説明

アルカリ賦活炭の製造装置およびアルカリ賦活炭製造装置の管理方法

【課題】トンネル炉内に異常が発生した場合に、炉内の賦活反応生成物、未反応物を安全に炉外に排出することができ、また、炉壁等に付着したアルカリ化合物を効率良く除去し、安定してアルカリ賦活炭を製造することができるアルカリ賦活炭の製造装置を提供する。
【解決手段】炭素材をアルカリ金属化合物で賦活することによりアルカリ賦活炭を製造するアルカリ賦活炭の製造装置において、加熱手段と不活性ガス導入路12aを備え、原料仕込み後の容器が通過する間に脱水および上記炭素材の賦活反応が行われるトンネル炉3と、上記トンネル炉3内に第二導入路12bを通じて水蒸気を導入する三方弁14、水蒸気導入路15と、を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭素材をアルカリ金属化合物で賦活することにより、高比表面積の活性炭を製造する、アルカリ賦活炭の製造装置およびアルカリ賦活炭製造装置の管理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
BET比表面積が1,500m/gを超えるような高比表面積の活性炭を製造する方法の一つとしてアルカリ賦活法が知られている。
【0003】
このアルカリ賦活法は従来の水蒸気賦活法に比べ、製品活性炭の比表面積を大きくすることができ、また、静電容量が高いことなどの特徴がある。
【0004】
上記アルカリ賦活法によって得られたアルカリ賦活活性炭は、電気二重層キャパシタの電極として、触媒担体として、或いは吸着剤として、近年、需要が高まっている。
【0005】
また、アルカリ賦活活性炭の製造技術に関しては、バッチ式の反応炉で高比表面積を有する活性炭を製造するもの(例えば、特許文献1参照)、アルカリ雰囲気焼成炉における搬送用レールの材質を特定したもの(例えば、特許文献2参照)、高比表面積活性炭の製造装置において各部の構成を記載したもの(例えば、特許文献3参照)、トンネル炉の搬出口に、二酸化炭素により金属を捕集するトラップ室を設けた活性炭製造装置(例えば、特許文献4参照)などが知られている。
【特許文献1】特開平2−97414号公報
【特許文献2】特開平3−294780号公報
【特許文献3】特許第3276981号公報
【特許文献4】特開2007−15870号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記したいずれの先行技術も、製造装置が正常に稼働していることを前提としたものであり、トンネル炉内に異常が発生した際の処置、例えば、炉の壁面に腐食によって孔が空いた場合や、アルカリ賦活炭の製造を阻害する要因となるアルカリ化合物が、トンネル炉内壁に付着、あるいはトンネル炉内に堆積した際の除去対策については示されていない。
【0007】
本発明は以上のような従来のアルカリ賦活炭の製造装置における課題を考慮してなされたものであり、第一の目的は、トンネル炉内に異常が発生した場合に、トンネル炉内の賦活反応生成物、未反応物を、安全に炉外に排出することができるアルカリ賦活炭の製造装置を提供することにあり、第二の目的は、炉壁に付着したアルカリ金属化合物を効率良く除去し、安定してアルカリ賦活炭を製造することができるアルカリ賦活炭の製造装置を提供することにある。また、アルカリ賦活炭製造装置の管理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のアルカリ賦活炭の製造装置は、炭素材をアルカリ金属化合物で賦活することによりアルカリ賦活炭を製造するアルカリ賦活炭の製造装置において、
加熱手段と不活性ガス導入路を備え、原料仕込み後の容器が通過する間に脱水および上記炭素材の賦活反応が行われるトンネル炉と、
上記トンネル炉内に水蒸気を導入する水蒸気導入手段と、を有することを要旨とする。
【0009】
本発明のアルカリ賦活炭の製造装置において、上記水蒸気導入手段は、上記トンネル炉の入口部、中間部、および冷却ゾーンを構成する出口部の少なくともいずれか一カ所に設けることができる。
【0010】
また、上記水蒸気導入手段として、上記トンネル炉の筒軸方向に向けて配置された水蒸気ノズルを備えることができる。
【0011】
また、上記トンネル炉の上記出口部に、第二の不活性ガス導入路が接続されている場合、この第二の不活性ガス導入路に、上記水蒸気導入手段として、不活性ガス導入位置と水蒸気導入位置との間で流路を切り換える切換弁を介設するとともに、この切換弁の水蒸気導入位置に水蒸気導入路を接続することができる。
【0012】
また、上記トンネル炉の中間部に、上記不活性ガス導入路が接続されている場合、この不活性ガス導入路に、上記水蒸気導入手段として、不活性ガス導入位置と水蒸気導入位置との間で流路を切り換える切換弁を上記不活性ガス導入路に介設するとともに、この切換弁の水蒸気導入位置に水蒸気導入路を接続することができる。
【0013】
それにより、トンネル炉の中間部からも水蒸気を導入することが可能になり、トンネル炉出口部のみから水蒸気を導入する場合に比べ、トンネル炉内により速く水蒸気を充満させることが可能になる。
【0014】
本発明のアルカリ賦活炭製造装置の管理方法は、炭素材をアルカリ金属化合物で賦活することによりアルカリ賦活炭を製造するアルカリ賦活炭製造装置の管理方法であって、
加熱手段と不活性ガス導入路を備え原料仕込み後の容器が通過する間に脱水および上記炭素材の賦活反応を行うトンネル炉内に、水蒸気を導入することにより、
上記トンネル炉の異常発生時にはアルカリ金属化合物の不活性化、またはトンネル炉のメンテナンス時には上記トンネル炉内の洗浄を行うことを要旨とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明のアルカリ賦活炭の製造装置によれば、炉内に異常が発生した場合に、炉内の賦活反応生成物、未反応物を安全に炉外に排出することができる。
【0016】
また、炉壁に付着したアルカリ金属化合物を効率良く除去し安定してアルカリ賦活炭を製造することができる。
【0017】
本発明のアルカリ賦活炭製造装置の管理方法によれば、トンネル炉で例えば容器搬送トラブル等の異常が生じた場合、トンネル炉内に水蒸気を導入することにより、迅速にアルカリ金属化合物の不活性化を図ることができる。また、トンネル炉のメンテナンス時にトンネル炉内に水蒸気を導入すれば、トンネル炉内の洗浄が行える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面に示した実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明に係るアルカリ賦活炭の製造装置(以下、賦活炭製造装置と略称する)の一実施形態を示す平面図である。
【0020】
同図において、賦活炭製造装置Aは、炭素材をアルカリ金属化合物で賦活することにより、高比表面積を有するアルカリ賦活炭を製造するものであり、原料供給部1、入口側置換室2、トンネル炉3、冷却ゾーン(冷却部)4、注水室5、出口側置換室6、反応混合物排出部7、容器移動路8a〜8d、プッシャー9a〜9k、および後述する水封装置10から主として構成されている。
【0021】
上記アルカリ賦活炭の具体例としては、活性炭が示される。
【0022】
上記原料供給部1では、空の容器Cに対し、炭素材とアルカリ金属化合物とが仕込まれる。
【0023】
上記アルカリ金属化合物としては、例えば、水酸化カリウム,水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸カリウム,炭酸ナトリウム等のアルカリ金属炭酸塩、硫酸カリウム,硫酸ナトリウム等のアルカリ金属の硫酸塩などが示される。
【0024】
上記入口側置換室2は、トンネル炉3の入口部に設けられており、脱気と不活性ガスによる置換が行われるようになっている。なお、不活性ガスとしては、炭素材とアルカリ金属化合物の反応に悪影響を及ぼさないものであれば、特に制限はなく、例えば、Nガスが用いられる。なお、N以外にArを使用することもできる。
【0025】
上記トンネル炉3は、加熱手段を備えており、原料仕込み後の容器Cが通過する間に、脱水および炭素材の賦活反応を行うようになっている。
【0026】
上記加熱手段としては、黒鉛ヒータ、金属ヒータ、シーズヒータ等の電気ヒータを使用した加熱方式を採用することができるが、電気ヒータに限らず、ガス燃焼加熱方式を採用することもできる。
【0027】
上記冷却ゾーン4は、トンネル炉3の出口部に設けられ、トンネル炉3を通過した容器C内の反応混合物を冷却するようになっている。
【0028】
なお、トンネル炉3および冷却ゾーン4の少なくともいずれか一方に、不活性ガス導入部が設けられる。不活性ガスは、炭素材と金属アルカリ化合物の反応に悪影響を及ぼさないものであれば特に限定されないが、例えば、Nガスが用いられる。
【0029】
上記冷却ゾーン4を通過することにより、賦活温度まで加熱された容器C内の反応混合物は、炉外に取り出しても安全な温度で、且つ次工程の注水室5において注水が可能な温度まで冷却される。なお、冷却は、通常、水冷によって行われる。
【0030】
上記注水室5は、冷却ゾーン4の出口端に設けられ、容器C内の反応混合物に注水するようになっている。この注水室5にも不活性ガス、例えば、Nガスが導入される。
【0031】
注水室5における注水処理により、反応混合物はさらに冷却され、金属アルカリが水酸化アルカリに変換される。それにより、上記反応混合物が着火したり爆発する危険性が解消される。
【0032】
上記出口側置換室6は、上記注水室5の出口部分に設けられ、脱気および不活性ガスとの置換ができるようになっている。この場合の不活性ガスも、例えば、Nガスが用いられる。
【0033】
上記反応混合物排出部7では、上記出口側置換室6を通過した容器C内の反応混合物を容器Cから分離、排出するようになっている。
【0034】
上記容器移動路8a〜8dは、上述した各処理部、すなわち、原料供給部1、入口側置換室2、トンネル炉3、トンネル炉3の冷却ゾーン4、注水室5、出口側置換室6、反応混合物排出部7を、この記載順に連絡するようになっている。
【0035】
図2は、上記トンネル炉3内に導入される不活性ガスの例としてのNガス、およびトンネル炉3から排出される排気ガスの配管経路の例を示したものである。なお、説明を簡単にするため、入口側置換室2および出口側置換室6に導入するNガス導入路についてはその説明を省略している。
【0036】
図2において、Nガスは、第二導入路(第二の不活性ガス導入路)12bを通じて冷却ゾーン4の出口部に導入され、第一導入路(不活性ガス導入路)12aを通じてトンネル炉3の中間部3aに導入されるようになっている。
【0037】
一方、トンネル炉3入口部からの排気ガスは、第1排気路13aを通じて、また、注水室5からの排気ガスは、第2排気路13bを通じてそれぞれ水封装置10としての水封タンクに集められ、排ガス処理される。
【0038】
上記構成を有する賦活炭製造装置Aを用いて連続的にアルカリ賦活を行っている際に、万一、賦活炭製造装置Aに問題が生じた場合には速やかに賦活反応を停止させ、賦活反応生成物、未反応物を安全にトンネル炉3の外部に排出しなければならない。
【0039】
賦活反応を停止させる場合、トンネル炉3内の電気ヒータへの通電を遮断し、トンネル炉3内の温度を降下させた後、トンネル炉3の排出口から、賦活反応生成物、未反応物を排出することになるが、例えば、トンネル炉3内の容器C搬送トラブルによって通常の操作方法で容器Cを排出することが不可能になった場合には、トンネル炉3を開放して賦活反応生成物、未反応物を強制的に排出せざるを得なくなる。
【0040】
ところが、トンネル炉3内にはアルカリ金属化合物と炭素材との反応によって生成したアルカリ金属が浮遊した状態で、またはトンネル炉内壁に付着した状態で存在しており、不活性化せずに容器Cを大気中に取り出した場合には発火する虞れがあり、Hも存在していることから爆発する虞れもある。
【0041】
金属アルカリを不活性化させる方法として、二酸化炭素等の酸性ガスと反応させる方法や、弱酸の水溶液で中和する方法が考えられるが、迅速で且つ確実に不活性化させるという観点から見れば、上記の方法はいずれも完全な方法とは言えなかった。
【0042】
そこで、本発明では、図1に示したトンネル炉3の筒軸に沿ってトンネル炉3の下流側から上流側に向けて水蒸気を導入することにより、アルカリ金属を速やかに不活性化でき、同時にトンネル炉3内の温度を効果的に下げることに成功した。
【0043】
本実施形態のトンネル炉(容積約8m)3で使用する水蒸気とは、温度100℃〜150℃のものを例えば流量1m/minでそのトンネル炉3内に導入することが好ましいが、この条件に制限されるものではなく、トンネル炉3内のアルカリ金属化合物と反応し、溶解させるのに十分な温度と水蒸気量があればよい。
【0044】
水蒸気を導入するための構成として、トンネル炉3の出口部である冷却ゾーン4に水蒸気ノズル11を設け、トンネル炉3の筒軸(X軸)方向に沿って水蒸気を導入することができるようにした。上記水蒸気ノズル11は水蒸気導入手段として機能する。
【0045】
なお、上記水蒸気ノズル11をトンネル炉3の入口部3bに設ければ、トンネル炉3の上流側から下流側に向けて水蒸気を導入することもできる。
【0046】
また、不活性化に水蒸気を採用することによる利点は以下の通りである。
【0047】
炭酸ガスによる不活性化の場合、a.塊状に付着しているカリウム化合物との反応は表面層のみであり、塊の中まで反応しにくく、b.反応後の炭酸カリウムを剥離除去する効果を得にくく、c.未反応のカリウム化合物が残っていた場合、トンネル炉を大気に開放した際に発火する虞れがあり、また、d.完全に不活性化できたかどうかを目視で判断しにくい等の欠点がある。
【0048】
これに対し、水蒸気による不活性化では、a.塊状のカリウム化合物と反応し、生成した水酸化カリウムを過剰の水蒸気が溶解することにより、塊の中まで不活性化が進み、トンネル炉内の隅々まで不活性化を図ることができ、b.反応後の水酸化カリウムは、過剰の水蒸気による水に溶解し、トンネル炉内の隅々まで除去することが可能になり、c.十分に水で湿らせることにより、発火の危険がなくなり、d.十分に水に濡れていることを目視で確認すれば、不活性化が十分であると判断することができ、e.万一、未反応の活性なカリウム化合物が残っていても、水で濡れていれば反応による発熱は水の蒸発熱によって吸収されるため、発火の可能性が低減されるからである。
【0049】
このように、水蒸気を導入する本発明によれば、トラブルによってトンネル炉3を開放する必要がある場合であっても、安全且つ迅速に賦活反応生成物、未反応物を排出することが可能になる。
【0050】
また、上記水蒸気ノズル11は、冷却ゾーン4の出口部分に対して新たに設けてもよいが、既に配索されている、Nガスを導入する第二導入路12bを利用することもできる。
【0051】
図2に示すように、第二導入路12bに例えば三方弁14を介設し、水蒸気を導入する水蒸気導入路15と切り換えることができるように構成すれば、平常時にはその第二導入路12bを通じてNガスを導入し、トラブル発生時には三方弁14を水蒸気導入路15側に切り換えることにより、水蒸気をその第二導入路12bを通じてトンネル炉3内に導入することが可能になる。上記三方弁14および水蒸気導入路15は水蒸気導入手段として機能する。
【0052】
上記三方弁14および水蒸気導入路15は、上記第二導入路12bだけでなくトンネル炉3内にNガスを導入するための第一導入路12aに設けることもできる。このように構成すれば、水蒸気がトンネル炉3の中間部分にも導入されるため、トンネル炉3内により速く水蒸気を充満させることができるようになる。
【0053】
また、水蒸気をトンネル炉3内に導入するという構成を採用すれば、非常時に限らず、トンネル炉を安全且つ効率良く洗浄することができるというメンテナンス効果も得られる。
【0054】
トンネル炉内の洗浄について以下に詳しく説明する。
【0055】
トンネル炉を用いて賦活処理を続けるうちに、トンネル炉内で揮発したアルカリ金属は炉の内壁や配管等に付着する。付着物が剥がれ落ちて容器C内に落下すると、製品となる活性炭の品質を低下させ、また、炉底に堆積した付着物は、容器Cの円滑な搬送の妨げになる。
【0056】
したがって、トンネル炉3内は定期的に洗浄する必要がある。
【0057】
従来、トンネル炉内を洗浄する場合には、トンネル炉入口もしくは出口から洗浄器具を挿入し、水をかけながら付着物を掻き落とすといった作業が必要であり、トンネル炉内に強固に固着したアルカリ金属化合物の除去に多大の時間を費やしていた。
【0058】
また、水による不活性化が不十分な状態でアルカリ金属化合物がトンネル炉内に残っていた場合は、発火の危険もあった。
【0059】
これに対し、本発明の活性炭製造装置によれば、トンネル炉の入口部、中間部、出口部の少なくともいずれか一カ所から、トンネル炉内に水蒸気を導入することができるため、導入された水蒸気は、トンネル炉内隅々まで行き渡り、アルカリ金属化合物を完全に不活性化するとともに溶解させることができる。
【0060】
また、溶け出たアルカリ金属化合物水溶液は、トンネル炉入口またはトンネル炉出口から排出される。したがって、本発明により、完全かつ効果的にトンネル炉3内の洗浄を行うことが可能になる。
【0061】
なお、本発明の賦活炭製造装置Aは、活性炭の製造に限らず、比表面積の小さい賦活炭の製造にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明に係るアルカリ賦活炭製造装置の全体構成を示す平面図である。
【図2】図1のトンネル炉内に導入されるNガスおよび排気ガスの配管経路図である。
【符号の説明】
【0063】
1 原料供給部
2 入口側置換室
3 トンネル炉
4 冷却ゾーン
5 注水室
6 出口側置換室
7 反応混合物排出部
8a〜8d 容器移動路
9a〜9k プッシャー
10 水封装置
11 水蒸気ノズル
12a 第一導入路(不活性ガス導入路)
12b 第二導入路(第二の不活性ガス導入路)
13a 第1排気路
13b 第2排気路
14 三方弁
15 水蒸気導入路
A 賦活炭製造装置
C 容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭素材をアルカリ金属化合物で賦活することによりアルカリ賦活炭を製造するアルカリ賦活炭の製造装置において、
加熱手段と不活性ガス導入路を備え、原料仕込み後の容器が通過する間に脱水および上記炭素材の賦活反応が行われるトンネル炉と、
上記トンネル炉内に水蒸気を導入する水蒸気導入手段と、を有することを特徴とするアルカリ賦活炭の製造装置。
【請求項2】
上記水蒸気導入手段が、上記トンネル炉の入口部、中間部、および冷却ゾーンを構成する出口部の少なくともいずれか一カ所に設けられている請求項1記載のアルカリ賦活炭の製造装置。
【請求項3】
上記水蒸気導入手段として、上記トンネル炉の筒軸方向に向けて配置された水蒸気ノズルを有する請求項2記載のアルカリ賦活炭の製造装置。
【請求項4】
上記トンネル炉の上記出口部に、第二の不活性ガス導入路が接続され、この第二の不活性ガス導入路に、上記水蒸気導入手段として、不活性ガス導入位置と水蒸気導入位置との間で流路を切り換える切換弁が介設されるとともに、この切換弁の水蒸気導入位置に水蒸気導入路が接続されている請求項2記載のアルカリ賦活炭の製造装置。
【請求項5】
上記トンネル炉の上記中間部に、上記不活性ガス導入路が接続され、この不活性ガス導入路に、上記水蒸気導入手段として、不活性ガス導入位置と水蒸気導入位置との間で流路を切り換える切換弁が上記不活性ガス導入路に介設されるとともに、この切換弁の水蒸気導入位置に水蒸気導入路が接続されている請求項2または4記載のアルカリ賦活炭の製造装置。
【請求項6】
炭素材をアルカリ金属化合物で賦活することによりアルカリ賦活炭を製造するアルカリ賦活炭製造装置の管理方法であって、
加熱手段と不活性ガス導入路を備え原料仕込み後の容器が通過する間に脱水および上記炭素材の賦活反応を行うトンネル炉内に、水蒸気を導入することにより、
上記トンネル炉の異常発生時にはアルカリ金属化合物の不活性化、またはトンネル炉のメンテナンス時には上記トンネル炉内の洗浄を行うことを特徴とするアルカリ賦活炭製造装置の管理方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate