説明

アルツハイマー病の診断のためのプロセス及び方法

本願は、哺乳動物において、最も顕著にはヒトにおいてアルツハイマー病を診断するために使用することができる方法及び組成物に関する。それは、最も顕著には、アルツハイマー病用の末梢血バイオマーカーを記載し、診断方法において前記バイオマーカーを使用する。それは、また、前記方法を実施するために使用することができるツール及び/又はキット(試薬、プローブ、プライマー、抗体、アレイ又はチップ、セルなど)、ならびにその調製及び使用に関する。本発明をさらに使用して、疾患の初期間を含む、哺乳動物におけるアルツハイマー病の存在又は進行を検出し、ならびに、アルツハイマー病の処置の有効性を予測することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、アルツハイマー病を哺乳動物、特にヒトにおいて検出する際での使用の方法及び組成物に関する。それは、最も顕著には、アルツハイマー病用の血清マーカー及び診断方法におけるその使用を記載する。それは、また、前記方法を実施する際での使用のツール及び/又はキット(試薬、プローブ、プライマー、抗体、チップ又はアレイ、セルなど)、ならびにその調製及び使用に関する。本発明を使用し、哺乳動物においてアルツハイマー病(疾患の初期段階(発症前又はプレAD段階を含む)を含む)の存在又は進行を検出することができる。
【0002】
アルツハイマー病は、認知症の主要な原因及び最も一般的な神経変性疾患である。この疾患は、進行的に発生し、記憶喪失によりならびに言語、方向、及び判断の能力の劣化により特徴付けられる。症状の性質は、しばしば、老齢に関連する生理学的トラブルと混同され、それらの重症度及びそれらが出現する年齢は個人から個人で変動する。これは、疾患の初期段階を診断する際での困難に寄与する。
【0003】
この疾患に苦しむ患者の脳の検査によって、海馬(記憶のための重要な部位)及び大脳皮質(推論、言語、及び記憶に関与する)におけるニューロンの喪失が明らかになる。コリン作動性ニューロンは、特に、この枯渇により影響を受ける。
【0004】
アルツハイマー病の患者の脳において観察される別の主な異常は、細胞内及び細胞外タンパク質凝集物の蓄積である。タウタンパク質の細胞内神経原線維凝集物は、認知症の重症度と強く相関するように見える。ベータ−アミロイドペプチドの細胞内及び細胞外凝集により形成される老人斑は、ニューロン及びグリア細胞が影響を受ける部位に特徴的である。
【0005】
しかし、凝集のこれらの部位が、認知機能低下に特徴的なシナプス枯渇の部位に対応しないことに注意することが注目に値する。
【0006】
家族型について着手された遺伝子試験では、4つの遺伝子:APP(アミロイド前駆体タンパク質;ベータ−アミロイドペプチドの前駆体)、プレセニリン1及び2(PS1及びPS2)ならびにアポリポタンパク質E(アポE)が疾患の発生に関連することが示された。これらの遺伝子の各々における突然変異又は多型は、ベータ−アミロイドペプチドの増加産生に導きうるが、シナプス及びニューロンの喪失を支配する機構の理解は不十分なままである。この点において、いくつかの仮説及び機構が共存するように見え、このように、種々の現象:
1.ニューロン及びグリア細胞を含む純粋な脳現象:
− 酸化ストレス(最も顕著にはベータ−アミロイドペプチドにより誘導され、コレステロール代謝により調節されうる);
− カルシウム流及び興奮毒性における変化。
2.炎症性及び免疫反応現象;
3.性ホルモンにおける変化;
4.甲状腺機能低下症及びインシュリンシグナル伝達の調節における欠損
を意味する。
【0007】
結果的に、アルツハイマー病は、恒常性制御を統合する種々のシステムにおける変化により特徴付けられ、特定のニューロンに対する攻撃は免疫系を含む炎症性反応及び内分泌調節における変化の両方に導く。引き換えに、後者は、他のニューロンの活性及び生存に対するならびに免疫機能に対する影響を有し、これらのカスケード反応は、神経変性だけでなく、アルツハイマー病の進行におけるホルモン調節及び免疫応答の役割を強調する。
【0008】
現在、最も顕著には血液サンプルからの、最も顕著には疾患の種々の段階でのこの病理の診断を確立するための、アルツハイマー病の頑強で特異的なサインはない。特に疾患の初期段階での効果的な診断テストを提供することによって、疾患の発症から患者を処置し、このように、特に、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、例えばガランタミン、ドネペジル、及びリバスチグミンなどによる、最適な条件下でのより効果的でよりオーダーメイドの処置から利益を得ることが可能になる。
【0009】
本発明は、この必要性に対する回答を提供する。本発明は、特に、アルツハイマー病用の血清マーカーの同定を記載し、この疾患の存在、重症度もしくは進行又は発症リスクの効果的で予測的な診断の開発を可能にする。本発明は、このように、最も顕著には、オールターネイティブスプライシングを受ける特定の遺伝子の複雑な発現に起因する、アルツハイマー病に苦しむ患者の血液中で特異的に又は優先的に発現される分子サインの同定を記載する。本発明は、最も顕著には、配列番号1〜1754の同定を記載し、それらは、ヒト被験者からの血液細胞の遺伝子又はRNA中に存在し、及び、それらは、単独で又は組み合わせで、アルツハイマー病に特徴的である。本発明は、このように、被験者の血液中で、1つ又は複数の遺伝子の発現を測定することに基づく、アルツハイマー病の進行を診断、予測、及び/又はモニターするためのツール及び方法を提供することができる。そのような遺伝子の発現における脱調節の存在を使用し、被験者におけるアルツハイマー病の存在を確立(又は確認)する。
【0010】
本発明の目的は、このように、哺乳動物においてアルツハイマー病の存在を(インビトロ又はエクスビボで)検出又は確認することであって、哺乳動物からの生物学的サンプルにおける、好ましくは血液の(それに由来する)サンプルにおける、配列番号1〜1754より選択される配列を含む1つ又は複数の遺伝子又はRNAの発現における変化の存在の決定を含み、そのような変化の存在は、この哺乳動物においてアルツハイマー病の存在又は発生リスクを示す。
【0011】
本発明の別の目的は、アルツハイマー病のための処置に対する応答を評価又はモニターするための方法に関し、配列番号1〜1754より選択される配列を含む1つ又は好ましくはいくつかの遺伝子又はRNAの発現を処置の前及び/又はその間に測定する工程、及びこのようにして測定された発現と処置の前又は処置の初期段階で測定された発現の比較を含み、前記発現における変化は処置に対する応答を示す。
【0012】
本発明の別の目的は、アルツハイマー病を処置する方法における改善に関し、改善は、配列番号1〜1754より選択される配列を含む1つ又は好ましくはいくつかの遺伝子又はRNAの発現を、被験者において、処置の前及び/又はその間に測定することからなる。発現を測定することによって、病理の進化の機能として処置を適応することが可能になる。処置は、典型的には、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、例えばガランタミン、ドネペジル、及びリバスチグミンなどを用いた処置である。
【0013】
本発明の別の目的は、先に定めた少なくとも1つの遺伝子の発現の脱調節発現を示す患者においてアルツハイマー病を処置するための薬物を調製するための、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、例えばガランタミン、ドネペジル、及びリバスチグミンなどの使用に関する。
【0014】
遺伝子又はRNAにおける変化は、本発明の文脈において、(i)発現における任意の変化、即ち、発現レベルの(例、転写又は翻訳の)脱調節、スプライシングの脱調節(例えば、特定のスプライシング型の出現あるいは種々のスプライシング型の間での(相対)量又は比率における変化に導く);ならびに(ii)産生されたタンパク質の構造における任意の変化(切断型、伸長型、又は突然変異型などの出現又は消失)を指定する。
【0015】
以下の本文において記載する通り、本願では、アルツハイマー病に苦しむ患者の血液中での特定の遺伝子の間でのスプライシングにおける変化の同定を記載する。血液中でのこれらの遺伝子の発現を測定するために使用される任意の分子又は技術、例えば、浮遊又は固定形態でありうる、ヌクレオチドプライマー、ヌクレオチドプローブ、又は特異的抗体などを、本発明の範囲内で実施することができる(以下の本文において記載する通り)。
【0016】
このように、本願の別の目的は、先に定めるような1つ又は好ましくはいくつかの遺伝子又はRNAに相補的及び/又は特異的な配列を含む核酸が固定される支持体を含む産物に関する。好ましくは、産物は、先に定めるような少なくとも5、10、20、30、40、50、60、100、150、200個又はそれ以上の遺伝子又はRNAの相補的及び/又は特異的な配列を含む別々の核酸を含む。
【0017】
本願の別の目的は、上に定めるような遺伝子又はRNAによりコードされるポリペプチドの少なくとも1つのリガンドが固定されている支持体を含む産物に関する。好ましくは、産物は、上に言及するポリペプチドより選択される種々のポリペプチドの少なくとも5、10、20、30、40、50、60個又はそれ以上のリガンドを含む。
【0018】
本願の別の目的は、先に定めるような1つ又は複数の遺伝子又はRNAの相補的及び/又は特異的な配列を含む、少なくとも1つ好ましくはいくつかの核酸を含む、ならびに/あるいは、先に定めるような1つ又は複数のポリペプチドの1つ好ましくはいくつかのリガンドを含むコンパートメント、又はボックス、又は容器を含むキットに関する。好ましくは、産物は、上に言及する核酸及びリガンドより選択される種々の核酸の配列及び/又はリガンドの少なくとも5、10、20、30、40、50、60、100、150、200個又はそれ以上を含む。キットは、さらに、ハイブリダイゼーション又は免疫学的反応のための試薬、ならびに、必要な場合、コントロール及び/又は説明書を含むことができる。
【0019】
本発明の別の目的は、哺乳動物の被験者、好ましくはヒト被験者においてアルツハイマー病を検出するための、上に定めるような産物又はキットの使用に関する。
【0020】
本発明の別の目的は、アルツハイマー病のための処置に対する応答を決定するための、又は、処置に十分に応答する可能性が高い被験者を選択するための上に定めるような産物又はキットの使用に関する。
【0021】
本発明の別の目的は、配列番号1〜1754より選択される配列又は少なくとも15、16、17、18、19、もしくは20個の連続塩基を有するそのフラグメント、あるいは前記塩基に相補的な配列を含む単離核酸にある。好ましくは、本発明の核酸は、天然の遺伝子又はRNAの完全配列を含まない。好ましくは、それは、500塩基を越えないで、好ましくは400を越えないで又は300塩基を越えないで含む。本発明の核酸は、典型的には、合成である、すなわち、非天然技術(組換え、インビトロ、化学合成など)により産生される。本発明の核酸の例は、典型的には10〜30個の間の長さを有するプローブ又はプライマーである。
【0022】
本発明の別の目的は、上に定めるような核酸によりコードされるポリペプチドにある。
【0023】
アルツハイマー病用のマーカー
本発明は、ヒト患者における、より具体的には末梢血細胞から、アルツハイマー病に特徴的な生物学的事象を明らかにし、特徴付けることに基づく。これらの事象は、患者において検出された場合、初期段階でさえ、1つのそのような疾患の存在、又はこの疾患の発生段階を決定することを可能にするバイオマーカーを、好ましくは組み合わせで構成する。さらに、本発明のマーカーを使用して、処置に対する応答を測定する、及び/又は、薬物候補を選択することもできる。
【0024】
同定された生物学的事象は、典型的には、遺伝子発現の調節における変化に関する。それは、遺伝子もしくはRNA、又は特定の形態の遺伝子もしくはRNAの発現の部分阻害又は全阻害;遺伝子の又は特定の形態の遺伝子もしくはRNAの発現における増加;あるいは遺伝子スプライシングの形態の出現又は消失などの問題でありうる。
【0025】
本発明は、このように、サンプル中で、以下:
a)配列番号1〜1754より選択される配列を含む核酸、又は少なくとも15、好ましくは少なくとも16、17、18、19、20、25、もしくは30個の連続塩基を有するその特有のフラグメント、
b)a)の配列に相補的な配列を有する核酸、
c)a)又はb)の核酸の機能的アナログ、あるいは
d)a)〜c)の核酸によりコードされるポリペプチド
の中から有利に選択される1つ又は複数の標的分子を検出することに基づく。
【0026】
配列配列番号1〜1754の核酸が、本発明者らにより、健常なヒト被験者からの又はアルツハイマー病を伴う被験者からの血液細胞のサンプルから、トランスクリプトーム解析技術により同定された。これらの配列は、組み合わせで、アルツハイマー病に特徴的である。これらの配列は、本願において、「標的」配列として指定される。それらは、遺伝子の生物学的意味において提示される。それらの配列は配列リストに与えられ、それらは表1に記載される。
【0027】
用語「機能的アナログ」は、好ましくは、ヒト集団中に存在する配列配列番号1〜1754の多型バリアントを示す。大半の場合において、これらの多型は、他の多型構造が存在する場合でさえも、塩基レベルで特定の変動により表される。これらのアナログは、当業者に公知の任意の技術、最も顕著には、本願において提供する配列及び対応する遺伝子の名称を考慮して同定することができる。
【0028】
特定の実施態様において、方法は、a)〜c)の少なくとも1つの核酸の存在(もしくは非存在又は発現レベルの変動)の決定を含む。
【0029】
非常に特定の実施態様において、方法を使用して、ヒト被験者においてアルツハイマー病を検出し、a)〜c)の少なくとも1つの核酸の存在(もしくは非存在又は発現レベルの変動)の決定を含む。
【0030】
特定の代替実施において、方法は、上に定めるような標的分子の少なくとも5、10、15、20、30、40、50、60、70個又はそれ以上の存在もしくは非存在又は(相対)量の組み合わせ決定を含む。「組み合わせ」決定は、いくつかのマーカーを含む発現(又はハイブリダイゼーション)プロファイル(又はサイン)が確立されることを示す。組み合わせ決定は、典型的には、同時に、すなわち、包括的な発現プロファイルを介して実施される。しかしながら、組み合わせ決定は、いくつかのマーカーの並行又は連続測定により実施することもでき、プロファイルの同定に導く。実際に、本発明によって、哺乳動物においてアルツハイマー病の存在又は発症リスクを評価するために、マーカーのセットに関して発現プロファイル(又はサイン)を確立及び決定することが可能になる。発現プロファイルは、典型的には、上に示す標的より選択されるいくつかのマーカーの組み合わせ(例えば、これらの標的の全てを含む)を使用して実施する。
【0031】
特定の実施態様において、本発明の方法は、哺乳動物からの生物学的サンプル中での、上に定めるものより選択される少なくとも5つ、好ましくは少なくとも10個の別々の標的分子の存在(もしくは非存在又は(相対)量)の決定を含む。
【0032】
この点において、本願では、上に定めるものより選択される標的分子の特定のサブセット(パネル)を記載し、それらは、全血のサンプルから患者におけるアルツハイマー病の存在の検出に特に適応される。
【0033】
このように、特定の実施態様において、本発明の方法は、哺乳動物からの生物学的サンプル中での、上の項目a)〜d)に定めるマーカーを含むパネルの標的の全ての核酸の、好ましくは、本願において定めるパネル1〜16の1つの核酸の全ての存在もしくは非存在又は相対量の組み合わせ決定を含む。
【0034】
このように、特定の実施態様において、本発明の方法は、哺乳動物からの生物学的サンプル中での、パネル1〜14の1つの核酸の全ての、あるいは、少なくとも15、好ましくは少なくとも16、17、18、19、20、25、もしくは30個の連続塩基を有する、又はそれらに相補的な配列を有するその特有のフラグメント、ならびに/あるいはその機能的アナログ、ならびに/あるいは前記核酸によりコードされるポリペプチドの存在(もしくは非存在又は(相対)量)の組み合わせ決定を含む。本願において提供する例は、実際に、マーカーのこれらのパネルが、予測的に、アルツハイマー病の存在又はその進行の段階を検出することを示す。特定の実施態様において、方法は、さらに、先に定めるような1つ又は複数の他の標的分子の検出を含む。
【0035】
特定の実施態様において、本発明の方法は、哺乳動物からの生物学的サンプル中での、配列番号1〜1754に表す配列をそれぞれ含む核酸の、又は、少なくとも15、好ましくは少なくとも16、17、18、19、20、25、もしくは30個の連続塩基を有するその特有のフラグメント、又はそれに相補的な配列を有する核酸の存在(もしくは非存在又は(相対)量)の決定を含む。
【0036】
本発明の特定の目的は、哺乳動物においてアルツハイマー病の存在を検出するための方法にあり、相補配列の間でのハイブリダイゼーションを許す条件下で、哺乳動物からの血液サンプルからの核酸とプローブのセットを接触させることを含み、プローブのセットは、発現プロファイルを得るために以下の標的核酸配列:配列番号34、230、341、454、664、811、951、1127、1136、及び1752又はそれらの相補鎖の各々の全てもしくは部分を含む少なくとも1つのプローブを含み、発現プロファイルは、哺乳動物においてアルツハイマー病の存在に特徴的である。換言すると、プローブのセットは以下:
− 配列番号34又はその相補鎖の全て又は部分を含む少なくとも1つのプローブ;
− 配列番号230又はその相補鎖の全て又は部分を含む少なくとも1つのプローブ;
− 配列番号341又はその相補鎖の全て又は部分を含む少なくとも1つのプローブ;
− 配列番号454又はその相補鎖の全て又は部分を含む少なくとも1つのプローブ;
− 配列番号664又はその相補鎖の全て又は部分を含む少なくとも1つのプローブ;
− 配列番号811又はその相補鎖の全て又は部分を含む少なくとも1つのプローブ;
− 配列番号951又はその相補鎖の全て又は部分を含む少なくとも1つのプローブ;
− 配列番号1127又はその相補鎖の全て又は部分を含む少なくとも1つのプローブ;
− 配列番号1136又はその相補鎖の全て又は部分を含む少なくとも1つのプローブ;及び
− 配列番号1752又はその相補鎖の全て又は部分を含む少なくとも1つのプローブ
を含む。
【0037】
方法の好ましい実施態様において、プローブのセットは、上に示すプローブに加えて、以下:配列番号35、316、593、666、855、1330、及び1498の追加の標的核酸配列又はそれらの相補鎖の各々の全て又は部分を含む少なくとも1つのプローブを含む。
【0038】
このように、標的核酸の好ましいパネルは、配列配列番号34、35、230、316、341、454、593、664、666、811、855、951、1127、1136、1330、1498、及び1752又はそれらの相補配列を含む少なくとも核酸を含む。実施例に例示する通り、マーカーの種々のパネルが本発明者らにより明らかにされ、臨床的に検証され、被験者におけるアルツハイマー病の存在の決定を可能にした。上に定めるパネル15及び16は、本願において記載し、臨床的にテストされた全ての有意なパネル1〜14に共通するマーカーのセットを含み、このように、アルツハイマー病の検出のために特に情報的で、代表的な2つのサブセットを構成する。
【0039】
特に好ましい様式において、プローブのセットは、表2に定めるパネル1〜14の1つの各核酸について、又は、少なくとも15、好ましくは少なくとも16、17、18、19、20、25、もしくは30個の連続塩基を有するその特有のフラグメントについて、及び/又はその相補鎖についての少なくとも1つの特異的プローブを含む。
【0040】
加えて、以下の本文においてより詳細に説明される通り、有利な使用は、各々の核酸標的配列について、部分的に重複する又は重複しないいくつかの、典型的には1〜3個の特異的プローブを含むプローブセットで行われる。加えて、プローブは、有利には、支持体上に固定される。さらに、発現プロファイルは、一般的に、コンピューターソフトウェアにより解析される。
【0041】
本発明の別の目的は、哺乳動物においてアルツハイマー病の存在又は発症リスクを検出するための方法にあり、方法は、哺乳動物からの血液サンプルから、先に定めるようなプローブのグループに相補的な核酸のレベルにおける変動の検出を含み、変動は哺乳動物におけるアルツハイマー病の存在に特徴的である。
【0042】
本発明は、また、先に定めるような少なくとも特定のマーカー(場合により、他のマーカーと組み合わせることができる)を含む追加パネルを定めることを可能にする。そのようなパネルは、他の予測的な組み合わせを定めるために、患者サンプル中のこれらのマーカーの存在又は非存在をテストすることにより得ることができる。
【0043】
本発明は、さらに、被験者におけるアルツハイマー病の存在をインビトロ又はエクスビボで検出するための、先に定めるようなプローブのセットの使用に関する。
【0044】
本発明は、さらに、アルツハイマー病のインビトロ又はエクスビボでの検出のための、先に言及した1つ又は複数の核酸配列標的の全て又は部分を含む、少なくとも1つのプライマーを含むプライマーのセットの使用に関する。
【0045】
本発明は、また、哺乳動物においてアルツハイマー病の存在を検出するための方法に関し、増幅反応を許す条件下で、哺乳動物からの血液サンプルからの核酸とプライマーのセットを接触させ、プライマーのセットが、プロファイル又は増幅産物を得るために、以下の核酸配列(配列番号34、230、341、454、664、811、951、1127、1136、及び1752)又はその相補鎖の各々の全て又は部分を含む少なくとも1つのプライマーを含み、プロファイル又は増幅産物は、哺乳動物におけるアルツハイマー病の存在に特徴的である。
【0046】
遺伝子発現における変化を検出するための方法
先に示した通り、遺伝子又はRNAにおける変化は、本発明の文脈において、(i)発現における任意の変化、即ち、(例、転写又は翻訳の)発現レベルの脱調節、スプライシングの脱調節、例えば、特定のスプライス型の出現又は種々のスプライス型の間の関係の又は(相対)量における変化に導く、及び(ii)産生されたタンパク質の構造における任意の変化(切断型、伸長型、又は突然変異型などの出現又は消失)を示す。
【0047】
サンプルにおいて核酸の種を検出するための種々の技術、例えば、ノーザンブロット、選択的ハイブリダイゼーション、オリゴヌクレオチドプローブを用いて覆われた支持体の使用、核酸増幅、例えば、RT−PCR、定量的PCR、又はライゲーションPCRなどを本発明において使用することができる。これらの方法は、サンプルにおいて核酸標的を選択的又は特異的に検出することが可能である核酸プローブ(例えば、オリゴヌクレオチド)の使用を含むことができる。増幅は、当業者に公知の種々の方法、例えばPCR、LCR、転写媒介増幅(TMA)、鎖置換増幅(SDA)、NASBA、対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチド(ASO)、対立遺伝子特異的増幅などに従って実施することができる。検出は、例えば、サザンブロット、一本鎖コンフォメーション分析(SSCA)、インサイチュハイブリダイゼーション(例、FISH)、ゲル移動、ヘテロ二本鎖分析、NextGenシークエンシングなどを使用して行うこともできる。必要な場合、検出される核酸の量を、参照値、例えば、アルツハイマー病を有さない患者の間で観察される中央値もしくは平均値と、又はコントロールサンプルにおいて並行して測定された値と比較することができる。このように、発現レベルにおける変動を実証することが可能である。
【0048】
好ましい実施態様に従い、方法は、選択的ハイブリダイゼーション又は選択的増幅によりa)〜c)の核酸の存在もしくは非存在又は(相対)量の検出を含む。
【0049】
選択的ハイブリダイゼーションは、典型的には、好ましくは、支持体、例えば、核酸プローブを固定するための少なくとも1つの表面(平坦である又は平坦ではない)を有する固形又は半固形支持体などの上に固定された核酸プローブを使用して実施する。そのような支持体は、例えば、スライド、ビーズ、メンブレン、フィルター、カラム、プレートなどである。それらは、任意の適合する材料、例えば、特に、ガラス、シリカ、プラスチック、ファイバー、金属、ポリマーなどから作製することができる。核酸プローブは、上のa)〜c)に定めるような標的分子の特定配列を含む、任意の核酸(DNA、RNA、PNAなど)、好ましくは一本鎖でありうる。プローブは、典型的には、5〜400塩基、好ましくは8〜200、より優先的には100未満、さらにより優先的には75、60、50、40、又はさらに30塩基未満を含む。プローブは、標準的な合成技術に従って、本発明の配列配列番号1〜1754(標的配列)に基づいて産生された、合成オリゴヌクレオチドでありうる。そのようなオリゴヌクレオチドは、典型的には、10〜50塩基、好ましくは20〜40、例えば、約25塩基から成る。特に有利な実施態様において、検出シグナルを改善するために、同じ標的配列から定められたいくつかの異なるオリゴヌクレオチド(又はプローブ)を使用して、ハイブリダイゼーションの間に同じ標的分子(親のRNAの増幅から転写され、cRNA又はcDNAを産生する)を検出する。これは、同じ標的配列の種々の領域の、又は所定の領域の違いに集中した特定オリゴヌクレオチドを含みうる。有利には、使用は、全体的に又は部分的に重複することができる又は重複することができない、及び、同じ標的分子に特異的である、1〜3個のプローブを含むプローブセットで行われる。使用は、また、プローブ対で行うことができ、それにおいて、1つのメンバーが標的配列と完全に対合し、他がミスマッチを呈し、このように、バックグラウンドシグナルを推定することを可能にする。プローブを、エクソン又はイントロンの領域と、あるいはエクソン−エクソン、エクソン−イントロン、又はイントロン−イントロンジャンクション領域とハイブリダイズさせるために設計することができる。このように、プローブは、種々の選択的スプライシングアイソフォームを明らかにし、区別することを可能にする。
【0050】
好ましい実施態様において、使用は、配列が配列番号1〜1754より選択される核酸配列の又はそれに相補的な配列の全て又は部分を含む、プローブで行われる。好ましい様式において、使用は、15〜50塩基、より優先的には15〜40塩基の長さを有する核酸プローブで行い、その配列は、配列番号1〜1754より選択される配列の又はそれに相補的な配列のフラグメントと同一である。プローブは、逆方向で設計することもできる。
【0051】
特に好ましい実施態様において、使用は、プローブセット、すなわち、配列番号1〜1754より選択される同じ核酸配列の又はその相補鎖の、重複する又は重複しない部分を各々含む1〜3個のプローブのセットで行われる。
【0052】
プローブを、当業者に公知の方法に従い、事前に合成し、次に支持体上に沈着させる、又は、直接的にインサイチュで支持体上に合成することができる。プローブは、ゲノム技術又は分子技術により、例えば、増幅、組換え、ライゲーションなどにより製造することもできる。
【0053】
このように定められたプローブは、本願の別の目的、ならびに被験者において(主にインビトロで)アルツハイマー病を検出するためのその使用を構成する。
【0054】
ハイブリダイゼーションは、当業者に公知であり、当業者により調整可能な標準的な条件下で実施することができる(Sambrook, Fritsch, Maniatis (1989) Molecular Cloning, Cold Spring Harbor Laboratory Pressを参照のこと)。最も顕著には、ハイブリダイゼーションは、必要とされる感度のレベル、利用可能な材料の量などに従って、高、中、又は低ストリンジェンシーの条件下で実施することができる。例えば、適したハイブリダイゼーション条件は、2時間から18時間にわたる55℃〜63℃の間の温度を含む。他のハイブリダイゼーション条件は、高密度の支持体に適応されており、例えば、45℃〜55℃の間のハイブリダイゼーション温度である。ハイブリダイゼーション後、種々の洗浄を実施して、典型的には、SDSを含むSSC緩衝液、例えば、0.1×〜10×SSC及び0.5%〜0.01% SDSを含む緩衝液などにおいて、非ハイブリダイズ分子を除去することができる。SSPE、MES、NaCl、又はEDTAを含む他の洗浄緩衝液も使用することができる。
【0055】
典型的な実施態様において、核酸(又はアレイもしくは支持体)を、典型的には100μg/mlのサケ精子DNAを含むハイブリダイゼーション緩衝液(Rapid Hybrid Buffer, Amersham)中で、65℃で30分間にわたりプレハイブリダイズする。サンプルの核酸を、次に、プローブと接触させ(典型的には、支持体又はアレイに適用される)、65℃で2時間から18時間にわたり置く。好ましくは、サンプルの核酸を事前に任意の公知のマーカー(ビオチン、放射活性、酵素、蛍光、発光など)により標識する。支持体を、次に、5×SSC、0.1% SDS緩衝液中で、65℃で30分間にわたり、次に、0.2×SSC、0.1% SD緩衝液中で洗浄する。発現プロファイルを、標準的な技術に従って、例えば、適した機器(例えば、InstantImager, Packard Instruments)を用いて支持体上で標識を測定することなどにより分析する。ハイブリダイゼーション条件は、自然に、当業者により、例えば、ハイブリダイゼーション温度及び/又は緩衝液の塩濃度を改変することにより、ならびに、補助物質、例えばホルムアミド又は一本鎖DNAなどを加えることにより調整することができる。
【0056】
本発明の特定の目的は、このように、哺乳動物においてアルツハイマー病の存在又は発症リスクを検出するための、又は、アルツハイマー病に対する処置に対する応答を評価するための方法にあり、相補配列の間でのハイブリダイゼーションを許す条件下で、哺乳動物からの血液サンプルからの核酸と、発現プロファイルを得るための先に同定された標的分子に特異的なプローブのセットを接触させることを含み、発現プロファイルは、哺乳動物におけるアルツハイマー病の存在又は発症リスク、あるいは処置の有効性に特徴的である。
【0057】
本発明の特定の目的は、このように、哺乳動物においてアルツハイマー病の存在を検出するための方法にあり、発現プロファイルを得るために、相補配列の間でのハイブリダイゼーションを許す条件下で、哺乳動物からの血液サンプルからの核酸と少なくとも以下:
a)先に記載されたパネル1〜14の1つの配列を含む核酸、又は少なくとも15、好ましくは少なくとも16、17、18、19、20、25、もしくは30個の連続塩基を有するその特有のフラグメント、ならびに/あるいは
b)a)の配列に相補的な配列を有する核酸、ならびに/あるいは
c)a)又はb)の核酸の機能的アナログ、
の標的分子に特異的なプローブのセットを接触させることを含み、発現プロファイルは哺乳動物におけるアルツハイマー病の存在に特徴的である。
【0058】
特定の実施態様において、本発明のプロセスでは、加えて、他の標的分子及び/又は他のプローブ、最も顕著には、本願において言及する標的分子サブセットを使用する。
【0059】
このように、本発明の別の特定の目的は、哺乳動物においてアルツハイマー病の存在又は発症リスクを検出するための方法にあり、発現プロファイルを得るために、相補配列の間でのハイブリダイゼーションを許す条件下で、哺乳動物からの血液サンプルからの核酸と、以下:
a)配列番号1〜1754に表わす配列を含む核酸、又は少なくとも15、好ましくは少なくとも16、17、18、19、20、25、もしくは30個の連続塩基を有するその特有のフラグメント、ならびに/あるいは
b)a)の配列に相補的な配列を有する核酸、ならびに/あるいは
c)a)又はb)の核酸の機能的アナログ、
の標的より選択される少なくとも2つの別々の分子に特異的なプローブのセットを接触させることを含み、発現プロファイルは哺乳動物におけるアルツハイマー病の存在に特徴的である。
【0060】
本発明の別の特定の目的は、哺乳動物においてアルツハイマー病の存在を検出するための方法にあり、相補配列の間でのハイブリダイゼーションを許す条件下で、哺乳動物からの血液サンプルからの核酸とプローブのセットを接触させることを含み、プローブのセットは、発現プロファイルを得るためのパネル1〜16の1つの各々の核酸配列の又はそれらに相補的な配列の全て又は部分を含む少なくとも1つのプローブを含み、発現プロファイルは哺乳動物におけるアルツハイマー病の存在に特徴的である。
【0061】
実験のセクションにおいてさらに詳細に説明される通り、本発明の好ましいセットは、少なくとも以下:
− 配列配列番号34の又はそれに相補的な配列の全て又は部分を各々が含む、重複する又は重複しない1〜3個のプローブ;
− 配列配列番号230の又はそれに相補的な配列の全て又は部分を各々が含む、重複する又は重複しない1〜3個のプローブ;
− 配列配列番号341の又はそれに相補的な配列の全て又は部分を各々が含む、重複する又は重複しない1〜3個のプローブ;
− 配列配列番号454の又はそれに相補的な配列の全て又は部分を各々が含む、重複する又は重複しない1〜3個のプローブ;
− 配列配列番号664の又はそれに相補的な配列の全て又は部分を各々が含む、重複する又は重複しない1〜3個のプローブ;
− 配列配列番号811の又はそれに相補的な配列の全て又は部分を各々が含む、重複する又は重複しない1〜3個のプローブ;
− 配列配列番号951の又はそれに相補的な配列の全て又は部分を各々が含む、重複する又は重複しない1〜3個のプローブ;
− 配列配列番号1127の又はそれに相補的な配列の全て又は部分を各々が含む、重複する又は重複しない1〜3個のプローブ;
− 配列配列番号1136の又はそれに相補的な配列の全て又は部分を各々が含む、重複する又は重複しない1〜3個のプローブ;及び
− 配列配列番号1752の又はそれに相補的な配列の全て又は部分を各々が含む、重複する又は重複しない1〜3個のプローブ
のプローブを含む。
【0062】
先に示した通り、用語「部分」は、有利には、15〜50の連続ヌクレオチドの領域を示す。
【0063】
セットは、前述の10個のプローブ又はプローブのグループ(プローブセット)に加えて、例えば、配列番号1〜1754より及び/又は他の配列の間で選択される配列を含む他のプローブ又はプローブセットを含むことができることが理解される。
【0064】
このように、本発明の別の好ましいセットは、上に言及するプローブに加えて、少なくとも以下:
− 配列配列番号35の又はそれに相補的な配列の全て又は部分を各々が含む、重複する又は重複しない1〜3個のプローブ;
− 配列配列番号316の又はそれに相補的な配列の全て又は部分を各々が含む、重複する又は重複しない1〜3個のプローブ;
− 配列配列番号593の又はそれに相補的な配列の全て又は部分を各々が含む、重複する又は重複しない1〜3個のプローブ;
− 配列配列番号666の又はそれに相補的な配列の全て又は部分を各々が含む、重複する又は重複しない1〜3個のプローブ;
− 配列配列番号855の又はそれに相補的な配列の全て又は部分を各々が含む、重複する又は重複しない1〜3個のプローブ;
− 配列配列番号1330の又はそれに相補的な配列の全て又は部分を各々が含む、重複する又は重複しない1〜3個のプローブ;及び
− 配列配列番号1498の又はそれに相補的な配列の全て又は部分を各々が含む、重複する又は重複しない1〜3個のプローブ
の追加のプローブを含む。
【0065】
パネル1〜14を上のセットのように定めることができる。これらのセットを構成する基本プローブを実施例において与える。
【0066】
本発明の別の目的は、哺乳動物においてアルツハイマー病の存在又は発症リスクを検出するための方法にあり、哺乳動物からの血液サンプルから、プローブのセットに相補的な核酸のレベルにおける変動の検出を含み、プローブのセットは先に定めるようなパネルの1つの各々の核酸配列の全て又は部分を含む少なくとも1つのプローブを含み、変動は哺乳動物におけるアルツハイマー病の存在又は発症リスクに特徴的である。
【0067】
発現プロファイルを、1つ又は複数の基本プロファイル、最も顕著には、健常な被験者及び/又はアルツハイマー病を伴う被験者に特徴的な基本プロファイルと比較することができ、比較によって、テストされた患者がアルツハイマー病を有する可能性を決定することが可能になる。典型的には、比較は、当業者に公知のコンピューターソフトウェアを用いて実施する。
【0068】
選択的増幅は、好ましくは、プライマー又はプライマーの対を使用して実施し、標的核酸が存在する場合、サンプルにおいて標的核酸の1つの全て又は部分を増幅させる。プライマーは、配列番号1〜1754の先に定めるような標的配列、又はサンプルの核酸中の標的配列に隣接する領域について特異的でありうる。プライマーは、典型的には、一本鎖核酸を含み、長さは、有利には、5〜50塩基、好ましくは5〜30塩基である。そのようなプライマーは、本願の別の目的、ならびに被験者においてアルツハイマー病を(主にインビトロで)検出するためのその使用を構成する。プライマーを、エクソン又はイントロンの領域と、あるいはエクソン−エクソン、エクソン−イントロン、又はイントロン−イントロンジャンクション領域とハイブリダイズさせるために設計することができる。このように、プライマーは、遺伝子スプライシングの種々の形態を明らかにし、区別する。
【0069】
この点において、本発明の別の目的は、配列番号1〜1754の標的配列を含む1つ又は、好ましくは、いくつかの遺伝子又はRNAの全て又は部分を増幅するため、哺乳動物においてアルツハイマー病の存在を検出するため、又は、哺乳動物において、特にヒトにおいてアルツハイマー病に対する処置に対する応答を評価するためのヌクレオチドプライマー又はヌクレオチドプライマーのセットの使用にある。
【0070】
本発明の別の特定の目的は、哺乳動物においてアルツハイマー病の存在を検出するための方法にあり、増幅プロファイルを得るために、増幅を許す条件下で、哺乳動物からの血液サンプルからの核酸と、以下:
a)配列番号1〜1754に表わす配列を含む核酸、又は少なくとも15、好ましくは少なくとも16、17、18、19、20、25、もしくは30個の連続塩基を有するその特有のフラグメント、ならびに/あるいは
b)a)の配列に相補的な配列を有する核酸、ならびに/あるいは
c)a)又はb)の核酸の機能的アナログ、
の標的より選択される少なくとも2つの別々の分子に特異的なプライマーのセットを接触させることを含み、増幅プロファイルは哺乳動物におけるアルツハイマー病の存在に特徴的である。
【0071】
ポリペプチドにおける変化の検出
別の実施態様において、方法は、先に定義するような遺伝子によりコードされるポリペプチドの存在又は(相対)量の決定を含む。サンプル中のポリペプチドを明らかにする又はアッセイすることは、任意の公知の技術により、顕著には、特異的リガンド、例えば抗体又は抗体フラグメントもしくは派生物を用いて実施することができる。好ましくは、リガンドは、ポリペプチドの特異的抗体、又はそのような抗体のフラグメント(例えば、Fab、Fab’、CDRなど)、又はそのような抗体の派生物(例えば、一本鎖可変フラグメント抗体、scFv)である。リガンドは、典型的には、支持体、例えばスライド、ビーズ、カラム、プレートなどの上に固定する。サンプル中での標的ポリペプチドの存在又は量を、標的とリガンドの間の複合体を明らかにすることにより、例えば、標識リガンドを使用することにより又は第2の標識指標リガンドなどを使用することにより検出することができる。使用することができ、周知である免疫学的技術は、ELISA及びRIA技術などである。必要な場合、検出されるポリペプチドの量を参照値、例えば、アルツハイマー病を有さない患者の間で観察される中央値もしくは平均値と、又はコントロールサンプルにおいて並行して測定された値と比較することができる。このように、発現レベルにおける変動を明らかにすることが可能である。
【0072】
標的ポリペプチドの特異的抗体を、従来技術により、最も顕著には、ポリペプチド(又はその免疫原フラグメント)を含む免疫原を用いた非ヒト動物の免疫化、及び抗体(ポリクローナル)又は産生細胞(モノクローナル抗体を産生するため)の回収により産生することができる。ポリクローナル抗体又はモノクローナル抗体、一本鎖可変フラグメント抗体、及びヒト又はヒト化抗体のための産生技術が、例えば、Harlow et al., A Laboratory Manual, CSH Press, 1988;Ward et al., Nature 341 (1989) 544;Bird et al., Science 242 (1988) 423;WO 94/02602;US 5,223,409;US 5,877,293及びWO 93/01288に記載されている。免疫原は、適した宿主において、先に定めるような核酸標的の合成により、又は発現により産生することができる。そのような抗体(モノクローナル又はポリクローナル)、ならびに同じ抗原特異性を有するその派生物も、本願の目的、ならびにアルツハイマー病を検出するためのその使用を構成する。
【0073】
タンパク質発現及び/又は構造における変化も、アルツハイマー病に苦しむ患者の血液において特定のサインを検出するために、マススペクトロメトリーを含む、より一般的には、プロテオーム分析の名称の下でグループ化される当業者に公知の技術を用いて検出することができる。
【0074】
方法の実行
本発明の方法は、テストされた哺乳動物からの任意の生物学的サンプル、最も顕著には、核酸又はポリペプチドを含む任意のサンプルに適用可能である。具体的な例は、血液、血漿、血小板、唾液、尿、便など、より一般的には任意の組織、器官、又は、有利には、核酸又はポリペプチドを含む生物学的液体のサンプルを含む。
【0075】
1つの好ましい、特に有利な実施態様において、サンプルは、血液派生物のサンプル、例えば、血液、血清、又は血漿のサンプルである。実際に、本発明はアルツハイマー病用の血液マーカーの同定から続き、このように、組織生検なしに、しかし、血液サンプルだけからこの病理の検出を可能にする。
【0076】
サンプルを、任意の公知の技術により、例えば、採取により、非侵襲的技術により、又はサンプルコレクションもしくはバンクなどから得ることができる。さらに、サンプルを、例えば、溶解(機械的、化学的、酵素的など)、精製、遠心分離、分離などにより前処理し、標的分子への接近を促進させることができる。サンプルを標識して、標的分子(ビオチン、蛍光、放射活性、発光、化学、又は酵素標識など)の存在の決定を促進することもできる。サンプルの核酸は、加えて、分離、処理、濃縮、精製、逆転写、増幅、断片化などすることができる。特定の実施態様において、サンプルの核酸はRNA、最も顕著にはサンプルのmRNAである。非常に特定の実施態様において、核酸は、RNAの、最も顕著にはmRNA、又はRNAから調製されたcDNA、最も顕著にはサンプルのmRNAの増幅の産物である。
【0077】
好ましい実施態様において、生物学的サンプルは、全血(即ち、分離段階を受けていない)のサンプルであり、それは、場合により、希釈することができる。
【0078】
本発明は、任意の哺乳動物、好ましくはヒトに適用可能である。本発明の方法は、アルツハイマー病の、最も顕著には、ヒトにおけるアルツハイマー病の存在又は重症度もしくは進行の程度の検出のために特に有用である。このように、実施例に提供するデータは、本発明によって、アルツハイマー病の存在を、70%より高い感度及び70%より高い特異性で検出することができることを示す。実際には、臨床検査に基づく健常な患者の現行の診断における偽陽性の割合は、約15%〜30%であり、AD患者の現行の診断における偽陽性の割合は、複数の臨床検査に基づき、15%であることが公知である。確定診断は、脳の剖検から死後にだけ確立することができる。
【0079】
本願の特定の目的は、ヒト被験者においてアルツハイマー病の存在又は進化を検出するための方法に関し、ヒト被験者の生物学的サンプルにおける、以下:
a)配列番号1〜1754より選択される配列を含む核酸、又は少なくとも15、好ましくは少なくとも16、17、18、19、20、25、もしくは30個の連続塩基を有するその特有のフラグメント、
b)a)の配列に相補的な配列を有する核酸、ならびに
c)a)又はb)の核酸によりコードされるポリペプチド
より選択される標的分子の存在(もしくは非存在又は(相対)量)の組み合わせ決定を含む。好ましくは、方法は、上に定めるような5、10、20、30、40、50、もしくは60個又はそれ以上の標的分子の存在、非存在、又は量の組み合わせ決定を含む。
【0080】
本願の別の特定の目的は、ヒト被験者においてアルツハイマー病の存在又は進行を検出するための方法に関し、発現プロファイルを得るために、核酸を含む被験者からの生物学的サンプルと、(i)少なくとも15、好ましくは少なくとも16、17、18、19、20、25、もしくは30個の連続塩基を有する配列番号1〜1754より選択される配列又はそのフラグメントを含む核酸及び(ii)(i)の配列に相補的な配列を有する核酸、より選択される1つ又は好ましくはいくつかの標的分子に相補的及び/又は特異的な配列を含む核酸が固定される支持体を含む産物を接触させることを含み、プロファイルは、前記のヒト被験者によるアルツハイマー病の存在、重症度/進行の程度、又は発症リスクを示す。好ましくは、産物は、上に言及する少なくとも5、10、20、30、40、50、60個又はそれ以上の別々の遺伝子又はRNAに相補的及び/又は特異的な配列を含む別々の核酸を含む。
【0081】
本願の別の目的は、(i)少なくとも15、好ましくは少なくとも16、17、18、19、20、25、もしくは30個の連続塩基を有する配列番号1〜1754より選択される配列又はそのフラグメントを含む核酸及び(ii)(i)の配列に相補的な配列を有する核酸より選択される1つ又は好ましくはいくつかの標的分子に相補的及び/又は特異的な配列を含む核酸が固定される支持体を含む産物に関する。好ましくは、産物は、先に定めるような少なくとも5、10、20、30、40、50、60個又はそれ以上の遺伝子又はRNAに相補的及び/又は特異的な配列を含む別々の核酸を含む。
【0082】
本願の別の目的は、配列番号1〜1754より選択される配列を含む少なくとも1つ、好ましくはいくつかの核酸、又はその機能的アナログが固定される支持体を含む産物に関する。好ましくは、産物は、上に言及する核酸より選択される少なくとも5、10、20、30、40、50、60個又はそれ以上の種々の核酸を含む。
【0083】
本発明の別の特定の目的は、プローブのセットが固定される支持体を含む産物に関し、セットは、以下:配列番号34、230、341、454、664、811、951、1127、1136、及び1752の核酸配列又はその相補鎖の各々の全て又は部分を含む少なくとも1つのプローブを含む。
【0084】
本発明の別の特定の目的は、プローブのセットが固定される支持体を含む産物に関し、セットは、以下:配列番号34、35、230、316、341、454、593、664、666、811、855、951、1127、1136、1330、1498、及び1752の核酸配列又はその相補鎖の各々の全て又は部分を含む少なくとも1つのプローブを含む。
【0085】
好ましい本発明の産物は、表1に定められるパネル1〜14の1つからの核酸の相補的及び/又は特異的な配列を含む別々の核酸の少なくとも1つのプローブのセットが固定される支持体を含む。
【0086】
典型的には、プローブは配列番号1755〜6532より選択される。
【0087】
本発明は、さらに、先に定めた核酸より選択される少なくとも5、10、20、30、40、50、60個又はそれ以上の種々の核酸を含むコンパートメント又は容器を含むキットに関する。
【0088】
本発明は、また、先に定めるような産物及びハイブリダイゼーション反応用の試薬を含むキットに関する。
【0089】
本発明は、さらに、被験者におけるアルツハイマー病の存在の、又はアルツハイマー病のための処置に対する応答のインビトロ又はエクスビボでの検出のための上に定める産物又はキットの使用に関する。
【0090】
本願の別の目的は、上に定めるような核酸標的、即ち、配列番号1〜1754より選択される配列を含む核酸、少なくとも15、好ましくは少なくとも16、17、18、19、20、25、もしくは30個の連続塩基を有するその特有のフラグメント、その同じ又は機能的なアナログに相補的な配列を有する核酸によりコードされるポリペプチドの少なくとも1つのリガンドが固定される支持体を含む産物に関する。好ましくは、産物は、上に言及するポリペプチドより選択される種々のポリペプチドの少なくとも5、10、20、30、40、50、60個又はそれ以上のリガンドを含む。
【0091】
支持体は、核酸又はポリペプチドの固定を許す、少なくとも1つの表面(平坦である又は平坦ではない、即ち、二又は三次元である)を有する任意の固形又は半固形支持体でありうる。そのような支持体は、例えば、スライド、ビーズ、メンブレン、フィルター、カラム、プレートなどである。それらは、任意の適合する材料、例えば、最も顕著には、ガラス、シリカ、プラスチック、ファイバー、金属、ポリマー、ポリスチレン、テフロンなどから作製することができる。試薬を、公知の技術により支持体の表面上に固定し、又は、核酸の場合において、支持体上に直接的にインサイチュで合成することができる。固定技術は、受動吸着(Inouye et al., J. Clin. Microbiol. 28 (1990) 1469)及び共有結合を含む。技術は、例えば、WO 90/03382及びWO 99/46403に記載されている。支持体上に固定された試薬は、所定の順番で置くことができ、可変の適応可能な密度に従って、形成された複合体の検出及び同定を促進する。
【0092】
一実施態様において、本発明の産物は、長さ5〜100塩基の間の、先に定めるような1つ又は複数の遺伝子又はRNAについて特異的な複数の合成オリゴヌクレオチドを含む。
【0093】
本発明の産物は、典型的には、コントロール分子を含み、それを使用して結果を較正及び/又は標準化する。
【0094】
本願の別の目的は、配列番号1755〜6532より選択される配列の全て又は部分を含む核酸が固定される支持体を含む産物に関する。これらの配列は、配列番号1〜1754の特定のプローブを表わす。そのような産物は、有利には、アルツハイマー病に苦しむ患者の集団を識別しないそれらの特徴について選ばれた核酸を取り込むことができうるが、そのような核酸は産物のための標準化コントロールとして使用される。これらの核酸は、配列番号1755〜6532より選択される配列の全て又は部分に対応しうる。
【0095】
本願の別の目的は、先に定めるような1つ又は複数の遺伝子又はRNAの相補的及び/又は特異的な配列を含む少なくとも1つ、好ましくはいくつかの核酸、ならびに/あるいは、先に定めるような1つ又は複数のポリペプチドの1つ、好ましくはいくつかのリガンドを含むコンパートメント又は容器を含むキットに関する。好ましくは、産物は、上に言及する核酸及びリガンドより選択される少なくとも5、10、20、30、40、50、60個又はそれ以上の種々の核酸及び/又はリガンドを含む。特定の実施態様において、産物は、配列配列番号1〜1754の核酸の各々又は上に定めるようなポリペプチド標的の各々についてのリガンドを含む。別の特定の実施態様において、産物は、配列配列番号1755〜6532の核酸の各々を含む。キットは、さらに、ハイブリダイゼーション又は免疫学的反応用の試薬、ならびに、必要な場合、コントロール及び/又は説明書を含みうる。
【0096】
本発明の別の目的は、哺乳動物の被験者、好ましくはヒトの被験者におけるアルツハイマー病の検出のための上に定めるような産物又はキットの使用に関する。
【0097】
本発明の別の目的は、配列番号1〜1754より選択される配列の核酸、又は少なくとも15の連続塩基、好ましくは少なくとも16、17、18、19、20、25、もしくは30個の連続塩基を含むその特有のフラグメント、又は同に相補的な配列を有する核酸、又はその機能的なアナログに関する。本発明は、また、前記核酸を含むクローニングベクター又は発現ベクター、ならびに1つのそのようなベクター又は核酸を含む任意の組換え細胞に関する。
【0098】
本発明の別の目的は、哺乳動物の被験者におけるアルツハイマー病の検出(主にインビトロ)のための、配列番号1〜1754より選択される配列を含む核酸、又は少なくとも15個の連続塩基、好ましくは少なくとも16、17、18、19、20、25、もしくは30個の連続塩基を含むその特有のフラグメント、又は同に相補的な配列を有する核酸、又はその機能的なアナログの使用に関する。
【0099】
本発明の実施態様の特定の例に従い、血液サンプルをテストされる哺乳動物から採取する。血液サンプルは、場合により、核酸をより接近可能にするような方法で処理し、前記核酸を標識する。核酸を、次に、先に定めるような産物に適用し、発現プロファイルを決定し、被験者におけるアルツハイマー病の存在又は非存在を診断することを可能にする。本発明の方法は単純であり、エクスビボで実施され、血液サンプルからのアルツハイマー病の早期検出を許す。
【0100】
任意の等価の技術を本願の範囲内で実施して、標的分子の存在を決定することができることが理解される。
【0101】
本発明の他の局面及び利点が、以下の実施例の考察時に現れ、それらは例示的及び非制限的として見なさなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1−1】GWSAマイクロアレイ上に存在するプローブの構造。A)タイプB、F、及びTのエクソンプローブならびにタイプC、D、及びEのジャンクションプローブは、最適には、スプライシング事象をカバーする。B)任意の単一のエクソンジャンプをカバーすることができるプローブも、同じ構造を伴って存在する。同様に、エクソン−エクソン(X)、エクソン−イントロン(Z)、及びイントロン−エクソン(Y)ジャンクションプローブも存在する。表に対する説明文。表1.配列 配列番号1〜6532の説明。
【図1−2】表1.配列 配列番号1〜6532の説明。
【図1−3】表1.配列 配列番号1〜6532の説明。
【図1−4】表1.配列 配列番号1〜6532の説明。
【図1−5】表1.配列 配列番号1〜6532の説明。
【図1−6】表1.配列 配列番号1〜6532の説明。
【図1−7】表1.配列 配列番号1〜6532の説明。
【図1−8】表1.配列 配列番号1〜6532の説明。
【図1−9】表1.配列 配列番号1〜6532の説明。
【図1−10】表1.配列 配列番号1〜6532の説明。
【図1−11】表1.配列 配列番号1〜6532の説明。
【図1−12】表1.配列 配列番号1〜6532の説明。
【図1−13】表1.配列 配列番号1〜6532の説明。
【図1−14】表1.配列 配列番号1〜6532の説明。
【図1−15】表1.配列 配列番号1〜6532の説明。
【図1−16】表1.配列 配列番号1〜6532の説明。
【図1−17】表1.配列 配列番号1〜6532の説明。
【図1−18】表1.配列 配列番号1〜6532の説明。
【図1−19】表1.配列 配列番号1〜6532の説明。
【図1−20】表1.配列 配列番号1〜6532の説明。
【図1−21】表1.配列 配列番号1〜6532の説明。
【図1−22】表1.配列 配列番号1〜6532の説明。
【図1−23】表1.配列 配列番号1〜6532の説明。
【図1−24】表1.配列 配列番号1〜6532の説明。
【図1−25】表1.配列 配列番号1〜6532の説明。
【図1−26】表1.配列 配列番号1〜6532の説明。
【図1−27】表1.配列 配列番号1〜6532の説明。
【図1−28】表1.配列 配列番号1〜6532の説明。
【図1−29】表1.配列 配列番号1〜6532の説明。
【図1−30】表1.配列 配列番号1〜6532の説明。
【図1−31】表1.配列 配列番号1〜6532の説明。
【図1−32】表1.配列 配列番号1〜6532の説明。
【図1−33】表1.配列 配列番号1〜6532の説明。
【図1−34】表1.配列 配列番号1〜6532の説明。
【図1−35】表1.配列 配列番号1〜6532の説明。
【図1−36】表1.配列 配列番号1〜6532の説明。
【図1−37】表1.配列 配列番号1〜6532の説明。
【図1−38】表1.配列 配列番号1〜6532の説明。
【図1−39】表1.配列 配列番号1〜6532の説明。
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【図1−90】表1.配列 配列番号1〜6532の説明。
【図1−91】表1.配列 配列番号1〜6532の説明。
【図1−92】表1.配列 配列番号1〜6532の説明。
【図1−93】表1.配列 配列番号1〜6532の説明。
【図1−94】表1.配列 配列番号1〜6532の説明。
【図1−95】表1.配列 配列番号1〜6532の説明。
【図1−96】表1.配列 配列番号1〜6532の説明。
【図1−97】表1.配列 配列番号1〜6532の説明。
【図1−98】表1.配列 配列番号1〜6532の説明。
【図1−99】表1.配列 配列番号1〜6532の説明。
【図1−100】表1.配列 配列番号1〜6532の説明。
【図1−101】表1.配列 配列番号1〜6532の説明。
【図1−102】表1.配列 配列番号1〜6532の説明。
【図1−103】表1.配列 配列番号1〜6532の説明。
【図1−104】表1.配列 配列番号1〜6532の説明。
【図1−105】表1.配列 配列番号1〜6532の説明。
【図1−106】表2.各パネル1〜14のプローブセットのリスト。
【図1−107】表2.各パネル1〜14のプローブセットのリスト。
【図1−108】表2.各パネル1〜14のプローブセットのリスト。
【図1−109】表2.各パネル1〜14のプローブセットのリスト。
【図1−110】表2.各パネル1〜14のプローブセットのリスト。
【図1−111】表2.各パネル1〜14のプローブセットのリスト。
【図1−112】表2.各パネル1〜14のプローブセットのリスト。
【図1−113】表2.各パネル1〜14のプローブセットのリスト。
【図1−114】表2.各パネル1〜14のプローブセットのリスト。
【図1−115】表2.各パネル1〜14のプローブセットのリスト。
【図1−116】表2.各パネル1〜14のプローブセットのリスト。
【図1−117】表2.各パネル1〜14のプローブセットのリスト。
【図1−118】表2.各パネル1〜14のプローブセットのリスト。
【図1−119】表2.各パネル1〜14のプローブセットのリスト。
【図1−120】表2.各パネル1〜14のプローブセットのリスト。
【図1−121】表2.各パネル1〜14のプローブセットのリスト。
【図1−122】表2.各パネル1〜14のプローブセットのリスト。
【図1−123】表2.各パネル1〜14のプローブセットのリスト。
【図1−124】表2.各パネル1〜14のプローブセットのリスト。
【図1−125】表2.各パネル1〜14のプローブセットのリスト。
【図1−126】表2.各パネル1〜14のプローブセットのリスト。
【図1−127】表2.各パネル1〜14のプローブセットのリスト。
【図1−128】表2.各パネル1〜14のプローブセットのリスト。
【図1−129】表2.各パネル1〜14のプローブセットのリスト。
【図1−130】表2.各パネル1〜14のプローブセットのリスト。
【図1−131】表2.各パネル1〜14のプローブセットのリスト。
【図1−132】表2.各パネル1〜14のプローブセットのリスト。
【図1−133】表2.各パネル1〜14のプローブセットのリスト。
【図1−134】表2.各パネル1〜14のプローブセットのリスト。
【図1−135】表2.各パネル1〜14のプローブセットのリスト。
【図1−136】表2.各パネル1〜14のプローブセットのリスト。
【図1−137】表2.各パネル1〜14のプローブセットのリスト。
【図1−138】表2.各パネル1〜14のプローブセットのリスト。
【図1−139】表2.各パネル1〜14のプローブセットのリスト。
【図1−140】表2.各パネル1〜14のプローブセットのリスト。
【図1−141】表2.各パネル1〜14のプローブセットのリスト。
【図1−142】表2.各パネル1〜14のプローブセットのリスト。
【図1−143】表2.各パネル1〜14のプローブセットのリスト。
【図1−144】表2.各パネル1〜14のプローブセットのリスト。
【図1−145】表2.各パネル1〜14のプローブセットのリスト。
【0103】
実施例1: アルツハイマー病用のバイオマーカーの同定
1.1. 生物学的サンプルの特徴
以下に提示する実施例は、最初に、177個の血液サンプル(2.5mlの全血、2つのPaxGeneチューブに採取した)中の177個又は100個を用いて実施した。これらのサンプルは、DSM−IV基準に従ってアルツハイマー病の可能性が高いと診断された90人の患者をカバーする。これらの患者は、平均年齢78.08歳(標準偏差:6.67歳)を有した。これらの患者は、MMSE(ミニメンタルステート検査)スコア27未満(平均スコア17.16;標準偏差6.04)を提示した。加えて、臨床検査後に認知症ではないと宣告された(AD患者と同程度の年齢の)87人の被験者も募集された(平均年齢69.71歳、標準偏差6.53歳;平均MMSE 29.31、標準偏差0.97を伴う)。
【0104】
1.2. 血液サンプルからの全RNAの抽出
血液サンプルをPAXGene(商標)Blood RNAチューブ(PreAnalytix, Hombrechtikon, CH)中に直接的に回収した。血液サンプルを採取する工程後、及び、完全な細胞溶解を得るために、チューブを室温で4時間にわたり放置し、次に、生物学的サンプルの抽出まで−20℃又は−80℃で保存した。より正確には、このプロトコールにおいて、全RNAを、PAXGene Blood RNA(登録商標)キット(PreAnalytix)を使用して、製造者の推奨事項に従うことにより抽出した。簡単には、チューブを、核酸のペレットを得るために、遠心分離(10分、3,000g)した。このペレットを洗浄し、タンパク質消化(55℃で10分)のために必要なプロテイナーゼKを含む緩衝液中に取った。追加の遠心分離(3分、14,000g)を実施して、細胞の細片を除去し、エタノールを、核酸を結合するための条件を最適化するために加えた。全RNAをPAXgene RNAスピンカラム上に特異的に結合させ、それらを溶出する前に、混入DNAをRNAseフリーDNAseセット(Qiagen, Hilden, Germany)を使用して消化した。抽出された全RNAの質及び量を、RNA 6000 NanoChipキット(Agilent Technologies, Santa Clara, CA)を伴うAgilent 2100 Bioanalyserを使用して電気泳動図を実施することにより評価した。品質基準を満たすサンプルだけをさらなる分析のために使用した。
【0105】
1.3. ゲノム規模のSpliceArray(商標)(GWSA)
マイクロアレイによる転写物の網羅的発現の検出及び定量化には、プローブの特定の構造の使用が要求される。任意の参照メッセンジャーRNA/スプライシングバリアント対を、長いアイソフォーム/短いアイソフォームとしてモデル化することができる(図1A)。このように、エクソンジャンプに関連するスプライシングバリアントは、参照バリアントと比較して短いアイソフォームでありうる。新たなエクソンを含む又はイントロンを保持するスプライシングバリアントは、参照バリアントと比較して長いアイソフォームでありうる。他の選択的スプライシング事象(5’又は3’の潜在性のスプライス部位の使用)も同じ様式でモデル化することができる。
【0106】
スプライシングバリアントの発現を測定するために必要なプローブのセットも図1Aに示す。このセットは、3つの伝統的なエクソンプローブF、T、及びB、ならびに3つのエクソン−エクソン又はエクソン−イントロンC、D、及びEジャンクションプローブで構成される。プローブF及びTは両方のアイソフォームの発現を測定し、プローブB、C、及びDは長いアイソフォームの発現を測定し、プローブEは短い型の発現を測定する。
【0107】
全てのこれらのプローブを設計するために、ヒト遺伝子に対応するスプライシング事象、次に、プローブが設計されうる「標的」領域を同定することが必要である。ジャンクションプローブC、D、及びEに対応する標的配列を、30ヌクレオチドの長さ、ジャンクション部のいずれかの側での15ヌクレオチドにより定める。このように、25ヌクレオチドのプローブによる任意のジャンクション部、例えば、11/14、12/13、又は13/12(スラッシュ(/)はジャンクション領域を表わす)を「カバーする」ことが可能である。
【0108】
GWSAチップは、スプライシングバリアントの存在を考慮に入れることにより、ヒトゲノムの発現の徹底的に完全なカバーを提供することが可能なマイクロアレイである。20,649のヒト遺伝子を選択し、次に、分析し、公知のスプライシング事象及び関連する潜在性を同定した。これらの遺伝子の90%超がそのような事象に関連しうる。上に記載するプローブを、およそ140,000の同定されたスプライシング事象から設計した。加えて、単一のエクソンジャンプに対応するスプライシング事象について特異的なプローブの使用も、そのような事象の存在を予測することを可能にする(図1B)。さらに、各遺伝子の各々のエクソン−エクソン、エクソン−イントロン、及びイントロン−エクソン領域をカバーするジャンクションプローブの取り込みも、エクソンの5’及び3’末端に影響を与えるスプライシング事象を特徴付けることを可能にする(図1B)。3つの異なるプローブを標的配列により設計し、プローブセット中に組み合わせた。個別のプローブの発現値を、プローブセット値において統合した。時折、プローブセットは、標的配列に対する制限が制約しすぎた場合、わずか2つ又はさらには1つのプローブだけを含みうる。GWSAは、Affymetrix GeneChip(登録商標)プラットフォーム上に解像度5ミクロンで構築された個別に設計されたマイクロアレイである。GWSAは、MAQC基準に従った品質管理に合格した(Microarray Quality Control; Shi et al., Nat Biotechnol. 2006; 24 (9): 1151-61)。
【0109】
1.4. RNA増幅
50ngの全RNAを、WT-Ovation(商標)Pico RNA Amplification Systemキット(NuGen, San Carlos, CA)を使用した標的合成のためのマトリクスとして使用した。FL-Ovation(商標)cDNA Biotin Module(NuGen, San Carlos, CA)を次に使用して、増幅した5μgのcDNAの断片化ならびにビオチン標識を行った。種々の工程を、製造者の説明書に従うことにより実施した。各々の増幅/断片化/標識シリーズは、AD患者及びコントロールからの等しい数のサンプルを含んだ。抽出された相補DNAの質及び量を、Agilentの2100 Bioanalyser及びNanoChip RNA 6000キット(Agilent Technologies, Santa Clara, CA)を使用して電気泳動図を実施することにより評価した。
【0110】
1.5. GWSAチップ上でのハイブリダイゼーション
増幅され、ビオチンを用いて標識された5μgのcDNAをハイブリダイゼーションにより使用する。Affymetrix(Affymetrix, Santa Clara, CA)により推奨される標準的な方法を、GWSAマイクロアレイへの標的のハイブリダイゼーションのために適用した。DNAチップを次に洗浄し、特異的なハイブリダイゼーションを以下のAffymetrixの推奨事項に従うことにより明らかにした。ハイブリダイゼーションシグナルを、GeneChip(登録商標)3000 7Gスキャナーを使用して検出した。
【0111】
1.6. データ検索及び標準化
チップをスキャンした後に得られたCELファイルを、次に、オリゴヌクレオチドプローブのGCにおける組成の機能としてのバックグラウンドシグナルの調整、RMAによるバックグラウンドシグナルの補正、アレイの分位点正規化、及びプローブセット(1 455 607 PS)における各オリゴヌクレオチドについて測定された発現値の統合のためにPartek Genomic Suites(商標)(Partek Incorporated, St. Louis, MI)中にインポートした。
【0112】
データを、次に、プローブセットの発現値に関してフィルター処理し、閾値発現レベルを6.2(対数2スケール)に設定し(プローブの完全セット(361 299 PS)に関する発現値の分布頻度に基づく)、分散に関しては、閾値を0.3に設定した(299 577 PS)。
【0113】
実施例2. サインの選択
識別サインのトレーニンググループを、バイナリー分類アルゴリズムならびに5及び10倍クロス検証(Partek Genomic Suites(商標))を使用した目的変数ありのクラスタリング分析のために使用した。ノンパラメトリック検定(一元配置ANOVA)を、プローブセットにより得られた発現値の分析のために実施し、サインにおいて統合された変数の選択のためのフィルター処理ツールとして使用した。トレーニンググループによる最適な分類モデルを、次に、サインの成績、即ち、特異性(%コントロール患者の適切な分類)及び感度(AD患者の適切な分類)の同定のためにテストグループに適用した。
【0114】
モデルをテストし、各々のモデルの成績をトレーニンググループの全てについて評価した。最も高い成績平均を伴う14個のサインを選択して、アルツハイマー病に苦しむ患者と非認知症コントロール患者の間を識別した。これらのパネル1〜14を構成するマーカーのリストを表2に与える。最初の試験におけるこれらのパネルの成績を、以下の表にまとめる:
【0115】
【表1】

【0116】
実施例3. コントロール患者を、アルツハイマー病(AD)に苦しむ患者から、血液サンプルから識別するための発現プロファイルの実証
約21,000個の遺伝子を表わす完全ヒトトランスクリプトームの発現を分析して、AD患者と非認知症コントロール(NDT)患者の間で、GWSAマイクロアレイを使用して比較した。実施例2に言及する分析の全てによって、1754個の関連標的配列のセットが明らかになった(表1を参照のこと。配列番号1〜1754)。
【0117】
本発明者らは、次に、これらの1754個の配列のサブセットに関連するプローブセットの同時発現を試験して、アルツハイマー病についての特定の発現プロファイルを得た。
【0118】
これらのサインの成績を、このサインの定義において参加していなかった、盲検試験において募集された個人のテストセット(検証セット)に関して評価した。成績値を実施例2に記載する。
【0119】
遺伝子のレベルでのサイン分析によって、10個の遺伝子が14個のパネルの全てに共通することが明らかになった。対応する遺伝子のリストを以下に与える(パネル15)。
【0120】
【表2】

【0121】
アルツハイマー病を検出するための全てのプローブの好ましい例は、このように、以下:
− 配列配列番号34の又はそれに相補的な配列の全て又は部分を各々が含む、重複する又は重複しない1〜3個のプローブ;
− 配列配列番号230の又はそれに相補的な配列の全て又は部分を各々が含む、重複する又は重複しない1〜3個のプローブ;
− 配列配列番号341の又はそれに相補的な配列の全て又は部分を各々が含む、重複する又は重複しない1〜3個のプローブ;
− 配列配列番号454の又はそれに相補的な配列の全て又は部分を各々が含む、重複する又は重複しない1〜3個のプローブ;
− 配列配列番号664の又はそれに相補的な配列の全て又は部分を各々が含む、重複する又は重複しない1〜3個のプローブ;
− 配列配列番号811の又はそれに相補的な配列の全て又は部分を各々が含む、重複する又は重複しない1〜3個のプローブ;
− 配列配列番号951の又はそれに相補的な配列の全て又は部分を各々が含む、重複する又は重複しない1〜3個のプローブ;
− 配列配列番号1127の又はそれに相補的な配列の全て又は部分を各々が含む、重複する又は重複しない1〜3個のプローブ;
− 配列配列番号1136の又はそれに相補的な配列の全て又は部分を各々が含む、重複する又は重複しない1〜3個のプローブ;及び
− 配列配列番号1752の又はそれに相補的な配列の全て又は部分を各々が含む、重複する又は重複しない1〜3個のプローブ
を含む。
【0122】
実施例4. コントロール患者を、アルツハイマー病(AD)に苦しむ患者から、血液サンプルから識別するための発現プロファイルの実証
遺伝子レベルでのサインの分析によって、最良の成績を提示する5個のパネルに共通する17個のマーカーを選択することが可能になった。これらの17個のマーカー(実施例3の10個のマーカーを含む)のリストを以下に与える(パネル16)。
【0123】
【表3】

【0124】
アルツハイマー病を検出するための全てのプローブの別の好ましい例は、このように、以下:
− 配列配列番号34の又はそれに相補的な配列の全て又は部分を各々が含む、重複する又は重複しない1〜3個のプローブ;
− 配列配列番号35の又はそれに相補的な配列の全て又は部分を各々が含む、重複する又は重複しない1〜3個のプローブ;
− 配列配列番号230の又はそれに相補的な配列の全て又は部分を各々が含む、重複する又は重複しない1〜3個のプローブ;
− 配列配列番号316の又はそれに相補的な配列の全て又は部分を各々が含む、重複する又は重複しない1〜3個のプローブ;
− 配列配列番号341の又はそれに相補的な配列の全て又は部分を各々が含む、重複する又は重複しない1〜3個のプローブ;
− 配列配列番号454の又はそれに相補的な配列の全て又は部分を各々が含む、重複する又は重複しない1〜3個のプローブ;
− 配列配列番号593の又はそれに相補的な配列の全て又は部分を各々が含む、重複する又は重複しない1〜3個のプローブ;
− 配列配列番号664の又はそれに相補的な配列の全て又は部分を各々が含む、重複する又は重複しない1〜3個のプローブ;
− 配列配列番号666の又はそれに相補的な配列の全て又は部分を各々が含む、重複する又は重複しない1〜3個のプローブ;
− 配列配列番号811の又はそれに相補的な配列の全て又は部分を各々が含む、重複する又は重複しない1〜3個のプローブ;
− 配列配列番号855の又はそれに相補的な配列の全て又は部分を各々が含む、重複する又は重複しない1〜3個のプローブ;
− 配列配列番号951の又はそれに相補的な配列の全て又は部分を各々が含む、重複する又は重複しない1〜3個のプローブ;
− 配列配列番号1127の又はそれに相補的な配列の全て又は部分を各々が含む、重複する又は重複しない1〜3個のプローブ;
− 配列配列番号1136の又はそれに相補的な配列の全て又は部分を各々が含む、重複する又は重複しない1〜3個のプローブ;
− 配列配列番号1330の又はそれに相補的な配列の全て又は部分を各々が含む、重複する又は重複しない1〜3個のプローブ;
− 配列配列番号1498の又はそれに相補的な配列の全て又は部分を各々が含む、重複する又は重複しない1〜3個のプローブ;及び
− 配列配列番号1752の又はそれに相補的な配列の全て又は部分を各々が含む、重複する又は重複しない1〜3個のプローブ
を含む。
【0125】
実施例5. 検出プロトコール
診断テストの段階は以下の通りである:
RNAを、最初に、Paxgeneチューブ中に回収された血液サンプルから抽出する。これらのチューブは、RNAの分解をインビトロで低下させることにより、及び、遺伝子誘導を最小限にすることにより、核酸をインビボで安定化する強い変性添加剤を含む。Paxgene(商標)Blood RNA Kitと使用した場合、採取したサンプルは、遺伝子転写のレベルの正確な検出及び定量化を可能にする。抽出後、サンプルの質を評価し、RNAを、当技術分野において周知である手順により定量化する。
【0126】
RNAを逆転写し、線形に増幅させ、次に断片化し、ビオチンを用いて標識し、最後に、本発明のプローブを含むバイオチップ上にハイブリダイズする。チップを次に洗浄して、ハイブリダイゼーションを明らかにし、次にそれらをスキャンして、各プローブ上でのハイブリダイゼーションのレベルを測定する。ハイブリダイゼーションの結果をインポートして、Partek統計分析ソフトウェアを使用して分析する。
【0127】
サインの適用によって、テストされる患者をADカテゴリー中に及びコントロールカテゴリー中に置くことを可能にする二値応答が与えられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳動物においてアルツハイマー病の存在を検出するための方法であって、相補配列の間でのハイブリダイゼーションを許す条件下で、哺乳動物からの血液サンプルからの核酸とプローブのセットを接触させることを含み、プローブのセットは、発現プロファイルを得るための以下:
− 配列番号34の又はその相補鎖の全て又は部分を含む少なくとも1つのプローブ;
− 配列番号230の又はその相補鎖の全て又は部分を含む少なくとも1つのプローブ;
− 配列番号341の又はその相補鎖の全て又は部分を含む少なくとも1つのプローブ;
− 配列番号454の又はその相補鎖の全て又は部分を含む少なくとも1つのプローブ;
− 配列番号664の又はその相補鎖の全て又は部分を含む少なくとも1つのプローブ;
− 配列番号811の又はその相補鎖の全て又は部分を含む少なくとも1つのプローブ;
− 配列番号951の又はその相補鎖の全て又は部分を含む少なくとも1つのプローブ;
− 配列番号1127の又はその相補鎖の全て又は部分を含む少なくとも1つのプローブ;
− 配列番号1136の又はその相補鎖の全て又は部分を含む少なくとも1つのプローブ;及び
− 配列番号1752の又はその相補鎖の全て又は部分を含む少なくとも1つのプローブ、
を含み、発現プロファイルは、哺乳動物においてアルツハイマー病の存在に特徴的であり、前記部分は、参照配列の少なくとも15個の連続ヌクレオチドを含む、方法。
【請求項2】
プローブのセットがさらに以下:
− 配列番号35の又はその相補鎖の全て又は部分を含む少なくとも1つのプローブ;
− 配列番号316の又はその相補鎖の全て又は部分を含む少なくとも1つのプローブ;
− 配列番号593の又はその相補鎖の全て又は部分を含む少なくとも1つのプローブ;
− 配列番号666の又はその相補鎖の全て又は部分を含む少なくとも1つのプローブ;
− 配列番号855の又はその相補鎖の全て又は部分を含む少なくとも1つのプローブ;
− 配列番号1330の又はその相補鎖の全て又は部分を含む少なくとも1つのプローブ;及び
− 配列番号1498の又はその相補鎖の全て又は部分を含む少なくとも1つのプローブ
を含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
プローブのセットが、表2に定めるパネル1〜14の1つの各核酸に、又は、少なくとも15、好ましくは少なくとも16、17、18、19、20、25、もしくは30個の連続塩基を有するその特有のフラグメントに、及び/又はその相補鎖に特異的である少なくとも1つのプローブを含む、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
プローブのセットが、各々の標的核酸について、部分的に重複する又は重複しない1〜3個の特異的プローブの群を含む、請求項1〜3のいずれか一項記載の方法。
【請求項5】
プローブが支持体上に固定される、請求項1〜4のいずれか一項記載の方法。
【請求項6】
発現プロファイルがコンピューターソフトウェア方法により分析される、請求項1〜5のいずれか一項記載の方法。
【請求項7】
サンプルが全血のサンプルである、請求項1〜6のいずれか一項記載の方法。
【請求項8】
プローブのセットを固定する支持体を含む産物であって、セットが以下:
− 配列番号34の又はその相補鎖の全て又は部分を含む少なくとも1つのプローブ;
− 配列番号230の又はその相補鎖の全て又は部分を含む少なくとも1つのプローブ;
− 配列番号341の又はその相補鎖の全て又は部分を含む少なくとも1つのプローブ;
− 配列番号454の又はその相補鎖の全て又は部分を含む少なくとも1つのプローブ;
− 配列番号664の又はその相補鎖の全て又は部分を含む少なくとも1つのプローブ;
− 配列番号811の又はその相補鎖の全て又は部分を含む少なくとも1つのプローブ;
− 配列番号951の又はその相補鎖の全て又は部分を含む少なくとも1つのプローブ;
− 配列番号1127の又はその相補鎖の全て又は部分を含む少なくとも1つのプローブ;
−配列番号1136の又はその相補鎖の全て又は部分を含む少なくとも1つのプローブ;及び
− 配列番号1752の又はその相補鎖の全て又は部分を含む少なくとも1つのプローブ、
を含み、上記部分は、参照配列の少なくとも15個の連続ヌクレオチドを含む産物。
【請求項9】
各プローブが、配列番号1〜1754より選択される標的核酸又はその相補鎖に相補的及び/又は特異的な配列を含む、少なくとも2つの別々の核酸プローブが固定される支持体を含む産物。
【請求項10】
表2に定めるパネル1〜14のいずれか1つの核酸に相補的及び/又は特異的な配列を含む別々の核酸プローブの少なくとも1つのセットが固定される支持体を含む、請求項9記載の産物。
【請求項11】
パネル10の170個の核酸又はその相補鎖の各々に相補的及び/又は特異的なプローブが固定される支持体を含む、請求項9記載の産物。
【請求項12】
パネル12の150個の核酸又はその相補鎖の各々に相補的及び/又は特異的なプローブが固定される支持体を含む、請求項9記載の産物。
【請求項13】
パネル13の120個の核酸又はその相補鎖の各々に相補的及び/又は特異的なプローブが固定される支持体を含む、請求項9記載の産物。
【請求項14】
パネル14の250個の核酸又はその相補鎖の各々に相補的及び/又は特異的なプローブが固定される支持体を含む、請求項9記載の産物。
【請求項15】
プローブが配列番号1755〜6532より選択される、請求項9〜14のいずれか一項記載の産物。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれか一項に定める核酸より選択される少なくとも5、10、20、30、40、50、60個又はそれ以上の別々の核酸を含むコンパートメント又は容器を含むキット。
【請求項17】
請求項8〜15のいずれか一項記載の産物及びハイブリダイゼーション反応用の試薬を含むキット。
【請求項18】
被験者におけるアルツハイマー病の存在の、又はアルツハイマー病に対する処置に対する応答のインビトロ又はエクスビボでの検出のための請求項8〜17のいずれか一項記載の産物又はキットの使用。
【請求項19】
被験者におけるアルツハイマー病の存在をインビトロ又はエクスビボで検出するための、請求項1〜5のいずれか一項に定めるプローブのセットの使用。
【請求項20】
増幅反応を許す条件下で、哺乳動物からの血液サンプルからの核酸とプライマーのセットを接触させることを含み、プライマーのセットが、増幅プロファイル又は産物を得るために、以下の標的核酸配列:配列番号34、230、341、454、664、811、951、1127、1136、及び1752又はその相補鎖の各々の全て又は部分を含むプライマーを含み、増幅プロファイル又は産物が該哺乳動物におけるアルツハイマー病の存在に特徴的である、哺乳動物においてアルツハイマー病の存在を検出するための方法。
【請求項21】
アルツハイマー病のインビトロ又はエクスビボでの検出のための、請求項20に言及する各々の標的核酸配列の全て又は部分を含むプライマーを含むプライマーのセットの使用。

【図1−1】
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【図1−2】
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【図1−3】
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【図1−4】
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【図1−5】
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【図1−6】
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【図1−7】
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【図1−8】
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【図1−9】
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【図1−10】
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【図1−145】
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【公表番号】特表2013−500708(P2013−500708A)
【公表日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−522177(P2012−522177)
【出願日】平成22年7月30日(2010.7.30)
【国際出願番号】PCT/EP2010/061087
【国際公開番号】WO2011/012691
【国際公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(599022270)エグゾニ・ソシエテ・アノニム (12)
【氏名又は名称原語表記】EXONHIT SA
【Fターム(参考)】