説明

アルキルスルホニル置換チアゾリド化合物

新しいクラスのアルキルスルホニル置換チアゾリド化合物について記載する。これらの化合物は、肝炎ウイルスに対して強い活性を示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
[0001] 本出願は、そのそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国仮特許出願番号60/953,758(2007年8月3日出願)、米国仮特許出願番号61/046,956(2008年4月22日出願)、及び米国仮特許出願番号61/056,369(2008年5月27日出願)の利益を請求する。
【0002】
連邦政府支援の研究又は開発に関する陳述
[0002] 本明細書に開示する発明は、ジョージタウン大学メディカルセンターへのNIAID契約:NO1−AI−30046の下での政府支援でなされた。従って、米国政府は、本発明において一定の権利を有する可能性がある。
【0003】
[0003] 本出願は、チアゾリド化合物の分野に概して関する。特に、本出願は、アルキルスルホニル置換チアゾリド化合物に関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
[0004] B型肝炎ウイルス(HBV)とC型肝炎ウイルス(HCV)は、全世界で推定5億件以上の慢性感染症を引き起こしている主要な公衆衛生問題である(Chen and Morgan, 2006; Lavanchy, 2004)。いずれのウイルスも、重大な進行性肝疾患の起源であり、原発性肝細胞癌のほとんど全例で主要な危険因子である(Chen and Morgan, 2006; Lavanchy, 2004; Wong and Lok, 2006)。両ウイルス感染症に対して認可された標準治療法は、多くの症例で有効であるものの、次善のものであり、ほとんどの個体においてウイルス学又は臨床上の「治癒」をもたらすものではない(Wong and Lok, 2006)。多数の承認薬剤に対する耐性を担う株が含まれる、HBVにおける薬剤耐性の発現は、新たな臨床問題であり、将来のHCV療法への薬剤耐性は、重大な医療課題となると予測されている(Tomei et al., 2005; Tong et al., Yim et al., 2006)。
【0005】
[0005] ニタゾキサニド(NTZ)のようなチアゾリド化合物は、抗感染症剤であり、嫌気性細菌、原生動物、及びウイルスに抗する活性を保有する(Fox et al., 2005; Pankuch and Appelbaum, 2006; Rossignol et al., 2006a; Rossignol and El-Gohary, 2006)。元来は腸の原生動物感染症の治療薬として開発されたが、NTZの抗ウイルス特性は、後天性免疫不全症候群(AIDS)の患者においてクリプトスポリジウム症を治療するためのその開発の経過の間に発見された。NTZは、米国では、成人と12月齢までの小児における Cryptosporidium spp(クリプトスポリジウム種)又は Giardia lamblia(ランブル鞭毛虫)によって引き起こされる下痢及び腸炎の治療用に販売されている(Alinia(登録商標)、Romark Laboratories,フロリダ州タンパ、アメリカ)。臨床試験は、Cryptosporidium spp、G. lamblia、Entamoeba histolytica(赤痢アメーバ)、及び Blastocystis hominis(ブラストシスティス・ホミニス)によって引き起こされる腸の原生動物感染症に関連した下痢及び腸炎を治療することにおけるNTZの有効性を明示した(Amadi et al., 2002; Oritz et al., 2001; Rossignol et al., 2001, 2005, 2006b)。最近の無作為化二重盲検臨床試験は、成人の Clostridium difficile(クロストリジウム・ディフィシル)大腸炎、若年小児のロタウイルス胃腸炎、及び成人のロタウイルス及びノロウイルス胃腸炎を治療することにおけるNTZの有効性を明示した(Musher et al, 2006; Rossignol et al, 2006a; Rossignol and El Gohary, 2006)。嫌気性生物に抗するNTZの作用機序は、嫌気性エネルギー代謝に必須である、ピルビン酸:フェレドキシンオキシドレダクターゼ(PFOR)酵素依存性の電子伝達反応への干渉によるものである(Hoffman et al., 2006)。その抗ウイルス活性の機序は、完全には解明されていない。
【0006】
[0006] 500mg錠剤の経口投与に続き、NTZは、胃腸管より一部吸収され、血漿において速やかに加水分解されて、その活性の循環代謝産物、チゾキサニド(TIZ)を形成する。NTZは、血漿中に検出されない。TIZの最高血清濃度は、1つの500mg NTZ錠剤(Alinia(登録商標))の食事と一緒の経口投与に続いて、ほぼ10μg/mL(37μM)に達する(Stockis et al., 2002)。TIZは、肝臓中でグルクロン酸抱合されて、尿及び胆汁中に排出される。経口用量のほぼ2/3が腸管を通過して、TIZとして糞中排泄される(Broekhuysen et al., 2000)。TIZの血漿からの消失半減期は、約1.5時間である。TIZは、シトクロムP450酵素を阻害せず、それ故に、薬物−薬物相互作用は予測されない(Broekhuysen et al., 2000; Stockis et al., 2002)。臨床試験で報告された最も一般的な副作用には、軽度の腹痛、頭痛、下痢、及び吐気が含まれ、これらは、プラセボを受けた患者で報告されたものと同様の割合で発生する。NTZを用いた臨床経験のほとんどが3〜14日の治療を伴うものであったが、AIDS関連のクリプトスポリジウム症の患者で4年のも長さの間この薬剤を継続使用したところ、重大な薬剤関連の有害事象はないと評価された(Fox et al., 2005; Rossignol, 2006)。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[0007] 本明細書では、NTZ、TIZ、及び他の新しいチアゾリドの活性を特徴付ける試験の結果を提示する。特に、2−ベンズアミド−5−アルキルスルホニル−チアゾールの抗ウイルス活性を明示する。
【0008】
[0008] 開示するのは、チアゾリド化合物又はその塩である。いくつかの態様において、開示される化合物は、式(I):
【0009】
【化1】

【0010】
[式中、R〜RとRは、H、CN、NO、F、Cl、Br、I、−OH、−PO(OR)(OR0−1、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、(C−C)−シクロアルキル、(C−C)−シクロアルキル−(C−C)−アルキル、(C−C)−シクロアルキル−(C−C)−アルケニル、(C−C)−シクロアルキル−(C−C)−アルキニル、(C−C)−シクロアルケニル、(C−C)−シクロアルケニル−(C−C)−アルキル、(C−C)−シクロアルケニル−(C−C)−アルケニル、(C−C)−シクロアルケニル−(C−C)−アルキニル、(C−C)−アルコキシ、(C−C)−アルケニルオキシ、(C−C)−アルキニルオキシ、(C−C)−アルコキシ−(C−C)−アルキル、(C−C)−アルコキシ−(C−C)−アルキル、(C−C)−アルコキシ−(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルコキシ−(C−C)−アルキニル、(C−C)−アルケニルオキシ、(C−C)−アルケニルオキシ−(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニルオキシ−(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルケニルオキシ−(C−C)−アルキニル、(C−C)−アルキニルオキシ、(C−C)−アルキニルオキシ−(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニルオキシ−(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルケニルオキシ−(C−C)−アルキニル、(C−C)−シクロアルコキシ、(C−C)−シクロアルキル−(C−C)−アルコキシ、(C−C)−シクロアルキル−(C−C)−アルケニルオキシ、(C−C)−シクロアルキル−(C−C)−アルキニルオキシ、(C−C)−シクロアルケニルオキシ、(C−C)−シクロアルケニル−(C−C)−アルコキシ、(C−C)−シクロアルケニル−(C−C)−アルケニルオキシ、(C−C)−シクロアルケニル−(C−C)−アルキニルオキシ、(C−C)−アルコキシ−(C−C)−アルキルアミノ、(C−C)−ヒドロキシアルキル、(C−C)−アシル、(C−C)−アシルオキシ、アロイルオキシ、アリールアルカノイルオキシ、アリールアルケノイルオキシ、ヘテロアロイルオキシ、ヘテロアリールアルカノイルオキシ、ヘテロアリールアルケノイルオキシ、(C−C)−アルキルアミノ、(C−C)−ジアルキルアミノ、(C−C)−アルキルアミノアルキル、アミド、(C−C)−アルキルアミド、(C−C)−ジアルキルアミド、(C−C)−ハロアルキル、(C−C)−ペルハロアルキル、(C−C)−ペルハロアルコキシ、SR、(C−C)−アルキルチオ、(C−C)−アルキルチオアルキル、(C−C)−アルキルスルホニル、(C−C)−アルキルスルホニル−(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニルスルホニル、(C−C)−アルキニルスルホニル、(C−C)−ヒドロキシアルキルスルホニル、−SO−(CR0−4−COOR、(C−C)−シクロアルキルスルホニル、(C−C)−シクロアルキル−(C−C)−アルキルスルホニル、(C−C)−シクロアルキル−(C−C)−アルケニルスルホニル、(C−C)−シクロアルキル−(C−C)−アルキニルスルホニル、(C−C)−シクロアルケニルスルホニル、(C−C)−シクロアルケニル−(C−C)−アルキルスルホニル、(C−C)−シクロアルケニル−(C−C)−アルケニルスルホニル、(C−C)−シクロアルケニル−(C−C)−アルキニルスルホニル、(C−C)−アルケニルスルホニル−(C−C)−アルキル、(C−C)−アルキニルスルホニル−(C−C)−アルキル、(C−C)−ヒドロキシアルキルスルホニル−(C−C)−アルキル、(C−C)−シクロアルキルスルホニル−(C−C)−アルキル、(C−C)−シクロアルキル−(C−C)−アルキルスルホニル−(C−C)−アルキル、(C−C)−シクロアルキル−(C−C)−アルケニルスルホニル−(C−C)−アルキル、(C−C)−シクロアルキル−(C−C)−アルキニルスルホニル−(C−C)−アルキル、(C−C)−シクロアルケニルスルホニル−(C−C)−アルキル、(C−C)−シクロアルケニル−(C−C)−アルキルスルホニル−(C−C)−アルキル、(C−C)−シクロアルケニル−(C−C)−アルケニルスルホニル−(C−C)−アルキル、(C−C)−シクロアルケニル−(C−C)−アルキニルスルホニル−(C−C)−アルキル、アリールスルホニル、アリールアルキルスルホニル、アリールアルケニルスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロアリールアルキルスルホニル、ヘテロアリールアルケニルスルホニル、(C−C)−アルキルスルホンアミド、N,N’−(C−C)−ジアルキルスルホンアミド、(C−C)−スルホンアミドアルキル、スルホンアミドアリール、スルホンアミドアリールアルキル、スルホンアミドアリールアルケニル、スルホンアミドアリールアルキニル、アリール(フェニルのような)、アリールアルキル、アリールオキシ、アリールアルコキシ、アリールチオ、アリールアルキルチオ、アリールアミノ、アリールアルキルアミノ、アリールアルケニル、アリールアルキニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキニル、ヘテロアリールアルコキシ、ヘテロアリールアルキルアミノ、ヘテロアリールアルキルチオ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアルコキシ、ヘテロアリールチオ、ヘテロアリールアルキルチオ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールアルキルアミノ、低級シクロアルキル、低級シクロアルキルアルキル(上記の拡張範囲を参照のこと)、ヘテロシクロ−(C−C)−アルキル、ヘテロシクロ−(C−C)−アルケニル、(C−C)−ヘテロシクロ−(C−C)−アルキニル、(C−C)−ヘテロシクロ−(C−C)−アルコキシ、(C−C)−ヘテロシクロ−(C−C)−アルケニルオキシ、(C−C)−ヘテロシクロ−(C−C)−アルキニルオキシ、−(CR0−4−OR、−(CR0−4−COOR、(CR0−4−CONR、−NH−(CR0−4−CO−R、−(CR0−4O−CO−R、及び−(CR0−4−L−SO−L−Rからなる群より独立して選択され、このいずれも置換されていてもよく;
但し、R〜Rの少なくとも1つ又はRは、−(CR0−4−L−SO−L−Rでなければならず;
ここでRとRは、水素、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、(C−C)−アルコキシ、(C−C)−アルコキシ−(C−C)−アルキル、(C−C)−ヒドロキシアルキル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、低級シクロアルキル、低級シクロアルキルアルキル、及びヘテロシクロアルキルからなる群より独立して選択され、このいずれも、置換されていてもよく;
又はRとRは、それらが付く原子と一緒に結合して、置換されていてもよい4〜8員ヘテロシクロアルキル又は置換されていてもよい3〜8員シクロアルキル環を形成してよく、そのいずれも置換されていてもよく;
ここでR〜Rは、それぞれ互いに独立して、H、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、(C−C)−シクロアルキル、(C−C)−シクロアルキル−(C−C)−アルキル、(C−C)−ヘテロシクロアルキル、(C−C)−ヘテロシクロアルキル−(C−C)−アルキル、アリール、アリールアルキル、(CH0−2−フェニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、(C−C)−アルコキシ、(C−C)−アルケニルオキシ、(C−C)−アルキニルオキシ、(C−C)−シクロアルコキシ、(C−C)−シクロアルキル−(C−C)−アルコキシ、(C−C)−ヘテロシクロアルコキシ、(C−C)−ヘテロシクロアルキル−(C−C)−アルコキシ、アリールオキシ、アリールアルコキシ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアルコキシ、(C−C)−アルキルアミノ、(C−C)−ジアルキルアミノ、(C−C)−アルキルアミノアルキル、(C−C)−シクロアルキルアミノ、(C−C)−シクロアルキル−(C−C)−アルキルアミノ、(C−C)−ヘテロシクロアルキルアミノ、(C−C)−ヘテロシクロアルキル−(C−C)−アルキルアミノ、アリールアミノ、アリールアルキルアミノ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールアルキルアミノ、及び(C−C)−アルケニルアミノより選択され、そのいずれも置換されていてもよく;
ここでLとLは、結合、O、−N(R)−、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキニルからなる群より独立して選択され、そのそれぞれは、1〜3の置換基で置換されていてもよく、但し、LとLは、同時にOではなく;
ここでRとRは、H、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、(C−C)−シクロアルキル、(C−C)−シクロアルキル−(C−C)−アルキル、(C−C)−ヘテロシクロアルキル、及び(C−C)−ヘテロシクロアルキル−(C−C)−アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキニルからなる群より独立して選択され、そのそれぞれは、1〜3の置換基で置換されていてもよく;
ここで先述の炭素含有Rx及びRyのいずれも、F、Cl、Br、及び/又はIに置き換えられる0〜9のH原子を有してよい]を有する。
【0011】
[0009] いくつかの態様において、R、R、R、R、又はRは、1以上の−OS(O)Rxであり、ここでRxは、上記のように定義される。いくつかの態様において、R、R、R、R、又はRは、1以上の−OSO−CHである。
【0012】
[0010] いくつかの態様において、RとRは、H又は−SO−アルキル、好ましくは−SOCHである。
[0011] 1つの態様において、該化合物は、以下の式:
【0013】
【化2】

【0014】
を有する。
[0012] また開示するのは、本化合物と担体(例、希釈剤又は賦形剤)を含んでなる医薬組成物である。この医薬組成物は、HCV感染症を治療するのに有効な量の化合物を含み得る。
【0015】
[0013] また開示するのは、開示される医薬組成物を必要とする患者へそれを投与することを含んでなる、HCV感染症を治療するための方法である。例えば、患者は、慢性HCV感染症を有する可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】[0014] 図1は、本明細書に開示されるような例示のチアゾリドの構造を提供する。
【図2】[0015] 図2は、組合せ治療におけるインターフェロン製剤との間の相互作用の分析の例を提供する。組合せ療法の分析は、CalcusynTMソフトウェア(Biosoft社、ケンブリッジ、イギリス)を使用して実施した。パネルA及びBは、抗HBV治療を表示し;パネルC〜Fは、抗HCV治療を表示する。2種類の評価を提示する。パネルA、C、及びEは、CI−Fa(組合せ指数−影響を受けた(ウイルスの)画分)プロットを提示する(Belen'kii and Schinazi, 1994)。これらのプロットでは、1.0より大きい組合せ指数[CI]は拮抗作用を示し、1.0未満のCIは相乗作用を示す。異なるレベル(例、5%(Fa=0.5)〜99%(Fa=0.99))のウイルス阻害での相乗、相加(和)、又は拮抗の評価をプロットした線及び点によって提供する。パネルA中の点線は、1.96の標準偏差を示す(パネルCでは、明解性のために示していない)。パネルB、D、及びFは、保守的(conservative)アイソボログラムを提示する。これらのプロットでは、組合せ治療のEC50、EC75、及びEC90(50%、75%、及び90%有効な抗ウイルス濃度)値を単一点として表示する。両軸より放射状に広がる3本の線は、単独療法より計算されるような、薬物組合せの予測(例、相加)EC50、EC75、及びEC90値を示す。対応する線の左に(例えば、未満に)プロットされる組合せのEC50、EC75、及びEC90値は相乗を示し、対応する線の右に(例えば、より大きい)プロットされる数値は、拮抗を示す。
【図3】[0016] 図3は、2.2.15細胞中のHBV核酸及びタンパク質のレベルに対するNTZの効果を例示する。2.2.15細胞の培養物は、標準手順で処置した(Korba and Gerin, 1992, Antiviral Res. 19:55)。HBV核酸レベルは、定量的なブロットハイブリダイゼーション分析(Korba and Gerin, 1992, Antiviral Res. 19:55; 1995, 28:225)によって定量した。HBVタンパク質のレベルは、半定量的EIA(Korba and Gerin, 1992, Antiviral Res. 19:55; 1995, 28:225)によって定量した。試料を希釈(2〜10倍)して、レベルをEIAの動的応答範囲とした。培養基の試料より、HBVビリオンのDNA、HBsAg、及びHBeAgを分析した。細胞内溶解液よりHBV RNA、HBV RI(HBV DNA複製中間体)、及びHBcAgを分析した。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[0017] 他に特定しなければ、「a」又は「an」(不定冠詞)は、「1以上の」を意味する。
[0018] 開示するのは、式(I):
【0018】
【化3】

【0019】
[式中、R〜Rは、上記に示した意味を有する]を有するチアゾリド化合物である。いくつかの態様において、R、R、R、R、又はRは、−OS(O)Rxであり、ここでRxは、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキルであり、そのいずれも置換されていてもよい。いくつかの態様において、R、R、R、R、又はRは、−OSO−CHである。
【0020】
[0019] いくつかの態様において、R又はRの一方はHであり、他方は、−SO−アルキル、好ましくは、−SOCH、−SOEt、−SOiPr、−CHSOMe、−NHSOMe、又は−SO−シクロプロピルである。
【0021】
[0020] 開示される化合物には、2−ベンズアミド−5−メチルスルホニル−チアゾリド、2−ベンズアミド−4−メチルスルホニル−チアゾリド、及びメタンスルホン酸2−(チアゾール−2−イルカルバモイル)フェニルが含まれる。
【0022】
[0021] 式(I)の化合物のいくつかの態様において、Rは、H、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、フェニル、F、Cl、Br、I、(CH0−2−OR、NO、(CH0−2−COOR、NH−(CH0−2−CO−R、(CH0−2O−CO−R、SR、PO(OH)(OH)0−1、及び−SOCHより選択され;R〜Rは、それぞれ互いに独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、フェニル、F、Cl、Br、I、(CH0−2−OR、NO、(CH0−2−COOR、NH−(CH0−2−CO−R、(CH0−2O−CO−R;SR;及びPO(OH)(OH)0−1より選択され;ここでR〜Rは、それぞれ互いに独立して、H、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、及び(CH0−2−フェニルより選択され;ここでRは、H又はSOCHであり;ここで該アルキル、該アルケニル、及び該アルキニルは、それぞれの場合において、F、Cl、Br、及び/又はIに置き換えられる0〜9のH原子を有し;そしてここでRが−SOCHであるならば、そのときRはHであり;そしてRがSOCHであるならば、そのときRはSOCHではない。
【0023】
[0022] 式(I)の化合物のさらなる態様において、該化合物は、式(I)[ここで:R〜Rは、それぞれ互いに独立して、H、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、フェニル、F、Cl、Br、I、(CH0−2−OR、NO、(CH0−2−COOR、NH−(CH0−2−CO−R、(CH0−2O−CO−R;SR、及びPO(OH)(OH)0−1より選択され;ここでR〜Rは、それぞれ互いに独立して、H、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、及び(CH0−2−フェニルより選択され;ここで該アルキル、該アルケニル、及び該アルキニルは、それぞれの場合において、F、Cl、Br、及び/又はIに置き換えられる0〜9のH原子を有し;そしてRは、SOCHである]を有する。
【0024】
[0023] 式(I)の化合物のさらなる態様において、該化合物は、式(I)[ここで:R〜Rは、それぞれ互いに独立して、H、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、フェニル、F、Cl、Br、I、(CH0−2−OR、NO、COOR、NH−CO−R、O−CO−R;SR、及びPO(OH)(OH)0−1より選択され;ここでR〜Rは、それぞれ互いに独立して、H、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、及び(CH0−2−フェニルより選択され;ここで該アルキル、該アルケニル、及び該アルキニルは、それぞれの場合において、F、Cl、Br、及び/又はIに置き換えられる0〜9のH原子を有し;そしてRは、SOCHである]を有する。
【0025】
[0024] 式(I)の化合物のさらなる態様において、該化合物は、式(I)[ここで:R〜Rは、それぞれ互いに独立して、H、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、フェニル、F、Cl、Br、I、OR、NO、COOR、NH−CO−R、O−CO−R;SR、及びPO(OH)(OH)0−1より選択され;ここでR〜Rは、それぞれ互いに独立して、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、及び(CH0−2−フェニルより選択され;ここで該アルキル、該アルケニル、及び該アルキニルは、それぞれの場合において、F、Cl、Br、及び/又はIに置き換えられる0〜9のH原子を有し;そしてRは、SOCHである]を有する。
【0026】
[0025] 式(I)の化合物のさらなる態様において、該化合物は、式(I)[ここで:R〜Rは、それぞれ互いに独立して、H、(C−C)−アルキル、F、Cl、Br、I、NO、及びPO(OH)(OH)0−1より選択され;ここでR〜Rは、それぞれ互いに独立して、H及び(C−C)−アルキルより選択され;そしてここで該アルキル、該アルケニル、及び該アルキニルは、それぞれの場合において、F、Cl、Br、及び/又はIに置き換えられる0〜9のH原子を有する]を有する。さらなる態様において、該化合物は、式(I)[ここで:R〜Rは、それぞれ互いに独立して、H、(C−C)−アルキル、F、Cl、Br、I、NO、及びPO(OH)(OH)0−1より選択され;ここでR〜Rは、それぞれ互いに独立して、H及び(C−C)−アルキルより選択され;そしてRは、SOCHである]を有する。
【0027】
[0026] 式(I)の化合物のさらなる態様において、該化合物は、式(I)[ここで:R〜Rは、それぞれ互いに独立して、H、F、Cl、Br、I、NO、及びPO(OH)(OH)0−1より選択され;そしてRは、SOCHである]を有する。
【0028】
[0027] 式(I)の化合物のさらなる態様において、該化合物は、式(I)[ここで:R〜Rは、それぞれ互いに独立して、H、(C−C)−アルキル、F、Cl、Br、I、(CH0−2−OR、NO、COOR、NH−CO−R、O−CO−R;SR、及びPO(OH)(OH)0−1より選択され、ここでR〜Rは、それぞれ互いに独立して、H及び(C−C)−アルキルより選択され;そしてRは、SOCHである]を有する。
【0029】
[0028] 式(I)の化合物のさらなる態様において、該化合物は、式(I)[ここで:Rは、−OS(O)Rxであり、ここでRxは、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキルであり、そのいずれも置換されていてもよく;R〜Rは、それぞれ互いに独立して、H、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、フェニル、F、Cl、Br、I、(CH0−2−OR、NO、(CH0−2−COOR、NH−(CH0−2−CO−R、(CH0−2O−CO−R、SR、及びPO(OH)(OH)0−1より選択され;ここでR〜Rは、それぞれ互いに独立して、H、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、及び(CH0−2−フェニルより選択され;ここで該アルキル、該アルケニル、及び該アルキニルは、それぞれの場合において、F、Cl、Br、及び/又はIに置き換えられる0〜9のH原子を有する]を有する。
【0030】
[0029] 式(I)の化合物のさらなる態様において、該化合物は、式(I)[ここで:Rは、−OS(O)Rxであり、ここでRxは、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキルであり、そのいずれも置換されていてもよく;R〜Rは、それぞれ互いに独立して、H、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、フェニル、F、Cl、Br、I、(CH0−2−OR、NO、COOR、NH−CO−R、O−CO−R、SR、及びPO(OH)(OH)0−1より選択され;ここでR〜Rは、それぞれ互いに独立して、H、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、及び(CH0−2−フェニルより選択され;ここで該アルキル、該アルケニル、及び該アルキニルは、それぞれの場合において、F、Cl、Br、及び/又はIに置き換えられる0〜9のH原子を有する]を有する。
【0031】
[0030] 式(I)の化合物のさらなる態様において、該化合物は、式(I)[ここで:Rは、−OS(O)CHであり;R〜Rは、それぞれ互いに独立して、H、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、フェニル、F、Cl、Br、I、OR、NO、COOR、NH−CO−R、O−CO−R、SR、及びPO(OH)(OH)0−1より選択され;ここでR〜Rは、それぞれ互いに独立して、H、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、及び(CH0−2−フェニルより選択され;ここで該アルキル、該アルケニル、及び該アルキニルは、それぞれの場合において、F、Cl、Br、及び/又はIに置き換えられる0〜9のH原子を有し;そしてRは、Hである]を有する。
【0032】
[0031] 式(I)の化合物のさらなる態様において、該化合物は、式(I)[ここで:Rは、−OS(O)CHであり;R〜Rは、それぞれ互いに独立して、H、(C−C)−アルキル、F、Cl、Br、I、NO、及びPO(OH)(OH)0−1より選択され;ここでR〜Rは、それぞれ互いに独立して、H及び(C−C)−アルキルより選択され;そしてここで該アルキル、該アルケニル、及び該アルキニルは、それぞれの場合において、F、Cl、Br、及び/又はIに置き換えられる0〜9のH原子を有し;そしてRは、Hである]を有する。
【0033】
[0032] 式(I)の化合物のさらなる態様において、該化合物は、式(I)[ここで:Rは、−OS(O)CHであり;R〜Rは、それぞれ互いに独立して、H、(C−C)−アルキル、F、Cl、Br、I、NO、及びPO(OH)(OH)0−1より選択され;ここでR〜Rは、それぞれ互いに独立して、H及び(C−C)−アルキルより選択され;そしてRは、Hである]を有する。
【0034】
[0033] 式(I)の化合物のさらなる態様において、該化合物は、式(I)[ここで:Rは、−OS(O)CHであり;R〜Rは、それぞれ互いに独立して、H、F、Cl、Br、I、NO、及びPO(OH)(OH)0−1より選択され;そしてRは、Hである]を有する。
【0035】
[0034] 式(I)の化合物のさらなる態様において、該化合物は、式(I)[ここで:Rは、−OS(O)CHであり;R〜Rは、それぞれ互いに独立して、H、(C−C)−アルキル、F、Cl、Br、I、(CH0−2−OR、NO、COOR、NH−CO−R、O−CO−R、SR、及びPO(OH)(OH)0−1より選択され;そしてここでR〜Rは、それぞれ互いに独立して、H及び(C−C)−アルキルより選択され;そしてRは、Hである]を有する。
【0036】
[0035] 開示される化合物の式において、(CH0−2は、下付き文字が0であるときに結合を、下付き文字が1であるときに(CH)を、そして下付き文字が2であるときにCHCHを表す。同様に、例えば、(CH0−2−CO−Xにおける(CH0−2という用語は、CO−X、CH−CO−X、及び(CH−CO−Xを表す。他には、(CH0−2と(CH0−1、(CH1−2、等のような類似の用語が列挙される。各用語の意味は、当業者によって容易に決定され得る。
【0037】
[0036] 開示される化合物には、式(I)の化合物、その塩、及び溶媒和物が含まれる。例えば、いくつかの態様において、本発明の化合物は、溶媒和物の塩であってよい。
[0037] 「塩」という用語は、その最も広い意味で使用する。例えば、塩という用語には、本発明の化合物のイオンとの水素塩及び水酸化物塩が含まれる。いくつかの態様において、塩という用語は、薬理学的な活性を有する本発明の化合物の塩であり、生物学的にも他の点でも望ましくないものがない、医薬的に許容される塩として言及される亜群であってよい。すべての態様において、塩は、限定なしに、水素、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、ショウノウ酸塩、カンファースルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタン−スルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、シュウ酸塩、チオシアン酸塩、トシラート、及びウンデカン酸塩のように、酸とともに形成することができる。すべての態様において、塩は、限定なしに、水酸化物、アンモニウム塩、リチウム、ナトリウム、及びカリウム塩のようなアルカリ金属塩、カルシウム、マグネシウム塩のようなアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、アンモニア、メチルアミン、ジエチルアミン、エタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、N−メチルモルホリン、N−メチル−D−グルカミンのような有機塩基との塩、並びにアルギニン及びリジンのようなアミノ酸との塩のように、塩基とともに形成することができる。塩基性の窒素含有基は、メチル、エチル、プロピル、及びブチルの塩化物、臭化物、及びヨウ化物のようなハロゲン化低級アルキル;ジメチル、ジエチル、ジブチル、及びジアミルの硫酸エステルのような硫酸ジアルキル;デシル、ラウリル、ミリスチル、及びステアリルの塩化物、臭化物、及びヨウ化物のような長鎖ハロゲン化物;並びに、ベンジル及びフェネチルの臭化物のようなハロゲン化アラルキルが含まれる薬剤とともに四級化し得る。
【0038】
[0038] 本明細書に使用される「療法的に許容される塩」という用語は、水溶性又は脂溶性又は分散可能である;不当な毒性、刺激、及びアレルギー反応を伴わずに疾患の治療に適している;妥当な利益/リスク比と釣り合っている;そして、その意図される使用に有効である、本発明の化合物の塩又は両性イオン型を表す。この塩は、本化合物の最終の単離及び精製の間に製造しても、遊離塩基の形態の適正な化合物を好適な酸と反応させることによって別々に製造してもよい。代表的な酸付加塩には、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、L−アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩(ベシラート)、重硫酸塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、ジグルコン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、ゲンチジン酸塩、グルタル酸塩、グリセロリン酸塩、グリコール酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、馬尿酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩(イセチオン酸塩)、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、DL−マンデル酸塩、メシチレンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフチレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、ホスホン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ピログルタミン酸塩、コハク酸塩、スルホン酸塩、酒石酸塩、L−酒石酸塩、トリクロロ酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、リン酸塩、グルタミン酸塩、重炭酸塩、パラ−トルエンスルホン酸塩(p−トシラート)、及びウンデカン酸塩が含まれる。また、本発明の化合物中の塩基性基は、メチル、エチル、プロピル、及びブチルの塩化物、臭化物、及びヨウ化物;ジメチル、ジエチル、ジブチル、及びジアミルの硫酸エステル;デシル、ラウリル、ミリスチル、及びステアリルの塩化物、臭化物、及びヨウ化物;並びに、ベンジル及びフェネチルの臭化物とともに四級化し得る。療法的に許容される付加塩を生成するために利用し得る酸の例には、塩酸、臭化水素酸、硫酸、及びリン酸のような無機酸とシュウ酸、マレイン酸、コハク酸、及びクエン酸のような有機酸が含まれる。塩はまた、アルカリ金属又はアルカリ土類金属イオンと化合物の配位によって生成することができる。従って、本発明は、本発明の化合物のナトリウム、カリウム、マグネシウム、及びカルシウム塩、等を考慮する。
【0039】
[0039] 塩基付加塩は、本化合物の最終の単離及び精製の間に、カルボキシ、フェノール、又は類似の基を金属カチオンの水酸化物、炭酸塩、又は重炭酸塩のような好適な塩基と、又はアンモニア又は有機の一級、二級、又は三級アミンと反応させることによって製造することができる。療法的に許容される塩のカチオンには、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、及びアルミニウム、並びにアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、エチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、ジシクロヘキシルアミン、プロカイン、ジベンジルアミン、N,N−ジベンジルフェネチルアミン、1−エフェンアミン、及びN,N’−ジベンジルエチレンジアミンのような無毒の四級アミンカチオンが含まれる。塩基付加塩の形成に有用な他の代表的な有機アミンには、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペリジン、及びピペラジンが含まれる。
【0040】
[0040] 「溶媒和物」という用語は、その最も広い意味で使用する。例えば、溶媒和物という用語には、本発明の化合物が1以上の結合水分子を含有するときに生成される水和物が含まれる。
【0041】
[0041] 本明細書に使用されるように、以下の用語は、指定の意味を有する:
[0042] 本明細書に使用される「アシル」という用語は、単独で又は組合せにおいて、アルケニル、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、複素環、又は他のあらゆる部分へ付いたカルボニルを意味し、ここでカルボニルへ付く原子は、炭素である。「アセチル」基は、−C(O)CH基を意味する。アシル基の例には、ホルミル、アルカノイル、及びアロイル残基が含まれる。
【0042】
[0043] 「アシルアミノ」という用語には、アシル基で置換されたアミノ残基が含まれる。「アシルアミノ」残基の例は、アセチルアミノ(CHC(O)NH−)である。
[0044] 本明細書に使用される「アルケニル」という用語は、単独で又は組合せにおいて、1以上の二重結合を有して2〜20、好ましくは2〜6の炭素原子を含有する、直鎖、分岐鎖、及び環式の不飽和炭化水素残基を意味する。「アルケニル基」という用語は、その最も広い意味で使用する。アルケニレンは、エテニレン[(−CH=CH−),(−C::C−)]のように、2以上の位置で付く炭素−炭素二重結合系を意味する。例えば、(C−C)アルケニル基には、2〜8の炭素原子を含有して少なくとも1つの二重結合を有する、直鎖、分岐鎖、及び環式の炭化水素鎖が含まれる。好適なアルケニル残基の例には、他に示さなければ、エテニル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、sec−ブテニル、tert−ブテニル、n−ペンテニル、n−ヘキセニル、等が含まれる。
【0043】
[0045] 本明細書に使用される「アルコキシ」という用語は、単独で又は組合せにおいて、アルキルエーテル残基を意味し、ここでアルキルという用語は、下記に定義される通りである。好適なアルキルエーテル残基の例には、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、等が含まれる。
【0044】
[0046] 本明細書に使用される「アルコキシアルコキシ」という用語は、単独で又は組合せにおいて、元の分子部分へ別のアルコキシ基を介して付く1以上のアルコキシ基を意味する。例には、エトキシエトキシ、メトキシプロポキシエトキシ、エトキシペントキシエトキシエトキシ、等が含まれる。
【0045】
[0047] 本明細書に使用される「アルコキシアルキル」という用語は、単独で又は組合せにおいて、元の分子部分へアルキル基を介して付くアルコキシ基を意味する。「アルコキシアルキル」という用語には、1以上のアルコキシ基がアルキル基へ付いた、即ち、モノアルコキシアルキル及びジアルコキシアルキル基を形成するアルコキシアルキル基も含まれる。
【0046】
[0048] 本明細書に使用される「アルコキシカルボニル」という用語は、単独で又は組合せにおいて、元の分子部分へカルボニル基を介して付くアルコキシ基を意味する。そのような「アルコキシカルボニル」基の例には、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、及びヘキシルオキシカルボニルが含まれる。
【0047】
[0049] 「アルコキシカルボニルアルキル」という用語には、上記に定義されるような「アルコキシカルボニル」がアルキル残基へ置換された残基が含まれる。より好ましいアルコキシカルボニルアルキル残基は、上記に定義されるような低級アルコキシカルボニル残基が1〜6の炭素原子へ付いた「低級アルコキシカルボニルアルキル」である。そのような低級アルコキシカルボニルアルキル残基の例には、メトキシカルボニルメチルが含まれる。
【0048】
[0050] 本明細書に使用される「アルキル」という用語は、単独で又は組合せにおいて、1〜20が含まれる、好ましくは1〜10、そしてより好ましくは1〜6の炭素原子を含有する、直鎖又は分岐鎖のアルキル残基を意味する。「アルキル基」という用語は、その最も広い意味で使用する。アルキル基は、本明細書に定義されるように置換されていてもよい。アルキル残基の例には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソアミル、ヘキシル、オクチル、ノニル、等が含まれる。例えば、O(C−C)−アルキル基は、直鎖のO(C−C)−アルキル基、並びに分岐鎖のO(C−C)−アルキル基を含む。別の例では、例えば(C−C)アルキル基が(C−C)−シクロアルキル基を含むので、この用語は、シクロアルキル基を含む。
【0049】
[0051] 本明細書に使用される「アルキレン」という用語は、単独で又は組合せにおいて、メチレン(−CH−)のように、2以上の位置で付く直鎖又は分岐鎖の飽和炭化水素より誘導される飽和脂肪族基を意味する。
【0050】
[0052] 本明細書に使用される「アルキルアミノ」という用語は、単独で又は組合せにおいて、元の分子部分へアルキル基を介して付くアミノ基を意味する。
[0053] 本明細書に使用される「アルキルアミノカルボニル」という用語は、単独で又は組合せにおいて、元の分子部分へカルボニル基を介して付くアルキルアミノ基を意味する。そのような残基の例には、N−メチルアミノカルボニル及びN,N−ジメチルカルボニルが含まれる。
【0051】
[0054] 本明細書に使用される「アルキルカルボニル」及び「アルカノイル」という用語は、単独で又は組合せにおいて、元の分子部分へカルボニル基を介して付くアルキル基を意味する。そのような基の例には、メチルカルボニル及びエチルカルボニルが含まれる。
【0052】
[0055] 本明細書に使用される「アルキリデン」という用語は、単独で又は組合せにおいて、アルケニル基が付く部分に炭素−炭素二重結合の1つの炭素原子が属するアルケニル基を意味する。
【0053】
[0056] 本明細書に使用される「アルキルスルフィニル」という用語は、単独で又は組合せにおいて、元の分子部分へスルフィニル基を介して付くアルキル基を意味する。アルキルスルフィニル基の例には、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、ブチルスルフィニル、及びヘキシルスルフィニルが含まれる。
【0054】
[0057] 本明細書に使用される「アルキルスルホニル」という用語は、単独で又は組合せにおいて、元の分子部分へスルホニル基を介して付くアルキル基を意味する。アルキルスルフィニル基の例には、メタンスルホニル、エタンスルホニル、tert−ブタンスルホニル、等が含まれる。
【0055】
[0058] 本明細書に使用される「アルキルチオ」という用語は、単独で又は組合せにおいて、アルキルチオエーテル(R−S−)残基を意味し、ここでアルキルという用語は、上記に定義される通りである。好適なアルキルチオエーテル残基の例には、メチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、イソプロピルチオ、n−ブチルチオ、イソブチルチオ、sec−ブチルチオ、tert−ブチルチオ、エトキシエチルチオ、メトキシプロポキシエチルチオ、エトキシペントキシエトキシエチルチオ、等が含まれる。
【0056】
[0059] 「アルキルチオアルキル」という用語には、アルキル残基へ付くアルキルチオ残基が含まれる。アルキルチオアルキル残基には、1〜6の炭素原子のアルキル残基と上記に記載のようなアルキルチオ残基を有する「低級アルキルチオアルキル」残基が含まれる。そのような残基の例には、メチルチオメチルが含まれる。
【0057】
[0060] 本明細書にその最も広い意味で使用される「アルキニル」という用語は、単独で又は組合せにおいて、1以上の三重結合を有して、2〜20、好ましくは2〜6、より好ましくは2〜4の炭素原子を含有する、直鎖、分岐鎖の炭化水素と環式不飽和炭化水素残基を意味する。「アルキニレン」は、エチニレン(−C:::C−、−C≡C−)のように、2つの位置で付く炭素−炭素三重結合を意味する。例えば、(C−C)アルキニル基には、2〜8炭素原子を含有して少なくとも1つの三重結合を有する、直鎖、分岐鎖、及び環式の炭化水素鎖が含まれて、この用語には、他に示さなければ、限定されないが、エチニル、プロピニル、ヒドロキシプロピニル、ブチン−1−イル、ブチン−2−イル、ペンチン−1−イル、ペンチン−2−イル、4−メトキシペンチン−2−イル、3−メチルブチン−1−イル、ヘキシン−1−イル、ヘキシン−2−イル、ヘキシン−3−イル、3,3−ジメチルブチン−1−イル、等のような置換基が含まれる。
【0058】
[0061] 本明細書に使用される「アミド」という用語は、単独で又は組合せにおいて、元の分子部分へカルボニル基を介して付く、下記に記載のようなアミノ基を意味する。本明細書に使用される「C−アミド」という用語は、単独で又は組合せにおいて、−C(=O)−NR基を意味し、Rは本明細書に定義される通りである。本明細書に使用される「N−アミド」という用語は、単独で又は組合せにおいて、RC(=O)NH−基を意味し、Rは本明細書に定義される通りである。
【0059】
[0062] 本明細書に使用される「アミノ」という用語は、単独で又は組合せにおいて、−NRR’を意味し、ここでRとR’は、水素、アルケニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アルキル、アルキルカルボニル、アリール、アリールアルケニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ハロアルキルカルボニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキル、複素環、ヘテロシクロアルケニル、及びヘテロシクロアルキルからなる群より独立して選択され、ここで該アリール、該アリールアルケニルのアリール部分、該アリールアルキル、該ヘテロアリール、該ヘテロアリールアルケニル及び該ヘテロアリールアルキルのヘテロアリール部分、該複素環、並びに該ヘテロシクロアルケニル及び該ヘテロシクロアルキルの複素環部分は、アルケニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルキル、シアノ、ハロ、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシ−アルキル、ニトロ、及びオキソからなる群より独立して選択される1、2、3、4、又は5の置換基で置換されていてもよい。
【0060】
[0063] 本明細書に使用される「アミノアルキル」という用語は、単独で又は組合せにおいて、元の分子部分へアルキル基を介して付くアミノ基を意味する。例には、アミノメチル、アミノエチル、及びアミノブチルが含まれる。「アルキルアミノ」という用語は、1又は2のアルキル残基で置換されたアミノ基を意味する。好適な「アルキルアミノ」基は、モノ又はジアルキル化されてよく、例えば、N−メチルアミノ、N−エチルアミノ、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、等のような基を形成する。
【0061】
[0064] 本明細書に使用される「アミノカルボニル」及び「カルバモイル」という用語は、単独で又は組合せにおいて、アミノ置換カルボニル基を意味し、ここで該アミノ基は、アルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル残基、等より選択される置換基を含有する一級又は二級アミノ基であり得る。
【0062】
[0065] 本明細書に使用される「アミノカルボニルアルキル」という用語は、単独で又は組合せにおいて、上記に記載されるようなアルキル残基へ付くアミノカルボニル残基を意味する。そのような残基の例は、アミノカルボニルメチルである。「アミジノ」という用語は、−C(NH)NH残基を意味する。「シアノアミジノ」という用語は、−C(N−CN)NH残基を意味する。
【0063】
[0066] 本明細書に使用される「アラルケニル」又は「アリールアルケニル」という用語は、単独で又は組合せにおいて、元の分子部分へアルケニル基を介して付くアリール基を意味する。
【0064】
[0067] 本明細書に使用される「アラルコキシ」又は「アリールアルコキシ」という用語は、単独で又は組合せにおいて、元の分子部分へアルコキシ基を介して付くアリール基を意味する。
【0065】
[0068] 本明細書に使用される「アラルキル」又は「アリールアルキル」という用語は、単独で又は組合せにおいて、元の分子部分へアルキル基を介して付くアリール基を意味する。
【0066】
[0069] 本明細書に使用される「アラルキルアミノ」又は「アリールアルキルアミノ」という用語は、単独で又は組合せにおいて、元の分子部分へ窒素原子を介して付くアリールアルキル基を意味し、ここで該窒素原子は、水素で置換されている。
【0067】
[0070] 本明細書に使用される「アラルキリデン」又は「アリールアルキリデン」という用語は、単独で又は組合せにおいて、元の分子部分へアルキリデン基を介して付くアリール基を意味する。
【0068】
[0071] 本明細書に使用される「アラルキルチオ」又は「アリールアルキルチオ」という用語は、単独で又は組合せにおいて、元の分子部分へ硫黄原子を介して付くアリールアルキル基を意味する。
【0069】
[0072] 本明細書に使用される「アラルキニル」又は「アリールアルキニル」という用語は、単独で又は組合せにおいて、元の分子部分へアルキニル基を介して付くアリール基を意味する。
【0070】
[0073] 本明細書に使用される「アラルコキシカルボニル」という用語は、単独で又は組合せにおいて、式:アラルキル−O−C(O)−の残基を意味し、ここで「アラルキル」という用語は、上記に示す意義を有する。アラルコキシカルボニル残基の例は、ベンジルオキシカルボニル(Z又はCbz)と4−メトキシフェニルメトキシカルボニル(MOS)である。
【0071】
[0074] 本明細書に使用される「アラルカノイル」という用語は、単独で又は組合せにおいて、ベンゾイル、フェニルアセチル、3−フェニルプロピオニル(ヒドロシンナモイル)、4−フェニルブチリル、(2−ナフチル)アセチル、4−クロロヒドロシンナモイル、4−アミノヒドロシンナモイル、4−メトキシヒドロシンナモイル、等のように、アリール置換アルカンカルボン酸より誘導されるアシル残基を意味する。「アロイル」という用語は、アリールカルボン酸より誘導されるアシル残基を意味し、「アリール」は、下記に示す意味を有する。そのようなアロイル残基の例には、ベンゾイル、4−クロロベンゾイル、4−カルボキシベンゾイル、4−(ベンジルオキシカルボニル)ベンゾイル、1−ナフトイル、2−ナフトイル、6−カルボキシ−2−ナフトイル、6−(ベンジルオキシカルボニル)−2−ナフトイル、3−ベンジルオキシ−2−ナフトイル、3−ヒドロキシ−2−ナフトイル、3−(ベンジルオキシホルムアミド)−2−ナフトイル、等のような、置換及び未置換のベンゾイル又はナフトイルが含まれる。
【0072】
[0075] 本明細書に使用される「アリール」という用語は、単独で又は組合せにおいて、1、2又は3の環を含有する炭素環式芳香族系を意味し、ここでそのような環は、ペンダント形式で一緒に付いても、縮合していてもよい。「アリール」という用語には、フェニル、ナフチル、アントラセニル、フェナントリル、及びビフェニルのような芳香族残基が含まれる。本発明のアリール基は、本明細書に定義されるような基より独立して選択される1、2、3、4又は5の置換基で置換されていてもよい。
【0073】
[0076] 本明細書に使用される「アリールアミノ」という用語は、単独で又は組合せにおいて、N−フェニルアミノ、等のように、元の部分へアミノ基を介して付くアリール基を意味する。
【0074】
[0077] 本明細書に使用される「アリールカルボニル」及び「アロイル」という用語は、単独で又は組合せにおいて、元の分子部分へカルボニル基を介して付くアリール基を意味する。
【0075】
[0078] 本明細書に使用される「アリールオキシ」という用語は、単独で又は組合せにおいて、元の分子部分へ酸素原子を介して付くアリール基を意味する。
[0079] 本明細書に使用される「アリールスルホニル」という用語は、単独で又は組合せにおいて、元の分子部分へスルホニル基を介して付くアリール基を意味する。
【0076】
[0080] 本明細書に使用される「アリールチオ」という用語は、単独で又は組合せにおいて、元の分子部分へ硫黄原子を介して付くアリール基を意味する。
[0081] 「カルボキシ」又は「カルボキシル」という用語は、単独で使用されても、「カルボキシアルキル」のように他の用語と一緒に使用されても、−COHを意味する。
【0077】
[0082] 本明細書に使用される「ベンゾ」及び「ベンズ」という用語は、単独で又は組合せにおいて、ベンゼンより誘導される二価の残基:C=を意味する。例には、ベンゾチオフェンとベンズイミダゾールが含まれる。
【0078】
[0083] 本明細書に使用される「O−カルバミル」という用語は、単独で又は組合せにおいて、−OC(O)NR基を意味し、Rは本明細書に定義される通りである。
[0084] 本明細書に使用される「C連結」という用語は、単独で又は組合せにおいて、元の分子部分へ炭素−炭素結合を介して付くあらゆる置換基に言及する。
【0079】
[0085] 本明細書に使用される「N−カルバミル」という用語は、単独で又は組合せにおいて、ROC(O)NH−基を意味し、Rは本明細書に定義される通りである。
[0086] 本明細書に使用される「カーボネート」という用語は、単独で又は組合せにおいて、−O−C(=O)OR基を意味し、Rは本明細書に定義される通りである。
【0080】
[0087] 本明細書に使用される「カルボニル」という用語には、単独のときにはホルミル[−C(O)H]が含まれて、組合せにおいては、−C(O)−基である。
[0088] 本明細書に使用される「カルボキシ」という用語は、−C(O)OH、又はカルボン酸塩誘導体又はエステル誘導体のような対応する「カルボキシレート」を意味する。「O−カルボキシ」基は、RC(O)O−基を意味し、ここでRは本明細書に定義される通りである。「C−カルボキシ」基は、−C(O)OR基を意味し、ここでRは本明細書に定義される通りである。
【0081】
[0089] 本明細書に使用される「シアノ」という用語は、単独で又は組合せにおいて、−CNを意味する。
[0090] 本明細書に使用される「シクロアルキル」という用語は、単独で又は組合せにおいて、飽和又は一部飽和の単環式、二環式、又は三環式アルキル残基を意味し、ここでそれぞれの環式部分は、3〜12、好ましくは3〜7の炭素原子の環員を含有して、それは、本明細書に定義されるように置換されていてもよいベンゾ縮合環系であってもよい。そのようなシクロアルキル残基の例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、オクタヒドロナフチル、2,3−ジヒドロ−1H−インデニル、アダマンチル、等が含まれる。本明細書に使用される「二環式」及び「三環式」は、デカヒドロナフタレン、オクタヒドロナフタレンのような縮合環系だけでなく多環式(多中心)の飽和又は一部飽和型もともに含まれると企図される。後者の異性体型は、概して、ビシクロ[2,2,2]オクタン、ビシクロ[2,2,2]オクタン、ビシクロ[1,1,1]ペンタン、ショウノウ、及びビシクロ[3,2,1]オクタンによって例示される。
【0082】
[0091] 本明細書に使用される「シクロアルケニル」という用語は、単独で又は組合せにおいて、一部不飽和の単環式、二環式、又は三環式残基を意味し、ここでそれぞれの環式部分は、3〜12、好ましくは5〜8の炭素原子の環員を含有して、それは、本明細書に定義されるように置換されていてもよいベンゾ縮合環系であってもよい。そのようなシクロアルケニル残基の例には、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプテニル、シクロオクタジエニル、−1H−インデニル、等が含まれる。
【0083】
[0092] 本明細書に使用される「シクロアルキルアルキル」という用語は、単独で又は組合せにおいて、上記に定義されるようなシクロアルキル残基によって置換されている、上記に定義されるようなアルキル残基を意味する。そのようなシクロアルキルアルキル残基の例には、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル、1−シクロペンチルエチル、1−シクロヘキシルエチル、2−シクロペンチルエチル、2−シクロヘキシルエチル、シクロブチルプロピル、シクロペンチルプロピル、シクロヘキシルブチル、等が含まれる。
【0084】
[0093] 本明細書に使用される「シクロアルケニルアルキル」という用語は、単独で又は組合せにおいて、上記に定義されるようなシクロアルケニル残基によって置換されている、上記に定義されるようなアルキル残基を意味する。そのようなシクロアルケニルアルキル残基の例には、1−メチルシクロヘクス−1−エニル−、4−エチルシクロヘクス−1−エニル−、1−ブチルシクロペント−1−エニル−、3−メチルシクロペント−1−エニル−、等が含まれる。
【0085】
[0094] 本明細書に使用される「エステル」という用語は、単独で又は組合せにおいて、炭素原子で連結した2つの部分を架橋するカルボニルオキシ:−(C=O)O−基を意味する。例には、安息香酸エチル、ケイ皮酸n−ブチル、酢酸フェニル、等が含まれる。
【0086】
[0095] 本明細書に使用される「エーテル」という用語は、単独で又は組合せにおいて、炭素原子で連結した2つの部分を架橋するオキシ基を意味する。
[0096] 本明細書に使用される「ハロ」又は「ハロゲン」という用語は、単独で又は組合せにおいて、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素を意味する。
【0087】
[0097] 本明細書に使用される「ハロアルコキシ」という用語は、単独で又は組合せにおいて、元の分子部分へ酸素原子を介して付くハロアルキル基を意味する。
[0098] 本明細書に使用される「ハロアルキル」という用語は、単独で又は組合せにおいて、1以上の水素がハロゲンで置き換わっている、上記に定義されるような意味を有するアルキル残基を意味する。具体的に含まれるのは、モノハロアルキル、ジハロアルキル、及びポリハロアルキル残基である。モノハロアルキル残基は、例えば、その残基内に、ヨード、ブロモ、クロロ、又はフルオロのいずれか1つを有してよい。ジハロ及びポリハロアルキル残基は、同じハロ原子の2以上を有しても、異なるハロ残基の組合せを有してもよい。ハロアルキル残基の例には、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、トリクロロメチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピル、ジフルオロクロロメチル、ジクロロフルオロメチル、ジフルオロエチル、ジフルオロプロピル、ジクロロエチル、及びジクロロプロピルが含まれる。「ハロアルキレン」は、2以上の位置で付くハロヒドロカービル基を意味する。例には、フルオロメチレン(−CFH−)、ジフルオロメチレン(−CF−)、クロロメチレン(−CHCl−)、等が含まれる。そのようなハロアルキル残基の例には、クロロメチル、1−ブロモエチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、1,1,1−トリフルオロエチル、ペルフルオロデシル、等が含まれる。
【0088】
[0099] 本明細書に使用される「ヘテロアルキル」という用語は、単独で又は組合せにおいて、完全に飽和しているか又は1〜3の不飽和度を含有し、記載数の炭素原子とO、N、及びSからなる群より選択される1〜3のヘテロ原子からなる、安定した直鎖又は分岐鎖、又は環式の炭化水素残基、又はこれらの組合せを意味し、そしてここで該窒素及び硫黄原子は、酸化されていてもよく、該窒素ヘテロ原子は、四級化されていてもよい。ヘテロ原子(複数)のO、N、及びSは、ヘテロアルキル基のどの内側部位に位置してもよい。2までのヘテロ原子は、例えば、−CH−NH−OCHのように、連続していてよい。
【0089】
[0100] 本明細書に使用される「ヘテロアリール」という用語は、単独で又は組合せにおいて、芳香族の5若しくは6員環を意味し、ここで少なくとも1つの原子は、N、O、及びSからなる群より選択され、そして残る環原子は、炭素である。5員環は、2つの二重結合を有して、6員環は、3つの二重結合を有する。ヘテロアリール基は、元の分子基へ環中の置換可能な炭素又は窒素原子を介して連結する。「ヘテロアリール」という用語にはまた、ヘテロアリール環が、本明細書に定義されるようなアリール基、本明細書に定義されるような複素環基、又は追加のヘテロアリール基へ縮合している系が含まれる。ヘテロアリールは、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンズチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、シンノリニル、フリル、イミダゾリル、トリアゾリル[例、4H−1,2,4−トリアゾリル、1H−1,2,3−トリアゾリル、2H−1,2,3−トリアゾリル、等]、テトラゾリル[例、1H−テトラゾリル、2H−テトラゾリル、等]、インダゾリル、インドリル、イソオキサゾリル、イソキノリニル、イソチアゾリル、ナフチリジニル、オキサジアゾリル[例、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、等]、オキサゾリル、イソオキサゾリル、プリニル、チアゾリル、イソチアゾリル、チエノピリジニル、チエニル、チアジアゾリル[例、1,2,4−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル、等]、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピロリル、ピリド[2,3−d]ピリミジニル、ピロロ[2,3−b]ピリジニル、キナゾリニル、キノリニル、チエノ[2,3−c]ピリジニル、テトラゾリル、トリアジニル、等によって例示される。本発明のヘテロアリール基は、本明細書に定義されるような基より独立して選択される1、2、3、4、又は5の置換基で置換されていてもよい。
【0090】
[0101] 好ましいヘテロアリール基の例には、限定なしに、チエニル、ベンゾチエニル、フリル、ベンゾフリル、ジベンゾフリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、インドリル、キノリル、イソキノリル、キノキサリニル、テトラゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、及びイソオキサゾリルが含まれる。
【0091】
[0102] 本明細書に使用される「ヘテロアラルキル」又は「ヘテロアリールアルキル」という用語は、単独で又は組合せにおいて、元の分子部分へアルキル基を介して付くヘテロアリール基を意味する。
【0092】
[0103] 本明細書に使用される「ヘテロアラルケニル」又は「ヘテロアリールアルケニル」という用語は、単独で又は組合せにおいて、元の分子部分へアルケニル基を介して付くヘテロアリール基を意味する。
【0093】
[0104] 本明細書に使用される「ヘテロアラルコキシ」又は「ヘテロアリールアルコキシ」という用語は、単独で又は組合せにおいて、元の分子部分へアルコキシ基を介して付くヘテロアリール基を意味する。
【0094】
[0105] 本明細書に使用される「ヘテロアラルキリデン」又は「ヘテロアリールアルキリデン」という用語は、単独で又は組合せにおいて、元の分子部分へアルキリデン基を介して付くヘテロアリール基を意味する。
【0095】
[0106] 本明細書に使用される「ヘテロアリールオキシ」という用語は、単独で又は組合せにおいて、元の分子部分へ酸素原子を介して付くヘテロアリール基を意味する。
[0107] 本明細書に使用される「ヘテロアリールスルホニル」という用語は、単独で又は組合せにおいて、元の分子部分へスルホニル基を介して付くヘテロアリール基を意味する。
【0096】
[0108] 本明細書に使用される「ヘテロシクロアルキル」と交換可能的に「複素環」という用語は、単独で又は組合せにおいて、少なくとも1つ、好ましくは1〜4、より好ましくは1又は2のヘテロ原子を環員として含有する、飽和、一部不飽和、又は完全不飽和の単環式、二環式、又は三環式の複素環式残基をそれぞれ意味し、ここでそれぞれの前記ヘテロ原子は、窒素、酸素、及び硫黄からなる群より独立して選択されてよく、そしてここで、それぞれの環に好ましくは3〜8の環員、それぞれの環により好ましくは3〜7の環員、そしてそれぞれの環に最も好ましくは5〜6の環員がある。「ヘテロシクロアルキル」及び「複素環」には、スルホン、スルホキシド、三級窒素環員のN−オキシドと、炭素環縮合及びベンゾ縮合環系が含まれると企図され;追加的には、いずれの用語にも、複素環の環が本明細書に定義されるようなアリール基、又は追加の複素環基へ縮合している系も含まれる。本発明の複素環基は、アジリジニル、アゼチジニル、1,3−ベンゾジオキソリル、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロイソキノリニル、ジヒドロシンノリニル、ジヒドロベンゾジオキシニル、ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[4,5−b]ピリジニル、ベンゾチアゾリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロピリジニル、1,3−ジオキサニル、1,4−ジオキサニル、1,3−ジオキソラニル、イソインドリニル、モルホリニル、ピペラジニル、ピロリジニル、テトラヒドロピリジニル、ピペリジニル、チオモルホリニル、等によって例示される。複素環基は、具体的に禁止されなければ、置換されていてもよい。
【0097】
[0109] 本明細書に使用される「ヘテロシクロアルケニル」という用語は、単独で又は組合せにおいて、元の分子部分へアルケニル基を介して付く複素環基を意味する。
[0110] 本明細書に使用される「ヘテロシクロアルコキシ」という用語は、単独で又は組合せにおいて、元の分子基へ酸素原子を介して付く複素環基を意味する。
【0098】
[0111] 本明細書に使用される「ヘテロシクロアルキル」という用語は、単独で又は組合せにおいて、ピロリジニルメチル、テトラヒドロチエニルメチル、ピリジルメチル、等のように、少なくとも1つの水素原子が上記に定義されるようなヘテロシクロ残基に置き換わっている、上記に定義されるようなアルキル残基を意味する。
【0099】
[0112] 本明細書に使用される「ヘテロシクロアルキリデン」という用語は、単独で又は組合せにおいて、元の分子部分へアルキリデン基を介して付く複素環基を意味する。
[0113] 本明細書に使用される「ヒドラジニル」という用語は、単独で又は組合せにおいて、単結合によって連結した2つのアミノ基、即ち、−N−N−を意味する。
【0100】
[0114] 本明細書に使用される「ヒドロキシ」という用語は、単独で又は組合せにおいて、−OHを意味する。
[0115] 本明細書に使用される「ヒドロキシアルキル」という用語は、単独で又は組合せにおいて、そのどの1つも1以上のヒドロキシル残基で置換されていてよい1〜約10の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖のアルキル基を意味する。そのような残基の例には、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル、及びヒドロキシヘキシルが含まれる。
【0101】
[0116] 本明細書に使用される「ヒドロキシアルキル」という用語は、単独で又は組合せにおいて、元の分子部分へアルキル基を介して付くヒドロキシ基を意味する。
[0117] 本明細書に使用される「イミノ」という用語は、単独で又は組合せにおいて、=N−を意味する。
【0102】
[0118] 本明細書に使用される「イミノヒドロキシ」という用語は、単独で又は組合せにおいて、=N(OH)及び=N−O−を意味する。
[0119] 「主鎖中の」という句は、本発明の化合物に対する基の付加点より始まる炭素原子の最長の連続又は隣接した鎖に関連する。
【0103】
[0120] 「イソシアネート」という用語は、−NCO基を意味する。
[0121] 「イソチオシアネート」という用語は、-NCS基を意味する。
[0122] 「原子の線状鎖」という句は、炭素、窒素、酸素、及び硫黄より独立して選択される原子の最長の直鎖を意味する。
【0104】
[0123] 本明細書に使用される「低級」という用語は、単独で又は組合せにおいて、1〜6が含まれる炭素原子を含有することを意味する。
[0124] 本明細書に使用される「メルカプトアルキル」という用語は、単独で又は組合せにおいて、R’SR−基を意味し、ここでRとR’は、本明細書に定義される通りである。
【0105】
[0125] 本明細書に使用される「メルカプトメルカプチル」という用語は、単独で又は組合せにおいて、RSR’S−基を意味し、ここでRは本明細書に定義される通りである。
【0106】
[0126] 本明細書に使用される「メルカプチル」という用語は、単独で又は組合せにおいて、RS−基を意味し、ここでRは本明細書に定義される通りである。
[0127] 「ヌル」という用語は、孤立電子対に関連する。
【0107】
[0128] 本明細書に使用される「ニトロ」という用語は、単独で又は組合せにおいて、−NOを意味する。
[0129] 「置換されていてもよい」という用語は、先行基が置換されていても未置換でもよいことを意味する。置換されるとき、「置換されていてもよい」基の置換基には、限定なしに、以下の基又はその指定の亜集合より独立して選択される1以上の置換基を、単独で又は組合せにおいて含めてよい:水素、カルボニル(オキソ)、カルボキシル、低級アルキルカルボキシレート、低級アルキルカーボネート、低級アルキルカルバメート、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アミド、シアノ、ヒドラジニル、ヒドラジニルカルボニル、アルキルヒドラジニル、ジアルキルヒドラジニル、アリールヒドラジニル、ヘテロアリールヒドラジニル、ニトロ、チオール、スルホン酸、三置換シリル、尿素、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、アシルチオ、低級アルキル、低級アルキルアミノ、低級ジアルキルアミノ、低級アルキルオキシ、低級アルコキシアルキル、低級アルキルチオ、低級アルキルスルホニル、低級アルケニル、低級アルケニルアミノ、低級ジアルケニルアミノ、低級アルケニルオキシ、低級アルケニルチオ、低級アルケニルスルホニル、低級アルキニル、低級アルキニルアミノ、低級ジアルキニルアミノ、低級アルキニルオキシ、低級アルキニルチオ、低級アルキニルスルホニル、低級シクロアルキル、低級シクロアルキルオキシ、低級シクロアルキルアミノ、低級シクロアルキルチオ、低級シクロアルキルスルホニル、低級シクロアルキルアルキル、低級シクロアルキルアルキルオキシ、低級シクロアルキルアルキルアミノ、低級シクロアルキルアルキルチオ、低級シクロアルキルアルキルスルホニル、アリール、アリールオキシ、アリールアミノ、アリールチオ、アリールスルホニル、アリールアルキル、アリールアルキルオキシ、アリールアルキルアミノ、アリールアルキルチオ、アリールアルキルスルホニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールチオ、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルキルオキシ、ヘテロアリールアルキルアミノ、ヘテロアリールアルキルチオ、ヘテロアリールアルキルスルホニル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルアミノ、ヘテロシクロアルキルチオ、ヘテロシクロアルキルスルホニル、低級ハロアルキル、低級ハロアルケニル、低級ハロアルキニル、低級ペルハロアルキル、低級ペルハロアルコキシ、低級ハロアルコキシ、及び低級アシルオキシ。2つの置換基は、一緒に結合して、0〜3のヘテロ原子からなる縮合した4、5、6又は7員の炭素環式又は複素環式環を形成してよく、例えば、メチレンジオキシ又はエチレンジオキシを形成する。置換されていてもよい基は、未置換(例、−CHCH)、全置換(例、−CFCF)、一置換(例、−CHCHF)であっても、全置換と一置換の間のどのレベルで置換されてもよい(例、−CHCF)。置換基が置換に関して限定なしに引用される場合、置換型と未置換型の両方が含まれる。置換基が「置換されている」として限定される場合は、置換型が特に企図される。すべてのペンダントアリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクロ部分は、上記に列挙される基より独立して選択される1、2、3、4、又は5の置換基でさらに置換されていてもよい。
【0108】
[0130] 本明細書に使用される「オキシ」又は「オキサ」という用語は、単独で又は組合せにおいて、−O−を意味する。
[0131] 本明細書に使用される「オキソ」という用語は、単独で又は組合せにおいて、二重結合した酸素:=Oを意味する。
【0109】
[0132] 「ペルハロアルコキシ」という用語は、水素原子のすべてがハロゲン原子に置き換わっているアルコキシ基を意味する。
[0133] 本明細書に使用される「ペルハロアルキル」という用語は、単独で又は組合せにおいて、水素原子のすべてがハロゲン原子に置き換わっているアルキル基を意味する。
【0110】
[0134] 本明細書に使用される「ホスホネート」という用語は、単独で又は組合せにおいて、−P(=O)(OR)(OR1)基を意味する。
[0135] 本明細書に使用される「ホスフィネート」という用語は、単独で又は組合せにおいて、−P(=O)(R)(OR1)基を意味する。
【0111】
[0136] 本明細書に使用される「スルホネート」、「スルホン酸」、及び「スルホン酸の(sulfonic)」という用語は、単独で又は組合せにおいて、−SOH基を意味して、スルホン酸としてのそのアニオンは、塩生成に使用される。
【0112】
[0137] 本明細書に使用される「スルファニル」という用語は、単独で又は組合せにおいて、−S及び−S−を意味する。
[0138] 本明細書に使用される「スルフィニル」という用語は、単独で又は組合せにおいて、−S(O)−を意味する。
【0113】
[0139] 本明細書に使用される「スルホニル」という用語は、単独で又は組合せにおいて、−SO−を意味する。
[0140] 「N−スルホンアミド」という用語は、RS(=O)NH−基を意味し、Rは本明細書に定義される通りである。
【0114】
[0141] 「S−スルホンアミド」という用語は、−S(=O)NR基を意味し、Rは本明細書に定義される通りである。
[0142] 本明細書に使用される「チア」及び「チオ」という用語は、単独で又は組合せにおいて、−S−基、又は酸素が硫黄に置き換わっているエーテルを意味する。チオ 基の酸化誘導体、即ち、スルフィニル及びスルホニルは、チア及びチオの定義に含まれる。
【0115】
[0143] 本明細書に使用される「チオエーテル」という用語は、単独で又は組合せにおいて、炭素原子で連結した2つの部分を架橋するチオ基を意味する。
[0144] 本明細書に使用される「チオール」という用語は、単独で又は組合せにおいて、−SH基を意味する。
【0116】
[0145] 本明細書に使用される「チオカルボニル」という用語には、単独であるときにはチオホルミル:−C(S)Hが含まれて、組合せにおいては、−C(S)−基である。
[0146] 「N−チオカルバミル」という用語は、ROC(S)NH−基を意味し、Rは本明細書に定義される通りである。
【0117】
[0147] 「O−チオカルバミル」という用語は、−OC(S)NR基を意味し、Rは本明細書に定義される通りである。
[0148] 「チオシアネート」という用語は、−CNS基を意味する。
【0118】
[0149] 「トリハロメタンスルホンアミド」という用語は、XCS(O)NR−基を意味し、Xはハロゲンであり、Rは本明細書に定義される通りである。
[0150] 「トリハロメタンスルホニル」という用語は、XCS(O)−基を意味し、ここでXはハロゲンである。
【0119】
[0151] 「トリハロメトキシ」という用語は、XCO−基を意味し、ここでXはハロゲンである。
[0152] 本明細書に使用される「三置換シリル」という用語は、単独で又は組合せにおいて、その3つの自由結合価で、本明細書において置換アミノの定義で収載したような基で置換されたシリコーン基を意味する。例には、トリメチルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、トリフェニルシリル、等が含まれる。
【0120】
[0153] 本明細書に使用される「尿素」という用語は、単独で又は組合せにおいて、−N(R)C(=O)N(R)(R)を意味し、Rは本明細書に定義される通りである。
[0154] 「アルキル」という用語は、その最も広い意味で使用する。例えば、この用語は、指定数の炭素原子を含んでなる、分岐鎖、非分岐鎖、及び環式の飽和炭化水素鎖を意味する。例えば、O(C−C)−アルキルは、直鎖O(C−C)−アルキル、並びに分岐鎖O(C−C)−アルキルを含む。別の例では、この用語は、例えば(C−C)アルキルが(C−C)−シクロアルキルを含むので、シクロアルキルを含む。すべての態様において、この用語には、限定されないが、他に示さなければ、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、等のような置換基が含まれる。
【0121】
[0155] 「アルケニル」という用語は、その最も広い意味で使用する。例えば、アルケニルという用語は、指定数の炭素原子を含んでなる、分岐鎖、非分岐鎖、及び環式の不飽和炭化水素鎖を意味する。例えば、(C−C)アルケニルには、少なくとも1つの二重結合を有する2〜8の炭素原子を含有する、直鎖、分岐鎖、及び環式の炭化水素鎖が含まれ、この用語には、限定されないが、他に示さなければ、エテニル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、sec−ブテニル、tert−ブテニル、n−ペンテニル、n−ヘキセニル、等のような置換基が含まれる。
【0122】
[0156] 「アルキニル」という用語は、その最も広い意味で使用する。例えば、アルキニルという用語は、指定数の炭素原子を含んでなる、分岐鎖、非分岐鎖、及び環式の不飽和炭化水素鎖を意味する。例えば、(C−C)アルキニルには、少なくとも1つの三重結合を有する2〜8の炭素原子を含有する、直鎖、分岐鎖、及び環式の炭化水素鎖が含まれ、この用語には、限定されないが、他に示さなければ、エチニル、プロピニル、ブテニル、n−ペンチニルと分岐鎖同等物(branched counterparts)、n−ヘキシニルと分岐鎖同等物、等のような置換基が含まれる。
【0123】
[0157] 本明細書に使用される「ヘテロアリール」という用語は、単独で又は組合せにおいて、少なくとも1つの原子がO、S、及びNからなる群より選択される、3〜14員、好ましくは5〜7員の不飽和複素環式環を意味する。ヘテロアリールは、以下によって例示される:1〜4の窒素原子を含有する不飽和の5〜14員モノ複素環式基、例えば、ピロリル、ピロリニル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアゾリル[例、4H−1,2,4−トリアゾリル、1H−1,2,3−トリアゾリル、2H−1,2,3−トリアゾリル、等]、テトラゾリル[例、1H−テトラゾリル、2H−テトラゾリル、等]、等;1〜5の窒素原子を含有する不飽和の縮合複素環式基、例えば、インドリル、イソインドリル、インドリジニル、ベンゾイミダゾリル、キノリル、イソキノリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、テトラゾロピリダジニル[例、テトラゾロ[1,5−b]ピリダジニル、等]、等;酸素原子を含有する不飽和の3〜6員モノ複素環式基、例えば、ピラニル、フリル、等;硫黄原子を含有する不飽和の3〜6員モノ複素環式基、例えば、チエニル、等;1〜2の酸素原子と1〜3の窒素原子を含有する不飽和の3〜6員モノ複素環式基、例えば、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル[例、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、等]、等;1〜2の酸素原子と1〜3の窒素原子を含有する不飽和の縮合複素環式基[例、ベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、等];1〜2の硫黄原子と1〜3の窒素原子を含有する不飽和の3〜6員モノ複素環式基、例えば、チアゾリル、チアジアゾリル[例、1,2,4−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル、等]、及びイソチアゾリル;1〜2の硫黄原子と1〜3の窒素原子を含有する不飽和の縮合複素環式基[例、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、等]、等。この用語には、複素環式残基がアリール残基と縮合している残基も含まれる。そのような縮合二環式残基の例には、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、等が含まれる。
【0124】
[0158] 例えば、ヘテロアリールは、ピリミジニル、ピリジニル、ベンゾイミダゾリル、チエニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾフラニル、及びインドリニルであってよい。好ましいヘテロアリールには、限定なしに、チエニル、ベンゾチエニル、フリル、ベンゾフリル、ジベンゾフリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、インドリル、キノリル、イソキノリル、キノキサリニル、テトラゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、及びイソオキサゾリルが含まれる。
【0125】
[0159] 式(I)の化合物のどの態様においても、R〜Rは、同じであっても、異なっていても、又はR〜Rの一部のメンバーが同じであり、一方で他のものは異なっていてもよい。どの組合せも可能である。
【0126】
[0160] 式(I)の化合物のどの態様においても、R又はRの一方は、SOCHであってよい。しかしながら、RがSOCHであるならば、RはHである。別の態様において、RがSOCHであるならば、Rは、H、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、フェニル、F、Cl、Br、I、(CH0−2−OR、NO、(CH0−2−COOR、NH−(CH0−2−CO−R、(CH0−2O−CO−R、SR、及びPO(OH)(OH)0−1より選択される。
【0127】
[0161] RがSOCHである式(I)の化合物のどの態様においても、R及び/又はRは、独立して、水素原子以外の基又は原子であってよい。例えば、R及び/又はRは、(C−C)アルキル、F、Cl、Br、I、(CH0−2−OR、(CH0−2−CO−R、(CH0−2−COOR、(CH0−2−CO−NR、O−(CH0−2−CO−OR、(CH0−2O−CO−R、及び(CH0−2PO(OR)(OR0−1より独立して選択されてよい。どの態様においても、R及び/又はRは、OR、CO−R、COOR、CO−NR、O−CO−OR、O−CO−R、及びPO(OR)(OR0−1より独立して選択されてよい。いくつかの態様において、R及び/又はRは、OH、O−CO−CH、O−CO−CHCH、CH、CHCH、及びPO(OH)より独立して選択されてよい。R〜RとR〜Rは、それぞれ互いに独立して、H、(C−C)−アルキル、及び(CH1−2−フェニルより選択されてよい。どの態様においても、R〜RとR〜Rは、それぞれ互いに独立して、H、(C−C)−アルキル、及びフェニルより選択されてよい。どの態様においても、R〜RとR〜Rは、それぞれ互いに独立して、Hと(C−C)−アルキルより選択されてよい。RとRは、それぞれ互いに独立して、H、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、(CH1−2−フェニルより選択されてよい。どの態様においても、RとRは、それぞれ互いに独立して、H、(C−C)アルキル、及び(CH1−2−フェニルより選択されてよい。どの態様においても、RとRは、それぞれ互いに独立して、Hと(C−C)−アルキルより選択されてよい。
【0128】
[0162] 式(I)の化合物のどの態様においても、アルキル、アルケニル、及びアルキニルは、それぞれの場合において、F、Cl、Br、及び/又はIに置き換えられる0〜9のH原子を有しても、有さなくてもよい。どの態様においても、該フェニルは、それぞれの場合において、F、Cl、Br、及び/又はIに置き換えられる0〜5のH原子を有しても、有さなくてもよい。どの態様においても、アルキルは、それぞれの場合において、OH及び/又はNHに置き換えられる0〜4のH原子を有し得る。どの態様においても、フェニルは、それぞれの場合において、NO及び/又は(CH0−2CO−(C−C)−アルキル及び/又は(CH0−2CO−(C−C)−アルケニル及び/又は(CH0−2CO−(C−C)−アルキニル及び/又は(CH0−2CO−(CH0−2−フェニルに置き換えられる0〜2のH原子を有する。どの態様においても、該フェニルは、それぞれの場合において、NO及び/又はCO−(C−C)−アルキル及び/又はCO−(CH1−2−フェニルに置き換えられる0〜2のH原子を有し得る。
【0129】
[0163] 「置換されていてもよい」という用語は、先行基が置換されていても未置換でもよいことを意味する。置換されるとき、「置換されていてもよい」基の置換基には、限定なしに、以下の基又は特別な指定の基のセットより独立して選択される1以上の置換基を、単独で又は組合せにおいて含めてよい:低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、低級ヘテロアルキル、低級ヘテロシクロアルキル、低級ハロアルキル、低級ハロアルケニル、低級ハロアルキニル、低級ペルハロアルキル、低級ペルハロアルコキシ、低級シクロアルキル、フェニル、アリール、アリールオキシ、低級アルコキシ、低級ハロアルコキシ、オキソ、低級アシルオキシ、カルボニル、低級カルボキシエステル、低級カルボキサミド、シアノ、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、低級アルキルアミノ、アリールアミノ、アミド、ニトロ、チオール、低級アルキルチオ、アリールチオ、低級アルキルスルフィニル、低級アルキルスルホニル、アリールスルフィニル、アリールスルホニル、アリールチオ、スルホネート、スルホン酸、三置換シリル、N、NHCH、N(CH、SH、SCH、COCH、C(O)NH、ピリジニル、チオフェン、フラニル、低級カルバメート、及び低級尿素。2つの置換基は、一緒に結合して、0〜3のヘテロ原子からなる縮合した5、6又は7員の炭素環式又は複素環式環を形成してよく、例えば、メチレンジオキシ又はエチレンジオキシを形成する。置換されていてもよい基は、未置換(例、−CHCH)、全置換(例、−CFCF)、一置換(例、−CHCHF)であっても、全置換と一置換の間のどのレベルで置換されてもよい(例、−CHCF)。置換基が置換に関して限定なしに引用される場合、置換型と未置換型の両方が含まれる。置換基が「置換されている」として限定される場合は、置換型が特に企図される。追加的に、特別な部分への任意選択の置換基の異なるセットが必要に応じて定義される場合があり;これらの場合、任意選択の置換は、しばしば、「で置換されていてもよい」という句のすぐ後に定義されるものである。「低級」という用語は、6以下の炭素原子の存在を意味する。
【0130】
[0164] 本発明の化合物の例には、限定されないが、以下の表7に収載される以下の化合物を含めてよい:
表7
【0131】
【表1−1】

【0132】
【表1−2】

【0133】
【表1−3】

【0134】
【表1−4】

【0135】
【表1−5】

【0136】
【表1−6】

【0137】
【表1−7】

【0138】
【表1−8】

【0139】
【表1−9】

【0140】
【表1−10】

【0141】
【表1−11】

【0142】
【表1−12】

【0143】
【表1−13】

【0144】
【表1−14】

【0145】
【表1−15】

【0146】
【表1−16】

【0147】
【表1−17】

【0148】
【表1−18】

【0149】
【表1−19】

【0150】
【表1−20】

【0151】
【表1−21】

【0152】
【表1−22】

【0153】
【表1−23】

【0154】
【表1−24】

【0155】
【表1−25】

【0156】
【表1−26】

【0157】
【表1−27】

【0158】
表8は、様々な化合物の融点を表記する。
表8
【0159】
【表2−1】

【0160】
【表2−2】

【0161】
【表2−3】

【0162】
【表2−4】

【0163】
[0165] メチルスルホニル(−SOCH)を有する上記の化合物では、本発明者によって、メチルスルホニルの代わりに−SOCHCH、−SOCHCH(CH、−CHSOCH、−NHSOCH、及び−SO−シクロプロピルより選択される部分を使用し得ることも想定される。
【0164】
[0166] RがSOCHである本発明の化合物は、ハロゲン化アシルをアミンと好適な反応条件下に反応させることによって作製することができる。いくつかの態様において、この反応は、一般的には以下のように表すことができる:
【0165】
【化4】

【0166】
本発明の化合物はまた、以下の反応スキームに従って作製することができる:
【0167】
【化5】

【0168】
[0167] 化合物:メタンスルホン酸2−(チアゾール−2−イルカルバモイル)フェニル(11)は、実施例3.0に記載の方法によって合成することができる。本発明の他の化合物はまた、以下の反応スキームに従って作製してもよい:
【0169】
【化6】

【0170】
[0168] 化合物:2−ヒドロキシ−N−[4−(メチルスルホニル)−1,3−チアゾール−2−イル]ベンズアミド(60)と酢酸2−{[4−(メチルスルホニル)−1,3−チアゾール−2−イル]カルバモイル}フェニル(62)は、実施例4.0に記載の方法によって合成することができる。本発明の他の化合物は、以下の反応スキームに従って作製してもよい:
【0171】
【化7】

【0172】
[0169] 化合物:酢酸4−{[4−(メチルスルホニル)−1,3−チアゾール−2−イル]カルバモイル}フェニル(83)、4−ヒドロキシ−N−[4−(メチルスルホニル)−1,3−チアゾール−2−イル]ベンズアミド(84)、酢酸3−{[4−(メチルスルホニル)−1,3−チアゾール−2−イル]カルバモイル}フェニル(86)、及び3−ヒドロキシ−N−[4−(メチルスルホニル)−1,3−チアゾール−2−イル]ベンズアミド(87)は、実施例5.0に記載の一般法によって合成することができる。
【0173】
[0170] さらに、本発明の化合物は、以下の反応スキームに従って作製してもよい:
【0174】
【化8】

【0175】
[0171] 化合物:酢酸4−{[5−(メチルスルホニル)−1,3−チアゾール−2−イル]カルバモイル}フェニル(78)、酢酸3−{[5−(メチルスルホニル)−1,3−チアゾール−2−イル]カルバモイル}フェニル(79)、4−ヒドロキシ−N−[5−(メチルスルホニル)−1,3−チアゾール−2−イル]ベンズアミド(80)、及び3−ヒドロキシ−N−[5−(メチルスルホニル)−1,3−チアゾール−2−イル]ベンズアミド(81)は、実施例6.0に記載の一般法によって合成することができる。
【0176】
[0172] 本発明の他の化合物は、以下の反応スキームに従って作製してもよい:
【0177】
【化9】

【0178】
[0173] 化合物:酢酸2−(5−(メチルスルホニル)チアゾール−2−イルカルバモイル)フェニル(7)と2−ヒドロキシ−N−(5−(メチルスルホニル)チアゾール−2−イル)ベンズアミド(6)は、実施例7.0に記載の方法によって合成することができる。
【0179】
[0174] 本発明にはまた、担体中に少なくとも1つの本発明の化合物を含んでなる組成物が含まれる。
[0175] 担体という用語は、その最も広い意味で使用する。例えば、担体という用語は、あらゆる担体、希釈剤、賦形剤、湿潤剤、緩衝剤、懸濁剤、滑沢剤、アジュバント、運搬体、送達系、乳化剤、崩壊剤、吸収剤、保存剤、界面活性剤、着色剤、香味剤、及び甘味剤を意味する。いくつかの態様において、担体は、医薬的に許容される担体であってよいが、「医薬的に許容される担体」は、医薬組成物における使用に適しているはずである無毒の担体を意味するので、担体より狭義の用語である。
【0180】
[0176] 本発明はまた、医薬的に許容される担体中に、本発明の少なくとも1つの化合物の有効量を含んでなる医薬組成物に関する。
[0177] 有効量という用語は、その最も広い意味で使用する。この用語は、例えば、所望される効果を産生するのに必要とされる量を意味する。
【0181】
[0178] いくつかの態様において、本発明の化合物は、医薬組成物中に、HCV感染症(例、慢性HCV感染症)を治療するのに有効な量で存在する。「HCV感染症を治療すること」は:(i)HCV感染症への素因があり得るが、それを有しているとまだ診断されていない動物においてHCV感染症が起こることを防ぐこと;(ii)HCV感染症を阻害するか又は遅延させること、例えば、その進展を阻止すること;(iii)慢性感染症を緩和すること、例えば、その退縮を引き起こすこと;(iv)慢性感染症を有する被検者において症状を改善させること;及び/又は(v)慢性感染症を有する被検者の生存を延長させることを意味する場合がある。
【0182】
[0179] 本発明の組成物は、固体又は液体の剤形として、又はペースト剤又は軟膏剤として製剤化してよくて、さらなる有効成分を含有してもよい。
[0180] 本発明の医薬組成物は、特には限定されない医薬的に許容される担体を含み、当業者に知られた広範囲の担体が含まれて、湿潤又は分散剤(参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5,578,621号)、デンプン誘導体(参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5,578,621号)、賦形剤、等が含まれる。錠剤の態様は、腸溶コーティング剤(即ち、胃液分泌においては実質的に不溶性であるが、腸液には実質的に可溶であるコーティング剤)を構成する物質のコーティング剤を含んでもよい。
【0183】
[0181] 本発明の化合物を含んでなる医薬組成物は、いくつかの態様において、経口投与用に製剤化されて、液剤、例えば、水又は落花生油のようなオイル、又は他の液体中の乳剤又は溶液剤又は懸濁剤の形態であってもよい。非水系ミセル溶液剤の製剤は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,169,846号に開示される方法に従って調製することができる。あるいは、錠剤は、例えば、以下の工程を実施することによって製造することができる:湿式造粒;乾燥;及び圧縮。フィルムコーティングは、一般的には、有機溶媒で実施することができる。
【0184】
[0182] 本発明は、HCV感染症(例、慢性HCV感染症)を治療するのに本発明の少なくとも1つの化合物を有効な量で被検者へ投与することを含んでなる方法である。いくつかの態様において、この方法は、HCV感染症(例、慢性HCV感染症)を治療するのに有効な量で本発明の少なくとも1つの化合物を含む少なくとも1つの医薬組成物を被検者へ投与することを含んでなる。
【0185】
[0183] いくつかの態様において、被検者は、動物より選択される。いくつかの態様において、被検者は、哺乳動物より選択される。いくつかの態様において、被検者は、マウス、イヌ、ネコ、等のようなペットより選択される。いくつかの態様において、被検者は、ヒトより選択される。
【0186】
[0184] いくつかの態様において、本発明は、本発明の少なくとも1つの化合物の有効量の少なくとも1つの用量を被検者へ投与することを含んでなる、ウイルス感染症を被検者において治療する方法を提供する。いくつかの態様において、本発明は、医薬的に許容される担体中に本発明の少なくとも1つの化合物を含んでなる少なくとも1つの医薬組成物の有効量の少なくとも1つの用量を被検者へ投与することを含んでなる、ウイルス感染症を被検者において治療する方法を提供する。
【0187】
[0185] いくつかの態様において、本発明の化合物の抗ウイルス治療又は予防の投与量は、被検者の体重に依存する場合があり、当業者は、以下の例(これらは、例示の目的のために示して、限定的であることを企図しない)を参照すれば、不当な実験をせずに推量することができる。
【0188】
[0186] 本発明の化合物及び組成物は、当業者に知られたあらゆる手段によって、局所的又は全身的に投与してよい。例えば、本発明の化合物及び組成物は、慣用の無毒の医薬的に許容される担体、アジュバント、及び運搬体を含有する投与製剤において、経口的に、非経口的に、吸入スプレーにより、局部的に、直腸に、鼻腔内に、頬内に、膣内に、又は埋込みレザバーを介して投与してよい。本明細書に使用される「非経口」という用語には、皮下、静脈内、動脈内、筋肉内、腹腔内、鞘内、心室内、胸骨内、頭蓋内、又は骨内の注射及び注入技術が含まれる。正確な投与プロトコールは、患者の年齢、体重、健康全般、性別、及び食事が含まれる様々な要因に依存して変わるものなので、具体的な投与法の決定は、当業者にとって定型的なものであろう。
【0189】
[0187] 上記の状態の治療には、約0.1〜約100mg/kgの有効成分の化合物のオーダーの用量レベルが有用である(例、0.1mg/kg/日)。いくつかの態様において、その量は、約1〜約10mg/kgの範囲に及び、他の態様において、その量は、約2〜約5mg/kgの範囲に及ぶ。ある特別な患者に特有の用量レベルは、利用する具体的な化合物の活性とあり得る毒性;患者の年齢、体重、健康全般、性別、及び食事;投与の時機;排出の速度;薬物の組合せ;治療される特別な疾患の重症度;及び、投与の形式が含まれる、多様な要因に依存して変わるものである。典型的には、in vitro の投与量−効果の結果は、患者投与に適した用量に対して有用な手引きを提供する。動物モデルでの試験も有用である。適正な用量レベルを決定するための考察事項は、当該技術分野でよく知られている。
【0190】
[0188] 薬物送達の時機及び順序を調節するためのどの投与レジメンも使用してよく、必要に応じて繰り返して、治療を有効にすることができる。そのようなレジメンには、頻回使用又は、食物、流動食、又は水との前投与及び/又は同時投与及び/又は後投与を含めてよい。
【0191】
[0189] 本発明はまた、本発明の少なくとも1つの化合物の有効量を医薬的に許容される担体中に含んでなる少なくとも1つの医薬組成物をコンパートメント中に含んでなるキットに関する。いくつかの態様において、キットは、医薬組成物を投与するために書かれた説明書をさらに含む。いくつかの態様において、投与用に書かれた説明書は、本開示の随所に述べられる適応症に関する。いくつかの態様において、投与用に書かれた説明書は、本開示の随所に述べられる投与レジメンに関する。
【0192】
[0190] キットは、どの形態も取り得る。例を挙げれば、キットには、医薬組成物を保存するための1以上の容器が含まれる。いくつかの態様において、容器は、医薬組成物を投与するために書かれた説明書を含有する。いくつかの態様において、容器は、医薬組成物を投与するために書かれた説明書の支持体(substrate)を含有する。いくつかの態様において、医薬組成物を投与するために書かれた説明書は、例えば、処方箋を記入するための容器において書かれた説明書が表面に添付される場合のように、容器へ添付される。
【0193】
[0191] いくつかの態様において、本発明の化合物は、選択的な抗ウイルス活性を明示する場合がある。本明細書に使用される「選択的な抗ウイルス性」という用語は、ウイルス性疾患の予防又は治療に有効な投与量で、その活性が、抗細菌性、抗真菌性、又は抗寄生虫性よりも抗ウイルス性であり、被検者の腸内フローラが広域スペクトル抗生物質で予測されるレベルまでは混乱しないことを意味する。例えば、抗ウイルス治療(例、ウイルス負荷を少なくとも約2倍抑制すること)に有効な投与量は、腸内の細菌、真菌、又は寄生虫レベルを(例えば、約2倍より多く)抑制し得ない。
【0194】
[0192] 本発明の他の態様は、本明細書の考察と本明細書に開示する本発明の実践より、当業者に明らかであろう。本明細書とその実施例は、例示としてのみ考慮すべきであって、本発明の真の範囲及び精神は、最終的に特許請求され得るものによって示されると企図される。
【実施例】
【0195】
1.材料と方法
1.1.材料
[0193] ラミブジン(LMV)とアデフォビルジポボキシル(ADV)、及び2’−C−メチルシチジンは、Moraveck Biochemicals 社(カリフォルニア州ラ・ブレア、アメリカ)より購入した。組換えヒトインターフェロンα2b(IFN)は、PBL Biomedical Laboratories(ニュージャージー州ピスカタウェイ、アメリカ)より購入した。他のすべての試験化合物(図1)は、Romark Laboratories, L. C. より提供された。ヒト血清(熱不活性化、男女混合型、ロット:BRH125374)は、Bioreclamation 社(ニューヨーク州ヒックスビル)より購入した。
【0196】
1.2.HBV試験
1.2.1.抗ウイルスアッセイ
[0194] 既報(Korba and Gerin, 1992)のようにHBV抗ウイルスアッセイを行った。簡潔に言えば、96ウェルの平底組織培養プレート上に2.2.15細胞の集密培養物を維持した(慢性的に感染した個体において観測されるものと同等な活性のある高レベルのHBV複製には、この培養系での集密が必要とされる(Sells, et al., 1988; Korba and Gerin, 1992))。9連続日の試験化合物の用量で培養物を処置した。最終処置から24時間後に定量的ブロットハイブリダイゼーションによってHBV DNAレベルを評価した。最終処置から24時間後にニュートラルレッド色素の取込みによって細胞傷害性を評価した。
【0197】
1.2.2.薬剤耐性HBV突然変異体に対する活性
[0195] 既報(Iyer et al., 2004)のような一過性トランスフェクション法を使用する5日間のアッセイにおいて、LMV耐性(Allen et al., 1998)及びADV耐性(Angus et al., 2003)HBV突然変異体に対する活性を実施した。細胞内のHBV DNA複製中間体(HBV RI)の定量的サザンブロットハイブリダイゼーションによって抗ウイルス活性を定量した。
【0198】
1.2.3.HBVタンパク質の産生
[0196] 2.2.15細胞の培養物を標準手順で処置して、HBVタンパク質の半定量的なEIAベースの分析を、HBeAgをETI−EBK Plus(登録商標)(DiaSorin 社、ミネソタ州スチルウォーター、アメリカ)により分析する以外は、既報(Korba and Gerin, 1995)のように実施した。試料を希釈(2〜10倍)して、レベルをEIAの動的応答範囲とした。HBsAgとHBeAgは培養基の試料より分析して、HBcAgは、細胞内溶解液より分析した。定量的ノーザンブロットハイブリダイゼーション(Korba and Gerin, 1995)によって細胞内のHBV RNAを評価した。
【0199】
1.3.HCV試験
[0197] 既報(Okuse et al., 2005)のように、96ウェルプレートに亜集密培養物として維持された安定発現性のHCVレプリコン細胞系、AVA5(サブゲノムCON1,遺伝子型:Ib)(Blight et al., 2000)を使用する3日アッセイにおいて、試験化合物の抗ウイルス活性を評価した。細胞内HCV RNAのブロットハイブリダイゼーション分析によって抗ウイルス活性を定量して(各培養試料中の細胞B−アクチンRNAのレベルへ正規化した)、処置の3日後のニュートラルレッド色素取込みによって細胞傷害性を評価した。別のHCVレプリコン、H/FL−Neo(遺伝子型:1a)の全長構築体(Blight et al., 2003)を含有するHuh7細胞を使用して、追加の試験を実施した。ヒト血清を伴う試験では、標準の培養基(10%胎仔ウシ血清を含有する)及びアッセイ条件を維持した。
【0200】
1.4.結果の提示
[0198] すべての処置済培養物より集めたデータを使用する線形回帰分析によって、EC50、EC90、及びCC50値(±標準偏差[S.D.])を計算した(Korba and Gerin, 1992; Okuse et al., 2005)。EC50とEC90は、細胞内のHBV DNA又はHCV RNAの(未処置培養物における平均レベルに対する)それぞれ2倍又は10倍の抑制を観測した薬物濃度である。CC50は、ニュートラルレッド色素取込みの(未処置培養物における平均レベルに対する)2倍低いレベルを観測した薬物濃度である。選択性指数(S.I.)は、HBVアッセイではCC50/EC90として、そしてHCVアッセイではCC50/EC50として計算した。HBVアッセイにおけるS.I.の計算にEC90値を使用したのは、このアッセイ系において統計学的有意差をもたらすには、HBV DNAレベルの少なくとも3倍の抑制が典型的には必要とされるからである(Korba and Gerin, 1992)。組合せ処置では、収載する最初の化合物についてEC50、EC90、CC50、及びS.I.を提示する。各組合せの化合物のモル比も示す。
【0201】
2.結果
2.1.B型肝炎ウイルス(HBV)
2.1.1.2.2.15細胞培養物における化合物及び組合せの活性
[0199] NTZとその活性代謝産物、TIZは、細胞内HBV複製と2.2.15細胞による細胞外ウイルス産生の選択的な阻害を明示した(表1)。このアッセイ系では、いくつかの他のチアゾリド(表1を参照のこと)も、HBV複製の有効な阻害剤であった。抗HBV療法に承認されている2つの薬物、ラミブジン(LMV)とアデフォビルジポボキシル(ADV)のいずれか一方とNTZの組合せは、2.2.15細胞を処置するために使用するときに、相乗的な相互作用を示した(表1、図2A及び2B)。抗HBVアッセイを集密下に行ったのは、それが最適なHBV複製の条件をもたらすからである(Sells, et al., 1988; Korba and Gerin, 1992)。NTZは、抗ウイルスアッセイのこの条件の下で最小の細胞傷害性(>100μM,表1)を示す一方で、急速に分裂する2.2.15細胞の培養物におけるNTZの細胞傷害性は、より高かった(20±1.3μM)。
【0202】
2.1.2.薬剤耐性HBV突然変異体に対するNTZ及びRM4850の活性
[0200] NTZとRM4850は、Huh7細胞中での一過性トランスフェクションアッセイにおいて、いくつかのHBV LMV耐性構築体と1つのADV耐性構築体に有効な阻害剤であった(表2)。試験した薬剤耐性ウイルスのいずれでも、野生型HBVで観測される効力に対するこれらのチアゾリドの効力において、有意差は観測されなかった。
【0203】
2.1.3.HBVタンパク質の産生に対するNTZの効果
[0201] ほとんどのウイルス(HCVが含まれる)と異なり、HBVのRNA転写及びタンパク産生は、宿主細胞核中に閉環二重鎖ウイルス鋳型ゲノム(cccDNA)の集団が長期に存在するために、ウイルスゲノムの複製からは有効に分離されている(概説には、Locarnini, 2004 を参照のこと)。細胞内のHBV複製は、細胞質に位置するウイルスのヌクレオカプシドにおいて起こる。結果として、HBV DNA複製を阻害するほとんどの化合物(例、ヌクレオシド類似体)は、典型的には、HBVタンパク産生を、特に細胞培養においては変化させないものである。
【0204】
[0202] HBVに対するNTZの新規な作用機序があるのではと考えて、我々は、この薬物が主要なHBVタンパク質の産生を阻害するかどうかを決定するための試験を行った。半定量的EIAによって評価されるように、NTZは、細胞外HBV表面及びe抗原(HBsAg,HBeAg)のレベル、並びに細胞内HBVヌクレオカプシドコア抗原(HBcAg)のレベルを用量依存的なやり方で抑制した(表3,図3)。HBsAg及びHBeAgに対するNTZの効力は、同じ実験においてHBVビリオン産生に対して観測されたものと同様であった。細胞内HBcAgに対するNTZの相対効力は、細胞内HBV DNA複製の阻害で観測されたものと同様であった。10μM NTZを加えた対照培養物由来の試料では、HBVタンパク質を検出するEIAの能力への定量的な干渉を観測しなかった(データ示さず)。
【0205】
[0203] NTZは、ノーザンブロットハイブリダイゼーションによって評価されるように、細胞内HBV RNAの抑制を誘導しなかった(表3,図3)。同じ実験において、LMVは、HBVビリオン産生と細胞内HBV DNA複製において有意な抑制を誘導するにもかかわらず、HBVタンパク質やHBV RNAのレベルに影響を及ぼさなかった(表3)。
【0206】
2.2.C型肝炎ウイルス(HCV)
2.2.1.HCVレプリコン細胞培養物における化合物及び組合せの活性
[0204] NTZとTIZは、AVA5細胞において細胞内HCV複製を選択的に抑制した(表4)。いずれの化合物も、2.2.15細胞におけるよりこの細胞系においてより細胞傷害性であったが、これらの化合物はまた、HCV複製に対してずっとより強力であった。組換えヒトインターフェロンα2b(IFNα)又はNS5B(HCVポリメラーゼ)阻害剤、2’−C−メチルシチジン(2’CmeC,Pierra, et al. 2005)のいずれか一方とNTZ又はTIZの組合せは、HCV複製に対して相乗的な相互作用を明示した(表4,図2C及び2D)。
【0207】
[0205] 他のチアゾリドのうち2つ(RM4832とRM4863)だけがHCVに対する活性を明示した(表4)。全長遺伝子型:Iaレプリコン(Blight, et al. 2003)に対するNTZ、TIZ、及びRM4832の抗ウイルス活性は、AVA5細胞(遺伝子型:Ib)で観測されたものと同等であった(表4)。
【0208】
2.2.2.組合せ処置の前にNTZで前処置することの効果
[0206] NTZをペジル化インターフェロンとともに使用した初期臨床試験における観察事実に基づいて、我々は、NTZで3日間の処置に続く3日間のNTZ+IFNαの組合せからなるレジメンの in vitro 効果を評価した。NTZ単独療法での前処置は、NTZ+IFNαでの組合せ処置の効力をほぼ3倍向上させた(表5,図2,パネルE及びF)。しかしながら、前処置は、2’CmeCとの組合せ処置の効力には影響を及ぼさなかった(表5)。
【0209】
2.2.3.TIZの細胞中の抗HCV効果及び細胞傷害性に対するヒト血清の影響
[0207] NTZとその循環代謝産物、TIZは、ヒト血清中の血漿タンパク質へきわめてよく結合(>99%)する。TIZの抗HCV効力及び細胞傷害性に対するヒト血清の影響を評価するために、ヒト血清を培養基へ様々な濃度で加えた(表6)。TIZのCC50、EC50、及びEC90は、ヒト血清の上昇濃度とともに20%まで増加した。30%ヒト血清の存在下でのEC50及びEC90は、20%ヒト血清でのそれと同様であり(プラトー効果)、最高度のタンパク結合に達していたことを示唆した。HCV及びB−アクチンRNAの未処置培養物におけるレベルは、ヒト血清の異なる濃度で30%まで同様であった(データ示さず)。より高濃度のヒト血清は、細胞生存度を有意に低下させた(データ示さず)。以下の表において、RM4863は、表7の化合物6と同じである。
【0210】
表1.2.2.15細胞培養物中のHBV複製に対する試験化合物の相対効力(μM)
【0211】
【表3】

【0212】
(*)HBV RI,細胞内HBV RNA複製中間体;(#)指定の濃度まで、有意な細胞傷害活性も抗ウイルス活性も観測されない。
表2.細胞培養物中の薬剤耐性HBV突然変異体に対する試験化合物の相対効力(μM)
【0213】
【表4】

【0214】
(#)指定の濃度まで、有意な抗ウイルス活性は観測されない。
表3.2.2.15細胞培養物中のHBVの複製及びタンパク質レベルに対するNTZ及びラミブジンの相対効力(μM)
【0215】
【表5】

【0216】
表4.レプリコン細胞中のHCV複製に対する試験化合物の相対効力(μM)
【0217】
【表6】

【0218】
(*)インターフェロンの濃度は、IU/mlで表す;(#)指定の濃度まで、有意な細胞傷害活性も抗ウイルス活性も観測されない。
表5.組合せ療法に対するNTZ単独療法前処置の影響
【0219】
【表7】

【0220】
*数値は、薬物(組合せの場合は、最初に記名する薬物)のμM濃度として表す。
表6.ヒト血清の存在下でのHCV複製に対するTIZの相対効力(μM)
【0221】
【表8】

【0222】
表9は、一次HCVレプリコン細胞アッセイからのデータを提示する。
表9
【0223】
【表9】

【0224】
表10は、遺伝子型:1B及び1Aを使用する二次HCVレプリコン細胞アッセイからのデータを提示する。
表10
【0225】
【表10】

【0226】
3.0 メタンスルホン酸2−(チアゾール−2−イルカルバモイル)フェニル(11)の合成
[0208] 化合物、メタンスルホン酸2−(チアゾール−2−イルカルバモイル)フェニルメタンスルホネート(11)は、以下の合成スキームに従って製造した:
【0227】
【化10】

【0228】
3.1 酢酸2−(1,3−チアゾール−2−イルカルバモイル)フェニル(501)の合成:
[0209] 撹拌子、真空アダプター、及びセプタムを取り付けた250mLの丸底フラスコに2−(アセチルオキシ)−安息香酸(500,1.80g,10.0ミリモル)を入れた。エーテル(100mL)とピリジン(1.00mL,12.4ミリモル)を加えて無色澄明の溶液を創出し、これを氷浴において0℃へ冷やした後で、塩化チオニル(875μL,12.0ミリモル)を約30秒にわたり滴下した。滴下ごとに濃厚な白い沈殿が形成された。この反応混合物を0℃で90分間撹拌した後で、紙に通して濾過して、溶媒を真空で除去した。重炭酸ナトリウム(3.42g,40.7ミリモル)と1,3−チアゾール−2−アミン(1.00g,10.0ミリモル)を秤量して250mLの丸底フラスコへ入れ、水(30mL)と酢酸エチル(30mL)を加えると無色の二相が形成され、これを迅速に撹拌した。先の粗製の酸クロリドを酢酸エチル(10mL)に懸濁させて、迅速に撹拌中の二相へ滴下した。得られた二相にゆるく蓋をして、室温で2時間迅速に撹拌した。この二相の層を分離させて、水層を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機物を塩水で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、501(1.36g,52%)を無色の粉末として得て、これを精製せずに使用した。
【0229】
[0210] (501)のデータ: 1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.58 (br s, 1H), 7.77 (dd, J= 7.4, 1.8 Hz, 1H), 7.62 (ddd, J= 7.7, 7.7, 1.8 Hz, 1H), 7.54 (d, J= 3.6 Hz, 1H), 7.40 (ddd, J= 7.7, 7.7, 1.4 Hz, 1H), 7.28 (d, J= 3.6 Hz, 1H), 7.27 (dd, J= 7.7. 1.4 Hz), 及び 2.22 (s, 3H) ppm; MS (ESI+) m/z (相対強度): 263.2 (5), 221.2 (40), 163.1 (10), 143.1 (10), 121.1 (40), 101.0 (100) m/z。
【0230】
3.2 2−ヒドロキシ−N−1,3−チアゾール−2−イルベンズアミド(502)の合成:
[0211] 撹拌子と水冷式(water-jacketed)蒸留器を取り付けた25mLの丸底フラスコへ酢酸2−(1,3−チアゾール−2−イルカルバモイル)フェニル(501,663.3mg,2.53ミリモル)を加えた。ヘッドスペースを乾燥窒素で置き換えて、濃塩酸(15.0mL)を1回分量で加えた。この懸濁液を50℃まで加熱して、十分に撹拌した。懸濁した固形物が溶けて無色澄明な溶液を形成した後で、この反応混合物より固形物が沈殿し、次いでこれを氷浴に冷やし、この固形物を中粒度(medium)フリットで濾過して、大量の水で洗浄した。この濾過ケークをフリットに通してメタノールで洗浄し、回収し、溶媒を真空で除去して、502(481.5mg,86%)を無色の固形物として得た。
【0231】
[0212] (502)のデータ:1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.07 (br s, 2H), 7.99 (dd, J = 7.9, 1.5 Hz, 1H), 7.55 (d, J = 3.8 Hz, 1H), 7.45 (br t, J = 7.5 Hz), 7.27 (br d, J = 2.7 Hz), 及び 6.9-7.05 Hz (m, 2H); MS (ESI+) m/z (相対強度): 221.2 (15), 121.1 (50), 101.0 (100)。
【0232】
3.3 メタンスルホン酸2−(1,3−チアゾール−2−イルカルバモイル)フェニル(11)の合成
[0213] 撹拌子とセプタムを取り付けた乾燥窒素インレット付きの10mL丸底フラスコへ2−ヒドロキシ−N−1,3−チアゾール−2−イルベンズアミド(502,267.1mg,1.21ミリモル)を入れた。ジクロロメタン(5.0mL)とトリエチルアミン(500μL,3.59ミリモル)を加えると、淡いピンク色の溶液が形成された。この撹拌溶液へジクロロメタン(約1.0mL)中の塩化メタンスルホニル(100μL,1.3ミリモル)を約30秒にわたり滴下して、この反応物を室温で約20分間撹拌した後で、飽和NaHCOへ入れて冷まして、ジクロロメタンで抽出した。合わせた有機物を塩水で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過して、真空で濃縮した。この粗生成物をヘキサン/酢酸エチルより再結晶させて、(284mg,78%)の(11)を無色の結晶性固形物として得た。実施例11(メタンスルホン酸2−チアゾール−2−イルカルバモイル)フェニル)は、実験式:C1110Sと分子量:298.34を有する。
【0233】
[0214] (11)のデータ:融点=185.5-187.8 ℃; 1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ12.63 (br s, 1H), 7.76 (dd, J= 7.9, 1.7 Hz, 1H), 7.67 (ddd, J= 7.8, 7.8, 1.7 Hz, 1H), 7.55 (d, J= 3.5 Hz, 1H), 7.48-7.53 (m, 1H), 7.30 (d, J= 3.5 Hz, 1H), 及び 3.35 (s, 3H) ppm; MS (ESI+) m/z (相対強度): 299.1 (90), 231.2 (20), 220.2 (100), 199.1 (20), 121.1 (10), 100.1 (20), 56.0 (40)。
【0234】
4.0 2−ヒドロキシ−N−(4−(メチルスルホニル)チアゾール−2−イル)ベンズアミド(60)の合成
[0215] 化合物、2−ヒドロキシ−N−[4−(メチルスルホニル)−1,3−チアゾール−2−イル]ベンズアミド(60)は、以下の合成スキームに従って製造した:
【0235】
【化11】

【0236】
4.1 4−(メチルチオ)チアゾール−2−イルカルバミン酸tert−ブチル(504)の合成
[0216] N−tert−ブトキシカルボニルチオ尿素(503,0.841g,4.77ミリモル、Schiavi, B.; Ahond, A.; Poupat, C; Potier, P. Synth. Commun. 2002, 32, 1671 に従って製造)をエタノール(7.0mL)に懸濁させて、氷浴に冷やした。ブロモエタンチオ酸S−メチル(1.371g,5.0582ミリモル、Praveen Rao, P. N.; Amini, M.; Li, H.; Habeeb, A. G.; Knaus, E. E. J. Med. Chem. 2003, 46, 4872-82 に従って製造)のエタノール(7.0mL)溶液を3分にわたり滴下した。この懸濁液は、添加の終了時に均質になり、その浴を外して、この反応物を室温で撹拌した。溶媒を除去して、粗製材料をジクロロメタンと水の間に分配した。有機物を水と塩水で洗浄した。合わせた水層をジクロロメタンで再抽出して、合わせた有機物を無水MgSOで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮して、橙色のガラスとした(悪臭)。この粗製材料を約5gのシリカゲル上へ酢酸エチルで吸着させ、シリカゲルのプラグを通して、ヘキサン(捨てる)に続いて9:1のヘキサン:酢酸エチルを大量に流した。溶出液を真空で蒸発させて、504(589mg,50%)を無色の固形物として得た。
【0237】
[0217] (504)のデータ:1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.93 (br s, 1H), 6.40 (s, 1H), 2.45 (s, 3H), 及び 1.47 (s, 9H) ppm; 13C-NMR (100 MHz, CDCl3) δ 160.3, 151.3, 145.4, 105.7, 82.8 (br), 28.2, 及び 16.2 ppm; MS (ESI+) m/z (相対強度): 191.1 (100, M-(CH3)2C=CH2+), 173.1 (20), 147.1 (70), 120.0 (10), 及び 105.0 (10) m/z. MS (ESI-) m/z (相対強度): 245.2 (15, M-H-), 171.1 (25), 145.1 (100), 103.0 (20), 及び 97.0 (20) m/z。
【0238】
4.2 (5−ブロモ−1,3−チアゾール−2−イル)カルバミン酸tert−ブチル(506)の合成
[0218] 5−ブロモ−1,3−チアゾール−2−アミン臭化水素酸塩(505,6.5150g,25.062ミリモル)と4−ジメチルアミノピリジン(69.9mg,0.572ミリモル)を乾燥Nの雰囲気下に合わせて、テトラヒドロフラン(40mL)とトリエチルアミン(15mL)を加えると、濃厚なオフホワイトの懸濁液が形成された。上記の懸濁液へ二炭酸ジtert−ブチル(6.0546g,27.742ミリモル)のテトラヒドロフラン(24mL)溶液を加えて、得られたスラリーを室温で4時間撹拌した。次いで、この反応混合物を水(100mL)へ注いで、水分を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機物を飽和NaHCO溶液、塩水で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過して、溶媒を真空で除去した。この粗生成物をシリカゲル上へ吸着させ、シリカゲルのプラグを通して9:1のヘキサン:酢酸エチルで溶出させた。溶出液を回収し、蒸発させて、506(5.42g,78%)を無色の結晶性固形物として得た。
【0239】
[0219] (506)のデータ:1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.75 (br s, 1H), 7.44 (s, 1H), 及び 1.48 (s, 9H) ppm. 13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 160.1, 152.9 (br), 139.0, 100.5, 81.7, 及び 27.8 ppm. MS (ESI+) m/z (相対強度): 225.1 (100, M81Br- (CH3)2C=CH2+), 223.1 (100, M79Br-(CH3)2C=CH2+)。
【0240】
4.3 (4−ブロモ−1,3−チアゾール−2−イル)カルバミン酸tert−ブチル(507)の合成:
[0220] 撹拌子、セプタム、及び内部温度プローブを取り付けた三つ首の500mL RBF中でテトラヒドロフラン(160mL)とN,N−ジイソプロピルアミン(14mL,97ミリモル)を合わせた。得られた溶液を0.8℃へ冷やして、ヘキサン中のn−ブチルリチウム(2.50M,38mL,95ミリモル)を約5分にわたりゆっくり加えて淡黄色の溶液(最高内部温度=10℃)を得て、これを撹拌して、そのまま0℃近くへ再冷却した。上記の溶液へ(5−ブロモ−1,3−チアゾール−2−イル)カルバミン酸tert−ブチル、506(8.74g,31.3ミリモル)のテトラヒドロフラン(30.0mL)溶液を16分にわたり滴下した(内部温度は、0.9℃から最高7℃まで変化した)。この今や深褐色の反応混合物を15分間撹拌した後で、水(13mL)で冷まして、さらに5分間撹拌した。飽和NHCl水溶液(250mL)と酢酸エチル(250mL)を加えて、層を分離させた。水層を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機物を塩水で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過して、真空で濃縮した。この粗製材料をシリカゲル上へ酢酸エチルで吸着させ、シリカゲルのプラグを通して2リットルの9:1 ヘキサン:EtOAcで溶出させた。溶出液を回収し、溶媒を除去して、507(8.41g,96%)を無色の固形物として得た。
【0241】
[0221] (507)のデータ:1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.75 (br s, 1H), 7.24 (s, 1H), 及び 1.48 (s, 9H) ppm. 13C NMR (400 MHz, CDCl3) δ 160.6, 152.7 (br), 119.8, 110.6, 81.7, 及び 27.9 ppm. MS (ESI+) m/z (相対強度): 225.1 (100, M81Br- (CH3)2C=CH2+), 223.1 (100, M79Br-(CH3)2C=CH2+)。
【0242】
4.4 (4−メチルチオ−1,3−チアゾール−2−イル)カルバミン酸tert−ブチル(504)の代替合成法
[0222] 撹拌子とセプタム付き水冷式蒸留器を取り付けた100mLのフラスコ中で(4−ブロモ−1,3−チアゾール−2−イル)カルバミン酸tert−ブチル(507,3.9575g,14.177ミリモル)、ヨウ化銅(I)(2.7718g,14.554ミリモル)、及びメチルチオール酸ナトリウム(5.0242g,71.682ミリモル)を合わせた。ヘッドスペースを乾燥窒素に交換して、N,N−ジメチルホルムアミド(26mL)を加えた。反応物は、カナリアイエロー色になってから、鈍い灰色〜ピンク色の懸濁液へ退色し、これを室温で約1分間撹拌した後で、140℃に設定した136℃の油浴へ下ろして、撹拌した。最初の5〜10分の加熱の間に、色は淡黄色へ退色して、反応物は均質になった。撹拌を止めたときに、ガス噴出/沸騰が観察された。この反応物を140℃で15時間後に室温へ冷やして、HPLC分析は、出発材料の完全な消費を示した。この反応混合物を酢酸エチル(約200mL)で希釈し、セライトのパッドに通して濾過して、酢酸エチルで溶出させた。合わせた有機物を1:1の1M HCl/飽和NHCl溶液(250mL)で洗浄すると、濃厚なエマルジョンをもたらした。次いで、この混合物全体を非晶性セルロースに通して濾過して、層を分離させた。次いで、この有機物を0.5M HClと飽和NaHCO溶液で洗浄した。塩基での処理時には、別のきわめて細かい粉末が溶液からこぼれ落ちる。この懸濁液をセライトに通して再び濾過して、得られた溶液を塩水で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮して、緑色のオイル(3.17g)を得た。この粗生成物を約15gのシリカ上へEtOAcで吸着させて真空で乾燥させて、シリカゲル(約80g)のパッドを通して500mLのヘキサン(捨てる)と2リットルの9:1 ヘキサン/酢酸エチルで溶出させ、これを真空で濃縮して、504(2.41g,69%)をオフホワイトの固形物として得た。
【0243】
[0223] (504)のデータは、上記に示してある。
4.5 4−(メチルチオ)−1,3−チアゾール−2−アミン(508)の合成
[0224] [4−(メチルチオ)−1,3−チアゾール−2−イル]カルバミン酸tert−ブチル(504,3.17g,12.9ミリモル)を塩化メチレン(130mL)に溶かして、トリフルオロ酢酸(54mL)を加えると、明黄色の溶液を生じた。この溶液にゆるく蓋をして、室温で8時間撹拌すると、その時点で反応は完了していた。溶媒を真空で除去して、得られた濃厚なオイルを0.1M HCl(50mL)に懸濁させて、溶媒を除去した。これをもう1回繰り返して、得られた固形物を酢酸エチル(20mL)に懸濁させて蒸発させて、細分された自由浮遊性のピンク色の固形物(2.0g)を得た。この固形物を酢酸エチル(20mL)に再懸濁させ、音波処理し、中粒度フリットで濾過し、酢酸エチル(約30mL)で洗浄した。この薄紫色の固形物を飽和NaHCO溶液(100mL)とジクロロメタン(100mL)の間に分配した。層を分離させて、水層をジクロロメタンで1回抽出した。次いで、合わせた有機物を塩水で洗浄し、無水MgSOで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮して、508(1.33g,71%)を黒ずんだオイルとして得たが、これは、ドライアイスで冷却して、静置させておくと、結晶性の固形物へ固化した。
【0244】
[0225] (508)のデータ:1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.06 (br s, 2H), 6.11 (s, 1H), 及び 2.36 (s, 3H) ppm; 13C-NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 168.5, 144.7, 97.37, 及び 14.7 ppm; MS (ESI+) m/z (相対強度): 147.1 (100, M+H+), 132.0 (20), 及び 105.0 (40)。
【0245】
4.6 酢酸2−{[4−(メチルチオ)−1,3−チアゾール−2−イル]カルバモイル)フェニル(509)の合成:
[0226] 4−(メチルチオ)−1,3−チアゾール−2−アミン(508,672mg,4.60ミリモル)をテトラヒドロフラン(10.0mL)に溶かしてスイカ色の溶液を得て、0℃へ冷やした。塩化アセチルサリチロイル(0.9915g)のテトラヒドロフラン(1.4mL)溶液を1分にわたり滴下し、浴を外して、反応物をそのまま約40分にわたり室温まで温めながら、反応物を撹拌した。トリエチルアミン(0.670mL,4.81ミリモル)を3分にわたり滴下して黒ずんだ懸濁液を得て、これを15時間撹拌した。中粒度フリットで濾過することによってスラリーより固形物を取り出して、この固形物をTHF(約20mL)で洗浄して、得られた溶液を濃縮し、酢酸エチルに溶かし、マグネソール(magnesol)のプラグに通して濾過して極性のある着色した不純物を除去し、濃縮して橙色の結晶性固形物(1.35g)を得た。この粗製材料をシリカゲル上へ酢酸エチルで吸着させ、MPLC(それぞれ6:1、4:1、3:1、及び2:1の1リットルのヘキサン:EtOAcで溶出させる)によって精製した。画分をプールして蒸発させて、509(660.8mg,47%)をほぼ無色の固形物として得た。
【0246】
[0227] (509)のデータ:1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.69 (br s, 1H), 7.77 (dd, J= 7.8, 1.4 Hz, 1H), 7.62 (ddd, J= 7.8, 7.8, 1.4 Hz, 1H), 7.40 (ddd, J= 7.8, 7.8, 1.4 Hz, 1H), 7.27 (dd, J= 8.0, 1.4 Hz, 1H), 6.87 (s, 1H), 2.48 (s, 3H), 及び 2.22 (s, 3H) ppm; 13C-NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 168.8, 163.9, 158.3, 148.5, 145.2, 132.7, 129.5, 126.5, 125.8, 123.3, 105.4, 20.7, 及び 15.0 ppm.; MS (ESI+) m/z (相対強度): 331.2 (20, M+Na+), 309.3 (25, M+H+), 267.3 (70), 189.2 (30), 147.2 (100), 121.1 (40), 100.1 (20), 及び 83.1 (65) m/z. MS (ESI-) m/z (相対強度): 265.3 (80, M-H-)。
【0247】
4.7 酢酸2−{[4−(メチルスルホニル)−1,3−チアゾール−2−イル]カルバモイル}フェニル(62)の合成:
[0228] 酢酸2−{[4−(メチルチオ)−1,3−チアゾール−2−イル]カルバモイル}フェニル(509,201.1mg,0.6521ミリモル)を塩化メチレン(21mL)に溶かして、m−クロロ過安息香酸(317.1mg,1.378ミリモル)を1回分量で加えた。この反応物に蓋をして、室温で100分間撹拌すると、このときこの混合物のHPLC分析は、所望のスルホンへの完全な変換を示した。この反応物を20%Na水溶液(20mL)で冷まし、5分間撹拌して、層を分離させた。有機物を飽和NaHCO溶液と塩水で洗浄し、無水MgSOで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮して、無色の白い固形物(211.0mg)を得た。この粗生成物を還流の酢酸エチル/ヘキサン(5.0:2.0mL)より再結晶させ、濾過し、ヘキサンで洗浄し、真空で乾燥させて、62(133.4mg,61%)を無色の結晶性固形物として得た。
【0248】
[0229] (62)のデータ:1H-NMR (400 MHz, DMSO- d6) δ 13.19 (br s, 1H), 8.11 (s, 1H), 7.82 (d, J= 7.8 Hz, 1H), 7.65 (dd, J= 7.8, 7.8 Hz, 1H), 7.42 (dd, J= 7.8, 7.8 Hz, 1H), 7.29 (d, J= 7.8 Hz, 1H), 3.23 (s, 3H), 及び 2.23 (s, 3H) ppm; 13C-NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 168.8, 164.8, 160.1, 148.6, 148.3, 133.1, 129.6, 126.0, 125.9, 123.4, 120.2, 42.0, 及び 20.7 ppm; MS (ESI+) m/z (相対強度): 341.1 (10, M+H+), 299.1 (20), 163.2 (15), 121.1 (100), 100.1 (15), 及び 83.0 (50) m/z. MS (ESI-) m/z (相対強度): 339.2 (10, M-H-) m/z。
【0249】
4.8 2−ヒドロキシ−N−[4−(メチルスルホニル)−1,3−チアゾール−2−イル]ベンズアミド(60)の合成
[0230] 酢酸2−{[4−(メチルスルホニル)−1,3−チアゾール−2−イル]カルバモイル}フェニル(62,118.2mg,0.3473ミリモル)を濃塩酸(2.0mL)に懸濁させて、迅速に撹拌した。このスラリーは、一時的に均質になってから、再沈殿する。この懸濁液を50℃で16時間迅速に撹拌した後で、冷却して、細かいフリット漏斗で濾過した。固形物を水(約5mL)で洗浄し、真空で乾燥させて、(60)を無色の粉末として得た。
【0250】
[0231] (60)のデータ:融点=231-235 ℃ (密封管); 1H-NMR (400 MHz, DMSO- d6) δ 12.30 (br s, 1H), 11.64 (br s, 1H), 8.12 (s, 1H), 7.96 (dd, J= 7.6, 1.6 Hz, 1H), 7.65 (ddd, J= 7.6, 7.6, 1.6 Hz, 1H), 7.07 (br d, J= 7.6 Hz, 1H), 7.01 (br dd, J= 7.6, 7.6 Hz, 1H), 及び 3.25 (s, 3H) ppm; 13C-NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 165.0, 159.4, 157.3, 148.3, 134.8, 130.3, 120.5, 119.8, 117.2, 116.4, 及び 42.0 ppm. MS (ESI+) m/z (相対強度): 321.3 (30, M+Na+), 299.1 (10, M+H+), 242.1 (10), 201.1 (30), 179.1 (20), 121.1 (100), 100.1 (20), 及び 56.0 (20) m/z. MS (ESI-) m/z (相対強度): 297.2 (100, M-H-) m/z。
【0251】
5.0 4−ヒドロキシ−N−[4−(メチルスルホニル)−1,3−チアゾール−2−イル]ベンズアミド(84)及び3−ヒドロキシ−N−[4−(メチルスルホニル)−1,3−チアゾール−2−イル]ベンズアミド(87)の合成の一般手順
[0232] 化合物:4−ヒドロキシ−N−[4−(メチルスルホニル)−1,3−チアゾール−2−イル]ベンズアミド(84)と3−ヒドロキシ−N−[4−(メチルスルホニル)−1,3−チアゾール−2−イル]ベンズアミド(87)は、以下の一般的な合成スキームに従って製造した:
【0252】
【化12】

【0253】
5.1 酢酸4−(クロロカルボニル)フェニル(510)の合成
[0233] 4−アセトキシ安息香酸(2.50g,13.9ミリモル)へ塩化チオニル(11.1mL,15.3ミリモル)を加えて、この反応物を温めて還流させた。この反応物を3.5時間加熱後に冷やして、真空で濃縮して、無色のオイルを得た。残渣へトルエンを加えて、この混合物を真空で濃縮して、残留の塩化チオニルを除去した。この方法をさらに2回繰り返して、510(2.54g,92%)を無色のオイルとして得た。この材料を追加の精製なしに次の工程に使用した。
【0254】
(510)のデータ:1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.18 (d, J= 8.9 Hz, 2H), 7.29 (d, J= 8.9 Hz, 2H), 2.36 (s, 3H) ppm。
5.2 酢酸3−(クロロカルボニル)フェニル(511)の合成
[0234] 上記の手順を使用して、塩化チオニル(11.1mL,15.3ミリモル)及び3−アセトキシ安息香酸(2.50g,13.9ミリモル)との反応によって、511(2.72g,99%)を無色のオイルとして得た。この材料を追加の精製なしに次の工程に使用した。
【0255】
[0235] (511)のデータ:1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.03 (ddd, J = 8, 2, 1 Hz, 1H), 7.87 (t, J = 2 Hz, 1H), 7.52-7.60 (m, 1H), 7.46 (ddd, J = 8, 2, 1 Hz, 1H), 2.37 (s, 3H) ppm。
【0256】
5.3 酢酸4−{[4−(メチルチオ)−1,3−チアゾール−2−イル]カルバモイル}フェニル(82)の合成
[0236] 510(0.815g,4.10ミリモル)及び乾燥THF(20.0mL)の溶液へトリエチルアミン(0.572mL,4.10ミリモル)及び乾燥THF(5.00mL)の溶液に続いて、乾燥THF(15.0mL)に溶かした508(0.500g,3.42ミリモル)の溶液を加えた。この反応物を室温で撹拌した。一晩撹拌後、この反応物を真空で濃縮した。残渣を飽和重炭酸ナトリウム水溶液とジクロロメタンの間に分配した。ジクロロメタン層を飽和重炭酸ナトリウム溶液で2回、次いで1M HCl水溶液で2回洗浄した。ジクロロメタン層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空で濃縮して、粗製の82(1.15g,>100%)を茶褐色の固形物として得た。この粗生成物をジエチルエーテルに懸濁させ、撹拌して、濾過した。フィルターパッドをエーテルで数回洗浄し、真空で乾燥させて、82(0.692g,63%)を淡褐色の固形物として得た。
【0257】
[0237] (82)のデータ:融点=185.7-188.7 ℃;1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.8 (s, 1H), 8.14 (d, J = 8.9 Hz, 2H), 7.32 (d, J = 8.9 Hz, 2H), 6.89 (s, 1H), 2.50 (s, 3H), 2.31 (s, 3H) ppm; MS (ESI+) m/z (相対強度): 100.1 (37), 122.2 (98.3), 163.2 (49), 309.2 (100), 331.2 (29) m/z. MS (ESI-) m/z (相対強度): 111.0 (16), 203.2 (31), 307.2 (100)。
【0258】
5.4 酢酸3−{[4−(メチルチオ)−1,3−チアゾール−2−イル]カルバモイル}フェニル(85)の合成
[0238] 511(0.815g,4.10ミリモル)及び乾燥THF(25.0mL)の溶液へトリエチルアミン(0.572mL,4.10ミリモル)に続いて乾燥THF(10.0mL)に溶かした508(0.500g,3.42ミリモル)の溶液を加えた。この反応物を室温で撹拌した。一晩撹拌後、この反応物を真空で濃縮した。残渣を酢酸エチルに溶かして、水で1回、飽和重炭酸ナトリウム水溶液で3回、そして塩水で1回洗浄した。この酢酸エチル溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空で濃縮して、粗製の85(1.28g,>100%)を赤いフォームとして得た。この粗生成物をジクロロメタンに溶かした。このジクロロメタン溶液へシリカゲルを加えて、この懸濁液を真空で濃縮した。残渣を90gシリカゲルカートリッジの上にロードして、ヘキサン中20%酢酸エチルの溶液を使用して、カラムを溶出させた。主要生成物の適正な画分を合わせて真空で濃縮して、85(0.614g,58%)を黄褐色の固形物として得た。この材料を追加の精製なしに次の工程に使用した。
【0259】
[0239] (85)のデータ:1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.8 (s, 1H), 8.01 (d, J = 8 Hz, 1H), 7.87 (t, J = 2 Hz, 1H), 7.60 (t, J = 8 Hz, 1H), 7.42 (ddd, J = 8, 2, 1Hz, 1H), 6.90 (s, 1H), 2.50 (s, 3H), 2.32 (s, 3H) ppm。
【0260】
5.5 酢酸4−{[4−(メチルスルホニル)−1,3−チアゾール−2−イル]カルバモイル)フェニル(83)の合成
[0240] ジクロロメタン(30mL)に溶かしたm−クロロ過安息香酸(1.0g,6.0ミリモル,最大77%)の溶液を82(0.63g,2.0ミリモル)のジクロロメタン(60mL)懸濁液へ加えた。反応物は均質になり、この濃褐色の溶液は、経時的により淡くなった。1.25時間後、この反応物へ飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液を加えて、この反応混合物を20分間激しく撹拌した。この黄色い混合物を水で希釈して、得られた層を分離させた。有機層を飽和重炭酸ナトリウム水溶液で2回、塩水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空で濃縮して、ベージュ色の固形物を得た。この粗生成物を50%酢酸エチル/ヘキサン(220mL)より再結晶させた。4日後、この懸濁液を濾過し、フィルターパッドをヘキサンに次いでジエチルエーテルで洗浄し、55℃の真空で一晩乾燥させて、83(0.20g,30%)を淡橙色の固形物として得た。濾液の真空での濃縮に続いて、得られた残渣をジエチルエーテルで摩砕して、得られた固形物を濾過して取ることによって、さらに45mgの(83)を黄褐色の固形物として得た。
【0261】
[0241] (83)のデータ:融点=242-246 ℃(分解);1H-NMR (400 MHz, DMSO- d6) δ 13.2 (s, 1H), 8.18 (d, J= 8.7 Hz, 2H), 8.13 (s, 1H), 7.34 (d, J= 8.7 Hz, 2H), 3.25 (s, 3H), 及び 2.32 (s, 3H), ppm; MS (ESI+) m/z (相対強度): 121.1 (40), 163.2 (50), 230.8 (10), 341.2 (100), 363.2 (70) m/z; MS (ESI-) m/z (相対強度): 339.3 (100)。
【0262】
5.6 酢酸3−{[4−(メチルスルホニル)−1,3−チアゾール−2−イル]カルバモイル)フェニル(86)の合成
[0242] 実施例83についての上記の手順を使用して、ジクロロメタン(30mL)に溶かしたm−クロロ過安息香酸(1.0g,6.0ミリモル、最大77%)とジクロロメタン(30mL)に溶かした85(0.61g,2.0ミリモル)より、粗製の(86)を白い固形物として得た。この粗生成物をジエチルエーテル(30mL)中で30分間撹拌し、濾過し、空気乾燥させて、86(0.59g,87%)を白い固形物として得た。
【0263】
[0243] (86)のデータ:融点=209-212 ℃;1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 13.2 (s, 1H), 8.13 (s, 1H), 8.05 (d, J= 8 Hz, 1H), 7.91 (t, J= 2 Hz, 1H), 7.62 (t, J= 8 Hz, 1H), 7.45 (d, J= 8 Hz, 1H), 3.26 (s, 3H), 及び 2.32 (s, 3H), ppm; MS (ESI+) m/z (相対強度): 121.1 (20), 163.2 (20), 299.2 (25), 341.2 (100), 363.3 (40), 380.8 (10), 530.5 (10), 719.3 (5), 743.3 (5) m/z; MS (ESI-) m/z (相対強度): 339.3 (100)。
【0264】
5.7 4−ヒドロキシ−N−[4−(メチルスルホニル)−1,3−チアゾール−2−イル]ベンズアミド(84)の合成
[0244] 83(0.12g,0.35ミリモル)のテトラヒドロフラン(3.0mL)懸濁液へ2M塩酸(3.0mL)を加えて、得られた懸濁液を温めて還流させた。この反応物は、加熱により均質になった。1.5時間還流後、この反応物をそのまま室温へ冷やしてから、ジエチルエーテルと水の間に分配した。エーテル層を水、飽和重炭酸ナトリウム水溶液、及び塩水で洗浄した。エーテル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させて、真空で濃縮した。残渣を酢酸エチルで摩砕し、溶媒を窒素流の下で除去して、得られた固形物を55℃の真空で乾燥させて、84(0.086g,82%)を淡黄色の固形物として得た。
【0265】
[0245] (84)のデータ:融点=253-255 ℃(分解)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.9 (s, 1H), 10.4 (s, 1H), 8.07 (s, 1H), 8.03 (d, J= 8.7 Hz, 2H), 6.89 (d, J= 8.7 Hz, 2H), 及び 3.24 (s, 3H) ppm. MS (ESI+) m/z (相対強度): 121.1 (100), 299.3 (40), 321.2 (25), 355.3 (5) m/z. MS (ESI-) m/z (相対強度): 297.3 (100)。
【0266】
5.8 3−ヒドロキシ−N−[4−(メチルスルホニル)−1,3−チアゾール−2−イル]ベンズアミド(87)の合成
[0246] 実施例84についての上記の手順を使用して、テトラヒドロフラン(10mL)に溶かした化合物86(0.36g,1.0ミリモル)と2M塩酸(10mL)より、エーテル層を真空で濃縮した後で、87(0.29g,91%)を白い固形物として得た。
【0267】
[0247] (87)のデータ:融点=258-259 ℃(分解);1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 13.1 (s, 1H), 9.88 (s, 1H), 8.11 (s, 1H), 7.59 (d, J= 8 Hz, 1H), 6.47 (s, 1H), 7.35 (t, J= 8 Hz, 1H), 7.05 (dd, J= 8, 2 Hz, 1H), 及び 3.25 (s, 3H) ppm; MS (ESI+) m/z (相対強度): 218.3 (10), 299.3 (100), 321.2 (40) m/z; MS (ESI-) m/z (相対強度): 297.3 (100)。
【0268】
6.0 4−ヒドロキシ−N−[5−(メチルスルホニル)−1,3−チアゾール−2−イル]ベンズアミド(80)及び3−ヒドロキシ−N−[5−(メチルスルホニル)−l,3−チアゾール−2−イル]ベンズアミド(81)の合成の一般手順
[0248] 化合物:4−ヒドロキシ−N−[5−(メチルスルホニル)−1,3−チアゾール−2−イル]ベンズアミド(80)及び3−ヒドロキシ−N−[5−(メチルスルホニル)−1,3−チアゾール−2−イル]ベンズアミド(81)は、以下の一般的な合成スキームに従って製造した:
【0269】
【化13】

【0270】
6.1 5−(メチルチオ)−1,3−チアゾール−2−アミン(512)の合成
[0249] 2−アミノ−5−ブロモチアゾール一臭化水素酸塩:505(2.50g,14.0ミリモル)の無水エタノール(18.0mL)懸濁液へメタノール(18.0mL)に溶かしたナトリウムチオメトキシド(1.09g,14.8ミリモル)の溶液を5分にわたり加えた。反応物は均質になった。この反応物へメタノール(12.0mL)に溶かしたナトリウムチオメトキシド(1.09g,14.8ミリモル)の第二溶液を加えた。この反応物を45℃まで40分間温めてから、加熱器を外して、この反応物をそのまま室温で一晩撹拌すると、このとき薄層クロマトグラフィー(1:1 EtOAc/ヘキサン)は、ほとんどの出発材料が新たな生成物の生成に伴って消費されたことを示した。この反応物へ追加のナトリウムチオメトキシド(0.20g,2.85ミリモル)を加えて、この反応物を再び50℃へ温めた。2時間加熱後、この反応物を室温へ冷やして、真空で濃縮した。残渣をジクロロメタンに溶かし、水で3回、塩水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空で濃縮して、512(1.12g,55%)を橙色の固形物として得た。
【0271】
[0250] (512)のデータ:1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.20 (s, 2H), 6.97 (s, 1H), 2.29 (s, 3H) ppm。
6.2 酢酸4−{[5−(メチルスルファニル)−1,3−チアゾール−2−イル]カルバモイル)フェニル(76)の合成
[0251] 実施例82の合成の手順に従って、乾燥THF(25.0mL)に溶かした中間体510(0.815g,4.10ミリモル)、トリエチルアミン(0.572mL,4.10ミリモル)、及び乾燥THF(10.0mL)に溶かした512(0.500g,3.42ミリモル)より、76(0.887g,84%)を黄褐色の固形物として得た。
【0272】
[0252] (76)のデータ:融点=193.3-195.5 ℃;1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.8 (br. s., 1H), 8.13 (d, J = 8.71 Hz, 2H), 7.58 (s, 1H), 7.32 (d, J = 8.71 Hz, 2H), 2.46 (s, 3H), 2.31 (s, 3H) ppm; MS (ESI+) m/z (相対強度): 121.0 (100), 163.2 (48), 309.2 (34) m/z. MS (ESI-) m/z (相対強度): 292.2 (100), 307.3 (48)。
【0273】
6.3 酢酸3−{[5−(メチルスルファニル)−1,3−チアゾール−2−イル]カルバモイル)フェニル(77)の合成
[0253] 実施例85の合成の手順に従って、乾燥THF(25.0mL)に溶かした中間体511(0.815g,4.10ミリモル)、トリエチルアミン(0.572mL,4.10ミリモル)、及び乾燥THF(10.0mL)に溶かした512(0.500g,3.42ミリモル)より、77(0.681g,65%)を黄褐色の固形物として得た。
【0274】
[0254] (77)のデータ:融点=135.2-136.2 ℃;1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.8 (s, 1H), 7.96-8.03 (m, 1H), 7.86 (t, J = 2 Hz, 1H), 7.57-7.63 (m, 2H), 7.43 (ddd, J = 8, 2, 1 Hz, 1H), 2.47 (s, 3H), 2.32 (s, 3H) ppm; MS (ESI+) m/z (相対強度): 121.0 (40), 163.2 (100), 309.2 (85), 331.2 (11) m/z; MS (ESI-) m/z (相対強度): 292.3 (100), 307.3 (49)。
【0275】
6.4 酢酸4−{[5−(メチルスルホニル)−1,3−チアゾール−2−イル]カルバモイル}フェニル(78)の合成
[0255] ジクロロメタン(35.0mL)に溶かした76(0.841g,2.73ミリモル)の溶液へジクロロメタン(10.0mL)に溶かしたm−クロロ過安息香酸(0.611g,2.73ミリモル、最大77%)の溶液を15分にわたり滴下して、この反応物を室温で1.25時間撹拌した。この反応物へジクロロメタン(10.0mL)に溶かしたm−クロロ過安息香酸(0.611g,2.73ミリモル)の第二溶液を15分にわたり加えて、得られた溶液を室温でさらに2.5時間撹拌した。この反応物をジクロロメタンと飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液の間に分配した。有機層を飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液で洗浄し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液で2回、そして塩水で1回洗浄した。ジクロロメタン層を真空で(乾燥させずに)濃縮して、粗製の78(0.80g,86%)を得た。この粗生成物をクロロホルム(250mL)とともに撹拌して、この懸濁液を濾過した。このパッドをクロロホルムで1回洗浄して空気乾燥させて、78(0.559g,60%)を白い固形物として得た。
【0276】
[0256] (78)のデータ:融点=279.6-280.6 ℃;1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 13.3 (br. s, 1H), 8.20 (s, 1H), 8.18 (d, J = 8.71 Hz, 2H), 7.35 (d, J = 8.71 Hz, 2H), 3.39 (s, 3H), 2.32 (s, 3H) ppm; MS (ESI+) m/z (相対強度): 121.0 (100), 163.2 (72), 341.2 (63), 363.2 (59) m/z; MS (ESI-) m/z (相対強度): 259.3 (17), 339.3 (100)。
【0277】
6.5 酢酸3−{[5−(メチルスルホニル)−1,3−チアゾール−2−イル]カルバモイル)フェニル(79)の合成
[0257] ジクロロメタン(25.0mL)に溶かした77(0.630g,2.04ミリモル)の溶液へジクロロメタン(8.0mL)に溶かしたm−クロロ過安息香酸(0.458g,2.04ミリモル、最大77%)の溶液を15分にわたり滴下した。この反応物を室温で1.25時間撹拌した。次いで、この反応物へジクロロメタン(8.0mL)に溶かしたm−クロロ過安息香酸(0.458g,2.04ミリモル)の第二溶液を10分にわたり加えて、室温でさらに4.5時間撹拌した。次いで、この反応物をジクロロメタンと飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液の間に分配した。有機層を飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液で再び洗浄し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液で2回、そして塩水で1回洗浄した。ジクロロメタン層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空で濃縮して粗製の79(0.704g,>100%)を得たが、これには微量の残留3−クロロ安息香酸が混ざっていた。この粗生成物を酢酸エチルに再び溶かし、飽和重炭酸ナトリウム水溶液で3回洗浄し、硫酸マグネシウムを使用して乾燥させ、真空で濃縮して、黄褐色の固形物を得た。残渣をTHFに溶かして、この淡褐色の溶液をマグネゾール(Magnesol)のプラグに通して濾過した。このフィルターパッドをTHFでよく洗浄し、無色の濾液を真空で濃縮して、79(0.530g,76%)を白い固形物として得た。
【0278】
[0258] (79)のデータ:融点=186.5 ℃(分解);1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 13.4 (s, 1H), 8.20 (s, 1H), 8.04 (d, J = 8 Hz, 1H), 7.91 (t, J = 2 Hz, 1H), 7.63 (t, J = 8 Hz, 1H), 7.47 (ddd, J = 8, 2, 1 Hz, 1H), 3.40 (s, 3H), 2.32 (s, 3H) ppm; MS (ESI+) m/z (相対強度): 121.0 (31), 163.2 (100), 341.2 (75), 363.2 (24) m/z; MS (ESI-) m/z (相対強度): 259.2 (22), 339.2 (100)。
【0279】
6.6 4−ヒドロキシ−N−[5−(メチルスルホニル)−1,3−チアゾール−2−イル−]ベンズアミド(80)の合成
[0259] 78(0.439g,1.29ミリモル)のテトラヒドロフラン(20.0mL)懸濁液へ2M塩酸(45.0mL)を加えて、この懸濁液を温めて還流させた。この反応物は、加熱により均質になった。4時間還流後、この反応物をそのまま室温へ冷やして、室温で一晩静置させた後で、この反応物を濾過した。フィルターパッドを水で洗浄してから70℃の真空で乾燥させて、80(0.2489g,64.6%)を白い結晶性固形物として得た。
【0280】
[0260] (80)のデータ:融点=約242 ℃(分解)。次いで、分解した固形物は、252.5-255.5 ℃で融けた;1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 13.1 (br. s., 1H), 10.5 (s, 1H), 8.22 (s, 1H), 8.09 (d, J = 8.71 Hz, 2H), 6.96 (d, J = 8.71 Hz, 2H), 3.43 (s, 3H) ppm; MS (ESI+) m/z (相対強度): 121.1 (100), 299.2 (10), 321.1 (4) m/z; MS (ESI-) m/z (相対強度): 177.2 (16), 217.2 (24), 297.2 (100)。
【0281】
6.7 3−ヒドロキシ−N−[5−(メチルスルホニル)−1,3−チアゾール−2−イル]ベンズアミド(81)の合成
[0261] 79(0.370g,1.09ミリモル)のテトラヒドロフラン(17.0mL)懸濁液へ2M塩酸(40.0mL)を加えて、この反応物を温めて還流させた。この反応物は、加熱により均質になった。4時間還流後、この反応物をそのまま室温へ冷やして、真空で濃縮した。残渣を水に懸濁させて、濾過した。フィルターパッドを水で洗浄し、空気乾燥させてから、最少量の温THFに再び溶かした。この温THF溶液へ水をこの溶液が濁るまで加え、得られた混合物をそのまま室温へ冷やした。追加の水を加えると、静置時に、白い固形物が生成した。この結晶性の生成物を濾過し、フィルターパッドを水で洗浄し、70℃の真空で乾燥させて、81(0.182g,56%)を白い結晶性固形物として得た。
【0282】
[0262] (81)のデータ:融点=271.1-272.3 ℃;1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 13.2 (s, 1H), 9.91 (s, 1H), 8.19 (s, 1H), 7.58 (d, J = 8 Hz, 1H), 7.46 (t, J = 2 Hz, 1H), 7.37 (t, J = 8 Hz, 1H), 7.06 (dd, J = 8, 2 Hz, 1H), 3.39 (s, 3H) ppm; MS (ESI+) m/z (相対強度): 100.1 (42)121.1 (100), 299.2 (44), 321.1 (8) m/z; MS (ESI-) m/z (相対強度): 217.2 (29), 297.2 (100)。
【0283】
7.0 2−ヒドロキシ−N−(5−(メチルスルホニル)チアゾール−2−イル)ベンズアミド(6)の合成
[0263] 化合物:2−ヒドロキシ−N−(5−(メチルスルホニル)チアゾール−2−イル)ベンズアミド(6)は、以下の合成スキームに従って製造した:
【0284】
【化14】

【0285】
7.1 5−(メチルチオ)チアゾール−2−アミン(512)の代替合成法
[0264] (メチルチオ)アセトアルデヒドジメチルアセタール(5.00g,36.7ミリモル、1.0当量)のDCM(80mL)撹拌溶液へ臭素(1.9mL,37.1ミリモル、1.01当量)及びジオキサン(0.1cm,0.3当量)のDCM(20mL)溶液を0℃で3時間にわたり滴下した。この混合物をそのまま室温へ温めて、この温度で30分間撹拌すると、最後にNMR分析は、出発材料の消失を明らかにした。DCMを真空で除去した。粗製の臭化物(513)をTHF(50mL)に溶かして、これにチオ尿素(5.58g,2.0当量)のTHF(100mL)及び水(20mL)溶液の添加を続けた。この溶液を一晩還流させた。溶媒を真空で除去して、この粗生成物をEtOAc(50mL)で3回抽出した。合わせた有機層を塩水溶液で洗浄して、無水MgSOで乾燥させた。フラッシュカラムクロマトグラフィーを通した生成物の精製によって、求められる生成物、2−アミノ−5−メチルチオチアゾール(512)(1.35g,収率25.2%)を茶褐色の固形物として得た。
【0286】
[0265] (512)のデータ:TLC (シリカゲル) Rf = 0.2 (1 :1, ヘキサン:EtOAc); 1H-NMR (CDCl3, 200 MHz), 2.35 (3H, s, CH3), 5.46 (2H, s, NH2), 7.06 (1H, s, CH); 1H (DMSO-d, 400 MHz), 2.29 (3H, s, CH3), 6.96 (1H, s, CH), 7.16 (2H, s, NH2); 13C-NMR (100 MHz, DMSO-d), 22.6, 115.8, 144.9, 171.8; m/z (CI + H)+ 147; HRMS, 実測値, m/z 147.00540, C4H7N2S2(MH+) 理論値 m/z, 147.00507 (+2.4 ppm)。
【0287】
7.2 酢酸2−(5−(メチルチオ)チアゾール−2−イルカルバモイル)フェニル(69)の合成
[0266] 窒素の下で、5−(メチルチオ)チアゾール−2−アミン(700.0mg,4.79ミリモル、1.0当量)の乾燥THF(mL)撹拌溶液へ塩化アセチルサリチロイル(1.237g,6.20ミリモル、1.3当量)のTHF(40mL)溶液を加えた。これにトリエチルアミン(0.67mL,4.79ミリモル、1.0当量)の添加を続けた。この反応混合物を室温で撹拌して、TLCによってモニタリングした。2時間後、反応物を焼結漏斗に通して濾過して、溶媒を真空で除去した。この粗生成物をEtOAc(150mL)に溶かして、1M HClと飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でそれぞれ2回洗浄した。有機画分をMgSOで乾燥させて、溶媒の除去を続けた。フラッシュカラムクロマトグラフィーによって、純粋な生成物、69(1.450g,98%)を固形物として得た。
【0288】
[0267] (69)のデータ:融点=145-147℃;TLC (シリカゲル) Rf = 0.36 (ヘキサン:EtOAc, 1:1); 1H-NMR (DMSO-d, 400 MHz), 2.23 (3H, s, CH3), 2.47 (3H, s, CH3), 7.28 (1H, dd, J= 1.0, 8.0 Hz, ArH), 7.41 (1H, td, J= 1.0, 7.6 Hz, ArH), 7.56 (1H, s, CH), 7.63 (1H, td, J= 1.7, 8.0 Hz, ArH), 7.78 (1H, dd, J= 1.7, 7.6 Hz, ArH), 12.70 (1H, s, NH); 13C-NMR (DMSO-d, 100 MHz), 21.1, 22.0, 123.7, 124.6, 126.2, 126.9, 130.0, 133.1, 141.6, 148.9, 160.0, 164.5, 169.2; m/z (CI) 309 (MH+); HRMS, 実測値 309.03654, C13H13N2O3S2理論値 309.03677, (-0.8 ppm)。
【0289】
7.3 酢酸2−(5−(メチルスルホニル)チアゾール−2−イルカルバモイル)フェニル(7)の合成
[0268] 69(1.1g,3.57ミリモル、1.0当量)のDCM(50mL)撹拌溶液へmCPBA(70〜75%,1.04g,4.2ミリモル、1.2当量)のDCM(20mL)溶液を30分の時間にわたり滴下した。反応物を室温でさらに30分間撹拌した。DCM(20mL)中のmCPBA(70〜75%,1.04g,約4.2ミリモル、1.18当量)の第二分量を30分にわたり滴下した。この反応物を1時間撹拌した。この反応物を飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液で冷まして、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と1M HClでそれぞれ2回抽出した。合わせた有機層を塩水溶液で洗浄して、無水MgSOで乾燥させた。真空での溶媒除去とフラッシュカラムクロマトグラフィー(1:1 EtOAc,Hex→EtOAc)によって、7(1.15g,95%)を白い固形物として得た。
【0290】
[0269] (7)のデータ:融点=173-175℃;TLC (シリカゲル) Rf=0.27 (EtOAc); 1H-NMR (400 MHz, DMSO-d), 2.25 (3H, s, CH3), 3.38 (3H, s, CH3), 7.31 (1H, dd, J= 1.0, 8.0 Hz, ArH), 7.44 (1H, td, J= 1.0, 7.6 Hz, ArH), 7.67 (1H, td, J= 1.6, 7.6 Hz, ArH), 7.83 (1H, dd, J= 1.6, 8.0 Hz, ArH), 8.17 (1H, s, CH); 13C-NMR (100 MHz, DMSO- d), 21.1, 46.2, 123.8, 122.2, 126.3, 130.1, 130.7, 133.6, 144.6, 149.0, 163.3, 165.3, 169.2; MS m/z (CI + H)+341, (100%), 299 (36%), 221 (83%)。
【0291】
7.3 2−ヒドロキシ−N−(5−(メチルスルホニル)チアゾール−2−イル)ベンズアミド(6)の合成
[0270] THF(20mL)に溶かした7(1.0g,2.94ミリモル、1.0当量)の溶液を撹拌下に2M HCl(100mL)へ加えた。この反応物を1時間還流させて、そのまま1時間にわたり撹拌下に冷やした。焼結ガラス漏斗を使用して生成物を濾過し、蒸留水とTHFで洗浄し、高真空で乾燥させて、834mg(95%)の(6)を無色の固形物として得た。
【0292】
[0271] (6)のデータ:融点=282-283 ℃;1H-NMR (DMSO-d, 400 MHz), 3.39 (3H, s, CH3SO2), 7.01 (1H, t, J= 7.5 Hz, ArH), 7.10 (1H, d, J= 7.5 Hz, ArH), 7.52 (1H, t, J = 7.5 Hz, ArH), 7.96 (1H, d, J= 7.5 Hz, ArH) 及び 8.17 (1H, s, 4'-H); 13C-NMR (100 MHz, DMSO-d) 46.2, 117.0, 117.6, 120.1, 130.5, 130.8, 135.2, 144.2, 157.7, 163.1 及び 165.6; MS (CI) m/z 299 (MH+) 及び316 (MNH4+); HRMS, 実測値, m/z 299.01696, C11H11N2O4S2(MH+) 理論値 m/z, 299.01602。
【0293】
[0272] 上記のことは、特に好ましい態様に関連するが、本発明はそれに限定されないことを理解されたい。当業者には、開示される態様に対して様々な修飾をなし得ること、そしてそのような修飾が本発明の範囲内にあると企図されることが考えられよう。
【0294】
[0273] 本明細書に引用される出版物、特許出願、及び特許は、いずれもその全体において参照により本明細書に組み込まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

[式中、R〜RとRは、H、CN、NO、F、Cl、Br、I、OH、−PO(OR)(OR0−1、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、(C−C)−アルコキシ、(C−C)−アルケニルオキシ、(C−C)−アルキニルオキシ、(C−C)−アルコキシアルキル、(C−C)−アルコキシアルキルアミノ、(C−C)−ヒドロキシアルキル、(C−C)−アシル、(C−C)−アシルオキシ、アロイルオキシ、アリールアルカノイルオキシ、ヘテロアロイルオキシ、ヘテロアリールアルカノイルオキシ、(C−C)−アルキルアミノ、(C−C)シクロアルキルスルホニル、(C−C)シクロアルケニルスルホニル、(C−C)−ジアルキルアミノ、(C−C)−アルキルアミノアルキル、アミド、(C−C)−アルキルアミド、(C−C)−ジアルキルアミド、(C−C)−ハロアルキル、(C−C)−ペルハロアルキル、(C−C)−ペルハロアルコキシ、SR、(C−C)−アルキルチオ、(C−C)−アルキルチオアルキル、(C−C)−アルキルスルホニル、(C−C)−アルキルスルホニルアルキル、アリールスルホニル、アリールアルキルスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロアリールアルキルスルホニル、(C−C)−アルキルスルホンアミド、(C−C)−スルホンアミドアルキル、スルホンアミドアリール、フェニルのようなアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールアルコキシ、アリールアルキルアミノ、アリールアルケニル、アリールアルキニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルコキシ、ヘテロアリールアルキルアミノ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアルケニル、低級シクロアルキル、低級シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、−(CR0−4−OR、−(CR0−4−COOR、(CR0−4−CONR、NH−(CR0−4−CO−R、(CR0−4O−CO−R、及び−(CR0−4−L−SO−L−Rからなる群より独立して選択され、このいずれも、置換されていてもよく;
但し、R〜Rの少なくとも1つ又はRは、−(CR0−4−L−SO−L−Rでなければならず;
ここでRとRは、水素、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、(C−C)−アルコキシ、(C−C)−アルコキシ−(C−C)−アルキル、(C−C)−ヒドロキシアルキル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、低級シクロアルキル、低級シクロアルキルアルキル、及びヘテロシクロアルキルからなる群より独立して選択され、このいずれも、置換されていてもよく;又はRとRは、それらが付く原子と一緒に結合して、置換されていてもよい3〜7員ヘテロシクロアルキル又は置換されていてもよい3〜7員シクロアルキル環を形成してよく;
ここでR〜Rは、それぞれ互いに独立して、H、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、及び(CH0−2−フェニルより選択され;
ここでLとLは、独立して、結合、O、−N(R)−、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキニルであり、そのそれぞれは、1〜3の置換基で置換されていてもよく、但し、LとLは、同時にOではなく;
ここでRとRは、H、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキニルからなる群より独立して選択され、そのそれぞれは、1〜3の置換基で置換されていてもよく;
ここで該アルキル、該アルケニル、及び該アルキニルは、それぞれの場合において、F、Cl、Br、及び/又はIに置き換えられる0〜9のH原子を有する]の化合物、又はその塩。
【請求項2】
、R、R、R、又はRが−OS(O)Rxであり、ここでRxは、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキルであって、そのそれぞれは置換されていてもよい、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
、R、R、R、又はRが−OSO−CHである、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
式(I):
【化2】

[式中:
は、H、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、フェニル、F、Cl、Br、I、(CH0−2−OR、NO、(CH0−2−COOR、NH−(CH0−2−CO−R、(CH0−2O−CO−R、SR、PO(OH)(OH)0−1、及び−SO−アルキルより選択され;
〜Rは、それぞれ互いに独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、フェニル、F、Cl、Br、I、(CH0−2−OR、NO、(CH0−2−COOR、NH−(CH0−2−CO−R、(CH0−2O−CO−R;SR;及びPO(OH)(OH)0−1より選択され;
ここでR〜Rは、それぞれ互いに独立して、H、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、及び(CH0−2−フェニルより選択され;
ここでR又はRは、H又はSOCHであり;
ここで該アルキル、該アルケニル、及び該アルキニルは、それぞれの場合において、F、Cl、Br、及び/又はIに置き換えられる0〜9のH原子を有し;そして
ここでRが−SOCHであるならば、そのときRはHであり;そしてRがSOCHであるならば、RはSOCHではない]の化合物。
【請求項5】
式(I):
【化3】

[式中:
〜Rは、それぞれ互いに独立して、H、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、フェニル、F、Cl、Br、I、(CH0−2−OR、NO、(CH0−2−COOR、NH−(CH0−2−CO−R、(CH0−2O−CO−R;SR、及びPO(OH)(OH)0−1より選択され;
ここでR〜Rは、それぞれ互いに独立して、H、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、及び(CH0−2−フェニルより選択され;
ここで該アルキル、該アルケニル、及び該アルキニルは、それぞれの場合において、F、Cl、Br、及び/又はIに置き換えられる0〜9のH原子を有し;そして
又はRはSOCHであり、他のR又はRはHである]の化合物。
【請求項6】
式(I):
【化4】

[式中:
〜Rは、それぞれ互いに独立して、H、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、フェニル、F、Cl、Br、I、(CH0−2−OR、NO、COOR、NH−CO−R、O−CO−R;SR、及びPO(OH)(OH)0−1より選択され;
ここでR〜Rは、それぞれ互いに独立して、H、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、及び(CH0−2−フェニルより選択され;
ここで該アルキル、該アルケニル、及び該アルキニルは、それぞれの場合において、F、Cl、Br、及び/又はIに置き換えられる0〜9のH原子を有し;そして
又はRはSOCHであり、他のR又はRはHである]の化合物。
【請求項7】
式(I):
【化5】

[式中:
〜Rは、それぞれ互いに独立して、H、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、フェニル、F、Cl、Br、I、OR、NO、COOR、NH−CO−R、O−CO−R;SR及びPO(OH)(OH)0−1より選択され;
ここでR〜Rは、それぞれ互いに独立して、H、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、及び(CH0−2−フェニルより選択され;
ここで該アルキル、該アルケニル、及び該アルキニルは、それぞれの場合において、F、Cl、Br、及び/又はIに置き換えられる0〜9のH原子を有し;そして
又はRはSOCHであり、他のR又はRはHである]の化合物。
【請求項8】
がHであるときにRがNOであり得ない、請求項1の化合物。
【請求項9】
〜Rの少なくとも1つが、独立して、H、(C−C)−アルキル、F、Cl、Br、I、(CH0−2−OR、COOR、NH−CO−R、O−CO−R、OH、又はOAcである、請求項6の化合物。
【請求項10】
【化6】

[式中:
〜Rは、それぞれ互いに独立して、H、F、Cl、Br、I、NO、及びPO(OH)(OH)0−1より選択され;そして
又はRはSOCHであり、他のR又はRはHである]である請求項9の化合物。
【請求項11】
式(I):
【化7】

[式中:
〜Rは、それぞれ互いに独立して、H、(C−C)−アルキル、F、Cl、Br、I、(CH0−2−OR、NO、COOR、NH−CO−R、O−CO−R;SR、及びPO(OH)(OH)0−1より選択され;そして
ここでR〜Rは、それぞれ互いに独立して、H及び(C−C)−アルキルより選択され;そして
又はRはSOCHであり、他のR又はRはHである]の化合物。
【請求項12】
式(I):
【化8】

[式中:
は、−OS(O)Rxであり、ここでRxは、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキルであって、そのいずれも置換されていてもよく;
〜Rは、それぞれ互いに独立して、H、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、フェニル、F、Cl、Br、I、(CH0−2−OR、NO、(CH0−2−COOR、NH−(CH0−2−CO−R、(CH0−2O−CO−R;SR、及びPO(OH)(OH)0−1より選択され;
ここでR〜Rは、それぞれ互いに独立して、H、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、及び(CH0−2−フェニルより選択され;
ここで該アルキル、該アルケニル、及び該アルキニルは、それぞれの場合において、F、Cl、Br、及び/又はIに置き換えられる0〜9のH原子を有する]の化合物。
【請求項13】
式(I):
【化9】

[式中:
は、−OS(O)Rxであり、ここでRxは、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキルであって、そのいずれも置換されていてもよく;
〜Rは、それぞれ互いに独立して、H、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、フェニル、F、Cl、Br、I、(CH0−2−OR、NO、COOR、NH−CO−R、O−CO−R;SR、及びPO(OH)(OH)0−1より選択され;
ここでR〜Rは、それぞれ互いに独立して、H、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、及び(CH0−2−フェニルより選択され;
ここで該アルキル、該アルケニル、及び該アルキニルは、それぞれの場合において、F、Cl、Br、及び/又はIに置き換えられる0〜9のH原子を有する]の化合物。
【請求項14】
式(I):
【化10】

[式中:
は、−OS(O)CHであり;
〜Rは、それぞれ互いに独立して、H、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、フェニル、F、Cl、Br、I、OR、NO、COOR、NH−CO−R、O−CO−R;SR、及びPO(OH)(OH)0−1より選択され;
ここでR〜Rは、それぞれ互いに独立して、H、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、及び(CH0−2−フェニルより選択され;
ここで該アルキル、該アルケニル、及び該アルキニルは、それぞれの場合において、F、Cl、Br、及び/又はIに置き換えられる0〜9のH原子を有し;そして
又はRはSOCHであり、他のR又はRはHである]の化合物。
【請求項15】
〜Rが、それぞれ互いに独立して、H、(C−C)−アルキル、F、Cl、Br、I、NO、及びPO(OH)(OH)0−1より選択され;
ここでR〜Rは、それぞれ互いに独立して、H及び(C−C)−アルキルより選択され;そして
ここで該アルキル、該アルケニル、及び該アルキニルは、それぞれの場合において、F、Cl、Br、及び/又はIに置き換えられる0〜9のH原子を有する、請求項14の化合物。
【請求項16】
〜Rが、それぞれ互いに独立して、H、(C−C)−アルキル、F、Cl、Br、I、NO、及びPO(OH)(OH)0−1より選択され;そして
ここでR〜Rは、それぞれ互いに独立して、H及び(C−C)−アルキルより選択される、請求項15の化合物。
【請求項17】
式(I):
【化11】

[式中:
は、−OS(O)CHであり;
〜Rは、それぞれ互いに独立して、H、F、Cl、Br、I、NO、及びPO(OH)(OH)0−1より選択され;そして
又はRはSOCHであり、他のR又はRはHである]の化合物。
【請求項18】
式(I):
【化12】

[式中:
は、−OSOCHであり;
〜Rは、それぞれ互いに独立して、H、(C−C)−アルキル、F、Cl、Br、I、(CH0−2−OR、NO、COOR、NH−CO−R、O−CO−R;SR、及びPO(OH)(OH)0−1より選択され;そして
ここでR〜Rは、それぞれ互いに独立して、H及び(C−C)−アルキルより選択され;そして
又はRはSOCHであり、他のR又はRはHである]の化合物。
【請求項19】
塩が、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、ショウノウ酸塩、カンファースルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタン−スルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、シュウ酸塩、チオシアン酸塩、トシラート、及びウンデカン酸塩からなる群より選択される、請求項1の化合物。
【請求項20】
請求項1の化合物と担体を含んでなる医薬組成物。
【請求項21】
C型肝炎ウイルス感染症を治療するのに有効な量の化合物を含む、請求項20の医薬組成物。
【請求項22】
請求項21の医薬組成物を、それを必要とする患者へ投与することを含んでなる、C型肝炎ウイルス感染症を治療するための方法。
【請求項23】
メタンスルホン酸2−(チアゾール−2−イルカルバモイル)フェニルである、請求項18の化合物。
【請求項24】
が−OH又は−OAcであり、R〜RはHであり、そしてR又はRの一方がHであって、R又はRの他方は−SOCHである、請求項1の化合物。
【請求項25】
式(I):
【化13】

[式中、R〜RとRは、H、CN、NO、F、Cl、Br、I、−OH、−PO(OR)(OR0−1、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、(C−C)−シクロアルキル、(C−C)−シクロアルキル−(C−C)−アルキル、(C−C)−シクロアルキル−(C−C)−アルケニル、(C−C)−シクロアルキル−(C−C)−アルキニル、(C−C)−シクロアルケニル、(C−C)−シクロアルケニル−(C−C)−アルキル、(C−C)−シクロアルケニル−(C−C)−アルケニル、(C−C)−シクロアルケニル−(C−C)−アルキニル、(C−C)−アルコキシ、(C−C)−アルケニルオキシ、(C−C)−アルキニルオキシ、(C−C)−アルコキシ−(C−C)−アルキル、(C−C)−アルコキシ−(C−C)−アルキル、(C−C)−アルコキシ−(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルコキシ−(C−C)−アルキニル、(C−C)−アルケニルオキシ、(C−C)−アルケニルオキシ−(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニルオキシ−(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルケニルオキシ−(C−C)−アルキニル、(C−C)−アルキニルオキシ、(C−C)−アルキニルオキシ−(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニルオキシ−(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルケニルオキシ−(C−C)−アルキニル、(C−C)−シクロアルコキシ、(C−C)−シクロアルキル−(C−C)−アルコキシ、(C−C)−シクロアルキル−(C−C)−アルケニルオキシ、(C−C)−シクロアルキル−(C−C)−アルキニルオキシ、(C−C)−シクロアルケニルオキシ、(C−C)−シクロアルケニル−(C−C)−アルコキシ、(C−C)−シクロアルケニル−(C−C)−アルケニルオキシ、(C−C)−シクロアルケニル−(C−C)−アルキニルオキシ、(C−C)−アルコキシ−(C−C)−アルキルアミノ、(C−C)−ヒドロキシアルキル、(C−C)−アシル、(C−C)−アシルオキシ、アロイルオキシ、アリールアルカノイルオキシ、アリールアルケノイルオキシ、ヘテロアロイルオキシ、ヘテロアリールアルカノイルオキシ、ヘテロアリールアルケノイルオキシ、(C−C)−アルキルアミノ、(C−C)−ジアルキルアミノ、(C−C)−アルキルアミノアルキル、アミド、(C−C)−アルキルアミド、(C−C)−ジアルキルアミド、(C−C)−ハロアルキル、(C−C)−ペルハロアルキル、(C−C)−ペルハロアルコキシ、SR、(C−C)−アルキルチオ、(C−C)−アルキルチオアルキル、(C−C)−アルキルスルホニル、(C−C)−アルキルスルホニル−(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニルスルホニル、(C−C)−アルキニルスルホニル、(C−C)−ヒドロキシアルキルスルホニル、−SO−(CR0−4−COOR、(C−C)−シクロアルキルスルホニル、(C−C)−シクロアルキル−(C−C)−アルキルスルホニル、(C−C)−シクロアルキル−(C−C)−アルケニルスルホニル、(C−C)−シクロアルキル−(C−C)−アルキニルスルホニル、(C−C)−シクロアルケニルスルホニル、(C−C)−シクロアルケニル−(C−C)−アルキルスルホニル、(C−C)−シクロアルケニル−(C−C)−アルケニルスルホニル、(C−C)−シクロアルケニル−(C−C)−アルキニルスルホニル、(C−C)−アルケニルスルホニル−(C−C)−アルキル、(C−C)−アルキニルスルホニル−(C−C)−アルキル、(C−C)−ヒドロキシアルキルスルホニル−(C−C)−アルキル、(C−C)−シクロアルキルスルホニル−(C−C)−アルキル、(C−C)−シクロアルキル−(C−C)−アルキルスルホニル−(C−C)−アルキル、(C−C)−シクロアルキル−(C−C)−アルケニルスルホニル−(C−C)−アルキル、(C−C)−シクロアルキル−(C−C)−アルキニルスルホニル−(C−C)−アルキル、(C−C)−シクロアルケニルスルホニル−(C−C)−アルキル、(C−C)−シクロアルケニル−(C−C)−アルキルスルホニル−(C−C)−アルキル、(C−C)−シクロアルケニル−(C−C)−アルケニルスルホニル−(C−C)−アルキル、(C−C)−シクロアルケニル−(C−C)−アルキニルスルホニル−(C−C)−アルキル、アリールスルホニル、アリールアルキルスルホニル、アリールアルケニルスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロアリールアルキルスルホニル、ヘテロアリールアルケニルスルホニル、(C−C)−アルキルスルホンアミド、N,N’−(C−C)−ジアルキルスルホンアミド、(C−C)−スルホンアミドアルキル、スルホンアミドアリール、スルホンアミドアリールアルキル、スルホンアミドアリールアルケニル、スルホンアミドアリールアルキニル、アリール(フェニルのような)、アリールアルキル、アリールオキシ、アリールアルコキシ、アリールチオ、アリールアルキルチオ、アリールアミノ、アリールアルキルアミノ、アリールアルケニル、アリールアルキニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキニル、ヘテロアリールアルコキシ、ヘテロアリールアルキルアミノ、ヘテロアリールアルキルチオ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアルコキシ、ヘテロアリールチオ、ヘテロアリールアルキルチオ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールアルキルアミノ、低級シクロアルキル、低級シクロアルキルアルキル(上記の拡張範囲を参照のこと)、ヘテロシクロ−(C−C)−アルキル、ヘテロシクロ−(C−C)−アルケニル、(C−C)−ヘテロシクロ−(C−C)−アルキニル、(C−C)−ヘテロシクロ−(C−C)−アルコキシ、(C−C)−ヘテロシクロ−(C−C)−アルケニルオキシ、(C−C)−ヘテロシクロ−(C−C)−アルキニルオキシ、−(CR0−4−OR、−(CR0−4−COOR、(CR0−4−CONR、−NH−(CR0−4−CO−R、−(CR0−4O−CO−R、及び−(CR0−4−L−SO−L−Rからなる群より独立して選択され、このいずれも置換されていてもよく;
但し、R〜Rの少なくとも1つ又はRは、−(CR0−4−L−SO−L−Rでなければならず;
ここでRがHであるときにRはNOであり得ず;
ここでRとRは、水素、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、(C−C)−アルコキシ、(C−C)−アルコキシ−(C−C)−アルキル、(C−C)−ヒドロキシアルキル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、低級シクロアルキル、低級シクロアルキルアルキル、及びヘテロシクロアルキルからなる群より独立して選択され、このいずれも、置換されていてもよく;
又はRとRは、それらが付く原子と一緒に結合して、置換されていてもよい4〜8員ヘテロシクロアルキル又は置換されていてもよい3〜8員シクロアルキル環を形成してよく、そのいずれも置換されていてもよく;
ここでR〜Rは、それぞれ互いに独立して、H、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、(C−C)−シクロアルキル、(C−C)−シクロアルキル−(C−C)−アルキル、(C−C)−ヘテロシクロアルキル、(C−C)−ヘテロシクロアルキル−(C−C)−アルキル、アリール、アリールアルキル、(CH0−2−フェニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、(C−C)−アルコキシ、(C−C)−アルケニルオキシ、(C−C)−アルキニルオキシ、(C−C)−シクロアルコキシ、(C−C)−シクロアルキル−(C−C)−アルコキシ、(C−C)−ヘテロシクロアルコキシ、(C−C)−ヘテロシクロアルキル−(C−C)−アルコキシ、アリールオキシ、アリールアルコキシ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアルコキシ、(C−C)−アルキルアミノ、(C−C)−ジアルキルアミノ、(C−C)−アルキルアミノアルキル、(C−C)−シクロアルキルアミノ、(C−C)−シクロアルキル−(C−C)−アルキルアミノ、(C−C)−ヘテロシクロアルキルアミノ、(C−C)−ヘテロシクロアルキル−(C−C)−アルキルアミノ、アリールアミノ、アリールアルキルアミノ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールアルキルアミノ、及び(C−C)−アルケニルアミノより選択され、そのいずれも置換されていてもよく;
ここでLとLは、結合、O、−N(R)−、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキニルからなる群より独立して選択され、そのそれぞれは、1〜3の置換基で置換されていてもよく、但し、LとLは、同時にOではなく;
ここでRとRは、H、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、(C−C)−シクロアルキル、(C−C)−シクロアルキル−(C−C)−アルキル、(C−C)−ヘテロシクロアルキル、及び(C−C)−ヘテロシクロアルキル−(C−C)−アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキニルからなる群より独立して選択され、そのそれぞれは、1〜3の置換基で置換されていてもよく;
ここで先述の炭素含有Rx及びRyのいずれも、F、Cl、Br、及び/又はIに置き換えられる0〜9のH原子を有してよい]の化合物、又はその医薬的に許容される塩又はエステル。
【請求項26】
塩が、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、ショウノウ酸塩、カンファースルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタン−スルホン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、シュウ酸塩、チオシアン酸塩、トシラート、ウンデカン酸塩、リチウム、ナトリウム、カルシウム、カリウム、アルミニウム、アンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、N−メチルモルホリニウム、及びエタノールアンモニウムの塩からなる群より選択される、請求項25の化合物。
【請求項27】
請求項25の化合物のいずれかと担体を含んでなる医薬組成物。
【請求項28】
C型肝炎ウイルス感染症を治療するのに有効な量の化合物を含む、請求項27の医薬組成物。
【請求項29】
請求項1の化合物の治療有効量を含んでなる、C型肝炎ウイルス感染症を治療するための医薬組成物。
【請求項30】
表7に示す化合物。
【請求項31】
表7の化合物11、6、60、7、62、73、74、75、78、79、80、81、83、84、86、又は87より選択される、請求項30に記載の化合物。
【請求項32】
表7の6、60、7、及び62より選択される、請求項31に記載の化合物。
【請求項33】
又はRが、(C−C)−アルキルスルホニル、(C−C)−アルキルスルホニル−(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニルスルホニル、(C−C)−アルキニルスルホニル、(C−C)−ヒドロキシアルキルスルホニル、−SO−(CR0−4−COOR、(C−C)−シクロアルキルスルホニル、(C−C)−シクロアルキル−(C−C)−アルキルスルホニル、(C−C)−シクロアルキル−(C−C)−アルケニルスルホニル、(C−C)−シクロアルキル−(C−C)−アルキニルスルホニル、(C−C)−シクロアルケニルスルホニル、(C−C)−シクロアルケニル−(C−C)−アルキルスルホニル、(C−C)−シクロアルケニル−(C−C)−アルケニルスルホニル、(C−C)−シクロアルケニル−(C−C)−アルキニルスルホニル、(C−C)−アルケニルスルホニル−(C−C)−アルキル、(C−C)−アルキニルスルホニル−(C−C)−アルキル、(C−C)−ヒドロキシアルキルスルホニル−(C−C)−アルキル、(C−C)−シクロアルキルスルホニル−(C−C)−アルキル、(C−C)−シクロアルキル−(C−C)−アルキルスルホニル−(C−C)−アルキル、(C−C)−シクロアルキル−(C−C)−アルケニルスルホニル−(C−C)−アルキル、(C−C)−シクロアルキル−(C−C)−アルキニルスルホニル−(C−C)−アルキル、(C−C)−シクロアルケニルスルホニル−(C−C)−アルキル、(C−C)−シクロアルケニル−(C−C)−アルキルスルホニル−(C−C)−アルキル、(C−C)−シクロアルケニル−(C−C)−アルケニルスルホニル−(C−C)−アルキル、(C−C)−シクロアルケニル−(C−C)−アルキニルスルホニル−(C−C)−アルキル、アリールスルホニル、アリールアルキルスルホニル、アリールアルケニルスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロアリールアルキルスルホニル、及びヘテロアリールアルケニルスルホニルである、請求項25に記載の化合物。
【請求項34】
〜Rが、H、−(CR0−4−OR、又は−(CR0−4O−CO−Rより選択され、RとRはHであり、RとRは、(C−C)−アルキルスルホニル、(C−C)−アルキルスルホニル−(C−C)−アルキル、−SO−(CR0−4−COOR、(C−C)−シクロアルキルスルホニル、(C−C)−シクロアルキルスルホニル−(C−C)−アルキル、アリールスルホニル、アリールアルキルスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、及びヘテロアリールアルキルスルホニルからなる群より独立して選択される、請求項33に記載の化合物。
【請求項35】
〜Rが、H、−OH、又は−O−COCHより選択され、R〜Rの少なくとも1つは、−OH又は−O−COCHであり、RとRは、メチルスルホニルからなる群より独立して選択される、請求項34に記載の化合物。
【請求項36】
〜Rが、−(CR0−4−OR又は−(CR0−4O−CO−Rからなる群より独立して選択される、請求項25に記載の化合物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−535712(P2010−535712A)
【公表日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−519250(P2010−519250)
【出願日】平成20年8月1日(2008.8.1)
【国際出願番号】PCT/US2008/071990
【国際公開番号】WO2009/035788
【国際公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【出願人】(507078865)
【Fターム(参考)】