては、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ビス(ジフェニルホスフィノメタン)パラジウム、ビス(ジフェニルホスフィノエタン)パラジウム、ビス(ジフェニルホスフィノブタン)パラジウム、ビス(ジフェニルホスフィノプロパン)パラジウム、ビス(ジフェニルホスフィノフェロセン)パラジウム、トリス[トリ(tert−ブチル)ホスフィン]パラジウム、ジクロロビス[トリ(tert−ブチル)ホスフィン)]パラジウム、ジブロモビス[トリ(tert−ブチル)ホスフィン)]パラジウム等のホスフィン配位パラジウム錯体が例示できる。
【0030】
また、これらのホスフィン配位パラジウム錯体や、ジクロロビス(アセトニトリル)パラジウム、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム、塩化パラジウム、ジクロロ(1,5−シクロオクタジエン)パラジウム、酢酸パラジウム、(π−アリル)クロロパラジウム、ビス(アセチルアセトナート)パラジウム、臭化パラジウム等のパラジウム化合物と、トリフェニルホスフィン、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリプロピルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリイソブチルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、1,2−ビス(2,5−ジエチルホスホラノ)エタン、シクロヘキシルジフェニルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、エチルジフェニルホスフィン、プロピルジフェニルホスフィン、イソプロピルジフェニルホスフィン、ブチルジフェニルホスフィン、イソブチルジフェニルホスフィン、tert−ブチルジフェニルホスフィン、9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン、2−(ジフェニルホスフィノ)−2’−(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニル、1,2−ビス(2,5−ジメチルホスホラノ)ベンゼン、1,1’−ビス(ジイソプロピルホスフィノ)フェロセン、1,2−ビス(2,5−ジイソプロピルホスホラノ)ベンゼン、1,2−ビス(2,5−ジイソプロピルホスホラノ)ベンゼン、2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)ビフェニル、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2’−メチルビフェニル、ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、cis−1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エチレン、ビス(2−ジフェニルホスフィノエチル)フェニルホスフィン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、トリス(3,5−ジメチルフェニル)ホスフィン、トリス(4−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(2,4,6−トリメトキシフェニル)ホスフィン、トリ(m−トリル)ホスフィン、トリ(o−トリル)ホスフィン、トリ(p−トリル)ホスフィン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)ベンゼン、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビフェニル、ビス(2−メトキシフェニル)フェニルホスフィン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)ベンゼン、1−[2−(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]エチルジ−tert−ブチルホスフィン、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’−(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニル、トリス(トリメチルシリル)ホスフィン、2−ジ−tert−ブチルホスフィノ−2’−(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニル、2−ジ−tert−ブチルホスフィノ−2’−メチルビフェニル、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニルおよび2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2’,4’,6’−トリイソプロピル−1,1’−ビフェニル等の三級ホスフィンを組合せたパラジウム触媒を用いることもできる。ホスフィン配位パラジウム錯体やパラジウム化合物と三級ホスフィンを組み合わせたパラジウム触媒を用いる場合、パラジウムと三級ホスフィンのモル比に特に制限はないが、収率が良い点で0.1〜100が好ましく、0.5〜5がさらに好ましい。
【0031】
パラジウム触媒としては、収率が良い点や入手容易な点で、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムや、ジクロロビス(アセトニトリル)パラジウム、塩化パラジウムまたは酢酸パラジウムとトリフェニルホスフィンを組み合わせたパラジウム触媒が好ましい。
【0032】
パラジウム触媒の使用量に特に制限は無く、いわゆる触媒量でも十分反応は進行し、目的物を収率よく得ることができる。
【0033】
工程1の反応は、酢酸塩の存在下に行うことが必須である。用いることができる酢酸塩としては、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸セシウム等のアルカリ金属の酢酸塩、酢酸マグネシウム、酢酸カルシウム等のアルカリ土類金属の酢酸塩、酢酸銅、酢酸銀等の1B族金属の酢酸塩等が例示でき、これらの混合物を用いても良い。収率が良い点で、アルカリ金属塩が好ましく、酢酸ナトリウム、酢酸カリウムおよびこれらの混合物がさらに好ましい。
【0034】
酢酸塩の使用量に特に制限は無いが、収率が良い点でベンゼン誘導体(2)に対して1等量以上用いるのが好ましい。
【0035】
工程1の反応の反応温度に特に制限は無いが、−100〜200℃の温度から適宜選ばれた温度で反応を実施することができ、収率が良い点で80〜140℃で行うことが望ましい。反応時間に特に制限は無い。
【0036】
2,2’−ビ(1,3,2−ベンゾジオキサボロール)誘導体(1)の使用量に特に制限は無く、ベンゼン誘導体(2)に対して1等量以上用いることにより収率よく反応は進行する。
【0037】
工程2の反応は、溶媒中で実施することができる。用いることのできる溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリドン等のアミド系溶媒、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、エチレングリコール、イソプロピルアルコール、ブタノール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、シクロヘキサノール、ヘキサノール、トリフルオロエタノール等のアルコール系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶媒等の有機溶媒や、水を例示することができる。さらにはこれらの混合溶媒が例示できる。さらに具体的には、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、1,2−ジメトキシエタン、エタノール、tert−ブチルアルコール、エタノールとジメチルスルホキシドの混合溶媒、tert−ブチルアルコールとジメチルスルホキシドの混合溶媒、エタノールと水の混合溶媒が好ましい。
【0038】
利便性の点から、工程1の溶媒をそのまま用いて工程2の反応を行うことが好ましい。溶媒の使用量に特に制限は無い。
【0039】
ジオール類(3)の使用量に特に制限は無く、ベンゼン誘導体(2)に対して1等量以上用いることにより収率よく反応は進行する。
【0040】
工程2の反応の反応温度に特に制限は無いが、−100〜100℃の温度から適宜選ばれた温度で反応を実施することができ、収率が良い点で0〜50℃で行うことが望ましい。反応時間に特に制限は無い。
【0041】
アリール(ジオラート)ボラン類(4)の単離方法に特に制限はなく、溶媒抽出、カラムクロマトグラフィー、分取薄層クロマトグラフィー、分取液体クロマトグラフィー、再結晶、蒸留または昇華等の汎用的な方法で目的物を得ることができる。
【発明の効果】
【0042】
本発明は、医農薬・電子材料の合成に有用なアリール(ジオラート)ボラン類を簡便な製造方法で得ることができる。
【実施例】
【0043】
次に本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0044】
実施例−1
【0045】
【化5】

反応容器に、2,2’−ビ(1,3,2−ベンゾジオキサボロール)(1.10mmol,262mg)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(0.030mmol,25mg)、酢酸カリウム(3.00mmol,294mg)を加えてアルゴン置換した。さらにエタノール(6.0mL)を加えた。この反応溶液に4−ブロモ安息香酸メチル(1.00mmol,215mg)を加えて80℃で2時間攪拌した。室温まで冷却後、2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオール(2.20mmol,260mg)を加えて、室温でさらに30分攪拌した。反応終了後、反応混合物に水を加え、ヘキサンで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を濃縮した。得られた残渣を蒸留することにより、白色固体の4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸メチルを得た(252mg,収率96%)。
H−NMR(重クロロホルム,ppm):δ1.36(12H,s),3.92(3H,s),7.87(2H,d,J=8.4Hz),8.02(2H,d,J=8.4Hz).
MS(m/z):262[M]
【0046】
実施例−2
実施例−1のエタノール(6.0mL)に換えて、ジメチルスルホキシド(6.0mL)を用いた以外は、全て同じ操作を行い、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸メチルの生成をH NMRで確認した(NMR収率56%)。
【0047】
実施例−3
実施例−1のエタノール(6.0mL)に換えて、エタノール(3.0mL)とジメチルスルホキシド(3.0 mL)を用いた以外は、全て同じ操作を行い、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸メチルの生成をH NMRで確認した(NMR収率82%)。
実施例−4
実施例−1のエタノール(6.0mL)に換えて、tert−ブチルアルコール(3.0mL)とジメチルスルホキシド(3.0 mL)を用いた以外は、全て同じ操作を行い、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸メチルの生成をH NMRで確認した(NMR収率46%)。
【0048】
実施例−5
実施例−1の酢酸カリウムを1.0mmol(98mg)とした以外は、全て同じ操作を行い、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸メチルの生成をH NMRで確認した(NMR収率53%)。
【0049】
実施例−6
実施例−1の酢酸カリウムを2.00mmol(196mg)とした以外は、全て同じ操作を行い、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸メチルの生成をH NMRで確認した(NMR収率91%)。
【0050】
実施例−7
実施例−1の酢酸カリウムを2.50mmol(245mg)とした以外は、全て同じ操作を行い、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸メチルの生成をH NMRで確認した(NMR収率99%)。
【0051】
実施例−8
実施例−1の酢酸カリウムに換えて、酢酸カリウム(1.50mmol,147mg)と酢酸ナトリウム(1.50mmol,123mg)を用いた以外は、全て同じ操作を行い、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸メチルの生成をH NMRで確認した(NMR収率97%)。
【0052】
実施例−9
実施例−1の酢酸カリウムに換えて、酢酸カリウム(0.40mmol,39mg)と酢酸ナトリウム(2.60mmol,213mg)を用いた以外は、全て同じ操作を行い、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸メチルの生成をH NMRで確認した(NMR収率97%)。
【0053】
実施例−10
実施例−1の酢酸カリウムに換えて、酢酸ナトリウム(3.00mmol,246mg)を用いた以外は、全て同じ操作を行い、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸メチルの生成をH NMRで確認した(NMR収率98%)。
【0054】
実施例−11
実施例−1のジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムに換えて、ジクロロビス(アセトニトリル)パラジウム(0.03mmol,8mg)とトリフェニルホスフィン(0.03mmol,8mg)を用いた以外は、全て同じ操作を行い、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸メチルの生成をH NMRで確認した(NMR収率83%)。
【0055】
実施例−12
実施例−1のジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムに換えて、酢酸パラジウム(0.03mmol,7mg)とトリフェニルホスフィン(0.03mmol,8mg)を用いた以外は、全て同じ操作を行い、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸メチルの生成をH NMRで確認した(NMR収率71%)。
【0056】
実施例−13
反応容器に、2,2’−ビ(1,3,2−ベンゾジオキサボロール)(1.10mmol,262mg)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(0.030mmol,25mg)、酢酸カリウム(7.20mmol,706mg)を加えてアルゴン置換した。さらにジメチルスルホキシド(6.0mL)を加えた。この反応溶液に4−ブロモ安息香酸メチル(1.00mmol,215mg)を加えて80℃で2時間攪拌した。室温まで冷却後、2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオール(2.20mmol,260mg)を加えて、室温でさらに30分攪拌した。反応終了後、反応混合物に水を加え、ヘキサンで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を濃縮した。得られた残渣を蒸留することにより、白色固体の4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸メチルを得た(252mg,収率96%)。
【0057】
実施例−14
実施例−13のジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムに換えて、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.030mmol,21mg)を用いた以外は、全て同じ操作を行い、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸メチルの生成をH NMRで確認した(NMR収率99%)。
【0058】
実施例−15
実施例−13のジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムに換えて、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.030mmol,35mg)を用いた以外は、全て同じ操作を行い、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸メチルの生成をH NMRで確認した(NMR収率97%)。
【0059】
実施例−16
実施例−13のジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムに換えて、塩化パラジウム(0.03mmol,5mg)とトリフェニルホスフィン(0.060mmol,16mg)を用いた以外は、全て同じ操作を行い、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸メチルの生成をH NMRで確認した(NMR収率99%)。
【0060】
実施例−17
実施例−13のジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムに換えて、ジクロロビス(アセトニトリル)パラジウム(0.03mmol,5mg)とトリフェニルホスフィン(0.060mmol,16mg)を用いた以外は、全て同じ操作を行い、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸メチルの生成をH NMRで確認した(NMR収率96%)。
【0061】
実施例−18
実施例−13のジメチルスルホキシドに換えて、エタノール(6.0mL)を用いた以外は、全て同じ操作を行い、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸メチルの生成をH NMRで確認した(NMR収率99%)。
【0062】
実施例−19
実施例−13のジメチルスルホキシドに換えて、tert−ブチルアルコール(6.0mL)を用いた以外は、全て同じ操作を行い、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸メチルの生成をH NMRで確認した(NMR収率64%)。
【0063】
実施例−20
実施例−13のジメチルスルホキシドに換えて、エタノール(3.0mL)とジメチルスルホキシド(3.0mL)を用いた以外は、全て同じ操作を行い、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸メチルの生成をH NMRで確認した(NMR収率99%)。
【0064】
実施例−21
実施例−13のジメチルスルホキシドに換えて、エタノール(3.0mL)と水(3.0mL)を用いた以外は、全て同じ操作を行い、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸メチルの生成をH NMRで確認した(NMR収率69%)。
【0065】
実施例−22
実施例−13のジメチルスルホキシドに換えて、tert−ブチルアルコール(3.0mL)とジメチルスルホキシド(3.0mL)を用いた以外は、全て同じ操作を行い、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸メチルの生成をH NMRで確認した(NMR収率94%)。
【0066】
実施例−23
実施例−13の酢酸カリウムに換えて、酢酸ナトリウム(7.2mmol,591mg)を用いた以外は、全て同じ操作を行い、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸メチルの生成をH NMRで確認した(NMR収率52%)。
【0067】
実施例−24
実施例−13の酢酸カリウムに換えて、酢酸カリウム(3.6mmol,353mg)と酢酸ナトリウム(3.6mmol,295mg)を用いた以外は、全て同じ操作を行い、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸メチルの生成をH NMRで確認した(NMR収率99%)。
【0068】
実施例−25
【0069】
【化6】

反応容器に、2,2’−ビ(1,3,2−ベンゾジオキサボロール)(1.10mmol,262mg)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(0.030mmol,25mg)、酢酸カリウム(3.00mmol,294mg)を加えてアルゴン置換した。さらにエタノール(6.0mL)を加えた。この反応溶液に4−ブロモアセトフェノン(1.0mmol,199mg)を加えて80℃で2時間攪拌した。室温まで冷却後、2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオール(2.20mmol,260mg)を加えて、室温でさらに30分攪拌した。反応終了後、反応混合物に水を加え、ヘキサンで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を濃縮した。得られた残渣を蒸留することにより、白色固体の1−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]エタノンを得た(189mg,収率77%)。
H−NMR(重クロロホルム,ppm):δ1.36(12H,s),2.62(3H,s),7.89(2H,d,J=8.4Hz),7.93(2H,d,J=8.4Hz).
MS(m/z):246[M]
【0070】
実施例−26
実施例−25の酢酸カリウムを7.2mmol(706mg)とし、エタノールに換えてジメチルスルホキシド(6.0mL)を用いた以外は、全て同じ操作を行い、1−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]エタノンの生成をH NMRで確認した(NMR収率91%)。
【0071】
実施例−27
【0072】
【化7】

反応容器に、2,2’−ビ(1,3,2−ベンゾジオキサボロール)(1.10mmol,262mg)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(0.030mmol,25mg)、酢酸カリウム(3.00mmol,294mg)を加えてアルゴン置換した。さらにエタノール(6.0mL)を加えた。この反応溶液に1−ブロモ−4−クロロベンゼン(1.00mmol,191mg)を加えて80℃で2時間攪拌した。室温まで冷却後、2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオール(2.20mmol,260mg)を加えて、室温でさらに30分攪拌した。反応終了後、反応混合物に水を加え、ヘキサンで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を濃縮した。得られた残渣を蒸留することにより、白色固体の2−(4−クロロフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランを得た(196mg,収率82%)。
H−NMR(重クロロホルム,ppm):δ1.34(12H,s),7.34(2H,d,J=8.4Hz),7.73(2H,d,J=8.4Hz).
MS(m/z):239[M]
【0073】
実施例−28
実施例−27の酢酸カリウムを7.20mmol(706mg)とし、エタノールに換えてジメチルスルホキシド(6.0mL)を用いた以外は、全て同じ操作を行い、2−(4−クロロフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランの生成をH NMRで確認した(NMR収率99%)。
【0074】
実施例−29
実施例−27の酢酸カリウムを7.20mmol(706mg)とし、エタノールに換えてN,N−ジメチルホルムアミド(6.0mL)を用いた以外は、全て同じ操作を行い、2−(4−クロロフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランの生成をH NMRで確認した(NMR収率94%)。
【0075】
実施例−30
実施例−27の酢酸カリウムを7.20mmol(706mg)とし、エタノールに換えて1,2−ジメトキシエタン(6.0mL)を用いた以外は、全て同じ操作を行い、2−(4−クロロフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランの生成をH NMRで確認した(NMR収率37%)。
【0076】
実施例−31
【0077】
【化8】

反応容器に、2,2’−ビ(1,3,2−ベンゾジオキサボロール)(1.10mmol,262mg)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(0.030mmol,25mg)、酢酸カリウム(3.00mmol,294mg)を加えてアルゴン置換した。さらにエタノール(6.0mL)を加えた。この反応溶液に4−ブロモベンゾニトリル(1.00mmol,182mg)を加えて80℃で2時間攪拌した。室温まで冷却後、2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオール(2.20mmol,260mg)を加えて、室温でさらに30分攪拌した。反応終了後、反応混合物に水を加え、ヘキサンで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を濃縮した。得られた残渣を蒸留することにより、白色固体の4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゾニトリルを得た(192mg,収率84%)。
H−NMR(重クロロホルム,ppm):δ1.35(12H,s),7.64(2H,d,J=8.4Hz),7.88(2H,d,J=8.4Hz).
MS(m/z):229[M]
【0078】
実施例−32
実施例−31の酢酸カリウムを7.2mmol(706mg)とし、エタノールに換えてジメチルスルホキシド(6.0mL)を用いた以外は、全て同じ操作を行い、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゾニトリルの生成をH NMRで確認した(NMR収率99%)。
【0079】
実施例−33
【0080】
【化9】

反応容器に、2,2’−ビ(1,3,2−ベンゾジオキサボロール)(1.10mmol,262mg)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(0.030mmol,25mg)、酢酸カリウム(3.00mmol,294mg)を加えてアルゴン置換した。さらにエタノール(6.0mL)を加えた。この反応溶液に4−ブロモフェノール(1.00mmol,173mg)を加えて80℃で2時間攪拌した。室温まで冷却後、2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオール(2.20mmol,260mg)を加えて、室温でさらに30分攪拌した。反応終了後、反応混合物に水を加え、ヘキサンで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を濃縮した。得られた残渣を蒸留することにより、白色固体の4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェノールを得た(97mg,収率44%)。
H−NMR(重クロロホルム,ppm):δ1.33(12H,s),4.79(1H,s),6.82(2H,d,J=8.6Hz),7.71(2H,d,J=8.6Hz).
MS(m/z):220[M]
【0081】
実施例−34
実施例−33の酢酸カリウムを7.2mmol(706mg)とし、エタノールに換えてジメチルスルホキシド(6.0mL)を用いた以外は、全て同じ操作を行い、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェノールの生成をH NMRで確認した(NMR収率52%)。
【0082】
実施例−35
【0083】
【化10】

反応容器に、2,2’−ビ(1,3,2−ベンゾジオキサボロール)(1.10mmol,262mg)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(0.030mmol,25mg)、酢酸カリウム(3.00mmol,294mg)を加えてアルゴン置換した。さらにエタノール(6.0mL)を加えた。この反応溶液に4−ブロモアニソール(1.00mmol,187mg)を加えて80℃で2時間攪拌した。室温まで冷却後、2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオール(2.20mmol,260mg)を加えて、室温でさらに30分攪拌した。反応終了後、反応混合物に水を加え、ヘキサンで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を濃縮した。得られた残渣を蒸留することにより、無色液体の2−(4−メトキシフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランを得た(222mg,収率95%)。
H−NMR(重クロロホルム,ppm):δ1.33(12H,s),3.83(3H,s),6.89(2H,d,J=8.7Hz),7.75(2H,d,J=8.7Hz).
MS(m/z):234[M]
【0084】
実施例−36
実施例−35の酢酸カリウムを7.20mmol(706mg)とし、エタノールに換えてジメチルスルホキシド(6.0mL)を用いた以外は、全て同じ操作を行い、2−(4−メトキシフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランの生成をH NMRで確認した(NMR収率98%)。
【0085】
実施例−37
【0086】
【化11】

反応容器に、2,2’−ビ(1,3,2−ベンゾジオキサボロール)(1.10mmol,262mg)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(0.030mmol,25mg)、酢酸カリウム(7.20mmol,706mg)を加えてアルゴン置換した。さらにジメチルスルホキシド(6.0mL)を加えた。この反応溶液に(4−ブロモフェニル)ジフェニルアミン(1.00mmol,324mg)を加えて80℃で2時間攪拌した。室温まで冷却後、2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオール(2.20mmol,260mg)を加えて、室温でさらに30分攪拌した。反応終了後、反応混合物に水を加え、ヘキサンで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を濃縮した。得られた残渣を蒸留することにより、白色固体のジフェニル[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]アミンを得た(275mg,収率74%)。
H−NMR(重クロロホルム,ppm):δ1.33(12H,s),7.02(2H,d,J=8.5Hz),7.04(3H,t,J=7.5Hz),7.10(4H,d,J=7.8Hz),7.27−7.23(3H,m),7.66(2H,d,J=8.5Hz).
MS(m/z):371[M]
【0087】
実施例−38
実施例−37の酢酸カリウムを3.00mmol(294mg)とし、ジメチルスルホキシドに換えてエタノール(6.0mL)を用いた以外は、全て同じ操作を行い、ジフェニル[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]アミンの生成をH NMRで確認した(NMR収率85%)。
【0088】
実施例−39
【0089】
【化12】

反応容器に、2,2’−ビ(1,3,2−ベンゾジオキサボロール)(1.10mmol,262mg)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(0.030mmol,25mg)、酢酸カリウム(7.20mmol,706mg)を加えてアルゴン置換した。さらにジメチルスルホキシド(6.0mL)を加えた。この反応溶液に(4−ブロモフェニル)フェニル エーテル(1.00mmol,249mg)を加えて80℃で2時間攪拌した。室温まで冷却後、2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオール(2.20mmol,260mg)を加えて、室温でさらに30分攪拌した。反応終了後、反応混合物に水を加え、ヘキサンで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を濃縮した。得られた残渣を蒸留することにより、無色液体のフェニル[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)]フェニル エーテルを得た(145mg,収率49%)。
H−NMR(重クロロホルム,ppm): δ1.34(12H,s),6.98(2H,d,J=8.6Hz),7.01−7.03(2H,m),7.13(1H,tt,J=1.0,7.4Hz),7.32−7.37(2H,m),7.78(2H,d,J=8.6Hz).
MS(m/z):296[M]
【0090】
実施例−40
実施例−39の酢酸カリウムを3.00mmol(294mg)とし、ジメチルスルホキシドに換えてエタノール(6.0mL)を用いた以外は、全て同じ操作を行い、フェニル[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)]フェニル エーテルの生成をH NMRで確認した(NMR収率65%)。
【0091】
実施例−41
【0092】
【化13】

反応容器に、2,2’−ビ(1,3,2−ベンゾジオキサボロール)(1.10mmol,262mg)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(0.030mmol,25mg)、酢酸カリウム(7.20mmol,706mg)を加えてアルゴン置換した。さらにジメチルスルホキシド(6.0mL)を加えた。この反応溶液に1−ブロモ−3,5−ジメチルベンゼン(1.00mmol,185mg)を加えて80℃で2時間攪拌した。室温まで冷却後、2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオール(2.20mmol,260mg)を加えて、室温でさらに30分攪拌した。反応終了後、反応混合物に水を加え、ヘキサンで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を濃縮した。得られた残渣を蒸留することにより、白色固体の2−(3,5−ジメチルフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランを得た(167mg,収率72%)。
H−NMR(重クロロホルム,ppm):δ1.34(12H,s),2.32(6H,s),7.10(1H,s),7.44(2H,s).
MS(m/z):232[M]
【0093】
実施例−42
実施例−41の酢酸カリウムを3.00mmol(294mg)とし、ジメチルスルホキシドに換えてエタノール(6.0mL)を用いた以外は、全て同じ操作を行い、2−(3,5−ジメチルフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランの生成をH NMRで確認した(NMR収率99%)。
【0094】
実施例−43
【0095】
【化14】

反応容器に、2,2’−ビ(1,3,2−ベンゾジオキサボロール)(1.10mmol,262mg)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(0.030mmol,25mg)、酢酸カリウム(7.20mmol,706mg)を加えてアルゴン置換した。さらにジメチルスルホキシド(6.0mL)を加えた。この反応溶液に4−ブロモ−N,N−ジメチルアニリン(1.00mmol,200mg)を加えて80℃で2時間攪拌した。室温まで冷却後、2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオール(2.20mmol,260mg)を加えて、室温でさらに30分攪拌した。H NMRによりN,N−ジメチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)アニリンの生成を確認した(NMR収率:44%)。
H−NMR(重クロロホルム,ppm):δ1.32(12H,s),2.98(6H,s),6.68(2H,d,J=8.8Hz),7.67(2H,d,J=8.8Hz).
MS(m/z):247[M]
【0096】
実施例−44
【0097】
【化15】

反応容器に、2,2’−ビ(1,3,2−ベンゾジオキサボロール)(1.10mmol,262mg)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(0.030mmol,25mg)、酢酸カリウム(3.00mmol,294mg)を加えてアルゴン置換した。さらにエタノール(6.0mL)を加えた。この反応溶液に4−ブロモ安息香酸メチル(1.00mmol,215mg)を加えて80℃で2時間攪拌した。室温まで冷却後、1,2−エタンジオール(2.20mmol,137mg)を加えて、室温でさらに30分攪拌した。H NMRにより4−(1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸メチルの生成を確認した(NMR収率:99%)。反応混合物にジエチルエーテルを加えろ過し、ろ液を濃縮した。ヘキサンで抽出し、ろ液を濃縮し、無色液体の4−(1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸メチルを得た(183mg,収率89%)。
H−NMR(重クロロホルム,ppm):δ3.93(3H,s),4.41(4H,s),7.88(2H,d,J=8.4Hz),8.04(2H,d,J=8.4Hz).
MS(m/z):206[M]
【0098】
実施例−45
実施例−44の酢酸カリウムを7.2mmol(706mg)とし、エタノールに換えてジメチルスルホキシド(6.0mL)を用いた以外は、全て同じ操作を行い、4−(1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸メチルの生成をH NMRで確認した(NMR収率99%)。
【0099】
実施例−46
反応容器に、2,2’−ビ(1,3,2−ベンゾジオキサボロール)(1.10mmol,262mg)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.030mmol,21mg)、酢酸カリウム(7.20mmol,706mg)を加えてアルゴン置換した。さらにジメチルスルホキシド(6.0mL)を加えた。この反応溶液に4−ブロモ安息香酸メチル(1.00mmol,215mg)を加えて80℃で2時間攪拌した。室温まで冷却後、1,2−エタンジオール(2.20mmol,137mg)を加えて、室温でさらに30分攪拌した。H NMRにより4−(1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸メチルの生成を確認した(NMR収率99%)。
【0100】
実施例−47
【0101】
【化16】

反応容器に、2,2’−ビ(1,3,2−ベンゾジオキサボロール)(1.10mmol,262mg)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(0.030mmol,25mg)、酢酸カリウム(3.00mmol,294mg)を加えてアルゴン置換した。さらにエタノール(6.0mL)を加えた。この反応溶液に4−ブロモ安息香酸メチル(1.00mmol,215mg)を加えて80℃で2時間攪拌した。室温まで冷却後、1,3−プロパンジオール(2.20mmol,163mg)を加えて、室温でさらに30分攪拌した。H NMRにより4−(1,3,2−ジオキサボリナン−2−イル)安息香酸メチルの生成を確認した(NMR収率:99%)。反応混合物にジエチルエーテルを加えろ過し、ろ液を濃縮した。ヘキサンで抽出し、ろ液を濃縮し、無色液体の4−(1,3,2−ジオキサボリナン−2−イル)安息香酸メチルを得た(189mg,収率86%)。
H−NMR(重クロロホルム,ppm):δ2.08(2H,quint,J=5.5Hz),3.92(3H,s),4.18(4H,t,J=5.5Hz),7.83(2H,d,J=8.4Hz),8.00(2H,d,J=8.4Hz).
MS(m/z):220[M]
【0102】
実施例−48
実施例−47のジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムに換えてジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.030mmol,21mg)を用いた以外は、全て同じ操作を行い、4−(1,3,2−ジオキサボリナン−2−イル)安息香酸メチルの生成をH NMRで確認した(NMR収率99%)。
【0103】
実施例−49
実施例−47の酢酸カリウムを7.20mmol(706mg)とし、エタノールに換えてジメチルスルホキシド(6.0mL)を用いた以外は、全て同じ操作を行い、4−(1,3,2−ジオキサボリナン−2−イル)安息香酸メチルの生成をH NMRで確認した(NMR収率99%)。
【0104】
実施例−50
【0105】
【化17】

反応容器に、2,2’−ビ(1,3,2−ベンゾジオキサボロール)(1.10mmol,262mg)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(0.030mmol,25mg)、酢酸カリウム(3.00mmol,294mg)を加えてアルゴン置換した。さらにエタノール(6.0mL)を加えた。この反応溶液に4−ブロモ安息香酸メチル(1.00mmol,215mg)を加えて80℃で2時間攪拌した。室温まで冷却後、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(2.20mmol,229mg)を加えて、室温でさらに30分攪拌した。H NMRにより4−(5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン−2−イル)安息香酸メチルの生成を確認した(NMR収率99%)。
H−NMR(重クロロホルム,ppm):δ1.03(6H,s),3.79(4H,s),3.92(3H,s),7.86(2H,d,J=8.3Hz),8.00(2H,d,J=8.3Hz).
MS(m/z):248[M]
【0106】
実施例−51
実施例−50のジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムに換えてジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.030mmol,21mg)を用いた以外は、全て同じ操作を行い、4−(5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン−2−イル)安息香酸メチルの生成をH NMRで確認した(NMR収率99%)。
【0107】
実施例−52
実施例−50の酢酸カリウムを7.20mmol(706mg)とし、エタノールに換えてジメチルスルホキシド(6.0mL)を用いた以外は、全て同じ操作を行い、4−(5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン−2−イル)安息香酸メチルの生成をH NMRで確認した(NMR収率99%)。
【0108】
実施例−53
【0109】
【化18】

反応容器に、2,2’−ビ(1,3,2−ベンゾジオキサボロール)(1.10mmol,262mg)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(0.030mmol,25mg)、酢酸カリウム(7.20mmol,706mg)を加えてアルゴン置換した。さらにジメチルスルホキシド(6.0mL)を加えた。この反応溶液に4−ブロモ安息香酸メチル(1.00mmol,215mg)を加えて80℃で2時間攪拌した。室温まで冷却後、1,4−ブタンジオール(2.20mmol,198mg)を加えて、室温でさらに30分攪拌した。H NMRにより4−(1,3,2−ジオキサボレパン−2−イル)安息香酸メチルの生成を確認した(NMR収率:75%)。
H−NMR(重クロロホルム,ppm):δ1.98(4H,brs),3.92(3H,s),4.22(4H,brs),7.87(2H,d,J=8.4Hz),7.98(2H,d,J=8.4Hz).
MS(m/z):234[M]
【0110】
実施例−54
反応容器に、2,2’−ビ(1,3,2−ベンゾジオキサボロール)(1.10mmol,262mg)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.030mmol,21mg)、酢酸カリウム(7.20mmol,706mg)を加えてアルゴン置換した。さらにジメチルスルホキシド(6.0mL)を加えた。この反応溶液に4−ブロモ安息香酸メチル(1.00mmol,215mg)を加えて80℃で2時間攪拌した。室温まで冷却後、1,4−ブタンジオール(2.20mmol,198mg)を加えて、室温でさらに30分攪拌した。H NMRにより4−(1,3,2−ジオキサボレパン−2−イル)安息香酸メチルの生成を確認した(NMR収率73%)。
【0111】
実施例−55
実施例−13の2,2’−ビ(1,3,2−ベンゾジオキサボロール)に換えて、5,5’−ジ−tert−ブチル−2,2’−ビ(1,3,2−ベンゾジオキサボロール)(1.10mmol,385mg)を用いた以外は全て同じ操作を行い、H NMRにより4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸メチルの生成を確認した(NMR収率90%)。
【0112】
実施例−56
【0113】
【化19】

反応容器に、2,2’−ビ(1,3,2−ベンゾジオキサボロール)(1.10mmol,262mg)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(0.030mmol,25mg)、酢酸カリウム(7.20mmol,706mg)を加えてアルゴン置換した。さらにジメチルスルホキシド(6.0mL)を加えた。この反応溶液に1−ブロモ−4−tert−ブチルベンゼン(1.00mmol,213mg)を加えて80℃で2時間攪拌した。室温まで冷却後、2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオール(2.20mmol,260mg)を加えて、室温でさらに30分攪拌した。反応終了後、溶液をろ過し、酢酸エチルで洗った。濃縮後、反応混合物に水を加え、ジエチルエーテルで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。それを濃縮し、さらにヘキサン抽出し、その溶液を濃縮することにより、白色固体の2−(4−tert−ブチルフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランを得た(223mg,収率88%)。
H−NMR(重クロロホルム,ppm):δ1.32(9H,s),1.33(12H,s),7.40(2H,d,J=8.3Hz),7.75(2H,d,J=8.3Hz)。
【0114】
実施例−57
実施例−56の酢酸カリウムを3.00mmol(294mg)とし、ジメチルスルホキシドに換えてエタノール(6.0mL)を用いた以外は、全て同じ操作を行い、2−(4−tert−ブチルフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランの生成をH NMRで確認した(NMR収率60%)。
【0115】
実施例−58
【0116】
【化20】

反応容器に、2,2’−ビ(1,3,2−ベンゾジオキサボロール)(1.10mmol,262mg)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(0.030mmol,25mg)、酢酸カリウム(7.20mmol,706mg)を加えてアルゴン置換した。さらにジメチルスルホキシド(6.0mL)を加えた。この反応溶液に4−ブロモ安息香酸エチル(1.00mmol,229mg)を加えて80℃で2時間攪拌した。室温まで冷却後、2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオール(2.20mmol,260mg)を加えて、室温でさらに30分攪拌した。反応終了後、反応混合物に酢酸エチルを加えろ過し、ろ液を濃縮した。水を加え、ジエチルエーテルで抽出し、ろ液を濃縮した。水を加え、ヘキサンで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を濃縮することにより、白色固体の4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸エチルを得た(259mg,収率94%)。
H−NMR(重クロロホルム,ppm):δ1.36(12H,s),1.40(3H,t, J=7.0Hz),4.38(2H,q,J=7.0Hz),7.86(2H,d,J=8.3Hz),8.02(2H,d,J=8.3Hz)。
【0117】
実施例−59
実施例−58の酢酸カリウムを3.00mmol(294mg)とし、ジメチルスルホキシドに換えてエタノール(6.0mL)を用いた以外は、全て同じ操作を行い、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸エチルの生成をH NMRで確認した(NMR収率99%)。
【0118】
実施例−60
【0119】
【化21】

反応容器に、2,2’−ビ(1,3,2−ベンゾジオキサボロール)(1.10mmol,262mg)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(0.030mmol,25mg)、酢酸カリウム(7.20mmol,706mg)を加えてアルゴン置換した。さらにジメチルスルホキシド(6.0mL)を加えた。この反応溶液に1−ブロモ−4−(トリフルオロメトキシ)ベンゼン(1.00mmol,241mg)を加えて80℃で2時間攪拌した。室温まで冷却後、2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオール(2.20mmol,260mg)を加えて、室温でさらに30分攪拌した。反応終了後、反応混合物に酢酸エチルを加えろ過し、ろ液を濃縮した。水を加え、ジエチルエーテルで抽出し、ろ液を濃縮した。水を加え、ヘキサンで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を濃縮することにより、白色固体の4−トリフルオロメトキシ[1−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)]ベンゼンを得た(225mg,収率78%)。
H−NMR(重クロロホルム,ppm):δ1.34(12H,s),7.20(2H,d,J=8.8Hz),7.84(2H,d,J=8.8Hz)。
【0120】
実施例−61
実施例−60の酢酸カリウムを3.00mmol(294mg)とし、ジメチルスルホキシドに換えてエタノール(6.0mL)を用いた以外は、全て同じ操作を行い、4−トリフルオロメトキシ[1−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)]ベンゼンの生成をH NMRで確認した(NMR収率81%)。
【0121】
実施例−62
【0122】
【化22】

反応容器に、2,2’−ビ(1,3,2−ベンゾジオキサボロール)(1.10mmol,262mg)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(0.030mmol,25mg)、酢酸カリウム(3.00mmol,294mg)を加えてアルゴン置換した。さらにエタノール(6.0mL)を加えた。この反応溶液に4−(トリフルオロメチルチオ)ブロモベンゼン(1.00mmol,257mg)を加えて80℃で2時間攪拌した。室温まで冷却後、2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオール(2.20mmol,260mg)を加えて、室温でさらに30分攪拌した。反応終了後、反応混合物に酢酸エチルを加えろ過し、ろ液を濃縮した。水を加え、ジエチルエーテルで抽出し、ろ液を濃縮した。水を加え、ヘキサンで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を濃縮することにより、白色固体の2−(4−トリフルオロメチルチオフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランを得た(258mg,収率85%)。
H−NMR(重クロロホルム,ppm):δ1.35(12H,s),7.64(2H,d, J=8.3Hz),7.84(2H,d,J=8.3Hz)。
【0123】
実施例−63
実施例−62の酢酸カリウムを7.2mmol(706mg)とし、エタノールに換えてジメチルスルホキシド(6.0mL)を用いた以外は、全て同じ操作を行い、2−(4−トリフルオロメチルチオフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランの生成をH NMRで確認した(NMR収率75%)。
【0124】
実施例−64
【0125】
【化23】

反応容器に、2,2’−ビ(1,3,2−ベンゾジオキサボロール)(1.10mmol,262mg)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(0.030mmol,25mg)、酢酸カリウム(7.20mmol,706mg)を加えてアルゴン置換した。さらにジメチルスルホキシド(6.0mL)を加えた。この反応溶液に4−ブロモチオアニソール(1.00mmol,203mg)を加えて80℃で2時間攪拌した。室温まで冷却後、2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオール(2.20mmol,260mg)を加えて、室温でさらに30分攪拌した。反応終了後、反応混合物に水を加え、ヘキサンで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を濃縮した。得られた残渣を蒸留することにより、白色固体の2−(4−メチルチオフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランを得た(248mg,収率99%)。
H−NMR(重クロロホルム,ppm):δ1.33(12H,s),2.49(3H,s),δ7.22(2H,d,J=8.3Hz),7.70(2H,d,J=8.3Hz)。
【0126】
実施例−65
実施例−64の酢酸カリウムを3.00mmol(294mg)とし、ジメチルスルホキシドに換えてエタノール(6.0mL)を用いた以外は、全て同じ操作を行い、2−(4−メチルチオフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランの生成をH NMRで確認した(NMR収率40%)。
【0127】
実施例−66
【0128】
【化24】

反応容器に、2,2’−ビ(1,3,2−ベンゾジオキサボロール)(1.10mmol,262mg)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(0.030mmol,25mg)、酢酸カリウム(7.20mmol,706mg)を加えてアルゴン置換した。さらにジメチルスルホキシド(6.0mL)を加えた。この反応溶液に3−ブロモアニリン(1.00mmol,172mg)を加えて80℃で2時間攪拌した。室温まで冷却後、2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオール(2.20mmol,260mg)を加えて、室温でさらに30分攪拌した。反応終了後、反応混合物に酢酸エチルを加えろ過し、ろ液を濃縮した。水を加え、ジエチルエーテルで抽出し、ろ液を濃縮した。水を加え、ヘキサンで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を濃縮することにより、白色固体の4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)アニリンを得た(169mg,収率77%)。
H−NMR(重クロロホルム,ppm):δ1.33(12H,s),6.79(1H,m),7.13(1H,s),7.17(1H,t,J=7.2Hz),7.21(1H,d,J=7.2Hz)。
【0129】
実施例−67
実施例−66の酢酸カリウムを3.00mmol(294mg)とし、ジメチルスルホキシドに換えてエタノール(6.0mL)を用いた以外は、全て同じ操作を行い、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)アニリンの生成をH NMRで確認した(NMR収率85%)。
【0130】
実施例−68
【0131】
【化25】

反応容器に、2,2’−ビ(1,3,2−ベンゾジオキサボロール)(1.10mmol,262mg)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(0.030mmol,25mg)、酢酸カリウム(7.20mmol,706mg)を加えてアルゴン置換した。さらにジメチルスルホキシド(6.0mL)を加えた。この反応溶液に4−ブロモ−2−フルオロアニリン(1.00mmol,190mg)を加えて80℃で2時間攪拌した。室温まで冷却後、2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオール(2.20mmol,260mg)を加えて、室温でさらに30分攪拌した。反応終了後、反応混合物に酢酸エチルを加え、ろ過し、ろ液を濃縮した。ヘキサンで洗った後、水を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を濃縮することにより、白色固体の2−フロオロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)アニリンを得た(175mg,収率74%)。
H−NMR(重クロロホルム,ppm):δ1.32(12H,s),3.90(2H,s),6.74(1H,t,J=8.3Hz),7.38(1H,d,J=4.8Hz),7.40(1H,d,J=8.4Hz)。
【0132】
実施例−69
実施例−68の酢酸カリウムを3.00mmol(294mg)とし、ジメチルスルホキシドに換えてエタノール(6.0mL)を用いた以外は、全て同じ操作を行い、2−フロオロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)アニリンの生成をH NMRで確認した(NMR収率60%)。
【0133】
実施例−70
【0134】
【化26】

反応容器に、2,2’−ビ(1,3,2−ベンゾジオキサボロール)(1.10mmol,262mg)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(0.030mmol,25mg)、酢酸カリウム(3.00mmol,294mg)を加えてアルゴン置換した。さらにエタノール(6.0mL)を加えた。この反応溶液に4’−ブロモアセトアニリド(1.00mmol,214mg)を加えて80℃で2時間攪拌した。室温まで冷却後、2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオール(2.20mmol,260mg)を加えて、室温でさらに30分攪拌した。反応終了後、反応混合物に酢酸エチルを加えろ過し、ろ液を濃縮した。ヘキサンで洗った後、水を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を濃縮することにより、白色固体の4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)アセトアニリドを得た(168mg,収率65%)。
H−NMR(重クロロホルム,ppm):δ1.34(12H,s),2.18(3H,s),2.36(1H,s),7.51(2H,d,J=8.3Hz),7.76(2H,d,J=8.3Hz)。
【0135】
実施例−71
実施例−70の酢酸カリウムを7.2mmol(706mg)とし、エタノールに換えてジメチルスルホキシド(6.0mL)を用いた以外は、全て同じ操作を行い、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)アセトアニリドの生成をH NMRで確認した(NMR収率75%)。
【0136】
実施例−72
【0137】
【化27】

反応容器に、2,2’−ビ(1,3,2−ベンゾジオキサボロール)(1.10mmol,262mg)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(0.030mmol,25mg)、酢酸カリウム(7.20mmol,706mg)を加えてアルゴン置換した。さらにジメチルスルホキシド(6.0mL)を加えた。この反応溶液に4−ブロモベンジルアルコール(1.00mmol,187mg)を加えて80℃で2時間攪拌した。室温まで冷却後、2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオール(2.20mmol,260mg)を加えて、室温でさらに30分攪拌した。反応終了後、反応混合物に酢酸エチルを加えろ過し、ろ液を濃縮した。水を加え、ジエチルエーテルで抽出し、ろ液を濃縮した。水を加え、ヘキサンで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を濃縮することにより、白色固体の4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンジルアルコールを得た(232mg,収率99%)。
H−NMR(重クロロホルム,ppm):δ1.35(12H,s),1.68(1H,s),4.72(2H,d,J=5.1Hz),7.37(2H,d,J=7.8Hz),7.81(2H,d,J=8.3Hz)。
【0138】
実施例−73
実施例−72の酢酸カリウムを3.00mmol(294mg)とし、ジメチルスルホキシドに換えてエタノール(6.0mL)を用いた以外は、全て同じ操作を行い、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンジルアルコールの生成をH NMRで確認した(NMR収率76%)。
【0139】
実施例−74
【0140】
【化28】

反応容器に、2,2’−ビ(1,3,2−ベンゾジオキサボロール)(1.10mmol,262mg)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(0.030mmol,25mg)、酢酸カリウム(7.20mmol,706mg)を加えてアルゴン置換した。さらにジメチルスルホキシド(6.0mL)を加えた。この反応溶液に4−ブロモベンズアミド(1.00mmol,200mg)を加えて80℃で2時間攪拌した。室温まで冷却後、2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオール(2.20mmol,260mg)を加えて、室温でさらに30分攪拌した。反応終了後、溶液をろ過し、酢酸エチルで洗った。その溶液を濃縮し、得られた残渣を蒸留することにより、白色固体の4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンズアミドを得た(178mg,収率72%)。
H−NMR(重クロロホルム,ppm):δ1.35(12H,s),7.80(2H,d,J=7.3Hz),7.88(2H,d,J=7.3Hz)。
【0141】
実施例−75
実施例−74の酢酸カリウムを3.00mmol(294mg)とし、ジメチルスルホキシドに換えてエタノール(6.0mL)を用いた以外は、全て同じ操作を行い、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンズアミドの生成をH NMRで確認した(NMR収率90%)。
【0142】
実施例−76
【0143】
【化29】

反応容器に、2,2’−ビ(1,3,2−ベンゾジオキサボロール)(1.10mmol,262mg)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(0.030mmol,25mg)、酢酸カリウム(3.00mmol,294mg)を加えてアルゴン置換した。さらにエタノール(6.0mL)を加えた。この反応溶液に4−ブロモ安息香酸(1.00mmol,201mg)を加えて80℃で2時間攪拌した。室温まで冷却後、2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオール(2.20mmol,260mg)を加えて、室温でさらに30分攪拌した。反応終了後、溶液をろ過し、酢酸エチルで洗った。濃縮後、残渣をジエチルエーテル抽出し、ろ過、ろ液を濃縮し、ヘキサンで抽出した。その溶液を濃縮し、得られた残渣を蒸留することにより、白色固体の4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸を得た(149mg,収率60%)。
H−NMR(重クロロホルム,ppm):δ1.36(12H,s),7.90(2H,d, J=8.3Hz),8.08(2H,d,J=8.3Hz).
IR:1683cm−1
【0144】
実施例−77
【0145】
【化30】

反応容器に、2,2’−ビ(1,3,2−ベンゾジオキサボロール)(1.10mmol,262mg)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(0.030mmol,25mg)、酢酸カリウム(3.00mmol,294mg)を加えてアルゴン置換した。さらにエタノール(6.0mL)を加えた。この反応溶液に4−ブロモベンズスルホニルフルオリド(1.00mmol,239mg)を加えて80℃で2時間攪拌した。室温まで冷却後、2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオール(2.20mmol,260mg)を加えて、室温でさらに30分攪拌した。反応終了後、溶液をろ過し、酢酸エチルで洗った。濃縮後、ヘキサンで抽出した。その溶液を濃縮することにより、白色固体の4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゼンスルホニルフルオリドを得た(260mg,収率91%)。
H−NMR(重クロロホルム,ppm):δ1.37(12H,s),7.99(3H,d, J=8.3Hz),8.04(2H,d,J=8.3Hz).
19F−NMR(重クロロホルム,ppm):δ−66(1F,s)。
【0146】
実施例−78
実施例−77の酢酸カリウムを7.2mmol(706mg)とし、エタノールに換えてジメチルスルホキシド(6.0mL)を用いた以外は、全て同じ操作を行い、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゼンスルホニルフルオリドの生成をH NMRで確認した(NMR収率20%)。
【0147】
実施例−79
【0148】
【化31】

反応容器に、2,2’−ビ(1,3,2−ベンゾジオキサボロール)(1.10mmol,262mg)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(0.030mmol,25mg)、酢酸カリウム(3.00mmol,294mg)を加えてアルゴン置換した。さらにエタノール(6.0mL)を加えた。この反応溶液に4−ブロモベンゼンスルホン酸ペンタフルオロフェニルエステル(1.00mmol,403mg)を加えて80℃で2時間攪拌した。室温まで冷却後、2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオール(2.20mmol,260mg)を加えて、室温でさらに30分攪拌した。反応終了後、溶液をろ過し、酢酸エチルで洗った。濃縮後、トルエンで抽出し、ろ過し、ろ液を濃縮、ヘキサンで抽出した。その溶液を濃縮することにより、白色固体の4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゼンスルホン酸 ペンタフルオロフェニルを得た(351mg,収率78%)。
H−NMR(重クロロホルム,ppm):δ1.38(12H,s),7.95(2H,d,J=8.5Hz),8.02(2H,d,J=8.6Hz)。
【0149】
実施例−80
【0150】
【化32】

反応容器に、2,2’−ビ(1,3,2−ベンゾジオキサボロール)(1.10mmol,262mg)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(0.030mmol,25mg)、酢酸カリウム(3.00mmol,294mg)を加えてアルゴン置換した。さらにエタノール(6.0mL)を加えた。この反応溶液に4−ブロモベンゼンスルホンアミド(1.00mmol,236mg)を加えて80℃で2時間攪拌した。室温まで冷却後、2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオール(2.20mmol,260mg)を加えて、室温でさらに30分攪拌した。反応終了後、溶液をろ過し、酢酸エチルで洗った。濃縮後、残渣をジエチルエーテル抽出し、ろ過、ろ液を濃縮し、ヘキサンで抽出した。その溶液を濃縮し、得られた残渣を蒸留することにより、白色固体の4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゼンスルホンアミドを得た(170mg,収率60%)。
H−NMR(重クロロホルム,ppm):δ1.36(12H,s),4.75(2H,s),7.91(2H,d,J=8.3Hz),7.95(2H,d,J=8.4Hz)。
【0151】
実施例−81
実施例−80の酢酸カリウムを7.2mmol(706mg)とし、エタノールに換えてジメチルスルホキシド(6.0mL)を用いた以外は、全て同じ操作を行い、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゼンスルホンアミドの生成をH NMRで確認した(NMR収率45%)。
【0152】
実施例−82
【0153】
【化33】

反応容器に、2,2’−ビ(1,3,2−ベンゾジオキサボロール)(1.10mmol,262mg)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(0.030mmol,25mg)、酢酸カリウム(7.20mmol,706mg)を加えてアルゴン置換した。さらにジメチルスルホキシド(6.0mL)を加えた。この反応溶液に2−ブロモクロロベンゼン(1.00mmol,191mg)を加えて80℃で2時間攪拌した。室温まで冷却後、2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオール(2.20mmol,260mg)を加えて、室温でさらに30分攪拌した。反応終了後、溶液をろ過し、酢酸エチルで洗った。濃縮後、残渣をジエチルエーテル抽出し、ろ過、ろ液を濃縮した。その得られた残渣を蒸留することにより、白色固体の2−(2−クロロフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランを得た(134mg,収率56%)。
H−NMR(重クロロホルム,ppm):δ1.37(12H,s),7.20−7.24(1H,m),7.33−7.34(2H,m),7.68(1H,d,J=7.4Hz)。
【0154】
実施例−83
実施例−82の酢酸カリウムを3.00mmol(294mg)とし、ジメチルスルホキシドに換えてエタノール(6.0mL)を用いた以外は、全て同じ操作を行い、2−(2−クロロフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランの生成をH NMRで確認した(NMR収率70%)。
【0155】
実施例−84
【0156】
【化34】

反応容器に、2,2’−ビ(1,3,2−ベンゾジオキサボロール)(1.10mmol,262mg)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(0.030mmol,25mg)、酢酸カリウム(7.20mmol,706mg)を加えてアルゴン置換した。さらにジメチルスルホキシド(6.0mL)を加えた。この反応溶液に2−ブロモベンゾトリフルオリド(1.00mmol,225mg)を加えて80℃で2時間攪拌した。室温まで冷却後、2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオール(2.20mmol,260mg)を加えて、室温でさらに30分攪拌した。反応終了後、溶液をろ過し、酢酸エチルで洗った。濃縮後、反応混合物に水を加え、ジエチルエーテルで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。その溶液を濃縮し、さらにヘキサンで抽出し、濃縮することにより、白色固体の4,4,5,5−テトラメチル−2−(4−トリフルオロメチルフェニル)−1,3,2−ジオキサボロランを得た(120mg,収率44%)。
H−NMR(重クロロホルム,ppm):δ1.37(12H,s),7.49−7.51(2H,m),7.65−7.67(1H,m),7.71−7.73(1H,m).
MS(m/z):272[M]
【0157】
実施例−85
実施例−84の酢酸カリウムを3.00mmol(294mg)とし、ジメチルスルホキシドに換えてエタノール(6.0mL)を用いた以外は、全て同じ操作を行い、4,4,5,5−テトラメチル−2−(4−トリフルオロメチルフェニル)−1,3,2−ジオキサボロランの生成をH NMRで確認した(NMR収率50%)。
【0158】
実施例−86
【0159】
【化35】

反応容器に、2,2’−ビ(1,3,2−ベンゾジオキサボロール)(1.10mmol,262mg)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(0.030mmol,25mg)、酢酸カリウム(7.20mmol,706mg)を加えてアルゴン置換した。さらにジメチルスルホキシド(6.0mL)を加えた。この反応溶液に2−ブロモアセトフェノン(1.00mmol,199mg)を加えて80℃で2時間攪拌した。室温まで冷却後、2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオール(2.20mmol,260mg)を加えて、室温でさらに30分攪拌した。H NMRにより2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)アセトフェノンの生成を確認した(NMR収率30%)。
H−NMR(重クロロホルム,ppm):δ1.44(12H,s),2.61(3H,s),7.41−7.45(1H,m),7.51−7.56(2H,m),7.82(2H,d,J=8.6Hz)。
【0160】
実施例−87
実施例−86の酢酸カリウムを3.00mmol(294mg)とし、ジメチルスルホキシドに換えてエタノール(6.0mL)を用いた以外は、全て同じ操作を行い、2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)アセトフェノンの生成をH NMRで確認した(NMR収率80%)。
【0161】
実施例−88
【0162】
【化36】

反応容器に、2,2’−ビ(1,3,2−ベンゾジオキサボロール)(1.10mmol,262mg)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(0.030mmol,25mg)、酢酸カリウム(7.20mmol,706mg)を加えてアルゴン置換した。さらにエタノール(6.0mL)を加えた。この反応溶液に2−ブロモ安息香酸メチル(1.00mmol,215mg)を加えて80℃で2時間攪拌した。室温まで冷却後、2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオール(2.20mmol,260mg)を加えて、室温でさらに30分攪拌した。H NMRにより2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸メチルの生成を確認した(NMR収率80%)。
H−NMR(重クロロホルム,ppm):δ1.42(12H,s),3.91(3H,s),7.39−7.43(1H,m),7.49−7.52(2H,m),7.94(1H,d,J=7.6Hz).
MS(m/z):247[M]
【0163】
実施例−89
【0164】
【化37】

反応容器に、2,2’−ビ(1,3,2−ベンゾジオキサボロール)(1.10mmol,262mg)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(0.030mmol,25mg)、酢酸カリウム(7.20mmol,706mg)を加えてアルゴン置換した。さらにジメチルスルホキシド(6.0mL)を加えた。この反応溶液に2,4,5−トリメチルブロモベンゼン(1.00mmol,199mg)を加えて80℃で2時間攪拌した。室温まで冷却後、2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオール(2.20mmol,260mg)を加えて、室温でさらに30分攪拌した。反応終了後、溶液をろ過し、酢酸エチルで洗った。濃縮後、反応混合物に水を加え、ジエチルエーテルで抽出した。その有機層をろ過し、ろ液を濃縮し、得られた残渣を蒸留することにより、白色固体の2−(2,4,5−トリメチルフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランを得た(207mg,収率84%)。
H−NMR(重クロロホルム,ppm):δ1.33(12H,s),2.22(3H,s),2.23(3H,s),2.47(3H,s),6.95(1H,s),7.52(1H,s)。
【0165】
実施例−90
実施例−89の酢酸カリウムを3.00mmol(294mg)とし、ジメチルスルホキシドに換えてエタノール(6.0mL)を用いた以外は、全て同じ操作を行い、2−(2,4,5−トリメチルフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランの生成をH NMRで確認した(NMR収率50%)。
【0166】
実施例−91
【0167】
【化38】

反応容器に、2,2’−ビ(1,3,2−ベンゾジオキサボロール)(1.10mmol,262mg)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(0.030mmol,25mg)、酢酸カリウム(7.20mmol,706mg)を加えてアルゴン置換した。さらにジメチルスルホキシド(6.0mL)を加えた。この反応溶液に2−ブロモ−1,3−ジメチルベンゼン(1.00mmol,185mg)を加えて80℃で2時間攪拌した。室温まで冷却後、2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオール(2.20mmol,260mg)を加えて、室温でさらに30分攪拌した。さらにトルエンおよび蒸留水を適量添加し、14時間反応させた。反応終了後、溶液をろ過し、酢酸エチルで洗った。濃縮後、反応混合物に水を加え、ジエチルエーテルで抽出した。その有機層をろ過し、ろ液を濃縮し、得られた残渣を蒸留することにより、無色液体の2−(2,6−ジメチルフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランを得た(111mg,収率48%)。
H−NMR(重クロロホルム,ppm):δ1.38(12H,s),2.39(6H,s),δ6.94(2H,d,J=7.3Hz), 7.12(1H,t,J=7.3Hz).
MS(m/z):232[M]
【0168】
実施例−92
実施例−91の酢酸カリウムを3.00mmol(294mg)とし、ジメチルスルホキシドに換えてエタノール(6.0mL)を用いた以外は、全て同じ操作を行い、2−(2,6−ジメチルフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランの生成をH NMRで確認した(NMR収率30%)。
【0169】
実施例−93
【0170】
【化39】

反応容器に、2,2’−ビ(1,3,2−ベンゾジオキサボロール)(1.10mmol,262mg)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(0.030mmol,25mg)、酢酸カリウム(3.00mmol,294mg)を加えてアルゴン置換した。さらにエタノール(6.0mL)を加えた。この反応溶液に2−ブロモ−5−フルオロベンゾニトリル(1.00mmol,200mg)を加えて80℃で2時間攪拌した。室温まで冷却後、2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオール(2.20mmol,260mg)を加えて、室温でさらに30分攪拌した。H NMRにより5−フルオロ−2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゾニトリルの生成を確認した(NMR収率:45%)。
H−NMR(重クロロホルム,ppm):δ1.38(12H,s), 7.39−7.42(2H,m), 7.90(1H,t,J=7.3Hz)。
【0171】
実施例−94
【0172】
【化40】

反応容器に、2,2’−ビ(1,3,2−ベンゾジオキサボロール)(1.10mmol,262mg)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(0.030mmol,25mg)、酢酸カリウム(3.00mmol,294mg)を加えてアルゴン置換した。さらにエタノール(6.0mL)を加えた。この反応溶液に1−ブロモ−3,4,5−トリフルオロベンゼン(1.00mmol,211mg)を加えて80℃で2時間攪拌した。室温まで冷却後、2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオール(2.20mmol,260mg)を加えて、室温でさらに30分攪拌した。反応終了後、反応混合物に酢酸エチルを加えろ過し、ろ液を濃縮した。水を加え、ジエチルエーテルで抽出し、ろ液を濃縮した。水を加え、ヘキサンで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を濃縮することにより、白色固体の2−(3,4,5−トリフルオロフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランを得た(255mg,収率99%)。
H−NMR(重クロロホルム,ppm):δ1.33(12H,s),7.38(2H,t, J=7.4Hz)。
【0173】
実施例−95
実施例−94の酢酸カリウムを7.2mmol(706mg)とし、エタノールに換えてジメチルスルホキシド(6.0mL)を用いた以外は、全て同じ操作を行い、2−(3,4,5−トリフルオロフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランの生成をH NMRで確認した(NMR収率99%)。
【0174】
実施例−96
【0175】
【化41】

反応容器に、2,2’−ビ(1,3,2−ベンゾジオキサボロール)(1.10mmol,262mg)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(0.030mmol,25mg)、酢酸カリウム(7.20mmol,706mg)を加えてアルゴン置換した。さらにジメチルスルホキシド(6.0mL)を加えた。この反応溶液に1−ブロモ−3,4−ジフルオロベンゼン(1.00mmol,193mg)を加えて80℃で2時間攪拌した。室温まで冷却後、2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオール(2.20mmol,260mg)を加えて、室温でさらに30分攪拌した。反応終了後、溶液をろ過し、酢酸エチルで洗った。濃縮後、反応混合物に水を加え、ジエチルエーテルで抽出した。その有機層をろ過し、ろ液を濃縮し、得られた残渣を蒸留することにより、無色液体の2−(3,4−ジフルオロフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランを得た(151mg,収率63%)。
H−NMR(重クロロホルム,ppm):δ1.33(12H,s),7.14(1H,d, J=10.7Hz),7.52(1H,t,J=6.5Hz),7.58(1H,t,J=9.6Hz)。
【0176】
実施例−97
実施例−96の酢酸カリウムを3.00mmol(294mg)とし、ジメチルスルホキシドに換えてエタノール(6.0mL)を用いた以外は、全て同じ操作を行い、2−(3,4−ジフルオロフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランの生成をH NMRで確認した(NMR収率80%)。
【0177】
実施例−98
【0178】
【化42】

反応容器に、2,2’−ビ(1,3,2−ベンゾジオキサボロール)(1.10mmol,262mg)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(0.030mmol,25mg)、酢酸カリウム(3.00mmol,294mg)を加えてアルゴン置換した。さらにエタノール(6.0mL)を加えた。この反応溶液に1−ブロモ−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン(1.00mmol,293mg)を加えて80℃で2時間攪拌した。室温まで冷却後、2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオール(2.20mmol,260mg)を加えて、室温でさらに30分攪拌した。反応終了後、反応混合物に酢酸エチルを加えろ過し、ろ液を濃縮した。水を加え、ジエチルエーテルで抽出し、ろ液を濃縮した。水を加え、ヘキサンで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を濃縮することにより、白色固体の2−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランを得た(313mg,収率92%)。
H−NMR(重クロロホルム,ppm):δ1.37(12H,s),7.94(1H,s),8.23(2H,s)。
【0179】
実施例−99
実施例−98の酢酸カリウムを7.2mmol(706mg)とし、エタノールに換えてジメチルスルホキシド(6.0mL)を用いた以外は、全て同じ操作を行い、2−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランの生成をH NMRで確認した(NMR収率99%)。
【0180】
実施例−100
【0181】
【化43】

反応容器に、2,2’−ビ(1,3,2−ベンゾジオキサボロール)(1.10mmol,262mg)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(0.030mmol,25mg)、酢酸カリウム(7.20mmol,706mg)を加えてアルゴン置換した。さらにジメチルスルホキシド(6.0mL)を加えた。この反応溶液に5−ブロモ−1,3−ベンゾジオキソール(1.00mmol,201mg)を加えて80℃で2時間攪拌した。室温まで冷却後、2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオール(2.20mmol,260mg)を加えて、室温でさらに30分攪拌した。反応終了後、溶液をろ過し、酢酸エチルで洗った。濃縮後、反応混合物に水を加え、ジエチルエーテルで抽出した。その得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を濃縮し、ヘキサンで抽出した。その溶液を濃縮することにより、無色液体の5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1,3−ベンゾジオキソールを得た(241mg,収率97%)。
H−NMR(重クロロホルム,ppm):δ1.32(12H,s),5.95(2H,s),6.83(1H,d,J=7.9Hz),7.24(1H,s), 7.36(1H,d,J=1.1,7.9Hz)。
【0182】
実施例−101
実施例−100の酢酸カリウムを3.00mmol(294mg)とし、ジメチルスルホキシドに換えてエタノール(6.0mL)を用いた以外は、全て同じ操作を行い、5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1,3−ベンゾジオキソールの生成をH NMRで確認した(NMR収率60%)。
【0183】
実施例−102
【0184】
【化44】

反応容器に、2,2’−ビ(1,3,2−ベンゾジオキサボロール)(1.10mmol,262mg)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(0.030mmol,25mg)、酢酸カリウム(7.20mmol,706mg)を加えてアルゴン置換した。さらにジメチルスルホキシド(6.0mL)を加えた。この反応溶液に4−ブロモ−2−フルオロベンズアルデヒド(1.00mmol,203mg)を加えて80℃で2時間攪拌した。室温まで冷却後、2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオール(2.20mmol,260mg)を加えて、室温でさらに30分攪拌した。H NMRにより2−フルオロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンズアルデヒドの生成をH NMRで確認した(NMR収率55%)。
H−NMR(重クロロホルム,ppm):δ1.36(12H,s),7.59(1H,d, J=10.2Hz),7.67(1H,d,J=7.6Hz),7.85(1H,t,J=7.1Hz), 10.40(1H,s).
MS(m/z):250[M]
【0185】
実施例−103
実施例−102の酢酸カリウムを3.00mmol(294mg)とし、ジメチルスルホキシドに換えてエタノール(6.0mL)を用いた以外は、全て同じ操作を行い、2−フルオロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンズアルデヒドの生成をH NMRで確認した(NMR収率60%)。
【0186】
実施例−104
【0187】
【化45】

反応容器に、2,2’−ビ(1,3,2−ベンゾジオキサボロール)(1.10mmol,262mg)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(0.030mmol,25mg)、酢酸カリウム(7.20mmol,706mg)を加えてアルゴン置換した。さらにジメチルスルホキシド(6.0mL)を加えた。この反応溶液に4−ヨード安息香酸メチル(1.00mmol,262mg)を加えて80℃で2時間攪拌した。室温まで冷却後、2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオール(2.20mmol,260mg)を加えて、室温でさらに30分攪拌した。H NMRにより4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸メチルの生成をH NMRで確認した(NMR収率99%)。
【0188】
実施例−105
実施例−104の酢酸カリウムを3.00mmol(294mg)とし、ジメチルスルホキシドに換えてエタノール(6.0mL)を用いた以外は、全て同じ操作を行い、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸メチルの生成をH NMRで確認した(NMR収率85%)。
【0189】
実施例−106
【0190】
【化46】

反応容器に、2,2’−ビ(1,3,2−ベンゾジオキサボロール)(1.10mmol,262mg)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(0.030mmol,25mg)、酢酸カリウム(7.20mmol,706mg)を加えてアルゴン置換した。さらにジメチルスルホキシド(6.0mL)を加えた。この反応溶液にトリフルオロメタンスルホン酸 4−メトキシフェニル(1.00mmol,256mg)を加えて80℃で2時間攪拌した。室温まで冷却後、2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオール(2.20mmol,260mg)を加えて、室温でさらに30分攪拌した。H NMRにより4−メトキシフェニル−2−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランの生成をH NMRで確認した(NMR収率99%)。
【0191】
実施例−107
実施例−106の酢酸カリウムを3.00mmol(294mg)とし、ジメチルスルホキシドに換えてエタノール(6.0mL)を用いた以外は、全て同じ操作を行い、4−メトキシフェニル−2−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランの生成をH NMRで確認した(NMR収率15%)。
【0192】
実施例−108
【0193】
【化47】

反応容器に、2,2’−ビ(1,3,2−ベンゾジオキサボロール)(1.10mmol,262mg)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(0.030mmol,25mg)、酢酸カリウム(3.00mmol,294mg)を加えてアルゴン置換した。さらにエタノール(6.0mL)を加えた。この反応溶液に4−ブロモベンジルアミン塩酸塩(1.00mmol,223mg)を加えて80℃で2時間攪拌した。室温まで冷却後、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(2.20mmol,229mg)を加えて、室温でさらに30分攪拌した。反応終了後、反応混合物に酢酸エチルを加えろ過し、ろ液を濃縮した。ヘキサンで洗った後、水を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を濃縮した。得られた残渣を蒸留することにより、白色固体の4−(5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン−2−イル)ベンジルアミンを得た(127mg,収率58%)。
H−NMR(重クロロホルム,ppm):δ1.01(12H,s),1.90(2H,s),3.75(3H,s),3.92(2H,brs),7.33(2H,d,J=6.8Hz),7.78(2H,d,J=6.8Hz).
MS(m/z):232[M]
【0194】
実施例−109
実施例−108の酢酸カリウムを7.2mmol(706mg)とし、エタノールに換えてジメチルスルホキシド(6.0mL)を用いた以外は、全て同じ操作を行い、4−(5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン−2−イル)ベンジルアミンの生成をH NMRで確認した(NMR収率30%)。
【0195】
実施例−110
【0196】
【化48】

反応容器に、2,2’−ビ(1,3,2−ベンゾジオキサボロール)(1.10mmol,262mg)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(0.030mmol,25mg)、酢酸カリウム(7.20mmol,706mg)を加えてアルゴン置換した。さらにジメチルスルホキシド(6.0mL)を加えた。この反応溶液に3−ブロモ−4−フルオロトルエン(1.00mmol,189mg)を加えて80℃で2時間攪拌した。室温まで冷却後、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(2.20mmol,229mg)を加えて、室温でさらに30分攪拌した。H NMRにより2−(2−フルオロ−5−メチルフェニル)−5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナンの生成を確認した(NMR収率80%)。
H−NMR(重クロロホルム,ppm):δ1.03(6H,s),3.79(4H,s),2.30(3H,s),6.99(1H,t,J=8.6Hz),7.14−7.19(1H,m),7.50(1H,s).
MS(m/z):222[M]
【0197】
実施例−111
実施例−110の酢酸カリウムを3.00mmol(294mg)とし、ジメチルスルホキシドに換えてエタノール(6.0mL)を用いた以外は、全て同じ操作を行い、2−(2−フルオロ−5−メチルフェニル)−5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナンの生成をH NMRで確認した(NMR収率50%)。
【0198】
実施例−112
【0199】
【化49】

反応容器に、2,2’−ビ(1,3,2−ベンゾジオキサボロール)(1.10mmol,262mg)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(0.030mmol,25mg)、酢酸カリウム(7.20mmol,706mg)を加えてアルゴン置換した。さらにジメチルスルホキシド(6.0mL)を加えた。この反応溶液に2−ブロモベンゾトリフルオリド(1.00mmol,225mg)を加えて80℃で2時間攪拌した。室温まで冷却後、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(2.20mmol,229mg)を加えて、室温でさらに30分攪拌した。反応終了後、溶液をろ過し、酢酸エチルで洗った。濃縮後、反応混合物に水を加え、ジエチルエーテルで抽出した。その得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を濃縮し、ヘキサンで抽出した。その溶液を濃縮することにより、白色固体の5,5−ジメチル−2−(トリフルオロメチルフェニル)−1,3,2−ジオキサボリナンを得た(119mg,収率46%)。
H−NMR(重クロロホルム,ppm):δ1.06(6H,s),3.78(4H,s),7.44−7.49(2H,m),7.62−7.69(2H,m).
MS(m/z):272[M]
【0200】
実施例−113
【0201】
【化50】

反応容器に、2,2’−ビ(1,3,2−ベンゾジオキサボロール)(1.10mmol,262mg)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(0.030mmol,25mg)、酢酸カリウム(7.20mmol,706mg)を加えてアルゴン置換した。さらにジメチルスルホキシド(6.0mL)を加えた。この反応溶液に2−ブロモ−1,3−ジメチルベンゼン(1.00mmol,185mg)を加えて80℃で2時間攪拌した。室温まで冷却後、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(2.20mmol,229mg)を加えて、室温でさらに30分攪拌した。H NMRにより2−(2,6−ジメチルフェニル)−5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナンの生成を確認した(NMR収率70%)。
H−NMR(重クロロホルム,ppm):δ1.10 (6H,s),2.38(6H,s),3.79(4H,s), 6.93 (2H,d,J=7.5Hz),7.09(1H,t,J=7.5Hz).
MS(m/z):218[M]
【0202】
実施例−114
【0203】
【化51】

反応容器に、2,2’−ビ(1,3,2−ベンゾジオキサボロール)(1.10mmol,262mg)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(0.030mmol,25mg)、酢酸カリウム(7.20mmol,706mg)を加えてアルゴン置換した。さらにジメチルスルホキシド(6.0mL)を加えた。この反応溶液に1−ブロモ−4−エトキシ−2,3−ジフルオロベンゼン(1.00mmol,237mg)を加えて80℃で2時間攪拌した。室温まで冷却後、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(2.20mmol,229mg)を加えて、室温でさらに30分攪拌した。反応終了後、溶液をろ過し、酢酸エチルで洗った。濃縮後、反応混合物に水を加え、ジエチルエーテルで抽出した。その有機層をろ過し、ろ液を濃縮し、得られた残渣を蒸留することにより、無色液体の2−(4−エトキシ−2,3−ジフルオロフェニル)−5,5−ジメチル−1,3,2ジオキサボリナンを得た(105mg,収率39%)。
H−NMR(重クロロホルム,ppm):δ1.03(6H,s),1.45(3H,t,J=7.0Hz),3.77(4H,s),4.13(2H,q,J=7.0Hz),6.69(1H,t,J=7.6Hz),7.36(1H,t,J=7.6Hz).
MS(m/z):270[M]
【0204】
実施例−115
【0205】
【化52】

反応容器に、2,2’−ビ(1,3,2−ベンゾジオキサボロール)(1.10mmol,262mg)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(0.030mmol,25mg)、酢酸カリウム(3.00mmol,294mg)を加えてアルゴン置換した。さらにエタノール(6.0mL)を加えた。この反応溶液に4−ブロモ安息香酸(1.00mmol,201mg)を加えて80℃で2時間攪拌した。室温まで冷却後、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(2.20mmol,229mg)を加えて、室温でさらに30分攪拌した。H NMRにより4−(5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン−2−イル)安息香酸の生成を確認した(NMR収率60%)。
H−NMR(重クロロホルム,ppm):δ1.03(6H,s), 3.78(4H,s),7.85(2H,d,J=5.9Hz),8.00(2H,d,J=5.9Hz)。
【0206】
実施例−116
【0207】
【化53】

反応容器に、2,2’−ビ(1,3,2−ベンゾジオキサボロール)(1.10mmol,262mg)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(0.030mmol,25mg)、酢酸カリウム(3.00mmol,294mg)を加えてアルゴン置換した。さらにエタノール(6.0mL)を加えた。この反応溶液に4−ブロモベンズアミド(1.00mmol,200mg)を加えて80℃で2時間攪拌した。室温まで冷却後、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(2.20mmol,229mg)を加えて、室温でさらに30分攪拌した。H NMRにより4−(5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン−2−イル)ベンズアミドの生成を確認した(NMR収率92%)。
H−NMR(重クロロホルム,ppm):δ1.03(6H,s),3.78(4H,s),7.77(2H,d,J=7.7Hz),7.87(2H,d,J=8.2Hz)。
【0208】
実施例−117
【0209】
【化54】

反応容器に、2,2’−ビ(1,3,2−ベンゾジオキサボロール)(1.10mmol,262mg)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(0.030mmol,25mg)、酢酸カリウム(3.00mmol,294mg)を加えてアルゴン置換した。さらにエタノール(6.0mL)を加えた。この反応溶液に2−ブロモ安息香酸メチル(1.00mmol,215mg)を加えて80℃で2時間攪拌した。室温まで冷却後、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(2.20mmol,229mg)を加えて、室温でさらに30分攪拌した。H NMRにより2−(5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン−2−イル)安息香酸メチルの生成を確認した(NMR収率66%)。
H−NMR(重クロロホルム,ppm):δ1.11(6H,s),3.80(4H,s),3.92(3H,s),7.36−7.40(1H,m), 7.49−7.52(2H,m), 7.92(1H,t,J=7.3Hz).
MS(m/z):248[M]
【0210】
実施例−118
【0211】
【化55】

反応容器に、2,2’−ビ(1,3,2−ベンゾジオキサボロール)(1.10mmol,262mg)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(0.030mmol,25mg)、酢酸カリウム(3.00mmol,294mg)を加えてアルゴン置換した。さらにエタノール(6.0mL)を加えた。この反応溶液に2−ブロモ安息香酸エチル(1.00mmol,229mg)を加えて80℃で2時間攪拌した。室温まで冷却後、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(2.20mmol,229mg)を加えて、室温でさらに30分攪拌した。反応終了後、溶液をろ過し、酢酸エチルで洗った。濃縮後、ヘキサン抽出した。その溶液をろ過し、ろ液を濃縮し、得られた残渣を蒸留することにより、白色固体の2−(5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン−2−イル)アセトフェノンの生成を得た(169mg,収率73%)。
H−NMR(重クロロホルム,ppm):δ1.12(6H,s),2.61(3H,s),3.80(3H,s),7.38−7.42(1H,m),7.52−7.54(2H,m),7.81(1H,d,J=7.7Hz)。
【0212】
実施例−119
【0213】
【化56】

反応容器に、2,2’−ビ(1,3,2−ベンゾジオキサボロール)(1.10mmol,262mg)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(0.030mmol,25mg)、酢酸カリウム(3.00mmol,294mg)を加えてアルゴン置換した。さらにエタノール(6.0mL)を加えた。この反応溶液に2−ブロモアセトフェノン(1.00mmol,199mg)を加えて80℃で2時間攪拌した。室温まで冷却後、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(2.20mmol,229mg)を加えて、室温でさらに30分攪拌した。反応終了後、溶液をろ過し、酢酸エチルで洗った。濃縮後、ヘキサンで抽出した。その溶液を濃縮することにより、無色液体の2−(5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン−2−イル)安息香酸エチルを得た(246mg,収率94%)。
H−NMR(重クロロホルム,ppm):δ1.11(6H,s), 1.39(3H,t,J=7.1Hz), 3.79(4H,s), 4.38(2H,q,J=7.1Hz),7.35−7.39(1H,m), 7.49−7.50(2H,m), 7.93(1H,d,J=7.7Hz)。
【0214】
実施例−120
【0215】
【化57】

反応容器に、2,2’−ビ(1,3,2−ベンゾジオキサボロール)(1.10mmol,262mg)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(0.030mmol,25mg)、酢酸カリウム(7.20mmol,706mg)を加えてアルゴン置換した。さらにジメチルスルホキシド(6.0mL)を加えた。この反応溶液に2−ブロモクロロベンゼン(1.00mmol,191mg)を加えて80℃で2時間攪拌した。室温まで冷却後、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(2.20mmol,229mg)を加えて、室温でさらに30分攪拌した。反応終了後、溶液をろ過し、酢酸エチルで洗った。濃縮後、反応混合物に水を加え、ジエチルエーテルで抽出した。その有機層をろ過し、ろ液を濃縮し、得られた残渣を蒸留することにより、無色液体の白色固体の2−(2−クロロフェニル)−5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナンを得た(137mg,収率61%)。
H−NMR(重クロロホルム,ppm):δ1.05(6H,s),3.79(4H,s),7.21(1H,t,J=7.3Hz),7.30−7.34(2H,m), 7.63(1H, d,J=7.3Hz)。
【0216】
実施例−121
実施例−13のジメチルスルホキシドに換えて、トリフルオロエタノール(6.0mL)を用いた以外は、全て同じ操作を行い、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸メチルの生成をH NMRで確認した(NMR収率18%)。
【0217】
実施例−122
実施例−13のジメチルスルホキシドに換えて、1,3−ジメチル−2−イミダゾリドン(6.0mL)を用いた以外は、全て同じ操作を行い、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸メチルの生成をH NMRで確認した(NMR収率99%)。
【0218】
実施例−123
実施例−13のジメチルスルホキシドに換えて、N−メチル−2−ピロリドン(6.0mL)を用いた以外は、全て同じ操作を行い、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸メチルの生成をH NMRで確認した(NMR収率99%)。
【0219】
実施例−124
実施例−13のジメチルスルホキシドに換えて、シクロペンチルメチルエーテル(6.0mL)を用いた以外は、全て同じ操作を行い、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸メチルの生成をH NMRで確認した(NMR収率42%)。
【0220】
実施例−125
実施例−13のジメチルスルホキシドに換えて、アセトニトリル(6.0mL)を用いた以外は、全て同じ操作を行い、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸メチルの生成をH NMRで確認した(NMR収率78%)。
【0221】
実施例−126
実施例−1のエタノール(6.0mL)に換えて、プロパノール(6.0mL)を用いた以外は、全て同じ操作を行い、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸メチルの生成をH NMRで確認した(NMR収率99%)。
【0222】
実施例−127
実施例−1のエタノール(6.0mL)に換えて、2−プロパノール(6.0mL)を用いた以外は、全て同じ操作を行い、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸メチルの生成をH NMRで確認した(NMR収率99%)。
【0223】
実施例−128
実施例−1のエタノール(6.0mL)に換えて、エチレングリコール(6.0mL)を用いた以外は、全て同じ操作を行い、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸メチルの生成をH NMRで確認した(NMR収率50%)。
【0224】
実施例−129
実施例−1のエタノール(6.0mL)に換えて、シクロヘキサノール(6.0mL)を用いた以外は、全て同じ操作を行い、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸メチルの生成をH NMRで確認した(NMR収率86%)。
【0225】
実施例−130
実施例−1のエタノール(6.0mL)に換えて、ヘキサノール(6.0mL)を用いた以外は、全て同じ操作を行い、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸メチルの生成をH NMRで確認した(NMR収率99%)。
【0226】
実施例−131
実施例−13の2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオールを(1.10mmol,130mg)とした以外は、全て同じ操作を行い、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸メチルの生成をH NMRで確認した(NMR収率91%)。
【0227】
実施例−132
【0228】
【化58】

反応容器に、2,2’−ビ(1,3,2−ベンゾジオキサボロール)(1.10mmol,262mg)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(0.030mmol,25mg)、酢酸カリウム(3.00mmol,294mg)を加えてアルゴン置換した。さらにエタノール(6.0mL)を加えた。この反応溶液に4−クロロ安息香酸メチル(1.00mmol,171mg)を加えて80℃で2時間攪拌した。室温まで冷却後、2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオール(2.20mmol,260mg)を加えて、室温でさらに30分攪拌した。H NMRにより4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸メチルの生成を確認した(NMR収率27%)。
H−NMR(重クロロホルム,ppm):δ1.36(12H,s),3.92(3H,s),7.87(2H,d,J=8.4Hz),8.02(2H,d,J=8.4Hz).
MS(m/z):262[M]
【0229】
実施例−133
実施例−132のエタノール(6.0mL)に換えて、ジメチルスルホキシド(6.0mL)を用い、酢酸カリウム(7.20mmol,706mg)とした以外は、全て同じ操作を行い、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸メチルの生成をH NMRで確認した(NMR収率29%)。
【0230】
実施例−134
【0231】
【化59】

反応容器に、2,2’−ビ(1,3,2−ベンゾジオキサボロール)(1.10mmol,262mg)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(0.030mmol,25mg)、酢酸カリウム(3.00mmol,294mg)を加えてアルゴン置換した。さらにエタノール(6.0mL)を加えた。この反応溶液に4−ブロモ安息香酸エチル(1.00mmol,229mg)を加えて80℃で2時間攪拌した。室温まで冷却後、1,2−エタンジオール(2.20mmol,137mg)を加えて、室温でさらに30分攪拌した。H NMRにより4−(1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸エチルの生成を確認した(NMR収率99%)。
H−NMR(重クロロホルム,ppm):δ1.40(3H,t,J=7.0Hz),4.38(2H,q,J=7.0Hz),4.41(4H,s),7.88(2H,d,J=8.4Hz),8.04(2H,d,J=8.4Hz)。
【0232】
実施例−135
実施例−134のエタノール(6.0mL)に換えて、ジメチルスルホキシド(6.0mL)を用い、酢酸カリウム(7.20mmol,706mg)とした以外は、全て同じ操作を行い、4−(1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸エチルの生成をH NMRで確認した(NMR収率99%)。
【0233】
実施例−136
【0234】
【化60】

反応容器に、2,2’−ビ(1,3,2−ベンゾジオキサボロール)(1.10mmol,262mg)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(0.030mmol,25mg)、酢酸カリウム(3.00mmol,294mg)を加えてアルゴン置換した。さらにエタノール(6.0mL)を加えた。この反応溶液に4−ブロモ安息香酸エチル(1.00mmol,229mg)を加えて80℃で2時間攪拌した。室温まで冷却後、1,3−プロパンジオール(2.20mmol,163mg)を加えて、室温でさらに30分攪拌した。H NMRにより4−(1,3,2−ジオキサボリナン−2−イル)安息香酸エチルの生成を確認した(NMR収率99%)。
H−NMR(重クロロホルム,ppm):δ1.40(3H,t,J=7.0Hz),2.08(2H,quint,J=5.5Hz),4.18(4H,t,J=5.5Hz),4.38(2H,q,J=7.0Hz),7.83(2H,d,J=8.4Hz),8.00(2H,d,J=8.4Hz)。
【0235】
実施例−137
実施例−136のエタノール(6.0mL)に換えて、ジメチルスルホキシド(6.0mL)を用い、酢酸カリウム(7.20mmol,706mg)とした以外は、全て同じ操作を行い、4−(1,3,2−ジオキサボリナン−2−イル)安息香酸エチルの生成をH NMRで確認した(NMR収率99%)。
【0236】
実施例−138
【0237】
【化61】

反応容器に、2,2’−ビ(1,3,2−ベンゾジオキサボロール)(1.10mmol,262mg)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(0.030mmol,25mg)、酢酸カリウム(7.20mmol,706mg)を加えてアルゴン置換した。さらにジメチルスルホキシド(6.0mL)を加えた。この反応溶液に4−ブロモビフェニル(1.00mmol,233mg)を加えて80℃で2時間攪拌した。室温まで冷却後、2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオール(2.20mmol,260mg)を加えて、室温でさらに30分攪拌した。H NMRにより4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ビフェニルの生成を確認した(NMR収率99%)。
H−NMR(重クロロホルム,ppm):δ1.36(12H,s),7.45(2H,d,J=7.9Hz),7.61(5H, m),7.88(2H,d,J=7.9Hz)。
【0238】
実施例−139
実施例−138の酢酸カリウムを3.00mmol(294mg)とし、ジメチルスルホキシドに換えてエタノール(6.0mL)を用いた以外は、全て同じ操作を行い、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ビフェニルの生成をH NMRで確認した(NMR収率90%)。
【0239】
実施例140
実施例−13のジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムを0.020mmolとした以外は、全て同じ操作を行い、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸メチルの生成をH NMRで確認した(NMR収率99%)。
【0240】
実施例141
実施例−13のジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムを0.005mmolとした以外は、全て同じ操作を行い、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸メチルの生成をH NMRで確認した(NMR収率80%)。
【0241】
実施例142
実施例−1のジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムを0.005mmolとした以外は、全て同じ操作を行い、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸メチルの生成をH NMRで確認した(NMR収率99%)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パラジウム触媒および酢酸塩の存在下、一般式(1)
【化1】

(式中、Rは、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を示す。)で表される2,2’−ビ(1,3,2−ベンゾジオキサボロール)誘導体と一般式(2)
【化2】

(式中、Rは、水素原子;フッ素原子、水酸基またはアミノ基で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基;フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルコキシ基;炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいフェニルオキシ基;(炭素数1〜4のアルキル)カルボニル基;(炭素数1〜4のアルコキシ)カルボニル基;カルボキシル基;ホルミル基;水酸基;ハロゲン原子;シアノ基;炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基または(炭素数1〜4のアルキル)カルボニル基で1つないし2つ置換されていてもよいアミノ基;カルバモイル基;(フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル)チオ基;スルファモイル基;フルオロスルホニル基;(フッ素原子で置換されていてもよいフェニル)オキシスルホニル基;またはフェニル基を示す。隣接する水酸基は、一体となって、炭素数1から3のアルキレンジオキシ基を形成してもよい。nは1から4を示す。Xは、塩素原子;臭素原子;ヨウ素原子;またはトリフルオロメチルスルホニルオキシ基を示す。)で表されるベンゼン誘導体を反応させ、次いで一般式(3)
【化3】

(式中、RおよびRは同一または異なって、水素原子またはメチル基を示す。Aはメチレン基;ジメチルメチレン基;エチレン基;または単結合を示す。)で表されるジオール類を反応させることを特徴とする、一般式(4)
【化4】

(式中、R、R、R、nおよびAは前記と同じ内容を示す。)で表されるアリール(ジオラート)ボラン類の製造方法。
【請求項2】
が、水素原子またはtert−ブチル基である請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
酢酸塩が、酢酸カリウムまたは酢酸ナトリウムである請求項1または2に記載の製造方法。

【公開番号】特開2011−190240(P2011−190240A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−8157(P2011−8157)
【出願日】平成23年1月18日(2011.1.18)
【出願人】(000003300)東ソー株式会社 (1,901)
【出願人】(000173762)公益財団法人相模中央化学研究所 (151)
【Fターム(参考)】